JP2016017937A - ガス検出方法およびガス検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査ガスのガス種およびガス濃度を一定の確度で検出することのできる新規なガス検出方法およびガス検出装置を提供すること。【解決手段】測定対象ガスに対する感度特性が異なるガスセンサによる3つ以上のセンサ出力の組み合わせにより構成される出力パターンをMTシステムの一手法であるRT法によってパターン認識して、被検査ガスのガス種を識別すると共に、ガス種の識別に際して設定した単位空間に対応する感度特性を有する基準ガスセンサを設定し、被検査ガスについて取得される基準ガスセンサのセンサ出力に基づいて被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する。【選択図】図3
Description
本発明は、品質工学におけるパターン認識手法であるMTシステムを利用した、ガス検出方法およびガス検出装置に関する。
ガス検出にあっては、目的とする測定対象ガスを選択性よく検出することが求められている。例えば、地中に埋設されている都市ガスの供給配管などからのガス漏れの検出では、都市ガスの漏れを、例えば自然発生したメタンガスと識別して検出することが必要とされる。
測定対象ガスを選択性よく検出するための方法として、例えばニューラルネットワークを用いたパターン認識によってガス種を識別して検出する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。このようなガス検出方法においては、例えば、互いに特性の異なる複数のガスセンサを用い、測定対象ガスの濃度が既知の基準ガスについての各ガスセンサの出力の組み合わせからなる出力パターンを予め取得して情報処理装置に記憶させておき、被検査ガスについて取得された各ガスセンサの出力の組み合わせからなる出力パターンを、基準ガスに係る出力パターンと比較することにより類似性があるか否かを判定し、これにより被検査ガスのガス種を識別している。
しかしながら、このようなガス検出方法にあっては、被検査ガスのガス種を一定の確度で識別するためには、出力パターンにおける濃度依存性等を考慮して、基準ガスに係る出力パターンをできるだけ多く設定する必要がある。従って、測定対象ガスの種類が多い場合や、混合ガスを検出する場合などにおいては、基準ガスに係る出力パターンの設定に多大な労力と時間を要することとなる。
本発明者らは、品質工学におけるパターン認識手法であるMTシステム(マハラノビス−タグチシステム)の一手法であるRT法に着目し、RT法を利用することによって、被検査ガスのガス種およびガス濃度を一定の確度で検出することができることを見出した。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、被検査ガスのガス種およびガス濃度を一定の確度で検出することのできる新規なガス検出方法およびガス検出装置を提供することを目的とする。
本発明のガス検出方法は、測定対象ガスに対する感度特性が異なるガスセンサによって取得される当該測定対象ガスの濃度が既知の基準ガスについての3つ以上のセンサ出力によって構成される基準出力パターンを複数個取得し、当該複数個の基準出力パターンよりなるデータ群を、当該測定対象ガスを定義する単位空間として設定し、前記基準出力パターンの各々についての単位空間内距離の平均距離(D)を取得すると共に当該単位空間に属するか否かの判別の閾値(T)を当該平均距離(D)に基づいて設定する判断尺度設定処理を行うことにより、当該単位空間についての平均距離(D)および判別の閾値(T)を予め取得しておくと共に、前記基準ガスについて取得された前記センサ出力に基づいて、前記測定対象ガスを定義する当該単位空間に対応する感度特性を有する基準ガスセンサを設定しておき、
前記基準出力パターンを構成するセンサ出力の各々を取得したガスセンサによって取得される被検査ガスについての3つ以上のセンサ出力によって構成される判定用出力パターンを取得し、当該出力パターンについての距離(D´)を算出し、当該被検査ガスに係る距離(D´)を前記単位空間について設定された判別の閾値(T)と対比することにより当該判定用出力パターンが当該単位空間に属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記測定対象ガスと同一であるか否かを検出するガス種識別処理と、
当該被検査ガスが前記測定対象ガスと同一の種類であると判定された場合に、当該被検査ガスについて取得された前記基準ガスセンサのセンサ出力に基づいて、当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出するガス濃度算出処理と
を含むガス判定処理を行うことを特徴とする。
前記基準出力パターンを構成するセンサ出力の各々を取得したガスセンサによって取得される被検査ガスについての3つ以上のセンサ出力によって構成される判定用出力パターンを取得し、当該出力パターンについての距離(D´)を算出し、当該被検査ガスに係る距離(D´)を前記単位空間について設定された判別の閾値(T)と対比することにより当該判定用出力パターンが当該単位空間に属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記測定対象ガスと同一であるか否かを検出するガス種識別処理と、
当該被検査ガスが前記測定対象ガスと同一の種類であると判定された場合に、当該被検査ガスについて取得された前記基準ガスセンサのセンサ出力に基づいて、当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出するガス濃度算出処理と
を含むガス判定処理を行うことを特徴とする。
