JPWO2018186369A1 - 遮光機能付きアイウェア用光学フィルム、並びにこれを用いた光学積層体および遮光機能付きアイウェア - Google Patents
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Abstract
本発明に係る遮光機能付きアイウェア用光学フィルムは、400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を備え、前記光反射層がアイウェアの着用者側を基準として最も外側に配置され、かつ、可視光平均透過率が60%以上である。
Description
本発明は、例えば、白内障手術後の眩しさ低減の保護メガネなどに用いられる遮光機能付きアイウェア(メガネ、サングラス、ゴーグル、ヘルメット用バイザーなど)に利用される遮光機能付きアイウェア用光学フィルム、並びにこれを用いた光学積層体および遮光機能付きアイウェアに関する。
眼内の水晶体が白く濁る病気である白内障の治療方法の1つとして、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工水晶体(眼内レンズ)を眼内に挿入する手術が知られている。一方、手術後の眼の状態として、視力が回復する反面、眼内レンズは、一般に短波長側の光を通すため、白内障手術前よりも青色の光が眼に入りやすい。また、水晶体の濁りが急に取り除かれるため、外部からの光が眼内レンズに大量に入り、より眩しさを感じる場合がある。
白内障手術後の防眩対策として、通常、眩しさを低減する保護メガネが利用される。このような保護メガネは市販されており、主にプラスチックレンズに光吸収色素が染色されたレンズなど、光を吸収するレンズが用いられている。
このように、白内障手術後の保護メガネは、通常、眩しさの低減、すなわち遮光性を兼ね備えたメガネであり、また、遮光性にも様々なバリエーションのタイプが存在する。一方、光吸収色素などが用いられた保護メガネは、吸収対象である青色の光以外の可視光域の光も吸収し、これにより視界が必要以上に暗くなってしまうという問題がある。
本発明は、視界が暗くなり過ぎずに、青色の光を効率的にカットすることができる、主に白内障手術後の保護メガネに最適な遮光機能付きアイウェア用光学フィルム、並びにこれを用いた光学積層体および遮光機能付きアイウェアを提供することを目的とする。
本発明者らは、400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を、アイウェアの着用者側を基準として最も外側に備える光学フィルムは、高い可視光平均透過率を有すると共に、青色の光をカットし、眩しさを低減する機能を有しているとの知見を得た。そして、このような機能を有する光学フィルムをアイウェアに適用することにより、視界が暗くなり過ぎずに、青色の光を効率的にカットすることが可能な高い遮光性を有するアイウェアを得られることを新規に見出した。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下の通りである。
[1]400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を備え、
前記少なくとも1層の光反射層がアイウェアの着用者側を基準として最も外側に配置され、かつ、
可視光平均透過率が60%以上である、遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。
[2]前記少なくとも1層の光反射層が、
右巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層Rと、
左巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層Lと、
を含む、[1]に記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。
[3]少なくとも1層の直線偏光素子層をさらに備え、
前記直線偏光素子層が、アイウェアの着用者側を基準として前記少なくとも1層の光反射層よりも着用者側に配置されている、[1]または[2]に記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。
[4]第1の支持体と、
第2の支持体と、
前記第1の支持体および前記第2の支持体との間に配置された[1]から[3]までのいずれかに記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルムと、
を備える光学積層体。
[5]前記第1の支持体および前記第2の支持体の両方または一方が、プラスチック素材を用いて形成された基材である、[4]に記載の光学積層体。
[6][1]から[3]までのいずれかに記載の光学フィルム、または[4]もしくは[5]に記載の光学積層体を備える遮光機能付きアイウェア。
[1]400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を備え、
前記少なくとも1層の光反射層がアイウェアの着用者側を基準として最も外側に配置され、かつ、
可視光平均透過率が60%以上である、遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。
[2]前記少なくとも1層の光反射層が、
右巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層Rと、
左巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層Lと、
を含む、[1]に記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。
[3]少なくとも1層の直線偏光素子層をさらに備え、
前記直線偏光素子層が、アイウェアの着用者側を基準として前記少なくとも1層の光反射層よりも着用者側に配置されている、[1]または[2]に記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。
[4]第1の支持体と、
第2の支持体と、
前記第1の支持体および前記第2の支持体との間に配置された[1]から[3]までのいずれかに記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルムと、
を備える光学積層体。
[5]前記第1の支持体および前記第2の支持体の両方または一方が、プラスチック素材を用いて形成された基材である、[4]に記載の光学積層体。
[6][1]から[3]までのいずれかに記載の光学フィルム、または[4]もしくは[5]に記載の光学積層体を備える遮光機能付きアイウェア。
本発明により、視界が暗くなり過ぎずに青色の光を効率的にカットすることができる、主に白内障手術後の保護メガネに最適な遮光機能付きアイウェア用光学フィルム、並びにこれを用いた光学積層体および遮光機能付きアイウェアを提供することができる。
また、本発明のアイウェアは、例えば、ミラー調のような意匠性も有し得るため、ファッション性にも優れたアイウェアを提供することができる。
