JPWO2018227156A5 - 血液ポンプ支援を調節するための心臓パラメータの決定 - Google Patents
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背景
血管内血液ポンプは、血行力学的支援を提供し、かつ心臓の回復を促す。血管内血液ポンプは、循環器疾患を有する患者に補足的な心臓支援を提供するために、心臓内に挿入され、そして、自己心臓と並行して心拍出量を補足する。そうしたデバイスの1例はIMPELLA(登録商標)デバイス群(Abiomed, Inc., Danvers MA)である。
血管内血液ポンプは、血行力学的支援を提供し、かつ心臓の回復を促す。血管内血液ポンプは、循環器疾患を有する患者に補足的な心臓支援を提供するために、心臓内に挿入され、そして、自己心臓と並行して心拍出量を補足する。そうしたデバイスの1例はIMPELLA(登録商標)デバイス群(Abiomed, Inc., Danvers MA)である。
現在、臨床医療従事者にとって、デバイスが送達すべき支援の量、または、いつ心臓補助デバイスの使用を終わらせるかを、直接的かつ定量的に決定することは困難である。ゆえに臨床医療従事者は、定性的な判断と、流体で満たしたカテーテルを用いて心臓内または血管内の圧力を測定するといった心機能の間接的な推定とに、頼る傾向がある。従来、左室圧(LVP)は、バルーンを含む肺カテーテルを肺動脈の分枝内に挿入して行われる肺動脈楔入圧(PAWP)または肺毛細血管楔入圧(PCWP)の測定によって推定されている。肺動脈カテーテルは間欠的、間接的、かつ非一貫的であり、その結果、患者が必要とする心臓支援のレベルに関して臨床意思決定を行ううえで臨床医療従事者が信頼して用いることができない、正しくないデータをもたらすので、PAWPおよびPCWPは心臓の健康状態についての有効な測定値ではない。
血液ポンプは、例えば左心室もしくは左心房から大動脈内に、および、右心室もしくは右心房から肺動脈内に、など、心臓の部屋を通る血液のポンピングを補助することによって、補足的な心臓支援を提供する。血液ポンプは典型的に、ある期間にわたって心臓支援を補助するために挿入され、その後、心臓が支援なしで血液をポンピングできるよう、患者は血液ポンプ支援から離脱される。臨床医療従事者が心機能について信頼できる情報にアクセスできないため、患者は、早期すぎかつ迅速すぎる時期に離脱されることが多く、それは心臓に不必要な負担をもたらす。
左室圧、心拍出力(cardiac power output)、および心臓に関する他の変数が正確に測定されれば、臨床医療従事者は、心臓の現在のニーズに基づいて患者のためにより良い臨床意思決定を行える可能性がある。したがって、心臓支援および心臓の健康状態について臨床医療従事者に情報を提供するという、現在のシステムに対する改善について、長期的に求められているニーズが存在する。
概要
いくつかの実施形態において、心臓に心臓支援を提供するための方法は、心臓内に配置された血液ポンプを稼働させる段階を含み、血液ポンプは、カニューレと、あるレベルの心臓支援を心臓に提供するためにあるモータースピードで稼働しかつ可変電流を引き込むモーターとを有する。血液ポンプはまた、血液ポンプに連結されたコントローラも含む。方法はまた、コントローラが大動脈圧を測定する段階;モーター電流およびモータースピードを測定する段階;モーター電流およびモータースピードに関連付けられた、カニューレをまたぐ圧力勾配を決定する段階;プロセッサを使用して、大動脈圧と、モーター電流およびモータースピードに関連付けられた、カニューレをまたぐ圧力勾配とから、算出される心臓パラメータ、例えば左室圧(LVP)または左室拡張終期圧(LVEDP)を算出する段階も含む。方法はまた、算出された心臓パラメータをメモリ内に記録する段階;および、算出された心臓パラメータを用いて、心機能パラメータ、例えば心拍出力の尺度を決定する段階も含む。方法は、続いて、算出された心臓パラメータと心機能パラメータとに基づいて、血液ポンプによって提供される支援に対する推奨される変更を決定する段階;および、支援に対する推奨される変更を表示用に生成する段階を行う。支援に対する推奨される変更は、例えば、離脱中にモータースピードを増大または減少させるという推奨;吸引事象に応答して血液ポンプの配置を調整するという推奨;または、異なる能力を有する異なる血液ポンプに変更するという推奨であってもよく、その他の推奨もある。方法はまた、算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータを表示用に生成する段階も含んでもよい。重要な心臓パラメータおよび心機能パラメータを表示することは、患者に対する血液ポンプ支援の調節について、医療従事者が情報に基づいた意思決定を行うことを可能にする。さらに、血液ポンプのモーター電流およびモータースピードと、測定された大動脈圧とに基づいて、これらのパラメータを算出することによって、血液ポンプの調節および調整に関する推奨を決定することが可能になり、その推奨は、起こりうる問題の決定を支援しかつケアの調整を促すために、医療従事者に提供されてもよい。
いくつかの実施形態において、心臓に心臓支援を提供するための方法は、心臓内に配置された血液ポンプを稼働させる段階を含み、血液ポンプは、カニューレと、あるレベルの心臓支援を心臓に提供するためにあるモータースピードで稼働しかつ可変電流を引き込むモーターとを有する。血液ポンプはまた、血液ポンプに連結されたコントローラも含む。方法はまた、コントローラが大動脈圧を測定する段階;モーター電流およびモータースピードを測定する段階;モーター電流およびモータースピードに関連付けられた、カニューレをまたぐ圧力勾配を決定する段階;プロセッサを使用して、大動脈圧と、モーター電流およびモータースピードに関連付けられた、カニューレをまたぐ圧力勾配とから、算出される心臓パラメータ、例えば左室圧(LVP)または左室拡張終期圧(LVEDP)を算出する段階も含む。方法はまた、算出された心臓パラメータをメモリ内に記録する段階;および、算出された心臓パラメータを用いて、心機能パラメータ、例えば心拍出力の尺度を決定する段階も含む。方法は、続いて、算出された心臓パラメータと心機能パラメータとに基づいて、血液ポンプによって提供される支援に対する推奨される変更を決定する段階;および、支援に対する推奨される変更を表示用に生成する段階を行う。支援に対する推奨される変更は、例えば、離脱中にモータースピードを増大または減少させるという推奨;吸引事象に応答して血液ポンプの配置を調整するという推奨;または、異なる能力を有する異なる血液ポンプに変更するという推奨であってもよく、その他の推奨もある。方法はまた、算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータを表示用に生成する段階も含んでもよい。重要な心臓パラメータおよび心機能パラメータを表示することは、患者に対する血液ポンプ支援の調節について、医療従事者が情報に基づいた意思決定を行うことを可能にする。さらに、血液ポンプのモーター電流およびモータースピードと、測定された大動脈圧とに基づいて、これらのパラメータを算出することによって、血液ポンプの調節および調整に関する推奨を決定することが可能になり、その推奨は、起こりうる問題の決定を支援しかつケアの調整を促すために、医療従事者に提供されてもよい。
