JPWO2019013244A1 - (2s)−2−[(1h−ピラゾール−1−イル)メチル]−1,3−オキサジナン誘導体の製造方法 - Google Patents

(2s)−2−[(1h−ピラゾール−1−イル)メチル]−1,3−オキサジナン誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

(2S)−2−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−1,3−オキサジナン誘導体の新規な製造方法を提供する。具体的には、式(1)で表される(2S)−2−[(1H−ピラゾール−1−イル)メチル]−1,3−オキサジナン誘導体の製造方法であって、【化1】3−アミノプロパン−1−オールとグリオキシル酸との反応を含む製造方法を提供する。

Description

本発明は、オレキシン(以下、OXと記すこともある)受容体拮抗作用を有する化合物として有用な(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン水和物の製造方法に関する。また、本発明は、この製造工程で製造される新規な中間体化合物に関する。
オレキシンは、視床下部外側野に特異的に発現するプレプロオレキシンからスプライシングされる神経ペプチドである。これまでに、33個のアミノ酸からなるOX−Aおよび28個のアミノ酸からなるOX−Bが同定されており、これらはいずれも睡眠・覚醒パターンの調節や摂食の調節に深く関与している。
OX−AおよびOX−Bは、いずれもOX受容体に作用する。OX受容体は、これまでにOX1およびOX2受容体の2つのサブタイプがクロ一ニングされており、いずれも主として脳内に発現する7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体であることが知られている。OX1受容体は、Gタンパク質サブクラスのうちGqと特異的に共役しており、一方でOX2受容体はGqおよびGi/oに共役している(非特許文献1及び非特許文献2参照)。
OX受容体のサブタイプによって組織分布は異なっており、OX1受容体はノルアドレナリン作動性神経の起始核である青斑核、OX2受容体はヒスタミン神経の起始核である結節乳頭核に高密度に発現している(非特許文献3、非特許文献4及び非特許文献5参照)。セロ卜ニン神経の起始核である縫線核や、ドパミン神経の起始核である腹側被蓋野にはOX1受容体とOX2受容体両方の発現がみられる(非特許文献3参照)。オレキシン神経は脳幹と視床下部のモノアミン神経系に投射し、それらの神経に対して興奮性の影響を与えており、さらにREM睡眠の制御に関わる脳幹のアセチルコリン神経にもOX2受容体の発現がみられ、これらの神経核の活性にも影響を及ぼしている(非特許文献3及び非特許文献4参照)。
近年、OX1およびOX2受容体と睡眠・覚醒調節との関連が注目されており、OX受容体拮抗作用を有する化合物の有用性が研究されている。OX−Aをラッ卜の脳室内に投与すると、自発運動量の亢進(非特許文献6及び非特許文献7参照)、常同行動の亢進(非特許文献7参照)、覚醒時間の延長(非特許文献6参照)などが認められる。OX−Aの投与によるREM睡眠時間の短縮作用は、OX受容体拮抗物質の前処置により完全に拮抗される(非特許文献8参照)。さらに、経口投与が可能なOX1およびOX2受容体を同程度に拮抗する物質の投与により、運動量の減少、入眠潜時の短縮、non−REM睡眠量およびREM睡眠の増加が報告されている(非特許文献9および非特許文献10参照)。
OX受容体拮抗作用を有する式(1)に示される化合物、(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン水和物が開示されている(特許文献1参照)。
Figure 2019013244
上記式(1)に示されるOX1に結合する化合物及びその合成中間体の合成法について開示されている(特許文献1、2、3参照)。この化合物の製造方法として、下記に示す方法がある(特許文献3)。
Figure 2019013244
(式中、R′1は、カルボン酸の保護基を表す。R′2は、−B(OR′3)(OR′4)で表される基(ここで、R′3及びR′4は同一又は異なって炭化水素基を表し、また、R′3及びR′4は酸素原子及びホウ素原子とともに環状基を形成してもよい。)を表す。Xは、ハロゲン原子を意味する。)
すなわち、上記のスキームに表される式(1)の従来の製造方法は、グリオキシル酸エステルから1,3−オキサジナン−2−カルボン酸エステルを合成し、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイルクロリドと反応した後、エステルを還元、酵素反応による光学分割を経ることによって式(1)の化合物を合成することを特徴としている。
しかしながら、上記に示す従来の製造方法では、例えば、グリオキシル酸エステルが工業的に安価ではないこと、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル部位を導入後に光学分割すること、シリカゲルカラムクロマトグラフィー精製工程を含むことから、製造コスト的に不利になり、工業的大量生産に適しているとは言えなかった。
この製造コストにおける問題を解決する手法としては、例えば、安価なグリオキシル酸から直接、1,3−オキサジナン−2−カルボン酸誘導体を合成する手法、並びに、光学活性な1,3−オキサジナン環の2位の立体を保持したまま、窒素原子上の官能基を変更する手法が求められる。しかし、これら化学変換は、グリオキシル酸から1,3−オキサジナン−2−カルボン酸誘導体を合成する手法については、多環式のオキサジナン−2−カルボン酸誘導体の合成法しか報告例がなく、開環しやすい単環式の合成法の報告は確認されていない(非特許文献11)。2位の立体を保持し、窒素原子上の官能基を変更する手法ついては、多環式においても、また単環式においても手法は確認されていない。
従って、一般的にもオキサジナン環を有する生理活性物質の合成に適用できる、安価な単環式の1,3−オキサジナン環誘導体、及びその変換方法は極めて価値が高いといえる。
WO2013/187467国際公開公報 WO2015/087853国際公開公報 特開2015−131803号公報
Zhu Y et al., Pharmacol. Sci., 92, 259-266, 2003. Zeitzer JM et al., Trends Pharmacol. Sci., 27, 368-374, 2006. Marcus JN et al.,J. Comp. Neurol, 435, 6-25, 2001. Trivedi JP et al., FEBS Lett, 438, 71-75, 1998. Yamanaka A et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 290, 1237-1245, 2002. Hagan JJ et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 10911-10916, 1999. Nakamura T et al., Brain Res., 873, 181-187, 2000. Smith MI et al., Neurosci. Lett., 341, 256-258, 2003. Brisbare-Roch C et al., Nat. Med., 13, 150-155, 2007. Cox CD et al., J. Med. Chem., 53, 5320-5332, 2010. Svetlik Jan et al., J. Heterocyclic Chem., 42(6), 1143-1147, 2005.
本発明の目的は、単環式の1,3−オキサジナン−2−カルボン酸誘導体の安価な中間体を経て、優れた生理活性を有する式(1)に示される化合物(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン水和物の工業的大量生産に適した製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、式(1)で示される化合物の新規製造方法及び新規合成中間体化合物を見出し、本発明を完成した。
また、本発明者らは、式(5)に示される1,3−オキサジナン−2−カルボン酸誘導体を適切なキラルアミンによって光学分割し、工業的大量生産にも適用できる安定なキラルアミン塩を得た。
さらに、本発明者らは、光学活性な1,3−オキサジナン環の2位の立体を保持したまま、窒素原子上の官能基を変更する手法も見出し、式(7)に示される(2S)−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸から変換して(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン水和物を合成し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(I)式(1)に示される(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン 水和物の製造方法であって、
Figure 2019013244
(a)式(2)に示される化合物及びグリオキシル酸を反応させることにより式(3)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
Figure 2019013244
(b)前記式(3)に示される化合物と式(4)に示される化合物を縮合して式(5)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R1は、水素原子、置換基を有してもよいC1-6アルキル基、置換基を有してもよいC2-6アルケニル基、置換基を有してもよいC2-6アルキニル基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC1-6アルコキシ基、置換基を有してもよいC2-6アルケニルオキシ基、置換基を有してもよいC2-6アルキニルオキシ基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルコキシ基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルケニルオキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよい飽和又は部分飽和のヘテロシクリル基、置換基を有してもよいC7-12アラルキルオキシ基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す。)
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
(c)前記式(5)に示される化合物を式(6)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。Chiral amine は、カルボン酸と塩を形成する光学活性なアミンを表す。)
(d)前記式(6)に示される化合物を式(7)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
(e)前記式(7)に示される化合物を式(8)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。R2はカルボン酸の保護基を表す。)
(f)前記式(8)に示される化合物を式(9)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R2は前記と同じ意味を示す。)
(g)前記式(9)に示される化合物および式(10)に示される化合物を縮合して式(11)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
Figure 2019013244
(式中、R2は前記と同じ意味を示す。)
(h)前記式(11)に示される化合物を式(12)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(i)式(13)に示される化合物を式(14)に示される化合物と反応させることにより式(15)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R3はピラゾールの保護基を表す。)
Figure 2019013244
(式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
Figure 2019013244
(式中、R3は前記と同じ意味を示す。)
(j)前記式(15)に示される化合物を式(16)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(k)前記式(16)に示される化合物をR4SO2−X又は(R4SO22Oと反応させ、式(17)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R4は、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。)
(l)式(12)に示される化合物を式(17)に示される化合物と反応させることにより前記式(1)に示される化合物に変換する工程を含む製造方法。
(II)式(5)に示される化合物の製造方法であって、
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
(m)式(2)に示される化合物と式(4)に示される化合物を縮合して式(18)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
(n)式(18)に示される化合物及びグリオキシル酸を反応させることにより式(5)に示される化合物に変換する工程を含むことを特徴とする前記式(5)に示される化合物の製造方法。
(III)式(5)に示される化合物の製造方法であって、
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
(o)式(2)に示される化合物とグリオキシル酸エステルを反応させることにより式(19)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R2は前記と同じ意味を示す。)
(p)式(19)に示される化合物と式(4)に示される化合物を縮合して式(20)に示される化合物に変換する工程と、
Figure 2019013244
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
(q)式(20)に示される化合物を式(5)に示される化合物に変換する工程を含むことを特徴とする前記式(5)に示される化合物の製造方法。
(IV)光学活性なオキサジナン環誘導体の合成に有用な原料あるいは中間体であって、
式(21)に示される化合物又はそのエナンチオマー、又はそれらの塩。
Figure 2019013244
(式中、R5は、置換基を有してもよいC7-12アラルキル基を示す。)
(V)式(22)に示される化合物又はそのエナンチオマー。
Figure 2019013244
(式中、R2、R5は前記と同じ意味を示す。)
本発明の製造方法により、オキサジナン環を有する生理活性物質の合成に適用できる、単環式の1,3−オキサジナン−2−カルボン酸の安価な合成法が可能となり、式(1)に示される(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン 水和物の効率的な工業的大量生産が可能になった。
本明細書において用いる用語は、以下の意味である。
本発明において、「n」はノルマル(normal)を、「i」はイソ(iso)を、「s」及び「sec」はセカンダリー(secondary)を、「t」及び「tert」はターシャリー(tertiary)を、「c」はシクロ(cyclo)を、「o」はオルト(ortho)を、「m」はメタ(meta)を、「p」はパラ(para)を示す。
「C1-6アルキル基」とは、炭素数1から6のアルキル基であり、直鎖状、分枝鎖状のアルキル基を示す。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等を挙げることができる。
