JPWO2018179449A1 - 熱延鋼板の冷却装置、および熱延鋼板の冷却方法 - Google Patents

熱延鋼板の冷却装置、および熱延鋼板の冷却方法 Download PDF

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Abstract

熱間圧延工程の仕上げ圧延後に熱延鋼板の下面を適切に冷却することにより、当該熱延鋼板の圧延方向および板幅方向において温度の均一性を向上させることを目的とし、熱間圧延工程の仕上圧延後に、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却装置であって、鋼板搬送領域の下面の板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される冷却領域を全冷却領域とし、全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる各々の冷却領域である幅分割冷却帯と、幅分割冷却帯を圧延方向で複数に分割して得られる冷却領域である分割冷却面と、分割冷却面の各々の下面に冷却水を噴射する少なくとも1つの冷却水ノズルと、冷却水ノズルから噴射される冷却水の、分割冷却面への衝突および非衝突を切り替える切替装置と、板幅方向の温度分布を測定する幅方向温度計と、幅方向温度計の測定結果に基づいて、切替装置の動作を制御する制御装置と、が備えられることを特徴とする、熱延鋼板の冷却装置とする。

Description

本発明は、熱間圧延工程の仕上圧延後、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却装置、および、当該冷却装置を用いる冷却方法に関する。
近年の自動車の軽量化に伴い、熱延鋼板のうち高張力鋼板の需要が高まっており、熱延鋼板に要求される品質が一層高まっている。特に近年では、単に高い強度だけではなく、プレス成形性や穴拡げ性などの優れた加工性や、引張強さや加工性などの機械的特性のバラツキを鋼板の全領域にわたって所定の範囲内に収めることなども併せて求められている。
しかしながら、仕上圧延後の冷却の際、種々の要因で熱延鋼板の板幅方向に不均一温度分布が発生する場合がある。具体的な例としては、熱延鋼板の圧延方向に延伸する筋状の不均一温度分布が板幅方向に発生することが挙げられる。要因はいくつかあり、仕上圧延後の冷却に入る前における、仕上圧延および仕上圧延前に行われるデスケーリングで残ったスケールによるもの、仕上圧延時に散布されて残った潤滑材の板幅方向分布によるもの、仕上圧延機のスタンド間に設けられた冷却水スプレーの不均一性によるもの、および、加熱炉起因によるものなどが挙げられる。また、仕上げ圧延後の冷却に入ってからも、冷却装置のメンテナンス不良による不均一温度分布の発生などがある。
ところで、熱延鋼板の製造プロセスにおいて、上記のような最終的な製品の特性に大きく影響する因子の1つとして、巻取温度がある。従って、鋼板の品質向上のためには、鋼板の全領域にわたって巻取温度の均一性を高めることが重要である。ここで、巻取温度とは、仕上圧延後の冷却工程の後で鋼板が巻き取られる際の巻取装置直前における鋼板の温度である。
一般的に、仕上圧延後の800℃〜900℃の高温鋼板に冷却水を噴射する冷却工程においては、鋼板温度がおおよそ600℃以上の間は、膜沸騰により発生する蒸気が安定的に鋼板表面を覆う。そのため、冷却水による冷却能力自体は小さくなるが、鋼板を全面にわたって均一に冷却させることが比較的容易になる。
しかしながら、特に鋼板温度が550℃を下回る辺りから、鋼板温度の低下とともに発生する蒸気の量は減少する。そして、鋼板表面を覆っていた蒸気膜が崩壊し始め、蒸気膜の分布が時間的および空間的に変化する遷移沸騰域となる。その結果、冷却の不均一性が増加し、鋼板の板幅方向および圧延方向における温度分布の不均一性が急激に拡大し易くなる。このため、鋼板温度のコントロールが難しくなり、鋼板全体を狙い通りの巻取温度で冷却し終えることが困難になる。
一方、強度と加工性とを両立させた優れた特性を有する製品を製造するためには、巻取温度を500℃以下の低温域にまで低下させることが効果的である。そのため、板幅方向および長手方向の分布も含めて鋼板全体にわたる巻取温度の不均一性を、目標とする温度に対して所定の範囲内に収めることが非常に重要である。このような観点から、巻取温度を制御するための発明がこれまで数多くなされてきた。
これらの発明の中で多くのものは、冷却装置自体に起因して発生する不均一冷却に対する対策方法および手段に関するものである。特に熱延鋼板では、鋼板の上面側に噴射した冷却水が鋼板上に滞留することにより生じる板幅方向の不均一冷却が大きな問題となるため、各種の対策がなされている。また、これ以外には、冷却装置以外の要因、特に冷却前の板幅方向および長手方向の不均一温度分布、或いは鋼板表面の粗さやスケール厚などの表面性状の不均一によって生じる不均一冷却の低減を課題とするものが多く見られる。すなわち、特に巻取温度が低温域である場合に、冷却前の不均一温度分布により、温度の低い部分において先に蒸気膜が崩壊して遷移沸騰域に入って急冷されるため、冷却後の温度偏差が冷却装置の入側の温度偏差より拡大してしまう問題が生じる。また、表面性状ムラの影響も同様に、表面粗さが大きい箇所、或いはスケールが厚い箇所において選択的に蒸気膜が先に崩壊し、やはり冷却後に冷却装置の入側での数倍にまで温度偏差が拡大してしまう問題が生じる。
この冷却前の温度および表面性状のムラが原因で発生する不均一冷却の対策として最も望ましいのは、冷却前にこれらのムラが十分小さくなるように何らかの手段を施すことである。実際、このような対策に関する発明も多くなされている。しかしながら、熱延鋼板の製造ラインのようなマスプロダクション設備においては、生産性やコスト面も重要である。たとえ冷却前の温度および表面性状の不均一性を改善する対策が存在したとしても、全体的なコストバランスを図る中で、冷却前の不均一性改善対策を冷却後の問題が完全に無くなるまで徹底的に実施することは、現実的には非常に難しい。また、表面性状の不均一性の発生の原因はメカニズム的に解明されていない部分が多く、抜本的な対策が見出されていないケースもある。
そこで、冷却前の不均一性に対処するもう一つの手段として、冷却前或いは冷却途中の温度分布情報を元に、低温部に対して選択的に冷却量を制限する、或いは高温部に対して冷却量を増加することにより、冷却後の温度分布を均一化することが考えられる。また、以下のようにして冷却後の温度分布を均一化できるとも考えられる。すなわち、スケールなど表面性状のムラは、必ずしも冷却前の温度分布情報では捉えることはできない。しかしながら、冷却途中の温度分布にはその影響が現れることが多い。従って、適当なタイミング、即ち蒸気膜の崩壊が本格的に進行して致命的な不均一温度分布が生じる前のタイミングで温度分布を測定し、その情報を元に冷却量を制御することにより、冷却後の温度分布を均一化できると考えられる。
そこで、以下に示すような発明がこれまでなされてきた。
例えば、特許文献1には、パイロット圧によって開閉する開閉弁を内蔵した噴射ノズルを配列したスプレーヘッダーにおいて、それぞれの噴射ノズルの開閉弁をオン、オフするパイロット圧を供給するコントロールシリンダを設け、このコントロールシリンダ内の内圧を可変モータで回転させたねじ上を移動するピストンロッドの位置で制御することにより噴射ノズルの冷却水の噴出を制御するスプレー巾制御装置による鋼板の冷却方法において、スプレーヘッダーに設けられた複数の噴射ノズルの中で、あらかじめ設定された特定の噴射ノズルヘの開閉弁への作動用パイロット圧を調整することによってエッジマスク、或いは、フロントとテールマスクを形成することを特徴とする鋼板の冷却方法が開示されている。
特許文献2には、鋼管に向けて噴出した冷却水に流体を噴射して冷却水の流れを鋼管に当たらない方向に変える噴射装置と、該噴射装置により流れ方向を変えた冷却水を受ける桶とを備えた鋼管の冷却装置が開示されている。
特許文献3には、板状水流を吹き上げられるスリットを有した円管状ヘッダーと、吹き上げた水流の幅方向端部から幅方向中央に向かって漸次水流を遮蔽する凹部が形成され、上記ヘッダーと同心に回転可能な幅調整体と、を備えた熱間圧延材の冷却装置が開示されている。
また、特許文献4には、冷却装置において、熱延鋼板に冷却剤を添加するためのノズルが熱延鋼板の上面および下面の両側で幅方向に複数設置されており、これらのノズルが、特に高い温度が検出可能である位置に冷却剤が添加される様式で制御されることが開示されている。この冷却装置には、さらに複数の温度センサーが幅方向に設置されており、これらの温度センサーが熱延鋼板の幅方向の温度分布を検出し、温度センサーの信号に基づいて依存して、ノズルからの冷却剤量を制御可能に構成されている。
特許文献5には、冷却装置において、複数個の冷却水供給ノズル群を直線状に配列した冷却水ヘッダーが熱延鋼板の上方、かつ幅方向に複数個配置されており、板幅方向の温度分布を検知する温度分布センサーで計測された温度分布に基づいて、冷却水の流量を制御することが開示されている。具体的には、これら冷却水ヘッダーにはオンオフ制御バルブが設けられ、オンオフ制御バルブによって冷却水が制御される。
特開平7−314028号公報 実開昭58−81010号公報 特公昭62−25049号公報 特表2010−527797号公報 特開平6−71328号公報
熱延鋼板は、鋼板の搬送速度(≒巻取速度)が数m/s〜二十数m/sと非常に速い。このため、上述の圧延方向の冷却前および冷却途中の鋼板の不均一温度分布に応じて、冷却水ノズルからの冷却水噴射の開始および停止を切り替えるためには、切り替えの応答時間を極力短くし、高速で制御する必要がある。
また、冷却前および冷却途中の鋼板の板幅方向における不均一温度分布を解消するためには、板幅方向に沿って並べた冷却水ノズルからの冷却水の噴射の開始および停止の切り替えを、個々に或いは複数個単位で個別に高速で行う必要があった。しかしながら、従来の熱延鋼板の冷却工程で使用されている冷却装置の上記応答時間は1秒〜3秒程度である。このため、応答時間の間にも熱延鋼板が十m〜数十m搬送されてしまう。従って、特に圧延方向に約10m以下のピッチで変化する鋼板の不均一温度分布に対しては、冷却後の不均一温度分布拡大を十分に抑制することができなかった。
特許文献1に開示されている技術では、パイロット圧によって開閉する開閉弁を内蔵するノズルを板幅方向に並べる。そして、冷却水噴射のOFFに必要なパイロット圧を供給する範囲を板幅方向にあらかじめ設置された範囲内で選択可能とし、選択的に冷却水噴射を停止可能とする。このことにより、鋼板のエッジや先後端の低温部に対応して、冷却水噴射をON/OFF制御することを可能としている。
