JPWO2018117146A1 - 分析装置、分析システム、分析方法、及びプログラム - Google Patents

分析装置、分析システム、分析方法、及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018117146A1
JPWO2018117146A1 JP2018558028A JP2018558028A JPWO2018117146A1 JP WO2018117146 A1 JPWO2018117146 A1 JP WO2018117146A1 JP 2018558028 A JP2018558028 A JP 2018558028A JP 2018558028 A JP2018558028 A JP 2018558028A JP WO2018117146 A1 JPWO2018117146 A1 JP WO2018117146A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particulate matter
analysis
mass concentration
unit
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018558028A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7018404B2 (ja
Inventor
裕介 水野
朋樹 青山
絵里佳 松本
駿介 村田
俊行 道北
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba Ltd filed Critical Horiba Ltd
Publication of JPWO2018117146A1 publication Critical patent/JPWO2018117146A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7018404B2 publication Critical patent/JP7018404B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/22Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material
    • G01N23/223Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by measuring secondary emission from the material by irradiating the sample with X-rays or gamma-rays and by measuring X-ray fluorescence

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

大気中に浮遊する粒子状物質の発生源に関する信号をより精度よく出力する。分析装置(100)は、質量濃度測定部と、元素分析部と、発生源関連信号出力部と、を備える。質量濃度測定部は、大気中に浮遊する微小粒子状物質FPの質量濃度を測定する。元素分析部は、微小粒子状物質FPに含まれる元素を分析する。発生源関連信号出力部は、質量濃度測定部における質量濃度の測定結果と、元素分析部における微小粒子状物質FPに含まれる元素の分析結果と、に基づいて、微小粒子状物質FPの発生源に関する信号を出力する。

Description

本発明は、粒子状物質の分析行う分析装置、複数の分析装置にて構成される分析システム、及び、その分析方法に関する。
近年、大気中に浮遊する浮遊粒子状物質(例えば、PM2.5)が大きな環境問題になっている。浮遊粒子状物質の発生を抑制するためには、浮遊粒子状物質の発生源を把握することが重要であり、それを目的として、浮遊粒子状物資の発生源を推定するための方法及び装置が開発されている。
例えば、特許文献1には、降下煤塵の発生源を推定する方法が開示されている。この発生源の推定方法では、所定の測定点で実際に採取した降下煤塵の分析データと一致するような、複数の発生源からの降下煤塵の予め測定しておいた分析データの寄与率を算出することで、採取した降下煤塵の発生源(の寄与の度合い)を推定している。
特開2013−221925号公報
上記のような従来の方法では、粒子状物質に含まれる成分の分析結果のみ、又は、粒子状物質が大気中に含まれる量(すなわち、粒子状物質の濃度)のみに基づいて、発生源が推定されていた。この場合、例えば、粒子状物質の大気中の濃度のみに基づいた場合には、採取された粒子状物質がほぼ無害なもの(例えば、野焼きで発生した粒子状物質)であっても、採取された粒子状物質の濃度が高いというだけで、危険な発生源から高い濃度の粒子状物質が発生したと警告してしまう場合があった。
一方、粒子状物質に含まれる成分の分析結果のみに基づいて発生源の推定を行う場合、一般的には、粒子状物質に含まれると推測される元素を分析対象として予め選択しているので、例えば、選択したものとは異なる元素が採取した粒子状物質に含まれている場合などに、当該粒子状物質の発生源を推定できない場合があった。
本発明の課題は、大気中に浮遊する粒子状物質の発生源に関する信号をより精度よく出力することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る分析装置は、質量濃度測定部と、元素分析部と、発生源関連信号出力部と、を備える。質量濃度測定部は、大気中に浮遊する粒子状物質の質量濃度を測定する。元素分析部は、粒子状物質に含まれる元素を分析する。発生源関連信号出力部は、質量濃度測定部における質量濃度の測定結果と、元素分析部における粒子状物質に含まれる元素の分析結果と、に基づいて、粒子状物質の発生源に関する信号を出力する。
これにより、粒子状物質の質量濃度と元素分析結果との2つの情報に基づいて、粒子状物質の発生源に関する信号をより精度よく出力できる。
分析装置は、記憶部をさらに備えていてもよい。記憶部は、粒子状物質に含まれる元素と粒子状物質の質量濃度との相関関係を表した相関データを記憶する。この場合、発生源関連信号出力部は、相関データと、元素の分析結果と、質量濃度の測定結果と、に基づいて粒子状物質の発生源に関する信号を出力する。
これにより、複雑な計算などを必要とすることなく、より簡単に粒子状物質の発生源に関する信号を出力できる。
相関データは、粒子状物質に含まれる元素及び/又は粒子状物質の質量濃度と風向との相関関係に関する風向データをさらに含んでいてもよい。この場合、発生源関連信号出力部は、風向データに基づいて粒子状物質の発生源に関する信号を出力してもよい。
これにより、粒子状物質がどの方向から分析装置に到達したかを推定して、より簡単に発生源に関する信号を出力できる。
分析装置は、事象発生情報を取得し、当該取得した事象発生情報に基づいて、測定条件及び/又は分析アルゴリズムを設定してもよい。事象発生情報は、発生した事象に関する情報である。これにより、分析装置は、事象発生情報に示された事象により発生した粒子状物質に対して最適な測定条件及び/又は分析アルゴリズムにて、当該粒子状物質を分析できる。
分析装置は、元素選択部をさらに備えていてよい。元素選択部は、元素分析部にて分析すべき元素を選択する。これにより、元素分析部にて分析すべき元素を特定できる。
現在選択されている元素が粒子状物質に含まれていないと判定したら、元素選択部は、現在選択されている元素とは異なる元素を分析すべき元素として選択してもよい。
これにより、分析対象とした元素を特定できなかった場合に、異なる元素を分析対象とできる。
元素分析部は、粒子状物質から発生する蛍光X線のエネルギーと当該蛍光X線の強度との関係を表した実測プロファイルと、発生の由来が特定されている由来特定粒子状物質から発生する蛍光X線のエネルギーと当該蛍光X線の強度との関係を表した基準プロファイルと、の比較に基づいて粒子状物質に含まれる元素を分析してもよい。
これにより、粒子状物質に含まれる元素をより精度よく分析できる。
発生源関連信号出力部は、定常状態における粒子状物質に含まれる元素と質量濃度とに関する定常データと、元素の分析結果及び質量濃度の実測データと、を比較し、実測データが定常データとは非類似であると判定したら、警告のための信号を粒子状物質の発生源に関する信号として出力してもよい。
これにより、分析装置にて得られた実測データにおいて通常とは異なる状態が発生していることを通知できる。
分析装置は、捕集フィルタと、捕集部と、を備えていてもよい。捕集フィルタは、粒子状物質を捕集可能な捕集領域を有し、長さ方向に移動することで捕集領域を第1位置から第2位置へ移動させる。捕集部は、第1位置に対応するように設けられ、大気中に浮遊する粒子状物質を、当該第1位置に存在する捕集領域に捕集させる。
この場合、質量濃度測定部は、第1位置に存在する捕集領域に捕集された粒子状物質の質量濃度を測定する。また、元素分析部は、第1位置から第2位置へと移動された捕集領域に捕集された粒子状物質に含まれる元素を分析する。
これにより、粒子状物質の質量濃度と元素分析とを所定の周期毎に実行して、所定の周期毎に、粒子状物質の発生源に関する信号を出力できる。
本発明の他の見地に係る分析システムは、分析装置と、サーバと、を備える。サーバは、分析装置及び外部と通信可能である。分析装置の制御部及び/又はサーバは、事象発生情報を取得し、当該取得した事象発生情報に基づいて、分析装置における測定条件及び/又は分析アルゴリズムを設定する。
これにより、分析装置は、事象発生情報に示された事象により発生した粒子状物質に対して最適な測定条件及び/又は分析アルゴリズムにて、当該粒子状物質を分析できる。
本発明の他の見地に係る分析システムは、上記の分析装置が複数備わった分析システムである。
本発明のさらに他の見地に係る分析方法は、以下のステップを含む。
◎大気中に浮遊する粒子状物質の質量濃度を測定するステップ。
◎粒子状物質に含まれる元素を分析するステップ。
◎質量濃度の測定結果と、粒子状物質に含まれる元素の分析結果と、に基づいて、粒子状物質の発生源に関する信号を出力するステップ。
これにより、粒子状物質の質量濃度と元素分析結果との2つの情報に基づいて、より精度よく粒子状物質の発生源に関する信号を出力できる。
本発明のさらに他の見地に係るプログラムは、上記の分析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