「C2-6アルケニル基」とは、炭素数が2から6である直鎖状、分枝鎖状のアルケニル基を示す。アルケニル基に含まれる二重結合の数は特に限定されない。例えば、ビニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、アリール基、イソプロペニル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、3−メチルブタ−2−エン−1−イル基、3−メチルブタ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−2−エン−1−イル基、ヘキサ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、4−メチルペンタ−3−エン−1−イル基、4−メチルペンタ−4−エン−1−イル基等を挙げることができる。
「C2-6アルキニル基」とは、炭素数が2から6である直鎖状、分枝鎖状のアルキニル基を示す。例えば、エチニル基、プロパ−1−イン−1−イル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、1−メチルプロパ−2−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基等を挙げることができる。
「C3-6シクロアルキル基」とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基を示す。
「C3-6シクロアルケニル基」とは、2−シクロプロペン−1−イル基、2−シクロブテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、3−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基、1−シクロブテン−1−イル基、1−シクロペンテン−1−イル基等が挙げられる。
「C1-6アルコキシ基」とは、前記のC1-6アルキル基に酸素原子が結合した基を示し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、2−メチルブトキシ基、1−メチルブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、1−エチルプロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基、1−エチル−1−メチルプロポキシ基等を挙げることができる。
「C2-6アルケニルオキシ基」とは、前記のC2-6アルケニル基に酸素原子が結合した基を示し、例えば、ビニルオキシ基、アリルオキシ基等を挙げることができる。
「C2-6アルキニルオキシ基」とは、前記のC2-6アルキニル基に酸素原子が結合した基を示し、例えば、エチニルオキシ基、プロパギルオキシ基等を挙げることができる。
「C3-6シクロアルケニルオキシ基」とは、前記のC3-6シクロアルケニル基に酸素原子が結合した基を示し、例えば、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等を示す。
「アリール基」とは、単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基を示し、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラニル基、又はフェナンスリル基等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」とは、単環式又は縮合多環式の芳香族ヘテロ環基を示す。環構成ヘテロ原子の個数は特に限定されないが、1個ないし数個、好ましくは1個ないし5個程度である。2個以上の環構成ヘテロ原子を含む場合にはそれらは同一でも異なっていてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、又はイオウ原子等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。単環式ヘテロアリール基としては、例えば、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、(1,2,3−オキサジアゾール)−4−イル基、(1,2,3−オキサジアゾール)−5−イル基、(1,2,4−オキサジアゾール)−3−イル基、(1,2,4−オキサジアゾール)−5−イル基、(1,2,5−オキサジアゾール)−3−イル基、(1,2,5−オキサジアゾール)−4−イル基、(1,3,4−オキサジアゾール)−2−イル基、(1,3,4−オキサジアゾール)−5−イル基、フラザニル基、(1,2,3−チアジアゾール)−4−イル基、(1,2,3−チアジアゾール)−5−イル基、(1,2,4−チアジアゾール)−3−イル基、(1,2,4−チアジアゾール)−5−イル基、(1,2,5−チアジアゾール)−3−イル基、(1,2,5−チアジアゾール)−4−イル基、(1,3,4−チアジアゾール)−2−イル基、(1,3,4−チアジアゾール)−5−イル基、(1H−1,2,3−トリアゾール)−1−イル基、(1H−1,2,3−トリアゾール)−4−イル基、(1H−1,2,3−トリアゾール)−5−イル基、(2H−1,2,3−トリアゾール)−2−イル基、(2H−1,2,3−トリアゾール)−4−イル基、(1H−1,2,4−トリアゾール)−1−イル基、(1H−1,2,4−トリアゾール)−3−イル基、(1H−1,2,4−トリアゾール)−5−イル基、(4H−1,2,4−トリアゾール)−3−イル基、(4H−1,2,4−トリアゾール)−4−イル基、(1H−テトラゾール)−1−イル基、(1H−テトラゾール)−5−イル基、(2H−テトラゾール)−2−イル基、(2H−テトラゾール)−5−イル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、3−ピリダジニル基、4−ピリダジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、2−ピラジニル基、(1,2,3−トリアジン)−4−イル基、(1,2,3−トリアジン)−5−イル基、(1,2,4−トリアジン)−3−イル基、(1,2,4−トリアジン)−5−イル基、(1,2,4−トリアジン)−6−イル基、(1,3,5−トリアジン)−2−イル基、1−アゼピニル基、2−アゼピニル基、3−アゼピニル基、4−アゼピニル基、(1,4−オキサゼピン)−2−イル基、(1,4−オキサゼピン)−3−イル基、(1,4−オキサゼピン)−5−イル基、(1,4−オキサゼピン)−6−イル基、(1,4−オキサゼピン)−7−イル基、(1,4−チアゼピン)−2−イル基、(1,4−チアゼピン)−3−イル基、(1,4−チアゼピン)−5−イル基、(1,4−チアゼピン)−6−イル基、(1,4−チアゼピン)−7−イル基等の5ないし7員の単環式ヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限定されることはない。
縮合多環式ヘテロアリール基としては、例えば、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、2−ベンゾ[b]チエニル基、3−ベンゾ[b]チエニル基、4−ベンゾ[b]チエニル基、5−ベンゾ[b]チエニル基、6−ベンゾ[b]チエニル基、7−ベンゾ[b]チエニル基、1−ベンゾ[c]チエニル基、4−ベンゾ[c]チエニル基、5−ベンゾ[c]チエニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、(2H−イソインドール)−1−イル基、(2H−イソインドール)−2−イル基、(2H−イソインドール)−4−イル基、(2H−イソインドール)−5−イル基、(1H−インダゾール)−1−イル基、(1H−インダゾール)−3−イル基、(1H−インダゾール)−4−イル基、(1H−インダゾール)−5−イル基、(1H−インダゾール)−6−イル基、(1H−インダゾール)−7−イル基、 (2H−インダゾール)−2−イル基、(2H−インダゾール)−3−イル基、(2H−インダゾール)−4−イル基、(2H−インダゾール)−5−イル基、(2H−インダゾール)−6−イル基、(2H−インダゾール)−7−イル基、2−ベンゾオキサゾリル基、4−ベンゾオキサゾリル基、5−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾオキサゾリル基、7−ベンゾオキサゾリル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−3−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−4−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−5−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−6−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−7−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−3−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−4−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−5−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−6−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−7−イル基、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−3−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−4−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−5−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−6−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−7−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−3−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−4−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−5−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−6−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−7−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−4−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−5−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−6−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−7−イル基、(2,1,3−ベンゾオキサジアゾール)−4−イル基、(2,1,3−ベンゾオキサジアゾール)−5−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−4−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−5−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−6−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−7−イル基、(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−4−イル基、(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−5−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−1−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−4−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−5−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−6−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−7−イル基、(2H−ベンゾトリアゾール)−2−イル基、(2H−ベンゾトリアゾール)−4−イル基、(2H−ベンゾトリアゾール)−5−イル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、9−プリニル基、2−プテリジニル基、4−プテリジニル基、6−プテリジニル基、7−プテリジニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、2−(α−カルボリニル)基、3−(α−カルボリニル)基、4−(α−カルボリニル)基、5−(α−カルボリニル)基、6−(α−カルボリニル)基、7−(α−カルボリニル)基、8−(α−カルボリニル)基、9−(α−カルボリニル)基、1−(β−カルボニリル)基、3−(β−カルボニリル)基、4−(β−カルボニリル)基、5−(β−カルボニリル)基、6−(β−カルボニリル)基、7−(β−カルボニリル)基、8−(β−カルボニリル)基、9−(β−カルボニリル)基、1−(γ−カルボリニル)基、2−(γ−カルボリニル)基、4−(γ−カルボリニル)基、5−(γ−カルボリニル)基、6−(γ−カルボリニル)基、7−(γ−カルボリニル)基、8−(γ−カルボリニル)基、9−(γ−カルボリニル)基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−チアントレニル基、2−チアントレニル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、1−フェノキサチイニル基、2−フェノキサチイニル基、3−フェノキサチイニル基、4−フェノキサチイニル基、等の8ないし14員の縮合多環式ヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限定されることはない。
「飽和又は部分飽和のヘテロシクリル基」とは、環中に1つ以上の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を含む飽和又は部分飽和ヘテロシクリル基を示し、オキセタン−3−イル基、アゼチジン−1−イル基、1−ピロリジニル基、ピペリジノ基、2−ピペリジル基、3−ピペリジル基、1−ピペラジニル基、モルホリン−4−イル基、モルホリン−3−イル基、チオモルホリン−4−イル基、チオモルホリン−3−イル基、アゼパン−1−イル基、1,4−オキサゼパン−4−イル基、アゾカン−1−イル基等を挙げることができる。
「C7-12アラルキル基」とは、炭素数7から12の、前記のアルキル基に前記のアリール基が置換した基を示し、例えば、ベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−フェネチル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
「C7-12アラルキルオキシ基」とは、前記のC7-12アラルキル基に酸素原子が結合した基を示し、例えば、ベンジルオキシ基、1−ナフチルメトキシ基、2−ナフチルメトキシ基、1−フェネチルオキシ基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
