JPWO2018116858A1 - 活性炭及びその製造方法 - Google Patents

活性炭及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2018116858A1
JPWO2018116858A1 JP2018525487A JP2018525487A JPWO2018116858A1 JP WO2018116858 A1 JPWO2018116858 A1 JP WO2018116858A1 JP 2018525487 A JP2018525487 A JP 2018525487A JP 2018525487 A JP2018525487 A JP 2018525487A JP WO2018116858 A1 JPWO2018116858 A1 JP WO2018116858A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
pore
pore volume
less
volume
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018525487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6379324B1 (ja
Inventor
中野 智康
智康 中野
弘和 清水
弘和 清水
啓二 堺
啓二 堺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AD'ALL CO., LTD.
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Unitika Ltd
Original Assignee
AD'ALL CO., LTD.
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=62627407&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPWO2018116858(A1) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by AD'ALL CO., LTD., Osaka Gas Chemicals Co Ltd, Unitika Ltd filed Critical AD'ALL CO., LTD.
Application granted granted Critical
Publication of JP6379324B1 publication Critical patent/JP6379324B1/ja
Publication of JPWO2018116858A1 publication Critical patent/JPWO2018116858A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/02Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material
    • B01J20/20Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof comprising inorganic material comprising free carbon; comprising carbon obtained by carbonising processes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/28Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof characterised by their form or physical properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J20/00Solid sorbent compositions or filter aid compositions; Sorbents for chromatography; Processes for preparing, regenerating or reactivating thereof
    • B01J20/30Processes for preparing, regenerating, or reactivating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/30Active carbon

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に優れる活性炭を提供する。QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g以上であり、かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下である、活性炭。

