JPWO2018198648A1 - スクロール圧縮機の製造方法 - Google Patents

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Abstract

スクロール圧縮機の製造方法は、テーブル(30)と、テーブル(30)に設けられ、テーブル(30)に工作対象物を保持させる工作対象物固定部(40)と、工作対象物を切削する切削工具を保持する工具把持部(23)と、を備える工作機械(1)を用いる。この製造方法は、工作対象物である揺動スクロール材料を治具に載置し、治具に載置された揺動スクロール材料を治具に固定する揺動スクロール材料固定工程と、揺動スクロール材料が固定された治具を、テーブル(30)の一定の領域の上に載置し、工作対象物固定部(40)によって、一定の領域の上に載置された治具をテーブル(30)に固定する治具固定工程と、テーブル(30)に固定された治具に載置された揺動スクロール材料を切削工具で切削して、揺動スクロールを作製する揺動スクロール作製工程と、を備える。

Description

本発明はスクロール圧縮機の製造方法に関する。
スクロール圧縮機は、流体を圧縮する圧縮室を形成するため、固定スクロールと揺動スクロールが組み合わされている。固定スクロールと揺動スクロールは、圧縮室からの流体の漏れを防止するため、高精度に加工されることが要求される。このような要求から、固定スクロール及び揺動スクロールを高精度に加工する工程を含むスクロール圧縮機の製造方法が開発されている。
例えば、特許文献1には、工作機械が備えるテーブルに、固定スクロール材料と揺動スクロール材料を並べて配置する工程と、工作機械に取り付けられたエンドミルで、固定スクロール材料と揺動スクロール材料を連続して切削して固定スクロールと揺動スクロールを作製する工程と、を含むスクロール圧縮機の製造方法が開示されている。
特許文献1に記載の製造方法では、同じ工作機械で、固定スクロールと揺動スクロールを作製する。これにより、別々の工作機械で固定スクロールと揺動スクロールとを作製する場合と異なり、固定スクロールと揺動スクロールの加工精度を同じにしている。その結果、加工精度の差によって圧縮室に隙間が生じることを防止している。
特開2003−239877号公報
特許文献1に記載の製造方法では、固定スクロール材と揺動スクロール材をテーブルに並べて配置するため、大型の工作機械が必要である。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、小型の工作機械を用いたスクロール圧縮機の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るスクロール圧縮機の製造方法は、テーブルと、テーブルに設けられ、テーブルに工作対象物を固定する工作対象物固定部と、工作対象物を切削する切削工具を保持する切削工具保持部と、を備える工作機械を用いてスクロール圧縮機を製造する製造方法である。この製造方法は、工作対象物である固定スクロール材料を、テーブルの一定の領域の上に載置し、工作対象物固定部によって、載置された固定スクロール材料をテーブルに固定する固定スクロール材料固定工程と、テーブルに固定された固定スクロール材料を切削工具で切削して、固定スクロールを作製する固定スクロール作製工程と、工作対象物である揺動スクロール材料を治具に固定する揺動スクロール材料固定工程と、揺動スクロール材料が固定された治具を、テーブルの一定の領域の上に載置し、工作対象物固定部によって、一定の領域の上に載置された治具をテーブルに固定する治具固定工程と、テーブルに固定された治具に載置された揺動スクロール材料を切削工具で切削して、揺動スクロールを作製する揺動スクロール作製工程と、固定スクロール作製工程で作製された固定スクロールと、揺動スクロール作製工程で作製された揺動スクロールと、を組み合わせてスクロール圧縮機を組み立てる組立工程と、を備える。
本発明の構成によれば、スクロール圧縮機の製造方法が、揺動スクロール材料が載置された治具を、固定スクロール材料が載置される、テーブルの一定の領域に載置する治具固定工程を備える。このため、揺動スクロール材料が固定スクロール材料と同じ領域に載置される。その結果、揺動スクロール材料と固定スクロール材料をテーブルの別々の領域に載置する必要が無い。このため、小型のテーブルを備える工作機械を用いて固定スクロールと揺動スクロールとを作製することができる。
本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる工作機械の斜視図 図1に示す工作機械の主軸部の正面図 図1に示す工作機械の回転テーブルの断面図 図1に示す工作機械の第1把持部と第2把持部の位置関係を示す上面図 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる固定スクロール材料の断面図 図5に示す固定スクロール材料の平面図 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる揺動スクロール材料の断面図 図7に示す揺動スクロール材料の平面図 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる治具の断面図 図9に示す治具のコレットチャックの斜視図 図9に示す治具のコレットチャックの断面図 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法において、固定スクロール材料を工作機械の基準プレートに載置した状態を示す断面図 図12に示す固定スクロール材料を工作機械の基準プレートに載置した状態の平面図 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法において、固定スクロール材料を工作機械のエンドミルで切削した状態を示す断面図 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法において、揺動スクロール材料及び治具を工作機械の基準プレートに載置した状態を示す断面図 図15に示す揺動スクロール材料及び治具を工作機械の基準プレートに載置した状態の平面図 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法において、固定スクロールと揺動スクロールとを組み立てた状態を示す断面図 本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いられる治具の断面図 図18に示す治具及び揺動スクロール材料を工作機械の基準プレートに載置した状態の平面図
