以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.実施形態
2.応用例
2.1.基地局に関する応用例
2.2.端末装置に関する応用例
3.むすび
<1.実施形態>
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、特に明記されない限り、以下で説明される技術、機能、方法、構成、手順、およびその他全ての記載は、LTEおよびNRに適用できる。
<本実施形態における無線通信システム>
本実施形態において、無線通信システムは、基地局装置1および端末装置2を少なくとも具備する。基地局装置1は複数の端末装置を収容できる。基地局装置1は、他の基地局装置とX2インタフェースの手段によって互いに接続できる。また、基地局装置1は、S1インタフェースの手段によってEPC(Evolved Packet Core)に接続できる。さらに、基地局装置1は、S1-MMEインタフェースの手段によってMME(Mobility Management Entity)に接続でき、S1-Uインタフェースの手段によってS-GW(Serving Gateway)に接続できる。S1インタフェースは、MMEおよび/またはS-GWと基地局装置1との間で、多対多の接続をサポートしている。また、本実施形態において、基地局装置1および端末装置2は、それぞれLTEおよび/またはNRをサポートする。
<本実施形態における無線アクセス技術>
本実施形態において、基地局装置1および端末装置2は、それぞれ1つ以上の無線アクセス技術(RAT)をサポートする。例えば、RATは、LTEおよびNRを含む。1つのRATは、1つのセル(コンポーネントキャリア)に対応する。すなわち、複数のRATがサポートされる場合、それらのRATは、それぞれ異なるセルに対応する。本実施形態において、セルは、下りリンクリソース、上りリンクリソース、および/または、サイドリンクの組み合わせである。また、以下の説明において、LTEに対応するセルはLTEセルと呼称され、NRに対応するセルはNRセルと呼称される。
下りリンクの通信は、基地局装置1から端末装置2に対する通信である。下りリンク送信は、基地局装置1から端末装置2に対する送信であり、下りリンク物理チャネルおよび/または下りリンク物理信号の送信である。上りリンクの通信は、端末装置2から基地局装置1に対する通信である。上りリンク送信は、端末装置2から基地局装置1に対する送信であり、上りリンク物理チャネルおよび/または上りリンク物理信号の送信である。サイドリンクの通信は、端末装置2から別の端末装置2に対する通信である。サイドリンク送信は、端末装置2から別の端末装置2に対する送信であり、サイドリンク物理チャネルおよび/またはサイドリンク物理信号の送信である。
サイドリンクの通信は、端末装置間の近接直接検出および近接直接通信のために定義される。サイドリンクの通信は、上りリンクおよび下りリンクと同様なフレーム構成を用いることができる。また、サイドリンクの通信は、上りリンクリソースおよび/または下りリンクリソースの一部(サブセット)に制限されうる。
基地局装置1および端末装置2は、下りリンク、上りリンクおよび/またはサイドリンクにおいて、1つ以上のセルの集合を用いる通信をサポートできる。複数のセルの集合または複数のセルの集合による通信は、キャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティとも呼称される。キャリアアグリゲーションとデュアルコネクティビティの詳細は後述される。また、それぞれのセルは、所定の周波数帯域幅を用いる。所定の周波数帯域幅における最大値、最小値および設定可能な値は、予め規定できる。
図1は、本実施形態におけるコンポーネントキャリアの設定の一例を示す図である。図1の例では、1つのLTEセルと2つのNRセルが設定される。1つのLTEセルは、プライマリーセルとして設定される。2つのNRセルは、それぞれプライマリーセカンダリーセルおよびセカンダリーセルとして設定される。2つのNRセルは、キャリアアグリゲーションにより統合される。また、LTEセルとNRセルは、デュアルコネクティビティにより統合される。なお、LTEセルとNRセルは、キャリアアグリゲーションにより統合されてもよい。図1の例では、NRは、プライマリーセルであるLTEセルにより接続をアシストされることが可能であるため、スタンドアロンで通信するための機能のような一部の機能をサポートしなくてもよい。スタンドアロンで通信するための機能は、初期接続に必要な機能を含む。
図2は、本実施形態におけるコンポーネントキャリアの設定の一例を示す図である。図2の例では、2つのNRセルが設定される。2つのNRセルは、それぞれプライマリーセルおよびセカンダリーセルとして設定され、キャリアアグリゲーションにより統合される。この場合、NRセルがスタンドアロンで通信するための機能をサポートすることにより、LTEセルのアシストが不要になる。なお、2つのNRセルは、デュアルコネクティビティにより統合されてもよい。
<本実施形態における無線フレーム構成>
本実施形態において、10ms(ミリ秒)で構成される無線フレーム(radio frame)が規定される。無線フレームのそれぞれは2つのハーフフレームから構成される。ハーフフレームの時間間隔は、5msである。ハーフフレームのそれぞれは、5つのサブフレームから構成される。サブフレームの時間間隔は、1msであり、2つの連続するスロットによって定義される。スロットの時間間隔は、0.5msである。無線フレーム内のi番目のサブフレームは、(2×i)番目のスロットと(2×i+1)番目のスロットとから構成される。つまり、無線フレームのそれぞれにおいて、10個のサブフレームが規定される。
<本実施形態におけるNRのフレーム構成>
NRセルのそれぞれにおいて、ある所定の時間長(例えば、サブフレーム)では、1つ以上の所定のパラメータが用いられる。すなわち、NRセルでは、下りリンク信号および上りリンク信号は、それぞれ所定の時間長において、1つ以上の所定のパラメータを用いて生成される。換言すると、端末装置2は、基地局装置1から送信される下りリンク信号、および、基地局装置1に送信する上りリンク信号が、それぞれ所定の時間長において、1つ以上の所定のパラメータで生成される、と想定する。また、基地局装置1は、端末装置2に送信する下りリンク信号、および、端末装置2から送信される上りリンク信号が、それぞれ所定の時間長において、1つ以上の所定のパラメータで生成されるように設定できる。複数の所定のパラメータが用いられる場合、それらの所定のパラメータが用いられて生成される信号は、所定の方法により多重される。例えば、所定の方法は、FDM(Frequency Division Multiplexing)、TDM(Time Division Multiplexing)、CDM(Code Division Multiplexing)および/またはSDM(Spatial Division Multiplexing)などを含む。
図3は、本実施形態におけるNRの下りリンクサブフレームの一例を示す図である。図3の例では、パラメータセット1、パラメータセット0およびパラメータセット2を用いて生成される信号が、セル(システム帯域幅)において、FDMされる。図3に示される図は、NRの下りリンクリソースグリッドとも呼称される。基地局装置1は、端末装置2への下りリンクサブフレームにおいて、NRの下りリンク物理チャネルおよび/またはNRの下りリンク物理信号を送信できる。端末装置2は、基地局装置1からの下りリンクサブフレームにおいて、NRの下りリンク物理チャネルおよび/またはNRの下りリンク物理信号を受信できる。
図4は、本実施形態におけるNRの上りリンクサブフレームの一例を示す図である。図4の例では、パラメータセット1、パラメータセット0およびパラメータセット2を用いて生成される信号が、セル(システム帯域幅)において、FDMされる。図3に示される図は、NRの上りリンクリソースグリッドとも呼称される。基地局装置1は、端末装置2への上りリンクサブフレームにおいて、NRの上りリンク物理チャネルおよび/またはNRの上りリンク物理信号を送信できる。端末装置2は、基地局装置1からの上りリンクサブフレームにおいて、NRの上りリンク物理チャネルおよび/またはNRの上りリンク物理信号を受信できる。
本実施形態において、例えば、物理リソースは以下のように定義されうる。1つのスロットは複数のシンボルによって定義される。スロットのそれぞれにおいて送信される物理信号または物理チャネルは、リソースグリッドによって表現される。下りリンクにおいて、リソースグリッドは、周波数方向に対する複数のサブキャリアと、時間方向に対する複数のOFDMシンボルによって定義されてもよい。また、上りリンクにおいて、リソースグリッドは、周波数方向に対する複数のサブキャリアと、時間方向に対する複数のOFDMシンボルまたはSC-FDMAシンボルによって定義されてもよい。サブキャリアまたはリソースブロックの数は、セルの帯域幅に依存して決まるようにしてもよい。1つのスロットにおけるシンボルの数は、例えば、CP(Cyclic Prefix)のタイプによって決められてもよい。CPのタイプとしては、例えば、ノーマルCPまたは拡張CPが挙げられる。ノーマルCPにおいて、1つのスロットを構成するOFDMシンボルまたはSC-FDMAシンボルの数は7である。拡張CPにおいて、1つのスロットを構成するOFDMシンボルまたはSC-FDMAシンボルの数は6である。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれはリソースエレメントと称される。リソースエレメントは、サブキャリアのインデックス(番号)とシンボルのインデックス(番号)とを用いて識別される。なお、本実施形態の説明において、OFDMシンボルまたはSC-FDMAシンボルは単にシンボルとも呼称される。
リソースブロックは、ある物理チャネル(PDSCHまたはPUSCHなど)をリソースエレメントにマッピングするために用いられる。リソースブロックは、例えば、仮想リソースブロックと物理リソースブロックとを含んでもよい。ある物理チャネルは、仮想リソースブロックにマッピングされる。仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマッピングされる。1つの物理リソースブロックは、例えば、時間領域において所定数の連続するシンボルで定義される。また、1つの物理リソースブロックは、例えば、周波数領域において所定数の連続するサブキャリアとから定義される。1つの物理リソースブロックにおけるシンボル数およびサブキャリア数は、そのセルにおけるCPのタイプ、サブキャリア間隔および/または上位層によって設定されるパラメータなどに基づいて決まる。例えば、CPのタイプがノーマルCPであり、サブキャリア間隔が15kHzである場合には、1つの物理リソースブロックにおけるシンボル数は7であり、サブキャリア数は12である。即ち、この場合には、1つの物理リソースブロックは(7×12)個のリソースエレメントから構成される。物理リソースブロックは、周波数領域において0から番号が付けられる。また、同一の物理リソースブロック番号が対応する、1つのサブフレーム内の2つのリソースブロックは、物理リソースブロックペア(PRBペア、RBペア)として定義される。
<本実施形態におけるアンテナポート>
アンテナポートは、あるシンボルを運ぶ伝搬チャネルが、同一のアンテナポートにおける別のシンボルを運ぶ伝搬チャネルから推測できるようにするために定義される。例えば、同一のアンテナポートにおける異なる物理リソースは、同一の伝搬チャネルで送信されていると想定できる。すなわち、あるアンテナポートにおけるシンボルは、そのアンテナポートにおける参照信号により伝搬チャネルを推定し、復調することができる。また、アンテナポート毎に1つのリソースグリッドがある。アンテナポートは、参照信号によって定義される。また、それぞれの参照信号は、複数のアンテナポートを定義できる。
アンテナポートはアンテナポート番号によって特定または識別される。例えば、アンテナポート0~3は、CRSが送信されるアンテナポートである。すなわち、アンテナポート0~3で送信されるPDSCHは、アンテナポート0~3に対応するCRSで復調できる。
2つのアンテナポートは所定の条件を満たす場合、準同一位置(QCL:Quasi co-location)であると表すことができる。その所定の条件は、あるアンテナポートにおけるシンボルを運ぶ伝搬チャネルの広域的特性が、別のアンテナポートにおけるシンボルを運ぶ伝搬チャネルから推測できることである。広域的特性は、遅延分散、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得および/または平均遅延を含む。
本実施形態において、アンテナポート番号は、RAT毎に異なって定義されてもよいし、RAT間で共通に定義されてもよい。例えば、LTEにおけるアンテナポート0~3は、CRSが送信されるアンテナポートである。NRにおいて、アンテナポート0~3は、LTEと同様のCRSが送信されるアンテナポートとすることができる。また、NRにおいて、LTEと同様のCRSが送信されるアンテナポートは、アンテナポート0~3とは異なるアンテナポート番号とすることができる。本実施形態の説明において、所定のアンテナポート番号は、LTEおよび/またはNRに対して適用できる。
<本実施形態における下りリンク物理チャネル>
PBCHは、基地局装置1のサービングセルに固有の報知情報であるMIB(Master Information Block)を報知するために用いられる。SFNは無線フレームの番号(システムフレーム番号)である。MIBはシステム情報である。例えば、MIBは、SFNを示す情報を含む。
PDCCHおよびEPDCCHは、下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を送信するために用いられる。下りリンク制御情報の情報ビットのマッピングが、DCIフォーマットとして定義される。下りリンク制御情報は、下りリンクグラント(downlink grant)および上りリンクグラント(uplink grant)を含む。下りリンクグラントは、下りリンクアサインメント(downlink assignment)または下りリンク割り当て(downlink allocation)とも称する。
PDCCHは、連続する1つまたは複数のCCE(Control Channel Element)の集合によって送信される。CCEは、9つのREG(Resource Element Group)で構成される。REGは、4つのリソースエレメントで構成される。PDCCHがn個の連続するCCEで構成される場合、そのPDCCHは、CCEのインデックス(番号)であるiをnで割った余りが0である条件を満たすCCEから始まる。
EPDCCHは、連続する1つまたは複数のECCE(Enhanced Control Channel Element)の集合によって送信される。ECCEは、複数のEREG(Enhanced Resource Element Group)で構成される。
下りリンクグラントは、あるセル内のPDSCHのスケジューリングに用いられる。下りリンクグラントは、その下りリンクグラントが送信されたサブフレームと同じサブフレーム内のPDSCHのスケジューリングに用いられる。上りリンクグラントは、あるセル内のPUSCHのスケジューリングに用いられる。上りリンクグラントは、その上りリンクグラントが送信されたサブフレームより4つ以上後のサブフレーム内の単一のPUSCHのスケジューリングに用いられる。
DCIには、CRC(Cyclic Redundancy Check)パリティビットが付加される。CRCパリティビットは、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)でスクランブルされる。RNTIは、DCIの目的などに応じて、規定または設定できる識別子である。RNTIは、仕様で予め規定される識別子、セルに固有の情報として設定される識別子、端末装置2に固有の情報として設定される識別子、または、端末装置2に属するグループに固有の情報として設定される識別子である。例えば、端末装置2は、PDCCHまたはEPDCCHのモニタリングにおいて、DCIに付加されたCRCパリティビットに所定のRNTIでデスクランブルし、CRCが正しいかどうかを識別する。CRCが正しい場合、そのDCIは端末装置2のためのDCIであることが分かる。
PDSCHは、下りリンクデータ(Downlink Shared Channel: DL-SCH)を送信するために用いられる。また、PDSCHは、上位層の制御情報を送信するためにも用いられる。
PDCCH領域において、複数のPDCCHが周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。EPDCCH領域において、複数のEPDCCHが周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。PDSCH領域において、複数のPDSCHが周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。PDCCH、PDSCHおよび/またはEPDCCHは周波数、時間、および/または、空間多重されてもよい。
<本実施形態における下りリンク物理信号>
同期信号は、端末装置2が下りリンクの周波数領域および/または時間領域の同期をとるために用いられる。同期信号は、PSS(Primary Synchronization Signal)およびSSS(Secondary Synchronization Signal)を含む。同期信号は無線フレーム内の所定のサブフレームに配置される。例えば、TDD方式において、同期信号は無線フレーム内のサブフレーム0、1、5、および6に配置される。FDD方式において、同期信号は無線フレーム内のサブフレーム0および5に配置される。
PSSは、粗いフレーム/シンボルタイミング同期(時間領域の同期)やセル識別グループの識別に用いられてもよい。SSSは、より正確なフレームタイミング同期やセルの識別、CP長の検出に用いられてもよい。つまり、PSSとSSSを用いることによって、フレームタイミング同期とセル識別を行うことができる。
下りリンク参照信号は、端末装置2が下りリンク物理チャネルの伝搬路推定、伝搬路補正、下りリンクのCSI(Channel State Information、チャネル状態情報)の算出、および/または、端末装置2のポジショニングの測定を行うために用いられる。
PDSCHに関連するURSは、URSが関連するPDSCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。URSは、URSが関連するPDSCHの復調を行なうために用いられる。PDSCHに関連するURSは、アンテナポート5、7~14の1つまたは複数で送信される。
PDSCHは、送信モードおよびDCIフォーマットに基づいて、CRSまたはURSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。DCIフォーマット1Aは、CRSの送信に用いられるアンテナポートで送信されるPDSCHのスケジューリングに用いられる。DCIフォーマット2Dは、URSの送信に用いられるアンテナポートで送信されるPDSCHのスケジューリングに用いられる。
EPDCCHに関連するDMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの送信に用いられるサブフレームおよび帯域で送信される。DMRSは、DMRSが関連するEPDCCHの復調を行なうために用いられる。EPDCCHは、DMRSの送信に用いられるアンテナポートで送信される。EPDCCHに関連するDMRSは、アンテナポート107~114の1つまたは複数で送信される。
CSI-RSは、設定されたサブフレームで送信される。CSI-RSが送信されるリソースは、基地局装置1によって設定される。CSI-RSは、端末装置2が下りリンクのチャネル状態情報を算出するために用いられる。端末装置2は、CSI-RSを用いて信号測定(チャネル測定)を行う。CSI-RSは、1、2、4、8、12、16、24および32の一部または全部のアンテナポートの設定をサポートする。CSI-RSは、アンテナポート15~46の1つまたは複数で送信される。なお、サポートされるアンテナポートは、端末装置2の端末装置ケイパビリティ、RRCパラメータの設定、および/または設定される送信モードなどに基づいて決定されてもよい。
ZP CSI-RSのリソースは、上位層によって設定される。ZP CSI-RSのリソースはゼロ出力の電力で送信されてもよい。すなわち、ZP CSI-RSのリソースは何も送信しなくてもよい。ZP CSI-RSの設定したリソースにおいて、PDSCHおよびEPDCCHは送信されない。例えば、ZP CSI-RSのリソースは隣接セルがNZP CSI-RSの送信を行うために用いられる。また、例えば、ZP CSI-RSのリソースはCSI-IMを測定するために用いられる。また、例えば、ZP CSI-RSのリソースはPDSCHなどの所定のチャネルが送信されないリソースである。換言すると、所定のチャネルは、ZP CSI-RSのリソースを除いて(レートマッチングして、パンクチャして)マッピングされる。
<本実施形態における上りリンク物理チャネル>
PUCCHは、上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)を送信するために用いられる物理チャネルである。上りリンク制御情報は、下りリンクのチャネル状態情報(Channel State Information: CSI)、PUSCHリソースの要求を示すスケジューリング要求(Scheduling Request: SR)、下りリンクデータ(Transport block: TB, Downlink-Shared Channel: DL-SCH)に対するHARQ-ACKを含む。HARQ-ACKは、ACK/NACK、HARQフィードバック、または、応答情報とも称される。また、下りリンクデータに対するHARQ-ACKは、ACK、NACK、またはDTXを示す。
PUSCHは、上りリンクデータ(Uplink-Shared Channel: UL-SCH)を送信するために用いられる物理チャネルである。また、PUSCHは、上りリンクデータと共にHARQ-ACKおよび/またはチャネル状態情報を送信するために用いられてもよい。また、PUSCHは、チャネル状態情報のみ、または、HARQ-ACKおよびチャネル状態情報のみを送信するために用いられてもよい。
