JPWO2018186226A1 - アンテナモジュールおよび通信装置 - Google Patents

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Abstract

アンテナモジュール(10)は、誘電体基板(110)と、誘電体基板(110)の第1主面側に設けられた複数のパッチアンテナ(100)と、誘電体基板(110)の第1主面と背向する第2主面側に実装され、複数のパッチアンテナ(100)と電気的に接続されたRFIC(30)と、複数のパッチアンテナ(100)が配置されていない誘電体基板(110)の外周領域を除いた領域であるアンテナ配置領域に配置された識別マーク(50)とを備え、識別マーク(50)は、第1主面を平面視した場合、複数のパッチアンテナ(100)のそれぞれに設けられた給電点(115)と重複せずに、当該アンテナ配置領域に配置されている。

Description

本発明は、アンテナモジュールおよび通信装置に関する。
無線通信用のアレイアンテナ装置として、複数のパッチアンテナがアンテナ基板の表面にアレイ状に配置された構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この構成において、アンテナ基板の裏面には、部品の実装位置や方向を示すアライメントマークが形成されている。
国際公開第2016/067906号
アレイアンテナで構成されたアンテナモジュールには、製造識別番号および出荷検査マーク、並びに、部品の実装位置および方向を認識するアライメントマーク等の識別マークを付与する場合がある。
特許文献1に開示されたアレイアンテナ装置では、アライメントマークをアンテナ基板の裏面に形成している。アライメントマークはアンテナ基板の表面側から確認するため、アレイアンテナ装置がマザー基板などに実装された後などでは、当該アライメントマークなどの識別マークを確認することが困難となる。よって、識別マークを確認するにあたり、当該確認のための工数が増加するという問題が発生する。
一方、識別マークをアンテナ基板の表面側に形成する場合、識別マークの確認工数は減少するが、アンテナ特性に影響を与える場合がある。したがって、アンテナ特性に影響を与えずにアンテナ基板の表面側に識別マークを配置するためには、パッチアンテナが形成された領域の外周領域に、識別マーク形成用の領域を設ける方法もあるが、この場合、アンテナモジュールのサイズが大型化してしまう。また、アンテナモジュールを波長の短いミリ波帯等に適用する場合には、アンテナモジュール内における伝送ロス、および、アンテナモジュールと外部回路との伝送ロスを極力抑える必要がある。このミリ波帯における伝送ロスを抑制するという観点からも、アンテナ基板の表面側であって、パッチアンテナが形成された領域の外周領域に識別マーク形成領域を別途設けて大型化することは好ましくない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ視認容易な識別マークを有する小型のアンテナモジュールおよび通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るアンテナモジュールは、誘電体基板と、前記誘電体基板の第1主面側に設けられた複数のパッチアンテナと、前記誘電体基板の前記第1主面と背向する第2主面側に実装され、前記複数のパッチアンテナと電気的に接続された高周波回路部品と、前記第1主面を平面視した場合、前記誘電体基板の前記第1主面側であって、前記複数のパッチアンテナが配置されていない前記誘電体基板の外周領域を除いた領域であるアンテナ配置領域に配置された識別マークと、を備え、前記識別マークは、前記第1主面を平面視した場合、前記複数のパッチアンテナのそれぞれに設けられた給電点と重複せずに、前記アンテナ配置領域に配置されている。
これによれば、識別マークが、誘電体基板におけるパッチアンテナが形成されている表面側に配置されているので、識別マークが誘電体基板の裏面側に配置されている場合と比べて、識別マークを視認することが容易になる。このため、ロット情報などを容易にトレースすることが可能となる。また、誘電体基板を挟んでパッチアンテナと高周波回路部品とが配置されており、識別マークは信号感度の高い各給電点付近には配置されず、かつ、識別マークを設けるための領域をアンテナ配置領域の外周領域に別途設ける必要がないので、アンテナモジュールのアンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。さらに、パッチアンテナと高周波回路部品との間の高周波伝送線路を短縮できるので、特に、ミリ波帯のように伝送ロスが大きい周波数帯において伝送ロスを低減できる。
また、前記識別マークは、前記平面視において、前記複数のパッチアンテナのいずれとも重複しなくてもよい。
これによれば、識別マークをアンテナ配置領域に配置しても、アンテナモジュールのアンテナ特性の劣化をさらに抑制できる。
また、前記複数のパッチアンテナは、行列状に配置され、前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナと、前記行方向に隣り合う第3のパッチアンテナおよび第4のパッチアンテナと、を含み、前記第1のパッチアンテナおよび前記第3のパッチアンテナは、前記平面視において前記行方向と交差する方向である列方向に隣り合い、前記第2のパッチアンテナおよび前記第4のパッチアンテナは、前記平面視において前記列方向に隣り合い、前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第4のパッチアンテナとの間、かつ、前記第2のパッチアンテナと前記第3のパッチアンテナとの間に配置されていてもよい。
これによれば、識別マークをアンテナ配置領域に配置しても、アンテナモジュールのアンテナ特性の劣化をさらに抑制できるとともに、識別マークの形状の自由度が向上する。
また、前記複数のパッチアンテナは、行列状に配置され、前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナを含み、前記第1のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第1のパッチアンテナの中心点から前記行方向と交差する方向である列方向に偏在しており、前記第2のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第2のパッチアンテナの中心点から前記列方向に偏在しており、前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間に配置されていてもよい。
これによれば、アンテナモジュールの偏波方向は列方向であり、第1のパッチアンテナと第2のパッチアンテナとの間の領域は、上記平面視において偏波面と重複しないので、アンテナ感度が低い。よって、識別マークをアンテナ配置領域に配置しても、アンテナモジュールのアンテナ特性の劣化を効果的に抑制できる。
また、前記複数のパッチアンテナは、行列状に配置され、前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナを含み、前記第1のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第1のパッチアンテナの中心点から前記行方向に偏在しており、前記第2のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第2のパッチアンテナの中心点から前記行方向に偏在しており、前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間に配置されていてもよい。
これによれば、識別マークをアンテナ配置領域に配置しても、アンテナモジュールのアンテナ特性の劣化をさらに抑制できる。
また、前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間の領域は、前記第2のパッチアンテナよりも前記第1のパッチアンテナに近い第1領域、および、前記第1のパッチアンテナよりも前記第2のパッチアンテナに近い第2領域を含み、前記識別マークは、前記第1領域および前記第2領域のうち、前記第1のパッチアンテナの前記給電点および前記第2のパッチアンテナの前記給電点の重心からの距離が短いほうの領域に配置されていてもよい。