Description

本発明は、活性炭及びその製造方法に関し、特に気相中のジクロロメタンを吸着させるのに好適な、活性炭及びその製造方法に関する。
従来、気相中又は液相中に存在する成分を活性炭によって吸着させ、これらの成分を除去する吸着除去技術が知られている。また、従来、活性炭による吸着除去技術は、有機溶剤を含むガスからの溶剤回収にも用いられている。
ジクロロメタン等の有機化合物に対し特に優れた吸着性能を有する活性炭繊維として、例えば、BET比表面積が700〜1500m2/g、全細孔容積が0.3〜0.7cc/g、細孔直径1nm以下のマイクロポア細孔(ミクロ孔)容積が全マイクロポア細孔容積の95%以上であり、かつ、温度25℃、相対湿度52%における水分吸着率が15%以下である、活性炭繊維が知られている(例えば、特許文献1参照)。該文献には、BET比表面積が700m2/g未満である場合には、吸着面積が小さすぎて、沸点が−30〜70℃の範囲内のたとえばジクロロメタンなどの有機化合物が十分に吸着されないという不具合があり、1500m2/gを超える場合、細孔が大きくなるため、沸点が−30〜70℃の範囲内のたとえばジクロロメタンなどの有機化合物が十分に吸着されないという不具合があることが記載されている。また、該文献には、細孔直径1nm以下のミクロ孔容積が全ミクロ孔容積の95%未満である場合には、細孔が大きくなりすぎて、沸点が−30〜70℃の範囲内のたとえばジクロロメタンなどの有機化合物が十分に吸着されないという不具合があることが記載されている。さらに、該文献には、温度25℃、相対湿度52%における水分吸着率が15%を超える場合には、細孔周辺に先に水分子が吸着されるため、その細孔には有機化合物の吸着量が吸着されず、その分低下してしまうという不具合があることが記載されている。
特開2011−106051号公報
本発明者等が活性炭のジクロロメタン平衡吸着量について検討したところ、吸着量は比表面積に依存し、比表面積が高い程吸着量が高くなることが判明した。しかしながら、単に高比表面積とすれば良いわけではなく、例えば単位比表面積当たりのジクロロメタン平衡吸着量を評価した場合に、細孔構造の違いによって吸着効率に差があることがわかった。すなわち、単に高比表面積化した場合は、細孔量が増加することでジクロロメタン吸着量も増えるが、細孔が全体的に大きくなることで吸着効率は悪化すると考えられる。
本発明は、上記問題を解決し、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に優れる活性炭及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者等はジクロロメタン等の低沸点有機化合物の吸着に適する細孔構造の実現を検討した。具体的には、ジクロロメタン等の低沸点有機化合物の吸着に適すると考えられる細孔直径1nm以下のミクロ孔容量を維持或いは増大し、なお且つ共存する水分の影響を受けにくいよう、これより大きな細孔を適量備えさせることが有効であると考えた。
また、このような比較的大きな細孔を適度に発達させることは、ジクロロメタン分子の細孔内拡散を補助する役割を果たすとも考えられ、平衡吸着だけではなく、通気処理においても有効であると考えた。
しかしながら、1nm以下の細孔の容積を維持しつつ、比較的大きい細孔径の別の細孔を備えさせるように、細孔を制御することは、非常に困難であった。すなわち、例えば、特許文献1の活性炭繊維において、さらに賦活を進めた場合、細孔が全体的に拡がるように賦活が進行するため、吸着に有効な1nm以下の小さなミクロ孔が維持できないという問題が生じた。
そこで、本発明者等がさらに鋭意検討した結果、活性炭前駆体としてイットリウム化合物を特定量含有させたものとし、賦活ガスを二酸化炭素として賦活をおこなうことにより、初めて、1nm以下の細孔の容積を維持しつつ、1nmを超える比較的大きな細孔径の別の細孔を適量備えさせることに成功した。さらに、このようにして得られた活性炭は、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に優れることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g以上であり、
かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下である、活性炭。
項2. QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、3.0nm以上の細孔容積(cc/g)が0.01cc/g以下である、項1に記載の活性炭。
項3. 前記細孔容積Aに対する、前記細孔容積Bの比率(細孔容積B/細孔容積A)が0.3〜0.8である、項1又は2に記載の活性炭。
項4. 比表面積が1300m2/g以上2000m2/g以下であり、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、全細孔容積が0.5cc/g以上0.8cc/g以下である、項1〜3のいずれか1項に記載の活性炭。
項5. 単位比表面積あたりのジクロロメタン平衡吸着量が0.045質量%・g/m2以上である、項1〜4のいずれか1項に記載の活性炭。
項6. 前記活性炭が繊維状活性炭である、項1〜5のいずれか1項に記載の活性炭。
項7. 気相中のジクロロメタンを吸着させるために用いられる、項1〜6のいずれか1項に記載の活性炭。
項8. 項1〜6に記載の活性炭の製造方法であって、イットリウム化合物を含む活性炭前駆体を、CO2濃度が90容積%以上の雰囲気下、温度600〜1200℃で賦活する工程を含む、活性炭の製造方法。
項9. 項1〜7のいずれかに記載の活性炭を含む、ジクロロメタンの吸着剤。
項10. 項1〜7のいずれかに記載の活性炭を用いる、ジクロロメタンの吸着除去方法。
本発明の活性炭によれば、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g以上であり、かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下であることから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に優れる。また、本発明の活性炭の製造方法によれば、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に優れる活性炭を製造することができる。従って、本発明の活性炭は、溶剤回収用として好適に用いることができる。
実施例1の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。 実施例2の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。 実施例3の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。 実施例4の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。 比較例1の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。 比較例2の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。 比較例3の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。 比較例4の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布を示すグラフである。
以下、本発明の活性炭について詳細に説明する。
本発明の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g以上であり、かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下である。
本発明において、QSDFT法(急冷固体密度汎関数法)とは、幾何学的・化学的に不規則なミクロポーラス・メソポーラスな炭素の細孔径解析を対象とした、約0.5nm〜約40nmまでの細孔径分布の計算ができる解析手法である。QSDFT法では、細孔表面の粗さと不均一性による影響が明瞭に考慮されているため、細孔径分布解析の正確さが大幅に向上した手法である。本発明においては、Quantachrome社製「AUTOSORB−1−MP」を用いて窒素吸着等温線の測定、及びQSDFT法による細孔径分布解析をおこなう。77Kの温度において測定した窒素の脱着等温線に対し、Calculation modelとしてN2 at 77K on carbon[slit pore,QSDFT equilibrium model]を適用して細孔径分布を計算することで、特定の細孔径範囲の細孔容積を算出することができる。