以下、本発明に従う実施形態について詳細に説明する。なお、下記の実施形態は、本発明のいくつかの代表的な実施形態の例示であり、本発明の範囲において、種々の変更を加えることができる。
<光学フィルム>
本発明に係る遮光機能付きアイウェア用光学フィルム(以下、「アイウェア用光学フィルム」または「光学フィルム」とも称する。)は、400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を備え、該少なくとも1層の光反射層がアイウェアの着用者側を基準として最も外側に配置されている。ここで、アイウェアの着用者側を基準として最も外側とは、光学フィルムをアイウェアに適用したときに、光学フィルムに光が入射する側であって、光学フィルムの「表側」を意味する。一方、アイウェアの着用者側とは、光学フィルムの「裏側」を意味する。そのため、光学フィルムを直接アイウェアに適用する場合、基本的な配置構造として、光反射層が光学フィルムの最も表側に配置される。また、光学フィルムを構成する光反射層は、光学フィルムの最も外側に直接形成されていてもよく、接着層を介して形成されていてもよい。
本発明に係る遮光機能付きアイウェア用光学フィルム(以下、「アイウェア用光学フィルム」または「光学フィルム」とも称する。)は、400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を備え、該少なくとも1層の光反射層がアイウェアの着用者側を基準として最も外側に配置されている。ここで、アイウェアの着用者側を基準として最も外側とは、光学フィルムをアイウェアに適用したときに、光学フィルムに光が入射する側であって、光学フィルムの「表側」を意味する。一方、アイウェアの着用者側とは、光学フィルムの「裏側」を意味する。そのため、光学フィルムを直接アイウェアに適用する場合、基本的な配置構造として、光反射層が光学フィルムの最も表側に配置される。また、光学フィルムを構成する光反射層は、光学フィルムの最も外側に直接形成されていてもよく、接着層を介して形成されていてもよい。
このように、光学フィルムが備える光反射層は、短波長側の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含むため、青色の光の波長領域内の光を選択的に反射する偏光性能を有する。これにより、青色の光を効率的にカットし、眩しさを低減する遮光機能を有すると共に、可視光域の光の十分な透過を確保することが可能な光学フィルムを得ることができる。また、光学フィルムの可視光平均透過率は60%以上であり、好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。可視光平均透過率が60%以上であることにより、可視光域の明るさが阻害され、視界が暗くなり過ぎることを抑制できる。よって、本発明の光学フィルムは、このような優れた機能を有するため、白内障手術後の保護メガネの適用に最適である。
(光反射層)
本発明に使用される光反射層は、400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む。光反射層は、反射帯域を有するため、光反射層の反射波長は、該反射帯域の中心値である中心反射波長を用いて表現される。ここで、中心反射波長とは、光反射層の反射帯域の中心波長を意味し、その値は、例えば、分光測定において、反射帯域で透過率が75%となる短波長側と長波長側の波長間の中間の値として定義できる。例として、ある光反射層を分光測定した場合に、反射帯域における透過率が75%となる短波長側の波長が400nm、長波長側の波長が500nmであるような場合、この光反射層の中心反射波長は、450nmである。中心反射波長の算出において基準とする透過率は任意であり、波形形状、反射帯域の最低透過率等により適宜選択されるが、必ずしも左右対称の波形ではなく、また反射帯域の前後に干渉帯がある場合もあるため、最低透過率値+5〜50%の透過率を基準とすることもできる。
本発明に使用される光反射層は、400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む。光反射層は、反射帯域を有するため、光反射層の反射波長は、該反射帯域の中心値である中心反射波長を用いて表現される。ここで、中心反射波長とは、光反射層の反射帯域の中心波長を意味し、その値は、例えば、分光測定において、反射帯域で透過率が75%となる短波長側と長波長側の波長間の中間の値として定義できる。例として、ある光反射層を分光測定した場合に、反射帯域における透過率が75%となる短波長側の波長が400nm、長波長側の波長が500nmであるような場合、この光反射層の中心反射波長は、450nmである。中心反射波長の算出において基準とする透過率は任意であり、波形形状、反射帯域の最低透過率等により適宜選択されるが、必ずしも左右対称の波形ではなく、また反射帯域の前後に干渉帯がある場合もあるため、最低透過率値+5〜50%の透過率を基準とすることもできる。
光反射層は1層であってもよく、2層以上積層されていてもよい。また、光反射層は、右巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む光反射層R、または左巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む光反射層Lのいずれかを含んでいてもよく、いずれも含まれていてもよい。右巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層は、右回りの円偏光(右円偏光)を反射する特性を示し、一方、左巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層は、左回りの円偏光(左円偏光)を反射する特性を示す。円偏光には直線偏光のような偏光軸がないために、光反射層が反射する円偏光が右円偏光か左円偏光のいずれかを選択するだけで、容易かつ安定した高い反射率を得ることができる。本発明に係る光学フィルムが光反射層を2層以上含む場合、いずれも同じ向きの円偏光を反射する光反射層が含まれていてもよいし、逆向きの円偏光を反射する光反射層が含まれていてもよい。例えば、光反射層として、光反射層Lが3層含まれる場合、各光反射層Lに含まれるコレステリック液晶層は、いずれも左円偏光を反射する特性を示す。光反射層の積層数は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜5層であり、より好ましくは1〜3層である。光反射層を複数積層させることにより、青色の光をより効率的にカットすることができ、必要に応じて反射波長領域を広げることができるが、製造工程数およびコスト等の観点から光反射層の積層数は1〜5層の範囲であることが好ましい。各光反射層の厚さは、0.2〜5μmであることが好ましく、0.8〜4μmであることがより好ましい。各光反射層の厚さが0.2μm未満の場合、得られる光反射フィルムの反射率が低下するおそれがある。一方、光反射層の厚さが5μmより大きい場合には、光反射層を構成するコレステリック液晶の配向不良が生じ、これにより得られる光反射フィルムのヘーズ値が上昇するおそれがある。
