JPWO2019035294A1 - 交換結合膜ならびにこれを用いた磁気抵抗効果素子および磁気検出装置 - Google Patents

交換結合膜ならびにこれを用いた磁気抵抗効果素子および磁気検出装置 Download PDF

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Abstract

固定磁性層の磁化の向きが反転する磁界(Hex)が大きく高温条件下における安定性が高く、しかも強磁場耐性に優れる交換結合膜として、反強磁性層2と強磁性層を備える固定磁性層3とが積層され、反強磁性層2はPtCr層2A、PtMn層2BおよびIrMn層2Cがこの順番で積層された構造を有し、IrMn層2Cが固定磁性層3に接していることを特徴とする交換結合膜10が提供される。PtMn層2Bの膜厚は12Å以上であることが好ましい場合があり、IrMn層2Cの膜厚は6Å以上であることが好ましい場合があり、PtMn層2Bの膜厚とIrMn層2Cの膜厚との総和が20Å以上であることが好ましい場合がある。

Description

本発明は交換結合膜ならびにこれを用いた磁気抵抗効果素子および磁気検出装置に関する。
反強磁性層と固定磁性層とを備えた交換結合膜は、磁気抵抗効果素子や磁気検出装置として用いられる。特許文献1には、磁気記録用媒体において、強磁性膜としてのCo合金と、反強磁性膜としての種々の合金とを組み合わせることにより交換結合膜を構成できることが記載されている。反強磁性膜としては、CoMn、NiMn、PtMn、PtCrなどの合金が例示されている。
特開2000−215431号公報
磁気検出装置は、磁気効果素子を基板に実装する際、はんだをリフロー処理(溶融処理)する必要があり、また、エンジンの周辺のような高温環境下において、用いられることがある。このため、磁気検出装置に用いられる交換結合膜には、広いダイナミックレンジで磁界を検出可能とするために、固定磁性層の磁化の方向が反転する磁界(Hex)が大きく、高温条件下における安定性が高いことが好ましい。
特許文献1は、磁気記録媒体として用いられる交換結合膜に関するものであることから、交換結合膜を用いた磁気検出装置の高温条件下における安定性については記載されていない。
また、近時、大出力モータなど強磁場発生源の近傍に配置されて強磁場が印加される環境であっても、固定磁性層の磁化の向きが影響を受けにくいこと、すなわち、強磁場耐性が求められている。
本発明は、固定磁性層など反強磁性層と交換結合する強磁性層の磁化の向きが反転する磁界(Hex)が大きく、ゆえに高温条件下における安定性が高く、しかも強磁場耐性に優れる交換結合膜、ならびにこれを用いた磁気抵抗効果素子および磁気検出装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために提供される本発明は、一態様において、反強磁性層と強磁性層とが積層され、前記反強磁性層はPtCr層、PtMn層およびIrMn層がこの順番で前記IrMn層が前記強磁性層に近位になるように積層された構造を有することを特徴とする交換結合膜である。前記IrMn層は前記強磁性層に接するように積層されていてもよいし、前記IrMn層と前記強磁性層との間にさらにPtMn層が積層された構造を有していてもよい。
図1は、本発明に係る交換結合膜の磁化曲線のヒステリシスループを説明する図である。通常、軟磁性体のM−H曲線(磁化曲線)が作るヒステリシスループは、H軸とM軸との交点(磁界H=0A/m、磁化M=0A/m)を中心として対称な形状となるが、図1に示されるように、本発明に係る交換結合膜のヒステリシスループは、反強磁性層と交換結合する強磁性層を備える固定磁性層に対して交換結合磁界Hexが作用するため、交換結合磁界Hexの大きさに応じてH軸に沿ってシフトした形状となる。交換結合膜の固定磁性層は、この交換結合磁界Hexが大きいほど外部磁界が印加されても磁化の向きが反転しにくいため、良好な固定磁性層となる。
このH軸に沿ってシフトしたヒステリシスループの中心(この中心の磁界強度が交換結合磁界Hexに相当する。)とヒステリシスループのH軸切片との差によって定義される保磁力HcがHexよりも小さい場合には、外部磁場が印加されて交換結合膜の固定磁性層がその外部磁場に沿った方向に磁化されたとしても、外部磁場の印加が終了すれば、保磁力Hcよりも相対的に強いHexによって、固定磁性層の磁化の方向を揃えることが可能となる。すなわち、Hexと保磁力Hcとの関係がHex>Hcである場合には、交換結合膜は良好な強磁場耐性を有する。
そして、上記のHexと保磁力Hcとの関係が顕著である場合には、図1に示されるように、残留磁化M0の飽和磁化Msに対する比(M0/Ms)が負の値となる。すなわち、M0/Msが負の値であれば交換結合膜はより良好な強磁場耐性を有し、M0/Msが負の値でその絶対値が大きければ大きいほど、交換結合膜は優れた強磁場耐性を有する。
