JP7323797B2 - ラインパイプ用電縫鋼管、及び、ラインパイプ用熱延鋼板 - Google Patents
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Description
母材部と電縫溶接部とを備えるラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記母材部の化学組成は、質量%で、
C:0.060超~0.120%、
Si:0.05~0.30%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0~0.030%、
S:0~0.0100%、
Al:0.010~0.035%、
N:0.0010~0.0080%、
Nb:0.010~0.080%、
Ti:0.005~0.030%、
Mo:0.05~0.30%、
O:0~0.0030%、
Ca:0~0.0050%、
Ni:0~0.50%、
V:0~0.10%、
Cr:0~0.30%、
Cu:0~0.30%、
Mg:0~0.0050%、
希土類元素:0~0.0100%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)を満たし、
前記ラインパイプ用電縫鋼管の前記母材部の肉厚中央部において、フェライト分率が60~90%であり、有効結晶粒径が15.0μm以下であり、結晶粒径が20μm以上の結晶粒の面積率である粗大結晶粒率が20%以下であり、
最大径が3μm以上であり、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上である粗大特定粒子の個数密度が50個/100mm2以下であり、
前記ラインパイプ用電縫鋼管の圧延方向に垂直な面をRD面、圧延面をND面、前記RD面及び前記ND面に垂直な面をTD面と定義したとき、前記RD面とのなす角度が45°であり、かつ、前記TD面とのなす角度が45°である特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50である。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
ラインパイプ用熱延鋼板であって、
化学組成は、質量%で、
C:0.060超~0.120%、
Si:0.05~0.30%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0~0.030%、
S:0~0.0100%、
Al:0.010~0.035%、
N:0.0010~0.0080%、
Nb:0.010~0.080%、
Ti:0.005~0.030%、
Mo:0.05~0.30%、
O:0~0.0030%、
Ca:0~0.0050%、
Ni:0~0.50%、
V:0~0.10%、
Cr:0~0.30%、
Cu:0~0.30%、
Mg:0~0.0050%、
希土類元素:0~0.0100%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)を満たし、
前記ラインパイプ用熱延鋼板の肉厚中央部において、フェライト分率が60~90%であり、有効結晶粒径が15.0μm以下であり、結晶粒径が20μm以上の結晶粒の面積率である粗大結晶粒率が20%以下であり、
最大径が3μm以上であり、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上である粗大特定粒子の個数密度が50個/100mm2以下であり、
前記ラインパイプ用熱延鋼板の圧延方向に垂直な面をRD面、圧延面をND面、前記RD面及び前記ND面に垂直な面をTD面と定義したとき、前記RD面とのなす角度が45°であり、かつ、前記TD面とのなす角度が45°である特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50である。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
母材部と電縫溶接部とを備えるラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記母材部の化学組成は、質量%で、
C:0.060超~0.120%、
Si:0.05~0.30%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0~0.030%、
S:0~0.0100%、
Al:0.010~0.035%、
N:0.0010~0.0080%、
Nb:0.010~0.080%、
Ti:0.005~0.030%、
Mo:0.05~0.30%、
O:0~0.0030%、
Ca:0~0.0050%、
Ni:0~0.50%、
V:0~0.10%、
Cr:0~0.30%、
Cu:0~0.30%、
Mg:0~0.0050%、
希土類元素:0~0.0100%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)を満たし、
前記ラインパイプ用電縫鋼管の前記母材部の肉厚中央部において、フェライト分率が60~90%であり、有効結晶粒径が15.0μm以下であり、結晶粒径が20μm以上の結晶粒の面積率である粗大結晶粒率が20%以下であり、
最大径が3μm以上であり、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上である粗大特定粒子の個数密度が50個/100mm2以下であり、
