JPWO2018179649A1 - 地図作成システム及びロボットシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、動的物体の情報を含まない地図データを効率的に作成可能なシステムに関する。本発明の一実施形態に係る地図作成システムは、周囲の物体上の複数の測定点までの距離及び角度を計測し、距離及び角度の集合である距離情報を出力する距離センサを備えた移動体を有している。地図作成システムは距離センサにより、移動体が第1の位置に存在する時に計測された第1の距離情報と、移動体が第2の位置に存在する時に計測された第2の距離情報とを収集して、両者を合成することで、物体が存在する位置を表す位置情報を記録した物体存在地図を作成する。また距離情報をもとに物体の存在しない領域である削除対象領域を特定し、この削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報を物体存在地図から削除することで、静止物体の位置情報のみが記録された静止物体地図を作成する。

Description

本発明は地図作成システム及びロボットシステムに関する。
従来、電動車椅子などの移動体が、周辺環境の地図を作成すると同時に自身の位置を推定する技術がある。具体的には、移動体は距離センサ等のセンサや、車輪の回転数データを検出する手段を備え、回転数データを用いて移動体の位置や向きを求めるとともに、センサによって、壁などの周辺の物体までの距離を得て、それらの情報をもとにして、移動体の位置の推定と周辺環境の地図の作成を行う。この技術はSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)と呼ばれる。
場合によっては、移動体の周囲に動く物体(動的物体と呼ぶ)が存在する環境下で地図の作成を行わなければならないこともある。この場合、動的物体を、壁などの静止物(静的物体)と誤認識すると、誤った地図が作成されてしまうため、地図作成時にはセンサなどで得られた動的物体の情報を除去することが必要である。
例えば特許文献1には、クラスタリング手段により距離が所定値TH未満の位置同士をまとめたクラスタを作成し、そのクラスタの固有値から、動的物体か否かを判断して、動的物体を削除する方法が示されている。例えば、長手方向のサイズとその垂直方向のサイズを固有値として判断すれば、人を表すクラスタを動的物体と断定することができる。このようにして、地図の中から動的物体を削除できる。
特開2014−174275号公報
特許文献1に開示の技術では、人などの形状はクラスタの固有値により動的物体と判断することができるが、大型AGV(Automated Guided Vehicle)などが移動する環境下で特許文献1に開示の技術を用いた場合、大型AGVなどと、壁や塀などの静的物体とを区別することが困難になることがある。そのため、動的物体のクラスタをすべて自動的に地図から削除することが難しいという課題がある。本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。
本発明の一実施形態に係る地図作成システムは、周囲の物体上の複数の測定点までの距離及び角度を計測し、距離及び角度の集合である距離情報を出力する距離センサを備えた移動体を有している。地図作成システムは距離センサにより、移動体が第1の位置に存在する時に計測された第1の距離情報と、移動体が第2の位置に存在する時に計測された第2の距離情報とを収集して、両者を合成することで、物体が存在する位置を表す位置情報を記録した物体存在地図を作成する。また距離情報をもとに物体の存在しない領域である削除対象領域を特定し、この削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報を物体存在地図から削除することで、静止物体の位置情報のみが記録された静止物体地図を作成する。
本発明によれば、動的物体の情報を含まない地図データを効率的に作成することができる。
実施例1に係る地図作成システムのブロック図である。 移動体が環境内を移動しながら地図を作成する処理の説明図である。 環境内に動的物体が存在する場合の問題点を説明する図である。 空き領域地図作成手段による、削除対象領域の求め方を説明する図である。 実施例2に係る地図作成システムが有する空き領域地図作成手段の構成を示した図である。 領域短縮手段による削除対象領域の求め方を説明する図である。 実施例2の空き領域地図作成手段によって、地図から動的物体の情報が削除される様子を示した説明図である。 実施例3に係る地図作成システムのブロック図である。 実施例3において、移動体が距離データを収集する過程を時系列順に示した図である。 実施例3に係る地図作成システムの、地図ノイズの削除方法を説明する図である。 実施例1と実施例2の違いを説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、実施例1に係る地図作成システムの一例である移動体100が有する、地図作成処理を実現するための機能ブロック図である。移動体100は、レーザ距離センサ1、距離収集手段2、物体存在地図作成手段3、空き領域地図作成手段8、地図修正手段9を備える。また本実施例における移動体100は、自動車などの車両、または走行機能を備えたロボットである。ただし図1では移動体100の外観や、走行に必要な車輪等の存在は略して、地図作成処理に必要な機能部を中心に図示している。また別の実施形態として、移動体100が走行機能を持たない(モータなどの動力を持たない)装置であってもよく、たとえば手押し車のようなものであっても良い。
レーザ距離センサ1は、1回の測定で移動体100の周囲の物体までの距離を所定の角度範囲(例えば左右135°、合計270°の範囲)で計測するものである。なお本実施例では、レーザ距離センサ1によって測定される物体上の点を「測定点」と呼ぶ。