以下、本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機の製造方法について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、スクロール圧縮機の製造で使用する工作機械の左右方向がX軸、上下方向がZ軸、X軸とZ軸とに直交する方向がY軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法は、固定スクロール材料と揺動スクロール材料を同じ工作機械で切削して、固定スクロールと揺動スクロールとの加工精度の差を小さくする製造方法である。ここで、固定スクロール材料とは、固定スクロールを作製するための原材料のことをいい、揺動スクロール材料とは、揺動スクロールを作製するための原材料のことをいう。この製造方法は、同じ工作機械で作製された固定スクロールと揺動スクロールとを組み立てることで、隙間のない圧縮室を備えるスクロール圧縮機を製造する。また、この製造方法は、形状が異なる固定スクロール材料と揺動スクロール材料とを同じ工作機械で切削するために、揺動スクロール材料を工作機械に固定する専用の治具を用いる。
まず、図1−図4を参照して、この製造方法で用いる工作機械の構成について説明する。次に、図5−図11を参照して、この製造方法で用いる固定スクロール材料、揺動スクロール材料及び専用の治具について説明する。その後、図12−図17を参照して、その工作機械、揺動スクロール材料及び専用の治具を用いたスクロール圧縮機の製造方法について説明する。
図1は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる工作機械1の斜視図である。図2は、図1に示す工作機械1の主軸部22の正面図である。図3は、図1に示す工作機械1の回転テーブル32の断面図である。図4は、図1に示す工作機械1の第1把持部41と第2把持部42の位置関係を示す上面図である。なお、図1では、理解を容易にするため、エンドミル24及び第1把持部41が省略されている。
工作機械1は、自動工具交換機能を有する数値制御(NC:Numerically Control)方式の工作機械(例えば、マシニングセンタ、複合旋盤等)である。図1に示すように、工作機械1は、機械本体を構成するベッド10と、加工工具が取り付けられるラム20と、工作対象物が固定されるテーブル30と、工作対象物をテーブル30に固定するための工作対象物固定部40と、ラム20及びテーブル30を駆動するNC部を有する制御部50と、を備えている。
ベッド10は、直方体状の基礎部10Aと、基礎部10Aの+Z面の上に設けられた2つの四角柱状の柱部10Bと、を有する。そして、2つの柱部10Bの間、かつ基礎部10Aの+Z面には、Y方向へ延在する、図示しない案内レールが配置されている。この案内レールには、ラム20に設けられた、モータによって駆動される図示しない案内ブロックが嵌め込まれている。これにより、ベッド10は、ラム20をY方向へ移動可能に支持している。
一方、基礎部10Aの−Y面には、X方向に延在する2つの案内レール11が配置されている。2つの案内レール11には、テーブル30に設けられた、モータによって駆動される図示しない案内ブロックが嵌め込まれている。これにより、ベッド10は、テーブル30をX方向へ移動可能に支持している。
ラム20は、直方体状に形成されている。ラム20は、ベッド10が有する2つの柱部10Bの間に配置されている。そして、ラム20の−Y面には、Z方向に延在する2つの案内レール21と、2つの案内レール21に嵌め込まれた、モータによって駆動される図示しない案内ブロックを有する主軸部22と、が配置されている。ラム20の、主軸部22の案内ブロックが2つの案内レール21に嵌め込まれることで、主軸部22がZ方向へ移動可能である。
主軸部22は、図示しないモータによって回転する回転軸を有する部分である。そして、主軸部22の回転軸の−Z端には、工具把持部23が設けられている。工具把持部23は、工作対象物を加工する加工工具を把持する部品である。工具把持部23には、例えば、図2に示すように、切削工具の一種であるエンドミル24が取り付けられる。工具把持部23は、モータによって回転軸を介して回転される。これにより、工具把持部23に把持される加工工具が回転する。ここで、切削工具とは、材料の一部を除去する工具をいい、本明細書では、材料の一部を砥石材で研磨する工具、換言すると、砥石材で削る工具が切削工具に含まれる。
なお、工作機械1には、図1に示すように、工具把持部23に取り付けられる加工工具を収納する工具収納部12が基礎部10Aの−X側に隣接して設けられている。工作機械1は、上述した自動工具交換機能を有する。そして、工具把持部23には、制御部50の指示によって、工具収納部12に収納された、図2に示すエンドミル24を含む加工工具のうちの1つが加工方法に応じて取り付けられる。
図1に戻って、テーブル30は、直方体状のテーブル本体31と、テーブル本体31の+Z面に配置され、加工対象物又は治具が載置されると共に、加工対象物又は治具を所望の角度だけ回転させる回転テーブル32と、を有する。ここで、加工対象物は、後述する固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200である。以下、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200とを、単に加工対象物とも称する。
テーブル本体31の内部には、回転テーブル32を旋回させるための、図示しない旋回機構とモータが設けられている。これにより、回転テーブル32は、旋回軸Cを中心にして旋回可能である。
