JPWO2018131162A1 - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

太陽電池モジュールの製造方法は、第1面と第1面に対向する第2面とを有する太陽電池セルにおける、第1面に設けられた第1面接続電極と、第2面に設けられた第2面接続電極と、にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、表面が無鉛はんだで被覆された第1タブ線と、第2面が上向きにされた太陽電池セルと、表面が無鉛はんだで被覆された第2タブ線と、をホットプレート上に積層する積層工程と、を含む。また、太陽電池モジュールの製造方法は、第2タブ線を押さえ装置により上部から押さえる押さえ工程と、太陽電池セルをホットプレートにより既定の予備加熱温度に予備加熱する予備加熱工程と、太陽電池セルをランプヒータの赤外線により第2面側から既定の加熱温度に加熱する加熱工程と、を含む。

Description

本発明は、タブ線を用いて太陽電池セル同士を接続する太陽電池モジュールの製造方法に関する。
従来、太陽電池セルとタブ線とのはんだ付けにおいて、断面構造が0.2mm×1.0mm程度の銅箔をはんだメッキしたタブ線の場合には、はんだにはSnPb系はんだを用いることが一般的となっている。しかし、鉛(PB)は人体にとって有害な金属であるため、現在では規制の対象となっている。
かつては、冷蔵庫、エアコン、電子レンジ、洗濯機および換気扇といった電気製品に搭載された電子基板もしくは配線には、鉛を使用したはんだが用いられていた。しかしながら、2006年からは、有害物質使用制限指令(DIRECTIVE 2002/95/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 27 January 2003 on the restriction of the use of certain hazardous substances in electrical and electronic equipment:RoHS指令)に準じた仕様である無鉛仕様のはんだが、特殊な電気製品を除いて適用されている。本指令は、例えば、廃棄処理として一般的な埋立処理の場合、廃棄製品のはんだから雨水等により有害な鉛成分が溶出し、地下水の汚染を引き起こす可能性があるとして設定されたものである。
一方、特殊な電気装置と同様に太陽電池モジュールも、無鉛はんだによるタブ線のはんだ付けを前提にした太陽電池セルのモジュール化は困難であるとの判断によりRoHS指令の適用除外製品とされており、多くの太陽電池モジュール製品には現時点でもSnPb系はんだが用いられている。無鉛はんだによるタブ線のはんだ付けを前提にした太陽電池セルのモジュール化が困難である理由の一つは、無鉛仕様のはんだの融点が、有鉛仕様のはんだの融点と比較して30℃以上高いために、はんだ付けを実施する設備の仕様が高温化対応する必要があったためである。RoHS指令の検討時、太陽電池産業は普及の観点からは黎明期であり、太陽電池モジュールの普及、すなわち太陽電池モジュールの大量生産化が各国での優先事項となり、RoHS指令の対象外品と位置付けられた。
この様な状況において、太陽電池モジュールの普及は、2006年当時から大きく進み、日本では2008年に年間250MW程度であった発電能力が、2012年からは5000MWを越える規模となった。太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン 平成28年3月版によれば、「太陽光発電設備の寿命が25年間であると仮定した場合に、太陽光発電設備の排出量は、2020年では年間3千トン、2030年には3万トンになる」と試算されている。一方、欧州では、RoHS指令に関して、2021年頃より適用除外の対象が見直されることになっており、太陽電池モジュールといえども、無鉛化が必須な状況となってきている。
太陽電池セルとタブ線とのはんだ付けにおいて一般的に用いられている技術として、特許文献1には、タブリードが配置された太陽電池セルに対して、ホットプレートを用いて予備加熱した状態においてランプヒータから赤外線を照射することによって、タブリードのはんだをはんだの溶融温度までさらに加熱し、その後ランプヒータを消灯してはんだを降温させることではんだ付けを行うことが開示されている。
特許文献1に記載されたはんだ付け方法をSn−37Pb系のはんだを用いたはんだ付けに適用する場合には、Sn−37Pb系のはんだの融点が183℃であるので、温度プロファイルのピーク温度を190℃程度に設定しておけばはんだ付けを行うことが可能である。
一方、はんだの無鉛化においては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization:NEDO)は、はんだ材料に、組成がSn−3.0Ag−0.5Cu系の無鉛はんだを推奨してきた。Sn−3.0Ag−0.5Cu系のはんだの融点は、216℃から221℃の高温に達することから、既存のはんだ付け設備をそのまま転用することが困難である。このため、低温処理化およびはんだ付け時のぬれ性といった条件を考慮し、Sn−3.0Ag−0.5Cu系のはんだにビスマス(Bi)またはニッケル(Ni)といった金属をさらに添加した系の検討および実用化が進んでいる。上述の電気製品では、BiまたはNiを添加したはんだを用いるにことによって無鉛化が実現されている。
特許第4986401号公報
一般社団法人 電子情報技術産業協会、「鉛フリーはんだの接合信頼性への取り組み」、 JEITA Review 2008.4、p.16〜20。
しかしながら、太陽電池モジュールは屋外に設置されることから、屋外の環境を配慮した湿度および温度サイクルの影響に配慮した仕様を決定する必要がある。85℃、85%程度の高温高湿条件、および温度サイクル時に達する破断寿命を配慮する場合、Sn−3.0Ag−0.5CuにBiまたはNiを添加した仕様を含め、有鉛仕様のSnPbはんだと比較しても、Sn−3.0Ag−0.5Cu系に勝る組成は無い、とのまとめが非特許文献1において示されている。
以上の観点から、既存の設備を活用してはんだ付けが可能な条件において、処理温度がSnPb系と比較して高温である無鉛仕様のはんだを用いて太陽電池セルとタブ線との高品質なはんだ付けを実現することが望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、既存の設備を用いて無鉛仕様のはんだによって太陽電池セルとタブ線との高品質なはんだ付けを実現する太陽電池モジュールの製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池モジュールの製造方法は、第1面と第1面に対向する第2面とを有する太陽電池セルにおける、第1面に設けられた第1面接続電極と、第2面に設けられた第2面接続電極と、にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、表面が無鉛はんだで被覆された第1タブ線と、第2面が上向きにされた太陽電池セルと、表面が無鉛はんだで被覆された第2タブ線と、をホットプレート上に積層する積層工程と、を含む。また、太陽電池モジュールの製造方法は、第2タブ線を押さえ装置により上部から押さえる押さえ工程と、太陽電池セルをホットプレートにより既定の予備加熱温度に予備加熱する予備加熱工程と、太陽電池セルをランプヒータの赤外線により第2面側から既定の加熱温度に加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
