JPWO2018150705A1 - 抵抗材用銅合金材料及びその製造方法並びに抵抗器 - Google Patents

抵抗材用銅合金材料及びその製造方法並びに抵抗器 Download PDF

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Abstract

電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有する抵抗材用銅合金材料及びその製造方法を提供する。抵抗材用銅合金材料は、接触式膜厚計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板であり、マンガン2質量%以上14質量%以下を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる。そして、圧延板の板面について、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を接触式表面粗さ測定法により取得した場合に、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、且つ、下記数式により算出されるパラメータAの値が0.002以上0.04以下である。【数1】

Description

本発明は抵抗材用銅合金材料及びその製造方法並びに抵抗器に関する。
抵抗器に使用される抵抗材の金属材料には、環境温度が変化した際にも抵抗器の抵抗が安定するように、抵抗温度係数(以下「TCR」と記すこともある)が小さいことが要求される。抵抗温度係数とは、温度による抵抗値の変化の大きさを1℃当たりの百万分率で表したものであり、TCR(×10−6/K)=(R−R)/R×1/(T−T)×10という式で表される。ここで、式中のTは試験温度(℃)、Tは基準温度(℃)、Rは試験温度Tにおける抵抗値(Ω)、Rは試験温度Tにおける抵抗値(Ω)を示す。Cu−Mn−Ni合金やCu−Mn−Sn合金はTCRが非常に小さいため、抵抗材を構成する金属材料として広く使用されている(例えば特許文献1を参照)。
抵抗器を製造する際には、しばしば抵抗材と無酸素銅等からなる導電材とを溶接する。抵抗材と導電材の溶接には、従来は電子ビーム溶接を用いることが一般的であったが、製造コスト低減の期待から、レーザ溶接への切り替えが行われている。レーザ溶接においては、被溶接物の表面でレーザが反射されると溶接性が低下するため、被溶接物の表面粗さは粗い方が有利であることが知られている。
また、近年の電気電子部品の小型高集積化に伴い、抵抗器も小型化が進み、抵抗材の板厚も薄くなってきている。従来、抵抗材の表面性状(表面粗さ等)が電気抵抗率に与える影響は小さく、無視されていたが、抵抗材の板厚が薄くなるに従って、無視できないほど影響が大きくなってきた。すなわち、従来は作業性の観点から抵抗材の板厚の測定にはマイクロメータが用いられ、その測定値から断面積を得ていたが、抵抗材の表面粗さが粗いと、マイクロメータによる測定値から算出される抵抗材の見かけの断面積と真の断面積との差が大きくなるため、電気抵抗率の測定値が真の電気抵抗率に比べて大きくなる。これに伴い、抵抗器を製造する際に必要な抵抗材の寸法と、電気抵抗率の測定値から算出される寸法との間に差異が生じるため、抵抗器の設計に問題が生じることとなる。
日本国特許公開公報 2016年第69724号
本発明は、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有する抵抗材用銅合金材料及びその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、正確な電気抵抗値を有し且つ製造が容易な抵抗器を提供することを併せて課題とする。
本発明の一態様に係る抵抗材用銅合金材料は、マンガン2質量%以上14質量%以下を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる抵抗材用銅合金材料であって、接触式膜厚計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板であり、圧延板の板面について、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を接触式表面粗さ測定法により取得した場合に、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、且つ、下記数式により算出されるパラメータAの値が0.002以上0.04以下であることを要旨とする。