「カルボン酸の保護基」とは、カルボン酸エステルを形成する基であればよく、例えば、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいC7-12アラルキル基、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
「ピラゾールの保護基」とは、置換基を有していてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいC1-6アルキルスルホニルアミド、置換基を有していてもよいC1-6アルキルカルバメート基、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいC7-12アラルキル基、置換基を有していてもよいアミノアセタール基、置換基を有していてもよいアミド等が挙げることができるが、これらに限定されることはない。
「アミノアセタール基」とは、N−ヒドロキシメチル基、N−メトキシメチル基、N−ジエトキシメチル基、N−(2−クロロエトキシ)メチル基、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル基、N−t−ブトキシメチル基、N−t−ブチルジメチルシロキシメチル基、N−ピバロイルオキシメチル基、N−ベンジルオキシメチル基、N−4−メトキシベンジルオキシメチル基、N−[1−(6−ニトロ−1,3−ベンゾジオキシ−5−イル)エトキシ]メチル基、N−ジメチルアミノメチル基、N−アセチルアミノメチル基、N−2−テトラヒドロピラニル基、N−2−テトラヒドロフラニル基等を挙げることができる。
「アミド」とは、ホルムアミド、N’, N’−ジエチルウレイド、ジクロロアセトアミド、ピバルアミド、t−ブトキシカルボニル−N−メチル−4−アミノブタナミド等が挙げられる。
本明細書において、ある官能基について「置換基を有していてもよい」という場合には、該官能基上の化学的に可能な位置に1個又は2個以上の置換基が存在する場合があることを意味する。官能基に存在する置換基の種類、置換基の個数、及び置換位置は特に限定されず、2個以上の置換基が存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。官能基に存在する置換基としては、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、チオキソ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、チオシアナト基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、ヒドロキシ基、スルファニル基、カルボキシ基、スルファニルカルボニル基、オキサロ基、メソオキサロ基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルホ基、スルファモイル基、スルフィノ基、スルフィナモイル基、スルフェノ基、スルフェナモイル基、ホスホノ基、ヒドロキシホスホニル基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6アルキリデン基、アリール基、C7-12アラルキル基、C7-12アラルキリデン基、C1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、C7-12アラルキルオキシ基、C1-6アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、C7-12アラルキルオキシスルファニル基、C1-6アルカノイル基、アリールカルボニル基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、C1-6アルコキシカルボニル基、アミノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ジアゼニル基、ウレイド基、チオウレイド基、グアニジノ基、カルバモイミドイル基(アミジノ基)、アジド基、イミノ基、ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシイミノ基、アミノオキシ基、ジアゾ基、セミカルバジノ基、セミカルバゾノ基、アロファニル基、ヒダントイル基、ホスファノ基、ホスホロソ基、ホスホ基、ボリル基、シリル基、オキシド基、ヘテロアリール基、又は飽和又は部分飽和のヘテロシクリル基等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
これらの置換基は、さらに1種又は2種以上の他の置換基により置換されていてもよい。そのような例として、例えば、C1-6ハロゲン化アルキル基、C1-6ハロゲン化アルコキシ基、カルボキシ置換C1-6アルキル基、C1-6アルキル置換アミノ基等を挙げることができるが、これらに限定されることはない。
「chiral amine(キラルアミン)」とは、(R)−フェニルエチルアミン、(R)−1−(p−トリル)エチルアミン、(R)−1−(4−メトキシフェニル)−エチルアミン、(R)−1−(4−クロロフェニル)−エチルアミン、(S)−3,3−ジメチル−2−ブチルアミン、(1S,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、L−フェニルアラニノール、(R)−フェニルグリシノール、(R)−2−アミノ−1−プロパノール、シンコニジン等のアミノ基のα位に不斉を有する光学活性なアミン等が挙げることができるが、これらに限定されることはない。
化合物(21)の塩とは、前記「chiral amine(キラルアミン)」との塩の他、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等の1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチン等のアミンとの塩が含まれる。
化合物(21)のエナンチオマーの塩とは、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン等の1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチン等のアミンとの塩が含まれる。
本発明において、好ましい態様を以下にあげる。
1は、置換基を有してもよいC2-6アルケニルオキシ基、置換基を有してもよいC7-12アラルキルオキシ基である化合物が好ましく、アリルオキシ基、ベンジルオキシ基である化合物がより好ましい。
2は、置換基を有してもよいC1-6アルキル基である化合物が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基である化合物がより好ましい。
3は、置換基を有していてもよいC1-6アルキルスルホニルアミド基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいC7-12アラルキル基、置換基を有していてもよいアミノアセタール基、である化合物が好ましく、置換基を有していてもよいアミノアセタール基である化合物がより好ましく、テトラヒドロピラニル基が特に好ましい。
4は、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基である化合物が好ましく、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基である化合物がより好ましい。
5は、置換基を有していてもよいC7-12アラルキル基である化合物が好ましく、ベンジル基、1−フェネチル基である化合物がより好ましい。
Xは、塩素原子、臭素原子である化合物が好ましく、塩素原子である化合物がより好ましい。
chiral amine(キラルアミン)は、アミノ基のα位に不斉を有する光学活性なアミンである化合物が好ましく、(1S,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、L−フェニルアラニノール、(R)−フェニルグリシノール、(R)−2−アミノ−1−プロパノールである化合物がより好ましい。
好ましい態様の一つにおいては、
1は、置換基を有してもよいC2-6アルケニルオキシ基、又は置換基を有してもよいC7-12アラルキルオキシ基であり;
2は、置換基を有してもよいC1-6アルキル基であり;
3は、置換基を有していてもよいC1-6アルキルスルホニルアミド基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいC7-12アラルキル基、又は置換基を有していてもよいアミノアセタール基であり;そして
4は、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり;そして
chiral amineは、アミノ基のα位に不斉を有する光学活性なアミンである。
別の好ましい態様においては、
1は、アリルオキシ基、又はベンジルオキシ基であり;
2は、置換基を有してもよいC1-6アルキル基であり;
3は、置換基を有していてもよいC1-6アルキルスルホニルアミド基、置換基を有していてもよいC1-6アルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいC7-12アラルキル基、又は置換基を有していてもよいアミノアセタール基であり;
4は、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり;そして
chiral amineは、(1S,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、L−フェニルアラニノール、(R)−フェニルグリシノール、又は(R)−2−アミノ−1−プロパノールである。
別の好ましい態様においては、
1は、アリルオキシ基、又はベンジルオキシ基であり;
2は、置換基を有してもよいC1-6アルキル基であり;
3は、置換基を有していてもよいアミノアセタール基であり;
4は、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり;そして
chiral amineは、(1S,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、L−フェニルアラニノール、(R)−フェニルグリシノール、又は(R)−2−アミノ−1−プロパノールである。
別の好ましい態様においては、
1は、ベンジルオキシ基であり;
2は、置換基を有してもよいC1-6アルキル基であり;
3は、置換基を有していてもよいアミノアセタール基であり;
4は、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であり;そして
chiral amineは、(R)−フェニルグリシノールである。
別の好ましい態様においては、
1は、ベンジルオキシ基であり;
2は、メチル基、エチル基、又はイソプロピル基であり;
3は、テトラヒドロピラニル基であり;
4は、置換基を有していてもよいC1-6アルキル基であり;そして
chiral amineは、(R)−フェニルグリシノールである。
本発明は、式(1)に示した化合物の製造方法に関するものである。また、本発明は、それらの製造中間体である式(3)、式(5)、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式(11)、式(12)、式(15)、式(16)および式(17)に示した化合物に関するものである。
本発明は、以下に示す方法によって実施することができる。本発明の一実施形態を下記スキーム1に示す。
スキーム1
Figure 2019013244
(式中、R1、R2、R3、R4、Xは、前記と同じ意味を示す。)
工程1:式(2)の化合物を極性溶媒中、塩基の存在下、グリオキシル酸と反応させることにより式(3)を調製後、更に、極性溶媒と塩基を加え、式(4)と反応させることにより、式(5)を得ることができる。
極性溶媒としては、式(3)、(5)合成時共に、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、水又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
塩基としては、式(3)、(5)合成時共に、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基等を使用することができる。
反応温度は、式(3)、(5)合成時共に、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−15〜60℃の範囲であり、より好ましくは−10〜10℃の範囲である。
塩基の使用量は、式(3)合成時は、原料の式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。式(5)合成時は、原料の式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1.3〜2.0モル当量の範囲である。
グリオキシル酸の使用量は、原料の式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
式(4)の使用量は、原料の式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜2.5モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(3)合成時は、原料の式(2)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜20質量倍の範囲である。式(5)合成時は、原料の式(2)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜50質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜30質量倍の範囲である。
式(5)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程2:式(5)の化合物を不活性溶媒中、キラルアミンを滴下して攪拌することで、式(6)の化合物が得られる。
不活性溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
キラルアミンとしては、(R)−フェニルエチルアミン、(R)−1−(p−トリル)エチルアミン、(R)−1−(4−メトキシフェニル)−エチルアミン、(R)−1−(4−クロロフェニル)−エチルアミン、(S)−3,3−ジメチル−2−ブチルアミン、(1S,2R)−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール、L−フェニルアラニノール、(R)−フェニルグリシノール、(R)−2−アミノ−1−プロパノール、シンコニジン等のアミノ基のα位に不斉を有する化合物を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−15〜15℃の範囲であり、より好ましくは−10〜10℃の範囲である。
キラルアミンの等量は、式(5)の化合物に対し0.2〜2モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.45〜0.65モル当量の範囲であり、より好ましくは0.50〜0.60モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(5)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは5〜10質量倍の範囲である。
式(6)の化合物は、再結晶、リスラリー又は中和晶析等の方法による精製物として得ることができる。
工程3:式(6)の化合物を水と不活性溶媒の混合溶媒中、酸と反応させることにより、式(7)の化合物が得られる。
不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、トルエン、キシレン、等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
酸は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸等を使用することができる。