本発明にかかる太陽電池モジュールの製造方法は、既存の設備を用いて無鉛仕様のはんだによって太陽電池セルとタブ線との高品質なはんだ付けを実現できる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線を準備する工程のうちボビンから引き出されるタブ線を示す図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線を準備する工程のうちタブ線の「くせ」を取り除く工程を示す図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線を準備する工程のうち「くせ」が取り除かれたタブ線がタブ線切断装置により切断されてタブ線移載装置により保持される状態を示す模式図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられる太陽電池セルを受光面側から見た模式斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられる太陽電池セルを受光面と対向する裏面側から見た模式斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セルの受光面側における受光面銀バス電極にフラックスが塗布される工程を示す図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セルの受光面銀バス電極にフラックスが塗布された状態を示す模式斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セルの裏面銀バス電極にフラックスが塗布された状態を示す模式斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線を用いて隣接する太陽電池セル同士を相互接続する際の構成部材の位置関係を概念とした模式的分解斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線がホットプレートに配置されて押さえ装置により上部から押さえられた状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線がタブ線溝に配置される状態を示す断面図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられるホットプレートの上面に形成されたタブ線溝を示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セルがホットプレート上に配置された状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線が太陽電池セル上に配置された状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セル上に配置されたタブ線が押さえ装置により上部から押さえられた状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、加熱工程の実施状態を示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法により作製された太陽電池モジュールの一例を示す斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法におけるタブ線と太陽電池セルとをはんだ付けする際の太陽電池セルの温度と時間との温度プロファイル条件を示す図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられるランプヒータの構成の一例を示す模式斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法を用いたタブ線のはんだ付けに用いるはんだのAg組成比と、太陽電池セルの裏面銀バス電極に対するタブ線のピール強度と、の関係を示した特性図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法を用いたタブ線のはんだ付け後の太陽電池セルの断面像の観察領域を示す模式斜視図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法に従って、Sn−0.3Ag−0.7Cuはんだがはんだメッキされたタブ線の裏面銀バス電極へのはんだ付けを行った場合の太陽電池セルの断面写真 図23の模式図 本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法に従って、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだがはんだメッキされたタブ線の裏面銀バス電極へのはんだ付けを行った場合の太陽電池セルの断面写真 図25の模式図
以下に、本発明の実施の形態にかかる太陽電池モジュールの製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。また、理解の容易のため、平面図または斜視図においてもハッチングを付している場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の手順を示すフローチャートである。本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法は、主たる工程として、フラックス塗布工程と、積層工程と、押さえ工程と、予備加熱工程と、加熱工程と、を含む。また、積層工程は、第1タブ線配置工程と、太陽電池セル配置工程と、第2タブ線配置工程と、を有する。以下、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法について工程順に説明する。
(タブ線準備工程)
まず、本実施の形態にかかる太陽電池モジュールの製造方法の主要な工程に先立って、ステップS10において、タブ線1を準備するタブ線準備工程が実施される。図2は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1を準備する工程のうちボビン2から引き出されるタブ線1を示す図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1を準備する工程のうちタブ線1の「くせ」を取り除く工程を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1を準備する工程のうち「くせ」が取り除かれたタブ線1がタブ線切断装置5により切断されてタブ線移載装置6により保持される状態を示す模式図である。
図2に示すように、本形態の形態1において、タブ線1はボビン2より供給される。ボビン2に巻きつけられたタブ線1は、ボビン2に巻きついていたときの形状を保持するように湾曲する、ボビン2と同様の直径の円状の「くせ」を有している。このまま、タブ線1をボビン2から引き出して使用すると、このタブ線1の「くせ」が以降の工程において種々な動作を妨げることになる。このため、タブ線1の「くせ」を取り除く必要がある。
そこで、図2に示すように、ボビン2より供給されるタブ線1は、くせ除去装置3に通されることにより、「くせ」が除去される。くせ除去装置3は、タブ線1の「くせ」を取り除くための複数のローラ4がタブ線1の搬送方向において上下交互に配置されている。くせ除去装置3から引き出されたタブ線1は、図3に示すように、以降のプロセスで必要な所望の長さにタブ線切断装置5によって切断される。切断されたタブ線1は、図4に示すように、タブ線切断装置5に隣接して配置されたタブ線移載装置6によって吸着保持される。タブ線移載装置6は、保持したタブ線1を後述する太陽電池セルまたはホットプレート23における既定の位置に配置する。
(フラックス塗布工程)
タブ線準備工程の後、ステップS20において、太陽電池セル11の表裏面のバス電極にフラックスを塗布するフラックス塗布工程が実施される。図5は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられる太陽電池セル11を受光面側から見た模式斜視図である。図6は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられる太陽電池セル11を受光面と対向する裏面側から見た模式斜視図である。
太陽電池セル11は、結晶系シリコン基板を用いた一般的なバルク型太陽電池セルである。なお、太陽電池セル11は結晶系シリコン基板を用いたバルク型太陽電池セルに限定されず、各種のバルク型太陽電池セルを用いることができる。
