JP6596971B2 - 耐食性に優れたボイラー用曲げ電縫鋼管 - Google Patents
耐食性に優れたボイラー用曲げ電縫鋼管 Download PDFInfo
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鋼管の厚さ方向の断面全域において硬さが250Hv以下であり、
上記鋼管の厚さ方向において、外表面側の硬さと内表面側の硬さの差が50Hv以下である
ことを特徴とする耐食性に優れたボイラー用曲げ電縫鋼管。
鋼管の厚さ方向の断面全域において硬さが250Hv以下であり、
上記鋼管の厚さ方向において、外表面側の硬さと内表面側の硬さの差が50Hv以下である
ことを特徴とする。
ことを特徴とする。
Cは、鋼管としての強度を確保するとともに、高周波焼入れ性を確保するのに必要な元素である。0.10%未満では、最終製品の強度が不足し、また、高周波焼入れ性も確保できないので、Cは0.10%以上とする。好ましくは0.15%以上である。一方、0.50%を超えると、造管時の冷間加工性の低下、さらに、溶接性の低下を招くので、Cは0.50%以下とする。好ましくは0.45%以下である。
Siは、固溶強化により強度の向上に寄与する元素である。しかし、0.35%を超えると、冷間加工性が低下するので、Siは0.35%以下とする。好ましくは0.25%以下である。下限は0%を含むが、Siを極力低減すると、製造コストが上昇するので、実用鋼上、0.01%程度が実質的な下限である。
Mnは、高周波焼入れ性の確保に有効な元素である。0.30%未満では、添加効果が十分に発現しないので、Mnは0.30%以上とする。好ましくは0.50%以上である。一方、1.50%を超えると、造管時の冷間加工性の低下を招くので、Mnは1.50%以下とする。好ましくは1.40%以下である。
Caは、母材及び電縫溶接部における介在物の形態を制御し、冷間加工性の向上に寄与する元素である。0.0001%未満では、添加効果が発現しないので、Caは0.0001%以上とする。好ましくは0.0005%以上である。一方、0.0050%を超えると、介在物が増加し冷間加工性が低下するので、Caは0.0050%以下とする。好ましくは0.0040%以下である。
Sは、Mnと結合して、冷間加工時、割れの起点となり得るMnSを形成する元素である。このため、Sは、少ない程好ましく、0.005%以下とする。好ましくは0.003%以下である。下限は0%を含むが、Sを極力低減すると、製造コストが上昇するので、実用鋼上、0.0001%程度が実質的な下限である。
Pは、鋼中に不可避的に残留する元素である。0.02%を超えると、粒界偏析や中心偏析を起こし、延性の低下を招くので、Pは0.02%以下とする。好ましくは0.015%以下である。下限は0%を含むが、Pを極力低減すると、製造コストが上昇するので、実用鋼上、0.001%程度が実質的な下限である。
Alは、脱酸元素である。脱酸後0.05%を超えて残留すると、アルミナ系酸化物が粗大化し、冷間加工性の低下を招くので、Alは0.05%以下とする。好ましくは0.03%以下である。下限は0%を含むが、Alを極力低減すると、製造コストが上昇するので、実用鋼上、0.001%程度が実質的な下限である。
Nは、鋼中に不可避的に残留し、窒化物を形成する元素である。0.01%を超えて残留すると、粗大な窒化物が生成し冷間加工性が低下する可能性があるので、Nは0.01%以下とする。好ましくは0.005%以下である。下限は0%を含むが、Nを極力低減すると、製造コストが上昇するので、実用鋼上、0.001%程度が実質的な下限である。
Oは、脱酸後も鋼中に不可避的に残留する元素である。0.01%を超えて残留すると、粗大な酸化物が生成し冷間加工性が低下する可能性があるので、Oは0.01%以下とする。好ましくは0.003%以下である。下限は0%を含むが、Oを極力低減すると、製造コストが上昇するので、実用鋼上、0.001%程度が実質的な下限である。
Crは、高周波焼入れ性の確保に有効な元素である。0.05%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.05%以上とする。好ましくは0.10%以上である。一方、1.00%を超えると、硬さが上昇し、冷間加工性の低下を招くので、1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下である。
Moは、高周波焼入れ性の確保に有効な元素である。0.05%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.05%以上とする。好ましくは0.10%以上である。一方、1.00%を超えると、硬さが上昇し、冷間加工性の低下を招くので、1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下である。