反応温度は、通常、−10℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜50℃の範囲であり、より好ましくは0〜40℃の範囲である。
酸の使用量は、原料の式(6)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜2モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、原料の式(6)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは5〜15質量倍の範囲である。
式(7)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は中和晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程4:式(7)の化合物を不活性溶媒中、酸の存在下、R2OHと反応させることにより、本発明の式(8)の化合物を得ることができる。
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
酸は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、又はR2OHと反応し酸を発生させる酸塩化物(塩化チオニル、塩化オキサリル)等を使用することができる。
2OHのR2は前記の定義と同義であり、R2OHとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜40℃の範囲であり、より好ましくは10〜30℃の範囲である。
酸の使用量は、原料の式(7)の化合物に対して0.1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜4モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜2モル当量の範囲である。
2OHの使用量は、式(7)の化合物に対して0.1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である
溶媒の使用量は、式(7)の化合物に対して0〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは0〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(8)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は中和晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程5:本工程は、式(8)の化合物の1位のアミノ基の脱保護反応により、式(9)の化合物を調製し、式(10)の化合物と反応させることにより式(11)の化合物を得ることができる。
本反応における脱保護反応は、保護基の性質に応じた脱保護条件を適宜に選択して用いればよい。たとえば、R1がベンジルオキシ基の場合、式(8)の化合物を不活性溶媒中、塩基の存在下、パラジウム炭素触媒と水素ガスで反応させることにより、式(9)を調製後、式(10)の酸塩化物と縮合させることにより、式(11)を得ることができる。式(10)の酸塩化物への変換方法は、不活性溶媒中、酸塩化物と反応させることにより、調製することができる。
不活性溶媒としては、式(9)調製時は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。式(10)の酸塩化物調製時は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。式(11)の合成時は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
反応温度は、式(9)調製時は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜50℃の範囲であり、より好ましくは0〜40℃の範囲である。
式(10)の酸塩化物調製時は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは10〜70℃の範囲であり、より好ましくは30〜60℃の範囲である。式(11)の合成時は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0〜50℃の範囲であり、より好ましくは0〜30℃の範囲である。
塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、2,4,6−テトラメチルピリジン等を使用することができる。
塩基の使用量は、原料の式(8)の化合物に対して0〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜4モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
パラジウム炭素の使用量は、原料の式(8)の化合物に対して0.001〜1モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.005〜0.5モル当量の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.4モル当量の範囲である。
式(10)の使用量は、原料の式(8)の化合物に対して0.7〜3モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.8〜2モル当量の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.5モル当量の範囲である。
式(10)の酸塩化物への変換に用いる酸塩化物としては、塩化チオニル、酸塩化リン、五塩化リン、塩化オキサリル等を使用することができる。
酸塩化物の使用量は、原料の式(10)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜2モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(9)調製時は、式(7)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。式(10)の酸塩化物調製時は、式(10)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(11)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程6:式(11)の化合物をアルコール系およびエーテル系溶媒中、還元剤と反応させることにより、式(12)の化合物が得られる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。エーテル系溶媒としてはトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒等を使用することができる。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ボラン-テトラヒドロフラン コンプレックス、ボラン-ジメチルスルフィド コンプレックス等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜40℃の範囲であり、より好ましくは0〜20℃の範囲である。
還元剤の使用量は、式(11)の化合物に対して0.5〜8モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは2〜6モル当量の範囲であり、より好ましくは3〜5モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(11)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(12)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は中和晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程7:式(13)の化合物に不活性溶媒中、塩基、亜鉛試薬を添加し、アリール亜鉛試薬を調製した後、触媒を用いて式(14)の化合物と根岸反応を行うことにより、式(15)の化合物が得られる。
アリール亜鉛試薬調製時の不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
根岸反応時の亜鉛試薬調製時の不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトキシアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
塩基としては、例えば、ノルマルブチルリチウム、ノルマルヘキシルリチウム、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド等を使用することができる。
亜鉛試薬としては、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛等を使用することができる。
触媒としては、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム触媒、又は、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド等のニッケル触媒が使用できる。必要に応じて、トリフェニルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン等のホスフィン配位子を上記触媒と合わせて添加しても良い。
アリール亜鉛試薬の調製温度は、通常、−78℃から使用溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−78〜30℃の範囲であり、より好ましくは−20〜10℃の範囲である。また、根岸反応の反応温度は、通常、0℃〜使用溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは、20〜100℃の範囲であり、より好ましくは、40〜70℃の範囲である。
塩基の使用量は、式(14)の化合物に対して0.1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.2〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜2モル当量の範囲である。
亜鉛試薬の使用量は、式(14)の化合物に対して0.1〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.2〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜2モル当量の範囲である。
触媒の使用量は、式(14)の化合物に対して0.001〜1.0モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.001〜0.1モル当量の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.04モル当量の範囲である。また、好ましくはホスフィン配位子を添加し、式(14)の化合物に対して0.001〜1.0モル当量の範囲で使用することができる。好ましくは0.001〜0.1モル当量の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.04モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(13)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜20質量倍の範囲である。
式(15)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は中和晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程8:本反応における脱保護反応は、保護基の性質に応じた脱保護条件を適宜に選択して用いればよい。具体的には、R3がオキサン−2−イル基(テトラヒドロピラニル(THP)基)の場合、通常、式(15)の化合物について不活性溶媒中、酸を反応させることにより、式(16)を得ることができる。不活性溶媒の代わりに他の溶媒を用いてもよい。
酸としては、例えば、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等のブレンステッド酸、または三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム等のルイス酸を使用することができる。
不活性溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトキシアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。また、水、又はメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコールを溶媒として用いてもよく、それらの内の一種以上を不活性溶媒と組み合わせて用いてもよい。
反応温度は、通常、−80℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0〜100℃の範囲であり、より好ましくは15〜30℃の範囲である。
酸の使用量は、原料の化合物(15)に対して0.01〜20モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.1〜10モル当量の範囲であり、より好ましくは0.1〜5モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、原料の化合物(2)に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(16)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は中和晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程9:式(16)の化合物を塩基性溶媒中、R4SO2−X又は(R4SO22Oと反応させることにより、式(17)の化合物が得られる。
塩基性溶媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、2,4,6−テトラメチルピリジン等を使用することができる。
4SO2−X又は(R4SO22OのR4及びXは前記の定義と同義であり、例えば、メタンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、p-トルエンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜40℃の範囲であり、より好ましくは0〜30℃の範囲である。
4SO2−X又は(R4SO22Oの使用量は、式(16)の化合物に対して0.5〜7モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜5モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(16)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(17)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程10:式(12)の化合物を不活性溶媒中、塩基の存在下、式(17)の化合物と反応させることにより、式(1)の化合物が得られる。
不活性溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、ピリジン、2,4,6−テトラメチルピリジン又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