大気中に浮遊する粒子状物質の質量濃度と元素分析結果との2つの情報に基づいて、より精度よく粒子状物質の発生源を推定できる。
分析装置の構成を示す図。 制御部の構成を示す図。 微小粒子状物質の発生源を推定する分析動作を示すフローチャート。 相関データの一例を示す図。 元素分析結果と、質量濃度と、相関データと、に基づいた発生源の推定方法の他の例を示す図。 第2実施形態に係る分析システムの構成の一例を示す図。 第2実施形態に係る分析システムの構成の他の一例を示す図。 定常データと実測データの一例を示す図。 実測プロファイルの一例を示す図。 基準スペクトルの一例を示す図。 第5実施形態に係る元素分析方法を示すフローチャート。
1.第1実施形態
(1)分析装置の概要
以下、第1実施形態に係る分析装置100について説明する。第1実施形態に係る分析装置100は、粒子状物質の発生源に関する信号(例えば、警報のための信号など)を出力する装置である。したがって、分析装置100は、例えば、危険な粒子状物質の発生源又はその近傍に配置される。例えば、交通量が多い道路(幹線道路、高速道路など)沿い又はその近傍、粒子状物質を発生する可能性がある工場地帯又はその近傍に配置される。
(2)分析装置の構成
次に、第1実施形態に係る分析装置100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、分析装置の構成を示す図である。
分析装置100は、捕集フィルタ1を備える。捕集フィルタ1は、例えば、高分子材料(ポリエチレンなど)の不織布にて形成された補強層上に、微小粒子状物質FP(例えば、粒径が2.5μm以下の粒子状物質)(粒子状物質の一例)を捕集可能な孔を有する多孔質のフッ素樹脂系材料にて形成された捕集層(捕集領域と呼ぶこともある)を積層して形成された、テープ状の部材である。捕集フィルタ1としては、例えば、1層のガラスフィルタ、1層のフッ素樹脂系材料のフィルタなどの他のフィルタを用いることもできる。
例えば、送り出しリール1aから送り出された捕集フィルタ1を巻き取りリール1bの回転により巻き取ることで、捕集フィルタ1は長さ方向(図1の太矢印にて示す方向)に移動できる。
例えば、バナジウム(V)及び/又はクロム(Cr)を定常的に測定する必要がある場合には、捕集フィルタ1として、金属薄膜、例えばアルミニウム薄膜、チタン薄膜を表面に設けたものを用いてもよい。金属薄膜を用いることで、測定対象元素のバックグラウンドを減らすことができる。
分析装置100は、捕集部3を備える。捕集部3は、捕集フィルタ1の長さ方向の第1位置P1に対応するように設けられる。捕集部3は、例えば、吸引ポンプ31に接続された吸引口35の吸引力により吸引した大気Aを、排出口33から捕集フィルタ1の第1位置P1に存在する捕集領域に吹き付けることで、大気Aに含まれる微小粒子状物質FPを捕集領域に捕集させる。
分析装置100は、排出口33に設けられたβ線源51(例えば、炭素14(14C))と、吸引口35においてβ線源51に対向するよう設けられたβ線検出器53(例えば、シンチレータを備えた光電子増倍管)と、を有する捕集量測定部5を有する。
β線源51は、第1位置P1の測定領域にβ線を照射する。β線検出器53は、第1位置P1の捕集領域に捕集された微小粒子状物質FPを透過したβ線の強度を測定する。
分析装置100は、捕集フィルタ1の長さ方向の第2位置P2に対応するよう設けられた分析部7を備える。分析部7は、第2位置P2に存在する微小粒子状物質FPにX線を照射するX線源71(例えば、パラジウムなどの金属に電子線を照射してX線を発生させる装置)と、微小粒子状物質FPから発生する蛍光X線を検出する検出器73(例えば、シリコン半導体検出器やシリコンドリフト検出器)と、を有する。
分析装置100は、制御部9を備える。制御部9は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM、ROMなどの記憶装置と、ディスプレイ97(例えば、液晶ディスプレイなど)(図2)と、各種インターフェースと、などを有するコンピュータシステムである。以下に示す制御部9の各構成要素の機能の一部又は全部は、コンピュータシステムにて実行可能で記憶装置に記憶されたプログラムにより実現されてもよい。
具体的には、図2に示すように、制御部9は、制御指令部91と、記憶部92と、元素分析部93と、質量濃度算出部94と、発生源関連信号出力部95と、元素選択部96と、上記のディスプレイ97と、を有する。制御指令部91は、巻き取りリール1b、捕集部3、捕集量測定部5、分析部7、及びカメラ11の制御を実行する。また、制御指令部91は、捕集量測定部5、分析部7、及びカメラ11から出力された信号を入力し、適切なデータ形式に変換し、記憶部92に記憶する。
記憶部92は、制御部9を構成するコンピュータシステムの記憶領域の一部であり、分析装置100にて必要な各種データを記憶する。
元素分析部93は、第2位置P2に存在する捕集領域に捕集された微小粒子状物質FPに含まれる元素を分析する。質量濃度算出部94は、第1位置P1の捕集領域の微小粒子状物質FPの捕集量を算出する。当該質量濃度算出部94と上記の捕集量測定部5とにより、「質量濃度測定部」が形成される。
発生源関連信号出力部95は、元素分析部93における微小粒子状物質FPに含まれる元素の分析結果と、質量濃度算出部94における質量濃度の算出結果と、に基づいて微小粒子状物質FPの発生源に関する信号を、例えば、ディスプレイ97に出力する。
一実施形態として、発生源関連信号出力部95は、微小粒子状物質FPの発生源に関する信号を、警告ランプや警告音発生装置の制御回路などに出力してもよい。これにより、例えば、危険な微小粒子状物質FPが発生していた場合に、警告ランプを点灯するか、又は、警告音を発生できる。または、発生源関連信号出力部95は、ネットワークを介して分析装置100と接続された機器に、発生源に関する通知(例えば、警告)をしてもよい。
制御部9は、元素選択部96を有する。元素選択部96は、元素分析部93にて分析すべき元素を選択する。例えば、元素選択部96は、各元素に対応する部分をON/OFFすることが可能となっている周期表をディスプレイ97に表示させ、分析対象の元素が記載された部分をユーザがONとする(また、分析対象から外す元素をOFFする)ことにより、分析対象とする元素を選択できる。ユーザにより選択された元素は、元素リストELとして記憶部92に保存される。
その他、元素選択部96は、予め決められた元素のリストを表示し、当該リストに含まれる元素を選択可能となっていてもよい。
制御部9は、複数のコンピュータシステムにより構成されていてもよい。例えば、1つのコンピュータシステムを分析装置100に設けて、当該コンピュータシステムにより分析装置100を制御してもよい。一方、他のコンピュータシステム(例えば、タブレット端末などの携帯端末)は、分析装置100に設けられたコンピュータシステム等と通信することで、制御指令を分析装置100に送信してもよい。また、当該他のコンピュータシステムは、分析装置100から取得したデータを用いた解析を実行できる機能を有してもよい。これにより、分析装置100の操作、及び/又は、分析装置100にて取得したデータを用いた分析を、分析装置100から離れた位置において実行できる。
分析装置100は、第2位置P2に対応する位置であって、捕集フィルタ1に対してX線源71及び検出器73が配置された側とは反対側に、カメラ11を備えている。カメラ11は、例えば、CMOSイメージセンサであり、第2位置P2に存在する捕集領域に捕集された微小粒子状物質FPを撮影し、撮影した画像IMのデータを制御部9に出力する。
(3)分析装置における微小粒子状物質の分析動作
次に、第1実施形態に係る分析装置100を用いた微小粒子状物質FPの分析動作について説明する。以下においては、微小粒子状物質FPの発生源を推定する分析動作について、図3のフローチャートを用いて説明する。
分析装置100において分析を開始する前に、元素分析部93に捕集した微小粒子状物質FPに含まれる元素の分析を行うために必要な各種データを取得する(ステップS1)。
一実施形態として、例えば、分析装置100の付近にある、微小粒子状物質FPの発生源となる(複数の)施設から収集した微小粒子状物質FPを由来特定粒子状物質とし、当該微小粒子状物質FPの蛍光X線プロファイルを分析装置100にて測定したときのデータを、基準プロファイルPとして記憶部92に記憶できる。
一実施形態として、由来が分かっている粒子状の標準物質(例えば、黄砂の標準物質、自動車排気の標準物質、ブレーキ粉塵の標準物質、石油燃焼により生じる粉塵の標準物質、廃棄物焼却時の粉塵の標準物質など)を由来特定粒子状物質とし、当該標準物質の蛍光X線プロファイルを分析装置100にて測定したデータを、基準プロファイルPとして記憶部92に記憶できる。
さらに、標準物質の蛍光X線プロファイルと、施設から実際に発生していた微小粒子状物質FPの蛍光X線プロファイルと、を共に基準プロファイルPとして記憶部92に記憶してもよい。
その他、標準物質又は施設から採取した蛍光X線プロファイルを複数回測定し、当該複数の蛍光X線プロファイルの平均値を基準プロファイルPとしてもよい。
または、蛍光X線プロファイルを分析装置100にて実測することなく、蛍光X線プロファイルのデータベースから組成が既知の物質の蛍光X線プロファイルを取得し、当該蛍光X線プロファイルを基準プロファイルPとして記憶部92に記憶してもよい。
また、得られた基準プロファイルPを分析することで、対応する微小粒子状物質FP及び/又は標準物質に含まれている元素を特定し、当該元素の特定結果と、ユーザにより選択された元素を示す元素リストELと、を関連付けておいてもよい。
これにより、例えば、ユーザが元素選択部96を用いて分析対象の元素を選択した時に、捕集した微小粒子状物質FPの蛍光X線プロファイル(実測プロファイルMP)とフィッティングすべき基準プロファイルPを予め限定できる。
また、本実施形態では、微小粒子状物質FPに含まれる元素、当該微小粒子状物質FPの質量濃度、及び/又は、風向データの相関関係を表す相関データDを取得し、記憶部92に記憶する。相関データDは、例えば、以下のようにして取得できる。
まず、分析装置100を用いて、所定の時間毎に微小粒子状物質FPの捕集と、当該微小粒子状物質FPの質量濃度の測定と、当該微小粒子状物質FPに含まれる元素の分析と、を実行する。また、捕集と、質量濃度の測定と、元素の分析を実行中の風向を、分析装置100又はその近傍に設けられた風向計(図示せず)により測定する。