Niは、高周波焼入れ性の確保に有効な元素である。0.10%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.10%以上とする。好ましくは0.15%以上である。一方、2.00%を超えると、硬さが上昇し、冷間加工性の劣化を招くので、2.00%以下とする。好ましくは1.50%以下である。
Cuは、高周波焼入れ性の確保に有効な元素である。0.10%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.10%以上とする。好ましくは0.12%以上である。一方、2.00%を超えると、硬さが上昇し、冷間加工性の劣化を招くので、2.00%以下とする。好ましくは1.50%以下である。
Tiは、Nとの親和力が強いので、B添加によるBNの析出を防止し、固溶Bの確保に寄与する元素である。Tiは、B添加の場合に必要に応じて添加するが、0.01%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.01%以上とする。好ましくは0.015%以上である。一方、0.20%を超えると、TiCの析出硬化が顕著となり、冷間加工性の劣化を招くので、0.20%以下とする。好ましくは0.05%以下である。
Nbは、焼入れ性の確保に必要な元素である。0.005%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.005%以上とする。好ましくは0.010%以上である。一方、0.10%を超えると、NbCNによる析出硬化が顕著となり、冷間加工性や靭性の劣化を招くので、0.10%以下とする。好ましくは0.05%以下である。
Vは、焼入れ性の確保に必要な元素である。0.005%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.005%以上とする。好ましくは0.010%以上である。一方、0.10%を超えると、VCNによる析出硬化が顕著となり、冷間加工性や靭性の劣化を招くので、0.10%以下とする。好ましくは0.05%以下である。
Bは、高周波焼入れ性の確保に有効な元素である。0.0005%未満では、添加効果が十分に発現しないので、0.0005%以上とする。好ましくは0.0010%以上である。一方、0.0030%を超えると、粒界脆化を招く場合があるので、0.0030%以下とする。好ましくは0.0020%以下である。
Mgは、脱酸元素であり、MnSの析出核になり、MnSの微細均一分散に寄与する酸化物を生成する元素である。しかし、0.0050%を超えると、歩留りが悪くなるばかりで添加効果は飽和するので、0.0050%以下とする。好ましくは0.0030%以下である。下限は0%を含むが、添加効果を確実に得る点で、0.0005%以上が好ましい。
鋼帯を連続的に管状に成形し、管状鋼帯の端部を高周波溶接によって溶接し、その後、Ac3変態点以上に再加熱して電縫鋼管を製造した。表1に、製造した電縫鋼管の成分組成を示す。表1において、発明鋼管は、成分組成が、本発明鋼管の成分組成の範囲内の鋼管で、比較鋼管は、成分組成が、本発明鋼管の成分組成の範囲外の鋼管である。
Claims (3)
- 成分組成が、質量%で、
C :0.10〜0.50%、
Si:0.35%以下、
Mn:0.30〜1.50%、
Ca:0.0001〜0.0050%、
S :0.005%以下、
P :0.02%以下、
Al:0.05%以下、
N :0.01%以下、
O :0.01%以下、
残部:Fe及び不可避的不純物からなり、
鋼管の厚さ方向の断面全域において硬さが250Hv以下であり、
上記鋼管の厚さ方向において、外表面側の硬さと内表面側の硬さの差が50Hv以下である
ことを特徴とする耐食性に優れたボイラー用曲げ電縫鋼管。 - 前記成分組成が、更に、質量%で、
Cr:0.05〜1.00%、
Mo:0.05〜1.00%、
Ni:0.10〜2.00%、
Cu:0.10〜2.00%、
Nb:0.005〜0.10%
V :0.005〜0.10%
Ti:0.01〜0.20%、
B :0.0005〜0.0030%、及び、
Mg:0.0050%以下の一種又は二種以上を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の耐食性に優れたボイラー用曲げ電縫鋼管。 - 請求項1又は2に記載の成分組成を有するボイラー用電縫鋼管を、冷間加工又は熱間加工によって所定の形状に曲げ、鋼管の厚さ方向の断面全域において硬さが250Hv以下で、ボイラー用曲げ電縫鋼管の厚さ方向において、外表面側の硬さと内表面側の硬さの差が50Hv以下であるボイラー用曲げ電縫鋼管を製造することを特徴とする耐食性に優れたボイラー用曲げ電縫鋼管の製造方法。
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JP2015126989A JP6596971B2 (ja) | 2015-06-24 | 2015-06-24 | 耐食性に優れたボイラー用曲げ電縫鋼管 |
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