本明細書に説明するシステム、デバイス、および方法は、血液ポンプシステムにおいて測定されたモーター電流と、モータースピードと、大動脈圧とに基づいて、心臓パラメータおよび心機能パラメータを臨床医療従事者に提供するための機構を提供する。血管内血液ポンプの機能性および拍出量は、患者の心機能および健康状態を決定するうえで有用な追加的パラメータを算出するために、測定可能な心臓パラメータとともに用いられてもよい。これらの決定を行い、かつ、有用かつ有意義な方式でデータを臨床医療従事者向けに表示することによって、医療上の意思決定に情報をもたらすために臨床医療従事者が利用できるデータが増える。血管内血液ポンプの拍出量に基づきアルゴリズムによってアクセス可能な、追加的な心臓パラメータおよび心機能、ならびにそれらの傾向は、様々な血液ポンプと、血液ポンプの配置と、治療用薬剤の投与とによって患者に提供される心臓支援に関して、情報に基づいた意思決定を臨床医療従事者が行うことを可能にする。アルゴリズムはまた、血液ポンプシステムが、重要な心臓パラメータを決定し、かつ、患者ケアの意思決定に情報をもたらすためそれらを臨床医療従事者向けに表示すること;または、例えば様々な心臓パラメータの入力に基づいて心機能のレベルを変動させるという推奨を臨床医療従事者向けに表示することによって、支援の調節についての推奨を行うこと;を可能にする。
本明細書に論じるアルゴリズムは、臨床医療従事者が患者の離脱について情報に基づいた意思決定を行うことを可能にする。臨床医療従事者は、血液ポンプが提供する心臓支援から患者を離脱させるための適切なタイミングを、提供されるパラメータに基づいて、より良好に決定できる。さらに、本明細書に提供するアルゴリズムは、支援のレベルと、モータースピードと、心機能を支援するための推奨モータースピードを提供するための適切な血液ポンプとについて推奨を提供することによって、患者を離脱させる妥当なペースについて臨床医療従事者が意思決定を行うことを可能にしうる。
本明細書に説明するシステム、デバイス、および方法はさらに、心臓パラメータの測定および算出によって、血液ポンプのパフォーマンスの最適化を支援する。他の心臓計量値と併せて、LVPの推定およびLVP波形のリアルタイム表示は、患者の現在および履歴的な心機能、ならびに血液ポンプによって提供されている支援のレベルを、医師が理解することを可能にする。医師は、この情報を用いて、提供されている支援のレベルの修正(例えば、患者を支援から離脱させる、または提供される支援を増大させる);血液ポンプの配置および機能性;ならびに吸引事象の発生;に関する決定、ならびに後述する他の臨床上の決定を行う。
加えて、本明細書に説明するシステム、デバイス、および方法は、心機能の回復を支援するために患者に薬物治療を適用するなど、追加の治療的支援を提供するためのデータおよび推奨を臨床医療従事者に提供する。例えば、アルゴリズムは、心臓パラメータおよびその傾向に基づいて、薬物治療が有益となりうるかについての推奨を提供でき、そして用量情報も提供できる。自己心拍出量、拡張終期圧、および心拍出力などの心臓パラメータの傾向が臨床医療従事者に提供されてもよく、アルゴリズムは、その傾向に基づいて、強心剤の用量設定を支援する推奨を行ってもよい。
本明細書に説明するシステム、デバイス、および方法は、測定および算出された心臓パラメータに基づいて予測される予測有害事象に関して、臨床医療従事者に警告を提供するために用いられてもよい。血液ポンプ支援に頼っている患者は、さらなる虚血事象をきたすリスクがある。左室収縮性、左室弛緩性、およびLVEDPにおける小さな変化はすべて、無症候性虚血事象の早期インジケータである。これらのパラメータの変化について臨床医療従事者に注意喚起することは、臨床医療従事者が虚血事象をより早期に検出し、そしてより迅速に対処することを可能にする。加えて、大動脈弁逆流およびペースメーカーを必要とする伝導異常(経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)に備えてバルーン大動脈弁形成術(BAV)を受ける患者の場合)など、他の有害事象およびアウトカム。左室弛緩性、左室拡張期充満圧、収縮期圧勾配、心拍出力、および全拍出力の変化はすべて、そうした事象の早期インジケータとして機能でき、本明細書に説明するアルゴリズムによって算出および検出され、そして臨床医療従事者に提示されてもよい。
さらに、本明細書に説明するシステム、デバイス、および方法は、例えば両心室支援を提供する同時に使用される右心用デバイスと左心用デバイスとのバランスを取るために用いられてもよい;2つのデバイスのバランスを取ることは、肺中の適切な圧力を維持しかつ肺水腫のリスクを限定するために、右心用デバイスと左心用デバイスとのバランスを取るという、独特の課題を呈することがある。アルゴリズムは、自己拍出量および全拍出量を、肺動脈圧および左室拡張期圧と併せて測定することによって、両心室デバイスの稼働についての意思決定に情報をもたらせるよう、これらパラメータについての情報を臨床医療従事者に提供してもよく、かつ、臨床医療従事者が2つのデバイスのバランスを取ることを助けるために推奨を提供してもよい。
本明細書に提示するシステム、デバイス、および方法は、血液ポンプによる心臓支援を用いて処置されている患者のケアおよび処置において臨床医療従事者に有用である、様々な心臓パラメータおよび心機能パラメータを、血液ポンプの拍出量と測定された圧力信号とに基づいて、血液ポンプシステム内で測定する機構を記述する。アルゴリズムによって提供されるパラメータおよび推奨は、後述するように、医学的処置の様々な意思決定に情報をもたらすために臨床医療従事者によって用いられてもよい。
