JPWO2018190344A1 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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Abstract

リチウムイオン電池は、正極と、負極と、電解液とを備える。電解液は、リチウム塩を含む。電解液には、正極及び負極が接触する。正極は、正極活物質と、促進材と、導電材と、バインダとを含む。正極活物質には、電解液中に存在するリチウムイオンがインターカレートする。促進材は、正極活物質とともに分散されて、電解液中に存在するアニオンと化学反応する。導電材は、分散された正極活物質と促進材との間に存在する。バインダは、正極活物質、促進材及び導電材を結合する。電解液中に存在するアニオンと促進材との化学反応は、電解液中に存在するリチウムイオンの正極活物質へのインターカレーションよりも発生し易い。

Description

本発明は、リチウムイオン電池に関し、詳しくは、リチウムイオン電池の正極材料に特徴を有するリチウムイオン電池に関する。
充放電可能な二次電池として、リチウムイオン電池が知られている。リチウムイオン電池は、容量を大きくすることが求められている。
例えば、特開2014−71965号公報には、特定の材料からなる正極活物質を有するリチウムイオン電池が開示されている。この公報では、導電性を高める観点から、正極活物質の材料を選定している。
特開2014−71965号公報
本発明の目的は、単位体積当たりの容量を大きくすることができるリチウムイオン電池を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
リチウムイオン電池は、容量を大きくすることが求められている。そこで、本願の発明者等は、単位体積当たりの容量を大きくするための方策について検討をした。具体的には、比重の大きい正極活物質を最大限に利用することについて、詳細に検討した。そして、正極活物質の平均粒径を大きくすればよいとの知見を得るに至った。言い換えると、正極活物質として、ナノサイズではない正極活物質を使用すればよいとの知見を得るに至った。
リチウムイオン電池において、リチウムイオンは、充電するときに正極活物質から出てきて、放電するときに正極活物質に入る。ここで、リチウムイオンは、正極活物質から出ていき易いが、正極活物質に入り難い。加えて、正極活物質の平均粒径を大きくすると、リチウムイオンが正極活物質にさらに入り難くなる。そのため、正極活物質の平均粒径を大きくすると、リチウムイオン電池の容量を大きくすることが難しい。
そこで、本願の発明者等は、平均粒径の大きい正極活物質を用いつつ、リチウムイオンを正極活物質に入り易くするための方策についてさらに検討を進めた。その結果、電解液中で正極活物質の周囲に存在するリチウムイオンの数とアニオンの数とのバランス、つまり、電解液中での電気的に中性な状態をくずせばよいという新たな知見を得るに至った。本発明は、このような知見に基づいて、完成されたものである。単位体積当たりに取り出すことのできる電気容量は、みなし容量あるいは比容量と呼称される。比容量はリチウムイオン電池のパワー密度により変化する。本発明の知見に基づけば、正極活物質の平均粒径が大きい場合にリチイムイオン電池の比容量を大きくすることができる。そのため、正極活物質の平均粒径が小さい場合であっても、もちろんリチイムイオン電池の比容量を大きくすることができる。言い換えると、ナノサイズではない正極活物質を用いた場合にリチイムイオン電池の比容量を大きくすることができる。そのため、ナノサイズの正極活物質を用いた場合であっても、もちろんリチイムイオン電池の比容量を大きくすることができる。
本発明の実施の形態によるリチウムイオン電池は、正極と、負極と、電解液とを備える。電解液は、リチウム塩を含む。電解液には、正極及び負極が接触する。正極は、正極活物質と、促進材と、導電材と、バインダとを含む。正極活物質には、電解液中に存在するリチウムイオンがインターカレートする。促進材は、正極活物質とともに分散されて、電解液中に存在するアニオンと化学反応する。導電材は、分散された正極活物質と促進材との間に存在する。バインダは、正極活物質、促進材及び導電材を結合する。電解液中に存在するアニオンと促進材との化学反応は、電解液中に存在するリチウムイオンの正極活物質へのインターカレーションよりも発生し易い。
本発明において、「リチウム塩」とは、酸に含まれる水素をリチウムで置換した反応生成物である。具体的には、「リチウム塩」とは、酸由来のアニオンと塩基由来のリチウムイオンとがイオン結合したものである。本発明において、「電解液」とは、溶媒に電解質が溶解したものである。本発明において、「インターカレーション」とは、層状構造を有する物質における層と層の間、あるいは、トンネル構造を有する物質におけるトンネル構造中に、分子、原子、またはイオンが挿入される現象である。「トンネル構造中に、分子、原子、またはイオンが挿入される」とは、例えば、トンネル構造におけるトンネル内の空間に、分子、原子、またはイオンが挿入されることである。本発明において、「リチウムイオンの正極活物質へのインターカレーション」とは、正極活物質における層と層の間、あるいは、正極活物質におけるトンネル構造中に、リチウムイオンが挿入される現象である。本発明において、層状構造を有する物質における層と層の間、あるいは、トンネル構造を有する物質におけるトンネル構造中に、分子、原子、またはイオンが挿入されることを、「インタ−カレートする」と表現する。本発明において、「電解液中に存在するリチウムイオンがインターカレートする正極活物質」とは、正極活物質における層と層の間、あるいは、正極活物質におけるトンネル構造中に、電解液中に存在するリチウムイオンが挿入されるような正極活物質である。トンネル構造を有する物質は、例えば、オリビン構造を有する正極活物質である。
上記リチウムイオン電池において、リチウム塩は、電解液中で、リチウムイオンと、アニオンとに分離されている。つまり、上記リチウムイオン電池においては、電解液中に、リチウムイオンとアニオンとが存在する。促進材とアニオンとが化学反応することにより、電解液中において、リチウムイオンが、アニオンよりも多くなる。その結果、電解液中で正極活物質の周囲に存在するリチウムイオンの数とアニオンの数とのバランス、つまり、電解液中での電気的に中性な状態がくずれる。
上記リチウムイオン電池では、アニオンと促進材との化学反応が、リチウムイオンの正極活物質へのインターカレーションよりも発生し易い。そのため、電解液中での電気的に中性な状態がくずれ易い。ここで、電気的な中性な状態がくずれるのは、正極活物質の粒子の近傍である。正極活物質の粒子の近傍に存在するリチウムイオン(Liイオン)がインターカレートして、粒子近傍のリチウム陽イオン濃度(Li陽イオン濃度)が減少する。このとき、促進材が存在すると、促進材がアニオンと反応して、粒子近傍において、アニオン濃度がリチウム陽イオン濃度より低くなるので、電気的な中性な状態がくずれ、Liイオンがインターカレートし易くなる。セパレータを越えて負極側の領域においては電気的な中性な状態がくずれる訳ではない。
上記のように、電極近傍において電解液中での電気的に中性な状態がくずれると、元の電気的に中性な状態に戻ろうとして、リチウムイオンが正極活物質にインターカレートし易くなる。その結果、上記リチウムイオン電池においては、容量を大きくすることができる。
また、上記リチウムイオン電池の正極活物質の平均粒径がナノサイズではない場合、比重の大きい正極活物質を最大限に利用することができる。その結果、単位体積当たりの容量を大きくすることができる。ただし、上記リチイムイオン電池の正極活物質として平均粒径がナノサイズである材料を用いても良い。平均粒径がナノサイズである正極活物質を利用した場合でも、もちろんリチイムイオン電池の比容量を大きくすることができる。
正極活物質は、リチウムを含む無機化合物によって形成されている。正極活物質は、例えば、オリビン構造を有する。オリビン構造を有する正極活物質は、例えば、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)であってもよいし、リン酸鉄リチウム(LiFePO)であってもよい。正極活物質は、ケイ酸マンガンリチウム(LiMnSiO)であってもよい。正極活物質として、例えば、LiMnPO、LiFePO4、およびLiMnSiOの2種類以上を用いてもよい。LiFePOは、かつてはナノ材料であったが、カーボン共析することにより平均粒径を大きくすることができ、近年では5μm以上10μm以下程度の大きさとすることができる。

Liイオンの拡散係数をD、Liイオンの粒子の半径をr、Liイオンの拡散に要する時間をtとする。正極活物質がナノ材料であり、D=10−10cm/sec、r=100nmとすると、r=2(Dt)1/2より、t=0.25secとなり、電池の反応速度としては十分となる。そのため、正極活物質として、他の材料系に比してより不導体に近いオリビン化合物材料などを用いる場合は、以下の理由により、正極活物質の平均粒径はナノサイズであることが好ましい。