塩基としては、例えば、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、ノルマルブチルリチウム、ノルマルヘキシルリチウム等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜80℃の範囲であり、より好ましくは0〜70℃の範囲である。
式(17)の使用量は、式(12)の化合物に対して0.5〜7モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜5モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
塩基の使用量は、式(12)の化合物に対して0.5〜7モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜5モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(12)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(1)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
Figure 2019013244
(式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
工程1′:式(2)の化合物を極性溶媒中、塩基の存在下、式(4)と反応させることにより、式(18)を得ることができる。
極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、水又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−10〜60℃の範囲であり、より好ましくは0〜30℃の範囲である。
塩基の使用量は、式(2)の化合物に対して0.5〜7モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜6モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜5モル当量の範囲である。
式(4)の使用量は、式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜4モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(2)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜20質量倍の範囲である。
式(18)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程2′:式(18)の化合物を酸性溶媒中、グリオキシル酸と反応させることにより、式(5)を得ることができる。
酸性溶媒としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0〜70℃の範囲であり、より好ましくは20〜60℃の範囲である。
グリオキシル酸の使用量は、原料の式(18)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜4モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(2)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜20質量倍の範囲である。
式(5)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
Figure 2019013244
(式中、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
工程1”:式(2)の化合物を不活性溶媒中、グリオキシル酸エステルと反応させることにより式(19)を合成後、更に、不活性溶媒と塩基を加え、式(4)と反応させることにより、式(20)を得ることができる。
不活性溶媒としては、式(19)、(20)合成時共に、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、2,4,6−テトラメチルピリジン等を使用することができる。
グリオキシル酸エステルとしては、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸エチル、グリオキシル酸プロピル、グリオキシル酸イソプロピル、グリオキシル酸n−ブチル、グリオキシル酸tert−ブチル、グリオキシル酸アリル、グリオキシル酸ヘキシル、グリオキシル酸ベンジル、グリオキシル酸メンチル等のグリオキシル酸のアルキルエステル、アラルキルエステルを使用することができる。
反応温度は、式(19)、(20)合成時共に、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−10〜70℃の範囲であり、より好ましくは0〜60℃の範囲である。
グリオキシル酸エステルの使用量は、式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜3モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
塩基の使用量は、式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜4モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
式(4)の使用量は、式(2)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜4モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(19)、(20)合成時共に、式(2)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜20質量倍の範囲である。
式(20)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程2”:式(20)の化合物を不活性溶媒中、塩基と水で反応させることにより、式(5)を得ることができる。
不活性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル等のアルコール系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の無機塩基等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−10〜70℃の範囲であり、より好ましくは0〜40℃の範囲である。
塩基の使用量は、原料の式(20)の化合物に対して0.5〜7モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜6モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜5モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(20)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜20質量倍の範囲である。
式(5)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳しく具体的に説明するが、本発明はこれらの記載により限定的に解釈されるものではない。下記実施例における収率は、反応条件により影響を受けているものがあり、最適化された反応条件を選択することによってさらに高い収率にすることが可能である。
本実施例に記載した機器分析データは、以下の測定機器にて測定した。
質量分析(MS):LCMS-IT-TOF(島津製作所);イオン化法 ESI/APCI
CHN元素分析:vario MICRO cube(elementar)
イオンクロマト分析:XS-100(三菱化学)
赤外分光分析(IR):Spectrum One(Perkin Elmer)
高速液体クロマトグラフ分析(HPLC):Prominence(島津製作所)
本明細書中で用いられている各略語を次に示す。
MS:質量分析(mass spectrometry)
ESI:エレクトロスプレーイオン化法(electrospray ionization)
APCI:大気圧化学イオン化法(atomospheric pressure chemical ionization)
wt% :重量パーセント濃度
化合物の命名には、ACD/Name 2015 (Advanced Chemistry Development Inc.)等のソフトを使用している場合がある。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1
(2S)−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸・(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール塩(25)の合成
Figure 2019013244
水酸化ナトリウム(29.30 g)の水溶液(250.09 g)に50%グリオキシル酸水溶液(108.43 g)を10℃以下で滴下し、水(50.00 g)で洗いこみを実施した。続いて、3−アミノプロパン−1−オール(2)(50.00 g)の水溶液(50.00 g)を10℃以下で滴下し、水(50.00 g)で洗いこみを行い、10℃以下で終夜攪拌した。その後、2−プロパノール(350 g)を滴下し、-10℃まで冷却後、50%水酸化ナトリウム水溶液で、反応液のpHを10.0に調整した。続いて、クロロギ酸ベンジル(23)(136.27 g)の2−プロパノール溶液(500.00 g)を内温が0℃以下を保持するように滴下し、更にこの時、反応液のpHが9.5から10.5の範囲に収まるよう、50%水酸化ナトリウム水溶液を適宜滴下した。滴下後、2−プロパノール(50.00 g)で洗い込んだ。滴下終了後、-10℃で4時間攪拌した。減圧下712.42 gの反応液を留去し、メチルtert-ブチルエーテル(254.15 g)を加え、反応液を分液した。続いて、水層に10℃以下で濃塩酸を加えることで、pHを2.12に調整し、酢酸イソプロピル(250.47 g)と食塩(50.00 g)を加え、分液した。再度、水層を酢酸イソプロピル(250.27 g)で分液し、酢酸イソプロピル層を混合した。
酢酸イソプロピルで全体量を(1550.02 g)に調整し、濃縮を行い、全体量を(516.49 g)にした。再び、酢酸イソプロピルを加え、全体量を(1584.06 g)にした後、60℃まで加温した。(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール(23.27 g)を加え攪拌した後、8時間攪拌した。その後、(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール(23.27 g)を加え、-10℃まで冷却し、そのまま終夜攪拌し、ろ過、酢酸イソプロピル(500.00g)で3回洗浄することで(2S)−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸・(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール塩(25)(99.22 g, 99.17%ee)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 266 [(M+H)+] ,288 [(M+Na)+] ,264 [(M−H)-]. IR ( KBr ) cm-1 : 3437, 2883, 1679, 1646, 1595, 1535, 1432, 1389, 1344, 1274, 1219, 1141, 1077, 1031, 752, 701. Anal. Calcd for C21H26N2O6 : C, 62.67; H, 6.51; N, 6.96. Found : C, 62.71; H, 6.48; N, 6.98.(25)のHPLC保持時間は、約14.5 分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
実施例2
メチル(2S)−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシレート(30)の合成
Figure 2019013244
(2S)−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸・(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール塩(25)(15.00 g)にメチルtert-ブチルエーテル(75.42 g)を加え、更に、10% 塩酸(20.45 g)を加え、0.5 時間攪拌した。静置し、水層を除去した後、メタノール(75.00 g)を加え、氷冷下、塩化チオニル(5.33 g)を滴下し、14 時間攪拌した。反応終了後、氷冷下で2 mol/L水酸化ナトリウムで中和し、酢酸エチル(106.63 g)を加え濃縮し、全体量を91.48 gにした。再度、酢酸エチル(105.19 g)を加え、水層を除去した後、23.22 gまで濃縮し、テトラヒドロフラン(75.01 g)を加えた。この濃縮、テトラヒドロフランの追加を繰り返すことで、テトラヒドロフラン溶液に置換した。続いて、5%パラジウム炭素触媒(4.69 g)とトリエチルアミン(7.83 g)を加え、水素雰囲気下、4 時間攪拌した。反応液を粉末セルロースでろ過し、テトラヒドロフラン(31.42 g)で洗浄し、テトラヒドロフラン溶液Aを得た。別途、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾル−2−イル)安息香酸(6.28 g)のトルエン(31.56 g)溶液にジメチルホルムアミド(0.02 g)と塩化チオニル(3.75 g)を加え、56℃で1.5 時間攪拌した。その後、濃縮し全体量を9.20 gにした後、トルエン溶液Aを得た。氷冷下、テトラヒドロフラン溶液Aにトルエン溶液Aを滴下し、トルエン(9.65 g)で洗いこんだ後、室温で12 時間攪拌した。その後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(31.42 g)で洗浄し、水層をトルエン(31.42 g)で抽出した後、10%食塩水(31.42 g)で洗浄した。濃縮し、全体量を18.86 gとした後、トルエン(20.72 g)を加え、再度濃縮し全体量を18.88 gとし、トルエン(20.73 g)を加え、更に再度濃縮し全体量を12.58 gにし、トルエンを加え、全体量を44.00 gとした。ヘプタン(20.85 g)を加え、65℃で攪拌した後、44℃まで冷却後、ヘプタン(49.01 g)を滴下した。氷冷下まで冷却し、 11 時間攪拌、ろ過、ヘプタン(43.98 g)で洗浄することで(メチル(2S)−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシレート(30)(9.69 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 331 [(M+H)+] , 353 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 2967, 1745, 1662, 1407, 1090, 1009.(30)のHPLC保持時間は、約15.3 分[(26)のHPLC保持時間は、約14.5分][(27)のHPLC保持時間は、約16.7 分]。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
(26):MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 266 [(M+H)+] , 288 [(M+Na)+] , 264 [(M−H)-].
(27):MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 280 [(M+H)+] , 302 [(M+Na)+].