しかしながら、冷却水噴射のON/OFFの応答時間はピストンロッドの移動速度に依存する。特許文献1に開示されている技術は、ねじの回転による移動のため移動量が少なく、1秒間に約3回以上のON/OFF制御をすることは困難である。よって、細かいピッチ(例えば10m以下)の不均一温度分布に対応するには限界があった。
また、特許文献2に開示された技術では,鋼管を冷却する冷却水の水流の方向を変えて冷却しない状態を実現することが開示されているが,この切替技術だけでは鋼板の板幅方向において任意の位置の温度制御をすることができなかった。
特許文献3に開示された技術では、鋼板の端部に冷却水流が当たらないように遮蔽板を回転させているが、鋼板の板幅方向において任意の位置の温度制御をすることができなかった。
また、特許文献4に記載された冷却装置では、ノズルからの冷却剤量を板幅方向に制御することは開示されているが、具体的にどのような方法で冷却剤量を制御するかは開示がない。すなわち、特許文献4の図9には、ノズルが板幅方向に並べて配置された様子が示されているが、そのノズルに接続される配管の上流側で、冷却剤がどのように制御されるかは開示されていない。例えばノズルに接続される配管に冷却剤が満たされていない状態の場合、単に冷却剤量を制御するだけでは、ノズルから冷却剤を添加する際の応答性が悪い。鋼板の搬送速度は、数m/s〜二十数m/sと非常に速いため、上述の長手方向の冷却前および冷却途中の鋼板の不均一温度分布に応じて、一部の冷却水ノズルからの冷却水噴射の開始および噴射の停止を切り替えて鋼板に衝突させる冷却水の量を制御するためには、冷却水を噴射している状態から噴射の停止への切り替え、および冷却水の噴射を停止している状態から噴射の開始への切り替えに要する時間、即ち応答時間を極力短くし、高速で制御可能とする必要がある。
また、特許文献4には、板幅方向の冷却剤量の制御は開示されているが、圧延方向の冷却剤の制御については開示がない。かかる場合、熱延鋼板の圧延方向に延伸する筋状の不均一温度分布を抑制することは困難である。加えて、当該上面には板上水が存在し、熱延鋼板の板幅方向温度を十分に制御できない。以上を鑑みると、特許文献4に記載された冷却装置では、熱延鋼板の板幅方向温度の十分な均一化は図れず、改善の余地がある。
特許文献5に記載された冷却装置では、上述した特許文献4と同様の問題がある。すなわち、オンオフ制御バルブによって冷却水が制御されており、上述と同様にやはり、例えばノズルに接続される配管に冷却水が常に満たされていない状態では応答性が悪い。また、冷却水ヘッダーは板幅方向には複数設けられているが、圧延方向には1本設けられているのみであり、熱延鋼板に対して圧延方向の温度制御はできず、筋状の不均一温度分布を抑制することは困難である。
加えて、特許文献5の冷却装置では、熱延鋼板の上面に冷却水を噴射して冷却するものであるが、当該上面には板上水が存在し、熱延鋼板の板幅方向温度を十分に制御できない。さらにこの板上水を適切に水切りしなければ、温度分布センサーによる温度測定を正確に行うことができず、温度制御に改善の余地がある。
以上を鑑みると、従来の冷却装置と冷却方法では、熱延鋼板の圧延方向および板幅方向温度の均一化は困難であった。
また、高張力鋼板の材質特性は、冷却の影響を大きく受ける。高張力鋼板は、最終的な製品の特性に及ぼす巻取温度の影響が従来材よりも大きいため、従来材では気にならなかった程度の不均一温度分布が、高張力鋼板の強度に大きく影響する。それゆえ、高張力鋼板を製造する際には、従来材の製造時よりも精度の高い冷却制御を行うことが求められる。これまでに提案されている、鋼板の上面側から供給した冷却水によって鋼板の冷却温度を制御しようとする技術には、例えば以下のような問題がある。
(1)鋼板の上面側から供給した冷却水は、鋼板の上面に衝突した後、鋼板の上面に滞留し、板上水になる。上面側から冷却水を供給すると、特に鋼板温度が550℃を下回る温度領域では、冷却水を衝突させた箇所に加えて、板上水によっても、鋼板が冷却される。高張力鋼板では、この影響が特に大きいため、従来材よりも不均一温度分布が大きくなる。
(2)鋼板の上面側から供給した冷却水は、鋼板の上面に衝突した後、その一部が鋼板の板幅方向へと流れる。この板幅方向へと流れた水が、鋼板の上面側から供給された冷却水と干渉する。そのため、上面側から供給した冷却水によって、鋼板の板幅方向温度を高精度で制御することは困難である。
(3)鋼板の上面側から供給した冷却水によって精度の高い冷却温度制御を行うためには、水切設備を用いて板上水を除去する必要がある。温度の測定精度を高めやすくするために、温度計は水切設備の影響を受け難い箇所、すなわち、冷却水を噴射する冷却水ノズルから圧延方向に離れた位置に設置される。その結果、温度が測定されてから水が衝突するまでの時間が長くなり、この時間内の温度変化が大きくなるため、冷却温度の制御精度が低下する。
以上のように、鋼板の上面側から供給した冷却水によって鋼板の板幅方向冷却温度を制御しようとする従来技術では、高張力鋼板を製造する際に求められるレベルの精度の高い板幅方向温度制御を行うことは困難であった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、熱間圧延工程の仕上圧延後に熱延鋼板の下面を適切に冷却することにより、当該熱延鋼板の圧延方向および板幅方向において温度の均一性を向上させることを目的とする。
本発明の第1の態様は、熱間圧延工程の仕上圧延後に、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却装置であって、鋼板搬送領域の下面の板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される冷却領域を全冷却領域とし、全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる各々の冷却領域である幅分割冷却帯と、幅分割冷却帯を圧延方向で複数に分割して得られる冷却領域である分割冷却面と、分割冷却面の各々の下面に冷却水を噴射する少なくとも1つの冷却水ノズルと、冷却水ノズルから噴射される冷却水の、分割冷却面への衝突および非衝突を切り替える切替装置と、板幅方向の温度分布を測定する幅方向温度計と、幅方向温度計の測定結果に基づいて、切替装置の動作を制御する制御装置と、が備えられることを特徴とする、熱延鋼板の冷却装置である。
ここで、「冷却水ノズルから噴射される冷却水の、分割冷却面への衝突および非衝突」のうち、「分割冷却面への衝突」とは、分割冷却面に熱延鋼板の下面が存在する場合に冷却水が当該熱延鋼板の下面に衝突するような冷却水の噴射を意味する。一方、「分割冷却面への非衝突」とは、分割冷却面に熱延鋼板の下面が存在する場合に冷却水が当該熱延鋼板の下面に衝突しない状態を意味する。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置において、冷却水ノズルは、分割冷却面毎に対応した冷却水ノズルが一つ以上配置されてもよい。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置の隣接する分割冷却面同士において、配置される冷却水ノズルの数が圧延方向で互いに異なってもよい。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置において、幅分割冷却帯に含まれる分割冷却面それぞれの圧延方向長さが、圧延方向で互いに異なってもよい。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置において、分割冷却面の圧延方向長さは、搬送ロール間長さの倍数としてもよい。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置において、板幅方向における複数の冷却水ノズルの配置は、板幅方向に隣り合う冷却水ノズルの中心間距離がすべて等距離になるように配置されてもよい。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置では、同一の分割冷却面を冷却するための複数の冷却水ノズルが配置され、切替装置は、同一の分割冷却面に対する複数の冷却水ノズルの、同一の分割冷却面への冷却水の衝突および非衝突を切り替える切替制御系統を統合して同時に制御することができる。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置において、切替装置が、冷却水ノズルへと供給される冷却水が流れる配管に設けられた、冷却水を供給する給水ヘッダーと、冷却水を排水する排水ヘッダー又は排水エリアと、給水ヘッダーと排水ヘッダー又は排水エリアとの間で冷却水の流れを切り替える弁と、を備えるように構成できる。
このとき、弁は三方弁であってもよく、三方弁を搬送ロールの、板幅方向の側方に設けられるとともに、冷却水ノズルの先端と同じ高さに配置してもよい。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置では、切替装置が、冷却水ノズルに供給される冷却水が流れる配管に設けられた、冷却水を供給する給水ヘッダーと、冷却水を排水する排水エリアと、冷却水ノズルから噴射されている冷却水の噴射方向を変える手段と、噴射方向変更時には冷却水が分割冷却面に衝突しないように遮蔽する手段と、を具備し、冷却水の噴射方向を変える手段により冷却水の、分割冷却面の下面への衝突および非衝突を切り替え可能としてもよい。
上記第1の態様の熱延鋼板の冷却装置では、幅方向温度計は、全冷却領域の圧延方向上流側および圧延方向下流側の少なくとも一方に設けられ、かつ、幅分割冷却帯毎に設けることができる。このとき、幅方向温度計を鋼板搬送領域の下面側に配置してもよい。
本発明の第2の態様は、熱間圧延工程の仕上圧延後に、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却方法であって、鋼板搬送領域の下面の板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される冷却領域を全冷却領域とし、全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる各々の冷却領域を幅分割冷却帯とし、幅分割冷却帯を圧延方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面とし、熱延鋼板の板幅方向の温度分布を測定し、温度分布の測定結果に基づいて分割冷却面毎に冷却水ノズルによる熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を板幅方向および圧延方向のそれぞれにおいて制御することを特徴とする、熱延鋼板の冷却方法である。