これによれば、識別マークは、第1のパッチアンテナと第2のパッチアンテナとで挟まれた領域においてアンテナ感度がより低い領域に配置される。よって、識別マークをアンテナ配置領域に配置してもアンテナモジュールのアンテナ特性の劣化を効果的に抑制できる。
また、前記識別マークは、金属材料からなっていてもよい。
金属材料で構成された識別マークは導電性が高いため、パッチアンテナに近接配置するとパッチアンテナにより形成された電界分布に影響を与え易い。しかし、金属材料で構成された識別マークは、パッチアンテナの形成工程と同一の工程で形成でき、当該識別マークはパッチアンテナと重複していないので、アンテナモジュールの製造工程を簡素化しつつアンテナ特性の劣化を抑制できる。
また、前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナと、前記行方向に隣り合う第3のパッチアンテナおよび第4のパッチアンテナと、を含み、前記第1のパッチアンテナおよび前記第3のパッチアンテナは、前記平面視において前記行方向と交差する方向である列方向に隣り合い、前記第2のパッチアンテナおよび前記第4のパッチアンテナは、前記平面視において前記列方向に隣り合い、前記識別マークは、前記平面視において、前記第1のパッチアンテナの前記給電点、前記第2のパッチアンテナの前記給電点、前記第3のパッチアンテナの前記給電点、および前記第4のパッチアンテナの前記給電点を結ぶ平面形状の重心を含むように配置されていてもよい。
これによれば、識別マークがパッチアンテナと重複するような大きなものであっても、当該識別マークがアンテナ感度の低い上記重心を含むように配置されているので、アンテナモジュールのアンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。
また、前記識別マークは、誘電体材料からなっていてもよい。
誘電体材料で構成された識別マークは導電性が低いため、パッチアンテナに近接配置してもパッチアンテナにより形成された電界分布に影響を与えにくい。よって、識別マークがパッチアンテナと重複するような大きなものである場合、識別マークに誘電体材料を用いることで、アンテナ特性の劣化をより抑制できる。
また、さらに、前記第1主面側、かつ、前記平面視において前記複数のパッチアンテナの間であって、前記複数のパッチアンテナの並び方向に沿って設けられたシールド線を備え、前記識別マークは、前記平面視において前記シールド線と重複していなくてもよい。
これによれば、パッチアンテナ間にシールド線が配置された構成においても、識別マークがシールド線と接触しないので、パッチアンテナ間のアイソレーションを向上させつつアンテナモジュールのアンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。
また、前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナを含み、前記第1のパッチアンテナの前記給電点は、前記第1のパッチアンテナの中心点に対して前記行方向に偏在しており、前記第2のパッチアンテナの前記給電点は、前記第2のパッチアンテナの中心点に対して前記行方向に偏在しており、前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間であって、前記第1のパッチアンテナと前記シールド線との間の領域、および、前記第2のパッチアンテナと前記シールド線との間の領域のうち、前記第1のパッチアンテナの前記給電点および前記第2のパッチアンテナの前記給電点の重心からの距離が短いほうの領域に配置されていてもよい。
これによれば、識別マークは、第1のパッチアンテナと第2のパッチアンテナとで挟まれた領域においてアンテナ感度がより低い領域に配置される。よって、アンテナモジュールのアンテナ特性の劣化を効果的に抑制できる。
また、本発明の一態様に係る通信装置は、上記いずれかに記載のアンテナモジュールと、BBIC(ベースバンドIC)と、を備え、前記高周波回路部品は、前記BBICから入力された信号をアップコンバートして前記複数のパッチアンテナに出力する送信系の信号処理、及び、前記複数のパッチアンテナから入力された高周波信号をダウンコンバートして前記BBICに出力する受信系の信号処理、の少なくとも一方を行うRFICである。
このような通信装置によれば、上記いずれかのアンテナモジュールを備えることにより、当該アンテナモジュールの実装後において識別情報などを容易にトレースでき、アンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。
本発明によれば、アンテナ特性の劣化を抑制しつつ視認容易な識別マークを有する小型のアンテナモジュールおよび通信装置を提供することが可能となる。
図1Aは、実施の形態に係るアンテナモジュールの外観斜視図である。 図1Bは、実施の形態に係るアンテナモジュールの分解斜視図である。 図2は、実施の形態に係るアンテナモジュールの平面図及び断面図である。 図3は、シミュレーションモデルの平面図および断面図である。 図4は、シミュレーションによるアンテナ利得の分布を示す図である。 図5Aは、実施例1に係るアンテナモジュールの識別マークの配置を表す図である。 図5Bは、実施例2に係るアンテナモジュールの識別マークの配置を表す図である。 図5Cは、実施例3に係るアンテナモジュールの識別マークの配置を表す図である。 図5Dは、実施例4に係るアンテナモジュールの識別マークの配置を表す図である。 図6は、実施例5に係るアンテナモジュールの識別マークの配置を表す図である。 図7は、実施例6に係るアンテナモジュールの識別マークの配置を表す図である。 図8は、実施の形態に係るアンテナモジュールを備える通信装置の構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
(実施の形態)
[1 アンテナモジュール]
[1.1 構造]
図1A、図1B、および図2は、実施の形態に係るアンテナモジュール10の構造を示す図である。具体的には、図1Aは、実施の形態に係るアンテナモジュール10の外観斜視図であり、図1Bは、実施の形態に係るアンテナモジュール10の分解斜視図である。図1Bには、誘電体基板110と封止部材120とを分離した状態が示されている。図2は、実施の形態に係るアンテナモジュール10の平面図および断面図である。より具体的には、図2の(a)は、誘電体基板110を透視してアンテナモジュール10を上面側(図中のZ軸プラス側)から見た場合の平面図であり、図2の(b)は、図2の(a)のII−II線における断面図である。
以降、アンテナモジュール10の厚さ方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直かつ互いに直交する方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向として説明し、Z軸プラス側をアンテナモジュール10の上面(天面)側として説明する。しかし、実際の使用態様においては、アンテナモジュール10の厚さ方向が上下方向とはならない場合もあるため、アンテナモジュール10の上面側は上方向に限らない。また、本実施の形態では、アンテナモジュール10は略矩形平板形状を有し、X軸方向及びY軸方向のそれぞれはアンテナモジュール10の隣り合う2つの側面と平行な方向である。なお、アンテナモジュール10の形状は、これに限らず、例えば、略円形平板形状であってもよいし、さらには平板形状に限らず中央部と周縁部とで厚みが異なる形状であってもかまわない。
また、図1Bにおいて、封止部材120の上面にはRFIC30の端子である表面電極(ランドまたはパッドとも言う)あるいは表面電極に接続される導電性接合材(例えば、はんだ)が露出するが、これについては図示を省略する。また、図2の(b)では、簡明のため、厳密には別断面にある構成要素を同一図面内に示している場合、あるいは、同一断面にある構成要素の図示を省略している場合がある。
図1Aに示すように、アンテナモジュール10は、誘電体基板110と、複数のパッチアンテナ100と、RFIC30と、識別マーク50と、を備える。本実施の形態では、さらに、誘電体基板110の下面に設けられた封止部材120を備える。以下、これらアンテナモジュール10を構成する各部材について、具体的に説明する。
