以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
2.技術的特徴
3.応用例
4.まとめ
<<1.はじめに>>
<本実施形態における無線通信システム>
本実施形態において、無線通信システムは、基地局装置1および端末装置2を少なくとも具備する。基地局装置1は複数の端末装置を収容できる。基地局装置1は、他の基地局装置とX2インタフェースの手段によって互いに接続できる。また、基地局装置1は、S1インタフェースの手段によってEPC(Evolved Packet Core)に接続できる。さらに、基地局装置1は、S1−MMEインタフェースの手段によってMME(Mobility Management Entity)に接続でき、S1−Uインタフェースの手段によってS−GW(Serving Gateway)に接続できる。S1インタフェースは、MMEおよび/またはS−GWと基地局装置1との間で、多対多の接続をサポートしている。また、本実施形態において、基地局装置1および端末装置2は、それぞれLTEおよび/またはNRをサポートする。
<本実施形態における無線アクセス技術>
本実施形態において、基地局装置1および端末装置2は、それぞれ1つ以上の無線アクセス技術(RAT)をサポートする。例えば、RATは、LTEおよびNRを含む。1つのRATは、1つのセル(コンポーネントキャリア)に対応する。すなわち、複数のRATがサポートされる場合、それらのRATは、それぞれ異なるセルに対応する。本実施形態において、セルは、下りリンクリソース、上りリンクリソース、および/または、サイドリンクの組み合わせである。また、以下の説明において、LTEに対応するセルはLTEセルと呼称され、NRに対応するセルはNRセルと呼称される。
下りリンクの通信は、基地局装置1から端末装置2に対する通信である。下りリンク送信は、基地局装置1から端末装置2に対する送信であり、下りリンク物理チャネルおよび/または下りリンク物理信号の送信である。上りリンクの通信は、端末装置2から基地局装置1に対する通信である。上りリンク送信は、端末装置2から基地局装置1に対する送信であり、上りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理信号の送信である。サイドリンクの通信は、端末装置2から別の端末装置2に対する通信である。サイドリンク送信は、端末装置2から別の端末装置2に対する送信であり、サイドリンク物理チャネルおよび/またはサイドリンク物理信号の送信である。
サイドリンクの通信は、端末装置間の近接直接検出および近接直接通信のために定義される。サイドリンクの通信は、上りリンクおよび下りリンクと同様なフレーム構成を用いることができる。また、サイドリンクの通信は、上りリンクリソースおよび/または下りリンクリソースの一部(サブセット)に制限されうる。
基地局装置1および端末装置2は、下りリンク、上りリンクおよび/またはサイドリンクにおいて、1つ以上のセルの集合を用いる通信をサポートできる。複数のセルの集合または複数のセルの集合による通信は、キャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティとも呼称される。キャリアアグリゲーションとデュアルコネクティビティの詳細は後述される。また、それぞれのセルは、所定の周波数帯域幅を用いる。所定の周波数帯域幅における最大値、最小値および設定可能な値は、予め規定できる。
図1は、本実施形態におけるコンポーネントキャリアの設定の一例を示す図である。図1の例では、1つのLTEセルと2つのNRセルが設定される。1つのLTEセルは、プライマリーセルとして設定される。2つのNRセルは、それぞれプライマリーセカンダリーセルおよびセカンダリーセルとして設定される。2つのNRセルは、キャリアアグリゲーションにより統合される。また、LTEセルとNRセルは、デュアルコネクティビティにより統合される。なお、LTEセルとNRセルは、キャリアアグリゲーションにより統合されてもよい。図1の例では、NRは、プライマリーセルであるLTEセルにより接続をアシストされることが可能であるため、スタンドアロンで通信するための機能のような一部の機能をサポートしなくてもよい。スタンドアロンで通信するための機能は、初期接続に必要な機能を含む。
図2は、本実施形態におけるコンポーネントキャリアの設定の一例を示す図である。図2の例では、2つのNRセルが設定される。2つのNRセルは、それぞれプライマリーセルおよびセカンダリーセルとして設定され、キャリアアグリゲーションにより統合される。この場合、NRセルがスタンドアロンで通信するための機能をサポートすることにより、LTEセルのアシストが不要になる。なお、2つのNRセルは、デュアルコネクティビティにより統合されてもよい。
<本実施形態における無線フレーム構成>
本実施形態において、10ms(ミリ秒)で構成される無線フレーム(radio frame)が規定される。無線フレームのそれぞれは2つのハーフフレームから構成される。ハーフフレームの時間間隔は、5msである。ハーフフレームのそれぞれは、5つのサブフレームから構成される。サブフレームの時間間隔は、1msであり、2つの連続するスロットによって定義される。スロットの時間間隔は、0.5msである。無線フレーム内のi番目のサブフレームは、(2×i)番目のスロットと(2×i+1)番目のスロットとから構成される。つまり、無線フレームのそれぞれにおいて、10個のサブフレームが規定される。
サブフレームは、下りリンクサブフレーム、上りリンクサブフレーム、スペシャルサブフレームおよびサイドリンクサブフレームなどを含む。
下りリンクサブフレームは下りリンク送信のために予約されるサブフレームである。上りリンクサブフレームは上りリンク送信のために予約されるサブフレームである。スペシャルサブフレームは3つのフィールドから構成される。3つのフィールドは、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、GP(Guard Period)、およびUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)を含む。DwPTS、GP、およびUpPTSの合計の長さは1msである。DwPTSは下りリンク送信のために予約されるフィールドである。UpPTSは上りリンク送信のために予約されるフィールドである。GPは下りリンク送信および上りリンク送信が行われないフィールドである。なお、スペシャルサブフレームは、DwPTSおよびGPのみによって構成されてもよいし、GPおよびUpPTSのみによって構成されてもよい。スペシャルサブフレームは、TDDにおいて下りリンクサブフレームと上りリンクサブフレームとの間に配置され、下りリンクサブフレームから上りリンクサブフレームに切り替えるために用いられる。サイドリンクサブフレームは、サイドリンク通信のために予約または設定されるサブフレームである。サイドリンクは、端末装置間の近接直接通信および近接直接検出のために用いられる。
単一の無線フレームは、下りリンクサブフレーム、上りリンクサブフレーム、スペシャルサブフレームおよび/またはサイドリンクサブフレームから構成される。また、単一の無線フレームは、下りリンクサブフレーム、上りリンクサブフレーム、スペシャルサブフレームまたはサイドリンクサブフレームのみで構成されてもよい。
複数の無線フレーム構成がサポートされる。無線フレーム構成は、フレーム構成タイプで規定される。フレーム構成タイプ1は、FDDのみに適用できる。フレーム構成タイプ2は、TDDのみに適用できる。フレーム構成タイプ3は、LAA(Licensed Assisted Access)セカンダリーセルの運用のみに適用できる。
フレーム構成タイプ2において、複数の上りリンク−下りリンク構成が規定される。上りリンク−下りリンク構成において、1つの無線フレームにおける10のサブフレームのそれぞれは、下りリンクサブフレーム、上りリンクサブフレーム、およびスペシャルサブフレームのいずれかに対応する。サブフレーム0、サブフレーム5およびDwPTSは常に下りリンク送信のために予約される。UpPTSおよびそのスペシャルサブフレームの直後のサブフレームは常に上りリンク送信のために予約される。
フレーム構成タイプ3において、1つの無線フレーム内の10のサブフレームが下りリンク送信のために予約される。端末装置2は、PDSCHまたは検出信号が送信されないサブフレームを空のサブフレームとして扱うことができる。端末装置2は、所定の信号、チャネルおよび/または下りリンク送信があるサブフレームで検出されない限り、そのサブフレームにいかなる信号および/またはチャネルも存在しないと想定する。下りリンク送信は、1つまたは複数の連続したサブフレームで専有される。その下りリンク送信の最初のサブフレームは、そのサブフレーム内のどこからでも開始されてもよい。その下りリンク送信の最後のサブフレームは、完全に専有されるか、DwPTSで規定される時間間隔で専有されるか、のいずれかであってもよい。
なお、フレーム構成タイプ3において、1つの無線フレーム内の10のサブフレームが上りリンク送信のために予約されてもよい。また、1つの無線フレーム内の10のサブフレームのそれぞれが、下りリンクサブフレーム、上りリンクサブフレーム、スペシャルサブフレームおよびサイドリンクサブフレームのいずれかに対応するようにしてもよい。
基地局装置1は、スペシャルサブフレームのDwPTSにおいて、下りリンク物理チャネルおよび下りリンク物理信号を送信してもよい。基地局装置1は、スペシャルサブフレームのDwPTSにおいて、PBCHの送信を制限できる。端末装置2は、スペシャルサブフレームのUpPTSにおいて、上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号を送信してもよい。端末装置2は、スペシャルサブフレームのUpPTSにおいて、一部の上りリンク物理チャネルおよび上りリンク物理信号の送信を制限できる。
なお、1つの送信における時間間隔はTTI(Transmission Time Interval)と呼称され、LTEにおいて、1ms(1サブフレーム)を1TTIと定義される。
<本実施形態におけるLTEのフレーム構成>
図3は、本実施形態におけるLTEの下りリンクサブフレームの一例を示す図である。図3に示される図は、LTEの下りリンクリソースグリッドとも呼称される。基地局装置1は、端末装置2への下りリンクサブフレームにおいて、LTEの下りリンク物理チャネルおよび/またはLTEの下りリンク物理信号を送信できる。端末装置2は、基地局装置1からの下りリンクサブフレームにおいて、LTEの下りリンク物理チャネルおよび/またはLTEの下りリンク物理信号を受信できる。
図4は、本実施形態におけるLTEの上りリンクサブフレームの一例を示す図である。図4に示される図は、LTEの上りリンクリソースグリッドとも呼称される。端末装置2は、基地局装置1への上りリンクサブフレームにおいて、LTEの上りリンク物理チャネルおよび/またはLTEの上りリンク物理信号を送信できる。基地局装置1は、端末装置2からの上りリンクサブフレームにおいて、LTEの上りリンク物理チャネルおよび/またはLTEの上りリンク物理信号を受信できる。
本実施形態において、LTEの物理リソースは以下のように定義されうる。1つのスロットは複数のシンボルによって定義される。スロットのそれぞれにおいて送信される物理信号または物理チャネルは、リソースグリッドによって表現される。下りリンクにおいて、リソースグリッドは、周波数方向に対する複数のサブキャリアと、時間方向に対する複数のOFDMシンボルによって定義される。上りリンクにおいて、リソースグリッドは、周波数方向に対する複数のサブキャリアと、時間方向に対する複数のSC−FDMAシンボルによって定義される。サブキャリアまたはリソースブロックの数は、セルの帯域幅に依存して決まるようにしてもよい。1つのスロットにおけるシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)のタイプによって決まる。CPのタイプは、ノーマルCPまたは拡張CPである。ノーマルCPにおいて、1つのスロットを構成するOFDMシンボルまたはSC−FDMAシンボルの数は7である。拡張CPにおいて、1つのスロットを構成するOFDMシンボルまたはSC−FDMAシンボルの数は6である。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれはリソースエレメントと称される。リソースエレメントは、サブキャリアのインデックス(番号)とシンボルのインデックス(番号)とを用いて識別される。なお、本実施形態の説明において、OFDMシンボルまたはSC−FDMAシンボルは単にシンボルとも呼称される。
リソースブロックは、ある物理チャネル(PDSCHまたはPUSCHなど)をリソースエレメントにマッピングするために用いられる。リソースブロックは、仮想リソースブロックと物理リソースブロックを含む。ある物理チャネルは、仮想リソースブロックにマッピングされる。仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマッピングされる。1つの物理リソースブロックは、時間領域において所定数の連続するシンボルで定義される。1つの物理リソースブロックは、周波数領域において所定数の連続するサブキャリアとから定義される。1つの物理リソースブロックにおけるシンボル数およびサブキャリア数は、そのセルにおけるCPのタイプ、サブキャリア間隔および/または上位層によって設定されるパラメータなどに基づいて決まる。例えば、CPのタイプがノーマルCPであり、サブキャリア間隔が15kHzである場合、1つの物理リソースブロックにおけるシンボル数は7であり、サブキャリア数は12である。その場合、1つの物理リソースブロックは(7×12)個のリソースエレメントから構成される。物理リソースブロックは周波数領域において0から番号が付けられる。また、同一の物理リソースブロック番号が対応する、1つのサブフレーム内の2つのリソースブロックは、物理リソースブロックペア(PRBペア、RBペア)として定義される。
LTEセルのそれぞれにおいて、あるサブフレームでは、1つの所定のパラメータが用いられる。例えば、その所定のパラメータは、送信信号に関するパラメータ(物理パラメータ)である。送信信号に関するパラメータは、CP長、サブキャリア間隔、1つのサブフレーム(所定の時間長)におけるシンボル数、1つのリソースブロック(所定の周波数帯域)のおけるサブキャリア数、多元接続方式、および、信号波形などを含む。
すなわち、LTEセルでは、下りリンク信号および上りリンク信号は、それぞれ所定の時間長(例えば、サブフレーム)において、1つの所定のパラメータを用いて生成される。換言すると、端末装置2は、基地局装置1から送信される下りリンク信号、および、基地局装置1に送信する上りリンク信号が、それぞれ所定の時間長において、1つの所定のパラメータで生成される、と想定する。また、基地局装置1は、端末装置2に送信する下りリンク信号、および、端末装置2から送信される上りリンク信号が、それぞれ所定の時間長において、1つの所定のパラメータで生成されるように設定する。
<本実施形態におけるNRのフレーム構成>
NRセルのそれぞれにおいて、ある所定の時間長(例えば、サブフレーム)では、1つ以上の所定のパラメータが用いられる。すなわち、NRセルでは、下りリンク信号および上りリンク信号は、それぞれ所定の時間長において、1つ以上の所定のパラメータを用いて生成される。換言すると、端末装置2は、基地局装置1から送信される下りリンク信号、および、基地局装置1に送信する上りリンク信号が、それぞれ所定の時間長において、1つ以上の所定のパラメータで生成される、と想定する。また、基地局装置1は、端末装置2に送信する下りリンク信号、および、端末装置2から送信される上りリンク信号が、それぞれ所定の時間長において、1つ以上の所定のパラメータで生成されるように設定できる。複数の所定のパラメータが用いられる場合、それらの所定のパラメータが用いられて生成される信号は、所定の方法により多重される。例えば、所定の方法は、FDM(Frequency Division Multiplexing)、TDM(Time Division Multiplexing)、CDM(Code Division Multiplexing)および/またはSDM(Spatial Division Multiplexing)などを含む。
NRセルに設定される所定のパラメータの組み合わせは、パラメータセットとして、複数種類を予め規定できる。
図5は、NRセルにおける送信信号に関するパラメータセットの一例を示す図である。図5の例では、パラメータセットに含まれる送信信号に関するパラメータは、サブキャリア間隔、NRセルにおけるリソースブロックあたりのサブキャリア数、サブフレームあたりのシンボル数、および、CP長タイプである。CP長タイプは、NRセルで用いられるCP長のタイプである。例えば、CP長タイプ1はLTEにおけるノーマルCPに相当し、CP長タイプ2はLTEにおける拡張CPに相当する。
NRセルにおける送信信号に関するパラメータセットは、下りリンクおよび上りリンクでそれぞれ個別に規定することができる。また、NRセルにおける送信信号に関するパラメータセットは、下りリンクおよび上りリンクでそれぞれ独立に設定できる。
図6は、本実施形態におけるNRの下りリンクサブフレームの一例を示す図である。図6の例では、パラメータセット1、パラメータセット0およびパラメータセット2を用いて生成される信号が、セル(システム帯域幅)において、FDMされる。図6に示される図は、NRの下りリンクリソースグリッドとも呼称される。基地局装置1は、端末装置2への下りリンクサブフレームにおいて、NRの下りリンク物理チャネルおよび/またはNRの下りリンク物理信号を送信できる。端末装置2は、基地局装置1からの下りリンクサブフレームにおいて、NRの下りリンク物理チャネルおよび/またはNRの下りリンク物理信号を受信できる。
図7は、本実施形態におけるNRの上りリンクサブフレームの一例を示す図である。図7の例では、パラメータセット1、パラメータセット0およびパラメータセット2を用いて生成される信号が、セル(システム帯域幅)において、FDMされる。図7に示される図は、NRの上りリンクリソースグリッドとも呼称される。基地局装置1は、端末装置2への上りリンクサブフレームにおいて、NRの上りリンク物理チャネルおよび/またはNRの上りリンク物理信号を送信できる。端末装置2は、基地局装置1からの上りリンクサブフレームにおいて、NRの上りリンク物理チャネルおよび/またはNRの上りリンク物理信号を受信できる。
<本実施形態におけるアンテナポート>
アンテナポートは、あるシンボルを運ぶ伝搬チャネルが、同一のアンテナポートにおける別のシンボルを運ぶ伝搬チャネルから推測できるようにするために定義される。例えば、同一のアンテナポートにおける異なる物理リソースは、同一の伝搬チャネルで送信されていると想定できる。すなわち、あるアンテナポートにおけるシンボルは、そのアンテナポートにおける参照信号により伝搬チャネルを推定し、復調することができる。また、アンテナポート毎に1つのリソースグリッドがある。アンテナポートは、参照信号によって定義される。また、それぞれの参照信号は、複数のアンテナポートを定義できる。
