JPWO2018079604A1 - ナノカーボン分離膜、ナノカーボン複合分離膜及びナノカーボン分離膜の製造方法 - Google Patents

ナノカーボン分離膜、ナノカーボン複合分離膜及びナノカーボン分離膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

ナノカーボン分離膜は、厚み方向からみて互いに重なり合うように存在し、二価のカチオンによって互いに架橋された複数の酸化グラフェン片と、前記複数の酸化グラフェン片の層間に挿入されたダブルウォールカーボンナノチューブと、を備え、酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブとの合計質量に対する酸化グラフェン片の質量比が0質量%より大きく70質量%以下であり、ダブルウォールカーボンナノチューブの質量比が30質量%以上100質量%未満である。

Description

本発明は、ナノカーボン分離膜、ナノカーボン複合分離膜及びナノカーボン分離膜の製造方法に関する。
本願は、2016年10月26日に、日本に出願された特願2016−209841号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
水処理に用いられる分離膜(水処理膜)には、UF膜(Ultrafiltration Membrane:限外ろ過膜)、NF膜(Nanofiltration Membrane:ナノろ過膜)、RO膜(ReverseOsmosis Membrane:逆浸透膜)、及びFO膜(Forward Osmosis Membrane:正浸透膜)などがある。また分離膜は水処理に限られず、ガスの分離等にも広く用いられている。
近年、耐薬品性、耐熱性、及び耐久性等のロバスト性(robustness)を高めるために、分離膜にナノカーボン材料を用いる検討が進められている。
例えば、非特許文献1には、酸化グラフェン片が分散した分散液を減圧濾過して作製した分離膜が記載されている。また例えば、非特許文献2には、酸化グラフェン片を1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロライド(TMC)で架橋した分離膜が記載されている。また例えば、非特許文献3には、酸化グラフェン片とマルチウォールカーボンナノチューブ(以下、MWCNTという)とが分散した分散液を多孔質基材上で減圧濾過し、NF膜を作製する方法が記載されている。
なお酸化グラフェン片の製造方法としては、グラファイトを原料とした方法が知られている(例えば、特許文献1や非特許文献4に記載の方法参照)。
特開2014−201492号公報 特開2013−18673号公報 特開2005−343726号公報
Renlong Liu, et al. Carbon,77,(2014)933-938. Meng Hu and Baoxia Mi. Environ.Sci.Technol,2013,47,3715-3723. Yi Han, Yanqiu Jiang, and Chao Gao. ACS Appl.Mater.Interfaces 2015,7,8147-8155. Marcano, D. C. et al. Improved synthesis of graphene oxide.ACS Nano 4, (2010) 4806-4814.
しかしながら、いずれの分離膜もその特性が充分とは言えなかった。分離膜に求められる性能や特性の一つとして、透水性能と、分離対象物の分離性能がある。これらは、いずれか一方を高めようとすると、他方が低下する相関関係を有し、透水性能と分離対象物の分離性能の両方を充分満たす分離膜は得られていなかった。
また非特許文献1及び非特許文献3に記載の分離膜は、酸化グラフェン片が使用途中に剥離するという問題も有する。酸化グラフェン片は、水等に分散しやすいためである。一方、非特許文献2に記載の分離膜は、酸化グラフェン片同士が架橋されている。そのため、酸化グラフェン片同士が剥離することは生じにくい。しかしながら、有機分子により架橋しているため、分離膜のロバスト性を充分高めることができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、透水性と分離性能とが共に優れたナノカーボン分離膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、二価のカチオンにより複数の酸化グラフェン片を架橋し、その層間にダブルウォールカーボンナノチューブが挿入されていることで、分離性能に優れたナノカーボン分離膜が得られることを見出した。すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
