JPWO2018109905A1 - 往復動ポンプ - Google Patents

Abstract

ポンプヘッド５の第２接続口９及び第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の内側には、バルブカートリッジ３０との接続方向に延びる少なくとも一つのリブ９ｃ，２１ｃがそれぞれ設けられ、バルブカートリッジ３０の下部外周部には、接続方向に延びリブ９ｃ，２１ｃが遊挿される少なくとも一つのスリット４１が設けられ、第１接続口８の内径をｉｄ１、第２接続口９の内径をｉｄ２ｂ、第２接続口９のリブ９ｃの頂部内接径をｉｄ２ｔ、第３接続口２１の内径をｉｄ３ｂ、第３接続口２１のリブ２１ｃの頂部内接径をｉｄ３ｔ、第４接続口２３の内径をｉｄ４とし、バルブカートリッジ３０の下部外周部の外径をｏｄ１ｔ、下部外周部のスリット４１の谷部外径をｏｄ１ｂ、バルブカートリッジ３０の上部外周部の外径をｏｄ２とすると、（ｉｄ２ｂ，ｉｄ３ｂ）＞ｏｄ１ｔ＞（ｉｄ１，ｉｄ４）＞ｏｄ２＞（ｉｄ２ｔ，ｉｄ３ｔ）＞ｏｄ１ｂである。

Description

本発明は、移送流体を定量的に移送する往復動ポンプに関し、特に往復動ポンプのバルブ組間違い防止構造に関する。

移送流体を移送するポンプ装置は、マグネットポンプ装置、定量ポンプ装置、回転容積型ポンプ装置等の種々のものが知られている。これらのポンプ装置のバルブ機構として、例えば定量ポンプ装置としての往復動ポンプに採用されているボールバルブは、バルブボールの自重落下によりチャッキ（逆止）を行うバルブシートの座面（上面）側と、バルブボールが上昇しても流路を確保するバルブガイドの天井側とでそれぞれ役割が異なっている。

このため、ボールバルブの上下の向きを反転してポンプヘッドに組み込むとバルブ作用が働かなくなるので、正しい取付方向（組付け方向）の向きで組み込む必要がある。特に、バルブボール、バルブガイド及びバルブシートを上下２段に配置した２段ボールバルブ（下記特許文献１参照）を採用する場合には、正しい取付方向の向きの管理や取付作業が複雑化するので、正しい組み込みの重要性は更に増すこととなる。

特開昭６１−１１４７３号公報

しかしながら、上記特許文献１に開示された従来技術の往復動ポンプでは、吸込側及び吐出側の２段ボールバルブをポンプヘッドに対してそれぞれ反対側から組み込むこともできてしまう。この場合、２段ボールバルブについて移送流体の吸込側流路と吐出側流路とが反対になってしまうため、誤った組み立てによる移送流体の移送不良やそのまま誤組み立ての状態で運転することによる安全性低下などの問題が発生していた。

本発明は、上述した従来技術による問題点を解消し、ポンプヘッドへの組付け方向及び順序が一意に決まることでバルブの組間違いが起こらない往復動ポンプを提供することを目的とする。

本発明に係る第１の往復動ポンプは、ポンプ室に臨む往復動部材の往復動によって吸込バルブを介して前記ポンプ室内に移送流体を導入し、吐出バルブを介して前記ポンプ室から前記移送流体を吐出する往復動ポンプであって、前記ポンプ室を有しこのポンプ室と連通する移送流体の吸込側の第１接続口及び吐出側の第２接続口を有するポンプヘッドと、バルブシート及びその上方に配置されて前記バルブシートを自重で閉塞するバルブボールを有するボールバルブを内蔵したバルブカートリッジからなり上部が前記第１接続口に収容される前記吸込バルブと、前記バルブカートリッジからなり下部が前記第２接続口に収容される前記吐出バルブと、前記吸込バルブの下側に配置され前記吸込バルブの下部を内側に収容する第３接続口を有し前記吸込バルブを前記第１接続口に接続する第１接続アダプタと、前記吐出バルブの上側に配置され前記吐出バルブの上部を内側に収容する第４接続口を有し前記吐出バルブを前記第２接続口に接続する第２接続アダプタとを備え、前記ポンプヘッドの前記第２接続口及び前記第１接続アダプタの前記第３接続口の内側には、前記バルブカートリッジとの接続方向に延びる少なくとも一つのリブがそれぞれ設けられ、前記バルブカートリッジの下部外周部には、前記接続方向に延び前記リブが遊挿される少なくとも一つのスリットが設けられ、前記第１接続口の内径をｉｄ１、前記第２接続口の内径をｉｄ２ｂ、前記第２接続口のリブの頂部内接径をｉｄ２ｔ、前記第３接続口の内径をｉｄ３ｂ、前記第３接続口のリブの頂部内接径をｉｄ３ｔ、前記第４接続口の内径をｉｄ４とし、前記バルブカートリッジの下部外周部の外径をｏｄ１ｔ、前記下部外周部のスリットの谷部外径をｏｄ１ｂ、前記バルブカートリッジの上部外周部の外径をｏｄ２とすると、（ｉｄ２ｂ，ｉｄ３ｂ）＞ｏｄ１ｔ＞（ｉｄ１，ｉｄ４）＞ｏｄ２＞（ｉｄ２ｔ，ｉｄ３ｔ）＞ｏｄ１ｂであることを特徴とする。

本発明に係る第２の往復動ポンプは、ポンプ室に臨む往復動部材の往復動によって吸込バルブを介して前記ポンプ室内に移送流体を導入し、吐出バルブを介して前記ポンプ室から前記移送流体を吐出する往復動ポンプであって、前記ポンプ室を有しこのポンプ室と連通する移送流体の吸込側の第１接続口及び吐出側の第２接続口を有するポンプヘッドと、バルブシート及びその上方に配置されて前記バルブシートを自重で閉塞するバルブボールを有するボールバルブを内蔵したバルブカートリッジからなり上部が前記第１接続口に収容される前記吸込バルブと、前記バルブカートリッジからなり下部が前記第２接続口に収容される前記吐出バルブと、前記吸込バルブの下側に配置され前記吸込バルブの下部を内側に収容する第３接続口を有し前記吸込バルブを前記第１接続口に接続する第１接続アダプタと、前記吐出バルブの上側に配置され前記吐出バルブの上部を内側に収容する第４接続口を有し前記吐出バルブを前記第２接続口に接続する第２接続アダプタとを備え、前記ポンプヘッドの前記第１接続口及び前記第２接続アダプタの前記第４接続口の内側には、前記バルブカートリッジとの接続方向に延びる少なくとも一つのリブがそれぞれ設けられ、前記バルブカートリッジの上部外周部には、前記接続方向に延び前記リブが遊挿される少なくとも一つのスリットが設けられ、前記第１接続口の内径をｉｄ１ｂ、前記第１接続口のリブの頂部内接径をｉｄ１ｔ、前記第２接続口の内径をｉｄ２、前記第３接続口の内径をｉｄ３、前記第４接続口の内径をｉｄ４ｂ、前記第４接続口のリブの頂部内接径をｉｄ４ｔとし、前記バルブカートリッジの上部外周部の外径をｏｄ２ｔ、前記上部外周部のスリットの谷部外径をｏｄ２ｂ、前記バルブカートリッジの下部外周部の外径をｏｄ１とすると、（ｉｄ１ｂ，ｉｄ４ｂ）＞ｏｄ２ｔ＞（ｉｄ２，ｉｄ３）＞ｏｄ１＞（ｉｄ１ｔ，ｉｄ４ｔ）＞ｏｄ２ｂであることを特徴とする。