PRACHは、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために用いられる物理チャネルである。PRACHは、端末装置2が基地局装置1と時間領域の同期をとるために用いられることができる。また、PRACHは、初期コネクション構築(initial connection establishment)手続き(処理)、ハンドオーバ手続き、コネクション再構築(connection re-establishment)手続き、上りリンク送信に対する同期(タイミング調整)、および/または、PUSCHリソースの要求を示すためにも用いられる。
PUCCH領域において、複数のPUCCHが周波数、時間、空間および/またはコード多重される。PUSCH領域において、複数のPUSCHが周波数、時間、空間および/またはコード多重されてもよい。PUCCHおよびPUSCHは周波数、時間、空間および/またはコード多重されてもよい。PRACHは単一のサブフレームまたは2つのサブフレームにわたって配置されてもよい。複数のPRACHが符号多重されてもよい。
<本実施形態における上りリンク物理信号>
UL-DMRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連する。UL-DMRSは、PUSCHまたはPUCCHと時間多重される。基地局装置1は、PUSCHまたはPUCCHの伝搬路補正を行うためにUL-DMRSを用いてもよい。本実施形態の説明において、PUSCHの送信は、PUSCHとUL-DMRSを多重して送信することも含む。本実施形態の説明において、PUCCHの送信は、PUCCHとUL-DMRSを多重して送信することも含む。
SRSは、PUSCHまたはPUCCHの送信に関連しない。基地局装置1は、上りリンクのチャネル状態を測定するためにSRSを用いてもよい。
SRSは上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルを用いて送信される。つまり、SRSは上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルに配置される。端末装置2は、あるセルのあるシンボルにおいて、SRSと、PUCCH、PUSCHおよび/またはPRACHとの同時送信を制限できる。端末装置2は、あるセルのある上りリンクサブフレームにおいて、その上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルを除くシンボルを用いてPUSCHおよび/またはPUCCHを送信し、その上りリンクサブフレーム内の最後のシンボルを用いてSRSを送信することができる。つまり、あるセルのある上りリンクサブフレームにおいて、端末装置2は、SRSと、PUSCHおよびPUCCHと、を送信することができる。
SRSにおいて、トリガータイプの異なるSRSとして、トリガータイプ0SRSおよびトリガータイプ1SRSが定義される。トリガータイプ0SRSは、上位層シグナリングによって、トリガータイプ0SRSに関するパラメータが設定される場合に送信される。トリガータイプ1SRSは、上位層シグナリングによって、トリガータイプ1SRSに関するパラメータが設定され、DCIフォーマット0、1A、2B、2C、2D、または4に含まれるSRSリクエストによって送信が要求された場合に送信される。なお、SRSリクエストは、DCIフォーマット0、1A、または4についてはFDDとTDDの両方に含まれ、DCIフォーマット2B、2C、または2DについてはTDDにのみ含まれる。同じサービングセルの同じサブフレームでトリガータイプ0SRSの送信とトリガータイプ1SRSの送信が生じる場合、トリガータイプ1SRSの送信が優先される。トリガータイプ0SRSは、周期的SRSとも呼称される。トリガータイプ1SRSは、非周期的SRSとも呼称される。
<本実施形態における基地局装置1の構成例>
図5は、本実施形態の基地局装置1の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置1は、上位層処理部101、制御部103、受信部105、送信部107、および、送受信アンテナ109、を含んで構成される。また、受信部105は、復号化部1051、復調部1053、多重分離部1055、無線受信部1057、およびチャネル測定部1059を含んで構成される。また、送信部107は、符号化部1071、変調部1073、多重部1075、無線送信部1077、および下りリンク参照信号生成部1079を含んで構成される。
既に説明したように、基地局装置1は、1つ以上のRATをサポートできる。図5に示す基地局装置1に含まれる各部の一部または全部は、RATに応じて個別に構成されうる。例えば、受信部105および送信部107は、LTEとNRとで個別に構成される。また、NRセルにおいて、図5に示す基地局装置1に含まれる各部の一部または全部は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。例えば、あるNRセルにおいて、無線受信部1057および無線送信部1077は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。
上位層処理部101は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行う。また、上位層処理部101は、受信部105、および送信部107の制御を行うために制御情報を生成し、制御部103に出力する。
制御部103は、上位層処理部101からの制御情報に基づいて、受信部105および送信部107の制御を行う。制御部103は、上位層処理部101への制御情報を生成し、上位層処理部101に出力する。制御部103は、復号化部1051からの復号化された信号およびチャネル測定部1059からのチャネル推定結果を入力する。制御部103は、符号化する信号を符号化部1071へ出力する。また、制御部103は、基地局装置1の全体または一部を制御するために用いられる。
上位層処理部101は、RAT制御、無線リソース制御、サブフレーム設定、スケジューリング制御、および/または、CSI報告制御に関する処理および管理を行う。上位層処理部101における処理および管理は、端末装置毎、または基地局装置に接続している端末装置共通に行われる。上位層処理部101における処理および管理は、上位層処理部101のみで行われてもよいし、上位ノードまたは他の基地局装置から取得してもよい。また、上位層処理部101における処理および管理は、RATに応じて個別に行われてもよい。例えば、上位層処理部101は、LTEにおける処理および管理と、NRにおける処理および管理とを個別に行う。
上位層処理部101におけるRAT制御では、RATに関する管理が行われる。例えば、RAT制御では、LTEに関する管理および/またはNRに関する管理が行われる。NRに関する管理は、NRセルにおける送信信号に関するパラメータセットの設定および処理を含む。
上位層処理部101における無線リソース制御では、下りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ(RRCパラメータ)、および/または、MAC制御エレメント(CE:Control Element)の生成および/または管理が行われる。
上位層処理部101におけるサブフレーム設定では、サブフレーム設定、サブフレームパターン設定、上りリンク-下りリンク設定、上りリンク参照UL-DL設定、および/または、下りリンク参照UL-DL設定の管理が行われる。なお、上位層処理部101におけるサブフレーム設定は、基地局サブフレーム設定とも呼称される。また、上位層処理部101におけるサブフレーム設定は、上りリンクのトラフィック量および下りリンクのトラフィック量に基づいて決定できる。また、上位層処理部101におけるサブフレーム設定は、上位層処理部101におけるスケジューリング制御のスケジューリング結果に基づいて決定できる。
上位層処理部101におけるスケジューリング制御では、受信したチャネル状態情報およびチャネル測定部1059から入力された伝搬路の推定値やチャネルの品質などに基づいて、物理チャネルを割り当てる周波数およびサブフレーム、物理チャネルの符号化率および変調方式および送信電力などが決定される。例えば、制御部103は、上位層処理部101におけるスケジューリング制御のスケジューリング結果に基づいて、制御情報(DCIフォーマット)を生成する。
上位層処理部101におけるCSI報告制御では、端末装置2のCSI報告が制御される。例えば、端末装置2においてCSIを算出するために想定するためのCSI参照リソースに関する設定が制御される。
受信部105は、制御部103からの制御に従って、送受信アンテナ109を介して端末装置2から送信された信号を受信し、さらに分離、復調、復号などの受信処理を行い、受信処理された情報を制御部103に出力する。なお、受信部105における受信処理は、あらかじめ規定された設定、または基地局装置1が端末装置2に通知した設定に基づいて行われる。
無線受信部1057は、送受信アンテナ109を介して受信された上りリンクの信号に対して、中間周波数への変換(ダウンコンバート)、不要な周波数成分の除去、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルの制御、受信された信号の同相成分および直交成分に基づく直交復調、アナログ信号からデジタル信号への変換、ガードインターバル(Guard Interval: GI)の除去、および/または、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)による周波数領域信号の抽出を行う。
多重分離部1055は、無線受信部1057から入力された信号から、PUCCHまたはPUSCHなどの上りリンクチャネルおよび/または上りリンク参照信号を分離する。多重分離部1055は、上りリンク参照信号をチャネル測定部1059に出力する。多重分離部1055は、チャネル測定部1059から入力された伝搬路の推定値から、上りリンクチャネルに対する伝搬路の補償を行う。
復調部1053は、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、256QAM等の変調方式を用いて受信信号の復調を行う。復調部1053は、MIMO多重された上りリンクチャネルの分離および復調を行う。
復号化部1051は、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータおよび/または上りリンク制御情報は制御部103へ出力される。復号化部1051は、PUSCHに対しては、トランスポートブロック毎に復号処理を行う。
チャネル測定部1059は、多重分離部1055から入力された上りリンク参照信号から伝搬路の推定値および/またはチャネルの品質などを測定し、多重分離部1055および/または制御部103に出力する。例えば、チャネル測定部1059は、UL-DMRSを用いてPUCCHまたはPUSCHに対する伝搬路補償を行うための伝搬路の推定値を測定し、SRSを用いて上りリンクにおけるチャネルの品質を測定する。
送信部107は、制御部103からの制御に従って、上位層処理部101から入力された下りリンク制御情報および下りリンクデータに対して、符号化、変調および多重などの送信処理を行う。例えば、送信部107は、PHICH、PDCCH、EPDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を生成および多重し、送信信号を生成する。なお、送信部107における送信処理は、あらかじめ規定された設定、基地局装置1が端末装置2に通知した設定、または、同一のサブフレームで送信されるPDCCHまたはEPDCCHを通じて通知される設定に基づいて行われる。
符号化部1071は、制御部103から入力されたHARQインディケータ(HARQ-ACK)、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳込み符号化、ターボ符号化等の所定の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部1073は、符号化部1071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。下りリンク参照信号生成部1079は、物理セル識別子(PCI:Physical cell identification)、端末装置2に設定されたRRCパラメータなどに基づいて、下りリンク参照信号を生成する。多重部1075は、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号を多重し、所定のリソースエレメントに配置する。
無線送信部1077は、多重部1075からの信号に対して、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)による時間領域の信号への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、中間周波数の信号から高周波数の信号への変換(アップコンバート: up convert)、余分な周波数成分の除去、電力の増幅などの処理を行い、送信信号を生成する。無線送信部1077が出力した送信信号は、送受信アンテナ109から送信される。
<本実施形態における端末装置2の構成例>
図6は、本実施形態の端末装置2の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、端末装置2は、上位層処理部201、制御部203、受信部205、送信部207、および送受信アンテナ209を含んで構成される。また、受信部205は、復号化部2051、復調部2053、多重分離部2055、無線受信部2057、およびチャネル測定部2059を含んで構成される。また、送信部207は、符号化部2071、変調部2073、多重部2075、無線送信部2077、および上りリンク参照信号生成部2079を含んで構成される。
既に説明したように、端末装置2は、1つ以上のRATをサポートできる。図6に示す端末装置2に含まれる各部の一部または全部は、RATに応じて個別に構成されうる。例えば、受信部205および送信部207は、LTEとNRとで個別に構成される。また、NRセルにおいて、図6に示す端末装置2に含まれる各部の一部または全部は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。例えば、あるNRセルにおいて、無線受信部2057および無線送信部2077は、送信信号に関するパラメータセットに応じて個別に構成されうる。
上位層処理部201は、上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、制御部203に出力する。上位層処理部201は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。また、上位層処理部201は、受信部205、および送信部207の制御を行うために制御情報を生成し、制御部203に出力する。
制御部203は、上位層処理部201からの制御情報に基づいて、受信部205および送信部207の制御を行う。制御部203は、上位層処理部201への制御情報を生成し、上位層処理部201に出力する。制御部203は、復号化部2051からの復号化された信号およびチャネル測定部2059からのチャネル推定結果を入力する。制御部203は、符号化する信号を符号化部2071へ出力する。また、制御部203は、端末装置2の全体または一部を制御するために用いられてもよい。
上位層処理部201は、RAT制御、無線リソース制御、サブフレーム設定、スケジューリング制御、および/または、CSI報告制御に関する処理および管理を行う。上位層処理部201における処理および管理は、あらかじめ規定される設定、および/または、基地局装置1から設定または通知される制御情報に基づく設定に基づいて行われる。例えば、基地局装置1からの制御情報は、RRCパラメータ、MAC制御エレメントまたはDCIを含む。また、上位層処理部201における処理および管理は、RATに応じて個別に行われてもよい。例えば、上位層処理部201は、LTEにおける処理および管理と、NRにおける処理および管理とを個別に行う。
上位層処理部201におけるRAT制御では、RATに関する管理が行われる。例えば、RAT制御では、LTEに関する管理および/またはNRに関する管理が行われる。NRに関する管理は、NRセルにおける送信信号に関するパラメータセットの設定および処理を含む。
上位層処理部201における無線リソース制御では、自装置における設定情報の管理が行われる。上位層処理部201における無線リソース制御では、上りリンクデータ(トランスポートブロック)、システムインフォメーション、RRCメッセージ(RRCパラメータ)、および/または、MAC制御エレメント(CE:Control Element)の生成および/または管理が行われる。
上位層処理部201におけるサブフレーム設定では、基地局装置1および/または基地局装置1とは異なる基地局装置におけるサブフレーム設定が管理される。サブフレーム設定は、サブフレームに対する上りリンクまたは下りリンクの設定、サブフレームパターン設定、上りリンク-下りリンク設定、上りリンク参照UL-DL設定、および/または、下りリンク参照UL-DL設定を含む。なお、上位層処理部201におけるサブフレーム設定は、端末サブフレーム設定とも呼称される。
上位層処理部201におけるスケジューリング制御では、基地局装置1からのDCI(スケジューリング情報)に基づいて、受信部205および送信部207に対するスケジューリングに関する制御を行うための制御情報が生成される。
上位層処理部201におけるCSI報告制御では、基地局装置1に対するCSIの報告に関する制御が行われる。例えば、CSI報告制御では、チャネル測定部2059でCSIを算出するために想定するためのCSI参照リソースに関する設定が制御される。CSI報告制御では、DCIおよび/またはRRCパラメータに基づいて、CSIを報告するために用いられるリソース(タイミング)を制御する。
受信部205は、制御部203からの制御に従って、送受信アンテナ209を介して基地局装置1から送信された信号を受信し、さらに分離、復調、復号などの受信処理を行い、受信処理された情報を制御部203に出力する。なお、受信部205における受信処理は、あらかじめ規定された設定、または基地局装置1からの通知または設定に基づいて行われる。
無線受信部2057は、送受信アンテナ209を介して受信された上りリンクの信号に対して、中間周波数への変換(ダウンコンバート)、不要な周波数成分の除去、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルの制御、受信された信号の同相成分および直交成分に基づく直交復調、アナログ信号からデジタル信号への変換、ガードインターバル(Guard Interval: GI)の除去、および/または、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)による周波数領域の信号の抽出を行う。
多重分離部2055は、無線受信部2057から入力された信号から、PHICH、PDCCH、EPDCCHまたはPDSCHなどの下りリンクチャネル、下りリンク同期信号および/または下りリンク参照信号を分離する。多重分離部2055は、下りリンク参照信号をチャネル測定部2059に出力する。多重分離部2055は、チャネル測定部2059から入力された伝搬路の推定値から、下りリンクチャネルに対する伝搬路の補償を行う。
復調部2053は、下りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の変調方式を用いて受信信号の復調を行う。復調部2053は、MIMO多重された下りリンクチャネルの分離および復調を行う。
復号化部2051は、復調された下りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された下りリンクデータおよび/または下りリンク制御情報は制御部203へ出力される。復号化部2051は、PDSCHに対しては、トランスポートブロック毎に復号処理を行う。
チャネル測定部2059は、多重分離部2055から入力された下りリンク参照信号から伝搬路の推定値および/またはチャネルの品質などを測定し、多重分離部2055および/または制御部203に出力する。チャネル測定部2059が測定に用いる下りリンク参照信号は、少なくともRRCパラメータによって設定される送信モードおよび/または他のRRCパラメータに基づいて決定されてもよい。例えば、DL-DMRSはPDSCHまたはEPDCCHに対する伝搬路補償を行うための伝搬路の推定値を測定する。CRSはPDCCHまたはPDSCHに対する伝搬路補償を行うための伝搬路の推定値、および/または、CSIを報告するための下りリンクにおけるチャネルを測定する。CSI-RSは、CSIを報告するための下りリンクにおけるチャネルを測定する。チャネル測定部2059は、CRS、CSI-RSまたは検出信号に基づいて、RSRP(Reference Signal Received Power)および/またはRSRQ(Reference Signal Received Quality)を算出し、上位層処理部201へ出力する。
送信部207は、制御部203からの制御に従って、上位層処理部201から入力された上りリンク制御情報および上りリンクデータに対して、符号化、変調および多重などの送信処理を行う。例えば、送信部207は、PUSCHまたはPUCCHなどの上りリンクチャネルおよび/または上りリンク参照信号を生成および多重し、送信信号を生成する。なお、送信部207における送信処理は、あらかじめ規定された設定、または、基地局装置1から設定または通知に基づいて行われる。
符号化部2071は、制御部203から入力されたHARQインディケータ(HARQ-ACK)、上りリンク制御情報、および上りリンクデータを、ブロック符号化、畳込み符号化、ターボ符号化等の所定の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部2073は、符号化部2071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。上りリンク参照信号生成部2079は、端末装置2に設定されたRRCパラメータなどに基づいて、上りリンク参照信号を生成する。多重部2075は、各チャネルの変調シンボルと上りリンク参照信号を多重し、所定のリソースエレメントに配置する。
無線送信部2077は、多重部2075からの信号に対して、逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)による時間領域の信号への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、中間周波数の信号から高周波数の信号への変換(アップコンバート: up convert)、余分な周波数成分の除去、電力の増幅などの処理を行い、送信信号を生成する。無線送信部2077が出力した送信信号は、送受信アンテナ209から送信される。