本発明の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.35cc/g以上であり、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能をより優れたものとする観点から、0.35cc/g以上0.60cc/g以下が好ましく、0.40cc/g以上0.50cc/g以下がより好ましい。
本発明の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下であり、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能をより優れたものとする観点から、0.20cc/g以上0.35cc/g以下が好ましく、0.30cc/g以上0.35cc/g以下がより好ましい。
本発明の活性炭は、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能をより優れたものとする観点から、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、3.0nm以上の範囲の細孔径の細孔容積Dが0.1cc/g以下であることが好ましく、0.01cc/g以下であることがより好ましい。
同様の観点から、本発明の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上2.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Cが0.10cc/g以上0.30cc/g以下が好ましく、0.20cc/g以上0.30cc/g以下がより好ましい。また、2.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積が0.01cc/g以上0.05cc/g以下が好ましい。また、1.5nm以下の範囲の細孔径の細孔容積が0.5cc/g以上0.7cc/g以下が好ましい。また、1.5nm以上2.5nm以下の範囲の細孔径の細孔容積が0.03cc/g以上0.15cc/g以下が好ましく、0.07cc/g以上0.15cc/g以下がより好ましい。また、2.5nm以上の範囲の細孔径の細孔容積が0.03cc/g以下が好ましい。
本発明の活性炭は、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能をより優れたものとする観点から、前記細孔容積Aに対する、前記細孔容積Bの比率(細孔容積B/細孔容積A)が0.3〜0.8であることが好ましく、0.6〜0.8であることがより好ましい。
同様の観点から、本発明の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、2.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積E(すなわち、ミクロポア容積)に対する、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aの割合(A/E)が0.94以下であることが好ましく、0.5〜0.8であることがより好ましく、0.55〜0.7であることが特に好ましい。
本発明の活性炭は、活性炭の比表面積(窒素を被吸着物質として用いたBET法(1点法)により測定される値)としては、1000〜2000m2/g程度、好ましくは1300〜2000m2/g程度、より好ましくは1400〜1800m2/g程度、特に好ましくは1600〜1800m2/g程度が挙げられる。また、QSDFT法によって算出される活性炭の全細孔容積としては0.45〜1.50cc/g程度、より好ましくは0.50〜0.8cc/g程度が挙げられる。
また、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能をより優れたものとする観点から、本発明の活性炭において、当該全細孔容積(100%)中の前記細孔容積Aの割合としては、好ましくは50〜75%程度、より好ましくは53〜60%程度が挙げられる。同様の観点から、当該全細孔容積(100%)中の前記細孔容積Bの割合としては、好ましくは25〜50%程度、より好ましくは40〜47%程度が挙げられる。
後述の通り、本発明の製造方法において、活性炭前駆体の主原料(すなわち、本発明の活性炭の由来となる原料)としては、特に制限されず、例えば、不融化或いは炭素化した有機質材料、フェノール樹脂等の不融性樹脂等が挙げられ、該有機質材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ピッチ、ポリビニルアルコール、セルロース等が挙げられる。これらの中でも、本発明の活性炭は、ピッチに由来することが好ましく、石炭ピッチに由来することがより好ましい。
本発明の活性炭は、上記特定の細孔径分布とするために、活性炭前駆体としてイットリウム化合物を含むものを用いる。そして、本発明の活性炭は、活性炭前駆体に含まれるイットリウム化合物に由来するイットリウム単体及び/又はイットリウム化合物を含むものであってもよい。本発明の活性炭の総質量における、該活性炭に含有されるイットリウム単体及びイットリウム化合物の質量の割合(合計)としては、例えば、0.01〜5.0質量%が挙げられ、0.05〜3.0質量%が好ましく挙げられ、0.05〜0.3質量%が特に好ましく挙げられる。上記割合は、ICP発光分光分析装置(Varian社製型式715−ES)により測定されるイットリウム元素換算の割合(すなわち、イットリウムの含有量)である。
本発明の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g以上であり、かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下であることから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に優れる。具体的に、本発明の活性炭が備えるジクロロメタン吸着性能(平衡吸着量(質量%))としては、例えば、60質量%以上が挙げられ、好ましくは65質量%以上、より好ましくは75質量%以上、特に好ましくは80質量%以上が挙げられる。なお、本発明において、ジクロロメタン吸着性能は、以下のように測定されるものである。すなわち、活性炭サンプルを110℃の乾燥機で12時間乾燥し、デシケーターで冷却後、速やかに0.5gを量りとりU字管に充填する。次に、28℃の恒温槽中でジクロロメタン(試薬特級、安定剤にメタノール0.5%を含む)に乾燥空気を500ml/minの流速で吹き込み、U字管に導入することで吸着操作を行う。活性炭の質量増加が止まった時点を平衡状態とし、平衡吸着量を下記式により算出される。
平衡吸着量(質量%)=質量増加分/活性炭質量×100
そして、本発明の活性炭が備える単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能としては、0.045質量%・g/m2が挙げられ、0.046質量%・g/m2が好ましく挙げられ、0.046〜0.055質量%・g/m2がより好ましく挙げられる。なお、本発明において、活性炭の単位比表面積あたりのジクロロメタン平衡吸着量は、前記したように求めたジクロロメタン吸着性能を、当該活性炭の比表面積(m2/g)で除することにより算出される。
本発明の活性炭の形態は特に限定されないが、例えば、粒状活性炭、粉末状活性炭、繊維状活性炭等が挙げられる。ジクロロメタンの吸着速度をより向上させるという観点から繊維状である繊維状活性炭とすることがより好ましい。繊維状活性炭の平均繊維径としては、好ましくは30μm以下、より好ましくは5〜20μm程度が挙げられる。なお、本発明における平均繊維径は、画像処理繊維径測定装置(JIS K 1477に準拠)により測定した値である。また、粒状活性炭及び粉末状活性炭の粒径としては、レーザー回折/散乱式法で測定した積算体積百分率D50が0.01〜5mmが挙げられる。
本発明の活性炭は、気相中または液相中のいずれでも使用することができる。特に、本発明の活性炭は、気相中のジクロロメタンを吸着させるために好適に用いられる。
次に、本発明の活性炭の製造方法について詳細に説明する。
