JPWO2018207383A1 - 直流モータ - Google Patents

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Abstract

コギングトルクを抑制し、電磁振動を低減する直流モータを提供する。直流モータ101は、ヨークハウジング102の内側に配置され、内周方向に沿ってN極領域120及びS極領域121が交互に形成された筒型の永久磁石112と、永久磁石112の内側に回転可能に配置された電機子コア114を含む電機子113とを備え、永久磁石112の最大エネルギー積が100kJ/m3以下の範囲であって、永久磁石112の外径が58〜66mmの範囲内であって、永久磁石112の半径方向の厚みが1〜4mmの範囲であって、隣接するN極領域120とS極領域121の間の磁極境界122が永久磁石112の軸線方向123に対して15〜25°のスキュー122を有し、及び/又は、N極領域120とS極領域121の各々が25〜55%の表面磁束密度が最大となる領域124を有する。

Description

本発明は、コギングトルクを抑制し、電磁振動を低減する直流モータに関するものである。
特許文献1の直流モータは、円筒状のヨークに間隙をおいて等分にされた複数のマグネットで4n磁極(nは3の倍数を除く自然数)を構成するマグネットヨークを備え、複数のマグネットの内周側には、等間隔で複数の溝部が形成されると共に、各マグネットには少なくとも一つ以上の非磁束部が形成され、非磁束部を境に両側は異極とされ、各マグネットは、溝部と同じ幅及び角度で間隙を置いて配置され、各間隙と各溝部は、円周方向に沿って同じ幅及び角度で形成されている。
特許文献2の小型モータは、モータケースの内周面に4極以上の複数極の界磁マグネットを備え、複数極の界磁マグネットは、径方向に所定厚さ及びスラスト方向に所定長さを有する全体的にはリング形状に一体に形成したマグネット材に対して、周方向にS極とN極を交互に径方向に着磁され、S極とN極との間において、径方向外周側を切除することにより径方向厚さが薄くなった薄肉部を形成している。
特許文献3の直流モータは、最大エネルギー積が14MGOe(111kJ/m)以上であって、少なくとも4磁極に着磁された中空円筒状の薄肉形状な異方性希土類ボンド磁石である、筐体内周部に配置された永久磁石を備え、モータ筐体外径(直径)をr、異方性希土類ボンド磁石の径方向厚さをd、電磁回転体の半径をa、前記モータ筐体の厚さをwとする時、電磁回転体半径対筐体外径比a/rが0.25以上、0.5未満において、筐体厚さ対磁石厚さ比w/dが1を超え、4以下であり、且つ、磁石厚さ対筐体外径比d/rは0.01以上、0.10以下である。
特許文献4のモータは、ラジアル方向に着磁されている永久磁石からなる磁極と、その内側または外側に配置されている突極を有するコアとを備え、突極数と磁極数の最小公倍数をiとしたときに平衡安定点を基準とする回転角360°/iのコギングトルクの周期の間で4個の変曲点を有するように永久磁石の磁束分布を制御する。
特開2012−227978号公報 特開2008−43031号公報 特許第3480733号公報 特公平7−89728号公報
特許文献1の直流モータにおいては、マグネットヨークは円筒状のヨークに等分にされた複数のマグネットで4n磁極を構成し、複数のマグネットの内周側に等間隔で複数の溝部が形成され、各マグネットは、溝部と同じ幅及び角度で間隙を置いて配置され、各間隙と各溝部は、円周方向に沿って同じ幅及び角度で形成される必要があるために、各マグネットの寸法バラツキ、溝部の加工バラツキ、各マグネットをヨークに貼り付けるための装置のバラツキによる寸法差が生じる。この寸法差によって、該直流モータの運転時に電磁力の変動が発生して、電磁振動の発生原因となる。
特許文献2の小型モータにおいては、複数極の界磁マグネットは、全体的にはリング形状に一体に形成したマグネット材に対して、周方向にS極とN極を交互に径方向に着磁され、S極とN極との間において、径方向外周側を切除することにより径方向厚さが薄くなった薄肉部を形成する必要があるために、薄肉部の切除加工バラツキによる寸法差が生じる。この寸法差によって、該小型モータの運転時に電磁力の変動が発生して、電磁振動の発生原因となる。
特許文献3の直流モータにおいては、永久磁石は、14MGOe以上の大きい最大エネルギー積を有し、異方性希土類ボンド磁石である必要があるために、使用する磁石の種類が限定され、更に、電磁回転体半径対筐体外径比a/rが0.25以上、0.5未満である(筐体外径は電磁回転体半径に対して2倍より大きい)必要があるために、筐体のサイズが大きくなって、直流モータのサイズも大きくなる。また、特許文献3の直流モータの永久磁石においては、コギングトルクを低減することはできない。
特許文献4のモータにおいては、突極数と磁極数の最小公倍数iを使用して、回転角360°/iのコギングトルクの周期の間で4個の変曲点を有するように永久磁石の磁束分布を制御する必要があるために、突極数及び/又は磁極数を増加させた場合に永久磁石に着磁させるための装置の構成が複雑となる。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決して、コギングトルクの抑制を可能にし、且つ、電磁振動の低減を可能にする直流モータを提供することである。
本発明の1つの観点によれば、直流モータが、ヨークハウジングと、ヨークハウジングの内側に配置された筒型の永久磁石であって、その筒型の内周方向に沿ってN極領域及びS極領域が交互に形成されるように着磁された永久磁石と、永久磁石の内側に回転可能に配置された電機子コアを含む電機子であって、電機子コアが半径方向に延伸するように配置された複数のティースを有し、複数のティースの隣り合う2つのティースの間にはスロットが設けられ、導電線が各ティースに巻装されている、電機子と、電機子の一方の端部に配置され、導電線の始端及び終端に接続されている整流子と、整流子に摺接するように配置された複数のブラシとを備え、永久磁石の最大エネルギー積が100kJ/m以下の範囲であって、永久磁石の外径が58mm〜66mmの範囲であって、永久磁石の半径方向の厚みが1mm〜4mmの範囲であって、隣接するN極領域とS極領域の間の境界が永久磁石の軸線方向に対して15°〜25°のスキューを有し、及び/又は、N極領域とS極領域の各々が各領域に対して25%〜55%の最大表面磁束密度を有する。