アンテナポートはアンテナポート番号によって特定または識別される。例えば、アンテナポート0〜3は、CRSが送信されるアンテナポートである。すなわち、アンテナポート0〜3で送信されるPDSCHは、アンテナポート0〜3に対応するCRSで復調できる。
2つのアンテナポートは所定の条件を満たす場合、準同一位置(QCL:Quasi co-location)であると表すことができる。その所定の条件は、あるアンテナポートにおけるシンボルを運ぶ伝搬チャネルの広域的特性が、別のアンテナポートにおけるシンボルを運ぶ伝搬チャネルから推測できることである。広域的特性は、遅延分散、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得および/または平均遅延を含む。
本実施形態において、アンテナポート番号は、RAT毎に異なって定義されてもよいし、RAT間で共通に定義されてもよい。例えば、LTEにおけるアンテナポート0〜3は、CRSが送信されるアンテナポートである。NRにおいて、アンテナポート0〜3は、LTEと同様のCRSが送信されるアンテナポートとすることができる。また、NRにおいて、LTEと同様のCRSが送信されるアンテナポートは、アンテナポート0〜3とは異なるアンテナポート番号とすることができる。本実施形態の説明において、所定のアンテナポート番号は、LTEおよび/またはNRに対して適用できる。
<本実施形態における物理チャネルおよび物理信号>
本実施形態において、物理チャネルおよび物理信号が用いられる。
物理チャネルは、下りリンク物理チャネル、上りリンク物理チャネルおよびサイドリンク物理チャネルを含む。物理信号は、下りリンク物理信号、上りリンク物理信号およびサイドリンク物理信号を含む。
LTEにおける物理チャネルおよび物理信号は、それぞれLTE物理チャネルおよびLTE物理信号とも呼称される。NRにおける物理チャネルおよび物理信号は、それぞれNR物理チャネルおよびNR物理信号とも呼称される。LTE物理チャネルおよびNR物理チャネルは、それぞれ異なる物理チャネルとして定義できる。LTE物理信号およびNR物理信号は、それぞれ異なる物理信号として定義できる。本実施形態の説明において、LTE物理チャネルおよびNR物理チャネルは単に物理チャネルとも呼称され、LTE物理信号およびNR物理信号は単に物理信号とも呼称される。すなわち、物理チャネルに対する説明は、LTE物理チャネルおよびNR物理チャネルのいずれに対しても適用できる。物理信号に対する説明は、LTE物理信号およびNR物理信号のいずれに対しても適用できる。
<本実施形態における下りリンク物理チャネル>
PBCHは、基地局装置1のサービングセルに固有の報知情報であるMIB(Master Information Block)を報知するために用いられる。PBCHは無線フレーム内のサブフレーム0のみで送信される。MIBは、40ms間隔で更新できる。PBCHは10ms周期で繰り返し送信される。具体的には、SFN(System Frame Number)を4で割った余りが0である条件を満たす無線フレームにおけるサブフレーム0においてMIBの初期送信が行なわれ、他の全ての無線フレームにおけるサブフレーム0においてMIBの再送信(repetition)が行われる。SFNは無線フレームの番号(システムフレーム番号)である。MIBはシステム情報である。例えば、MIBは、SFNを示す情報を含む。
PCFICHは、PDCCHの送信に用いられるOFDMシンボルの数に関する情報を送信するために用いられる。PCFICHで示される領域は、PDCCH領域とも呼称される。PCFICHで送信される情報は、CFI(Control Format Indicator)とも呼称される。
PDCCHおよびEPDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。下りリンク制御情報の情報ビットのマッピングが、DCIフォーマットとして定義される。下りリンク制御情報は、下りリンクグラント(downlink grant)および上りリンクグラント(uplink grant)を含む。下りリンクグラントは、下りリンクアサインメント(downlink assignment)または下りリンク割り当て(downlink allocation)とも称する。
PDCCHは、連続する1つまたは複数のCCE(Control Channel Element)の集合によって送信される。CCEは、9つのREG(Resource Element Group)で構成される。REGは、4つのリソースエレメントで構成される。PDCCHがn個の連続するCCEで構成される場合、そのPDCCHは、CCEのインデックス(番号)であるiをnで割った余りが0である条件を満たすCCEから始まる。
EPDCCHは、連続する1つまたは複数のECCE(Enhanced Control Channel Element)の集合によって送信される。ECCEは、複数のEREG(Enhanced Resource Element Group)で構成される。
下りリンクグラントは、あるセル内のPDSCHのスケジューリングに用いられる。下りリンクグラントは、その下りリンクグラントが送信されたサブフレームと同じサブフレーム内のPDSCHのスケジューリングに用いられる。上りリンクグラントは、あるセル内のPUSCHのスケジューリングに用いられる。上りリンクグラントは、その上りリンクグラントが送信されたサブフレームより4つ以上後のサブフレーム内の単一のPUSCHのスケジューリングに用いられる。
DCIには、CRC(Cyclic Redundancy Check)パリティビットが付加される。CRCパリティビットは、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)でスクランブルされる。RNTIは、DCIの目的などに応じて、規定または設定できる識別子である。RNTIは、仕様で予め規定される識別子、セルに固有の情報として設定される識別子、端末装置2に固有の情報として設定される識別子、または、端末装置2に属するグループに固有の情報として設定される識別子である。例えば、端末装置2は、PDCCHまたはEPDCCHのモニタリングにおいて、DCIに付加されたCRCパリティビットに所定のRNTIでデスクランブルし、CRCが正しいかどうかを識別する。CRCが正しい場合、そのDCIは端末装置2のためのDCIであることが分かる。
PDSCHは、下りリンクデータ(Downlink Shared Channel: DL-SCH)を送信するために用いられる。また、PDSCHは、上位層の制御情報を送信するためにも用いられる。
PDCCH領域において、複数のPDCCHが周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。EPDCCH領域において、複数のEPDCCHが周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。PDSCH領域において、複数のPDSCHが周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。PDCCH、PDSCHおよび/またはEPDCCHは周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。
<本実施形態における下りリンク物理信号>
同期信号は、端末装置2が下りリンクの周波数領域および/または時間領域の同期をとるために用いられる。同期信号は、PSS(Primary Synchronization Signal)およびSSS(Secondary Synchronization Signal)を含む。同期信号は無線フレーム内の所定のサブフレームに配置される。例えば、TDD方式において、同期信号は無線フレーム内のサブフレーム0、1、5、および6に配置される。FDD方式において、同期信号は無線フレーム内のサブフレーム0および5に配置される。
PSSは、粗いフレーム/シンボルタイミング同期(時間領域の同期)やセル識別グループの識別に用いられてもよい。SSSは、より正確なフレームタイミング同期やセルの識別、CP長の検出に用いられてもよい。つまり、PSSとSSSを用いることによって、フレームタイミング同期とセル識別を行うことができる。
下りリンク参照信号は、端末装置2が下りリンク物理チャネルの伝搬路推定、伝搬路補正、下りリンクのCSI(Channel State Information、チャネル状態情報)の算出、および/または、端末装置2のポジショニングの測定を行うために用いられる。
CRSは、サブフレームの全帯域で送信される。CRSは、PBCH、PDCCH、PHICH、PCFICH、およびPDSCHの受信(復調)を行うために用いられる。CRSは、端末装置2が下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられてもよい。PBCH、PDCCH、PHICH、およびPCFICHは、CRSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。CRSは、1、2または4のアンテナポートの構成をサポートする。CRSは、アンテナポート0〜3の1つまたは複数で送信される。
PDSCHに関連するURSは、URSが関連するPDSCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。URSは、URSが関連するPDSCHの復調を行なうために用いられる。PDSCHに関連するURSは、アンテナポート5、7〜14の1つまたは複数で送信される。
PDSCHは、送信モードおよびDCIフォーマットに基づいて、CRSまたはURSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。DCIフォーマット1Aは、CRSの送信に用いられるアンテナポートで送信されるPDSCHのスケジューリングに用いられる。DCIフォーマット2Dは、URSの送信に用いられるアンテナポートで送信されるPDSCHのスケジューリングに用いられる。
EPDCCHに関連するDMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。DMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの復調を行なうために用いられる。EPDCCHは、DMRSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。EPDCCHに関連するDMRSは、アンテナポート107〜114の1つまたは複数で送信される。
CSI−RSは、設定されたサブフレームで送信される。CSI−RSが送信されるリソースは、基地局装置1によって設定される。CSI−RSは、端末装置2が下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられる。端末装置2は、CSI−RSを用いて信号測定(チャネル測定)を行う。CSI−RSは、1、2、4、8、12、16、24および32の一部または全部のアンテナポートの設定をサポートする。CSI−RSは、アンテナポート15〜46の1つまたは複数で送信される。なお、サポートされるアンテナポートは、端末装置2の端末装置ケイパビリティ、RRCパラメータの設定、および/または設定される送信モードなどに基づいて決定されてもよい。
ZP CSI−RSのリソースは、上位層によって設定される。ZP CSI−RSのリソースはゼロ出力の電力で送信されてもよい。すなわち、ZP CSI−RSのリソースは何も送信しなくてもよい。ZP CSI−RSの設定したリソースにおいて、PDSCHおよびEPDCCHは送信されない。例えば、ZP CSI−RSのリソースは隣接セルがNZP CSI−RSの送信を行うために用いられる。また、例えば、ZP CSI−RSのリソースはCSI−IMを測定するために用いられる。また、例えば、ZP CSI−RSのリソースはPDSCHなどの所定のチャネルが送信されないリソースである。換言すると、所定のチャネルは、ZP CSI−RSのリソースを除いて(レートマッチングして、パンクチャして)マッピングされる。
<本実施形態における上りリンク物理チャネル>
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる物理チャネルである。上りリンク制御情報は、下りリンクのチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)、PUSCHリソースの要求を示すスケジューリング要求(Scheduling Request: SR)、下りリンクデータ(Transport block: TB, Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するHARQ−ACKを含む。HARQ−ACKは、ACK/NACK、HARQフィードバック、または、応答情報とも称される。また、下りリンクデータに対するHARQ−ACKは、ACK、NACK、またはDTXを示す。
PUSCHは、上りリンクデータ(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)を送信するために用いられる物理チャネルである。また、PUSCHは、上りリンクデータと共にHARQ−ACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられてもよい。また、PUSCHは、チャネル状態情報のみ、または、HARQ−ACKおよびチャネル状態情報のみを送信するために用いられてもよい。
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる物理チャネルである。PRACHは、端末装置2が基地局装置1と時間領域の同期をとるために用いられることができる。また、PRACHは、初期コネクション構築(initial connection establishment)手続き(処理)、ハンドオーバ手続き、コネクション再構築(connection re-establishment)手続き、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、および/または、PUSCHリソースの要求を示すためにも用いられる。
PUCCH領域において、複数のPUCCHが周波数、時間、空間および/またはコード多重される。PUSCH領域において、複数のPUSCHが周波数、時間、空間および/またはコード多重されてもよい。PUCCHおよびPUSCHは周波数、時間、空間および/またはコード多重されてもよい。PRACHは単一のサブフレームまたは2つのサブフレームにわたって配置されてもよい。複数のPRACHが符号多重されてもよい。
<本実施形態における上りリンク物理信号>
UL−DMRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連する。UL−DMRSは、PUSCHまたはPUCCHと時間多重される。基地局装置1は、PUSCHまたはPUCCHの伝搬路補正を行うためにUL−DMRSを用いてもよい。本実施形態の説明において、PUSCHの送信は、PUSCHとUL−DMRSを多重して送信することも含む。本実施形態の説明において、PUCCHの送信は、PUCCHとUL−DMRSを多重して送信することも含む。
SRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連しない。基地局装置1は、上りリンクのチャネル状態を測定するためにSRSを用いてもよい。
SRSは上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルを用いて送信される。つまり、SRSは上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルに配置される。端末装置2は、あるセルのあるシンボルにおいて、SRSと、PUCCH、PUSCHおよび/またはPRACHとの同時送信を制限できる。端末装置2は、あるセルのある上りリンクサブフレームにおいて、その上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルを除くシンボルを用いてPUSCHおよび/またはPUCCHを送信し、その上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルを用いてSRSを送信することができる。つまり、あるセルのある上りリンクサブフレームにおいて、端末装置2は、SRSと、PUSCHおよびPUCCHと、を送信することができる。
SRSにおいて、トリガータイプの異なるSRSとして、トリガータイプ0SRSおよびトリガータイプ1SRSが定義される。トリガータイプ0SRSは、上位層シグナリングによって、トリガータイプ0SRSに関するパラメータが設定される場合に送信される。トリガータイプ1SRSは、上位層シグナリングによって、トリガータイプ1SRSに関するパラメータが設定され、DCIフォーマット0、1A、2B、2C、2D、または4に含まれるSRSリクエストによって送信が要求された場合に送信される。なお、SRSリクエストは、DCIフォーマット0、1A、または4についてはFDDとTDDの両方に含まれ、DCIフォーマット2B、2C、または2DについてはTDDにのみ含まれる。同じサービングセルの同じサブフレームでトリガータイプ0SRSの送信とトリガータイプ1SRSの送信が生じる場合、トリガータイプ1SRSの送信が優先される。トリガータイプ0SRSは、周期的SRSとも呼称される。トリガータイプ1SRSは、非周期的SRSとも呼称される。
<本実施形態における基地局装置1の構成例>
図8は、本実施形態の基地局装置1の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置1は、上位層処理部101、制御部103、受信部105、送信部107、および、送受信アンテナ109、を含んで構成される。また、受信部105は、復号化部1051、復調部1053、多重分離部1055、無線受信部1057、およびチャネル測定部1059を含んで構成される。また、送信部107は、符号化部1071、変調部1073、多重部1075、無線送信部1077、および下りリンク参照信号生成部1079を含んで構成される。
既に説明したように、基地局装置1は、1つ以上のRATをサポートできる。図8に示す基地局装置1に含まれる各部の一部または全部は、RATに応じて個別に構成されうる。例えば、受信部105および送信部107は、LTEとNRとで個別に構成される。また、NRセルにおいて、図8に示す基地局装置1に含まれる各部の一部または全部は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。例えば、あるNRセルにおいて、無線受信部1057および無線送信部1077は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。