一方、回転テーブル32は、円板状に形成されている。回転テーブル32の+Z面には、図3に示すように、加工対象物の+Z方向の基準位置を規定する基準プレート33が設けられている。
基準プレート33は、図示しないが、円板状に形成されている。そして、基準プレート33の+Z面は、平面状に形成され、XY平面に平行に配置されている。基準プレート33の+Z面には、加工対象物又は治具が載置される。そして、基準プレート33の+Z面は、加工対象物又は治具の位置の基準面として機能する。基準プレート33の外側には、基準プレート33の外周をとり囲む工作対象物固定部40が配置されている。
工作対象物固定部40は、図1に示すように、回転テーブル32の+Z側の面に3つ配置されている。そして、3つの工作対象物固定部40は、旋回軸Cを中心とする円周上に120°間隔で配置されている。
工作対象物固定部40それぞれは、加工対象物と治具をそれぞれ把持するため、2種類の把持部材で構成されている。詳細には、工作対象物固定部40それぞれは、図3及び図4に示すように、加工対象物の固定スクロール材料100又は治具500を把持するための第1把持部41と、加工対象物の揺動スクロール材料200を把持するための第2把持部42と、で構成されている。
第1把持部41それぞれは、XZ平面視で、図3に示すように鈎状に形成されている。また、第1把持部41それぞれは、図4に示すように、鈎先端410が回転テーブル32の旋回軸Cから距離L1となる位置に配置されている。ここで、距離L1は、後述する、固定スクロール材料100の円板部120又は、治具500の円板部520の半径と同じである。そして、第1把持部41それぞれは、旋回軸Cを中心とする円周上に120°間隔で配置されている。これにより、3つの第1把持部41は、基準プレート33に固定スクロール材料100又は治具500が載置された場合に、固定スクロール材料100又は治具500の外周部を把持可能である。また、3つの第1把持部41は、固定スクロール材料100又は治具500の外周部を把持することで、固定スクロール材料100又は治具500の円板部520の中心を、旋回軸Cに合わせることが可能である。第1把持部41それぞれは、図3に示すように、回転テーブル32に固定され、これにより、第1把持部41それぞれは、回転テーブル32と共に回転可能である。
なお、第1把持部41それぞれは、塑性変形によって高精度に固定スクロール材料100又は治具500を把持するため、回転テーブル32内に設けられた連結部411によって互いに接続されている。
一方、第2把持部42それぞれは、回転テーブル32に固定された円柱状の支持部420と、支持部420から+Z側へ延在し、Z方向に伸縮可能なシリンダー部421と、シリンダー部421の+Z端に設けられた直方体状の旋回把持部422と、で構成されている。
支持部420それぞれは、図4に示すように、円柱の外周部が回転テーブル32の旋回軸Cから距離L2となる位置に配置されている。ここで、距離L2は、基準プレート33に固定スクロール材料100又は治具500が載置された場合に、支持部420が干渉しない状態にするため、距離L1よりも大きい。これは、揺動スクロール材料200を把持する専用の部材として第2把持部42を使用するからである。また、支持部420それぞれは、旋回軸Cを中心とする円周上に120°間隔で配置され、図3に示す回転テーブル32に固定されている。支持部420それぞれは、回転テーブル32と共に回転可能である。
シリンダー部421それぞれは、図3に示すように、旋回把持部422が、基準プレート33に載置された揺動スクロール材料200を+Z側から把持可能とするため、旋回把持部422の−Z面が基準プレート33の+Z面から高さH1となる位置と、高さH2となる位置と、に伸縮可能である。ここで、高さH1は、後述する、揺動スクロール材料200が治具500に固定され、かつ基準プレート33に治具500が載置された場合の、揺動スクロール材料200の+Z面と同じ高さである。なお、高さH2は、旋回把持部422に揺動スクロール材料200を解放させるための位置の高さであり、高さH2は高さH1よりも大きい。
また、シリンダー部421それぞれは、支持部420の円柱軸を中心にして回転可能である。そして、シリンダー部421の+Z端には、旋回把持部422の長手方向端部が固定されている。
旋回把持部422は、シリンダー部421が回転することで、シリンダー部421と共に旋回可能である。詳細には、図4の矢印Rで示すように、旋回把持部422は、長手方向が旋回軸Cを向いた状態と、その状態から90°旋回した状態とに、旋回可能である。旋回把持部422は、基準プレート33に治具500が載置された場合に、長手方向が旋回軸Cに向いた状態に旋回することによって、治具500に固定された揺動スクロール材料200を把持することが可能である。また、旋回把持部422は、長手方向が径方向から90°旋回した状態に変化することによって揺動スクロール材料200を解放することが可能である。
上述したラム20、テーブル30及び工作対象物固定部40の動作は、図1に示す制御部50が有するNC部によって制御される。NC部は、制御部50が有する記憶部に格納された加工プログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することで実現されている。記憶部には、固定スクロール材料100及び揺動スクロール材料200の切削位置を示すXYZ座標データが格納されている。NC部は、そのXYZ座標データに基づいて、ラム20、テーブル30及び工作対象物固定部40を動作させ、固定スクロール材料100及び揺動スクロール材料200を切削させる。
次に、図5−図11を参照して、固定スクロール材料100及び揺動スクロール材料200及び、治具500の構成について説明する。
図5は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる固定スクロール材料100の断面図である。図6は、図5に示す固定スクロール材料100の平面図である。図7は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる揺動スクロール材料200の断面図である。図8は、図7に示す揺動スクロール材料200の平面図である。図9は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の製造方法で用いる治具500の断面図である。図10は、図9に示す治具500のコレットチャック550の斜視図である。図11は、図9に示す治具500のコレットチャック550の断面図である。