本発明のガス検出方法においては、被検査ガスについて取得された前記センサ出力の各々を前記基準ガスについて取得された前記基準ガスセンサのセンサ出力に基づいて基準化し、これにより取得された基準化出力の各々により構成されたデータ群を判定出力パターンとして用いることが好ましい。
また、本発明のガス検出方法においては、前記判断尺度設定処理を測定対象ガスの種類が異なる複数の種類の基準ガスの各々について行うことにより、当該測定対象ガスの各々を定義する複数の単位空間を設定すると共に、各々の単位空間についての単位空間内距離の平均距離および判別の閾値を予め設定しておき、
前記ガス種識別処理においては、被検査ガスについて取得された判定用出力パターンについての距離を当該単位空間の各々についての判別の閾値と対比することにより当該判定用出力パターンが前記単位空間のいずれかに属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記複数の測定対象ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出することが好ましい。
前記ガス種識別処理においては、被検査ガスについて取得された判定用出力パターンについての距離を当該単位空間の各々についての判別の閾値と対比することにより当該判定用出力パターンが前記単位空間のいずれかに属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記複数の測定対象ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出することが好ましい。
さらにまた、本発明のガス検出方法においては、測定対象ガスを互いに異なる混合割合で含む複数の種類の混合ガスの各々を基準ガスとして、前記判断尺度設定処理を当該基準ガスの各々について行い、当該基準ガスの各々を定義する複数の単位空間を設定すると共に、各々の単位空間についての単位空間内距離の平均距離および判別の閾値を予め設定しておき、
前記ガス種識別処理においては、被検査ガスについて取得された判定用出力パターンについての距離を当該単位空間の各々についての判別の閾値と対比することにより当該判定用出力パターンが前記単位空間のいずれかに属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記複数の混合ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出することが好ましい。
前記ガス種識別処理においては、被検査ガスについて取得された判定用出力パターンについての距離を当該単位空間の各々についての判別の閾値と対比することにより当該判定用出力パターンが前記単位空間のいずれかに属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記複数の混合ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出することが好ましい。
このようなガス検出方法におけるガス濃度算出処理においては、前記ガス種識別処理によって特定された単位空間に属する混合ガスにおける測定対象ガスの混合割合の範囲内において設定された混合割合の複数の種類の設定混合ガスの各々について、当該単位空間に係る基準ガスについての基準ガスセンサの出力を取得し、前記被検査ガスについて取得された当該基準ガスセンサのセンサ出力を当該設定混合ガスの各々について取得された当該基準ガスセンサのセンサ出力の各々と対比することにより当該被検査ガスが前記設定混合ガスのいずれのものと同一の種類であるかを特定し、当該被検査ガスについて取得された前記基準ガスセンサのセンサ出力と、当該特定された測定対象ガスの混合割合とに基づいて、被検査ガスに含まれる測定対象ガスの濃度を検出することができる。
さらにまた、本発明のガス検出方法においては、前記基準出力パターンの各々および判定用出力パターンを構成するセンサ出力の各々を、前記測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサの各々に共通に、前記基準ガスおよび前記被検査ガスを作用させることより、あるいは、前記測定対象ガスに対する感度特性を適宜調整した一のガスセンサに、前記基準ガスおよび前記被検査ガスを作用させることより取得することができる。
本発明のガス検出装置は、測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサと、
当該ガスセンサの各々のセンサ出力により構成される出力パターンを、上記のガス検出方法によって、パターン認識して、被検査ガスのガス種を識別すると共に、当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する演算処理部と
を具えていることを特徴とする。
当該ガスセンサの各々のセンサ出力により構成される出力パターンを、上記のガス検出方法によって、パターン認識して、被検査ガスのガス種を識別すると共に、当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する演算処理部と
を具えていることを特徴とする。
本発明のガス検出装置は、ガスセンサと、
当該ガスセンサの駆動条件を調整して測定対象ガスに対する感度特性を調整するセンサ駆動制御手段と、
当該ガスセンサの感度特性を適宜調整して取得される3つ以上のセンサ出力により構成される出力パターンを、請求項7に記載のガス検出方法によって、パターン認識して、被検査ガスのガス種を識別すると共に当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する演算処理部と
を具えていることを特徴とする。
当該ガスセンサの駆動条件を調整して測定対象ガスに対する感度特性を調整するセンサ駆動制御手段と、