誘電体基板110は、図2の(b)に示すように、誘電体材料からなる基板素体110aと、上記のパッチアンテナ100等を構成する各種導体とで構成されている。この誘電体基板110は、本実施の形態では、図1Bおよび図2の(a)に示すように、略矩形平板形状であり、複数の誘電体層が積層されることで構成された多層基板である。なお、誘電体基板110は、これに限らず、例えば、略円形平板形状であってもかまわないし、あるいは、単層基板であってもかまわない。
パッチアンテナ100は、誘電体基板110の第1主面側である上面側(Z軸プラス側)に設けられ、高周波信号を放射または受信する。本実施の形態では、6×3の2次元状に配置された18個のパッチアンテナ100が、アレイアンテナを構成している。
なお、アレイアンテナを構成するパッチアンテナ100の個数および配置は、これに限らず、例えば、複数のパッチアンテナ100が1次元状に並んで配置されていてもかまわない。また、複数のパッチアンテナ100は、行方向または列方向において直線状に配置されていなくてもよく、例えば、千鳥状に配置されていてもよい。
各パッチアンテナ100は、図2に示すように、誘電体基板110の主面に略平行に設けられたパターン導体によって構成され、当該パターン導体の下面に給電点115を有する。このパッチアンテナ100は、給電された高周波信号を空間中に放射する、または、空間中の高周波信号を受信する。本実施の形態では、パッチアンテナ100は、RFIC30から給電点115に給電された高周波信号を空間中に放射し、空間中の高周波信号を受信して給電点115からRFIC30に出力する。つまり、本実施の形態におけるパッチアンテナ100は、RFIC30との間で伝達される高周波信号に相当する電波(空間伝搬する高周波信号)を放射する放射素子でもあり、当該電波を受信する受信素子でもある。
本実施の形態では、パッチアンテナ100は、アンテナモジュール10を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、Y軸方向に延びてX軸方向に対向する1対の辺とX軸方向に延びてY軸方向に対向する1対の辺とで囲まれる矩形形状であり、給電点115が当該矩形形状の中心点からY軸マイナス側にずれた位置に設けられている。このため、本実施の形態において、パッチアンテナ100によって放射または受信される電波の偏波方向はY軸方向となる。なお、給電点115の位置は、全てのパッチアンテナ100において揃っている必要はない。例えば、一部のパッチアンテナ100の給電点115は、上記中心点からY軸プラス側にずれた位置に設けられていてもよい。また、偏波方向が単一でなく、複数の偏波方向を有するような場合には、一部のパッチアンテナ100の給電点115は、上記中心点からX軸側にずれた位置に設けられていてもよい。
上記電波の波長および比帯域幅等は、パッチアンテナ100のサイズ(ここでは、Y軸方向の大きさ及びX軸方向の大きさ)に依存する。このため、パッチアンテナ100のサイズは、周波数等の要求仕様に応じて適宜決定され得る。
なお、図1A、図1B、および図2では、簡明のため、パッチアンテナ100を誘電体基板110の上面から露出させて図示している。しかし、パッチアンテナ100は、誘電体基板110の上面側に設けられていればよく、例えば、誘電体基板110が多層基板で構成された場合には、多層基板の内層に設けられていてもかまわない。
ここで、「上面側」とは、上下方向の中心よりも上側であることを意味する。すなわち、第1主面とこれと反対側の第2主面とを有する誘電体基板110において、「第1主面側に設けられる」とは、第2主面よりも第1主面の近くに設けられることを意味する。以降、他の部材の同様の表現についても、同様である。
また、図1Bおよび図2に示すように、アンテナモジュール10は、さらに、誘電体基板110の下面側に、信号端子である信号導体柱123を有する。本実施の形態では、RFIC30および信号導体柱123は、信号導体柱123の下面を除き、封止部材120で覆われている。なお、信号導体柱123の個数は、特に限定されず、1以上であればよい。さらに、信号導体柱123はなくてもよい。つまり、複数のパッチアンテナ100が形成された誘電体基板110が、直接、マザー基板(実装基板)に実装されてもよい。
誘電体基板110の各種導体には、パッチアンテナ100を構成するパターン導体の他に、アレイアンテナおよびRFIC30とともにアンテナモジュール10を構成する回路を形成する導体が含まれる。上記導体には、具体的には、RFIC30のANT端子121とパッチアンテナ100の給電点115との間で高周波信号を伝達する給電線を構成するパターン導体117およびビア導体116と、信号導体柱123とRFIC30のI/O端子124との間で信号を伝達するパターン導体119と、が含まれる。
パターン導体117は、誘電体基板110の主面に沿って誘電体基板110の内層に設けられ、例えば、パッチアンテナ100の給電点115に接続されたビア導体116と、RFIC30のANT端子121に接続されたビア導体116とを接続する。
ビア導体116は、誘電体基板110の主面に垂直な厚さ方向に沿って設けられ、例えば、互いに異なる層に設けられたパターン導体同士を接続する層間接続導体である。
パターン導体119は、誘電体基板110の主面に沿って誘電体基板110の下面に設けられ、例えば、信号導体柱123とRFIC30のI/O端子124とを接続する。
このような誘電体基板110としては、例えば、低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co−fired Ceramics:LTCC)基板、または、プリント基板等が用いられる。
なお、誘電体基板110には、さらに、パターン導体117の上層および下層に、パターン導体117を挟んで対向して配置された一対のグランドパターン導体が設けられていてもよく、これらグランドパターン導体は誘電体基板110の略全体にわたって設けられていてもかまわない。また、パターン導体119は、誘電体基板110の内層に設けられ、ビア導体を介して信号導体柱123とRFIC30のI/O端子124とを接続していてもかまわない。
封止部材120は、誘電体基板110の下面(第2主面)側に設けられ、RFIC30を封止する樹脂からなる。本実施の形態において、RFIC30および信号導体柱123は、封止部材120に埋め込まれている。封止部材120の材質は特に限定されないが、例えば、エポキシ、または、ポリイミド樹脂等が用いられる。
なお、封止部材120は、誘電体基板110の下面と直接的には接しておらず、当該下面との間に絶縁膜等が設けられていてもかまわない。
RFIC30は、誘電体基板110の下面側に実装され、複数のパッチアンテナ100と電気的に接続された高周波回路部品であり、RF信号処理回路を構成する。RFIC30は、後述するBBIC40から信号導体柱123を介して入力された信号をアップコンバートしてパッチアンテナ100に出力する送信系の信号処理、および、パッチアンテナ100から入力された高周波信号をダウンコンバートして信号導体柱123を介してBBIC40に出力する受信系の信号処理、の少なくとも一方を行う。
本実施の形態では、RFIC30は、複数のパッチアンテナ100に対応する複数のANT端子121と、信号導体柱123に対応する複数のI/O端子124と、を有する。例えば、RFIC30は、送信系の信号処理として、送信系の信号導体柱123を介して送信系のI/O端子124(ここではInput端子として機能)に入力された信号についてアップコンバート及び分波等を行い、複数のANT端子121から複数のパッチアンテナ100に給電する。また、例えば、RFIC30は、受信系の信号処理として、複数のパッチアンテナ100で受信されて複数のANT端子121に入力された信号について合波及びダウンコンバート等を行い、受信系のI/O端子124(ここではOutput端子として機能)から受信系の信号導体柱123を介して出力する。
なお、RFIC30における信号処理の一例については、アンテナモジュール10を用いた通信装置の構成と合わせて後述する。