なお、図5、図7及び、図9では、固定スクロール材料100、揺動スクロール材料200及び治具500が、工作機械1の基準プレート33に載置されるときの向きで図示されている。また、図5−図8では、理解を容易にするため、固定スクロール材料100及び揺動スクロール材料200に作製される予定の歯112及び212が図示されている。
固定スクロール材料100は、固定スクロールの外形を有するが、歯112がまだ形成されていない半製品状態又は中間的製品状態にある固定スクロールの材料である。ここで、歯112は、スクロール圧縮機が組み立てられたときの圧縮室の壁111となる部分である。固定スクロール材料100は、図5及び図6に示すように、円柱部110と、円柱部110の+Z側に隣接し、かつ円柱部110と同心に設けられた円板部120と、を備える形状に形成されている。
円柱部110は、上述した歯112が形成される部分である。円柱部110の半径は、図4に示す距離L1よりも小さい。円柱部110は、図5に示すように、Z方向に延在している。そして、円柱部110の、図5に示す高さH4は、図3に示す、基準プレート33から第1把持部41の鈎先端410までの高さH3よりも小さい。その結果、円板部120は、基準プレート33に固定スクロール材料100が載置された場合に、鈎先端410によって把持可能である。
円板部120は、スクロール圧縮機において、揺動スクロールと接合される部分である。円板部120では、図5での+Z面が、揺動スクロールと接合される基準面となる。このため、円板部120の+Z面が平面状に形成されている。また、円板部120の外径は、円柱部110の外径よりも大きく、図4に示す距離L1と同じである。
固定スクロール材料100は、後述するように、円柱部110を基準プレート33に向けた状態、換言すると、円板部120を工具把持部23側に向けた状態で、基準プレート33に載置される。そして、その状態で、工作機械1の加工工具によって円板部120と円柱部110が切削されることにより、スクロール圧縮機の圧縮室の壁111となる歯112が形成される。
これに対して、揺動スクロール材料200は、揺動スクロールの外形を有するが、歯212がまだ形成されていない半製品状態又は中間的製品状態にある揺動スクロールの材料である。ここで、歯212は、スクロール圧縮機が組み立てられたときに、固定スクロール材料100の歯112と共に、圧縮室の壁211を形成する部分である。揺動スクロール材料200は、図7及び図8に示すように、円柱部210と、円柱部210の−Z側に隣接して設けられた円板部220と、円板部220の−Z面に配置された円筒状のボス230と、を備える。ここで、円板部220とボス230は、円柱部210と同心である。
円柱部210は、スクロール圧縮機の圧縮室の、上述した歯212が形成される部分である。円柱部210の軸は、Z方向に延在している。また、円柱部210の半径は、図4に示す距離L3よりも小さい。ここで、距離L3は、回転テーブル32の旋回軸Cから90°旋回した旋回把持部422までの距離である。このため、揺動スクロール材料200が治具500を介して基準プレート33に載置されたときに、第2把持部42が干渉しない。
一方、円板部220は、固定スクロールと接合される部分である。また、円板部220は、工作機械1によって切削されるときに、治具500に載置される部分である。固定スクロールに高い精度で接合可能とするため、かつ、治具500に高い精度で載置可能とするため、円板部220の+Z面と−Z面は、XY平面に平行な平面に形成されている。また、円板部220の外径は、円柱部210とボス230の外径よりも大きく、また、図4に示す距離L3よりも大きい。このため、円板部220は、揺動スクロール材料200が治具500を介して基準プレート33に載置されたときに、第2把持部42によって把持されることが可能である。
ボス230は、スクロール圧縮機において、揺動スクロールの揺動軸が挿入される部分である。ボス230は、円筒の軸がZ方向に延在している。
揺動スクロール材料200は、後述するように、円柱部210を基準プレート33に向けた状態、換言すると、円柱部210を工具把持部23側に向けた状態で、基準プレート33に載置される。その状態で、工作機械1の加工工具によって円柱部210が切削される。このとき、基準プレート33側に、ボス230が存在するため、揺動スクロール材料200は基準プレート33に載置しにくい。そこで、揺動スクロール材料200が、基準プレート33に載置されやすくするために、この製造方法では、治具500が用いられる。
治具500は、固定スクロール材料100と同様の位置で、基準プレート33に載置させるため、図9に示すように、固定スクロール材料100と同様の形状に形成されている。詳細には、治具500は、固定スクロール材料100の円柱部110と同じ形状、同じ大きさを有する円柱部510と、固定スクロール材料100の円板部120と同じ形状、同じ大きさを有する円板部520と、を備える形状に形成されている。そして、円柱部510の+Z側には、円板部520が隣接している。一方、治具500の、円柱部510と円板部520には、円板部520の+Z面に開口する円筒状のボス収容穴530が形成されている。
ボス収容穴530は、円柱部510と円板部520と同心に配置されている。そして、ボス収容穴530の内径は、揺動スクロール材料200のボス230を収容するため、ボス230の外径よりも大きい。また、ボス収容穴530のZ方向の深さは、ボス230のZ方向の高さよりも大きい。そして、ボス収容穴530の円筒軸中心には、円柱部510を貫通し、ネジ532が挿入されるネジ挿入孔531が形成されている。ボス収容穴530には、ネジ挿入孔531に挿入されたネジ532によって締結された、コレット拡張部材540及びコレットチャック550が設けられている。
コレット拡張部材540は、+Z方向に向かうに従い、細くなる円錐台状に形成されている。そして、コレット拡張部材540には、Z方向に延在する、ネジ532を挿通させるための、図示しない貫通孔が形成されている。