本発明の活性炭の製造方法は、イットリウム化合物を含む活性炭前駆体を、CO2濃度が90容積%以上の雰囲気下、温度600〜1200℃で賦活する工程を含む。これにより、初めて、1nm以下の細孔の容積を維持しつつ、さらに比較的大きい細孔径1.0〜3.0nmの細孔を適量備えさせることができ、本発明の活性炭を得ることができる。一方、賦活ガスを従来広く用いられている水蒸気とした場合は、1nm以下の細孔を維持することが困難となる。また、活性炭前駆体がイットリウム化合物を含まないものとした場合は、比較的大きい細孔径1.0〜3.0nmの細孔の容積を特定量とすることが困難となる。
本発明の製造方法において、活性炭前駆体の主原料としては、特に制限されない。例えば、不融化又は炭素化した有機質材料、フェノール樹脂等の不融性樹脂等が挙げられ、該有機質材料としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ピッチ、ポリビニルアルコール、セルロース等が挙げられる。炭素化時の理論炭素化収率の点で、ピッチが好ましく、ピッチの中でも特に石炭ピッチが好ましい。
本発明の製造方法において、活性炭前駆体のイットリウムの含有量としては、好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.05〜1.0質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%が挙げられる。イットリウムは、イットリウム単体或いはイットリウム化合物を原料と混合することにより含有させることができる。イットリウム化合物としては、イットリウムを構成金属元素とする、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、金属硫酸塩等の無機金属化合物、酢酸等の有機酸と金属との塩、有機金属化合物などが挙げられる。有機金属化合物としては、金属アセチルアセトナート、芳香族金属化合物等が挙げられる。
本発明の製造方法において、賦活の雰囲気は、CO2濃度が90容積%以上であり、好ましくは95容積%以上、より好ましくは99容積%以上である。
賦活の雰囲気において、CO2以外の他の成分としては、N2、O2、H2、H2O、COが挙げられる。
本発明の製造方法において、賦活の雰囲気温度は通常600〜1200℃程度であり、好ましくは800〜1000℃程度、より好ましくは900〜1000℃程度である。また、賦活時間としては、活性炭前駆体の主原料に応じ、所定の細孔径分布となるよう調整すればよい。例えば、活性炭前駆体の主原料として軟化点が275℃〜288℃のピッチを用いた場合は、賦活の雰囲気温度は900〜1000℃、賦活時間は10〜80分、より好ましくは、60〜80分として賦活をすることが挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
各実施例及び比較例につき、以下の方法により評価した。
(1)不融化したピッチ繊維(活性炭前駆体)のイットリウム含有量(質量%)
ピッチ繊維を灰化処理し、灰分を酸に溶解しICP発光分光分析装置(Varian社製型式715−ES)により測定されるイットリウム元素換算の割合をイットリウム含有量とした。
(2)活性炭の金属含有量(質量%)
繊維状活性炭を酸に溶解しICP発光分光分析装置(Varian社製型式715−ES)により測定されるイットリウム元素換算の割合をイットリウム含有量とした。
(3)細孔容積(cc/g)、比表面積(m2/g)、繊維状活性炭の繊維径(μm)
細孔物性値は、Quantachrome社製「AUTOSORB−1−MP」を用いて77Kにおける窒素吸着等温線により測定した。比表面積はBET法によって相対圧0.1の測定点から計算した。全細孔容積及び表1に記載した各細孔径範囲における細孔容積は、測定した窒素脱着等温線に対し、Calculation modelとしてN2 at 77K on carbon[slit pore,QSDFT equilibrium model]を適用して細孔径分布を計算することで、解析した。具体的に、表1に記載した各細孔径範囲における細孔容積は、図1〜8に示した細孔径分布を示すグラフの読み取り値又は該読み取り値から計算される値である。より具体的に、細孔径0.65nm以下の細孔容積は、細孔径分布を示すグラフの横軸Pore Widthが0.65nmにおけるCumulative Pore Volume(cc/g)の読み取り値である。同様にして、細孔径0.8nm以下の細孔容積、細孔径1.0nm以下の細孔容積A、細孔径1.5nm以下の細孔容積、細孔径2.0nm以下の細孔容積E、細孔径2.5nm以下の細孔容積、細孔径3.0nm以下の細孔容積を得た。また、細孔径2.5nm以上の細孔容積は、QSDFT法により得られる全細孔容積Tから上記細孔径2.5nm以下の細孔容積を減ずることで計算した。同様にして、細孔径3.0nm以上の細孔容積Dは、QSDFT法により得られる全細孔容積Tから細孔径3.0nm以下の細孔容積を減ずることで計算した。細孔径0.65〜0.8nmの範囲の細孔容積は、上記細孔径0.8nm以下の細孔容積から上記細孔径0.65nm以下の細孔容積を減ずることで計算した。細孔径1.0nm〜1.5nmの範囲の細孔容積は、上記細孔径1.5nm以下の細孔容積から上記細孔径1.0nm以下の細孔容積Aを減ずることで計算した。細孔径1.0nm〜2.0nmの範囲の細孔容積Cは、上記細孔径2.0nm以下の細孔容積Eから上記細孔径1.0nm以下の細孔容積Aを減ずることで計算した。細孔径1.0nm〜3.0nmの範囲の細孔容積Bは、上記細孔径3.0nm以下の細孔容積から上記細孔径1.0nm以下の細孔容積Aを減ずることで計算した。細孔径1.5nm〜2.0nmの範囲の細孔容積は、上記細孔径2.0nm以下の細孔容積Eから上記細孔径1.5nm以下の細孔容積を減ずることで計算した。上記細孔径1.5nm〜2.5nmの範囲の細孔容積は、上記細孔径2.5nm以下の細孔容積から上記細孔径1.5nm以下の細孔容積を減ずることで計算した。細孔径2.0nm〜2.5nmの範囲の細孔容積は、上記細孔径2.5nm以下の細孔容積から上記細孔径2.0nm以下の細孔容積Eを減ずることで計算した。細孔径2.0nm〜3.0nmの範囲の細孔容積は、上記細孔径3.0nm以下の細孔容積から上記細孔径2.0nm以下の細孔容積Eを減ずることで計算した。細孔径2.5nm〜3.0nmの範囲の細孔容積は、上記細孔径3.0nm以下の細孔容積から上記細孔径2.5nm以下の細孔容積を減ずることで計算した。
(4)繊維状活性炭の繊維径(μm)
画像処理繊維径測定装置(JIS K 1477に準拠)により測定した。
(5)ジクロロメタン平衡吸着性能(質量%)
活性炭サンプルを110℃の乾燥機で1晩乾燥し、デシケーターで冷却後、速やかに0.5gを量りとりU字管に充填した。次に、28℃の恒温槽中でジクロロメタン(試薬特級、安定剤にメタノール0.5%を含む)に乾燥空気を500ml/minの流速で吹き込み、U字管に導入することで吸着操作を行った。活性炭の質量増加が止まった時点を平衡状態とし、平衡吸着量を算出した。
平衡吸着量(%)=質量増加分/活性炭質量×100
(実施例1)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム0.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウム及びイットリウム化合物の含有量(イットリウム元素換算)は0.06質量%であった。
得られた活性炭前駆体を、CO2濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度950℃で67分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例1の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.42cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.31cc/g、イットリウムの含有量は0.17質量%、平均繊維径は16.8μmであった。
(実施例2)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム0.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウム及びイットリウム化合物の含有量(イットリウム元素換算)は0.06質量部であった。
得られた活性炭前駆体を、CO2濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度950℃で70分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例2の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.43cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.34cc/g、イットリウムの含有量は0.18質量%、平均繊維径は16.8μmであった。