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、永久磁石が、ヨークハウジングの内側に圧入によって配置されている。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、永久磁石が、少なくとも1箇所への接着剤塗布によりヨークハウジングの内側に固定されている。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、永久磁石が、サマリウム系ボンド磁石又はネオジム系ボンド磁石である。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、サマリウム系ボンド磁石がSmFeN系磁石粉を含む。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、ネオジム系ボンド磁石がNdFeB系磁石粉を含む。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、永久磁石の極対数が2である。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、複数のティースの個数が、永久磁石の極対数に対して7倍、9倍、及び11倍のうちの何れかである。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータにおいて、各ティースが複数の電磁鋼板を積層することによって構成されている。
本発明の一具体例によれば、上記直流モータは、自動車用のブロアモータに使用されることができる。
本発明によれば、直流モータのコギングトルクの発生を抑制することができ、且つ、運転時の電磁振動を低減することができる。更に、高保持力の筒型のボンド磁石の採用により永久磁石の薄型化が可能になり軽量化が達成できる。
なお、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
本発明の一実施形態としての直流モータの一方向からの斜視図である。 図1の直流モータの別の方向からの斜視図である。 図1の直流モータの一方向からの側面図である。 図1の直流モータの図3に対してモータ回転軸104を中心にして90°回転させた方向からの側面図である。 図1の直流モータの図4に対してモータ回転軸104を中心にして180°回転させた方向からの側面図である。 図1の直流モータの上面図である。 図1の直流モータの下面図である。 図5のB−B線で切断した図1の直流モータの側部断面図である。 図3のA−A線で切断した図1の直流モータの下部断面図である。 図1の直流モータに使用される永久磁石の4極の着磁領域を有する場合における一実施例を表す概略図である。 図1の直流モータに使用される永久磁石の4極の着磁領域を有する場合における別の実施例を表す概略図である。 図1の直流モータに使用される電機子コアの上面図である。 図12のCの部分の拡大図である。 図12の電機子コアの一方向からの側面図である。 本発明の別の実施形態としての直流モータの一方向からの側面図である。 図15Aの直流モータを、シャフトを中心にして90°回転させた場合の側面図である。 図15Aの直流モータを、シャフトを中心にして図15Bに対して逆に90°回転させた場合の側面図である。 図15Aの直流モータの上面図である。 図15Aの直流モータの下面図である。 図15Aの直流モータを、G−G線で切断した場合の矢印から見た側部断面図である。 図15Aの直流モータの電機子の一方向からの側面図である。 図16Aの電機子の下面図である。 図16Aの電機子の上面図である。 図15Aの直流モータの上部ブラケットの一方向からの側面図である。 図17Aの上部ブラケットの上面図である。 図17Aの上部ブラケットの下面図である。 上部ブラケットの別の実施例の下面図である。 図15Aの直流モータのヨークハウジングの一方向からの側面図である。 図18Aのヨークハウジングの内側に永久磁石を配置した場合の上面図である。 図18Aのヨークハウジングを、H−H線で切断した場合の矢印から見た側部断面図である。 本発明の一実施形態としての着磁装置の、ヨークハウジングを配置し、シャフトが時計方向に回転するように永久磁石を着磁する場合の一方向からの側面図である。 図19Aの着磁装置に配置されたヨークハウジングを、I−I線で切断した場合の矢印から見た断面図である。 シャフトが時計方向に回転するように永久磁石を4極に着磁した場合の上面図である。 図19Cのように永久磁石を4極に着磁した場合の角度に対する表面磁束密度の一実施例としての着磁波形を示す図である。 図19Aの着磁装置の、ヨークハウジングを配置し、シャフトが反時計方向に回転するように永久磁石を着磁する場合の一方向からの側面図である。 図19Eの着磁装置に配置されたヨークハウジングを、J−J線で切断した場合の矢印から見た断面図である。 シャフトが反時計方向に回転するように永久磁石を4極に着磁した場合の上面図である。 図19Gのように永久磁石を4極に着磁した場合の角度に対する表面磁束密度の一実施例としての着磁波形を示す図である。 永久磁石を4極に着磁する場合における一実施例を表す概略図である。 永久磁石を4極に着磁する場合における別の実施例を表す概略図である。 図15Aの直流モータの時計方向回転用ブラシの斜視図である。 図20Aの時計方向回転用ブラシの一方向からの側面図である。 図20Aの時計方向回転用ブラシと整流子との間の摺接を示す上面図である。 図15Aの直流モータの反時計方向回転用ブラシの斜視図である。 図20Dの反時計方向回転用ブラシの一方向からの側面図である。 図20Dの反時計方向回転用ブラシと整流子との間の摺接を示す上面図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1〜14を参照して、本発明の直流モータの一実施形態を説明する。
直流モータ101は、上部に開口部を有するヨークハウジング102と、ヨークハウジング102とは互いの端部にて嵌合してヨークハウジング102の上部の開口部を覆ってエンドハウジングを構成する上部ブラケット103(ヨークハウジング102に対して上部ブラケット103が配置されている方向を上とする)を備える。直流モータ101は、ヨークハウジング102と上部ブラケット103との間から外方に延びている、直流モータ101を駆動するための電流を供給する外部電源接続端子106を備える。上部ブラケット103の上部の中心には、モータ回転軸104が外部に突出することを可能にする上部開口部105が設けられていてもよい。ヨークハウジング102の下部の中心には、モータ回転軸104が外部に突出することを可能にする下部開口部108が設けられていてもよい。また、ヨークハウジング102の下部には、直流モータ101をねじ止めしてモータホルダ等に固定するためのねじ穴107が設けられていてもよい。