実施例3
[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(12)の合成
Figure 2019013244
メチル(2S)−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシレート(30)(30.00 g)のメタノール溶媒(240.00 g)に水冷下、水素化ホウ素ナトリウム(6.872 g)を加え、2時間攪拌した後、更に水素化ホウ素ナトリウム(6.872 g)を加え、2.5 時間攪拌した。その後、2 mol/L 塩酸でpHを4に調整し終夜攪拌した後、2 mol/L 水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整、濃縮を行い、全体量を246.42 gとした。2−メチルテトラヒドロフラン(450.03 g)を加え、分液を行い、食塩(15.05 g)を溶解させた2 mol/L 水酸化ナトリウム(151.58 g)と20% 食塩水(151.43 g)で洗浄した。20%食塩水で洗浄する際に2 mol/L 塩酸で水層のpHを7に調整した。続いて濃縮を行い、全体量を90.01 gとした後、40 ℃で攪拌した。-10℃まで冷却し、ヘプタン(60.00 g)を加え6 時間攪拌した後、 2−メチルテトラヒドロフラン/ヘプタン(1:9 v/v)混合液(60.01 g)で洗浄し、[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(12)(24.94 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 303 [(M+H)+] ,325 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3467, 1649, 1637, 1416, 1058. Anal. Calcd for C15H18N4O3 : C, 59.59; H, 6.00; N, 18.53. Found : C, 59.60; H, 5.97; N, 18.65. (12)のHPLC保持時間は、約12.9 分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
実施例4
5−フルオロ−2−(1H−ピラゾル−3−イル)ピリジン(16)の合成
Figure 2019013244
窒素雰囲気下、1−(オキサン−2−イル)−1H−ピラゾール(31)(23.2 g)のテトラヒドロフラン(121 g)溶液を5℃に冷却したのち、1.6mol/L n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(100 mL)を滴下し、50分間撹拌することで、スラリー液Aを調製した。
窒素雰囲気下、臭化亜鉛(37.3 g)のテトラヒドロフラン(83.8 g)溶液に、30℃未満で、スラリー液Aを加えた。テトラヒドロフラン(6.16 g)で洗い込み、1時間撹拌したのち、得られた2層の溶液(上層A及び下層A)を17時間静置保管した。
窒素雰囲気下、2−クロロ−5−フルオロピリジン(32)(13.4 g)をN-メチル-2-ピロリドン(124 g)に溶かし、トリフェニルホスフィン(0.537 g)、酢酸パラジウム(0.231 g)を加え、61℃に加熱した。静置保管していた溶液中の下層Aを2時間かけて滴下し、N-メチル-2-ピロリドン(13.8 g)で洗い込みを行った。5時間撹拌後、10℃に冷却し、20wt%塩化アンモニウム水溶液(135 g)、トルエン(58.9 g)を加えた。粉末セルロース (13.7 g)でろ過を行ったのち、トルエン(12.0 g)で洗い込みを行った。ろ液を分液し、水層をトルエン(58.1 g)にて抽出した。合わせた有機層を10wt%食塩水(67.4 g, 67.0 g)にて2回洗浄した。その後、NHシリカゲル(13.6 g)を加え、1時間撹拌後、ろ過を行った。メタノール(32.3 g)で洗浄後、ろ洗液を濃縮し、濃縮物(34.4 g)を得た。
得られた濃縮物に対し、メタノール(53.1 g)、濃塩酸(2.24 g)を加え、2時間撹拌した。15mol/L 水酸化ナトリウム水溶液(3.74 g)、水(108 g)を加えた後、濃縮することで、濃縮物(107 g)を得た。続いて、濃塩酸(13.0 g)、トルエン(29.4 g)を加え、分液を行った。得られた水層に対し、15mol/L水酸化ナトリウム水溶液(9.75 g)を滴下し、pH=2.3に調整した。17.5時間撹拌した後、ろ過を実施し、水(41.0 g)で洗い込んだ。得られた湿結晶を50℃設定にて、減圧乾燥することで、5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリジン(16)(12.8 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 164 [(M+H)+] , 186 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3201, 1491, 1232, 1104, 927.(16)のHPLC保持時間は、約4.6 分[(33)のHPLC保持時間は、約11.4 分]HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (4.6 mmφ×150 mm, 5μm)、カラム温度:40℃、流速:1.0 mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 アセトニトリル、グラジエント条件;A液/B液 = 74/26 を1分間保持後、10分間かけてA液/B液 = 29/71 にした後、A液/B液 = 29/71 にて2分間保持、0.1分でA液/B液 = 74/26に戻し、A液/B液 = 74/26を4.9分間保持する条件にて実施した。
実施例5
5−フルオロ−2−[1―(メタンスルホニル)−1H−ピラゾール−3−イル]ピリジン(34)の合成
Figure 2019013244
5−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−3−イル)ピリジン(16)(5.00 g)にピリジン(17 mL)を加え、更に1℃下でメタンスルホニルクロリド(3.690 g)加えた。室温で7時間攪拌した後、冷却し、15 ℃以下で水(30 mL)を加え、5℃以下で2時間攪拌した。反応液をろ過し、水(15 mL)で洗浄し、5−フルオロ−2−[1―(メタンスルホニル)−1H−ピラゾール−3−イル]ピリジン(34)(6.51 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 242 [(M+H)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3000, 1378, 1184, 1153, 1037, 772, 557. Anal. Calcd for C9H8FN3O2S : C, 44.81; H, 3.34; N, 17.42. Found : C, 44.79; H, 3.37; N, 17.46. (34)のHPLC保持時間は、約13.0分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
実施例6
(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン 水和物(1)の合成
Figure 2019013244
[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサジナン−3−イル][5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン(12)(5.00 g)のテトラヒドロフラン溶液(25 mL)に、5−フルオロ−2−[1―(メタンスルホニル)−1H−ピラゾル−3−イル]ピリジン(34)(4.79 g)とアセトニトリル(10 mL)を加え、1℃まで冷却した。その後、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(39.8% テトラヒドロフラン溶液、10.0 mL)を加え、1時間攪拌した。続いて、アセトニトリル(7.5 mL)を加え、64℃まで加熱し、2.5時間攪拌した。室温まで冷却後、水(10 mL)を加え分液後、反応液の異物ろ過を行い、メタノール(10.01 g)で洗浄した。20.88 gまで減圧濃縮し、メタノール(25.00 g)を加え、17.80 gまで再度減圧濃縮した。再度、メタノール(27.20 g)を加え、25.33 gまで減圧濃縮後、メタノールを加え全体量42.00 gに調整した。60℃まで昇温し、水(6.00 g)を加えた後、0℃まで冷却し、更に水(30.03 g)を加え、0℃で終夜攪拌した。ろ過を行い、冷却したメタノール:水の混合溶液(3:2 v/v, 14.00 g)で洗浄し、(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン 水和物(1)(6.45 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 448 [(M+H)+] ,470 [(M+Na)+] ,446 [(M−H)-]. IR ( KBr ) cm-1 :3453, 1629, 1505, 1457, 1445, 1431, 1407, 1226, 1077, 1005, 783. Anal. Calcd for C23H22.5FN7O2.25 : C, 61.12; H, 5.02; N, 21.69. Found : C, 61.08; H, 4.96; N, 21.76. (1)のHPLC保持時間は、約17.9 分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
実施例7
ベンジル(3−ヒドロキシプロピル)カルバメート(35)の合成
Figure 2019013244
炭酸ナトリウム(26.50 g)の水(150.22 g)水溶液に、室温にて3−アミノプロパン−1−オール(2)(15.22 g)を加え、その後10℃以下でクロロギ酸ベンジル(23)(37.53 g)のテトラヒドロフラン溶液(60.09 g)を加え、室温にて終夜攪拌した。その後、10℃以下で、濃塩酸を用いpHを7.0に調整後、テトラヒドロフランを減圧濃縮にて留去し、メチルtert-ブチルエーテル(150.12 g)を加え、分液した。続いて、酢酸エチル(60.01 g)と硫酸ナトリウム(15.01 g)を加え攪拌後、ろ過、酢酸エチル(30.03 g)で洗浄後、濃縮した。メチルtert-ブチルエーテル(150.01 g)とヘプタン(37.51 g)で結晶化後、ろ過、メチルtert-ブチルエーテル(25.00 g)とヘプタン(5.00 g)の混合溶媒で洗浄しベンジル(3−ヒドロキシプロピル)カルバメート(35)(35.26 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 210 [(M+H)+] ,232 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 3326, 1684, 1534, 1262, 697. Anal. Calcd for C11H15NO3 : C, 63.14; H, 7.23; N, 6.69. Found : C, 63.02; H, 7.18; N, 6.64. (35)のHPLC保持時間は、約12.2 分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
実施例8
[(ベンジルオキシ)カルボニル]―1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)の合成
Figure 2019013244
50%グリオキシル酸水溶液(2.960 g)に酢酸(7.41 g)と化合物(35)(4.18 g)を加え、60℃で17時間攪拌した。その後、濃縮し、1 mol/L NaOH水溶液(70 mL)とメチルtert-ブチルエーテル(50 mL)を加え分液し、続いて、水層に10 ℃以下で濃塩酸を加えることで、pHを2.00に調整、酢酸エチル(50 mL)で分液した。クロロホルムとメタノールでカラム精製を行い、[(ベンジルオキシ)カルボニル]―1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)(2.78 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 266 [(M+H)+] ,288 [(M+Na)+] ,264 [(M−H)-]. IR ( KBr ) cm-1 : 2960, 1751, 1636, 1458, 1450, 1147, 1091, 968. Anal. Calcd for C13H15NO5 : C, 58.86; H, 5.70; N, 5.28. Found : C, 58.83; H, 5.73; N, 5.32.(24)のHPLC保持時間は、約14.5 分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
実施例9
[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)の合成
Figure 2019013244
グリオキシル酸エチルのトルエン溶液(47%, 16.10 g)にテトラヒドロフラン(55.00 g)と3−アミノプロパン−1−オール(2)(5.20 g)のテトラヒドロフラン(5.01 g)溶液を加え、51℃で3時間攪拌した。濃縮した後、テトラヒドロフラン(26.00 g)とトリエチルアミン(15.41 g)を加え、4℃でクロロギ酸ベンジル(23)(12.99 g)を加えた。室温で2時間攪拌した後、10℃以下で10%水酸化ナトリウム水溶液(55.00 g)を加え、室温で終夜攪拌した。続いて、濃縮でテトラヒドロフランを留去した後、濃塩酸でpHを1.23に調整し、クロロホルム(25 mL)で4回抽出、水(10 mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム(10.00 g)を加え攪拌し、ろ過、クロロホルム(25 mL)で洗浄後、濃縮した。その後、テトラヒドロフラン(25.00 g)、10%水酸化ナトリウム水溶液(25.00 g)、メタノール(10.00 g)を加え、室温で1時間攪拌した。クロロホルム(25 mL)で2回分液を行った後、水層を濃塩酸でpHを1.21に調整し、クロロホルム(25 mL)で4回抽出、水(10 mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム(10.01 g)を加え攪拌し、ろ過、クロロホルム(10 mL)で洗浄後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、[(ベンジルオキシ)カルボニル]―1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)(8.120 g)を得た。
各種スペクトルデータは、実施例8のものと一致した。
本発明により、式(1)で示される(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン 水和物の製造方法に関して、安価で容易にスケールアップでき、大量生産に適した製造法を提供することが可能となった。
「C2-6アルケニル基」とは、炭素数が2から6である直鎖状、分枝鎖状のアルケニル基を示す。アルケニル基に含まれる二重結合の数は特に限定されない。例えば、ビニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、アリル基、イソプロペニル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、1−メチルプロパ−2−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、3−メチルブタ−2−エン−1−イル基、3−メチルブタ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−2−エン−1−イル基、ヘキサ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、4−メチルペンタ−3−エン−1−イル基、4−メチルペンタ−4−エン−1−イル基等を挙げることができる。
「C2-6アルキニルオキシ基」とは、前記のC2-6アルキニル基に酸素原子が結合した基を示し、例えば、エチニルオキシ基、プロパギルオキシ基等を挙げることができる。