複数の光反射層が積層される場合、全て同じ向きの円偏光を反射する光反射層、すなわち、光反射層Rまたは光反射層Lのいずれかの光反射層が含まれていてもよく、あるいは、光反射層Rと光反射層Lとが含まれていてもよい。本発明では、特に、少なくとも1層の光反射層Rと、少なくとも1層の光反射層Lとが含まれていることが好ましい。光反射層Rと光反射層Lの両方が含まれる場合、それぞれの光反射層の中心反射波長のズレが20nm以内であることが好ましい。中心反射波長のズレが20nm以内であれば、例えば、光反射層Rまたは光反射層Lを透過した左円偏光または右円偏光が、透過した円偏光を反射する光反射層Lまたは光反射層Rによりさらに反射され、青色の光をより効率的にカットすることができる。
3層以上の複数の光反射層が積層される場合、光反射層全体でのヘーズ値は1.0%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましい。ヘーズ値が1.0%より大きいと、光反射層の不透明性が大きく、透明性が重要である光学部材への使用に適さない。
光反射層Rと光反射層Lの両方を含む光反射層のヘーズ値は1.0%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましい。ヘーズ値が1.0%より大きいと、光反射層の不透明性が大きく、透明性が重要である光学部材への使用に適さない。
光反射層の反射率または透過率は任意に調整することが可能であり、透過率は5%以上90%以下が好ましく、10%以上80%以下がより好ましい。透過率の調整はコレステリック液晶層の厚みで制御することができる。コレステリック液晶層の厚みは0.2〜5μmであることが好ましく、0.8〜4μmであることがより好ましい。各光反射層の厚さが0.2μm未満の場合および光反射層の厚さが5μmより大きい場合いずれも、光反射層を構成するコレステリック液晶の配向不良が生じ、これにより得られる光反射フィルムのヘーズ値が上昇するおそれがある。
コレステリック液晶層は、キラリティをもつネマチック液晶、ネマチック液晶にカイラル剤を添加した組成物を用いて形成される。カイラル剤の種類、量により、螺旋の向き、反射波長を任意に設計できるため、ネマチック液晶にカイラル剤を添加してコレステリック液晶を得る方法が好ましい。本発明で使用されるネマチック液晶は、いわゆる電界で操作する液晶とは異なり、螺旋配向状態を固定化して使用されるため、重合性基を有するネマチック液晶モノマーを用いることが好ましい。
重合性基を有するネマチック液晶モノマーは、分子内に重合性基を有し、ある温度範囲または濃度範囲で液晶性を示す化合物である。重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイル基、ビニル基、カルコニル基、シンナモイル基およびエポキシ基などが挙げられる。また、重合性液晶が液晶性を示すためには分子内にメソゲン基があることが好ましく、メソゲン基とは、例えば、ビフェニル基、ターフェニル基、(ポリ)安息香酸フェニルエステル基、(ポリ)エーテル基、ベンジリデンアニリン基、またはアセナフトキノキサリン基等のロッド状、板状の置換基、あるいはトリフェニレン基、フタロシアニン基、またはアザクラウン基等の円盤状の置換基、すなわち、液晶相挙動を誘導する能力を有する基を意味する。ロッド状または板状の置換基を有する液晶化合物はカラミティック液晶として当該技術分野で既知である。このような重合性基を有するネマチック液晶モノマーは、例えば、特開2003−315556号公報および特開2004−29824号公報に記載の重合性液晶、Paliocolor(登録商標)シリーズ(BASF社製)、例えば、Paliocolor LC242、Paliocolor LC1057およびRMMシリーズ(Merck社製)等の重合性液晶が挙げられる。これら重合性基を有するネマチック液晶モノマーは、単独で使用しても、または複数混合して使用してもよい。
カイラル剤としては、上記重合性基を有するネマチック液晶モノマーを右巻き螺旋配向または左巻きに螺旋配向に調整することができ、重合性基を有するネマチック液晶モノマーと同様に重合性基を有する化合物が好ましい。このようなカイラル剤としては、例えば、Paliocolor LC756(BASF社製)、特開2002−179668号公報、特開2007−271808号公報等に記載の光学活性なビナフチル構造を有する化合物、特開2003−306491号公報、特開2003−313292号公報等に記載の光学活性なイソソルビド構造を有する化合物などが挙げられる。このカイラル剤の種類により、反射する円偏光の向きが決まり、さらには、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量に応じて、光反射層の反射波長を変えることができる。例えば、カイラル剤の添加量を多くするほど、より短波長側の波長を反射する光反射層を得ることができる。カイラル剤の添加量は、カイラル剤の種類と反射させる波長によっても異なるが、通常光に対する光反射層の中心反射波長を、所望の波長領域に調整するため、重合性基を有するネマチック液晶モノマー100重量部に対し、0.5重量部〜30重量部が好ましく、より好ましくは1重量部〜20重量部である。
さらに、重合性基を有するネマチック液晶モノマーと反応可能な液晶性を有しない重合性化合物を添加することも可能である。そのような化合物としては、例えば、紫外線硬化型樹脂等が挙げられる。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサメチレン−ジ−イソシアネートとの反応生成物、イソシアヌル環を有するトリイソシアネートとペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとの反応生成物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとイソホロン−ジ−イソシアネートとの反応生成物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタアクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリグリセロール−ジ−(メタ)アクリレート、プロピレングリコール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ポリプロピレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール−ジ−(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール−ジ−(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサンジオール−ジ−(メタ)アクリレート、グリセロール−ジ−(メタ)アクリレート、エチレングリコール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ジエチレングリコール−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(メタアクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビスフェノールA−ジ−グリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ブチルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートおよびブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独で使用してもあるいは複数混合してもよい。これら液晶性を有しない紫外線硬化型樹脂は、ネマチック液晶モノマーを含む組成物が液晶性を失わない程度に添加すればよく、好ましくは、重合性基を有するネマチック液晶モノマー100重量部に対して0.1〜20重量部、より好ましくは1.0〜10重量部程度である。