正極活物質として、他の材料系に比してより不導体に近いオリビン化合物材料などを用いた場合、正極の電子伝導性が低い。電子伝導性とは、電子の移動によって生じる導電性である。電子伝導性が低いと、電子と反応するLiイオンの移動が遅くなりやすい。そのため、正極活物質として、他の材料系に比してより不導体に近いオリビン化合物材料などを用いた場合、正極表面におけるLiイオンと電子との反応が起きにくい傾向がある。ところが、正極活物質の平均粒径がナノサイズである場合、上述したように、Liイオンの移動が速くなるため、正極表面におけるLiイオンと電子との反応が起きやすくなる。その結果、単位体積当たりの容量を大きくすることができる。
正極活物質の平均粒径は、ナノサイズであってもよいし、ナノサイズでなくてもよい。ただし、正極活物質の平均粒径がナノサイズでなければ、リチイムイオン電池の比容量を大きくすることができる。ナノ材料は、小さく粉砕された粒子であるので、比重(例えばタップ比重)が小さい。タップ比重とは、正極活物質の紛体をいれた容器をたたいたり、振動させて充填したりして測定されるものである。例えば、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)を用いた場合は、単位重量当たりの容量が150mAh/gであるが、ナノサイズでない正極活物質の比重が約5g/mlであるので、単位体積当たりの容量は750mAh/mlとなる。電池はサイズに制約があるため、単位体積当たりの容量は重要である。正極活物質がナノ材料であれば、タップ比重は、例えば、0.1g/ml以上0.3g/ml以下等であるので、単位体積当たりの容量は小さくなる。コバルト酸リチウムの平均粒径がナノサイズである場合、単位体積当たりの容量は、例えば、15mAh/ml以上45mAh/ml以下等である。
ナノサイズでない正極活物質の単位重量当たりの表面積は、ナノサイズである正極活物質の単位重量当たりの表面積の0.01倍から0.5倍程度である。例えば、平均粒径が5μm以上10μm以下のナノサイズでない正極活物質の場合、単位重量当たりの表面積は例えば1m/g程度である。一方、ナノサイズである正極活物質の単位重量当たりの表面積は、例えば数十m/g以上100m/g以下である。正極活物質の単位重量当たりの表面積が小さいことにより、正極活物質の電解液の溶媒との反応面積も小さくなる。そのため、ナノサイズでない正極活物質と電解液の溶媒との反応は、ナノサイズである正極活物質と電解液の溶媒との反応の0.01倍から0.5倍程度である。正極活物質が電解質の溶媒と反応した場合、不純物が生成されて溶媒が変質するため、電池のサイクル特性が低下する。正極活物質がナノサイズでない場合、正極活物質がナノサイズである場合と比べて、電解液の溶媒の変質が少ないため、電池のサイクル特性が高い。
本明細書において、正極活物質の平均粒径がナノサイズでないとは、正極活物質の平均粒径が500nm以上であることをいう。正極活物質の平均粒径がナノサイズでないとは、正極活物質の平均粒径がナノサイズより大きいことをいう。本明細書において、正極活物質の平均粒径がナノサイズであるとは、正極活物質の平均粒径が1nm以上500nm未満であることをいう。
正極活物質の平均粒径は、好ましくは、5μm以上20μm以下である。平均粒径は、通常は光散乱法により測定するが、アスペクト比の影響を大きく受ける上、装置によって値にばらつきが生じる。そこで、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を併用して実際の大きさを測定することが好ましい。平均粒径は、走査型電子顕微鏡で測定した粒子径の頻度分布(ヒストグラム)を作成し、平均径を求める方法がある。あるいは、走査型電子顕微鏡で測定した粒子径の累積分布を作成し、累積度が50%となるメディアン径を用いる方法がある。
また、上記リチイムイオン電池において、促進材の平均粒径はナノサイズではない。ただし、上記リチイムイオン電池において、促進材の平均粒径はナノサイズであってもよい。また、上記リチイムイオン電池において、導電材の平均粒径はナノサイズである。ただし、上記リチイムイオン電池において、導電材の平均粒径はナノサイズでなくてもよい。
正極活物質の平均粒径は、促進材の平均粒径より大きくてもよい。正極活物質の平均粒径は、導電材の平均粒径よりも大きくてもよい。正極活物質の平均粒径は、例えば、促進材の平均粒径の2倍以上10倍以下であってもよい。正極活物質の平均粒径は、例えば、導電材の平均粒径の10倍以上100倍以下であってもよい。
正極活物質の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径の異なる複数種類の正極活物質が混ぜ合わされていてもよい。具体的には、平均粒径が5μmの正極活物質と、平均粒径が10μmの正極活物質とが混在していてもよい。
正極活物質の粒子形状は、特に限定されない。正極活物質の粒子形状は、好ましくは、球状である。
正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において促進材が占める重量の割合より大きくてもよい。正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において導電材が示す重量の割合よりも大きくてもよい。例えば、正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において促進材が占める重量の割合の2倍以上である。例えば、正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において導電材が占める重量の割合の80倍以上95倍以下でもよく、95倍を上回ってもよい。
促進材は、正極活物質とともに分散されていればよい。促進材は、電解液中に存在するアニオンと化学反応するものであれば、特に限定されない。つまり、促進材は、電解液中での電気的に中性な状態をくずすことができるものであれば、特に限定されない。促進材としては、例えば、p型半導体、導電性高分子、および活性炭から選択される少なくとも1種類を用いることができる。導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−ジチアゾール、還元型ポニアニリン、および導電材を加えたポリピロールなどから選択される少なくとも1種類を用いることができる。なお、導電材を加えたポリピロールとは、ポリピロールの置換基の少なくとも1つが導電材となったものである。導電材を加えたポリピロールを促進材として使用した場合、促進材の一部が導電材として作用することになる。
促進材の平均粒径は、ナノサイズでなくてもよいし、ナノサイズであってもよい。本明細書において、促進材の平均粒径がナノサイズでないとは、促進材の平均粒径が500nm以上であることをいう。促進材の平均粒径がナノサイズでないとは、促進材の平均粒径がナノサイズより大きいことをいう。本明細書において、促進材の平均粒径がナノサイズであるとは、促進材の平均粒径が1nm以上500nm未満であることをいう。促進材の平均粒径は、好ましくは、0.5μm以上20μm以下である。促進材の平均粒径がナノサイズでないことにより、促進材の充填率が高くなる。これにより、電池の容量が大きくなる。
促進材の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径の異なる複数種類の促進材が混ぜ合わされていてもよい。
促進材の粒子形状は、特に限定されない。促進材の粒子形状は、例えば、破砕された固体物あるいは球形状である。
導電材は、分散された正極活物質と促進材との間に存在するものであれば、特に限定されない。導電材は、正極活物質および促進材の少なくとも一方と接することにより、導電経路を形成するものであれば、特に限定されない。導電材は、例えば、カーボンブラックでもよく、カーボンブラックの一種であるアセチレンブラックでもよい。カーボンブラックは、アグリゲート(一次凝集体)を最小単位として存在し、粒子(ドメイン)単体では存在しない。導電材がアグリゲートを形成する物質の場合、導電材の平均粒径がナノサイズであるとは、粒子(ドメイン)の平均粒径がナノサイズであることをいう。アグリゲート(一次凝集体)の平均粒径はナノサイズより大きくてもよい。
導電材の平均粒径は、ナノサイズであってもよいし、ナノサイズでなくてもよい。導電材の平均粒径は、正極活物質の平均粒径よりも小さくてもよい。導電材の平均粒径は、促進材の平均粒径よりも小さくてもよい。要するに、導電材は、分散された正極活物質と促進材との間に存在することができる程度の大きさであればよい。導電材の平均粒径は、例えば、50nm以上500nm未満である。
本明細書において、導電材の平均粒径がナノサイズであるとは、導電材の平均粒径が1nm以上500nm未満であることをいう。本明細書において、導電材の平均粒径がナノサイズでないとは、導電材の平均粒径が500nm以上であることをいう。導電材の平均粒径がナノサイズでないとは、導電材の平均粒径がナノサイズより大きいことをいう。
導電材の平均粒径がナノサイズであることにより、正極活物質と促進材との間に導電材を存在させやすい。
正極において導電材が占める重量の割合が、正極において正極活物質が占める重量の割合の例えば5%程度であるとする。導電材がナノサイズであって正極活物質がナノサイズでない場合、導電材の単位重量当たりの表面積は、正極活物質の単位重量当たりの表面積の0.05倍程度である。したがって、ナノサイズである導電材の電解液との反応面積は、ナノサイズでない正極活物質の電解液との反応面積より非常に小さい。そのため、導電材はナノサイズであっても、電解液の溶媒の変質に殆ど影響を及ぼさない。