図8に示すように、直流モータ101のヨークハウジング102と上部ブラケット103で形成される内部には、電機子113がモータ回転軸104を中心にしてモータ回転軸104とともに回転可能に収容されている。モータ回転軸104は、上部ブラケット103の上部中心及びヨークハウジング102の下部中心とそれぞれに配置されている、同心円状の上部軸受部109及び下部軸受部110により回転可能に支持されている。ヨークハウジング102の内側には、電機子113を取り囲むように、一体化された筒型(リング状)の永久磁石112が配置されている。永久磁石112は、中空を有する円柱(円筒型)であってもよいし、中空を有する正多角柱であってもよい。複数の永久磁石をヨークハウジング102の内側に貼り付ける場合においては、各永久磁石の寸法バラツキ及び各永久磁石の貼り付け装置のバラツキによる寸法差が生じ、この寸法差によって電機子の回転時における電磁力の変動が生じ、電磁振動の発生原因となっていた。しかし、永久磁石112を筒型に一体化とすることにより、この寸法差を解消することができるため、電機子113の回転時における電磁力の変動を低減して、電磁振動を抑制することができ、また、永久磁石112をヨークハウジング102に貼り付けるための工数を削減することができる。図10、図11に示すように、一体化された筒型の永久磁石112は半径方向(ラジアル方向)や極異方性等に着磁され、筒型の永久磁石112の内周方向に沿って分極されたN極領域120及びS極領域121が交互に形成されている。なお、永久磁石112への着磁は、永久磁石112がヨークハウジング102の内側に配置された後が好ましい。電機子113の一方の端部には、モータ回転軸104を中心として、モータ回転軸104と一体で回転する同心円状の整流子111が配置されている。整流子111の周囲に配置された複数のブラシ117が、モータ回転軸104の略中心方向に押圧されて、整流子111の外面と各ブラシ117の内面とが摺接するようになっている。整流子111は、電機子113に巻装される導電線の始端及び終端に接続されている。
ヨークハウジング102と上部ブラケット103で形成される内部に収容されている電機子113は、図9に示すように、ヨークハウジング102の内側に配置された永久磁石112の内側に回転可能に配置された電機子コア114を含む。電機子コア114は、半径方向に延伸するように配置された複数のティース115を有し、複数のティース115の隣り合う2つのティース115の間にはスロット116が設けられ、導電線(巻線)が各ティース115に巻装されている。
図示しない外部電源から外部電源接続端子106、ブラシ117、そして整流子111を介して電機子113の電機子コア114を構成する複数のティース115に巻装された導電線に電流が供給されると、電機子113はモータ回転軸104を中心にして回転駆動する。
外部電源接続端子106とブラシ117との間には、チョークコイル118が直列に接続されていてもよい。また、キャパシタ119が、2つの外部電源接続端子106(陽極側、陰極側)間に接続されていてもよい。外部電源接続端子106、チョークコイル118、キャパシタ119は、外部電源の電力供給端子と接続してその電力を適正にブラシ117に伝える電気接続回路の役割に加えて雑音防止素子としてノイズ除去の役割を有しているものである。従って、直流モータ101の特性に応じて適正な電力を外部電源から外部電源接続端子106を介してブラシ117に供給できるものであれば、チョークコイル118、キャパシタ119は接続されていなくてもよい。
直流モータ101の小型化、且つ軽量化を達成し、直流モータ101全体の物理的なバランスを考慮するとともに、直流モータ101の性能を維持するためには、例えば以下のような、永久磁石112の最大エネルギー積及び寸法を採用することが望ましい。永久磁石112の最大エネルギー積は、100kJ/m以下の範囲であることが望ましい。また、永久磁石112の最大エネルギー積は、80kJ/m以上の範囲であることが望ましい。
更に、一体化された筒型の永久磁石112の外径(直径)は、58〜66mmの範囲であることが望ましい。また、永久磁石112の半径方向の厚みは、1〜4mmの範囲であること、好ましくは、1.5〜3.5mmの範囲であることが望ましく、周方向に沿って概一定であることが望ましい。このように厚みを薄くすることにより永久磁石112を軽量化し、更には直流モータ101を軽量化することができる。なお、永久磁石112が収容されている部分のヨークハウジング102の外径は、62〜70mmの範囲であることが望ましい。また、ヨークハウジング102の半径方向の厚みは、1〜3mmの範囲であること、好ましくは、1.5〜2.5mmの範囲であることが望ましく、周方向に沿って概一定であることが望ましい。
図10に、一体化された筒型の永久磁石112の着磁態様の一実施例を示す。上図が、永久磁石112を斜視した場合の永久磁石112の内面側(電機子コア114側)におけるN極又はS極に着磁されている領域を示し、下図が、永久磁石112を上面から見た場合の永久磁石112の内側(電機子コア114側)におけるN極又はS極に着磁されている領域を示す。図10においては、永久磁石112は、4極の着磁領域を有し(極対数は2)、筒型の内周方向に沿って電機子コア114側(永久磁石112の内面側)にN極領域(120)及びS極領域(121)が交互に形成されるように、半径方向や極異方性等に着磁されている。なお、図10においては、永久磁石112は4極の着磁領域を有するが、6極以上(3以上の極対数)の着磁領域を有していてもよい。隣接するN極領域(120)とS極領域(121)との間の磁極境界122においては、筒型の永久磁石112の軸線方向123に対してθの角度を有するスキュー(傾き)が生じるように着磁されていてもよい。角度θは、15°〜25°であること、好ましくは、20°であることが望ましい。20°のスキューを有するように着磁することによって、スキューを有しない場合(θ=0°)と比較すると、コギングトルクを約1/45に低減することができる。なお、図10の磁極境界122は、直線状のスキューを有するようになっているが、平均して所望の角度θになるように曲線状のスキューを有していてもよい。