下記数式中のymaxは、粗さ曲線からその平均線が延びる方向に基準長さlだけを抜き取った抜き取り部分における最も高い山の高さである。下記数式中のy、yi+1は、抜き取り部分に存在する粗さ曲線の測定点をそれぞれ基準点とした場合に、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第i番目、第i+1番目に存在する基準点の高さである。下記数式中のx、xi+1は、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端と第i番目、第i+1番目の基準点との間の平均線が延びる方向の長さである。下記数式中のnは、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から最も離れた位置に存在する基準点が、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第何番目の基準点かを表す数値である。下記数式中のtは、接触式膜厚計で測定した場合の圧延板の板厚である。
Figure 2018150705
本発明の他の態様に係る抵抗材用銅合金材料の製造方法は、上記一態様に係る抵抗材用銅合金材料を製造する方法であって、銅合金の鋳塊に冷間圧延を施して板状に成形し圧延板とする冷間圧延工程と、冷間圧延工程で得た圧延板に再結晶焼鈍しを施す再結晶焼鈍し工程と、再結晶焼鈍し工程で再結晶焼鈍しを施した圧延板の板面に、粒度#800以上#2400以下の砥粒を用いるバフ研磨を施す表面研磨工程と、表面研磨工程で板面を研磨した圧延板に加工率0%超過50%以下の冷間圧延を施す再冷間圧延工程と、を備えることを要旨とする。
本発明の他の態様に係る抵抗器は、上記一態様に係る抵抗材用銅合金材料で少なくとも一部分が構成されたことを要旨とする。
本発明の抵抗材用銅合金材料は、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有する。
本発明の抵抗材用銅合金材料の製造方法は、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有する抵抗材用銅合金材料を製造することができる。
本発明の抵抗器は、正確な電気抵抗値を有し且つ製造が容易である。
本発明に係る抵抗材用銅合金材料の一実施形態を説明する模式的説明図である。
本発明の一実施形態について、以下に詳細に説明する。本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、マンガン(Mn)2質量%以上14質量%以下を含有し、残部が銅(Cu)及び不可避不純物からなる。そして、本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、接触式膜厚計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板である。また、圧延板の板面について、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を接触式表面粗さ測定法により取得した場合に、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、且つ、下記数式により算出されるパラメータAの値が0.002以上0.04以下である。
下記数式中のymaxは、粗さ曲線からその平均線が延びる方向に基準長さlだけを抜き取った抜き取り部分における最も高い山の高さである。下記数式中のy、yi+1は、抜き取り部分に存在する粗さ曲線の測定点をそれぞれ基準点とした場合に、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第i番目、第i+1番目に存在する基準点の高さである。下記数式中のx、xi+1は、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端と第i番目、第i+1番目の基準点との間の平均線が延びる方向の長さである。下記数式中のnは、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から最も離れた位置に存在する基準点が、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第何番目の基準点かを表す数値である。下記数式中のtは、接触式膜厚計で測定した場合の圧延板の板厚である。
Figure 2018150705
この本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、上記のように最大高さRz、粗さ曲線要素の平均長さRSm、パラメータA(以下、これらをまとめて「表面性状」と記すこともある)が適切に制御されているため、電気抵抗率の測定において正確な電気抵抗率が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有する。よって、本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、例えば、シャント抵抗器等の抵抗器に使用される抵抗材を構成する金属材料として好適である。
本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、以上のような優れた特性を有しているため、本実施形態の抵抗材用銅合金材料で少なくとも一部分が構成された抵抗器は、正確な電気抵抗値を有し且つ製造が容易である。
