JPWO2018179169A1 - ラインパイプ用アズロール電縫鋼管 - Google Patents
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Abstract
Description
掘削された原油又は天然ガスを搬送するパイプラインは、このようなサワー環境に曝される。このため、パイプラインの製造に用いられるラインパイプ用鋼管に対し、サワー環境に対する耐性(耐サワー性)が求められている。
この点に関し、特許文献1では、耐サワー性として、耐HIC性のみが評価され、耐SSC性は評価されていない。このため、特許文献1のラインパイプ用溶接鋼管向け高強度熱延鋼板は、耐SSC性が低い場合がある。
その一方で、ラインパイプ用電縫鋼管を用いて形成されたパイプラインを敷設する際の、曲げ変形性及び座屈抑制の観点から、ラインパイプ用電縫鋼管に対し、強度が高すぎないこと(例えば、管軸方向の降伏強度で550MPa以下、管軸方向の引張強度で625MPa以下)も要求される。
<1> 母材部及び電縫溶接部を含み、
前記母材部の化学組成が、質量%で、
C: 0.01〜0.10%、
Si:0.01〜0.40%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0〜0.030%、
S :0〜0.0015%、
Al:0.010〜0.050%、
N :0.0030〜0.0080%、
Nb:0.010〜0.050%、
Ti:0.005〜0.020%、
Ni:0〜0.20%、
Mo:0〜0.20%、
Ca:0〜0.0050%、
Cr:0〜1.00%、
V :0〜0.100%、
Cu:0〜1.00%、
Mg:0〜0.0050%、
REM:0〜0.0100%、及び
残部:Fe及び不純物からなり、
前記母材部の金属組織において、ポリゴナルフェライトの面積率が80%〜98%であり、残部がベイナイト及びパーライトの少なくとも一方からなり、
管軸方向の降伏強度が415〜550MPaであり、管軸方向の引張強度が461〜625MPaであり、
前記母材部の内表層の最高ビッカース硬さが、248HV以下であり、かつ、前記母材部の外表層の最高ビッカース硬さよりも5HV以上小さい、ラインパイプ用アズロール電縫鋼管。
<2> 前記母材部の化学組成が、質量%で、
Ni:0%超0.20%以下、
Mo:0%超0.20%以下、
Ca:0%超0.0050%以下、
Cr:0%超1.00%以下、
V :0%超0.10%以下、
Cu:0%超1.00%以下、
Mg:0%超0.0050%以下、及び
REM:0%超0.0100%以下からなる群から選択される1種以上を含有する、<1>に記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。
<3> 前記母材部の化学組成が、質量%で、
Ni:0.001〜0.20%、及び、
Mo:0.1〜0.20%からなる群から選択される1種以上を含有する、<1>又は<2>に記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。
<4> 前記母材部の化学組成が、質量%で、
Ca:0.0005〜0.0050%を含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。
<5> 肉厚が10〜25mmであり、外径が114.3mm〜660.4mmである、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。
本明細書において、成分(元素)の含有量を示す「%」は、「質量%」を意味する。
本明細書において、母材部におけるC(炭素)の含有量を、「C含有量」と表記することがある。母材部における他の元素の含有量についても同様に表記することがある。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、アズロール電縫鋼管(As-rolled electric resistance welded steel pipe)とは、造管後、シーム熱処理以外の熱処理が施されていない電縫鋼管を指す。
本明細書において、「造管」とは、熱延鋼板をロール成形することによりオープン管とし、得られたオープン管の突合せ部を電縫溶接して電縫溶接部を形成するまでの過程を指す。
本明細書において、「ロール成形」とは、熱延鋼板を曲げ加工してオープン管状に成形することを指す。
ここで、熱影響部(heat affected zone;以下、「HAZ」とも称する)とは、電縫溶接による熱の影響(但し、電縫溶接後にシーム熱処理を行う場合には、電縫溶接及びシーム熱処理による熱の影響)を受けた部分を指す。