上記第2の態様では、同一の分割冷却面に対して冷却水を噴射する冷却水ノズルが複数備えられ、当該複数の冷却水ノズルによる同一の分割冷却面に存する熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を、複数の冷却水ノズルを統合して同時に制御してもよい。
上記第2の態様では、冷却水ノズルへと供給される冷却水が流れる配管に設けられた、冷却水を供給する給水ヘッダーと、冷却水を排水する排水ヘッダーまたは排水エリアと、給水ヘッダーと排水ヘッダー又は排水エリアとの間で冷却水の流れを切り替える弁と、を備え、熱延鋼板の板幅方向の温度分布の測定結果に基づいて、弁の開閉を制御して分割冷却面毎に冷却水ノズルによる熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を板幅方向および圧延方向のそれぞれにおいて制御してもよい。
ここで、上記弁は三方弁であり、冷却水ノズルからの冷却水によって熱延鋼板の下面を冷却しない給水ヘッダーに対しては、当該冷却水ノズルからの冷却水が熱延鋼板の下面に衝突しない程度に出続けるように三方弁の開度を制御してもよく、冷却水ノズルからの冷却水によって熱延鋼板の下面を冷却する給水ヘッダーに対しては、冷却水ノズルからの冷却水が熱延鋼板の下面に衝突するように三方弁の開度を制御してもよい。
本発明によれば、熱間圧延工程の仕上圧延後に熱延鋼板の下面を適切に冷却することにより、当該熱延鋼板の圧延方向および板幅方向において温度の均一性を向上させることが可能となる。
熱間圧延設備10の構成の概略を示す説明図である。 第1形態に係る下側幅方向制御冷却装置17の構成の概略を示す斜視図である。 第1形態に係る下側幅方向制御冷却装置17の構成の概略を示す側面図である。 第1形態に係る下側幅方向制御冷却装置17の構成の概略を示す平面図である。 1つの例の分割冷却面A3を説明する図である。 幅分割冷却帯A2に注目した説明図である。 他の例の分割冷却面A3を説明する図である。 他の例の分割冷却面A3を説明する図である。 第1形態に係る下側幅方向制御冷却装置17における分割冷却面A3、冷却水ノズル20の配置、および温度測定装置30、31の配置を説明する図である。 分割冷却面A3および冷却水ノズル20の配置の例である。 分割冷却面A3および冷却水ノズル20の配置の例である。 分割冷却面A3および冷却水ノズル20の配置の例である。 分割冷却面A3および冷却水ノズル20の配置の例である。 温度測定装置30の形態例を説明する図である。 冷却水ノズル20の形態例を説明する図である。 中間ヘッダー21を備えない例の下側幅方向制御冷却装置17の構成を説明する図である。 冷却水進行方向変更装置126の構成を説明する図である。 冷却水進行方向変更装置126の構成を説明する他の図である。 冷却水進行方向変更装置226の構成を説明する図である。 冷却水進行方向変更装置226の構成を説明する他の図である。 冷却水進行方向変更装置326の構成を説明する図である。 冷却水進行方向変更装置326の構成を説明する他の図である。 比較例1の場合の鋼板上面温度分布の一部を示した図である。 実施例1の場合の鋼板上面温度分布の一部を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1形態]
図1は第1形態における冷却装置を備えた熱延鋼板の製造装置(以下、「熱間圧延設備」と称する。)10の構成の概略を示す説明図である。
熱間圧延設備10では、加熱したスラブ1をロールで上下に挟んで連続的に圧延し、最小1mm程度の板厚まで薄くして熱延鋼板2としてこれを巻き取る。熱間圧延設備10は、スラブ1を加熱するための加熱炉11と、この加熱炉11において加熱されたスラブ1を板幅方向に圧延する幅方向圧延機12と、この板幅方向に圧延されたスラブ1を上下方向から圧延して粗バーにする粗圧延機13と、粗バーをさらに所定の厚さまで連続して熱間仕上げ圧延をする仕上圧延機14と、この仕上圧延機14により熱間仕上げ圧延された熱延鋼板2を冷却水により冷却する冷却装置15、16、17と、冷却装置15、16、17により冷却された熱延鋼板2をコイル状に巻き取る巻取装置19とを備えている。冷却装置15、16、17のうち、上側冷却装置15は鋼板搬送領域の上方に配置され、下側冷却装置16、下側幅方向制御冷却装置17は鋼板搬送領域の下方に配置されている。
加熱炉11では、装入口を介して外部から搬入されてきたスラブ1を所定の温度に加熱する処理が行われる。加熱炉11における加熱処理が終了すると、スラブ1は加熱炉11外へと搬送され、幅方向圧延機12を経た後、粗圧延機13による圧延工程へと移行する。
搬送されてきたスラブ1は、粗圧延機13により30mm〜60mm程度の厚さまでの粗バー(シートバー)に圧延され、仕上圧延機14へと搬送される。
仕上圧延機14では、搬送されてきた粗バーを数mm程度の板厚まで圧延して熱延鋼板2とする。圧延された熱延鋼板2は、搬送ロール18(図2〜図4参照。)により搬送されて上側冷却装置15、下側冷却装置16、下側幅方向制御冷却装置17へと送られる。
熱延鋼板2は、上側冷却装置15、下側冷却装置16、および下側幅方向制御冷却装置17により冷却され、巻取装置19によりコイル状に巻き取られる。
上側冷却装置15の構成は特に限定されることなく公知の冷却装置を適用することができる。例えば上側冷却装置15は、鋼板搬送領域の上方から当該鋼板搬送領域の上面に向けて鉛直下方に冷却水を噴射する冷却水ノズルを複数有している。冷却水ノズルとしては、例えばスリットラミナーノズルやパイプラミナーノズルなどが用いられる。上側冷却装置15は冷却能力の確保の観点から備えられることが好ましく、冷却不足にならない場合には必ずしも配置されることはないが、通常は必要とされる。
下側冷却装置16は、ランアウトテーブルの搬送ロール18上を搬送される鋼板搬送領域の下方から、当該鋼板搬送領域の下面に向けて鉛直上方に冷却水を噴射して鋼板搬送領域を冷却する冷却装置であり、その構成は特に限定されることなく公知の冷却装置を適用することができる。
次に、下側幅方向制御冷却装置17の構成について説明する。図2には下側幅方向制御冷却装置17の構成の一部を概略的に示す斜視図、図3には下側幅方向制御冷却装置17の構成の一部を概略的に示す、板幅方向(Y方向)から見た側面図、図4には下側幅方向制御冷却装置17の構成の一部を概略的に示す、上下方向(Z方向)上方から見た平面図を示した。
本形態における下側幅方向制御冷却装置17は、冷却水ノズル20と、中間ヘッダー21、配管23、給水ヘッダー25、三方弁24、および排水ヘッダー26を具備する切替装置と、温度測定装置30、31と、制御装置27とを有して概略構成されている。
下側幅方向制御冷却装置17は、後述する鋼板搬送領域の下面である全冷却領域A1が分割されてなる分割冷却面A3に対しての冷却を制御する装置である。図5〜図8にその説明のための図を示した。図5〜図8は分割冷却面A3を説明する図である。図5〜図8は、熱間圧延設備10をZ方向から見た図であり、後述する全冷却領域A1と搬送ロール18の位置との関係を示している。なお、図5〜図8においては説明の便宜上、搬送ロール18を点線で示してある。
本形態においては、熱間圧延設備10で製造できる熱延鋼板2がランアウトテーブル上を搬送される際に存在しうる領域を「鋼板搬送領域」とする。「鋼板搬送領域」とはすなわち、製造可能な熱延鋼板の最大板厚×最大板幅で区画され、圧延方向に延びる三次元領域である。このため、「鋼板搬送領域」は圧延方向において、ランアウトテーブル上における仕上圧延機の出側端から巻き取り機の前までの領域を占める。
「鋼板搬送領域」の下面のうち、下側幅方向制御冷却装置17が冷却対象とする領域であって、板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される領域を「全冷却領域A1」とする。
「板幅方向の全領域」とは、熱延鋼板2が搬送ロール18上において存在しうる領域を示す。「圧延方向の所定長さ」とは、少なくとも搬送ロール18の圧延方向ロール間1ピッチ以上の長さである。「圧延方向ロール間1ピッチの長さ」とは、圧延方向において隣接する搬送ロールの軸同士の間の距離を意味する。「圧延方向の所定長さ」の長さは特に限定されることはないが、設備コストの観点からは20m以下程度が好ましい。具体的な長さは、下側幅方向制御冷却装置17の冷却能力と、熱延鋼板2の不均一温度分布の予測される態様から適宜決定すればよい。
全冷却領域A1を、板幅方向に複数に分割して得られる各々の冷却領域を「幅分割冷却帯A2」とする。図6に、鋼板搬送領域A1が6つの幅分割冷却帯A2に分割された一例を示す。図6に示す例では、技術の理解を容易にするため、幅分割冷却帯A2は板幅方向に6つ配列されているが、分割数はこれに限定されるものではない。板幅方向における幅分割冷却帯A2の数(すなわち分割数)は、特に限定されることはないが、各々の幅分割冷却帯A2に少なくとも1つの冷却水ノズル20が対応するように分割されている。
幅分割冷却帯A2の板幅方向長さは、鋼板搬送領域A1の板幅方向長さが分割数で分割された長さとなる。幅分割冷却帯A2の板幅方向の長さは特に限定されず、50mmや100mmなど、適宜設定すればよい。
幅分割冷却帯A2を圧延方向に複数に分割して得られる各々の冷却領域を「分割冷却面A3」とする。分割冷却面A3の板幅方向長さは、幅分割冷却帯A2の板幅方向長さと同じであり、分割冷却面A3の圧延方向長さは幅分割冷却帯A2の圧延方向長さを、分割数で分割した長さである。
分割冷却面A3の圧延方向の長さは、特に限定されることはなく、適宜設定することができる。図5に示す分割冷却面A3の圧延方向の長さは、搬送ロール18の圧延方向ロール間1ピッチと同じ長さに設定されている。また、図7には、搬送ロール18の圧延方向ロール間2ピッチ分の長さに設定された例を示す。このように分割冷却面A3の圧延方向の長さは、搬送ロール18の圧延方向ロール間ピッチの整数倍の長さであれば良い。
なお、圧延方向に隣接して配列される複数の分割冷却面A3の圧延方向長さは同じである必要はなく、互いに異なってもよい。例えば、図8に示したように、分割冷却面A3の圧延方向長さを上流側から下流側へ、搬送ロール18の圧延方向ロール間1ピッチ分、2ピッチ分、4ピッチ分、8ピッチ分、16ピッチ分、…というように順次長くしていくこともできる。