<本実施形態における制御情報のシグナリング>
基地局装置1および端末装置2は、それぞれ制御情報のシグナリング(通知、報知、設定)のために、様々な方法を用いることができる。制御情報のシグナリングは、様々な層(レイヤー)で行うことができる。制御情報のシグナリングは、物理層(レイヤー)を通じたシグナリングである物理層シグナリング、RRC層を通じたシグナリングであるRRCシグナリング、および、MAC層を通じたシグナリングであるMACシグナリングなどを含む。RRCシグナリングは、端末装置2に固有の制御情報を通知する専用のRRCシグナリング(Dedicated RRC signaling)、または、基地局装置1に固有の制御情報を通知する共通のRRCシグナリング(Common RRC signaling)である。RRCシグナリングやMACシグナリングなど、物理層から見て上位の層が用いるシグナリングは上位層シグナリングとも呼称される。
RRCシグナリングは、RRCパラメータをシグナリングすることにより実現される。MACシグナリングは、MAC制御エレメントをシグナリングすることにより実現される。物理層シグナリングは、下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)または上りリンクリンク制御情報(UCI:Uplink Control Information)をシグナリングすることにより実現される。RRCパラメータおよびMAC制御エレメントは、PDSCHまたはPUSCHを用いて送信される。DCIは、PDCCHまたはEPDCCHを用いて送信される。UCIは、PUCCHまたはPUSCHを用いて送信される。RRCシグナリングおよびMACシグナリングは、準静的(semi-static)な制御情報をシグナリングするために用いられ、準静的シグナリングとも呼称される。物理層シグナリングは、動的(dynamic)な制御情報をシグナリングするために用いられ、動的シグナリングとも呼称される。DCIは、PDSCHのスケジューリングまたはPUSCHのスケジューリングなどのために用いられる。UCIは、CSI報告、HARQ-ACK報告、および/またはスケジューリング要求(SR:Scheduling Request)などのために用いられる。
<本実施形態における下りリンク制御情報の詳細>
DCIはあらかじめ規定されるフィールドを有するDCIフォーマットを用いて通知される。DCIフォーマットに規定されるフィールドは、所定の情報ビットがマッピングされる。DCIは、下りリンクスケジューリング情報、上りリンクスケジューリング情報、サイドリンクスケジューリング情報、非周期的CSI報告の要求、または、上りリンク送信電力コマンドを通知する。
端末装置2がモニタするDCIフォーマットは、サービングセル毎に設定された送信モードによって決まる。すなわち、端末装置2がモニタするDCIフォーマットの一部は、送信モードによって異なることができる。例えば、下りリンク送信モード1が設定された端末装置2は、DCIフォーマット1AとDCIフォーマット1をモニタする。例えば、下りリンク送信モード4が設定された端末装置2は、DCIフォーマット1AとDCIフォーマット2をモニタする。例えば、上りリンク送信モード1が設定された端末装置2は、DCIフォーマット0をモニタする。例えば、上りリンク送信モード2が設定された端末装置2は、DCIフォーマット0とDCIフォーマット4をモニタする。
端末装置2に対するDCIを通知するPDCCHが配置される制御領域は通知されず、端末装置2は端末装置2に対するDCIをブラインドデコーディング(ブラインド検出)により検出する。具体的には、端末装置2は、サービングセルにおいて、PDCCH候補のセットをモニタする。モニタリングは、そのセットの中のPDCCHのそれぞれに対して、全てのモニタされるDCIフォーマットによって復号を試みることを意味する。例えば、端末装置2は、端末装置2宛に送信される可能性がある全てのアグリゲーションレベル、PDCCH候補、および、DCIフォーマットについてデコードを試みる。端末装置2は、デコード(検出)が成功したDCI(PDCCH)を端末装置2に対するDCI(PDCCH)として認識する。
DCIに対して、巡回冗長検査(CRC: Cyclic Redundancy Check)が付加される。CRCは、DCIのエラー検出およびDCIのブラインド検出のために用いられる。CRC(CRCパリティビット)は、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)によってスクランブルされる。端末装置2は、RNTIに基づいて、端末装置2に対するDCIかどうかを検出する。具体的には、端末装置2は、CRCに対応するビットに対して、所定のRNTIでデスクランブルを行い、CRCを抽出し、対応するDCIが正しいかどうかを検出する。
RNTIは、DCIの目的や用途に応じて規定または設定される。RNTIは、C-RNTI(Cell-RNTI)、SPS C-RNTI(Semi Persistent Scheduling C-RNTI)、SI-RNTI(System Information-RNTI)、P-RNTI(Paging-RNTI)、RA-RNTI(Random Access-RNTI)、TPC-PUCCH-RNTI(Transmit Power Control-PUCCH-RNTI)、TPC-PUSCH-RNTI(Transmit Power Control-PUSCH-RNTI)、一時的C-RNTI、M-RNTI(MBMS (Multimedia Broadcast Multicast Services) -RNTI)、および、eIMTA-RNTI、CC-RNTIを含む。
C-RNTIおよびSPS C-RNTIは、基地局装置1(セル)内において端末装置2に固有のRNTIであり、端末装置2を識別するための識別子である。C-RNTIは、あるサブフレームにおけるPDSCHまたはPUSCHをスケジューリングするために用いられる。SPS C-RNTIは、PDSCHまたはPUSCHのためのリソースの周期的なスケジューリングをアクティベーションまたはリリースするために用いられる。SI-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、SIB(System Information Block)をスケジューリングするために用いられる。P-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、ページングを制御するために用いられる。RA-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、RACHに対するレスポンスをスケジューリングするために用いられる。TPC-PUCCH-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、PUCCHの電力制御を行うために用いられる。TPC-PUSCH-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、PUSCHの電力制御を行うために用いられる。Temporary C-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、C-RNTIが設定または認識されていない移動局装置によって用いられる。M-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、MBMSをスケジューリングするために用いられる。eIMTA-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネルは、動的TDD(eIMTA)において、TDDサービングセルのTDD UL/DL設定に関する情報を通知するために用いられる。CC-RNTIでスクランブルされたCRCを有する制御チャネル(DCI)は、LAAセカンダリーセルにおいて、専有OFDMシンボルの設定を通知するために用いられる。なお、上記のRNTIに限らず、新たなRNTIによってDCIフォーマットがスクランブルされてもよい。
スケジューリング情報(下りリンクスケジューリング情報、上りリンクスケジューリング情報、サイドリンクスケジューリング情報)は、周波数領域のスケジューリングとして、リソースブロックまたはリソースブロックグループを単位にスケジューリングを行うための情報を含む。リソースブロックグループは、連続するリソースブロックのセットであり、スケジューリングされる端末装置に対する割り当てられるリソースを示す。リソースブロックグループのサイズは、システム帯域幅に応じて決まる。
<本実施形態における下りリンク制御チャネルの詳細>
DCIはPDCCHまたはEPDCCHなどの制御チャネルを用いて送信される。端末装置2は、RRCシグナリングによって設定された1つまたは複数のアクティベートされたサービングセルのPDCCH候補のセットおよび/またはEPDCCH候補のセットをモニタする。ここで、モニタリングとは、全てのモニタされるDCIフォーマットに対応するセット内のPDCCHおよび/またはEPDCCHのデコードを試みることである。
PDCCH候補のセットまたはEPDCCH候補のセットは、サーチスペースとも呼称される。サーチスペースには、共有サーチスペース(CSS)と端末固有サーチスペース(USS)が定義される。CSSは、PDCCHに関するサーチスペースのみに対して定義されてもよい。
CSS(Common Search Space)は、基地局装置1に固有のパラメータおよび/または予め規定されたパラメータに基づいて設定されるサーチスペースである。例えば、CSSは、複数の端末装置で共通に用いられるサーチスペースである。そのため、基地局装置1が複数の端末装置で共通の制御チャネルをCSSにマッピングすることにより、制御チャネルを送信するためのリソースが低減される。
USS(UE-specific Search Space)は、少なくとも端末装置2に固有のパラメータを用いて設定されるサーチスペースである。そのため、USSは、端末装置2に固有のサーチスペースであり、基地局装置1はUSSによって端末装置2に固有の制御チャネルを個別に送信することができる。そのため、基地局装置1は複数の端末装置に固有の制御チャネルを効率的にマッピングできる。
USSは、複数の端末装置に共通に用いられるように設定されてもよい。複数の端末装置に対して共通のUSSが設定されるために、端末装置2に固有のパラメータは、複数の端末装置の間で同じ値になるように設定される。例えば、複数の端末装置の間で同じパラメータに設定される単位は、セル、送信点、または所定の端末装置のグループなどである。
アグリゲーションレベル毎のサーチスペースはPDCCH候補のセットによって定義される。PDCCHのそれぞれは、1つ以上のCCE(Control Channel Element)の集合を用いて送信される。1つのPDCCHに用いられるCCEの数は、アグリゲーションレベルとも呼称される。例えば、1つのPDCCHに用いられるCCEの数は、1、2、4または8である。
PDCCH候補の数は、少なくともサーチスペースおよびアグリゲーションレベルに基づいて決まる。例えば、CSSにおいて、アグリゲーションレベル4および8におけるPDCCH候補の数はそれぞれ4および2である。例えば、USSにおいて、アグリゲーション1、2、4および8におけるPDCCH候補の数はそれぞれ6、6、2および2である。
<本実施形態におけるリソース割り当ての詳細>
基地局装置1は、端末装置2にPDSCHおよび/またはPUSCHのリソース割り当ての方法として、複数の方法を用いることができる。リソース割り当ての方法は、動的スケジューリング、セミパーシステントスケジューリング、マルチサブフレームスケジューリング、およびクロスサブフレームスケジューリングを含む。
動的スケジューリングにおいて、1つのDCIは1つのサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。具体的には、あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームにおけるPDSCHに対するスケジューリングを行う。あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより後の所定のサブフレームにおけるPUSCHに対するスケジューリングを行う。
マルチサブフレームスケジューリングにおいて、1つのDCIは1つ以上のサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。具体的には、あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つ以上のサブフレームにおけるPDSCHに対するスケジューリングを行う。あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つ以上のサブフレームにおけるPUSCHに対するスケジューリングを行う。その所定数はゼロ以上の整数にすることができる。その所定数は、あらかじめ規定されてもよいし、物理層シグナリングおよび/またはRRCシグナリングに基づいて決められてもよい。マルチサブフレームスケジューリングにおいて、連続したサブフレームがスケジューリングされてもよいし、所定の周期を有するサブフレームがスケジューリングされてもよい。スケジューリングされるサブフレームの数は、あらかじめ規定されてもよいし、物理層シグナリングおよび/またはRRCシグナリングに基づいて決められてもよい。
クロスサブフレームスケジューリングにおいて、1つのDCIは1つのサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。具体的には、あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つのサブフレームにおけるPDSCHに対するスケジューリングを行う。あるサブフレームにおけるPDCCHまたはEPDCCHは、そのサブフレームより所定数後の1つのサブフレームにおけるPUSCHに対するスケジューリングを行う。その所定数はゼロ以上の整数にすることができる。その所定数は、あらかじめ規定されてもよいし、物理層シグナリングおよび/またはRRCシグナリングに基づいて決められてもよい。クロスサブフレームスケジューリングにおいて、連続したサブフレームがスケジューリングされてもよいし、所定の周期を有するサブフレームがスケジューリングされてもよい。
セミパーシステントスケジューリング(SPS)において、1つのDCIは1つ以上のサブフレームにおけるリソース割り当てを行う。端末装置2は、RRCシグナリングによってSPSに関する情報が設定され、SPSを有効にするためのPDCCHまたはEPDCCHを検出した場合、SPSに関する処理を有効にし、SPSに関する設定に基づいて所定のPDSCHおよび/またはPUSCHを受信する。端末装置2は、SPSが有効である時にSPSをリリースするためのPDCCHまたはEPDCCHを検出した場合、SPSをリリース(無効に)し、所定のPDSCHおよび/またはPUSCHの受信を止める。SPSのリリースは、所定の条件を満たした場合に基づいて行ってもよい。例えば、所定数の空送信のデータを受信した場合に、SPSはリリースされる。SPSをリリースするためのデータの空送信は、ゼロMAC SDU(Service Data Unit)を含むMAC PDU(Protocol Data Unit)に対応する。
RRCシグナリングによるSPSに関する情報は、SPSのRNTIであるSPS C-RNTI、PDSCHのスケジューリングされる周期(インターバル)に関する情報、PUSCHのスケジューリングされる周期(インターバル)に関する情報、SPSをリリースするための設定に関する情報、および/または、SPSにおけるHARQプロセスの番号を含む。SPSは、プライマリーセルおよび/またはプライマリーセカンダリーセルのみにサポートされる。
<自己完結型送信>
NRでは、物理チャネルおよび/または物理信号を自己完結型送信(self-contained transmission)によって送信することができる。図15に、本実施形態における自己完結型送信のフレーム構成の一例を示す。自己完結型送信では、1つの送受信は、先頭から連続する下りリンク送信、GP、および連続する下りリンク送信の順番で構成される。連続する下りリンク送信には、少なくとも1つの下りリンク制御情報およびDMRSが含まれる。その下りリンク制御情報は、その連続する下りリンク送信に含まれる下りリンク物理チャネルの受信、またはその連続する上りリンク送信に含まれる上りリンク物理チャネルの送信を指示する。その下りリンク制御情報が下りリンク物理チャネルの受信を指示した場合、端末装置2は、その下りリンク制御情報に基づいてその下りリンク物理チャネルの受信を試みる。そして、端末装置2は、その下りリンク物理チャネルの受信成否(デコード成否)を、GP後に割り当てられる上りリンク送信に含まれる上りリンク制御チャネルによって送信する。一方で、その下りリンク制御情報が上りリンク物理チャネルの送信を指示した場合、その下りリンク制御情報に基づいて送信される上りリンク物理チャネルを上りリンク送信に含めて送信を行う。このように、下りリンク制御情報によって、上りリンクデータの送信と下りリンクデータの送信を柔軟に切り替えることで、上りリンクと下りリンクのトラヒック比率の増減に即座に対応することができる。また、下りリンクの受信成否を直後の上りリンク送信で通知することで、下りリンクの低遅延通信を実現することができる。
単位スロット時間は、下りリンク送信、GP、または上りリンク送信を定義する最小の時間単位である。単位スロット時間は、下りリンク送信、GP、または上りリンク送信のいずれかのために予約される。単位スロット時間の中に、下りリンク送信と上りリンク送信の両方は含まれない。単位スロット時間は、その単位スロット時間に含まれるDMRSと関連付けられるチャネルの最小送信時間としてもよい。1つの単位スロット時間は、例えば、NRのサンプリング間隔(Ts)またはシンボル長の整数倍で定義される。
単位フレーム時間は、スケジューリングで指定される最小時間であってもよい。単位フレーム時間は、トランスポートブロックが送信される最小単位であってもよい。単位スロット時間は、その単位スロット時間に含まれるDMRSと関連付けられるチャネルの最大送信時間としてもよい。単位フレーム時間は、端末装置2において上りリンク送信電力を決定する単位時間であってもよい。単位フレーム時間は、サブフレームと称されてもよい。単位フレーム時間には、下りリンク送信のみ、上りリンク送信のみ、上りリンク送信と下りリンク送信の組み合わせの3種類のタイプが存在する。1つの単位フレーム時間は、例えば、NRのサンプリング間隔(Ts)、シンボル長、または単位スロット時間の整数倍で定義される。
送受信時間は、1つの送受信の時間である。1つの送受信と他の送受信との間は、どの物理チャネルおよび物理信号も送信されない時間(ギャップ)で占められる。端末装置2は、異なる送受信間でCSI測定を平均しなくてもよい。送受信時間は、TTIと称されてもよい。1つの送受信時間は、例えば、NRのサンプリング間隔(Ts)、シンボル長、単位スロット時間、または単位フレーム時間の整数倍で定義される。
<本実施形態におけるNRの上りリンクRS>
NRにおける上りリンクRSとしては、例えば、NR-SRSなどがある。NR-SRSの一例を以下に記載する。なお、以下において明記されない特徴は、LTEにおけるSRSと同様とみなすことができるものとする。
NR-SRSは、サブフレーム内またはスロット内における最後のシンボルで送信されなくてもよい。例えば、NR-SRSは、サブフレーム内またはスロット内における最初のシンボルや途中のシンボルで送信されてもよい。
また、NR-SRSは、複数のシンボルで連続的に送信されてもよい。例えば、NR-SRSは、サブフレーム内またはスロット内における最後の数シンボルで送信されてもよい。
<本実施形態におけるNRのアンテナ構成>
NRのアンテナとしては、デジタルアンテナ構成、アナログアンテナ構成、およびデジタルアンテナ構成とアナログアンテナ構成を複合したハイブリッドアンテナ構成が想定される。
デジタルアンテナ構成とは、各アンテナ素子に対してデジタル回路(ベースバンド領域)によってアンテナ重みを制御する構成である。
図8は、本実施形態におけるデジタルアンテナ構成の一例を示す概略ブロック図である。図8では、図5の基地局装置1の構成における多重部1075、無線送信部1077、およびアンテナ部109の構成に着目して図示している。また、図8では、基本構成の説明に不要な構成については図示を省略しているが、図5において説明した構成を各部に備えているものとする。
デジタルアンテナ構成では、多重部1075に、プリコーディング部を含んで構成される。即ち、デジタルアンテナ構成においては、当該プリコーディング部において、各アンテナ素子に対応する送信信号に対してアンテナ重みが乗算されることで、ビームが形成される。
デジタルアンテナ構成では、各アンテナ素子に対して柔軟な位相制御を行うことが可能であり、周波数領域において異なるビームを生成することが可能となる。一方で、デジタルアンテナ構成においては、その構成が複雑となる傾向にある。
図9は、本実施形態におけるアナログアンテナ構成の一例を示す概略ブロック図である。図9では、図8と同様に、図5の基地局装置1の構成における多重部1075、無線送信部1077、およびアンテナ部109の構成に着目して図示している。また、図9では、基本構成の説明に不要な構成については図示を省略しているが、図5において説明した構成を各部に備えているものとする。
アナログアンテナ構成では、無線送信部1077に、位相制御部を含んで構成される。この位相制御部によって、アナログ領域(RF領域)で送信信号の位相を回転させることで、ビームが形成される。
アナログ領域で位相を制御するため柔軟なビーム制御は処理が複雑であるが、構成は簡素となる傾向にある。一例として、アンテナスイッチイング構成はアナログアンテナ構成の一部である。
ハイブリッドアンテナ構成は、デジタルアンテナ構成とアナログアンテナ構成を複合した構成であり、アナログ領域における位相制御素子およびデジタル領域における位相制御素子を併せ持つ。ハイブリッドアンテナ構成は、ビームフォーミングの性能と構成の複雑さに関してデジタルアンテナ構成とアナログアンテナ構成の中間となる特徴を有する。
<本実施形態におけるNRのビーム運用方式>
NRにおいて、単一ビーム運用と複数ビーム運用の2種類の方式が想定される。