また、図11に、一体化された筒型の永久磁石112の着磁態様の別の実施例を示す。上図が、永久磁石112を斜視した場合の永久磁石112の内面側(電機子コア114側)におけるN極又はS極に着磁されている領域を示し、下図が、永久磁石112を上面から見た場合の永久磁石112の内面側(電機子コア114側)におけるN極又はS極に着磁されている領域を示す。図11においては、永久磁石112は、4極の着磁領域を有し(極対数は2)、筒型の内周方向に沿って電機子コア114側(永久磁石112の内面側)にN極領域120及びS極領域121が交互に形成されるように、半径方向や極異方性等に着磁されている。なお、図11においては、永久磁石112は4極の着磁領域を有するが、6極以上(3以上の極対数)の着磁領域を有していてもよい。N極領域120、S極領域121の各々において、中央部分124は表面磁束密度が最大となる領域であり、中央部分124のN極領域120、S極領域121の各々に占める割合は約25%〜55%である。このように磁極中央部分に表面磁束密度が最大となる領域を設けることによって、周方向の磁気変動を緩和し全領域の表面磁束密度を最大に着磁する場合と比較すると、コギングトルクを約1/60に低減することができる。
なお、永久磁石112は、上記のように磁極境界122においては角度θのスキューを有するように着磁される一方で、N極領域120、S極領域121の各々のうちの中央部分においてフル着磁されていてもよい。
永久磁石112は、ヨークハウジング102の内側にどのように配置されてもよいが、圧入によって配置されることが好ましい。また、圧入後のずれを防止するため、少なくとも1箇所において接着剤による固定をしておくことが好ましい。
永久磁石112としては、サマリウム系ボンド磁石又はネオジム系ボンド磁石がある。サマリウム系ボンド磁石によれば、最大エネルギー積((BH)MAX)は92〜99kJ/m、残留磁束密度(B)は700〜750mT、B−H減磁曲線上での保磁力(HcB)は485〜535kA/m、J−H減磁曲線上での保磁力(HcJ)は860〜940kA/mである。ネオジム系ボンド磁石によれば、最大エネルギー積((BH)MAX)は87〜97kJ/m、残留磁束密度(B)は720〜790mT、B−H減磁曲線上での保磁力(HcB)は470〜530kA/m、J−H減磁曲線上での保磁力(HcJ)は950〜1050kA/mである。永久磁石112として、サマリウム系ボンド磁石又はネオジム系ボンド磁石を使用すれば、永久磁石112の最大エネルギー積を、80〜100kJ/m以下の範囲とすることができる。なお、サマリウム系ボンド磁石は、SmFeN系磁石粉を含み、ネオジム系ボンド磁石は、NdFeB系磁石粉を含んでいてもよい。高保持力の磁石を採用することによって、永久磁石112の薄型化が可能になって軽量化が達成できる。
図12に示すように、電機子コア114には、電機子コア114の中心部から半径方向に延伸するように配置された複数のティース115が周方向に沿って等間隔で形成されている。これにより、隣り合う2つのティース115の間にはスロット114が等間隔に設けられる。電機子コア114の寸法は、例えば、最大外周の直径Dを略57mm、中心部の直径Eを略21mmとしている。各ティース115の長さは、(D−E)/2で規定され、略18mmである。また、図13に示すように、各ティース115の半径方向外側の端部は略T字状に形成されている。
電機子コア114を構成するティース115の個数は、永久磁石112の極対数に対して7倍、9倍、及び11倍のうちの何れかになるように決定されてもよい。図9〜図14においては、永久磁石112の極対数は2であるのに対して、ティース115の個数は、2の9倍の18である。これにより磁極境界122を通過するティース115に生じるコギングトルクの発生タイミングをずらすことができ、振動や騒音を低減しつつ多スロット化を図り、即ちモータの高出力化を図ることができる。
電機子コア114、すなわち各ティース115は、電機子コア114の軸線方向(上下方向)に薄肉の板状の複数の電磁鋼板を層状に重ねることによって構成されることができる。図14の電機子コア114においては、厚さ略0.5mmの電磁鋼板を34枚積層することによって、厚さFを略17mmとしている。電機子コア114において、ティース115の個数、すなわちスロット116の個数を比較的多くし、ティース115の長さを、電機子コア114の中心から電機子コア114のティース115の半径方向外側の端部までの電機子コア114の半径に対して所定の割合以上、好ましくは1/2以上として、電機子コア114の全体の領域に対して比較的広い領域をスロット116が占めるようにすることによって、できるだけ多くの導電線がティース115に巻装されるようにすることができる。
電機子コア114の軸線方向(上下方向)及び半径方向に延伸するように設けられた複数のスロット116を跨いで複数のティース115に導電線がコイル状に巻装されることによって、電機子113は形成されている。導電線の補強及び絶縁のためにワニス等が電機子113に塗布されてもよい。電機子コア114に巻装された導電線の始端及び終端は、整流子111に接続されている。
直流モータ101は、例えば、自動車用のブロアモータに使用されることができる。特に本発明によるブロアモータは、小型化、且つ軽量化を達成できるので、載置スペースが限られている小型車に好適である。
図15A〜図20Fを参照して、本発明の直流モータの別の実施形態を説明する。
図15A〜図15Fに示すように、直流モータ201は、上部に開口部を有するヨークハウジング202と、ヨークハウジング202とは互いの端部にて嵌合してヨークハウジング202の上部の開口部を覆ってエンドハウジングを構成する上部ブラケット203(ヨークハウジング202に対して上部ブラケット203が配置されている方向を上とする)を備える。直流モータ201は、ヨークハウジング202と上部ブラケット203との間から外方に延びている、直流モータ201を駆動するための電流を供給する外部電源接続端子206を備える。上部ブラケット203には、ブラシを収容するためのブラシホルダ209が設けられている。上部ブラケット203の上部の中心には、シャフト204が外部に突出することを可能にする上部開口部205が設けられていてもよい。ヨークハウジング202の下部の中心には、シャフト204が外部に突出することを可能にする下部開口部208が設けられていてもよい。また、ヨークハウジング202の下部には、直流モータ201をねじ止めしてモータホルダ等に固定するためのねじ穴207が設けられていてもよい。なお、図15Dに示すように、直流モータ201を上部から見てシャフト204の右回りの回転を時計方向回転(CW回転)、シャフト204の左回りの回転を反時計方向回転(CCW回転)とする。