バインダは、正極活物質、促進材及び導電材を結合するものであれば、特に限定されない。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデンである。
負極は、負極活物質を含む。負極活物質は、炭素を含むものであってもよい。この場合、負極活物質は、例えば、黒鉛であってもよいし、ソフトカーボンであってもよいし、ハードカーボンであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。負極活物質は、炭素を含まないものであってもよい。この場合、負極活物質は、例えば、チタン酸リチウムである。
電解液は、例えば、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた有機電解液である。有機溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートである。リチウム塩は、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ホウフッ化リチウム、過塩素酸リチウムである。電解液は、上記の有機電解液に対して、ポリマーを加えることにより、ゲル化したものであってもよい。ポリマーは、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリフッ化ビニリデンである。
本発明の実施の形態によるリチウムイオン電池を示すモデル図である。 本発明の実施の形態によるリチウムイオン電池の正極の電子顕微鏡の二次電子像である。 本発明例1に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiFePOである場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 本発明例2に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiFePOである場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 比較例1に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiFePOである場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 本発明例3に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiMnPOである場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 比較例2に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiMnPOである場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその部材についての説明は繰り返さない。
図1を参照しながら、リチウムイオン電池10について説明する。図1は、リチウムイオン電池10のモデル図である。
リチウムイオン電池10は、正極12と、負極14と、セパレータ16と、電解液18と、ケース20とを備える。以下、これらについて説明する。
正極12は、集電体121と、膜122とを含む。集電体121は、アルミニウムで形成されている。膜122は、集電体121を覆う。なお、膜122の詳細については、後述する。
負極14は、正極12から離れて配置されている。負極14は、集電体141と、膜142とを含む。集電体141は、アルミニウムで形成されている。膜142は、集電体141を覆う。膜142は、負極活物質を含む。負極活物質は、例えば、炭素を含む。
セパレータ16は、正極12と負極14との間に配置されている。セパレータ16は、多孔質膜である。セパレータ16は、例えば、ポリエチレンで形成されている。
電解液18には、正極12、負極14及びセパレータ16が浸漬されている。電解液18は、例えば、有機溶媒181にリチウム塩182を溶解させた有機電解液である。有機溶媒181中において、リチウム塩182は、リチウムイオン1821と、アニオン1822とに分離されている。つまり、電解液18中には、リチウムイオン1821と、アニオン1822とが存在する。
ケース20は、正極12、負極14、セパレータ16及び電解液18を収容する。ケース20は、例えば、金属製の缶である。ケース20の形状は、特に限定されない。ケース20の形状は、円筒形であってもよいし、矩形の箱形状であってもよい。
続いて、膜122の詳細について説明する。膜122は、正極活物質1221と、促進材1222と、導電材1223と、バインダ1224とを含む。
正極活物質1221は、リチウムを含む無機化合物によって形成されている。正極活物質1221は、例えば、オリビン構造を有する。オリビン構造を有する正極活物質1221は、例えば、LiMnPOであってもよいし、LiFePOであってもよい。正極活物質1221は、LiMnSiOであってもよい。正極活物質として、例えば、LiMnPO、LiFePOおよびLiMnSiOの2種類以上を用いてもよい。
正極活物質1221の平均粒径は、例えば500nm以上である。正極活物質1221の平均粒径は、好ましくは、5μm以上20μm以下である。
正極活物質1221の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径が異なる複数種類の正極活物質1221が膜122中に存在していてもよい。
正極活物質1221の粒子形状は、特に限定されない。正極活物質1221の粒子形状は、好ましくは、球状である。
膜122において正極活物質1221が占める重量の割合は、膜122において促進材1222が占める重量の割合より大きくてもよい。膜122において正極活物質1221が占める重量の割合は、膜122において導電材1223が占める重量の割合よりも大きくてもよい。膜122において正極活物質1221が占める重量の割合は、例えば、50%以上95%以下である。膜122において促進材1222が占める重量の割合は、例えば、5%以上50%以下である。膜122において導電材1223が占める重量の割合は、例えば、0.5%以上10%以下である。
促進材1222は、正極活物質1221とともに、膜122中に分散されている。促進材1222としては、例えば、p型半導体、導電性高分子、および活性炭の少なくとも1種類以上を用いることができる。導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−ジチアゾール、還元型ポニアニリン、および、導電材を加えたポリピロールから選択される少なくとも1種類を用いることができる。
促進材1222の平均粒径は、例えば500nm以上である。促進材1222の平均粒径は、好ましくは、0.5μm以上20μm以下である。
促進材1222の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径が異なる複数種類の促進材が膜122中に存在していてもよい。
促進材1222の粒子形状は、特に限定されない。促進材1222の粒子形状は、例えば、破砕された塊状あるいは球形状である。
促進材1222は、電解液18中に存在するアニオン1822と化学反応する。促進材1222がアニオン1822と化学反応することにより、電解液18中において、リチウムイオン1821が、アニオン1822よりも多くなる。その結果、電解液18中で正極活物質1221の周囲に存在するリチウムイオン1821の数とアニオン1822の数とのバランス、つまり、電解液18中での電気的に中性な状態がくずれる。このように、電解液18中での電気的に中性な状態がくずれると、電解液18中に存在するリチウムイオン1821が正極活物質1221にインターカレートし易くなる。つまり、促進材1222は、リチウムイオン1821の正極活物質1221へのインターカレーションを促進する。アニオン1822と促進材1222との化学反応は、リチウムイオン1821の正極活物質1221へのインターカレーションよりも発生し易い。
導電材1223は、膜122中に分散された正極活物質1221と促進材1222との間に存在する。導電材1223は、正極活物質1221および促進材1222の少なくとも一方と接することにより、膜122中に導電経路を形成する。導電材1223は、例えば、カーボンブラックである。導電材1223は、正極活物質1221と正極活物質1221の間にも存在してもよい。導電材1223は、促進材1222と促進材1222の間に存在してもよい。
導電材1223の平均粒径は、正極活物質1221の平均粒径よりも小さくてもよい。導電材1223の平均粒径は、促進材1222の平均粒径よりも小さくてもよい。導電材1223の平均粒径は、ナノサイズであってもよいし、ナノサイズでなくてもよい。導電材1223の平均粒径は、例えば、50nm以上500nm未満である。
バインダ1224は、正極活物質1221、促進材1222及び導電材1223を結合する。バインダ1224は、例えば、ポリフッ化ビニリデンである。