本発明に係る交換結合膜は、反強磁性層がPtCr層とPtMn層とIrMn層とからなる構成とすることにより、M0/Msが負の値となって、しかもその絶対値を大きくすることが実現され、それゆえ、優れた強磁場耐性を有する。IrMn層は強磁性層に接するように積層されていてもよいし、IrMn層と強磁性層との間にPtMn層がさらに積層された構造を有していてもよい。
上記の交換結合膜において、前記PtMn層の膜厚が12Å以上であることが好ましい場合があり、前記IrMn層の膜厚が6Å以上であることが好ましい場合があり、前記PtMn層の膜厚と前記IrMn層の膜厚との総和が20Å以上であることが好ましい場合がある。
上記の交換結合膜において、前記PtCr層の膜厚は、前記PtMn層の膜厚と前記IrMn層の膜厚との総和よりも大きくてもよい。この場合において、前記PtCr層の膜厚と、前記PtMn層の膜厚と前記IrMn層の膜厚との総和との比は、5:1〜100:1であることが好ましい場合がある。
上記の交換結合膜において、前記固定磁性層の膜厚は、12Å以上30Å以下であることが好ましい場合がある。
本発明は、別の一態様として、反強磁性層と強磁性層とが積層され、前記反強磁性層は、白金族元素およびNiからなる群から選ばれる一種または二種以上の元素XならびにMnおよびCrを含有するX(Cr−Mn)層を備え、前記X(Cr−Mn)層は、前記強磁性層に相対的に近位な第1領域と、前記強磁性層から相対的に遠位な第2領域とを有し、前記第1領域におけるMnの含有量は、前記第2領域におけるMnの含有量よりも高いことを特徴とする交換結合膜を提供する。かかる交換結合膜では、第1領域のMnが交換結合を強め、第2領域のCrが交換結合膜のブロッキング温度を高めている可能性がある。なお、白金族元素およびNiは、いずれもCrおよびMnと規則相を形成しうる元素である。
上記の交換結合膜において、前記第1領域が前記強磁性層に接していてもよい。
上記の交換結合膜において、前記第1領域は、Mnの含有量のCrの含有量に対する比であるMn/Cr比が0.3以上の部分を有することが、交換結合膜の強磁場耐性を高める観点から好ましい場合がある。前記第1領域は、前記Mn/Cr比が1以上である部分を有することがより好ましい場合がある。
本発明は、他の一態様として、上記の交換結合膜とフリー磁性層とが積層され、前記交換結合膜の強磁性層は、固定磁性層の少なくとも一部を構成することを特徴とする磁気抵抗効果素子を提供する。
本発明は、別の一態様として、上記の磁気抵抗効果素子を備えていることを特徴とする磁気検出装置を提供する。
上記の磁気検出装置は、同一基板上に上記の磁気抵抗効果素子を複数備えており、複数の前記磁気抵抗効果素子には、前記固定磁性層の固定磁化方向が異なるものが含まれていてもよい。
本発明によれば、高温条件下における安定性が向上し、しかも強磁場耐性に優れる交換結合膜が提供される。したがって、本発明の交換結合膜を用いれば、高温環境下や強磁場環境下に置かれても安定な磁気検出装置とすることが可能である。
本発明に係る交換結合膜の磁化曲線のヒステリシスループを説明する図、 本発明の第1の実施形態の交換結合膜10の膜構成を示す説明図、 本発明の第2の実施形態の交換結合膜20の膜構成を示す説明図、 本発明の実施形態の磁気センサ30の回路ブロック図、 磁気センサ30に使用される磁気検出素子11を示す平面図、 実施例1に係る積層体22の膜構成を示す説明図、 M0/MsとHexとの関係を示すグラフ、 Hc/HexとHexとの関係を示すグラフ、 規格化された交換結合磁界と測定温度との関係を示すグラフ、 (a)飽和磁化と固定磁性層の膜厚との関係を示すグラフ、(b)交換結合エネルギーと固定磁性層の膜厚との関係を示すグラフ、および(c)残留磁化/飽和磁化と固定磁性層の膜厚との関係を示すグラフ、 (a)交換結合磁界と固定磁性層の膜厚との関係を示すグラフ、(b)保持力と固定磁性層の膜厚との関係を示すグラフ、および(c)交換結合磁界/保持力と固定磁性層の膜厚との関係を示すグラフ、 実施例3に係る積層体23の膜構成を示す説明図、 実施例1−16に係る積層体22のデプスプロファイル、 図13のデプスプロファイルの一部を拡大したプロファイル、 Mnの含有量に対するCrの含有量の比(Mn/Cr比)を、図14と横軸の範囲を等しくして示したグラフ、 実施例1−16に係る積層体22の製造過程で得られた未アニール積層体のデプスプロファイル、 図16のデプスプロファイルの一部を拡大したプロファイル、 Mnの含有量に対するCrの含有量の比(Mn/Cr比)を、図17と横軸の範囲を等しくして示したグラフ、 実施例3−9に係る積層体22のデプスプロファイル、 図19のデプスプロファイルの一部を拡大したプロファイル、 Mnの含有量に対するCrの含有量の比(Mn/Cr比)を、図20と横軸の範囲を等しくして示したグラフ。
<第1の実施形態>
図2に本発明の第1の実施形態に係る交換結合膜10を使用した磁気検出素子11の膜構成が示されている。