例えば、図10は、単一ビーム運用の一例について概要を説明するための説明図である。単一ビーム運用は、所定のセルカバレッジを1つのビームによってカバーする(即ち、1つのビームによって運用される)方式である。具体的には、所定のセルカバレッジ内において、セル固有の物理チャネルまたは物理信号は1つのビームによって送信される。例えば、LTEは、単一ビーム運用であるとみなすこともできる。
また、図11は、複数ビーム運用の一例について概要を説明するための説明図である。複数ビーム運用は、所定のセルカバレッジを1つ以上のビームによってカバーする(即ち、1つ以上のビームによって運用される)方式である。具体的には、セル固有の物理チャネルまたは物理信号は複数のビームによって送信される。例えば、アナログビームフォーミングやハイブリッドビームフォーミングでは、所定の時間インスタンスでは所定の方向のビームが送信され、その所定の方向のビーム以外に送信することは困難である。そのため、例えば、時間インスタンスを切り替えることで、複数の方向のビームが切り替わり、広域をカバーすることが可能となる。すなわち、セル固有の物理チャネルまたは物理信号が送信される所定のビームは、1つの時間インスタンス(時間リソース)で送信される。また、異なる時間インスタンスでは、異なるビームが送信される。このように、複数ビーム運用では、複数の時間インスタンスで複数のビームを切り替えて運用される。この複数の時間インスタンスで複数のビームを切り替えることは、ビームスイープ(beam sweep)と呼称される。
なお、デジタルアンテナ構成であっても、複数ビーム運用が行われてもよい。
また、ビームは、チャネルやパス、アンテナ、アンテナポート、などの用語に換言することができる。すなわち、異なるビームを用いた送信は、異なるチャネル、パス、アンテナ、または、アンテナポートを用いた送信であると換言することができる。さらに、ビームは、仮想的なセルとしても、想定することができる。端末装置は、同じセルから送信される異なるビームを異なる仮想セルまたは仮想キャリアとして認識することができる。なお、本開示においては、上記チャネルやパス、アンテナ、アンテナポートのようなビームと換言することが可能な情報や、当該ビームの制御に関する情報(例えば、アンテナの設定等に関する情報)等を総じて、「アンテナ情報」とも称する。即ち、所定のビームにより送信される信号は、当該ビーム対応するアンテナ情報に関連付けられているものとみなすことが可能である。
<本実施形態におけるNRの適切なビーム選択>
NRにおいて、システムは、下りリンクおよび上りリンクのそれぞれについて適切なビームを選択することが好ましい。具体的には、基地局装置の下りリンク送信ビームおよび端末装置の下りリンク受信ビームのそれぞれは、適切なビームが選択されることが好ましい。また、端末装置の上りリンク送信ビームおよび基地局装置の上りリンク受信ビームのそれぞれは、適切なビームが選択されることが好ましい。
基地局装置は、適切な下りリンク送信ビームを、当該基地局装置から送信される信号を受信する端末装置からの報告またはフィードバック情報に基づいて認識することが可能である。以下に、基地局装置が、適切な下りリンク送信ビームを認識するプロセスの一例について示す。例えば、基地局装置は、互いに異なる下りリンク送信ビームを用いて所定の既知信号を複数回送信する。端末装置は、互いに異なる下りリンク送信ビームにより複数回送信された当該既知信号それぞれから、受信強度または受信品質などに基づいて、適切な下りリンク送信ビームを決定し、その適切な下りリンク送信ビームに対応する情報を基地局装置に報告またはフィードバックする。これにより、基地局装置は、適切な下りリンク送信ビームを認知することが可能となる。なお、当該既知信号としては、例えば、NR-SS、MRS、BRS、NR-CSI-RS、NR-DM-RSなどの各種参照信号が挙げられる。
また、他の一例として、基地局装置は、適切な下りリンク送信ビームを、基地局装置の適切な上りリンク受信ビームに基づいて認識することが可能である。
端末装置は、適切な上りリンク送信ビームを、当該端末装置から送信される信号を受信する基地局装置からの報告またはフィードバック情報に基づいて認識することが可能である。以下に、端末装置が、適切な上りリンク送信ビームを認識するプロセスの一例を示す。例えば、端末装置は、互いに異なる上りリンク送信ビームを用いて所定の既知信号を複数回送信する。基地局装置は、互いに異なる上りリンク送信ビームにより複数回送信された当該既知信号それぞれから、受信強度または受信品質などに基づいて、適切な上りリンク送信ビームを決定し、その適切な上りリンク送信ビームに対応する情報を端末装置に報告または通知を行う。これにより、端末装置は、適切な上りリンク送信ビームを認知することが可能となる。なお、当該既知信号としては、例えば、NR-PRACH、NR-SRS、NR-DM-RSなどの各種参照信号が挙げられる。
また、他の一例として、端末装置は、適切な上りリンク送信ビームを、端末装置の適切な下りリンク受信ビームに基づいて認識することが可能である。
<本実施形態におけるNRの同期信号>
NRにおいて、同期信号は、端末装置が下りリンクの周波数領域および/または時間領域の同期をとるために用いられる。NRで用いられる同期信号は、NR-SS(NR-Synchronization Signal)と呼称される。
NR-SSは、少なくともNR-PSS(NR-Primary Synchronization Signal)とNR-SSS(NR-Secondary Synchronization Signal)とで構成される。なお、NR-SSは、NR-TSS(NR-Third Synchronization Signal)を含んで構成されてもよい。NR-SSは、所定の周波数範囲(周波数バンド)に対してシステム帯域幅に寄らず一定であることが好ましい。
NR-PSSは、少なくともNRセルに対するシンボル境界の初期同期に用いられる。なお、NR-PSSは、NRセル識別子の一部の検出のために用いられてもよく、NR-SSSに対する復調のために用いられてもよい。NR-PSSの系列は、例えば、M系列、または、Zadoff-Chu系列を用いて構成される。
端末装置は、他の参照信号を用いてNR-PSSの検出を行わない。また、端末装置は、NR-PSSが、他のいずれの下りリンク参照信号と同じTRP(Transmission and Reception Point、送受信点)およびアンテナポートで送信されると想定しなくてもよい。
NR-SSSは、少なくともNRセル識別子またはNRセル識別子の一部の検出に用いられる。NR-SSSは、NR-PSSのリソース位置に対して固定の時間および周波数リソース関係で位置されて、検出される。そのリソース関係は複信の方式やビーム運用方式に依存せず一定である。NR-SSSの系列の種類は、M系列が好ましいが、例えば、Zadoff-Chu系列、ゴールド系列、などであってもよい。また、前記系列の種類の複数が組み合わされて用いられてもよく、同じ種類の系列であって生成式の異なる複数の系列が組み合わされて用いられてもよい。
端末装置は、NR-PSSの検出によって得られたチャネル状態情報および/またはNRセルに関する情報を用いて、NR-SSSの検出を行ってもよい。端末装置は、NR-PSSと同じアンテナポートでNR-SSSが送信されていると想定してもよい。
NR-TSSは、同期信号ブロックのインデックスを通知するために用いられてもよい。NR-TSSは、ビームのインデックスを通知するために用いられてもよい。NR-TSSは、同期信号ブロックの繰り返し数を通知するために用いられてもよい。NR-TSSは、当該NR-TSSが含まれる同期信号ブロックと同期信号バースト内の他の同期信号および/またはNR-PBCHの一部または全部が同じであるか否かを通知するために用いられてもよい。NR-TSSは、NR-PBCHの復調に用いられてもよい。すなわち、NR-TSSは、NR-PBCHと同アンテナポートで送信されてもよい。端末装置は、NR-PBCHとNR-TSSがQCLであると想定する。なお、NR-TSSは、NR-PBCHが送信されるOFDMシンボルに含まれて送信されてもよい。NR-TSSの系列は、M系列またはゴールド系列であることが好ましい。
NR-SSは、当該NR-SSが送信されるNRセルの品質を測定するために用いられてもよい。そのNRセルの品質は、例えば、RSRP、RSRQ、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、SNR(Signal to Noise Ratio)、および/またはSINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)である。
NR-SSは所定のサブキャリア間隔を用いて送信される。その所定のサブキャリア間隔は、周波数バンド(オペレーティングバンド)に対して一意に定義される。
<本実施形態におけるNRの報知チャネル>
NRにおいて、少なくとも1つの報知チャネルが定義される。その報知チャネルは、NR-PBCHと呼称される。
NR-PBCHは、システム情報の一部を報知するために用いられる。NR-PBCHは、他の制御情報によってスケジュールされない。NR-PBCHで運ばれる情報は、固定のペイロードサイズである。NR-PBCHは、周期的に送信される。NR-PBCHで運ばれるその情報は、第一のNRシステム情報またはNR-MIBと呼称される。
NR-PBCHに含まれるNR-MIBは、ポーラ符号によって符号化される。なお、NR-MIBは、LDPC(Low-Density Parity Check)符号によって符号化されてもよい。また、NR-MIBは、畳み込み符号によって符号化されてもよい。
NR-PBCHは、NRセル識別子を用いてスクランブルされてもよい。端末装置は、NRセル識別子を用いてNR-PBCHのデスクランブルを行う。なお、NR-PBCHは、NR-SSによって得られる他の識別子を用いてスクランブルされてもよい。その他の識別子としては、例えば、ビームインデックス、時間インデックス、などが挙げられる。
NR-PBCHのリソースマッピングは、先に周波数方向から順番に割り当てられる。具体的な一例として、NR-PBCHに予約されたリソースエレメントのうち、先頭のシンボルのサブキャリアに変調後シンボルが順番に割り当てられる。そして、先頭のシンボルの全てのサブキャリアに割り当てられた後に、次のシンボルのサブキャリアに変調後シンボルが順番に割り当てられる。このような工程を繰り返し、NR-PBCHに予約されたリソースエレメントの全てに、変調後シンボルが割り当てられる。
NR-PBCHのサブキャリア間隔は、NR-SSのサブキャリア間隔と同じであることが好ましい。
NR-PBCHは、NR-PBCHを復調するためのRSと多重されて送信されてもよい。NR-PBCHは、そのRSを用いて復調されてもよい。なお、NR-PBCHは、NR-SSを用いて復調されてもよい。また、NR-PBCHは、MRSを用いて復調されてもよい。
NR-PBCHは、例えば、プライマリーセルで送信される。また、NR-PBCHは、スタンドアロンセルで送信される。なお、NR-PBCHは、セカンダリーセルでは送信されなくてもよい。また、NR-PBCHは、非スタンドアロンセルでは送信されなくてもよい。
<本実施形態における制御サブバンドの詳細>
制御サブバンド(制御リソースセット)は、PDCCHやNR-PDCCHが配置される物理リソースである。その基地局に接続する端末装置共通に設定される制御サブバンド(共通制御サブバンド)と、端末装置個別に設定される制御サブバンド(端末固有サブバンド)が挙げられる。
共通制御サブバンドは、セルの端末共通もしくは端末装置グループ共通に送信されるPDSCHを制御するPDCCHに用いられる。共通制御サブバンドは、NR-MIBで設定される。
共通制御サブバンドによって送られるNR-PDCCHの一例として、第二以降のシステム情報、ページング、ランダムアクセス応答、メッセージ4、などを含んで運ぶNR-PDSCHをスケジュールするNR-PDCCHが挙げられる。
端末装置固有サブバンドは、NR-PDCCHを用いて端末装置グループ共通もしくは端末装置個別に送信されるNR-PDSCHを制御するNR-PDCCHに用いられる。端末装置固有サブバンドは、端末装置に対して専用RRCシグナリングで設定される。
<本実施形態における初期接続プロシジャ>
初期接続とは、端末装置がいずれのセルにも接続していない状態(アイドル状態)から、いずれかのセルとの接続を確立した状態(接続状態)に遷移する工程である。なお、セルと接続しており、RRC設定が完了されているがアクティブではない状態(インアクティブ状態)から接続状態に遷移する工程も、初期接続とみなしてもよい。
図12に、端末装置の初期接続プロシジャの一例を示す。アイドル状態の端末装置は、始めに、セル選択手続きを行う(S101~S103)。セル選択手続には、同期信号の検出とPBCHの復号の工程が含まれる。端末装置は、同期信号の検出に基づいて、セルと下りリンクでの同期を行う(S101)。そして、下りリンクの同期確立後、端末装置は、PBCHの復号を試み、第一のシステム情報を取得する(S103)。
次に、端末装置は、PBCHに含まれる第一のシステム情報に基づき、第二のシステム情報を取得する(S105)。
次に、端末装置は、第一のシステム情報および/または第二のシステム情報に基づき、ランダムアクセス手続きを行う(S107~S113)。ランダムアクセス手続きには、ランダムアクセスプリアンブルの送信、ランダムアクセス応答の受信、メッセージ3(Message 3)の送信、及び衝突解決(Contention resolution)の受信の工程が含まれる。端末装置は、先ず、所定のPRACHプリアンブルを選択し、選択した当該PRACHプリアンブルを基地局装置に送信する(S107)。次に、そのPRACHプリアンブルに対応するランダムアクセス応答を含んだPDSCHを基地局装置から受信する(S109)。次に、端末装置は、当該ランダムアクセス応答に含まれる、ランダムアクセスレスポンスグラントによってスケジュールされたリソースを用いてメッセージ3を含むPUSCHを基地局装置に送信する(S111)。最後に、端末装置は、当該PUSCHに対応する衝突解決を含んだPDSCHを基地局装置から受信する(S113)。
上記メッセージ3は、RRC接続要求のRRCメッセージを含む。上記衝突解決は、RRC接続セットアップのRRCメッセージを含む。端末装置は、RRC接続セットアップのRRCメッセージを受信した場合、RRC接続動作を行い、RRCアイドル状態からRRC接続状態に遷移する。RRC接続状態に遷移した後、端末装置は、RRC接続セットアップ完了のRRCメッセージを基地局装置に送信する。この一連の動作によって、端末装置は、基地局装置と接続することが可能となる。
なお、ランダムアクセスプリアンブルをメッセージ1、ランダムアクセス応答をメッセージ2、衝突解決をメッセージ4、RRC接続セットアップ完了のメッセージをメッセージ5とも呼称される。ランダムアクセス手続きの全ての工程が完了した後は、端末装置は、そのセルと接続されている状態(接続状態)に遷移することができる。
なお、上記ランダムアクセス手続きは、初期接続のみならず、ハンドオーバ時、上りリンク同期、上りリンクリソースの要求、無線リンク失敗からの復帰、ビームリンク失敗からの復帰、などの場合にも行われる場合がある。
なお、図12に示すランダムアクセスの手続きは、4ステップRACH手続きとも呼称される。一方で、端末装置がランダムアクセスプリアンブルの送信に伴ってメッセージ3(Message 3)の送信も行い、基地局装置がそれらの応答としてランダムアクセス応答および衝突解決(Contention Resolution)の送信を行うランダムアクセス手続きを2ステップRACH手続きと呼称される。
ランダムアクセスプリアンブルは、PRACHに関連付けて送信される。ランダムアクセス応答は、PDSCHで送信される。ランダムアクセス応答を含むPDSCHは、PDCCHでスケジュールされる。メッセージ3は、PUSCHで送信される。メッセージ3を含むPUSCHは、ランダムアクセス応答に含まれる上りリンクグラント(ランダムアクセスレスポンスグラント)によってスケジュールされる。
<本実施形態におけるNRの同期信号ブロックの詳細>
NRにおいて、1つのNR-PSS、1つのNR-SSS、および/またはNR-PBCHが送信される所定のブロック(以下、「同期信号ブロック」と呼称する)が定義される。所定の同期信号ブロックの時間インスタンスにおいて、端末装置は、NR-SSおよび/またはNR-PBCHが送信されるビームを1つ想定する。1つのNR-PSS、1つのNR-SSS、および/または1つのNR-PBCHは、時分割、周波数分割、空間分割、および/または符号分割によって同期信号ブロック内に多重される。
なお、同期信号ブロックの中にMRS(モビリティRS、Mobility Reference Signal)が含まれて構成されてもよい。MRSは、少なくともRRM測定のために用いられる。端末装置は、MRSを用いてRSRPおよび/またはRSRQを測定する。MRSは、CSI-RSの構成が用いられてもよい。MRSの系列は、時間インデックスによってスクランブルされてもよい。
図13は、同期信号ブロックの構成の一例である。図13では、1つの同期信号ブロックの中に、NR-PSSとNR-SSSとNR-PBCHとが時分割で多重される。端末装置は、NR-SS及びNR-PBCHが、所定の中心周波数および所定の帯域幅で送信されると想定して、当該NR-SSの検出および当該NR-PBCHの受信を行う。
さらに、NRにおいて、同期信号バーストが定義される。図14に、同期信号バーストおよび同期信号バーストセットの構成の一例を示す。同期信号バーストは、1つまたは複数の同期信号ブロックで構成される。図14に示す例では、N個の同期信号ブロックを同期信号バーストと定義している。同期信号バーストの中の同期信号ブロックのそれぞれは連続してもよい。
さらに、NRにおいて、同期信号バーストセットが定義される。同期信号バーストセットは、1つまたは複数の同期信号バーストで構成される。図14の一例では、M個の同期信号バーストを1つの同期信号バーストセットと定義している。
端末装置は、同期信号バーストセットが周期的に送信されることを想定し、NRセルとの同期を行う。また、端末装置は、同期信号バーストセットを周期的に送信されると想定して各種処理を行う。一方で、基地局装置は、同期信号バーストセットを所定の時間インスタンスでは送信しなくてもよい。端末装置は、初期接続時に、初期周期を想定して同期信号バーストセットの検出を試みる。また、同期信号バーストセットの周期は、上位層によって設定されてもよい。端末装置は、同期信号バーストセットの周期が上位層によって設定された場合には、従前に設定された周期の値を上位層によって設定された周期の値に上書きしてもよい。
なお、異なる時間インスタンスで送信される同期信号バーストセットでは、同じアンテナポートおよびTRPで送信されなくてもよい。
また、同期信号バーストセットが配置されるサブフレームの1つは、サブフレーム#0であることが好ましい。換言すると、同期信号バーストセットは、サブフレーム#0に置かれることが好ましい。端末装置は、同期信号バーストセットの先頭を認識することで、各時間のサブフレーム番号を認知することができる。
各同期信号ブロックには、時間軸におけるインデックス(時間インデックス)が割り当てられる。この同期信号ブロックの時間インデックスは、同期信号ブロックに含まれて端末装置に通知される。端末装置は、この同期信号ブロックの時間インデックスによって、同期信号ブロックにおける基地局装置の下りリンク送信ビームや、無線フレームおよび/またはサブフレーム境界を認知することができる。また、端末装置は、この時間インデックスによって、同期信号ブロックのインデックスを識別することができる。
同期信号ブロックの時間インデックスは、サブフレームまたはスロットの境界からのオフセット値である。一例として、同期信号ブロックの時間インデックスは、OFDMシンボルのインデックスで示される。また、他の一例として、同期信号ブロックの時間インデックスは、同期信号バーストセット内で送信される同期信号ブロックのインデックスで示されてもよい。また、他の一例として、時間インデックスはビームのインデックスで示されてもよい。
同期信号ブロックの時間インデックスの通知の一例として、NR-SSの系列による通知が挙げられる。
同期信号ブロックの時間インデックスの通知の一例として、NR-PBCH-DMRSの系列による通知が挙げられる。
同期信号ブロックの時間インデックスの通知の一例として、NR-MIBに含まれる情報による通知が挙げられる。
同期信号ブロックの時間インデックスの通知の一例として、NR-PBCHのビットのマッピング位置による通知が挙げられる。具体的な一例として、当該同期信号ブロックに含まれるNR-PBCHの符号化後ビットのマッピング開始位置によって、端末装置はその時間インデックスを認知することができる。
同期信号ブロックの時間インデックスの通知の一例として、NR-PBCHのCRCのマスクによる通知が挙げられる。具体的な一例として、NR-PBCHのCRCビットに、時間インデックスに対応する所定のCRCマスクが乗算されてNR-PBCHは送信される。端末装置は、CRCビットに乗算される可能性のあるCRCマスクをCRCチェックによりブラインド検出を行う。端末装置は、CRCチェックの結果、NR-PBCHの復号に成功したCRCマスクに対応する値によって時間インデックスを認知することができる。
同期信号ブロックの時間インデックスの通知の一例として、MRSの系列による通知が挙げられる。
なお、単一ビーム運用の場合には、同期信号ブロックの時間インデックスは端末装置に対して通知されなくてもよい。
なお、同期信号ブロックのタイミングおよび同期信号ブロックの識別が可能である場合には、同期信号ブロックの時間インデックスが端末装置に対して上記の手法を用いて通知されなくてもよい。一例として、他のセル(例えば、プライマリーセルなどのサービングセル)からそのセルの同期信号ブロックの時間インデックスが通知された場合には、時間インデックスが端末装置に対して上記の手法を用いて通知されなくてよい。また別の一例として、同期信号ブロックがそのセルにおいて1種類のみ送信されたと端末装置が認知した場合には、時間インデックスが端末装置に対して上記の手法を用いて通知されなくてもよい。
<本実施形態におけるシステム情報>
システム情報は、当該システム情報を送信するセルにおける設定を報知する情報である。システム情報は、例えば、当該セルへのアクセスに関する情報、セル選択に関する情報、他RATや他システムに関する情報、などが含まれる。
システム情報は、MIBとSIBとに分類することができる。MIBは、PBCHによって報知される固定のペイロードサイズの情報である。MIBには、SIBを取得するための情報が含まれる。SIBは、MIB以外のシステム情報である。SIBは、PDSCHによって報知される。