一方、コレットチャック550は、図10及び図11に示すように、無底の円筒の形状に形成されている。コレットチャック550の内壁は、+Z方向に向かうに従い中心軸に傾くテーパー面を有している。このテーパー面は、コレット拡張部材540の外周面よりも数度程度、緩く傾斜している。また、コレットチャック550は、可撓性のある材料で形成されている。コレットチャック550の円筒面には、複数のスリット552が形成され、円筒の円板には、ネジ532を挿通するための貫通孔551が形成されている。さらに、コレットチャック550の内壁側には、図9に示すように、コレット拡張部材540が嵌め込まれている。コレットチャック550は、貫通孔551にネジ532が挿通された状態で、そのネジ532によって、ボス収容穴530の底部、すなわち、治具500の円柱部510と締結される。そして、コレットチャック550の円筒は、ネジ532の円柱部510への締結によって、コレット拡張部材540に押圧される。その結果、コレットチャック550の円筒面の外径は拡大可能である。
コレットチャック550の円筒面の最大外径は、図示しないが、揺動スクロール材料200のボス230の内径と同じ大きさに形成されている。このため、コレットチャック550は、ボス230に挿入可能である。そして、上述したように、ネジ532の円柱部510への締結によって、コレットチャック550の円筒面の外径が拡大する。このため、コレットチャック550は、ボス230に挿入された状態で、ネジ532の締結で円筒面の外径が拡大されることで、コレットチャック550は、揺動スクロール材料200のボス230の内壁に密着する。その結果、コレットチャック550は、ボス230を強固に固定してボス230を保持することが可能である。
図9に戻って、治具500は、円板部520の+Z面に揺動スクロール材料200が載置された状態で使用される。このとき、ボス230がコレットチャック550によって保持されることで、揺動スクロール材料200のXY平面における位置が規定される。また、揺動スクロール材料200のZ方向の位置は、円板部520の+Z面によって規定される。
次に、図12−図17を参照して、固定スクロール材料100、揺動スクロール材料200及び、治具500を用いたスクロール圧縮機の製造方法について説明する。
図12は、固定スクロール材料100を工作機械1の基準プレート33に載置した状態を示す断面図である。図13は、図12に示す固定スクロール材料100を工作機械1の基準プレート33に載置した状態の平面図である。図14は、固定スクロール材料100を工作機械1のエンドミル24で切削した状態を示す断面図である。図15は、揺動スクロール材料200及び治具500を工作機械1の基準プレート33に載置した状態を示す断面図である。図16は、図15に示す揺動スクロール材料200及び治具500を基準プレート33に載置した状態の平面図である。図17は、固定スクロール150と揺動スクロール250とを組み立てた状態を示す断面図である。
まず、上述した形状、大きさを有する固定スクロール材料100、揺動スクロール材料200及び治具500を用意する。また、加工工具としてエンドミル24を用意し、工作機械1の工具把持部23にエンドミル24を把持させる。一方、工作機械1の記憶部には、固定スクロール150と揺動スクロール250を作製するための、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200の切削位置データを含む座標データを格納する。
次に、工作機械1を操作して、第2把持部42の旋回把持部422を旋回させる。そして、図12及び図13に示すように、旋回把持部422の長手方向を回転テーブル32の径方向と90°の角度を形成する方向へ向ける。これによって、用意した固定スクロール材料100を回転テーブル32に搭載するときに、旋回把持部422が固定スクロール材料100に干渉しない状態にする。
次に、旋回把持部422が旋回した状態のまま、固定スクロール材料100をテーブル30に載置する。詳細には、図12に示すように、固定スクロール材料100を工作機械1の基準プレート33に載置する。このとき、固定スクロール材料100を、円板部120が+Z側に向けられた状態にする。すなわち、円板部120が基準プレート33の反対側に向けられた状態にする。また、図13に示すように、固定スクロール材料100を、第1把持部41の鈎先端410と鈎先端410との間に嵌め込んで基準プレート33に固定する(以下、この工程を固定スクロール材料固定工程という)。これにより、固定スクロール材料100の円板部120の中心が、回転テーブル32の旋回軸Cに一致し、かつ工作対象物固定部40が固定スクロール材料100をテーブル30に固定した状態になる。その結果、固定スクロール材料100の、いわゆる芯出しが完了する。
次に、工作機械1の加工プログラムを起動させて、工作機械1に固定スクロール150を作製させる。以下、この工程を固定スクロール作製工程という。固定スクロール作製工程では、制御部50のNC部が記憶部に格納された固定スクロール材料100を切削するための座標データを使用して加工プログラムを実行する。NC部が、この座標データに基づいて、ラム20、テーブル30及び工作対象物固定部40を動作させることで、固定スクロール材料100がエンドミル24によって切削される。その結果、図14に示すように、固定スクロール材料100に壁111が形成され、歯112を有する固定スクロール150が作製される。
一方、固定スクロール作製工程の間に、用意した揺動スクロール材料200を治具500に固定する。以下、この工程を揺動スクロール材料固定工程という。揺動スクロール材料固定工程では、治具500の+Z側に揺動スクロール材料200を載置し、さらに治具500のコレットチャック550を揺動スクロール材料200のボス230に挿入する。その後、図9に示すネジ532を締め付けることで、コレットチャック550の外径を拡大させて、コレットチャック550をボス230の内壁に密着させる。これにより、揺動スクロール材料200を治具500に固定する。コレットチャック550がボス230を固定することで、治具500の円板部520の中心と、揺動スクロール材料200の円板部220の中心と、が一致した状態になる。また、コレットチャック550がボス230を固定することで、治具500に対する揺動スクロール材料200の芯出しが行われると共に、治具500に対する揺動スクロール材料200のZ方向の位置決めが行われる。