磁気検出素子11は、基板の表面から、下地層1、反強磁性層2、強磁性層からなる固定磁性層3、非磁性材料層4、フリー磁性層5および保護層6の順に積層されて成膜されている。反強磁性層2は、PtCr層2AとPtMn層2BとIrMn層2Cとがこの順番でIrMn層2Cが強磁性層(固定磁性層3)に近位になるように積層された積層構造を有する。IrMn層2Cが固定磁性層3に接するように積層されていてもよい。これら各層は、例えばスパッタ工程やCVD工程で成膜され、成膜後にアニール処理が行われることにより反強磁性層2と固定磁性層3との間に交換結合が生じる。反強磁性層2と固定磁性層3とが本発明の第1の実施の形態の交換結合膜10である。
磁気検出素子11は、いわゆるシングルスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用した積層素子であり、固定磁性層3の固定磁化のベクトルと、フリー磁性層5の外部磁界によって変化する磁化のベクトルとの相対関係で電気抵抗が変化する。
下地層1は、NiFeCr合金(ニッケル・鉄・クロム合金)、CrあるいはTaなどで形成される。本実施形態の交換結合膜10において固定磁性層3の磁化の向きが反転する磁界(以下、適宜「Hex」ともいう)を高くするために、NiFeCr合金が好ましい。
反強磁性層2は、PtCr層2AとPtMn層2BとIrMn層2Cとが積層された構造を有する。このような構造を有することにより残留磁化M0の飽和磁化Msに対する比(M0/Ms)が負の値となって、その絶対値が大きくなりやすい。このとき、交換結合膜10のヒステリシスループの全体が交換結合磁界の磁化の向きにシフトするとともに保磁力Hcが小さくなる。その結果、Hexが大きいだけでなく、強磁場耐性に優れる交換結合膜10が得られる。
交換結合膜10が優れた強磁場耐性を有する観点から、M0/Msは、−0.05以下であることが好ましく、−0.10以下であることがより好ましく、−0.15以下であることがさらに好ましく、−0.20以下であることが特に好ましい。
交換結合膜10の強磁場耐性を高める観点から、PtMn層2Bの膜厚が12Å以上であることが好ましい場合があり、IrMn層2Cの膜厚が6Å以上であることが好ましい場合があり、PtMn層2Bの膜厚D2とIrMn層2Cの膜厚D3との総和が20Å以上であることが好ましい場合がある。これらの条件の少なくとも一つを満たすことにより、上記のM0/Msが負の値となってその絶対値が大きくなる傾向が顕著となる。
Hexを高くするためには、反強磁性層2のPtCr層2Aの膜厚D1は、PtMn層2Bの膜厚D2とIrMn層2Cの膜厚D3との総和よりも大きいことが好ましい。膜厚D1と総和の膜厚D2+D3の比[D1:(D2+D3)]は、5:1〜100:1がより好ましく、10:1〜50:1がさらに好ましい。
Hexを高くする観点から、PtCr層2Aは、PtαCr100at%−α(αは45at%以上62at%以下)であることが好ましく、PtαCr100at%−α(αは47at%以上60at%以下)であることがより好ましく、PtαCr100at%−α(αは50at%以上57at%以下)であることが特に好ましい。
本実施形態では、反強磁性層2をアニール処理して規則化し、強磁性層からなる固定磁性層3との間(界面)で交換結合を生じさせる。この交換結合に基づく磁界(交換結合磁界)によって交換結合膜10のHexを高くするとともに強磁場耐性を向上させる。なお、交換結合膜10に交換結合磁界Hexを生じさせるために行うアニール処理の際に、反強磁性層2のPtCr層2A、PtMn層2BおよびIrMn層2Cに含まれる各原子(Pt,Cr,Mn,Ir)は相互拡散する。
固定磁性層3は、強磁性のCoFe合金(コバルト・鉄合金)で形成される。CoFe合金は、Feの含有割合を高くすることにより、保磁力が高くなる。固定磁性層3はスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果に寄与する層であり、固定磁性層3の固定磁化方向Pが延びる方向が磁気検出素子11の感度軸方向である。交換結合膜10の強磁場耐性を高める観点から、固定磁性層3の膜厚は、12Å以上30Å以下であることが好ましい場合がある。
非磁性材料層4は、Cu(銅)などを用いて形成することができる。
フリー磁性層5は、その材料および構造が限定されるものではないが、例えば、材料としてCoFe合金(コバルト・鉄合金)、NiFe合金(ニッケル・鉄合金)などを用いることができ、単層構造、積層構造、積層フェリ構造などとして形成することができる。
保護層6は、Ta(タンタル)などを用いて形成することができる。
<第2の実施形態>
図3に本発明の第2の実施形態の交換結合膜20を使用した磁気検出素子21の膜構成を示す説明図が示されている。本実施形態では、図2に示す磁気検出素子11と機能が同じ層に同じ符号を付して、説明を省略する。
第2の実施形態の磁気検出素子21では、交換結合膜20が、セルフピン止め構造の固定磁性層3と反強磁性層2とが接合されて構成されている。また、非磁性材料層4とフリー磁性層5が固定磁性層3よりも下側に形成されている点において、図2の磁気検出素子11と相違している。
磁気検出素子21も、いわゆるシングルスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果を利用した積層素子である。固定磁性層3の第1磁性層3Aの固定磁化のベクトルと、フリー磁性層5の外部磁界によって変化する磁化のベクトルとの相対関係で電気抵抗が変化する。