本発明の一実施形態においては、前記リブ及びスリットは、円周方向に等間隔に複数設けられている。

本発明の他の実施形態においては、前記バルブカートリッジは、前記ボールバルブが上下２段に配置された２段ボールバルブを有し、前記スリットは、前記バルブカートリッジの流入端側に取り付けられた前記ボールバルブ又は流出端側に取り付けられた前記ボールバルブに形成されている。

本発明の更に他の実施形態においては、前記スリットは、前記接続方向に向かう開口が拡がる形状に形成されている。

本発明によれば、ポンプヘッドへのバルブの組付け方向及び順序が一意に決まることでバルブの組間違いが起こらず、移送不良の発生を防止して安全性を向上させることができる。

本発明の第１の実施形態に係る往復動ポンプの要部を示す断面図である。 同往復動ポンプのポンプヘッドの要部を示す断面図である。 図２のＡ矢視図である。 同往復動ポンプの第１接続アダプタを示す断面図である。 図４のＢ矢視図である。 同往復動ポンプの第２接続アダプタを示す断面図である。 同往復動ポンプの吸込バルブ及び吐出バルブを構成するバルブカートリッジを示す断面図である。 同バルブカートリッジのシートホルダを示す図である。 同往復動ポンプの組間違い例を示す断面図である。 同往復動ポンプの組間違い例を示す断面図である。 同往復動ポンプの組間違い例を示す断面図である。 本発明の第２の実施形態に係る往復動ポンプの要部を示す断面図である。 同往復動ポンプのポンプヘッドの要部を示す断面図である。 同往復動ポンプの第１接続アダプタを示す断面図である。 同往復動ポンプの第２接続アダプタを示す断面図である。 同往復動ポンプの吸込バルブ及び吐出バルブを構成するバルブカートリッジを示す断面図である。

以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態に係る往復動ポンプを詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。

図１は、本発明の第１の実施形態に係る往復動ポンプの要部を示す断面図である。また、図２は、この往復動ポンプのポンプヘッド５の要部を示す断面図であり、図３は図２のＡ矢視図である。更に、図４は、この往復動ポンプの第１接続アダプタ２０Ａを示す断面図であり、図５は図４のＢ矢視図であり、図６はこの往復動ポンプの第２接続アダプタ２０Ｂを示す断面図である。

更に、図７は、この往復動ポンプの吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’を構成するバルブカートリッジ３０を示す断面図である。また、図８は、バルブカートリッジ３０のシートホルダ４０を示す図であり、図８（ａ）はシートホルダ４０の上面を、図８（ｂ）はシートホルダ４０の側面を、及び図８（ｃ）はシートホルダ４０の下面をそれぞれ示している。

図１に示すように、本発明の第１の実施形態に係る定量ポンプ１は、例えば棒状の駆動軸２を有する。駆動軸２は、例えば図示しないポンプ本体のモータ駆動力や電磁力等によって図中矢印で示す方向に往復駆動される。駆動軸２の先端には、往復動部材としての可撓性のダイヤフラム４がインサートボルト３を介して装着されている。

ダイヤフラム４は、ポンプヘッド５との間にポンプ室６を形成している。このダイヤフラム４は、その周縁部がポンプヘッド５とブラケット７との間にダイヤフラム４のシールをアシストするクッション材７ａ及びスペーサ７ｂを介して挟持されている。ポンプヘッド５には、ポンプ室６の下方に連通する吸込口５ａと、ポンプ室６の上方に連通する吐出口５ｂとが形成されている。なお、ポンプ室６の上方には吐出口５ｂに繋がるガス抜き通路９０が設けられている。

また、ポンプヘッド５には、吸込口５ａの下方に配置された移送流体の吸込側の第１接続口８と、吐出口５ｂの上方に配置された移送流体の吐出側の第２接続口９とが形成されている。これらポンプヘッド５の第１及び第２接続口８，９は、円筒状に形成され、それぞれ吸込口５ａ及び吐出口５ｂを介してポンプ室６と連通されている。そして、第１及び第２接続口８，９には、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’を組み込んで、円筒状の第１接続アダプタ２０Ａ及び第２接続アダプタ２０Ｂがそれぞれ接続される。

また、これら第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂは、移送流体の吸込側流路２６を第１接続アダプタ２０Ａに接続する第１継手２５と、移送流体の吐出側流路２７を第２接続アダプタ２０Ｂに接続する第２継手２５’とそれぞれ接続されている。これら第１及び第２継手２５，２５’も円筒状に形成されている。なお、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’は、後述する共通のバルブカートリッジ３０により構成され得る。

これにより、吸込側流路２６及びポンプ室６は、第１継手２５、第１接続アダプタ２０Ａ、吸込バルブ１０及び第１接続口８上の吸込口５ａを介して接続される。また、吐出側流路２７及びポンプ室６は、第２継手２５’、第２接続アダプタ２０Ｂ、吐出バルブ１０’及び第２接続口９下の吐出口５ｂを介して接続される。これら各部の組付け方向及び順序は一意に決められており、これにより、定量ポンプ１のポンプヘッド５に対する組間違いが防止される。

図２に示すように、ポンプヘッド５の第１接続口８は、下方に開口する大径の螺合部８ａと、その上方に設けられ螺合部８ａよりも小径の内径ｉｄ１を有すると共に吸込口５ａと連通し吸込バルブ１０が嵌合する嵌合部８ｂとを備えている。嵌合部８ｂには、吸込バルブ１０の上部（移送流体の流出端側）が嵌合する。なお、螺合部８ａの内周壁（以下、「内壁」と呼ぶ。）には、例えば雌ねじが形成されている。