以下に、本実施形態の抵抗材用銅合金材料及び抵抗器について、さらに詳細に説明する。
本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、上記のように、マンガン2質量%以上14質量%以下を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる。マンガンの含有量は、より好ましくは6質量%以上14質量%以下である。マンガンの含有量が2質量%未満であると、TCRが大きくなるおそれがあるとともに、材料強度が低下して、製造時に所望の表面性状が得られないおそれがある。一方、マンガンの含有量が14質量%超過であると、電気抵抗率が高くなるおそれがあるとともに、耐食性と製造性が低下するおそれがある。また、材料強度が高くなり、製造時に所望の表面性状が得られないおそれがある。
本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、マンガン以外の合金成分をさらに含有してもよい。本実施形態の抵抗材用銅合金材料において含有可能な他の合金成分は特に限定されるものではないが、例えば、ニッケル(Ni)0質量%超過3質量%以下、錫(Sn)0質量%超過4質量%以下、鉄(Fe)0質量%超過0.5質量%以下、ケイ素(Si)0質量%超過0.1質量%以下、クロム(Cr)0質量%超過0.5質量%以下、ジルコニウム(Zr)0質量%超過0.2質量%以下、チタン(Ti)0質量%超過0.2質量%以下、銀(Ag)0質量%超過0.5質量%以下、マグネシウム(Mg)0質量%超過0.5質量%以下、コバルト(Co)0質量%超過0.1質量%以下、リン(P)0質量%超過0.1質量%以下、及び亜鉛(Zn)0質量%超過0.5質量%以下からなる群より選ばれる1種又は2種以上の元素である。
上記の含有可能な他の合金成分のうちニッケル及び錫の少なくとも一方は含有されていることがより好ましい。ニッケルの含有量は0.001質量%以上3質量%以下であることがより好ましく、錫の含有量は0.001質量%以上4質量%以下であることがより好ましい。
これらの合金成分を含有することにより、抵抗材用銅合金材料の材料強度の向上、電気抵抗率の変化、TCRの低下、耐熱性の向上等が期待できる。これらの合金成分の含有量が上記の範囲の上限値を超えると、抵抗材用銅合金材料の電気抵抗率が高くなりすぎたり、製造性が低下したりするおそれがある。また、材料強度が高くなり、製造時に所望の表面性状が得られないおそれがある。
本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、上記のように、接触式膜厚計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板である。接触式膜厚計としては、例えばマイクロメータ等が挙げられる。接触式膜厚計で測定した板厚tから、圧延板(あるいは、抵抗材用銅合金材料から製造した抵抗材)の見かけの断面積を算出することができる。圧延板(あるいは、抵抗材用銅合金材料から製造した抵抗材)の真の断面積を求めるためには、圧延板の板面の表面性状を考慮する必要がある。
圧延板の板厚tが0.04mm未満であると、電気抵抗率の測定に及ぼす表面性状の影響が大きくなるため、電気抵抗率を精度良く測定することが困難となるおそれがある。また、レーザ溶接が困難となり、良好なレーザ溶接性を有することが難しくなるおそれがある。
圧延板の板厚tが大きいほど、電気抵抗率の測定に対する表面性状の影響が小さくなるので、電気抵抗率を精度良く測定することが容易となるとともに、レーザ溶接性が良好となる。なお、抵抗器の小型化に伴って抵抗材の薄肉化が進んでいるが、電気抵抗率の測定に対する表面性状の影響が顕著になる板厚tは、0.3mm程度からである。
本実施形態の抵抗材用銅合金材料の表面性状(圧延板の板面の表面性状)は、上記の通りであり、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を接触式表面粗さ測定法により取得した場合に、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、且つ、上記数式により算出されるパラメータAの値が0.002以上0.04以下である。
ただし、最大高さRzは0.5μm以上1.5μm以下であることがより好ましく、粗さ曲線要素の平均長さRSmは0.03mm以上0.1mm以下であることがより好ましく、上記数式により算出されるパラメータAの値は0.004以上0.028以下であることがより好ましい。
最大高さRz、粗さ曲線要素の平均長さRSm、及びパラメータAの全てを上記の数値範囲内とすれば、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有する抵抗材用銅合金材料となる。
最大高さRzが0.3μm未満である場合は、圧延板の板面が平滑すぎて、レーザ溶接性が低下するおそれがある。一方、最大高さRzが1.5μm超過である場合は、圧延板の板面が粗くなり、電気抵抗率を正確に測定できないおそれがある。
粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm未満である場合は、圧延板の板面に存在する凹凸が多すぎるため、電気抵抗率を正確に測定できないおそれがある。一方、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.15mm超過である場合は、圧延板の板面に存在する凹凸が少なすぎるため、レーザ溶接性が低下するおそれがある。
パラメータAを算出する上記式は、圧延板の見かけの断面積と、板面の表面性状の影響によって真の断面積から増加する断面積との関係を表したものであり、パラメータAの値が大きいほど、表面性状の影響によって生じる見かけの断面積と真の断面積との差異が大きいことを意味する。
ここで、パラメータAを算出する上記式について、図1を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の圧延板の表面性状を示す模式的断面図であり、X軸方向に伸びる波線が圧延板の板面の粗さ曲線である。この粗さ曲線の下方側は圧延板の内部を示し、上方側は圧延板の外部を示す。この粗さ曲線からX軸方向(すなわち、粗さ曲線の平均線が延びる方向)に基準長さlだけを抜き取った抜き取り部分には、複数の山と複数の谷とが存在するが、本実施形態においては、粗さ曲線を取得するために行った接触式表面粗さ測定による測定点をいずれも基準点Tと定義する。接触式表面粗さ測定においては、例えば、0.0005mm間隔で8000点の測定点(高さ情報)を得る。
図1の例では、抜き取り部分のX軸方向の一端(左端)から他端(右端)に向かって順に、基準点T、T、T、T、・・・、Tn−1、Tが存在する。そして、図1に示す例では、抜き取り部分のX軸方向の一端(左端)から最も離れた位置に存在する山が最も高い山であるので、この山の頂点、すなわち基準点Tn−1が基準点Tmaxとなる。なお、図1では、上記式の説明の便宜上、山の頂点及び谷の底を基準点として表示してあるが、基準点は山の頂点や谷の底に限定されるものではなく、山の頂点と谷の底との間に位置する点が基準点となる場合もある。
図1のy、y、y、y、・・・、yn−1(ymax)、yは、基準点の高さ(Y軸方向の位置)を示す。また、図1のx、x、x、x、・・・、xn−1(xmax)、xは、抜き取り部分のX軸方向の一端(左端)とその基準点との間のX軸方向の長さである。よって、上記式中の「xi+1−x」は、隣り合う2つの基準点の間のX軸方向の距離であり、図1中のハッチングが施された台形部分の高さを意味する。
また、上記式中の「(ymax−y)」は、抜き取り部分のX軸方向の一端(左端)から数えて第i番目に存在する基準点と基準点Tmaxとの間のY軸方向の距離であり、図1中のハッチングが施された台形部分の底辺の長さを意味する。よって、上記式中の「(ymax−y)+(ymax−yi+1)」は、図1中のハッチングが施された台形部分の「上底と下底の和」を意味する。
したがって、「0.5×{(ymax−y)+(ymax−yi+1)}×(xi+1−x)」について、i=1からi=n−1まで総和すれば(すなわち、抜き取り部分のX軸方向の一端(左端)に最も近い位置に存在する基準点Tから最も離れた位置に存在する基準点Tまで総和すれば)、圧延板の片面について、見かけの断面積と真の断面積との差を算出したことになる。さらに、上記総和の結果を2倍すれば、圧延板の両面について、見かけの断面積と真の断面積との差を算出したことになる。この断面積の差を、接触式膜厚計で測定した圧延板の板厚tと基準長さlとの積t×l(すなわち、見かけの断面積)で除して算出したパラメータAによって、表面性状の影響によって生じる見かけの断面積と真の断面積との差異の大きさを評価することができる。
パラメータAの値が0.002未満であると、圧延板の板面が平滑すぎて、レーザ溶接性が低下するおそれがある。一方、パラメータAの値が0.04超過であると、見かけの断面積と真の断面積との差異が大きくなるため、電気抵抗率を正確に測定できないおそれがある。
次に、本実施形態の抵抗材用銅合金材料の製造方法について説明する。本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、銅合金の鋳塊に冷間圧延を施して板状に成形し圧延板とする冷間圧延工程と、冷間圧延工程で得た圧延板に再結晶焼鈍しを施す再結晶焼鈍し工程と、再結晶焼鈍し工程で再結晶焼鈍しを施した圧延板の板面に、粒度#800以上#2400以下の砥粒を用いるバフ研磨を施す表面研磨工程と、を備える方法によって製造することができる。
このような製造方法によって、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有する本実施形態の抵抗材用銅合金材料を製造することができる。
以下に、本実施形態の抵抗材用銅合金材料の製造方法のより具体的な例を、一例として示す。