図1に、心臓102内に位置している例示的な先行技術の心臓補助デバイスを示す。心臓102は、左心室103と、大動脈104と、大動脈弁105とを含む。血管内心臓ポンプシステムは、カテーテル106と、モーター108と、ポンプアウトレット110と、カニューレ111と、ポンプインレット114と、圧力センサー112とを含む。モーター108は、その近位端でカテーテル106に連結され、かつ、その遠位端でカニューレ111に連結される。モーター108はまた、ポンプインレット114からカニューレ111を通りポンプアウトレット110まで血液をポンピングするために回転する、ローター(図中では見えない)も駆動する。カニューレ111は、ポンプインレット114が左心室103内に位置し、かつポンプアウトレット110が大動脈104内に位置するよう、大動脈弁105をまたいで配置される。この構成は、血管内心臓ポンプシステム100が、心拍出を支援するため血液を左心室103から大動脈104内までポンピングすることを可能にする。
図2Aに、モーター電流に対する圧力勾配の例示的プロットを示す。プロット200は、モーター電流をmAの単位で表したx軸202と、圧力勾配(dP)をmmHgの単位で表したy軸204とを有する。プロット200は、モーター電流と圧力勾配との関係を示す傾向線206を含む。血液ポンプが引き込むモーター電流は、既知のモータースピードにおいて、血液ポンプのカニューレをまたぐ圧力勾配に比例する。プロット200は、所与のモーター電流と、血液ポンプモーターが現在稼働しているモータースピードとから、圧力勾配を決定するためのアルゴリズム用の、ルックアップとして機能する可能性がある。例えば、x軸上のポイント208によって示される約650 mAのモーター電流は、y軸上のポイント210によって示される120 mmHgの圧力勾配に対応する;それは、モーター電流のポイント208から傾向線206まで上向きに線を伸ばし、次に傾向線206との交点からy軸のポイント210まで線を伸ばすことによって決定される。プロット200によって説明される、モーター電流と圧力勾配との間の関係は、研究室において生理学的条件下で特定の血液ポンプについて決定されてもよく、そして血液ポンプコントローラ内のプロセッサのメモリ内に保存されてもよい。
例えば、血液ポンプのカニューレをまたぐ圧力勾配がモーター電流およびモータースピードから決定されたら、血液ポンプのカニューレをまたぐ圧力勾配は、ポンプのインレットケージにおけるLVPの推定値を決定するために、測定された大動脈圧(圧力センサー112において測定された圧力など)とともに用いられてもよい。LVPは大動脈圧から圧力勾配を減算することによって推定される。図2Bに関して後述するように、この方式で決定されたLVPは、心臓内の実際のLVPの非常に良好な推定値である。推定LVPは、コントローラによって表示画面上に表示されてもよく、そこで臨床医療従事者によってアクセスおよび閲覧されてもよい。臨床医療従事者は、血液ポンプが提供する支援に対する変更について情報に基づいた意思決定を行うことを含めて、患者の処置に関する臨床意思決定を行うため、所与の瞬間のLVPによって提供される情報、またはLVPの変化の履歴ビューを用いてもよい。
いくつかの実施形態において、警告またはアラームは、血液ポンプによって心臓に提供される支援を、算出、測定、またはモニターされる心臓計量値のうち1つまたは複数に基づいて改めるための推奨である。図4~11に、血液ポンプによって提供される心臓支援に対する、推奨される様々な変更を、コントローラが決定するためのプロセスを示す。
段階402において、心臓ポンプのモーターが、ある回転スピードで稼働される。段階404において大動脈圧が測定される。大動脈圧は、心臓ポンプに連結された圧力センサーによって、別個のカテーテルによって、非侵襲的な圧力センサーによって、または他の任意の好適なセンサーによって、測定されてもよい。圧力センサーは、流体で満たされたチューブ、差圧センサー、液圧センサー、圧電抵抗式ストレインゲージ、光学干渉式センサーもしくは他の光学式センサー、MEMS圧電センサー、または他の任意の好適なセンサーであってもよい。いくつかの実施形態において、大動脈圧の測定に対する追加または代替として、心室圧が測定される。段階406において、モーターに送達される電流が測定され、かつモータースピードが測定される。段階408において、血液ポンプのカニューレをまたぐ差圧が、測定されたモーター電流およびモータースピードに基づいて決定される;その決定は、ルックアップ表を用いることによって、または、既知のスピードにおいて測定されたモーター電流についておよび任意で他のパラメータについて説明する関数にアクセスすることによって、行われる。段階410において、血液ポンプのカニューレをまたぐ差圧と大動脈圧とに基づいて心臓パラメータが算出される。心臓パラメータは、LVEDP、LVP、大動脈脈圧、平均大動脈圧、ポンプ流量、圧力勾配、または心拍数のうちの1つであってもよい。これらの心臓パラメータは、それぞれ、心臓の健康状態および機能の様々な局面の尺度として臨床医療従事者によって用いられてもよい。各心臓パラメータの経時的な傾向は、自己心拍出量が向上または減退しているかを決定するために臨床医療従事者によって用いられてもよく、そして、血液ポンプと薬物治療とによって提供されている支援についての臨床意思決定が、これらの傾向に基づいて行われてもよい。いくつかの実施形態において、血液ポンプのカニューレをまたぐ差圧と大動脈圧とに基づいて、2つ以上の心臓パラメータが算出される。
例えば、血液ポンプのモーター電流およびモータースピードと、測定された大動脈圧とに基づいて、心拍出量が算出されてもよい。大動脈圧から、大動脈波形の脈圧が導出されてもよい。圧力センサー(例えば図1における圧力センサー112)がポンプ流出部に位置する実施形態において、大動脈圧と、大動脈波形の脈圧とは、大動脈根で測定される;この部位は、末梢アプローチによる脈圧の算出(例えばPiCCO、Edwards FloTract)と比較して、大動脈抵抗、全身抵抗、および全身血管コンプライアンスの影響が少ない。いくつかの実施形態において、脈圧、ひいてはアルゴリズム算出値は、患者ごとに様々である、測定ポイントにおける大動脈コンプライアンスによる影響を受ける。しかし、患者ごとのばらつきは、心拍出量アルゴリズムをキャリブレーションすることによって考慮に含めることができ、かつ、大動脈根壁の性質は典型的に血管作用薬および強心薬による影響を受けないので、支援の期間中、患者内の大動脈コンプライアンスの変動はごくわずかであると考えられる。脈圧と脈圧波の導関数とに依存する、他の心拍出量アルゴリズム(例えばPiCCO、FloTract、またはPulseCo)は、自己心臓による拍動性と支援デバイスによる拍動性とを判別できない。対照的に、本アルゴリズムは、自己の拍動性とポンプ駆動による拍動性とを判別でき、かつ、ポンプまたは心臓のいずれかに由来するフローの変化による拍動性の変化を切り離す(de-couple)ことができる。