本発明の第一の態様は、以下の(1)に述べるナノカーボン分離膜である。
(1)本発明の第一の態様のナノカーボン分離膜は、厚み方向からみて互いに重なり合うように存在し、二価のカチオンによって互いに架橋された複数の酸化グラフェン片と、前記複数の酸化グラフェン片の層間に挿入されたダブルウォールカーボンナノチューブと、を備え、酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブの合計質量に対する酸化グラフェン片の質量比が0質量%より大きく70質量%以下であり、ダブルウォールカーボンナノチューブの質量比が30質量%以上100質量%未満である。
(2)上記(1)に記載のナノカーボン分離膜において、酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブとの合計質量に対する酸化グラフェン片の質量比が30質量%以上70質量%以下であり、ダブルウォールカーボンナノチューブの質量比が30質量%以上70質量%以下であってもよい。
(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載のナノカーボン分離膜において、前記二価のカチオンが、カルシウムイオンであってもよい。
本発明の第二の態様は、(4)に述べる以下のナノカーボン複合分離膜である。
(4)本発明の第二の態様のナノカーボン複合分離膜は、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のナノカーボン分離膜と、前記ナノカーボン分離膜の一面側に配設され、前記ナノカーボン分離膜を支持する多孔質膜と、を有する。
(5)上記(4)に記載のナノカーボン複合分離膜において、前記ナノカーボン分離膜と前記多孔質膜とが、接着されていてもよい。
(6)上記(5)に記載のナノカーボン複合分離膜において、前記ナノカーボン分離膜と前記多孔質膜とが、ポリビニルアルコール膜によって接着されていてもよい。
本発明の第三の態様は、以下の(7)に述べるナノカーボン分離膜の製造方法である。
(7)本発明の第三の態様のナノカーボン分離膜の製造方法は、酸化グラフェン片と、ダブルウォールカーボンナノチューブと、が分散した分散液を塗付、乾燥し、カーボン膜を形成する工程と、前記カーボン膜を二価のカチオンが溶解した溶液に浸漬する工程と、を有する。
本発明の第一の態様に係るナノカーボン分離膜は、分離性能に優れる。
本発明の第一の態様に係るナノカーボン複合分離膜の好ましい例を示す斜視模式図である。 本発明の第一の態様に係るナノカーボン複合分離膜の好ましい例を示す断面模式図である。 酸化グラフェン片単体の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 酸化グラフェン片単体の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 ナノカーボン分離膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 ナノカーボン分離膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。 本実施形態にかかるナノカーボン複合分離膜の製造方法を模式的に示した図である。 参考比較例2、2−1,2−2のFTIR測定の結果を示す。 参考比較例2、2−1,2−2のラマン分光測定の結果を示す。 参考比較例2−1のXPS測定により求められたC1sスペクトルの分析結果を示す。 参考比較例2−2のXPS測定により求められたC1sスペクトルの分析結果を示す。 参考比較例2のXPS測定により求められたC1sスペクトルの分析結果を示す。 参考比較例2のXPS測定により求められたCl2pスペクトルの分析結果を示す。 参考比較例2のXPS測定により求められたCa2pスペクトルの分析結果を示す。 実施例4の処理後のカーボンナノ複合分離膜の表面の写真である。 実施例1の処理後のカーボンナノ複合分離膜の表面の写真である。 ポリビニルアルコール膜の加熱前及び加熱後にFTIR測定を行った結果を示す。