詳細の図示は省略するが、太陽電池セル11は、156mm角程度の外形寸法を有するp型単結晶シリコン基板の受光面側にn型不純物拡散層が形成されてpn接合が構成されている。また、n型不純物拡散層上には反射防止膜が形成されている。太陽電池セル11の受光面側には、反射防止膜を貫通してn型不純物拡散層に接続する櫛型形状の受光面側電極12として、受光面グリッド電極13と、受光面グリッド電極13と電気的に接続する受光面銀バス電極14と、が設けられている。
受光面グリッド電極13は、銀(Ag)を主体とする、幅が100μm未満であり、80本から150本の範囲の本数が、n型不純物拡散層の全面に等間隔で配置されている。受光面銀バス電極14は、銀(Ag)を主体とする、幅が1mmから2mm程度であり、3本から5本の範囲の本数が、受光面グリッド電極13と直交する方向に等間隔でn型不純物拡散層上に配置されている。本実施の形態1では、受光面銀バス電極14の本数を4本としている。なお、以下の図面では、理解の容易のため、受光面グリッド電極13を省略する場合がある。
太陽電池セル11の裏面側には、裏面側電極15として、裏面アルミニウム電極16と、裏面アルミニウム電極16と電気的に接続する裏面銀バス電極17と、が設けられている。裏面アルミニウム電極16は、アルミニウム(Al)を主体とする、p型単結晶シリコン基板の裏面のほぼ全面に配されている。裏面銀バス電極17は、銀(Ag)を主体とする、太陽電池セル11の受光面側における受光面銀バス電極14に対応する領域に、ドット状に配列されている。
したがって、図5および図6に示すように、太陽電池セル11の第1面である裏面および第2面である受光面には、タブ線1がはんだ付けされる接続電極であるバス電極が形成されている。すなわち、太陽電池セル11においては、タブ線1がはんだ付けされる第2接続電極である受光面銀バス電極14が受光面側に形成され、タブ線1がはんだ付けされる第1接続電極である裏面銀バス電極17が裏面側に形成されている。太陽電池セル11の受光面側および裏面側の両面において、電極部分の面積はp型単結晶シリコン基板の面積に対して10%未満の面積とされている。この場合、太陽電池セル11は上面がマイナス側、下面がプラス側とされている。
図7は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セル11の受光面側における受光面銀バス電極14にフラックスが塗布される工程を示す図である。
太陽電池セル11の接続電極にタブ線1をはんだ付けするには、図7に示すように、フラックス22を塗布するためのフラックス塗布装置21から受光面銀バス電極14上にフラックス22が塗布される。なお、図7においては、太陽電池セル11の受光面銀バス電極14上にフラックス22が塗布される状態を示しているが、太陽電池セル11の裏面銀バス電極17上にも、受光面側と同様に、フラックス塗布装置21からフラックス22が塗布される。
図8は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セル11の受光面銀バス電極14にフラックス22が塗布された状態を示す模式斜視図である。図9は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セル11の裏面銀バス電極17にフラックス22が塗布された状態を示す模式斜視図である。
上述したように受光面側および裏面側にフラックス22が塗布された太陽電池セル11は、図示しないセル移送装置によりホットプレート23上に移載される。
(積層工程)
フラックス塗布工程の後、ホットプレート23上に太陽電池セル11とタブ線とを積層する積層工程が実施される。積層工程においては、第1タブ線配置工程と、太陽電池セル配置工程と、第2タブ線配置工程と、が実施される。図10は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1を用いて隣接する太陽電池セル11同士を相互接続する際の構成部材の位置関係を概念とした模式的分解斜視図である。
図10において右側に配置されている右側太陽電池セル11aの上側、すなわち受光面側にタブ線1の一端側を配置する場合は、右側太陽電池セル11aの左側に隣接する左側太陽電池セル11bの下側、すなわち裏面側にこのタブ線1の他端側が配置される。なお、図10では2つの太陽電池セル11のみを示しているが、実際にはより多数の太陽電池セル11が並列配置される。そして、各太陽電池セル11においては、左側から延びて来たタブ線1が太陽電池セル11の上部に配置され、右側から延びて来たタブ線1が太陽電池セル11の下部に配置される。また、以下のステップS30の第1タブ線配置工程からステップS60の押さえ工程までにおいては、理解容易のため、1つのホットプレート23における積層工程についてのみ説明する。
タブ線1は、ステップS10のタブ線準備工程において、隣り合う2枚の太陽電池セル11の受光面側から裏面側に渡る長さに切断されている。また、タブ線1は、隣り合う2枚の太陽電池セル11の受光面側から裏面側に渡って配置できるように、クランク形状に曲げ加工が施されている。
(第1タブ線配置工程)
図11は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1がホットプレート23に配置されて押さえ装置25により上部から押さえられた状態を示す斜視図である。図12は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1がタブ線溝24に配置される状態を示す断面図である。図13は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられるホットプレート23の上面に形成されたタブ線溝24を示す斜視図である。
ステップS30の第1タブ線配置工程では、図11および図12に示すように4本の第1タブ線であるタブ線1が、左側に配置されたホットプレート23上に図示しないタブ線移載装置6によって配置される。ホットプレート23は、1つの太陽電池セル11に対して1つが個別に用意される。これにより、ホットプレート23の数量を増やすことで、所望の数量の太陽電池セル11に対するタブ線1のはんだ付けが容易に実現できる。タブ線1は、図12および図13に示すようにホットプレート23の上面において太陽電池セル11の第1面接続電極に対応する位置に設けられたタブ線溝24に配置される。
タブ線1は、図12に示すように、心線である銅箔1aの表面が無鉛はんだのはんだメッキ1bにより被覆された構成を有する。本実施の形態1では、無鉛はんだにSn−3.0Ag−0.5Cu系はんだを使用する。タブ線1の幅をタブ幅Tw、タブ線1の厚みをタブ厚Td、タブ線溝24の溝幅を溝幅Mw、タブ線溝24の溝深さMdとすると、タブ線溝24は、タブ線1を収納するとともに、且つタブ線1の上面をホットプレート23の上面から突出させるために、「タブ厚Td≒溝深さMd、タブ厚Td>溝深さMd、タブ幅Tw≒溝幅Mw、タブ幅Tw<溝幅Mw」の条件を満たす。
そして、タブ線溝24に配置されたタブ線1は、図11に示すように押さえ装置25により上部から押さえられる。これにより、タブ線1が、タブ線溝24の底部に密着した状態に確実に押し込まれる。押さえ装置25は、タブ線1および太陽電池セル11を押さえる複数のピン26と、複数のピン26を軸27を中心に回動させる図示しない駆動手段とを有する。駆動手段は、軸27を中心に複数のピン26を回動させて、ホットプレート23上においてタブ線1を押さえる押さえ位置と、ホットプレート23上から退避する退避位置と、に変位させる。
なお、図11および図12には図示していないが、タブ線溝24の底部には複数の吸着穴からなる吸引部がタブ線溝24の長手方向において等間隔に形成されており、吸着部は吸引装置に接続されている。そして、タブ線溝24に収納されたタブ線1は、吸着部によってホットプレート23に吸着されて固定された状態となる。なお、タブ線1がホットプレート23に吸着された状態で、一旦、押さえ装置25は待機位置に戻る。すなわち、押さえ装置25は、一旦、開放される。
(太陽電池セル配置工程)