上述した重合性基を有するネマチック液晶モノマー、他の重合性化合物が紫外線硬化型である場合、該組成物を紫外線により硬化させるために、光重合開始剤が添加される。光重合開始剤としては例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1(BASF社製イルガキュアー907)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製イルガキュアー184)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(BASF社製イルガキュアー2959)、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(Merck社製ダロキュアー953)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(Merck社製ダロキュアー1116)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASF社製イルガキュアー1173)、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BASF社製イルガキュアー651)等のベンゾイン系化合物;ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン(日本化薬社製カヤキュアーMBP)等のベンゾフェノン系化合物;ならびに、チオキサントン、2−クロルチオキサントン(日本化薬社製カヤキュアーCTX)、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬社製カヤキュアーRTX)、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロオチオキサントン(日本化薬社製カヤキュアーCTX)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製カヤキュアーDETX)、または2,4−ジイソプロピルチオキサントン(日本化薬社製カヤキュアーDITX)等のチオキサントン系化合物等が挙げられる。好ましくは、例えば、Irgacure TPO、Irgacure TPO−L、Irgacure OXE01、Irgacure OXE02、Irgacure 1300、Irgacure 184、Irgacure 369、Irgacure 379、Irgacure 819、Irgacure 127、Irgacure 907およびIrgacure 1173(いずれもBASF社製)が挙げられ、特に好ましくはIrgacure TPO、Irgacure TPO−L、Irgacure OXE01、Irgacure OXE02、Irgacure 1300およびIrgacure 907が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種類または複数を任意の割合で混合して使用することができる。特に、300nm以上の波長に吸収帯域をもつ光重合開始剤を少なくとも1種以上用いることが好ましい。
光重合開始剤としてベンゾフェノン系化合物またはチオキサントン系化合物を用いる場合には、光重合反応を促進させるために、助剤を併用することも可能である。そのような助剤としては例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,4’―ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチルおよび4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン系化合物が挙げられる。
上述した光重合開始剤および助剤の添加量は、ネマチック液晶を含有する組成物の液晶性に影響を与えない範囲で使用することができ、その量は、当該組成物中の紫外線で硬化する化合物100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上10重量部以下である、より好ましくは2重量部以上8重量部以下である。また、助剤は光重合開始剤に対して、0.5倍から2倍量であることが好ましい。
次に、上記コレステリック液晶を用いて、本発明に使用される光反射層を作製する方法を説明する。このような方法としては、例えば、重合性基を有するネマチック液晶モノマーに、所望とする波長を反射するように右巻きまたは左巻き螺旋配向となるカイラル剤を必要量添加する。次にこれらを溶剤に溶解し、光重合開始剤を添加する。このような溶剤は、使用する液晶モノマーやカイラル剤等を溶解できれば、特に限定されるものではないが、例えば、シクロペンタノン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、シクロペンタノンおよびトルエン等が好ましい。その後、この溶液をトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のプラスチックフィルム上に厚みができるだけ均一になるように塗布し、加熱にて溶剤を除去させながら、プラスチックフィルム上でコレステリック液晶となって所望の螺旋ピッチで配向するような温度条件、好ましくは40〜150℃で一定時間放置させる。このとき、プラスチックフィルム表面を塗布前にラビングまたは延伸等の配向処理をしておくことで、コレステリック液晶の配向をより均一にすることができ、フィルムとしてのヘーズ値を低減することが可能となる。次いでこの配向状態を保持したまま、高圧水銀灯等で紫外線を照射し、コレステリック液晶の配向を固定化させることにより、本発明で使用される光反射層を構成するコレステリック液晶層が得られる。ここで、右巻き螺旋配向となるカイラル剤を選択した場合、光反射層は右円偏光を選択的に反射する光反射層Rが得られ、一方、左巻き螺旋配向となるカイラル剤を選択した場合、光反射層は、左円偏光を選択的に反射する光反射層Lが得られる。この特定の円偏光を選択的に反射する現象を選択反射といい、選択反射している波長帯域を選択反射領域という。