上位層処理部101は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行う。また、上位層処理部101は、受信部105、および送信部107の制御を行うために制御情報を生成し、制御部103に出力する。
制御部103は、上位層処理部101からの制御情報に基づいて、受信部105および送信部107の制御を行う。制御部103は、上位層処理部101への制御情報を生成し、上位層処理部101に出力する。制御部103は、復号化部1051からの復号化された信号およびチャネル測定部1059からのチャネル推定結果を入力する。制御部103は、符号化する信号を符号化部1071へ出力する。また、制御部103は、基地局装置1の全体または一部を制御するために用いられる。
上位層処理部101は、RAT制御、無線リソース制御、サブフレーム設定、スケジューリング制御、および/または、CSI報告制御に関する処理および管理を行う。上位層処理部101における処理および管理は、端末装置毎、または基地局装置に接続している端末装置共通に行われる。上位層処理部101における処理および管理は、上位層処理部101のみで行われてもよいし、上位ノードまたは他の基地局装置から取得してもよい。また、上位層処理部101における処理および管理は、RATに応じて個別に行われてもよい。例えば、上位層処理部101は、LTEにおける処理および管理と、NRにおける処理および管理とを個別に行う。
上位層処理部101におけるRAT制御では、RATに関する管理が行われる。例えば、RAT制御では、LTEに関する管理および/またはNRに関する管理が行われる。NRに関する管理は、NRセルにおける送信信号に関するパラメータセットの設定および処理を含む。
上位層処理部101における無線リソース制御では、下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ(RRCパラメータ)、および/または、MAC制御エレメント(CE:Control Element)の生成および/または管理が行われる。
上位層処理部101におけるサブフレーム設定では、サブフレーム設定、サブフレームパターン設定、上りリンク−下りリンク設定、上りリンク参照UL−DL設定、および/または、下りリンク参照UL−DL設定の管理が行われる。なお、上位層処理部101におけるサブフレーム設定は、基地局サブフレーム設定とも呼称される。また、上位層処理部101におけるサブフレーム設定は、上りリンクのトラフィック量および下りリンクのトラフィック量に基づいて決定できる。また、上位層処理部101におけるサブフレーム設定は、上位層処理部101におけるスケジューリング制御のスケジューリング結果に基づいて決定できる。
上位層処理部101におけるスケジューリング制御では、受信したチャネル状態情報およびチャネル測定部1059から入力された伝搬路の推定値やチャネルの品質などに基づいて、物理チャネルを割り当てる周波数およびサブフレーム、物理チャネルの符号化率および変調方式および送信電力などが決定される。例えば、制御部103は、上位層処理部101におけるスケジューリング制御のスケジューリング結果に基づいて、制御情報(DCIフォーマット)を生成する。
上位層処理部101におけるCSI報告制御では、端末装置2のCSI報告が制御される。例えば、端末装置2においてCSIを算出するために想定するためのCSI参照リソースに関する設定が制御される。
受信部105は、制御部103からの制御に従って、送受信アンテナ109を介して端末装置2から送信された信号を受信し、さらに分離、復調、復号などの受信処理を行い、受信処理された情報を制御部103に出力する。なお、受信部105における受信処理は、あらかじめ規定された設定、または基地局装置1が端末装置2に通知した設定に基づいて行われる。
無線受信部1057は、送受信アンテナ109を介して受信された上りリンクの信号に対して、中間周波数への変換(ダウンコンバート)、不要な周波数成分の除去、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルの制御、受信された信号の同相成分および直交成分に基づく直交復調、アナログ信号からデジタル信号への変換、ガードインターバル(Guard Interval: GI)の除去、および/または、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)による周波数領域信号の抽出を行う。
多重分離部1055は、無線受信部1057から入力された信号から、PUCCHまたはPUSCHなどの上りリンクチャネルおよび/または上りリンク参照信号を分離する。多重分離部1055は、上りリンク参照信号をチャネル測定部1059に出力する。多重分離部1055は、チャネル測定部1059から入力された伝搬路の推定値から、上りリンクチャネルに対する伝搬路の補償を行う。
復調部1053は、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM等の変調方式を用いて受信信号の復調を行う。復調部1053は、MIMO多重された上りリンクチャネルの分離および復調を行う。
復号化部1051は、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータおよび/または上りリンク制御情報は制御部103へ出力される。復号化部1051は、PUSCHに対しては、トランスポートブロック毎に復号処理を行う。
チャネル測定部1059は、多重分離部1055から入力された上りリンク参照信号から伝搬路の推定値および/またはチャネルの品質などを測定し、多重分離部1055および/または制御部103に出力する。例えば、チャネル測定部1059は、UL−DMRSを用いてPUCCHまたはPUSCHに対する伝搬路補償を行うための伝搬路の推定値を測定し、SRSを用いて上りリンクにおけるチャネルの品質を測定する。
送信部107は、制御部103からの制御に従って、上位層処理部101から入力された下りリンク制御情報および下りリンクデータに対して、符号化、変調および多重などの送信処理を行う。例えば、送信部107は、PHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を生成および多重し、送信信号を生成する。なお、送信部107における送信処理は、あらかじめ規定された設定、基地局装置1が端末装置2に通知した設定、または、同一のサブフレームで送信されるPDCCHまたはEPDCCHを通じて通知される設定に基づいて行われる。
符号化部1071は、制御部103から入力されたHARQインディケータ(HARQ−ACK)、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳込み符号化、ターボ符号化等の所定の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部1073は、符号化部1071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。下りリンク参照信号生成部1079は、物理セル識別子(PCI:Physical cell identification)、端末装置2に設定されたRRCパラメータなどに基づいて、下りリンク参照信号を生成する。多重部1075は、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号を多重し、所定のリソースエレメントに配置する。
無線送信部1077は、多重部1075からの信号に対して、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)による時間領域の信号への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、中間周波数の信号から高周波数の信号への変換(アップコンバート: up convert)、余分な周波数成分の除去、電力の増幅などの処理を行い、送信信号を生成する。無線送信部1077が出力した送信信号は、送受信アンテナ109から送信される。
<本実施形態における端末装置2の構成例>
図9は、本実施形態の端末装置2の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末装置2は、上位層処理部201、制御部203、受信部205、送信部207、および送受信アンテナ209を含んで構成される。また、受信部205は、復号化部2051、復調部2053、多重分離部2055、無線受信部2057、およびチャネル測定部2059を含んで構成される。また、送信部207は、符号化部2071、変調部2073、多重部2075、無線送信部2077、および上りリンク参照信号生成部2079を含んで構成される。
既に説明したように、端末装置2は、1つ以上のRATをサポートできる。図9に示す端末装置2に含まれる各部の一部または全部は、RATに応じて個別に構成されうる。例えば、受信部205および送信部207は、LTEとNRとで個別に構成される。また、NRセルにおいて、図9に示す端末装置2に含まれる各部の一部または全部は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。例えば、あるNRセルにおいて、無線受信部2057および無線送信部2077は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。
上位層処理部201は、上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、制御部203に出力する。上位層処理部201は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。また、上位層処理部201は、受信部205、および送信部207の制御を行うために制御情報を生成し、制御部203に出力する。
制御部203は、上位層処理部201からの制御情報に基づいて、受信部205および送信部207の制御を行う。制御部203は、上位層処理部201への制御情報を生成し、上位層処理部201に出力する。制御部203は、復号化部2051からの復号化された信号およびチャネル測定部2059からのチャネル推定結果を入力する。制御部203は、符号化する信号を符号化部2071へ出力する。また、制御部203は、端末装置2の全体または一部を制御するために用いられてもよい。
上位層処理部201は、RAT制御、無線リソース制御、サブフレーム設定、スケジューリング制御、および/または、CSI報告制御に関する処理および管理を行う。上位層処理部201における処理および管理は、あらかじめ規定される設定、および/または、基地局装置1から設定または通知される制御情報に基づく設定に基づいて行われる。例えば、基地局装置1からの制御情報は、RRCパラメータ、MAC制御エレメントまたはDCIを含む。また、上位層処理部201における処理および管理は、RATに応じて個別に行われてもよい。例えば、上位層処理部201は、LTEにおける処理および管理と、NRにおける処理および管理とを個別に行う。
上位層処理部201におけるRAT制御では、RATに関する管理が行われる。例えば、RAT制御では、LTEに関する管理および/またはNRに関する管理が行われる。NRに関する管理は、NRセルにおける送信信号に関するパラメータセットの設定および処理を含む。
上位層処理部201における無線リソース制御では、自装置における設定情報の管理が行われる。上位層処理部201における無線リソース制御では、上りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ(RRCパラメータ)、および/または、MAC制御エレメント(CE:Control Element)の生成および/または管理が行われる。
上位層処理部201におけるサブフレーム設定では、基地局装置1および/または基地局装置1とは異なる基地局装置におけるサブフレーム設定が管理される。サブフレーム設定は、サブフレームに対する上りリンクまたは下りリンクの設定、サブフレームパターン設定、上りリンク−下りリンク設定、上りリンク参照UL−DL設定、および/または、下りリンク参照UL−DL設定を含む。なお、上位層処理部201におけるサブフレーム設定は、端末サブフレーム設定とも呼称される。
上位層処理部201におけるスケジューリング制御では、基地局装置1からのDCI(スケジューリング情報)に基づいて、受信部205および送信部207に対するスケジューリングに関する制御を行うための制御情報が生成される。
上位層処理部201におけるCSI報告制御では、基地局装置1に対するCSIの報告に関する制御が行われる。例えば、CSI報告制御では、チャネル測定部2059でCSIを算出するために想定するためのCSI参照リソースに関する設定が制御される。CSI報告制御では、DCIおよび/またはRRCパラメータに基づいて、CSIを報告するために用いられるリソース(タイミング)を制御する。
受信部205は、制御部203からの制御に従って、送受信アンテナ209を介して基地局装置1から送信された信号を受信し、さらに分離、復調、復号などの受信処理を行い、受信処理された情報を制御部203に出力する。なお、受信部205における受信処理は、あらかじめ規定された設定、または基地局装置1からの通知または設定に基づいて行われる。
無線受信部2057は、送受信アンテナ209を介して受信された上りリンクの信号に対して、中間周波数への変換(ダウンコンバート)、不要な周波数成分の除去、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルの制御、受信された信号の同相成分および直交成分に基づく直交復調、アナログ信号からデジタル信号への変換、ガードインターバル(Guard Interval: GI)の除去、および/または、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)による周波数領域の信号の抽出を行う。
多重分離部2055は、無線受信部2057から入力された信号から、PHICH、PDCCH、EPDCCHまたはPDSCHなどの下りリンクチャネル、下りリンク同期信号および/または下りリンク参照信号を分離する。多重分離部2055は、下りリンク参照信号をチャネル測定部2059に出力する。多重分離部2055は、チャネル測定部2059から入力された伝搬路の推定値から、下りリンクチャネルに対する伝搬路の補償を行う。
復調部2053は、下りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の変調方式を用いて受信信号の復調を行う。復調部2053は、MIMO多重された下りリンクチャネルの分離および復調を行う。
復号化部2051は、復調された下りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された下りリンクデータおよび/または下りリンク制御情報は制御部203へ出力される。復号化部2051は、PDSCHに対しては、トランスポートブロック毎に復号処理を行う。
チャネル測定部2059は、多重分離部2055から入力された下りリンク参照信号から伝搬路の推定値および/またはチャネルの品質などを測定し、多重分離部2055および/または制御部203に出力する。チャネル測定部2059が測定に用いる下りリンク参照信号は、少なくともRRCパラメータによって設定される送信モードおよび/または他のRRCパラメータに基づいて決定されてもよい。例えば、DL−DMRSはPDSCHまたはEPDCCHに対する伝搬路補償を行うための伝搬路の推定値を測定する。CRSはPDCCHまたはPDSCHに対する伝搬路補償を行うための伝搬路の推定値、および/または、CSIを報告するための下りリンクにおけるチャネルを測定する。CSI−RSは、CSIを報告するための下りリンクにおけるチャネルを測定する。チャネル測定部2059は、CRS、CSI−RSまたは検出信号に基づいて、RSRP(Reference Signal Received Power)および/またはRSRQ(Reference Signal Received Quality)を算出し、上位層処理部201へ出力する。
送信部207は、制御部203からの制御に従って、上位層処理部201から入力された上りリンク制御情報および上りリンクデータに対して、符号化、変調および多重などの送信処理を行う。例えば、送信部207は、PUSCHまたはPUCCHなどの上りリンクチャネルおよび/または上りリンク参照信号を生成および多重し、送信信号を生成する。なお、送信部207における送信処理は、あらかじめ規定された設定、または、基地局装置1から設定または通知に基づいて行われる。
符号化部2071は、制御部203から入力されたHARQインディケータ(HARQ−ACK)、上りリンク制御情報、および上りリンクデータを、ブロック符号化、畳込み符号化、ターボ符号化等の所定の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部2073は、符号化部2071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。上りリンク参照信号生成部2079は、端末装置2に設定されたRRCパラメータなどに基づいて、上りリンク参照信号を生成する。多重部2075は、各チャネルの変調シンボルと上りリンク参照信号を多重し、所定のリソースエレメントに配置する。
無線送信部2077は、多重部2075からの信号に対して、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)による時間領域の信号への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、中間周波数の信号から高周波数の信号への変換(アップコンバート: up convert)、余分な周波数成分の除去、電力の増幅などの処理を行い、送信信号を生成する。無線送信部2077が出力した送信信号は、送受信アンテナ209から送信される。
<本実施形態における制御情報のシグナリング>
基地局装置1および端末装置2は、それぞれ制御情報のシグナリング(通知、報知、設定)のために、様々な方法を用いることができる。制御情報のシグナリングは、様々な層(レイヤー)で行うことができる。制御情報のシグナリングは、物理層(レイヤー)を通じたシグナリングである物理層シグナリング、RRC層を通じたシグナリングであるRRCシグナリング、および、MAC層を通じたシグナリングであるMACシグナリングなどを含む。RRCシグナリングは、端末装置2に固有の制御情報を通知する専用のRRCシグナリング(Dedicated RRC signaling)、または、基地局装置1に固有の制御情報を通知する共通のRRCシグナリング(Common RRC signaling)である。RRCシグナリングやMACシグナリングなど、物理層から見て上位の層が用いるシグナリングは上位層シグナリングとも呼称される。