リチウムイオン電池10においては、電解液18中に、リチウムイオン1821とアニオン1822とが存在する。促進材1222とアニオン1822とが化学反応することにより、電解液18中において、リチウムイオン1821が、アニオン1822よりも多くなる。その結果、電解液18中で正極活物質1221の周囲に存在するリチウムイオン1821の数とアニオン1822の数とのバランス、つまり、電解液18中での電気的に中性な状態がくずれる。
このような状態になると、電解液18の電気的な状態を中性に戻そうとする作用が働き、リチウムイオン1821の正極活物質1221に対するインターカレーションが促進される。その結果、リチウムイオン電池10の容量を大きくすることができる。
ここで、リチウムイオン電池10では、アニオン1822と促進材1222との化学反応が、リチウムイオン1821の正極活物質1221へのインターカレーションよりも発生し易くなっている。そのため、リチウムイオン電池10では、上記のような電解液18中での電気的に中性な状態がくずれた状態を実現し易くなる。その結果、リチウムイオン1821が正極活物質1221にインターカレートし易くなるので、リチウムイオン電池10の容量を大きくすることができる。
また、リチウムイオン電池10では、正極活物質1221の平均粒径が例えば500nm以上である。そのため、比重の大きい無機化合物で形成された正極活物質1221を最大限に利用することができる。その結果、リチウムイオン電池10の単位体積当たりの容量を大きくすることができる。
リチウムイオン電池10(以下、本発明例に係るリチウムイオン電池と称することがある)を作製した。具体的には、正極活物質がLiFePOであるリチウムイオン電池と、正極活物質がLiMnPOであるリチウムイオン電池とを作製した。作製方法は、以下のとおりであった。
[正極活物質がLiFePOであるリチウムイオン電池]
先ず、正極活物質と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、ポリアニリンと、導電材を混合したもの(混合物)を準備した。正極活物質とポリアニリンとの重量比は、0.9:0.1にした(以下、このような混合比率のものを、本発明例1と称する)。上記の混合物を乳鉢に入れて、シアー(せん断圧力)をかけながら、乳棒でゆっくりと粉砕した。これにより、ポリテトラフルオロエチレンが次第にフィブリル化し、上記の混合物が粉体から固体に変化した。固体化した混合物を、SUS板で挟み、油圧プレスにより、1トンの圧力を加えた。そして、混合物をポンチにより打抜いて、直径14mmの円板状の正極を得た。正極活物質とポリアニリンとの重量比を0.8:0.2にしたもの(以下、このような混合比率のものを、本発明例2と称する)と、正極活物質とポリアニリンとの重量比を1:0にしたもの(以下、このような混合比率のものを、比較例1と称する)とについても、同様な方法により、円板状の正極を得た。
続いて、アルゴンガス雰囲気中で、負極を配置した。負極は、リチウムで形成された円板(直径14mm)であった。正極と負極の間には、直径15mmの円状に打ち抜いたガラスろ紙を挟んだ。電解液を1mL滴下して、2032型のコインセルを作製した。電解液は、重量比が、炭酸エチレン(EC):炭酸ジエチル(DEC)=1:1の溶液に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1M/kgとなるように調整したものであった。なお、1Mは、1mol/mである。
[正極活物質がLiMnPOであるリチウムイオン電池]
正極活物質がLiMnPOであるリチウムイオン電池についても、正極活物質がLiMnPOであるリチウムイオン電池と同様な方法により、作製した。なお、正極活物質がLiMnPOであるリチウムイオン電池については、正極活物質とポリアニリンとの重量比を、0.8:0.2にしたもの(以下、このような混合比率のものを、本発明例3と称する)と、1:0にしたもの(以下、このような混合比率のものを、比較例2と称する)とについて、作製した。
図2、図3、図4、図5、図6及び図7を参照しながら、上記のリチウムイオン電池の特性について説明する。
図2は、本発明例1に係るリチウムイオン電池の正極の表面の電子顕微鏡の二次電子像である。この電子顕微鏡の二次電子像は、印加電圧が20kVで、倍率が1000倍で取得された像である。
図2に示すように、正極活物質及びポリアニリン(促進材)の各々がナノサイズでないことがわかる。また、正極活物質がポリアニリン(促進材)よりも大きいことがわかる。なお、導電材はナノサイズである。
図3は、本発明例1に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とは、それぞれ、充放電のサイクルが1回である場合と、2回である場合と、3回である場合と、5回である場合と、10回である場合とを示している。充電及び放電は、以下のようにして行った。
先ず、本発明例1に係るリチウムイオン電池を、定電流定電圧方式で充電して、充電特性を示す曲線を得た。定電流充電での充電電流は、1mAとした。定電圧充電での充電電圧は、3.6Vとした。充電終止電流は、0.1mAとした。
このようにして充電した本発明例1に係るリチウムイオン電池を定電流放電して、放電特性を示す曲線を得た。放電電流は、1mAとした。放電終止電圧は、2.5Vとした。一般的なリチウムイオン電池は、材料にもよるが概ね2Vを下回ると負極に使用されている銅の溶出限界電位を超える。このため、放電終止電圧を2.5Vとした。
図4は、本発明例2に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。本発明例2に係るリチウムイオン電池については、本発明例1に係るリチウムイオン電池の場合と同様な方法により、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを得た。
図5は、比較例1に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。比較例1に係るリチウムイオン電池については、本発明例1に係るリチウムイオン電池の場合と同様な方法により、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを得た。
表1に、本発明例1、本発明例2および比較例1の10サイクル目の放電容量を示している。表1に示す放電容量は、単位重量当たりの放電容量である。
図3、図4、図5および表1に示すように、本発明例1に係るリチウムイオン電池及び本発明例2に係るリチウムイオン電池は、比較例1に係るリチウムイオン電池と比べて、容量が大きくなるのを確認できた。また、本発明例2に係るリチウムイオン電池は、本発明例1に係るリチウムイオン電池と比べて、容量が大きくなるのを確認できた。
図6は、本発明例3に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とは、それぞれ、充放電のサイクルが1回である場合と、2回である場合と、3回である場合と、4回である場合と、5回である場合とを示している。充電及び放電は、以下のようにして行った。
先ず、本発明例3に係るリチウムイオン電池を、定電流定電圧方式で充電して、充電特性を示す曲線を得た。定電流充電での充電電流は、1mAとした。定電圧充電での充電電圧は、4.5Vとした。充電終止電流は、0.1mAとした。
このようにして充電した本発明例1に係るリチウムイオン電池を定電流放電して、放電特性を示す曲線を得た。放電電流は、1mAとした。放電終止電圧は、2.5Vとした。
図7は、比較例2に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。比較例2に係るリチウムイオン電池については、本発明例3に係るリチウムイオン電池の場合と同様な方法により、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを得た。
表2に、本発明例3および比較例2の5サイクル目の放電容量を示している。表2に示す放電容量は、単位重量当たりの放電容量である。
図6、図7および表2に示すように、本発明例3に係るリチウムイオン電池は、比較例2に係るリチウムイオン電池と比べて、容量が大きくなるのを確認できた。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
10 リチウムイオン電池
12 正極
1221 正極活物質
1222 促進材
1223 導電材
1224 バインダ
14 負極
18 電解液
182 リチウム塩
1821 リチウムイオン
1822 アニオン
本発明は、リチウムイオン電池に関し、詳しくは、リチウムイオン電池の正極材料に特徴を有するリチウムイオン電池に関する。
充放電可能な二次電池として、リチウムイオン電池が知られている。リチウムイオン電池は、容量を大きくすることが求められている。
例えば、特開2014−71965号公報には、特定の材料からなる正極活物質を有するリチウムイオン電池が開示されている。この公報では、導電性を高める観点から、正極活物質の材料を選定している。
特開2014−71965号公報