複数の光反射層を積層する場合、各光反射層を積層する手段は、特に制限はなく、各光反射層を、直接積層することができるが、粘着剤、接着剤を用いて積層することが好ましい。粘着剤としては、アクリル系またはゴム系の粘着剤が挙げられるが、接着性、保持力等を調整しやすいアクリル系粘着剤が好ましい。また、接着剤としては、紫外線硬化型樹脂組成物または熱硬化型樹脂組成物が挙げられる。紫外線硬化型樹脂の場合は、アクリロイル基またはエポキシ基を有するモノマーを2種以上混合した組成物を光重合開始剤の存在下で、紫外線を照射することにより硬化させて、各光反射層を接着させることができる。熱硬化型樹脂組成物の場合は、エポキシ基を有するモノマーを2種以上混合した組成物を酸触媒の存在下で加熱することにより硬化させて、各光反射層を接着させることができる。あるいは、アミノ基、カルボキシル基、水酸基を有する2種以上のモノマーまたはポリマーを含む組成物をイソシアネート基またはメラミンを有する化合物の存在下で加熱することにより硬化させて、各光反射層を接着させることができる。
(直線偏光素子層)
本発明に係るアイウェア用光学フィルムは、少なくとも1層の直線偏光素子層をさらに備えていてもよい。具体的には、直線偏光素子層は、アイウェアの着用者側を基準として上述した光反射層よりも着用者側、すなわち裏側に配置される。直線偏光素子層に使用される直線偏光素子は、特に限定されるものではないが、典型的にはPVA(ポリビニルアルコール)偏光フィルムが挙げられる。また、直線偏光素子の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコールまたはその誘導体から形成された高分子フィルムに二色性色素を吸着し、次いで該フィルムを一軸延伸して二色性色素を配向させることにより製造することができる。二色性色素としては、公知のヨウ素錯体、二色性染料などが挙げられるが、耐熱性の点から、二色性染料が好ましく、特にスルホン酸基をもつアゾ色素からなる直接染料が好ましい。
本発明に係るアイウェア用光学フィルムは、少なくとも1層の直線偏光素子層をさらに備えていてもよい。具体的には、直線偏光素子層は、アイウェアの着用者側を基準として上述した光反射層よりも着用者側、すなわち裏側に配置される。直線偏光素子層に使用される直線偏光素子は、特に限定されるものではないが、典型的にはPVA(ポリビニルアルコール)偏光フィルムが挙げられる。また、直線偏光素子の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコールまたはその誘導体から形成された高分子フィルムに二色性色素を吸着し、次いで該フィルムを一軸延伸して二色性色素を配向させることにより製造することができる。二色性色素としては、公知のヨウ素錯体、二色性染料などが挙げられるが、耐熱性の点から、二色性染料が好ましく、特にスルホン酸基をもつアゾ色素からなる直接染料が好ましい。
水面、路面、雪面等からの反射光は、一般にs偏光と呼ばれる入射面に垂直な方向に振動する直線偏光の成分が多く含まれることで知られている。アイウェア用光学フィルムにおいて、光学フィルムの裏側に直線偏光素子が配置されている場合、入射されるs偏光は直線偏光素子によって吸収される。そのため、アイウェア用光学フィルムに入射するs偏光の偏光軸が、直線偏光素子の吸収軸と平行になるように直線偏光素子の吸収軸が配置されていることが好ましい。これにより、s偏光が直線偏光素子によって吸収され、アイウェア用光学フィルムの遮光機能をより高めることができる。
本発明のアイウェア用光学フィルムは、光反射層の中心反射波長付近(反射波長領域)に高い偏光度を有する。偏光度とは、全光強度に対する偏光した成分の光強度の割合であり、偏光度が高いほど、偏光性能が高いことを意味する。光反射層を用いた場合には、一般的に用いられる視感度補正された偏光度に換算すると高い数値を示すことはないが、特定の波長にて高い偏光度を有する傾向にある。例えば、光反射層の中心反射波長が480nmである場合、光学フィルムは480nm近辺に高い偏光度を有するため、より効率的に青色の光をカットし、アイウェアとしての遮光機能をより向上させることができる。また、光学フィルムが直線偏光素子層をさらに備える場合、視感度補正された偏光度が高い数値を示すため、青色の光のカット率がより高い偏光サングラスなどに使用することが可能である。
(光学積層体)
本発明に係る光学フィルムを2枚の支持体で挟持することによって、光学積層体を得ることができる。すなわち、本発明に係る光学積層体は、第1の支持体と、第2の支持体と、第1の支持体および第2の支持体との間に配置された上述のアイウェア用光学フィルムと、を備えている。また、本発明に使用される第1の支持体および第2の支持体の両方または一方は、プラスチック素材を用いて作製された基材であることが好ましい。プラスチック素材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、およびトリアセチルセルロース(TAC)などの樹脂を使用できる。耐衝撃性、耐熱性が要求されるサングラス、ゴーグル等のアイウェアにおいて、プラスチック素材として、ポリカーボネートを使用することが好ましく、ビスフェノールAを含む芳香族ポリカーボネートを使用することがより好ましい。各支持体の全光線透過率は、視認性を確保しやすくするため、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。また、光学フィルムに含まれる各層を製造する際、その最適加工温度が低い場合には、支持体の素材として、例えば、芳香族ポリカーボネート/PCC組成物(全脂環式ポリエステル組成物)、ガラス転移温度130℃以下のポリアミドなどを使用することが好ましい。また、第1の支持体および第2の支持体を構成するプラスチック素材は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
本発明に係る光学フィルムを2枚の支持体で挟持することによって、光学積層体を得ることができる。すなわち、本発明に係る光学積層体は、第1の支持体と、第2の支持体と、第1の支持体および第2の支持体との間に配置された上述のアイウェア用光学フィルムと、を備えている。また、本発明に使用される第1の支持体および第2の支持体の両方または一方は、プラスチック素材を用いて作製された基材であることが好ましい。プラスチック素材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、およびトリアセチルセルロース(TAC)などの樹脂を使用できる。耐衝撃性、耐熱性が要求されるサングラス、ゴーグル等のアイウェアにおいて、プラスチック素材として、ポリカーボネートを使用することが好ましく、ビスフェノールAを含む芳香族ポリカーボネートを使用することがより好ましい。各支持体の全光線透過率は、視認性を確保しやすくするため、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。また、光学フィルムに含まれる各層を製造する際、その最適加工温度が低い場合には、支持体の素材として、例えば、芳香族ポリカーボネート/PCC組成物(全脂環式ポリエステル組成物)、ガラス転移温度130℃以下のポリアミドなどを使用することが好ましい。また、第1の支持体および第2の支持体を構成するプラスチック素材は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