前記ラインパイプ用電縫鋼管の圧延方向に垂直な面をRD面、圧延面をND面、前記RD面及び前記ND面に垂直な面をTD面と定義したとき、前記RD面とのなす角度が45°であり、かつ、前記TD面とのなす角度が45°である特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50である。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
[1]に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ca:0超~0.0050%、を含有する。
[1]又は[2]に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ni:0超~0.50%、
V:0超~0.10%、
Cr:0超~0.30%、及び、
Cu:0超~0.30%、からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。
[1]~[3]のいずれか1項に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記化学組成は、質量%で、
Mg:0超~0.0050%、及び、
希土類元素:0超~0.0100%、からなる群から選択される1種以上を含有する。
[1]~[4]のいずれか1項に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
軸方向の降伏強度が450~540MPaであり、軸方向の引張強度が510~625MPaであり、前記引張強度に対する前記降伏強度の比である降伏比が0.93以下である。
[1]~[5]のいずれか1項に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
肉厚が12~25mmであり、外径が304.8~660.4mmである。
ラインパイプ用熱延鋼板であって、
化学組成は、質量%で、
C:0.060超~0.120%、
Si:0.05~0.30%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0~0.030%、
S:0~0.0100%、
Al:0.010~0.035%、
N:0.0010~0.0080%、
Nb:0.010~0.080%、
Ti:0.005~0.030%、
Mo:0.05~0.30%、
O:0~0.0030%、
Ca:0~0.0050%、
Ni:0~0.50%、
V:0~0.10%、
Cr:0~0.30%、
Cu:0~0.30%、
Mg:0~0.0050%、
希土類元素:0~0.0100%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)を満たし、
前記ラインパイプ用熱延鋼板の肉厚中央部において、フェライト分率が60~90%であり、有効結晶粒径が15.0μm以下であり、結晶粒径が20μm以上の結晶粒の面積率である粗大結晶粒率が20%以下であり、
最大径が3μm以上であり、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上である粗大特定粒子の個数密度が50個/100mm2以下であり、
前記ラインパイプ用熱延鋼板の圧延方向に垂直な面をRD面、圧延面をND面、前記RD面及び前記ND面に垂直な面をTD面と定義したとき、前記RD面とのなす角度が45°であり、かつ、前記TD面とのなす角度が45°である特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50である。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
[7]に記載のラインパイプ用熱延鋼板であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ca:0超~0.0050%、を含有する。
[7]又は[8]に記載のラインパイプ用熱延鋼板であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ni:0超~0.50%、
V:0超~0.10%、
Cr:0超~0.30%、及び、
Cu:0超~0.30%、からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する。
[7]~[9]のいずれか1項に記載のラインパイプ用熱延鋼板であって、
前記化学組成は、質量%で、
Mg:0超~0.0050%、及び、
希土類元素:0超~0.0100%、からなる群から選択される1種以上を含有する。
本開示のラインパイプ用電縫鋼管の母材部の化学組成、及び、ラインパイプ用熱延鋼板の化学組成は、いずれも、次の元素を含有する。
炭素(C)は、鋼の強度を高める。C含有量を高めれば、降伏比YRを低減することができる。その結果、鋼の変形能が高まる。C含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、炭化物が生成し、鋼の低温靭性及び延性が低下する。C含有量が高すぎればさらに、溶接性が低下する。したがって、C含有量は0.060超~0.120%である。C含有量の好ましい下限は0.070%であり、さらに好ましくは0.080%である。C含有量の好ましい上限は、0.110%であり、さらに好ましくは0.100%である。