RRCシグナリングは、RRCパラメータをシグナリングすることにより実現される。MACシグナリングは、MAC制御エレメントをシグナリングすることにより実現される。物理層シグナリングは、下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)または上りリンクリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)をシグナリングすることにより実現される。RRCパラメータおよびMAC制御エレメントは、PDSCHまたはPUSCHを用いて送信される。DCIは、PDCCHまたはEPDCCHを用いて送信される。UCIは、PUCCHまたはPUSCHを用いて送信される。RRCシグナリングおよびMACシグナリングは、準静的(semi-static)な制御情報をシグナリングするために用いられ、準静的シグナリングとも呼称される。物理層シグナリングは、動的(dynamic)な制御情報をシグナリングするために用いられ、動的シグナリングとも呼称される。DCIは、PDSCHのスケジューリングまたはPUSCHのスケジューリングなどのために用いられる。UCIは、CSI報告、HARQ−ACK報告、および/またはスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)などのために用いられる。
<本実施形態における下りリンク制御情報の詳細>
DCIはあらかじめ規定されるフィールドを有するDCIフォーマットを用いて通知される。DCIフォーマットに規定されるフィールドは、所定の情報ビットがマッピングされる。DCIは、下りリンクスケジューリング情報、上りリンクスケジューリング情報、サイドリンクスケジューリング情報、非周期的CSI報告の要求、または、上りリンク送信電力コマンドを通知する。
端末装置2がモニタするDCIフォーマットは、サービングセル毎に設定された送信モードによって決まる。すなわち、端末装置2がモニタするDCIフォーマットの一部は、送信モードによって異なることができる。例えば、下りリンク送信モード1が設定された端末装置2は、DCIフォーマット1AとDCIフォーマット1をモニタする。例えば、下りリンク送信モード4が設定された端末装置2は、DCIフォーマット1AとDCIフォーマット2をモニタする。例えば、上りリンク送信モード1が設定された端末装置2は、DCIフォーマット0をモニタする。例えば、上りリンク送信モード2が設定された端末装置2は、DCIフォーマット0とDCIフォーマット4をモニタする。
端末装置2に対するDCIを通知するPDCCHが配置される制御領域は通知されず、端末装置2は端末装置2に対するDCIをブラインドデコーディング(ブラインド検出)により検出する。具体的には、端末装置2は、サービングセルにおいて、PDCCH候補のセットをモニタする。モニタリングは、そのセットの中のPDCCHのそれぞれに対して、全てのモニタされるDCIフォーマットによって復号を試みることを意味する。例えば、端末装置2は、端末装置2宛に送信される可能性がある全てのアグリゲーションレベル、PDCCH候補、および、DCIフォーマットについてデコードを試みる。端末装置2は、デコード(検出)が成功したDCI(PDCCH)を端末装置2に対するDCI(PDCCH)として認識する。
DCIに対して、巡回冗長検査(CRC: Cyclic Redundancy Check)が付加される。CRCは、DCIのエラー検出およびDCIのブラインド検出のために用いられる。CRC(CRCパリティビット)は、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)によってスクランブルされる。端末装置2は、RNTIに基づいて、端末装置2に対するDCIかどうかを検出する。具体的には、端末装置2は、CRCに対応するビットに対して、所定のRNTIでデスクランブルを行い、CRCを抽出し、対応するDCIが正しいかどうかを検出する。
RNTIは、DCIの目的や用途に応じて規定または設定される。RNTIは、C−RNTI(Cell-RNTI)、SPS C−RNTI(Semi Persistent Scheduling C-RNTI)、SI−RNTI(System Information-RNTI)、P−RNTI(Paging-RNTI)、RA−RNTI(Random Access-RNTI)、TPC−PUCCH−RNTI(Transmit Power Control-PUCCH-RNTI)、TPC−PUSCH−RNTI(Transmit Power Control-PUSCH-RNTI)、一時的C−RNTI、M−RNTI(MBMS (Multimedia Broadcast Multicast Services) -RNTI)、および、eIMTA−RNTI、CC−RNTIを含む。
C−RNTIおよびSPS C−RNTIは、基地局装置1(セル)内において端末装置2に固有のRNTIであり、端末装置2を識別するための識別子である。C−RNTIは、あるサブフレームにおけるPDSCHまたはPUSCHをスケジューリングするために用いられる。SPS C−RNTIは、PDSCHまたはPUSCHのためのリソースの周期的なスケジューリングをアクティベーションまたはリリースするために用いられる。SI−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、SIB(System Information Block)をスケジューリングするために用いられる。P−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、ページングを制御するために用いられる。RA−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、RACHに対するレスポンスをスケジューリングするために用いられる。TPC−PUCCH−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、PUCCHの電力制御を行うために用いられる。TPC−PUSCH−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、PUSCHの電力制御を行うために用いられる。Temporary C−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、C−RNTIが設定または認識されていない移動局装置によって用いられる。M−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、MBMSをスケジューリングするために用いられる。eIMTA−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、動的TDD(eIMTA)において、TDDサービングセルのTDD UL/DL設定に関する情報を通知するために用いられる。CC−RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネル(DCI)は、LAAセカンダリーセルにおいて、専有OFDMシンボルの設定を通知するために用いられる。なお、上記のRNTIに限らず、新たなRNTIによってDCIフォーマットがスクランブルされてもよい。
スケジューリング情報(下りリンクスケジューリング情報、上りリンクスケジューリング情報、サイドリンクスケジューリング情報)は、周波数領域のスケジューリングとして、リソースブロックまたはリソースブロックグループを単位にスケジューリングを行うための情報を含む。リソースブロックグループは、連続するリソースブロックのセットであり、スケジューリングされる端末装置に対する割り当てられるリソースを示す。リソースブロックグループのサイズは、システム帯域幅に応じて決まる。
<本実施形態における下りリンク制御チャネルの詳細>
DCIはPDCCHまたはEPDCCHなどの制御チャネルを用いて送信される。端末装置2は、RRCシグナリングによって設定された1つまたは複数のアクティベートされたサービングセルのPDCCH候補のセットおよび/またはEPDCCH候補のセットをモニタする。ここで、モニタリングとは、全てのモニタされるDCIフォーマットに対応するセット内のPDCCHおよび/またはEPDCCHのデコードを試みることである。
PDCCH候補のセットまたはEPDCCH候補のセットは、サーチスペースとも呼称される。サーチスペースには、共有サーチスペース(CSS)と端末固有サーチスペース(USS)が定義される。CSSは、PDCCHに関するサーチスペースのみに対して定義されてもよい。
CSS(Common Search Space)は、基地局装置1に固有のパラメータおよび/または予め規定されたパラメータに基づいて設定されるサーチスペースである。例えば、CSSは、複数の端末装置で共通に用いられるサーチスペースである。そのため、基地局装置1が複数の端末装置で共通の制御チャネルをCSSにマッピングすることにより、制御チャネルを送信するためのリソースが低減される。
USS(UE-specific Search Space)は、少なくとも端末装置2に固有のパラメータを用いて設定されるサーチスペースである。そのため、USSは、端末装置2に固有のサーチスペースであり、基地局装置1はUSSによって端末装置2に固有の制御チャネルを個別に送信することができる。そのため、基地局装置1は複数の端末装置に固有の制御チャネルを効率的にマッピングできる。
USSは、複数の端末装置に共通に用いられるように設定されてもよい。複数の端末装置に対して共通のUSSが設定されるために、端末装置2に固有のパラメータは、複数の端末装置の間で同じ値になるように設定される。例えば、複数の端末装置の間で同じパラメータに設定される単位は、セル、送信点、または所定の端末装置のグループなどである。
アグリゲーションレベル毎のサーチスペースはPDCCH候補のセットによって定義される。PDCCHのそれぞれは、1つ以上のCCE(Control Channel Element)の集合を用いて送信される。1つのPDCCHに用いられるCCEの数は、アグリゲーションレベルとも呼称される。例えば、1つのPDCCHに用いられるCCEの数は、1、2、4または8である。
アグリゲーションレベル毎のサーチスペースはEPDCCH候補のセットによって定義される。EPDCCHのそれぞれは、1つ以上のECCE(Enhanced Control Channel Element)の集合を用いて送信される。1つのEPDCCHに用いられるECCEの数は、アグリゲーションレベルとも呼称される。例えば、1つのEPDCCHに用いられるECCEの数は、1、2、4、8、16または32である。
PDCCH候補の数またはEPDCCH候補の数は、少なくともサーチスペースおよびアグリゲーションレベルに基づいて決まる。例えば、CSSにおいて、アグリゲーションレベル4および8におけるPDCCH候補の数はそれぞれ4および2である。例えば、USSにおいて、アグリゲーション1、2、4および8におけるPDCCH候補の数はそれぞれ6、6、2および2である。
それぞれのECCEは、複数のEREG(Enhanced resource element group)で構成される。EREGは、EPDCCHのリソースエレメントに対するマッピングを定義するために用いられる。各RBペアにおいて、0から15に番号付けされる、16個のEREGが定義される。すなわち、各RBペアにおいて、EREG0〜EREG15が定義される。各RBペアにおいて、EREG0〜EREG15は、所定の信号および/またはチャネルがマッピングされるリソースエレメント以外のリソースエレメントに対して、周波数方向を優先して、周期的に定義される。例えば、アンテナポート107〜110で送信されるEPDCCHに関連付けられる復調用参照信号がマッピングされるリソースエレメントは、EREGとして定義されない。
1つのEPDCCHに用いられるECCEの数は、EPDCCHフォーマットに依存し、他のパラメータに基づいて決定される。1つのEPDCCHに用いられるECCEの数は、アグリゲーションレベルとも呼称される。例えば、1つのEPDCCHに用いられるECCEの数は、1つのRBペアにおけるEPDCCH送信に用いることができるリソースエレメントの数、EPDCCHの送信方法などに基づいて、決定される。例えば、1つのEPDCCHに用いられるECCEの数は、1、2、4、8、16または32である。また、1つのECCEに用いられるEREGの数は、サブフレームの種類およびサイクリックプレフィックスの種類に基づいて決定され、4または8である。EPDCCHの送信方法として、分散送信(Distributed transmission)および局所送信(Localized transmission)がサポートされる。
EPDCCHは、分散送信または局所送信を用いることができる。分散送信および局所送信は、EREGおよびRBペアに対するECCEのマッピングが異なる。例えば、分散送信において、1つのECCEは、複数のRBペアのEREGを用いて構成される。局所送信において、1つのECCEは、1つのRBペアのEREGを用いて構成される。
基地局装置1は、端末装置2に対して、EPDCCHに関する設定を行う。端末装置2は、基地局装置1からの設定に基づいて、複数のEPDCCHをモニタリングする。端末装置2がEPDCCHをモニタリングするRBペアのセットが、設定されうる。そのRBペアのセットは、EPDCCHセットまたはEPDCCH−PRBセットとも呼称される。1つの端末装置2に対して、1つ以上のEPDCCHセットが設定できる。各EPDCCHセットは、1つ以上のRBペアで構成される。また、EPDCCHに関する設定は、EPDCCHセット毎に個別に行うことができる。
基地局装置1は、端末装置2に対して、所定数のEPDCCHセットを設定できる。例えば、2つまでのEPDCCHセットが、EPDCCHセット0および/またはEPDCCHセット1として、設定できる。EPDCCHセットのそれぞれは、所定数のRBペアで構成できる。各EPDCCHセットは、複数のECCEの1つのセットを構成する。1つのEPDCCHセットに構成されるECCEの数は、そのEPDCCHセットとして設定されるRBペアの数、および、1つのECCEに用いられるEREGの数に基づいて、決定される。1つのEPDCCHセットに構成されるECCEの数がNである場合、各EPDCCHセットは、0〜N−1で番号付けされたECCEを構成する。例えば、1つのECCEに用いられるEREGの数が4である場合、4つのRBペアで構成されるEPDCCHセットは16個のECCEを構成する。
<本実施形態におけるCAとDCの詳細>
端末装置2は複数のセルが設定され、マルチキャリア送信を行うことができる。端末装置2が複数のセルを用いる通信は、CA(キャリアアグリゲーション)またはDC(デュアルコネクティビティ)と称される。本実施形態に記載の内容は、端末装置2に対して設定される複数のセルのそれぞれまたは一部に適用できる。端末装置2に設定されるセルを、サービングセルとも称する。
CAおいて、設定される複数のサービングセルは、1つのプライマリーセル(PCell: Primary Cell)と1つ以上のセカンダリーセル(SCell: Secondary Cell)とを含む。CAをサポートしている端末装置2に対して、1つのプライマリーセルと1つ以上のセカンダリーセルが設定されうる。
プライマリーセルは、初期コネクション構築(initial connection establishment)手続きが行なわれたサービングセル、コネクション再構築(connection re-establishment)手続きを開始したサービングセル、または、ハンドオーバ手続きにおいてプライマリーセルと指示されたセルである。プライマリーセルは、プライマリー周波数でオペレーションする。セカンダリーセルは、コネクションの構築または再構築以降に設定されうる。セカンダリーセルは、セカンダリー周波数でオペレーションする。なお、コネクションは、RRCコネクションとも称される。
DCは、少なくとも2つの異なるネットワークポイントから提供される無線リソースを所定の端末装置2が消費するオペレーションである。ネットワークポイントは、マスター基地局装置(MeNB: Master eNB)とセカンダリー基地局装置(SeNB: Secondary eNB)である。デュアルコネクティビティは、端末装置2が、少なくとも2つのネットワークポイントでRRC接続を行なうことである。デュアルコネクティビティにおいて、2つのネットワークポイントは、非理想的バックホール(non-ideal backhaul)によって接続されてもよい。
DCにおいて、少なくともS1−MME(Mobility Management Entity)に接続され、コアネットワークのモビリティアンカーの役割を果たす基地局装置1をマスター基地局装置と称される。また、端末装置2に対して追加の無線リソースを提供するマスター基地局装置ではない基地局装置1をセカンダリー基地局装置と称される。マスター基地局装置に関連されるサービングセルのグループは、マスターセルグループ(MCG: Master Cell Group)とも呼称される。セカンダリー基地局装置に関連されるサービングセルのグループは、セカンダリーセルグループ(SCG: Secondary Cell Group)とも呼称される。なお、サービングセルのグループを、セルグループ(CG)と呼称される。
DCにおいて、プライマリーセルは、MCGに属する。また、SCGにおいて、プライマリーセルに相当するセカンダリーセルをプライマリーセカンダリーセル(PSCell: Primary Secondary Cell)と称する。PSCell(pSCellを構成する基地局装置)には、PCell(PCellを構成する基地局装置)と同等の機能(能力、性能)がサポートされてもよい。また、PSCellには、PCellの一部の機能だけがサポートされてもよい。例えば、PSCellには、CSSまたはUSSとは異なるサーチスペースを用いて、PDCCH送信を行なう機能がサポートされてもよい。また、PSCellは、常にアクティベーションの状態であってもよい。また、PSCellは、PUCCHを受信できるセルである。
DCにおいて、無線ベアラ(データ無線ベアラ(DRB: Date Radio Bearer)および/またはシグナリング無線ベアラ(SRB: Signaling Radio Bearer))は、MeNBとSeNBで個別に割り当てられてもよい。MCG(PCell)とSCG(PSCell)に対して、それぞれ個別にデュプレックスモードが設定されてもよい。MCG(PCell)とSCG(PSCell)は、互いに同期されなくてもよい。すなわち、MCGのフレーム境界とSCGのフレーム境界が一致しなくてもよい。MCG(PCell)とSCG(PSCell)に対して、複数のタイミング調整のためのパラメータ(TAG: Timing Advance Group)が独立に設定されてもよい。デュアルコネクティビティにおいて、端末装置2は、MCG内のセルに対応するUCIをMeNB(PCell)のみで送信し、SCG内のセルに対応するUCIをSeNB(pSCell)のみで送信する。それぞれのUCIの送信において、PUCCHおよび/またはPUSCHを用いた送信方法はそれぞれのセルグループで適用される。