当該ガスセンサの感度特性を適宜調整して取得される3つ以上のセンサ出力により構成される出力パターンを、請求項7に記載のガス検出方法によって、パターン認識して、被検査ガスのガス種を識別すると共に当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する演算処理部と
を具えていることを特徴とする。
本発明のガス検出方法によれば、被検査ガスのガス種がMTシステムにおけるRT法によって識別されると共に、ガス種の識別に際して設定した、被検査ガスが属する単位空間に係る基準ガスセンサのセンサ出力に基づいて被検査ガスの濃度が算出されるので、被検査ガスのガス種だけでなくガス濃度についても、一定の確度で検出することができる。
上記のガス検出方法が実行されるガス検出装置によれば、測定対象ガスを高い信頼性で検出することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔ガス検出装置〕
本発明のガス検出装置は、例えば、CH4 ガスなどのパラフィン系炭化水素ガス、H2 ガスおよびその他の可燃性ガスを測定対象ガスとするものであって、例えば、測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサにより構成されたガス検知部と、各々のガスセンサのセンサ出力パターンをパターン認識してガス種を識別すると共にガス濃度を算出するガス判定処理を行う機能を有する演算処理部と、演算処理部によるガス判定処理に際して用いられるデータを記録する記録部とを具えている。
本発明のガス検出装置は、例えば、CH4 ガスなどのパラフィン系炭化水素ガス、H2 ガスおよびその他の可燃性ガスを測定対象ガスとするものであって、例えば、測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサにより構成されたガス検知部と、各々のガスセンサのセンサ出力パターンをパターン認識してガス種を識別すると共にガス濃度を算出するガス判定処理を行う機能を有する演算処理部と、演算処理部によるガス判定処理に際して用いられるデータを記録する記録部とを具えている。
各々のガスセンサは、例えば、同一の仕様を有する接触燃焼式ガスセンサにより構成されており、測定対象ガスに対する酸化触媒の活性度を調整することにより、測定対象ガスに対して異なる感度特性を有するものとされている。ここに、酸化触媒の活性度の調整は、例えば、センサ素子に対する印加電圧の大きさを調整することにより行うことができる。図1(a)および図1(b)に、各々のガスセンサの感度特性を示す概念図を示す。図1(a)および図1(b)は、例えば5つのガスセンサS1 〜S5 の各々に共通に、互いに異なる測定対象ガスを作用させることにより取得される各々のガスセンサS1 〜S5 のセンサ出力を示している。特に、ガスセンサS1 は、一方の測定対象ガス(例えばH2 ガス(図1(b)))については感度を有するが、他方の測定対象ガス(例えばCH4 ガス(図1(a))については感度を実質的に有さない状態とされている。このようなガスセンサS1 を少なくとも1つ具えていることにより、後述するガス判定処理を一層高い信頼性をもって行うことができる。
演算処理部は、後述する判断尺度設定処理を行うことにより測定対象ガスを定義する単位空間についての平均距離Dを取得すると共に、取得された平均距離Dに基づいて判別の閾値Tを設定する機能を有する。
また、演算処理部は、後述するガス判定処理を行うことにより、被検査ガスに係る判定用出力パターンが測定対象ガスについて定義された単位空間に属するか否かを判定することにより被検査ガスのガス種を識別すると共に、被検査ガスが測定対象ガスと同一の種類であることが検出された場合に、被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する。
また、演算処理部は、後述するガス判定処理を行うことにより、被検査ガスに係る判定用出力パターンが測定対象ガスについて定義された単位空間に属するか否かを判定することにより被検査ガスのガス種を識別すると共に、被検査ガスが測定対象ガスと同一の種類であることが検出された場合に、被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する。
記録部には、各々のガスセンサS1 〜S5 の測定対象ガスについての検量線、測定対象ガスを定義する単位空間、単位空間についての平均距離Dおよび判別の閾値Tなどのデータが記録されている。これらのデータは、例えば、複数の種類の測定対象ガス、測定対象ガスを含む混合ガスについて測定対象ガスの濃度(混合割合)が異なる複数の種類の混合ガスの各々について設定されていることが好ましい。
以下、上記のガス検出装置によるガス検出方法について説明する。
〔ガス検出方法〕
本発明のガス検出方法においては、判断尺度設定処理を予め行うことにより、測定対象ガスを定義する単位空間についての平均距離Dおよび判別の閾値Tを取得しておくと共に、単位空間に対応する基準ガスセンサを設定しておく。図2は、判断尺度設定処理の一例を示すフローチャート図である。
本発明のガス検出方法においては、判断尺度設定処理を予め行うことにより、測定対象ガスを定義する単位空間についての平均距離Dおよび判別の閾値Tを取得しておくと共に、単位空間に対応する基準ガスセンサを設定しておく。図2は、判断尺度設定処理の一例を示すフローチャート図である。
この判断尺度設定処理においては、先ず、例えば5つのガスセンサS1 〜S5 の各々に共通に、測定対象ガスの濃度が既知の基準ガスを作用させることにより取得される各々のガスセンサのセンサ出力x11〜x15を特徴項目として、これらのセンサ出力x11〜x15の組み合わせにより構成される基準出力パターンを取得する(例えば図1(a)および図1(b)参照。)。例えば、測定対象ガスがCH4 ガスである場合の基準ガスとしては、ガス濃度が50%LELのCH4 ガス(単ガス)を用いることができる。