シリコン(Si)は、鋼を脱酸する。Si含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Si含有量が高すぎれば、鋼の低温靭性が低下する。したがって、Si含有量は0.05~0.30%である。Si含有量の好ましい下限は、0.10%であり、さらに好ましくは0.15%である。Si含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.21%である。
マンガン(Mn)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、鋼の強度が高くなりすぎ、鋼の低温靭性が低下する。したがって、Mn含有量は、0.50~2.00%である。Mn含有量の好ましい下限は、0.80%であり、さらに好ましくは1.00%である。Mn含有量の好ましい上限は1.80%であり、さらに好ましくは1.50%である。
燐(P)は不純物である。Pは、鋼の低温靭性を低下する。したがって、P含有量はなるべく低い方が好ましい。具体的には、P含有量は0~0.030%である。P含有量の好ましい上限は0.020%であり、さらに好ましくは0.015%である。一方、P含有量は、0%であってもよい。ただし、脱燐コスト低減の観点から、P含有量は0%超であってもよく、0.001%以上であってもよく、0.005%以上であってもよい。
硫黄(S)は不純物である。Sは、Mnと結合してMn系硫化物を形成する。そのため、鋼の低温靭性が低下する。したがって、S含有量はなるべく低い方が好ましい。具体的には、S含有量は0~0.0100%である。S含有量の好ましい上限は0.0080%であり、さらに好ましくは0.0050%である。一方、S含有量は、0%であってもよい。ただし、脱硫コスト低減の観点から、S含有量は0%超であってもよく、0.0001%以上であってもよく、0.0010%以上であってもよく、0.0020%以上であってもよい。
アルミニウム(Al)は、鋼を脱酸する。Al含有量が低すぎれば、この効果が得られない。一方、Al含有量が高すぎれば、Al窒化物が粗大化し、鋼の低温靭性が低下する。したがって、Al含有量は、0.010~0.035%である。Al含有量の好ましい下限は0.015%であり、さらに好ましくは0.020%である。Al含有量の好ましい上限は0.030%である。本明細書において、Al含有量は鋼中の全Al含有量を意味する。
窒素(N)は、窒化物を形成して、加熱工程中のオーステナイト粒の粗大化を抑制する。この場合、圧延工程においてオーステナイト粒が微細化し、変態後の結晶粒が微細になる。その結果、鋼の低温靭性が高まる。Nはさらに、固溶強化により鋼の強度を高める。N含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、N含有量が高すぎれば、炭窒化物を粗大化し、鋼の低温靭性を低下する。したがって、N含有量は0.0010~0.0080%である。N含有量の好ましい下限は、0.0020%であり、さらに好ましくは0.0025%である。N含有量の好ましい上限は0.0060%であり、さらに好ましくは0.0050%である。
ニオブ(Nb)は、鋼中のCやNと結合して微細なNb炭窒化物等を形成する。本明細書において「炭窒化物等」とは、炭化物、窒化物、及び炭窒化物の総称である。微細なNb炭窒化物等は、結晶粒の粗大化を抑制し、有効結晶粒径を小さくする。微細なNb炭窒化物等はさらに、オーステナイトの再結晶を抑制するため、圧延集合組織が発達する。これにより、変態後の金属組織において、45°での特定面における{100}面の集積度が高まる。その結果、鋼の低温靭性が高まる。さらに、微細なNb炭窒化物等は、分散強化により鋼の強度を高める。Nb含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。したがって、Nb含有量は0.010%以上である。一方、Nb含有量が高すぎれば、Nb炭窒化物等が粗大化し、鋼の低温靭性が低下する。したがって、Nb含有量は0.080%以下である。以上より、Nb含有量は0.010~0.080%である。Nb含有量の好ましい下限は、0.015%である。Nb含有量の好ましい上限は0.040%であり、さらに好ましくは0.030%である。
チタン(Ti)は、鋼中のCやNと結合して微細なTi炭窒化物等を形成する。TiNを形成することにより、固溶したNによる鋼の低温靭性の低下を抑制する。さらに、微細なTiNが分散析出することにより、結晶粒の粗大化を抑制する。さらに、微細なTi炭窒化物等は、オーステナイトの再結晶を抑制するため、圧延集合組織は発達する。これにより、変態後の金属組織において、45°での特定面における{100}面の集積度が高まる。その結果、鋼の低温靭性が高まる。Ti含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。したがって、Ti含有量は0.005%以上である。一方、Ti含有量が高すぎれば、TiNが粗大化したり、粗大なTiCが生成したりする。この場合、鋼の低温靭性が低下する。したがって、Ti含有量は0.030%以下である。以上より、Ti含有量は0.005~0.030%である。Ti含有量の好ましい下限は、0.007%であり、さらに好ましくは0.010%である。Ti含有量の好ましい上限は0.020%であり、さらに好ましくは0.017%である。