まず、ビッカース硬さの測定点として、電縫鋼管のC断面(即ち、管軸方向に対して垂直な断面)において、電縫鋼管の内周面からの深さが0.1mmである円周上に配列され、母材180°位置(即ち、電縫溶接部から管周方向に180°ずれた位置)を中心とする1mmピッチの9点を選定する。上記で選定された9点の測定点を含む試験片を電縫鋼管から採取する。試験片における9点の測定点の各々において、JIS Z2244(2009)に準拠し、試験力100gf(=0.98N)の条件で、試験方向を管軸方向として、ビッカース硬さを測定する。得られた9個の測定結果のうちの最大値を、母材部の内表層の最高ビッカース硬さとする。
即ち、母材部の内表層の最高ビッカース硬さは、概略的に言えば、母材部の内周面の近傍における最高ビッカース硬さである。
即ち、母材部の外表層の最高ビッカース硬さは、概略的に言えば、母材部の外周面の近傍における最高ビッカース硬さである。
しかし、HIC(水素誘起割れ)とSSC(硫化物応力腐食割れ)とでは、割れが発生する箇所が異なる。具体的には、HICは、主に、電縫鋼管の肉厚中央部において発生するのに対し、SSCは、主に、電縫鋼管の内周面を起点として発生する。より詳細には、SSCは、ラインパイプ用電縫鋼管の内周面に、湿潤な硫化水素を含有する流体(具体的には、原油又は天然ガス;以下、「サワー流体」ともいう)が接触している状態において、内周面を起点として発生する。
従って、耐HIC性に優れる電縫鋼管であっても、耐SSC性については劣る場合がある。
この点に関し、本開示の電縫鋼管では、YSが550MPa以下に、TSが625MPa以下に、それぞれ制限されている。これにより、耐SSC性が向上する。
これにより、電縫鋼管全体として、ある程度高い強度(具体的には、YS415MPa以上、かつ、TS461MPa以上)が確保される。
即ち、電縫鋼管は、熱延鋼板からなるホットコイルを原料とし、ホットコイルから巻き出された熱延鋼板を造管(即ち、ロール成形及び電縫溶接)することによって製造される。ホットコイルから巻き出された熱延鋼板の2つの表面のうちの一方(以下、「第1表面」ともいう)が電縫鋼管の外表面となり、上記2つの表面のうちの他方(以下、「第2表面」ともいう)が電縫鋼管の内表面となる。ここで、ホットコイルの製造プロセスは、熱間圧延、冷却、及び巻取りの各段階をこの順に含む。従来、この冷却は、冷却後の熱延鋼板の反りを抑制する観点又は生産性の観点から、熱間圧延によって得られた熱延鋼板の2つの表面をほぼ同等の冷却速度にて水冷することによって行っていた。かかる事情の下、従来の電縫鋼管において、母材部の内表層の最高ビッカース硬さと母材部の外表層の最高ビッカース硬さとは、ほぼ同等となっていた(即ち、「母材部の内表層の最高ビッカース硬さが、母材部の外表層の最高ビッカース硬さよりも5HV以上小さい」という条件を満足していなかった)。
本発明者等の以上の知見に基づき、本開示の電縫鋼管を完成させた。
また、母材部の化学組成、母材部の金属組織、及びアズロール電縫鋼管であることは、上記範囲のYS及び上記範囲のTSの達成にも寄与している。
以下、母材部の化学組成及び母材部の金属組織について説明する。
以下、母材部の化学組成について説明する。
Cは、鋼の強度を高める。C含有量が低すぎれば、この効果が得られない。従って、C含有量は0.01%以上である。C含有量は、好ましくは0.03%以上であり、より好ましくは0.04%以上である。
一方、C含有量が高すぎれば、炭化物が発生し、鋼の靭性及び延性が低下する。従って、C含有量は0.10%以下である。C含有量は、好ましくは0.09%であり、更に好ましくは0.08%以下である。
Siは、鋼を脱酸する。Si含有量が低すぎれば、この効果が得られない。従って、Si含有量は0.01%以上である。Si含有量は、好ましくは0.02%以上であり、更に好ましくは0.10%以上である。
一方、Si含有量が高すぎれば、鋼の靭性が低下する。従って、Si含有量は0.40%以下である。Si含有量は、好ましくは0.38%以下であり、より好ましくは0.35%以下である。
Mnは、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、この効果が得られない。従って、Mn含有量は0.50%以上である。Mn含有量は、好ましくは0.60%以上であり、より好ましくは0.80%以上である。
一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼の靭性及び耐SSC性が低下する。従って、Mn含有量は2.00%以下である。Mn含有量は、好ましくは1.80%以下であり、より好ましくは1.50%以下である。
Pは不純物である。Pは、粒界に偏析して粒界を脆化する。そのため、Pは鋼の靭性及び耐SSC性を低下する。従って、P含有量は少ない方が好ましい。具体的には、P含有量は0.030%以下である。P含有量は、好ましくは0.021%以下であり、より好ましくは0.015%以下であり、更に好ましくは0.010%以下である。