まず、炉等を用いて原材料を溶解し鋳造して、上記の合金成分を有する鋳塊を得る(鋳造工程)。次に、鋳造工程で得られた鋳塊を熱処理して合金成分を均質化する(均質化熱処理工程)。均質化熱処理工程における熱処理の条件は、合金組成に応じて適宜設定すればよいが、一例としては、800℃以上950℃以下で10分間以上10時間以下という条件が挙げられる。加熱温度が高すぎたり加熱時間が長すぎたりすると、抵抗材用銅合金材料の加工性が低下するおそれがある。一方、加熱温度が低すぎたり加熱時間が短すぎたりすると、合金成分の均質化が不十分となるおそれがある。
続いて、均質化熱処理工程により均質化された鋳塊に熱間圧延を施し、鋳塊を板状物に成形する(熱間圧延工程)。均質化熱処理工程が終了した直後の鋳塊は高温に加熱された状態であるので、そのまま連続して熱間圧延工程に移行し熱間圧延を実施することが好ましい。熱間圧延が終了したら、鋳塊の板状物を常温に冷却する。熱間圧延工程後の板状物の表面には酸化皮膜が形成されているので、この酸化皮膜を除去する(面削工程)。
次に、酸化皮膜を除去した板状物に冷間圧延を施す(冷間圧延工程)。例えば、板状物を冷間圧延して板厚を薄化し、圧延板とする。冷間圧延工程の圧延方向は、熱間圧延工程の圧延方向と同一方向とする。冷間圧延の加工率は特に限定されるものではないが、例えば50%以上とすることができる。冷間圧延工程での加工率が50%以上であれば、続く再結晶焼鈍し工程において適切な条件で焼鈍しすることにより、熱間圧延工程までに得られた材料組織を十分に微細化することができるため、最終的に得られる結晶粒径が大きくなり過ぎることがなく、適切な大きさとなりやすい。
続いて、冷間圧延工程で得た圧延板を熱処理して、再結晶焼鈍しを施す(再結晶焼鈍し工程)。再結晶焼鈍し工程における熱処理の条件は、合金組成等に応じて適宜設定すればよいが、一例としては、350℃以上700℃以下で10秒間以上10時間以下という条件が挙げられる。加熱温度が高すぎたり加熱時間が長すぎたりすると、熱間圧延工程までに得られた材料組織を十分に微細化することができず、最終的に得られる結晶粒径を小さくすることができないおそれがある。一方、加熱温度が低すぎたり加熱時間が短すぎたりすると、再結晶組織が得られなかったり、あるいは、再結晶組織が小さくなりすぎて最終的に得られる結晶粒径が小さくなるおそれがある。この熱処理には、圧延板を炉内に入れて昇温するバッチ熱処理を用いてもよいし、昇温した炉内に圧延板を連続的に通板する走間熱処理を用いてもよい。
次に、再結晶焼鈍し工程で再結晶焼鈍しを施した圧延板の板面に、粒度#800以上#2400以下の砥粒を用いるバフ研磨を施す(表面研磨工程)。バフ研磨の研磨方向、すなわち、圧延板の板面とバフとの相対移動方向は、冷間圧延工程の圧延方向及び熱間圧延工程の圧延方向と同一方向とする。砥粒の粒度が#800未満であると、圧延板の板面が粗くなりすぎて、所望の表面性状が得られないおそれがある。一方、砥粒の粒度が#2400超過であると、圧延板の板面が平滑になりすぎて、所望の表面性状が得られないおそれがある。
次に、表面研磨工程で板面を研磨した圧延板に、加工率0%超過50%以下の冷間圧延を施す(再冷間圧延工程)。例えば、圧延板を冷間圧延して、板厚をさらに薄化し所望の厚さとする。再冷間圧延工程での加工率が50%超過であると、表面研磨工程において形成された板面の凹凸が、冷間圧延によって潰れる場合があるので、所望の表面性状が得られないおそれがある。
なお、この再冷間圧延工程は行わなくてもよい。すなわち、再冷間圧延工程を行わず、表面研磨工程後に施される加工の加工率を0%としてもよい。
また、再冷間圧延工程の圧延方向は、冷間圧延工程の圧延方向、熱間圧延工程の圧延方向、及びバフ研磨の研磨方向と同一方向とする。そして、圧延板の製造後に、その板面について、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を取得するが、この圧延方向とは、表面研磨工程の前に行う冷間圧延工程の圧延方向又は再冷間圧延工程の圧延方向を意味する。
以上のような工程を備える製造方法によって、上記の表面性状を有する圧延板を製造することができる。表面研磨工程と再冷間圧延工程によって、上記の表面性状を得る。ただし、表面研磨工程の前に行う冷間圧延工程と再結晶焼鈍し工程は、それぞれ1回ずつ行ってもよいし、表面研磨工程を行う前にそれぞれ複数回ずつ繰り返し行ってもよい。また、鋳造工程において横型連続鋳造法を採用して、鋳造工程において鋳塊を板状物に成形すれば、均質化熱処理工程と熱間圧延工程を省略することができる。また、隣接する工程と工程の間又は最終工程(表面研磨工程又は再冷間圧延工程)の後に、形状矯正、酸化膜除去、脱脂、防錆等の処理を実施してもよい。ただし、表面研磨工程又は再冷間圧延工程の後に実施する場合は、表面性状が本発明の範囲を外れないように行う必要がある。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