図14は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セル11がホットプレート23上に配置された状態を示す斜視図である。ステップS40の太陽電池セル配置工程では、図14に示すように、第1面である裏側が下向きとされ、第2面である受光面側が上向きとされた太陽電池セル11が、ホットプレート23上、すなわちホットプレート23に配置された4本のタブ線1上に、図示しない搬送装置によって配置される。太陽電池セル11は、第1面接続電極である裏面バス電極17の位置をホットプレート23上のタブ線1の位置に合わせてホットプレート23上に配置される。太陽電池セル11は、ホットプレート23の上面に形成された吸着穴からなる図示しない吸着部によってホットプレート23に吸着されて固定された状態となる。
(第2タブ線配置工程)
図15は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1が太陽電池セル11上に配置された状態を示す斜視図である。ステップS50の第2タブ線配置工程では、図15に示すように4本の第2タブ線であるタブ線1が、太陽電池セル11上に図示しないタブ線移載装置6によって配置される。タブ線1は、太陽電池セル11の上面において太陽電池セル11の第2接続電極である受光面銀バス電極14上に配置される。
(押さえ工程)
図16は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セル11上に配置されたタブ線1が押さえ装置25により上部から押さえられた状態を示す斜視図である。ステップS60の押さえ工程では、図16に示すように、押さえ装置25により上部から押さえられる。適切なはんだ付けを実現するためには、はんだ付け時のタブ線1の押さえ付け力を適切に設定することが必要である。押さえ装置25による押さえ付け力を、1点あたり1.0Nから3.5Nに設定することにより、均一で、接合信頼性の高いはんだのフィレットを形成可能となり、接合信頼性の高いはんだ接合が可能となる。1点あたりの押さえ付け力が1.0N未満の場合には、タブ線1と太陽電池セル11の接続電極とを適切に密着させることができない場合がある。1点あたりの押さえ付け力が3.5Nより大の場合は、押さえ装置25の力により、はんだの溶融時に裏面銀バス電極17とタブ線1との間のはんだの厚みが変化する可能性がある。
上述したステップS30の第1タブ線配置工程からステップS60の押さえ工程までを、並列配置した複数のホットプレート23に対して行うことにより、はんだ接合前の複数の太陽電池セル11の太陽電池ストリングが複数のホットプレート23上に構成される。この場合、図示していないが太陽電池ストリングの右端の太陽電池セル11の右側から突き出すタブ線1は、隣接するストリングと接続タブによって接続するための長さ分である数cmが延びた状態とされる。一方、太陽電池ストリングの左端の太陽電池セル11も同様に、左側から突き出すタブ線1は、隣接するストリングと接続タブによって接続するための長さ分である数cmが延びた状態とされる。
(予備加熱工程)
つぎに、ステップS70の予備加熱工程において、タブ線1および太陽電池セル11をホットプレート23により予備加熱する。ホットプレート23は、はんだ付け前のタブ線1および太陽電池セル11の温度が常に所望の予備加熱温度になるように、既定の予備加熱温度に設定されている。本実施の形態1では、ホットプレート23の予備加熱温度を180±3℃、すなわち177℃から183℃としている。ホットプレート23の予備加熱は、タブ線1の予備加熱を確実に既定の温度、すなわち180±3℃で行うために、タブ線1により接続される隣り合う太陽電池セル11の加熱工程が終了するまで、予備加熱状態を保持する。予備加熱は、太陽電池ストリングの全ての太陽電池セル11の加熱工程が終了するまで予備加熱を保持してもよい。
(加熱工程)
図17は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、加熱工程の実施状態を示す斜視図である。ステップS80の加熱工程では、予備加熱により180±3℃に昇温されているタブ線1および太陽電池セル11を、ホットプレート23上に載せた状態でランプヒータ28から赤外線29を照射することにより、タブ線1と太陽電池セル11とについて所望の温度プロファイルが得られる様に、既定の加熱温度にタブ線1と太陽電池セル11とを昇降温させる。これにより、タブ線1が太陽電池セル11の第2接続電極である受光面銀バス電極14および第1面接続電極である裏面バス電極17にはんだ付けされ、太陽電池セル11とタブ線1とが接合される。
図17においては、ホットプレート23が並列配置された状態を示しており、左端のホットプレート23aは、タブ線1および太陽電池セル11が載置されておらず、押さえ装置25が待機している状態である。左端から2番目のホットプレート23bは、タブ線1が載せられ、押さえ装置25がタブ線1を押さえた状態である。左端から3番目のホットプレート23cは、太陽電池セル11上にタブ線1が載せられた状態で、ホットプレート23の上部に設置されたランプヒータ28から赤外線29が照射されて加熱されている状態である。右端のホットプレート23dは、ランプヒータ28による加熱および既に加熱工程を経てタブ線1のはんだ付けが終了した状態である。図17に示す設備においては、右側のホットプレート23dから順に、上述した第1タブ線配置工程、太陽電池セル配置工程、第2タブ線配置工程、押さえ工程、予備加熱工程および加熱工程が実施される。
ランプヒータ28の下部のホットプレート23に載せられた太陽電池セル11の右側には、既に加熱工程を経てタブ線1のはんだ付けが終了した太陽電池セル11がホットプレート23に載せられた状態で保持されている。すべてのホットプレート23は、この状態で、タブ線1のはんだ付けが終了して電気的に直列接続された太陽電池セル11の数が既定の数となるまで、予備加熱温度で保持される。
図示はしていないが、例えば所望の直列接続数が5セルである場合、ランプヒータ28による赤外線29の照射による加熱を5回繰り返し、赤外線29の照射が終了する度に、ホットプレート23を一台分、右側にスライドさせる。ストリングは、タブ線1による直列接続が終了した太陽電池セル11がホットプレート23から右側に外されて、搬送台の上に載置された状態になる。これにより、図18に示すように、たとえば5枚の太陽電池セル11がタブ線1により直列接続されたストリングが形成される。図18は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法により作製された太陽電池モジュールの一例を示す斜視図である。なお、赤外線29の照射が終了する度に、ランプヒータ28が左側にスライドしてもよい。そして、ストリングをこのまま太陽電池モジュールとして用いてもよく、また、複数のストリングを接続タブにより電気的に接続して太陽電池モジュールとしてもよい。
図19は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法におけるタブ線1と太陽電池セル11とをはんだ付けする際の太陽電池セル11の温度と時間との温度プロファイル条件を示す図である。実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法においては、タブ線1および太陽電池セル11が180℃の予熱状態から3.7秒間、赤外線29を照射することにより加熱工程を実施して、タブ線1のはんだ付けを実現する。
本プロファイルは、加熱工程において、熱電対を156mm角の太陽電池セルの上面、すなわち受光面側の表面の12箇所に貼りつけて測定した温度の平均値を示したものである。図19では、タブ線1のはんだ付けが可能な太陽電池セル11の上限温度での平均値の温度プロファイルである上限設定時測定温度と、タブ線1のはんだ付けが可能な太陽電池セル11の下限温度での平均値の温度プロファイルである下限設定時測定温度と、を示している。
図19から、タブ線1および太陽電池セル11が180℃の予熱状態から3.7秒間、赤外線29を照射する場合、加熱工程における太陽電池セル11の加熱温度の下限値は248℃であり、加熱工程における太陽電池セル11の加熱温度の上限値は264℃となる。太陽電池セル11の加熱温度が264℃より高くなると、フラックス22の活性力の喪失およびホットプレート23への無鉛はんだのはんだメッキ1bの焼き付きが生じる。太陽電池セル11の加熱温度が248℃未満の場合には、無鉛はんだのはんだメッキ1bの溶融が不十分となる。