上記の捕集、質量濃度の測定、元素の分析、及び風向の測定を、長期間に亘って繰り返し実行して、有意な相関データDが作成されるよう、多くのデータを収集することが好ましい。
次に、収集したデータを用いて、元素分析で特定された各元素、質量濃度、風向のうちの2つのパラメータについての相関係数を、当該2つのパラメータの全ての組み合わせに対して算出する。その後、算出した各相関係数を、例えば、各元素と質量濃度とを行方向に、各元素と質量濃度と風向を列方向に配置した、図4に示すような表(行列)の対応する箇所に挿入することにより、図4に示すような相関データDが完成する。図4は、相関データの一例を示す図である。
なお、図4では、相関係数の大小は、表(行列)にて示される相関データの各要素の着色の濃淡(相関係数が大きいほど濃くなっている)により表している。また、図4の相関データDにおいて、二点鎖線にて囲った部分では、負の相関係数が算出されている。
上記の各種データを取得し、必要に応じてゼロ点校正及び/又はスパン校正を実行した後、分析装置100にて分析を開始する前に、元素選択部96は、分析すべき元素をユーザに選択させ、選択された元素を元素リストELとして記憶部92に記憶する(ステップS2)。
例えば、特定の発生源から発生する微小粒子状物質FPに含まれる元素を分析すべき元素として選択することにより、当該特定の発生源からの微小粒子状物質FPの発生状況をモニターできる。
その後、分析装置100は分析動作を開始する。具体的には、制御指令部91が、捕集部3に対して、第1位置P1に存在する捕集領域へ微小粒子状物質FPを捕集させる(ステップS3)。
微小粒子状物質FPの捕集中、制御指令部91は、β線源51から第1位置P1へβ線を照射させ、β線の強度を示すβ線検出信号を測定データMDとしてβ線検出器53から取り込んで記憶部92に記憶する。質量濃度算出部94は、当該β線検出信号の大きさに基づいて、第1位置P1に存在する捕集領域における微小粒子状物質FPの捕集量を算出する。
捕集を開始してから所定の時間(例えば、1時間)が経過すると(ステップS4において「Yes」の場合)、制御指令部91は、捕集部3に対して、微小粒子状物質FPの捕集を停止するよう指令する。
微小粒子状物質FPの捕集の停止後、質量濃度算出部94は、捕集を停止したタイミングにおける微小粒子状物質FPの捕集量に基づいて、第1位置P1に存在する捕集領域に捕集された微小粒子状物質FPの質量濃度を算出する(ステップS5)。
質量濃度を算出後に、巻き取りリール1bを回転させて第1位置P1に存在する捕集領域を第2位置P2へと移動させた後、制御指令部91は、X線源71から第2位置P2へX線を照射する。また、制御指令部91は、第2位置P2の捕集領域に捕集された微小粒子状物質FPから発生する蛍光X線の強度に応じたパルス信号を検出器73にて検出し、当該パルス信号を測定データMDとして取り込んで記憶部92に記憶する。
当該パルス信号を取得後、元素分析部93は、取得したパルス信号から、蛍光X線のエネルギーと強度(対応するエネルギー時のパルス信号のパルス数)との関係を表した蛍光X線プロファイルを、実測プロファイルMPとして生成し、記憶部92に記憶する(ステップS6)。
その後、元素分析部93は、取得した実測プロファイルMPと、記憶部92に記憶されている複数の基準プロファイルPとを比較して、ステップS2において捕集した微小粒子状物質FPに含まれる元素の特定する(ステップS7)。
例えば、記憶部92に記憶されている基準プロファイルPと実測プロファイルMPとを、これらのプロファイルに基づいて、最小二乗法又は最尤法などを用いてデータフィッティングし、実測プロファイルMPと最も一致した基準プロファイルPに含まれる元素が、捕集された微小粒子状物質FPにも含まれていると判定する。
本実施形態では、上記のステップS2において元素分析部93にて分析すべき元素を選択しているので、ステップS7においてより早く元素を分析できる。
なお、差分の二乗は最小であってもピーク位置が実測プロファイルMPと一致しない基準プロファイルPが実測プロファイルMPと最も一致すると判定された場合に、ピーク位置が実測プロファイルMPのピーク位置と一致し、かつ、上記の差分の二乗は比較的小さな基準プロファイルPが存在すれば、当該基準プロファイルPを実測プロファイルMPと最も一致するものと判定してもよい。
実測プロファイルMPと最も一致する基準プロファイルPを決定できれば、元素分析部93は、当該基準プロファイルPが得られた由来特定粒子状物質に含まれる元素が、実測プロファイルMPを得られた微小粒子状物質FPに含まれていると特定できる。
上記のように、記憶部92に記憶された各基準プロファイルPは対応する由来特定粒子状物質と関連付けられているので、実測プロファイルMPと基準プロファイルPとのフィッティング結果に基づいて、捕集された微小粒子状物質FPの発生由来を推定することもできる。
また、元素分析部93は、算出された元素濃度と実測プロファイルMPの各ピークの比率から、捕集した微小粒子状物質FPに含まれる元素の組成比を算出できる。
元素分析の実行後、制御指令部91は、カメラ11を用いて、捕集された微小粒子状物質FPの画像を取得し、記憶部92に記憶する。また、制御指令部91は、当該画像IMをディスプレイ97に表示させてもよい。
微小粒子状物質FPの画像を取得後、発生源関連信号出力部95は、算出された質量濃度と、上記の元素分析結果とに基づいて、捕集された微小粒子状物質FPの発生源を推定する(ステップS8)。
例えば、算出された質量濃度の増減の傾向と、元素選択部96にて選択した元素の含有量の増減との傾向が同じ場合(例えば、質量濃度が増加したときに、選択された元素の含有量が増加している場合)には、発生源関連信号出力部95は、捕集した微小粒子状物質FPが、当該選択された元素を含む微小粒子状物質FPを発生する特定の発生源から発生したと推定できる。この場合には、発生源関連信号出力部95は、捕集した微小粒子状物質FPが選択した特定の発生源から発生していることを、ディスプレイ97に表示できる。
一方、質量濃度の増減の傾向と、選択した元素の含有量の増減との傾向が異なる場合(例えば、質量濃度が増加しているのに、選択された元素の含有量が増加していない場合)には、発生源関連信号出力部95は、捕集した微小粒子状物質FPが、当該選択された元素を含む微小粒子状物質FPを発生する特定の発生源以外から発生したと推定できる。
この場合には、発生源関連信号出力部95は、例えば、捕集した微小粒子状物質FPが選択した特定の発生源とは異なる発生源から発生していることを、ディスプレイ97に表示できる。または、当該事項を、ネットワークを介して接続された他の装置などに通知してもよい。
これにより、例えば、ユーザは、元素選択部96を用いて、現在選択された元素とは異なる元素を分析すべき元素とできる。
一実施形態において、発生源関連信号出力部95は、さらに、微小粒子状物質FPの画像IMを画像解析し、当該画像IMに含まれる色の割合に基づいて、捕集された微小粒子状物質FPの発生源を推定してもよい。例えば、画像IMに黄色が多く含まれる場合には、微小粒子状物質FPの主な発生源が黄砂の発生源と推定できる。
その他、白色(灰色)が多く含まれる場合には、野焼きが行われた場所、又は、セメント工場又はビルの解体現場などのセメント粉の発生場所を、発生源と特定できる。また、黒色が多く含まれる場合には、燃料(石油、石炭など)の燃焼場所を発生源と特定できる。さらに、赤茶色(赤系の色)が多く含まれる場合には、銅及び/又は(酸化)鉄の発生場所を発生源と特定できる。
一実施形態において、発生源関連信号出力部95は、画像IMの解析により得られた微小粒子状物質FPの形状に基づいて、微小粒子状物質FPの発生源を推定してもよい。例えば、凹凸が多い形状を有していれば、捕集した微小粒子状物質FPが土壌及び/又はコンクリ粉の発生場所から発生したと推定できる。
一実施形態において、例えば、捕集された微小粒子状物質FPの質量濃度が増加しているのに、選択された元素の含有量が増加していない場合などに、元素選択部96は、発生源関連信号出力部95から受信した画像IMに含まれる色に関する情報に基づいて、現在選択されている元素とは異なる元素を、分析すべき元素として選択してもよい。
例えば、画像IMに黒色が多く含まれているとの情報を受信した場合には、燃料の燃焼場所が発生源と推定されているので、バナジウム(V)を分析対象とできる。赤系の色が多く含まれるとの情報を受信した場合には、銅(Cu)、鉄(Fe)を分析対象とできる。白色(灰色)又は黄色が多く含まれるとの情報を受信した場合には、野焼きの灰、黄砂、土壌、及び/又はセメントに含まれるカルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、カリウム(K)などを分析対象とできる。
一実施形態において、発生源関連信号出力部95は、さらに、記憶部92に記憶している相関データDを用いて、捕集した微小粒子状物質FPの発生源を推定してもよい。例えば、元素分析の結果、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、及びカリウム(K)の含有量が増加し、かつ、質量濃度の増加も見られる場合を考える。この場合、図4に示す相関データDの例において、これらの元素に対して大きな相関係数を有し、かつ、質量濃度に対して大きな相関係数を有する風向は、図5に示すように、図5の点線にて囲んだ領域と一点鎖線にて囲んだ領域とが重複する風向である南西又は北西である。従って、発生源関連信号出力部95は、上記の場合には、捕集した微小粒子状物質FPが分析装置100の設置位置に対して南西又は北西にある場所から飛来してきたものと推定できる。
図5は、元素分析結果、質量濃度、及び相関データに基づいた発生源の推定方法の一例を示す図である。
上記のステップS1〜S8を実行して微小粒子状物質FPの発生源を推定することにより、分析装置100は、微小粒子状物質FPの質量濃度及び元素分析結果を用いて、精度よく微小粒子状物質FPの発生源を推定できる。
また、相関データDを用いることにより、得られた質量濃度及び元素分析結果と風向との間の相関係数の値の大小の比較といった比較的単純な方法により、複雑な計算などを必要とすることなく、微小粒子状物質FPの発生源をより簡単に推定できる。
さらに、所定の時間毎に微小粒子状物質FPの捕集を繰り返し実行し、所定の時間毎に捕集された微小粒子状物質FPの発生源の推定が実行されることにより、当該所定の時間毎の微小粒子状物質FPの発生源の変化をモニターできる。