固定磁性層3は、第1磁性層3Aおよび第2磁性層3Cと、これらの二層の間に位置する非磁性中間層3Bと、で構成されたセルフピン止め構造となっている。第1磁性層3Aの固定磁化方向P1と、第2磁性層3Cの固定磁化方向P2とは、相互作用により反平行となっている。非磁性材料層4に隣接する第1磁性層3Aの固定磁化方向P1が固定磁性層3の固定磁化方向である。この固定磁化方向P1が延びる方向が磁気検出素子11の感度軸方向である。
第1磁性層3Aおよび第2磁性層3Cは、FeCo合金(鉄・コバルト合金)で形成される。FeCo合金は、Feの含有割合を高くすることにより、保磁力が高くなる。非磁性材料層4に隣接する第1磁性層3Aはスピンバルブ型の巨大磁気抵抗効果に寄与する層である。
非磁性中間層3BはRu(ルテニウム)などで形成されている。Ruからなる非磁性中間層3Bの膜厚は、3〜5Åまたは8〜10Åであることが好ましい。
なお、交換結合膜10を製造する際、PtCr層2Aなど合金層を成膜する際には、合金を形成する複数種類の金属(PtCr層2Aの場合にはPtおよびCr)を同時に供給してもよいし、合金を形成する複数種類の金属を交互に供給してもよい。前者の具体例として合金を形成する複数種類の金属の同時スパッタが挙げられ、後者の具体例として異なる種類の金属膜の交互積層が挙げられる。合金を形成する複数種類の金属の同時供給が交互供給よりもHexを高めることにとって好ましい場合がある。
<磁気センサの構成>
図4に、図2に示す磁気検出素子11を組み合わせた磁気センサ(磁気検出装置)30が示されている。図4では、固定磁化方向P(図2参照)が異なる磁気検出素子11を、それぞれ11Xa,11Xb,11Ya,11Ybの異なる符号を付して区別している。磁気センサ30では、磁気検出素子11Xa,11Xb,11Ya,11Ybが同一基板上に設けられている。
図4に示す磁気センサ30は、フルブリッジ回路32Xおよびフルブリッジ回路32Yを有している。フルブリッジ回路32Xは、2つの磁気検出素子11Xaと2つの磁気検出素子11Xbとを備えており、フルブリッジ回路32Yは、2つの磁気検出素子11Yaと2つの磁気検出素子11Ybとを備えている。磁気検出素子11Xa,11Xb,11Ya,11Ybはいずれも、図4に示した磁気検出素子11の交換結合膜10の膜構造を備えている。これらを特に区別しない場合、以下適宜、磁気検出素子11と記す。
フルブリッジ回路32Xとフルブリッジ回路32Yとは、検出磁場方向を異ならせるために、図4中に矢印で示した固定磁化方向が異なる磁気検出素子11を用いたものであって、磁場を検出する機構は同じである。そこで、以下では、フルブリッジ回路32Xを用いて磁場を検出する機構を説明する。
フルブリッジ回路32Xは、第1の直列部32Xaと第2の直列部32Xbが並列に接続されて構成されている。第1の直列部32Xaは、磁気検出素子11Xaと磁気検出素子11Xbとが直列に接続されて構成され、第2の直列部32Xbは、磁気検出素子11Xbと磁気検出素子11Xaとが直列に接続されて構成されている。
第1の直列部32Xaを構成する磁気検出素子11Xaと、第2の直列部32Xbを構成する磁気検出素子11Xbに共通の電源端子33に、電源電圧Vddが与えられる。第1の直列部32Xaを構成する磁気検出素子11Xbと、第2の直列部32Xbを構成する磁気検出素子11Xaに共通の接地端子34が接地電位GNDに設定されている。
フルブリッジ回路32Xを構成する第1の直列部32Xaの中点35Xaの出力電位(OutX1)と、第2の直列部32Xbの中点35Xbの出力電位(OutX2)との差動出力(OutX1)−(OutX2)がX方向の検知出力(検知出力電圧)VXsとして得られる。
フルブリッジ回路32Yも、フルブリッジ回路32Xと同様に作用することで、第1の直列部32Yaの中点35Yaの出力電位(OutY1)と、第2の直列部32Ybの中点35Ybの出力電位(OutY2)との差動出力(OutY1)―(OutY2)がY方向の検知出力(検知出力電圧)VYsとして得られる。
図4に矢印で示すように、フルブリッジ回路32Xを構成する磁気検出素子11Xaおよび磁気検出素子11Xbの感度軸方向と、フルブリッジ回路32Yを構成する磁気検出素子11Yaおよび各磁気検出素子11Ybの感度軸方向とは互いに直交している。
図4に示す磁気センサ30では、それぞれの磁気検出素子11のフリー磁性層5の向きが外部磁場Hの方向に倣うように変化する。このとき、固定磁性層3の固定磁化方向Pと、フリー磁性層5の磁化方向との、ベクトルの関係で抵抗値が変化する。
例えば、外部磁場Hが図4に示す方向に作用したとすると、フルブリッジ回路32Xを構成する磁気検出素子11Xaでは感度軸方向と外部磁場Hの方向が一致するため電気抵抗値は小さくなり、一方、磁気検出素子11Xbでは感度軸方向と外部磁場Hの方向が反対であるため電気抵抗値は大きくなる。この電気抵抗値の変化により、検知出力電圧VXs=(OutX1)−(OutX2)が極大となる。外部磁場Hが紙面に対して右向きに変化するにしたがって、検知出力電圧VXsが低くなっていく。そして、外部磁場Hが図3の紙面に対して上向きまたは下向きになると、検知出力電圧VXsがゼロになる。