以下の説明では、図9に示すように、圧延方向長さが搬送ロール18の圧延方向ロール間ピッチの4倍の長さである分割冷却面A3を例に説明する。本形態では、図9に示したように、搬送ロール18の圧延方向ロール間ピッチの4倍の圧延方向長さを有する分割冷却面A3としている。ただし上記したように、他の形態の分割冷却面A3も適用することができる。
冷却水ノズル20は、ランアウトテーブルの鋼板搬送領域の下方から、鋼板搬送領域の下面に向けて鉛直上方に冷却水を噴射する冷却水ノズルであり、複数の冷却水ノズル20が配置されている。冷却水ノズル20には、各種公知の種類のノズルを用いることができ、これには例えばパイプラミナーノズルが挙げられる。なお、冷却水ノズル20の板幅方向の冷却範囲は、冷却分割面A3の板幅方向長さ以下として、冷却分割面A3への冷却水の衝突範囲が他の冷却分割面A3に入らないようにする。
図9には、本形態における、分割冷却面A3に対する冷却水ノズル20の配置も併せて表した。図9では冷却水ノズル20を「●」で表している。冷却水ノズル20は、分割冷却面A3の各々に向けて少なくとも一つずつ配置されている。
本形態で冷却水ノズル20は、鋼板搬送領域を上から見た平面視において、1つの分割冷却面A3に4つの冷却水ノズル20が属するように配置されている。本形態では4つの冷却水ノズル20は平面視において、隣り合う搬送ロール18の間のそれぞれに配置され、圧延方向に並べられている。1つの分割冷却面A3に属する冷却水ノズル20の数および配置は特に限定されることはなく、1つでもよいし、複数であってもよい。隣り合う分割冷却面A3同士で冷却水ノズル20の数や配置が異なってもよい。
なお、冷却水ノズル20から吐出させる水量および流速は板幅方向、圧延方向の各冷却水ノズル20で同一とし、冷却能力を同一とする方が制御は容易である。また、圧延方向の同じ位置にある板幅方向に並んだ各冷却分割面A3に設置される冷却水ノズル20の数、吐出水量および吐出流速を同一とし、板幅方向に並ぶ各分割冷却面A3での冷却能力を同一とする方が制御は容易である。
なお、板幅方向に配置された分割冷却面A3に属する吐出水量および吐出流速が同一な冷却水ノズル20では、その配置が板幅方向に隣り合う冷却水ノズル20の中心間距離がすべて等距離になるように配置されていることが好ましい。これにより板幅方向における均一な冷却をより高い精度で行うことができる。
なお、冷却水ノズル20の吐出水量および吐出流速に基づく冷却能力が板幅方向、圧延方向で異なっていても、制御装置27により制御することは可能である。
本形態では、このような分割冷却面A3が圧延方向(X方向)に2つ、板幅方向(Y方向)に6つ並べて配置される。吐出水量および吐出流速が同一な冷却水ノズル20も圧延方向、および板幅方向のそれぞれに並んで配置される。
図9には、本形態における分割冷却面A3、およびここに属する冷却水ノズル20の配置について表したが、これに限定されることはなく、様々な組み合わせが適用できる。図10〜図13に例示的に列挙した。ここでの各冷却水ノズルは吐出水量・流速が同一で冷却能力を同じに設定している。
図10に示した例は、分割冷却面A3の圧延方向長さが搬送ロール18の圧延方向ロール間1ピッチ分であり、各分割冷却面A3に1つの冷却水ノズル20が属している。
図11に示した例は、分割冷却面A3の圧延方向長さが搬送ロール18の圧延方向ロール間1ピッチ分であり、各分割冷却面A3に2つの冷却水ノズル20が配置されている。この2つの冷却水ノズル20は圧延方向に配列されてもよいし、板幅方向に配列されてもよい。また、図11のように圧延方向および板幅方向のいずれにもずれるように配置してもよい。
図12に示した例は、分割冷却面A3の圧延方向長さが搬送ロール18の圧延方向ロール間2ピッチ分であり、各分割冷却面A3には4つの冷却水ノズル20が配置されている。
図13に示した例は、分割冷却面A3の圧延方向長さが、上流側から搬送ロール18の圧延方向ロール間1ピッチ分、2ピッチ分、4ピッチ分、8ピッチ分…と変化し、圧延方向に隣り合う分割冷却面A3でそれぞれの分割冷却面A3に属する冷却水ノズル20の数が異なる例である。
中間ヘッダー21は、本形態における切替装置の一部として機能し、冷却水ノズル20に冷却水を供給するヘッダーである。本形態では図2〜図4よりわかるように、中間ヘッダー21は圧延方向に延びる管状の部材で、圧延方向に複数の冷却水ノズル20が設けられている。従って、1つの中間ヘッダー21に配置された冷却水ノズル20からの冷却水の噴射および停止を同時に制御することができる。図示の例では、1つの中間ヘッダー21に対して冷却水ノズル20は圧延方向に4個並べられているが、冷却水ノズル20の数はこれに限定されるものではない。
そして中間ヘッダー21は1つの分割冷却面A3に1つとなるように配置される。これにより、分割冷却面A3毎に冷却水の噴射と停止の切替制御を行うことができる。
本形態では分割冷却面A3が圧延方向に2つ設けられているため、中間ヘッダー21も圧延方向に2本のみであるが、中間ヘッダー21の数は分割冷却面A3の数に応じて適宜変更すればよい。
三方弁24は、本形態における切替装置の一部として機能する部材である。すなわち、三方弁24は冷却水ノズル20から噴射される冷却水の、鋼板搬送領域の下面への衝突と非衝突とを切り替える切替装置の主要部材である。
本形態の三方弁24は分流型であり、給水ヘッダー25からの水を、配管23に導いて中間ヘッダー21、さらには冷却水ノズル20に給水するか、排水ヘッダー26に導くかを切り替える弁である。なお、本形態では排水のための部位として排水ヘッダー26を例示したが、その態様は特に限定されることはない。
本形態の三方弁24の替わりに2つの止め弁(広義に流体の流れを止めるための弁、ON/OFF弁と呼ばれることもある。)を設置して三方弁と同様に制御を行うことも可能である。
本形態で三方弁24は、1つの中間ヘッダー21に1つ設けられ、冷却水を供給する給水ヘッダー25と冷却水を排出する排水ヘッダー26との間に配置されている。ただしこれに限らず、複数の中間ヘッダー21に対して1つの三方弁24を配置する形態でもよい。これによれば、複数の中間ヘッダー21を統合するように同時に制御することができる。
なお、図示の例では、給水ヘッダー25と排水ヘッダー26はそれぞれ2本設けられているが、これら給水ヘッダー25と排水ヘッダー26の数はこれに限定されるものでなく、例えばそれぞれ1本であってもよい。
配管23の内部は、三方弁24により、常に冷却水が満たされるようになっている。これにより、鋼板搬送領域の下面(分割冷却面A3)に冷却水を衝突させる際、すなわち熱延鋼板2の下面を冷却する際に、三方弁24を開く指示が出されてから、冷却水ノズル20から冷却水が噴射されるまでの時間を短くすることができ、応答性を高めることが可能となる。なお、三方弁24の開閉の応答性は0.5秒以内が好ましい。三方弁24には例えば電磁弁が用いられる。
また、三方弁24は、冷却水ノズル20の先端と同じ高さに配置されていることが好ましい。より具体的には、三方弁24のうち、配管23との接続部位が冷却水ノズル20の先端と同じ高さ位置とされていることが好ましい。これにより、冷却水ノズル20の先端と配管23の先端とが同じ高さになり、配管23の内部には常に冷却水が満たされる。例えば三方弁24のシールが完全でなく冷却水が多少漏れても、配管23の内部を冷却水で満たすことができ、応答性をさらに向上させることができる。
三方弁24は、搬送ロール18に対して板幅方向の側方に設けられていることが好ましい。例えば三方弁24を搬送ロール18の下方に設けることも考えられるが、搬送ロール18の下方の空間は限られており、複数の三方弁24を設けるのは困難である。また、搬送ロール18の下方で三方弁24のメンテナンスを行うのも困難である。この点、本形態のように三方弁24が搬送ロール18に対して板幅方向の側方に設けられていれば、当該三方弁24の設置の自由度が高く、メンテナンスも容易に行うことができる。
上流側温度測定装置30は、鋼板搬送領域の下面側となる位置に配置されて幅方向温度計として機能し、全冷却領域A1の圧延方向上流側における熱延鋼板2の温度を測定する。
上流側温度測定装置30は、幅分割冷却帯A2のそれぞれに対応して配置されることが好ましく、従って図示の例では、上流側温度測定装置30は、各幅分割冷却帯A2の上流側における温度(すなわち冷却される前の温度)を測定できるように板幅方向に6個並べて設けられている。これにより下側幅方向制御冷却装置17の上流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度を全幅に亘って測定できる。
下流側温度測定装置31は、鋼板搬送領域の下面側となる位置に配置されて幅方向温度計として機能し、全冷却領域A1の圧延方向下流側における熱延鋼板2の温度を測定する。
下流側温度測定装置31は、幅分割冷却帯A2に対応して配置されることが好ましく、図示の例では、下流側温度測定装置31は、冷却後における各幅分割冷却帯A2の温度を測定できるように板幅方向に6個並べて設けられている。これにより下側幅方向制御冷却装置17よりも圧延方向下流側における熱延鋼板2の板幅方向の温度を全幅に亘って測定できる。
制御装置27は、上流側温度測定装置30の測定結果、下流側温度測定装置31の測定結果のいずれか、或いは双方の結果に基づいて、切替装置の動作を制御する装置である。従って制御装置27は、所定のプログラムに基づいて演算を行う電子回路やコンピュータを備えており、これに上流側温度測定装置30、下流側温度測定装置31および切替装置が電気的に接続されている。
具体的には、仕上圧延後にランアウトテーブルを搬送される熱延鋼板2の温度を上流側温度測定装置30で測定する。この測定結果が制御装置27に送られ、分割冷却面A3毎に熱延鋼板2の温度を均一化するために必要な冷却量を算出する。
そして、その計算結果に基づいて、制御装置27は、三方弁24の開閉をフィードフォワード制御する。すなわち、制御装置27は、分割冷却面A3毎に熱延鋼板2の温度を均一化するための冷却量を実現するために、三方弁24の開閉を制御し、分割冷却面A3毎に冷却水ノズル20から噴射される冷却水の、熱延鋼板2の下面への衝突と非衝突とを制御する。
そして分割冷却面A3は、板幅方向および圧延方向のそれぞれに配列されているので、制御装置27は板幅方向および圧延方向のいずれも温度制御することができ、熱延鋼板2の温度の均一化を高い精度で行うことができる。
また、熱延鋼板2の圧延方向に延伸する筋状の不均一温度分布を抑制するには、フィードフォワード制御が有用であり、かかる観点から上流側温度測定装置30を用いたフィードフォワード制御により熱延鋼板2の板幅方向温度をさらに均一化することができる。