(実施例3)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム0.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウム及びイットリウム化合物の含有量(イットリウム元素換算)は0.06質量%であった。
得られた活性炭前駆体を、CO2濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度950℃で65分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例3の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.41cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.27cc/g、イットリウムの含有量は0.15質量%、平均繊維径は18.2μmであった。
(実施例4)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム0.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウム及びイットリウム化合物の含有量(イットリウム元素換算)は0.06質量部であった。
得られた活性炭前駆体を、CO2濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度950℃で55分間熱処理することにより賦活をおこない、実施例4の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.41cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.27cc/g、イットリウムの含有量は0.14質量%、平均繊維径は18.4μmであった。
(比較例1)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウムの含有量は0質量%であった。
得られた活性炭前駆体を、H2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例1の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.31cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.00cc/g、イットリウムの含有量は0質量%、平均繊維径は16.8μmであった。
(比較例2)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウムの含有量は0質量%であった。
得られた活性炭前駆体を、H2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度875℃で40分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例2の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.40cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.08cc/g、イットリウムの含有量は0質量%、平均繊維径は16.7μmであった。
(比較例3)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム1.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウム及びイットリウム化合物の含有量(イットリウム元素換算)は0.25質量部であった。
得られた活性炭前駆体を、H2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度900℃で20分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例3の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.24cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.28cc/g、イットリウムの含有量は0.66質量%、平均繊維径は16.5μmであった。
(比較例4)
有機質材料として、軟化点が280℃の粒状石炭ピッチ100質量部に対してトリスアセチルアセトナトイットリウム1.3質量部を混合したものを、溶融押出機に供給し、溶融温度320℃で溶融混合し、吐出量20g/minで紡糸することによりピッチ繊維を得た。得られたピッチ繊維を空気中常温から354℃まで1〜30℃/分の割合で54分間昇温することにより不融化処理をおこない、不融化されたピッチ繊維である活性炭前駆体を得た。該活性炭前駆体において、イットリウム及びイットリウム化合物の含有量(イットリウム元素換算)は0.25質量部であった。
得られた活性炭前駆体を、H2O濃度が100容量%のガスを賦活炉内に連続的に導入し、雰囲気温度900℃で25分間熱処理することにより賦活をおこない、比較例4の活性炭を得た。得られた活性炭は、1.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Aが0.20cc/g、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.39cc/g、イットリウムの含有量は0.83質量%、平均繊維径は15.8μmであった。
得られた活性炭の物性を表1に示す。また、図1〜8に、実施例1〜4、比較例1〜4の活性炭のQSDFT法によって算出される細孔径分布図を示す。
表1から明らかなように、実施例1〜4の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g以上であり、かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下であることから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に優れるものであった。
特に、実施例1〜3の活性炭は、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.40cc/g以上0.50cc/g以下であり、かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.20cc/g以上0.35cc/g以下であって、前記細孔容積Aに対する、前記細孔容積Bの比率(細孔容積B/細孔容積A)が0.6〜0.8であることから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に特に優れるものであった。
一方、比較例1の活性炭は、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g未満であって、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.20cc/g未満であったことから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に劣るものであった。
比較例2の活性炭は、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.20cc/g未満であったことから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に劣るものであった。
比較例3の活性炭は、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g未満であったことから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に劣るものであった。
比較例4の活性炭は、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g未満であって、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.35cc/gを超えるものであったことから、単位比表面積あたりのジクロロメタン吸着性能に劣るものであった。