また、図２及び図３に示すように、ポンプヘッド５の第２接続口９は、上方に開口する大径の螺合部９ａと、その下方に設けられ螺合部９ａよりも小径の内径ｉｄ２ｂを有すると共に吐出口５ｂと連通し吐出バルブ１０’が嵌合する嵌合部９ｂとを備えて構成されている。嵌合部９ｂには、吐出バルブ１０’の下部（移送流体の流入端側）が嵌合する。螺合部９ａの内壁には、雌ねじが形成されている。嵌合部９ｂの内側には、内壁９ｂａから吐出口５ｂの中心軸に向かって突出し、内径ｉｄ２ｂよりも小径の頂部９ｃａの頂部内接径ｉｄ２ｔを有すると共に吐出バルブ１０’との接続方向に延びる複数のリブ９ｃが設けられている。

なお、リブ９ｃは、少なくとも一つ設けられていればよく、例えば水平断面で見た場合、突出端である頂部９ｃａが例えば約１ｍｍ程度の幅を持った平面を形成し、且つ下底としての内壁９ｂａから上底としての頂部９ｃａに向かう脚のなす角度が約９０°となるような略台形形状に形成されている。第１の実施形態においては、各リブ９ｃは、例えば円周方向に等間隔に設けられている。ポンプヘッド５の第１及び第２接続口８，９は、以上のような構造を備えて構成されている。

一方、第１接続アダプタ２０Ａは、吸込バルブ１０の下側に配置され、図４及び図５に示すように、大径の第１雄ねじ部２０ａと、これよりも小径の第２雄ねじ部２０ｃと、これらの中間に位置する中胴部２０ｂとを備えて構成されている。第１及び第２雄ねじ部２０ａ，２０ｃの外周壁（以下、「外壁」と呼ぶ。）には、雄ねじが形成されている。

なお、第１雄ねじ部２０ａ及び中胴部２０ｂは、第１接続アダプタ２０Ａにおいて上方に開口し、吸込バルブ１０の下部を内側に収容する第３接続口２１を構成する。この第３接続口２１（第１雄ねじ部２０ａ及び中胴部２０ｂ）の内側には、内径ｉｄ３ｂを有する凹状の嵌合部２１ｂが設けられている。嵌合部２１ｂには、吸込バルブ１０の下部（移送流体の流入端側）が嵌合する。また、嵌合部２１ｂには、内壁２１ｂａから流通孔２８の中心軸に向かって頂部２１ｃａが突出し、内径ｉｄ３ｂよりも小径の頂部内接径ｉｄ３ｔを有すると共に吸込バルブ１０との接続方向に延びる複数のリブ２１ｃが設けられている。

なお、リブ２１ｃは、少なくとも一つ設けられていればよい。また、第２雄ねじ部２０ｃの内側には、流通孔２８と連通する吸込側接続流路２２が形成され、この吸込側接続流路２２の開口周縁部には、Ｏリング２９が取り付けられている。

第２接続アダプタ２０Ｂは、吐出バルブ１０’の上側に配置され、図６に示すように、第１接続アダプタ２０Ａと同様の外観を備えている。第２接続アダプタ２０Ｂは、外壁に雄ねじが形成された大径の第１雄ねじ部２０ａ及びこれよりも小径の第２雄ねじ部２０ｃと、中胴部２０ｂとを備えて構成されている。第２接続アダプタ２０Ｂの第１雄ねじ部２０ａ及び中胴部２０ｂは、第２接続アダプタ２０Ｂにおいて下方に開口し、吐出バルブ１０’の上部を内側に収容する第４接続口２３を構成する。この第４接続口２３（第１雄ねじ部２０ａ及び中胴部２０ｂ）の内側には、内径ｉｄ４を有する凹状の嵌合部２３ｂが設けられている。このように、嵌合部２３ｂには、吐出バルブ１０’の上部（移送流体の流出端側）が嵌合する。

なお、第２接続アダプタ２０Ｂの第２雄ねじ部２０ｃの内側には、流通孔２８を介して嵌合部２３ｂと連通する吐出側接続流路２４が形成され、この吐出側接続流路２４の開口周縁部には、Ｏリング２９が取り付けられている。第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂは、以上のような構造を備えて構成されている。

図７に示すように、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’は、円筒状のバルブカートリッジ３０からなる。バルブカートリッジ３０は、バルブシート３３ａ（３３ｂ）及びその上方に配置されバルブシート３３ａ（３３ｂ）を自重で閉塞するバルブボール３１ａ（３１ｂ）を有するボールバルブを内蔵してなる。なお、バルブシート３３ａ（３３ｂ）を除くバルブボール３１ａ（３１ｂ）の周囲及び上方側には、バルブガイド３２ａ（３２ｂ）が設けられている。本実施形態のバルブカートリッジ３０は、ボールバルブが上下２段に配置された２段ボールバルブを有している。

また、バルブカートリッジ３０の下方のボールバルブは、例えば移送流体の流入端側に取り付けられたシートホルダ４０を備えている。シートホルダ４０は、本実施形態においてはバルブカートリッジ３０の下部外周部（移送流体の流入端側の外周部）を構成し、下方のボールバルブのバルブシート３３ｂを支持している。バルブボール３１ａ，３１ｂは、移送流体よりも比重の大きい、例えばセラミックスや金属からなるものを用いることができる。また、バルブガイド３２ａ，３２ｂは、チタンやＰＶＣ等の材料により形成することができる。更に、バルブシート３３ａ，３３ｂは、ゴム系材料等により形成することができる。

なお、バルブカートリッジ３０の移送流体の流出端と、流入端であるシートホルダ４０の下端には、それぞれバルブ流路３０ａ，３０ｂの開口周縁部に取り付けられたＯリング２９が配置されている。バルブ流路３０ａは、バルブカートリッジ３０が吸込バルブ１０として用いられる場合は吸込口５ａと連通し、吐出バルブ１０’として用いられる場合は第２接続アダプタ２０Ｂの流通孔２８と連通する。

また、バルブ流路３０ｂは、バルブカートリッジ３０が吸込バルブ１０として用いられる場合は第１接続アダプタ２０Ａの流通孔２８と連通し、吐出バルブ１０’として用いられる場合は吐出口５ｂと連通する。バルブカートリッジ３０は、例えば移送流体の流入端側のシートホルダ４０の外周部（バルブカートリッジ３０の下部外周部）に形成された、ポンプヘッド５の第２接続口９及び第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１との接続方向に延びて各リブ９ｃ，２１ｃが遊挿される複数のスリット４１を備えている。なお、スリット４１は、リブ９ｃ，２１ｃが遊挿可能となるように少なくとも一つ設けられていればよい。また、シートホルダ４０を具備しない場合は、スリット４１は、バルブカートリッジ３０の流入端側に取り付けられたボールバルブに形成される。