一方、P含有量は、0%であってもよい。脱燐コスト低減の観点から、P含有量は0%超であってもよく、0.001%以上であってもよい。
Sは不純物である。Sは、Mnと結合してMn系硫化物を形成する。Mn系硫化物は溶解しやすい。そのため、鋼の靭性及び耐SSC性が低下する。従って、S含有量はなるべく低い方が好ましい。具体的には、S含有量は、0.0015%以下である。S含有量は、好ましくは0.0010%以下であり、より好ましくは0.0008%以下である。
一方、S含有量は、0%であってもよい。脱硫コスト低減の観点から、S含有量は0%超であってもよく、0.0001%以上であってもよく、0.0003%以上であってもよい。
Alは、鋼を脱酸する。Al含有量が低すぎれば、この効果が得られない。従って、Al含有量は0.010%以上である。Al含有量は、好ましくは0.012%以上であり、より好ましくは0.013%以上である。
一方、Al含有量が高すぎれば、Al窒化物が粗大化し、鋼の靭性が低下する。従って、Al含有量は0.050%以下である。Al含有量は、好ましくは0.040%以下であり、より好ましくは0.035%以下であり、更に好ましくは0.030%以下である。
なお、本明細書におけるAl含有量は、鋼中の全Alの含有量を意味する。
Nは、固溶強化により鋼の強度を高める。N含有量が低すぎれば、この効果が得られない。従って、N含有量は、0.0030%以上である。
一方、N含有量が高すぎれば、炭窒化物を粗大化し、耐SSC性が低下する。従って、N含有量は、0.0080%以下である。N含有量は、好ましくは0.0070%以下であり、より好ましくは0.0060%以下であり、更に好ましくは0.0040%以下である。
Nbは、鋼中のCやNと結合して微細なNb炭窒化物を形成する。微細なNb炭窒化物は、分散強化により鋼の強度を高める。Nb含有量が低すぎれば、この効果が得られない。従って、Nb含有量は、0.010%以上である。Nb含有量は、好ましくは0.020%以上であり、より好ましくは0.030%以上である。
一方、Nb含有量が高すぎれば、Nb炭窒化物が粗大化し、鋼の耐SSC性が低下する。更に、Nb含有量が高すぎれば、電縫溶接部の靭性が低下する。従って、Nb含有量は、0.050%以下である。Nb含有量は、好ましくは0.045%以下であり、より好ましくは0.040%以下である。
Tiは、鋼中のNと結合してTi窒化物及び/又はTi炭窒化物を形成する。Ti窒化物及び/又はTi炭窒化物は、鋼の結晶粒を微細化する。Ti含有量が低すぎれば、この効果が得られない。従って、Ti含有量は、0.005%以上である。Ti含有量は、好ましくは0.007%以上であり、より好ましくは0.010%以上である。
一方、Ti含有量が高すぎれば、粗大なTi窒化物及び/又はTi炭窒化物が形成される。そのため、鋼の耐SSC性が低下する。従って、Ti含有量は、0.020%以下である。Ti含有量は、好ましくは0.018%以下であり、より好ましくは0.016%以下である。
Niは、任意元素であり、含有されなくてもよい。即ち、Ni含有量は0%であってもよい。
Niが含有される場合、Niは、固溶強化により鋼の強度を高める。Niは更に、鋼の靭性を高める。これらの効果の観点から、Ni含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましは0.001%以上であり、より好ましくは0.005%以上であり、更に好ましは0.01%以上であり、更に好ましくは0.05%以上である。
一方、Ni含有量が高すぎると、鋼の溶接性が低下する。従って、Ni含有量は、0.20%以下である。Ni含有量は、好ましくは0.18%以下であり、更に好ましくは0.15%以下である。
Moは、任意元素であり、含有されなくてもよい。即ち、Mo含有量は0%であってもよい。
Moが含有される場合、Moは、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。更に、Moのミクロ偏析は生じにくいため、中心偏析に起因するHICの発生が抑制される。これらの効果の観点から、Mo含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましくは0.10%以上であり、更に好ましくは0.12%以上である。
一方、Moは高価であるため、Moが過剰に含有されると、製造コストが増大する。従って、Mo含有量は0.20%以下である。Mo含有量は、好ましくは0.18%以下であり、より好ましくは0.15%以下である。
Caは、任意元素であり、含有されなくてもよい。即ち、Ca含有量は0%であってもよい。
