JPWO2019021455A1 - 収差補正装置及び荷電粒子線装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は簡単な構成、調整で色収差、球面収差、或いは両方の補正を高度に実現することを目的とする。そのために荷電粒子ビームの光軸に沿って補正対象となる光学素子と共に配置される収差補正装置であって、2n(n≧2)個の極子と、荷電粒子ビームを通過させる開口を有する開口形成部材を備え、前記開口は、光軸に直交する第2の方向(例えば45度方向)より、光軸に直交すると共に第2の方向とは異なる第1の方向(例えば0度方向)に相対的に長く形成され、当該第1の方向は、収差補正装置を動作させることによって発生する収差と、前記光学素子が発生する収差が相殺される方向であることを特徴とする収差補正装置を提案する。
Description
本開示は、収差補正装置、及び荷電粒子線装置に係り、特に色収差、球面収差を補正する収差補正装置、及び荷電粒子線装置に関する。
電子顕微鏡等に用いられる収差補正器は、球面収差、色収差を光軸周り全方位に打ち消すため4極子レンズと8極子レンズ、または6極子レンズの組み合わせといった多段、多数の収差補正子が必要である。そのため各補正子の補正条件、補正子同士の軸あわせに多大な時間を要する。対して特許文献1では多極子構造の2πフィルタ1段の簡易な構成で色、球面収差を同時に補正している。更に、収差を補正できる範囲を光軸に近い狭い範囲に限らず、光軸外の広範囲にも適用することができる、と記載されている。また、収差補正に要する磁場、電場に関して「π フィルタから出射される電子線の断面形状が丸くなるための条件を求める。すなわち、光軸に対して収差が等方的になるような条件を求める。」や「ウィーン型フィルタでは、軸対称軌道を作り、円形のビームの下で色収差を補正する。」のような記載がある。
すなわち、特許文献1に開示の収差補正器であっても、色収差補正と、球面収差補正を光軸対称に同時に実施するため4/6/8極子場の最適混合条件を2πフィルタ内で精密に合わせこむ必要がある。また各極子に対して色、球面収差を独立に補正できず円形ビームを保持する最適混合場条件を事前に求める必要がある。
以下に簡単な構成、調整で色収差、球面収差、或いは両方の補正を高度に実現することを目的とする収差補正器、及び荷電粒子線装置について説明する。
上記目的を達成するための一態様として、荷電粒子ビームの光軸に沿って補正対象となる光学素子と共に配置される収差補正装置であって、2n(n≧2)個の極子と、荷電粒子ビームを通過させる開口を有する開口形成部材を備え、前記開口は、光軸に直交する第2の方向より、光軸に直交すると共に第2の方向とは異なる第1の方向に相対的に長く形成され、当該第1の方向は、収差補正装置を動作させることによって発生する収差と、前記光学素子が発生する収差が相殺される方向であることを特徴とする収差補正装置、及び当該収差補正装置を備えた荷電粒子線装置を提案する。
上記構成によれば、簡単な構成、調整で色収差、球面収差、或いはその両方を高度に補正することが可能となる。
以下に説明する実施例では、例えば簡易な構成のもと、軸あわせの負担を軽減し、色、球面収差の補正を独立に実施可能な荷電粒子線装置について説明する。
例えば収差補正対象のレンズと同一光軸に電場または磁場を発生する2n(n≧2)極子を上方または下方に一段配置し、球面収差Csを打ち消す8極子場(A3)を発生する(球面収差を打ち消す場合には(n≧4))。色収差Ccを同時に補正する場合は、負の色収差を発生するよう電場と磁場が重畳された4極子場を発生し上記8極子場に重畳する。この際、収差補正対象レンズの瞳面上において8極子場による球面収差補正領域と4極子場による色収差補正領域がオーバーラップしていることが望ましい。
更に収差補正対象レンズの瞳面上で収差補正域外となる領域のビームを物理的にカットする穴形状を持つ絞りを2n極子上方または下方に設置し補正域外の収差によるビーム特性劣化を極小化する。絞りで抑制しきれないビーム形状の異方性は極子場を光軸周りに回転しながら各方位での試料像を取得し合成、復元処理を施すことで解消する。
上記構成ではビームを円形に保持する必要が無いため、球面、色収差補正を8、4極子で独立に補正でき補正条件調整を簡易化できる。更に極子構成も4、8極子のみが必須と簡素である。よって操作性、安定性、制御性の高い荷電粒子線装置を提供できる。