PUCCHおよびPBCH(MIB)は、PCellまたはPSCellのみで送信される。また、PRACHは、CG内のセル間で複数のTAG(Timing Advance Group)が設定されない限り、PCellまたはPSCellのみで送信される。
PCellまたはPSCellでは、SPS(Semi-Persistent Scheduling)やDRX(Discontinuous Transmission)を行ってもよい。セカンダリーセルでは、同じセルグループのPCellまたはPSCellと同じDRXを行ってもよい。
セカンダリーセルにおいて、MACの設定に関する情報/パラメータは、基本的に、同じセルグループのPCellまたはPSCellと共有している。一部のパラメータは、セカンダリーセル毎に設定されてもよい。一部のタイマーやカウンタが、PCellまたはPSCellのみに対して適用されてもよい。
CAにおいて、TDD方式が適用されるセルとFDD方式が適用されるセルが集約されてもよい。TDDが適用されるセルとFDDが適用されるセルとが集約される場合に、TDDが適用されるセルおよびFDDが適用されるセルのいずれか一方に対して本開示を適用することができる。
端末装置2は、端末装置2によってCAおよび/またはDCがサポートされているバンド組み合わせを示す情報(supportedBandCombination)を、基地局装置1に送信する。端末装置2は、バンド組み合わせのそれぞれに対して、異なる複数のバンドにおける前記複数のサービングセルにおける同時送信および受信をサポートしているかどうかを指示する情報を、基地局装置1に送信する。
<本実施形態におけるリソース割り当ての詳細>
基地局装置1は、端末装置2にPDSCHおよび/またはPUSCHのリソース割り当ての方法として、複数の方法を用いることができる。リソース割り当ての方法は、動的スケジューリング、セミパーシステントスケジューリング、マルチサブフレームスケジューリング、およびクロスサブフレームスケジューリングを含む。
動的スケジューリングにおいて、1つのDCIは1つのサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。具体的には、あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームにおけるPDSCHに対するスケジューリングを行う。あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより後の所定のサブフレームにおけるPUSCHに対するスケジューリングを行う。
マルチサブフレームスケジューリングにおいて、1つのDCIは1つ以上のサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。具体的には、あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つ以上のサブフレームにおけるPDSCHに対するスケジューリングを行う。あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つ以上のサブフレームにおけるPUSCHに対するスケジューリングを行う。その所定数はゼロ以上の整数にすることができる。その所定数は、あらかじめ規定されてもよいし、物理層シグナリングおよび/またはRRCシグナリングに基づいて決められてもよい。マルチサブフレームスケジューリングにおいて、連続したサブフレームがスケジューリングされてもよいし、所定の周期を有するサブフレームがスケジューリングされてもよい。スケジューリングされるサブフレームの数は、あらかじめ規定されてもよいし、物理層シグナリングおよび/またはRRCシグナリングに基づいて決められてもよい。
クロスサブフレームスケジューリングにおいて、1つのDCIは1つのサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。具体的には、あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つのサブフレームにおけるPDSCHに対するスケジューリングを行う。あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つのサブフレームにおけるPUSCHに対するスケジューリングを行う。その所定数はゼロ以上の整数にすることができる。その所定数は、あらかじめ規定されてもよいし、物理層シグナリングおよび/またはRRCシグナリングに基づいて決められてもよい。クロスサブフレームスケジューリングにおいて、連続したサブフレームがスケジューリングされてもよいし、所定の周期を有するサブフレームがスケジューリングされてもよい。
セミパーシステントスケジューリング(SPS)において、1つのDCIは1つ以上のサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。端末装置2は、RRCシグナリングによってSPSに関する情報が設定され、SPSを有効にするためのPDCCHまたはEPDCCHを検出した場合、SPSに関する処理を有効にし、SPSに関する設定に基づいて所定のPDSCHおよび/またはPUSCHを受信する。端末装置2は、SPSが有効である時にSPSをリリースするためのPDCCHまたはEPDCCHを検出した場合、SPSをリリース(無効に)し、所定のPDSCHおよび/またはPUSCHの受信を止める。SPSのリリースは、所定の条件を満たした場合に基づいて行ってもよい。例えば、所定数の空送信のデータを受信した場合に、SPSはリリースされる。SPSをリリースするためのデータの空送信は、ゼロMAC SDU(Service Data Unit)を含むMAC PDU(Protocol Data Unit)に対応する。
RRCシグナリングによるSPSに関する情報は、SPSのRNTIであるSPS C−RNTI、PDSCHのスケジューリングされる周期(インターバル)に関する情報、PUSCHのスケジューリングされる周期(インターバル)に関する情報、SPSをリリースするための設定に関する情報、および/または、SPSにおけるHARQプロセスの番号を含む。SPSは、プライマリーセルおよび/またはプライマリーセカンダリーセルのみにサポートされる。
<本実施形態におけるNRのフレーム構成>
NRでは、物理チャネルおよび/または物理信号を自己完結型送信(self-contained transmission)によって送信することができる。図10に、本実施形態における自己完結型送信のフレーム構成の一例を示す。自己完結型送信では、1つの送受信は、先頭から連続する下りリンク送信、GP、および連続する下りリンク送信の順番で構成される。連続する下りリンク送信には、少なくとも1つの下りリンク制御情報およびDMRSが含まれる。その下りリンク制御情報は、その連続する下りリンク送信に含まれる下りリンク物理チャネルの受信、またはその連続する上りリンク送信に含まれる上りリンク物理チャネルの送信を指示する。その下りリンク制御情報が下りリンク物理チャネルの受信を指示した場合、端末装置2は、その下りリンク制御情報に基づいてその下りリンク物理チャネルの受信を試みる。そして、端末装置2は、その下りリンク物理チャネルの受信成否(デコード成否)を、GP後に割り当てられる上りリンク送信に含まれる上りリンク制御チャネルによって送信する。一方で、その下りリンク制御情報が上りリンク物理チャネルの送信を指示した場合、その下りリンク制御情報に基づいて送信される上りリンク物理チャネルを上りリンク送信に含めて送信を行う。このように、下りリンク制御情報によって、上りリンクデータの送信と下りリンクデータの送信を柔軟に切り替えることで、上りリンクと下りリンクのトラヒック比率の増減に即座に対応することができる。また、下りリンクの受信成否を直後の上りリンク送信で通知することで、下りリンクの低遅延通信を実現することができる。
単位スロット時間は、下りリンク送信、GP、または上りリンク送信を定義する最小の時間単位である。単位スロット時間は、下りリンク送信、GP、または上りリンク送信のいずれかのために予約される。単位スロット時間の中に、下りリンク送信と上りリンク送信の両方は含まれない。単位スロット時間は、その単位スロット時間に含まれるDMRSと関連付けられるチャネルの最小送信時間としてもよい。1つの単位スロット時間は、例えば、NRのサンプリング間隔(Ts)またはシンボル長の整数倍で定義される。
単位フレーム時間は、スケジューリングで指定される最小時間であってもよい。単位フレーム時間は、トランスポートブロックが送信される最小単位であってもよい。単位スロット時間は、その単位スロット時間に含まれるDMRSと関連付けられるチャネルの最大送信時間としてもよい。単位フレーム時間は、端末装置2において上りリンク送信電力を決定する単位時間であってもよい。単位フレーム時間は、サブフレームと称されてもよい。単位フレーム時間には、下りリンク送信のみ、上りリンク送信のみ、上りリンク送信と下りリンク送信の組み合わせの3種類のタイプが存在する。1つの単位フレーム時間は、例えば、NRのサンプリング間隔(Ts)、シンボル長、または単位スロット時間の整数倍で定義される。
送受信時間は、1つの送受信の時間である。1つの送受信と他の送受信との間は、どの物理チャネルおよび物理信号も送信されない時間(ギャップ)で占められる。端末装置2は、異なる送受信間でCSI測定を平均しなくてもよい。送受信時間は、TTIと称されてもよい。1つの送受信時間は、例えば、NRのサンプリング間隔(Ts)、シンボル長、単位スロット時間、または単位フレーム時間の整数倍で定義される。
<本実施形態におけるNRの上りリンクRS>
NRにおける上りリンクRSは、NR−SR−DMRS、などがある。
NR−SRSの一例を以下に記載する。なお、明記されない特徴は、LTEにおけるSRSと同様とみなすことができる。
NR−SRSは、サブフレーム内またはスロット内における最後のシンボルで送信されなくてもよい。例えば、サブフレーム内またはスロット内における最初のシンボルや途中のシンボルで送信されてもよい。
NR−SRSは、複数のシンボルで連続的に送信されてもよい。例えば、サブフレーム内またはスロット内における最後の数シンボルで送信されてもよい。
NRのアンテナには、デジタルアンテナ構成、アナログアンテナ構成、およびデジタルアンテナ構成とアナログアンテナ構成を複合したハイブリッドアンテナ構成が想定される。
・デジタルアンテナ構成
デジタルアンテナ構成とは、各アンテナ素子に対してデジタル回路(ベースバンド領域)によってアンテナ重みを制御する構成である。
図11は、本実施形態におけるデジタルアンテナ構成の一例を示す概略ブロック図である。図11では、図8に示した基地局装置1の構成における多重部1075、無線送信部1077、および送受信アンテナ109の内部構成の一例が図示されている。なお、アンテナ構成の説明に不要な処理は省略しているが、図8において説明した処理を行う機能は各部が備えているものとする。
デジタルアンテナ構成では、多重部1075は、プリコーディング部を含んで構成される。このプリコーディング部において、各アンテナ素子に対してアンテナ重みが乗算されることで、ビームが形成される。
デジタルアンテナ構成では、各アンテナ素子に対して柔軟な位相制御を行うことが可能であり、周波数領域において異なるビームを生成することができる。一方で、構成は複雑である。
・アナログアンテナ構成
図12は、本実施形態におけるアナログアンテナ構成の一例を示す概略ブロック図である。図12では、図11と同様に、図8に示した基地局装置1の構成における多重部1075、無線送信部1077、および送受信アンテナ109の内部構成の一例が図示されている。なお、アンテナ構成の説明に不要な処理は省略しているが、図8において説明した処理を行う機能は各部が備えているものとする。
アナログアンテナ構成では、無線送信部1077は、位相制御部を含んで構成される。この位相制御部によって、アナログ領域(RF領域)で位相回転させることで、ビームが形成される。
アナログ領域で位相を制御するため柔軟なビーム制御は困難であるが、構成は簡素である。一例として、アンテナスイッチイング構成はアナログアンテナ構成の一部である。
・ハイブリッドアンテナ構成
ハイブリッドアンテナ構成は、デジタルアンテナ構成とアナログアンテナ構成を複合した構成であり、アナログ領域における位相制御素子およびデジタル領域における位相制御素子を併せ持つ。ハイブリッドアンテナ構成は、ビームフォーミングの性能と構成の複雑さに関してデジタルアンテナ構成とアナログアンテナ構成の中間となる特徴を有する。
<本実施形態におけるNRのビーム運用方式>
NRにおいて、単一ビーム運用と複数ビーム運用の2種類の方式が想定される。
・単一ビーム運用
図13は、本実施形態における単一ビーム運用の一例を説明するための図である。図13に示した例では、基地局装置1は、セル11を運用して、セルカバレッジ内に位置する端末装置2と通信する。
単一ビーム運用は、所定のセルカバレッジに対して1つのビームによって運用される方式である。具体的には、所定のセルカバレッジ内において、セル固有の物理チャネルまたは物理信号は1つのビームによって送信される。LTEは、単一ビーム運用であるとみなすこともできる。
・複数ビーム運用
図14は、本実施形態における複数ビーム運用の一例を説明するための図である。図14に示した例では、基地局装置1は、複数のビーム12−1〜12−5(ビームID#1〜#5)を形成して、各々のビームの照射範囲に位置する端末装置2と通信する。
複数ビーム運用は、所定のセルカバレッジに対して1つ以上のビームによって運用される方式である。具体的には、セル固有の物理チャネルまたは物理信号は複数のビームによって送信される。
例えば、アナログビームフォーミングやハイブリッドビームフォーミングでは、所定の時間インスタンスでは所定の方向のビームが送信され、その所定の方向のビーム以外に送信することは困難である。そのため、基地局装置1は、時間インスタンスを切り替えることで、複数の方向にビームが切り替わり、広域をカバーすることができる。すなわち、セル固有の物理チャネルまたは物理信号が送信される所定のビームは、1つの時間インスタンス(時間リソース)で送信される。異なる時間インスタンスでは、異なるビームが送信される。このように、複数ビーム運用では、複数の時間インスタンスで複数のビームを切り替えて運用される。この複数の時間インスタンスで複数のビームを切り替えることは、ビームスイープ(beam sweep)とも呼称される。
なお、デジタルアンテナ構成であっても、複数ビーム運用が行われてもよい。
また、ビームは、チャネルやパス、アンテナ、アンテナポート、などの用語に換言することができる。すなわち、異なるビームを用いた送信は、異なるチャネル、パス、アンテナ、または、アンテナポートを用いた送信であると換言することができる。さらに、ビームは、仮想的なセルとしても、想定することができる。端末装置は、同じセルから送信される異なるビームを異なる仮想セルまたは仮想キャリアとして認識することができる。
<本実施形態におけるNRの適切なビーム選択>
NRにおいて、システムは、下りリンクおよび上りリンクのそれぞれ適切なビームを選択することが好ましい。具体的には、基地局装置の下りリンク送信ビームおよび端末装置の下りリンク受信ビームのそれぞれは、適切なビームが選択されることが好ましい。また、端末装置の上りリンク送信ビームおよび基地局装置の上りリンク受信ビームのそれぞれは、適切なビームが選択されることが好ましい。
基地局装置の適切な下りリンク送信ビームは、受信する端末装置からの報告またはフィードバック情報に基づいて得られることができる。適切な下りリンク送信ビームを得るプロセスの一例を次に示す。基地局装置は、異なる下りリンク送信ビームを用いて所定の既知信号を複数回送信する。端末装置は、その複数回送信された既知信号から、受信強度または受信品質などに基づいて、適切な下りリンク送信ビームを決定し、その適切な下りリンク送信ビームに対応する情報を基地局装置に報告またはフィードバックを行う。これにより、基地局装置は、適切な下りリンク送信ビームを認知することができる。ここで、その既知信号は、NR−SS、MRS、BRS、NR−CSI−RS、NR−DM−RSなどが挙げられる。
または、基地局装置の適切な下りリンク送信ビームは、基地局装置の適切な上りリンク受信ビームに基づいて得ることができる。
端末装置の適切な上りリンク送信ビームは、受信する基地局装置からの報告またはフィードバック情報に基づいて得られることができる。適切な上りリンク送信ビームを得るプロセスの一例を次に示す。端末装置は、異なる上りリンク送信ビームを用いて所定の既知信号を複数回送信する。基地局装置は、その複数回送信された既知信号から、受信強度または受信品質などに基づいて、適切な上りリンク送信ビームを決定し、その適切な上りリンク送信ビームに対応する情報を端末装置に報告または通知を行う。これにより、端末装置は、適切な上りリンク送信ビームを認知することができる。ここで、その既知信号は、NR−PRACH、NR−SRS、NR−DM−RSなどが挙げられる。
または、端末装置の適切な上りリンク送信ビームは、端末装置の適切な下りリンク受信ビームに基づいて得ることができる。
<アンライセンスチャネルのチャネルアクセスプロシージャ>
チャネルアクセス(Channel access、Listen before Talk)プロシージャは、基地局装置または端末装置で送信を行うアンライセンスチャネルにアクセスするために行われる。
チャネルアクセスプロシージャでは、1回または複数回のチャネルのセンシング(sensing)が行われる。そのセンシングの結果に基づいてそのチャネルがアイドル(idle、unoccupied、available、enable)か、またはビジー(busy、occupied、unavailable、disable)かの判定(空き判定)が行われる。チャネルのセンシングでは、所定の待ち時間におけるチャネルの電力がセンス(sense)される。
チャネルアクセスプロシージャの待ち時間の一例として、第一の待ち時間(スロット)、第二の待ち時間、および、第三の待ち時間(延期期間)、第四の待ち時間、が挙げられる。
スロット(slot)は、チャネルアクセスプロシージャにおける、基地局装置および端末装置の待ち時間の単位である。スロットは、例えば、9マイクロ秒で定義される。
第二の待ち時間には、1個のスロットが先頭に挿入されている。第二の待ち時間は、例えば、16マイクロ秒で定義される。
延期期間(defer period)は、第二の待ち時間とその第二の待ち時間に続く複数個の連続したスロットで構成される。その第二の待ち時間に続く複数個の連続したスロットの個数は、QoSを満たすために用いられる優先クラス(priority class)に基づいて決定される。
第四の待ち時間は、第二の待ち時間とその後に続く1つのスロットによって構成される。
基地局装置または端末装置は、所定のスロットの期間に所定のチャネルをセンス(sense)する。その基地局装置または端末装置がその所定のスロット期間内の少なくとも4マイクロ秒に対して検出した電力が所定の電力検出閾値よりも小さい場合、その所定のスロットはアイドル(idle)であるとみなされる。一方で、その電力が所定の電力検出閾値よりも大きい場合、その所定のスロットはビジー(busy)であるとみなされる。