Caが含有される場合、Caは、SSCの発生起点となるMnSの形態を球状にし、SSCの発生を抑制する。Caは更に、CaSを形成し、MnSの生成を抑制する。これらの効果の観点から、Ca含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましくは0.0005%以上であり、更に好ましくは0.0010%以上であり、更に好ましくは0.0020%以上である。
一方、Ca含有量が高すぎると、その効果は飽和し、製造コストが増加する。従って、Ca含有量は0.0050%以下である。Ca含有量は、好ましくは0.0045%以下である。
Crは、任意の元素であり、含有されなくてもよい。即ち、Cr含有量は0%であってもよい。
Crが含有される場合、Crは、焼入れ性の向上に寄与する。かかる効果の観点から、Cr含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましくは0.01%以上である。
一方、Cr含有量が高すぎると、電縫溶接部に生成したCr系介在物により電縫溶接部の靭性が劣化するおそれがある。従って、Cr含有量は、1.00%以下である。Cr含有量は、好ましくは0.50%以下であり、より好ましくは0.30%以下であり、更に好ましくは0.20%以下である。
Vは、任意の元素であり、含有されなくてもよい。即ち、V含有量は0%であってもよい。
Vが含有される場合、Vは、靭性の向上に寄与する。かかる効果の観点から、V含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましくは0.001%以上であり、更に好ましくは0.005%以上である。
一方、V含有量が高すぎると、V炭窒化物により靭性が劣化するおそれがある。従って、V含有量は0.100%以下である。V含有量は、好ましくは0.070%以下であり、より好ましくは0.050%以下であり、更に好ましくは0.030%以下である。
Cuは、任意の元素であり、含有されなくてもよい。即ち、Cu含有量は0%であってもよい。
Cuが含有される場合、Cuは、母材部の強度向上に寄与する。かかる効果の観点から、Cu含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましくは0.01%以上であり、更に好ましくは0.05%以上である。
一方、Cu含有量が高すぎると、微細なCu粒子を生成し、靭性を著しく劣化させるおそれがある。従って、Cu含有量は、1.00%以下である。Cu含有量は、好ましくは0.70%以下であり、より好ましくは0.50%以下であり、更に好ましくは0.30%以下である。
Mgは、任意の元素であり、含有されなくてもよい。即ち、Mg含有量は0%であってもよい。
Mgが含有される場合、Mgは、脱酸剤及び脱硫剤として機能する。また、微細な酸化物を生じて、HAZの靭性の向上にも寄与する。これらの効果の観点から、Mg含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましくは0.0001%以上であり、更に好ましくは0.0010%以上である。
一方、Mg含有量が高すぎると、酸化物が凝集又は粗大化し易くなり、その結果、耐HIC性の低下、又は、母材部若しくはHAZの靱性の低下がおこるおそれがある。従って、Mg含有量は0.0050%以下である。Mg含有量は、好ましくは0.0030%以下である。
REMは、任意の元素であり、含有されなくてもよい。即ち、REM量は0%であってもよい。
ここで、「REM」は希土類元素、即ち、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuからなる群から選択される少なくとも1種の元素を指す。
REMが含有される場合は、REMは、脱酸剤及び脱硫剤として機能する。かかる効果の観点から、REM含有量は、好ましくは0%超であり、より好ましくは0.0001%以上であり、更に好ましくは0.0010%以上である。
一方、REMが高すぎると、粗大な酸化物を生じ、その結果、耐HIC性の低下、又は、母材部若しくはHAZの靱性の低下をもたらすおそれがある。従って、REM含有量は0.0100%以下である。REM含有量は、好ましくは0.0070%以下であり、より好ましくは0.0050%以下である。
各任意元素のより好ましい量については、それぞれ前述したとおりである。
母材部の化学組成において、上述した各元素を除いた残部は、Fe及び不純物である。
ここで、不純物とは、原材料(例えば、鉱石、スクラップ、等)に含まれる成分、または、製造の工程で混入する成分であって、意図的に鋼に含有させたものではない成分を指す。
不純物としては、上述した元素以外のあらゆる元素が挙げられる。不純物としての元素は、1種のみであっても2種以上であってもよい。
不純物として、例えば、O、B、Sb、Sn、W、Co、As、Pb、Bi、Hが挙げられる。
上述した元素のうち、Oは、含有量0.006%以下となるように制御することが好ましい。