本発明の目的は、単位体積当たりの容量を大きくすることができるリチウムイオン電池を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
リチウムイオン電池は、容量を大きくすることが求められている。そこで、本願の発明者等は、単位体積当たりの容量を大きくするための方策について検討をした。具体的には、比重の大きい正極活物質を最大限に利用することについて、詳細に検討した。そして、正極活物質の平均粒径を大きくすればよいとの知見を得るに至った。言い換えると、正極活物質として、ナノサイズではない正極活物質を使用すればよいとの知見を得るに至った。
リチウムイオン電池において、リチウムイオンは、充電するときに正極活物質から出てきて、放電するときに正極活物質に入る。ここで、リチウムイオンは、正極活物質から出ていき易いが、正極活物質に入り難い。加えて、正極活物質の平均粒径を大きくすると、リチウムイオンが正極活物質にさらに入り難くなる。そのため、正極活物質の平均粒径を大きくすると、リチウムイオン電池の容量を大きくすることが難しい。
そこで、本願の発明者等は、平均粒径の大きい正極活物質を用いつつ、リチウムイオンを正極活物質に入り易くするための方策についてさらに検討を進めた。その結果、電解液中で正極活物質の周囲に存在するリチウムイオンの数とアニオンの数とのバランス、つまり、電解液中での電気的に中性な状態をくずせばよいという新たな知見を得るに至った。本発明は、このような知見に基づいて、完成されたものである。単位体積当たりに取り出すことのできる電気容量は、みなし容量あるいは比容量と呼称される。比容量はリチウムイオン電池のパワー密度により変化する。本発明の知見に基づけば、正極活物質の平均粒径が大きい場合にリチムイオン電池の比容量を大きくすることができる。そのため、正極活物質の平均粒径が小さい場合であっても、もちろんリチムイオン電池の比容量を大きくすることができる。言い換えると、ナノサイズではない正極活物質を用いた場合にリチムイオン電池の比容量を大きくすることができる。そのため、ナノサイズの正極活物質を用いた場合であっても、もちろんリチムイオン電池の比容量を大きくすることができる。
本発明の実施の形態によるリチウムイオン電池は、正極と、負極と、電解液とを備える。電解液は、リチウム塩を含む。電解液には、正極及び負極が接触する。正極は、正極活物質と、促進材と、導電材と、バインダとを含む。正極活物質には、電解液中に存在するリチウムイオンがインターカレートする。促進材は、正極活物質とともに分散されて、電解液中に存在するアニオンと化学反応する。導電材は、分散された正極活物質と促進材との間に存在する。バインダは、正極活物質、促進材及び導電材を結合する。電解液中に存在するアニオンと促進材との化学反応は、電解液中に存在するリチウムイオンの正極活物質へのインターカレーションよりも発生し易い。
本発明において、「リチウム塩」とは、酸に含まれる水素をリチウムで置換した反応生成物である。具体的には、「リチウム塩」とは、酸由来のアニオンと塩基由来のリチウムイオンとがイオン結合したものである。本発明において、「電解液」とは、溶媒に電解質が溶解したものである。本発明において、「インターカレーション」とは、層状構造を有する物質における層と層の間、あるいは、トンネル構造を有する物質におけるトンネル構造中に、分子、原子、またはイオンが挿入される現象である。「トンネル構造中に、分子、原子、またはイオンが挿入される」とは、例えば、トンネル構造におけるトンネル内の空間に、分子、原子、またはイオンが挿入されることである。本発明において、「リチウムイオンの正極活物質へのインターカレーション」とは、正極活物質における層と層の間、あるいは、正極活物質におけるトンネル構造中に、リチウムイオンが挿入される現象である。本発明において、層状構造を有する物質における層と層の間、あるいは、トンネル構造を有する物質におけるトンネル構造中に、分子、原子、またはイオンが挿入されることを、「インタ−カレートする」と表現する。本発明において、「電解液中に存在するリチウムイオンがインターカレートする正極活物質」とは、正極活物質における層と層の間、あるいは、正極活物質におけるトンネル構造中に、電解液中に存在するリチウムイオンが挿入されるような正極活物質である。トンネル構造を有する物質は、例えば、オリビン構造を有する正極活物質である。
上記リチウムイオン電池において、リチウム塩は、電解液中で、リチウムイオンと、アニオンとに分離されている。つまり、上記リチウムイオン電池においては、電解液中に、リチウムイオンとアニオンとが存在する。促進材とアニオンとが化学反応することにより、電解液中において、リチウムイオンが、アニオンよりも多くなる。その結果、電解液中で正極活物質の周囲に存在するリチウムイオンの数とアニオンの数とのバランス、つまり、電解液中での電気的に中性な状態がくずれる。
上記リチウムイオン電池では、アニオンと促進材との化学反応が、リチウムイオンの正極活物質へのインターカレーションよりも発生し易い。そのため、電解液中での電気的に中性な状態がくずれ易い。ここで、電気的な中性な状態がくずれるのは、正極活物質の粒子の近傍である。正極活物質の粒子の近傍に存在するリチウムイオン(Liイオン)がインターカレートして、粒子近傍のリチウム陽イオン濃度(Li陽イオン濃度)が減少する。このとき、促進材が存在すると、促進材がアニオンと反応して、粒子近傍において、アニオン濃度がリチウム陽イオン濃度より低くなるので、電気的な中性な状態がくずれ、Liイオンがインターカレートし易くなる。セパレータを越えて負極側の領域においては電気的な中性な状態がくずれる訳ではない。
上記のように、電極近傍において電解液中での電気的に中性な状態がくずれると、元の電気的に中性な状態に戻ろうとして、リチウムイオンが正極活物質にインターカレートし易くなる。その結果、上記リチウムイオン電池においては、容量を大きくすることができる。
また、上記リチウムイオン電池の正極活物質の平均粒径がナノサイズではない場合、比重の大きい正極活物質を最大限に利用することができる。その結果、単位体積当たりの容量を大きくすることができる。ただし、上記リチムイオン電池の正極活物質として平均粒径がナノサイズである材料を用いても良い。平均粒径がナノサイズである正極活物質を利用した場合でも、もちろんリチムイオン電池の比容量を大きくすることができる。
正極活物質は、リチウムを含む無機化合物によって形成されている。正極活物質は、例えば、オリビン構造を有する。オリビン構造を有する正極活物質は、例えば、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO4)であってもよいし、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)であってもよい。正極活物質は、ケイ酸マンガンリチウム(Li2MnSiO4)であってもよい。正極活物質として、例えば、LiMnPO4、LiFePO4、およびLi2MnSiO4の2種類以上を用いてもよい。LiFePO4は、かつてはナノ材料であったが、カーボン共析することにより平均粒径を大きくすることができ、近年では5μm以上10μm以下程度の大きさとすることができる。
Liイオンの拡散係数をD、Liイオンの粒子の半径をr、Liイオンの拡散に要する時間をtとする。正極活物質がナノ材料であり、D=10-10cm2/sec、r=100nmとすると、r=2(Dt)1/2より、t=0.25secとなり、電池の反応速度としては十分となる。そのため、正極活物質として、他の材料系に比してより不導体に近いオリビン化合物材料などを用いる場合は、以下の理由により、正極活物質の平均粒径はナノサイズであることが好ましい。
正極活物質として、他の材料系に比してより不導体に近いオリビン化合物材料などを用いた場合、正極の電子伝導性が低い。電子伝導性とは、電子の移動によって生じる導電性である。電子伝導性が低いと、電子と反応するLiイオンの移動が遅くなりやすい。そのため、正極活物質として、他の材料系に比してより不導体に近いオリビン化合物材料などを用いた場合、正極表面におけるLiイオンと電子との反応が起きにくい傾向がある。ところが、正極活物質の平均粒径がナノサイズである場合、上述したように、Liイオンの移動が速くなるため、正極表面におけるLiイオンと電子との反応が起きやすくなる。その結果、単位体積当たりの容量を大きくすることができる。
正極活物質の平均粒径は、ナノサイズであってもよいし、ナノサイズでなくてもよい。ただし、正極活物質の平均粒径がナノサイズでなければ、リチムイオン電池の比容量を大きくすることができる。ナノ材料は、小さく粉砕された粒子であるので、比重(例えばタップ比重)が小さい。タップ比重とは、正極活物質の紛体をいれた容器をたたいたり、振動させて充填したりして測定されるものである。例えば、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)を用いた場合は、単位重量当たりの容量が150mAh/gであるが、ナノサイズでない正極活物質の比重が約5g/mlであるので、単位体積当たりの容量は750mAh/mlとなる。電池はサイズに制約があるため、単位体積当たりの容量は重要である。正極活物質がナノ材料であれば、タップ比重は、例えば、0.1g/ml以上0.3g/ml以下等であるので、単位体積当たりの容量は小さくなる。コバルト酸リチウムの平均粒径がナノサイズである場合、単位体積当たりの容量は、例えば、15mAh/ml以上45mAh/ml以下等である。