一方、フルブリッジ回路32Yでは、外部磁場Hが図4に示すように紙面に対して左向きのときは、全ての磁気検出素子11で、フリー磁性層5の磁化の向きが、感度軸方向(固定磁化方向P)に対して直交するため、磁気検出素子11Yaおよび磁気検出素子11Xbの電気抵抗値は同じである。したがって、検知出力電圧VYsはゼロである。図4において外部磁場Hが紙面に対して下向きに作用すると、フルブリッジ回路32Yの検知出力電圧VYs=(OutY1)―(OutY2)が極大となり、外部磁場Hが紙面に対して上向きに変化するにしたがって、検知出力電圧VYsが低くなっていく。
このように、外部磁場Hの方向が変化すると、それに伴いフルブリッジ回路32Xおよびフルブリッジ回路32Yの検知出力電圧VXsおよびVYsも変動する。したがって、フルブリッジ回路32Xおよびフルブリッジ回路32Yから得られる検知出力電圧VXsおよびVYsに基づいて、検知対象の移動方向や移動量(相対位置)を検知することができる。
図4には、X方向と、X方向に直交するY方向の磁場を検出可能に構成された磁気センサ30を示した。しかし、X方向またはY方向の磁場のみを検出するフルブリッジ回路32Xまたはフルブリッジ回路32Yのみを備えた構成としてもよい。
図5に、磁気検出素子11Xaと磁気検出素子11Xbの平面構造が示されている。図4と図5は、BXa−BXb方向がX方向である。図5(A)(B)に、磁気検出素子11Xa,11Xbの固定磁化方向Pが矢印で示されている。磁気検出素子11Xaと磁気検出素子11Xbでは、固定磁化方向PがX方向であり、互いに逆向きである。
図5に示すように、磁気検出素子11Xaと磁気検出素子11Xbは、ストライプ形状の素子部12を有している。素子部12の長手方向がBYa−BYb方向に向けられている。素子部12は複数本が平行に配置されており、隣り合う素子部12の図示右端部が導電部13aを介して接続され、隣り合う素子部12の図示左端部が導電部13bを介して接続されている。素子部12の図示右端部と図示左端部では、導電部13a,13bが互い違いに接続されており、素子部12はいわゆるミアンダ形状に連結されている。磁気検出素子11Xa,11Xbの、図示右下部の導電部13aは接続端子14aと一体化され、図示左上部の導電部13bは接続端子14bと一体化されている。
各素子部12は複数の金属層(合金層)が積層されて構成されている。図2に素子部12の積層構造が示されている。なお、各素子部12は図3に示す積層構造であってもよい。
なお、図4と図5に示す磁気センサ30では、磁気検出素子11を図3に示す第2の実施形態の磁気検出素子21に置き換えることが可能である。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上記の交換結合膜では、IrMn層2Cが固定磁性層3に接している、すなわち、積層された固定磁性層3の上に直接的にIrMn層2Cが積層されているが、IrMn層2Cと固定磁性層3との間にMnを含有する他の層(Mn層およびIrMn層が例示される。)が積層されてもよい。また、本発明に係る交換結合膜において反強磁性層に接する強磁性層は固定磁性層に限定されない。例えば、フリー磁性層の少なくとも一部を構成する強磁性層と反強磁性層とから本発明に係る交換結合膜が構成されていてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
以下の膜構成を備えた交換結合膜40を有する積層体22(図6参照)を交換結合膜40の特性評価の目的で製造した。以下の実施例、比較例および参考例では()内の数値は膜厚(Å)を示す。交換結合膜40を15kOeの磁場中において350℃で20時間アニール処理し、強磁性層からなる固定磁性層3と反強磁性層2の磁化を固定した。
基板/下地層1:NiFeCr(40)/非磁性材料層4:[Cu(40)/Ru(20)]/固定磁性層3:Co40at%Fe60at%(20)/反強磁性層2[IrMn層2C:Ir22at%Mn78at%(D3)/PtMn層2B:Pt50at%Mn50at%(D2)/PtCr層2A:Pt51at%Cr49at%(300)]/
保護層6:Ta(100)
PtMn層2Bの厚さD2は6Åから28Åの範囲で変更した。IrMn層2Cの厚さD3は4Åから10Åの範囲で変更した。
(比較例1−1、比較例1−2)
図6に示される積層体22において、反強磁性層2の積層順番を、固定磁性層3に近位な側からPtMn層2B、IrMn層2C、PtCr層2Aとした。
(比較例2)
図6に示される積層体22において、反強磁性層2の構成をIr22at%Mn78at%(80)としたこと以外は、実施例1と同様にして、交換結合膜10を備える積層体22を得た。
(比較例3)
図6に示される積層体22において、反強磁性層2の構成をPt50at%Mn50at%(300)としたこと以外は、実施例1と同様にして、交換結合膜10を備える積層体22を得た。