図８（ａ）〜図８（ｃ）に示すように、シートホルダ４０に設けられた各スリット４１は、シートホルダ４０の外周部に、その外径がｏｄ１ｔで谷部４１ａの外径がｏｄ１ｂとなるように形成され、例えばリブ９ｃ，２１ｃの配置に合わせた形成態様で円周方向に等間隔に設けられている。

各スリット４１は、ポンプヘッド５の第２接続口９及び第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１との接続方向に向かう開口が拡がる形状となるように、スリット側壁４１ｂ及びテーパ側壁４１ｃを備えて形成されている。スリット４１がこのような形状に形成されているため、第２接続口９及び第３接続口２１との接続時にリブ９ｃ，２１ｃがスリット４１に遊挿され易い構造となっている。なお、バルブカートリッジ３０は、上部外周部（移送流体の流出端側の外周部）３０ｃの外径がｏｄ２となるように形成されている。吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’を構成するバルブカートリッジ３０は、以上のような構造を備えて構成されている。

そして、このように構成された定量ポンプ１においては、各部の寸法関係は次のようになっている。まず、バルブカートリッジ３０に関しては、シートホルダ４０の外周部である下部外周部の外径ｏｄ１ｔが上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２よりも大きくなるように形成されている。また、上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２がシートホルダ４０のスリット４１の谷部４１ａの谷部外径ｏｄ１ｂよりも大きくなるように形成されている（すなわち、ｏｄ１ｔ＞ｏｄ２＞ｏｄ１ｂとなっている）。

次に、ポンプヘッド５の第２接続口９の嵌合部９ｂの内径ｉｄ２ｂと、第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の嵌合部２１ｂの内径ｉｄ３ｂとは、バルブカートリッジ３０の下部外周部の外径ｏｄ１ｔよりもそれぞれ大きくなるように形成されている（すなわち、（ｉｄ２ｂ，ｉｄ３ｂ）＞ｏｄ１ｔとなっている）。また、ポンプヘッド５の第１接続口８の嵌合部８ｂの内径ｉｄ１と、第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂの内径ｉｄ４とは、バルブカートリッジ３０の下部外周部の外径ｏｄ１ｔよりもそれぞれ小さくなるように形成されている（すなわち、ｏｄ１ｔ＞（ｉｄ１，ｉｄ４）となっている）。従って、第２及び第３接続口９，２１の嵌合部９ｂ，２１ｂの内径ｉｄ２ｂ，ｉｄ３ｂ、バルブカートリッジ３０の下部外周部の外径ｏｄ１ｔ、並びに第１及び第４接続口８，２３の嵌合部８ｂ，２３ｂの内径ｉｄ１，ｉｄ４の大小関係は、（ｉｄ２ｂ，ｉｄ３ｂ）＞ｏｄ１ｔ＞（ｉｄ１，ｉｄ４）となっている。

また、ポンプヘッド５の第１接続口８の嵌合部８ｂの内径ｉｄ１と、第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂの内径ｉｄ４とは、バルブカートリッジ３０の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２よりもそれぞれ大きくなるように形成されている（すなわち、（ｉｄ１，ｉｄ４）＞ｏｄ２となっている）。また、ポンプヘッド５の第２接続口９の嵌合部９ｂにおけるリブ９ｃの頂部９ｃａの頂部内接径ｉｄ２ｔと、第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の嵌合部２１ｂにおけるリブ２１ｃの頂部２１ｃａの頂部内接径ｉｄ３ｔとは、バルブカートリッジ３０の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２よりもそれぞれ小さくなるように形成されている（すなわち、ｏｄ２＞（ｉｄ２ｔ，ｉｄ３ｔ）となっている）。従って、第１及び第４接続口８，２３の嵌合部８ｂ，２３ｂの内径ｉｄ１，ｉｄ４、バルブカートリッジ３０の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２、並びに第２及び第３接続口９，２１の嵌合部９ｂ，２１ｂにおけるリブ９ｃ，２１ｃの頂部９ｃａ，２１ｃａの頂部内接径ｉｄ２ｔ，ｉｄ３ｔの大小関係は、（ｉｄ１，ｉｄ４）＞ｏｄ２＞（ｉｄ２ｔ，ｉｄ３ｔ）となっている。

更に、ポンプヘッド５の第２接続口９の嵌合部９ｂにおけるリブ９ｃの頂部９ｃａの頂部内接径ｉｄ２ｔと、第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の嵌合部２１ｂにおけるリブ２１ｃの頂部２１ｃａの頂部内接径ｉｄ３ｔとは、バルブカートリッジ３０の下部外周部を構成するシートホルダ４０のスリット４１の谷部４１ａの谷部外径ｏｄ１ｂよりもそれぞれ大きくなるように形成されている（すなわち、（ｉｄ２ｔ，ｉｄ３ｔ）＞ｏｄ１ｂとなっている）。

従って、第１接続口８、第２接続口９、吸込バルブ１０、吐出バルブ１０’、第１接続アダプタ２０Ａ、第２接続アダプタ２０Ｂ、各リブ９ｃ，２１ｃ及びスリット４１の各部においては、（内径ｉｄ２ｂ，内径ｉｄ３ｂ）＞外径ｏｄ１ｔ＞（内径ｉｄ１，内径ｉｄ４）＞外径ｏｄ２＞（頂部内接径ｉｄ２ｔ，頂部内接径ｉｄ３ｔ）＞谷部外径ｏｄ１ｂの関係が成り立っている。このような構造により、定量ポンプ１のポンプヘッド５に対して、図１に示すように、第１接続アダプタ２０Ａ、吸込バルブ１０及び第１接続口８の組付け方向及び順序と、第２接続アダプタ２０Ｂ、吐出バルブ１０’及び第２接続口９の組付け方向及び順序とが一意に定まる。

そして、定量ポンプ１の組立時に、予め第１接続アダプタ２０Ａの第２雄ねじ部２０ｃに第１継手２５を、また第２接続アダプタ２０Ｂの第２雄ねじ部２０ｃに第２継手２５’をそれぞれ接続しておけば、吸込側流路２６からポンプヘッド５を介した吐出側流路２７までの移送流体の正規な道筋が決まった状態で、各部を組間違えることなく定量ポンプ１を容易に組付けることが可能となる。