ナノサイズでない正極活物質の単位重量当たりの表面積は、ナノサイズである正極活物質の単位重量当たりの表面積の0.01倍から0.5倍程度である。例えば、平均粒径が5μm以上10μm以下のナノサイズでない正極活物質の場合、単位重量当たりの表面積は例えば1m2/g程度である。一方、ナノサイズである正極活物質の単位重量当たりの表面積は、例えば数十m2/g以上100m2/g以下である。正極活物質の単位重量当たりの表面積が小さいことにより、正極活物質の電解液の溶媒との反応面積も小さくなる。そのため、ナノサイズでない正極活物質と電解液の溶媒との反応は、ナノサイズである正極活物質と電解液の溶媒との反応の0.01倍から0.5倍程度である。正極活物質が電解質の溶媒と反応した場合、不純物が生成されて溶媒が変質するため、電池のサイクル特性が低下する。正極活物質がナノサイズでない場合、正極活物質がナノサイズである場合と比べて、電解液の溶媒の変質が少ないため、電池のサイクル特性が高い。
本明細書において、正極活物質の平均粒径がナノサイズでないとは、正極活物質の平均粒径が500nm以上であることをいう。正極活物質の平均粒径がナノサイズでないとは、正極活物質の平均粒径がナノサイズより大きいことをいう。本明細書において、正極活物質の平均粒径がナノサイズであるとは、正極活物質の平均粒径が1nm以上500nm未満であることをいう。
正極活物質の平均粒径は、好ましくは、5μm以上20μm以下である。平均粒径は、通常は光散乱法により測定するが、アスペクト比の影響を大きく受ける上、装置によって値にばらつきが生じる。そこで、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を併用して実際の大きさを測定することが好ましい。平均粒径は、走査型電子顕微鏡で測定した粒子径の頻度分布(ヒストグラム)を作成し、平均径を求める方法がある。あるいは、走査型電子顕微鏡で測定した粒子径の累積分布を作成し、累積度が50%となるメディアン径を用いる方法がある。
また、上記リチムイオン電池において、促進材の平均粒径はナノサイズではない。ただし、上記リチムイオン電池において、促進材の平均粒径はナノサイズであってもよい。また、上記リチムイオン電池において、導電材の平均粒径はナノサイズである。ただし、上記リチムイオン電池において、導電材の平均粒径はナノサイズでなくてもよい。
正極活物質の平均粒径は、促進材の平均粒径より大きくてもよい。正極活物質の平均粒径は、導電材の平均粒径よりも大きくてもよい。正極活物質の平均粒径は、例えば、促進材の平均粒径の2倍以上10倍以下であってもよい。正極活物質の平均粒径は、例えば、導電材の平均粒径の10倍以上100倍以下であってもよい。
正極活物質の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径の異なる複数種類の正極活物質が混ぜ合わされていてもよい。具体的には、平均粒径が5μmの正極活物質と、平均粒径が10μmの正極活物質とが混在していてもよい。
正極活物質の粒子形状は、特に限定されない。正極活物質の粒子形状は、好ましくは、球状である。
正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において促進材が占める重量の割合より大きくてもよい。正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において導電材が示す重量の割合よりも大きくてもよい。例えば、正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において促進材が占める重量の割合の2倍以上である。例えば、正極において正極活物質が占める重量の割合は、正極において導電材が占める重量の割合の80倍以上95倍以下でもよく、95倍を上回ってもよい。
促進材は、正極活物質とともに分散されていればよい。促進材は、電解液中に存在するアニオンと化学反応するものであれば、特に限定されない。つまり、促進材は、電解液中での電気的に中性な状態をくずすことができるものであれば、特に限定されない。促進材としては、例えば、p型半導体、導電性高分子、および活性炭から選択される少なくとも1種類を用いることができる。導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−ジチアゾール、還元型ポニアニリン、および導電材を加えたポリピロールなどから選択される少なくとも1種類を用いることができる。なお、導電材を加えたポリピロールとは、ポリピロールの置換基の少なくとも1つが導電材となったものである。導電材を加えたポリピロールを促進材として使用した場合、促進材の一部が導電材として作用することになる。
促進材の平均粒径は、ナノサイズでなくてもよいし、ナノサイズであってもよい。本明細書において、促進材の平均粒径がナノサイズでないとは、促進材の平均粒径が500nm以上であることをいう。促進材の平均粒径がナノサイズでないとは、促進材の平均粒径がナノサイズより大きいことをいう。本明細書において、促進材の平均粒径がナノサイズであるとは、促進材の平均粒径が1nm以上500nm未満であることをいう。促進材の平均粒径は、好ましくは、0.5μm以上20μm以下である。促進材の平均粒径がナノサイズでないことにより、促進材の充填率が高くなる。これにより、電池の容量が大きくなる。
促進材の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径の異なる複数種類の促進材が混ぜ合わされていてもよい。
促進材の粒子形状は、特に限定されない。促進材の粒子形状は、例えば、破砕された固体物あるいは球形状である。
導電材は、分散された正極活物質と促進材との間に存在するものであれば、特に限定されない。導電材は、正極活物質および促進材の少なくとも一方と接することにより、導電経路を形成するものであれば、特に限定されない。導電材は、例えば、カーボンブラックでもよく、カーボンブラックの一種であるアセチレンブラックでもよい。カーボンブラックは、アグリゲート(一次凝集体)を最小単位として存在し、粒子(ドメイン)単体では存在しない。導電材がアグリゲートを形成する物質の場合、導電材の平均粒径がナノサイズであるとは、粒子(ドメイン)の平均粒径がナノサイズであることをいう。アグリゲート(一次凝集体)の平均粒径はナノサイズより大きくてもよい。
導電材の平均粒径は、ナノサイズであってもよいし、ナノサイズでなくてもよい。導電材の平均粒径は、正極活物質の平均粒径よりも小さくてもよい。導電材の平均粒径は、促進材の平均粒径よりも小さくてもよい。要するに、導電材は、分散された正極活物質と促進材との間に存在することができる程度の大きさであればよい。導電材の平均粒径は、例えば、50nm以上500nm未満である。
本明細書において、導電材の平均粒径がナノサイズであるとは、導電材の平均粒径が1nm以上500nm未満であることをいう。本明細書において、導電材の平均粒径がナノサイズでないとは、導電材の平均粒径が500nm以上であることをいう。導電材の平均粒径がナノサイズでないとは、導電材の平均粒径がナノサイズより大きいことをいう。
導電材の平均粒径がナノサイズであることにより、正極活物質と促進材との間に導電材を存在させやすい。
正極において導電材が占める重量の割合が、正極において正極活物質が占める重量の割合の例えば5%程度であるとする。導電材がナノサイズであって正極活物質がナノサイズでない場合、導電材の単位重量当たりの表面積は、正極活物質の単位重量当たりの表面積の0.05倍程度である。したがって、ナノサイズである導電材の電解液との反応面積は、ナノサイズでない正極活物質の電解液との反応面積より非常に小さい。そのため、導電材はナノサイズであっても、電解液の溶媒の変質に殆ど影響を及ぼさない。
バインダは、正極活物質、促進材及び導電材を結合するものであれば、特に限定されない。バインダは、例えば、ポリフッ化ビニリデンである。
負極は、負極活物質を含む。負極活物質は、炭素を含むものであってもよい。この場合、負極活物質は、例えば、黒鉛であってもよいし、ソフトカーボンであってもよいし、ハードカーボンであってもよく、これらの組み合わせであってもよい。負極活物質は、炭素を含まないものであってもよい。この場合、負極活物質は、例えば、チタン酸リチウムである。
電解液は、例えば、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた有機電解液である。有機溶媒は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートである。リチウム塩は、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、ホウフッ化リチウム、過塩素酸リチウムである。電解液は、上記の有機電解液に対して、ポリマーを加えることにより、ゲル化したものであってもよい。ポリマーは、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリフッ化ビニリデンである。