段階418において、算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータに基づいて、血液ポンプのパフォーマンスの最適化が決定される。コントローラは、メモリ内の算出された心臓パラメータにアクセスしてもよく、そして、患者の心機能に関して血液ポンプのパフォーマンスを最適化できることを決定するために、算出された心臓パラメータまたは心機能パラメータを保存された閾値と比較してもよい。例えば、コントローラは、患者の心機能が向上しており、患者を血液ポンプ支援から離脱させることができると決定してもよい。代替的に、コントローラは、患者の心機能が減退しており、患者に提供される血液ポンプ支援を増大すべきであると決定してもよい。追加的または代替的に、コントローラは、吸引のリスクまたは吸引事象があることを血液ポンプの現在の留置に基づいて決定してもよく、かつ、血液ポンプの場所を最適化できると決定してもよい。算出された心臓パラメータまたは心機能パラメータの比較対象となる閾値は、製造時にプリセットされるか、ユーザーインターフェースを介して医師によって設定されるか、または、その患者の、算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータの以前の読取りに基づいてもよい。例えば、コントローラは、血液ポンプの現在の配置に起因する吸引リスクがあることを決定するために、算出されたLVPを閾値と比較してもよい。いくつかの実施形態において、コントローラは、LVP波形を、保存された1つまたは複数の波形と比較する。いくつかの実施形態において、コントローラは、LVP波形に由来する最小ポイントおよび/または最大ポイントを、保存された閾値と比較する。
圧力の読取りと血液ポンプのモーター電流とに基づきコントローラによって測定される、大動脈圧波形504およびLVP波形506は、心臓内の血液容量が不十分であることによって引き起こされる、血液ポンプにおける拡張期の間欠的な吸引事象を検出するうえで役立つ。そうした吸引事象の際、LVP波形506は、拡張早期に第一のプロット505においてゼロより下まで低下するが、拡張終期圧ポイントまでには回復する。LVP波形506の収縮期フェーズは正常である。間欠的な拡張期の吸引事象の際、最大のLVPの指標512は典型的に正常でありかつ最大の大動脈圧の指標508より大きく、一方で、最小のLVPの指標512は異常でありかつ非常に低いかまたはゼロ未満であるので、これらの事象はまた、LVPの指標512および大動脈圧の指標508によって検出されてもよい。したがって、LVPの指標512の最小値は、拡張期吸引の早期インジケータを提供する。コントローラは、LVPの指標512の最小値と、例えば0 mmHg、-10 mmHg、-20 mmHg、-30 mmHg、-40 mmHg、または他の任意の好適な閾値などである閾値との比較に基づいて、警告514を発してもよい。いくつかの実施形態において、LVPの指標512の最小値の比較は、例えば0 mmHgが境界線上または低いリスクを知らせ、-10 mmHgが軽度の吸引リスクを知らせ、-20 mmHgが中程度の吸引リスクを知らせるなど、リスクのレベルまたは吸引事象の重度を決定するために用いられてもよい。コントローラはさらに、吸引事象への対処および是正のため警告514にどのように反応すべきかについて、医師、看護師、または技師向けに推奨516を提供してもよい。例えば、コントローラは、吸引事象の原因を決定するために追加的な心臓計量値をチェックすること、または、血液ポンプの配置もしくは心臓支援レベルを調整する前に患者の健康状態をチェックすること、の推奨を提供してもよい。コントローラはまた、吸引事象の検出に基づき血液ポンプの配置をチェックするという指示または推奨を提供してもよく、かつ、モーター電流510の変更により、血液ポンプによって提供される支援のレベルを変更することをさらに推奨してもよい。
ユーザーインターフェース502の計量値傾向画面は、様々な経時的心臓パラメータに関連付けられた履歴データをさらに図示するために医師がアクセスすることができる。そうした履歴データは、医師が、患者の心臓の健康状態の進行を理解すること、および、生じている事象を同定することに、役立つ可能性がある。例えば、図5Cに示すユーザーインターフェース502の計量値傾向画面は、心拍出量の傾向波形542、血液ポンプ流量の傾向波形544、自己心拍出量の傾向波形546、大動脈圧の傾向波形550、およびLVEDPの傾向波形552を表示しており、これらはすべて経時的に比較的安定である。しかし、これら波形の経時的な変化または傾向は、吸引事象または吸引のリスクを示す可能性がある。LVEDPの傾向波形552は、患者に心臓支援を提供する過程にわたって安定しているべきである。LVEDPの傾向波形552が低いことおよび/または減退していることは、拡張期吸引のリスク増大があることを示す。この波形を医師が容易に利用できるようにすることは、医師が吸引事象のリスクをモニターすることを可能にする。吸引の原因を決定するために、医師はユーザーインターフェース502の計量値傾向画面を調べてもよい;同画面において、LVEDPの傾向波形552が高いが突然ゼロまで降下することは連続的または収縮期の吸引事象を示唆し、一方、LVEDPの傾向波形552が低くゼロ付近で停滞することは間欠的または拡張期の吸引事象を示唆する。これらの傾向および値の表示は、コントローラのアルゴリズムによって血液ポンプのモーター電流と大動脈圧とから計量値を算出することによって可能になるのであり、そして医師は、その値および傾向に基づき、患者ケアについて情報に基づいた意思決定を行うことができる。
様々な波形および心臓計量値の平均値の表示は、吸引事象の指標を提供するのみにとどまらず、血液ポンプの配置エラーを医師が決定することを可能にする情報も、医師に提供してもよい。例えば、医師または技師は、大動脈圧波形(例えば図5Aにおける504または図5Bにおける524)に対するLVP波形(例えば図5Aにおける506または図5Bにおける526)の変化を観察することにより、血液ポンプが左心室内に移動しており、その結果もはや適切な支援を提供していない、と決定してもよい。血液ポンプが左心室内に移動した時、LVP波形の形状の変化は、配置エラーが生じたという瞬時フィードバックを提供する。LVPの最大値および最小値を大動脈圧の最大値および最小値と比較することにより、大動脈圧の値が大動脈圧の代わりに左心室の信号を反映しはじめたことを医師に示すことができる。その間、LVEDPは安定したままである;それは、ポンプは移動したもののフローエリアを妨げている心室構造はないという確認となる。