図1は収差補正装置を内蔵した荷電粒子線装置(以下に説明する実施例では走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を例に採って説明するが、集束イオンビーム(Focused Ion Beam)装置等、他の荷電粒子線装置への適用も可能である)の構成例を示す。本電子光学系では電子源9より放出された一次電子線14(電子ビーム)をコンデンサレンズ13、対物レンズ21を用いることで試料23上にフォーカスする。加速電極11より試料側に設置された絞り12は、収差低減のため、近軸電子ビームのみを選択的に通過させるために設けられている。
一次電子線14(電子ビーム)照射により試料23から放出された二次電子や後方散乱電子等の信号電子が、試料に印加されたリターディング電圧およびブースター電極24に印加された電圧により試料23上方に巻き上げられ反射板15に衝突する。二次電子衝突により反射板15から発生する三次電子を検出器17で検出することで試料像を取得する構成である。なお、信号電子軌道に検出器の検出面を配置することによって、直接信号電子を検出するような構成とすることも可能である。
ここで電子ビームを調整する光学素子の一種である対物レンズにて発生する色収差と、球面収差を補正するために、対物レンズ上方に収差補正用多極子20、下方に収差カット絞り22(板状体に後述するような形状の絞り孔が形成された開口部形成部材)を配置する。ここで収差補正用多極子20および収差カット絞り22の光学配置は収差補正対象である対物レンズの瞳面における収差を打ち消すことが可能であればこの限りではない。また、他の光学素子(対物レンズ以外のレンズ等)の色収差、球面収差補正のために、収差補正用多極子と収差カット絞りのセットを設置するようにしても良い。
なお、走査電子顕微鏡を構成する各光学素子は、制御装置30によって制御される。制御装置30は、演算処理を行うコンピュータプロセッサ0と、非一時的なコンピュータ可読媒体であるデータ保存部3を備えている。非一時的なコンピュータ可読媒体は、コンピュータプロセッサによって実行されると、システムコントローラに所定の処理を実行させるコンピュータ命令で符号化され、後述するような処理工程に沿って、走査電子顕微鏡を制御する。
なお、制御装置30には引出電極10、加速電極11に所定の電圧を印加する電圧制御部1、検出器17の出力を増幅する増幅器4、増幅器4によって増幅された信号に基づいて画像を生成する画像処理部2が内蔵されている。画像処理部2は、偏向系制御部5から走査偏向器18に供給される走査信号に同期してフレームメモリ等に信号情報を記憶させることによって、画像情報を生成する。なお、図1に例示する走査電子顕微鏡には、走査偏向器18のビームの偏向領域(視野)の位置を移動させるイメージシフト偏向器19が内蔵されている。他にも、後述する収差補正用多極子20を制御する多極子制御部6、対物レンズの集束状態を制御する対物レンズ制御部7、ブースター電極24に印加する電圧を制御するブースター制御部25、ステージを制御するステージ制御部8が内蔵されている。
図2に収差補正用多極子20の構造を示す。最も効果的な例として12極子ウィーンフィルタを用いる。このウィーンフィルタは光軸Oに平行方向に延伸し、光軸Oを中心に12回の回転対称形状の極子P1〜12を有する。極子P1〜12は鉄、ニッケル、パーマロイ等の磁性金属から成り、磁場、電場を同時に発生することができる。更に電極数、配置の関係から4極場、8極場を同時に発生する。
ここで対物レンズ21の発する球面収差Csを打ち消すため、補正用多極子20より8極場A3を発生した場合の波面収差量Χを下記に示す。
ここでCs:球面収差量、A3:4回非点収差、ω:対物レンズ瞳面上方位角である。またCs=−A3とする。
[数1]により求まるΧ分布例を図3に示す。αはレンズの開き角である。[数1]に示すよう球面収差量Csにより発生する収差は方位角方向に一定である一方、4回非点収差は異方性を持つ。よって図3に示すようx方向(第1の方向)及びy方向(第3の方向)には丁度Cs成分とA3成分が釣り合い収差Χ≒0となるが、その間の方向(第2の方向、例えばx方向を0度としたときの45度方向)ではCs成分とA3成分が同じ符号となり収差量を逆に増加してしまう。この収差増加領域をカットしΧ≒0の理想レンズ領域のみビーム形成に用いるため、物理的に一次電子線をカットする絞りを採用する。収差カット絞り22の穴形状を下式で定義する。