本発明の実施の形態によるリチウムイオン電池を示すモデル図である。 本発明の実施の形態によるリチウムイオン電池の正極の電子顕微鏡の二次電子像である。 本発明例1に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiFePO4である場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 本発明例2に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiFePO4である場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 比較例1に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiFePO4である場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 本発明例3に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiMnPO4である場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。 比較例2に係るリチウムイオン電池(正極活物質がLiMnPO4である場合)の充電特性及び放電特性を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその部材についての説明は繰り返さない。
図1を参照しながら、リチウムイオン電池10について説明する。図1は、リチウムイオン電池10のモデル図である。
リチウムイオン電池10は、正極12と、負極14と、セパレータ16と、電解液18と、ケース20とを備える。以下、これらについて説明する。
正極12は、集電体121と、膜122とを含む。集電体121は、アルミニウムで形成されている。膜122は、集電体121を覆う。なお、膜122の詳細については、後述する。
負極14は、正極12から離れて配置されている。負極14は、集電体141と、膜142とを含む。集電体141は、アルミニウムで形成されている。膜142は、集電体141を覆う。膜142は、負極活物質を含む。負極活物質は、例えば、炭素を含む。
セパレータ16は、正極12と負極14との間に配置されている。セパレータ16は、多孔質膜である。セパレータ16は、例えば、ポリエチレンで形成されている。
電解液18には、正極12、負極14及びセパレータ16が浸漬されている。電解液18は、例えば、有機溶媒181にリチウム塩182を溶解させた有機電解液である。有機溶媒181中において、リチウム塩182は、リチウムイオン1821と、アニオン1822とに分離されている。つまり、電解液18中には、リチウムイオン1821と、アニオン1822とが存在する。
ケース20は、正極12、負極14、セパレータ16及び電解液18を収容する。ケース20は、例えば、金属製の缶である。ケース20の形状は、特に限定されない。ケース20の形状は、円筒形であってもよいし、矩形の箱形状であってもよい。
続いて、膜122の詳細について説明する。膜122は、正極活物質1221と、促進材1222と、導電材1223と、バインダ1224とを含む。
正極活物質1221は、リチウムを含む無機化合物によって形成されている。正極活物質1221は、例えば、オリビン構造を有する。オリビン構造を有する正極活物質1221は、例えば、LiMnPO4であってもよいし、LiFePO4であってもよい。正極活物質1221は、Li2MnSiO4であってもよい。正極活物質として、例えば、LiMnPO4、LiFePO4およびLi2MnSiO4の2種類以上を用いてもよい。
正極活物質1221の平均粒径は、例えば500nm以上である。正極活物質1221の平均粒径は、好ましくは、5μm以上20μm以下である。
正極活物質1221の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径が異なる複数種類の正極活物質1221が膜122中に存在していてもよい。
正極活物質1221の粒子形状は、特に限定されない。正極活物質1221の粒子形状は、好ましくは、球状である。
膜122において正極活物質1221が占める重量の割合は、膜122において促進材1222が占める重量の割合より大きくてもよい。膜122において正極活物質1221が占める重量の割合は、膜122において導電材1223が占める重量の割合よりも大きくてもよい。膜122において正極活物質1221が占める重量の割合は、例えば、50%以上95%以下である。膜122において促進材1222が占める重量の割合は、例えば、5%以上50%以下である。膜122において導電材1223が占める重量の割合は、例えば、0.5%以上10%以下である。
促進材1222は、正極活物質1221とともに、膜122中に分散されている。促進材1222としては、例えば、p型半導体、導電性高分子、および活性炭の少なくとも1種類以上を用いることができる。導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、2,5−ジメルカプト−1,3,4−ジチアゾール、還元型ポニアニリン、および、導電材を加えたポリピロールから選択される少なくとも1種類を用いることができる。
促進材1222の平均粒径は、例えば500nm以上である。促進材1222の平均粒径は、好ましくは、0.5μm以上20μm以下である。
促進材1222の平均粒径は、一定でなくてもよい。例えば、平均粒径が異なる複数種類の促進材が膜122中に存在していてもよい。
促進材1222の粒子形状は、特に限定されない。促進材1222の粒子形状は、例えば、破砕された塊状あるいは球形状である。
促進材1222は、電解液18中に存在するアニオン1822と化学反応する。促進材1222がアニオン1822と化学反応することにより、電解液18中において、リチウムイオン1821が、アニオン1822よりも多くなる。その結果、電解液18中で正極活物質1221の周囲に存在するリチウムイオン1821の数とアニオン1822の数とのバランス、つまり、電解液18中での電気的に中性な状態がくずれる。このように、電解液18中での電気的に中性な状態がくずれると、電解液18中に存在するリチウムイオン1821が正極活物質1221にインターカレートし易くなる。つまり、促進材1222は、リチウムイオン1821の正極活物質1221へのインターカレーションを促進する。アニオン1822と促進材1222との化学反応は、リチウムイオン1821の正極活物質1221へのインターカレーションよりも発生し易い。
導電材1223は、膜122中に分散された正極活物質1221と促進材1222との間に存在する。導電材1223は、正極活物質1221および促進材1222の少なくとも一方と接することにより、膜122中に導電経路を形成する。導電材1223は、例えば、カーボンブラックである。導電材1223は、正極活物質1221と正極活物質1221の間にも存在してもよい。導電材1223は、促進材1222と促進材1222の間に存在してもよい。
導電材1223の平均粒径は、正極活物質1221の平均粒径よりも小さくてもよい。導電材1223の平均粒径は、促進材1222の平均粒径よりも小さくてもよい。導電材1223の平均粒径は、ナノサイズであってもよいし、ナノサイズでなくてもよい。導電材1223の平均粒径は、例えば、50nm以上500nm未満である。
バインダ1224は、正極活物質1221、促進材1222及び導電材1223を結合する。バインダ1224は、例えば、ポリフッ化ビニリデンである。
リチウムイオン電池10においては、電解液18中に、リチウムイオン1821とアニオン1822とが存在する。促進材1222とアニオン1822とが化学反応することにより、電解液18中において、リチウムイオン1821が、アニオン1822よりも多くなる。その結果、電解液18中で正極活物質1221の周囲に存在するリチウムイオン1821の数とアニオン1822の数とのバランス、つまり、電解液18中での電気的に中性な状態がくずれる。
このような状態になると、電解液18の電気的な状態を中性に戻そうとする作用が働き、リチウムイオン1821の正極活物質1221に対するインターカレーションが促進される。その結果、リチウムイオン電池10の容量を大きくすることができる。
ここで、リチウムイオン電池10では、アニオン1822と促進材1222との化学反応が、リチウムイオン1821の正極活物質1221へのインターカレーションよりも発生し易くなっている。そのため、リチウムイオン電池10では、上記のような電解液18中での電気的に中性な状態がくずれた状態を実現し易くなる。その結果、リチウムイオン1821が正極活物質1221にインターカレートし易くなるので、リチウムイオン電池10の容量を大きくすることができる。
また、リチウムイオン電池10では、正極活物質1221の平均粒径が例えば500nm以上である。そのため、比重の大きい無機化合物で形成された正極活物質1221を最大限に利用することができる。その結果、リチウムイオン電池10の単位体積当たりの容量を大きくすることができる。