また、RFIC30は、図2に示すように、誘電体基板110の上面に垂直な方向から見た場合(すなわち、Z軸プラス側から見た場合)、複数のパッチアンテナ100が配置された誘電体基板110の上面領域であるアンテナ配置領域をZ軸方向に投影した領域に配置されていることが好ましい。これにより、RFIC30と各パッチアンテナ100とを接続する給電線を短く設計することができる。
ここで、アンテナ配置領域とは、上記方向から見た場合に、複数のパッチアンテナ100を包含する最小の領域であり、本実施の形態では矩形形状の領域である。言い換えると、アンテナ配置領域は、誘電体基板110の上面側であって、複数のパッチアンテナ100が配置されていない外周領域を除いた領域である。なお、アンテナ配置領域の形状は、複数のパッチアンテナ100の配置態様に対応し、矩形形状には限られない。
信号導体柱123は、誘電体基板110の下面側に設けられ、RFIC30と電気的に接続された信号端子であり、封止部材120を厚み方向に貫通する導体柱である。信号導体柱123は、上面が誘電体基板110のパターン導体119に接続され、下面が封止部材120の下面から露出している。信号導体柱123は、アンテナモジュール10がマザー基板(図示せず)に実装される際にアンテナモジュール10の外部接続端子となる。つまり、アンテナモジュール10は、リフロー等により、信号導体柱123がマザー基板の電極と電気的および機械的に接続されることにより、マザー基板に実装される。信号導体柱123の材質は、特に限定されないが、例えば、抵抗値の低い銅等が用いられる。
なお、信号導体柱123は、誘電体基板110の下面上に設けられていなくてもかまわない。つまり、信号導体柱123は、上方端部が誘電体基板110に埋め込まれていてもかまわないし、誘電体基板110の下面と直接的には接しておらず、当該下面との間に絶縁膜等が設けられていてもかまわない。
以上のように、本実施の形態に係るアンテナモジュール10では、誘電体基板110の第1主面側(本実施の形態では上面側)に複数のパッチアンテナ100が設けられ、誘電体基板110の第2主面側(本実施の形態では下面側)に高周波回路部品(本実施の形態ではRFIC30)が実装されている。
これにより、本実施の形態によれば、高周波回路部品と各パッチアンテナ100とを接続する給電線を短く設計することができるので、給電線によって生じるロスが低減され、高性能なアンテナモジュール10を実現することができる。このようなアンテナモジュール10は、給電線が長くなると当該給電線によるロスが大きくなりやすいミリ波帯のアンテナモジュールとして好適である。
ここで、本実施の形態に係るアンテナモジュール10には、識別マーク50が付されている。識別マーク50は、記号、文字、数字、図形、およびこれらの組み合わせのいずれかであって、例えば、アンテナモジュール10の製造識別番号を示すロット番号および出荷検査マーク、並びに、部品の実装位置および方向を認識するアライメントマーク等である。つまり、識別マーク50は、アンテナモジュール10の製造途中および製造後において、アンテナモジュール10を識別するマークである。
識別マーク50は、例えば、金属材料または誘電体材料で構成されている。識別マーク50が金属材料で構成されている場合には、パッチアンテナ100が金属材料で構成されることから、識別マーク50を、パッチアンテナ100の形成工程にてパッチアンテナ100と同時形成することが可能となる。このため、アンテナモジュール10の製造工程を簡素化できる。また、識別マーク50が誘電体で構成されている場合には、パッチアンテナ100の形成工程などとは異なる工程にて、識別マーク50が形成される。一方、誘電体材料で構成された識別マーク50は導電性が低いため、パッチアンテナ100に近接配置してもパッチアンテナ100により形成された電界分布に影響を与えにくい。なお、パッチアンテナ100のアンテナ特性に影響を与えにくいという観点からは、識別マーク50は、より低誘電率の誘電体材料で構成されていることが好ましい。
本実施の形態において、識別マーク50は、アンテナモジュールの上面側から誘電体基板110を平面視した場合(Z軸プラス方向から見た場合)、複数のパッチアンテナ100のそれぞれに設けられた給電点115と重複せずに、アンテナ配置領域に配置されている。ここで、アンテナ配置領域とは、上述したとおり、誘電体基板110を平面視した場合に、複数のパッチアンテナ100を包含する最小の領域である。言い換えると、アンテナ配置領域は、誘電体基板110の上面であって、複数のパッチアンテナ100が配置されていない外周領域を除いた領域である。
これによれば、アンテナモジュール10がマザー基板などに実装された後でも、識別マーク50が外部空間に露出するアンテナ配置領域に配置されているので、当該実装後において非破壊にて識別マーク50を視認できる。よって、ロット情報などの識別情報を容易にトレースすることが可能となる。また、誘電体基板110を挟んでパッチアンテナ100とRFIC30とが配置されており、識別マーク50は信号感度の高い各給電点115付近には配置されず、かつ、識別マーク50を設けるための領域をアンテナ配置領域以外に別途設ける必要がないので、アンテナモジュール10のアンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。さらに、パッチアンテナ100とRFIC30との間の高周波伝送線路を短縮できるので、特に、ミリ波帯のように伝送ロスが大きい周波数帯において伝送ロスを低減できる。
[1.2 識別マークの配置位置とアンテナ特性との関係]
以下、識別マーク50の配置位置とアンテナ特性との関係について説明する。まず、識別マーク50がアンテナ特性に及ぼす影響をシミュレーションした結果を説明する。
図3は、シミュレーションモデルの平面図および断面図である。また、図4は、シミュレーションによるアンテナ利得の分布を示す図である。
まず、識別マーク50がアンテナ特性に及ぼす影響を評価するにあたり、図3に示すようなアレイアンテナのシミュレーションモデルを設定した。表1に、シミュレーションモデルのパラメータを示す。
Figure 2018186226
なお、図1Aおよび図1Bに示された実施の形態に係るアンテナモジュール10では、パッチアンテナ100が給電点115を有する1つのパターン導体からなる構成を例に説明した。これに対して、本シミュレーションモデルでは、図3の(c)に示すように、パッチアンテナ100は、給電点115を有するパターン導体である給電素子100bと、給電点115を有さず給電素子100bの上面側に給電素子100bと離間して配置された無給電素子100aと、を有する構成を用いている。また、図3の(a)に示すように、隣り合うパッチアンテナ100の間には、シールド線118が格子状に配置されている。
図3および表1に示すシミュレーションモデルに対して、金属片(銅片:0.5mm角×0.01mm厚)を、アンテナの上面側(Z軸プラス側)に置いた場合のアンテナ利得の変化を計算した。なお、金属片は、その他の材料片と比較して、アンテナ利得(電磁界分布)への影響が最も大きいため、行列状に配置されたパッチアンテナに対する異物の影響を評価するには好適な材料である。
上述した金属片を、0.5mmのステップで、図4の左図の領域S内をX軸方向およびY軸方向に移動させた。このとき、領域S内の4つのパッチアンテナのみをオン状態とした。図4の右図は、金属片を座標(X、Y)ごとに配置して得られたアンテナ利得の分布を重ね合わせた結果である。図4の結果より、以下の知見が得られた。
(1)金属片を配置しなかった場合、アンテナの実質利得は9.37dBiであった。
(2)給電点(図4のQ1)周辺では、アンテナ利得は1.8dB以下、劣化した。
(3)給電点と反対側(図4のQ2)付近では、アンテナ利得は0.8dB以下、劣化した。
(4)X軸方向に隣り合うパッチアンテナの間(図4のQ3)では、アンテナ利得は0.1dB以下、劣化した。
(5)給電点に近接する誘電体基板端(図4のQ4)では、アンテナ利得は2dB以上、劣化した。
識別マーク50の配置によるアンテナ利得の劣化は0.1dB以下となることが好ましいことから、(4)X軸方向に隣り合うパッチアンテナの間(図4のQ3)に識別マーク50を配置することが最適であることがわかった。
以下、上述したシミュレーション結果に基づいて導出された実施例1〜6に係るアンテナモジュール10における識別マーク50の配置について説明する。
[1.3 実施例1に係る識別マークの配置]