固定スクロール作製工程が終了した後、作製された固定スクロール150を基準プレート33及び第1把持部41から取り外す。続いて、図15に示すように、揺動スクロール材料200が固定された治具500を、テーブル30に載置して固定する。以下、この工程を治具固定工程という。詳細には、治具500に対して揺動スクロール材料200を+Z側に位置させた状態にする。その状態で、治具500を工作対象物固定部40の第1把持部41の鈎先端410と鈎先端410との間に載置する。そして、治具500を鈎先端410と鈎先端410とで把持させる。これにより、治具500の円板部520の中心が、回転テーブル32の旋回軸Cに一致した状態になる。その結果、揺動スクロール材料200の、いわゆる芯出しが完了する。
治具500を基準プレート33に載置した後、工作機械1を操作して、第2把持部42の旋回把持部422を旋回させる。そして、図15及び図16に示すように、旋回把持部422の長手方向を回転テーブル32の径方向へ向ける。これにより、治具500と揺動スクロール材料200とが、基準プレート33と旋回把持部422との間に挟み込まれてテーブル30に固定された状態になる。その結果、揺動スクロール材料200のZ方向の位置決めが完了する。
基準プレート33と旋回把持部422とで、治具500と揺動スクロール材料200と挟み込んだ後、工作機械1の加工プログラムを起動させて、工作機械1に揺動スクロール250を作製させる。以下、この工程を揺動スクロール作製工程という。揺動スクロール作製工程では、制御部50のNC部が、記憶部に格納された揺動スクロール材料200を切削するための座標データを使用して加工プログラムを実行する。NC部が、この座標データに基づいて、ラム20、テーブル30及び工作対象物固定部40を動作させることで、揺動スクロール250が作製される。
なお、揺動スクロール作製工程では、図15に示す、歯212の高さH6を、図12に示す固定スクロール材料100の歯112の高さH5と同じ高さに形成することが望ましい。これにより、図17に示すスクロール圧縮機2が組み立てられたときの圧縮室に隙間が生じにくい。
揺動スクロール作製工程が終了した後、工作機械1を操作して、第2把持部42の旋回把持部422を旋回させる。そして、旋回把持部422の長手方向を回転テーブル32の径方向と90°の角度を形成する方向へ向ける。これにより、作製された揺動スクロール250と治具500とが、第2把持部42とテーブル30から解放された状態になる。なお、このときに、シリンダー部421を伸長させて、図3に示す高さH2まで、第2把持部42を上昇させ、第2把持部42を作製された揺動スクロール250から離してもよい。続いて、治具500を基準プレート33及び第1把持部41から取り外す。さらに、図9に示すネジ532を緩めることで、コレットチャック550の外径を縮小させ、コレットチャック550からボス230を取り外せる状態にする。さらに、コレットチャック550からボス230を取り外して、治具500から作製された揺動スクロール250を取り外す。
次に、基準プレート33から取り外された固定スクロール150と揺動スクロール250とを組み立てる。以下、この工程を組立工程という。組立工程では、固定スクロール150の歯112と、揺動スクロール250の歯212とを、噛み合わせて、組み立てる。これにより、図17に示すスクロール圧縮機2が完成する。
なお、上記の製造方法では、工作機械1を操作して旋回把持部422を旋回させているが、工作機械1に、旋回把持部422の旋回を起動させる起動ボタンを設け、その起動ボタンが押されることで、制御部50が旋回把持部422を旋回させてもよい。この場合、起動ボタンが押された場合に、旋回出力信号が制御部50に出力され、制御部50がその信号の受信によって、旋回把持部422を旋回させてもよい。また、工作機械1の工具把持部23にエンドミル24を把持させているが、記憶部50に使用する加工工具データを予め格納しておき、その加工工具データに基づいて、制御部50が工具収納部12に収納された複数の加工工具のうちからエンドミル24を選択してもよい。エンドミル24を選択した場合、制御部50は工具把持部23にエンドミル24を把持させる。
以上のように、実施の形態1では、揺動スクロール材料200を固定する治具500を用いられるので、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200とを同じテーブル30の基準プレート33に載置することができる。その結果、同じ工作機械1によって、固定スクロール150と揺動スクロール250を作製することができる。これにより、固定スクロール150と揺動スクロール250との間の加工誤差を小さくすることができる。
また、第1把持部41によって、固定スクロール材料100と治具500が把持されるので、固定スクロール材料100と治具500の円板部520の中心が、回転テーブル32の旋回軸Cと重なる。また、治具500のコレットチャック550によって揺動スクロール材料200が位置決めされるので、治具500の円板部520の中心が、揺動スクロール材料200の円板部220の中心と重なる。その結果、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200とが、基準プレート33の同じ領域を占有することになる。これにより、小型の回転テーブル32であっても、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200とを作製することができる。