図5Dに表示されているLVP波形576および大動脈圧波形575は、血行動態が安定している、回復した患者のものを例示している。LVEDPは、離脱プロセス中、自己心臓が機能を引き継ぎそして過剰な左室容積が解消される際に、安定しているべきである。心拍出量も同様に、離脱中、自己心臓がポンプの拍出量を引き継ぐ際に安定しているべきである;そして、心拍出力も安定しているべきであり、かつ好ましくは、特定の機関の意思決定プトロコルによって求められる範囲内であるべきである。回復した患者の離脱中の進行もまた、計量値傾向画面上で可視化されてもよい;その場合、血液ポンプからの支援が経時的に低減されるにつれて、自己心拍出量(例えば図5Cにおける546)の増加が、血液ポンプ流量(例えば図5Cにおける544)の減少とともに生じる。離脱プロセス中、自己心臓が血液ポンプから機能を引き継ぎ、そして心拍出量(例えば図5Cにおける542)は安定したままである。自己心臓が引き継ぐ際、LVEDP(例えば図5Cにおける552)は安定しているかまたは減退する。そして、心拍出力(例えば図5Cにおける558)は安定している。
コンディションが悪化している患者の場合は、心臓が超過の血液容量をポンピングできず、左室容積が増大するので、離脱の試み中にLVEDPが上昇する可能性が高い。この時にLVP波形576および大動脈圧波形574は低下することがある。病気の患者では、血液ポンプからの支援の減少を自己心臓が補償できないので、心拍出量586および心拍出力584もまた離脱中に低下する。病気の患者の、離脱中の機能減退は、計量値傾向画面上でも可視化されうる;その場合、血液ポンプ支援への患者の依存が大きくなるにつれて、自己心拍出量(例えば図5Cにおける546)が経時的に減退する可能性がある。心臓が血液をポンピングできず、LVPが増大するので、LVEDP波形(例えば図5Cにおける552)が上昇する可能性がある。心拍出力(例えば図5Cにおける558)が低下し、全拍出力もより低くなる。
図6に、心拍出力を決定しそしてポンプ支援の調節の推奨をユーザー向けに表示するためのプロセス600を示す。プロセス600は、図1の血管内心臓ポンプシステム100または他の任意の好適な心臓ポンプを用いて行われてもよい。離脱プロセス中の計量値傾向をモニターするために、および、心臓を血液ポンプ支援から離脱させるための患者の準備状態を評価するために、集中治療状況またはカテーテル室において、心拍出力と、心拍出力の経時的な履歴的傾向とが、医師によって解釈および評価されてもよい。加えて、患者の離脱についての意思決定に情報をもたらすため、心拍出量、自己心拍出量、およびLVEDPもまた生成されそして医師向けに表示されてもよい。
段階618において、心臓に対するポンプ支援の調節についての推奨が、算出された心拍出力に基づいて決定される。例えば、算出された心拍出力、または、算出された心拍出力と閾値もしくは履歴値との比較が、患者の心機能が向上したことを示すのであれば、患者を心臓支援から離脱させるためにポンプ支援を低減させるという推奨が決定されてもよい。別の実施例において、算出された心拍出力、または、算出された心拍出力と閾値もしくは履歴値との比較が、心機能が悪化したことを示すのであれば、患者に対するポンプ支援を増大させるという推奨が決定されてもよい。最後に、段階620において、ポンプ支援の調節についての推奨が表示用に生成され、そしてユーザーインターフェース上に表示される。いくつかの実施形態において、心拍出力、そして追加的に、算出された他の計量値およびパラメータもまた、表示用に生成され、そしてポンプ支援の調節についての推奨とともに表示される。算出された心拍出力、および任意で、経時的な心拍出力の履歴ビューは、例えば血液ポンプ支援からの患者の離脱に関する意思決定を行うために、臨床医療従事者が心拍出力の傾向を閲覧しそしてそれに基づいて意思決定を行うことを可能にする。これらの計量値傾向を表示することは、臨床医療従事者が、表示された調節の推奨を評価すること、および、離脱の意思決定または血液ポンプによって提供される支援のレベルを変えるための他の意思決定を支援すること、に役立つ可能性がある。
心拍出力は心拍出量と平均大動脈圧との積であり、大動脈弁のすぐ遠位側において心臓とポンプとによって生じるパワーの、真の尺度の指標となる。これは、血液ポンプのポンプ流出部にある圧力センサーの配置と、心臓パラメータに関係する血液ポンプの稼働の理解とに基づいて、測定可能である。自己心拍出力は、心臓それ自体によって出されているパワーを表すので、臨床医療従事者はそれを心臓の全体的な健康状態の尺度として用いることができる。自己心拍出力の傾向は、自己心拍出量が向上または減退しているかを決定するために臨床医療従事者によって用いられてもよく、そして、血液ポンプと薬物治療とによって提供されている支援についての臨床意思決定が、これらの傾向に基づいて行われてもよい。上述のアルゴリズムによる心拍出力の決定は、従来の決定方法よりも信頼性が高くかつ正確である。
段階710において、血液ポンプのカニューレをまたぐ差圧と大動脈圧とに基づいて心臓パラメータが算出される。心臓パラメータは、LVEDP、LVP、大動脈脈圧、平均大動脈圧、ポンプ流量、圧力勾配、または心拍数のうちの1つであってもよい。これらの心臓パラメータは、それぞれ、心臓の健康状態および機能の様々な局面の尺度として臨床医療従事者によって用いられてもよい。各心臓パラメータの経時的な傾向は、自己心拍出量が向上または減退しているかを決定するために臨床医療従事者によって用いられてもよく、そして、血液ポンプと薬物治療とによって提供されている支援についての臨床意思決定が、これらの傾向に基づいて行われてもよい。いくつかの実施形態において、血液ポンプのカニューレをまたぐ差圧と大動脈圧とに基づいて、2つ以上の心臓パラメータが算出される。
段階720において、モータースピードに対する推奨される変更が、表示用に生成され、そして表示される。モータースピードに対する推奨される変更は、図3のユーザーインターフェース内に表示されてもよい。いくつかの実施形態において、モータースピードに対する推奨される変更は、主画面上に表示される。いくつかの実施形態において、モータースピードに対する推奨される変更は、ポップアップまたは警告として表示される。段階722において、表示された、モータースピードに対する推奨される変更に応答したユーザー入力が受け入れられる。段階724において、ユーザー入力に従ってモータースピードが調整される。モータースピードは、モーターに送達される電力を変更することによって調整される。モータースピードは、推奨されるモータースピードの変更に応答したユーザー入力に応じて、モーターの現在のスピードより速くまた遅くなるよう調整されてもよい。モーターに送達される電力は、コントローラによって自動的に、または手動で(例えば医療従事者によって)、調整されてもよい。支援の程度は、患者の心機能が悪化している時に増大されてもよい;または、支援の程度は、患者の心機能が回復している時に低減されてもよく、それによって患者が徐々に治療から離脱することを可能にしてもよい。このことは、心臓の回復を促すためにデバイスが心機能の変化に動的に応答することを可能にする。このことはまた、ポンプ支援を間欠的に調節するため、そして、例えば心臓がポンピング機能を心臓ポンピングデバイスから引き継げるかなど、心臓がどのように反応するかを診断するために用いられてもよい。