なお、タブ線1および太陽電池セル11が180℃の予熱状態からの加熱時間は、3.6秒間から3.8秒間の間とすることが可能である。ランプヒータ28の出力を一定にした場合に、加熱時間が、3.6秒未満の場合は、加熱温度は248℃に到達せず、無鉛はんだは、はんだ付けに適合しうる溶融状態に達しない。一方、ランプヒータ28の出力を一定にした場合に、加熱時間が、3.8秒より大の場合は、加熱温度は264℃を越えることになり、例えばフラックス22が失活することによりフラックス22の本来の機能が損なわれ、無鉛はんだのフィレット形成のための拡がりが抑制される等の状況が発生して、適切なはんだ付けが困難となる。
本温度プロファイルにおいて、太陽電池セル11の温度がピーク値を迎えた後に太陽電池セル11が降温状態となり、再び予熱状態となる。この間、ランプヒータ28には一定の電圧が印加され、ランプヒータ28の出力は変えていない。以上の急加熱を実現するために裏面銀バス電極17毎に対向する形でランプヒータ28を構成してもよい。図20は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられるランプヒータ28の構成の一例を示す模式斜視図である。図20に示すランプヒータ28では、裏面銀バス電極17の本数と一致させてランプが4分割されており、赤外線29も各ランプから各裏面銀バス電極17に集光されて照射される構成とされている。すなわち、図20に示すランプヒータ28は、各裏面銀バス電極17用に、ランプと、ランプから照射される赤外線29を集光して個別に裏面銀バス電極17に照射するための光学部品とを有する。
また、本実施の形態1においては、加熱工程後に太陽電池セル11を加熱温度、すなわちピーク温度から予備加熱温度に冷却する時間は、7.0秒から9.0秒である。ピーク温度から予備加熱温度に冷却する時間が7.0秒未満の場合には、太陽電池セル11が急冷却する速度が速すぎるため、急激な太陽電池セル11の変形により太陽電池セル11に割れが生じる場合がある。ピーク温度から予備加熱温度に冷却する時間が9.0秒より大の場合には、急冷却する速度が遅すぎるため、太陽電池セル11を予備加熱温度に冷却するまでに想定以上の処理時間がかかり、想定する生産数が得られないこととなる。なお、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法においては、図19に示すように、予熱状態の太陽電池セル11を3.6秒間から3.8秒間の加熱後に、7.0秒から9.0秒間で加熱温度から予備加熱温度に冷却する温度プロファイルが重要であり、本温度プロファイルを実現可能であれば、予備加熱工程および加熱工程の実現方法は問わない。
そして、一列のストリングを形成する場合の1つの太陽電池セル11の温度プロファイルは、ホットプレート23に置かれた段階から180℃に昇温され、上述のタブ線1の設置およびランプヒータ28による加熱を経てピーク温度に達し、その後ランプヒータ28の消灯により180℃に降温する温度プロファイルである。そして、180℃に降温してからは、太陽電池セル11は、180℃に保持されたままとなる。本実施の形態1では、ストリングのうち、右端の太陽電池セル11が最も長く180℃に保持された状態となる。
本実施の形態1では、ホットプレート23に太陽電池セル11が載せられた状態からストリングが形成されるまで太陽電池セル11は180℃に保持されているので、過冷却による太陽電池セル11の割れが生じない条件となっている。タブ線1のはんだ付けにおいて、室温から、ピーク温度である250℃から260℃程度に急加熱、また、急冷却する場合、急激な太陽電池セル11の変形により割れが生じる場合があるが、本条件では、はんだ付けでの割れはほとんど発生しない。
タブ線1のはんだ付け後、タブ線1の銅箔1aと太陽電池セル11のシリコンとの膨張係数の差分の反りが発生するが、一気に冷却する場合、降温時の温度と共に反りが発生し、割れが発生する場合がある。しかしながら、本実施の形態1では、タブ線1のはんだ付けを行ってストリングを製造する際に、降温の保持温度を180℃の予熱温度に留めることによって、太陽電池セル11の急冷却を防止して、降温時の太陽電池セル11の割れを防止することを実現している。
すなわち、予熱温度が177℃未満の場合には、加熱工程における急加熱または急冷却により急激な太陽電池セル11の変形により割れが生じる場合がある。また、予熱温度が183℃より大である場合には、予熱温度が180℃である場合と比較してフラックス22がより高温に曝される時間が増えるため、フラックス22の活性度が低下する可能性がある。そして、予熱温度が183℃より大である程度がさらに大きい場合には、フラックス22が失活することによりフラックス22の本来の機能が損なわれ、適切なはんだ付けが困難になる。
上述したタブ線1のはんだ付けは、1つの太陽電池セル11当たりに換算した場合に6秒/枚未満の速度での処理が可能となっているが、本状況を実現するためにはフラックス22には適切な材料のものを選択する必要がある。本実施の形態1では、フラックス22に、特許第3734361号公報に記載された材料を使用している。すなわち、本実施の形態1では、フラックス22に、溶剤成分と、固形分の成分とにて成り、固形分の成分には、酸成分がロジンであるエステル化合物と、ロジン系樹脂酸または変性ロジンを1種類以上含有させてなり、共役ジエン構造を有するロジン類の含有率が、上記固形分の成分に対して20重量%以下である。このようなフラックス22を使用することにより、ホットプレート23により180℃にて予熱した状態から3.7秒間の加熱によってピーク温度が260℃程度に達し、かつ、降温後の180℃に維持された温度プロファイルにおいてはんだ付けを実現することができる。
上記のフラックス22を適用したことにより、上述したタブ線1のはんだ付けの後、アルコールまたはフラックスリムーバーにより洗浄しなくても、耐ヒートサイクル性、高温高湿性に優れ、かつ紫外線劣化に対して優れた耐性を示し、長期信頼性が高い、太陽電池モジュールを製造することが可能となる。
本発明者等は、上述した太陽電池モジュールの製造方法に使用する好ましい無鉛はんだの組成比について検討した。はんだの組成比は、上記非特許文献1である、JEITA Reviewの「鉛フリーはんだの接合信頼性への取り組み」のリポートに記載があり、本リポートを参照して決定した。以下では、非特許文献1からの引用した内容にかっこを記している。非特許文献1では、はんだ組成を12種類の組成に変え、「ヒートサイクル試験およびクリープ試験」によるはんだ寿命をまとめている。非特許文献1で検討されたヒートサイクル試験は、「−40℃で30分の条件と、90℃で30分の条件と、の条件変更を1サイクルとし、累積故障率1%時のヒートサイクル数」を評価している。
本発明者等は、非特許文献1に記載されているはんだのうち組成が、「Sn−3.0Ag−0.5Cu、Sn−0.7Cu、Sn−0.3Ag−0.7Cu、Sn−0.5Ag−0.7Cu、およびSn−1.0Ag−0.7Cu」である5種類のはんだに注目し、はんだ組成のうちのAg組成比に対する「累積故障率1%時のヒートサイクル数」依存性について非特許文献1の記載を検討した。この結果、非特許文献1に記載されているように、上記5種類のはんだのうち、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだが最も高いサイクル数を示していることがわかった。
一方、本発明者等は、非特許文献1に記載されている上記5種類のはんだについて、はんだ組成のうちのAg組成比に対する「クリープ試験によるはんだ寿命」依存性について非特許文献1の記載を検討した。この結果、非特許文献1に記載されているように、上記5種類のはんだのうち、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだが他の仕様のはんだと比較して数倍の寿命を示しており優れていることがわかった。本観点から、基本的には非特許文献1を無鉛はんだ材料の選定の参考にした。