上記のステップS1〜S8を実行後、分析装置100の停止ボタン(図示せず)などが押されて、分析装置100を停止すると判定されない限り(ステップS9において「No」である限り)、上記のステップS1〜S8は繰り返し実行される。
2.第2実施形態
第1実施形態に係る分析装置100は、例えば、交通量が多い道路沿い、又は、工場地帯内の所定の位置から工場地帯外の所定の位置までの間に、複数台設置されていてもよい。当該複数台の分析装置100は、図6Aに示すように、例えば、ネットワーク(Wi−Fiなどの無線ネットワーク、有線の広域通信網(光通信網、ISDN網、固定電話網など))などにより互いに通信可能に接続されて、分析システム200aを形成してもよい。図6Aは、第2実施形態に係る分析システムの構成の一例を示す図である。
これにより、各分析装置100は、例えば、自身が測定した微小粒子状物質FPの質量濃度及び元素分析結果だけでなく、他の分析装置100からの微小粒子状物質FPに関する測定結果及び/又は微小粒子状物質FPの発生源に関する信号の出力履歴などに基づいて、より正確に微小粒子状物質FPの発生源に関する信号を出力できる。
例えば、ほぼ同一の元素組成を有する微小粒子状物質FPが複数の分析装置100において検出された場合には、当該複数の分析装置100を、当該微小粒子状物質FPの質量濃度の測定値の大きい順(質量濃度が高い方から低い方)になぞっていくことにより、当該微小粒子状物質FPの飛来経路及び飛来方向を正確に推定できる。
また、複数の分析装置100は、図6Bに示すように、当該複数の分析装置100にて得られた質量濃度、元素分析結果、及び/又は、微小粒子状物質FPの発生源に関する信号の出力履歴などを収集するサーバ101に接続されてもよい。この場合、複数の分析装置100とサーバ101が分析システム200bを形成する。図6Bは、第2実施形態に係る分析システムの構成の他の一例を示す図である。
この場合には、例えば、当該サーバ101が収集した情報に基づいて、粒子状物質の発生源に関する信号を出力するか否かを決定してもよい。または、例えば、各分析装置100がサーバ101から他の分析装置100のデータをダウンロードし、当該ダウンロードしたデータも用いて、粒子状物質の発生源に関する信号を出力してもよい。
上記の分析システム200a、200bは、分析装置100以外に、質量濃度及び元素分析以外を測定できる他種類の分析装置を備えていてもよい。例えば、大気Aに含まれるガス(状物質)を分析するガス分析装置を含んでいてもよい。また、当該ガス分析装置にて取得した測定データは、上記にて説明した相関データDに含まれていてもよい。当該ガス分析装置においては、例えば、炭化水素、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)、オゾン(O)、硫黄酸化物(SO)などのガスの分析(例えば、ガス濃度の算出)を行う。また、ガス分析装置は、アセトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、フロンなどの揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、VOC)を測定可能なものであってもよい。
上記のガス分析装置は、分析システム200a、200bにおいて、ネットワークを介して分析装置100に接続されていてもよいし、されていなくともよい。ネットワークを介して接続されている場合には、分析装置100の制御部9は、ガス分析装置にて取得したデータを、ネットワークを介して取得し記憶部92などに記憶できる。その他、上記のガス分析装置は、例えば、分析装置100のアナログ入力部(図示せず)と接続されていてもよい。この場合、ガス分析装置は、測定データをアナログ信号として分析装置100に出力する。分析装置100の制御部9は、ガス分析装置から入力したアナログ信号を数値データに変換(例えば、A/D変換)して、当該数値データを測定結果として記憶部92などに記憶できる。さらに、ガス分析装置が分析装置100と通信可能となっていなくとも、ガス分析装置の測定データを記憶媒体装置(例えば、USBメモリー、SDメモリー、光ディスク、小型ハードディスク、など)に記憶し、当該記憶媒体装置から分析装置100に測定データを取得可能となっていてもよい。
また、サーバ101を備える分析システム200bにおいては、サーバ101が、ネットワーク、アナログ入力端子、及び/又は記憶媒体装置を介して、上記のガス分析装置から測定結果を取得し記憶してもよい。サーバ101は、当該ガス分析装置からの測定結果を、各分析装置100に提供してもよい。
上記のように、ガス分析装置からの測定データと、微小粒子状物質FPに含まれうるガス状の物質になるイオンの分析結果をさらに用いて、より精度よく微小粒子状物質FPの発生源を推定できる。
また、サーバ101は、後述する第4実施形態において説明する事象発生情報(例えば、気象統計情報、イベント情報、及び/又は交通情報(例えば、渋滞情報)など)を外部のサーバなどから取得して保存し、各分析装置100からの要求に応じて、当該事象発生情報を、対応する分析装置100に送信するようにしてもよい。または、分析装置100がサーバ101にアクセスして、必要な事象発生情報を取得してもよい。
サーバ101は、各分析装置100の各種データ、設定等を保存するクラウドサーバであってもよい。この場合、各分析装置100は、クラウドサーバであるサーバ101にアクセスして、必要なデータ、設定等をサーバ101から取得してもよい。この場合、分析装置100の記憶部92は、プログラムの動作等に必要な最低限の記憶容量のみを有していてもよい。
さらに、サーバ101は、各分析装置100から収集した上記のデータを用いて分析を実行してもよい。また、サーバ101は、その分析結果及び/又は定常と異なることを、例えばメールやサーバ101にアクセスして得られるWebページ上のメッセージなどで、通知してもよい。
上記に記載のサーバ101の機能を各分析装置100の制御部9が有してもよい。すなわち、ある1つの制御部9が、他の分析装置100の制御部9から当該他の制御部9が有するデータを取得するのみでなく、上記の気象統計情報、イベント情報、及び/又は交通情報をクラウドサーバ又は外部のサーバから取得するか、及び/又は、分析システム200a、200bに存在するガス分析装置などの他種類の分析装置の測定データを取得してもよい。制御部9は、他の制御部9が有するデータ、気象統計情報、イベント情報、交通情報、他種類の分析装置にて取得した測定データなどを、ネットワークを介して取得してもよいし、記憶媒体装置(例えば、USBメモリー、SDメモリー、光ディスク、小型ハードディスク、など)を用いてユーザから取得してもよい。
3.第3実施形態
上記の第1実施形態では、発生源関連信号出力部95は、微小粒子状物質FPの発生源を推定し、ディスプレイ97にその推定結果を出力していた。その他、第3実施形態に係る発生源関連信号出力部95’は、捕集された微小粒子状物質FPが「定常状態」とは異なる状態となったときに警告(例えば、警告ランプを点灯させる信号、警告音を発生させる信号)を出力してもよい。
なお、発生源関連信号出力部95’以外の分析装置100の構成は、第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
上記の「定常状態」とは、捕集された微小粒子状物質FPの質量濃度、及び/又は、元素分析結果が、ある基準の範囲内にあることをいう。よって、第3実施形態に係る発生源関連信号出力部95’は、微小粒子状物質FPに関する基準のデータ(定常データ)と、捕集した微小粒子状物質FPの測定された質量濃度及び元素分析結果(実測データ)との間に「ずれ」がある(すなわち、実測データが定常データとは非類似である)場合に、警告を出力する。
測定された質量濃度及び元素分析結果と比較される定常データとしては、例えば、分析装置100において連続して(例えば、連続1ヶ月程度)捕集され測定された微小粒子状物質FPの質量濃度及び元素分析結果(例えば、元素含有量)の平均値を用いることができる。
その他、特定の工場で捕集された微小粒子状物質FPの質量濃度及び元素分析結果の実測値、標準物質の質量濃度及び元素分析結果の分析装置100での実測値、などを用いることができる。
例えば、図7の一番上に記録された(実際は、予め取得され記憶部92に記憶されている)元素a、b、c、及びdの元素含有量と質量濃度を含む定常データが得られたとする。
この場合に、発生源関連信号出力部95’は、例えば、定常データと、分析装置100を用いて所定の時間毎に得られた(元素a、b、c、及びdの元素含有量と質量濃度の)実測データとのχ二乗判定等の多変量解析(例えば、主成分分析、因子分析、クラスター分析、など)を行い、当該判定結果が所定の値以下(図7の例では0.6以下)のときに、現在取得されている実測データが定常状態とは異なると判定する。
上記の定常データ及び実測データは、元素含有量及び質量濃度以外にも、例えば、元素a〜d以外の他の成分濃度、ガス濃度であってもよい。この場合、当該定常データ及び/又は実測データは、相関データDに含まれていてもよい。また、当該データは濃度や含有量等の物理量データ以外の数値データや画像データであってもよい。具体的には、当該データはスペクトルデータであってもよく、定常データにおけるスペクトルデータと実測データにおけるスペクトルデータの一致度であってもよいし、フィルタを撮影した画像データや当該画像データから解析した色情報等であってもよい。
現在取得されている実測データが定常状態とは異なるか否かの判断基準となる上記の所定の値は、調整可能となっていてもよい。これにより、定常データと実測データとのずれに対する、定常状態とは異なると判定される「感度」を調整できる。例えば、当該所定の値をより大きな値とすることで、実測データが定常データからわずかにずれた場合(または、例えば、実測データに含まれるパラメータのうちの1つが、定常データの対応する1つのパラメータの値からずれた場合)でも、定常状態とは異なると判定できる。
図7は、定常データと実測データの一例を示す図である。
実測データが定常状態とは異なると判定した場合、発生源関連信号出力部95’は、例えば、ディスプレイ97に実測データが定常状態と異なることを通知する表示(メッセージなど)を表示する、警告ランプを点灯する信号を出力する、又は、警告音を発生させるための信号を出力する。
または、ネットワークを介して接続された他の機器に、上記の警告を通知する信号を出力してもよい。