図15Fに示すように、直流モータ201のヨークハウジング202と上部ブラケット203で形成される内部には、電機子214がシャフト204を中心にしてシャフト204とともに回転可能に収容されている。シャフト204は、上部ブラケット203の上部中心及びヨークハウジング202の下部中心とそれぞれに配置されている、同心円状の上部軸受部210及び下部軸受部211により回転可能に支持されている。ヨークハウジング202の内側には、電機子214を取り囲むように、一体化された筒型(リング状)の永久磁石213が配置されている。永久磁石213は、中空を有する円柱(円筒型)であってもよいし、中空を有する正多角柱であってもよい。複数の永久磁石をヨークハウジング202の内側に貼り付ける場合においては、各永久磁石の寸法バラツキ及び各永久磁石の貼り付け装置のバラツキによる寸法差が生じ、この寸法差によって電機子の回転時における電磁力の変動が生じ、電磁振動の発生原因となっていた。しかし、永久磁石213を筒型に一体化とすることにより、この寸法差を解消することができるため、電機子214の回転時における電磁力の変動を低減して、電磁振動を抑制することができ、また、永久磁石213をヨークハウジング202に貼り付けるための工数を削減することができる。
図16A〜図16Cに示すように、ヨークハウジング202と上部ブラケット203で形成される内部に収容されている電機子214は、ヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213の内側に回転可能に配置された電機子コア215を含む。電機子コア215は、半径方向に延伸するように配置された複数のティース216を有し、複数のティース216の隣り合う2つのティース216の間に設けられたスロットを通って、導電線(巻線)217が各ティース216を跨ぐようにしてコイル状に巻装されている。この例ではティース216を4個跨いで複数回巻回され各単位巻線を構成している。また、シャフト204上にはシャフト204を中心として、シャフト204と一体で回転する同心円状の整流子212が配置されている。整流子212はその外面にティース216と同数の整流子片(セグメント)を有し、電機子コア215に巻装される各単位巻線を構成している導電線217の始端及び終端に接続されている。そして、直流モータ201が組み立てられたとき、整流子212の周囲に配置されたブラシホルダ209に収容されたブラシが、シャフト204の略中心方向に押圧されて、整流子212の外面とブラシの内面とが摺接するようになっている。図示しない外部電源から外部電源接続端子206、ブラシホルダ209に収容されたブラシ、そして整流子212を介して電機子214の電機子コア215を構成する複数のティース216に巻装された導電線217に電流が供給されると、電機子214はシャフト204を中心にして回転駆動する。
複数のティース216は、電機子コア215の中心部から半径方向に延伸するように、周方向に沿って等間隔に配置されている。電機子コア215を構成するティース216の個数は、永久磁石213の極対数に対して7倍、9倍、及び11倍のうちの何れかになるように決定されてもよい。永久磁石213の極対数は2であれば、図16A〜図16Cに示すように、ティース216の個数は、2の9倍の18である。これにより、永久磁石213の磁極境界を通過するティース216に生じるコギングトルクの発生タイミングをずらすことができ、振動や騒音を低減しつつ多スロット化を図り、即ちモータの高出力化を図ることができる。なお、電機子コア215、すなわち各ティース216は、電機子コア215の軸線方向(上下方向)に薄肉の板状の複数の電磁鋼板を層状に重ねることによって構成されていてもよい。電機子コア215において、ティース216の個数を比較的多くし、ティース216の長さを、電機子コア215の中心から電機子コア215のティース216の半径方向外側の端部までの電機子コア215の半径に対して所定の割合以上、好ましくは1/2以上とすることによって、できるだけ多くの導電線217がティース216に巻装されるようにしてもよい。
図17A〜図17Cに、直流モータ201の上部ブラケット203の一実施例を示す。上部ブラケット203は、外方に延びて、電流を供給するための外部電源接続端子206、及びブラシを収容するためのブラシホルダ209を備える。また、図17Dに、チョークコイル226が外部電源接続端子206とブラシとの間に直列に接続可能であって、キャパシタ227が2つの外部電源接続端子206(陽極側、陰極側)間に接続されている、上部ブラケット203の別の実施例を示す。外部電源接続端子206、チョークコイル226、キャパシタ227は、外部電源の電力供給端子と接続してその電力を適正にブラシに伝える電気接続回路の役割に加えて雑音防止素子としてノイズ除去の役割を有しているものである。なお、直流モータ201の特性に応じて適正な電力を外部電源から外部電源接続端子206を介してブラシに供給できるものであれば、図17A〜図17Cのように、チョークコイル226、又はキャパシタ227は接続されていなくてもよい。
図18A〜図18Cに、直流モータ201に使用されることができるヨークハウジング202を示す。ヨークハウジング202は、ヨークハウジング202の内側に配置された筒型の永久磁石213を備える。永久磁石213は、ヨークハウジング202の内側にどのように配置されてもよいが、圧入によって配置されることが好ましい。また、圧入後のずれを防止するため、ヨークハウジング202の少なくとも1箇所において接着剤を塗布し、接着材による固定をしておくことが好ましい。
図19A〜図19Jに、図18A〜図18Cに示されたヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213を着磁する態様の一実施例を示す。まず図19A〜図19Dに、シャフト204を時計方向のみに回転させることができる直流モータ201のヨークハウジング202の永久磁石213を着磁する態様を示す。図19A、図19Bに示すように、着磁装置301は、着磁ヨーク302、及びヨークハウジング位置決めプレート303を備える。ヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213が、着磁ヨーク302の外周面を囲むように配置される。着磁ヨーク302は、永久磁石213の内周面を筒型の内周方向に沿って複数の区分218〜221に分けて、永久磁石213を半径方向(ラジアル方向)や極異方性等に着磁し、永久磁石213の内周方向に沿って分極されたN極の区分及びS極の区分を交互に形成する。