レーザ距離センサ1が物体までの距離を計測すると、その距離及び角度のデータは距離収集手段2に入力される。以下では、レーザ距離センサ1が1回の測定で得た距離及び角度のデータのセットを「距離データ」と呼ぶ。たとえばレーザ距離センサ1が、左右135°(合計270°)の範囲について1度毎に距離測定を行う場合、距離データは271個の距離及び角度の組から構成される。なお、レーザ距離センサ1による1回の測定は極めて短時間で終了するため、移動体100は移動しながらレーザ距離センサ1による計測を行える。
距離収集手段2は収集指令が与えられると、レーザ距離センサ1から入力されたデータを自身の有する記憶領域に格納(収集)する。収集指令は、移動体100の外部(たとえば移動体100に指示を出す人、あるいは移動体100に接続されたコントローラ等)から与えられてもよいし、あるいは移動体100内の非図示のコンポーネントから発行されてもよい。地図作成に必要な複数回分の距離データが収集されると、これらの距離データは距離収集手段2から物体存在地図作成手段3に転送される。あるいは別の例として、距離収集手段2は、レーザ距離センサ1から距離データが入力されるたびに、距離データを物体存在地図作成手段3に送信してもよい。
また、以下の説明では、レーザ距離センサ1は左右135°(合計270°)の範囲について1度毎に距離測定を行う前提で説明する。またレーザ距離センサ1の存在する位置を“O”と表記し、移動体100の正面にある物体上の測定点を“P”と表記し、点Oから測定点Pまでの距離及び角度の組を(d,θ)と表記する。また、移動体100の左方n度(nは1以上135以下の整数である)の方向にある物体上の測定点を“P−n”と表記し、点Oから測定点P−nまでの距離及び角度の組を(d−n,θ−n)と表記する。そして移動体100の右方n度(nは1以上135以下の整数である)の物体上の測定点を“P”と表記し、点Oから測定点Pまでの距離及び角度の組を(d,θ)と表記する(なお、θ=nの関係にある)。なお、(d,θ)(uは−135≦u≦135の整数である)は、点O(レーザ距離センサ1)を原点とする極座標系上の座標とみなすこともできるので、(d,θ)のことを「座標」と呼ぶこともある。
図2を用いて、物体存在地図作成手段3が行う地図作成処理を説明する。図2の(a-1)、(b-1)、(c-1)は、移動体100が、地図作成対象の環境内を移動している様子を上から見た時の図である。図は、移動体100が時間が経過するにつれて、(a-1)、(b-1)、(c-1)の順に移動したことを示している。
次に、図2(a-2)、(b-2)、(c-2)はそれぞれ、移動体100が図2(a-1)、(b-1)、(c-1)に示された位置に存在するときに、レーザ距離センサ1から周囲(左右135°の範囲)にレーザを照射することで計測・収集された距離データを概念的に示したものである。図2(a-2)、(b-2)、(c-2)に示す複数の実線矢印はそれぞれ、移動体100から矢印の終点(つまり測定点)までの距離及び角度を計測していることを表している。ここでは説明を分かりやすくするために、距離データを地図上の実線矢印で表現しているが、実際に収集される距離データは上で述べたとおり、距離及び角度(d,θ)の集合である。
本実施例に係る地図作成システムは、図2(a-2)、(b-2)、(c-2)の距離データを組み合わせることにより、移動体100の周囲にある物体の形状を把握することができる(なお、正確には、形状を把握可能な物体は、レーザ距離センサ1と同じ高さあるいはそれ以上の高さを有する物体に限られるが、ここでは地図作成処理で認識(計測)されるべき物体はいずれも、レーザ距離センサ1の高さ以上の高さを有するものとする)。図2(a-2)、(b-2)、(c-2)では、レーザ距離センサ1により計測された周囲の物体の形状を太い実線で示している。
物体存在地図作成手段3は、地図作成指令を受領すると、距離データを用いて地図を作成する。まず、図2(a-2)、(b-2)の距離データ同士を合成した(つなぎ合わせた)地図データを作成する。物体存在地図作成手段3による地図データの作成処理は、たとえばIterative Closest Point (ICP)アルゴリズムなどの公知の位置合わせ手法を行うことで実現できる。物体存在地図作成手段3は、図2(a-2)、(b-2)の距離データ同士を合成した地図データを作成した後、その地図データに対してさらに図2(c-2)の距離データを合成する。図2(a-2)、(b-2)、(c-2)の距離データを用いて作成(合成)された地図の例を、図2(d-2)に示す。なお、ここでは説明のために、図2(d-2)のように図形表現されたものを、地図の例として示しているが、物体存在地図作成手段3が作成する地図(地図データ)は実際には、物体の位置情報(座標)の集合で構成される。
図2を用いて説明した例では、移動体100の移動する環境内に装置Aから装置Dまでの静止物体しか存在しなかったため、物体存在地図作成手段3により、静止物体だけが存在する理想的な地図を作成することができる。
これに対して、移動体100の周囲に動的物体が存在する時に、物体存在地図作成手段3が地図作成を行った時に起こり得る問題点を、図3を用いて以下に説明する。図3(a-3)、(b-3)、(c-3)は図2(a-1)、(b-1)、(c-1)と同様に、移動体100が、地図作成対象の環境内を移動している様子を表しており、図3(a-4)、(b-4)、(c-4)の実線矢印は、移動体100が図3(a-3)、(b-3)、(c-3)の位置に存在する時に測定した距離データを表している。図2と図3の違いは、図3の環境では、移動体100の前方を、動的物体の1つである作業者200が時間とともに移動している点が、図2で説明した環境と異なる。この場合、図3(a-4)、(b-4)、(c-4)に示されるように、装置A〜Dなどの静止物体の位置の情報が距離収集手段2に収集されるだけでなく、作業者200がいる位置の情報も収集される。また、作業者200がいた影響により、作業者200の背後にある装置Bや右側壁の一部が計測できていないことがわかる。