図5Aは、実施例1に係るアンテナモジュール10の識別マーク50の配置を表す図である。同図には、図2に示された拡大領域Pにおける、識別マーク50の配置位置の変形例が示されている。
図5Aに示すように、拡大領域Pには、パッチアンテナ100A、100B、100Cおよび100Dが示されている。パッチアンテナ100Aおよび100Bは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナである。また、パッチアンテナ100Cおよび100Dは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第3のパッチアンテナおよび第4のパッチアンテナである。パッチアンテナ100Aおよび100Cは、X軸方向(行方向と交差する方向である列方向)に隣り合っている。パッチアンテナ100Bおよび100Dは、X軸方向(列方向)に隣り合っている。
ここで、図5Aに示すように、識別マーク50(図5Aの“AB123”)は、アンテナモジュール10を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、複数のパッチアンテナ100(100A〜100D)のいずれとも重複していない。
また、識別マーク50は、パッチアンテナ100Aとパッチアンテナ100Dとの間、かつ、パッチアンテナ100Bとパッチアンテナ100Cとの間(図5Aの領域A)に配置されている。つまり、識別マーク50は、上記平面視において、行列状に配置された4つのパッチアンテナ100A〜100Dと重複せず、かつ、当該4つのパッチアンテナ100A〜100Dに囲まれた領域に配置されている。
上記構成によれば、アンテナモジュール10が実装された後でも、識別マーク50がアンテナ配置領域に配置されているので、当該実装後において非破壊にて識別マークを視認できるので、ロット情報などを容易にトレースすることが可能となる。また、誘電体基板110を挟んでパッチアンテナ100とRFIC30とが配置されており、識別マーク50は信号感度の高い各給電点115付近には配置されず、かつ、識別マーク50を設けるための領域をアンテナ配置領域以外に別途設ける必要がないので、アンテナモジュール10のアンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。さらに、パッチアンテナ100とRFIC30との間の高周波伝送線路を短縮できるので、特に、ミリ波帯のように伝送ロスが大きい周波数帯において伝送ロスを低減できる。
また、識別マーク50が配置される領域Aは、2つのパッチアンテナで挟まれた領域と比較して、アンテナ利得の劣化度がより低いので、アンテナモジュール10のアンテナ特性の劣化をさらに抑制できる。さらに、上記領域Aは、2つのパッチアンテナで挟まれた領域と比較して、X軸方向およびY軸方向の双方において領域を大きく確保できるので、識別マーク50の形状の自由度が向上する。
なお、識別マーク50が金属材料で構成された場合、識別マーク50の導電性が高いため、パッチアンテナ100に近接配置するとパッチアンテナ100により形成された電界分布に影響を与え易くなり、アンテナ利得の劣化度が高くなる恐れがある。これに対して、上記実施例1に係る識別マーク50によれば、上記平面視においていずれのパッチアンテナ100とも重複しないことから、本実施例に係る識別マーク50は、金属材料で構成されていてもよい。これによれば、識別マーク50を、金属材料で構成されるパッチアンテナ100の形成工程と同一の工程で形成できるので、アンテナモジュール10の製造工程を簡素化しつつアンテナ特性の劣化を抑制できる。
[1.4 実施例2に係る識別マークの配置]
図5Bは、実施例2に係るアンテナモジュール10の識別マーク50の配置を表す図である。同図には、図2に示された拡大領域Pにおける、識別マーク50の配置位置の変形例が示されている。図5Bに示されたアンテナモジュール10は、図5Aに示された実施例1に係るアンテナモジュール10と比較して、識別マーク50の配置位置のみが異なる。以下、実施例2に係るアンテナモジュール10について、実施例1に係るアンテナモジュール10と同じ点は説明を省略し、実施例1に係るアンテナモジュール10と異なる点を中心に説明する。
図5Bに示すように、拡大領域Pには、パッチアンテナ100A、100B、100Cおよび100Dが示されている。パッチアンテナ100Bおよび100Dは、それぞれ、X軸方向(行方向)に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナである。また、パッチアンテナ100A、100B、100C、および100Dの給電点115のそれぞれは、アンテナモジュール10を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、各パッチアンテナ100の中心点からY軸マイナス方向(行方向と交差する方向である列方向)に偏在している。
ここで、図5Bに示すように、識別マーク50(図5Bの“AB123”)は、上記平面視において、複数のパッチアンテナ100(100A〜100D)のいずれとも重複していない。
また、識別マーク50は、パッチアンテナ100Bとパッチアンテナ100Dとの間(図5Bの領域B)に配置されている。つまり、識別マーク50は、上記平面視において、パッチアンテナ100Bの偏波面、および、パッチアンテナ100Dの偏波面と交差しない領域に配置されている。
上記構成によれば、アンテナモジュール10の偏波方向はY軸方向(列方向)であり、上記領域Bは、上記平面視においてパッチアンテナ100A〜100Dの偏波面と重複しないので、アンテナ感度が低く、アンテナ利得の劣化度が低い。よって、識別マーク50を領域Bに配置しても、アンテナモジュール10のアンテナ特性の劣化を効果的に抑制できる。
なお、実施例2に係る識別マーク50によれば、上記平面視においていずれのパッチアンテナ100とも重複しないことから、本実施例に係る識別マーク50は、金属材料で構成されていてもよい。これによれば、識別マーク50を、金属材料で構成されるパッチアンテナ100の形成工程と同一の工程で形成できるので、アンテナモジュール10の製造工程を簡素化しつつアンテナ特性の劣化を抑制できる。
[1.5 実施例3に係る識別マークの配置]
図5Cは、実施例3に係るアンテナモジュール10の識別マーク50の配置を表す図である。同図には、図2に示された拡大領域Pにおける、識別マーク50の配置位置の変形例が示されている。図5Cに示されたアンテナモジュール10は、図5Aに示された実施例1に係るアンテナモジュール10と比較して、識別マーク50の配置位置のみが異なる。以下、実施例3に係るアンテナモジュール10について、実施例1に係るアンテナモジュール10と同じ点は説明を省略し、実施例1に係るアンテナモジュール10と異なる点を中心に説明する。
図5Cに示すように、拡大領域Pには、パッチアンテナ100A、100B、100Cおよび100Dが示されている。パッチアンテナ100Cおよび100Dは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナである。また、パッチアンテナ100A、100B、100C、および100Dの給電点115のそれぞれは、アンテナモジュール10を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、各パッチアンテナ100の中心点からY軸マイナス方向(行方向)に偏在している。
ここで、図5Cに示すように、識別マーク50(図5Cの“AB123”)は、上記平面視において、複数のパッチアンテナ100(100A〜100D)のいずれとも重複していない。
また、識別マーク50は、パッチアンテナ100Cとパッチアンテナ100Dとの間(図5Cの領域C)に配置されている。つまり、識別マーク50は、上記平面視において、パッチアンテナ100Cの偏波面、および、パッチアンテナ100Dの偏波面と交差する領域に配置されている。
上記構成によれば、アンテナモジュール10の偏波方向はY軸方向(列方向)であり、上記領域Cは、上記平面視においてパッチアンテナ100A〜100Dの偏波面と交差するが、パッチアンテナ100内の領域と比較して、アンテナ感度が低く、アンテナ利得の劣化度が低い。よって、識別マーク50を領域Cに配置しても、アンテナモジュール10のアンテナ特性の劣化を抑制できる。