また、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’をバルブカートリッジ３０によって構成することができるので、部品共通化によるコストダウンを図ることができる。このように、本発明の第１の実施形態に係る往復動ポンプによれば、部品コストを抑えつつバルブの組間違いが起こらない構造を実現することができる。これにより、移送流体の移送不良の発生を防止して安全性を向上させることが可能となる。

次に、本実施形態に係る定量ポンプ１のポンプヘッド５への各部の組間違いが起こった場合について説明する。図９〜図１１は、定量ポンプ１の組間違い例を示す断面図である。まず、図９の組間違い例について説明する。図９では、概説すると吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’の組付け方向がそれぞれ逆となっている。

図９に示すように、まずポンプヘッド５の吸込側については、具体的には、第１接続口８及び第１接続アダプタ２０Ａに対して、吸込バルブ１０（バルブカートリッジ３０、以下同じ。）が上下逆となる状態で組付けられようとしている。この場合、吸込バルブ１０のシートホルダ４０の外周部の外径ｏｄ１ｔが第１接続口８の嵌合部８ｂの内径ｉｄ１よりも大きいので、嵌合部８ｂに吸込バルブ１０を挿入することはできない。

また、吸込バルブ１０の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２が第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の嵌合部２１ｂにおけるリブ２１ｃの頂部２１ｃａの頂部内接径ｉｄ３ｔよりも大きいので、リブ２１ｃに吸込バルブ１０の流出端側が当接し嵌合部２１ｂに吸込バルブ１０を完全嵌合させることはできない。従って、第１接続アダプタ２０Ａの第１雄ねじ部２０ａを第１接続口８の螺合部８ａに螺合させることができず、ポンプヘッド５の吸込側を組付けられないこととなる。

一方、ポンプヘッド５の吐出側については、具体的には、第２接続口９及び第２接続アダプタ２０Ｂに対して、吐出バルブ１０’（バルブカートリッジ３０、以下同じ。）が上下逆となる状態で組付けられようとしている。この場合、吐出バルブ１０’のシートホルダ４０の外周部の外径ｏｄ１ｔが第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂの内径ｉｄ４よりも大きいので、嵌合部２３ｂに吐出バルブ１０’を挿入することはできない。

また、吐出バルブ１０’の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２が第２接続口９の嵌合部９ｂにおけるリブ９ｃの頂部９ｃａの頂部内接径ｉｄ２ｔよりも大きいので、リブ９ｃに吐出バルブ１０’の流出端側が当接し嵌合部９ｂに吐出バルブ１０’を完全嵌合させることはできない。従って、第２接続アダプタ２０Ｂの第１雄ねじ部２０ａを第２接続口９の螺合部９ａに螺合させることができず、ポンプヘッド５の吐出側も組付けられないこととなる。このように、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’の組付け方向がそれぞれ逆となった場合、定量ポンプ１を組み立てることはできない。

次に、図１０の組間違い例について説明する。図１０では、概説すると第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂの組付け方向及び順序がそれぞれ逆となっている。図１０に示すように、まずポンプヘッド５の吸込側については、具体的には、吸込バルブ１０及び第１接続口８に対して、第２接続アダプタ２０Ｂが第４接続口２３の開口を上方に向けた状態で組付けられようとしている。この場合、吸込バルブ１０の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２は第１接続口８の嵌合部８ｂの内径ｉｄ１よりも小さいため、嵌合部８ｂに吸込バルブ１０は完全嵌合される。

一方、吸込バルブ１０のシートホルダ４０の外周部の外径ｏｄ１ｔは第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂの内径ｉｄ４よりも大きいので、嵌合部２３ｂに吸込バルブ１０を挿入することはできない。従って、第２接続アダプタ２０Ｂの第１雄ねじ部２０ａを第１接続口８の螺合部８ａに螺合させることができず、ポンプヘッド５の吸込側を組付けられないこととなる。

また、ポンプヘッド５の吐出側については、具体的には、吐出バルブ１０’及び第２接続口９に対して、第１接続アダプタ２０Ａが第３接続口２１の開口を下方に向けた状態で組付けられようとしている。この場合、吐出バルブ１０’のシートホルダ４０の外周部の外径ｏｄ１ｔは第２接続口９の嵌合部９ｂの内径ｉｄ２ｂよりも小さく、且つスリット４１の谷部４１ａの谷部外径ｏｄ１ｂはリブ９ｃの頂部９ｃａの頂部内接径ｉｄ２ｔよりも小さいため、嵌合部９ｂに吐出バルブ１０’は完全嵌合される。

しかし、吐出バルブ１０’の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２は第１接続アダプタ２０Ａの嵌合部２１ｂの内径ｉｄ３ｂよりも小さいがリブ２１ｃの頂部２１ｃａの頂部内接径ｉｄ３ｔよりも大きいので、吐出バルブ１０’の流出端側がリブ２１ｃに当接し嵌合部２１ｂに吐出バルブ１０’を完全嵌合させることはできない。

ただし、第１接続アダプタ２０Ａの第１雄ねじ部２０ａを第２接続口９の螺合部９ａに途中まで螺合させることはできるので、ポンプヘッド５の吐出側を中途半端な状態に組付けることは可能となる。しかしながら、この場合であっても上述したように、ポンプヘッド５の吸込側は組付けることすらできないので、第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂの組付け方向及び順序がそれぞれ逆となった場合も、定量ポンプ１を組み立てることはできない。

次に、図１１の組間違い例について説明する。図１１では、概説すると吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’の組付け方向、並びに第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂの組付け方向及び順序が全て逆となっている。図１１に示すように、まずポンプヘッド５の吸込側については、具体的には、第１接続口８に対して、吸込バルブ１０が上下逆となり、且つ第２接続アダプタ２０Ｂが第４接続口２３の開口を上方に向けた状態で組付けられようとしている。この場合、吸込バルブ１０のシートホルダ４０の外周部の外径ｏｄ１ｔは第１接続口８の嵌合部８ｂの内径ｉｄ１よりも大きいので、嵌合部８ｂに吸込バルブ１０を挿入することはできない。

一方、吸込バルブ１０の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２は第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂの内径ｉｄ４よりも小さいため、嵌合部２３ｂに吸込バルブ１０は完全嵌合されるが、第２接続アダプタ２０Ｂの第１雄ねじ部２０ａを第１接続口８の螺合部８ａに螺合させることはできない。従って、ポンプヘッド５の吸込側を組付けられないこととなる。