また、その他の元素について、通常、Sb、Sn、W、Co、及びAsについては含有量0.1%以下の混入が、Pb及びBiについては含有量0.005%以下の混入が、Bについては含有量0.0003%以下の混入が、Hについては含有量0.0004%以下の混入が、それぞれあり得るが、その他の元素の含有量については、通常の範囲であれば、特に制御する必要はない。
本開示の電縫鋼管は、母材部の金属組織において、ポリゴナルフェライトの面積率(以下、「フェライト分率」ともいう)が80〜98%であり、残部がベイナイト及びパーライトの少なくとも一方からなる。
フェライト分率が80%以上であることにより、YS550MPa以下及びTS625MPa以下が達成され得る。フェライト分率は、好ましくは81%以上であり、より好ましくは82%以上である。
一方、フェライト分率が98%以下であることにより、YS415MPa以上及びTS461MPa以上が達成され得る。フェライト分率は、好ましくは97%以下であり、より好ましくは95%以下である。
本明細書における「ベイナイト」の概念には、ベイニティックフェライト、上部ベイナイト及び下部ベイナイトが包含される。
本明細書における「パーライト」の概念には、擬似パーライトが包含される。
本開示の電縫鋼管(アズロール電縫鋼管)とは異なり、造管後、シーム熱処理以外の熱処理が施されて形成された電縫鋼管では、母材部の金属組織として、マルテンサイトが形成される場合がある。この場合の電縫鋼管は、耐SSC性に劣る。
母材180°位置のL断面における肉厚中央部の金属組織をナイタールエッチングし、ナイタールエッチング後の金属組織の写真(以下、「金属組織写真」ともいう)を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて500倍の倍率で観察することにより行う。ここで、金属組織写真は、500倍の視野で10視野分(断面の実面積として0.48mm2分)撮影する。撮影した金属組織写真を画像処理することにより、フェライト分率の測定及び残部の特定を行う。画像処理は、例えば(株)ニレコ製の小型汎用画像解析装置LUZEX APを用いて行う。
図1のSEM写真(500倍)は、後述の試験番号22において、フェライト分率の測定及び残部の特定に用いたSEM写真のうちの一枚(1視野)である。
図1及び図2に示すように、この一例に係る金属組織は、ポリゴナルフェライトを主体とし、残部がパーライトである金属組織である。
より詳細には、ポリゴナルフェライトの粒界にセメンタイトが析出していないこと、及び、残部におけるパーライト内の層状セメンタイトが分断されていないことから、造管後、熱処理が施されていない金属組織(即ち、アズロール電縫鋼管の金属組織)であることがわかる。
アズロール電縫鋼管は、管軸方向引張試験を行った場合に降伏伸びが観測されない。
これに対し、造管後、熱処理が施された電縫鋼管は、管軸方向引張試験を行った場合に降伏伸びが観測される。
本開示の電縫鋼管において、母材部の内表層の最高ビッカース硬さは248HV以下であり、かつ、母材部の内表層のビッカース硬さは、母材部の外表層の最高ビッカース硬さよりも5HV以上小さい。
母材部の内表層の最高ビッカース硬さ及び母材部の外表層の最高ビッカース硬さは、それぞれ前述したとおりである。
以下、母材部の外表層の最高ビッカース硬さから母材部の内表層のビッカース硬さを差し引いた差(即ち、母材部の外表層の最高ビッカース硬さ−母材部の内表層のビッカース硬さ)を、「外内硬さ差」ともいう。
例えば、以下では、「母材部の内表層のビッカース硬さは、母材部の外表層の最高ビッカース硬さよりも5HV以上小さい」ことを、「外内硬さ差が5HV以上である」ともいう。
内表層の最高ビッカース硬さの下限は特に限定されない。電縫鋼管の強度(即ち、YS及びTS)をより向上させる観点から、内表層の最高ビッカース硬さは、好ましくは175HV以上であり、より好ましくは180HV以上であり、更に好ましくは185HV以上である。
外内硬さ差の上限は特に制限はない。外内硬さ差は、電縫鋼管の製造適性の観点から、好ましくは20HV以下であり、より好ましくは15HV以下であり、更に好ましくは10HV以下である。
母材部の外表層の最高ビッカース硬さは、好ましくは180MPa〜250MPaであり、より好ましくは210MPa〜230MPaである。
本開示の電縫鋼管では、母材部だけでなく電縫溶接部においても、内表層の最高ビッカース硬さが外表層の最高ビッカース硬さよりも5HV以上低くなっていてもよい。
例えば、後述する製法Aによって電縫鋼管を製造した場合には、電縫溶接部においても、内表層の最高ビッカース硬さが外表層の最高ビッカース硬さよりも5HV以上低くなる場合がある。
本開示の電縫鋼管は、管軸方向の降伏強度(YS)が415〜550MPaである。