以下に本願発明の好ましい例や好ましい実施形態について説明する。なお本発明はこれら例や実施形態のみに限定されるものではない。本発明の範囲内において、必要に応じて好ましく変更及び/又は追加することも可能である。特に制限の無い限り、数、量、材料、形状、位置、種類などを必要に応じて変更、追加、省略してもよい。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上、部分や構成を拡大や縮小や変形や省略をして示している場合がある。
<ナノカーボン複合分離膜>
図1は、本発明の第一の態様に係るナノカーボン複合分離膜の斜視模式図である。図2は、本発明の第一の態様に係るナノカーボン複合分離膜の断面模式図である。図1では、理解を容易にするために、各構成要素を離して図示している。
図1及び図2に示すナノカーボン複合分離膜100は、ナノカーボン分離膜10と、接着層20と、多孔質膜30とを有する。ナノカーボン分離膜10は、高いろ過機能を有する機能膜である。多孔質膜30はナノカーボン分離膜10を支持し、ナノカーボン複合分離膜100全体としての機械的強度を高める支持膜である。ナノカーボン複合分離膜100は、気相分離、液相分離のいずれにも用途に応じて用いることができる。以下、液相分離を中心に説明する。
(ナノカーボン分離膜)
ナノカーボン分離膜10は、酸化グラフェン(GO(Graphene oxideの略))片1と、ダブルウォールカーボンナノチューブ(以下、「DWCNT」という。(Double Wall Carbon Nanotubeの略))2と、を備える。DWCNT2は、2層構造のカーボンナノチューブである。DWCNTは少なくとも内径の異なる2つのカーボンナノチューブが重なった構造を有しても良い。酸化グラフェンが厚み方向からみて互いに重なり合うように存在するとは、厚み方向からみて互いに少なくとも一部が重なることを意味しても良い。
図3は、酸化グラフェン片1の単体の状態にある走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。また図4は、酸化グラフェン片1の単体の状態にある透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
酸化グラフェン片1は、酸化グラフェンの一片である。酸化グラフェンは、グラフェンの単分子層にエポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、及び水酸基などから選択される酸素含有官能基が結合した材料である。酸化グラフェンは、還元するとグラファイトになる材料としても知られている。
酸化グラフェン片1の厚みは、炭素原子一層分であり、1〜1.5nm程度である。酸化グラフェン片1の面内方向の大きさは、適宜設計することができる。 図3に示す酸化グラフェン片1の面内方向の平均径は、12μmである。
ここで平均径は、以下のようにして求めた。まず、酸化グラフェン片1が分散した分散液をSi基板上に滴下し、乾燥する。次いで、Si基板をSEMで観察し、酸化グラフェン片1の外接楕円を描く。この際、酸化グラフェン片1は、凝集して外接楕円を描けないものは選択しない。そして、得られた外接楕円の長径を測定する。同様の作業を90個の酸化グラフェン片1に対して行い、平均値を算出することで平均径を求めた。
酸化グラフェン片1は、一部に孔が開いている(図4の点線の領域参照)。言い換えると、酸化グラフェン片1の表面には1つ以上の穴(開口部)が設けられていて良い。この孔は、ナノカーボン分離膜10を通過する流体の流路として機能する。
酸化グラフェン片1に形成された孔の径及び孔の量は任意に選択でき、酸化グラフェン片1の酸化度を変えることで制御できる。酸化グラフェン片1に形成された孔の平均径は、0.5nm以上5nm以下であることが好ましく、1nm以上3nm以下であることがより好ましい。
孔の面積は、酸化グラフェン(GO)の面積の中の0.5%以上5%以下であることが好ましい。
図5は、本発明の好ましい例である、ナノカーボン分離膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
図5に示すように、ナノカーボン分離膜中の、DWCNT2は長さが500nm以上であり、隣接するDWCNT2の間の距離は、最大で100nm程度である。