また、ポンプヘッド５の吐出側については、具体的には、第２接続口９に対して、吐出バルブ１０’が上下逆となり、且つ第１接続アダプタ２０Ａが第３接続口２１の開口を下方に向けた状態で組付けられようとしている。この場合、吐出バルブ１０’の上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２は第２接続口９の嵌合部９ｂの内径ｉｄ２ｂよりも小さいがリブ９ｃの頂部９ｃａの頂部内接径ｉｄ２ｔよりも大きいので、吐出バルブ１０’の流出端側がリブ９ｃに当接し嵌合部９ｂに吐出バルブ１０’を完全嵌合させることはできない。

一方、吐出バルブ１０’のシートホルダ４０の外周部の外径ｏｄ１ｔは第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の嵌合部２１ｂの内径ｉｄ３ｂよりも小さく、且つスリット４１の谷部４１ａの谷部外径ｏｄ１ｂはリブ２１ｃの頂部２１ｃａの頂部内接径ｉｄ３ｔよりも小さいため、嵌合部２１ｂに吐出バルブ１０’は完全嵌合される。従って、第１接続アダプタ２０Ａの第１雄ねじ部２０ａを第２接続口９の螺合部９ａの途中まで螺合させることはできるので、ポンプヘッド５の吐出側を中途半端な状態に組付けることは可能となる。

しかしながら、このような場合であっても上述したように、ポンプヘッド５の吸込側は組付けることができないので、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’の組付け方向、並びに第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂの組付け方向及び順序が逆となった場合も、定量ポンプ１を組み立てることはできない。

このように、第１の実施形態に係るバルブ組間違い防止構造を備えた定量ポンプ１によれば、第１接続アダプタ２０Ａ、第２接続アダプタ２０Ｂ、バルブカートリッジ３０、第１接続口８及び第２接続口９のそれぞれの組付け方向や順序が一意に決まっているため、いずれか一つでも組付け方向や順序が異なると、定量ポンプ１を組み立てることができなくなる。従って、組間違いに起因する移送不良の発生を防止して安全性を向上させることが可能となる。また、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’を同一のバルブカートリッジ３０により構成することができるので、部品コストを抑えることが可能となる。

図１２は、本発明の第２の実施形態に係る往復動ポンプの要部を示す断面図である。図１３は、この往復動ポンプのポンプヘッド５の要部を示す断面図であり、図１４は第１接続アダプタを、図１５は第２接続アダプタをそれぞれ示す断面図である。また、図１６は、この往復動ポンプの吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’を構成するバルブカートリッジ３０Ａを示す断面図である。なお、図１２を含む以降の説明において、第１の実施形態と同一の構成要素に関しては同一の参照符号を付しているので、以下では重複する説明は省略する。

図１２に示すように、本発明の第２の実施形態に係る定量ポンプ１Ａは、第１及び第２接続口８，９を有するポンプヘッド５、吸込バルブ１０、吐出バルブ１０’、並びに第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂを備える点は、第１の実施形態に係る定量ポンプ１と同様である。

しかし、第２の実施形態に係る定量ポンプ１Ａは、第１及び第２接続口８，９の構造、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’を構成するバルブカートリッジ３０Ａの構造、並びに第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂの構造が、第１の実施形態に係る定量ポンプ１とは上下逆の構造となっている点が相違している。

具体的には、図１３に示すように、ポンプヘッド５の第１接続口８は、下方に開口する大径の螺合部８ａと、その上方に設けられ螺合部８ａよりも小径の内径ｉｄ１ｂを有すると共に吸込口５ａと連通し吸込バルブ１０が嵌合する嵌合部８ｂとを備えて構成されている。嵌合部８ｂには、吸込バルブ１０の上部が嵌合する。螺合部８ａの内壁には、雌ねじが形成されている。嵌合部８ｂの内側には、内壁８ｂａから吸込口５ａの中心軸に向かって突出し、内径ｉｄ１ｂよりも小径の頂部８ｃａの頂部内接径ｉｄ１ｔを有すると共に吸込バルブ１０との接続方向に延びる少なくとも一つ（本実施形態においては複数）のリブ８ｃが設けられている。

一方、ポンプヘッド５の第２接続口９は、上方に開口する大径の螺合部９ａと、その下方に設けられ螺合部９ａよりも小径の内径ｉｄ２を有すると共に吐出口５ｂと連通し吐出バルブ１０’が嵌合する嵌合部９ｂとを備えて構成されている。嵌合部９ｂには、吐出バルブ１０’の下部が嵌合する。定量ポンプ１Ａのポンプヘッド５の第１及び第２接続口８，９は、以上のような構造を備えている。

第１接続アダプタ２０Ａは、図１４に示すように、吸込バルブ１０の下側に配置され、大径の第１雄ねじ部２０ａ及びこれよりも小径の第２雄ねじ部２０ｃと、これらの中間に位置する中胴部２０ｂとを備えて構成され、第１及び第２雄ねじ部２０ａ，２０ｃの外壁には雄ねじが形成されている。第１雄ねじ部２０ａ及び中胴部２０ｂとで構成され上方に開口する第３接続口２１の内側には、内径ｉｄ３を有し吸込バルブ１０の下部が嵌合する嵌合部２１ｂが設けられている。

第２接続アダプタ２０Ｂは、図１５に示すように、吐出バルブ１０’の上側に配置され、第１接続アダプタ２０Ａと同様の第１及び第２雄ねじ部２０ａ，２０ｃと中胴部２０ｂとを備えて構成され、第１雄ねじ部２０ａ及び中胴部２０ｂとで構成され下方に開口する第４接続口２３の内側には、内径ｉｄ４ｂを有し吐出バルブ１０’の上部が嵌合する嵌合部２３ｂが設けられている。嵌合部２３ｂには、内壁２３ｂａから流通孔２８の中心軸に向かって頂部２３ｃａが突出し、内径ｉｄ４ｂよりも小径の頂部内接径ｉｄ４ｔを有すると共に吐出バルブ１０’との接続方向に延びる少なくとも一つ（本実施形態においては複数）のリブ２３ｃが設けられている。定量ポンプ１Ａの第１及び第２接続アダプタ２０Ａ，２０Ｂは、以上のような構造を備えている。

吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’は、図１６に示すように、バルブカートリッジ３０Ａからなる。バルブカートリッジ３０Ａは、バルブシート３３ａ（３３ｂ）及びバルブボール３１ａ（３１ｂ）を有するボールバルブが上下２段に配置された２段ボールバルブを内蔵してなる。