Claims (10)

  1. QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以下の細孔容積A(cc/g)が0.35cc/g以上であり、
    かつ、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、1.0nm以上3.0nm以下の範囲の細孔径の細孔容積Bが0.15cc/g以上0.35cc/g以下である、活性炭。
  2. QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、3.0nm以上の細孔容積(cc/g)が0.01cc/g以下である、請求項1に記載の活性炭。
  3. 前記細孔容積Aに対する、前記細孔容積Bの比率(細孔容積B/細孔容積A)が0.3〜0.8である、請求項1又は2に記載の活性炭。
  4. 比表面積が1300m2/g以上2000m2/g以下であり、QSDFT法によって算出される細孔容積のうち、全細孔容積が0.5cc/g以上0.8cc/g以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性炭。
  5. 単位比表面積あたりのジクロロメタン平衡吸着量が0.045質量%・g/m2以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性炭。
  6. 前記活性炭が繊維状活性炭である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性炭。
  7. 気相中のジクロロメタンを吸着させるために用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の活性炭。
  8. 請求項1〜6に記載の活性炭の製造方法であって、イットリウム化合物を含む活性炭前駆体を、CO2濃度が90容積%以上の雰囲気下、温度600〜1200℃で賦活する工程を含む、活性炭の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の活性炭を含む、ジクロロメタンの吸着剤。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の活性炭を用いる、ジクロロメタンの吸着除去方法。
JP2018525487A 2016-12-19 2017-12-07 活性炭及びその製造方法 Active JP6379324B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016245201 2016-12-19
JP2016245201 2016-12-19
PCT/JP2017/044096 WO2018116858A1 (ja) 2016-12-19 2017-12-07 活性炭及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6379324B1 JP6379324B1 (ja) 2018-08-22
JPWO2018116858A1 true JPWO2018116858A1 (ja) 2018-12-20