(比較例4)
図6に示される積層体22において、反強磁性層2の構成をPt51at%Cr49at%(300)としたこと以外は、実施例1と同様にして、交換結合膜10を備える積層体22を得た。
VSM(振動試料型磁力計)を用いて、各実施例・比較例に係る交換結合膜40の磁化曲線を測定し、得られたヒステリシスループから、交換結合磁界Hex(単位:Oe)、保磁力Hc(単位:Oe)、残留磁化M0の飽和磁化Msに対する比(M0/Ms)および交換結合磁界Hexの保磁力Hcに対する比(Hex/Hc)を求めた。結果を表1に示す。
上記の表1の結果をグラフ化した図7および図8から明らかなように、実施例1に係る構成の反強磁性層2を備える交換結合膜40では、交換結合磁界Hexが800Oe以上と大きくなり、しかも、M0/Msが負の値となり、Hex/Hcが1よりも大きくなった。したがって、実施例1に係る交換結合膜10を備える磁気検出素子(例えば磁気抵抗効果素子)は、高温環境下や強磁場環境下であっても優れた磁気特性を示すことができる。
この点に関し、実施例1−6、比較例3および比較例4に係る交換結合膜40と同様の構造を有するが固定磁性層3の組成がCo90at%Fe10at%厚さが100Åである交換結合膜40を備える積層体22を作製し、これらの積層体22を500℃までの高温環境に置いて、交換結合膜40の交換結合磁界Hexを測定した。各温度での測定値を室温の測定値により規格化した結果を図9に示す。
(実施例2)
積層体22の構成を次のようにした。
基板/下地層1:NiFeCr(40)/非磁性材料層4:[Cu(40)/Ru(10)]/固定磁性層3:Co40at%Fe60at%/反強磁性層2[IrMn層2C:Ir20at%Mn80at%(8)/PtMn層2B:Pt48at%Mn52at%(14)/PtCr層2A:Pt51at%Cr49at%(300)]/保護層6:Ta(100)
固定磁性層3の厚さを、8Åから50Åの範囲で変更した積層体22を用意し、15kOeの磁場中において350℃で20時間アニール処理し、固定磁性層3と反強磁性層2の磁化を固定した。
VSM(振動試料型磁力計)を用いて、交換結合膜10の飽和磁化Ms(単位:emu/cc)交換結合磁界Hex(単位:Oe)、交換結合エネルギーJ(単位:erg/cm)、保磁力Hc(単位:Oe)、残留磁化M0の飽和磁化Msに対する比(M0/Ms)および交換結合磁界Hexの保磁力Hcに対する比(Hex/Hc)を測定・算出した。結果を表2に示す。
表2、および表2に基づき作成された図10および図11から明らかなように、固定磁性層3の厚さによって交換結合膜10の特性が変化する。実施例2の結果によれば、交換結合磁界Hexを高くすることとM0/Msを負の値にすることとを安定的に両立する観点から、固定磁性層3の厚さは、12Å以上30Å以下であることが好ましい。
(実施例3)
以下の膜構成を備えた交換結合膜40を有する積層体23(図12参照)を交換結合膜40の特性評価の目的で製造した。交換結合膜40を15kOeの磁場中において350℃で20時間アニール処理し、固定磁性層3と反強磁性層2の磁化を固定した。
基板/下地層1:NiFeCr(40)/非磁性材料層4:[Cu(40)/Ru(10)]/固定磁性層3:Co40at%Fe60at%(20)/反強磁性層2[PtMn層2D:Pt50at%Mn50at%(D4)/IrMn層2C:Ir22at%Mn78at%(D3)/PtMn層2B:Pt50at%Mn50at%(12)/PtCr層2A:Pt51at%Cr49at%(300)]/保護層6:Ta(100)
PtMn層2Dの厚さD4は2Åから8Åの範囲で変更した。IrMn層2Cの厚さD3は6Åから10Åの範囲で変更した。
VSM(振動試料型磁力計)を用いて、各実施例・比較例に係る交換結合膜40の磁化曲線を測定し、得られたヒステリシスループから、交換結合磁界Hex(単位:Oe)、保磁力Hc(単位:Oe)、残留磁化M0の飽和磁化Msに対する比(M0/Ms)および交換結合磁界Hexの保磁力Hcに対する比(Hex/Hc)を求めた。結果を表3に示す。
IrMn層2Cよりも固定磁性層3に近位にさらにPtMn層2Dが積層されることにより、残留磁化M0/飽和磁化Msが負の値で絶対値が大きくなりやすく、Hex/Hcの値が正の値で絶対値が大きくなりやすいことが確認された。
(測定例1)
実施例1−16に係る積層体22について、保護層6側からアルゴンスパッタリングしながらオージェ電子分光装置により表面分析を行うことによって、深さ方向におけるPt,Ir,CrおよびMnの含有量分布(デプスプロファイル)を得た。アルゴンによるスパッタ速度はSiO換算で求め、1.1nm/分であった。
図13は、実施例1−16に係る積層体22のデプスプロファイルである。図14は、図13の一部を拡大したものである。いずれについても、固定磁性層3および非磁性材料層4の深さ位置を確認するために、Co(固定磁性層3の構成元素の1つ)およびRu(非磁性材料層4の反強磁性層2側を構成する元素)についてもデプスプロファイルに含めた。図13に示されるように、実施例1−16に係る積層体22には、深さ20nm程度から深さ50nm程度の範囲に反強磁性層2が位置していることが確認された。実施例1−16に係る積層体22の反強磁性層2は成膜時の厚さが32.6nmであるから、デプスプロファイルの横軸に示される深さの精度が妥当であることが確認された。