所定の合金組成を有する鋳塊を鋳造により製造し(鋳造工程)、800℃以上950℃以下で10分間以上10時間以下の熱処理を施して合金成分を均質化した後に(均質化熱処理工程)、熱間圧延により板状に成形し水冷した(熱間圧延工程)。次に、熱間圧延により得た板状物に面削を施して表面の酸化皮膜を除去した後に(面削工程)、50%以上の加工率で板状物を冷間圧延し板厚を薄化して圧延板とした(冷間圧延工程)。
次に、この圧延板を350℃以上700℃以下、10秒間以上10時間以下の条件で熱処理して再結晶焼鈍しを施した後に(再結晶焼鈍し工程)、砥粒を用いるバフ研磨を圧延板の板面に施した(表面研磨工程)。さらに続けて、バフ研磨を施した圧延板に、加工率0%以上60%以下の冷間圧延を施して(再冷間圧延工程)、厚さ0.04mm以上0.3mm以下の圧延板を得た。
合金組成は表1、2に示す通りであるが、表1、2に示す合金成分以外の残部は銅及び不可避不純物である。また、表面研磨工程で使用した砥粒の粒度、再冷間圧延工程における冷間圧延の加工率、及び得られた圧延板の接触式膜厚計で測定した板厚は、表1、2に示す通りである。表1は、合金組成を種々変更した場合の例を示し、表2は、表面研磨工程及び再冷間圧延工程の条件を種々変更した場合の例を示す。なお、表2の製造条件よりも表1の製造条件の方がより好ましい。
Figure 2018150705
Figure 2018150705
表1、2に示す実施例1〜27及び比較例1〜14の圧延板について、各種評価を行った。以下にその内容と方法を説明する。また、評価結果を表1、2に示す。
<表面性状の評価について>
圧延板の板面について、JIS B0601(2001)に規定された方法に準じる方法(接触式表面粗さ測定法)により表面粗さの測定を行い、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を取得して、最大高さRz及び粗さ曲線要素の平均長さRSmを得るとともに、粗さ曲線を解析して、上記数式により算出されるパラメータAの値を得た。
上記の接触式表面粗さ測定法について詳述する。圧延板の板面に直径2μmのプローブを接触させ、プローブの摺動距離4mm、摺動速度0.1mm/sとの条件で、圧延方向に対して直交する方向にプローブを摺動させた。そして、0.0005mm間隔で8000点の測定点(高さ情報)を得ることにより、粗さ曲線を取得した。なお、カットオフ長は0.8mmである。
<電気抵抗率の測定について>
圧延板の板面に鏡面研磨を施し、鏡面研磨前後の圧延板それぞれについて、JIS C2525に規定された方法に準じる方法(四端子法)により、20℃における電気抵抗率を測定した。圧延板の板厚はマイクロメータで測定した。そして、鏡面研磨前後の電気抵抗率の差が2%以下であった場合は、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすいと判定し、表1においては「○」印で示した。一方、鏡面研磨前後の電気抵抗率の差が2%超過であった場合は、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られにくいと判定し、表1においては「×」印で示した。
なお、鏡面研磨後の圧延板は、見かけの断面積と真の断面積との差が小さいため、材料の真の電気抵抗率により近い電気抵抗率が得られる。鏡面研磨後の圧延板の板面の表面性状は、最大高さRzが0.1〜0.3μmであり、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.2〜0.5mmであり、パラメータAの値が0.001〜0.002であった。
<レーザ溶接性の評価について>
圧延板と、無酸素銅からなる導電材とを突き合わせ、その界面をファイバーレーザ溶接で溶接した。溶接後、溶接した短冊状の試験片に対して、JIS Z2241に規定された方法に準じる方法により、溶接方向に対して直交する方向に引っ張る引張試験を実施した。そして、試験片の破断強度が150MPa以上であった場合は、レーザ溶接性が良好であると判定し、表1においては「○」印で示した。一方、試験片の破断強度が150MPa未満であった場合は、レーザ溶接性が不良であると判定し、表1においては「×」印で示した。
表1、2に示す結果から分かるように、実施例1〜27の圧延板は、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下であり、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、パラメータAの値が0.002以上0.04以下であるため、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られやすく且つ良好なレーザ溶接性を有していた。
これに対して、比較例1、2の圧延板は、合金組成が本発明の範囲を外れている例であるが、最大高さRz、粗さ曲線要素の平均長さRSm、及びパラメータAの値のいずれかが上記の数値範囲から外れているため、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られにくいか、又は、レーザ溶接性が不良であった。