また、システム情報は、第一のシステム情報と第二のシステム情報と第三のシステム情報とに分類することができる。第一のシステム情報および第二のシステム情報は、そのセルへのアクセスに関する情報、その他のシステム情報の取得に関する情報、およびセル選択に関する情報などが含まれる。LTEにおいて、MIBに含まれる情報が第一のシステム情報、SIB1およびSIB2に含まれる情報が第二のシステム情報であるとみなすことができる。端末装置は、そのセルから第一のシステム情報および第二のシステム情報の全てを取得できなかった場合には、そのセルへのアクセスが禁止されているものと想定する。
MIBは、システム情報を受信するために必要な物理層の情報である。MIBには、例えば、下りリンクのシステム帯域幅、システムフレーム番号の一部、SIBのスケジューリング情報、などが含まれる。
SIB1は、セルのアクセス規制情報とSIB1以外のシステム情報のスケジューリング情報である。SIB1には、例えば、セルのアクセス情報、セル選択情報、最大上りリンク送信電力情報、TDD設定情報、システム情報の周期、システム情報のマッピング情報、SI窓の長さ、などが含まれる。
SIB2には、例えば、接続禁止情報、共通の無線リソース設定情報(radioResourceConfigCommon)、上りリンクキャリア情報、などが含まれる。セル共通の無線リソース設定情報の中には、セル共通のPRACHおよびRACHの設定情報が含まれる。端末装置は、初期アクセスの際に、そのPRACHおよびRACHの設定情報に基づいてランダムアクセス手続きを行う。
<本実施形態におけるNRのシステム情報>
NRにおいても、システム情報はNRセルから報知される。システム情報を運ぶ物理チャネルは、スロットまたはミニスロットで送信されてもよい。ミニスロットとは、スロットのシンボル数よりも少ないシンボル数で定義される。ミニスロットでシステム情報を運ぶ物理チャネルが送信されることで、ビームスイープに必要な時間が短縮されて、オーバヘッドを縮小することが可能となる。
第一のシステム情報は、NR-PBCHで送信され、第二のシステム情報は、NR-PBCHとは異なる物理チャネルで送られる。
NRにおいて、第一のシステム情報は、端末装置グループ固有の情報であることが好ましい。当該端末装置グループは、例えば、所定のビームによってグループ化された複数の端末装置であり、各端末装置は所定のビームに関する識別子を認識する。また、当該端末装置グループは、例えば、所定のTRPによってグループ化された複数の端末装置であり、各端末装置は所定のTRPに関する識別子を認識する。また、当該端末装置グループは、例えば、所定のセルによってグループ化された複数の端末装置であり、各端末装置は所定のセルに関する識別子を認識する。
第一のシステム情報は、少なくとも第二のシステム情報の取得に必要な情報が含まれる。
一例として、第一のシステム情報には、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのスケジューリング情報が含まれる。そのスケジューリング情報は、例えば、周期および時間オフセット、中心周波数、帯域幅、などが挙げられる。
また、一例として、第一のシステム情報には、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルの伝送方式に関する情報が含まれる。当該物理チャネルの復号に用いられる情報は、例えば、当該物理チャネルのアンテナポート数、アンテナポート番号、SFBC(Space Frequency Block Coding)やFSTD(Frequency-Switched Transmit Diversity)やCDD(Cyclic Delay Diversity)などの伝送スキームに関する情報、CRCに関する情報、などが挙げられる。
一例として、第一のシステム情報には、システムフレーム番号が含まれる。なお、第一のシステム情報には、ハイパーシステムフレーム番号が含まれてよい。
一例として、第一のシステム情報には、少なくとも第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルの送信に用いられるサブキャリア間隔に関する情報が含まれる。
一例として、第一のシステム情報には、共通制御サブバンドの設定情報が含まれる。共通制御サブバンドの設定情報は、例えば、周波数リソースに関する情報、および/または、時間リソースに関する情報、などで構成される。周波数リソースは、例えば、リソースブロックインデックス(RB)または複数のリソースブロックを表すリソースブロックグループ(RBG)を示すインデックスによって通知される。当該RBGは、端末個別サブバンドの設定情報で用いられるRBGと同じ大きさ、またはより小さい大きさであることが好ましい。時間リソースは、例えば、OFDMシンボル数、スロットまたはサブフレームまたは無線フレームの周期およびオフセット、などによって通知される。
一例として、第一のシステム情報には、無線フレーム内のタイミングに関する情報が含まれる。タイミングに関する情報には、時間インデックス、および/または、無線フレーム内の前半か後半かを示す情報、が含まれる。
一例として、第一のシステム情報には、帯域幅もしくは帯域幅の一部に関する情報が含まれる。当該情報は、初期アクセス中に用いられる下りリンク帯域幅の情報である。また、当該情報は、少なくとも第二のシステム情報の受信に用いられる。
一例として、第一のシステム情報には、当該第一のシステム情報と第二のシステム情報とが関連付けられているか否かを示す情報が含まれる。当該情報によって第一のシステム情報と第二のシステム情報とが関連付けられていることが示された場合には、端末装置は、第二のシステム情報の受信処理を行うことができる。一方で、この情報によって第一のシステム情報と第二のシステム情報とが関連付けられていないことが示された場合には、端末装置は、第二のシステム情報の受信処理を行わなくてもよい。
一例として、第一のシステム情報には、端末装置がそのセルに接続可能か否かを示す情報が含まれる。当該情報によって端末装置がそのセルに接続可能であることが示された場合には、当該端末装置は、少なくとも第二のシステム情報の受信を行うことができる。一方で、当該情報によって端末装置がそのセルに接続不可能であることが示された場合には、端末装置は、接続処理を行わなくてもよく、セルの再選択を行ってもよいし、セカンダリーセルまたはプライマリーセカンダリーセルとしてそのセルに接続してもよい。
一例として、第一のシステム情報には、同期信号バーストセットの周期に関する情報が含まれる。当該情報によって、同期信号バーストセットの周期として、5ミリ秒、10ミリ秒、20ミリ秒、40ミリ秒、80ミリ秒のうちのいずれかが設定される。
一例として、第一のシステム情報には、同期信号バーストセット中に送信される可能性があるリソースのうちそのセルで実際に送信している同期信号ブロックに関する情報が含まれる。当該情報は、例えば、当該リソースで、RRM測定、および/または、NR-PDCCHのモニタや、周期的にリソースが割り当てられる上りリンク信号/チャネルの送信などを行うか否かの判断に用いることが可能である。
一例として、第一のシステム情報には、エリアIDに関する情報が含まれる。エリアIDは、エリアに関する識別子である。当該情報は、例えば、エリアに紐付いたシステム情報の区別などに用いられてもよい。端末装置は、当該情報によって、前に接続したセルと新しく接続したセルのシステム情報が同じか否かを認識することができる。また、端末装置は、当該情報に基づいて、システム情報の更新を行うか否かを判断する。また、端末装置は、システム情報の更新を行う場合には、第一のシステム情報以外のシステム情報も更新を行い、システム情報の更新を行わない場合には、第一のシステム情報のみの更新を行う。
一例として、第一のシステム情報には、バリュータグ(value tag)に関する情報が含まれる。当該情報は、当該情報が送られるセルにおいてシステム情報の内容が変更されたか否かを指示するために用いられる。端末装置は、当該情報によって、システム情報の更新を行うか否かを判断する。
一例として、第一のシステム情報には、セルID(セル識別子)の拡張情報に関する情報が含まれる。当該情報は、NR-SSで送られるセルIDから拡張されたセルの識別に関する情報である。
一例として、第一のシステム情報には、トラッキングのための参照信号に関する情報が含まれる。トラッキングのための参照信号は、例えば、CSI-RSである。トラッキングのための参照信号に関する情報は、具体的には、REマッピングやアンテナポートに関する情報である。
また、第一のシステム情報には、将来の機能拡張の際に使われる予約ビットが含まれる。
第一のシステム情報および/または第二のシステム情報には、少なくともランダムアクセス手続きに関する情報が含まれる。ランダムアクセス手続きに関する情報は、具体的には、NR-PRACHおよびNR-RACHの設定情報である。
NR-PRACHおよびNR-RACHの設定情報としては、例えば、NR-PRACHの系列に関する情報、NR-PRACHのリソースに関する情報、NR-PRACHの繰り返し送信に関する情報、などが挙げられる。
一例として、第二のシステム情報には、セル選択に関する情報が含まれる。セル選択に関する情報としては、例えば、セル選択の評価に関する設定情報、隣接(neighbor)セルのアクセス権に関する設定情報、隣接セルのNR-SSのリソースに関する設定情報、などが挙げられる。
セル選択の評価に関する設定情報としては、セル選択の評価の閾値、セルレンジ拡張のためのオフセット、などが挙げられる。
隣接セルのアクセス権に関する設定情報としては、アクセス拒否されるセルのリスト(black list)、などが挙げられる。
隣接セルのNR-SSのリソースに関する設定情報としては、NR-SSの周波数位置に関する情報や、NR-SSバーストセットの周期の情報、などが挙げられる。
第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルの一例として、NR-SPBCH(NR-Secondary Physical Broadcast Channel)が挙げられる。NR-SPBCHは、NR-PDCCHによってスケジュールされないチャネルである。NR-SPBCHで運ばれる情報は、固定のペイロードサイズである。NR-SPBCHは、周期的に送信される。NR-SPBCHとNR-PBCHとは、ペイロードサイズ、リソースマッピング、周期の点において異なる。
第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルの一例として、NR-PDSCHが挙げられる。そのNR-PDSCHは、SI-RNTIでスクランブルされたCRCが付加されたNR-PDCCHによってスケジュールされる。なお、NR-PDSCHで運ばれる情報は、LDPC符号で符号化される。
第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルは、QPSKで送信されることが好ましいが、16QAMや64QAMなど、その他の変調方式で送信されてもよい。
NRにおいて、第二のシステム情報は、端末装置グループ固有の情報であることが好ましい。その端末装置グループは、例えば、所定のビームによってグループ化された複数の端末装置であり、各端末装置は所定のビームに関する識別子を認識する。その端末装置グループは、例えば、所定のTRPによってグループ化された複数の端末装置であり、各端末装置は所定のTRPに関する識別子を認識する。
NRにおいては、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルと、第一のシステム情報を運ぶ物理チャネルと、が対応付けられる。端末装置は、第一のシステム情報を運ぶ物理チャネルに基づいて、第二のシステム情報の復号を行う。
図15に、同期信号ブロックに対応するシステム情報の一例を示す。図15では、同期信号ブロック#1から同期信号ブロック#Nが送信され、システム情報#1からシステム情報#Nが送信される。同期信号ブロック#1はシステム情報#1と対応付けられ、同期信号ブロック#2はシステム情報#2と対応付けられる、といったように各同期信号ブロックが各システム情報に対応付けられる。端末装置は、所定の同期信号ブロックを受信した場合に、当該所定の同期信号ブロックに基づいて、対応するシステム情報の復号を行う。
これにより、端末装置は、受信した同期信号ブロックに紐づくシステム情報を取得すると同時に、受信できなかった同期信号ブロックに紐づくシステム情報を取得することが困難となる。すなわち、端末装置は、当該端末装置に適したシステム情報を取得し、その端末装置に適さないシステム情報は取得しなくてよい。
図16に、同期信号ブロックに対応するシステム情報のシーケンスの一例を示す。始めに、基地局装置は、#1から#NまでのSS(同期信号)ブロックを送信する。端末装置は、SSブロックに含まれるNR-SSの受信品質やNR-PBCHの復号結果により、その端末装置にとって適したSSブロックを選択する。また、基地局装置は、#1から#Nまでのシステム情報を含んだ物理チャネルをそれぞれ送信する。端末装置は、その適したSSブロックから得られた情報を用いて、#1から#Nまでのシステム情報のうちの、1つを受信する。
上記対応付けの一例として、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのリソースは、第一のシステム情報を運ぶ物理チャネルに基づいて定まる。
一例として、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのリソースは、NR-PBCHに含まれるNR-MIBによって指示される。当該リソースに関する情報は、例えば、周期および時間オフセット、帯域幅、中心周波数またはリソースブロック、ならびに、繰り返し回数のうちの一部または全部である。
一例として、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのリソースは、NR-PBCHが復号された条件に基づいて定められる。当該条件としては、例えば、時間インデックスが挙げられる。具体的には、時間インデックスに対応する時間および/または周波数リソースの対応関係が定められ、時間インデックスの値に基づいてそのリソースが決定される。端末装置は、NR-PBCHが検出された時間インデックスに基づいて、数サブフレーム後のその物理チャネルの復号を試みる。
一例として、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのリソースは、所定のリソースで固定される。例えば、当該リソースは、先頭サブフレームに必ず配置される。
一例として、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのリソースは、CSSに配置されるNR-PDCCHのDCIによってスケジュールされる。この場合、CSSが設定される共通制御サブバンドは、NR-PBCHに含まれるNR-MIB、システム情報によって設定されるか、またはNR-SSから得られる情報に基づいて設定される。共通制御サブバンドは、端末装置共通または端末装置グループ共通に設定される制御サブバンドである。制御サブバンド(制御領域、制御に用いられる時間/周波数リソース)は、NR-PDCCHが配置される所定の帯域である。共通制御サブバンドの設定情報としては、例えば、所定の帯域に関する設定情報、制御サブバンドのサブキャリア間隔、シンボルのCP長、所定の時間区間に関する設定情報、などが挙げられる。当該所定の帯域に関する情報としては、制御サブバンドの帯域幅および中心周波数、または、リソースブロックのマッピング情報(リソースブロックの開始および終了のインデックスや、用いられるリソースブロックのビットマップ情報)、などが挙げられる。上記所定の時間区間に関する設定情報としては、開始シンボルおよび/または終了シンボル、開始または終了からのシンボル数、などが挙げられる。なお、共通制御サブバンドの帯域は、消費電力の観点から、規定される複数の端末装置受信帯域幅のうちの最小の端末装置受信帯域幅(例えば、5MHz)より狭いことが好ましい。
共通制御サブバンドの設定情報の一部または全部は、同期信号ブロックごとに異なってもよい。すなわち、共通制御サブバンドの設定は、同期信号ブロックに対して独立であってもよい。具体的な一例として、共通制御サブバンドの物理リソースは、時間インデックスに応じて異なる設定がされてもよい。
また、他の一例として、共通制御サブバンドの設定情報は同期信号ブロックで同じであるが、そのCSSは同期信号ブロックの情報に基づいて決定されてもよい。すなわち、CSSの位置は、対応する同期信号ブロックのインデックスに基づいて決定されてもよい。具体的な一例として、同期信号ブロック#0に対応するCSSは、NR-CCE#0から開始され、同期信号ブロック#1に対応するCSSは、NR-CCE#8から開始されてもよい。
また、対応付けの一例として、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルは、第一のシステム情報を運ぶ物理チャネルの情報に基づいて復号される。当該第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルには、同期信号ブロックの識別情報が用いられる。当該同期信号ブロックの識別情報としては、例えば、当該同期信号ブロックの時間インデックスが挙げられる。
一例として、第一のシステム情報を運ぶ物理チャネルの情報は、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのスクランブルに用いられる。具体的な一例として、同期信号ブロックの識別情報は、スクランブル系列cの初期値cinitの算出に用いられる。なお、スクランブルは以下に示す(式1)によって処理される。
ここで、上記(式1)において、a(i)は、スクランブル処理前のビット列のi番目のビット、b(i)はスクランブル処理後のビット列のi番目のビット、c(i)はスクランブル系列のi番目のビットをそれぞれ示す。
一例として、第一のシステム情報を運ぶ物理チャネルの情報は、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルのCRCマスクの決定に用いられる。CRCは、CRCマスクによってスクランブルされる。
一例として、上記同期信号ブロックの識別情報は、複数のCRCマスクのうちの1つのCRCマスクを決定する際に用いられる。例えば、同期信号ブロックの識別情報とCRCマスクとを対応付ける対応表が定義され、当該対応表に基づき、所定の識別情報に対してCRCマスクのビット列が一意に決定される。図17は、時間インデックスとCRCマスクとを対応付ける対応表の一例を示す図である。図17に示す例では、#0から#Nまでの時間インデックスに対してそれぞれCRCマスクのビット列が対応付けられている。端末装置は、取得した時間インデックスの値と、当該時間インデックスの値とCRCマスクとを対応付ける対応表と、に基づき、CRCマスクのビット列を取得する。
なお、上記CRCマスクは、第二のシステム情報を運ぶ物理チャネルをスケジュールする制御チャネルに適用されてもよい。
また、上記CRCマスクの候補は、符号間距離が長いビット列が採用されることが好ましい。
一例として、上記同期信号ブロックの識別情報は、SI-RNTIの値の算出に用いられる。具体的な一例として、当該SI-RNTIは、例えば、「SI-RNTI=A・時間インデックス+C」の計算式によって算出される。ここで、AおよびCは所定の定数である。端末装置は、当該SI-RNTIをビット列に変換したCRCマスクによってCRCをデスクランブルする。
<本実施形態におけるNRのPRACHの詳細>
NR-PRACHは、Zadoff-Chu系列またはM系列を用いて構成される。NR-PRACHでは、複数のプリアンブルフォーマットが規定される。プリアンブルフォーマットは、PRACHのサブキャリア間隔、送信帯域幅、系列長、送信に用いられるシンボル数、送信繰り返し数、CP長、ガードピリオド長、などのパラメータの組み合わせで規定される。なお、プリアンブルフォーマットによって、NR-PRACHの送信に用いられる系列のタイプ(Zaddoff-Chu系列またはM系列)が指定されてもよい。
アイドルモードの端末装置に対して、システム情報によってNR-PRACHに関する設定がされる。更に、接続モードの端末装置に対して、専用RRCシグナリングによってNR-PRACHに関する設定がされる。
NR-PRACHは、NR-PRACHが送信可能な物理リソース(NR-PRACHオケージョン(occasion))によって送信される。当該物理リソースは、NR-PRACHに関する設定によって指示される。端末装置は、当該物理リソースのうちのいずれかを選択して、NR-PRACHを送信する。更に、接続モードの端末装置は、NR-PRACHリソースを用いてNR-PRACHを送信する。NR-PRACHリソースは、NR-PRACHプリアンブルおよび当該物理リソースの組み合わせである。基地局装置は、NR-PRACHリソースを端末装置に指示することができる。
NR-PRACHのプリアンブルの系列の種類は、番号付けられる。そのプリアンブルの系列の種類の番号は、プリアンブルインデックスと呼称される。
NR-PRACHは、ランダムアクセス手続きが失敗した際に、再送される。端末装置は、NR-PRACHの再送を行う際に、バックオフの値(バックオフインディケータ、BI)から算出される待機期間、NR-PRACHの送信を待機する。なお、バックオフの値は、端末装置の端末カテゴリや発生したトラヒックの優先度によって異なってもよい。その際、バックオフの値は複数通知され、端末装置が優先度によって用いるバックオフの値を選択する。また、NR-PRACHの再送を行う際に、NR-PRACHの送信電力を初送と比較して上げる(この手続きは、パワーランピング(power ramping)と呼称される)。
<本実施形態におけるNRのランダムアクセス応答の詳細>
NRのランダムアクセス応答は、NR-PDSCHによって送られる。
ランダムアクセス応答を含むNR-PDSCHは、RA-RNTIによってCRCがスクランブルされたNR-PDCCHによってスケジュールされる。そのNR-PDCCHは、共通制御サブバンドで送信される。そのNR-PDCCHは、CSS(共通サーチスペース)に配置される。なお、そのRA-RNTIの値は、そのランダムアクセス応答に対応するNR-PRACHの送信リソース(時間リソース(スロットまたはサブフレーム)、および、周波数リソース(リソースブロック))に基づいて決定される。また、そのNR-PDCCHは、ランダムアクセス応答に紐づくNR-PRACHに対応付けられたサーチスペースに配置されてもよい。具体的には、そのNR-PDCCHが配置されるサーチスペースは、NR-PRACHのプリアンブルおよび/またはNR-PRACHが送信された物理リソースに関連付けられて設定される。当該NR-PDCCHが配置されるサーチスペースは、当該プリアンブルインデックス、および/または、当該物理リソースのインデックスに関連付けられて設定される。