なお、実施例3に係る識別マーク50によれば、上記平面視においていずれのパッチアンテナ100とも重複しないことから、本実施例に係る識別マーク50は、金属材料で構成されていてもよい。これによれば、識別マーク50を、金属材料で構成されるパッチアンテナ100の形成工程と同一の工程で形成できるので、アンテナモジュール10の製造工程を簡素化しつつアンテナ特性の劣化を抑制できる。
[1.6 実施例4に係る識別マークの配置]
図5Dは、実施例4に係るアンテナモジュール10の識別マーク50の配置を表す図である。同図には、図2に示された拡大領域Pにおける、識別マーク50の配置位置の変形例が示されている。図5Dに示されたアンテナモジュール10は、図5Aに示された実施例1に係るアンテナモジュール10と比較して、識別マーク50の配置位置のみが異なる。以下、実施例4に係るアンテナモジュール10について、実施例1に係るアンテナモジュール10と同じ点は説明を省略し、実施例1に係るアンテナモジュール10と異なる点を中心に説明する。
図5Dに示すように、拡大領域Pには、パッチアンテナ100A、100B、100Cおよび100Dが示されている。パッチアンテナ100Cおよび100Dは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナである。また、パッチアンテナ100A、100B、100C、および100Dの給電点115のそれぞれは、アンテナモジュール10を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、各パッチアンテナ100の中心点からY軸マイナス方向(行方向)に偏在している。
ここで、図5Dに示すように、識別マーク50(図5Dの“AB123”)は、上記平面視において、複数のパッチアンテナ100(100A〜100D)のいずれとも重複していない。
また、図5Dに示すように、パッチアンテナ100Cとパッチアンテナ100Dとの間の領域は、パッチアンテナ100Dよりもパッチアンテナ100Cに近い領域C1(第1領域)、および、パッチアンテナ100Cよりもパッチアンテナ100Dに近い領域C2(第2領域)を含む。
上記構成において、識別マーク50は、領域C1およびC2のうち、パッチアンテナ100Cの給電点115およびパッチアンテナ100Dの給電点115の重心点G1からの距離が短いほうの領域C2に配置されている。言い換えると、識別マーク50は、領域C1およびC2のうち、複数のパッチアンテナ100の給電点115との距離が長いほうの領域C2に配置されている。
上記構成によれば、識別マーク50は、パッチアンテナ100Cとパッチアンテナ100Dとで挟まれた領域において、アンテナ感度がより低い領域に配置される。よって、識別マーク50を領域C2に配置しても、アンテナモジュールのアンテナ特性の劣化を効果的に抑制できる。
なお、実施例4に係る識別マーク50によれば、上記平面視においていずれのパッチアンテナ100とも重複しないことから、本実施例に係る識別マーク50は、金属材料で構成されていてもよい。これによれば、識別マーク50を、金属材料で構成されるパッチアンテナ100の形成工程と同一の工程で形成できるので、アンテナモジュール10の製造工程を簡素化しつつアンテナ特性の劣化を抑制できる。
[1.7 実施例5に係る識別マークの配置]
図6は、実施例5に係るアンテナモジュール10の識別マーク50の配置を表す図である。同図には、図2に示された拡大領域Pにおける、識別マーク50の配置位置の変形例が示されている。図6に示されたアンテナモジュール10は、図5Aに示された実施例1に係るアンテナモジュール10と比較して、識別マーク50の配置位置のみが異なる。以下、実施例5に係るアンテナモジュール10について、実施例1に係るアンテナモジュール10と同じ点は説明を省略し、実施例1に係るアンテナモジュール10と異なる点を中心に説明する。
図6に示すように、拡大領域Pには、パッチアンテナ100A、100B、100Cおよび100Dが示されている。パッチアンテナ100Aおよび100Bは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナである。また、パッチアンテナ100Cおよび100Dは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第3のパッチアンテナおよび第4のパッチアンテナである。パッチアンテナ100Aおよび100Cは、X軸方向(行方向と交差する方向である列方向)に隣り合っている。パッチアンテナ100Bおよび100Dは、X軸方向(列方向)に隣り合っている。
ここで、図6に示すように、識別マーク50(図6の“AB123CD456EF789”)は、アンテナモジュール10を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、パッチアンテナ100A〜100Dのすくなくとも1つと重複している。
さらに、識別マーク50は、パッチアンテナ100Aの給電点115、パッチアンテナ100Bの給電点115、パッチアンテナ100Cの給電点115、およびパッチアンテナ100Dの給電点115の重心点G2を含むように配置されている。言い換えると、識別マーク50は、複数のパッチアンテナ100の給電点115との距離が最も遠くなるように配置されている。
これによれば、識別マーク50がパッチアンテナ100と重複するような大きなものであっても、識別マーク50がアンテナ感度の低い重心点G2を含むように配置されているので、アンテナモジュール10のアンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。
なお、実施例5に係る識別マーク50は、誘電体材料で構成されていてもよい。誘電体材料で構成された識別マークは、導電性が低いため、パッチアンテナ100に近接配置してもパッチアンテナ100により形成された電界分布に影響を与えにくい。よって、本実施例に係る識別マーク50のように、パッチアンテナ100と重複するような大きなものである場合であっても、識別マーク50に誘電体材料を用いることでアンテナ特性の劣化を抑制できる。また、パッチアンテナ100のアンテナ特性に影響を与えにくいという観点からは、識別マーク50は、より低誘電率の誘電体材料で構成されていることが好ましい。
[1.8 実施例6に係る識別マークの配置]
図7は、実施例6に係るアンテナモジュール10の識別マーク50の配置を表す図である。同図には、図2に示された拡大領域Pにおける、識別マーク50の配置位置の変形例が示されている。図7に示されたアンテナモジュール10は、図5Aに示された実施例1に係るアンテナモジュール10と比較して、識別マーク50の配置位置、および、誘電体基板110の上面の構成が異なる。以下、実施例6に係るアンテナモジュール10について、実施例1に係るアンテナモジュール10と同じ点は説明を省略し、実施例1に係るアンテナモジュール10と異なる点を中心に説明する。
図7に示すように、拡大領域Pには、パッチアンテナ100A、100B、100Cおよび100Dが示されている。パッチアンテナ100Aおよび100Bは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナである。また、パッチアンテナ100Cおよび100Dは、それぞれ、Y軸方向(行方向)に隣り合う第3のパッチアンテナおよび第4のパッチアンテナである。パッチアンテナ100Aおよび100Cは、X軸方向(行方向と交差する方向である列方向)に隣り合っている。パッチアンテナ100Bおよび100Dは、X軸方向(列方向)に隣り合っている。
また、アンテナモジュール10は、さらに、誘電体基板110の第1主面側である上面側(Z軸プラス側)に設けられたシールド線118を備える。シールド線118は、アンテナモジュール10を平面視した場合(Z軸プラス側から見た場合)に、複数のパッチアンテナ100の間であって複数のパッチアンテナ100の並び方向に沿って格子状に設けられている。シールド線118が配置されることにより、特に、隣り合うパッチアンテナ100間のアイソレーションが向上する。