ここでbは許容収差量である。収差量がb以下の部分の一次電子線をパスするローパスフィルタとなる。図4は収差カット絞りの穴形状である。図3において収差量Χ≒0付近の部分のみ穴が開くため、ビームの理想光軸をz方向としたときに、x及びy方向に伸びる手裏剣形状となる。また、図3に例示するように、収差が相殺されている領域は、光軸中心からx方向、y方向に離れるに従って幅が狭くなる傾向にある。よって、ビーム電流量を確保しつつ、適正に収差をカットするためには、収差が相殺される領域の形状に沿った形で、開口が形成された開口部形成部材を用いることが望ましい。図4に例にもあるように、開口は中心(光軸)から離れるに従って幅が狭くなるような十字形状(cross−shape)とし、且つ開口のx方向のエッジとy方向のエッジの交点が曲線となるように形成することが望ましい。
更に図5は収差カット絞り有りの場合と、収差カット絞りが無い場合の試料面上ビームプロファイル比較である。ビームを構成する波の高周波成分を代表するビームのボディ(xy原点付近(R=0付近)のビームプロファイル)に関しては両者で差は無い。しかし低周波成分を構成するビームのテール(ボディより外周部のプロファイル)に関しては、収差カット絞りを適用した光学系の方が、強度が低くなる(I2´<I2)。これは収差の低減によって相対的に高周波成分が増加することを意味する。よって絞り有のほうが相対的にビームを絞れる。これにより試料像を取得した際の分解能の向上を計れるだけでなくコントラストが向上しノイズ耐性も増加する。
ここで収差絞り穴形状を、収差許容量bを用いて設定したが、収差分布Χ≒0となる領域を用いる形状であればよいため、穴形状決定法はこの限りでない。
更に色収差Ccをここで考慮する。色収差Ccを補正するには負の色収差Ccを発生させる必要がある。負の色収差は一般的に電場及び磁場両方の4極子場を発生することで得られる。球面及び色収差を8極子及び4極子の組み合わせで補正した場合の波面収差Χ式を以下に示す。
ここでCcは色収差量、Cc2は4極子場による負の色収差、V0は加速電圧、ΔVは色分散である。図6は色収差を含む場合の収差量Χ分布である。色収差は方位角方向に一定であるが、打ち消しに用いる4極子場は2回対称場のため例ではx軸上のみΧ≒0となる。
更に収差カット絞り穴を収差許容量bで定義する場合の絞り穴形状を図7に示す。Χ≒0部分がx軸と平行方向にあるため横長の穴形状となる。ここではbの値にて理想レンズを取り出したが、理想レンズ部分を用いることで収差影響を除去する目的を考えれば穴形状決定法はこの限りでない。
以上のように、他の方向に対し、2n極子によって収差がキャンセルされる方向に、相対的に長い開口を持つ絞り(アパーチャ形成部材)を採用することによって、単なる円形絞りと比較して、ビーム電流の低下を抑制しつつ、色収差や球面収差を抑制することが可能となる。なお、色収差のみを補正するのであれば、4つ以上の極子があれば良く、球面収差を補正するためには8つ以上の極子が必要となる。また、球面収差を補正するだけであれば、電場或いは磁場だけで補正ができるので、ウィーンフィルタを用いなくても磁極、或いは電極のみの極子で収差補正器を構成することもできる。
実施例1に示したように8極子1段による球面収差補正、4極子1段による色収差補正ではビーム形状に異方性が発生する。図8は図5に示した収差カット絞り有の場合のビームプロファイルを用いた場合のラインパターン試料像である。当該試料像は複数のラインパターンが配列された試料に、ビームを2次元走査することによって得られる。
図8には、他の方向に対しx方向とy方向に長いビーム形状を持つビーム(ビーム回転なし)を、y方向に長いラインパターンがx方向に配列された試料上で走査したときに得られる画像と、ビームの長手方向を45度回転させて走査したときに得られる画像が例示されている。45度回転させた場合は回転無しに対してプロファイルの傾きが鈍る。一方、収差カット絞り22によって成形されたビーム光軸に対して垂直な方向に長いビームは、上述の原理によって、その長い方向の収差が抑制されているため、ビーム断面の長手方向と走査線方向を一致させると共に、当該走査線方向とパターンのエッジを直交させるように走査することによって、パターン幅の測定に適した信号を得ることができる。パターン幅の測定には例えば、x方向の線幅を測定する場合、x方向の輝度変化情報(ラインプロファイル)を取得し、エッジに相当する部分(例えば図8の位置801)間の寸法を測定することによって、線幅やピッチなどを測定する。このような処理は、画像処理部2等で所定のプログラムに基づいて行われる。