YSが415MPa以上であることにより、ラインパイプ用電縫鋼管としての強度が確保される。YSは、好ましくは430MPa以上である。
一方、YSが550MPa以下であること(即ち、YSが高すぎないこと)により、耐SSC性向上の点、又は、ラインパイプ用電縫鋼管を用いて形成されたパイプラインを敷設する際の、曲げ変形性若しくは座屈抑制の点で有利である。YSは、好ましくは530MPa以下である。
本開示の電縫鋼管は、管軸方向の引張強度(TS)が461〜625MPaである。
TSが461MPa以上であることにより、ラインパイプ用電縫鋼管としての強度が確保される。TSは、好ましくは500MPa以上であり、より好ましくは510MPa以上である。
一方、TSが625MPa以下であること(即ち、TSが高すぎないこと)により、耐SSC性向上の点、又は、ラインパイプ用電縫鋼管を用いて形成されたパイプラインを敷設する際の、曲げ変形性若しくは座屈抑制の点で有利である。TSは、好ましくは620MPa以下である。
電縫鋼管の母材90°位置から全厚の引張試験片を採取する。詳細には、引張試験片は、この引張試験片の長手方向が電縫鋼管の管軸方向に対して平行となり、かつ、引張試験片の横断面(即ち、引張試験片の幅方向及び厚さ方向に対して平行な断面)の形状が円弧状となるように採取する。
図3は、引張試験に用いる引張試験片の概略正面図である。
図3中の数値の単位は、mmである。
図3に示すように、引張試験片の平行部の長さは50.8mmとし、平行部の幅は38.1mmとする。
この引張試験片を用いて、API規格の5CTの規定に準拠して、常温にて引張試験を実施する。試験結果に基づいて、YS及びTSを求める。
本開示の電縫鋼管は、管軸方向の降伏比(YR=(YS/TS)×100)が、95%以下であることが好ましい。
YRが95%以下であると、ラインパイプ用電縫鋼管を用いて形成されたパイプラインを敷設する際の座屈抑制の点で有利である。
本開示の電縫鋼管の肉厚は、好ましくは10〜25mmである。
肉厚は、より好ましくは12mm以上である。
肉厚が25mm以下であると、電縫鋼管の製造適性(詳細には、熱延鋼板を管状に成形する際の成形性)の点で有利である。肉厚は、より好ましくは20mm以下である。
本開示の電縫鋼管の外径は、好ましくは114.3〜660.4mm(即ち、4.5〜26インチ)である。
外径は、好ましくは152.4mm(即ち、6インチ)以上であり、より好ましくは254mm(即ち、10インチ)以上である。
外径は、好ましくは609.6mm(即ち、24インチ)以下であり、より好ましくは508mm(即ち、20インチ)以下である。
本開示の電縫鋼管を製造する方法の一例として、以下の製法Aが挙げられる。
製法Aは、
前述した化学組成を有するスラブを準備する準備工程と、
準備したスラブを加熱し、加熱されたスラブを熱間圧延して熱延鋼板を得る熱延工程と、
熱延鋼板の第1表面を冷却速度V1にて冷却し、かつ、熱延鋼板の第1表面とは反対側の第2表面を、冷却速度V1よりも遅い冷却速度V2にて冷却する冷却工程と、
冷却された熱延鋼板を巻取ることにより、熱延鋼板からなるホットコイルを得る巻取り工程と、
ホットコイルから熱延鋼板を巻き出し、巻き出された熱延鋼板を、第1表面が外周面となり、かつ、第2表面が内表面となる方向に、ロール成形することによりオープン管とし、得られたオープン管の突合せ部を電縫溶接して電縫溶接部を形成することにより、電縫鋼管を得る造管工程と、
を含む。
製法Aにおいて、スラブを準備する工程は、上述の化学組成を有するスラブを準備する工程である。
スラブを準備する工程は、スラブを製造する工程であってもよいし、予め製造されていたスラブを単に準備するだけの工程であってもよい。
スラブを製造する場合、例えば、上述の化学組成を有する溶鋼を製造し、製造した溶鋼を用いて、スラブを製造する。この際、連続鋳造法によりスラブを製造してもよいし、溶鋼を用いてインゴットを製造し、インゴットを分塊圧延してスラブを製造してもよい。
製法Aにおいて、熱延工程は、上記で準備したスラブを加熱し、加熱されたスラブを熱間圧延して熱延鋼板を得る工程である。
スラブを加熱する際の加熱温度は、1100〜1250℃が好ましい。
加熱温度が1100℃以上であると、熱間圧延中の結晶粒の微細化及び熱間圧延後の析出強化をより進行させ易く、その結果、鋼の強度をより向上させ易い。
加熱温度が1250℃以下であると、オーステナイト粒の粗大化をより抑制できるので、結晶粒を微細化させ易く、その結果、鋼の強度をより向上させ易い。
スラブの加熱は、例えば、加熱炉によって行う。
熱間圧延は、好ましくは、仕上げ圧延終了温度(以下、「仕上げ圧延温度」ともいう)が780〜830℃である条件で行うことが好ましい。