多くの有害事象が、心臓パラメータの決定、および、心臓パラメータもしくはその経時的傾向と閾値との比較に基づいて、予測可能である。加えて、これらの追加的心臓パラメータを医療従事者向けにリアルタイムで表示すること、および、履歴データを含めることにより、医師が患者の健康状態をよりよく理解すること、および、生じうる有害事象を予測しこれに対処することが可能となる。例えば、本明細書に説明するアルゴリズムに従って算出および表示された心臓パラメータに基づき、追加的な虚血事象、伝導異常、または出血および溶血が検出され、そして対処されてもよい。医師は、そうした有害事象の予測に基づき、自然な回復を最大化するために支援を最適化する、および、左心支援と右心支援とのバランスを取るなどの、臨床意思決定を行ってもよい。
図12に、測定および算出された心臓パラメータに基づいて、両心室支援中に右心用および左心用血液ポンプデバイスのバランスを取るための、プロセス1200を示す。左心用デバイスおよび右心用デバイスの両方が同時的な心臓支援を提供する時は、肺内の適切な圧力を維持し肺水腫のリスクを限定するために右心および左心の拍出量のバランスを取ることが困難である可能性がある。自己心拍出量および全拍出量を、肺動脈圧および左室拡張期圧とともに測定することにより、臨床医療従事者が右室および左室の支援のバランスをより良く取ることが可能となる。
段階1202において、第一血液ポンプの第一モーターが稼働される。これは、例えば、心臓の右心室および肺動脈内に置かれた右心用デバイスであってもよい。段階1204において、第二血液ポンプの第二モーターが稼働される。これは、例えば、心臓の左心室および大動脈内に置かれた左心用デバイスであってもよい。第一モーターおよび第二モーターは、心臓の両側に支援を提供するために同時に稼働される。段階1206において、ポンプアウトレットにおける圧力が測定される。左心用デバイスである第二ポンプの場合、これは大動脈圧である。右心用デバイスである第一ポンプの場合、これは肺動脈圧である。大動脈圧は、心臓ポンプに連結された圧力センサーによって、別個のカテーテルによって、非侵襲的な圧力センサーによって、または他の任意の好適なセンサーによって、測定されてもよい。圧力センサーは、流体で満たされたチューブ、差圧センサー、液圧センサー、圧電抵抗式ストレインゲージ、光学干渉式センサーもしくは他の光学式センサー、MEMS圧電センサー、または他の任意の好適なセンサーであってもよい。いくつかの実施形態において、大動脈圧の測定に対する追加または代替として、心室圧が測定される。
段階1212において、第一血液ポンプの第一カニューレをまたぐ第一差圧と第一ポンプアウトレット圧とに基づいて第一心臓パラメータが算出され、かつ、第二血液ポンプの第二カニューレをまたぐ第二差圧と第二ポンプアウトレット圧とに基づいて第二心臓パラメータが算出される。右心用デバイスに由来する第一心臓パラメータは、右室圧、右室拡張終期圧、肺動脈圧、右動脈圧、中心静脈圧、または血液ポンプ流量のいずれかであってもよい。左心用デバイスに由来する第二心臓パラメータは、LVEDP、LVP、大動脈脈圧、平均大動脈圧、ポンプ流量、圧力勾配、心拍数、または右動脈圧のいずれかであってもよい。これらの心臓パラメータは、それぞれ、心臓の健康状態および機能の様々な局面の尺度として、かつ、バランスの取れた心臓支援を提供するため右心用および左心用デバイスのバランスをより良く取るために、臨床医療従事者によって用いられてもよい。
さらに、各心臓パラメータの経時的な傾向は、自己心拍出量が向上または減退しているかを決定するために臨床医療従事者によって用いられてもよく、そして、血液ポンプと薬物治療とによって提供されている支援についての臨床意思決定が、これらの傾向に基づいて行われてもよい。いくつかの実施形態において、血液ポンプのカニューレをまたぐ差圧と大動脈圧とに基づいて、2つ以上の心臓パラメータが算出される。
段階1214において、算出された第一心臓パラメータおよび/または算出された第二心臓パラメータに基づいて心機能パラメータが決定される。心機能パラメータは、心拍出量、心拍出力、自己心拍出量、自己心拍出力、心収縮性、心弛緩性、輸液反応性、容積状態、心負荷軽減指数、心臓回復指数、左室拡張機能、左室拡張期エラスタンス、左室収縮期エラスタンス、一回拍出量、心拍変動、一回拍出量変動、脈圧変動、大動脈コンプライアンス、血管コンプライアンス、もしくは血管抵抗、または、右心支援に関連付けられた同様のパラメータのいずれかであってもよい。これらの心機能パラメータは、算出された心臓パラメータおよび他の利用可能な測定パラメータから算出されてもよい。心機能パラメータは、心機能について、および、第一血液ポンプと第二血液ポンプとによって提供されている支援のバランスについて、追加的な情報を臨床医療従事者に提供する。いくつかの実施形態において、心機能パラメータもまた、履歴データと、時間に関する心機能パラメータの傾向とを提供するために、メモリ内に記録される。いくつかの実施形態において、2つ以上の心機能パラメータが決定される。
段階1216において、第一血液ポンプおよび/または第二血液ポンプによって提供される支援のレベルに対する推奨される変更が決定される。支援のレベルに対する推奨される変更は、メモリ内に保存されたルックアップ表内でアクセスされてもよく、または、心臓パラメータおよび心機能パラメータの現在値もしくは履歴値に基づいて算出されてもよい。支援のレベルに対する推奨される変更は、ポンプ支援を増大または低減させるためのプロンプトを含んでもよく、かつ/または、ポンプ支援に対して行われるべき変更の量の推奨を含んでもよい。
段階1218において、第一血液ポンプおよび/または第二血液ポンプによって提供される支援のレベルに対する推奨される変更が、表示用に生成され、そして表示される。第一血液ポンプおよび/または第二血液ポンプによって提供される支援のレベルに対する推奨される変更は、図3のユーザーインターフェース内に表示されてもよい。いくつかの実施形態において、第一血液ポンプおよび/または第二血液ポンプによって提供される支援のレベルに対する推奨される変更は、主画面上に表示される。いくつかの実施形態において、第一血液ポンプおよび/または第二血液ポンプによって提供される支援のレベルに対する推奨される変更は、ポップアップまたは警告として表示される。第一血液ポンプおよび/または第二血液ポンプによって提供される支援のレベルに対する推奨される変更は、第一および第二血液ポンプについての追加的情報とともに、かつ、提供される支援のレベルを第一血液ポンプまたは第二血液ポンプのモータースピードの調整によって変更する前にプロトコルに従いそしてさらなるチェックを行うよう促すプロンプトとともに、臨床医療従事者向けに表示されてもよい。いくつかの実施形態において、コントローラは、第一血液ポンプおよび第二血液ポンプのうち1つまたは両方に対するモータースピードの適切な変更を決定してもよく、また、現在支援を提供している第一血液ポンプおよび第二血液ポンプが、推奨される支援レベルを提供するために推奨されるモータースピードで稼働するのに最適な血液ポンプであるかどうかを決定してもよい。