この反強磁性層2は、白金族元素およびNiからなる群から選ばれる一種または二種以上の元素XとしてのPtおよびIrならびにMnおよびCrを含有するX(Cr−Mn)層を備え、具体的には(Pt−Ir)(Cr−Mn)層からなるものであった。そして、X(Cr−Mn)層((Pt−Ir)(Cr−Mn)層)は、固定磁性層3に相対的に近位な第1領域R1と、固定磁性層3から相対的に遠位な第2領域R2とを有すること、および第1領域R1におけるMnの含有量は、第2領域R2におけるMnの含有量よりも高いことが確認された。
このようなMnの含有量が相対的に高い領域(第1領域R1)を、固定磁性層3に相対的に近位な領域に、具体的には固定磁性層3に接するように有することにより、実施例1−16に係る積層体22の交換結合膜40では高い交換結合磁界Hexが生じていると考えられる。その一方で、相対的にMnの含有量が低くCrの含有量が高い領域、具体的には、実質的にMnを含有せずCrを含有する領域を第2領域R2として有することにより、反強磁性層2のブロッキング温度が高くなっている可能性がある。
図15は、デプスプロファイルにより求められた各深さのMnの含有量およびCrの含有量に基づき算出された、Mnの含有量のCrの含有量に対する比(Mn/Cr比)を、図14と横軸の範囲を等しくして示したグラフである。図15に示される結果に基づき、本明細書において、Mn/Cr比が0.1となる深さを第1領域R1と第2領域R2との境界とする。すなわち、反強磁性層2において、固定磁性層3に近位な領域でMn/Cr比が0.1以上の領域を第1領域R1と定義し、反強磁性層2における第1領域以外の領域を第2領域と定義する。この定義に基づくと、実施例1−16に係る積層体22において第1領域R1と第2領域R2との境界は深さ44.5nm程度に位置した。
Mn/Cr比が大きいことは交換結合磁界Hexの大きさに影響を与えるのみならず、積層体22の交換結合膜40のヒステリシス特性の改善にも寄与している可能性がある。すなわち、Mn/Cr比が大きいほど、残留磁化M0/飽和磁化Msが負の値で絶対値が大きくなりやすく、Hex/Hcの値が正の値で絶対値が大きくなりやすい。具体的には、第1領域R1は、M・BR>氏^Cr比が0.3以上の部分を有することが好ましく、Mn/Cr比が0.7以上の部分を有することがより好ましく、Mn/Cr比が1以上の部分を有することが特に好ましい。
なお、反強磁性層2と固定磁性層3との境界は、固定磁性層3の厚さが20Å(2nm)であることから、固定磁性層3に含まれる元素であるCoの含有量のピークの最大値から反強磁性層2側に1nm移動した位置(深さ50nm)とした。第1領域R1のMnは、アニール処理により規則化する際に第2領域R2側に優先的に拡散している可能性があるため、Mnの含有量のピークに基づいては第1領域R1と第2領域R2との境界を規定しなかった。こうして定義される第1領域R1の厚さは、約5.5nm(50nm−44.5nm)であった。
確認のため、実施例1−16に係る積層体22を製造する過程で得られた膜についても、同様にデプスプロファイルを得た。具体的には、実施例1−16に係る交換結合膜40を製造するために各層を成膜してアニール処理を行う前の段階である積層体(未アニール積層体)について、デプスプロファイルを得た。その結果を、図16から図18に示す。
図16から図18に示されるように、反強磁性層2における第1領域R1と第2領域R2との境界は深さ43nmに位置し、反強磁性層2と固定磁性層3との境界は深さ47nmに位置した。図15に示されるように、Mnの含有量を示すピークは、第1領域R1内において深さ44nm程度に極大値を有するピークと深さ46nm程度に極大値を有するピークとが重なって得られる形状を有していた。これらのピークは、PtMn層2BおよびIrMn層2Cに対応しているものと考えられる。また、未アニール積層体の反強磁性層2における第1領域R1の厚さは約3nm(47nm−44nm)であって、積層体22の反強磁性層2における第1領域R1の厚さ(約5.5nm)よりも狭く、この差はアニール処理によってMnが第2領域側に拡散したことに基づくと考えられる。さらに、図16においてMn/Cr比が1以上となる領域が反強磁性層2よりも固定磁性層3側に広く位置していた。この結果は、アニール処理によりPtCr層2AからのCrが固定磁性層3側へと拡散していることを意味していると考えられる。