図6は、ナノカーボン分離膜の透過型電子顕微鏡(TEM)画像であり、図5の一部を拡大した図である。
図6に示すように、TEM画像では、酸化グラフェン片1の孔(図6の点線の領域参照)の見え方に違いがある。これは、紙面手前側の酸化グラフェン片1の孔と、紙面奥側の酸化グラフェン片1の孔と、のいずれを見ているかが、異なるためである。換言すると、酸化グラフェン片1が厚み方向から見て、互いに重なるように存在していることをこの画像は示している。なお、互いに重なるように存在するとは、酸化グラフェン片の少なくとも一部が重なりあっていることを意味する。
また図6では、DWCNT2の一部が、孔(図6の点線の領域参照)を介して確認でき、その他の部分は、酸化グラフェン片1を構成する炭素原子を介して確認できる。すなわち、DWCNT2は、酸化グラフェン片1より、紙面奥に存在している。また孔の部分に着目すると、孔の内部にも炭素原子のドットが確認される部分がある。すなわち、DWCNT2より紙面奥側に酸化グラフェン片1は存在している。つまり、DWCNT2は、厚み方向から見て互いに重なるように存在する酸化グラフェン片1の間に挟まれている。
DWCNT2は、直径が数nm〜数十nm程度であり、酸化グラフェン片1の厚みより厚い。そのため、複数の酸化グラフェン片1の間に少なくとも一つのDWCNT2が挟まれると、積層される酸化グラフェン片1の間隔が広がる。なおDWCNT2の直径、DWCNT2の最も内側の内径、及びDWCNT2の長さは任意に選択してよい。
酸化グラフェン片1のみからなる場合の酸化グラフェン片の平均面間距離は7.7Åである。DWCNT2が挟まることで、平均面間距離は7.7Å以上となる。平均面間距離は、X線回折によって得られるピーク値から求められる。なお本発明のナノカーボン分離膜における酸化グラフェン片の平均面間距離は、条件等を変更することによって、任意に変更できる。
酸化グラフェン片1の平均面間距離が広がることで、ナノカーボン分離膜10を通過する流体の流路が広がる。すなわち、液相分離の場合は透水性が高まる。一方で、平均面間距離の広がりは、Å単位であり僅かである。そのため、分離対象物の分離特性が大きく劣化することが避けられる。
酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブの合計質量に対する酸化グラフェン片1の質量比は70質量%以下0質量%より大きい。また酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブの合計質量に対するDWCNT2の質量比は30質量%以上100質量%未満である。酸化グラフェン片1とDWCNT2の比率がこの範囲内であると、透水性又は分離対象物の分離特性の一方の性能が著しく低下することを避けられる。
また酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブの合計質量に対する酸化グラフェン片1の質量比は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましい。また酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブの合計質量に対するDWCNT2の質量比は、30質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。なお、酸化グラフェン片1とDWCNT2の質量比の合計は100質量%となる。
また複数の酸化グラフェン片1同士は、二価のカチオンにより互いに架橋されている。酸化グラフェン片1は、エポキシ基、カルボキシル基、カルボニル基、及び水酸基などから選択される少なくとも1種の酸素含有官能基を有している。
二価のカチオンは、酸化グラフェン片1の酸素含有官能基の近傍に配位し、隣接する酸化グラフェン片1どうしを架橋する。複数の酸化グラフェン片1が架橋されると、ナノカーボン分離膜10が強固になる。
一般に酸化グラフェン片1は、水に対する分散性が高い。そのため、単純に酸化グラフェン片1を積層しただけでは、通水した際にナノカーボン分離膜10から酸化グラフェン片1が剥離することがある。特に、ナノカーボン分離膜10の膜面に対して平行な方向に通水するクロスフローの場合において、酸化グラフェン片1は剥離しやすくなる。
酸化グラフェン片1同士を架橋することで、酸化グラフェン片1の剥離を抑制できる。