シャフト204が回転する方向は、電機子214に巻装される導電線217に流れる電流を給電するブラシ、及び内周方向に沿って複数の区分218〜221に分けて着磁された永久磁石213の位置関係によって決定される。シャフト204を時計方向のみに回転させるように永久磁石213を着磁する場合には、例えば図19Aに示すように、ブラシの位置に関連付けてヨークハウジング202をヨークハウジング位置決めプレート303に固定して、そして、例えば図19Bに示すように、着磁ヨーク302は、ブラシの位置に関連付けられたヨークハウジング202を基準として、ヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213を着磁することができる。図19Bにおいては、着磁ヨーク302は、第1の区分218及び第4の区分221をN極に着磁して、磁極境界224を境に第1の区分218及び第4の区分221に隣接する第2の区分219及び第3の区分220をS極に着磁して極対数が2であるように着磁している。また、第1の区分218及び第4の区分221のそれぞれの少なくとも一部をN極に着磁して、第2の区分219及び第3の区分220のそれぞれの少なくとも一部をS極に着磁してもよい。なお、少なくとも一部とは、各区分の中央部分であってもよい。
このようにして、図19Cに示すように、ヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213は、ブラシの位置に関連付けられたヨークハウジング202を基準として筒型の内周方向に沿って内周面を複数の区分218〜221に分けられ、隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように着磁される。また、電機子コア215に巻装される導電線217の巻数が大きい場合にはインダクタンスが大きくなるため、整流子212の整流子片(セグメント)とブラシとの間の摺接部分の切り換わりによって生じる導電線217での転流から、実際に電流が電機子214に流れ始める時間は遅延する。特に電機子214を高速に回転させる場合にはその影響が大きくなる。この転流のタイミングを早めてこの遅延を補正するために、シャフト204の回転方向とは逆方向に永久磁石213の着磁位置に対してブラシを、すなわちシャフト204の回転方向と同じ方向に、整流子212とブラシとの間の摺接部分に対して永久磁石213の着磁される複数の区分218〜221の位置を移動させてもよい。図19Cにおいては、シャフト204が時計方向に回転しているので、永久磁石213の着磁される第1〜4の区分218〜221の位置を、整流子212とブラシとの間の摺接部分に対して進角222を有するように時計方向に移動させている。図19Dに、ヨークハウジング202の周方向の角度に対する永久磁石213の内周面に着磁された表面磁束密度を示す。第1の区分218及び第4の区分221の中央部分の表面磁束密度がN極の最大となり、第2の区分219及び第3の区分220の中央部分の表面磁束密度がS極の最大となるように、永久磁石213は着磁されている。なお、第1の区分218にある0°周辺は既にN極に着磁されており、約5°の進角を有するように永久磁石213は着磁されている。
次に図19E〜図19Hに、シャフト204を反時計方向のみに回転させることができる直流モータ201のヨークハウジング202の永久磁石213を着磁する態様を示す。図19E、図19Fに示すように、着磁装置301は、着磁ヨーク302、及びヨークハウジング位置決めプレート303を備える。ヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213が、着磁ヨーク302の外周面を囲むように配置される。着磁ヨーク302は、永久磁石213の内周面を筒型の内周方向に沿って複数の区分218〜221に分けて、永久磁石213を半径方向(ラジアル方向)や極異方性等に着磁し、永久磁石213の内周方向に沿って分極されたS極の区分及びN極の区分を交互に形成する。
シャフト204が回転する方向は、電機子214に巻装される導電線217に流れる電流を給電するブラシ、及び内周方向に沿って複数の区分218〜221に分けて着磁された永久磁石213の位置関係によって決定される。シャフト204を反時計方向のみに回転させるように永久磁石213を着磁する場合には、例えば図19Eに示すように、ブラシの位置に関連付けてヨークハウジング202をヨークハウジング位置決めプレート303に固定して、そして、例えば図19Fに示すように、着磁ヨーク302は、ブラシの位置に関連付けられたヨークハウジング202を基準として、ヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213を着磁することができる。図19Fにおいては、着磁ヨーク302は、第1の区分218及び第4の区分221をS極に着磁して、磁極境界224を境に第1の区分218及び第4の区分221に隣接する第2の区分219及び第3の区分220をN極に着磁して極対数が2であるように着磁している。また、第1の区分218及び第4の区分221のそれぞれの少なくとも一部をS極に着磁して、第2の区分219及び第3の区分220のそれぞれの少なくとも一部をN極に着磁してもよい。