熱間圧延は、一般に、粗圧延機及び仕上げ圧延機を用いて行う。粗圧延機及び仕上げ圧延機ともに、一般に、一列に並んだ複数の圧延スタンドを備え、各圧延スタンドはロール対を備える。この場合、仕上げ圧延温度(即ち、仕上げ圧延終了温度)は、仕上げ圧延機の最終スタンドの出側での熱延鋼板の表面温度である。
また、仕上げ圧延温度が780℃以上であると、フェライト及びオーステナイトの二相域で圧延される現象が抑制され、この現象に伴う、層状組織の形成及び機械的性質の低下を抑制できる。
一方、仕上げ圧延温度が830℃以下であると、鋼が硬くなりすぎる現象が抑制されるので、得られる電縫鋼管のYS及び/又はTSが高くなりすぎる現象が抑制される。
冷却工程は、熱延鋼板の第1表面を冷却速度V1にて冷却し、かつ、熱延鋼板の第1表面とは反対側の第2表面を、冷却速度V1よりも遅い冷却速度V2にて冷却する工程である。
冷却工程では、第1表面を上面(重力の方向に対して反対側の面。以下同じ。)とし且つ第2表面を下面(重力の方向の面。以下同じ。)としてもよいし、第1表面を下面とし且つ第2表面を上面としてもよい。
この場合、熱間圧延直後に熱延鋼板を水冷してもよいし、熱間圧延直後の熱延鋼板を一旦空冷してから水冷してもよい。
〔式(1)中、V1は、冷却速度V1(℃/s)を表し、V2は、冷却速度V2(℃/s)を表す〕
巻取り工程は、冷却工程で冷却された熱延鋼板を巻取ることにより、熱延鋼板からなるホットコイルを得る工程である。
巻取り開始時の熱延鋼板の表面温度(以下、「巻取り温度」ともいう)は、620℃以下であることが好ましく、600℃以下であることがより好ましい。
巻取り温度が620℃以下であると、結晶粒の粗大化をより抑制できるので、鋼の強度をより向上させることができる
巻取り温度の下限は特に限定されない。
生産性の観点から、巻取り温度は、500℃以上であることが好ましく、530℃以上であることがより好ましい。
造管工程は、ホットコイルから熱延鋼板を巻き出し、巻き出された熱延鋼板を、第1表面が外周面となり、かつ、第2表面が内表面となる方向に、ロール成形することによりオープン管とし、得られたオープン管の突合せ部を電縫溶接して電縫溶接部を形成することにより、電縫鋼管を得る工程である。
造管工程は、第1表面が外周面となり、かつ、第2表面が内表面となる方向に、ロール成形すること以外は、公知の方法に従って行うことができる。
図4に示されるように、ホットコイルから巻き出された熱延鋼板を、第1表面が外周面1となり、第2表面が内周面2となる方向に、成形ロール(不図示)を用いてロール成形してオープン管とする。このオープン管の突合せ部3を、給電子60と溶接ロール70とを用いて電縫溶接することにより、電縫鋼管200を得る。
その他の工程としては、造管工程後、電縫鋼管の電縫溶接部をシーム熱処理する工程、造管工程後、電縫鋼管の形状をサイジングロールによって調整する工程、等が挙げられる。
前述した製法Aに従い、各試験番号の電縫鋼管を製造した。
詳細を以下に示す。
表1に示す鋼A〜鋼Oの化学組成を有する溶鋼を連続鋳造してスラブを製造した。鋼LにおけるREMは、具体的には、Ceである。
ここで、スラブを加熱する際の加熱温度、熱間圧延における仕上げ圧延温度、熱延鋼板を水冷する際の冷却速度(V1及びV2)、及び水冷された熱延鋼板を巻取る際の巻取り温度は、それぞれ、表2に示すとおりである。
熱延鋼板の水冷は、熱延鋼板の上面(即ち、第1表面)及び下面(即ち、第2表面)に対し、それぞれ、水冷シャワーを吹き付けることによって行った。このとき、上面に対する水冷シャワーの水流密度及び下面に対する水冷シャワーの水流密度を、それぞれ調整することにより、V1及びV2が表2に示す値となるように調整した。
なお、従来の標準的な水冷の条件は、試験番号12(比較例)の条件である。
上記ホットコイルから熱延鋼板を巻き出し、巻き出された熱延鋼板を、第1表面が外周面となり、かつ、第2表面が管の内周面となる方向に、ロール成形することによりオープン管とし、得られたオープン管の突合せ部を電縫溶接して電縫溶接部を形成して電縫鋼管(以下、「形状調整前の電縫鋼管」ともいう)を得た。次いで、形状調整前の電縫鋼管の電縫溶接部をシーム熱処理し、次いでサイジングロールによって形状を調整することにより、外径406.4mm、肉厚15.9mmの電縫鋼管(即ち、アズロール電縫鋼管)を得た。
なお、以上の製造工程は、鋼の化学組成に影響を及ぼさない。従って、得られた電縫鋼管の母材部の化学組成は、原料である溶鋼の化学組成と同一とみなせる。
各試験番号におけるサイジングロールによる形状調整後の電縫鋼管に対し、以下の測定及び評価を行った。
結果を表2に示す。
前述した方法により、フェライト分率(以下、「F分率」ともいう)を測定し、残部の種類を確認した。
表2中、「B」はベイナイトを意味し、「P」はパーライトを意味し、「M」はマルテンサイトを意味する。
前述した測定方法に基づき、母材部の内表層の最高ビッカース硬さ(HV)及び母材部の外表層の最高ビッカース硬さ(HV)をそれぞれ測定した。