また、揺動スクロール材料200が、固定スクロール材料100の+Z方向に連続する位置で加工される。このため、揺動スクロール250の歯212の末端(すなわち、根元部分の端部)と、固定スクロール150の歯112の先端(すなわち、根元部分と反対側の端部)とが、同じ精度で作製することができる。その結果、スクロール圧縮機2の圧縮室を高い精度で形成することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係るスクロール圧縮機2の製造方法は、工作対象物固定部40に第2把持部42が設けられていない工作機械1を用いて、スクロール圧縮機2を製造する方法である。実施の形態2に係るスクロール圧縮機2の製造方法では、工作機械1に第2把持部42が設けられていないため、揺動スクロール材料200を把持するための第3把持部660が取り付けられた治具600を用いる。以下に、図18及び図19を参照して、実施の形態2に係るスクロール圧縮機2の製造方法を説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成について説明する。
図18は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機2の製造方法で用いられる治具600の断面図である。図19は、図18に示す治具600及び揺動スクロール材料を工作機械1の基準プレートに載置した状態の平面図である。
図18に示すように、治具600には、円板部620の+Z側に取り付けられる第3把持部660を備えている。治具600は、図19に示すように、第3把持部660を3つ備える。
第3把持部660それぞれは、図18に示すように、円板部620よりも+Z側に配置され、揺動スクロール材料200の外周部を挟み込む把持具661と、把持具661を円板部620に固定する締結具662と、で構成されている。
把持具661は、図18及び図19に示すように、側面に凹部663が形成された直方体の形状に形成されている。凹部663は、図19に示すように、Z方向視で円弧状の内壁を有する。そして、凹部663には、第3把持部660が揺動スクロール材料200を把持するとき、揺動スクロール材料200の外周部が差し込まれる。凹部663のZ方向の高さH7は、揺動スクロール材料200の厚みよりも小さい。
一方、締結具662は、図18に示すように、把持具661に形成された貫通孔に通された状態で、円板部620に形成されたネジ孔664に螺合可能である。締結具662は、把持具661の貫通孔に通され、かつ円板部620のネジ孔664に螺合することで、把持具661と円板部620との間に揺動スクロール材料200の外周部を挟み込んで、揺動スクロール材料200を把持する。
また、締結具662は、第3把持部660が揺動スクロール材料200を把持するときに、把持具661の−Z面と円板部620の+Z面との間に隙間665を形成する。隙間665は、揺動スクロール材料200の厚みと凹部663の高さH7の差よりも小さい。このため、把持具661は、弾性変形して揺動スクロール材料200の外周部を押圧する。その結果、把持具661は、揺動スクロール材料200を強固に把持する。
治具600を用いたスクロール圧縮機2の製造方法は、上述した揺動スクロール材料固定工程で、治具600のコレットチャック650を揺動スクロール材料200のボス230の内壁に密着させた後、第3把持部660で揺動スクロール材料200の外周部を把持させること、治具固定工程で、第2把持部42によって治具600と揺動スクロール材料200をテーブル30に固定するのではなく、第1把持部41の鈎先端410に治具600を把持させることで、治具600をテーブル30に固定すること、治具600が第1把持部41に把持されることで、揺動スクロール材料200が治具600を介してテーブル30に固定されること、を除いて、実施の形態1と同様である。このため、説明を省略する。
以上のように、実施の形態2に係るスクロール圧縮機2の製造方法では、揺動スクロール材料200を把持する第3把持部660が治具600に取り付けられる。このため、工作機械1が第2把持部42を備える必要がない。工作機械1が第2把持部42を備えない場合、回転テーブル32に第2把持部42を設置するスペースを設ける必要がない。このため、回転テーブル32を小型化することができる。その結果、回転テーブル32がより小さい工作機械1を用いて、スクロール圧縮機2を製造することができる。
また、揺動スクロール材料200の形状又は大きさに応じて、工作機械1の第2把持部42を取り替える必要がない。実施の形態2では、揺動スクロール材料200の形状又は大きさに応じた治具600が用いられると共に、その治具600を第1把持部41が把持することで、形状又は大きさが異なる揺動スクロール材料200を用いて、揺動スクロール250を作製できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、実施の形態1及び2では、固定スクロール作製工程を揺動スクロール作製工程よりも先に実施しているが、逆に、揺動スクロール作製工程を固定スクロール作製工程よりも先に実施してもよい。
実施の形態1及び2では、固定スクロール作製工程と並行して揺動スクロール材料固定工程を実施しているが、揺動スクロール材料固定工程は、揺動スクロール作製工程が開始されるまでに、実施されるとよい。
実施の形態1及び2では、固定スクロール材料固定工程と治具固定工程とで、固定スクロール材料100の円板部120の中心と、揺動スクロール材料200の円板部220の中心が、回転テーブル32の旋回軸Cに一致させているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、省スペース化を図るため、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200とが、基準プレート33の同じ一定の領域に載置されていればよい。このような場合でも、小型のテーブル30を使用することができる。この場合、基準プレート33の一定の領域には、回転テーブル32の旋回軸Cが交わる部分が含まれるとよい。
実施の形態1及び2では、工作機械1として、自動工具交換機能を有する数値制御方式の工作機械が使用されるが、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200を切削できる工作機械であれば、工作機械1の機能と形式は任意である。例えば、工作機械1に、ラム20と、テーブル30と、取り囲むカバーと、カバーに設けられた扉と、が設けられてもよい。