また酸化グラフェン片1間に挟まれるDWCNT2も、層間から脱離し難くなる。
二価のカチオンは、架橋に寄与できるものであれば、そのイオン種は問わない。入手の容易性等の観点からは、カルシウムイオン、及びマグネシウムイオンの少なくとも1種が好ましい。
上述のように、本実施形態にかかるナノカーボン分離膜10は、DWCNT2によって酸化グラフェン片1の層間が適切に広げられている。そのため、本実施形態にかかるナノカーボン分離膜10は、分離膜として、透水性及び分離対象物の分離特性のいずれも優れる。
また酸化グラフェン片1同士は二価のカチオンにより架橋されている。このため、使用途中で酸化グラフェン片1の剥離が抑制されている。そのため、溶液をナノカーボン分離膜10に対してクロスフローで供給することができる。
なおナノカーボン分離膜の厚さは任意に選択してよい。
(多孔質膜)
多孔質膜30は、ナノカーボン分離膜10の一面側に配設される。多孔質膜30は、ナノカーボン分離膜10を支持し、ナノカーボン複合分離膜100全体としての機械的強度を高める。
多孔質膜30は、図1及び図2に示すように、内部に孔部31を有する。内部に孔部31を有することで、厚み方向に透水性を有する。なお、孔部31は、図に示すような厚み方向に延在する孔部である必要はない。実際には微小な孔が複数連結した連結孔であってもよい。
多孔質膜30は、透水性と機械的強度を有すれば、公知の多孔質基材を選択し用いることができる。例えば、ポリイミド、ポリサルフォン、又はポリエーテルサルフォン等からなり連通孔を有する樹脂の膜や、ポーラスアルミナ等を、多孔質膜30として用いることができる。後述する接着層20を、熱や光等による架橋により形成する場合は、耐熱性の高いポリサルフォンの使用が特に好ましい。多孔質膜の厚さは任意に選択してよい。
(接着層)
接着層20は、ナノカーボン分離膜10と多孔質膜30とを接着する。接着層20は、透水性を大きく阻害せず、ナノカーボン分離膜10と多孔質膜30とを接着できるものを用いることができる。
接着層の材料は任意に選択できる。例えば、ポリビニルアルコール等を用いることができる。未架橋のポリビニルアルコールをナノカーボン分離膜10と多孔質膜30との間に設け、ポリビニルアルコールを架橋させることで、これらを接着できる。
ナノカーボン複合分離膜100の面内方向に対して、垂直な方向から通液するデッドエンドフローを行う場合は、ナノカーボン分離膜10が多孔質膜30から剥離することはほとんどない。これに対し、ナノカーボン複合分離膜100の面内方向に対して、平行な方向から通液するクロスフローを行う場合は、ナノカーボン分離膜10が多孔質膜30から剥離しやすくなる。そのため、ナノカーボン複合分離膜100に対してクロスフローで通液する場合は、特に接着層20を設けることが好ましい。接着層の厚さは任意に選択してよい。
上述のように、本実施形態にかかるナノカーボン複合分離膜100は、透水性及び分離対象物の分離特性の優れたナノカーボン分離膜10を備える。このため、分離特性に優れる。
またナノカーボン分離膜10の一面が多孔質膜30で支持されることにより、ナノカーボン複合分離膜100の機械強度を高めることができる。さらに、接着層20でナノカーボン分離膜10と多孔質膜30とを接着することで、使用途中においてナノカーボン分離膜10が剥離することが抑制される。
<ナノカーボン複合分離膜>
図7は、本実施形態にかかるナノカーボン複合分離膜の製造方法を、模式的に示した図である。
図7の(a)〜(d)にこの順で示すように、本実施形態にかかるナノカーボン複合分離膜100は、多孔質膜30の一面に接着層20を形成する工程と、接着層20が形成された面にナノカーボン分離膜10を形成する工程とを有する。
ナノカーボン分離膜10は、酸化グラフェン片1とDWCNT2とが分散した分散液を、多孔質膜30の接着層20が形成された面に塗付、乾燥し、カーボン膜を形成する工程と、カーボン膜を二価のカチオンが溶解した溶液に浸漬する工程と、によって形成される。
製造に使用される、前記酸化グラフェン片1の厚みは、任意に選択できるが、1〜1.5nm程度であることが好ましい。
製造に使用される、DWCNT2の平均直径(外径)は、任意に選択してよい。またDWCNT2の最も内側の内径も任意に選択してよい。DWCNT2の長さも任意に選択してよい。