そして、このような処理を繰り返し行うことにより複数個の基準出力パターンを取得し、下記表1に示すように、複数個の基準出力パターンよりなるデータ群を、測定対象ガスについての単位空間USとして設定する。表1においては、単位空間USが3つの基準出力パターン1〜3により構成される例を示しているが、単位空間USを構成する基準出力パターンの数は特に限定されるものではなく、少なくとも2つ以上であればよい。
そして、このような処理を繰り返し行うことにより複数個の基準出力パターンを取得し、下記表1に示すように、複数個の基準出力パターンよりなるデータ群を、測定対象ガスについての単位空間USとして設定する。表1においては、単位空間USが3つの基準出力パターン1〜3により構成される例を示しているが、単位空間USを構成する基準出力パターンの数は特に限定されるものではなく、少なくとも2つ以上であればよい。
次いで、基準出力パターン1〜3のデータの平均値X1 〜X5 を、ガスセンサS1 〜S5 毎に求めると共に、基準出力パターン1〜3の各々について、第1の特徴量としての感度β1 〜β3 を下記式(1)より求める。式(1)において、rは有効除数、Li は線形式である。
また、基準出力パターン1〜3の各々について、第2の特徴量としてのSN比η1 〜η3 を式(2)より求める。式(2)において、Veiは誤差分散、Seiは誤差変動、STiは全変動、Sβiは比例項の変動、kは基準出力パターンを構成する特徴項目(センサ出力)の数である。
以上のようにして得られた単位空間USの特徴量βi ,ηi を、2つの統計データY1 ,Y2 に変換する。具体的には、各々の基準出力パターン1〜3についての特徴量βi ,ηi に基づいて、下記式(3)より統計データYi1,Yi2 を取得すると共に、各々の基準出力パターン1〜3についての統計データY11〜Y13の平均値Y1 、統計データY21〜Y23の平均値Y2 を求める。
次いで、分散・共分散行列の余因子行列Aを下記式(4)より求める。式(4)において、nは単位空間を構成する基準出力パターンの数である。
そして、基準出力パターン1〜3の各々の単位空間内距離D1 〜D3 を下記式(5)より求めると共に、単位空間内距離D1 〜D3 の平均距離Dを下記式(6)より求める。
以上のようにして、測定対象ガスである例えばCH4 ガスを定義する単位空間USについての平均距離Dが設定される。
以上のようにして、測定対象ガスである例えばCH4 ガスを定義する単位空間USについての平均距離Dが設定される。
次いで、単位空間USに属するか否かの判別の閾値Tを、取得された平均距離Dに基づいて設定する。判別の閾値Tは、平均距離DのN倍(Nは2以上の自然数である。)の大きさに設定することができる。測定対象ガスを例えばCH4 ガスとするとき、CH4 ガスを、ガスセンサS1 〜S5 の各々の感度特性(センサ出力)に大きな差が見られる例えばH2 ガス(図1(b)参照。)などのガスと識別するためには、例えば閾値Tは平均距離Dの10倍の大きさに設定することができる。一方、CH4 ガスを、各々のガスセンサS1 〜S5の各々の感度特性(センサ出力)に大きな差が見られないガス(例えばイソブタンガスなど)と識別するためには、閾値Tを小さく設定すればよい。
以上のようにして取得された、単位空間USについての平均距離Dおよび判別の閾値Tは、記録部に記録される。
測定対象ガスが複数の種類のガスである場合には、以上の判断尺度設定処理を、各々の測定対象ガスについて行い、各々の測定対象ガスを定義する単位空間を設定すると共に、各単位空間についての平均距離Dおよび判別の閾値Tを取得し、記録部に記録しておけばよい。
測定対象ガスを含む混合ガスについても同様であり、測定対象ガスを異なる混合割合で含む複数の種類の混合ガスの各々について判断尺度設定処理を行い、各々の混合ガスを定義する単位空間を設定すると共に、各単位空間についての平均距離Dおよび判別の閾値Tを取得し、記録部に記録しておけばよい。
測定対象ガスが複数の種類のガスである場合には、以上の判断尺度設定処理を、各々の測定対象ガスについて行い、各々の測定対象ガスを定義する単位空間を設定すると共に、各単位空間についての平均距離Dおよび判別の閾値Tを取得し、記録部に記録しておけばよい。
測定対象ガスを含む混合ガスについても同様であり、測定対象ガスを異なる混合割合で含む複数の種類の混合ガスの各々について判断尺度設定処理を行い、各々の混合ガスを定義する単位空間を設定すると共に、各単位空間についての平均距離Dおよび判別の閾値Tを取得し、記録部に記録しておけばよい。
また、測定対象ガスの濃度算出用の単位空間USについての基準ガスセンサは、例えば単位空間USに係る基準ガスについて取得されたセンサ出力が最大となるガスセンサ、図1(a)に示す例では、ガスセンサS3 に設定することができる。
そして、被検査ガスの検出にあっては、被検査ガスの種類を識別するガス種識別処理と、被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出するガス濃度算出処理とを含むガス判定処理を行う。図3は、ガス判定処理の一例を示すフローチャート図である。
ガス種識別処理においては、先ず、ガスセンサS1 〜S5 の各々に共通に被検査ガスを作用させることにより取得される各々のガスセンサS1 〜S5 のセンサ出力を特徴項目として、これらのセンサ出力の組み合わせにより構成される判定用出力パターンを取得する。
判定出力パターンにおける特徴項目としての各々のセンサ出力は、測定対象ガスを定義する単位空間USを設定する際に用いた基準ガスにおける測定対象ガスの濃度に相当する出力に換算(以下、このような処理を本明細書において「基準化」という。)したものであることが好ましい。これにより、判定用出力パターンにおける濃度依存性を補償することができてガス種の識別をより正確に行うことができる。