モリブデン(Mo)は、鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。Moはさらに、オーステナイト粒を微細化し、鋼の低温靭性を高める。Mo含有量が低すぎれば、これらの効果が得られない。一方、Mo含有量が高すぎれば、鋼の現地溶接性が低下する。したがって、Mo含有量は0.05~0.30%である。Mo含有量の好ましい下限は、0.15%である。Mo含有量の好ましい上限は0.19%であり、さらに好ましくは0.18%である。
酸素(O)は不純物である。Oは酸化物を形成して、鋼の耐水素誘起割れ性(耐HIC性)を低下する。Oはさらに、鋼の低温靭性を低下する。したがって、O含有量はなるべく低い方が好ましい。具体的には、O含有量は0~0.0030%である。O含有量の好ましい上限は0.0025%である。一方、O含有量は、0%であってもよい。ただし、脱酸コスト低減の観点から、O含有量は0%超であってもよく、0.0001%以上であってもよく、0.0010%以上であってもよく、0.0015%以上であってもよく、0.0020%以上であってもよい。
上述のラインパイプ用鋼材の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Caを含有してもよい。
カルシウム(Ca)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Caは、MnSの形態を制御して、球状化する。この場合、鋼の低温靭性が高まる。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、粗大な酸化物系介在物が形成される。したがって、Ca含有量は0~0.0050%である。Ca含有量は0%であってもよい。Ca含有量の好ましい下限は、0%超であり、さらに好ましくは0.0001%であり、さらに好ましくは0.0010%であり、さらに好ましくは0.0015%である。Ca含有量の好ましい上限は0.0045%である。
ニッケル(Ni)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Niは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、この効果が飽和する。したがって、Ni含有量は0~0.50%である。Ni含有量は0%であってもよい。Ni含有量の好ましい下限は、0%超であり、0.01%であり、さらに好ましくは、0.05%であり、さらに好ましくは0.07%である。Ni含有量の好ましい上限は0.15%である。
バナジウム(V)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Vは巻取り工程において鋼中のCやNと結合して微細な炭窒化物を形成し、鋼の強度を高める。微細なV炭窒化物はさらに、結晶粒の粗大化を抑制して鋼の低温靭性を高める。しかしながら、V含有量が高すぎれば、V炭窒化物が粗大化し、鋼の低温靭性が低下する。したがって、V含有量は、0~0.10%である。V含有量は0%であってもよい。V含有量の好ましい下限は、0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.002%である。V含有量の好ましい上限は0.08%であり、さらに好ましくは0.07%である。
クロム(Cr)は、任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、焼入れ性が高くなりすぎて鋼の低温靭性が低下する。したがって、Cr含有量は0~0.30%である。Cr含有量は0%であってもよい。Cr含有量の好ましい下限は、0%超であり、さらに好ましくは0.01%である。Cr含有量の好ましい上限は0.20%であり、さらに好ましくは0.10%であり、さらに好ましくは0.05%である。
銅(Cu)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Cuは鋼の焼入れ性を高め、鋼の強度を高める。しかしながら、Cu含有量が高すぎれば、焼入れ性が高くなりすぎて鋼の低温靭性が低下する。したがって、Cu含有量は0~0.30%である。Cu含有量は0%であってもよい。Cu含有量の好ましい下限は、0%超であり、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。Cu含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
マグネシウム(Mg)は、任意の元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Mgは、脱酸剤及び脱硫剤として機能する。また、微細な酸化物を生じて、熱影響部(HAZ)の靭性の向上にも寄与する。しかしながら、Mg含有量が高すぎれば、酸化物が凝集又は粗大化し易くなる。その結果、耐HIC性の低下、又は、母材部又はHAZの靱性の低下が起こる恐れがある。したがって、Mg含有量は0~0.0050%である。Mg含有量は0%であってもよい。Mg含有量の好ましい下限は、0%超であり、さらに好ましくは0.0001%であり、さらに好ましくは0.0010%である。Mg含有量の好ましい上限は0.0030%である。