チャネルアクセスプロシージャには、第一のチャネルアクセスプロシージャと第二のチャネルアクセスプロシージャがある。第一のチャネルアクセスプロシージャは、第一のチャネルアクセスプロシージャは、複数個のスロットおよび延期期間を用いて行われる。第二のチャネルアクセスプロシージャは、1つの第四の待ち時間を用いて行われる。
<第一のチャネルアクセスプロシージャの詳細>
第一のチャネルアクセスプロシージャにおいて、以下に記した手順が行われる。
(0)延期期間においてチャネルのセンシングが行われる。延期期間内のスロットにおいてチャネルがアイドルであった場合、(1)のステップに進み、そうでなければ、(6)のステップに進む。
(1)カウンタの初期値を取得する。そのカウンタの初期値が取り得る値は、0から衝突窓CWまでの間の整数である。そのカウンタの初期値は、一様分布に従ってランダムに決定される。カウンタNにカウンタの初期値がセットされ、(2)のステップに進む。
(2)カウンタNが0よりも大きく、かつ、そのカウンタNの減算を行うことが選択された場合、カウンタNから1が減算される。その後、(3)のステップに進む。
(3)スロットの期間を追加して待機される。また、その追加のスロットにおいて、チャネルがセンスされる。その追加のスロットがアイドルであった場合は、(4)のステップに進み、そうでなければ、(5)のステップに進む。
(4)カウンタNが0であった場合、このプロシージャを停止する。そうでなければ、(2)のステップに進む。
(5)延期期間を追加して待機される。また、その追加の延期期間に含まれるいずれか1つのスロットでビジーと検出されるまで、または、その追加の延期期間に含まれる全てのスロットがアイドルであると検出できるまで、チャネルはセンスされる。その後、(6)のステップに進む。
(6)チャネルがその追加の延期期間に含まれるスロットの全てでアイドルであるとセンスされた場合、(4)のステップに進み、そうでなければ、(5)のステップに進む。
上記のプロシージャにおける(4)のステップの停止後、そのチャネルにおいて、PDSCHやPUSCHなどデータを含む送信が行われる。
なお、上記のプロシージャにおける(4)のステップの停止後、そのチャネルにおいて、送信が行われなくてもよい。この場合、その後、送信直前にスロットおよび延期期間の全てにおいて、チャネルがアイドルであった場合に、上記のプロシージャを行わずに送信が行われてもよい。一方で、そのスロットおよびその延期期間のいずれかにおいて、チャネルがアイドルでなかった場合に、追加の延期期間内のスロットの全てでチャネルがアイドルであるとセンシングされた後、上記のプロシージャの(1)のステップに進む。
<第二のチャネルアクセスプロシージャの詳細>
第二のチャネルアクセスプロシージャにおいて、少なくとも第四の待ち時間のセンシングの結果、チャネルがアイドルであるとみなされた直後、送信は行われてもよい。一方で、少なくとも第四の待ち時間のセンシングの結果、チャネルがアイドルでないとみなされた場合は、送信は行われない。
<衝突窓適応プロシージャ>
第一のチャネルアクセスプロシージャで用いられる衝突窓CW(contention window)は、衝突窓適応プロシージャに基づいて決定される。
衝突窓CWの値は、優先クラスごとに保持される。また、衝突窓CWは、最小衝突窓と最大衝突窓の間の値を取る。その最小衝突窓およびその最大衝突窓は、優先クラスに基づいて決定される。
衝突窓CWの値の調整は、第一のチャネルアクセスプロシージャの(1)のステップの前に行われる。少なくとも衝突窓適応プロシージャにおける参照サブフレームまたは参照HARQプロセスの共用チャネルに対応するHARQ応答でNACKの割合が閾値よりも高い場合、衝突窓CWの値を増加させ、そうでなければ、衝突窓CWの値を最小衝突窓に設定する。
衝突窓CWの値の増加は、例えば、CW=2・(CW+1)−1の式に基づいて行われる。
<下りリンクにおけるチャネルアクセスプロシージャの詳細>
アンライセンスチャネルにおいて、PDSCH、PDCCH、および/または、EPDCCHを含んだ下りリンク送信を行う場合、基地局装置は第一のチャネルアクセスプロシージャに基づいて、そのチャネルにアクセスし、その下りリンク送信を行う。
一方で、アンライセンスチャネルにおいて、DRSを含むがPDSCHを含まない下りリンク送信を行う場合、基地局装置は第二のチャネルアクセスプロシージャに基づいて、そのチャネルにアクセスし、その下りリンク送信を行う。なお、その下りリンク送信の期間は、1ミリ秒よりも小さいことが好ましい。
<上りリンクにおけるチャネルアクセスプロシージャの詳細>
アンライセンスチャネルにおいて、PUSCHをスケジュールする上りリンクグラントで第一のチャネルアクセスプロシージャを行うことを指示された場合、端末装置はそのPUSCHを含んだ上りリンク送信の前に第一のチャネルアクセスプロシージャを行う。
また、PUSCHをスケジュールする上りリンクグラントで第二のチャネルアクセスプロシージャを行うことを指示された場合、端末装置はそのPUSCHを含んだ上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
また、PUSCHは含まないがSRSは含む上りリンク送信に対しては、端末装置はその上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
また、上りリンクグラントで指示された上りリンク送信の末尾が上りリンク期間(UL duration)内であった場合、その上りリンクグラントで指示されたプロシージャタイプにかかわらず、端末装置はその上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
また、基地局からの下りリンク送信終了後に第四の待ち時間を挟んで上りリンク送信が続く場合、端末装置はその上りリンク送信の前に第二のチャネルアクセスプロシージャを行う。
<本実施形態におけるNRのチャネルアクセスプロシージャ>
NRを用いたアンライセンスチャネルでのチャネルアクセスプロシージャでは、ビームフォームされていないチャネルセンシングとビームフォームされたチャネルセンシングが行われる。
ビームフォームされていないチャネルセンシングは、指向性が制御されない受信によるチャネルセンシング、または、方向の情報を持たないチャネルセンシングである。方向の情報を持たないチャネルセンシングとは、例えば、全方位で測定結果を平均化されたチャネルセンシングである。送信局は、チャネルセンシングで用いられた指向性(角度、方向)を認知しなくてもよい。
ビームフォームされたチャネルセンシングは、指向性が制御された受信によるチャネルセンシング、または、方向の情報を持つチャネルセンシングである。すなわち、受信ビームが所定の方向に向けられたチャネルセンシングである。ビームフォームされたチャネルセンシングを行う機能を有する送信局は、異なる指向性を用いた1回以上のチャネルセンシングを行うことができる。
ビームフォームされたチャネルセンシングを行うことで、センシングによって検出されるエリアを狭める。これにより、送信局は、干渉を与えない通信リンクの検出の頻度を減らし、さらし端末問題を軽減することができる。
以下に、ビームフォームされていないチャネルセンシングとビームフォームされたチャネルセンシングの違いを列挙する。
ビームフォームされていないチャネルセンシングとビームフォームされたチャネルセンシングは、適用される帯域が異なる。ビームフォームされていないチャネルセンシングは、あらゆる周波数共用帯域で適用される。ビームフォームされたチャネルセンシングは、60GHz帯などの、主に6GHz帯以上の周波数共用帯域で適用される。
ビームフォームされていないチャネルセンシングとビームフォームされたチャネルセンシングは、チャネルアクセス権取得後の送信が異なる。ビームフォームされていないチャネルセンシングは、送信局はブロードキャスト送信、または、ビームフォームされていないユニキャスト送信を行う前にビームフォームされていないチャネルセンシングを行う。ビームフォームされたチャネルセンシングは、送信局は、ビームフォームされたユニキャスト送信を行う前にビームフォーミングされたチャネルセンシングを行う。
ビームフォームされていないチャネルセンシングとビームフォームされたチャネルセンシングは、センシングの電力検出閾値が異なる。ビームフォームされていないチャネルセンシングは、電力検出閾値が低い。ビームフォームされたチャネルセンシングは、電力検出閾値が高い。
<本実施形態におけるRRM測定>
RRM(Radio Resource Management)測定の情報は、ハンドオーバや無線リソース制御などを決定する際に用いられる。
RRM測定は基地局装置および端末装置で行われる。端末装置で測定されたRRM測定の測定結果は、基地局装置に報告される。
RRM測定では、基地局装置と端末装置間の信号電力強度や通信品質が測定される。具体的には、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)などが、測定される。RSRPは、主に、基地局装置からの通信品質の判断やパスロスの測定などに用いられる。RSRQやSINRは、主に、基地局装置との通信品質の判断などに用いられる。RSSIは、主に、その無線リソースでの干渉の測定などに用いられる。
RSRPは、所定の参照信号の受信電力である。所定の参照信号は、例えば、SSS、PBCHに関連するDMRS、所定のアンテナポートで送信されるCSI−RSなどである。RSRPは、例えば、1つのリソースエレメントの受信電力として定義される。
RSSIは、所定の期間で測定された総受信電力の平均電力である。RSSIは、サービングセルや非サービングセル、隣接チャネル干渉、熱雑音など、全ての受信された電力を含む。RSSIは、1OFDMシンボルの受信電力として定義される。
RSRQは、RSRPとRSSIの比として定義される。具体的には、RSRQは、RSRPをRSSIで除算した値である。なお、RSRQは、前述した値に、RSSIが測定されたリソースブロック数やリソースエレメント数などを乗算した値として定義されてもよい。
SINRは、所定の基地局装置からの受信電力と、その所定の基地局装置以外からの受信電力の比として定義される。
<本実施形態におけるCSI測定>
CSI(Channel State Information)測定の情報は、リソースのスケジューリングや物理チャネルのMCS(Modulation and Coding Scheme)などを決定する際に用いられる。
CSI測定は、端末装置で行われる。端末装置で測定されたCSI測定の測定結果は、基地局装置にフィードバックされる。
CSIは、CSI−RSから測定される。端末装置は、CSI−RSの受信品質から基地局装置と端末装置間のチャネルを推定し、CSIを計算する。
CSI測定では、チャネル品質やプリコーディングおよび/またはビーム、MIMOレイヤ、などが測定される。具体的には、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)、CRI(CSI-RS resource indicator)などのフィードバック情報がCSI測定によって生成される。
CQIは、所定のレイヤに対するチャネル品質に関する情報である。CQIは、変調方式と符号化率の組み合わせで定義される。端末装置は、所定のターゲット誤り率(例えば10%)を満たすMCSに相当するCQIを計算し、基地局装置にフィードバックする。基地局装置は、フィードバックされたCQIに基づいて物理チャネルのMCSを決定する。
PMIは、プリコーディングマトリックスに関する情報である。端末装置は、相応しいプリコーディングマトリックスを指定するPMIを計算し、基地局装置にフィードバックする。基地局装置は、フィードバックされたPMIに基づいて物理チャネルの送信に用いられるプリコーディングマトリックスを決定する。
RIは、チャネルのランクに関する情報である。端末装置は、通信可能なランクを指定するRIを計算し、基地局装置にフィードバックする。基地局装置は、フィードバックされたRIに基づいて物理チャネルのレイヤ数を決定する。
CRIは、CSI−RSリソースに関する情報である。CRIは、所定のビームに関する情報と見做すことができる。
CSI測定では、CSIプロセスと称される単位で管理および制御される。各CSIプロセスには、測定する信号のリソースと測定する干渉のリソースをそれぞれ設定することができる。これにより、様々な環境におけるCSIを測定することができる。例えば、それぞれのCSIプロセスに異なる基地局装置から送信される参照信号のリソースをそれぞれ設定することで、セルの接続切り替え無しで異なる基地局装置とのCSIを測定することができる。例えば、それぞれのCSIプロセスに異なる干渉状態のリソースをそれぞれ設定することで、CoMP(Coordinated Multiple Point transmission)におけるCSIを測定することができる。
<<2.技術的特徴>>
続いて、本開示の実施の形態に係る技術的特徴を説明する。
送信局が測定するLBT(Listen Before Talk)だけでは、受信局が干渉を受けているのか、受けていないかを正確に判断できない。特に、以下の2つの問題が挙げられる。1つは隠れ端末問題(hidden node problem)である。この隠れ端末問題は、送信局が、干渉を与える他の通信リンクを検知できず、送信を開始する問題である。送信局が、干渉を与える他の通信リンクを検知できず、送信を開始した結果、通信リンクが衝突し、他の通信リンクに大きな干渉を与えてしまうことになる。もう1つはさらし端末問題(expose node problem)である。さらし端末問題は、送信局が、干渉を与えない他の通信リンクを検知してしまい、送信を停止する問題である。送信局が、干渉を与えない他の通信リンクを検知してしまい、送信を停止した結果、空間リユースが下がり、システム効率が低下してしまう。
既存の通信システムにおいては、送信局と受信局との間の通信品質の測定として、RRM(Radio Resource Management)測定やCSI(Channel State Information)測定が行われている。しかし、既存の通信システムにおいては、端末における測定では、基本的に全方位から受信電力を測定する動作のみである。
そこで本件開示者は、上述した点に鑑み、受信局が干渉を受けているのか、受けていないかを送信局が正確に判断することが可能な技術について鋭意検討を行った。その結果、本件開示者は、以下で説明するように、受信局において受信電力の他に、方向に関する情報も測定することで、受信局が干渉を受けているのか、受けていないかを送信局が正確に判断することが可能な技術を考案するに至った。
具体的には、本実施形態に係る受信局(端末装置2)は、受信電力の他に、方向に関する情報も測定する。すなわち、受信局は、どの方向からどれぐらいの強度の電波が飛んできているかを測定する。そして受信局は、その測定結果を本実施形態に係る送信局(基地局装置1または端末装置2)にフィードバックする。本実施形態に係る送信局は、受信局からのフィードバックにより、受信局はどの方向からの干渉が強いのか、または弱いのかを把握することが出来る。
本実施形態に係る送信局は、測定結果に基づいて、少なくとも2つの以下の処理を行うことができる。1つ目は、ビームリンクペア(BLP、送信ビームと受信ビームの組み合わせ)の切り替えを行うことである。具体例として、所定のビームリンクペアで送信した時に、他の通信リンクからの与干渉が大きいと隣接ノードからの報告があった場合、本実施形態に係る送信局は、与干渉量の少ないビームリンクペアに切り替えることで送信ビームの方向を変える。これにより、本実施形態に係る送信局は、与干渉を低減することができ、隠れ端末問題の影響を少なくすることが可能となる。2つ目は、LBTで所定の送信局からの送信を検知したとしても、無視することである。具体例として、送信局が隣接ノードからのRSの検出などで送信を検知でき、かつ、その隣接ノードの所定のビームからの干渉は少ないと報告を受けた場合、本実施形態に係る送信局は、その隣接ノードは電力検出されていないものとして、LBTを行う。これにより、本実施形態に係る送信局は、ビジーと判断することなく送信可能となる。すなわち本実施形態に係る送信局は、不要な送信機会の低減がなくなり、さらし端末問題を解決することが可能となる。
図15、図16は、基地局装置が端末装置を検出可能なセンシング領域と、そのセンシング領域に存在する端末装置が受信するビームとを示す説明図である。これらの図では、基地局装置#1と端末装置#1とがリンクしており、基地局装置#2と端末装置#2とがリンクしているとする。
図15は、端末装置#1と端末装置#2とが隣接しており、端末装置#1が基地局装置#1からのビームだけでなく、基地局装置#2からのビームを受けている様子が示されている。このような状態では、端末装置#1はどの方向からのビームを受けているかを検出し、その結果を基地局装置#1に送信する。基地局装置#1は、端末装置#1からのフィードバックを受けて、干渉の少ない方向にビームを切り替えることができる。
図16は、端末装置#1と端末装置#2とが隣接しておらず、端末装置#1が基地局装置#1からのビームだけを受け、端末装置#2が基地局装置#2からのビームだけを受けている様子が示されている。このような場合にもし上述のさらし端末問題が起きると、基地局装置#1は、基地局装置#2からのビームが端末装置#1にとって干渉になっていないにも関わらず、基地局装置#2からのビームの検知により送信を停止してしまう。しかし、基地局装置#1は、端末装置#1からのフィードバックを受けて、端末装置#1が他のビームを受けていないことを把握すると、ビジーと判断することなく送信を継続することができる。
方向に関する情報の種類として、例えば角度や、受信ビームがある。端末装置2は、例えば、所定の参照信号のAoA(Angle of Arrival)を推定することで、角度情報を得ることができる。受信ビームの方向と角度を紐付けることができる場合は、端末装置2は、その受信ビームで受けた電力は対応する角度の受信電力とする。なお、平面だけでなく高さ方向にも振れる場合は、端末装置2は、受信ビームの方向を2種類の角度で紐付けてもよい。
また端末装置2は、例えば、ある受信ビームで受信した電力は、その受信ビームで受信したことを通知する。端末装置2が受信するビームは方向が定められているため、角度の情報を有することと同等となる。
端末装置2が送信局へフィードバックする際のフォーマットには、角度や受信ビームの情報が含まれていてもよい。角度の情報は絶対方位であってもよく、相対方位であってもよい。絶対方位である場合、例えば、所定の方位(東西南北のいずれか)を0度としてもよい。方位の情報は、端末装置2に内蔵される、方位を測定するセンサの値が用いられてもよい。相対方位である場合、端末装置2の所定の向きを0度としてもよく、サービングセルの方向を0度としてもよい。またネットワークから指示されたビームリンクペアを作る受信ビームのメインローブの方向を0度としてもよい。サービングセルの方向を0度とする場合、端末装置2は、通知された送信局の位置情報と測定された端末装置2の位置情報の関係からサービングセルの方向を算出してもよい。また端末装置2は、そのサービングセルに対する最適なビームリンクペアを作る受信ビームのメインローブの方向を0度としてもよい。