上記NR-PDCCHは、NR-SSとQCLである。
NRのランダムアクセス応答は、MACの情報である。NRのランダムアクセス応答には、少なくとも、NRのメッセージ3を送信するための上りリンクグラント、上りリンクのフレーム同期を調整するために用いられるタイミングアドバンスの値、及び、一時的C-RNTIの値、が含まれる。また、NRのランダムアクセス応答は、そのランダムアクセス応答に対応するNR-PRACH送信に用いられたPRACHインデックスが含まれる。また、NRのランダムアクセス応答には、PRACHの送信の待機に用いられるバックオフに関する情報が含まれる。基地局装置は、これらの情報を含めて、NR-PDSCHによって送信する。端末装置は、これらの情報から、ランダムアクセスプリアンブルの送信の成功可否の判断を行う。この情報により、ランダムアクセスプリアンブルの送信が成功したと判断した場合に、端末装置は、ランダムアクセス応答に含まれる情報に従ってNRのメッセージ3の送信処理を行う。一方で、ランダムアクセスプリアンブルの送信が失敗したと判断した場合には、端末装置は、ランダムアクセス手続きが失敗したとみなし、NR-PRACHの再送処理を行う。
なお、NRのランダムアクセス応答に、NRのメッセージ3を送信するための上りリンクグラントが複数含まれても良い。端末装置は、その複数の上りリンクグラントからメッセージ3を送信するリソースを1つ選択することができる。これにより、異なる端末装置で、同じNRのランダムアクセス応答を受信した場合における、NRのメッセージ3送信の衝突を緩和することができ、より安定的なランダムアクセス手続きが提供することができる。
<本実施形態におけるNRのメッセージ3の詳細>
NRのメッセージ3は、NR-PUSCHによって送られる。当該NR-PUSCHは、ランダムアクセス応答によって指示されたリソースを用いて送信される。
NRのメッセージ3は、RRC接続要求メッセージを含む。
NRのメッセージ3を含んで送信されるNR-PUSCHのWaveformは、システム情報に含まれるパラメータによって指示される。具体的には、当該パラメータの指示によって、OFDMもしくはDFT-s-OFDMが決定される。
基地局装置は、NRのメッセージ3を正常に受信した場合には、衝突解決の送信処理に移行する。一方で、基地局装置は、NRのメッセージ3を正常に受信できなかった場合には、少なくとも所定の期間、再度NRのメッセージ3の受信を試みることができる。
NRのメッセージ3を正常に受信できなかった後の処理の具体的な一例として、基地局装置は、端末装置に対してメッセージ3の再送の指示を行う。基地局装置は、メッセージ3の送信を指示したリソースから所定数のスロット(もしくはサブフレーム、無線フレーム)後の下りリンクリソースを用いて、メッセージ3の再送の指示を送信する。
メッセージ3の再送および送信リソースの指示の一例として、ランダムアクセス応答の再送による指示が挙げられる。
上記再送されるランダムアクセス応答を含むNR-PDSCHは、RA-RNTIによってCRCがスクランブルされたNR-PDCCHによってスケジュールされる。そのRA-RNTIの値は、初送で用いられたRA-RNTIの値と同じ値が用いられる。すなわち、上記ランダムアクセス応答に対応するNR-PRACHの送信リソースに基づいて決定される。もしくは、RA-RNTIの値は、NR-PRACHの送信リソースに加えて初送と再送を識別する情報に基づいて決定されてもよい。そのNR-PDCCHは、CSS(共通サーチスペース)に配置される。
また、上記再送されるランダムアクセス応答を含むNR-PDSCHは、初送で送信されたランダムアクセス応答に含まれる一時的C-RNTIまたはC-RNTIによってCRCがスクランブルされたNR-PDCCHによってスケジュールされる。
メッセージ3の再送の指示および送信リソースの別の一例として、メッセージ3の再送の指示に用いられるNR-PDCCHによる指示が挙げられる。当該NR-PDCCHは、上りリンクグラントである。当該NR-PDCCHのDCIによって、メッセージ3の再送のリソースが指示される。端末装置は、当該上りリンクグラントの指示に基づいて、メッセージ3の再送を行う。
NRのメッセージ3を正常に受信できなかった後の処理の具体的な一例として、基地局装置は、事前に指示した再送用リソースにおいてメッセージ3の受信を試みる。
端末装置は、所定期間内にメッセージ3の送信後に基地局装置から衝突解決が送信されなかった場合に、上記事前に指示された再送用リソースを用いてメッセージ3を含んだNR-PUSCHを送信する。
また、端末装置は、メッセージ3に対するNACKを受信した場合に、当該NACKに対応する事前に指示された再送用リソースを用いてメッセージ3を含んだNR-PUSCHを送信してもよい。
当該事前に指示する再送用リソースは、例えば、システム情報、または、ランダムアクセス応答に含まれる。
なお、NRのメッセージ3の再送回数が所定数を超えた場合、または、所定の期間内にNRの衝突解決の受信が成功しなかった場合には、端末装置は、ランダムアクセス手続きが失敗したとみなし、NR-PRACHの再送処理を行う。
また、NRのメッセージ3の再送に用いられる端末装置の送信ビームは、当該メッセージ3の初送に用いられた端末装置の送信ビームと異なってもよい。
また、所定期間のうちに、NRの衝突解決およびメッセージ3の再送の指示のいずれも受信できなかった場合には、端末装置は、ランダムアクセス手続きが失敗したとみなし、NR-PRACHの再送処理を行う。当該所定期間は、例えば、システム情報によって設定される。
<本実施形態におけるNRの衝突解決の詳細>
NRの衝突解決は、NR-PDSCHによって送られる。衝突解決を含むNR-PDSCHは、一時的C-RNTIまたはC-RNTIによってCRCがスクランブルされたNR-PDCCHによってスケジュールされる。そのNR-PDCCHは、共通制御サブバンドで送信される。そのNR-PDCCHは、USS(端末固有サーチスペース)に配置される。なお、そのNR-PDCCHは、CSSに配置されてもよい。
端末装置は、衝突解決を含むNR-PDSCHを正常に受信した場合には、基地局装置に対してACKを応答する。以降、ランダムアクセス手続きが成功したとみなされ、端末装置が接続状態となる。一方で、端末装置から衝突解決を含むNR-PDSCHに対するNACKを受信した、または、無応答であった場合には、基地局装置は、その衝突解決を含むNR-PDSCHを再送する。更に、所定期間のうちに、NRの衝突解決が受信できなかった場合には、端末装置は、ランダムアクセス手続きが失敗したとみなし、NR-PRACHの再送処理を行う。
<本実施形態におけるNRの初期ビーム選択>
NRの初期接続においても、端末装置は、基地局装置から提供されるビームを選択する。
基地局装置は、同期信号ブロック毎に異なるビームで送信することができる。
図18は、NRにおける初期ビーム選択の通信シーケンスの一例を示す図である。図18に示すように、まず、基地局装置は、N個の同期信号ブロックを送信する(S201)。端末装置は、当該同期信号ブロックで送信されるNR-SSを用いてN個の受信電力(RSRP)および/または信号対干渉比(例えば、RSRQ、SINR)を測定し、接続に相応しい同期信号ブロックを1個選択する(S203)。次に、端末装置は、システム情報に含まれるRACH設定から、選択した同期信号ブロックに対応するPRACHのインデックスおよびPRACHリソースを決定し(S205)、当該PRACHを基地局装置に送信する(S207)。この選択された同期信号ブロックに対応するPRACHのインデックスとPRACHリソースとの間の関係に基づき、基地局装置は、受信したPRACHから、端末装置にとってより好ましい同期信号ブロックの番号を取得することができる。すなわち、図18に示す通信シーケンスにより、基地局装置は、端末装置にとってより好ましい下りリンクビームを認識することができ、以降の下りリンク通信に対して当該下りリンクビームを適用することが可能となる(S209)。
<本実施形態におけるNRの初期アクセスにおけるビーム調整手法>
続いて、本開示に係るビーム調整の手法の一例として、NRの初期アクセス時におけるビーム調整に着目して説明する。
本実施形態に係る無線通信システムにおいて、端末装置は、図18を参照して説明した初期ビームの選択に加えて、再度ビームの品質を測定し、リンク品質が良好なビーム(例えば、初期ビーム以外の良好なビーム)に関する情報を基地局装置にフィードバックする。具体的には、端末装置は、例えば、上りリンクチャネルに下りリンクビームに関する情報(即ち、上述したリンク品質が良好なビームに関する情報)を含めて基地局装置にフィードバックする。
具体的な一例として、初期アクセス中であれば、端末装置は、ランダムアクセスの手続きにおいてランダムアクセス応答の受信後に基地局装置に送信されるメッセージ(例えば、メッセージ3)に、下りリンクビームに関する情報を含めて基地局装置にフィードバックすればよい。より具体的には、端末装置は、メッセージ1を最良のビームに関する情報のフィードバックに利用し、メッセージ3については、最良のビーム、または当該ビームの次に良好なビームに関する情報のフィードバックに利用してもよい。
なお、図18を参照して説明した初期ビームの選択時のように、PRACHを利用した良好なビームに関する情報のフィードバック時には、端末装置は、1つのビームについてのみ情報をフィードバックすることが可能である。これに対して、ランダムアクセスの手続きにおけるメッセージ3を利用してフィードバックが行われる場合においては、端末装置は、1つのビームのみに限らず、複数のビームについて情報をフィードバックすることも可能である。
また、このとき基地局装置は、初期ビームの選択時に提供したビームより鋭いビーム(即ち、指向性がより高くなるように制御された信号)を提供してもよい。このような制御により、本実施形態に係る無線通信システムは、基地局装置と端末装置との間のより高品質なリンクを提供することが可能となる。
例えば、図19は、ビーム精錬におけるビームの種類の一例について示した図である。図19に示す例では、同期信号ブロックのビーム(図中の破線で示したビーム)と、CSI-RSのビーム(図中の実線で示したビーム)と、のそれぞれのローブを示している。即ち、図19に示す例では、端末装置は、初期接続時には、接続時間短縮の目的からより緩いビーム(即ち、指向性のより低いビーム)を選択する。次いで、端末装置は、緩いビームを選択して基地局装置へのアクセスを確立した後には、当該緩いビームを基に、より鋭いビーム(即ち、指向性のより高いビーム)を選択する。このように、緩いビームを基により鋭いビームとアクセスする手順は、「ビーム精錬(beam refinement)」とも呼称される。
以上のような制御により、基地局装置は、複数の良好なビームに関する情報を端末装置から取得することが可能となる。また、上述した制御により、基地局装置は、ランダムアクセスの手続きのメッセージ4以降の下りリンク送信に対して複数のビームを利用することが可能となる。そのため、本実施形態に係る無線通信システムにおいては、1つのビームのみが利用される場合に比べて、無線信号の遮蔽等に伴う伝搬損失に対してロバスト性を確保することが可能となる。より具体的には、基地局装置は、最良のビームが何らかの遮蔽物によって遮蔽されることでロスが生じる環境下においても、次に良好なビームを利用することで端末装置との通信を継続することが可能となる。
また、ランダムアクセスの手続きにおけるメッセージ4以降において複数のビームを利用することが可能となるため、1つのビームのみが利用される場合に比べて、より安定的かつ迅速に初期アクセスのプロシジャを終了させることが可能となる。特に、初期アクセスのプロシジャにおいては、安定的なビームの提供が困難な場合には、初期アクセスのプロシジャが失敗に終わる確率が上昇する。また、初期アクセスのプロシジャが失敗した場合には、当該プロシジャを1からやり直す必要が生じる場合もある。特に、当該プロシジャの実行を試みる端末装置の数がより増大すると、RACHプロシジャのそれぞれの信号やチャネルで衝突確率が上昇し、プロシジャを完了させることがより困難となる場合がある。このような場合においても、本実施形態に係る無線通信システムに依れば、より安定的かつ迅速に初期アクセスのプロシジャを終了させることが可能となる。
(ビーム調整手法1:同期信号ブロックを用いた手法)
次いで、ビーム調整の手法の一例として、同期信号ブロックを用いた手法について以下に説明する。
基地局装置は、同期信号ブロックに関する情報を、システム情報により端末装置に通知することが可能である。同期信号ブロックに関する情報としては、例えば、実際に送信されている同期信号ブロックの情報や、同期信号ブロックの送信に用いられているビームに関する情報などが挙げられる。なお、同期信号ブロックは、全く送られなくてもよく、このことを示す情報が上記同期信号ブロックの情報に含まれてもよい。換言すると、上記同期信号ブロックに関する情報には、例えば、送信することが可能な同期信号ブロックに対して、基地局装置が実際に送信している同期信号ブロックがいずれかを示す情報が含まれてもよい。
端末装置が基地局装置にフィードバックする情報としては、例えば、同期信号ブロックを識別するインデックスや、同期信号ブロックが送信された時間に関する情報(例えば、サブフレーム、スロット、シンボル等を示す情報)などが挙げられる。同期信号ブロックを識別するインデックスとして、例えば、送信される可能性がある全ての同期信号ブロックに対応付けられたインデックスが、端末装置から基地局装置にフィードバックされてもよい。また、他の一例として、実際に送信されている同期信号ブロックに対応付けられたインデックスが、端末装置から基地局装置にフィードバックされてもよい。
また、端末装置は、基地局装置に対して、同期信号ブロックを識別する情報(インデックス等)の他に、付加情報をフィードバックしてもよい。当該付加情報としては、例えば、情報をフィードバックする同信号ブロックの受信電力(RSRP)の測定結果などが挙げられる。また、端末装置は、初期ビームと、情報をフィードバックする同期信号ブロックに対応するビームと、の間における所定の情報の比較結果を、上記付加情報として基地局装置にフィードバックしてもよい。具体的な一例として、端末装置は、対象となる同期信号ブロックに対応するビームが、初期ビームよりもチャネル品質が良好か否かを示す情報を、上記付加情報として基地局装置にフィードバックしてもよい。また、他の一例として、端末装置は、対象となる同期信号ブロックに対応するビームと、初期ビームと、の間の受信電力の差分に関する情報を、上記付加情報として基地局装置にフィードバックしてもよい。なお、初期ビームの決定時において測定の対象となる参照信号(例えば、同期信号ブロックに含まれるNR-SS)が、「第1の参照信号」の一例に相当する。また、上記情報のフィードバックに際し測定の対象となる参照信号、即ち、ランダムアクセス応答の後に測定の対象となる当該参照信号が、「第2の参照信号」の一例に相当する。
また、端末装置は、基地局装置に対して、隣接セルから送信される同期信号ブロックについても情報をフィードバックしてもよい。なお、この場合には、端末装置は、当該隣接セルを識別する情報(例えば、セルID)を基地局装置に通知してもよい。
ここで、図20を参照して、同期信号ブロックを用いたビーム調整における通信シーケンスの一例について説明する。図20は、本実施形態に係るビーム調整における通信シーケンスの一例を示す図であり、同期信号ブロックを用いた手法の一例を示している。図20に示すように、まず、基地局装置は、N個の同期信号ブロックを送信する(S221)。端末装置は、当該同期信号ブロックで送信されるNR-SSを用いてN個の受信電力(RSRP)および/または信号対干渉比(例えば、RSRQ、SINR)を測定し、接続に相応しい同期信号ブロックを1以上選択する(S223)。このとき端末装置は、複数の同期信号ブロックを選択してもよい。なお、端末装置において、当該同期信号ブロックを選択する部分の構成が「選択部」の一例に相当し、例えば、図6に示す制御部203に相当し得る。次に、端末装置は、選択した1以上の同期信号ブロックに対応する情報を、ランダムアクセスの手続きにおけるメッセージ3に含め(S225)、当該メッセージ3を基地局装置に送信する(S227)。当該選択された同期信号ブロックに対応する情報に基づき、基地局装置は、受信したメッセージ3から、端末装置にとってより好ましい同期信号ブロックの番号(ひいては、当該同期信号ブロックの送信に係るアンテナ情報)を1以上取得することができる。すなわち、図20に示す通信シーケンスにより、基地局装置は、端末装置にとってより好ましい下りリンクビームを1以上認識することができ、以降の下りリンク通信に対して当該1以上の下りリンクビームを適用することが可能となる(S229)。なお、端末装置において、当該メッセージ3を基地局装置に送信する部分の構成が「通知部」の一例に相当し、例えば、図6に示す送信部207に相当し得る。また、基地局装置において、端末装置からメッセージ3を受信する部分の構成(換言すると、当該メッセージ3から上記同期信号ブロックの番号を取得する構成)が「取得部」の一例に相当し、例えば、図5に示す受信部105に相当し得る。
(ビーム調整手法2:非周期CSI-RSを用いた手法)
次いで、ビーム調整の手法の一例として、非周期(aperiodic)CSI-RSを用いた手法について以下に説明する。
まず、非同期CSI-RS送信について説明する。非周期CSI-RS送信とは、何かのトリガにより1回または複数回のCSI-RSが送信されることを示している。なお、非周期CSI-RS送信には、CSI-RS設定とCSI-RS送信のトリガとが必要となる。
非同期CSI-RSの設定方法について説明する。非同期CSI-RSの設定については、システム情報により、基地局装置から端末装置に通知される。このとき、非同期CSI-RSの設定には、第二のシステム情報で送信される。また、非同期CSI-RSの設定としては、例えば、タイミング、セルID、QCLパラメータに関する情報、CSI-RSの系列に関する情報、アンテナポート数、REマッピングに関する情報、及びCSI-RSのnumerology(サブキャリア間隔)などが挙げられる。上記タイミングについては、例えば、周期とオフセットで示される。上記QCLパラメータに関する情報には、例えば、どの同期信号ブロックとQCL(Quasi-Co-Location)であるかを示す情報が含まれてもよい。また、上記QCLパラメータに関する情報には、例えば、どのPDCCH-DMRSとQCLであるかを示す情報が含まれてもよい。上記CSI-RSの系列に関する情報には、系列タイプに関する情報が含まれてもよい。また、上記CSI-RSの系列に関する情報には、系列の初期値に関する情報が含まれてもよい。また、例えば、マッピングの候補が予め定められており、当該候補に紐付くインデックスが、上記REマッピングに関する情報として通知されてもよい。
また、非同期CSI-RSが実際に送信されているか否かに関わらず、セル内の全ての端末装置は、上記非同期CSI-RSの設定から、CSI-RSがマップされる場所を認識する。また、端末装置は、当該CSI-RSが配置されるREには、PDSCHが配置されないものと想定して復調及び復号を行う。
次いで、非同期CSI-RSの送信に係る動作(特に、トリガと送信との関係)について説明する。例えば、非同期CSI-RSは、ランダムアクセス手続きにおけるランダムアクセス応答に紐付いて送信される。
具体的な一例として、ランダムアクセス応答と同じ送信タイミングでCSI-RSが送信されてもよい。この場合には、ランダムアクセス応答が送信されるスロットと同じスロットでCSI-RSが送信される。また、端末装置は、ランダムアクセス応答のスケジュール情報が取得できた場合に、ランダムアクセス応答がスケジュールされたスロットにおいて、上記CSI-RSを受信する。
また、他の一例として、ランダムアクセス応答よりも後のタイミングでCSI-RSが送信されてもよい。この場合には、端末装置は、ランダムアクセス応答に含まれる情報に基づき、CSI-RSの送信タイミングを認識する。当該ランダムアクセス応答に含まれる情報としては、スロットインデックスが挙げられる。この場合には、CSI-RSは、当該スロットインデックスに対応するスロットで送信される。また、他の一例として、当該ランダムアクセス応答に含まれる情報として、ランダムアクセス応答が送信されるスロットと、CSI-RSが送信されるスロットと、の間の相対時間を示す情報が挙げられる。この場合には、CSI-RSは、ランダムアクセス応答が送信されてから、当該相対時間が示す期間の経過後に送信されるスロットで送信される。
また、上記送信タイミングのようなCSI-RS設定に関する情報は、例えば、ランダムアクセス応答を含むPDSCHをスケジュールするDCIの中に含まれて送信されてもよい。また、他の一例として、CSI-RS設定に関する情報が、ランダムアクセス応答に含まれて送信されてもよい。
また、他の一例として、端末装置は、非同期CSI-RSの設定に含まれる情報と、ランダムアクセス応答と、からCSI-RSの送信タイミングを認識してもよい。具体的な一例として、非同期CSI-RSの設定に、CSI-RSが送信される可能性がある時間の情報(例えば、周期とオフセット)が含まれていてもよい。この場合には、例えば、CSI-RSは、ランダムアクセス応答が受信された場合に、当該ランダムアクセス応答が受信されたスロットよりも後であり、かつ、最近のCSI-RSが送信される可能性があるスロットで送信され得る。
ここで、図21を参照して、CSI-RSを利用したビーム調整における通信シーケンスの一例について説明する。図21は、本実施形態に係るビーム調整における通信シーケンスの一例を示す図であり、CSI-RSを用いた手法の一例を示している。図21に示すように、まず、基地局装置は、N個のCSI-RSを送信する(S241)。端末装置は、当該N個のCSI-RSそれぞれの受信電力(RSRP)および/または信号対干渉比(例えば、RSRQ、SINR)を測定し、接続に相応しいCSI-RSを1以上選択する(S243)。このとき端末装置は、複数のCSI-RSを選択してもよい。次に、端末装置は、選択した1以上のCSI-RSに対応する情報を、ランダムアクセスの手続きにおけるメッセージ3に含め(S245)、当該メッセージ3を基地局装置に送信する(S247)。基地局装置は、受信したメッセージ3に含まれる情報(即ち、選択されたCSI-RSに対応する情報)に基づき、端末装置にとってより好ましいCSI-RSの番号(ひいては、当該CSI-RSの送信に係るアンテナ情報)を1以上取得することができる。すなわち、図21に示す通信シーケンスにより、基地局装置は、端末装置にとってより好ましい下りリンクビームを1以上認識することができ、以降の下りリンク通信に対して当該1以上の下りリンクビームを適用することが可能となる(S249)。