比較例3〜6と比較例8〜12と比較例14の圧延板は、製造条件が本発明の範囲を外れている例であるが、最大高さRz、粗さ曲線要素の平均長さRSm、及びパラメータAの値のいずれかが上記の数値範囲から外れているため、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られにくいか、又は、レーザ溶接性が不良であった。
比較例7、13の圧延板は、板厚が本発明の範囲を外れているため、レーザ溶接性が不良であった。また、パラメータAの値が上記の数値範囲から外れているため、電気抵抗率の測定において正確な測定値が得られにくかった。
l 基準長さ
T 基準点
本発明の一態様に係る抵抗材用銅合金材料は、マンガン2質量%以上14質量%以下を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる抵抗材用銅合金材料であって、接触式厚さ計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板であり、圧延板の板面について、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を接触式表面粗さ測定法により取得した場合に、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、且つ、下記数式により算出されるパラメータAの値が0.002以上0.04以下であることを要旨とする。
下記数式中のymaxは、粗さ曲線からその平均線が延びる方向に基準長さlだけを抜き取った抜き取り部分における最も高い山の高さである。下記数式中のy、yi+1は、抜き取り部分に存在する粗さ曲線の測定点をそれぞれ基準点とした場合に、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第i番目、第i+1番目に存在する基準点の高さである。下記数式中のx、xi+1は、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端と第i番目、第i+1番目の基準点との間の平均線が延びる方向の長さである。下記数式中のnは、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から最も離れた位置に存在する基準点が、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第何番目の基準点かを表す数値である。下記数式中のtは、接触式厚さ計で測定した場合の圧延板の板厚である。
本発明の一実施形態について、以下に詳細に説明する。本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、マンガン(Mn)2質量%以上14質量%以下を含有し、残部が銅(Cu)及び不可避不純物からなる。そして、本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、接触式厚さ計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板である。また、圧延板の板面について、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を接触式表面粗さ測定法により取得した場合に、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、且つ、下記数式により算出されるパラメータAの値が0.002以上0.04以下である。
下記数式中のymaxは、粗さ曲線からその平均線が延びる方向に基準長さlだけを抜き取った抜き取り部分における最も高い山の高さである。下記数式中のy、yi+1は、抜き取り部分に存在する粗さ曲線の測定点をそれぞれ基準点とした場合に、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第i番目、第i+1番目に存在する基準点の高さである。下記数式中のx、xi+1は、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端と第i番目、第i+1番目の基準点との間の平均線が延びる方向の長さである。下記数式中のnは、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から最も離れた位置に存在する基準点が、抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第何番目の基準点かを表す数値である。下記数式中のtは、接触式厚さ計で測定した場合の圧延板の板厚である。