物体存在地図作成手段3がこれらの3つの場所で計測された距離データについて、図2で説明した方法と同様の演算を行うと、図3(d-4)に示す地図が作成される。なお、この図は図3(a-4)、(b-4)の間に3つの計測した距離データによる地図情報があったものとして、表示している。同様に、図3(b-4)、(c-4)の間にも3つの距離データの情報があったものとしている。つまり図3(d-4)は、計9組の距離データによる地図情報を重ねあわせた地図である。
図3(d-4)の地図には、作業者200が歩行したときの形跡が地図に表れている。このように、物体存在地図作成手段3によって作成された地図上に記録されてしまう動的物体の情報を、本実施例では「地図ノイズ」と呼ぶ。移動体100が地図ノイズを含んだ地図を用いて移動体100の位置同定を行うと、位置精度が低下することがある。さらに、場合によっては、位置同定を失敗することもある。
次に、本実施例に係る地図作成システムにおける空き領域地図作成手段8の動作について説明する。例えば、図3(a-4)に示すように、移動体100が所定の角度範囲(たとえば270°の範囲)の距離データを収集することは、移動体100(正確にはレーザ距離センサ1)から各測定点(P−n〜P)までの距離を得られるとともに、移動体100と各測定点までの間には、他の物体が存在しないことを意味する。
図4(a-5)、(b-5)、(c-5)は、物体存在地図作成手段3によって作成された物体存在地図(図3(d-4))の上に、レーザ距離センサ1により検出され距離収集手段2に収集された距離データを重ねて図示したものである。また図4(a-5)、(b-5)、(c-5)に示した網掛けされた領域は、点Oと測定点P−135,P−134,...,P,P,...,P135を頂点とする多角形で、この領域は物体が存在しない領域であることを意味している。本実施例では、点Oと各測定点P−135,P−134,...,P,P,...,P135を頂点とする多角形(つまり図4(a-5)、(b-5)、(c-5)に示されるような、網掛けされた領域)のことを「空き領域」と呼ぶ。
図4(a-5)、(b-5)、(c-5)で重要なことは、物体存在地図(たとえば図3(d-4))上の太い実線のうち、空き領域の中に含まれる線は、レーザ距離センサ1が作業者200等のような動く物体を計測したために得られたもの(つまり地図ノイズ)であるという事実である。そこで、空き領域内の太い実線を削除すれば、動的物体の情報(地図ノイズ)を取り除くことができる。
しかしながら、精度の低いレーザ距離センサ1を用いた場合には、照合のときに生じる誤差が大きいことがある。その結果、地図修正手段9が空き領域内に含まれる物体の位置情報を削除すると、装置や壁などの静止物体の情報も削除してしまう可能性がある。それを防止するために、空き領域地図作成手段8は、以下に説明する距離短縮手段10と空き領域合成手段11を有している。
空き領域地図作成手段8は距離収集手段2から収集した距離データ(つまり、各測定点の座標)を、まず距離短縮手段10に渡す。距離短縮手段10は渡された距離データの値から一律に一定の距離Loを減じた値を空き領域合成手段11に出力する。具体的には距離短縮手段10は、距離収集手段2が収集した各測定点Pの座標(d,θ)から距離Loを減算したもの、つまり(d−Lo,θ)を求め、これを空き領域合成手段11に出力する。この距離Loは0以上の任意の値でよいが、好ましくは、照合の際に生じる位置同定誤差Leより大きい値であるとよい。また、以下では、測定点Pから距離Loを減算して得られた点、つまり座標値が(d−Lo,θ)の点を、「P’」と表記する。
空き領域合成手段11は、距離短縮手段10から取得したP’を基に図4(a-6)、(b-6)、(c-6)に示すような領域(これは、点O及び点P−135’,P−134’,...,P’,P’,...,P135’を頂点とする多角形である)を特定する。ここで特定された領域のことを「削除対象領域」と呼ぶ。空き領域合成手段11はこの削除対象領域の情報(点O及び点P−135’,P−134’,...,P’,P’,...,P135’を頂点とする多角形の情報)を地図修正手段9に出力する。削除対象領域の情報を受領した地図修正手段9は、物体存在地図作成手段3で作成された地図(たとえば図3(d−4))から削除対象領域内に含まれる物体の位置情報(これは、図4(a-6)、(b-6)、(c-6)に示された網掛けされた領域内に存在する太い実線に相当する
)を削除する処理を行う。
距離短縮手段10はこのようにして削除対象領域を求めるため、たとえば図4(a-6)に示されているように、静止物体と削除対象領域の間には一定の距離(空間)が設けられる。そのため、地図修正手段9が削除対象領域に含まれる物体の削除を行っても、静止物体を削除してしまう可能性を低くできる。
地図修正手段9が、物体存在地図作成手段3で作成された地図から、空き領域合成手段11で作成された削除対象領域(図4(a−6))内に含まれる物体の位置情報を削除した結果を図4(a-7)に示す。図4(a-7)では、図4(a−6)内にあった太実線の一部が破線になっているが、これは削除対象領域内に含まれていた物体の位置情報が削除されたことを示す。この図では、まだ、作業者200の動的物体の情報の一部が残った状態であるが、削除対象領域の作成及びそれを用いた物体の削除処理を繰り返し行うことで、動的物体の位置情報の多くを削除できる。その例を以下に説明する。