リチウムイオン電池10(以下、本発明例に係るリチウムイオン電池と称することがある)を作製した。具体的には、正極活物質がLiFePO4であるリチウムイオン電池と、正極活物質がLiMnPO4であるリチウムイオン電池とを作製した。作製方法は、以下のとおりであった。
[正極活物質がLiFePO4であるリチウムイオン電池]
先ず、正極活物質と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、ポリアニリンと、導電材を混合したもの(混合物)を準備した。正極活物質とポリアニリンとの重量比は、0.9:0.1にした(以下、このような混合比率のものを、本発明例1と称する)。上記の混合物を乳鉢に入れて、シアー(せん断圧力)をかけながら、乳棒でゆっくりと粉砕した。これにより、ポリテトラフルオロエチレンが次第にフィブリル化し、上記の混合物が粉体から固体に変化した。固体化した混合物を、SUS板で挟み、油圧プレスにより、1トンの圧力を加えた。そして、混合物をポンチにより打抜いて、直径14mmの円板状の正極を得た。正極活物質とポリアニリンとの重量比を0.8:0.2にしたもの(以下、このような混合比率のものを、本発明例2と称する)と、正極活物質とポリアニリンとの重量比を1:0にしたもの(以下、このような混合比率のものを、比較例1と称する)とについても、同様な方法により、円板状の正極を得た。
続いて、アルゴンガス雰囲気中で、負極を配置した。負極は、リチウムで形成された円板(直径14mm)であった。正極と負極の間には、直径15mmの円状に打ち抜いたガラスろ紙を挟んだ。電解液を1mL滴下して、2032型のコインセルを作製した。電解液は、重量比が、炭酸エチレン(EC):炭酸ジエチル(DEC)=1:1の溶液に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1M/kgとなるように調整したものであった。なお、1Mは、1mol/m3である。
[正極活物質がLiMnPO4であるリチウムイオン電池]
正極活物質がLiMnPO4であるリチウムイオン電池についても、正極活物質がLiMnPO4であるリチウムイオン電池と同様な方法により、作製した。なお、正極活物質がLiMnPO4であるリチウムイオン電池については、正極活物質とポリアニリンとの重量比を、0.8:0.2にしたもの(以下、このような混合比率のものを、本発明例3と称する)と、1:0にしたもの(以下、このような混合比率のものを、比較例2と称する)とについて、作製した。
図2、図3、図4、図5、図6及び図7を参照しながら、上記のリチウムイオン電池の特性について説明する。
図2は、本発明例1に係るリチウムイオン電池の正極の表面の電子顕微鏡の二次電子像である。この電子顕微鏡の二次電子像は、印加電圧が20kVで、倍率が1000倍で取得された像である。
図2に示すように、正極活物質及びポリアニリン(促進材)の各々がナノサイズでないことがわかる。また、正極活物質がポリアニリン(促進材)よりも大きいことがわかる。なお、導電材はナノサイズである。
図3は、本発明例1に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とは、それぞれ、充放電のサイクルが1回である場合と、2回である場合と、3回である場合と、5回である場合と、10回である場合とを示している。充電及び放電は、以下のようにして行った。
先ず、本発明例1に係るリチウムイオン電池を、定電流定電圧方式で充電して、充電特性を示す曲線を得た。定電流充電での充電電流は、1mAとした。定電圧充電での充電電圧は、3.6Vとした。充電終止電流は、0.1mAとした。
このようにして充電した本発明例1に係るリチウムイオン電池を定電流放電して、放電特性を示す曲線を得た。放電電流は、1mAとした。放電終止電圧は、2.5Vとした。一般的なリチウムイオン電池は、材料にもよるが概ね2Vを下回ると負極に使用されている銅の溶出限界電位を超える。このため、放電終止電圧を2.5Vとした。
図4は、本発明例2に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。本発明例2に係るリチウムイオン電池については、本発明例1に係るリチウムイオン電池の場合と同様な方法により、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを得た。
図5は、比較例1に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。比較例1に係るリチウムイオン電池については、本発明例1に係るリチウムイオン電池の場合と同様な方法により、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを得た。
表1に、本発明例1、本発明例2および比較例1の10サイクル目の放電容量を示している。表1に示す放電容量は、単位重量当たりの放電容量である。
図3、図4、図5および表1に示すように、本発明例1に係るリチウムイオン電池及び本発明例2に係るリチウムイオン電池は、比較例1に係るリチウムイオン電池と比べて、容量が大きくなるのを確認できた。また、本発明例2に係るリチウムイオン電池は、本発明例1に係るリチウムイオン電池と比べて、容量が大きくなるのを確認できた。
図6は、本発明例3に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とは、それぞれ、充放電のサイクルが1回である場合と、2回である場合と、3回である場合と、4回である場合と、5回である場合とを示している。充電及び放電は、以下のようにして行った。
先ず、本発明例3に係るリチウムイオン電池を、定電流定電圧方式で充電して、充電特性を示す曲線を得た。定電流充電での充電電流は、1mAとした。定電圧充電での充電電圧は、4.5Vとした。充電終止電流は、0.1mAとした。
このようにして充電した本発明例に係るリチウムイオン電池を定電流放電して、放電特性を示す曲線を得た。放電電流は、1mAとした。放電終止電圧は、2.5Vとした。
図7は、比較例2に係るリチウムイオン電池について、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを併せて示すグラフである。比較例2に係るリチウムイオン電池については、本発明例3に係るリチウムイオン電池の場合と同様な方法により、充電特性を示す曲線と、放電特性を示す曲線とを得た。
表2に、本発明例3および比較例2の5サイクル目の放電容量を示している。表2に示す放電容量は、単位重量当たりの放電容量である。
図6、図7および表2に示すように、本発明例3に係るリチウムイオン電池は、比較例2に係るリチウムイオン電池と比べて、容量が大きくなるのを確認できた。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
10 リチウムイオン電池
12 正極
1221 正極活物質
1222 促進材
1223 導電材
1224 バインダ
14 負極
18 電解液
182 リチウム塩
1821 リチウムイオン
1822 アニオン

Claims (8)

  1. リチウムイオン電池であって、
    正極と、
    負極と、
    リチウム塩を含み、前記正極及び前記負極が接触する電解液とを備え、
    前記正極は、
    前記電解液中に存在するリチウムイオンがインターカレートする正極活物質と、
    前記正極活物質とともに分散されて、前記電解液中に存在するアニオンと化学反応する促進材と、
    分散された前記正極活物質と前記促進材との間に存在する導電材と、
    前記正極活物質、前記促進材及び前記導電材を結合するバインダとを含み、
    前記電解液中に存在するアニオンと前記促進材との化学反応は、前記電解液中に存在するリチウムイオンの前記正極活物質へのインターカレーションよりも発生し易い、リチウムイオン電池。
  2. 請求項1に記載のリチイムイオン電池であって、
    前記正極活物質の平均粒径がナノサイズでない、リチイムイオン電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載のリチイムイオン電池であって、
    前記促進材の平均粒径がナノサイズでない、リチイムイオン電池。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のリチイムイオン電池であって、
    前記導電材の平均粒径がナノサイズである、リチイムイオン電池。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極活物質が、オリビン構造を有する、リチウムイオン電池。
  6. 請求項5に記載のリチウムイオン電池であって、
    前記正極活物質が、LiMnPO、LiFePO及びLiMnSiOの何れかである、リチウムイオン電池。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のリチウムイオン電池であって、
    前記促進材が、導電性高分子である、リチウムイオン電池。
  8. 請求項7に記載のリチウムイオン電池であって、
    前記促進材が、ポリアニリンである、リチウムイオン電池。
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