具体的には、例えば被検査ガスについて取得された各々のガスセンサS1 〜S5 のセンサ出力を、基準ガスについて取得された基準ガスセンサ(例えばガスセンサS3 )のセンサ出力(ここでは平均値X3 )に基づいて基準化する。例えば、基準ガス(濃度が50%LELのCH4 ガス)についての基準ガスセンサS3 のセンサ出力の平均値X3 が7.5mAであり、被検査ガスについての基準ガスセンサS3 のセンサ出力が5.5mAであるとき、基準ガスセンサのCH4 ガスについての検量線が線形であるとすると、被検査ガスについて取得された各ガスセンサS1 〜S5 のセンサ出力を1.36倍することにより、CH4 の濃度が50%LEL相当の出力に基準化された基準化出力x´1 〜x´5 を得ることができる。
判定出力パターンにおける特徴項目としての各々のセンサ出力は、測定対象ガスを定義する単位空間USを設定する際に用いた基準ガスにおける測定対象ガスの濃度に相当する出力に換算(以下、このような処理を本明細書において「基準化」という。)したものであることが好ましい。これにより、判定用出力パターンにおける濃度依存性を補償することができてガス種の識別をより正確に行うことができる。
具体的には、例えば被検査ガスについて取得された各々のガスセンサS1 〜S5 のセンサ出力を、基準ガスについて取得された基準ガスセンサ(例えばガスセンサS3 )のセンサ出力(ここでは平均値X3 )に基づいて基準化する。例えば、基準ガス(濃度が50%LELのCH4 ガス)についての基準ガスセンサS3 のセンサ出力の平均値X3 が7.5mAであり、被検査ガスについての基準ガスセンサS3 のセンサ出力が5.5mAであるとき、基準ガスセンサのCH4 ガスについての検量線が線形であるとすると、被検査ガスについて取得された各ガスセンサS1 〜S5 のセンサ出力を1.36倍することにより、CH4 の濃度が50%LEL相当の出力に基準化された基準化出力x´1 〜x´5 を得ることができる。
次いで、被検査ガスに係る判定用出力パターンについての特徴量である感度β´およびSN比η´を式(7)および式(8)より求める。式(7)中において、rは有効除数、L´は線形式である。また、式(8)中において、Ve ´は誤差分散、Se ´は誤差変動、ST ´は全変動、Sβ´は比例項の変動、kは判定用出力パターンを構成する特徴項目(センサ出力)の数である。
以上のようにして得られた判定用出力パターンについての特徴量β´,η´を、下記式(9)によって、二つの統計データY1 ´,Y2 ´に変換し、上記の判断尺度設定処理において取得した余因子行列Aを利用して、判定用出力パターンについての距離D´を下記式(10)により求める。
以上のようにして取得された被検査ガスに係る判定用出力パターンについての距離D´を、設定された単位空間USについての判別の閾値Tと対比することにより、判定用出力パターンが当該単位空間USに属するか否かを判定する。
判定用出力パターンについての距離D´が、単位空間USについての判別の閾値Tの内側である場合、すなわち、判定用出力パターンについての距離D´の大きさが判別の閾値T以下の値である場合には、被検査ガスが当該単位空間USに係る測定対象ガスと同一の種類であると判定される。一方、判定用出力パターンについての距離D´が、単位空間USについての判別の閾値Tの外側である場合、すなわち、判定用出力パターンについての距離D´の大きさが判別の閾値Tより大きい値である場合には、被検査ガスが当該単位空間USに係る測定対象ガスとは異なる種類であると判定される。このとき、他の測定対象ガスを定義する複数個の単位空間US1 ,US2 ,・・・,USmが設定されている場合には、判定用出力パターンについての距離D´を各々の単位空間USp (p=1〜m)についての判別の閾値Tp (p=1〜m)と対比することにより、判定用出力パターンがいずれかの単位空間に属するか否かを判定し、被検査ガスの種類が複数の測定対象ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出する(ガス種を同定する)。
判定用出力パターンについての距離D´が、単位空間USについての判別の閾値Tの内側である場合、すなわち、判定用出力パターンについての距離D´の大きさが判別の閾値T以下の値である場合には、被検査ガスが当該単位空間USに係る測定対象ガスと同一の種類であると判定される。一方、判定用出力パターンについての距離D´が、単位空間USについての判別の閾値Tの外側である場合、すなわち、判定用出力パターンについての距離D´の大きさが判別の閾値Tより大きい値である場合には、被検査ガスが当該単位空間USに係る測定対象ガスとは異なる種類であると判定される。このとき、他の測定対象ガスを定義する複数個の単位空間US1 ,US2 ,・・・,USmが設定されている場合には、判定用出力パターンについての距離D´を各々の単位空間USp (p=1〜m)についての判別の閾値Tp (p=1〜m)と対比することにより、判定用出力パターンがいずれかの単位空間に属するか否かを判定し、被検査ガスの種類が複数の測定対象ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出する(ガス種を同定する)。
そして、被検査ガスがいずれかの単位空間に係る測定対象ガスと同一の種類であると判定された場合には、被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出するガス濃度算出処理を行う。