発生源関連信号出力部95’が定常状態と異なる実測データが得られたときに警告を発生することにより、例えば、分析装置100において異なる発生源からの微小粒子状物質FPが捕集された場合などに、通常とは異なる状態が発生していることをユーザに通知できる。
4.第4実施形態
上記の第1実施形態では、相関データDは、微小粒子状物質FPに含まれる元素、当該微小粒子状物質FPの質量濃度、及び/又は、風向データの相関関係を表すものであった。しかしながら、相関データDに他のデータを関連付けることができる。分析装置100に備わる各構成要素の構成及び機能は、上記の第1〜第3実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。
例えば、相関データDは、上記データに加えて、分析装置100の設置位置の周辺で発生した事象に関する事象発生情報を含み、当該事象発生情報と上記データとの相関関係を表してもよい。事象発生情報は、例えば、気象統計情報、イベント情報、及び/又は交通情報(渋滞情報)を含む。気象統計情報は、特定地点の気象(風速、気温、湿度、など)に関するデータの集合であり、例えば、気象情報を取り扱う各国の官庁(日本国では、気象庁)より入手できる。例えば、分析装置100の設置地点に対応する気象統計情報を上記官庁より入手し、制御部9の記憶部92及び/又はサーバ101に記憶しておく。または、制御部9及び/又はサーバ101がインターネットを介して上記官庁の所定のサーバに接続し、気象統計情報を適宜ダウンロードしてもよい。
イベント情報は、火山噴火の発生に関する情報、花火の打ち上げに関する情報、などの発生したイベントに関する情報である。火山噴火の発生に関する情報は、例えば、上記の気象情報を取り扱う官庁から入手できる。花火の打ち上げに関する情報は、例えば、当該情報を知ったユーザが、制御部9及び/又はサーバ101を用いて入力できる。その他、火山噴火の発生に関する情報や花火の打ち上げに関する情報などの発生したイベントに関する情報を制御部9及び/又はサーバ101がインターネットを介して適宜ダウンロードしてもよい。
その他、イベント情報として、分析装置100の設置位置の近傍にある牧場において放牧が行われるとの情報、船舶の航行に関する情報などがある。
交通情報は、例えば各道路における渋滞情報など、車両などの交通量に関する情報である。交通情報は、例えば、渋滞情報などを提供する組織のサーバからネットワークを介して取得してもよいし、交通情報を取得して記憶媒体装置に予め記憶しておき、当該記憶媒体装置からサーバ101及び/又は制御部9に交通情報を転送してもよい。
事象発生情報を相関データDに含めることにより、制御部9は、発生したイベントに対して最適となるよう、分析装置100における微小粒子状物質FPの測定条件及び/又は分析アルゴリズムを変更できる。例えば、発生した事象に対応する測定条件及び/又は分析アルゴリズムの設定を記憶部92に記憶しておき、制御部9及び/又はサーバ101が、所定の事象が発生したことを検知すると、当該所定の事象に対応する測定条件及び/又は分析アルゴリズムを記憶部92から読み出して、分析装置100の設定を実行できる。
あるいは、制御部9及び/又はサーバ101は、発生した事象に対してどのような測定条件及び/又は分析アルゴリズムが最適であるかを学習してもよい。これにより、学習済みの制御部9及び/又はサーバ101は、発生した事象に関する情報を入力すれば、自動的に最適な測定条件及び/又は分析アルゴリズムを分析装置100に設定できる。
第2実施形態に示すように、分析装置100がサーバ101と通信可能に接続されている場合には、サーバ101が、事象発生情報を含む相関データDに基づいて各分析装置100の測定条件及び/又は分析アルゴリズムの変更し、当該変更を指示する信号を対応する分析装置100に送信してもよい。
例えば、火山噴火が発生すると水銀(Hg)と硫黄(S)を含む化合物の大気中濃度に変化が生じる。この場合、例えば、高濃度の水銀及び硫黄を測定するための測定条件に対応するように、分析アルゴリズム(定量アルゴリズム)を変更する。その他、例えば、分析部7のX線フィルタ(例えば、X線源71に設けられた一次X線フィルタ、及び/又は、検出器73に設けられた二次X線フィルタ)を高濃度の水銀及び硫黄に対応したものに変換するか、及び/又は、X線源71から電子線を発生させるための電圧を変更することができる。
また、例えば、火山噴火が発生すると、微細な火山灰が大量に発生する。従って、例えば、火山噴火の発生時には、捕集フィルタ1を捕集部3に滞在させる時間を通常(例えば、1時間)よりも早めることで、捕集フィルタ1が目詰まりすることを回避できる。
一方、花火の打ち上げがあった場合には、炎色反応を起こす元素、特に、ストロンチウム(Sr)を含む化合物が多く発生する。従って、この場合には、高濃度のストロンチウム(炎色反応を起こす元素)に対応した測定条件及び/又は分析アルゴリズムを用いることができる。
その他、ヒ素(As)及び/又は鉛(Pb)を含む化合物が増加する可能性がある場合には、測定条件及び/又は分析アルゴリズムを、高濃度のヒ素及び/又は鉛の測定に対応した変更したものに変更する。
また、制御部9及び/又はサーバ101は、ある特徴的なデータが得られたときに、当該データがある特定の事象により発生したものであることを、学習を通して知るようにしてもよい。
例えば、制御部9及び/又はサーバ101は、分析装置100にて特徴的なデータが得られたときに、当該特徴的なデータが得られたときの事象発生情報を取得する。その後、制御部9及び/又はサーバ101は、当該特徴的なデータと、当該特徴的なデータが得られたときの事象発生情報(例えば、気象条件、発生したイベント、及び/又は交通情報)と、を学習データとして入力する。特徴的なデータが得られたときの対応する事象発生情報は、ユーザにより指定され入力されてもよいし、事象発生情報と特徴的なデータとが関連付けられたデータベースを用いて制御部9及び/又はサーバ101が今回取得した特徴的なデータに対応するものを探し出して割り当ててもよい。これにより、制御部9及び/又はサーバ101は、特徴的な測定データを入力したときに、どのような事象(イベント、渋滞、特殊な気象状態など)が発生しているかを識別できる学習モデルを内部に形成できる。
上記の学習により、入力した特徴的なデータから発生している事象をある程度の精度にて正しく認識できるようになった後、制御部9及び/又はサーバ101は、内部に形成した学習モデルを用いて、ある特徴的なデータと特定の事象との相関度(例えば、ある特徴的なデータを入力したときに、ある特定の事象が発生している確率)を算出する。
その後、制御部9及び/又はサーバ101は、例えば、算出した相関度が所定の閾値以上であれば、特徴的なデータとの相関度が所定の閾値以上となっている事象が発生していることを、発生源関連信号として通知する。または、算出した相関度が連続して所定回数閾値以上となった場合に、特徴的なデータとの相関度が連続して閾値以上となった事象を、発生源関連信号として通知してもよい。この閾値は、上記の学習を通して形成された学習モデルが自動的に算出する、すなわち、上記学習において、この閾値を自動的に算出可能な学習モデルを形成してもよいし、ユーザにより設定されてもよい。
これにより、制御部9及び/又はサーバ101は、分析装置100及び/又は他種類の分析装置から得られた測定データから、特定の事象の発生及び/又は当該事象の発生源を、発生源関連信号として出力できる。
また、制御部9及び/又はサーバ101は、本来は異常であると判断されるような特徴的な質量濃度測定結果及び/又は元素分析結果がデータとして得られたとしても、設置場所によっては、当該特徴的なデータが特定の事象の発生により得られており、当該特徴的なデータが定常データであることを、学習を通して知るようにしてもよい。
例えば、分析装置100の設置場所が港湾施設内又は港湾施設の近辺である場合には、船舶の通過時に見られる特徴的なデータを定常データとすることができる。船舶の排ガス中の微小粒子状物質FPにはバナジウム及びクロムが含まれることが多い。従って、船舶が通過したときには、元素分析結果においてバナジウム及びクロムが高い濃度にて検出されるとの特徴的なデータが得られる。
この場合、例えば、バナジウム、クロムが高濃度で検出されて通常は異常であるとされるデータが得られた場合に、当該データが得られた時点において分析装置100の設置位置の近くを船舶が航行しているか、及び/又は、当該時点の風向及び/又は天気から航行していた船舶の排ガスが分析装置100の設置場所に到達すると判断される場合には、バナジウム及びクロムが高濃度で検出されたデータは定常データであるとみなす。
上記のような設定は、例えば、取得したデータが異常であることを分析装置100及び/又はサーバ101から通知されたユーザが、当該異常データは定常データであることを、入力装置などを介して、制御部9及び/又はサーバ101に教示することができる。また、当該教示のときに、取得したデータのみでなく、事象発生情報(例えば、船舶の通過(船舶の排ガス)があったとのイベント情報、及び、気象条件(気象統計情報)等)を学習データとして学習させてもよい。
または、制御部9及び/又はサーバ101が、分析装置100においてバナジウム及びクロムが高濃度で検出されたデータが取得されたときに、事象発生情報(例えば、船舶の航行に関する情報及び/又は気象統計情報)を参照し、異常データの取得時に特定の事象が発生する条件(例えば、船舶の航行があったこと、及び/又は、データ取得時の気象条件が船舶の排ガスが分析装置100の設置位置に到達する条件)であった場合に、当該取得した異常データが定常データであることを、例えば機械学習を通して自動的に学習してもよい。また、これに併せて、当該異常データが、特定の事象の発生(例えば、付近を船舶が航行すること)により得られることを自動的に学習してもよい。
これにより、上記学習した制御部9及び/又はサーバ101は、バナジウム及びクロムが高濃度で検出されたデータが定常データ、すなわち、特定の事象の発生(例えば、船舶の航行)により得られたデータ、であると自動的に判断できる。また、バナジウム及びクロムが高濃度で検出されたデータ(異常データ)が取得されたときに、発生した事象を通知する信号(例えば、ある特定の位置に存在する(航行中の)船舶から排ガスが排出されたことを通知する信号)を、発生源関連信号として出力できる。
さらに、制御部9及び/又はサーバ101は、気象統計情報及び高層の大気の状態に基づいて、大気の流れをシミュレーションにより算出し、当該シミュレーション結果から、捕集フィルタ1に捕集された微小粒子状物質FPがどのように移動するかを予測してもよい(例えばトラジェクトリー解析を使用する)。これにより、例えば、分析装置100にて特定の微小粒子状物質FPが捕集された場合に、当該捕集前後において、当該特定の微小粒子状物質FPがどのような経路にて移動するかを予測できる。