上記JEITA ReviewのレポートによりSn−3.0Ag−0.5Cuはんだが優れていることは確認できた。そこで、本発明者等は、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだを実際の太陽電池セルとタブ線とのはんだ付けに適用して作製した太陽電池モジュールの課題について確認した。コストの観点からは、タブ線でのAg使用量は抑えたく、一般に流通しているはんだ仕様としてSn−3.0Ag−0.5Cuはんだに次いで非特許文献1のレポートで高い接合信頼性の結果を示したSn−1.0Ag−0.7Cuはんだ、さらにAgの組成比率を少なくしたSn−0.3Ag−0.7Cuはんだを比較した。
Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだをはんだメッキして作製したタブ線、Sn−1.0Ag−0.7Cuはんだをはんだメッキして作製したタブ線、およびSn−0.3Ag−0.7Cuはんだをはんだメッキして作製したタブ線を使用し、上述した方法により太陽電池セル11の裏面銀バス電極17にタブ線1のはんだ付けを行い、タブ線1のピール強度を評価した。図21は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法を用いたタブ線1のはんだ付けに用いるはんだのAg組成比と、太陽電池セル11の裏面銀バス電極17に対するタブ線1のピール強度と、の関係を示した特性図である。図21は太陽電池セル11の裏面銀バス電極17に対するタブ線1のピール強度の、はんだにおけるAg組成比に対する依存性を示している。
裏面銀バス電極17に対するタブ線1のピール強度は、タブ線1のAg組成比に依存し、Ag組成比の低い方が低くなっている。本結果を受け、Ag組成比が低いはんだを用いた裏面銀バス電極17に対するタブ線1のはんだ付けにおいてピール強度が低くなっている原因を把握するために、図22におけるA−A線に沿った領域での裏面銀バス電極17に対するタブ線1のはんだ付け部分の断面像を観察した。図22は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法を用いたタブ線1のはんだ付け後の太陽電池セル11の断面像の観察領域を示す模式斜視図である。なお、実際には、タブ線1がはんだ付けされているが、本図ではタブ線1を除いた状態を示している。
図23は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法に従って、Sn−0.3Ag−0.7Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1の裏面銀バス電極17へのはんだ付けを行った場合の太陽電池セル11の断面写真である。図23では、図22におけるA−A線に沿った領域での、太陽電池セル11を構成する半導体基板31、裏面銀バス電極17、はんだめっき1bおよび銅箔1aの積層部分の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)写真を示している。図24は、図23の模式図である。
図25は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法に従って、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1の裏面銀バス電極17へのはんだ付けを行った場合の太陽電池セル11の断面写真である。図25では、図22におけるA−A線に沿った領域での、太陽電池セル11を構成する半導体基板31、裏面銀バス電極17、はんだ1bおよび銅箔1aの積層部分のSEM写真を示している。図26は、図25の模式図である。
太陽電池セル11の裏面のタブ付後における裏面電極部の断面構造において、接合強度が高く好ましい本来の断面構造は、図25のSEM写真および図26の模式図に示すように、裏面銀バス電極17のAg17aがはんだメッキ1bと半導体基板31との間に一様に存在している構造である。すなわち、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだを使用したタブ線1と裏面銀バス電極17とのはんだ付けを行った場合には、想定通りの構造の断面となっていることが確認できた。
一方、Sn−0.3Ag−0.7Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1の裏面銀バス電極17へのはんだ付けを行った場合の、タブ付後における裏面電極部の断面構造は、図23に示す様に、本来はAg17aが存在すべき部分の一部が空隙32となっている。この空隙32の存在が、図21に示したようなピール強度の低下をもたらしたものと推定される。本現象は、受光面銀バス電極14とタブ線1との接合部では発生していない。
また、断面写真は示していないが、Sn−1.0Ag−0.7Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1の裏面銀バス電極17へのはんだ付けを行った場合の、タブ付後における裏面電極部の断面構造を観察した。この結果、本来は裏面銀バス電極17のAg17aが存在すべき部分であるはんだメッキ1bと半導体基板31との間における空隙32の発生の程度は、Sn−0.3Ag−0.7Cはんだと比較して低いことが認められた。すなわち、形成されている裏面銀バス電極17の構造等にも依存するが、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法に従って形成した裏面電極部では、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1を用いた場合には全く空隙32が存在しないこと、Sn−1.0Ag−0.7Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1を用いた場合の空隙32の発生の程度は、Sn−0.3Ag−0.7Cはんだがはんだメッキされたタブ線1を用いた場合と比較して低いこと、が観察により認められた。
一方、図21に示すようにピール強度は、はんだにおけるAg組成比に依存しているので、これまでの観察結果から、空隙32の発生の程度は、タブ線1のはんだメッキのAg組成比に依存するものと推定される。そして、Sn−3.0Ag−0.5Cはんだを用いた場合には、本来はAg17aが存在すべき部分に空隙32が発生しないことからAg17aの溶融は発生しておらず、Sn−1.0Ag−0.7Cuはんだを用いた場合には空隙32が発生している。以上のことから、無鉛はんだにおけるAg組成比が1.0%から3.0%の間に、Agからなる裏面銀バス電極17が溶融しないAgの組成比が存在するものと仮定し、Agが溶融しない溶融限界となるAg組成比の試算を試みた。
試算は、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1と裏面銀バス電極17とのはんだ付けを行ったサンプルの空隙32について図23に示すような断面部分を複数箇所で観察し、空隙32の容積と、空隙32に隣接して存在するAg17aの容積とを考慮して、空隙32の容積分のAg17aが、空隙32に対面しているはんだに溶融するものと仮定した。この結果、裏面銀バス電極17が溶出しないはんだの組成は、2wt%程度のAgを含む組成と試算された。はんだの仕様では、Sn−2.0Ag−0.5Cuが例示される。
しかしながら、以上の試算結果が得られたものの、実際に流通している無鉛はんだの仕様は、Sn−1.0Ag−0.7CuはんだよりAg組成比が高い製品は、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだである。したがって、本実施の形態1では、最終的には、Sn−3.0Ag−0.5Cu系はんだを選択した。そして、Sn−Ag−Cu系はんだの組成は、銀が2.0wt%から3.3wt%であり、銅が0.4wt%から3.0wt%であり、残りが錫であることが好ましい。
Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀が2.0wt%より少ない場合には、タブ線1が受光面銀バス電極14または裏面バス電極17にはんだ付けされた際に、受光面銀バス電極14中または裏面バス電極17中の銀がはんだ側に溶け出し、受光面銀バス電極14または裏面バス電極17の抵抗が増加する。このため、Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀は2.0wt%以上であることが好ましい。また、Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀が3.3wt%より多い場合には、はんだのコストが高くなる。このため、Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀は3.3wt%以下であることが好ましい。
Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銅が多い場合には、はんだの融点が上昇する。このため、加熱温度が248℃から264℃までの範囲でタブ線1をはんだ付けするためには、Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銅は3.0wt%以下であることが好ましい。また、タブ線1を作製する際は、銅線をはんだ槽に浸けることにより導線の周りにはんだをコーティングする。ここで、銅線をはんだ槽に浸けると銅線の銅がはんだ槽に溶け出すので、はんだ槽中には必ず銅が溶け込んでいる。このため、はんだ中の銅の組成を減らすことは困難である。このため、銅線をはんだ槽に浸けることにより導線の周りにはんだをコーティングしてタブ線1を作製する際には、一般的にSn−Ag−Cu系はんだの組成において、銅は0.4wt%以上となる。
上述したように、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法では、無鉛はんだとしてSn−3.0Ag−0.5Cu系はんだを選択し、ホットプレート23上に直接、タブ線1と太陽電池セル11とタブ線1と順次積層する。そして、あらかじめ太陽電池セル11とタブ線1とに対してホットプレート23による予備加熱を行った上でランプヒータ28によってSn−3.0Ag−0.5Cu系はんだに適した昇温、降温の温度プロファイルで太陽電池セル11の温度を制御する。すなわち、予備加熱温度を177℃から183℃とし、加熱温度を248℃から264℃とする。これにより、既存の設備を活用して、接合信頼性の高い、タブ線1のはんだ付けを実現できる。そして、オンおよびオフの応答性、すなわち加熱応答性の速いランプヒータ28を用いることによって、タブ線1と太陽電池セル11との加熱を短時間で且つ精度良く行うことが可能である。
また、適切なはんだ付けを実現する為には、適切な温度プロファイルの設定に加え、はんだ付け時のタブ線1の押さえ付け力を適切に設定することが必要であり、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法では、はんだ付け時のタブ線1の押さえ付け力を、1点あたり1.0Nから3.5Nに設定する。これにより、均一で、接合信頼性の高いはんだのフィレットの形成が可能となり、接合信頼性の高いはんだ接合が可能となる。
したがって、本実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法によれば、既存の設備を用いて、Sn−3.0Ag−0.5Cu系の無鉛仕様のはんだによる太陽電池セル11とタブ線1との高品質なはんだ付けが可能となる。これにより、タブ線1と太陽電池セル11との信頼性の高いはんだ付けにより、太陽電池セル11と太陽電池セル11との信頼性の高い相互接続を実現した太陽電池モジュールが得られる、という効果を奏する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 タブ線、2 ボビン、3 くせ除去装置、4 ローラ、5 タブ線切断装置、6 タブ線移載装置、11 太陽電池セル、11a 右側太陽電池セル、11b 左側太陽電池セル、12 受光面側電極、13 受光面グリッド電極、14 受光面銀バス電極、15 裏面側電極、16 裏面アルミニウム電極、17 裏面銀バス電極、21 フラックス塗布装置、22 フラックス、23,23a,23b,23c,23d ホットプレート、24 タブ線溝、25 押さえ装置、26 ピン、27 軸、28 ランプヒータ、29 赤外線、31 半導体基板、32 空隙。
一方、はんだの無鉛化においては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization:NEDO)は、はんだ材料に、組成がSn−3.0Ag−0.5Cu系の無鉛はんだを推奨してきた。Sn−3.0Ag−0.5Cu系のはんだの融点は、216℃から221℃の高温に達することから、既存のはんだ付け設備をそのまま転用することが困難である。このため、低温処理化およびはんだ付け時のぬれ性といった条件を考慮し、Sn−3.0Ag−0.5Cu系のはんだにビスマス(Bi)またはニッケル(Ni)といった金属をさらに添加した系の検討および実用化が進んでいる。上述の電気製品では、BiまたはNiを添加したはんだを用いることによって無鉛化が実現されている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる太陽電池モジュールの製造方法は、第1面と第2面とを有する太陽電池セルにおける、第1面に設けられた第1面接続電極と、第2面に設けられた第2面接続電極と、にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、表面が無鉛はんだで被覆された第1タブ線と、第2面が上向きにされた太陽電池セルと、表面が無鉛はんだで被覆された第2タブ線と、をホットプレート上に積層する積層工程と、を含む。また、太陽電池モジュールの製造方法は、第2タブ線を押さえ装置により上部から押さえる押さえ工程と、太陽電池セルをホットプレートにより既定の予備加熱温度に予備加熱する予備加熱工程と、太陽電池セルをランプヒータの赤外線により第2面側から既定の加熱温度に加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
そこで、図に示すように、ボビン2より供給されるタブ線1は、くせ除去装置3に通されることにより、「くせ」が除去される。くせ除去装置3は、タブ線1の「くせ」を取り除くための複数のローラ4がタブ線1の搬送方向において上下交互に配置されている。くせ除去装置3から引き出されたタブ線1は、図3に示すように、以降のプロセスで必要な所望の長さにタブ線切断装置5によって切断される。切断されたタブ線1は、図4に示すように、タブ線切断装置5に隣接して配置されたタブ線移載装置6によって吸着保持される。タブ線移載装置6は、保持したタブ線1を後述する太陽電池セルまたはホットプレート23における既定の位置に配置する。
したがって、図5および図6に示すように、太陽電池セル11の第1面である裏面および第2面である受光面には、タブ線1がはんだ付けされる接続電極であるバス電極が形成されている。すなわち、太陽電池セル11においては、タブ線1がはんだ付けされる第2接続電極である受光面銀バス電極14が受光面側に形成され、タブ線1がはんだ付けされる第1接続電極である裏面銀バス電極17が裏面側に形成されている。太陽電池セル11の受光面側および裏面側の両面において、電極部分の面積はp型単結晶シリコン基板の面積に対して10%未満の面積とされている。この場合、太陽電池セル11は上面がマイナス側、下面がプラス側とされている。
なお、図11および図12には図示していないが、タブ線溝24の底部には複数の吸着穴からなる吸部がタブ線溝24の長手方向において等間隔に形成されており、吸着部は吸引装置に接続されている。そして、タブ線溝24に収納されたタブ線1は、吸着部によってホットプレート23に吸着されて固定された状態となる。なお、タブ線1がホットプレート23に吸着された状態で、一旦、押さえ装置25は待機位置に戻る。すなわち、押さえ装置25は、一旦、開放される。
(太陽電池セル配置工程)
図14は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、太陽電池セル11がホットプレート23上に配置された状態を示す斜視図である。ステップS40の太陽電池セル配置工程では、図14に示すように、第1面である裏側が下向きとされ、第2面である受光面側が上向きとされた太陽電池セル11が、ホットプレート23上、すなわちホットプレート23に配置された4本のタブ線1上に、図示しない搬送装置によって配置される。太陽電池セル11は、第1面接続電極である裏面バス電極17の位置をホットプレート23上のタブ線1の位置に合わせてホットプレート23上に配置される。太陽電池セル11は、ホットプレート23の上面に形成された吸着穴からなる図示しない吸着部によってホットプレート23に吸着されて固定された状態となる。