端末装置2が受信ビームの情報を送信局へ報告する際には、所定の受信ビームで受信した電力値とその受信ビームに関するインデックスをセットで報告する。その際、端末装置2は、ビームリンクペア、受信ビームインデックス、アンテナ(アンテナポート)、プリコーダインデックスの情報を含んでもよい。ビームリンクペアの情報を通知する場合、端末装置2は、送信ビームに紐付けて、対応する受信ビームの受信電力を通知してもよく、ビームリンクペアに紐付けて受信ビームを通知してもよい。ビームリンクペアの情報を通知する場合、端末装置2は、ビームリンクペアインデックスを通知しても良い。また、各アンテナポートからは、それぞれ異なるビームで参照信号が送信される。送信局が基地局装置1であれば、CSI−RSアンテナポートから、送信局が端末装置2であれば、SRSアンテナポートから、それぞれ参照信号が送信される。端末装置2は、そのアンテナポートに対応する最適受信ビームで受信した電力を送信局に報告する。受信ビームインデックスの情報を通知する場合、端末装置2は、異なる方向へ向けた受信ビームを離散化した値で定義したものを送信局へ通知する。アンテナ(アンテナポート)の情報を通知する場合、端末装置2は、アンテナを示すインデックスを用いる。プリコーダインデックスの情報を通知する場合、端末装置2は、デジタルビームフォーミングの場合で、送信のビームと受信のビームが同じ構成であれば、受信ビームを構成するのに用いたプリコーダマトリックスのインデックスを用いる。
図17、18は、端末装置2が報告する方向に関する情報について示す説明図である。例えば図17のように、90度刻みで4つの方向が規定されてもよく。図18のように、ビームの到来方向に対応する形で4つの方向が規定されてもよい。方向の数は図17や図18に示したものに限定されないことは言うまでもない。
続いて端末装置2による方向の測定の設定について説明する。方向の測定の設定には、測定タイミング設定、方向の数や角度の粒度、平均化フィルタ係数(L3 filter coefficient)、測定するRSのリスト(RSRPを測定する場合)、などがある。
測定タイミング設定には、例えば、測定する周期、区間、開始サブフレームの設定が含まれうる。測定タイミング設定は、方向毎に個別に設定が可能であってもよく、方向間で共通の測定タイミングが設定されてもよい。また、方向の数や角度の粒度が設定されることで、端末装置2が測定する数が設定される。また平均化フィルタ係数についても、方向毎に個別に設定が可能であってもよい。例えば、BLPに用いられる受信ビームとその他の受信ビームとで平均化フィルタ係数が異なってもよい。
RSRPを測定する場合については測定する参照信号のリストも設定の対象となる。この場合、参照信号を識別するための情報がリスト化されて設定される。参照信号を識別するための情報には、例えば、リソース情報(リソースエレメントマッピング設定、サブフレームなど)、参照信号系列のスクランブルに関する情報(系列の初期値など)、アンテナポート、セル識別子(ID、identifier)等が含まれうる。
送信局から方向の測定の設定がされなかった場合、端末装置2は、方向に関する測定を行わないようにしてもよい。また方向の測定の設定がされなかった場合、端末装置2は、予め設定されたデフォルトの設定値に基づいて方向に関する測定を行うようにしてもよい。デフォルトの設定値としては、例えば、予め端末装置2に設けられた受信ビームにより測定する、というものもでもよい。また、デフォルトの設定値は、バンドの周波数帯によって変化してもよい。例えば対象が、中心周波数が所定の周波数以上、例えば6GHz以上のバンドであれば、端末装置2は2本の受信ビームで測定を行い、その所定の周波数未満、例えば、中心周波数6GHz未満のバンドであれば、端末装置2は方向の測定は行わないとしてもよい。
端末装置2は、受信電力を測定するタイミングとして、測定タイミング設定で指示された区間で測定してもよく、測定タイミング設定で指示された区間で、かつ、サブフレームが下りリンクと指示された区間で測定してもよく、DCI(PDCCH)で指示されたタイミング及び区間で測定してもよい。
端末装置2が送信局へ報告する情報の具体例を示す。端末装置2は、送信局へ報告する情報として、例えば方向ごとの平均電力値(RSSI)、RSRQ、またはSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)を報告する。端末装置2は、送信局へは全ての方向の情報を報告しなくてもよい。例えば、測定の結果、所定の閾値よりも低い測定結果であった場合は、端末装置2は、送信局へ情報を返さなくてもよい。換言すると、端末装置2は、所定の閾値よりも高い測定結果である方向のみ情報を報告する。基地局装置1は、情報を受信した際に、情報を受け取らなかった方向の測定の結果は所定の閾値以下であると認識する。これにより、報告に要する通信オーバーヘッドを削減することができる。図19は、端末装置2が測定した方向毎の平均電力の情報の例を示す説明図である。端末装置2は、このような方向毎の平均電力の情報を送信局へ報告する。
端末装置2は、送信局へ報告する情報として、例えば方向毎のヒストグラムを報告する。方向毎のヒストグラムを報告する際、端末装置2は、測定区間のうちの所定の区間における受信電力(RSSI)が閾値よりも上回った回数を報告する。その所定の区間は、測定区間よりも細かい区間(例えば、サブフレームやスロット)で区切られる。図20は、測定区間のうちの所定の区間における受信電力(RSSI)が閾値よりも上回った回数を方向毎に算出した例を示す説明図である。図20では、測定区間のうちの所定の区間における受信電力(RSSI)が閾値よりも上回った回数を「チャネル占有割合」という指標で示している。端末装置2は、このような方向毎のチャネル占有割合の情報を送信局へ報告する。なお、図20は、閾値が1つ設定された一例に過ぎず、複数の閾値が設定されてもよい。
端末装置2が送信局へ情報を報告する方法の具体例を示す。端末装置2は、測定結果をPUSCHに含めて基地局装置へ報告する。端末装置2は、周期的に送信局へ報告してもよく、所定のトリガが発生したタイミングで送信局へ報告してもよく、送信局からの指示に応じて送信局へ報告してもよい。周期的に送信局へ報告する場合、その周期は送信局から指示されてもよく、デフォルトの設定値が用いられてもよい。所定のトリガが発生したタイミングで送信局へ報告する場合、その所定のトリガとしては、例えば測定結果が閾値を上回った、または、下回った場合であってもよい。また送信局からの指示に応じて送信局へ報告する場合、その指示は、例えばDCI(PUCCH)で行われても良い。報告と報告との間に所定の間隔を設定することができる。換言すると、端末装置2は、報告後、所定の期間が過ぎるまで、条件を満たした場合であっても、基地局装置1へ次の報告を行わない。また端末装置2は、所定の周期で、かつ、所定の条件を満たした場合に、基地局装置1へ報告するようにしてもよい。端末装置2が送信局へ報告する情報のフォーマットは、RSRP、RSRQ、RSSIがそれぞれ個別のフォーマットであっても、RSRPとRSSIの組み合わせやRSRPとRSRQの組み合わせであってもよい。この際、RSRPは1つの値に対し、RSSIまたはRSRQは方向の情報を含んだ複数の値であってもよい。例えば、端末装置2は、ビームリンクペアに対応する1つのRSRPと、設定された方向で測定された複数のRSSIまたはRSRQを報告する。
端末装置2は、送信局へ情報を報告する際に、平均化フィルタ係数を用いて測定値の平均化を行う。端末装置2は、測定を行っている際、端末装置2の位置および向きが大きく変わっていない場合、例えば位置の変化が所定の範囲に、また、向きの変化が所定の角度の範囲内に収まっていれば、平均化し続ける。端末装置2は、測定を行っている際、端末装置2の向きが大きく変わったとしても、方位の基準を認識できる場合は、平均化し続ける。一方、端末装置2の位置が大きく変わった場合、端末装置2の向きが大きく変わり、端末装置2が方位の基準を認識できていない場合は、端末装置2は、平均化を行わず、それまでの測定値をリセットする。なお、位置が大きく変わった場合とは、端末装置2において所定の距離の移動を検知した場合である。なお、向きが大きく変わった場合とは、端末装置2において所定の角度の変化を検知した場合である。
端末装置2は、送信局へ情報を報告する際に、端末装置2のケイパビリティ、例えば実装されているアンテナの本数やビームの構成などの情報をフィードバックしてもよい。送信局は、端末装置2からのフィードバックを受けて、その端末装置2に対する測定の際の方向、数、角度の粒度や、測定の際の方向の基準等を設定することが出来る。端末装置2は、フィードバックするケイパビリティに関する情報として、アンテナ本数、アンテナの形状、メインビームのローブ幅、ビームが振れる方向、構成可能な最大ビーム数、三次元方向にビームが振れるか否か、などの情報の中から少なくともいずれかの情報を、送信局にフィードバックしてもよい。端末装置2は、アンテナの形状をフィードバックする際には、少なくとも1本が指向性を持つか否か(例えば、ダイポールアンテナなのかパネルアンテナなのか)の情報をフィードバックしてもよい。また端末装置2は、ビームが振れる方向をフィードバックする際には、異なるビーム間の感覚、例えば異なるビーム間の角度差の情報をフィードバックしてもよい。
図21は、本開示の実施の形態に係る基地局装置1及び端末装置2の動作例をシーケンス図で示す説明図である。図21に示したのは、端末装置2がRRM測定を行う際の基地局装置1及び端末装置2の動作例である。
端末装置2は、RRM測定に関するケイパビリティ情報を基地局装置1に送信する(ステップS101)。基地局装置1は、RRM測定に関するケイパビリティ情報から、端末装置にRRM測定の設定を行う(ステップS102)。
端末装置2は、基地局装置1から受信したRRM測定の設定に基づいて、RRM測定を行う(ステップS103)。ここでのRRM測定は、上述したような受信ビーム毎の測定である。そして端末装置2は、ステップS103でのRRM測定の結果を基地局装置1へ報告する(ステップS104)。基地局装置1は、端末装置2から受けたRRM測定の測定結果に基づいて、ビームを含む通信リソースを決定し(ステップS105)、端末装置2とのデータ通信を開始する(ステップS106)。ここでの通信リソースの決定には、ビームの方向の決定も含まれる。
端末装置2からRRM測定の測定結果の報告を受けた基地局装置1は、X2インタフェースやXnインタフェースなどで接続される他の隣接基地局装置1に転送することができる。これにより、基地局装置間で協調リソース制御を行うことができる。図22は、本開示の実施の形態に係る基地局装置1及び端末装置2の動作例をシーケンス図で示す説明図である。図22に示したのは、端末装置2がRRM測定を行う際の基地局装置1及び端末装置2の動作例である。図22には、基地局装置1の隣接基地局である、別の基地局装置1の動作についても示している。
基地局装置1の隣接基地局である、別の基地局装置1は、端末装置2から受けたRRM測定の測定結果を転送する(ステップS111)。基地局装置間の情報の内容は、測定の結果をそのまま転送しても良く、測定の結果を加工して転送しても良い。測定の結果をそのまま転送する場合、情報量が多いので、基地局装置1は、精度の高いリソース制御が可能となる。測定の結果を加工して、すなわち測定の結果の一部のみを転送する場合、基地局装置間の情報量を低減させることが可能となる。測定の結果を加工する場合は、情報を転送する対象である隣接基地局装置から干渉を強く受ける方向のみを転送してもよく、基地局装置が通信を行いたい方向の情報を転送してもよい。また、隣接基地局は、RRM測定を行った端末装置2の位置情報も付随して基地局装置1へ転送しても良い。
基地局装置1は、隣接基地局からRRM測定の測定結果を受けると、隣接基地局からのRRM測定の結果に基づいて、ビームを含んだ通信リソースを決定し(ステップS112)、端末装置2とのデータ通信を開始する(ステップS113)。
基地局装置1は、隣接基地局へRRM測定の測定結果を要求してもよい。隣接基地局は、別の基地局装置1からの要求を受けて、RRM測定の測定結果を転送する。図23は、本開示の実施の形態に係る基地局装置1及び端末装置2の動作例をシーケンス図で示す説明図である。図23に示したのは、端末装置2がRRM測定を行う際の基地局装置1及び端末装置2の動作例である。図23には、基地局装置1の隣接基地局である、別の基地局装置1の動作についても示している。
基地局装置1は、隣接基地局に対して、RRM測定の測定結果の転送を要求する(ステップS121)。基地局装置1の隣接基地局である、別の基地局装置1は、ステップS121の要求に応じ、端末装置2から受けたRRM測定の測定結果を転送する(ステップS122)。上述したように、基地局装置間の情報の内容は、測定の結果をそのまま転送しても良く、測定の結果を加工して転送しても良い。また上述したように、隣接基地局は、RRM測定を行った端末装置2の位置情報も付随して基地局装置1へ転送しても良い。
基地局装置1は、隣接基地局からRRM測定の測定結果を受けると、隣接基地局からのRRM測定の結果に基づいて、ビームを含んだ通信リソースを決定し(ステップS123)、端末装置2とのデータ通信を開始する(ステップS124)。
更に、方向情報を含む測定はCSIにも適用することができる。CSIプロセスは、参照信号測定リソースと干渉測定リソースの他に、ビームに関する設定も関連付けることができる。一例として、CSIプロセス0には、0番目のビームリンクペアが関連付けられ、CSIプロセス1には、1番目のビームリンクペアが関連付けられる。また別の一例として、CSIプロセス0には、受信ビーム0が関連付けられ、CSIプロセス1には、受信ビーム1が関連付けられる。なお、オーバーヘッド削減のため、複数のCSIプロセスで共通の情報は、それぞれフィードバックしなくてもよい。複数のCSIプロセスで共通の情報は、例えば、RI(Rank Indicator)などである。
なお、この方向に関する情報はポジショニング(位置推定)にも使うことができる。また、上述の処理において、基地局装置1が実施する動作は例えば制御部103が実行しても良く、端末装置2が実施する動作は例えば制御部203が実行しても良い。
<<3.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、基地局装置1は、マクロeNB又はスモールeNBなどのいずれかの種類のeNB(evolved Node B)として実現されてもよい。スモールeNBは、ピコeNB、マイクロeNB又はホーム(フェムト)eNBなどの、マクロセルよりも小さいセルをカバーするeNBであってよい。その代わりに、基地局装置1は、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。基地局装置1は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)とを含んでもよい。また、後述する様々な種類の端末が一時的に又は半永続的に基地局機能を実行することにより、基地局装置1として動作してもよい。
また、例えば、端末装置2は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、端末装置2は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、端末装置2は、これら端末に搭載される無線通信モジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)であってもよい。
<3.1.基地局装置に関する応用例>
(第1の応用例)
図24は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB800は、1つ以上のアンテナ810、及び基地局装置820を有する。各アンテナ810及び基地局装置820は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
アンテナ810の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置820による無線信号の送受信のために使用される。eNB800は、図24に示したように複数のアンテナ810を有し、複数のアンテナ810は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図24にはeNB800が複数のアンテナ810を有する例を示したが、eNB800は単一のアンテナ810を有してもよい。
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823及び無線通信インタフェース825を備える。
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置820の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース823を介して転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ821は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ822は、RAM及びROMを含み、コントローラ821により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
ネットワークインタフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介して、コアネットワークノード又は他のeNBと通信してもよい。その場合に、eNB800と、コアネットワークノード又は他のeNBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース823は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ810を介して、eNB800のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827などを含み得る。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ826の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路827は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ810を介して無線信号を送受信する。
無線通信インタフェース825は、図24に示したように複数のBBプロセッサ826を含み、複数のBBプロセッサ826は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース825は、図24に示したように複数のRF回路827を含み、複数のRF回路827は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図24には無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