本発明の光学フィルムに用いられる光反射層および直線偏光素子の積層方法、あるいは、第1および第2の支持体により光学フィルムを挟持する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、各層、支持体を、直接積層することができるが、高い接着力が得られる観点から、各層、支持体は接着層を介して積層することが望ましい。接着層の材料として、ホットメルト型接着剤または硬化型接着剤のいずれも使用可能である。通常、硬化型接着剤としては、アクリル樹脂系材料、ウレタン樹脂系材料、ポリエステル樹脂系材料、メラミン樹脂系材料、エポキシ樹脂系材料、シリコーン系材料等が使用できる。また、接着剤の他に粘着剤の使用も可能である。粘着剤としては、特に限定されるものではないが、アクリル系、ゴム系等の粘着剤が挙げられる。
(アイウェア)
こうして得られた本発明に係る光学フィルムまたは光学積層体をアイウェアに適合する所望の形状に成形し、さらに、フレーム等に固定することで、本発明に係る光学フィルムまたは光学積層体を備えるメガネ、サングラス、ゴーグル、ヘルメット用バイザー等の遮光機能付きアイウェア(以下、単に「アイウェア」とも称する)を得ることができる。例えば、メガネの場合は、光学積層体を所望の形状に打ち抜き、次いで、曲げ加工を施す。曲げ加工の方法は特に制限はなく、所望とする形状に応じて、光学積層体を球面あるいは非球面の面形状に曲げ加工を施せばよい。曲げ加工品には、さらに樹脂による射出成形が施されていてもよい。これにより、光学積層体の厚みムラによる像の歪みを防止することができ、また、焦点屈折力をもたないレンズにおいても、耐衝撃性、外観、眼精疲労に対して特に優れた作用をもたらすことができる。射出する樹脂は、屈折率差による外観悪化を防止するため、樹脂が接する層と同一の材料であることが好ましい。また、光学積層体の外表面には、適宜、ハードコート、反射防止膜等が付与されてもよい。曲げ加工処理または射出成形をした光学積層体を、玉摺り、穴あけ、ネジ締め等によりフレーム等に固定することでメガネを作製することができる。
こうして得られた本発明に係る光学フィルムまたは光学積層体をアイウェアに適合する所望の形状に成形し、さらに、フレーム等に固定することで、本発明に係る光学フィルムまたは光学積層体を備えるメガネ、サングラス、ゴーグル、ヘルメット用バイザー等の遮光機能付きアイウェア(以下、単に「アイウェア」とも称する)を得ることができる。例えば、メガネの場合は、光学積層体を所望の形状に打ち抜き、次いで、曲げ加工を施す。曲げ加工の方法は特に制限はなく、所望とする形状に応じて、光学積層体を球面あるいは非球面の面形状に曲げ加工を施せばよい。曲げ加工品には、さらに樹脂による射出成形が施されていてもよい。これにより、光学積層体の厚みムラによる像の歪みを防止することができ、また、焦点屈折力をもたないレンズにおいても、耐衝撃性、外観、眼精疲労に対して特に優れた作用をもたらすことができる。射出する樹脂は、屈折率差による外観悪化を防止するため、樹脂が接する層と同一の材料であることが好ましい。また、光学積層体の外表面には、適宜、ハードコート、反射防止膜等が付与されてもよい。曲げ加工処理または射出成形をした光学積層体を、玉摺り、穴あけ、ネジ締め等によりフレーム等に固定することでメガネを作製することができる。
本発明に係る光学フィルムまたは光学積層体は、粘着剤などを用いてガラス基材などに貼り合せてメガネなどのアイウェアにすることも可能である。また、既存のメガネなどの上から被せて使用してもよい。
本発明に係る光学フィルム、光学積層体、および遮光機能付きアイウェアは、さらに着色層を備えていてもよい。着色層はアイウェアの着用者側を基準とした場合、少なくとも光反射層よりも着用者側、すなわち裏側に配置される。着色層は任意の層に設けることが可能であり、例えば粘着層、支持体、または射出成形の樹脂などが挙げられる。着色層が配置されることにより、光学フィルムにてメタリック外観が得られ、意匠性に富んだ遮光機能付きアイウェアが得られる。そのため、例えば、ミラー調のアイウェアを得ることができ、ファッション性にも優れたアイウェアを提供することができる。
本発明に係る遮光機能付きアイウェアは、特に、白内障手術後の眩しさ低減用の保護メガネとしての適用に最適である。本発明の光学フィルムを用いたアイウェアは、中心反射波長が400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を備える光学フィルムが用いられている。したがって、このような光学フィルムを適用した本発明に係るアイウェアを、白内障手術後用の保護メガネとして使用することで、青色の光を効率的にカットしつつ、眩しさを低減することができる。
また、直線偏光素子層をさらに備える光学フィルムを適用した本発明に係るアイウェアは、特定の波長領域に偏光性能を有する。したがって、路面等の跳ね返り光などに対しても、白内障手術後の眩しさをより低減することができるため、既存の保護メガネよりも優れた特性を示す。さらに、既存の保護メガネでは、眩しさを低減させるためには、500nmより大きい波長の可視光もカットされてしまうため、メガネレンズとしての可視光透過率が低下するという問題があるが、上述の光学フィルムまたは光学積層体を備える本発明に係るアイウェアは、可視光透過率が低下することなく、眩しさを低減することが可能である。
遮光機能付きアイウェアは、白内障手術後の保護メガネに限定されることなく、青色の光のカットを目的とした用途、例えばパソコン、スマートフォン等の電子機器、通信機器から発せられる青色の光による目の疲れを抑えるためのブルーライトカットメガネなどにも最適である。
以下、実施例により、本発明を詳細に例示する。実施例において部は重量部を意味する。なお、本発明は例示する実施例に限定されるものではない。
<コレステリック液晶塗布液の調製>
表1に示す組成を有するコレステリック液晶塗布液の配合例1〜4をそれぞれ調製した。
表1に示す組成を有するコレステリック液晶塗布液の配合例1〜4をそれぞれ調製した。
カイラル剤:化合物1(特開2002−179668号公報に記載の例示化合物2−1)
[実施例1]
<光学フィルムの作製>
配合例1のコレステリック液晶塗布液を用い、下記の手順にてそれぞれ光反射層を作製した。プラスチック基板としては、東洋紡績社製PETフィルム(A4100、厚み50μm、下塗り層無し)を使用した。
(1)配合例1の塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが1.2μmになるように、PETフィルム上に室温にて塗布し、塗膜を形成した。
(2)得られた塗膜を、150℃にて5分間加熱して溶剤の除去とともにコレステリック液晶相とした。次いで、高圧水銀ランプ(ハンソン東芝ライティング社製)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、PETフィルム上に光反射層を形成した。