なお、上述したビーム調整手法1及びビーム調整手法2の双方が実行されてもよい。この場合には、例えば、端末装置は、ビーム調整手法1により粗い複数のビーム情報を基地局装置にフィードバックし、さらにビーム調整手法2により細かいビーム情報をフィードバックしてもよい。
(ビーム調整に関する情報のフィードバック後の動作)
続いて、端末装置が基地局装置に対してビーム調整に関する情報をフィードバックした後における、当該端末装置及び当該基地局装置の動作の一例について以下に説明する。なお、本説明では、図18を参照して説明したように、端末装置がPRACHによって基地局装置にフィードバックした情報に応じたビームを、便宜上、「第1のビーム」とも称する。即ち、第1のビームは、ランダムアクセスの手続きにおけるランダムアクセス応答の前に、端末装置からフィードバックされる情報に応じて決定される1つのビームに相当する。また、図20及び図21を参照して説明したビーム調整手法1及びビーム調整手法2の少なくともいずれかにおいて、端末装置が、メッセージ3等のような上記ランダムアクセス応答の後に送信するメッセージによって基地局装置にフィードバックした情報に応じたビームを、便宜上、「第2のビーム」とも称する。即ち、第2のビームは、上記ランダムアクセス応答の後に、端末装置からフィードバックされる情報に応じて決定される1以上のビームに相当する。なお、第2のビームに紐付く参照信号は、上述した通り、ビーム調整手法1の場合には同期信号ブロックに含まれるNR-SSとなり、ビーム調整手法2の場合にはCSI-RSとなる。また、第1のビームに対応するアンテナ情報が「第1のアンテナ情報」に相当し、第2のビームに対応するアンテナ情報が「第2のアンテナ情報」に相当する。
本実施形態に係る無線通信システムにおいて、端末装置は、上述した第1のビーム及び第2のビームのQCL条件を想定して対応するNR-PDCCHをモニタし、NR-PDCCHの受信及び復調を行う。また、基地局装置は、NR-PDCCHのDMRSと、第1のビーム情報に紐付く参照信号とを同じ送信ポイントから送信する。
ここで、以下にQCLの切り替えに係る動作の一例について説明する。
例えば、前述したビーム調整手法1及びビーム調整手法2のように、ランダムアクセス応答の受信後におけるビーム調整(換言すると、メッセージ3による端末装置から基地局装置へのフィードバック)の前後において、QCLの切り替えが行われてもよい。この場合には、例えば、当該ビーム調整が行われる前は、NR-PDCCHのDMRSと、第1のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。また、当該ビーム調整が行われた後においては、NR-PDCCHのDMRSと、第2のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。換言すると、上記ビーム調整が行われる前は、第1のビームに対応する第1のアンテナ情報に基づき通信が制御され、当該ビーム調整が行われた後は、第2のビームに対応する第2のアンテナ情報に基づき通信が制御される。
また、他の一例として、基地局装置と端末装置との間の通信において再送が行われる場合に、初送と再送とでQCLの切り替えが行われてもよい。具体的な一例として、メッセージ4を含むPDSCHの送信が初送の場合には、NR-PDCCHのDMRSと、第1のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。また、メッセージ4を含むPDSCHの送信が再送の場合には、NR-PDCCHのDMRSと、第2のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。換言すると、メッセージ4を含むPDSCHの送信において、初送の場合には、第1のビームに対応する第1のアンテナ情報に基づき通信が制御され、再送の場合には、第2のビームに対応する第2のアンテナ情報に基づき通信が制御される。
また、他の一例として、NR-PDCCHのDMRSが配置されるサーチスペースに応じてQCLの切り替えが行われてもよい。例えば、互いに異なる第1のサーチスペース及び第2のサーチスペースのうち、第1のサーチスペースに配置されるNR-PDCCHのDMRSと、第1のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。また、第2のサーチスペースに配置されるNR-PDCCHのDMRSと、第2のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。より具体的な一例として、CSSに配置されるNR-PDCCHのDMRSと、第1のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。また、USSに配置されるNR-PDCCHのDMRSと、第2のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。換言すると、第1のサーチスペースに属する物理チャネルを介して送信データが送信される場合には、第1のビームに対応する第1のアンテナ情報に基づき通信が制御されてもよい。また、第2のサーチスペースに属する物理チャネルを介して送信データが送信される場合には、第2のビームに対応する第2のアンテナ情報に基づき通信が制御されてもよい。
また、他の一例として、NR-PDCCHのDMRSが送信されるシンボルに応じてQCLの切り替えが行われてもよい。例えば、互いに異なる第1のOFDMシンボル及び第2のOFDMシンボルのうち、第1のOFDMシンボルにより送信されるNR-PDCCHのDMRSと、第1のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。また、第2のOFDMシンボルにより送信されるNR-PDCCHのDMRSと、第2のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。換言すると、第1のOFDMシンボルにより信号が送信される場合には、第1のビームに対応する第1のアンテナ情報に基づき通信が制御されてもよい。また、第2のOFDMシンボルにより信号が送信される場合には、第2のビームに対応する第2のアンテナ情報に基づき通信が制御されてもよい。なお、第1のOFDMシンボルが「第1のシンボル」の一例に相当し、第2のOFDMシンボルが「第2のシンボル」の一例に相当する。
また、他の一例として、共通PDCCHと呼称されるNR-PDCCHに含まれる情報に応じてQCLの切り替えが行われてもよい。例えば、当該NR-PDCCHに含まれる情報によって第1のビーム情報に紐付く参照信号とQCLであると通知された場合に、他のNR-PDCCHのDMRSと、第1のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。また、当該NR-PDCCHに含まれる情報によって第2のビーム情報に紐付く参照信号とQCLであると通知された場合に、他のNR-PDCCHのDMRSと、第2のビーム情報に紐付く参照信号と、がQCLであってもよい。
以上、ビーム調整に関する情報のフィードバック後の動作として、QCLの切り替えに係る動作の一例について説明した。なお、上記では、NR-PDCCHのDMRSを送信する場合に着目して説明したが、NR-PDSCHのDMRSについても、上記と同様の振る舞いを適用することが可能である。
<<2.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用可能である。例えば、基地局装置1は、マクロeNB又はスモールeNBなどのいずれかの種類のeNB(evolved Node B)として実現されてもよい。スモールeNBは、ピコeNB、マイクロeNB又はホーム(フェムト)eNBなどの、マクロセルよりも小さいセルをカバーするeNBであってよい。その代わりに、基地局装置1は、NodeB又はBTS(Base Transceiver Station)などの他の種類の基地局として実現されてもよい。基地局装置1は、無線通信を制御する本体(基地局装置ともいう)と、本体とは別の場所に配置される1つ以上のRRH(Remote Radio Head)とを含んでもよい。また、後述する様々な種類の端末が一時的に又は半永続的に基地局機能を実行することにより、基地局装置1として動作してもよい。さらに、基地局装置1の少なくとも一部の構成要素は、基地局装置又は基地局装置のためのモジュールにおいて実現されてもよい。
また、例えば、端末装置2は、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯型ゲーム端末、携帯型/ドングル型のモバイルルータ若しくはデジタルカメラなどのモバイル端末、又はカーナビゲーション装置などの車載端末として実現されてもよい。また、端末装置2は、M2M(Machine To Machine)通信を行う端末(MTC(Machine Type Communication)端末ともいう)として実現されてもよい。さらに、端末装置2の少なくとも一部の構成要素は、これら端末に搭載されるモジュール(例えば、1つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。
<2.1.基地局に関する応用例>
(第1の応用例)
図22は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第1の例を示すブロック図である。eNB800は、1つ以上のアンテナ810、及び基地局装置820を有する。各アンテナ810及び基地局装置820は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。
アンテナ810の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、基地局装置820による無線信号の送受信のために使用される。eNB800は、図22に示したように複数のアンテナ810を有し、複数のアンテナ810は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図22にはeNB800が複数のアンテナ810を有する例を示したが、eNB800は単一のアンテナ810を有してもよい。
基地局装置820は、コントローラ821、メモリ822、ネットワークインタフェース823及び無線通信インタフェース825を備える。
コントローラ821は、例えばCPU又はDSPであってよく、基地局装置820の上位レイヤの様々な機能を動作させる。例えば、コントローラ821は、無線通信インタフェース825により処理された信号内のデータからデータパケットを生成し、生成したパケットをネットワークインタフェース823を介して転送する。コントローラ821は、複数のベースバンドプロセッサからのデータをバンドリングすることによりバンドルドパケットを生成し、生成したバンドルドパケットを転送してもよい。また、コントローラ821は、無線リソース管理(Radio Resource Control)、無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、移動性管理(Mobility Management)、流入制御(Admission Control)又はスケジューリング(Scheduling)などの制御を実行する論理的な機能を有してもよい。また、当該制御は、周辺のeNB又はコアネットワークノードと連携して実行されてもよい。メモリ822は、RAM及びROMを含み、コントローラ821により実行されるプログラム、及び様々な制御データ(例えば、端末リスト、送信電力データ及びスケジューリングデータなど)を記憶する。
ネットワークインタフェース823は、基地局装置820をコアネットワーク824に接続するための通信インタフェースである。コントローラ821は、ネットワークインタフェース823を介して、コアネットワークノード又は他のeNBと通信してもよい。その場合に、eNB800と、コアネットワークノード又は他のeNBとは、論理的なインタフェース(例えば、S1インタフェース又はX2インタフェース)により互いに接続されてもよい。ネットワークインタフェース823は、有線通信インタフェースであってもよく、又は無線バックホールのための無線通信インタフェースであってもよい。ネットワークインタフェース823が無線通信インタフェースである場合、ネットワークインタフェース823は、無線通信インタフェース825により使用される周波数帯域よりもより高い周波数帯域を無線通信に使用してもよい。
無線通信インタフェース825は、LTE(Long Term Evolution)又はLTE-Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、アンテナ810を介して、eNB800のセル内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース825は、典型的には、ベースバンド(BB)プロセッサ826及びRF回路827などを含み得る。BBプロセッサ826は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、各レイヤ(例えば、L1、MAC(Medium Access Control)、RLC(Radio Link Control)及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol))の様々な信号処理を実行する。BBプロセッサ826は、コントローラ821の代わりに、上述した論理的な機能の一部又は全部を有してもよい。BBプロセッサ826は、通信制御プログラムを記憶するメモリ、当該プログラムを実行するプロセッサ及び関連する回路を含むモジュールであってもよく、BBプロセッサ826の機能は、上記プログラムのアップデートにより変更可能であってもよい。また、上記モジュールは、基地局装置820のスロットに挿入されるカード若しくはブレードであってもよく、又は上記カード若しくは上記ブレードに搭載されるチップであってもよい。一方、RF回路827は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ810を介して無線信号を送受信する。
無線通信インタフェース825は、図22に示したように複数のBBプロセッサ826を含み、複数のBBプロセッサ826は、例えばeNB800が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。また、無線通信インタフェース825は、図22に示したように複数のRF回路827を含み、複数のRF回路827は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図22には無線通信インタフェース825が複数のBBプロセッサ826及び複数のRF回路827を含む例を示したが、無線通信インタフェース825は単一のBBプロセッサ826又は単一のRF回路827を含んでもよい。
図22に示したeNB800において、図5を参照して説明した上位層処理部101及び制御部103のうち1つ以上の構成要素は、無線通信インタフェース825において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ821において実装されてもよい。一例として、eNB800は、無線通信インタフェース825の一部(例えば、BBプロセッサ826)若しくは全部、及び/又はコントローラ821を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB800にインストールされ、無線通信インタフェース825(例えば、BBプロセッサ826)及び/又はコントローラ821が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB800、基地局装置820又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図22に示したeNB800において、図5を参照して説明した受信部105及び送信部107は、無線通信インタフェース825(例えば、RF回路827)において実装されてもよい。また、送受信アンテナ109は、アンテナ810において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部130は、コントローラ821及び/又はネットワークインタフェース823において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図23は、本開示に係る技術が適用され得るeNBの概略的な構成の第2の例を示すブロック図である。eNB830は、1つ以上のアンテナ840、基地局装置850、及びRRH860を有する。各アンテナ840及びRRH860は、RFケーブルを介して互いに接続され得る。また、基地局装置850及びRRH860は、光ファイバケーブルなどの高速回線で互いに接続され得る。
アンテナ840の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、RRH860による無線信号の送受信のために使用される。eNB830は、図23に示したように複数のアンテナ840を有し、複数のアンテナ840は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図23にはeNB830が複数のアンテナ840を有する例を示したが、eNB830は単一のアンテナ840を有してもよい。
基地局装置850は、コントローラ851、メモリ852、ネットワークインタフェース853、無線通信インタフェース855及び接続インタフェース857を備える。コントローラ851、メモリ852及びネットワークインタフェース853は、図22を参照して説明したコントローラ821、メモリ822及びネットワークインタフェース823と同様のものである。
無線通信インタフェース855は、LTE又はLTE-Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、RRH860及びアンテナ840を介して、RRH860に対応するセクタ内に位置する端末に無線接続を提供する。無線通信インタフェース855は、典型的には、BBプロセッサ856などを含み得る。BBプロセッサ856は、接続インタフェース857を介してRRH860のRF回路864と接続されることを除き、図22を参照して説明したBBプロセッサ826と同様のものである。無線通信インタフェース855は、図22に示したように複数のBBプロセッサ856を含み、複数のBBプロセッサ856は、例えばeNB830が使用する複数の周波数帯域にそれぞれ対応してもよい。なお、図23には無線通信インタフェース855が複数のBBプロセッサ856を含む例を示したが、無線通信インタフェース855は単一のBBプロセッサ856を含んでもよい。
接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)をRRH860と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース857は、基地局装置850(無線通信インタフェース855)とRRH860とを接続する上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
また、RRH860は、接続インタフェース861及び無線通信インタフェース863を備える。
接続インタフェース861は、RRH860(無線通信インタフェース863)を基地局装置850と接続するためのインタフェースである。接続インタフェース861は、上記高速回線での通信のための通信モジュールであってもよい。
無線通信インタフェース863は、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、典型的には、RF回路864などを含み得る。RF回路864は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ840を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース863は、図23に示したように複数のRF回路864を含み、複数のRF回路864は、例えば複数のアンテナ素子にそれぞれ対応してもよい。なお、図23には無線通信インタフェース863が複数のRF回路864を含む例を示したが、無線通信インタフェース863は単一のRF回路864を含んでもよい。
図23に示したeNB830において、図5を参照して説明した上位層処理部101及び制御部103のうち1つ以上の構成要素は、無線通信インタフェース855及び/又は無線通信インタフェース863において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、コントローラ851において実装されてもよい。一例として、eNB830は、無線通信インタフェース855の一部(例えば、BBプロセッサ856)若しくは全部、及び/又はコントローラ851を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがeNB830にインストールされ、無線通信インタフェース855(例えば、BBプロセッサ856)及び/又はコントローラ851が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてeNB830、基地局装置850又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図23に示したeNB830において、例えば、図5を参照して説明した受信部105及び送信部107は、無線通信インタフェース863(例えば、RF回路864)において実装されてもよい。また、送受信アンテナ109は、アンテナ840において実装されてもよい。また、ネットワーク通信部130は、コントローラ851及び/又はネットワークインタフェース853において実装されてもよい。
<2.2.端末装置に関する応用例>
(第1の応用例)
図24は、本開示に係る技術が適用され得るスマートフォン900の概略的な構成の一例を示すブロック図である。スマートフォン900は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912、1つ以上のアンテナスイッチ915、1つ以上のアンテナ916、バス917、バッテリー918及び補助コントローラ919を備える。