距離短縮手段10及び空き領域合成手段11は上で説明した方法により、移動体100が図4(b−5)に示された位置に移動した時の距離データを用いて、図4(b-6)に示されるような削除対象領域を作成する。図4(b-6)の削除対象領域が作成されると、地図修正手段9は図4(a-7)に示された地図(これは先の処理により、物体存在地図作成手段3で作成された地図から動的物体の一部が削除された地図である)から、さらに図4(b-6)の削除対象領域内に含まれる物体の位置情報の削除を実施する。その結果、図4(b-7)の地図に示すように、残っていた動的物体の情報がすべて削除された地図を作成することができる。この実施例の場合には、この時点で動的物体の情報を完全に削除できたが、まだ動的物体の情報が残っている場合には、同様の処理を図4(c-5)、図4(c-6)で示すように、すべての距離データについて実施し、最終的に、図4(c-7)の静止物体地図が完成する。
本実施例に係る地図作成システムは以上のような方法により、地図ノイズを削除することができるので、レーザ距離センサの精度が低い場合でも、静止物体だけの地図を作成することができる特徴がある。
続いて実施例2に係る地図作成システムの説明を行う。実施例2に係る地図作成システムは、空き領域地図作成手段8に代えて空き領域地図作成手段8’を有する。それ以外の点については、実施例2に係る地図作成システムの構成は実施例1に係る地図作成システムと同じであるため、図示を略す。
図5に、実施例2に係る地図作成システムが有する空き領域地図作成手段8’の構成を示す。空き領域地図作成手段8’は空き領域合成手段11と領域短縮手段12を有する。空き領域合成手段11は実施例1におけるものと同じ機能を持つ。だが、空き領域地図作成手段8’は実施例1で説明した距離短縮手段10を有さず、実施例2における空き領域合成手段11は距離収集手段2から取得した各測定点Pの座標(つまり距離をLoだけ短縮する処理が行われていない座標)を用いて空き領域を求める。そのため、距離収集手段2がたとえば図3(a-4)の距離データを収集した場合、空き領域合成手段11は図4(a-5)に示された領域(つまり、点Oと測定点P−135,P−134,...,P,P,...,P135を頂点とする多角形)を求め、その領域の情報を領域短縮手段12に出力する。そして実施例2に係る地図作成システムでは、領域短縮手段12が削除対象領域を作成する。
次に、領域短縮手段12における処理について図6(a-8)(a-9)を用いて説明する。領域短縮手段12では、図6(a-8)に示すように、各測定点の各座標点を中心にした半径Loの円を求める。以下では、測定点Pを中心とする半径Loの円のことを“R”と表記する(uは実施例1と同じく、−135以上135以下の整数とする)。
次に領域短縮手段12は、図6(a-9)のように、隣り合う2つの円(たとえば円RとRu+1)に接する接線を求める。理論上、2つの円に接する接線は2つ存在するが、領域短縮手段12は2つの接線のうち、空き領域の内側に位置する接線を求める。以下では円RとRu+1に接する接線を“T”と表記する。
そして領域短縮手段12は、各接線T、各円Rの弧、点Oと測定点P−135を結ぶ線分、そして点Oと測定点P135を結ぶ線分とで取り囲まれる領域を削除対象領域と決定し、この削除対象領域の情報を地図修正手段9に出力する。なお、説明ではわかりやすくするため、図を利用して削除対象領域を求める方法を説明したが、この削除対象領域は計算によっても求められることは言うまでもない。これによって得られた削除対象領域を用いて、地図修正手段9は図6(a-10)のように、物体存在地図から動的物体の情報を削除する。図6(a-11)は、削除対象領域を用いて、物体存在地図から動的物体の情報を削除した結果を示している。
図11を用いて、実施例1における方法で作成された削除対象領域と、実施例2における方法で作成される削除対象領域の違いを説明する。ここでは説明が複雑化することを避けるため、2つの測定点P、Pa+1(これらは装置X上の点である)の距離データから削除対象領域を求める例を説明することで、両者の比較を行う。
図11(A)は実施例1での削除対象領域を求める方法を概念的に示した図である。実施例1における空き領域地図作成手段8では先に述べたとおり、測定点Pの座標(d,θ)から距離Loだけ点O(レーザ距離センサ1)に近い点(図11(A)における点P’)を求める。同様に測定点Pa+1の座標(da+1,θa+1)から距離Loだけ点Oに近い点Pa+1’を求め、点P’、点Pa+1’及び点Oによって囲まれる領域を削除対象領域とする(図11(A)における網掛けされた領域)。
そのため、削除対象領域と装置Xの間の距離はLoよりも小さくなることがある。特に図11(A)のように、レーザ距離センサ1による照射光(たとえば線分O−Pあるいは線分O−Pa+1)と装置X上の面(線分P−Pa+1)のなす角が小さければ小さいほど、削除対象領域の外周(たとえば線分P’−Pa+1’)と装置Xの間の距離は短くなる。そのため、レーザ距離センサ1の測定誤差が大きい場合、地図修正手段9が地図ノイズを削除する時に、装置や壁などの静止物体の情報も削除してしまう可能性が高くなる。
一方図11(B)は実施例2における空き領域地図作成手段8’による、削除対象領域を求める方法を概念的に示した図である。実施例2における空き領域地図作成手段8’は図11(B)のとおり、各測定点P、Pa+1を中心とする半径Loの円(R、Ra+1)を求め、さらにこの2つの円(R、Ra+1)に接する接線(図11(B)における、点P’と点Pa+1’を通過する線分T)を求める。最後に空き領域地図作成手段8’は、点Oからこの接線Tまたは円R(または円Ra+1)の弧に至るまでの領域(図11(B)における網掛けされた領域)を、削除対象領域と決定する。
図11(B)から分かる通り、実施例2の方法によって作成される削除対象領域の外周上の各点(接線Tまたは円Rの弧の上の点)は、物体上の任意の点(たとえば図11における装置X上の各点)から距離Lo以上離れている(言い換えると、削除対象領域の外周上の各点は、物体上の各点からの距離の最小値がLoである)。実施例2の方法によれば、レーザ距離センサ1による照射光(たとえば線分O−Pあるいは線分O−Pa+1)と装置X上の面(線分P−Pa+1)のなす角の大きさに依らず、常に物体上の各点からの距離の最小値がLoである点を外周とする削除対象領域を得ることができる。そのため、地図修正手段9が静止物体を削除してしまう可能性をさらに低減することができる。