ただし、フィードフォワード制御に限らず、下流側温度測定装置31の測定結果に基づいて、三方弁24の開閉をフィードバック制御してもよい。すなわち、下流側温度測定装置31の測定結果を用いて制御装置27で計算を行い、その計算結果に基づいて冷却分割面A3毎に、三方弁24の開閉数を制御する。これにより、分割冷却面A3毎に、鋼板搬送領域の下面へ冷却水の衝突および非衝突を制御することができる。
下側幅方向制御冷却装置17では、上流側温度測定装置30の測定結果による三方弁24のフィードフォワード制御と、下流側温度測定装置31の測定結果による三方弁24のフィードバック制御とを選択的に行うことができる。
また、かかるフィードバック制御をフィードフォワード制御結果の補正制御として適用することもできる。このように、下側幅方向制御冷却装置17では、上流側温度測定装置30の測定結果による三方弁24のフィードフォワード制御と、下流側温度測定装置31の測定結果による三方弁24のフィードバック制御とを統合させて行うこともできる。
なお、フィードフォワード制御又はフィードバック制御をいずれか一方のみを行う場合には、上流側温度測定装置30又は下流側温度測定装置31のいずれか一方を省略してもよい。
また、下側幅方向制御冷却装置17では、中間ヘッダー21に三方弁24が設けられ、さらに三方弁24が冷却水ノズル20の先端と同じ高さに配置されているので、配管23の内部を常に冷却水で満たすことができる。従って、上流側温度測定装置30および/又は下流側温度測定装置31の温度測定結果に基づいて三方弁24の開閉を制御し、冷却水ノズル20から噴射される冷却水を制御する際、その応答性を極めて良くすることができる。
なお、配管23の内部をより確実に冷却水で満たすため、冷却水ノズル20から常に冷却水が出続けるようにしてもよい。すなわち、冷却水ノズル20からの冷却水を分割冷却面A3に衝突させない中間ヘッダー21に対しては、当該冷却水ノズル20からの冷却水が分割冷却面A3に衝突しない程度に出続けるように三方弁24の開度を制御する。一方、冷却水ノズル20からの冷却水を分割冷却面A3に衝突させる中間ヘッダー21に対しては、当該冷却水ノズル20からの冷却水が分割冷却面A3に衝突するように三方弁24の開度を制御する。かかる場合、配管23の内部が冷却水で確実に満たされるので、応答性を確保することができる。
以上の形態の下側幅方向制御冷却装置17において、上流側温度測定装置30、下流側温度測定装置31の構成は、熱延鋼板2の温度を測定するものであれば特に限定されるものではないが、例えば特許第3818501号公報などに記載された温度測定装置を用いるのが好ましい。図14は上流側温度測定装置30の構成の概略を示す説明図である。
上流側温度測定装置30は、熱延鋼板2の温度を測定する放射温度計32と、鋼板搬送領域(熱延鋼板2)に対向する位置に先端が配置され、後端が放射温度計32に接続された光ファイバ33と、鋼板搬送領域と光ファイバ33の先端との間に水柱を形成するべく、鋼板搬送領域の下面に向けて水を噴射する、水柱形成部としてのノズル34と、ノズル34に水を供給するための貯水槽35とを有している。上流側温度測定装置30は、この水柱を介して鋼板搬送領域の下面(熱延鋼板2)からの放射光を放射温度計32で受光することにより、熱延鋼板2の下面温度を測定する。
ここで、一般的には鋼板搬送領域の下面には冷却水ノズル20からの冷却水などが存在するため、通常の温度計を用いた場合、当該冷却水に起因した測定誤差が生じる。このため、温度計を設置するためには、冷却水を水切りし、圧延方向に冷却水が存在しない区間(例えば数メートル)が必要になる。
これに対し、上流側温度測定装置30では、ノズル34からの水柱を介して放射光を放射温度計32で受光するので、この水柱によって上記冷却水の影響を抑制し、冷却水に起因する測定誤差を低減することができる。従って、冷却水が存在しない区間を設ける必要がなく、上流側温度測定装置30を最上流側の冷却水ノズル20に近接させることができる。このため、応答性をさらに向上させることができる。なお、十分な応答性を確保するためには、上流側温度測定装置30と最上流側の冷却水ノズル20との距離は5m以内が好ましく、さらには1m以内が好ましい。
また、ランアウトテーブル上では熱延鋼板2が蛇行するため、上流側温度測定装置30と最上流側の冷却水ノズル20の距離が長いと、熱延鋼板2の板幅方向における温度測定位置と冷却位置が異なる虞がある。かかる場合、特に熱延鋼板2の板幅方向端部付近の冷却が行われない虞がある。
これに対しても、本形態では上流側温度測定装置30を最上流側の冷却水ノズル20に近接させることができるので、熱延鋼板2の板幅方向における温度測定位置と冷却位置を確実に一致させることができ、熱延鋼板2を適切に冷却することができる。
なお、下流側温度測定装置31の構成も上流側温度測定装置30の構成と同様であり、上述した上流側温度測定装置30における効果と同様の効果を享受できる。
中間ヘッダー21には三方弁24が設けられており、当該中間ヘッダー21における冷却水ノズル20の個数が少ない方が、熱延鋼板2に噴射される冷却水の制御性は向上する。一方、冷却水ノズル20の個数を少なくするとその分、必要な三方弁24の数が増加し、設備コストとランニングコストが高くなる。従って、これらのバランスを考慮して、冷却水ノズル20の個数を設定することができる。
分割冷却面A3に冷却水を衝突させるにあたり、少量の冷却水を用いた場合、全冷却領域A1の圧延方向長さが長くなってしまう。このため、例えば1m/m/min以上の大きい水量密度の冷却水を冷却水ノズル20から噴射するのが好ましい。
下側幅方向制御冷却装置17において、図15に示すように冷却水ノズル20の先端には、冷却水を噴射する噴射孔40が複数設けられていてもよい。複数の噴射孔40は、板幅方向(Y方向)の投射面において等間隔に設けられる。例えば冷却水ノズル20の単一の噴射孔から大流量の冷却水を噴射した場合、熱延鋼板2の板幅方向において冷却水が1箇所に衝突するため、筋状の不均一温度分布が生じやすい。これに対して、噴射孔40を複数設けることで、分割冷却面A3への冷却水の衝突圧力を小さくすることができる。従って、筋状の不均一温度分布をより確実に抑制することができ、熱延鋼板2の板幅方向温度をさらに均一化することができる。
上記形態では、中間ヘッダー21が備えられているが、当該形態に限定されることなく中間ヘッダー21を有しない形態とすることも可能である。この形態にかかる下側幅方向制御冷却装置17の構成の概略を表す平面図を図16に示す。図16は図4に相当する図であり、冷却水ノズル20の1本毎に三方弁24が接続されることになるが理解を容易にするため、図16では、三方弁24、給水ヘッダー25、および、排水ヘッダー26の記載を省略している。
図16に示す形態において、各冷却水ノズル20には、図示されていない配管が接続されており、この配管に三方弁が設けられている。三方弁は、配管に冷却水を供給する給水ヘッダーと冷却水を排出する排水ヘッダーとの間に設けられている。このような、1つの冷却水ノズル20に対して1つの三方弁が設けられる形態であっても、上記形態で得られる効果と同様の効果を奏することが可能である。この場合でも上記分割冷却面A3の考え方は下側幅方向制御冷却装置17と同じである。
図1に示す例における下側幅方向制御冷却装置17は下側冷却装置16の上流側に配置されているが、下側幅方向制御冷却装置17の配置箇所はこの例に限定されない。
図1に示す例のように下側幅方向制御冷却装置17を下側冷却装置16の上流側に配置すれば、熱延鋼板2に生じている不均一温度分布を冷却工程の初期に除去することができる。
これに対して、下側幅方向制御冷却装置17を下側冷却装置16の中間に配置すれば、上側冷却装置15、下側冷却装置16による冷却が不均一であったとしても、それによる不均一温度分布を除去することができる。
また、下側幅方向制御冷却装置17を下側冷却装置16の下流側に設置すれば、巻取温度の不均一温度分布を低減することができる。
このように、下側冷却装置16に対して下側幅方向制御冷却装置17を配置する位置によってその効果は異なるため、製造する鋼種や設備コストの観点から適宜配置場所を決定すればよい。なお、不均一温度分布をできる限り抑える観点からは、下側冷却装置16の上流、中段、下流のそれぞれに配置することが好ましい。
[第2形態]
第2形態では、熱間圧延設備10の下側幅方向制御冷却装置17の代わりに配置される下側幅方向制御冷却装置117において、第1形態の切替装置の三方弁24の代わりに冷却水進行方向変更装置126、226、326およびガイド板125が配置され、排水エリアはあるが、排水ヘッダーがなくなったものである。その他の構成については第1形態と同様の構成を適用することができるので、第1形態の場合と同じ符号を付して説明を省略する。
図17、図18は、第2形態の切替装置のうち冷却水進行方向変更装置126を含む切替装置の例を説明する図であり、搬送ロール18間に配置された1つの冷却水ノズル20の周辺に注目して表した図である。
本例で切替装置は、ガイド板125、および冷却水進行方向変更装置126を備えている。
ガイド板125は、中間ヘッダー21と分割冷却面A3との間に配置される板状の部材である。ガイド板125は熱延鋼板2の通板の際に該熱延鋼板2の先端が衝突しても、十分に耐えられる強度で設計されている。ガイド板125は、少なくとも隣り合う搬送ロール18の間のそれぞれに配置されている。これにより、特に通板の際に熱延鋼板2の最先端が冷却水ノズル20、中間ヘッダー21、搬送ロール18に引っ掛かることを防止できる。
また、ガイド板125には、冷却水進行方向変更装置126から気体を噴射しない場合に、冷却水ノズル20から噴射された冷却水を通過させる噴射口125aが設けられている。これにより、冷却水ノズル20から噴射された冷却水がガイド板125を通過して分割冷却面A3に衝突し、適切な冷却をすることが可能となる。また、ガイド板125には排水を通過させる排水孔が設けられてもよい。
ガイド板125の上面と分割冷却面A3の距離は特に限定されないが、例えば20mm程度とすることができる。
また、ガイド板125は、噴射口125aを有するとともに圧延方向に平行に形成された片125bと、片125bの下面から下方に垂下して設けられた水切板125c、125dとを有している。水切板125cは水切板125dよりも噴射口125a側に設けられている。