5.第5実施形態
(1)第5実施形態における対象元素の定量方法
第5実施形態においては、複数の元素を含む微小粒子状物質FPを元素分析する際に、微弱な蛍光X線のスペクトルピークにおいてもスペクトルピークの重複を考慮して、より正確な元素分析結果を取得する。第5実施形態において、分析装置100に備わる各構成要素の構成及び機能は、スペクトルピークの重複を考慮する以外は上記の第1〜第4実施形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。
蛍光X線の検出により複数の元素を含む物質の元素分析を行う際に、ある特定の元素の蛍光X線のスペクトルピークが、他の元素のスペクトルピークと重複する場合がある。例えば、分析装置100の設置位置が牧場に近く、当該牧場において放牧が行われると、臭素(Br)を含む化合物が発生する可能性がある。臭素のスペクトルピークの一部とアルミニウム(Al)のスペクトルピークの一部とが重複することが知られており、牧場など臭素の発生源が近辺にある分析装置100においてアルミニウムを元素分析すると、(特に低濃度の)アルミニウムの定量が精度よくできないことがある。また、鉛のスペクトルピークの一部とヒ素のスペクトルピークの一部とが重複することが知られている。
スペクトルピークに重複がある場合には、その重複が一部であったとしても、特定の元素の含有量(濃度)が実際の含有量(濃度)とは異なって算出される場合がある。このスペクトルピークの重複を原因とする元素含有量の算出誤差は、分析対象の元素の含有量が小さいときに特に顕著となる。
従って、本実施形態においては、制御部9及び/又はサーバ101は、当該スペクトルピークの重複の影響を考慮して、元素分析の定性(元素の特定)と定量(元素濃度の算出)を行う。具体的には、微小粒子状物質FPに含まれると考えられる元素の蛍光X線の基準のスペクトルを用いて、実際に測定されたスペクトルとマッチするスペクトルを生成し、当該生成したスペクトルに含まれる基準のスペクトルの強度から、元素の含有量(濃度)を算出する。
上記の元素の定量を行うため、本実施形態においては、既知濃度の測定対象元素を含有する物質(基準物質と呼ぶことにする)から得られるスペクトル(基準スペクトルと呼ぶことにする)を、記憶部92に記憶している。基準スペクトルは、既知濃度の測定対象元素を含有する物質の蛍光X線を、分析部7を用いて検出することにより取得する。
以下、本実施形態に係る元素分析について具体的に説明する。以下の説明では、微小粒子状物質FPから、図8Aに示すような蛍光X線のスペクトル(実測プロファイルMP)が得られたとする。図8Aは、実測プロファイルの一例を示す図である。
また、微小粒子状物質FPには元素Bと元素Cが含まれるものとする。そして、元素B及び元素Cは、図8Bに示すような蛍光X線のスペクトル(基準スペクトル)を有するものとする。図8Bは、基準スペクトルの一例を示す図である。図8Bにおいて、元素Bの基準スペクトルは実線で表され、元素Cのスペクトルは一点鎖線で表される。
図8Bに示すように、元素Bの基準スペクトルにおいて蛍光X線エネルギーEa〜Ebの間に見られるスペクトルピークと、元素Cの基準スペクトルにおいて同じエネルギー範囲に見られるスペクトルピークと、は互いに近いエネルギー位置に存在する。その結果、実測プロファイルMP(図8Bにおいては点線にて示す)は、上記エネルギー範囲では2つのスペクトルピークが分離されない状態で存在している。
このため、実測プロファイルMPを用いて微小粒子状物質FPの元素の含有量を算出した場合には、算出される含有量(濃度)は、実際の含有量よりも大きくなる。このスペクトルピークの重複による影響は、元素B及び/又は元素Cの含有量が少ない場合には特に顕著となる。
従って、本実施形態においては、図9に示すフローチャートに従って微小粒子状物質FPに含まれる元素の定量(含有量の算出)を実行する。図9は、第5実施形態に係る元素分析方法を示すフローチャートである。
捕集フィルタ1に捕集された微小粒子状物質FPの実測プロファイルMPを取得(ステップS71’)後、制御部9及び/又はサーバ101は、実測プロファイルMPのピーク位置から微小粒子状物質FPに含まれる元素を特定する(ステップS72’)。
次に、制御部9及び/又はサーバ101は、ステップS72’により特定された元素のスペクトルのうち、少なくとも、スペクトルピークが重複しているエネルギー範囲内にある実測プロファイルMPのスペクトルピークの強度を用いて、特定された元素の定量を実行する(ステップS73’)。すなわち、実測プロファイルMPに含まれるエネルギー値の範囲内にある、当該特定された元素に対応する全てのスペクトルピークを用いて当該元素の定量をしてもよいし、重複するスペクトルピークだけを用いて当該元素の定量をしてもよい。
ステップS73’における元素B及び/又は元素Cの定量結果が、微小粒子状物質FPに含まれていると想定される元素含有量の範囲内である場合、すなわち、当該定量結果が所定の閾値よりも小さい場合(ステップS74’において「No」の場合)、実測プロファイルMPの強度と、各元素の含有量とスペクトル強度との関係を表した検量線と、を用いて、元素B及び/又は元素Cの定量を実行する(ステップS75’)。検量線を用いた定量において用いる実測プロファイルMPの強度は、積分強度であってもよいし、ある特定のピーク位置におけるピーク強度であってもよい。
一方、ステップS73’の定量結果が所定の閾値以上である場合(ステップS74’において「Yes」の場合)、実測プロファイルMPから元素B及び元素Cのスペクトルを分離し、各元素に対して分離されたスペクトルの強度を用いて、当該各元素を定量する。
具体的には、まず、元素Bの基準スペクトルと、元素Cの基準スペクトルとを記憶部92から読み込み、当該2つの基準スペクトルを足し合わせて仮想スペクトルを生成する(ステップS76’)。仮想スペクトルは、複数の基準スペクトルの全て又はいくつかの強度を増大又は減少して生成される。基準スペクトルの強度を増大又は減少することは、仮想的には、対象元素の含有量(濃度)を増大又は減少することに対応する。
ステップS76’にて生成された(複数の)仮想スペクトルのうち、実測プロファイルMPと最も一致する仮想スペクトルを選択する(スペクトルフィッティング)(ステップS77’)。具体的には、例えば、実測プロファイルMPとの差分の二乗和が最小となる仮想スペクトルを選択する(最小二乗法)。
次に、ステップS77’にて選択された仮想スペクトルに含まれる元素Bのスペクトルと元素Cのスペクトルとを算出する(ステップS78’)。例えば、実測プロファイルMPに最も一致する仮想スペクトルを生成した時の元素Bの基準スペクトルの強度の増大/減少比率を、元素Bの基準スペクトルの強度に乗算することにより、元素Bのスペクトルを算出できる。同様に、実測プロファイルMPに最も一致する仮想スペクトルを生成した時の元素Cの基準スペクトルの強度の増大/減少比率を、元素Cの基準ベクトルの強度に乗算することにより、元素Cのスペクトルを算出できる。
このようにして、実測プロファイルMPから、元素Bのスペクトルと元素Cのスペクトルとを分離できる。
各対象元素のスペクトルを分離後、元素Bについて分離したスペクトルの強度と、元素Bの含有量とスペクトル強度との関係を表した検量線と、を用いて、元素Bを定量する(ステップS79’)。検量線を用いた定量において用いる強度は、積分強度であってもよいし、ある特定のピーク位置におけるピーク強度であってもよい。
同様に、元素Cについて分離したスペクトルの強度と、元素Cの含有量とスペクトル強度との関係を表した検量線と、を用いて、元素Cを定量する。
他の実施形態において、対象元素の定量は、実測プロファイルMPに最も一致する仮想スペクトルを生成した時の対象元素の基準スペクトルの強度の増大/減少比率と、基準スペクトルを取得した際に用いた物質に含まれる対象元素の含有量と、を乗算することによって実行してもよい。なぜなら、一般的には、スペクトルの強度は、対象元素の含有量(濃度)と相関があるからである。
図9に示すフローチャートに従って元素分析することにより、実測プロファイルMPに含まれるスペクトルピークの重複の影響が少ない場合には、実測プロファイルMPの強度を用いて対象元素の定性及び定量を実行できる。
一方、実測プロファイルMPに含まれるスペクトルピークの重複の影響が大きく、実測プロファイルMPを用いて定量すると含有量が想定を超えて多い結果となる場合には、実測プロファイルMPから各対象元素のスペクトルを分離してスペクトルピークの重複を解消し、当該分離したスペクトルを用いて対象元素の定量を実行できる。その結果、上記のスペクトルピークの重複による影響を最小限にして、より精度よく対象元素を定量できる。
(2)変形例
本実施形態の変形例として、複数の対象元素を既知の含有量(濃度)にて含む物質のスペクトルと、当該既知の含有量と、その他の既知の情報(例えば、測定条件)と、を学習データとして、制御部9及び/又はサーバ101に学習させて、未知のスペクトル(実測プロファイルMP)から各対象元素の定性及び定量結果を算出できるような学習済みモデルを制御部9及び/又はサーバ101に形成してもよい。
当該変形例において、制御部9及び/又はサーバ101に学習をさせるために入力するスペクトルは、対象元素を低含有量(低濃度)にて含む物質を用いて取得することが好ましい。これにより、スペクトルピークの重複の影響を強く受けたデータを用いて学習を実行できる。その結果、低含有量(低濃度)の対象元素を精度よく定性及び定量可能な適切な学習済みモデルを形成できる。
ある程度の精度で定性及び定量を実行できる学習済みモデルを形成以後は、制御部9及び/又はサーバ101は、分析装置100にて取得した実測プロファイルMPと、実測プロファイルMPを取得時のその他の既知の情報(測定条件)と、を当該学習済みモデルに入力すれば、学習済みモデルからの出力として、対象元素の定性結果及び定量結果を得られる。
他の実施形態において、ある程度の精度を有する学習済みモデルを用いて定性及び定量を実行したスペクトルを用いて、当該学習済みモデルをさらに学習させてもよい。この場合、すでに定性及び定量を済ませたスペクトルを取得した微小粒子状物質FPに含まれる元素量を他の方法(例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma、高周波誘導結合プラズマ)法)により測定した結果を、学習用データとして入力してもよい。