また、実施の形態1及び2では、加工工具としてエンドミル24が使用されているが、固定スクロール材料100と揺動スクロール材料200を切削できる切削工具であれば、加工工具の種類も任意である。
なお、エンドミル24が工具把持部23に把持されているが、工具把持部23は、加工工具を保持すればよい。このため、工具把持部23は、加工工具保持部、切削工具保持部と称されてもよい。
さらに、図12ではコレットチャック550によって揺動スクロール材料200のボス230の内周が把持されているが、ボス230の外周が把持されてもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本出願は、2017年4月26日に出願された、日本国特許出願特願2017−87269号に基づく。本明細書中に日本国特許出願特願2017−87269号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。
1 工作機械、2 スクロール圧縮機、10 ベッド、10A 基礎部、10B 柱部、11 案内レール、12 工具収納部、20 ラム、21 案内レール、22 主軸部、23 工具把持部、24 エンドミル、30 テーブル、31 テーブル本体、32 回転テーブル、33 基準プレート、40 工作対象物固定部、41 第1把持部、42 第2把持部、50 制御部、100 固定スクロール材料、110 円柱部、111 壁、112 歯、120 円板部、150 固定スクロール、200 揺動スクロール材料、210 円柱部、211 壁、212 歯、220 円板部、230 ボス、250 揺動スクロール、410 鈎先端、411 連結部、420 支持部、421 シリンダー部、422 旋回把持部、500 治具、510 円柱部、520 円板部、530 ボス収容穴、531 ネジ挿入孔、532 ネジ、540 コレット拡張部材、550 コレットチャック、551 貫通孔、552 スリット、600 治具、620 円板部、650 コレットチャック、660 第3把持部、661 把持具、662 締結具、663 凹部、664 ネジ孔、665 隙間、C 旋回軸、H1−H7 高さ、L1−L3 距離、R 矢印。

Claims (6)

  1. テーブルと、該テーブルに設けられ、該テーブルに工作対象物を固定する工作対象物固定部と、前記工作対象物を切削する切削工具を保持する切削工具保持部と、を備える工作機械を用いてスクロール圧縮機を製造する製造方法であって、
    前記工作対象物である固定スクロール材料を、前記テーブルの一定の領域の上に載置し、前記工作対象物固定部によって、載置された前記固定スクロール材料を前記テーブルに固定する固定スクロール材料固定工程と、
    前記テーブルに固定された前記固定スクロール材料を前記切削工具で切削して、固定スクロールを作製する固定スクロール作製工程と、
    前記工作対象物である揺動スクロール材料を治具に固定する揺動スクロール材料固定工程と、
    前記揺動スクロール材料が固定された前記治具を、前記テーブルの前記一定の領域の上に載置し、前記工作対象物固定部によって、前記一定の領域の上に載置された前記治具を前記テーブルに固定する治具固定工程と、
    前記テーブルに固定された前記治具に載置された前記揺動スクロール材料を前記切削工具で切削して、揺動スクロールを作製する揺動スクロール作製工程と、
    前記固定スクロール作製工程で作製された前記固定スクロールと、前記揺動スクロール作製工程で作製された前記揺動スクロールと、を組み合わせて前記スクロール圧縮機を組み立てる組立工程と、を備える、スクロール圧縮機の製造方法。
  2. 前記揺動スクロール材料には、ボスが形成され、
    前記治具には、前記ボスを保持することが可能なコレットチャックが形成され、
    前記揺動スクロール材料固定工程では、前記ボスを前記コレットチャックが保持することで、前記揺動スクロール材料を前記治具に固定する、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  3. 前記工作対象物固定部は、前記固定スクロール材料を把持する第1把持部と、前記揺動スクロール材料を把持する第2把持部と、を備え、
    前記固定スクロール材料固定工程では、前記第1把持部で前記固定スクロール材料を把持することで、前記固定スクロール材料を前記テーブルに固定し、
    前記治具固定工程では、前記第2把持部で前記揺動スクロール材料を把持することで、前記揺動スクロール材料を介して前記治具を前記テーブルに固定する、
    請求項1又は2に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  4. 前記テーブルは、前記工作対象物が載置される平面を有し、該平面に対して垂直な回転軸を中心にして回転可能であり、
    前記一定の領域は、前記平面と前記回転軸とが交わる部分を含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  5. 前記治具は、前記揺動スクロール材料が把持可能な第3把持部を備え、
    前記工作対象物固定部は、前記固定スクロール材料と、前記治具と、が把持可能な第1把持部を備え、
    前記固定スクロール材料固定工程では、前記第1把持部で前記固定スクロール材料を把持することで、前記固定スクロール材料を前記テーブルに固定し、
    前記揺動スクロール材料固定工程では、前記第3把持部で前記揺動スクロール材料を把持することで、前記揺動スクロール材料を前記治具に固定し、
    前記治具固定工程では、前記第1把持部で前記治具を把持することで、前記治具を前記テーブルに固定する、
    請求項1に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
  6. 前記第1把持部は、前記揺動スクロール材料固定工程で前記揺動スクロール材料の形状又は大きさに応じた前記治具が用いられることで、形状又は大きさが異なる揺動スクロール材料を前記治具を介して保持する、
    請求項5に記載のスクロール圧縮機の製造方法。
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