水切板125c、125dは、冷却水進行方向変更装置126から気体を噴射している時、冷却水ノズル20から噴射された冷却水が片125bに衝突した後に噴射口125a側に飛び散ることを回避する。さらに水切板125c、125dは、噴射された気体の流れにより噴射口125aから冷却水が鋼板搬送領域側に飛ばされて分割冷却面A3に衝突してしまうことを抑制する。
また、水切板125dは、冷却水進行方向変更装置126から気体を噴射している時、冷却水ノズル20から噴射された冷却水が片125bに衝突した後に、冷却水ノズル20側に飛び散ることを回避し、冷却水ノズル20から噴射された冷却水噴流に干渉することを防止する作用も有する。水切板125dは冷却水ノズル20から噴射された冷却水噴流および冷却水進行方向変更装置126から噴射された気体の流れを妨げないように設置されている。
ここで、水切板125cの長さは、長過ぎると、冷却水噴流が直接衝突して噴射口125aから冷却水が鋼板搬送領域側に飛ばされてしまう量が増加するため、10mm以上30mm以下程度とすることが望ましい。
一方、水切板125dの長さについては、上記干渉を十分に防止できる長さが確保できれば良く、50mm以上150mm以下程度とすることが望ましい。
冷却水進行方向変更装置126は、冷却水ノズル20から噴射された冷却水に対して気体を噴射し、冷却水の進行方向を変更する装置である。冷却水進行方向変更装置126は、ガスヘッダー127、ガス枝管128、弁129、および、ガスノズル130を有して構成されている。
ガスノズル130から噴射された気体が、冷却水ノズル20から噴射した冷却水の進行方向を変えることで、冷却水の分割冷却面A3への衝突および非衝突を制御する。
より具体的には、ガスノズル130はそれぞれガス枝管128を通じてガスヘッダー127に接続されており、ガスヘッダー127から所定の圧力の気体(例えば、空気)が供給される。またガス枝管128の途中に弁129が取り付けられている。
弁129は、制御装置27からの信号に基づいてガスノズル130からの気体の噴射の開始および停止を制御する。このような弁としては電磁弁を挙げることができる。また1つの分割冷却面A3に属する冷却水ノズル20に対して、冷却水ノズル20の数に応じてガスノズル130を配置することによって、分割冷却面A3毎に鋼板搬送領域の下面への冷却水の衝突および非衝突を制御することができる。
ガスノズル130は、図17、図18からわかるように、冷却水ノズル20の近傍に設置する。ガスノズル130からは、鉛直方向に対して15度以上30度以下程度傾けて気体を噴射することによって、比較的少ない気体流量で効果的に冷却水噴流の進行方向を変化させることができる。
ガスノズル130としては、ノズルからの距離が遠ざかっても比較的衝突力が減衰しにくい扇状の噴流を形成するフラットエアーノズルを用いることが望ましい。この際、ガスノズル130から噴射された扇状の噴流の広がり角が大き過ぎると冷却水噴流に衝突したときに衝突力の減衰が大きいので、噴射された扇状の噴流が冷却水噴流の幅方向全体を丁度カバーできるように調整することが望ましい。
図17に示したように、弁129が閉鎖され、ガスノズル130から気体が噴射されない場合は、冷却水ノズル20から噴射された冷却水は噴射口125aを通過し、分割冷却面A3に衝突して、熱延鋼板2の冷却を行うことができる。なお、図17において、実線の先端に黒三角を付した矢印で冷却水ノズル20から噴射された冷却水の流れ方向を示している。
一方、図18は、図17と同じ視点で、ガスノズル130から気体を噴射している場面を示す概略図である。図18では点線の先端に黒三角を付した矢印でガスノズル130から噴射された気体の流れ方向を示している。
分割冷却面A3に冷却水が衝突することを妨げるように弁129を作動する具体的な態様として、冷却水ノズル20から噴射されている冷却水噴流が分割冷却面A3に衝突しないように、冷却水噴流の進行方向を変えることが挙げられる。
弁129が制御装置27からの信号を受けて作動することによって、冷却水ノズル20から噴射されている冷却水噴流に向けてガスノズル130から気体を噴射させる。これにより、冷却水ノズル20から噴射されている冷却水噴流が気体の流れに押されて方向が変わる。その結果、ガイド板125の下面に冷却水が衝突するため、冷却水は噴射口125aを通過できなくなる。これにより冷却水が分割冷却面A3に衝突することを妨げることができ、熱延鋼板2の冷却が停止される。
ここで、制御装置27による切替装置の制御は、上記した第1形態の下側幅方向制御冷却装置17に倣って同様に行うことができる。
本形態によれば、切替装置によって分割冷却面A3への衝突が妨げられた冷却水は、分割冷却面A3に衝突することが防がれるため、分割冷却面A3への衝突が妨げられた冷却水を回収する桶などを必要としない。従って、第2形態の切替装置は隣り合う搬送ロール18間などの狭いスペースにも設置しやすい。
また、第2形態の切替装置は、冷却水ノズル20からの冷却水噴射をON/OFF制御するのではなく、冷却水ノズル20から一定量の冷却水を噴射したままで、冷却水ノズル20から噴射された後の冷却水噴流の熱延鋼板2への衝突および非衝突を制御している。さらに、冷却水噴流の衝突および非衝突を制御する手段としては、機械的にシャッターなどを動作させるのではなく、冷却水進行方向変更装置126によりガスノズル130からの気体の噴射をON/OFF制御することにより、冷却水の分割冷却面A3への衝突および非衝突を制御している。
図19、図20は第2形態の変形例にかかる下側幅方向制御冷却装置117の一部を概略的に示す図である。図19は図17に相当する図であり、図20は図18に相当する図である。
図19および図20に例示した下側幅方向制御冷却装置117は、切替装置の冷却水進行方向変更装置126の代わりに、冷却水進行方向変更装置226が用いられた切替装置が適用されている。従ってここでは、冷却水進行方向変更装置226について説明する。
冷却水進行方向変更装置226は、ノズルアダプター227およびエアーシリンダ228を備えている。ノズルアダプター227は冷却水ノズル20に取り付けられている。また、ノズルアダプター227は固定軸229を中心にして回転可能に取り付けられている。固定軸229は、図示していないサポート部材によって位置がずれないように固定されている。また、ノズルアダプター227には、ロッド先端軸230を介してエアーシリンダ228のピストンロッド231がロッド先端軸230で回転可能なように接続されている。
従って、エアーシリンダ228を動かすことにより、冷却水ノズル20を傾けることができる。すなわち、図19に示した冷却水ノズル20の姿勢では、鉛直方向上方に冷却水を噴射することができ、エアーシリンダ228を動かすことによって図20に示したように冷却水ノズル20を鉛直方向に対して所定の角度に傾斜させることができる。
ノズルアダプター227は各冷却水ノズル20にそれぞれ取り付けられており、エアーシリンダ228は各ノズルアダプター227にそれぞれ取り付けられている。エアーシリンダ228の作動は、図示していない電磁弁によって行うことができる。該電磁弁が制御装置27からの信号を受けて開閉することにより、エアーシリンダ228を介して冷却水ノズル20の方向を上記のように鉛直方向または鉛直方向に対して傾斜した方向の何れかの姿勢に制御する。
図19に示したように、冷却水ノズル20を鉛直方向に制御した場合は、冷却水噴流はガイド板125に設けられた噴射口125aを通過して分割冷却面A3に衝突する。一方、図20に示したように、冷却水ノズル20を鉛直方向に対して傾斜した姿勢に制御した場合は、冷却水ノズル20が傾斜した分、冷却水噴流の噴流方向が変化してガイド板125の下面に衝突し、分割冷却面A3に冷却水は衝突しない。
このように、電磁弁が制御装置27からの信号を受けて作動することによって、冷却水ノズル20の姿勢を変えて、冷却水ノズル20から噴射されている冷却水の方向を変え、冷却水が分割冷却面A3に衝突することを妨げる姿勢と妨げない姿勢とを切り替えることができる。
なお、柔軟性を有する管(例えば、ゴム管など)232によって中間ヘッダー21とノズルアダプター227とを接続することにより、上記のように冷却水ノズル20が傾斜しても、柔軟性を有する管232が変形することにより、両者の相対的な位置のずれを吸収することができる。
冷却水ノズル20を傾斜させる角度は、冷却水噴流の略全てがガイド板125の下面に衝突するように調整する必要がある。一方、応答時間を短くするためにはできるだけ冷却水ノズル20を傾斜させる角度を小さくした方がよい。これらの観点から、冷却水ノズル20を鉛直方向に対して5度以上10度以下程度傾斜させたときに冷却水噴流の略全てがガイド板125の下面に衝突するように設計することが望ましい。
図21、図22は第2形態の他の変形例にかかる下側幅方向制御冷却装置117の一部を概略的に示す図である。図21は図17に相当する図であり、図22は図18に相当する図である。
図21および図22に例示した切替装置は、冷却水進行方向変更装置126の代わりに、冷却水進行方向変更装置326が用いられている。従ってここでは、冷却水進行方向変更装置326について説明する。
冷却水進行方向変更装置326は、ノズルアダプター327、エアーシリンダ328および噴流偏向板329を備えている。ノズルアダプター327は冷却水ノズル20に取り付けられている。また、ノズルアダプター327には、噴流偏向板329が回転軸330を中心にして回転可能なように取り付けられている。さらに、噴流偏向板329には、ロッド先端軸331を介してエアーシリンダ328のピストンロッド332がロッド先端軸331で回転可能なように接続されている。
従って、エアーシリンダ328を動かすことにより、噴流偏向板329を傾けることができる。すなわち、図21に示した噴流偏向板329の姿勢では、冷却水ノズル20から噴射された冷却水に当たらない位置に噴流偏向板329があり、エアーシリンダ328を動かすことによって、図22に示したように、冷却水ノズル20から噴射された冷却水に当たるように、噴流偏向板329を鉛直方向に対して所定の角度傾斜させることができる。
ノズルアダプター327は各冷却水ノズル20にそれぞれ取り付けられており、エアーシリンダ328は各ノズルアダプター327にそれぞれ取り付けられている。エアーシリンダ328の作動は、図示していない電磁弁によって行うことができる。該電磁弁が制御装置27からの信号を受けて開閉することにより、エアーシリンダ328を介して噴流偏向板329の方向を上記のように鉛直方向または鉛直方向に対して傾斜した方向の何れかの姿勢に制御することができる。
図21に示したように、噴流偏向板329を鉛直方向に制御した場合は、冷却水噴流はガイド板125に設けられた噴射口125aを通過して分割冷却面A3に衝突する。一方、図22に示したように、噴流偏向板329を鉛直方向に対して傾斜した姿勢に制御した場合は、冷却水ノズル20から噴射している冷却水が噴流偏向板329によって曲げられ、冷却水噴流の噴流方向が変化してガイド板125の下面に衝突し、分割冷却面A3に冷却水が衝突しない。