なお、上で説明した、空き領域地図作成手段8’による削除対象領域の決定方法は一例であり、必ずしも上で説明した方法を用いて削除対象領域を決定しなければならないわけではない。物体上の各点からの距離の最小値がLoである点を外周とする削除対象領域が得られる方法であれば、空き領域地図作成手段8’は任意の方法を用いて削除対象領域を求めてよい。
図6では、移動体100が環境内の左端にいる時に得られた距離データをもとに削除対象領域を得る方法を説明したが、空き領域地図作成手段8’は同様にして、各時点で得られた距離データ、たとえば移動体100が図7(b-10)、(c-10)に示される位置にいた時に得られた距離データを用いて削除対象領域を作成して、物体存在地図作成手段3によって作成された地図の中から、削除対象領域に含まれる動的物体の情報を削除する処理を繰り返す。図7(b-11)は、移動体100が図7(b-10)に示される位置にいた時に得られた距離データを用いて作成された削除対象領域に基づいて、図6(a-11)から動的物体の情報を削除した結果の例を表している。また図7(c-11)は、移動体100が図7(c-10)に示される位置にいた時に得られた距離データを用いて作成された削除対象領域に基づいて、図7(b-11)から動的物体の情報を削除した結果の例を表している。なお、この実施例の場合には、一部の動的物体を取り除くことができていないが、取り除けなかった動的物体の情報は僅かであり、位置同定を行う際に特に問題になることはないものである。
実施例3に係る地図作成システムは、実施例1または2で説明した地図作成システムを自律移動ロボットに適用したものである。図8にその機能ブロック図を示す。なお図8でも実施例1と同様に、自律移動ロボットの外観や、走行に必要な車輪等の存在の記述は略している。実施例3に係る地図作成システムでは、移動体100に実施例1等で説明したレーザ距離センサ1、距離収集手段2が搭載され、また移動体100との間で通信を行う上位コントローラ101に物体存在地図作成手段3、空き領域地図作成手段8’、及び、地図修正手段9が設けられる。移動体100と上位コントローラ101の間の通信手段は、無線通信でも有線通信でも良い。
物体存在地図作成手段3、及び地図修正手段9は実施例1で説明したものと同じものであり、また空き領域地図作成手段8’’は、実施例2で説明したものと同様のもので、空き領域合成手段11’と領域短縮手段12を内蔵している。領域短縮手段12は、実施例2で説明したものと同じものである。空き領域合成手段11’の処理内容については後述する。
さらに、上位コントローラ101には、上位側地図保存手段13を備える。上位側地図保存手段13は、地図修正手段9で作成された静止物体地図を保存する。また、移動体100には、車載側地図保存手段14、位置算出手段15、車両制御手段16、そして左車輪と右車輪(非図示)、左車輪を駆動するための左モータ17、右車輪を駆動するための右モータ18、地図更新指令手段19を備えている。
実施例3において、移動体100は作成した静止物体地図を用いて位置を同定し走行する自律移動ロボットである。まず、上位コントローラ101の上位側地図保存手段13に保存された静止物体地図が、移動体100の車載側地図保存手段14にダウンロードされる。移動体100が起動すると、位置算出手段15において、車載側地図保存手段14に格納された静止物体地図と、レーザ距離センサ1から得られた距離データを照合することにより、移動体100の現在の姿勢を算出する。なお位置算出手段15が現在の姿勢を算出する際、静止物体地図上の座標値を算出する。
レーザ距離センサ1から得られた距離データと静止物体地図とを照合することで移動体100の姿勢を求める方法は、位置同定技術、あるいは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術としてよく知られている。たとえば特開2009−109200号公報や特開2009−93308号公報などに記載されている技術であるため、ここでは詳細説明は略し、姿勢を求める方法の概要のみ記す。位置算出手段15は車載側地図保存手段14に格納されている静止物体地図を取得する。なお静止物体地図は、物体の存在する位置の座標が、環境内の所定の位置を原点とした直交座標系(xy座標系)上の座標として格納されているものとし、以下では静止物体地図を構成する座標のセットを「第一座標群」と呼ぶ。
続いて位置算出手段15はレーザ距離センサ1から受領した距離データを、移動体100(正確にはレーザ距離センサ1)の位置を原点としたときの、直交座標系(xy座標系)上の座標に変換する。これにより移動体100の位置を原点としたときの、周囲の物体の座標が得られる。なお、距離データには複数(たとえば271個)の情報(距離と角度の組)が含まれているので、複数個(271個)の座標が得られる。この複数個の座標を「第二座標群」と呼ぶ。
次に位置算出手段15は、第二座標群の各座標を、原点(移動体100)を中心に角度θだけ回転させ、また(x,y)平行移動させた座標値を求める(x,y,θの値は任意で良いが、小さい値が好ましい)。ここで求められた座標を「移動後の第二座標群」と呼ぶ。
そして位置算出手段15は、移動後の第二座標群の各点と第一座標群の各点とが一致するか判定する処理を行い、この判定で一致する点の数を計数する。位置算出手段15は、x,y,θの値それぞれを少しずつ変化させながら、繰り返しこの判定処理を行うことにより、第二座標群と第一座標群とが一致する点が最も多くなる時のx,y,θを求める。ここで求められた(x,y)が、移動体100の位置する座標(静止物体地図上の座標)となり、θは移動体100の向きを表す。位置算出手段15はこのようにして照合結果から、レーザ距離センサ1を搭載した移動体100の位置(静止物体地図上の座標)を算出する。