このようにして、図19Gに示すように、ヨークハウジング202の内側に配置された永久磁石213は、ブラシの位置に関連付けられたヨークハウジング202を基準として筒型の内周方向に沿って内周面を複数の区分218〜221に分けられ、隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように着磁される。また、電機子コア215に巻装される導電線217の巻数が大きい場合にはインダクタンスが大きくなるため、整流子212の整流子片(セグメント)とブラシとの間の摺接部分の切り換わりによって生じる導電線217での転流から、実際に電流が電機子214に流れ始める時間は遅延する。特に電機子214を高速に回転させる場合にはその影響が大きくなる。この転流のタイミングを早めてこの遅延を補正するために、シャフト204の回転方向とは逆方向に永久磁石213の着磁位置に対してブラシを、すなわちシャフト204の回転方向と同じ方向に、整流子212とブラシとの間の摺接部分に対して永久磁石213の着磁される複数の区分218〜221の位置を移動させてもよい。図19Gにおいては、シャフト204が反時計方向に回転しているので、永久磁石213の着磁される第1〜4の区分218〜221の位置を、整流子212とブラシとの間の摺接部分に対して進角222を有するように反時計方向に移動させている。図19Hに、ヨークハウジング202の周方向の角度に対する永久磁石213の内周面に着磁された表面磁束密度を示す。第1の区分218及び第4の区分221の中央部分の表面磁束密度がS極の最大となり、第2の区分219及び第3の区分220の中央部分の表面磁束密度がN極の最大となるように、永久磁石213は着磁されている。なお、第2の区分219にある0°周辺は未だN極に着磁されており、約5°の進角を有するように永久磁石213は着磁されている。図19Cと図19Gを比較すると、シャフト204を時計方向のみに回転させることができる直流モータ201のヨークハウジング202の永久磁石213を着磁する態様とシャフト204を反時計方向のみに回転させることができる直流モータ201のヨークハウジング202の永久磁石213を着磁する態様において、各区分218〜221の位置は、進角222の関係上ずれているが(図19Cと図19Gの場合、互いに対して10°)、概ね同じである。なお、進角は、360°/スロット数(ティース数)/極数によって決定されてもよい。
シャフト204を時計方向のみに回転させることができる直流モータ201に使用されるヨークハウジング202、及びシャフト204を反時計方向のみに回転させることができる直流モータ201に使用されるヨークハウジング202は、同一の形状のものとすることができる。また、シャフト204を時計方向のみに回転させることができる直流モータ201に使用される永久磁石213、及びシャフト204を反時計方向のみに回転させることができる直流モータ201に使用される永久磁石213も、同一の形状であり、ヨークハウジング202への配置位置も同一とすることができる。又、永久磁石213が配置されたヨークハウジング202は、着磁前の状態において共通化することができる。従って、上記のように永久磁石213に着磁される態様を変えるのみによって、時計方向回転及び反時計方向回転の直流モータ201に使用される、内側に永久磁石213が配置されたヨークハウジング202を提供することができる。
図19Iに、筒型の永久磁石213の着磁態様の一実施例を示す。上図が、永久磁石212を斜視した場合の永久磁石213の内面側(電機子コア215側)を隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように分けられた複数の区分218〜221を示し、下図が、永久磁石213を上面から見た場合の永久磁石213の内面側(電機子コア215側)を隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように分けられた複数の区分218〜221を示す。図19Iにおいては、永久磁石213は、4極の着磁領域を有し(極対数は2)、筒型の内周方向に沿って電機子コア215側(永久磁石213の内面側)に、例えば、第1の区分218がN極、第2の区分219がS極、第4の区分221がN極、第3の区分220がS極のように、隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように、各区分は半径方向や極異方性等に着磁されている。なお、図19Iにおいては、永久磁石213は4極の着磁領域を有するが、6極以上(3以上の極対数)の着磁領域を有していてもよい。隣接する2つの区分の間の磁極境界224においては、筒型の永久磁石213の軸線方向223に対してθの角度を有するスキュー(傾き)が生じるように着磁されていてもよい。角度θは、15°〜25°であること、好ましくは、20°であることが望ましい。20°のスキューを有するように着磁することによって、スキューを有しない場合(θ=0°)と比較すると、コギングトルクを約1/45に低減することができる。なお、図19Iの磁極境界224は、直線状のスキューを有するようになっているが、平均して所望の角度θになるように曲線状のスキューを有していてもよい。
また、図19Jに、筒型の永久磁石213の着磁態様の別の実施例を示す。上図が、永久磁石213を斜視した場合の永久磁石213の内面側(電機子コア215側)を隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように分けられた複数の区分218〜221を示し、下図が、永久磁石213を上面から見た場合の永久磁石213の内面側(電機子コア215側)を隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように分けられた複数の区分218〜221を示す。図19Jにおいては、永久磁石213は、4極の着磁領域を有し(極対数は2)、筒型の内周方向に沿って電機子コア215側(永久磁石213の内面側)に、例えば、第1の区分218がN極、第2の区分219がS極、第4の区分221がN極、第3の区分220がS極のように、隣接する区分の磁気極性が互いに反対になるように、各区分は半径方向や極異方性等に着磁されている。なお、図19Jにおいては、永久磁石213は4極の着磁領域を有するが、6極以上(3以上の極対数)の着磁領域を有していてもよい。第1〜第4の区分218〜221の各々において、中央部分225は表面磁束密度が最大となる領域であり、中央部分225の第1〜第4の区分218〜221の各々に占める割合は約25%〜55%である。このように各区分の中央部分225に表面磁束密度が最大となる領域を設けることによって、全領域の表面磁束密度を最大に着磁する場合と比較すると、コギングトルクを約1/60に低減することができる。
なお、永久磁石213は、上記のように磁極境界224においては角度θのスキューを有するように着磁される一方で、第1〜第4の区分218〜221の各々のうちの中央部分225において表面磁束密度が最大になるように着磁されていてもよい