1つまたは複数の血液ポンプおよび血液ポンプシステムによって収集されたデータを用いて、臨床的関連性のある心臓パラメータおよび心機能パラメータを算出すること、そしてそのパラメータを臨床医療従事者向けにリアルタイムで表示することによって、支援についての臨床意思決定を行うために用いられうる、心臓の健康状態および機能についての重要な情報が臨床医療従事者に提供される。さらに、生じうる課題の決定において臨床医療従事者を支援しかつ心機能を向上させるための推奨を提供する、血液ポンプコントローラまたはコンソール内のアルゴリズムは、この重要な情報がない場合と比較して、課題をより早期に検出しかつ問題により迅速に対応する能力を、臨床医療従事者にもたらす。
図13に、血液ポンプによって提供される支援のレベルを自動的に修正するためのプロセスのブロック図1300を示す。段階1302において、あるレベルの心臓支援を心臓に提供するために、心臓内に配置された血液ポンプが稼働される。血液ポンプは、カニューレと、心臓に支援を提供するためにあるモータースピードで稼働しかつある可変電流を引き込むモーターとを有する。段階1304において、血液ポンプに連結されたコントローラが、心臓内で大動脈圧を測定する。段階1306において、コントローラがモーター電流とモータースピードとを測定する。段階1308において、コントローラが、モーター電流およびモータースピードに関連付けられた、カニューレをまたぐ圧力勾配を決定する。
段階1310において、プロセッサが、大動脈圧と、モーター電流およびモータースピードに関連付けられた、カニューレをまたぐ圧力勾配とに基づいて、算出される心臓パラメータを算出する。段階1312において、算出された心臓パラメータがメモリ内に記録される。段階1314において、算出された心臓パラメータに基づいて心機能パラメータが決定される。いくつかの実施形態において、心機能パラメータもまたメモリ内に保存される。段階1316において、血液ポンプによって提供される心臓支援のレベルに対する推奨される変更が、算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータのうち少なくとも1つに基づいて決定される。段階1318において、心臓支援のレベルに対する推奨される変更が、表示用に生成される。
いくつかの実施形態において、算出される心臓パラメータはLVEDPであり、心機能パラメータは心拍出力である。LVEDPと心拍出力とを算出することにより、心臓支援を調節するための推奨が履歴データに基づいて決定されてもよい。LCEDPと心拍出力とによって示される患者の心臓の健康状態に基づき、(健康状態が悪化している患者について、血液ポンプによる心臓支援を増大させるため)モータースピードを増大させるか、または、(健康状態が改善している患者を血液ポンプから離脱させるため)モータースピードを低減させるという推奨が、決定され、表示用に生成され、そして医療従事者向けに表示されてもよい。
そうした推奨は、LVEDPおよび/または心拍出力の現在値を前値または設定閾値と比較することによって決定されてもよい。その比較に基づき、メモリ内に保存されたルックアップ表が推奨を提供してもよい;推奨は、決定された、支援レベルにおける推奨される変更の指標、および、推奨される変更を実現するための段階のリストを含んでもよい。代替的に、いくつかの実施形態において、心臓支援レベルにおける推奨される変更が、コントローラによって自動化されてもよい。
心臓計量値およびパラメータの様々な組み合わせが、患者の心臓の健康状態ならびに心臓および血液ポンプの機能性の諸局面を決定するうえで、有用となりうる。これらパラメータの値、ならびに、患者の健康状態に基づく現在の閾値または履歴的情報に基づきアルゴリズムによって生成された推奨および警告は、医療従事者が、支援の調節について情報に基づいた意思決定を行うこと、ならびに、図4~12を参照して上述したような他の多数の医療意思決定を行うことを、可能にする。
血液ポンプシステム1400は、心臓の右心側または左心側に心臓支援を提供するために、任意の好適な血液ポンプデバイスとともに用いられてもよく、例えば血液ポンプ1402は図1に示した血液ポンプ100であってもよい。血液ポンプ1402は、モーター1405およびセンサー1407、ならびに、図には示していないが図1における血液ポンプ100の他のコンポーネントを含む。いくつかの実施形態において、血液ポンプシステム1400は、心臓の左心側および右心側に同時に心臓支援を提供するために、2つの血液ポンプとともに用いられてもよい。
プロセッサ1408は、算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータに関する決定を行うために、ならびに、その決定を用いて、患者の心臓に提供される処置および支援に関する推奨を行うために、メモリ1406内に保存された関数およびルックアップ表にアクセスすることができる。プロセッサ1408は、推奨を生成し、そしてこれらの推奨をディスプレイ1410上に表示することができる。
Claims (20)
- 以下の段階を含む、心臓に心臓支援を提供するための方法:
心臓内に配置された血液ポンプを稼働させる段階であって、該血液ポンプはカニューレを有し、かつ、あるレベルの心臓支援を該心臓に提供するためにあるモータースピードで稼働しかつ可変モーター電流を引き込むモーターを含む、段階;
該血液ポンプに連結されたコントローラにおいて大動脈圧を測定する段階;
該コントローラにおいて該モーター電流および該モータースピードを測定する段階;
該モーター電流および該モータースピードに関連付けられた、該カニューレをまたぐ圧力勾配を決定する段階;
プロセッサを使用して、該大動脈圧と、該モーター電流および該モータースピードに関連付けられた、該カニューレをまたぐ該圧力勾配とから、算出される心臓パラメータを算出する段階;
該算出された心臓パラメータをメモリ内に記録する段階;
該算出された心臓パラメータに基づいて心機能パラメータを決定する段階;
該算出された心臓パラメータおよび該心機能パラメータのうち少なくとも1つに基づいて、該血液ポンプによって提供される心臓支援の該レベルに対する推奨される変更を決定する段階;