希土類元素(REM)は、任意の元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、REMは、脱酸剤及び脱硫剤として機能する。しかしながら、REM含有量が高すぎれば、粗大な酸化物が生成される。その結果、耐HIC性の低下、又は、母材部又はHAZの靱性の低下が起こる恐れがある。したがって、REM含有量は0~0.0100%である。REM含有量は0%であってもよい。REM含有量の好ましい下限は、0%超であり、さらに好ましくは0.0001%であり、さらに好ましくは0.0010%である。REM含有量の好ましい上限は0.0070%であり、さらに好ましくは0.0050%である。
上記化学組成はさらに、式(1)を満たす。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。また、式(1)中の元素記号に対応する元素が含有されていない場合、式(1)中の対応する元素記号には「0」が代入される。
本開示によるラインパイプ用電縫鋼管の母材部の肉厚中央部のミクロ組織、及び、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部のミクロ組織は、フェライト、ベイナイト、及び、パーライトからなり、残部は、析出物及び/又は介在物である。ここで、肉厚中央部とは、肉厚をtmmと定義した場合、肉厚中央位置から肉厚方向に±20%の範囲を意味する。また、板厚中央部とは、板厚をtmmと定義した場合、板厚中央位置から板厚方向に±20%の範囲を意味する。
本開示ではさらに、ラインパイプ用電縫鋼管の母材部の肉厚中央部のミクロ組織、及び、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部でのミクロ組織において、有効結晶粒径が15.0μm以下である。有効結晶粒径が大きすぎれば、鋼の低温靭性が低下する。本開示では、上述の有効結晶粒径が15.0μm以下であるため、優れた低温靭性が得られる。有効結晶粒径の好ましい上限は、13.0μmであり、さらに好ましくは10.0μmである。
本開示ではさらに、ラインパイプ用電縫鋼管の母材部の肉厚中央部のミクロ組織、及び、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部でのミクロ組織において、結晶粒径が20μm以上のフェライト結晶粒の面積率である「粗大結晶粒率」が20%以下である。結晶粒が粗大である場合、鋼の低温靭性が低下する。粗大結晶粒率が20%以下であれば、優れた低温靭性が得られる。粗大結晶粒率の好ましい上限は、18%であり、さらに好ましくは15%である。粗大結晶粒率は低い程好ましい。
粗大結晶粒率(%)=(n/N)×100 (3)
本開示では、ラインパイプ用電縫鋼管の母材部の肉厚中央部のミクロ組織、及び、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部でのミクロ組織において、最大径が3μm以上であり、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上である粗大特定粒子の個数密度は、50個/100mm2以下である。本明細書において、最大径とは、各特定粒子において、その特定粒子の外周上に両端がある線分のうち、最も長い線分の長さを意味する。
本開示ではさらに、ラインパイプ用電縫鋼管の母材部の肉厚中央部、及び、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部において、圧延方向に垂直な面をRD面、圧延面をND面、RD面及びND面に垂直な面をTD面と定義したとき、RD面とのなす角度が45°であり、かつ、TD面とのなす角度が45°である特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50である。本開示においては、粗大特定粒子の個数密度が50個/100mm2以下であるため、45°での特定面において、{100}面の集積度を1.85~3.50とすることができる。45°での特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50であることにより、RD方向のき裂の伝播が抑制され、ラインパイプ用電縫鋼管、及び、ラインパイプ用熱延鋼板の低温靭性がさらに高まる。具体的には、ラインパイプ用電縫鋼管のDWTT保証温度を-40℃以下にすることができる。
特定面における{100}面の集積度は、EBSP-OIMを用いて測定する。具体的には、ラインパイプ用電縫鋼管の場合、ラインパイプ用電縫鋼管の母材部のうち電縫溶接部から周方向に90°ずれた位置の肉厚中央部から、試料を採取する。ラインパイプ用熱延鋼板の場合、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部から、試料を採取する。採取された試料をコロイダルシリカ研磨剤で30~60分研磨する。研磨された試料について、EBSP-OIMのEBSD法を用いて解析する。EBSD法での測定条件は、倍率:400倍、視野面積:200μm×500μm、測定ステップ:0.3μmとする。EBSD測定により、球面調和関数法を用いて、RD面とのなす角度が45°であり、かつ、TD面とのなす角度が45°である特定面に垂直な方向に対する逆極点図のTexture解析を実施して、RD面とのなす角度が45°であり、かつ、TD面とのなす角度が45°である特定面における{100}面の集積度を求める。