なお、移動後の第二座標群の各点と第一座標群の各点とは、必ずしもすべて一致しないこともある。たとえば、静止物体地図が作成された後、移動体100の居る環境内の一部の物体の位置が変更されることもある。その場合、移動後の第二座標群の各点と第一座標群の各点とは、すべては一致しない。位置算出手段15は、移動後の第二座標群の各点と第一座標群の各点の一致する割合が、所定値よりも少ない場合、車載側地図保存手段14に格納されている静止物体地図に記録されている物体の位置と、実際の物体の位置の間にずれが発生しており、静止物体地図の情報を更新すべきと判断する。そして位置算出手段15は距離収集手段2に収集指令を出力することで、上位コントローラ101に新たな地図を作成させる。この処理は後述する。
次に、車両制御手段16に対して外部から移動すべき目標点の座標xo、yo、θoが与えられると、車両制御手段16は移動体100の走行制御を行う。車両制御手段16は移動体を自律移動可能にするための制御部で、たとえば特開2009−93308号公報などに記載の公知のものでよい。車両制御手段16は移動体100の現在の位置(x、y、θ)と目標点の座標xo、yo、θoとの関係から、移動体100の速度指令と曲率を算出する。車両制御手段16はその結果を基に、左モータ17と右モータ18の速度指令を出力し、それにより各モータが速度制御される。その結果、移動体100は目標点に向かって走行することになる。
続いて図9、図10を用いて、本実施例に係る地図作成システムが地図を作成する処理の流れを説明する。なお、以下の説明では、初期状態では車載側地図保存手段14に図4(c-7)に示された静止物体地図が格納されており、また移動体100は図9(a-12)、(b-12)、(c-12)に示されるように、環境内を左から右に順に移動するケースについて説明する。
また、以下の例では、移動体100の周囲に配置される物体の位置が、必ずしも車載側地図保存手段14に格納された静止物体地図に記録されている位置とは一致しないケースを説明する。具体的には図9に示されているように、環境内の物体のうち、装置Bが図4(c-7)に示された配置状態から右方向に傾いた状態に変化している。
図9(a-12)、(b-12)、(c-12)は、移動体100が車両制御手段16により自律走行をして、左側から右側に移動している状態を時系列的に示している。また、それらの図には、対向する方向から動的物体である走行車300が右側から中央方向に移動している状況であることが示されている。
図9(a-13)は、図4(c-7)に示された地図とレーザ距離センサ1で得られた距離データを照合して、位置算出手段15で行う位置同定処理により、移動体100の位置を算出している様子を概念的に表したものである。またここで位置算出手段15によって特定された移動体100の座標値は、(xa、ya、θa)とする。なお、図9の例では装置Bの位置が静止物体地図に記録されている位置情報と異なっており、また静止物体地図には記録されていない走行車300が存在しているため、位置算出手段15が静止物体地図と距離データを照合すると、静止物体地図の情報と距離データの一致する割合が低下していると判断される。そのため、このときには、距離収集手段2に対して、位置算出手段15から収集指令が出力される。
収集指令を受けた距離収集手段2は、レーザ距離センサ1から出力される距離データを収集し、収集された距離データを上位コントローラ101へと送信(アップロード)する。図9(a-14)に収集された距離データの例を示す。図9(a-14)は、移動体が図9(a-12)に示された位置に存在した時に、距離収集手段2が収集した距離データを概念的に表した図である。
時間の経過とともに、移動体100が図9(b-12)、(c-12)のように移動したときも、位置算出手段15は同じように静止物体地図と距離データを照合することで、移動体100の位置、姿勢を求める。ここでは、移動体100が図9(b-12)、(c-12)の位置にいる時の座標をそれぞれ、(xb、yb、θb)と、(xc、yc、θc)とする。それと同時に、距離収集手段2では、図9(b-14)、(c-14)に示す距離データが収集され、収集された距離データは上位コントローラ101へとアップロードされる。図9(b-14)、(c-14)はそれぞれ、移動体が図9(b-12)、(c-12)に示された位置に存在した時に、距離収集手段2が収集した距離データを概念的に表した図である。
図9(a-14)、(b-14)、(c-14)の距離データが距離収集手段2から、上位コントローラ101にアップロードされると、物体存在地図作成手段3は図10(d-14)に示す地図を作成する。地図作成の契機は、距離収集手段2がたとえば実施例1で説明した地図作成指令を物体存在地図作成手段3に発行したことを契機に行われてもよいし、あるいは物体存在地図作成手段3は所定個の距離データが上位コントローラ101にアップロードされたことを契機に地図作成を行ってもよい。
図10を用いて、本実施例に係る地図作成システムにおける地図ノイズを削除する方法を説明する。図8の空き領域合成手段11’は、まず、実施例2で説明した方法と同様の方法で、図9(a-14)、(b-14)、(c-14)の距離データから得られる空き領域地図を作成する。図10(a-15)、(b-15)、(c-15)の網掛けされた領域がそれぞれ、図9(a-14)、(b-14)、(c-14)の距離データから得られる空き領域地図を表している。
次に空き領域合成手段11’は、これらの空き領域地図の和集合を求めることで、すべての距離データを用いた空き領域地図(合成された空き領域地図)を求める。図10(d-15)に示している網掛けされた領域が、合成された空き領域地図の例である。
続いて空き領域合成手段11’はこの空き領域地図を領域短縮手段12に入力する。領域短縮手段12は実施例2で説明した方法を用いて、外周が、装置や壁などの静止物体から距離Loだけ離れた点で構成される削減対象領域を作成する。図10(d-16)に示された網掛けされた領域が、作成された削減対象領域の例を示す。