このように、電磁弁が制御装置27からの信号を受けて作動することによって、噴流偏向板329の姿勢を変えて、冷却水ノズル20から噴射されている冷却水の方向を変え、冷却水が分割冷却面A3へ衝突することを妨げる姿勢と妨げない姿勢とを切り替えることができる。
噴流偏向板329を傾斜させる角度は、冷却水噴流の略全てがガイド板125の下面に衝突するように調整する必要がある。一方、応答時間を短くするためにはできるだけ噴流偏向板329を傾斜させる角度を小さくした方がよい。これらの観点から、噴流偏向板329を鉛直方向に対して5度以上10度以下程度傾斜させたときに噴流偏向板329によって冷却水噴流の略全てがガイド板125の下面に衝突するように向きが変えられるように設計することが望ましい。
これまでに冷却水進行方向変更装置として3つの形態を例示して説明した。これらの中でも気体を噴射して冷却水噴流の向きを変える場合、可動部とエアーシリンダなどを必要としない。従って、従来の方法と比べてももちろんであるが、上記した噴流偏向板を用いる方法や冷却水ノズルを傾ける方法と比べても、装置を小型化することができるので、狭いスペースにも設置しやすくなる。また、可動部とエアーシリンダなどを必要としないことによって、耐久性の面でも有利である。一方、気体(エアー)の消費量が増加してコスト面では不利になる場合も考えられるが、従来のように冷却水噴流を完全に遮断又は方向を大きく変える場合に比べて冷却水噴流の方向を変化させるべき角度を僅かとすることができるので、必要な気体(エアー)の量が従来に比べて大幅に削減され、その結果、コンプレッサーなどの設置費用やランニングコストが低減する。
上述した噴流偏向板を用いる場合も、冷却水噴流の方向を僅かに変えるだけで良いので、従来のように冷却水噴流を完全に遮断或いは方向を大きく変える場合に比べて、噴流偏向板に加わる力が10%から20%程度になる(×sinθ倍、θ:冷却水噴流の方向の変化角)。そのため、繰り返し受ける衝撃荷重を大きく低減できるので、装置可動部の必要強度を下げることができる。これにより大幅な軽量化が可能となり、エアーシリンダの必要推力が軽減してシリンダ径を小さくできる。また、エアー消費量も削減できるのでランニングコストが低減する。さらに、エアーシリンダの往復動作時に加わる衝撃荷重も軽減し、従来法に比べて耐久性を大幅に改善できる。
第2形態に関する上記説明では、冷却水ノズル20から噴射された後の冷却水噴流の方向を変えることによって、冷却水噴流の分割冷却面A3への衝突および非衝突を制御する形態を例示した。ただし、第2形態は当該形態に限定されず、例えば、ガイド板を圧延方向へと移動させることによって、または、冷却水ノズルから噴射された後の冷却水噴流の方向を変えることと、ガイド板を圧延方向へと移動させることとを組み合わせることによって、冷却水噴流の分割冷却面への衝突および非衝突を制御しても良い。
また、第1形態、第2形態に関する上記説明では、制御装置を用いて、分割冷却面へ冷却水を衝突させるように動作する切替装置の数や、第2形態に関する分割冷却面に衝突する冷却水を噴射する冷却水ノズルの数を制御する形態を例示した。本発明は当該形態に限定されず、例えば、切替装置の数や冷却水ノズルの数の制御に加えて、冷却水ノズルから噴射される冷却水の流量を制御する形態とすることも可能である。冷却水の流量は、流量調整弁を用いて制御することができる。この場合、流量調整弁は中間ヘッダーと切替装置との間に設けることができる。
冷却水ノズルとしてスプレーノズルを用いる場合、スプレーノズルの先端と鋼板との距離を変えられるように構成してもよい。これにより、鋼板に衝突する冷却水噴流の衝突圧を制御することが可能になるので、冷却温度の制御を行いやすくなる。
以下、実施例と比較例に基づいて本発明の効果について説明する。ただし本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
効果の検証において、実施例1の冷却装置として、図2に示した下側幅方向制御冷却装置17を用いた。また比較例1の冷却装置として、下側幅方向制御冷却装置17を用いることなく従来の下側冷却装置16を適用した。
本検証における条件は次の通りである。実施例1の操業条件は、鋼板板幅:1300mm、板厚:3.2mm、鋼板搬送速度:600mpm、冷却前の温度:900℃、目標巻取温度:550℃とした。下側幅方向制御冷却装置は、第1形態の切替装置を用いた。ただし、図4のものでは圧延方向に2つの中間ヘッダーがあり、それぞれの中間ヘッダーに4つの冷却水ノズルが配置されているが、実施例1では、圧延方向に4つの中間ヘッダーがあり、それぞれの中間ヘッダーに2つの冷却水ノズルを設置した。そして圧延方向における冷却長さは図4と同じ搬送ロール間8か所分とし、三方弁および配管系を含めた応答速度は0.2秒であった。また、噴射する冷却水の水量密度を2m/m/minとした。下側幅方向制御冷却装置の設置位置は巻取装置に近い側(下側冷却装置の下流側)とした。
一方、比較例1の操業条件は、板幅方向の冷却制御機能はなく、噴射する冷却水の水量密度は0.7m/m/minとした。
図23には、比較例1における鋼板上面温度分布の一部を取り出した例を示した。図23では温度分布表示を分かり易くするため、特に狙い温度より低温側の分布のみを濃淡で表示している(後で示す図24も同じ。)。薄墨部分は狙いの温度に対して−30℃以上−15℃以下の部分、濃い黒の部分は狙いの温度に対して−30℃より低い部分である。図23からわかるように、比較例1では板幅方向中央部に比較的広い低温部pが生じていた。また、圧延方向に延びる筋状の低温部q1、q2も生じていた。
そして比較例1によれば標準温度偏差は23.9℃であった。標準温度偏差は、赤外線温度画像測定装置により測定した結果から、鋼板の先端および尾端各10mと、さらに両端各50mmを除いた鋼板温度の全測定点から求めた。
図24には実施例1における鋼板上面温度分布の一部を取り出した例を示した。図24からわかるように、実施例1では低温部p、q1、q2のいずれも比較例1に比べて小さくなっていることがわかる。
そして実施例1によれば標準温度偏差は8.8℃であった。従って、本発明によれば、熱延鋼板の板幅方向温度を均一化できることが分かった。
<実施例2>
操業条件は実施例1と同様にし、下側幅方向制御冷却装置の圧延方向における冷却長さは実施例1と同様、搬送ロール間8か所分の長さとした。下側幅方向制御冷却装置は、第2形態の切替装置で冷却水進行方向変更装置は冷却水進行方向変更装置126を用い、図10に示すように、1つの分割冷却面A3に1つの切替装置を設置した。応答速度は0.18秒であった。また、噴射する冷却水の水量密度は2m/m/minとした。下側幅方向制御冷却装置の設置位置は巻取装置に近い側(下側冷却装置の下流側)とした。
実施例2によれば、冷却後の熱延鋼板の鋼板全面の温度分布は図24と同様の結果を得ることができ、標準温度偏差は8.6℃であった。
1 スラブ
2 熱延鋼板
10 熱間圧延設備
11 加熱炉
12 幅方向圧延機
13 粗圧延機
14 仕上圧延機
15 上側冷却装置
16 下側冷却装置
17 下側幅方向制御冷却装置
18 搬送ロール
19 巻取装置
20 冷却水ノズル
21 中間ヘッダー
23 配管
24 三方弁
25 給水ヘッダー
26 排水ヘッダー
27 制御装置
30 上流側温度測定装置
31 下流側温度測定装置
32 放射温度計
33 光ファイバ
34 ノズル
35 貯水槽
40 噴射孔
117 下側幅方向制御冷却装置
125 ガイド板
125a 噴射口
125c、125d 水切板
126、226、326 冷却水進行方向変更装置
127 ガスヘッダー
128 ガス枝管
129 弁
130 ガスノズル
227、327 ノズルアダプター
228、328 エアーシリンダ
229 固定軸
230、331 ロッド先端軸
231、332 ピストンロッド
232 管
329 噴流偏向板
330 回転軸
また、特許文献4に記載された冷却装置では、ノズルからの冷却剤量を板幅方向に制御することは開示されているが、具体的にどのような方法で冷却剤量を制御するかは開示がない。すなわち、特許文献4の図には、ノズルが板幅方向に並べて配置された様子が示されているが、そのノズルに接続される配管の上流側で、冷却剤がどのように制御されるかは開示されていない。例えばノズルに接続される配管に冷却剤が満たされていない状態の場合、単に冷却剤量を制御するだけでは、ノズルから冷却剤を添加する際の応答性が悪い。鋼板の搬送速度は、数m/s〜二十数m/sと非常に速いため、上述の長手方向の冷却前および冷却途中の鋼板の不均一温度分布に応じて、一部の冷却水ノズルからの冷却水噴射の開始および噴射の停止を切り替えて鋼板に衝突させる冷却水の量を制御するためには、冷却水を噴射している状態から噴射の停止への切り替え、および冷却水の噴射を停止している状態から噴射の開始への切り替えに要する時間、即ち応答時間を極力短くし、高速で制御可能とする必要がある。
本発明の第1の態様は、熱間圧延工程の仕上圧延後に、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却装置であって、鋼板搬送領域の下面の板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される冷却領域を全冷却領域とし、全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる各々の冷却領域である幅分割冷却帯と、幅分割冷却帯を圧延方向で複数に分割して得られる冷却領域である分割冷却面と、分割冷却面の各々の下面に冷却水を噴射する、各分割冷却面あたり1つ以上の冷却水ノズルと、冷却水ノズルから噴射される冷却水の、分割冷却面への衝突および非衝突を切り替える切替装置と、全冷却領域の圧延方向上流側および圧延方向下流側の少なくとも一方に、全冷却領域に近接して、鋼板搬送領域の下面側に、かつ、幅分割冷却帯毎に設けられ、熱延鋼板の板幅方向の温度分布を測定する幅方向温度計と、幅方向温度計の測定結果に基づいて、幅分割冷却帯中に含まれる複数の分割冷却面毎の冷却を、幅分割冷却帯毎に切替装置の動作を制御することにより、幅分割冷却帯の圧延方向全長での冷却を制御して、全冷却領域の冷却制御とする制御装置と、が備えられることを特徴とする、熱延鋼板の冷却装置である。