このガス濃度算出処理においては、例えば被検査ガスが単位空間USに係る測定対象ガス(CH4 ガス)と同一の種類であることが検出された場合には、被検査ガスについて取得された単位空間USについての基準ガスセンサS3 のセンサ出力に基づいて、被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する。すなわち、被検査ガスについて取得された基準ガスセンサS3 のセンサ出力を、基準ガスセンサS3 の測定対象ガスについての検量線に対照することにより、測定対象ガスの濃度を算出する。
このガス濃度算出処理においては、例えば被検査ガスが単位空間USに係る測定対象ガス(CH4 ガス)と同一の種類であることが検出された場合には、被検査ガスについて取得された単位空間USについての基準ガスセンサS3 のセンサ出力に基づいて、被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する。すなわち、被検査ガスについて取得された基準ガスセンサS3 のセンサ出力を、基準ガスセンサS3 の測定対象ガスについての検量線に対照することにより、測定対象ガスの濃度を算出する。
次に、測定対象ガスを含む混合ガスの検出方法について、例えばCH4 ガスとH2 ガスとの混合ガスを検出する場合を例に挙げて、説明する。
測定対象ガスを含む混合ガスの検出にあっては、例えば、CH4 ガス(単ガス)、H2 ガス(単ガス)、および、測定対象ガスであるCH4 ガスとH2 ガスとの混合割合の異なる複数の種類の混合ガスの各々についての単位空間を定義(設定)する。具体的には例えば、下記表2に示すように、例えば6種類の基準ガスを定義する単位空間USa 〜USf を、上記の判断尺度設定処理を各々の基準ガスについて行うことにより、設定する。そして、各単位空間についての平均距離Da 〜Df および判別の閾値Ta 〜Tf を取得しておく。
そして、被検査ガスの検出にあっては、上記のガス判定処理におけるガス種識別処理を行うことにより、被検査ガスについて取得された判定用出力パターンが単位空間USa 〜USf のいずれかのものに属するか否かを判定し、被検査ガスの種類が基準ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出する(ガス種の同定)。
ガス種識別処理によって、被検査ガスがいずれかの単位空間に係る基準ガスと同一の種類であると判定された場合には、被検査ガスを構成する測定対象ガスの濃度を算出するガス濃度算出処理が行われる。
例えば、被検査ガスに係る判定用出力パターンが単位空間USf に属することが検出された場合には、各単位空間USa 〜USf についての閾値Ta 〜Tfが平均距離Da 〜Df のN倍(Nは2以上の自然数)の大きさに設定されていることから、被検査ガスにおけるCH4 ガスとH2 ガスとの混合割合は、基準ガスにおけるCH4 ガスとH2 ガスとの特定の混合割合を含む所定の範囲内、例えばCH4 ガス:H2 ガス=40:10〜50:0の範囲内にある。
例えば、被検査ガスに係る判定用出力パターンが単位空間USf に属することが検出された場合には、各単位空間USa 〜USf についての閾値Ta 〜Tfが平均距離Da 〜Df のN倍(Nは2以上の自然数)の大きさに設定されていることから、被検査ガスにおけるCH4 ガスとH2 ガスとの混合割合は、基準ガスにおけるCH4 ガスとH2 ガスとの特定の混合割合を含む所定の範囲内、例えばCH4 ガス:H2 ガス=40:10〜50:0の範囲内にある。
従って、ガス濃度算出処理においては、先ず、特定された単位空間USf に属する混合ガスにおけるCH4 ガスとH2 ガスとの混合割合の範囲内において、複数の種類の混合割合を設定し、この設定された混合割合の設定混合ガスの各々についての、当該単位空間USf に係る基準ガスセンサのセンサ出力を、当該基準ガスセンサの検量線に基づいて算出する。ここに、設定混合ガスの混合割合は、例えば、CH4 ガスとH2 ガスとの混合割合を1%LELずつ変更した10種類(CH4 ガス:H2 ガス=40:10,41:9,42:8,43:7,44:6,45:5,46:4,47:3,48:2,49:1)の値に設定することができる。
次いで、被検査ガスについて取得された基準ガスセンサのセンサ出力を、複数の種類の設定混合ガスに係るセンサ出力の各々と対比し、被検査ガスについて取得された基準ガスセンサのセンサ出力との差が最小となるセンサ出力の得られる設定混合ガスにおける混合割合を、被検査ガスにおける測定対象ガスの混合割合として特定する。
そして、被検査ガスについて取得された、単位空間USf についての基準ガスセンサのセンサ出力と、特定された測定対象ガスの混合割合とに基づいて、被検査ガスにおける測定対象ガスのガス濃度を算出する。例えば、被検査ガスにおけるCH4 ガスとH2 ガスとの混合割合が、CH4 ガス:H2 ガス=42:8であると特定されたとき、被検査ガスについて取得された基準ガスセンサのセンサ出力が、例えばCH4 ガスの濃度が35.7%LELの単ガスに相当する大きさであるとすると、被検査ガスにおけるCH4 ガスの濃度が30.0%LEL、H2 ガスの濃度が5.7%LELと算出される。
そして、被検査ガスについて取得された、単位空間USf についての基準ガスセンサのセンサ出力と、特定された測定対象ガスの混合割合とに基づいて、被検査ガスにおける測定対象ガスのガス濃度を算出する。例えば、被検査ガスにおけるCH4 ガスとH2 ガスとの混合割合が、CH4 ガス:H2 ガス=42:8であると特定されたとき、被検査ガスについて取得された基準ガスセンサのセンサ出力が、例えばCH4 ガスの濃度が35.7%LELの単ガスに相当する大きさであるとすると、被検査ガスにおけるCH4 ガスの濃度が30.0%LEL、H2 ガスの濃度が5.7%LELと算出される。
以上のように、上記のガス検出方法によれば、被検査ガスのガス種がMTシステムにおけるRT法によって識別されると共に、ガス種の識別に際して設定した、被検査ガスが属する単位空間に係る基準ガスセンサの出力に基づいて被検査ガスの濃度が算出されるので、被検査ガスのガス種だけでなくガス濃度についても、一定の確度で検出することができる。