バルブカートリッジ３０Ａの下方のボールバルブは、バルブカートリッジ３０Ａの下部外周部を構成し下方のボールバルブのバルブシート３３ｂを支持するシートホルダ４０を備えている。バルブカートリッジ３０Ａは、移送流体の流出端側のボールバルブの外周部（バルブカートリッジ３０Ａの上部外周部）３０ｃに形成された、ポンプヘッド５の第１接続口８及び第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３との接続方向に延びて各リブ８ｃ，２３ｃが遊挿される少なくとも一つ（本実施形態においては複数）のスリット４１を備えている。

バルブカートリッジ３０Ａの上部外周部３０ｃに設けられた各スリット４１は、その外径がｏｄ２ｔで谷部４１ａの外径がｏｄ２ｂとなるように形成され、例えばリブ８ｃ，２３ｃの配置に合わせた形成態様で設けられている。なお、バルブカートリッジ３０Ａは、移送流体の流入端側の外周部（バルブカートリッジ３０Ａの下部外周部）を構成するシートホルダ４０の外周部４０ｃの外径がｏｄ１となるように形成されている。吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’を構成するバルブカートリッジ３０Ａは、以上のような構造を備えている。

このように構成された定量ポンプ１Ａにおいては、各部の寸法関係は次のようになっている。まず、バルブカートリッジ３０Ａに関しては、上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２ｔがシートホルダ４０の外周部４０ｃである下部外周部の外径ｏｄ１よりも大きくなるように形成されている。また、下部外周部の外径ｏｄ１が上部外周部３０ｃのスリット４１の谷部４１ａの谷部外径ｏｄ２ｂよりも大きくなるように形成されている（すなわち、ｏｄ２ｔ＞ｏｄ１＞ｏｄ２ｂとなっている）。

次に、ポンプヘッド５の第１接続口８の嵌合部８ｂの内径ｉｄ１ｂと、第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂの内径ｉｄ４ｂとは、バルブカートリッジ３０Ａの上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２ｔよりもそれぞれ大きくなるように形成されている（すなわち、（ｉｄ１ｂ，ｉｄ４ｂ）＞ｏｄ２ｔとなっている）。また、ポンプヘッド５の第２接続口９の嵌合部９ｂの内径ｉｄ２と、第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の嵌合部２１ｂの内径ｉｄ３とは、バルブカートリッジ３０Ａの上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２ｔよりもそれぞれ小さくなるように形成されている（すなわち、ｏｄ２ｔ＞（ｉｄ２，ｉｄ３）となっている）。従って、第１及び第４接続口８，２３の嵌合部８ｂ，２３ｂの内径ｉｄ１ｂ，ｉｄ４ｂ、バルブカートリッジ３０Ａの上部外周部３０ｃの外径ｏｄ２ｔ、並びに第２及び第３接続口９，２１の嵌合部９ｂ，２１ｂの内径ｉｄ２，ｉｄ３の大小関係は、（ｉｄ１ｂ，ｉｄ４ｂ）＞ｏｄ２ｔ＞（ｉｄ２，ｉｄ３）となっている。

また、ポンプヘッド５の第２接続口９の嵌合部９ｂの内径ｉｄ２と、第１接続アダプタ２０Ａの第３接続口２１の嵌合部２１ｂの内径ｉｄ３とは、バルブカートリッジ３０Ａの下部外周部（シートホルダ４０の外周部４０ｃ）の外径ｏｄ１よりもそれぞれ大きくなるように形成されている（すなわち、（ｉｄ２，ｉｄ３）＞ｏｄ１となっている）。また、ポンプヘッド５の第１接続口８の嵌合部８ｂにおけるリブ８ｃの頂部８ｃａの頂部内接径ｉｄ１ｔと、第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂにおけるリブ２３ｃの頂部２３ｃａの頂部内接径ｉｄ４ｔとは、バルブカートリッジ３０Ａの下部外周部（シートホルダ４０の外周部４０ｃ）の外径ｏｄ１よりもそれぞれ小さくなるように形成されている（すなわち、ｏｄ１＞（ｉｄ１ｔ，ｉｄ４ｔ）となっている）。従って、第２及び第３接続口９，２１の嵌合部９ｂ，２１ｂの内径ｉｄ２，ｉｄ３、バルブカートリッジ３０Ａの下部外周部（シートホルダ４０の外周部４０ｃ）の外径ｏｄ１、並びに第１及び第４接続口８，２３の嵌合部８ｂ，２３ｂにおけるリブ８ｃ，２３ｃの頂部８ｃａ，２３ｃａの頂部内接径ｉｄ１ｔ，ｉｄ４ｔの大小関係は、（ｉｄ２，ｉｄ３）＞ｏｄ１＞（ｉｄ１ｔ，ｉｄ４ｔ）となっている。

更に、ポンプヘッド５の第１接続口８の嵌合部８ｂにおけるリブ８ｃの頂部８ｃａの頂部内接径ｉｄ１ｔと、第２接続アダプタ２０Ｂの第４接続口２３の嵌合部２３ｂにおけるリブ２３ｃの頂部２３ｃａの頂部内接径ｉｄ４ｔとは、バルブカートリッジ３０Ａの上部外周部３０ｃのスリット４１の谷部４１ａの谷部外径ｏｄ２ｂよりもそれぞれ大きくなるように形成されている（すなわち、（ｉｄ１ｔ，ｉｄ４ｔ）＞ｏｄ２ｂとなっている）。

従って、第１接続口８、第２接続口９、吸込バルブ１０、吐出バルブ１０’、第１接続アダプタ２０Ａ、第２接続アダプタ２０Ｂ、各リブ８ｃ，２３ｃ及びスリット４１の各部においては、（内径ｉｄ１ｂ，内径ｉｄ４ｂ）＞外径ｏｄ２ｔ＞（内径ｉｄ２，内径ｉｄ３）＞外径ｏｄ１＞（頂部内接径ｉｄ１ｔ，頂部内接径ｉｄ４ｔ）＞谷部外径ｏｄ２ｂの関係が成り立っている。このような構造により、定量ポンプ１Ａのポンプヘッド５に対して、図１２に示すように、第１接続アダプタ２０Ａ、吸込バルブ１０及び第１接続口８の組付け方向及び順序と、第２接続アダプタ２０Ｂ、吐出バルブ１０’及び第２接続口９の組付け方向及び順序とが一意に定まる。

これにより、定量ポンプ１Ａの組立時に、吸込側流路２６からポンプヘッド５を介した吐出側流路２７までの移送流体の正規な道筋が決まった状態で、各部を組間違えることなく定量ポンプ１Ａを容易に組付けることができる。また、吸込バルブ１０及び吐出バルブ１０’をバルブカートリッジ３０Ａによって構成することができるので、部品共通化によるコストダウンを図ることができる。このように、本発明の第２の実施形態に係る往復動ポンプによれば、第１の実施形態の定量ポンプ１と同様の作用効果を奏することが可能となる。なお、定量ポンプ１Ａのポンプヘッド５への各部の組間違いについては、第１の実施形態において図９〜図１１を用いて説明した態様と同様に、容易に組間違いを把握することができるため、ここでは説明を省略する。