ここで、「冷却水ノズルから噴射される冷却水の、分割冷却面への衝突および非衝突」のうち、「分割冷却面への衝突」とは、分割冷却面に熱延鋼板の下面が存在する場合に冷却水が当該熱延鋼板の下面に衝突するような冷却水の噴射を意味する。一方、「分割冷却面への非衝突」とは、分割冷却面に熱延鋼板の下面が存在する場合に冷却水が当該熱延鋼板の下面に衝突しない状態を意味する。
本発明の第2の態様は、熱間圧延工程の仕上圧延後に、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却方法であって、鋼板搬送領域の下面の板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される冷却領域を全冷却領域とし、全冷却領域を板幅方向で複数に分割して得られる各々の冷却領域を幅分割冷却帯とし、幅分割冷却帯を圧延方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面とし、全冷却領域の圧延方向上流側および圧延方向下流側の少なくとも一方で、全冷却領域に近接して、鋼板搬送領域の下面側で、かつ、幅分割冷却帯毎に、熱延鋼板の板幅方向の温度分布を測定し、温度分布の測定結果に基づいて、前記幅分割冷却帯中に含まれる複数の分割冷却面への冷却水ノズルによる冷却水の衝突および非衝突を幅分割冷却帯毎に制御することにより、幅分割冷却帯の圧延方向全長での冷却を制御して、全冷却領域内の熱延鋼板の冷却制御とすることを特徴とする、熱延鋼板の冷却方法である。
上記第2の態様では、冷却水ノズルへと供給される冷却水が流れる配管に設けられた、冷却水を供給する給水ヘッダーと、冷却水を排水する排水ヘッダーまたは排水エリアと、給水ヘッダーと排水ヘッダー又は排水エリアとの間で冷却水の流れを切り替える弁と、を備え、熱延鋼板の板幅方向の温度分布の測定結果に基づいて、弁の開閉を制御して幅分割冷却帯中に含まれる複数の分割冷却面への冷却水ノズルによる冷却水の衝突および非衝突を幅分割冷却帯毎に制御することにより、幅分割冷却帯の圧延方向全長での冷却を制御して、前記全冷却領域内の熱延鋼板の冷却制御としてもよい。
「板幅方向の全領域」とは、熱延鋼板2が搬送ロール18上において存在しうる領域を示す。「圧延方向の所定長さ」とは、少なくとも搬送ロール18の圧延方向ロール間ピッチ以上の長さである。「圧延方向ロール間1ピッチの長さ」とは、圧延方向において隣接する搬送ロールの軸同士の間の距離を意味する。「圧延方向の所定長さ」の長さは特に限定されることはないが、設備コストの観点からは20m以下程度が好ましい。具体的な長さは、下側幅方向制御冷却装置17の冷却能力と、熱延鋼板2の不均一温度分布の予測される態様から適宜決定すればよい。
全冷却領域A1を、板幅方向に複数に分割して得られる各々の冷却領域を「幅分割冷却帯A2」とする。図6に、鋼板搬送領域A1が6つの幅分割冷却帯A2に分割された一例を示す。図6に示す例では、技術の理解を容易にするため、幅分割冷却帯A2は板幅方向に6つ配列されているが、分割数はこれに限定されるものではない。板幅方向における幅分割冷却帯A2の数(すなわち分割数)は、特に限定されることはない。
図16に示す形態において、各冷却水ノズル20には、図示されていない配管が接続されており、この配管に三方弁が設けられている。三方弁は、配管に冷却水を供給する給水ヘッダーと冷却水を排出する排水ヘッダーとの間に設けられている。このような、1つの冷却水ノズル20に対して1つの三方弁が設けられる形態であっても、上記形態で得られる効果と同様の効果を奏することが可能である。この場合でも上記分割冷却面A3の考え方は図4で示した下側幅方向制御冷却装置17と同じである。

Claims (16)

  1. 熱間圧延工程の仕上圧延後に、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却装置であって、
    鋼板搬送領域の下面の板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される冷却領域を全冷却領域とし、前記全冷却領域を前記板幅方向で複数に分割して得られる各々の冷却領域である幅分割冷却帯と、
    前記幅分割冷却帯を前記圧延方向で複数に分割して得られる冷却領域である分割冷却面と、
    前記分割冷却面の各々の下面に冷却水を噴射する少なくとも1つの冷却水ノズルと、
    前記冷却水ノズルから噴射される冷却水の、前記分割冷却面への衝突および非衝突を切り替える切替装置と、
    前記板幅方向の温度分布を測定する幅方向温度計と、
    前記幅方向温度計の測定結果に基づいて、前記切替装置の動作を制御する制御装置と、
    が備えられることを特徴とする、熱延鋼板の冷却装置。
  2. 前記冷却水ノズルは、前記分割冷却面毎に対応した冷却水ノズルが一つ以上配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  3. 隣接する前記分割冷却面同士において、配置される前記冷却水ノズルの数が圧延方向で互いに異なることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  4. 前記幅分割冷却帯に含まれる前記分割冷却面それぞれの圧延方向長さが、圧延方向で互いに異なっていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の熱延鋼板の冷却装置。
  5. 前記分割冷却面の圧延方向長さは、前記搬送ロール間長さの倍数であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の熱延鋼板の冷却装置。
  6. 前記板幅方向における複数の前記冷却水ノズルの配置は、板幅方向に隣り合う前記冷却水ノズルの中心間距離がすべて等距離になるように配置されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の熱延鋼板の冷却装置。
  7. 同一の前記分割冷却面を冷却するための複数の前記冷却水ノズルが配置され、
    前記切替装置は、
    同一の前記分割冷却面に対する複数の前記冷却水ノズルの、同一の前記分割冷却面への冷却水の衝突および非衝突を切り替える切替制御系統を統合して同時に制御することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の熱延鋼板の冷却装置。
  8. 前記切替装置が、
    前記冷却水ノズルへと供給される冷却水が流れる配管に設けられた、冷却水を供給する給水ヘッダーと、
    前記冷却水を排水する排水ヘッダーまたは排水エリアと、
    前記給水ヘッダーと前記排水ヘッダー又は前記排水エリアとの間で前記冷却水の流れを切り替える弁と、を備える、請求項1乃至7のいずれかに記載の熱延鋼板の冷却装置。
  9. 前記弁は三方弁であり、搬送ロールの、板幅方向の側方に設けられるとともに、前記冷却水ノズルの先端と同じ高さに配置されていることを特徴とする、請求項8に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  10. 前記切替装置が、
    前記冷却水ノズルに供給される冷却水が流れる配管に設けられた、冷却水を供給する給水ヘッダーと、
    前記冷却水を排水する排水エリアと、
    前記冷却水ノズルから噴射されている前記冷却水の噴射方向を変える手段と、
    噴射方向変更時には冷却水が前記分割冷却面に衝突しないように遮蔽する手段と、を具備し、
    前記冷却水の噴射方向を変える手段により冷却水の、前記分割冷却面の下面への衝突および非衝突が切り替え可能とされている、請求項1乃至7のいずれかに記載の熱延鋼板の冷却装置。
  11. 前記幅方向温度計は、前記全冷却領域の圧延方向上流側および圧延方向下流側の少なくとも一方に設けられ、かつ、前記幅分割冷却帯毎に設けられることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の熱延鋼板の冷却装置。
  12. 前記幅方向温度計が、前記鋼板搬送領域の下面側に配置されていることを特徴とする、請求項11に記載の熱延鋼板の冷却装置。
  13. 熱間圧延工程の仕上圧延後に、搬送ロール上を搬送される熱延鋼板の下面を冷却する冷却方法であって、
    鋼板搬送領域の下面の板幅方向の全領域および圧延方向の所定長さで画定される冷却領域を全冷却領域とし、
    前記全冷却領域を前記板幅方向で複数に分割して得られる各々の冷却領域を幅分割冷却帯とし、
    前記幅分割冷却帯を前記圧延方向で複数に分割して得られる冷却領域を分割冷却面とし、
    前記熱延鋼板の前記板幅方向の温度分布を測定し、
    前記温度分布の測定結果に基づいて前記分割冷却面毎に冷却水ノズルによる前記熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を前記板幅方向および前記圧延方向のそれぞれにおいて制御することを特徴とする、
    熱延鋼板の冷却方法。
  14. 同一の前記分割冷却面に対して前記冷却水を噴射する前記冷却水ノズルが複数備えられ、当該複数の冷却水ノズルによる前記同一の分割冷却面に存する前記熱延鋼板への前記冷却水の衝突および非衝突を、前記複数の冷却水ノズルを統合して同時に制御することを特徴とする、請求項13に記載の熱延鋼板の冷却方法。
  15. 前記冷却水ノズルへと供給される冷却水が流れる配管に設けられた、冷却水を供給する給水ヘッダーと、
    前記冷却水を排水する排水ヘッダーまたは排水エリアと、
    前記給水ヘッダーと前記排水ヘッダー又は前記排水エリアとの間で前記冷却水の流れを切り替える弁と、を備え、
    前記熱延鋼板の前記板幅方向の温度分布の測定結果に基づいて、前記弁の開閉を制御して前記分割冷却面毎に前記冷却水ノズルによる前記熱延鋼板への冷却水の衝突および非衝突を前記板幅方向および前記圧延方向のそれぞれにおいて制御する、請求項13又は14に記載の熱延鋼板の冷却方法。
  16. 前記弁は三方弁であり、
    前記冷却水ノズルからの冷却水によって前記熱延鋼板の下面を冷却しない前記給水ヘッダーに対しては、当該冷却水ノズルからの冷却水が前記熱延鋼板の下面に衝突しない程度に出続けるように前記三方弁の開度を制御し、
    前記冷却水ノズルからの冷却水によって前記熱延鋼板の下面を冷却する前記給水ヘッダーに対しては、前記冷却水ノズルからの冷却水が前記熱延鋼板の下面に衝突するように前記三方弁の開度を制御することを特徴とする、請求項15に記載の熱延鋼板の冷却方法。
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