該推奨される変更を表示用に生成する段階。 - 血液ポンプによって提供される心臓支援のレベルに対する表示された推奨される変更に応答した、ユーザー入力を、受け入れる段階;および
該ユーザー入力に従って心臓支援の該レベルを調整するためにモータースピードを調整する段階
をさらに含む、請求項1記載の方法。 - ユーザー入力に従ってモータースピードを調整する段階が、心臓からの血流を増大させるためにモータースピードを増大させる段階を含む、請求項2記載の方法。
- ユーザー入力に従ってモータースピードを調整する段階が、心臓を心臓支援から離脱させるためにモータースピードを低減させる段階を含む、請求項2記載の方法。
- 算出された心臓パラメータが、左室圧、左室拡張終期圧、大動脈脈圧、および平均大動脈圧のうちの少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項記載の方法。
- 心機能パラメータが、心拍出量および心拍出力(cardiac power output)から選択される、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
- メモリ内で、以前に記録された心臓パラメータおよび心機能パラメータの履歴にアクセスする段階をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
- 算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータのうち少なくとも1つを、時間の関数として、表示用に生成する段階をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項記載の方法。
- モータースピードに対する決定された推奨される変更が、以前に記録された心臓パラメータおよび心機能パラメータのうちの少なくとも1つの履歴に基づく、請求項7記載の方法。
- 支援における推奨される変更を決定する段階が、
以前に記録された心臓パラメータおよび心機能パラメータの履歴に基づいて、算出された心臓パラメータまたは心機能パラメータのうちの1つにおける変更を決定する段階;
該変更に基づいて、提供される心臓支援レベルにおける推奨される改変を決定する段階;ならびに
該提供される心臓支援レベルにおける推奨される改変を、モータースピードにおける推奨される変更に変換する段階
をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項記載の方法。 - 算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータのうち少なくとも1つに基づいて、血液ポンプの流入部における吸引事象を決定する段階;ならびに
吸引事象の警告を表示用に生成する段階
をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項記載の方法。 - 算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータのうち少なくとも1つに基づいて、吸引事象の原因を同定する段階;ならびに
該吸引事象の該原因に対処するための推奨を表示用に生成する段階
をさらに含む、請求項11記載の方法。 - 吸引事象の原因を同定する段階が、
算出された心臓パラメータの値を閾値と比較する段階であって、該心臓パラメータが左室圧でありかつ該閾値がゼロである、段階;および
心周期にわたる該左室圧の値を、心周期にわたる大動脈圧の値と比較する段階
を含む、請求項12記載の方法。 - 左室圧の最小値が、心周期の拡張期では閾値より小さいが収縮期では正常であるならば、拡張期吸引事象を同定する段階
をさらに含む、請求項13記載の方法。 - 左室圧の最小値が拡張期では閾値より小さく、かつ該左室圧の値が心周期にわたって大動脈圧の値を超えないならば、収縮期吸引事象を同定する段階
をさらに含む、請求項13記載の方法。 - 心臓内に配置されるよう構成された血液ポンプであって、
カニューレ、
該心臓内で大動脈圧を測定するよう構成されたセンサー、および
該心臓にあるレベルの心臓支援を提供するために、あるモータースピードで稼働可能でありかつ可変モーター電流を引き込むよう構成された、モーター
を具備する、血液ポンプと;
該モーター電流およびモータースピードを制御するよう構成されたコントローラであって、
メモリ、
ユーザーインターフェース、ならびに
プロセッサであって、
該モーターの該モーター電流および該モータースピードを測定し、
該大動脈圧の指標を該センサーから受け取り、該大動脈圧の該指標を大動脈圧測定値に変換し、
該モーター電流および該モータースピードに関連付けられた、該カニューレをまたぐ圧力勾配を決定し、
該大動脈圧測定値と該カニューレをまたぐ該圧力勾配とに基づいて、少なくとも1つの心臓パラメータを算出し、
該少なくとも1つの算出された心臓パラメータを該メモリ内に記録し、
該少なくとも1つの心臓パラメータに基づいて、1つまたは複数の心機能パラメータを算出し、
該少なくとも1つの心臓パラメータおよび該1つまたは複数の心機能パラメータのうち、少なくとも1つに基づいて、該心臓への心臓支援の該レベルに対する推奨される変更を決定し、
心臓支援の該レベルに対する該推奨される変更を、該ユーザーインターフェース上での表示用に生成する
よう構成された、プロセッサ
を具備する、コントローラと
を具備する、経皮的血液ポンプシステム。 - プロセッサが、心臓パラメータとして左室拡張終期圧を、および心機能パラメータとして心拍出力を算出するようさらに構成されている、請求項16記載の血液ポンプシステム。
- プロセッサが、
少なくとも1つの算出された心臓パラメータを、算出された第一心臓パラメータとしてメモリ内に記録し、
より遅い時点で、算出された第二心臓パラメータを該メモリ内に記録する
ようさらに構成されている、請求項16~17のいずれか一項記載の血液ポンプシステム。 - プロセッサが、
メモリ内で第一心臓パラメータおよび第二心臓パラメータにアクセスし、
該第二心臓パラメータに対する該第一心臓パラメータの比較値に基づいて、モータースピードに対する推奨される変更を決定する
ようさらに構成されている、請求項16~18のいずれか一項記載の血液ポンプシステム。 - プロセッサが、
算出された心臓パラメータおよび心機能パラメータのうち少なくとも1つに基づいて、血液ポンプの流入部における吸引事象を決定し、
吸引事象の警告をユーザーインターフェース上での表示用に生成する
ようさらに構成されている、請求項16~19のいずれか一項記載の血液ポンプシステム。
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