図9は丸形状のサンプルに対して図5に示した収差カット絞り有の場合のビームを走査した場合の試料像である。ビームの回転に伴い試料形状の尾引き方向の変化が発生していることがわかる。これらビーム形状異方性による悪影響を排除するためビームを回転しながら各方位で撮像した試料像をビームの光学伝達関数(Optical Transfer Function:OTF)を基に合成復元処理することとする。OFTはビームの開き角と収差分布により決まるレスポンス関数であり、像形成時において試料形状の周波数情報をどの程度保持できるかを示す。図10はその合成処理のフローである。
まず収差補正対象のレンズの収差を打ち消す4/8極子場を、収差補正子20を用いて生成する(ステップ101)。次に方位角方向の撮像回数Nをユーザに指定させ回転刻みθ(=360/N)を決定する(ステップ102)。このとき回転回数nを0に設定する。θは例えば制御装置30に接続された図示しない入力装置を用いて設定する。次に回転刻みθずつビームプロファイルを回転するため、4及び8極子場を、下式を元に演算し、その演算結果に基づいて各電極、各磁極への印加電圧、供給電流を制御することによって、収差を相殺させる方向を回転する(ステップ103)。
(電極のポテンシャル配位)
(電極のポテンシャル配位)
[数4]、[数5]はそれぞれ2m多極子において2n極子場(条件m≧n)を生成する際に各極(図3の場合のP1〜P12のk番目)に与える電圧を示し、Ukxはx方向に一次ビームに対する力が働く際の電圧配位、Ukyはy方向に一次ビームに対する力が働く際の電圧配位、Uは収差補正用電圧である。[数4]、[数5]を元に場をθ×n回転(n:0〜N)させるにはUkx、Ukyの配合比率を下式にて決定すればよい。
磁極のポテンシャル配位に対しても同様の操作が可能で関係式を示す。
(磁極のポテンシャル配位)
(磁極のポテンシャル配位)
ここでIkxTkxはx方向に一次ビームに対する力が働く際の磁気配位、IkyTkyはy方向に一次ビームに対する力が働く際の磁気配位、ITは収差補正に用いる電流量とターン数である。
4/8極子場をθ×n度回転した後、絞り穴もそれにあわせて回転する(ステップ104)。絞りの回転には絞り自体を機械的に回転する方法や、異なる絞り板に交換する方法、電気的な方法が考えられる。回転する方向が予め決まっている場合は各方向に対応する絞り穴形状を足し合わせた絞り穴形状を採用しても良い。
次に所望の試料像ignを撮像(ステップ105)し、そのフーリエ変換IGnを算出する(ステップ106)。同時に回転後のビームの伝達関数OTFnも算出する(ステップ107)。OTFの計算には解析に求める方法や実験的に求める方法もある。
ステップ103〜ステップ107の処理をn=Nに達するまで繰り返して行う(ステップ108)ことによって、設定した回数の撮像を実行する。N枚の画像を撮像した後、収差補正用多極子20の設定条件ごとのフーリエ変換画像IGnを合算してΣIGnを求めると共に、収差補正用多極子20の設定条件ごとの伝達関数OTFnを合算することによってΣOTFnを求めた上で、FFTI=ΣIGn/ΣOTFnを算出する(ステップ109)。最後に試料像のFFTIをフーリエ逆変換することによって、試料像iを復元する(ステップ110)。但し除算による処理はノイズ耐性に弱いため、影響を排除するためIGnに対してローパスフィルタ処理を施すことが望ましい。
図11は、図10に例示したフローチャートに沿った画像処理の各工程で得られる画像例を示す図である。丸形状の試料像元画像に対し異方性を持つビームの走査に基づいて得られる画像は、ビームプロファイル(ビームを照射したときに得られる輝度分布)に依存した尾引きが発生することがわかる。対して復元処理を施すと元画像と同等に異方性の解消された画像が得られることが分かる。
更に試料の輪郭もよりシャープに際立ち画質改善につながる。ここで本実施例では光学伝達関数OTFを用いて異方性の発生したビームにより取得した画像の画質改善を行った。