学習済みモデルをさらに学習させることにより、当該学習後の学習済みモデルは、より高精度に対象元素の定性及び定量を実行できる。
6.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
例えば、図3のフローチャートに示す各ステップの順番及び/又は処理内容は、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更してもよい。例えば、ステップS5の質量濃度の算出と、ステップS6〜S7の元素分析とは入れ替わってもよい。また、上記の第1実施形態〜第5実施形態は、必要に応じて、任意に組み合わせることができる。
(A)基準プロファイルに関する他の実施形態
基準プロファイルPは、所定の周期にて連続して取得された複数の蛍光X線プロファイルにて構成されていてもよい。例えば、由来特定粒子状物質を黄砂とした基準プロファイルPは、初期段階で取得された蛍光X線プロファイルには硫黄(S)に対応するピークが含まれるが、所定の時間以降に取得された蛍光X線プロファイルにはシリコン(Si)に対応するピークも含まれるようになる。
この場合には、元素分析部93は、例えば、連続して取得した複数の実測プロファイルMPと基準プロファイルPとを比較して、連続して取得した複数の実測プロファイルMPにて見られるピーク(元素)の時間的変化と、基準プロファイルPにて見られる対応するピーク(元素)の時間的変化とがほぼ同一であれば、捕集された微小粒子状物質FPは、当該基準プロファイルPに関連付けられた由来特定粒子状物質と由来が同じ(含まれる元素が同じ)と判定できる。
(B)実測プロファイルに関する他の実施形態
元素分析部93は、連続して取得した複数の微小粒子状物質FPからの蛍光X線プロファイルを平均して、実測プロファイルMPを算出してもよい。
本発明は、測定空間に存在する粒子状物質の分析を行う分析装置に広く適用できる。
100 分析装置
200a、200b 分析システム
1 捕集フィルタ
1a 送り出しリール
1b 巻き取りリール
3 捕集部
31 吸引ポンプ
33 排出口
35 吸引口
5 捕集量測定部
51 β線源
53 β線検出器
7 分析部
71 X線源
73 検出器
9 制御部
91 制御指令部
92 記憶部
93 元素分析部
94 質量濃度算出部
95、95' 発生源関連信号出力部
96 元素選択部
97 ディスプレイ
11 カメラ
101 サーバ
A 大気
D 相関データ
EL 元素リスト
FP 微小粒子状物質
MD 測定データ
MP 実測プロファイル
P 基準プロファイル
IM 画像
P1 第1位置
P2 第2位置
P3 第3位置

Claims (13)

  1. 大気中に浮遊する粒子状物質の質量濃度を測定する質量濃度測定部と、
    前記粒子状物質に含まれる元素を分析する元素分析部と、
    前記質量濃度測定部における質量濃度の測定結果と、前記元素分析部における前記粒子状物質に含まれる元素の分析結果と、に基づいて前記粒子状物質の発生源に関する信号を出力する発生源関連信号出力部と、
    を備える分析装置。
  2. 前記粒子状物質に含まれる元素と前記粒子状物質の質量濃度との相関関係を表した相関データを記憶する記憶部をさらに備え、
    前記発生源関連信号出力部は、前記相関データと、前記元素の分析結果と、前記質量濃度の測定結果と、に基づいて前記粒子状物質の発生源に関する信号を出力する、
    請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記相関データは、前記粒子状物質に含まれる元素及び/又は前記粒子状物質の質量濃度と風向との相関関係に関する風向データをさらに含み、
    前記発生源関連信号出力部は、前記風向データに基づいて前記粒子状物質の発生源に関する信号を出力する、
    請求項2に記載の分析装置。
  4. 発生した事象に関する事象発生情報を取得し、当該取得した事象発生情報に基づいて測定条件及び/又は分析アルゴリズムを設定する、請求項1〜3のいずれかに記載の分析装置。
  5. 前記元素分析部にて分析すべき元素を選択する元素選択部をさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の分析装置。
  6. 現在選択されている元素が前記粒子状物質に含まれていないと判定したら、前記元素選択部は、前記現在選択されている元素とは異なる元素を前記分析すべき元素として選択する、請求項5に記載の分析装置。
  7. 前記元素分析部は、前記粒子状物質から発生する蛍光X線のエネルギーと当該蛍光X線の強度との関係を表した実測プロファイルと、発生の由来が特定されている由来特定粒子状物質から発生する蛍光X線のエネルギーと当該蛍光X線の強度との関係を表した基準プロファイルと、の比較に基づいて前記粒子状物質に含まれる元素を分析する、
    請求項1〜6のいずれかに記載の分析装置。
  8. 前記発生源関連信号出力部は、定常状態における前記粒子状物質に含まれる元素と質量濃度とに関する定常データと、前記元素の分析結果及び前記質量濃度の実測データと、を比較し、前記実測データが前記定常データとは非類似であると判定したら、警告のための信号を前記粒子状物質の発生源に関する信号として出力する、
    請求項1に記載の分析装置。
  9. 前記粒子状物質を捕集可能な捕集領域を有し、長さ方向に移動することで前記捕集領域を第1位置から第2位置へ移動させる捕集フィルタと、
    前記第1位置に対応するように設けられ、大気中に浮遊する前記粒子状物質を、前記第1位置に存在する捕集領域に捕集させる捕集部と、
    をさらに備え、
    前記質量濃度測定部は、前記第1位置に存在する捕集領域に捕集された前記粒子状物質の質量濃度を測定し、
    前記元素分析部は、前記第1位置から前記第2位置へと移動された捕集領域に捕集された前記粒子状物質に含まれる元素を分析する、
    請求項1〜8のいずれかに記載の分析装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の分析装置と、
    前記分析装置及び外部と通信可能なサーバと、
    を備え、
    前記分析装置の制御部及び/又は前記サーバは、発生した事象に関する事象発生情報を取得し、当該取得した事象発生情報に基づいて、前記分析装置の測定条件及び/又は分析アルゴリズムを設定する、
    分析システム。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の分析装置が複数備わる分析システム。
  12. 大気中に浮遊する粒子状物質の質量濃度を測定するステップと、
    前記粒子状物質に含まれる元素を分析するステップと、
    前記質量濃度の測定結果と、前記粒子状物質に含まれる元素の分析結果と、に基づいて前記粒子状物質の発生源に関する信号を出力するステップと、
    を含む分析方法。
  13. 大気中に浮遊する粒子状物質の質量濃度を測定するステップと、
    前記粒子状物質に含まれる元素を分析するステップと、
    前記質量濃度の測定結果と、前記粒子状物質に含まれる元素の分析結果と、に基づいて前記粒子状物質の発生源に関する信号を出力するステップと、
    を含む分析方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2018558028A 2016-12-20 2017-12-20 分析装置、分析システム、分析方法、及びプログラム Active JP7018404B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016247233 2016-12-20
JP2016247233 2016-12-20
PCT/JP2017/045698 WO2018117146A1 (ja) 2016-12-20 2017-12-20 分析装置、分析システム、分析方法、及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018117146A1 true JPWO2018117146A1 (ja) 2019-10-31
JP7018404B2 JP7018404B2 (ja) 2022-02-10

Family

ID=62626548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018558028A Active JP7018404B2 (ja) 2016-12-20 2017-12-20 分析装置、分析システム、分析方法、及びプログラム

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11131639B2 (ja)
JP (1) JP7018404B2 (ja)
CN (1) CN110088604B (ja)
DE (1) DE112017006425T5 (ja)
WO (1) WO2018117146A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11380438B2 (en) 2017-09-27 2022-07-05 Honeywell International Inc. Respiration-vocalization data collection system for air quality determination
AU2019361327B2 (en) * 2018-10-18 2023-11-09 Security Matters Ltd. System and method for detection and identification of foreign elements in a substance
JP7228599B2 (ja) * 2018-12-14 2023-02-24 株式会社堀場製作所 X線分析装置、x線分析システム、分析方法、及びプログラム
US10794810B1 (en) * 2019-08-02 2020-10-06 Honeywell International Inc. Fluid composition sensor device and method of using the same
JP7342629B2 (ja) * 2019-11-06 2023-09-12 株式会社島津製作所 試料成分推定方法、試料成分推定装置、試料成分推定プログラム、学習方法および学習プログラム