ここで、図7に示すように、識別マーク50(図7に示された3つの“AB123”の少なくとも1つ)は、上記平面視において、複数のパッチアンテナ100のそれぞれに設けられた給電点115と重複せずに、アンテナ配置領域に配置されている。ここで、アンテナ配置領域とは、上述したとおり、誘電体基板110を平面視した場合に、複数のパッチアンテナ100を包含する最小の領域である。言い換えると、アンテナ配置領域は、誘電体基板110の上面であって、複数のパッチアンテナ100が配置されていない外周領域を除いた領域である。
さらに、識別マーク50は、上記平面視において、シールド線118と重複していない。
上記構成によれば、識別マーク50がシールド線118と重複しないので、パッチアンテナ100間のアイソレーションを向上させつつアンテナモジュール10のアンテナ特性を劣化させずに省面積化および小型化が可能となる。
本実施例に係る識別マーク50は、図7に示すように、例えば、2つのパッチアンテナ100の間であってシールド線118と重複しない領域B1、B2、およびC2などに配置されていてもよい。
なお、本実施例では、パッチアンテナ100A〜100Dの各給電点115は、パッチアンテナの中心点に対してY軸マイナス方向に偏在している。
この場合、識別マーク50は、例えば、パッチアンテナ100Cとパッチアンテナ100Dとの間であって、領域C1および領域C2のうち、領域C2に配置されていてもよい。領域C1は、パッチアンテナ100Cとシールド線118との間の領域であり、領域C2は、パッチアンテナ100Dとシールド線118との間の領域である。これは、領域C1およびC2のうち、領域C2のほうが、パッチアンテナ100Cの給電点115およびパッチアンテナ100Dの給電点115の重心点G3からの距離が短いことに起因するものである。
これによれば、識別マーク50は、隣り合うパッチアンテナ100Cとパッチアンテナ100Dとで挟まれた領域においてアンテナ感度がより低い領域C2に配置される。よって、識別マーク50を領域C2に配置しても、アンテナモジュール10のアンテナ特性の劣化を効果的に抑制できる。
[2 通信装置]
本実施の形態に係るアンテナモジュール10は、下面を実装面としてプリント基板等のマザー基板に実装され、例えば、マザー基板に実装されたBBIC40とともに通信装置を構成することができる。
これに関し、本実施の形態に係るアンテナモジュール10は、各パッチアンテナ100から放射される高周波信号の位相および信号強度を制御することにより鋭い指向性を実現することができる。このようなアンテナモジュール10は、例えば、5G(第5世代移動通信システム)で有望な無線伝送技術の1つであるMassive MIMO(Multiple Input Multiple Output)に対応する通信装置に用いることができる。
そこで、以下では、このような通信装置について、アンテナモジュール10のRFIC30の処理についても述べつつ説明する。
図8は、実施の形態に係るアンテナモジュール10を備える通信装置1の構成を示す回路ブロック図である。なお、同図では、簡明のため、RFIC30の回路ブロックとして、アレイアンテナ20が有する複数のパッチアンテナ100のうち4つのパッチアンテナ100に対応する回路ブロックついてのみ図示し、他の回路ブロックについては図示を省略する。また、以下では、これら4つのパッチアンテナ100に対応する回路ブロックについて説明し、他の回路ブロックについては説明を省略する。
同図に示すように、通信装置1は、アンテナモジュール10と、ベースバンド信号処理回路を構成するBBIC40とを備える。
アンテナモジュール10は、上述したように、アレイアンテナ20と、RFIC30とを備える。
RFIC30は、スイッチ31A〜31D、33A〜33Dおよび37と、パワーアンプ32AT〜32DTと、ローノイズアンプ32AR〜32DRと、減衰器34A〜34Dと、移相器35A〜35Dと、信号合成/分波器36と、ミキサ38と、増幅回路39とを備える。
スイッチ31A〜31Dおよび33A〜33Dは、各信号経路における送信および受信を切り替えるスイッチ回路である。
BBIC40からRFIC30に伝達された信号は、増幅回路39で増幅され、ミキサ38でアップコンバートされる。アップコンバートされた高周波信号は、信号合成/分波器36で4分波され、4つの送信経路を通過して、それぞれ異なるパッチアンテナ100に給電される。このとき、各信号経路に配置された移相器35A〜35Dの移相度が個別に調整されることにより、アレイアンテナ20の指向性を調整することが可能となる。
また、アレイアンテナ20が有する各パッチアンテナ100で受信した高周波信号は、それぞれ、異なる4つの受信経路を経由し、信号合成/分波器36で合波され、ミキサ38でダウンコンバートされ、増幅回路39で増幅されてBBIC40へ伝達される。
なお、上述した、スイッチ31A〜31D、33A〜33Dおよび37、パワーアンプ32AT〜32DT、ローノイズアンプ32AR〜32DR、減衰器34A〜34D、移相器35A〜35D、信号合成/分波器36、ミキサ38、ならびに増幅回路39のいずれかは、RFIC30が備えていなくてもよい。また、RFIC30は、送信経路および受信経路のいずれかのみを有していてもよい。また、本実施の形態に係る通信装置1は、単一の周波数帯域(バンド)の高周波信号を送受信するだけでなく、複数の周波数帯域(マルチバンド)の高周波信号を送受信するシステムにも適用可能である。
このように、RFIC30は、高周波信号を増幅するパワーアンプ32AT〜32DTを含み、複数のパッチアンテナ100はパワーアンプ32AT〜32DTで増幅された信号を放射する。
上記構成を有する通信装置1において、本実施の形態に係るアンテナモジュール10を備えることにより、アンテナモジュール10がマザー基板に実装された後でも識別マーク50がアンテナ配置領域に配置されているので、当該実装後において非破壊にて識別マーク50を視認できるので、ロット情報などを容易にトレースすることが可能となる。また、誘電体基板110を挟んでパッチアンテナ100とRFIC30とが配置されており、識別マーク50は信号感度の高い各給電点115付近には配置されず、かつ、識別マーク50を設けるための領域をアンテナ配置領域以外に別途設ける必要がないので、アンテナモジュール10のアンテナ特性を劣化させずに、通信装置1の省面積化および小型化が可能となる。さらに、パッチアンテナ100とRFIC30との間の高周波伝送線路を短縮できるので、特に、ミリ波帯のように伝送ロスが大きい周波数帯において伝送ロスを低減できる。
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態およびその実施例に係るアンテナモジュールおよび通信装置について説明したが、本発明は上記実施の形態およびその実施例に限定されるものではない。上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本開示のアンテナモジュールおよび通信装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、上記説明では、RFIC30は、送信系の信号処理および受信系の信号処理の両方を行う構成を例に説明したが、これに限らず、いずれか一方のみを行ってもかまわない。
また、上記説明では、高周波回路部品としてRFIC30を例に説明したが、高周波回路部品はこれに限らない。例えば、高周波回路部品は、高周波信号を増幅するパワーアンプであり、複数のパッチアンテナ100は、当該パワーアンプで増幅された信号を放射してもかまわない。あるいは、例えば、高周波回路部品は、複数のパッチアンテナ100と当該高周波回路部品との間で伝達される高周波信号の位相を調整する位相調整回路であってもかまわない。
また、上記説明では、アンテナモジュール10は封止部材120を有するものとしたが、アンテナモジュール10は封止部材120を有していなくてもよく、信号導体柱123などの信号端子およびグランド端子は誘電体基板110の第2主面側(例えば第2主面上)に設けられたパターン電極である表面電極であってもかまわない。このように構成されたアンテナモジュール10は、キャビティ構造を有するマザー基板等に信号端子およびグランド端子によって実装され得る。
なお、上記実施の形態では、アンテナ素子として、パッチアンテナを例示したが、アンテナモジュールを構成するアンテナ素子は、パッチアンテナで無くてもよく、例えば、リジッドアンテナ、ダイポールアンテナなどであってもよい。