(3)得られた光反射層をPETフィルムから剥離して、右円偏光を反射する光反射層R1を含む本発明の光学フィルムを作製した。
<光学フィルムの作製>
配合例1のコレステリック液晶塗布液を用い、下記の手順にてそれぞれ光反射層を作製した。プラスチック基板としては、東洋紡績社製PETフィルム(A4100、厚み50μm、下塗り層無し)を使用した。
(1)配合例1の塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが1.2μmになるように、PETフィルム上に室温にて塗布し、塗膜を形成した。
(2)得られた塗膜を、150℃にて5分間加熱して溶剤の除去とともにコレステリック液晶相とした。次いで、高圧水銀ランプ(ハンソン東芝ライティング社製)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、PETフィルム上に光反射層を形成した。
(3)得られた光反射層をPETフィルムから剥離して、右円偏光を反射する光反射層R1を含む本発明の光学フィルムを作製した。
[実施例2]
<光学フィルムの作製>
配合例1および配合例3のコレステリック液晶塗布液を用い、下記の手順にてそれぞれ光反射層を作製した。プラスチック基板としては、東洋紡績社製PETフィルム(A4100、厚み50μm、下塗り層無し)を使用した。
(1)配合例3の塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが1.2μmになるように、PETフィルム上に室温にて塗布し、塗膜を形成した。
(2)得られた塗膜を、150℃にて5分間加熱して溶剤の除去とともにコレステリック液晶相とした。次いで、高圧水銀ランプ(ハンソン東芝ライティング社製)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、PETフィルム上に光反射層を形成した。
(3)こうして、PETフィルム上に左円偏光を反射する光反射層L1を形成した。
(4)実施例1のと同様の操作でPETフィルム上に光反射層R1を形成した。
(5)得られた光反射層R1と光反射層L1とをアクリル粘着剤(日本化薬社製:PTR104、厚み25μm)を用いて貼り合せた。
(6)各光反射層の外側のPETフィルムを剥離して、光反射層R1と光反射層L1とを含む本発明に係る光学フィルムを作製した。
<光学フィルムの作製>
配合例1および配合例3のコレステリック液晶塗布液を用い、下記の手順にてそれぞれ光反射層を作製した。プラスチック基板としては、東洋紡績社製PETフィルム(A4100、厚み50μm、下塗り層無し)を使用した。
(1)配合例3の塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが1.2μmになるように、PETフィルム上に室温にて塗布し、塗膜を形成した。
(2)得られた塗膜を、150℃にて5分間加熱して溶剤の除去とともにコレステリック液晶相とした。次いで、高圧水銀ランプ(ハンソン東芝ライティング社製)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、PETフィルム上に光反射層を形成した。
(3)こうして、PETフィルム上に左円偏光を反射する光反射層L1を形成した。
(4)実施例1のと同様の操作でPETフィルム上に光反射層R1を形成した。
(5)得られた光反射層R1と光反射層L1とをアクリル粘着剤(日本化薬社製:PTR104、厚み25μm)を用いて貼り合せた。
(6)各光反射層の外側のPETフィルムを剥離して、光反射層R1と光反射層L1とを含む本発明に係る光学フィルムを作製した。
[実施例3]
<光学フィルムの作製>
配合例2および配合例4のコレステリック液晶塗布液を用い、下記の手順にてそれぞれ光反射層を作製した。プラスチック基板としては、東洋紡績社製PETフィルム(A4100、厚み50μm、下塗り層無し)を使用した。
(1)配合例2の塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが1.8μmになるように、PETフィルム上に室温にて塗布し、塗膜を形成した。
(2)得られた塗膜を、150℃にて5分間加熱して溶剤の除去とともにコレステリック液晶相とした。次いで、高圧水銀ランプ(ハンソン東芝ライティング社製)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、PETフィルム上に光反射層を形成した。
(3)こうして、PETフィルム上に右円偏光を反射する光反射層R2を形成した。
(4)配合例4の塗布液を使用する以外は、(1)〜(3)と同様の操作を行い、PETフィルム上に光反射層L2を形成た。
(5)得られた光反射層R2と光反射層L2とをアクリル粘着剤(日本化薬社製:PTR104、厚み25μm)を用いて貼り合せた。
(6)各光反射層の外側のPETフィルムを剥離して、光反射層R2と光反射層L2とを含む本発明に係る光学フィルムを作製した。
<光学フィルムの作製>
配合例2および配合例4のコレステリック液晶塗布液を用い、下記の手順にてそれぞれ光反射層を作製した。プラスチック基板としては、東洋紡績社製PETフィルム(A4100、厚み50μm、下塗り層無し)を使用した。
(1)配合例2の塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが1.8μmになるように、PETフィルム上に室温にて塗布し、塗膜を形成した。
(2)得られた塗膜を、150℃にて5分間加熱して溶剤の除去とともにコレステリック液晶相とした。次いで、高圧水銀ランプ(ハンソン東芝ライティング社製)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、PETフィルム上に光反射層を形成した。
(3)こうして、PETフィルム上に右円偏光を反射する光反射層R2を形成した。
(4)配合例4の塗布液を使用する以外は、(1)〜(3)と同様の操作を行い、PETフィルム上に光反射層L2を形成た。
(5)得られた光反射層R2と光反射層L2とをアクリル粘着剤(日本化薬社製:PTR104、厚み25μm)を用いて貼り合せた。
(6)各光反射層の外側のPETフィルムを剥離して、光反射層R2と光反射層L2とを含む本発明に係る光学フィルムを作製した。
[比較例1]
市販のオプトメディカル製医療用フィルターレンズ(白内障保護メガネ)LHV26−005−3:イエロー系SY15の光学レンズを用いた。
市販のオプトメディカル製医療用フィルターレンズ(白内障保護メガネ)LHV26−005−3:イエロー系SY15の光学レンズを用いた。
[比較例2]
市販のオプトメディカル製医療用フィルターレンズ(白内障保護メガネ)LHV26−005−3:イエロー系SY50の光学レンズを用いた。
市販のオプトメディカル製医療用フィルターレンズ(白内障保護メガネ)LHV26−005−3:イエロー系SY50の光学レンズを用いた。
[比較例3]
市販のオプトメディカル製医療用フィルターレンズ(白内障保護メガネ)LHV26−005−3:ブラウン系NA50の光学レンズを用いた。
市販のオプトメディカル製医療用フィルターレンズ(白内障保護メガネ)LHV26−005−3:ブラウン系NA50の光学レンズを用いた。