１，１Ａ 定量ポンプ
５ ポンプヘッド
８ 第１接続口
８ａ 螺合部
８ｂ 嵌合部
８ｃ リブ
９ 第２接続口
９ａ 螺合部
９ｂ 嵌合部
９ｂａ 内壁
９ｃ リブ
９ｃａ 頂部
１０ 吸込バルブ（バルブカートリッジ３０，３０Ａ）
１０’ 吐出バルブ（バルブカートリッジ３０，３０Ａ）
２０Ａ 第１接続アダプタ
２０Ｂ 第２接続アダプタ
２０ａ 第１雄ねじ部
２０ｂ 中胴部
２０ｃ 第２雄ねじ部
２１ 第３接続口
２１ｂ 嵌合部
２１ｃ リブ
２１ｃａ 頂部
２３ 第４接続口
２３ｂ 嵌合部
２３ｃ リブ
３０，３０Ａ バルブカートリッジ
３０ｃ 上部外周部
４０ シートホルダ
４１ スリット

Claims (5)

1. ポンプ室に臨む往復動部材の往復動によって吸込バルブを介して前記ポンプ室内に移送流体を導入し、吐出バルブを介して前記ポンプ室から前記移送流体を吐出する往復動ポンプであって、
   前記ポンプ室を有しこのポンプ室と連通する移送流体の吸込側の第１接続口及び吐出側の第２接続口を有するポンプヘッドと、
   バルブシート及びその上方に配置されて前記バルブシートを自重で閉塞するバルブボールを有するボールバルブを内蔵したバルブカートリッジからなり上部が前記第１接続口に収容される前記吸込バルブと、
   前記バルブカートリッジからなり下部が前記第２接続口に収容される前記吐出バルブと、
   前記吸込バルブの下側に配置され前記吸込バルブの下部を内側に収容する第３接続口を有し前記吸込バルブを前記第１接続口に接続する第１接続アダプタと、
   前記吐出バルブの上側に配置され前記吐出バルブの上部を内側に収容する第４接続口を有し前記吐出バルブを前記第２接続口に接続する第２接続アダプタと
   を備え、
   前記ポンプヘッドの前記第２接続口及び前記第１接続アダプタの前記第３接続口の内側には、前記バルブカートリッジとの接続方向に延びる少なくとも一つのリブがそれぞれ設けられ、
   前記バルブカートリッジの下部外周部には、前記接続方向に延び前記リブが遊挿される少なくとも一つのスリットが設けられ、
   前記第１接続口の内径をｉｄ１、前記第２接続口の内径をｉｄ２ｂ、前記第２接続口のリブの頂部内接径をｉｄ２ｔ、前記第３接続口の内径をｉｄ３ｂ、前記第３接続口のリブの頂部内接径をｉｄ３ｔ、前記第４接続口の内径をｉｄ４とし、
   前記バルブカートリッジの下部外周部の外径をｏｄ１ｔ、前記下部外周部のスリットの谷部外径をｏｄ１ｂ、前記バルブカートリッジの上部外周部の外径をｏｄ２とすると、
   （ｉｄ２ｂ，ｉｄ３ｂ）＞ｏｄ１ｔ＞（ｉｄ１，ｉｄ４）＞ｏｄ２＞（ｉｄ２ｔ，ｉｄ３ｔ）＞ｏｄ１ｂである
   ことを特徴とする往復動ポンプ。
2. ポンプ室に臨む往復動部材の往復動によって吸込バルブを介して前記ポンプ室内に移送流体を導入し、吐出バルブを介して前記ポンプ室から前記移送流体を吐出する往復動ポンプであって、
   前記ポンプ室を有しこのポンプ室と連通する移送流体の吸込側の第１接続口及び吐出側の第２接続口を有するポンプヘッドと、
   バルブシート及びその上方に配置されて前記バルブシートを自重で閉塞するバルブボールを有するボールバルブを内蔵したバルブカートリッジからなり上部が前記第１接続口に収容される前記吸込バルブと、
   前記バルブカートリッジからなり下部が前記第２接続口に収容される前記吐出バルブと、
   前記吸込バルブの下側に配置され前記吸込バルブの下部を内側に収容する第３接続口を有し前記吸込バルブを前記第１接続口に接続する第１接続アダプタと、
   前記吐出バルブの上側に配置され前記吐出バルブの上部を内側に収容する第４接続口を有し前記吐出バルブを前記第２接続口に接続する第２接続アダプタと
   を備え、
   前記ポンプヘッドの前記第１接続口及び前記第２接続アダプタの前記第４接続口の内側には、前記バルブカートリッジとの接続方向に延びる少なくとも一つのリブがそれぞれ設けられ、
   前記バルブカートリッジの上部外周部には、前記接続方向に延び前記リブが遊挿される少なくとも一つのスリットが設けられ、
   前記第１接続口の内径をｉｄ１ｂ、前記第１接続口のリブの頂部内接径をｉｄ１ｔ、前記第２接続口の内径をｉｄ２、前記第３接続口の内径をｉｄ３、前記第４接続口の内径をｉｄ４ｂ、前記第４接続口のリブの頂部内接径をｉｄ４ｔとし、
   前記バルブカートリッジの上部外周部の外径をｏｄ２ｔ、前記上部外周部のスリットの谷部外径をｏｄ２ｂ、前記バルブカートリッジの下部外周部の外径をｏｄ１とすると、
   （ｉｄ１ｂ，ｉｄ４ｂ）＞ｏｄ２ｔ＞（ｉｄ２，ｉｄ３）＞ｏｄ１＞（ｉｄ１ｔ，ｉｄ４ｔ）＞ｏｄ２ｂである
   ことを特徴とする往復動ポンプ。
3. 前記リブ及びスリットは、円周方向に等間隔に複数設けられている
   ことを特徴とする請求項１又は２記載の往復動ポンプ。
4. 前記バルブカートリッジは、前記ボールバルブが上下２段に配置された２段ボールバルブを有し、
   前記スリットは、前記バルブカートリッジの流入端側に取り付けられた前記ボールバルブ又は流出端側に取り付けられた前記ボールバルブに形成されている
   ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項記載の往復動ポンプ。
5. 前記スリットは、前記接続方向に向かう開口が拡がる形状に形成されている
   ことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項記載の往復動ポンプ。

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