測定結果に基づき、下記式により、外内硬さ差を算出した。
外内硬さ差(HV) = 母材部の外表層の最高ビッカース硬さ(HV)−母材部の内表層の最高ビッカース硬さ(HV)
前述した測定方法に基づき、電縫鋼管の管軸方向のYS(MPa)及びTS(MPa)をそれぞれ測定した。
なお、YS及びTSの測定における管軸方向の引張試験において、試験番号16(比較例)では、降伏伸びが観測されたが、その他の試験番号では、いずれも降伏伸びが観測されなかった。
電縫鋼管の母材180°位置から、120mm(管周方向)×25mm(管軸方向)のサイズの全厚の試験片を採取した。
採取した試験片に対し、EFC(European Federation of Corrosion Publications) No.16 Method B(4点曲げ試験)に従ってYSの90%に相当する荷重を負荷した状態で、この試験片を以下の試験浴に720時間浸漬した。試験浴としては、塩化ナトリウム5質量%及び酢酸ナトリウム0.4質量%を含む水溶液に硫化水素ガスを飽和させた液体を用いた。浸漬時の試験浴の温度は、常温(23℃)とした。
浸漬開始から720時間経過後、試験片が破断したか否かを確認した。確認した結果、試験片に破断が観察されなかった場合を「A」(即ち、その鋼の耐SSC性は高い)と判断し、試験片に破断が観察された場合を「B」(即ち、その鋼の耐SSC性は低い)と判断した。
また、試験番号16(比較例)でも、耐SSC性が劣化した。この理由は、造管後に焼戻しを行ったために、母材部の金属組織にマルテンサイトが含まれたためと考えられる。
試験番号9、10、及び15は、いずれも、TS及びYSが上限を超過した比較例であり、試験番号25及び26は、TS及びYSが下限を下回った比較例である。
試験番号26(比較例)では、母材部の内表層の最高ビッカース硬さが248HV以下であるが外内硬さ差が5HV未満であることにより、耐SSC性には優れるが、TS及びYSが下限を下回った。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (5)
- 母材部及び電縫溶接部を含み、
前記母材部の化学組成が、質量%で、
C: 0.01〜0.10%、
Si:0.01〜0.40%、
Mn:0.50〜2.00%、
P :0〜0.030%、
S :0〜0.0015%、
Al:0.010〜0.050%、
N :0.0030〜0.0080%、
Nb:0.010〜0.050%、
Ti:0.005〜0.020%、
Ni:0〜0.20%、
Mo:0〜0.20%、
Ca:0〜0.0050%、
Cr:0〜1.00%、
V :0〜0.100%、
Cu:0〜1.00%、
Mg:0〜0.0050%、
REM:0〜0.0100%、及び
残部:Fe及び不純物からなり、
前記母材部の金属組織において、ポリゴナルフェライトの面積率が80%〜98%であり、残部がベイナイト及びパーライトの少なくとも一方からなり、
管軸方向の降伏強度が415〜550MPaであり、管軸方向の引張強度が461〜625MPaであり、
前記母材部の内表層の最高ビッカース硬さが、248HV以下であり、かつ、前記母材部の外表層の最高ビッカース硬さよりも5HV以上小さい、ラインパイプ用アズロール電縫鋼管。 - 前記母材部の化学組成が、質量%で、
Ni:0%超0.20%以下、
Mo:0%超0.20%以下、
Ca:0%超0.0050%以下、
Cr:0%超1.00%以下、
V :0%超0.10%以下、
Cu:0%超1.00%以下、
Mg:0%超0.0050%以下、及び
REM:0%超0.0100%以下からなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1に記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。 - 前記母材部の化学組成が、質量%で、
Ni:0.001〜0.20%、及び、
Mo:0.1〜0.20%からなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1又は請求項2に記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。 - 前記母材部の化学組成が、質量%で、
Ca:0.0005〜0.0050%を含有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。 - 肉厚が10〜25mmであり、外径が114.3mm〜660.4mmである、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のラインパイプ用アズロール電縫鋼管。
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