図20A〜図20Cに、シャフト204を時計方向に回転させることができる直流モータ201に使用される時計方向回転用ブラシ228の一実施例を示す。また、図20D〜図20Fに、シャフト204を反時計方向に回転させることができる直流モータ201に使用される反時計方向回転用ブラシ229の一実施例を示す。時計方向回転用ブラシ228及び反時計方向回転用ブラシ229は、整流子212に摺接して、電機子214に巻装された導電線217に電流を流すための摺接部分230と、シャフト204の回転方向側のブラシホルダ209の側壁にブラシ228を当接させて自励振動を抑制して、騒音抑制に荷担させるためのテーパ部分231とを備える。テーパ部分231は、シャフト204の回転方向側のブラシホルダ209の側壁に当接する部分のブラシの寸法を長くしてテーパ形状にしたものであって、図示しないブラシスプリングによってブラシを押圧してその側壁に押し付けるためのものである。従って、時計方向回転用ブラシ228及び反時計方向回転用ブラシ229は、シャフト204の回転方向によってテーパ部分231において異なる形状を有する。このように、シャフト204を時計方向に回転させることができる直流モータ201、及びシャフト204を反時計方向に回転させることができる直流モータ201は、ヨークハウジング202、永久磁石213、電機子214、整流子212、ブラシホルダ209が設けられた上部ブラケット203、外部電源接続端子206(すなわちブラシ以外)については同一の形状を有し、ヨークハウジング202、永久磁石213、電機子214、整流子212、上部ブラケット203、外部電源接続端子206については部品を共通化することができる。更に、永久磁石213を配置したヨークハウジング202は着磁前の状態において共通化することができ、部品の管理や回転方向に応じた製造管理は容易となる。
このような、シャフトを時計方向及び反時計方向のうちのいずれか一方のみに回転させることができる直流モータ201は、回転方向に応じて廉価に製造できると共に運転時の電磁振動を抑制できるので、例えば、自動車用のブロアモータに使用されることができる。特に本発明によるブロアモータは、高保持力の筒型の永久磁石213を採用することにより小型化、且つ軽量化を達成できるので、載置スペースが限られている小型車に好適である。
なお、直流モータ201において、シャフト204を上部開口部205又は下部開口部208より突出させることによってシャフト204の回転方向は逆になり得、着磁極性は上記実施例に限定される必要はなく、それぞれ逆極性に着磁してもよい。
上記記載は特定の実施例についてなされたが、本発明はそれに限らず、本発明の原理と添付の特許請求の範囲の範囲内で種々の変更及び修正をすることができることは当業者に明らかである。
101 直流モータ
102 ヨークハウジング
103 上部ブラケット
104 モータ回転軸
105 上部開口部
106 外部電源接続端子
107 ねじ穴
108 下部開口部
109 上部軸受部
110 下部軸受部
111 整流子
112 永久磁石
113 電機子
114 電機子コア
115 ティース
116 スロット
117 ブラシ
118 チョークコイル
119 キャパシタ
120 N極領域
121 S極領域
122 磁極境界
123 軸線方向
124 中央部分
201 直流モータ
202 ヨークハウジング
203 上部ブラケット
204 シャフト
205 上部開口部
206 外部電源接続端子
207 ねじ穴
208 下部開口部
209 ブラシホルダ
210 上部軸受部
211 下部軸受部
212 整流子
213 永久磁石
214 電機子
215 電機子コア
216 ティース
217 導電線
218 第1の区分
219 第2の区分
220 第3の区分
221 第4の区分
222 進角
223 軸線方向
224 磁極境界
225 中央部分
226 チョークコイル
227 キャパシタ
228 時計方向回転用ブラシ
229 反時計方向回転用ブラシ
230 摺接部分
231 テーパ部分
301 着磁装置
302 着磁ヨーク
303 ヨークハウジング位置決めプレート

Claims (10)

  1. ヨークハウジングと、
    前記ヨークハウジングの内側に配置された筒型の永久磁石であって、前記筒型の内周方向に沿ってN極領域及びS極領域が交互に形成されるように着磁された永久磁石と、
    前記永久磁石の内側に回転可能に配置された電機子コアを含む電機子であって、前記電機子コアが半径方向に延伸するように配置された複数のティースを有し、前記複数のティースの隣り合う2つのティースの間にはスロットが設けられ、導電線が各ティースに巻装されている、電機子と、
    前記電機子の一方の端部に配置された整流子であって、前記導電線の始端及び終端に接続されている整流子と、
    前記整流子に摺接するように配置された複数のブラシと、
    を備える直流モータであって、
    前記永久磁石の最大エネルギー積が100kJ/m以下の範囲であって、
    前記永久磁石の外径が58mm〜66mmの範囲であって、前記永久磁石の半径方向の厚みが1mm〜4mmの範囲であって、
    隣接する前記N極領域と前記S極領域の間の境界が前記永久磁石の軸線方向に対して15°〜25°のスキューを有し、及び/又は、前記N極領域と前記S極領域の各々の最大表面磁束密度が各領域の25%〜55%の範囲を有する、直流モータ。
  2. 前記永久磁石が、前記ヨークハウジングの内側に圧入によって配置されている、請求項1に記載の直流モータ。
  3. 前記永久磁石が、少なくとも1箇所への接着剤塗布により前記ヨークハウジングの内側に固定されていることを特徴とする、請求項2に記載の直流モータ。
  4. 前記永久磁石が、サマリウム系ボンド磁石又はネオジム系ボンド磁石である、請求項1から請求項3の何れかに記載の直流モータ。
  5. 前記サマリウム系ボンド磁石がSmFeN系磁石粉を含む、請求項4に記載の直流モータ。
  6. 前記ネオジム系ボンド磁石がNdFeB系磁石粉を含む、請求項4に記載の直流モータ。
  7. 前記永久磁石の極対数が2である、請求項1〜6の何れか一項に記載の直流モータ。
  8. 前記複数のティースの個数が、前記永久磁石の極対数に対して7倍、9倍、及び11倍のうちの何れかである、請求項1〜7の何れか一項に記載の直流モータ。
  9. 各ティースが複数の電磁鋼板を積層することによって構成されている、請求項1〜8の何れか一項に記載の直流モータ。
  10. 自動車用のブロアモータに使用されることができる、請求項1〜9の何れか一項に記載の直流モータ。
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