0…制御部、1…加速電圧制御部、2…画像処理部、3…データ保存部、4…検出器制御部、5…偏向系制御部、6…多極子制御部、7…対物レンズ制御部、8…ステージ制御部、9…電子源、10…引出電極1、11…引出電極2、12…絞り、13…コンデンサレンズ、14…一次電子線、15…反射板、16…EXB、17…検出器、18…走査偏向器、19…イメージシフト偏向器、20…収差補正用多極子、21…対物レンズ、22…収差カット絞り、23…試料、24…ブースター電極、25…ブースター制御部、26…Χ分布(球面収差のみ)、27…収差カット絞り穴形状(球面収差のみ)、28…Χ分布(球面、色収差考慮)、27…収差カット絞り穴形状(球面、色収差考慮)、30…制御装置
Claims (11)
- 荷電粒子ビームの光軸に沿って補正対象となる光学素子と共に配置される収差補正装置において、
当該収差補正装置は、2n(n≧2)個の極子と、前記荷電粒子ビームを通過させる開口を有する開口形成部材を備え、前記開口は、前記光軸に直交する第2の方向より、前記光軸に直交すると共に前記第2の方向とは異なる第1の方向に相対的に長く形成され、当該第1の方向は、前記収差補正装置を動作させることによって発生する収差と、前記光学素子が発生する収差が相殺される方向であることを特徴とする収差補正装置。 - 請求項1において、
前記収差補正装置は、少なくとも8個の極子を有し、当該8個の極子は、前記光学素子が発生する球面収差を相殺する非点収差を発生させることを特徴とする収差補正装置。 - 請求項2において、
前記開口は、前記第2の方向とは異なる方向であって、前記第1の方向と前記光軸に直交する第3の方向に、前記第2の方向に対して相対的に長く形成されていることを特徴とする収差補正装置。 - 請求項2において、
前記第2の方向は、前記光学素子が発生する球面収差と、前記収差補正装置が発生する非点収差が同じ符号となる方向であることを特徴とする収差補正装置。 - 請求項1において、
前記開口は、前記第1の方向と当該第1の方向に直交する第3の方向にそれぞれ長い十字形状であり、前記光軸から前記第1の方向と前記第3の方向に離れるに従って、幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする収差補正装置。 - 請求項1において、
前記収差補正装置は、少なくとも4個の極子を有し、当該4個の極子は、前記光学素子が発生する色収差を相殺する色収差を発生させることを特徴とする収差補正装置。 - 請求項6において、
前記開口は、前記光軸から前記第1の方向に離れるに従って、幅が狭くなるように形成されていることを特徴とする収差補正装置。 - 荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを調節する光学素子を備えた荷電粒子線装置において、
前記荷電粒子ビームの光軸に沿って、前記光学素子と共に配置されると共に、2n(n≧2)個の極子を備えた収差補正装置と、前記荷電粒子ビームを通過させる開口を備えた開口部形成部材を備え、前記開口は、前記光軸に直交する第2の方向より、前記光軸に直交すると共に前記第2の方向とは異なる第1の方向に相対的に長く形成され、当該第1の方向は、前記収差補正装置を動作させることによって発生する収差と、前記光学素子が発生する収差が相殺される方向であることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項8において、
前記収差補正装置を制御する制御装置を備え、当該制御装置は、前記2n個の極子によって、電場、磁場、或いはその両方の場を発生させるように、前記収差補正装置を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項9において、
前記開口を、前記光軸を回転軸として回転させる回転機構を備え、前記制御装置は、前記場を回転させるように前記収差補正装置を制御すると共に、当該場の回転に併せて前記開口を回転させるよう前記回転機構を制御することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項9において、
前記制御装置は、前記場の回転ごとに得られる画像についてフーリエ変換を施すと共に、前記場の回転ごとのビームの光伝達関数を求め、前記フーリエ変換を施した画像の合算結果を、前記光伝達関数の合算結果で除算することによって、画像を生成することを特徴とする荷電粒子線装置。
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