プロセッサ901は、例えばCPU又はSoC(System on Chip)であってよく、スマートフォン900のアプリケーションレイヤ及びその他のレイヤの機能を制御する。メモリ902は、RAM及びROMを含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ903は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。外部接続インタフェース904は、メモリーカード又はUSB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外付けデバイスをスマートフォン900へ接続するためのインタフェースである。
カメラ906は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有し、撮像画像を生成する。センサ907は、例えば、測位センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び加速度センサなどのセンサ群を含み得る。マイクロフォン908は、スマートフォン900へ入力される音声を音声信号へ変換する。入力デバイス909は、例えば、表示デバイス910の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、キーパッド、キーボード、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス910は、液晶ディスプレイ(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの画面を有し、スマートフォン900の出力画像を表示する。スピーカ911は、スマートフォン900から出力される音声信号を音声に変換する。
無線通信インタフェース912は、LTE又はLTE-Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース912は、典型的には、BBプロセッサ913及びRF回路914などを含み得る。BBプロセッサ913は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路914は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ916を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース912は、BBプロセッサ913及びRF回路914を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース912は、図24に示したように複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含んでもよい。なお、図24には無線通信インタフェース912が複数のBBプロセッサ913及び複数のRF回路914を含む例を示したが、無線通信インタフェース912は単一のBBプロセッサ913又は単一のRF回路914を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース912は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN(Local Area Network)方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ913及びRF回路914を含んでもよい。
アンテナスイッチ915の各々は、無線通信インタフェース912に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ916の接続先を切り替える。
アンテナ916の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース912による無線信号の送受信のために使用される。スマートフォン900は、図24に示したように複数のアンテナ916を有してもよい。なお、図24にはスマートフォン900が複数のアンテナ916を有する例を示したが、スマートフォン900は単一のアンテナ916を有してもよい。
さらに、スマートフォン900は、無線通信方式ごとにアンテナ916を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ915は、スマートフォン900の構成から省略されてもよい。
バス917は、プロセッサ901、メモリ902、ストレージ903、外部接続インタフェース904、カメラ906、センサ907、マイクロフォン908、入力デバイス909、表示デバイス910、スピーカ911、無線通信インタフェース912及び補助コントローラ919を互いに接続する。バッテリー918は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図24に示したスマートフォン900の各ブロックへ電力を供給する。補助コントローラ919は、例えば、スリープモードにおいて、スマートフォン900の必要最低限の機能を動作させる。
図24に示したスマートフォン900において、図6を参照して説明した図6を参照して説明した上位層処理部201及び制御部203のうち1つ以上の構成要素は、無線通信インタフェース912において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ901又は補助コントローラ919において実装されてもよい。一例として、スマートフォン900は、無線通信インタフェース912の一部(例えば、BBプロセッサ913)若しくは全部、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがスマートフォン900にインストールされ、無線通信インタフェース912(例えば、BBプロセッサ913)、プロセッサ901、及び/又は補助コントローラ919が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてスマートフォン900又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図24に示したスマートフォン900において、例えば、図6を参照して説明した受信部205及び送信部207は、無線通信インタフェース912(例えば、RF回路914)において実装されてもよい。また、送受信アンテナ209は、アンテナ916において実装されてもよい。
(第2の応用例)
図25は、本開示に係る技術が適用され得るカーナビゲーション装置920の概略的な構成の一例を示すブロック図である。カーナビゲーション装置920は、プロセッサ921、メモリ922、GPS(Global Positioning System)モジュール924、センサ925、データインタフェース926、コンテンツプレーヤ927、記憶媒体インタフェース928、入力デバイス929、表示デバイス930、スピーカ931、無線通信インタフェース933、1つ以上のアンテナスイッチ936、1つ以上のアンテナ937及びバッテリー938を備える。
プロセッサ921は、例えばCPU又はSoCであってよく、カーナビゲーション装置920のナビゲーション機能及びその他の機能を制御する。メモリ922は、RAM及びROMを含み、プロセッサ921により実行されるプログラム及びデータを記憶する。
GPSモジュール924は、GPS衛星から受信されるGPS信号を用いて、カーナビゲーション装置920の位置(例えば、緯度、経度及び高度)を測定する。センサ925は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ及び気圧センサなどのセンサ群を含み得る。データインタフェース926は、例えば、図示しない端子を介して車載ネットワーク941に接続され、車速データなどの車両側で生成されるデータを取得する。
コンテンツプレーヤ927は、記憶媒体インタフェース928に挿入される記憶媒体(例えば、CD又はDVD)に記憶されているコンテンツを再生する。入力デバイス929は、例えば、表示デバイス930の画面上へのタッチを検出するタッチセンサ、ボタン又はスイッチなどを含み、ユーザからの操作又は情報入力を受け付ける。表示デバイス930は、LCD又はOLEDディスプレイなどの画面を有し、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの画像を表示する。スピーカ931は、ナビゲーション機能又は再生されるコンテンツの音声を出力する。
無線通信インタフェース933は、LTE又はLTE-Advancedなどのいずれかのセルラー通信方式をサポートし、無線通信を実行する。無線通信インタフェース933は、典型的には、BBプロセッサ934及びRF回路935などを含み得る。BBプロセッサ934は、例えば、符号化/復号、変調/復調及び多重化/逆多重化などを行なってよく、無線通信のための様々な信号処理を実行する。一方、RF回路935は、ミキサ、フィルタ及びアンプなどを含んでもよく、アンテナ937を介して無線信号を送受信する。無線通信インタフェース933は、BBプロセッサ934及びRF回路935を集積したワンチップのモジュールであってもよい。無線通信インタフェース933は、図25に示したように複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含んでもよい。なお、図25には無線通信インタフェース933が複数のBBプロセッサ934及び複数のRF回路935を含む例を示したが、無線通信インタフェース933は単一のBBプロセッサ934又は単一のRF回路935を含んでもよい。
さらに、無線通信インタフェース933は、セルラー通信方式に加えて、近距離無線通信方式、近接無線通信方式又は無線LAN方式などの他の種類の無線通信方式をサポートしてもよく、その場合に、無線通信方式ごとのBBプロセッサ934及びRF回路935を含んでもよい。
アンテナスイッチ936の各々は、無線通信インタフェース933に含まれる複数の回路(例えば、異なる無線通信方式のための回路)の間でアンテナ937の接続先を切り替える。
アンテナ937の各々は、単一の又は複数のアンテナ素子(例えば、MIMOアンテナを構成する複数のアンテナ素子)を有し、無線通信インタフェース933による無線信号の送受信のために使用される。カーナビゲーション装置920は、図25に示したように複数のアンテナ937を有してもよい。なお、図25にはカーナビゲーション装置920が複数のアンテナ937を有する例を示したが、カーナビゲーション装置920は単一のアンテナ937を有してもよい。
さらに、カーナビゲーション装置920は、無線通信方式ごとにアンテナ937を備えてもよい。その場合に、アンテナスイッチ936は、カーナビゲーション装置920の構成から省略されてもよい。
バッテリー938は、図中に破線で部分的に示した給電ラインを介して、図25に示したカーナビゲーション装置920の各ブロックへ電力を供給する。また、バッテリー938は、車両側から給電される電力を蓄積する。
図25に示したカーナビゲーション装置920において、図6を参照して説明した図6を参照して説明した上位層処理部201及び制御部203のうち1つ以上の構成要素は、無線通信インタフェース933において実装されてもよい。あるいは、これらの構成要素の少なくとも一部は、プロセッサ921において実装されてもよい。一例として、カーナビゲーション装置920は、無線通信インタフェース933の一部(例えば、BBプロセッサ934)若しくは全部及び/又はプロセッサ921を含むモジュールを搭載し、当該モジュールにおいて上記1つ以上の構成要素が実装されてもよい。この場合に、上記モジュールは、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラム(換言すると、プロセッサに上記1つ以上の構成要素の動作を実行させるためのプログラム)を記憶し、当該プログラムを実行してもよい。別の例として、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムがカーナビゲーション装置920にインストールされ、無線通信インタフェース933(例えば、BBプロセッサ934)及び/又はプロセッサ921が当該プログラムを実行してもよい。以上のように、上記1つ以上の構成要素を備える装置としてカーナビゲーション装置920又は上記モジュールが提供されてもよく、プロセッサを上記1つ以上の構成要素として機能させるためのプログラムが提供されてもよい。また、上記プログラムを記録した読み取り可能な記録媒体が提供されてもよい。
また、図25に示したカーナビゲーション装置920において、例えば、図6を参照して説明した受信部205及び送信部207は、無線通信インタフェース933(例えば、RF回路935)において実装されてもよい。また、送受信アンテナ209は、アンテナ937において実装されてもよい。
また、本開示に係る技術は、上述したカーナビゲーション装置920の1つ以上のブロックと、車載ネットワーク941と、車両側モジュール942とを含む車載システム(又は車両)940として実現されてもよい。即ち、上位層処理部201、制御部203、受信部205、及び送信部207のうち少なくともいずれかを備える装置として車載システム(又は車両)940が提供されてもよい。車両側モジュール942は、車速、エンジン回転数又は故障情報などの車両側データを生成し、生成したデータを車載ネットワーク941へ出力する。
<<3.むすび>>
以上、説明したように、本実施形態に係る無線通信システムにおいて、基地局装置は、それぞれが互いに異なるアンテナ情報に関連付けられた複数の参照信号が端末装置に送信されるように制御する。また、基地局装置は、端末装置に対してランダムアクセスの手続きにおけるランダムアクセス応答を送信した後に、複数の参照信号のうち少なくともいずれかの当該参照信号に応じた制御情報(例えば、端末装置により選択された参照信号に応じた情報)を当該端末装置から取得する。そして、基地局装置は、取得した上記制御情報に応じた前記アンテナ情報に基づき、以降の上記端末装置との通信を制御する。
以上のような構成により、本実施形態に係る無線通信システムに依れば、基地局装置は、複数ビーム運用において、ランダムアクセスの手続きにおけるランダムアクセス応答よりも後の端末装置との通信において、複数のビーム(例えば、最良のビームと、次に良好な1以上のビーム等)を利用することが可能となる。これにより、基地局装置は、ランダムアクセスの手続きのメッセージ4以降の下りリンク送信に対して複数のビームを利用することが可能となる。そのため、本実施形態に係る無線通信システムにおいては、1つのビームのみが利用される場合に比べて、無線信号の遮蔽等に伴う伝搬損失に対してロバスト性を確保することが可能となり、より安定的かつ迅速に初期アクセスのプロシジャを終了させることも可能となる。
また、本実施形態に係る無線通信システムにおいては、基地局装置は、初期アクセスのプロシジャの終了時に既に端末装置との通信に複数のビームを利用することが可能な状態となっている。即ち、基地局装置は、初期アクセスのプロシジャの終了後に、複数のビームを利用するための手続きを行うことなく、ただちに複数のビームを利用した通信を開始することが可能となる。
また、前述のとおり、本実施形態に係る無線通信システムに依れば、ランダムアクセス応答よりも後の複数のビームを利用した端末装置との通信において、各種条件に応じて、各種送信信号と各ビームと対応関係(即ち、QCL)を適宜制御することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
それぞれが互いに異なるアンテナ情報に関連付けられた複数の参照信号が端末装置に送信されるように制御する制御部と、
前記端末装置に対してランダムアクセスの手続きにおけるランダムアクセス応答を送信した後に、前記複数の参照信号のうち少なくともいずれかの当該参照信号に応じた制御情報を当該端末装置から取得する取得部と、
を備え、
前記制御部は、取得した前記制御情報に応じた前記アンテナ情報に基づき、以降の前記端末装置との通信を制御する、
通信装置。
(2)
前記制御部は、取得した前記制御情報に基づき、前記ランダムアクセスの手続きにおける当該制御情報の取得後の前記端末装置との通信に関するアンテナの設定を制御する、前記(1)に記載の通信装置。
(3)
前記取得部は、前記複数の参照信号のうち2以上の当該参照信号に応じた前記制御情報を前記端末装置から取得し、
前記制御部は、取得した前記制御情報に応じて、前記端末装置との通信に利用する2以上の前記アンテナ情報を決定する、
前記(1)または(2)に記載の通信装置。
(4)
前記制御部は、
前記ランダムアクセスの手続きにおいて、前記端末装置に対して前記ランダムアクセス応答を送信する前に、前記端末装置との通信に関する第1のアンテナ情報を決定し、
前記ランダムアクセス応答を送信した後に、取得した前記制御情報に基づき、前記端末装置との通信に関する第2のアンテナ情報を決定し、
当該制御情報の取得後の前記端末装置との通信を、前記第1のアンテナ情報及び前記第2のアンテナ情報のうち少なくともいずれかに基づき制御する、
前記(1)~(3)のいずれか一項に記載の通信装置。
(5)
前記制御部は、
前記ランダムアクセス応答を送信する前は、前記第1のアンテナ情報に基づき、前記端末装置との通信を制御し、
前記ランダムアクセス応答を送信した後は、前記第2のアンテナ情報に基づき、前記端末装置との通信を制御する、
前記(4)に記載の通信装置。
(6)
前記制御部は、
前記制御情報の取得後における前記端末装置との通信において、
送信データを最初に送信する場合には、前記第1のアンテナ情報に基づき当該端末装置との通信を制御し、
前記送信データを再送する場合には、前記第2のアンテナ情報に基づき当該端末装置との通信を制御する
前記(4)に記載の通信装置。
(7)
前記制御部は、
第1のサーチスペースに属する物理チャネルを介して信号を送信する場合には、前記第1のアンテナ情報に基づき当該端末装置との通信を制御し、
前記第1のサーチスペースとは異なる第2のサーチスペースに属する物理チャネルを介して信号を送信する場合には、前記第2のアンテナ情報に基づき、前記端末装置との通信を制御する、
前記(4)に記載の通信装置。
(8)
前記制御部は、
第1のシンボルにより信号を送信する場合には、前記第1のアンテナ情報に基づき当該端末装置との通信を制御し、
前記第1のシンボルとは異なる第2のシンボルにより信号を送信する場合には、前記第2のアンテナ情報に基づき、前記端末装置との通信を制御する、
前記(4)に記載の通信装置。
(9)
前記制御部は、前記複数の参照信号として、複数の同期信号ブロックが通信範囲内の端末装置に送信されるように制御する、前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の通信装置。
(10)
前記制御部は、
前記複数の参照信号それぞれの送信条件に関する情報が前記端末装置に通知されるように制御し、
当該送信条件に応じて、前記複数の参照信号が当該端末装置に送信されるように制御する、
前記(1)~(8)のいずれか一項に記載の通信装置。
(11)
前記制御部は、前記端末装置との通信に係る送信信号の指向性が、前記参照信号の指向性よりも高くなるように制御する、前記(1)~(10)のいずれか一項に記載の通信装置。
(12)
前記アンテナ情報は、チャネル、パス、アンテナ、及びアンテナポートのうち少なくともいずれかの設定に関する情報を含む、前記(1)~(11)のいずれか一項に記載の通信装置。
(13)
基地局から送信される、それぞれが互いに異なるアンテナ情報に関連付けられた複数の参照信号の受信結果に応じて、少なくとも一部の前記参照信号を選択する選択部と、
ランダムアクセスの手続きにおいて前記基地局から送信されるランダムアクセス応答を受信した後に、選択された前記参照信号に応じた制御情報を当該基地局に通知する通知部と、
を備える、通信装置。
(14)
前記選択部は、前記複数の参照信号それぞれについての所定の測定を行い、当該測定の結果に応じて、少なくとも一部の当該参照信号を選択する、前記(13)に記載の通信装置。
(15)
前記選択部は、前記測定として、前記参照信号の通信品質及び受信電力のうち少なくともいずれかを測定する、前記(14)に記載の通信装置。
(16)
前記通知部は、
前記ランダムアクセス応答を受信する前に、前記複数の参照信号から選択された第1の参照信号に応じた制御情報を前記基地局に通知し、
前記ランダムアクセス応答を受信した後に、前記第1の参照信号と、前記複数の参照信号から選択された当該第1の参照信号とは異なる第2の参照信号と、の間の前記測定の結果の差分に応じた制御情報を前記基地局に通知する、
前記(14)または(15)に記載の通信装置。
(17)
前記通知部は、前記ランダムアクセス応答を受信した後に、選択された2以上の前記参照信号に応じた制御情報を当該基地局に通知する、前記(13)~(16)のいずれか一項に記載の通信装置。
(18)
コンピュータが、
それぞれが互いに異なるアンテナ情報に関連付けられた複数の参照信号が端末装置に送信されるように制御することと、
前記端末装置に対してランダムアクセスの手続きにおけるランダムアクセス応答を送信した後に、前記複数の参照信号のうち少なくともいずれかの当該参照信号に応じた制御情報を当該端末装置から取得することと、
取得した前記制御情報に応じた前記アンテナ情報に基づき、以降の前記端末装置との通信を制御することと、
を含む、通信方法。
(19)
コンピュータが、
基地局から送信される、それぞれが互いに異なるアンテナ情報に関連付けられた複数の参照信号の受信結果に応じて、少なくとも一部の前記参照信号を選択することと、
ランダムアクセスの手続きにおいて前記基地局から送信されるランダムアクセス応答を受信した後に、選択された前記参照信号に応じた制御情報を当該基地局に通知することと、
を含む、通信方法。
(20)
コンピュータに、
それぞれが互いに異なるアンテナ情報に関連付けられた複数の参照信号が端末装置に送信されるように制御することと、
前記端末装置に対してランダムアクセスの手続きにおけるランダムアクセス応答を送信した後に、前記複数の参照信号のうち少なくともいずれかの当該参照信号に応じた制御情報を当該端末装置から取得することと、
取得した前記制御情報に応じた前記アンテナ情報に基づき、以降の前記端末装置との通信を制御することと、
を実行させる、プログラム。
(21)
コンピュータに、
基地局から送信される、それぞれが互いに異なるアンテナ情報に関連付けられた複数の参照信号の受信結果に応じて、少なくとも一部の前記参照信号を選択することと、
ランダムアクセスの手続きにおいて前記基地局から送信されるランダムアクセス応答を受信した後に、選択された前記参照信号に応じた制御情報を当該基地局に通知することと、
を実行させる、プログラム。