本開示のラインパイプ用電縫鋼管において、母材部のRD方向、つまり、電縫鋼管の軸方向の好ましい降伏強度YSは450~540MPaである。軸方向の降伏強度YSが450MPa以上であれば、ラインパイプ用途として十分な強度が得られている。また、軸方向の降伏強度YSが540MPa以下であれば、ラインパイプ用電縫鋼管からなるパイプラインを海底等に敷設する場合において、曲げ変形又は座屈抑制に有利である。軸方向の降伏強度YSのさらに好ましい下限は460MPaであり、さらに好ましくは480MPaである。軸方向の降伏強度YSのさらに好ましい上限は530MPaであり、さらに好ましくは520MPaであり、さらに好ましくは510MPaである。
本開示のラインパイプ用電縫鋼管において、母材部のRD方向、つまり、電縫鋼管の軸方向の好ましい引張強度TSは510~625MPaである。軸方向の引張強度TSが510MPa以上であれば、ラインパイプ用途として十分な強度が得られている。また、軸方向の引張強度TSが625MPa以下であれば、ラインパイプ用電縫鋼管からなるパイプラインを海底等に敷設する場合において、曲げ変形又は座屈抑制に有利である。軸方向の引張強度TSの好ましい下限は530MPaであり、さらに好ましくは540MPaであり、さらに好ましくは545MPaである。軸方向の引張強度TSの好ましい上限は620MPaであり、さらに好ましくは600MPaである。
本開示のラインパイプ用電縫鋼管の、引張強度TSに対する降伏強度YSの比である降伏比YRは0.93以下であることが好ましい。降伏比YRが0.93以下であれば、ラインパイプ用電縫鋼管の変形能が高まる。変形能が高ければ、曲げ及び曲げ戻しによる引張応力及び圧縮応力が作用しても、局部座屈や、局部座屈を基点としたラインパイプの破壊を抑制できる。
上述のラインパイプ用熱延鋼板、及び、ラインパイプ用電縫鋼管の製造方法の一例を説明する。図4は、製造工程の一例を示すフロー図である。
上述の化学組成を有する素材を準備する。具体的には、上述の化学組成を有する溶鋼を製造する。溶鋼を用いて、素材(スラブ)を製造する。連続鋳造法により鋳片を製造してもよい。溶鋼を用いてインゴットを製造し、インゴットを分塊圧延して素材(スラブ)を製造してもよい。
加熱工程(S1)では、製造されたスラブを加熱炉で加熱する。加熱炉でのスラブの加熱温度は1060~1200℃であるのが好ましい。加熱温度が1060℃以上であれば、圧延後の析出強化が得られ、適切な強度が得られる。加熱温度が1200℃以下であれば、結晶粒(オーステナイト粒)の粗大化を抑制できる。加熱温度が1200℃以下であればさらに、次工程の粗圧延の最終スタンド出側の温度T0(℃)を適度に保つことができる。したがって、加熱温度は1060~1200℃である。好ましい加熱温度の下限は1100℃である。好ましい加熱温度の上限は1160℃である。
圧延工程(S2)では、加熱工程(S1)で加熱されたスラブを、粗圧延機及び仕上げ圧延機を用いて熱間圧延して、鋼板にする。圧延工程(S2)は、粗圧延工程(S21)及び仕上げ圧延工程(S22)を含む。
粗圧延工程(S21)では、準備されたスラブに対して粗圧延を実施して、粗圧延板(粗バー)を製造する。粗熱延機としては、リバース式であってもよいし、一列に配列された複数の圧延スタンドを備えるタンデム式であってもよい。粗圧延の累積圧下率は、本開示の作用効果を得ることができれば特に限定されるものではないが、好ましくは、60~75%である。
t0(s)≦-3.7T0(℃)+3686 (2)
F2=-3.7T0(℃)+3686と定義する。加熱温度が上記範囲内であり、t0(s)がF2以下であれば、再結晶せず、粗圧延で扁平化した結晶粒の形を保持しやすくなる。その結果、{100}面が特定面に集積しやすくなる。一方、t0(s)がF2を超えれば、再結晶するため、粗圧延で扁平化した結晶粒の形を保持できない。その結果、{100}面が特定面に集積しにくくなる。
仕上げ圧延工程では、得られた粗圧延板に対して、仕上げ圧延機により仕上げ圧延を実施して、鋼板を製造する。
累積圧下率(%)={1-(仕上げ圧延後の鋼板の板厚/仕上げ圧延前の粗バーの板厚)}×100
ROT(ランアウトテーブル)冷却工程(S3)では、圧延工程(S2)で製造された鋼板を冷却する。ROT冷却工程(S3)は、強冷却工程(S31)と徐冷却工程(S32)とを備えるのが好ましい。これにより、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部、及び、ラインパイプ用電縫鋼管の肉厚中央部において、フェライト分率が高まり、鋼の低温靭性が高まる。以下、この点について詳述する。
初めに、鋼板を強冷却する。強冷却はたとえば、水冷装置による水冷である。水冷直前の鋼板の表面温度は特に限定しないが、Ar3変態温度以上であるのが好ましい。水冷直前の鋼板の表面温度がAr3変態温度以上であれば、粒成長により結晶粒が粗大化することによる強度の低下を防止できる。
強冷却工程(S31)で強冷却した鋼板に対して、徐冷却を実施する。
巻取り工程(S4)では、ROT冷却工程(S3)により冷却された鋼板を巻取り、コイル状のラインパイプ用熱延鋼板にする。