(第2タブ線配置工程)
図15は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、タブ線1が太陽電池セル11上に配置された状態を示す斜視図である。ステップS50の第2タブ線配置工程では、図15に示すように4本の第2タブ線であるタブ線1が、太陽電池セル11上に図示しないタブ線移載装置6によって配置される。タブ線1は、太陽電池セル11の上面において太陽電池セル11の第2接続電極である受光面銀バス電極14上に配置される。
(加熱工程)
図17は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明するための工程図であり、加熱工程の実施状態を示す斜視図である。ステップS80の加熱工程では、予備加熱により180±3℃に昇温されているタブ線1および太陽電池セル11を、ホットプレート23上に載せた状態でランプヒータ28から赤外線29を照射することにより、タブ線1と太陽電池セル11とについて所望の温度プロファイルが得られる様に、既定の加熱温度にタブ線1と太陽電池セル11とを昇降温させる。これにより、タブ線1が太陽電池セル11の第2接続電極である受光面銀バス電極14および第1面接続電極である裏面バス電極17にはんだ付けされ、太陽電池セル11とタブ線1とが接合される。
本温度プロファイルにおいて、太陽電池セル11の温度がピーク値を迎えた後に太陽電池セル11が降温状態となり、再び予熱状態となる。この間、ランプヒータ28には一定の電圧が印加され、ランプヒータ28の出力は変えていない。以上の急加熱を実現するために受光面銀バス電極14毎に対向する形でランプヒータ28を構成してもよい。図20は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法において用いられるランプヒータ28の構成の一例を示す模式斜視図である。図20に示すランプヒータ28では、受光面銀バス電極14の本数と一致させてランプが4分割されており、赤外線29も各ランプから各受光面銀バス電極14に集光されて照射される構成とされている。すなわち、図20に示すランプヒータ28は、各受光面銀バス電極14用に、ランプと、ランプから照射される赤外線29を集光して個別に受光面銀バス電極14に照射するための光学部品とを有する。
図25は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池モジュールの製造方法に従って、Sn−3.0Ag−0.5Cuはんだがはんだメッキされたタブ線1の裏面銀バス電極17へのはんだ付けを行った場合の太陽電池セル11の断面写真である。図25では、図22におけるA−A線に沿った領域での、太陽電池セル11を構成する半導体基板31、裏面銀バス電極17、はんだメッキ1bおよび銅箔1aの積層部分のSEM写真を示している。図26は、図25の模式図である。
Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀が2.0wt%より少ない場合には、タブ線1が受光面銀バス電極14または裏面バス電極17にはんだ付けされた際に、受光面銀バス電極14中または裏面バス電極17中の銀がはんだ側に溶け出し、受光面銀バス電極14または裏面バス電極17の抵抗が増加する。このため、Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀は2.0wt%以上であることが好ましい。また、Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀が3.3wt%より多い場合には、はんだのコストが高くなる。このため、Sn−Ag−Cu系はんだの組成において、銀は3.3wt%以下であることが好ましい。

Claims (9)

  1. 第1面と前記第1面に対向する第2面とを有する太陽電池セルにおける、前記第1面に設けられた第1面接続電極と、前記第2面に設けられた第2面接続電極と、にフラックスを塗布するフラックス塗布工程と、
    表面が無鉛はんだで被覆された第1タブ線と、前記第2面が上向きにされた前記太陽電池セルと、表面が無鉛はんだで被覆された第2タブ線と、をホットプレート上に積層する積層工程と、
    前記第2タブ線を押さえ装置により上部から押さえる押さえ工程と、
    前記太陽電池セルを前記ホットプレートにより既定の予備加熱温度に予備加熱する予備加熱工程と、
    前記太陽電池セルをランプヒータの赤外線により前記第2面側から既定の加熱温度に加熱する加熱工程と、
    を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記積層工程は、
    前記ホットプレートの上面において前記太陽電池セルの第1面接続電極に対応する位置に設けられたタブ線溝に前記第1タブ線を配置する第1タブ線配置工程と、
    前記第1面接続電極の位置を前記第1タブ線の位置に合わせて前記太陽電池セルを前記ホットプレート上に配置する太陽電池セル配置工程と、
    前記太陽電池セルの前記第2面接続電極上に前記第2タブ線を配置する第2タブ線配置工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記フラックス塗布工程では、前記太陽電池セルである第1太陽電池セルと第2太陽電池セルに対してフラックスを塗布し、
    前記積層工程では、前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルとを隣り合わせて配置し、前記第1太陽電池セルの前記第1面接続電極と第2太陽電池セルの前記第2面接続電極とを前記第1タブ線により接続して、太陽電池ストリングを形成し、
    前記加熱工程では、前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルとに対して個別に加熱が実施され、
    前記予備加熱工程では、前記第1太陽電池セルと前記第2太陽電池セルとの前記加熱工程が終了するまで予備加熱を保持すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記予備加熱工程における前記予備加熱温度が、177℃から183℃であり、
    前記加熱工程における前記加熱温度が248℃から264℃であること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記加熱工程において前記太陽電池セルを前記予備加熱温度から前記加熱温度に加熱する時間が3.6秒から3.8秒であり、
    前記加熱工程後に前記太陽電池セルを前記加熱温度から前記予備加熱温度に冷却する時間が7.0秒から9.0秒であること、
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記押さえ工程において前記第2タブ線を押さえる力が、1点あたり1.0Nから3.5Nであること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 前記第1タブ線および前記第2タブ線は、銅線の表面がSn−Ag−Cu系はんだにより被覆されてなること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記Sn−Ag−Cu系はんだの組成は、銀が2.0wt%から3.3wt%であり、銅が0.4wt%から3.0wt%であり、残りが錫であること、
    を特徴とする請求項7に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 前記フラックスは、エステル化合物と、ロジン系樹脂酸または変性ロジンと、を有すること、
    を特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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