分散液において、酸化グラフェン片1及びDWCNT2の合計質量に対する、酸化グラフェン片1の質量比は任意に選択できるが、例えば、30質量%以上70質量%以下であることが好ましく、40質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上70質量%以下であることが特に好ましい。また酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブの合計質量に対するDWCNT2の質量比は、任意に選択できるが、30質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上50質量%以下であることが特に好ましい。
以下、図7を基に具体的に説明する。
まず図7の(a)に示すように、多孔質膜30を準備する。多孔質膜30は、上述のものから選択して用いられる。
次いで、図7の(b)に示すように、多孔質膜30の一面に接着層20を形成する。接着層20は、塗布等の手段によって形成できる。例えばポリビニルアルコール水溶液に、多孔質膜30を浸漬し、又は前記水溶液を前記膜に塗布し、乾燥させることで、多孔質膜30の一面に接着層20を形成できる。
次いで、図7の(c)に示すように、接着層20が形成された面に、酸化グラフェン片1とDWCNT2とが分散した分散液11を塗布する。塗布の方法は特に問わない。公知の方法の中から任意に選択して使用してもよい。例えば、ノズルからスプレーコートをすると、ノズル先端で分散液11にせん断力が加わり、酸化グラフェン片1及びDWCNT2の分散性が高まる。
分散液11は、例えば、酸化グラフェン片1が分散した第1分散液と、DWCNT2が分散した第2分散液とを、混合して得られる。
第1分散液は、例えば、以下の手順で得られる。まず酸化グラフェン片1を準備する。酸化グラフェン片1は、グラファイトを原料として公知の方法(例えば、特許文献1や非特許文献4に記載の方法など)で得られる。酸化グラフェン片1は水への分散性が高い。このため、水に添加しただけで第1分散液が得られる。
次いで、第2分散液は、例えば、以下の手順で得られる。まずDWCNT2を作製する。DWCNT2は、一般的な合成法により作製できる。例えば、アーク放電法、レーザー・アブレーション法、およびCVD(化学気相成長法)等の方法がある。CVD法には、基板法と気相流動法がある。基板法は、厚さ数nmから数μmの金属層を蒸着した基板にカーボンナノチューブを合成する方法と、ゼオライトやセラミックなどの単体に遷移金属部粒子を担持させてカーボンナノチューブを合成する方法がある。気相流動法は、触媒微粒子と原料ガスとを反応管内の高温区域で反応させ、カーボンナノチューブを合成する方法である。触媒微粒子は、前駆体化合物を反応管に噴霧し、反応管入口で前駆体化合物を熱分解することにより得られる。触媒微粒子と原料ガスとは、キャリアガスによって反応管内に送り込まれる。具体的には、特許文献2や特許文献3などに記載の、DWCNTの製造方法が、例として挙げられる。
こうして作製されたDWCNT2を、必要に応じて選択される水溶液中に添加して第2分散液を得る。水溶液は、例えば、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(PSS)水溶液、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、及びデオキシコール酸ナトリウム水溶液等を用いることができる。
次に、第1分散液と第2分散液とを混合し、必要であれば希釈し、分散液11を得る。
塗布後の分散液11を、乾燥して、例えば自然乾燥して、カーボン膜が得られる。カーボン膜は、多孔質膜30と共に加熱することが好ましい。接着層が熱により架橋するものである場合、接着層としてポリビニルアルコールを用いた場合には、加熱により、接着層20のポリビニルアルコールが架橋し、カーボン膜と多孔質膜30の接着性が高まり、耐水性も発現する。また余計な水分等も除去できる。
最後に、分散液11の塗布により形成されたカーボン膜を、二価のカチオンが溶解した溶液に浸漬する。例えば、二価のカチオンとしてカルシウムイオンを用いる場合は、塩化カルシウムが溶解した溶液に浸漬する。カチオンが溶解した溶液に浸漬することで、酸化グラフェン片1同士がカチオンを介して架橋する。溶液の溶媒は任意に選択してよい。二価のカチオンは任意に選択できるが、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどが挙げられる。