縮合多環式ヘテロアリール基としては、例えば、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、2−ベンゾ[b]チエニル基、3−ベンゾ[b]チエニル基、4−ベンゾ[b]チエニル基、5−ベンゾ[b]チエニル基、6−ベンゾ[b]チエニル基、7−ベンゾ[b]チエニル基、1−ベンゾ[c]チエニル基、4−ベンゾ[c]チエニル基、5−ベンゾ[c]チエニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、(2H−イソインドール)−1−イル基、(2H−イソインドール)−2−イル基、(2H−イソインドール)−4−イル基、(2H−イソインドール)−5−イル基、(1H−インダゾール)−1−イル基、(1H−インダゾール)−3−イル基、(1H−インダゾール)−4−イル基、(1H−インダゾール)−5−イル基、(1H−インダゾール)−6−イル基、(1H−インダゾール)−7−イル基、 (2H−インダゾール)−2−イル基、(2H−インダゾール)−3−イル基、(2H−インダゾール)−4−イル基、(2H−インダゾール)−5−イル基、(2H−インダゾール)−6−イル基、(2H−インダゾール)−7−イル基、2−ベンゾオキサゾリル基、4−ベンゾオキサゾリル基、5−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾオキサゾリル基、7−ベンゾオキサゾリル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−3−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−4−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−5−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−6−イル基、(1,2−ベンゾイソオキサゾール)−7−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−3−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−4−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−5−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−6−イル基、(2,1−ベンゾイソオキサゾール)−7−イル基、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−3−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−4−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−5−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−6−イル基、(1,2−ベンゾイソチアゾール)−7−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−3−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−4−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−5−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−6−イル基、(2,1−ベンゾイソチアゾール)−7−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−4−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−5−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−6−イル基、(1,2,3−ベンゾオキサジアゾール)−7−イル基、(2,1,3−ベンゾオキサジアゾール)−4−イル基、(2,1,3−ベンゾオキサジアゾール)−5−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−4−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−5−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−6−イル基、(1,2,3−ベンゾチアジアゾール)−7−イル基、(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−4−イル基、(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−5−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−1−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−4−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−5−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−6−イル基、(1H−ベンゾトリアゾール)−7−イル基、(2H−ベンゾトリアゾール)−2−イル基、(2H−ベンゾトリアゾール)−4−イル基、(2H−ベンゾトリアゾール)−5−イル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、3−シンノリニル基、4−シンノリニル基、5−シンノリニル基、6−シンノリニル基、7−シンノリニル基、8−シンノリニル基、2−キナゾリニル基、4−キナゾリニル基、5−キナゾリニル基、6−キナゾリニル基、7−キナゾリニル基、8−キナゾリニル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−フタラジニル基、5−フタラジニル基、6−フタラジニル基、2−プリニル基、6−プリニル基、8−プリニル基、9−プリニル基、2−プテリジニル基、4−プテリジニル基、6−プテリジニル基、7−プテリジニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、2−(α−カルボリニル)基、3−(α−カルボリニル)基、4−(α−カルボリニル)基、5−(α−カルボリニル)基、6−(α−カルボリニル)基、7−(α−カルボリニル)基、8−(α−カルボリニル)基、9−(α−カルボリニル)基、1−(β−カルボリニル)基、3−(β−カルボリニル)基、4−(β−カルボリニル)基、5−(β−カルボリニル)基、6−(β−カルボリニル)基、7−(β−カルボリニル)基、8−(β−カルボリニル)基、9−(β−カルボリニル)基、1−(γ−カルボリニル)基、2−(γ−カルボリニル)基、4−(γ−カルボリニル)基、5−(γ−カルボリニル)基、6−(γ−カルボリニル)基、7−(γ−カルボリニル)基、8−(γ−カルボリニル)基、9−(γ−カルボリニル)基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−チアントレニル基、2−チアントレニル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、1−フェノキサチイニル基、2−フェノキサチイニル基、3−フェノキサチイニル基、4−フェノキサチイニル基、等の8ないし14員の縮合多環式ヘテロアリール基が挙げられるが、これらに限定されることはない。
本反応における脱保護反応は、保護基の性質に応じた脱保護条件を適宜に選択して用いればよい。たとえば、R1がベンジルオキシ基の場合、式(8)の化合物を不活性溶媒中、塩基の存在下、パラジウム炭素触媒と水素ガスで反応させることにより、式(9)を調製後、式(10)の酸塩化物と縮合させることにより、式(11)を得ることができる。式(10)の酸塩化物への変換方法は、不活性溶媒中、酸塩化物と反応させることにより、調製することができる。
不活性溶媒としては、式(9)調製時は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。式(10)の酸塩化物調製時は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。式(11)の合成時は、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。
反応温度は、式(9)調製時は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜50℃の範囲であり、より好ましくは0〜40℃の範囲である。
式(10)の酸塩化物調製時は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは10〜70℃の範囲であり、より好ましくは30〜60℃の範囲である。式(11)の合成時は、通常、0℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは0〜50℃の範囲であり、より好ましくは0〜30℃の範囲である。
塩基としてはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン、2,4,6−テトラメチルピリジン等を使用することができる。
塩基の使用量は、原料の式(8)の化合物に対して0〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜4モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜3モル当量の範囲である。
パラジウム炭素の使用量は、原料の式(8)の化合物に対して0.001〜1モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.005〜0.5モル当量の範囲であり、より好ましくは0.01〜0.4モル当量の範囲である。
式(10)の使用量は、原料の式(8)の化合物に対して0.7〜3モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは0.8〜2モル当量の範囲であり、より好ましくは0.9〜1.5モル当量の範囲である。
式(10)の酸塩化物への変換に用いる酸塩化物としては、塩化チオニル、塩化リン、五塩化リン、塩化オキサリル等を使用することができる。
酸塩化物の使用量は、原料の式(10)の化合物に対して0.5〜5モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは1〜2モル当量の範囲であり、より好ましくは1〜1.5モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(9)調製時は、式(7)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。式(10)の酸塩化物調製時は、式(10)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(11)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
工程6:式(11)の化合物をアルコール系およびエーテル系溶媒中、還元剤と反応させることにより、式(12)の化合物が得られる。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。エーテル系溶媒としてはトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシメタン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒等を使用することができる。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ボラン-テトラヒドロフラン コンプレックス、ボラン-ジメチルスルフィド コンプレックス等を使用することができる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−5〜40℃の範囲であり、より好ましくは0〜20℃の範囲である。
還元剤の使用量は、式(11)の化合物に対して0.5〜8モル当量の範囲で使用することができ、好ましくは2〜6モル当量の範囲であり、より好ましくは3〜5モル当量の範囲である。
溶媒の使用量は、式(11)の化合物に対して1〜100質量倍の範囲で使用することができ、好ましくは1〜30質量倍の範囲であり、より好ましくは1〜10質量倍の範囲である。
式(12)の化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、リスラリー又は中和晶析等の方法による精製物、又は未精製物として得ることができる。
実施例1
(2S)−3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸・(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール(1/1)塩(25)の合成
酢酸イソプロピルで全体量を(1550.02 g)に調整し、濃縮を行い、全体量を(516.49 g)にした。再び、酢酸イソプロピルを加え、全体量を(1584.06 g)にした後、60℃まで加温した。(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール(23.27 g)を加え攪拌した後、8時間攪拌した。その後、(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール(23.27 g)を加え、-10℃まで冷却し、そのまま終夜攪拌し、ろ過、酢酸イソプロピル(500.00g)で3回洗浄することで(2S)−3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸・(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール(1/1)塩(25)(99.22 g, 99.17%ee)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 266 [(M+H)+] ,288 [(M+Na)+] ,264 [(M−H)-]. IR ( KBr ) cm-1 : 3437, 2883, 1679, 1646, 1595, 1535, 1432, 1389, 1344, 1274, 1219, 1141, 1077, 1031, 752, 701. Anal. Calcd for C21H26N2O6 : C, 62.67; H, 6.51; N, 6.96. Found : C, 62.71; H, 6.48; N, 6.98.(25)のHPLC保持時間は、約14.5 分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液 メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
Figure 2019013244
(2S)−3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸・(2R)−2−アミノ−2−フェニルエタン−1−オール(1/1)塩(25)(15.00 g)にメチルtert-ブチルエーテル(75.42 g)を加え、更に、10% 塩酸(20.45 g)を加え、0.5 時間攪拌した。静置し、水層を除去した後、メタノール(75.00 g)を加え、氷冷下、塩化チオニル(5.33 g)を滴下し、14 時間攪拌した。反応終了後、氷冷下で2 mol/L水酸化ナトリウムで中和し、酢酸エチル(106.63 g)を加え濃縮し、全体量を91.48 gにした。再度、酢酸エチル(105.19 g)を加え、水層を除去した後、23.22 gまで濃縮し、テトラヒドロフラン(75.01 g)を加えた。この濃縮、テトラヒドロフランの追加を繰り返すことで、テトラヒドロフラン溶液に置換した。続いて、5%パラジウム炭素触媒(4.69 g)とトリエチルアミン(7.83 g)を加え、水素雰囲気下、4 時間攪拌した。反応液を粉末セルロースでろ過し、テトラヒドロフラン(31.42 g)で洗浄し、テトラヒドロフラン溶液Aを得た。別途、5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾル−2−イル)安息香酸(6.28 g)のトルエン(31.56 g)溶液にジメチルホルムアミド(0.02 g)と塩化チオニル(3.75 g)を加え、56℃で1.5 時間攪拌した。その後、濃縮し全体量を9.20 gにした後、トルエン溶液Aを得た。氷冷下、テトラヒドロフラン溶液Aにトルエン溶液Aを滴下し、トルエン(9.65 g)で洗いこんだ後、室温で12 時間攪拌した。その後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液(31.42 g)で洗浄し、水層をトルエン(31.42 g)で抽出した後、10%食塩水(31.42 g)で洗浄した。濃縮し、全体量を18.86 gとした後、トルエン(20.72 g)を加え、再度濃縮し全体量を18.88 gとし、トルエン(20.73 g)を加え、更に再度濃縮し全体量を12.58 gにし、トルエンを加え、全体量を44.00 gとした。ヘプタン(20.85 g)を加え、65℃で攪拌した後、44℃まで冷却後、ヘプタン(49.01 g)を滴下した。氷冷下まで冷却し、 11 時間攪拌、ろ過、ヘプタン(43.98 g)で洗浄することでメチル(2S)−3−[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)ベンゾイル]−1,3−オキサジナン−2−カルボキシレート(30)(9.69 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 331 [(M+H)+] , 353 [(M+Na)+]. IR ( KBr ) cm-1 : 2967, 1745, 1662, 1407, 1090, 1009.(30)のHPLC保持時間は、約15.3 分[(26)のHPLC保持時間は、約14.5分][(27)のHPLC保持時間は、約16.7 分]。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100 mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
(26):MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 266 [(M+H)+] , 288 [(M+Na)+] , 264 [(M−H)-].