本実施形態の抵抗材用銅合金材料は、上記のように、接触式厚さ計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板である。接触式厚さ計としては、例えばマイクロメータ等が挙げられる。接触式厚さ計で測定した板厚tから、圧延板(あるいは、抵抗材用銅合金材料から製造した抵抗材)の見かけの断面積を算出することができる。圧延板(あるいは、抵抗材用銅合金材料から製造した抵抗材)の真の断面積を求めるためには、圧延板の板面の表面性状を考慮する必要がある。
したがって、「0.5×{(ymax−y)+(ymax−yi+1)}×(xi+1−x)」について、i=1からi=n−1まで総和すれば(すなわち、抜き取り部分のX軸方向の一端(左端)に最も近い位置に存在する基準点Tから最も離れた位置に存在する基準点Tまで総和すれば)、圧延板の片面について、見かけの断面積と真の断面積との差を算出したことになる。さらに、上記総和の結果を2倍すれば、圧延板の両面について、見かけの断面積と真の断面積との差を算出したことになる。この断面積の差を、接触式厚さ計で測定した圧延板の板厚tと基準長さlとの積t×l(すなわち、見かけの断面積)で除して算出したパラメータAによって、表面性状の影響によって生じる見かけの断面積と真の断面積との差異の大きさを評価することができる。
合金組成は表1、2に示す通りであるが、表1、2に示す合金成分以外の残部は銅及び不可避不純物である。また、表面研磨工程で使用した砥粒の粒度、再冷間圧延工程における冷間圧延の加工率、及び得られた圧延板の接触式厚さ計で測定した板厚は、表1、2に示す通りである。表1は、合金組成を種々変更した場合の例を示し、表2は、表面研磨工程及び再冷間圧延工程の条件を種々変更した場合の例を示す。なお、表2の製造条件よりも表1の製造条件の方がより好ましい。

Claims (4)

  1. マンガン2質量%以上14質量%以下を含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる抵抗材用銅合金材料であって、
    接触式膜厚計で測定した場合の板厚tが0.04mm以上の圧延板であり、
    前記圧延板の板面について、圧延方向に対して直交する方向の粗さ曲線を接触式表面粗さ測定法により取得した場合に、最大高さRzが0.3μm以上1.5μm以下、粗さ曲線要素の平均長さRSmが0.03mm以上0.15mm以下であり、且つ、下記数式により算出されるパラメータAの値が0.002以上0.04以下である抵抗材用銅合金材料。
    下記数式中のymaxは、前記粗さ曲線からその平均線が延びる方向に基準長さlだけを抜き取った抜き取り部分における最も高い山の高さである。下記数式中のy、yi+1は、前記抜き取り部分に存在する前記粗さ曲線の測定点をそれぞれ基準点とした場合に、前記抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第i番目、第i+1番目に存在する基準点の高さである。下記数式中のx、xi+1は、前記抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端と第i番目、第i+1番目の基準点との間の平均線が延びる方向の長さである。下記数式中のnは、前記抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から最も離れた位置に存在する基準点が、前記抜き取り部分の平均線が延びる方向の一端から数えて第何番目の基準点かを表す数値である。下記数式中のtは、接触式膜厚計で測定した場合の前記圧延板の板厚である。
    Figure 2018150705
  2. ニッケル0質量%超過3質量%以下、錫0質量%超過4質量%以下、鉄0質量%超過0.5質量%以下、ケイ素0質量%超過0.1質量%以下、クロム0質量%超過0.5質量%以下、ジルコニウム0質量%超過0.2質量%以下、チタン0質量%超過0.2質量%以下、銀0質量%超過0.5質量%以下、マグネシウム0質量%超過0.5質量%以下、コバルト0質量%超過0.1質量%以下、リン0質量%超過0.1質量%以下、及び亜鉛0質量%超過0.5質量%以下からなる群より選ばれる1種又は2種以上の元素をさらに含有する請求項1に記載の抵抗材用銅合金材料。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の抵抗材用銅合金材料を製造する方法であって、
    銅合金の鋳塊に冷間圧延を施して板状に成形し圧延板とする冷間圧延工程と、
    前記冷間圧延工程で得た圧延板に再結晶焼鈍しを施す再結晶焼鈍し工程と、
    前記再結晶焼鈍し工程で再結晶焼鈍しを施した圧延板の板面に、粒度#800以上#2400以下の砥粒を用いるバフ研磨を施す表面研磨工程と、
    前記表面研磨工程で板面を研磨した圧延板に加工率0%超過50%以下の冷間圧延を施す再冷間圧延工程と、
    を備える抵抗材用銅合金材料の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の抵抗材用銅合金材料で少なくとも一部分が構成された抵抗器。
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