[特性の評価方法]
<光学フィルムの中心反射波長および最小透過率>
作製した実施例1〜3の光学フィルムの透過率を、島津製作所社製分光光度計UV−3600を用いて測定した。光源はC光源を用いた。また、実施例1においては、光反射層の反射帯域である分光透過率の短波長側および長波長側の透過率が75%であるそれぞれの波長の平均値、実施例2においては、光反射層の反射帯域である分光透過率の短波長側および長波長側の透過率60%であるそれぞれの波長の平均値、実施例3においては、光反射層の反射帯域である分光透過率の短波長側および長波長側の透過率50%であるそれぞれの波長の平均値を、各光学フィルムの中心反射波長[nm]とした。また、反射帯域内の透過率の最小値を最小透過率[%]とした。
<光学フィルムの中心反射波長および最小透過率>
作製した実施例1〜3の光学フィルムの透過率を、島津製作所社製分光光度計UV−3600を用いて測定した。光源はC光源を用いた。また、実施例1においては、光反射層の反射帯域である分光透過率の短波長側および長波長側の透過率が75%であるそれぞれの波長の平均値、実施例2においては、光反射層の反射帯域である分光透過率の短波長側および長波長側の透過率60%であるそれぞれの波長の平均値、実施例3においては、光反射層の反射帯域である分光透過率の短波長側および長波長側の透過率50%であるそれぞれの波長の平均値を、各光学フィルムの中心反射波長[nm]とした。また、反射帯域内の透過率の最小値を最小透過率[%]とした。
<光学フィルムおよびレンズの可視光平均透過率>
実施例1〜3の光学フィルムおよび比較例1〜3の光学レンズの透過率を、島津製作所社製分光光度計UV−3600を用いて測定した。光源はC光源を用いた。得られた透過率のスペクトルデータを図1、2に示す。また、各光学フィルムおよび各光学レンズにおいて測定された透過率を用いて、JIS Z 8722:2009に準じて三刺激値であるY値を算出し、該Y値を光学フィルムの可視光平均透過率[%]とした。この数値が高いほど、可視光の光を着用者に到達させ、視界が暗くなり過ぎず、明るい視界であることを意味する。
実施例1〜3の光学フィルムおよび比較例1〜3の光学レンズの透過率を、島津製作所社製分光光度計UV−3600を用いて測定した。光源はC光源を用いた。得られた透過率のスペクトルデータを図1、2に示す。また、各光学フィルムおよび各光学レンズにおいて測定された透過率を用いて、JIS Z 8722:2009に準じて三刺激値であるY値を算出し、該Y値を光学フィルムの可視光平均透過率[%]とした。この数値が高いほど、可視光の光を着用者に到達させ、視界が暗くなり過ぎず、明るい視界であることを意味する。
<光学フィルムおよびレンズのブルーライトカット率>
実施例1〜3の光学フィルムおよび比較例1〜3の光学レンズにおいて、ブルーライトカット率を求めた。具体的には、JIS T 7333:2005 付属書C に記載の、青色光ハザードに準じて、420〜495nmの波長間でのブルーライトカット率を算出した。この数値が高いほど、青色の光を着用者に到達させず、眩しさが低減されていることを意味する。
実施例1〜3の光学フィルムおよび比較例1〜3の光学レンズにおいて、ブルーライトカット率を求めた。具体的には、JIS T 7333:2005 付属書C に記載の、青色光ハザードに準じて、420〜495nmの波長間でのブルーライトカット率を算出した。この数値が高いほど、青色の光を着用者に到達させず、眩しさが低減されていることを意味する。
<官能評価>
実施例1〜3の光学フィルム、比較例1〜3の光学レンズの官能評価として眩しさ低減の程度および視界の明るさを評価した。評価は、優れる「◎」、良い「○」、やや悪い「△」、悪い「×」の4段階で示した。
実施例1〜3の光学フィルム、比較例1〜3の光学レンズの官能評価として眩しさ低減の程度および視界の明るさを評価した。評価は、優れる「◎」、良い「○」、やや悪い「△」、悪い「×」の4段階で示した。
実施例1〜3および比較例1〜3の評価結果を表2に示す。
表2に示されるように、実施例1〜3の光学フィルムは、白内障手術後の眩しさ低減の指標となるブルーライトカット率が高く、防眩効果が高いことが示され、かつ高い可視光平均透過率で視界の明るさも維持することが可能であった。特に、実施例2、3の光学フィルムは、ブルーライトカット率が顕著に高く、青色の光を効率的にカットする機能に優れていた。一方、比較例1の光学レンズは、高い可視光平均透過率で視界の明るさも維持することが可能であったものの、ブルーライトカット率が低く、防眩効果に劣っていた。また、比較例2、3の光学レンズは、ブルーライトカット率が高く、高い防眩効果を示したものの、可視光平均透過率が低く、その結果、明るい視野を確保できなかった。これより、実施例1〜3の光学フィルムを用いることにより、白内障手術後の保護メガネなどに最適な遮光機能付きアイウェアを提供することができる。
本発明の遮光機能付きアイウェア用光学フィルムを用いることにより、視界が暗くなり過ぎずに青色の光を効率的にカットすることのできる、主に白内障手術後の保護メガネに最適な遮光機能付きアイウェア用光学フィルム、並びにこれを用いた光学積層体および遮光機能付きアイウェアを提供することができる。
Claims (6)
- 400nm以上500nm以下の波長領域に中心反射波長を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層を備え、
前記少なくとも1層の光反射層がアイウェアの着用者側を基準として最も外側に配置され、かつ、
可視光平均透過率が60%以上であることを特徴とする遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。 - 前記少なくとも1層の光反射層が、右巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層Rと、左巻き螺旋配向を有するコレステリック液晶層を含む少なくとも1層の光反射層Lと、を含む、請求項1に記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。
- 少なくとも1層の直線偏光素子層をさらに備え、
前記直線偏光素子層が、アイウェアの着用者側を基準として前記少なくとも1層の光反射層よりも着用者側に配置されている、請求項1または2に記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルム。 - 第1の支持体と、
第2の支持体と、
前記第1の支持体および前記第2の支持体との間に配置された請求項1から3までのいずれか1項に記載の遮光機能付きアイウェア用光学フィルムと、
を備える光学積層体。 - 前記第1の支持体および前記第2の支持体の両方または一方が、プラスチック素材を用いて形成された基材である、請求項4に記載の光学積層体。
- 請求項1から3までのいずれか1項に記載の光学フィルム、または請求項4もしくは5に記載の光学積層体を備える遮光機能付きアイウェア。
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