コイル状のラインパイプ用熱延鋼板を巻き戻しながら、周知の方法により、ラインパイプ用電縫鋼管を製造する。具体的には、ラインパイプ用熱延鋼板を連続した成形ロールによる曲げ加工により筒状(オープンパイプ)にする。続いて、オープンパイプの突合せ部を電縫溶接法により溶接する。必要に応じて、電縫溶接部に対して周知のシーム熱処理を実施する。以上の工程により、本開示のラインパイプ用電縫鋼管を製造する。
[強度試験]
各試験番号のラインパイプ用電縫鋼管から引張試験片を採取した。具体的には、ラインパイプ用電縫鋼管を軸方向に見てラインパイプ用電縫鋼管の溶接部から90°の位置(電縫鋼管から管周方向に90°ずれた位置)から全厚の軸方向の引張試験片を採取した。引張試験片の横断面は弧状であり、引張試験片の長手方向は、鋼管の長手方向と平行であった。引張試験片のサイズは図5に示すとおりであり、平行部の長さは50.8mm、平行部の幅は38.1mmであった。図5中の数値は、試験片の対応する部位の寸法(単位はmm)を示す。引張試験片を用いて、API規格の5CTの規定に準拠して、常温(24℃)にて引張試験を実施した。試験結果に基づいて、ラインパイプ用電縫鋼管の降伏強度YS(MPa)及び引張強度TS(MPa)を求めた。求めた降伏強度YS及び引張強度TSに基づいて、降伏比YRを計算した。
ラインパイプ用電縫鋼管について、上述の方法に基づいて、EBSP-OIMを用いて、母材部の肉厚中央部のフェライト分率、有効結晶粒径、及び粗大結晶粒率を測定した。有効結晶粒径測定でのEBSP-OIMの測定条件は倍率:400倍、視野面積:200μm×500μm、測定ステップ:0.3μmとした。EBSP-OIMにおける解析ソフトとして、TSLソリューションズ社製の「TSL OIM Analysis 7」を用いた。また、上記フェライト分率の測定において、母材部の肉厚中央部の金属組織における残部(つまり、フェライト以外の組織)の種類も確認した。なお、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部におけるフェライト分率、有効結晶粒径、及び、粗大結晶粒率も、ラインパイプ用電縫鋼管と同じ方法で測定した。その結果、ラインパイプ用熱延鋼板のフェライト分率、有効結晶粒径、及び、粗大結晶粒率はいずれも、対応するラインパイプ用電縫鋼管と同じであった。
ラインパイプ用電縫鋼管について、上述の方法に基づいて、母材部の肉厚中央部の粗大特定粒子の個数密度を測定した。より具体的には、ラインパイプ用電縫鋼管の母材部のうち電縫溶接部から周方向に90°ずれた位置の肉厚中央部から、試料を採取した。走査型電子顕微鏡(SEM)の測定条件は、倍率:400倍、観察範囲:10mm(RD方向)×5mm(ND方向)とした。SEM画像において、最大径が3μm以上であり、かつ、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDS)を用いた定量分析により、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上であるものを粗大特定粒子として特定した。観察範囲に存在する粗大特定粒子の個数を数え、観察範囲の面積で除することにより、粗大特定粒子の個数密度を求めた。
ラインパイプ用電縫鋼管について、上述の方法に基づいて、EBSP-OIM(商標)を用いて、{100}集積度を測定した。EBSP-OIM(商標)での測定条件は倍率:400倍、視野面積:200μm×500μm、測定ステップ:0.3μmとした。なお、ラインパイプ用熱延鋼板の板厚中央部における、特定面での{100}面の集積度を上述の方法で求めた。その結果、ラインパイプ用電縫鋼管の特定面での{100}面の集積度は、対応するラインパイプ用電縫鋼管と同じであった。
各試験番号のラインパイプ用電縫鋼管の電縫溶接部から周方向に90°ずれた位置での肉厚中央部から、DWTT試験片を採取した。採取位置から管周方向に採取された円弧状の部材を展開して平板状とし、90°位置にノッチを加工した。DWTT試験片のサイズは図6に示すとおりであった。図6中の数値は、試験片の対応する部位の寸法(単位はmm)を示す。tは肉厚(単位はmm)を示す。DWTT試験片の長手方向は、ラインパイプ用電縫鋼管の円周方向に相当した。DWTT試験片に対して、ASTM E 436の規定に準拠して、DWTT試験を行った。延性破面率が85%となる最低温度(DWTT保証温度)を求めた。DWTT保証温度が、-40℃以下の場合、低温靭性が高いと評価した。
表3に試験結果を示す。表3中、「P,B」の表記は、パーライト及びベイナイトの少なくとも一方であることを意味する。
降伏比YRはいずれも0.93以下であった。
Claims (10)
- 母材部と電縫溶接部とを備えるラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記母材部の化学組成は、質量%で、
C:0.060超~0.120%、
Si:0.05~0.30%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0~0.030%、
S:0~0.0100%、
Al:0.010~0.035%、
N:0.0010~0.0080%、
Nb:0.010~0.080%、
Ti:0.005~0.030%、
Mo:0.05~0.30%、
O:0~0.0030%、
Ca:0~0.0050%、
Ni:0~0.50%、
V:0~0.10%、
Cr:0~0.30%、
Cu:0~0.30%、
Mg:0~0.0050%、
希土類元素:0~0.0100%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)を満たし、