US11221288B2 (en) 2020-01-21 2022-01-11 Honeywell International Inc. Fluid composition sensor device and method of using the same
US11391613B2 (en) 2020-02-14 2022-07-19 Honeywell International Inc. Fluid composition sensor device and method of using the same
US11333593B2 (en) 2020-02-14 2022-05-17 Honeywell International Inc. Fluid composition sensor device and method of using the same
US11835432B2 (en) 2020-10-26 2023-12-05 Honeywell International Inc. Fluid composition sensor device and method of using the same
WO2023100854A1 (ja) * 2021-12-03 2023-06-08 株式会社堀場製作所 分析システム、サーバ、分析方法、及びプログラム
CN114660049B (zh) * 2022-03-22 2022-11-18 广东旺大集团股份有限公司 一种饲料中微量矿物质元素测试方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013525793A (ja) * 2010-04-29 2013-06-20 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 大気質を測定するための装置及び方法
JP2013531244A (ja) * 2010-06-28 2013-08-01 グリーン ビジョン システムズ リミテッド ハイパースペクトルイメージングおよび分析による、領域の全体にわたる汚染外気粒子状物質のリアルタイム監視、パラメータプロファイリングおよび調節
JP2013185939A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Toshiba Corp 大気拡散物質発生源探査装置、大気拡散物質発生源探査システムおよび大気拡散物質発生源探査方法
JP2015219197A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 株式会社堀場製作所 分析装置及び校正方法
JP2015219199A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 株式会社堀場製作所 分析装置及び校正方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4551848A (en) 1981-12-10 1985-11-05 Mount Isa Mines Limited Lead-in-air monitor
CN100491957C (zh) 2003-04-16 2009-05-27 株式会社崛场制作所 颗粒状物质捕集用过滤膜、使用该过滤膜的取样器以及颗粒状物质的分析装置
JP2009002276A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Nippon Soken Inc 粒子状物質の捕集量検出方法及び捕集量検出装置と排ガス浄化装置
CN101419208B (zh) * 2008-11-29 2012-07-18 太原理工大学 一种解决空气颗粒物来源解析中遇到的共线性问题的方法
JP5910277B2 (ja) 2012-04-19 2016-04-27 Jfeスチール株式会社 煤塵発生源推定方法
US9594037B2 (en) * 2014-05-20 2017-03-14 Horiba, Ltd. Analyzing apparatus and calibration method
CN204988955U (zh) * 2015-06-29 2016-01-20 上海仪器仪表研究所 一种基于细颗粒物的环境采样监测系统
CN105185135B (zh) * 2015-07-10 2018-07-31 南京理工大学 一种高速公路机动车颗粒物排放的测定、评估与警示装置及方法
CN106092834B (zh) * 2016-06-07 2018-10-02 中国科学院大气物理研究所 大气细颗粒物在线源解析系统及方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013525793A (ja) * 2010-04-29 2013-06-20 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 大気質を測定するための装置及び方法
JP2013531244A (ja) * 2010-06-28 2013-08-01 グリーン ビジョン システムズ リミテッド ハイパースペクトルイメージングおよび分析による、領域の全体にわたる汚染外気粒子状物質のリアルタイム監視、パラメータプロファイリングおよび調節
JP2013185939A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Toshiba Corp 大気拡散物質発生源探査装置、大気拡散物質発生源探査システムおよび大気拡散物質発生源探査方法
JP2015219197A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 株式会社堀場製作所 分析装置及び校正方法
JP2015219199A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 株式会社堀場製作所 分析装置及び校正方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018117146A1 (ja) 2018-06-28
US11131639B2 (en) 2021-09-28
CN110088604B (zh) 2023-11-21
CN110088604A (zh) 2019-08-02
JP7018404B2 (ja) 2022-02-10
US20200003711A1 (en) 2020-01-02
DE112017006425T5 (de) 2019-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018117146A1 (ja) 分析装置、分析システム、分析方法、及びプログラム
EP2115479B1 (en) Method and system for detecting and monitoring emissions
JP2021515237A (ja) 無線曝露モニタ
JP6325338B2 (ja) 分析装置及び校正方法
US20160018373A1 (en) Systems and methods for monitoring and controlled capture of air samples for analysis
KR20170123594A (ko) 무인 항공기를 이용한 실시간 악취 발생원 추적 방법
KR20160096332A (ko) 환경 오염 예측 시스템 및 방법
KR102161594B1 (ko) 건설장비의 이산화탄소 배출량 산정 방법 및 장치
US20220252566A1 (en) Real-time odor tracking system using vehicular odor measuring device
Hofman et al. Distant calibration of low-cost PM and NO2 sensors; evidence from multiple sensor testbeds
KR102313465B1 (ko) 멀티 센서 기반 모바일 대기 상태 상황인지 고지 시스템 및 방법
CN114730184A (zh) 用于估算逃逸性排放上的变化的计算机系统及方法
KR102281317B1 (ko) 초경량비행장치를 이용한 실시간 악취 추적 시스템
Font et al. Source attribution and quantification of atmospheric nickel concentrations in an industrial area in the United Kingdom (UK)
Denzler et al. Urban source term estimation for mercury using a boundary-layer budget method
KR20160121286A (ko) 무인 항공기를 이용한 실시간 악취 발생원 추적 방법
JP6467572B2 (ja) レーザによる放射線測定方法及びその装置
JP6672943B2 (ja) 物質発生源推定方法及び物質発生源推定装置
Bax et al. Odour nuisance monitoring
CN113189269A (zh) 一种自动进行烟尘测试的方法及系统
JP2009277125A (ja) 防災向け警報システム
Espinoza-Nava et al. Sampling and Analysis Methodology Review to Report Total PFC Emissions
JP2016017937A (ja) ガス検出方法およびガス検出装置
WO2023100854A1 (ja) 分析システム、サーバ、分析方法、及びプログラム
KR101487262B1 (ko) 대기오염 측정 장치 및 이의 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190619

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201118

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7018404

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150