実施例3−9に係る積層体23についてもデプスプロファイルを得た。その結果を、図19から図21に示す。実施例3−9に係る積層体23では、反強磁性層2の第1領域R1と第2領域R2との境界は深さ41nm程度に位置し、反強磁性層2と固定磁性層3との境界は深さ47.5nm程度に位置した。したがって、反強磁性層2における第1領域R1の厚さは約6.5nm(47.5nm−41nm)であった。実施例3−9に係る積層体23は、実施例1−16に係る積層体22に比べて、固定磁性層3に近位な側にPtMn層2Dが8Å積層されてなるものであることを考慮すれば、これらの厚さの算出結果は妥当であった。また、実施例3−9に係る積層体23では、第1領域R1においてMn/Cr比が1以上となる部分がより明確に確認された。
Hex 交換結合磁界
Hc 保持力
M0 残留磁化
Ms 飽和磁化
10,20,40 交換結合膜
1 下地層
2 反強磁性層
2A PtCr層
2B PtMn層
2C IrMn層
2D PtMn層
3 固定磁性層(強磁性層)
3A 第1磁性層
3B 非磁性中間層
3C 第2磁性層
4 非磁性材料層
5 フリー磁性層
6 保護層
D1 PtCr層2Aの膜厚
D2 PtMn層2Bの膜厚
D3 IrMn層2Cの膜厚
11,11Xa,11Xb,11Ya,11Yb,21 磁気検出素子
22,23 積層体
30 磁気センサ(磁気検出装置)
P 固定磁性層3の固定磁化方向
P1 第1磁性層3Aの固定磁化方向
P2 第2磁性層3Cの固定磁化方向
32X,32Y フルブリッジ回路
33 電源端子
Vdd 電源電圧
34 接地端子
GND 接地電位
32Xa フルブリッジ回路32Xの第1の直列部
35Xa 第1の直列部32Xaの中点
OutX1 第1の直列部32Xaの中点35Xaの出力電位
32Xb フルブリッジ回路32Xの第2の直列部
35Xb 第2の直列部32Xbの中点
OutX2 第2の直列部32Xbの中点35Xbの出力電位
VXs X方向の検知出力(検知出力電圧)
32Ya フルブリッジ回路32Yの第1の直列部
35Ya 第1の直列部32Yaの中点
OutY1 第1の直列部32Yaの中点35Yaの出力電位
32Yb フルブリッジ回路32Y第2の直列部
35Yb 第2の直列部32Ybの中点
OutY2 第2の直列部32Ybの中点35Ybの出力電位
VYs Y方向の検知出力(検知出力電圧)
H 外部磁場
12 素子部
13a,13b 導電部
14a,14b 接続端子
R1 第1領域
R2 第2領域

Claims (16)

  1. 反強磁性層と強磁性層とが積層され、
    前記反強磁性層はPtCr層、PtMn層およびIrMn層がこの順番で前記IrMn層が前記強磁性層に近位になるように積層された構造を有することを特徴とする交換結合膜。
  2. 前記IrMn層は前記強磁性層に接するように積層される、請求項1に記載の交換結合膜。
  3. 前記PtMn層の膜厚が12Å以上である、請求項1または2に記載の交換結合膜。
  4. 前記IrMn層の膜厚が6Å以上である、請求項1から3のいずれか1項に記載の交換結合膜。
  5. 前記PtMn層の膜厚と前記IrMn層の膜厚との総和が20Å以上である、請求項1から4のいずれか1項に記載の交換結合膜。
  6. 前記PtCr層の膜厚は、前記PtMn層の膜厚と前記IrMn層の膜厚との総和よりも大きい、請求項1から5のいずれか1項に記載の交換結合膜。
  7. 前記PtCr層の膜厚と、前記PtMn層の膜厚と前記IrMn層の膜厚との総和との比は、5:1〜100:1である、請求項6に記載の交換結合膜。
  8. 前記強磁性層の膜厚は、12Å以上30Å以下である、請求項1から7のいずれか1項に記載の交換結合膜。
  9. 前記IrMn層と前記強磁性層との間にさらにPtMn層が積層された構造を有する、請求項1に記載の交換結合膜。
  10. 反強磁性層と強磁性層とが積層され、
    前記反強磁性層は、白金族元素およびNiからなる群から選ばれる一種または二種以上の元素XならびにMnおよびCrを含有するX(Cr−Mn)層を備え、
    前記X(Cr−Mn)層は、前記強磁性層に相対的に近位な第1領域と、前記強磁性層から相対的に遠位な第2領域とを有し、
    前記第1領域におけるMnの含有量は、前記第2領域におけるMnの含有量よりも高いこと
    を特徴とする交換結合膜。
  11. 前記第1領域が前記強磁性層に接している、請求項10に記載の交換結合膜。
  12. 前記第1領域は、Mnの含有量のCrの含有量に対する比であるMn/Cr比が0.3以上の部分を有する、請求項10または11に記載の交換結合膜。
  13. 前記第1領域は、前記Mn/Cr比が1以上である部分を有する、請求項12に記載の交換結合膜。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の交換結合膜とフリー磁性層とが積層され、前記交換結合膜の強磁性層は、固定磁性層の少なくとも一部を構成することを特徴とする磁
    気抵抗効果素子。
  15. 請求項14に記載の磁気抵抗効果素子を備えていることを特徴とする磁気検出装置。
  16. 同一基板上に請求項14に記載の磁気抵抗効果素子を複数備えており、
    複数の前記磁気抵抗効果素子には、前記固定磁性層の固定磁化方向が異なるものが含まれる請求項15に記載の磁気検出装置。
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