本発明は、バンドパスフィルタ機能のあるアンテナ素子として、ミリ波帯移動体通信システムおよびMassive MIMOシステムなどの通信機器に広く利用できる。
1 通信装置
10 アンテナモジュール
20 アレイアンテナ
30 RFIC
31A、31B、31C、31D、33A、33B、33C、33D、37 スイッチ
32AR、32BR、32CR、32DR ローノイズアンプ
32AT、32BT、32CT、32DT パワーアンプ
34A、34B、34C、34D 減衰器
35A、35B、35C、35D 移相器
36 信号合成/分波器
38 ミキサ
39 増幅回路
40 BBIC
50 識別マーク
100、100A、100B、100C、100D パッチアンテナ
100a 無給電素子
100b 給電素子
110 誘電体基板
110a 基板素体
115 給電点
116 ビア導体
117、119 パターン導体
118 シールド線
120 封止部材
121 ANT端子
123 信号導体柱
124 I/O端子

Claims (12)

  1. 誘電体基板と、
    前記誘電体基板の第1主面側に設けられた複数のパッチアンテナと、
    前記誘電体基板の前記第1主面と背向する第2主面側に実装され、前記複数のパッチアンテナと電気的に接続された高周波回路部品と、
    前記第1主面を平面視した場合、前記誘電体基板の前記第1主面側であって、前記複数のパッチアンテナが配置されていない前記誘電体基板の外周領域を除いた領域であるアンテナ配置領域に配置された識別マークと、を備え、
    前記識別マークは、前記第1主面を平面視した場合、前記複数のパッチアンテナのそれぞれに設けられた給電点と重複せずに、前記アンテナ配置領域に配置されている、
    アンテナモジュール。
  2. 前記識別マークは、前記平面視において、前記複数のパッチアンテナのいずれとも重複しない、
    請求項1に記載のアンテナモジュール。
  3. 前記複数のパッチアンテナは、行列状に配置され、
    前記複数のパッチアンテナは、
    前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナと、
    前記行方向に隣り合う第3のパッチアンテナおよび第4のパッチアンテナと、を含み、
    前記第1のパッチアンテナおよび前記第3のパッチアンテナは、前記平面視において前記行方向と交差する方向である列方向に隣り合い、
    前記第2のパッチアンテナおよび前記第4のパッチアンテナは、前記平面視において前記列方向に隣り合い、
    前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第4のパッチアンテナとの間、かつ、前記第2のパッチアンテナと前記第3のパッチアンテナとの間に配置されている、
    請求項2に記載のアンテナモジュール。
  4. 前記複数のパッチアンテナは、行列状に配置され、
    前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナを含み、
    前記第1のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第1のパッチアンテナの中心点から前記行方向と交差する方向である列方向に偏在しており、
    前記第2のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第2のパッチアンテナの中心点から前記列方向に偏在しており、
    前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間に配置されている、
    請求項2に記載のアンテナモジュール。
  5. 前記複数のパッチアンテナは、行列状に配置され、
    前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナを含み、
    前記第1のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第1のパッチアンテナの中心点から前記行方向に偏在しており、
    前記第2のパッチアンテナの前記給電点は、前記平面視において、前記第2のパッチアンテナの中心点から前記行方向に偏在しており、
    前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間に配置されている、
    請求項2に記載のアンテナモジュール。
  6. 前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間の領域は、前記第2のパッチアンテナよりも前記第1のパッチアンテナに近い第1領域、および、前記第1のパッチアンテナよりも前記第2のパッチアンテナに近い第2領域を含み、
    前記識別マークは、前記第1領域および前記第2領域のうち、前記第1のパッチアンテナの前記給電点および前記第2のパッチアンテナの前記給電点の重心からの距離が短いほうの領域に配置されている、
    請求項5に記載のアンテナモジュール。
  7. 前記識別マークは、金属材料からなる、
    請求項2〜6のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  8. 前記複数のパッチアンテナは、
    前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナと、
    前記行方向に隣り合う第3のパッチアンテナおよび第4のパッチアンテナと、を含み、
    前記第1のパッチアンテナおよび前記第3のパッチアンテナは、前記平面視において前記行方向と交差する方向である列方向に隣り合い、
    前記第2のパッチアンテナおよび前記第4のパッチアンテナは、前記平面視において前記列方向に隣り合い、
    前記識別マークは、前記平面視において、前記第1のパッチアンテナの前記給電点、前記第2のパッチアンテナの前記給電点、前記第3のパッチアンテナの前記給電点、および前記第4のパッチアンテナの前記給電点を結ぶ平面形状の重心を含むように配置されている、
    請求項1に記載のアンテナモジュール。
  9. 前記識別マークは、誘電体材料からなる、
    請求項8に記載のアンテナモジュール。
  10. さらに、
    前記第1主面側、かつ、前記平面視において前記複数のパッチアンテナの間であって、前記複数のパッチアンテナの並び方向に沿って設けられたシールド線を備え、
    前記識別マークは、前記平面視において前記シールド線と重複していない、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載のアンテナモジュール。
  11. 前記複数のパッチアンテナは、前記平面視において、行方向に隣り合う第1のパッチアンテナおよび第2のパッチアンテナを含み、
    前記第1のパッチアンテナの前記給電点は、前記第1のパッチアンテナの中心点に対して前記行方向に偏在しており、
    前記第2のパッチアンテナの前記給電点は、前記第2のパッチアンテナの中心点に対して前記行方向に偏在しており、
    前記識別マークは、前記第1のパッチアンテナと前記第2のパッチアンテナとの間であって、前記第1のパッチアンテナと前記シールド線との間の領域、および、前記第2のパッチアンテナと前記シールド線との間の領域のうち、前記第1のパッチアンテナの前記給電点および前記第2のパッチアンテナの前記給電点の重心からの距離が短いほうの領域に配置されている、
    請求項10に記載のアンテナモジュール。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のアンテナモジュールと、
    BBIC(ベースバンドIC)と、を備え、
    前記高周波回路部品は、前記BBICから入力された信号をアップコンバートして前記複数のパッチアンテナに出力する送信系の信号処理、及び、前記複数のパッチアンテナから入力された高周波信号をダウンコンバートして前記BBICに出力する受信系の信号処理、の少なくとも一方を行うRFICである、
    通信装置。
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