削除対象領域の作成後、地図修正手段9は削減対象領域の情報を用いて、物体存在地図作成手段3で作成された地図から地図ノイズの削除を行う。これは実施例1または2で説明した方法と同様である。
実施例3で説明した空き領域地図の作成方法は、実施例1または実施例2で説明したものと比べると、一旦合成された空き領域地図を作成した後に、合成された空き領域地図を用いて削減対象領域を決定し地図ノイズの削除を行うため、地図ノイズの削除処理のコストを、実施例1または2で説明した方法よりも小さくできる利点がある。ここで作成された削減対象領域をもとにして、図10(d-14)の物体存在地図から地図ノイズを削除すると、図10(d-17)に示すような静止物体地図を得ることができる。地図修正手段9は、作成した静止物体地図を上位側地図保存手段13に保存する。
なお、実施例3では地図作成システムが空き領域地図作成手段8’’によって削減対象領域を作成する例を説明したが、空き領域地図作成手段8’’に代えて、実施例1で説明した空き領域地図作成手段8、あるいは実施例2で説明した空き領域地図作成手段8’を用いる構成(つまり上位コントローラ101が空き領域地図作成手段8または空き領域地図作成手段8’を備える構成)であってもよい。またここでは、空き領域地図作成手段8’’は複数の空き領域地図から合成された空き領域地図(たとえば図10(d-15))を一旦作成し、合成された空き領域地図から、削除対象領域を求める例を説明したが、別の手順で削除対象領域を求めてもよい。一例として空き領域地図作成手段8’’は、まず距離収集手段2から距離データ(たとえば図9(a-14)、(b-14)、(c-14))を取得するたびに削除対象領域を作成する。削除対象領域の作成方法は実施例1の方法でも実施例2の方法でも良い。距離データを複数回(たとえばn回)取得した場合、n個の削除対象領域が作成される。n個の削除対象領域が作成された後、空き領域地図作成手段8’’はn個の削除対象領域の和集合を求めることで、最終的な削除対象領域を得る。
さらに、移動体100の位置算出手段15は、収集指令を距離収集手段2に出力する時、同時に地図更新指令手段19にも地図と距離データの一致する割合が低下している状態を出力する。地図更新指令手段19はこれにより、地図の更新が必要であると判断し、上位側地図保存手段13に対して更新指令を出力する。上位側地図保存手段13は更新指令を受領すると、(地図修正手段9によって)上位側地図保存手段13に新たに保存された静止物体地図を移動体100に送信する。移動体100は新たに作成された静止物体地図を受領すると、それを車載側地図保存手段14に格納することで、静止物体地図の更新を行う。
以上のように、本実施例に係る地図作成システムでは、自律走行状態の移動体の距離データを用いて、動的物体がある場合でも、静止物体だけの地図を得ることができ、自動的に地図更新を行うことができる利点がある。
本発明において、以上のように、性能が低い距離センサを用いても、誤って静止物体を削除して動領域を拡大してしまうことがなく、地図の精度を低下させないで、自動的に動的物体の情報を削除することができるので、これにより作成した地図を用いた位置同定の精度を確保し、優れた移動制御特性を有する自律移動ロボットを提供することができる。
1 レーザ距離センサ, 2 距離収集手段, 3 物体存在地図作成手段, 8 空き領域地図作成手段, 9 地図修正手段, 10 距離短縮手段, 11 空き領域合成手段, 12 領域短縮手段, 13 上位側地図保存手段, 14 車載側地図保存手段, 15 位置算出手段, 16 車両制御手段, 17 左モータ, 18 右モータ, 19 地図更新指令手段, 20 収集判定手段, 100 移動体, 101 上位コントローラ, 200 作業者(動的物体1), 300 走行車(動的物体2)

Claims (15)

  1. 周囲の物体上の複数の測定点までの距離及び角度を計測し、前記距離及び角度の集合である距離情報を出力する距離センサを備えた移動体を有する地図作成システムであって、
    前記地図作成システムは、
    前記移動体が第1の位置に存在する時に計測された第1の距離情報と、前記移動体が第2の位置に存在する時に計測された第2の距離情報とを合成することで、前記物体が存在する位置を表す位置情報を記録した物体存在地図を作成する、物体存在地図作成手段と、
    前記距離情報をもとに、前記物体の存在しない領域である削除対象領域を特定する空き領域地図作成手段と、
    前記物体存在地図作成手段が作成した前記物体存在地図から、前記削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報を削除することで、前記物体のうち動的物体の位置情報を削除した静止物体地図を作成する地図修正手段と、
    を有することを特徴とする、地図作成システム。
  2. 前記空き領域地図作成手段は、前記測定点から所定の距離だけ前記距離センサに近い点によって囲まれる領域を、前記削除対象領域と決定する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の地図作成システム。
  3. 前記空き領域地図作成手段によって作成される前記削除対象領域の外周上の各点は、前記物体からの距離の最小値が所定の固定値である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の地図作成システム。
  4. 前記空き領域地図作成手段は、前記第1の距離情報を用いて第1の削除対象領域を特定し、前記第2の距離情報を用いて第2の削除対象領域を特定し、