また、各々のガスセンサS1 〜S5 の基準化出力により構成されたデータ群を判定出力パターンとして用いることにより、判定用出力パターンにおける濃度依存性を補償することができてガス種の識別をより正確に行うことができる。
また、各々のガスセンサS1 〜S5 の基準化出力により構成されたデータ群を判定出力パターンとして用いることにより、判定用出力パターンにおける濃度依存性を補償することができてガス種の識別をより正確に行うことができる。
而して、上述したように、ガス種の識別およびガス濃度の算出を含むガス検出にあっては、被検査ガスのガス種を一定の確度で識別するためには、単位空間をできるだけ多く設定する必要がある。然るに、MTシステムにおけるRT法によるパターン認識方法によれば、数多くある特徴項目を二つの特徴量、感度βおよびSN比ηに集約するので、測定対象ガスを定義する単位空間が多く設定されていても、ガス種の識別を短時間で行うことができる。従って、緊急性を要するガスなどを測定対象ガスとする場合においては、必要な措置を速やかにとることができる。
従って、上記のガス検出方法が実行されるガス検出装置によれば、測定対象ガスを高い信頼性で検出することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、測定対象ガスの種類は特に限定されるものではなく、従って、各々のガスセンサの仕様についても、特に限定されるものではなく、測定対象ガスに応じたものを用いればよい。また、ガスセンサの数(基準出力パターンを構成する特徴項目であるセンサ出力の数)も、特に限定されるものではないが、複数のガスセンサが用いられる場合には、検出結果の信頼性の観点から、ガスセンサの数は3つ以上であることが好ましい。
例えば、測定対象ガスの種類は特に限定されるものではなく、従って、各々のガスセンサの仕様についても、特に限定されるものではなく、測定対象ガスに応じたものを用いればよい。また、ガスセンサの数(基準出力パターンを構成する特徴項目であるセンサ出力の数)も、特に限定されるものではないが、複数のガスセンサが用いられる場合には、検出結果の信頼性の観点から、ガスセンサの数は3つ以上であることが好ましい。
また、本発明のガス検出装置においては、一のガスセンサによって本発明のガス検出方法が実行される構成とされていてもよい。
このようなガス検出装置においては、一のガスセンサの駆動条件、例えば接触燃焼式ガスセンサにおけるセンサ素子に対する印加電圧の大きさを調整して、測定対象ガスに対する感度特性を調整するセンサ駆動制御手段を具えた構成とされる。そして、ガスセンサの測定対象ガスに対する感度特性を適宜調整しながら前記基準ガスをガスセンサに作用させることにより3つ以上のセンサ出力を取得し、これにより、これらのセンサ出力の組み合わせによって構成される基準出力パターンが取得される。また、基準出力パターンを構成するセンサ出力を取得したときと同一の感度特性に調整したガスセンサに被検査ガスを作用させることにより3つ以上のセンサ出力を取得し、これにより、これらのセンサ出力の組み合わせによって構成される判定用出力パターンが取得される。この場合における基準ガスセンサは、上述した実施例と同様に、例えば単位空間に係る基準ガスについて取得されたセンサ出力が最大となる感度特性に調整された状態のガスセンサをいうものとする。
このような構成のガス検出装置によっても、測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサを具えた構成のものと同様の効果を得ることができる。
このようなガス検出装置においては、一のガスセンサの駆動条件、例えば接触燃焼式ガスセンサにおけるセンサ素子に対する印加電圧の大きさを調整して、測定対象ガスに対する感度特性を調整するセンサ駆動制御手段を具えた構成とされる。そして、ガスセンサの測定対象ガスに対する感度特性を適宜調整しながら前記基準ガスをガスセンサに作用させることにより3つ以上のセンサ出力を取得し、これにより、これらのセンサ出力の組み合わせによって構成される基準出力パターンが取得される。また、基準出力パターンを構成するセンサ出力を取得したときと同一の感度特性に調整したガスセンサに被検査ガスを作用させることにより3つ以上のセンサ出力を取得し、これにより、これらのセンサ出力の組み合わせによって構成される判定用出力パターンが取得される。この場合における基準ガスセンサは、上述した実施例と同様に、例えば単位空間に係る基準ガスについて取得されたセンサ出力が最大となる感度特性に調整された状態のガスセンサをいうものとする。
このような構成のガス検出装置によっても、測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサを具えた構成のものと同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、ガス種の識別だけでなく、例えば、臭気の識別や評価を行う場合にも適用することができる。このような場合には、ガスセンサに代えて臭気センサを用いればよい。
S1 〜S5 ガスセンサ
Claims (9)
- 測定対象ガスに対する感度特性が異なるガスセンサによって取得される当該測定対象ガスの濃度が既知の基準ガスについての3つ以上のセンサ出力によって構成される基準出力パターンを複数個取得し、当該複数個の基準出力パターンよりなるデータ群を、当該測定対象ガスを定義する単位空間として設定し、前記基準出力パターンの各々についての単位空間内距離の平均距離(D)を取得すると共に当該単位空間に属するか否かの判別の閾値(T)を当該平均距離(D)に基づいて設定する判断尺度設定処理を行うことにより、当該単位空間についての平均距離(D)および判別の閾値(T)を予め取得しておくと共に、前記基準ガスについて取得された前記センサ出力に基づいて、前記測定対象ガスを定義する当該単位空間に対応する感度特性を有する基準ガスセンサを設定しておき、