前記ラインパイプ用電縫鋼管の前記母材部の肉厚中央部において、フェライト分率が60~90%であり、有効結晶粒径が15.0μm以下であり、結晶粒径が20μm以上の結晶粒の面積率である粗大結晶粒率が20%以下であり、
最大径が3μm以上であり、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上である粗大特定粒子の個数密度が50個/100mm2以下であり、
前記ラインパイプ用電縫鋼管の圧延方向に垂直な面をRD面、圧延面をND面、前記RD面及び前記ND面に垂直な面をTD面と定義したとき、前記RD面とのなす角度が45°であり、かつ、前記TD面とのなす角度が45°である特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50である、ラインパイプ用電縫鋼管。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。 - 請求項1に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ca:0超~0.0050%、を含有する、ラインパイプ用電縫鋼管。 - 請求項1又は請求項2に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ni:0超~0.50%、
V:0超~0.10%、
Cr:0超~0.30%、及び、
Cu:0超~0.30%、からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、ラインパイプ用電縫鋼管。 - 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
前記化学組成は、質量%で、
Mg:0超~0.0050%、及び、
希土類元素:0超~0.0100%、からなる群から選択される1種以上を含有する、ラインパイプ用電縫鋼管。 - 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
軸方向の降伏強度が450~540MPaであり、軸方向の引張強度が510~625MPaであり、前記引張強度に対する前記降伏強度の比である降伏比が0.93以下である、ラインパイプ用電縫鋼管。 - 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のラインパイプ用電縫鋼管であって、
肉厚が12~25mmであり、外径が304.8~660.4mmである、ラインパイプ用電縫鋼管。 - ラインパイプ用熱延鋼板であって、
化学組成は、質量%で、
C:0.060超~0.120%、
Si:0.05~0.30%、
Mn:0.50~2.00%、
P:0~0.030%、
S:0~0.0100%、
Al:0.010~0.035%、
N:0.0010~0.0080%、
Nb:0.010~0.080%、
Ti:0.005~0.030%、
Mo:0.05~0.30%、
O:0~0.0030%、
Ca:0~0.0050%、
Ni:0~0.50%、
V:0~0.10%、
Cr:0~0.30%、
Cu:0~0.30%、
Mg:0~0.0050%、
希土類元素:0~0.0100%、及び、
残部:Fe及び不純物、からなり、式(1)を満たし、
前記ラインパイプ用熱延鋼板の肉厚中央部において、フェライト分率が60~90%であり、有効結晶粒径が15.0μm以下であり、結晶粒径が20μm以上の結晶粒の面積率である粗大結晶粒率が20%以下であり、
最大径が3μm以上であり、Ti及びNbの合計含有量が10質量%以上である粗大特定粒子の個数密度が50個/100mm2以下であり、
前記ラインパイプ用熱延鋼板の圧延方向に垂直な面をRD面、圧延面をND面、前記RD面及び前記ND面に垂直な面をTD面と定義したとき、前記RD面とのなす角度が45°であり、かつ、前記TD面とのなす角度が45°である特定面において、{100}面の集積度が1.85~3.50である、ラインパイプ用熱延鋼板。
0.35≦C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/3+Nb/3≦0.40 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。 - 請求項7に記載のラインパイプ用熱延鋼板であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ca:0超~0.0050%、を含有する、ラインパイプ用熱延鋼板。 - 請求項7又は請求項8に記載のラインパイプ用熱延鋼板であって、
前記化学組成は、質量%で、
Ni:0超~0.50%、
V:0超~0.10%、
Cr:0超~0.30%、及び、
Cu:0超~0.30%、からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、ラインパイプ用熱延鋼板。 - 請求項7~請求項9のいずれか1項に記載のラインパイプ用熱延鋼板であって、
前記化学組成は、質量%で、
Mg:0超~0.0050%、及び、
希土類元素:0超~0.0100%、からなる群から選択される1種以上を含有する、ラインパイプ用熱延鋼板。
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