図24に示したeNB800において、図8を参照して説明した上位層処理部101、制御部103、受信部105及び/又は送信部107は、無線通信インタフェース825(例えば、BBプロセッサ826及び/又はRF回路827)、コントローラ821及び/又はネットワークインタフェース823において実装されてもよい。例えば、無線通信インタフェース825、コントローラ821及び/又はネットワークインタフェース823は、第一の制御情報及び第二の制御情報を送信したり、制御情報要求を受信して対応する第三の制御情報を送信したりする。例えば、無線通信インタフェース825に含まれるプロセッサにおいて、これらの動作を行うための機能が実装されてもよい。このような動作を行う装置として、eNB800、基地局装置820又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサに上記動作を行わせるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。また、送受信アンテナ109は、アンテナ810において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図25は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局装置850、及びRRH860を有する。各アンテナ840及びRRH860は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置850及びRRH860は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
アンテナ840の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH860による無線信号の送受信のために使用される。eNB830は、図25に示したように複数のアンテナ840を有し、複数のアンテナ840は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図25にはeNB830が複数のアンテナ840を有する例を示したが、eNB830は単一のアンテナ840を有してもよい。
基地局装置850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855及び接続インタフェース857を備える。コントローラ851、メモリ852及びネットワークインタフェース853は、図24を参照して説明したコントローラ821、メモリ822及びネットワークインタフェース823と同様のものである。
無線通信インタフェース855は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース855は、典型的には、BBプロセッサ856などを含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864と接続されることを除き、図24を参照して説明したBBプロセッサ826と同様のものである。無線通信インタフェース855は、図25に示したように複数のBBプロセッサ856を含み、複数のBBプロセッサ856は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図25には無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示したが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)をRRH860と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)とRRH860とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
また、RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を備える。
接続インタフェース861は、RRH860(無線通信インタフェース863)を基地局装置850と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
無線通信インタフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、典型的には、RF回路864などを含み得る。RF回路864は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、図25に示したように複数のRF回路864を含み、複数のRF回路864は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図25には無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含む例を示したが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
図25に示したeNB830において、図8を参照して説明した上位層処理部101、制御部103、受信部105及び/又は送信部107は、無線通信インタフェース855、無線通信インタフェース863(例えば、BBプロセッサ856及び/又はRF回路864)、コントローラ851及び/又はネットワークインタフェース853において実装されてもよい。例えば、無線通信インタフェース855、無線通信インタフェース863、コントローラ851及び/又はネットワークインタフェース853は、第一の制御情報及び第二の制御情報を送信したり、制御情報要求を受信して対応する第三の制御情報を送信したりする。例えば、無線通信インタフェース855及び/又は無線通信インタフェース863に含まれるプロセッサにおいて、これらの動作を行うための機能が実装されてもよい。このような動作を行う装置として、eNB830、基地局装置850又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサに上記動作を行わせるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。また、送受信アンテナ109は、アンテナ840において実装されてもよい。
<3.2.端末装置に関する応用例>
(第1の応用例)
図26は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM及びROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース912は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、典型的には、BBプロセッサ913及びRF回路914などを含み得る。BBプロセッサ913は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路914は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ916を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース912は、BBプロセッサ913及びRF回路914を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース912は、図26に示したように複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。なお、図26には無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示したが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース912は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ916の接続先を切り替える。
アンテナ916の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース912による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン900は、図26に示したように複数のアンテナ916を有してもよい。なお、図26にはスマートフォン900が複数のアンテナ916を有する例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を有してもよい。
さらに、スマートフォン900は、無線通信方式ごとにアンテナ916を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ915は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図26に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図26に示したスマートフォン900において、図9を参照して説明した上位層処理部201、制御部203、受信部205及び/又は送信部207は、無線通信インタフェース912(例えば、RF回路914及び/又はBBプロセッサ913)、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919において実装されてもよい。例えば、無線通信インタフェース912、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919は、第一の制御情報及び第二の制御情報を受信したり、制御情報要求を送信して対応する第三の制御情報を受信したりする。例えば、無線通信インタフェース912に含まれるプロセッサにおいて、これらの動作を行うための機能が実装されてもよい。このような動作を行う装置として、スマートフォン900又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサに上記動作を行わせるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。また、送受信アンテナ209は、アンテナ916において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図27は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、LTE又はLTE−Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、典型的には、BBプロセッサ934及びRF回路935などを含み得る。BBプロセッサ934は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路935は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ937を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース933は、BBプロセッサ934及びRF回路935を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、図27に示したように複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。なお、図27には無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示したが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース933は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ937の接続先を切り替える。
アンテナ937の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置920は、図27に示したように複数のアンテナ937を有してもよい。なお、図27にはカーナビゲーション装置920が複数のアンテナ937を有する例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を有してもよい。
さらに、カーナビゲーション装置920は、無線通信方式ごとにアンテナ937を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ936は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図27に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図27に示したカーナビゲーション装置920において、図9を参照して説明した上位層処理部201、制御部203、受信部205及び/又は送信部207は、無線通信インタフェース933(例えば、RF回路935及び/又はBBプロセッサ934)及び/又はプロセッサ921において実装されてもよい。例えば、無線通信インタフェース933及び/又はプロセッサ921は、第一の制御情報及び第二の制御情報を受信したり、制御情報要求を送信して対応する第三の制御情報を受信したりする。例えば、無線通信インタフェース933に含まれるプロセッサにおいて、これらの動作を行うための機能が実装されてもよい。このような動作を行う装置として、カーナビゲーション装置920又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサに上記動作を行わせるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。また、送受信アンテナ209は、アンテナ937において実装されてもよい。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
<<4.まとめ>>
以上説明したように本開示の実施の形態によれば、方向に関する情報も測定することで、受信局が干渉を受けているのか、受けていないかを送信局が正確に判断することが可能な基地局装置1及び端末装置2を提供することができる。
本明細書の各装置が実行する処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、各装置が実行する処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、各装置に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した各装置の構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供されることが可能である。また、機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
セルラー方式の通信処理を制御する通信制御部を備え、
前記通信制御部は、
基地局から設定された方向の情報に基づき複数の受信ビームを設定し、前記受信ビームごとに受信電力を測定し、該測定の結果を前記基地局に報告する、通信装置。
(2)
前記通信制御部は、前記基地局から設定された区間において前記受信電力の測定を行う、前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記通信制御部は、前記受信電力の測定の結果として、前記受信ビームごとのヒストグラムを報告する、前記(1)または(2)に記載の通信装置。
(4)
前記通信制御部は、前記受信ビームごとのヒストグラムとして、前記受信電力が所定の閾値を超えた回数のヒストグラムを報告する、前記(3)に記載の通信装置。
(5)
前記通信制御部は、周期的に前記受信電力の測定の結果を前記基地局に報告する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の通信装置。
(6)
前記通信制御部は、所定の条件を満たした場合に前記受信電力の測定の結果を前記基地局に報告する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の通信装置。
(7)
前記通信制御部は、前記基地局からの指示があった場合に前記受信電力の測定の結果を前記基地局に報告する、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の通信装置。
(8)
前記通信制御部は、自装置のケイパビリティを前記受信電力の測定に先立ち前記基地局に報告する、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の通信装置。
(9)
前記通信制御部は、前記自装置のケイパビリティとしてアンテナ本数、アンテナの形状、メインビームのローブ幅、ビームが振れる方向、構成可能な最大ビーム数、三次元方向へのビームの移動の可否の中の少なくともいずれかを報告する、前記(8)に記載の通信装置。
(10)
セルラー方式の通信処理を制御する通信制御部を備え、
前記通信制御部は、
端末装置から取得したケイパビリティ情報に基づき前記端末装置に複数の受信ビームを設定し、前記受信ビームごとに前記端末装置で測定された受信電力の情報を取得する、通信装置。
(11)
前記通信制御部は、取得した前記受信電力の情報に基づき、前記端末装置へのビームの方向を制御する、前記(10)に記載の通信装置。
(12)
前記通信制御部は、取得した前記受信電力の情報に基づき、前記端末装置へのビームの方向の情報を他の通信装置へ送信する、前記(10)に記載の通信装置。
(13)
前記通信制御部は、前記端末装置のケイパビリティとしてアンテナ本数、アンテナの形状、メインビームのローブ幅、ビームが振れる方向、構成可能な最大ビーム数、三次元方向へのビームの移動の可否の中の少なくともいずれかを取得する、前記(10)に記載の通信装置。
(14)
プロセッサが、セルラー方式の通信処理を制御することを含み、
前記プロセッサは、
基地局から設定された方向の情報に基づき複数の受信ビームを設定し、前記受信ビームごとに受信電力を測定し、該測定の結果を前記基地局に報告する、通信制御方法。
(15)
プロセッサが、セルラー方式の通信処理を制御することを含み、
前記プロセッサは、
端末装置から取得したケイパビリティ情報に基づき前記端末装置に複数の受信ビームを設定し、前記受信ビームごとに前記端末装置で測定された受信電力の情報を取得する、通信制御方法。
(16)
コンピュータに、セルラー方式の通信処理を制御することを実行させ、
基地局から設定された方向の情報に基づき複数の受信ビームを設定し、前記受信ビームごとに受信電力を測定し、該測定の結果を前記基地局に報告する、コンピュータプログラム。
(17)
コンピュータに、セルラー方式の通信処理を制御することを実行させ、
端末装置から取得したケイパビリティ情報に基づき前記端末装置に複数の受信ビームを設定し、前記受信ビームごとに前記端末装置で測定された受信電力の情報を取得する、コンピュータプログラム。