前記基準出力パターンを構成するセンサ出力の各々を取得したガスセンサによって取得される被検査ガスについての3つ以上のセンサ出力によって構成される判定用出力パターンを取得し、当該出力パターンについての距離(D´)を算出し、当該被検査ガスに係る距離(D´)を前記単位空間について設定された判別の閾値(T)と対比することにより当該判定用出力パターンが当該単位空間に属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記測定対象ガスと同一であるか否かを検出するガス種識別処理と、
当該被検査ガスが前記測定対象ガスと同一の種類であると判定された場合に、当該被検査ガスについて取得された前記基準ガスセンサのセンサ出力に基づいて、当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出するガス濃度算出処理と
を含むガス判定処理を行うことを特徴とするガス検出方法。 - 被検査ガスについて取得された前記センサ出力の各々を前記基準ガスについて取得された前記基準ガスセンサのセンサ出力に基づいて基準化し、これにより取得された基準化出力の各々により構成されたデータ群を判定出力パターンとして用いることを特徴とする請求項1に記載のガス検出方法。
- 前記判断尺度設定処理を測定対象ガスの種類が異なる複数の種類の基準ガスの各々について行うことにより、当該測定対象ガスの各々を定義する複数の単位空間を設定すると共に、各々の単位空間についての単位空間内距離の平均距離および判別の閾値を予め設定しておき、
前記ガス種識別処理においては、被検査ガスについて取得された判定用出力パターンについての距離を当該単位空間の各々についての判別の閾値と対比することにより当該判定用出力パターンが前記単位空間のいずれかに属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記複数の測定対象ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス検出方法。 - 測定対象ガスを互いに異なる混合割合で含む複数の種類の混合ガスの各々を基準ガスとして、前記判断尺度設定処理を当該基準ガスの各々について行い、当該基準ガスの各々を定義する複数の単位空間を設定すると共に、各々の単位空間についての単位空間内距離の平均距離および判別の閾値を予め設定しておき、
前記ガス種識別処理においては、被検査ガスについて取得された判定用出力パターンについての距離を当該単位空間の各々についての判別の閾値と対比することにより当該判定用出力パターンが前記単位空間のいずれかに属するか否かを判定し、これにより当該被検査ガスの種類が前記複数の混合ガスのいずれかのものと同一であるか否かを検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガス検出方法。 - 前記ガス濃度算出処理においては、前記ガス種識別処理によって特定された単位空間に属する混合ガスにおける測定対象ガスの混合割合の範囲内において設定された混合割合の複数の種類の設定混合ガスの各々について、当該単位空間に係る基準ガスについての基準ガスセンサの出力を取得し、前記被検査ガスについて取得された当該基準ガスセンサのセンサ出力を当該設定混合ガスの各々について取得された当該基準ガスセンサのセンサ出力の各々と対比することにより当該被検査ガスが前記設定混合ガスのいずれのものと同一の種類であるかを特定し、当該被検査ガスについて取得された前記基準ガスセンサのセンサ出力と、当該特定された測定対象ガスの混合割合とに基づいて、被検査ガスに含まれる測定対象ガスの濃度を検出することを特徴とする請求項4に記載のガス検出方法。
- 前記基準出力パターンの各々および判定用出力パターンを構成するセンサ出力の各々を、前記測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサの各々に共通に、前記基準ガスおよび前記被検査ガスを作用させることより取得することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガス検出方法。
- 前記基準出力パターンの各々および判定用出力パターンを構成するセンサ出力の各々を、前記測定対象ガスに対する感度特性を適宜調整したガスセンサに、前記基準ガスおよび前記被検査ガスを作用させることより取得することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガス検出方法。
- 測定対象ガスに対する感度特性が互いに異なる3つ以上のガスセンサと、
当該ガスセンサの各々のセンサ出力により構成される出力パターンを、請求項6に記載のガス検出方法によって、パターン認識して、被検査ガスのガス種を識別すると共に当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する演算処理部と
を具えていることを特徴とするガス検出装置。 - ガスセンサと、
当該ガスセンサの駆動条件を調整して測定対象ガスに対する感度特性を調整するセンサ駆動制御手段と、
当該ガスセンサの感度特性を適宜調整して取得される3つ以上のセンサ出力により構成される出力パターンを、請求項7に記載のガス検出方法によって、パターン認識して、被検査ガスのガス種を識別すると共に当該被検査ガスを構成する測定対象ガスのガス濃度を算出する機能を有する演算処理部と
を具えていることを特徴とするガス検出装置。
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