(27):MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 280 [(M+H)+] , 302 [(M+Na)+].
実施例8
3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]―1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)の合成
Figure 2019013244

50%グリオキシル酸水溶液(2.960 g)に酢酸(7.41 g)と化合物(35)(4.18 g)を加え、60℃で17時間攪拌した。その後、濃縮し、1 mol/L NaOH水溶液(70 mL)とメチルtert-ブチルエーテル(50 mL)を加え分液し、続いて、水層に10 ℃以下で濃塩酸を加えることで、pHを2.00に調整、酢酸エチル(50 mL)で分液した。クロロホルムとメタノールでカラム精製を行い、3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]―1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)(2.78 g)を得た。
MS ( ESI / APCI Dual ) m/z : 266 [(M+H)+] ,288 [(M+Na)+] ,264 [(M−H)-]. IR ( KBr ) cm-1 : 2960, 1751, 1636, 1458, 1450, 1147, 1091, 968. Anal. Calcd for C13H15NO5 : C, 58.86; H, 5.70; N, 5.28. Found : C, 58.83; H, 5.73; N, 5.32.(24)のHPLC保持時間は、約14.5 分。HPLC測定は、カラム;YMC Triart C18 (3.0 mmφ×100mm, 3 μm)、カラム温度:40℃、流速:0.7mL / min、検出波長:230 nm ( UV ) 、移動相;A液 0.1%v/v リン酸水溶液、B液メタノール/アセトニトリル = 3 / 1 (v/v)、グラジエント条件;A液/B液 = 90/10 を20分間かけてA液/B液 = 10/90 にした後、A液/B液 = 10/90 にて5分間保持、0.1分でA液/B液 = 90/10に戻し、A液/B液 = 90/10を9.9分間保持する条件にて実施した。
実施例9
3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)の合成
Figure 2019013244

グリオキシル酸エチルのトルエン溶液(47%, 16.10 g)にテトラヒドロフラン(55.00 g)と3−アミノプロパン−1−オール(2)(5.20 g)のテトラヒドロフラン(5.01 g)溶液を加え、51℃で3時間攪拌した。濃縮した後、テトラヒドロフラン(26.00 g)とトリエチルアミン(15.41 g)を加え、4℃でクロロギ酸ベンジル(23)(12.99 g)を加えた。室温で2時間攪拌した後、10℃以下で10%水酸化ナトリウム水溶液(55.00 g)を加え、室温で終夜攪拌した。続いて、濃縮でテトラヒドロフランを留去した後、濃塩酸でpHを1.23に調整し、クロロホルム(25 mL)で4回抽出、水(10 mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム(10.00 g)を加え攪拌し、ろ過、クロロホルム(25 mL)で洗浄後、濃縮した。その後、テトラヒドロフラン(25.00 g)、10%水酸化ナトリウム水溶液(25.00 g)、メタノール(10.00 g)を加え、室温で1時間攪拌した。クロロホルム(25 mL)で2回分液を行った後、水層を濃塩酸でpHを1.21に調整し、クロロホルム(25 mL)で4回抽出、水(10 mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム(10.01 g)を加え攪拌し、ろ過、クロロホルム(10 mL)で洗浄後、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、3−[(ベンジルオキシ)カルボニル]―1,3−オキサジナン−2−カルボン酸(24)(8.120 g)を得た。
各種スペクトルデータは、実施例8のものと一致した。

Claims (5)

  1. 式(1)に示される(2S)−(2−{[3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]メチル}−1,3−オキサジナン−3−イル)[5−メチル−2−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)フェニル]メタノン 水和物の製造方法であって、
    Figure 2019013244
    (a)式(2)に示される化合物及びグリオキシル酸を反応させることにより式(3)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    Figure 2019013244
    (b)前記式(3)に示される化合物と式(4)に示される化合物を縮合して式(5)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R1は、水素原子、置換基を有してもよいC1-6アルキル基、置換基を有してもよいC2-6アルケニル基、置換基を有してもよいC2-6アルキニル基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルキル基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルケニル基、置換基を有してもよいC1-6アルコキシ基、置換基を有してもよいC2-6アルケニルオキシ基、置換基を有してもよいC2-6アルキニルオキシ基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルコキシ基、置換基を有してもよいC3-6シクロアルケニルオキシ基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいヘテロアリール基、置換基を有してもよい飽和又は部分飽和のヘテロシクリル基、置換基を有してもよいC7-12アラルキルオキシ基を示し、Xは、ハロゲン原子を示す。)
    Figure 2019013244
    (式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
    (c)前記式(5)に示される化合物を式(6)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R1は前記と同じ意味を示す。Chiral amine は、カルボン酸と塩を形成する光学活性なアミンを表す。)
    (d)前記式(6)に示される化合物を式(7)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
    (e)前記式(7)に示される化合物を式(8)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R1は前記と同じ意味を示す。R2はカルボン酸の保護基を表す。)
    (f)前記式(8)に示される化合物を式(9)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R2は前記と同じ意味を示す。)
    (g)前記式(9)に示される化合物および式(10)に示される化合物を縮合して式(11)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    Figure 2019013244
    (式中、R2は前記と同じ意味を示す。)
    (h)前記式(11)に示される化合物を式(12)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (i)式(13)に示される化合物を式(14)に示される化合物と反応させることにより式(15)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R3はピラゾールの保護基を表す。)
    Figure 2019013244
    (式中、Xは前記と同じ意味を示す。)
    Figure 2019013244
    (式中、R3は前記と同じ意味を示す。)
    (j)前記式(15)に示される化合物を式(16)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (k)前記式(16)に示される化合物をR4SO2−X又は(R4SO22Oと反応させ、式(17)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R4は、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。)
    (l)式(12)に示される化合物を式(17)に示される化合物と反応させることにより前記式(1)に示される化合物に変換する工程を含むことを特徴とする製造方法。
  2. 式(5)に示される化合物の製造方法であって、
    Figure 2019013244
    (式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
    (m)式(2)に示される化合物と式(4)に示される化合物を縮合して式(18)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
    (n)式(18)に示される化合物及びグリオキシル酸を反応させることにより式(5)に示される化合物に変換する工程を含むことを特徴とする前記式(5)に示される化合物の製造方法。
  3. 式(5)に示される化合物の製造方法であって、
    Figure 2019013244
    (式中、R1は前記と同じ意味を示す。)
    (o)式(2)に示される化合物とグリオキシル酸エステルを反応させることにより式(19)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R2は前記と同じ意味を示す。)
    (p)式(19)に示される化合物と式(4)に示される化合物を縮合して式(20)に示される化合物に変換する工程と、
    Figure 2019013244
    (式中、R1、R2は前記と同じ意味を示す。)
    (q)式(20)に示される化合物を式(5)に示される化合物に変換する工程を含むことを特徴とする前記式(5)に示される化合物の製造方法。
  4. 光学活性なオキサジナン環誘導体の合成に有用な原料あるいは中間体であって、
    式(21)に示される化合物又はそのエナンチオマー、又はそれらの塩。
    Figure 2019013244
    (式中、R5は、置換基を有してもよいC7-12アラルキル基を示す。)
  5. 式(22)に示される化合物又はそのエナンチオマー。
    Figure 2019013244
    (式中、R2、R5は前記と同じ意味を示す。)
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