Family

ID=62627407

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018525487A Active JP6379324B1 (ja) 2016-12-19 2017-12-07 活性炭及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6379324B1 (ja)
TW (1) TW201831401A (ja)
WO (1) WO2018116858A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102113719B1 (ko) * 2018-08-31 2020-05-21 주식회사 티씨케이 활성탄 및 이의 제조방법
JP7300124B2 (ja) * 2019-01-31 2023-06-29 株式会社タカギ トリハロメタン除去用活性炭およびその製造方法
JPWO2020203508A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08
CA3148503A1 (en) * 2019-08-20 2021-02-25 Futamura Kagaku Kabushiki Kaisha Per- and polyfluoroalkyl compound-adsorbing activated carbon
TW202136736A (zh) * 2020-02-14 2021-10-01 國立研究開發法人產業技術總合研究所 用於收集全氟及多氟烷基化合物之個人暴露測量用採樣器
KR20220153577A (ko) * 2020-03-27 2022-11-18 도레이 카부시키가이샤 여과재

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001164430A (ja) * 2000-10-11 2001-06-19 Osaka Gas Co Ltd 活性炭繊維
JP2004345921A (ja) * 2003-05-23 2004-12-09 Hiroshima Univ メソポーラス活性炭
JP2006247527A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Kansai Coke & Chem Co Ltd 吸着剤
JP5124094B2 (ja) * 2006-01-24 2013-01-23 マイラン製薬株式会社 医薬用吸着剤
JP2007269552A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Teijin Ltd 活性炭およびその製造方法
JP5482133B2 (ja) * 2009-11-17 2014-04-23 東洋紡株式会社 活性炭素繊維
JP6156391B2 (ja) * 2012-11-16 2017-07-05 ニチアス株式会社 シラノール化合物除去剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP6379324B1 (ja) 2018-08-22
WO2018116858A1 (ja) 2018-06-28
TW201831401A (zh) 2018-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6379324B1 (ja) 活性炭及びその製造方法
JP6379325B1 (ja) 活性炭及びその製造方法
US11873235B2 (en) Activated carbon
JP2022132348A (ja) 活性炭及びその製造方法
JP7441296B2 (ja) 活性炭の製造方法
JP2004182511A (ja) 活性炭及びその製造方法
JP6683969B1 (ja) 活性炭
JPWO2003033135A1 (ja) 有機塩素系化合物除去用活性炭素繊維
JP7103642B2 (ja) 脱臭材及び脱臭シート
JP6471256B1 (ja) 脱臭材及び脱臭シート
JP6719709B2 (ja) 活性炭
JP7141089B2 (ja) 脱臭材及び脱臭シート
JP7300124B2 (ja) トリハロメタン除去用活性炭およびその製造方法
CN113877542A (zh) 金属有机框架衍生碳材料及其制备方法与应用
WO2016067440A1 (ja) 溶剤回収用繊維状活性炭

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180515

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180531

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6379324

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250