    前記地図修正手段は、前記物体存在地図に含まれている前記位置情報のうち、前記第1の削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報と、前記第2の削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報とを削除することで、前記静止物体地図を作成する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の地図作成システム。
  5. 前記地図作成システムはさらに、前記物体存在地図作成手段、前記空き領域地図作成手段、前記地図修正手段を有する上位コントローラを備え、
    前記移動体は、
    前記静止物体地図を格納する地図保存手段と、
    前記距離センサが出力する前記距離情報を収集して前記上位コントローラに送信する距離収集手段と、
    前記地図保存手段に格納された前記静止物体地図と、前記距離センサによって計測された前記距離情報とを照合することで、前記移動体の位置を特定する位置算出手段と、
    を有することを特徴とする、請求項1に記載の地図作成システム。
  6. 前記位置算出手段は、前記静止物体地図と前記距離情報の照合の結果、前記静止物体地図の情報を更新すべきと判断した場合、前記距離収集手段に対し収集指令を送信し、
    前記距離収集手段は前記収集指令の受領に応じて、前記距離情報を前記上位コントローラに送信し、前記上位コントローラに前記静止物体地図を作成させる、
    ことを特徴とする、請求項5に記載の地図作成システム。
  7. 前記位置算出手段が前記距離収集手段に前記収集指令を送信する際、前記移動体は前記上位コントローラに前記静止物体地図の更新指令を送信し、
    前記上位コントローラは、前記更新指令を受信すると、新たに作成された前記静止物体地図を、前記移動体に送信し、
    前記移動体は、前記上位コントローラから受領した前記静止物体地図を前記地図保存手段に格納する
    ことを特徴とする、請求項6に記載の地図作成システム。
  8. 前記移動体は、前記位置算出手段が算出した前記移動体の位置を用いて、前記移動体の走行制御を行う車両制御手段を備える、
    ことを特徴とする、請求項6に記載の地図作成システム。
  9. 周囲の物体上の複数の測定点までの距離及び角度を計測し、前記距離及び角度の集合である距離情報を出力する距離センサを備えたロボットを有するロボットシステムであって、
    前記ロボットシステムは、
    前記ロボットが第1の位置に存在する時に計測された第1の距離情報と、前記ロボットが第2の位置に存在する時に計測された第2の距離情報とを合成することで、前記物体が存在する位置を表す位置情報を記録した物体存在地図を作成する、物体存在地図作成手段と、
    前記距離情報をもとに、前記物体の存在しない領域である削除対象領域を特定する空き領域地図作成手段と、
    前記物体存在地図作成手段が作成した前記物体存在地図から、前記削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報を削除することで、前記物体のうち動的物体の位置情報を削除した静止物体地図を作成する地図修正手段と、
    を有することを特徴とする、ロボットシステム。
  10. 前記空き領域地図作成手段は、前記測定点から所定の距離だけ前記距離センサに近い点によって囲まれる領域を、前記削除対象領域と決定する、
    ことを特徴とする、請求項9に記載のロボットシステム。
  11. 前記空き領域地図作成手段によって作成される前記削除対象領域の外周上の各点は、前記物体からの距離の最小値が所定の固定値である、
    ことを特徴とする、請求項9に記載のロボットシステム。
  12. 前記空き領域地図作成手段は、前記第1の距離情報を用いて第1の削除対象領域を特定し、前記第2の距離情報を用いて第2の削除対象領域を特定し、
    前記地図修正手段は、前記物体存在地図に含まれている前記位置情報のうち、前記第1の削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報と、前記第2の削除対象領域に含まれる位置に相当する位置情報とを削除することで、前記静止物体地図を作成する、
    ことを特徴とする、請求項9に記載のロボットシステム。
  13. 前記ロボットシステムはさらに、前記物体存在地図作成手段、前記空き領域地図作成手段、前記地図修正手段を有する上位コントローラを備え、
    前記ロボットは、
    前記静止物体地図を格納する地図保存手段と、
    前記距離センサが出力する前記距離情報を収集して前記上位コントローラに送信する距離収集手段と、
    前記地図保存手段に格納された前記静止物体地図と、前記距離センサによって計測された前記距離情報とを照合することで、前記ロボットの位置を特定する位置算出手段と、
    を有することを特徴とする、請求項9に記載のロボットシステム。
  14. 前記位置算出手段は、前記静止物体地図と前記距離情報の照合の結果、前記静止物体地図の情報を更新すべきと判断した場合、前記距離収集手段に対し収集指令を送信するとともに前記上位コントローラに前記静止物体地図の更新指令を送信し、
    前記距離収集手段は前記収集指令の受領に応じて、前記距離情報を前記上位コントローラに送信し、
    前記上位コントローラは、前記距離収集手段から送信された前記距離情報をもとに前記静止物体地図を新たに作成して前記ロボットに送信し、
    前記ロボットは、前記上位コントローラから受領した前記静止物体地図を前記地図保存手段に格納する、
    ことを特徴とする、請求項13に記載のロボットシステム。
  15. 前記ロボットは、前記位置算出手段が算出した前記ロボットの位置を用いて、前記ロボットの走行制御を行う車両制御手段を備える、
    ことを特徴とする、請求項14に記載のロボットシステム。
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