上述のように、本実施形態にかかるナノカーボン分離膜の製造方法によれば、容易に所定のナノカーボン分離膜が得られる。またこのナノカーボン分離膜の製造方法を利用することで、容易にナノカーボン複合分離膜が得られる。
また本実施形態にかかるナノカーボン分離膜の製造方法によれば、酸化グラフェン片1が分散した第1分散液と、DWCNT2が分散した第2分散液を混合するだけで、ナノカーボン分離膜の流体が流れる流路を制御できる。すなわち、ナノカーボン分離膜の透水性及び分離性能を容易に制御できる。
また本実施形態にかかるナノカーボン分離膜の製造方法によれば、ナノカーボン分離膜を分散液の塗布により作製することができる。そのため、ナノカーボン分離膜の大面積化が容易になる。
以上、ナノカーボン分離膜、ナノカーボン複合分離膜及びナノカーボン分離膜の製造方法について説明した。本発明は、発明の要旨を変えない範囲で種々の変更をしてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
実施例1として、30質量%の酸化グラフェン片と70質量%のDWCNTとからなるナノカーボン分離膜を有するナノカーボン複合分離膜を作製した。具体的には、以下の手順で実施例1のナノカーボン複合分離膜を作製した。
まずグラファイト(Sigma−Aldrich社製 製品番号332461)を原料として、平均径12μmの酸化グラフェン片が分散した第1分散液を作製した。第1分散液は、以下のようにして作製した。
まず95質量%のHSO水溶液200mLと、85質量%のHPO水溶液40mLと、を混合し、さらに5gのグラファイトを添加し、マグネチックスターラで混合した。次いで、混合液にKMnOを25gゆっくり添加した。この際、液の色は黒から緑に変化した。そしてこの液を5分かけて40℃に昇温し、40℃で1時間保持した。1時間後には、グラファイトが剥離して、液がペースト状になった。得られたペーストを、テフロン(登録商標)棒を用いて40℃で2.5時間さらに混合した。その後、混合後のペーストを常温まで降温した。
次いで、このペーストに、35%のH水溶液40mLと5℃以下の冷水600mLとの混合液を、ゆっくり注いだ。混合液を注ぐと、ペーストは発熱し、泡が発生した。
そして、得られた混合液を1晩以上静置した。
静置した液は、上澄み液と沈殿物に分離した。上澄み液をデカンテーションにより除去し、沈殿物を得た。得られた沈殿物は、5質量%のHSO水溶液(1L)に添加し、分散させた。
そして、分散液を純水中に添加し、遠心分離し、その後純水へ分散する操作を5回繰り返し、分散媒の清浄を行った。この過程で、遠心分離後の沈殿物は2層になる。下の層は互いに剥離していないグラファイトであり、上の層は剥離した酸化グラフェン片が水を吸ったものであった。下の層を除去することで、固形分濃度が0.9質量%の第1分散液を得た。得られた第1分散液を水で希釈し、Si基板上に滴下、乾燥した試料をSEM観察したところ、酸化グラフェン片の平均径は12μmだった。
次いで、第2分散液を用意した。0.5質量%のデオキシコール酸ナトリウム水溶液にDWCNT(TEM観察で、外径1.8nm、内径1.2nm)を分散し、第2分散液を作製した。第2分散液中におけるDWCNTの直径は、数nm程度であった。
そして得られた第1分散液と第2分散液を混合、希釈して、分散液を得た。分散液中には、酸化グラフェン片とDWCNTとからなるナノカーボンが分散している。分散液中のナノカーボンの構成比率は、酸化グラフェン片が30質量%で、DWCNTが70質量%であった。溶媒に対するナノカーボンの濃度は、0.8mg/mLとした。
また多孔質膜として、市販のポリサルフォン膜(Alfa Lavel社製:GR40PP、大きさ50mm×50mm)を準備した。そして、ポリサルフォン膜を1質量%のポリビニルアルコール水溶液(Sigma−Aldrich社製:分子量31,000−50,000、98〜99%ケン化品)に1時間浸漬した。浸漬後のポリサルフォン膜を、起立させた状態で風乾させた。その結果、ポリサルフォン膜の表面にポリビニルアルコールが被覆された。
次いで、ポリビニルアルコールで被覆された多孔質膜に対して、エアーブラシ(アネストイワタ製:HP−BCS)を用いて、前記分散液をスプレーした。その後、前記多孔質膜を100℃の大気雰囲気下で1時間乾燥させた。この際、ポリビニルアルコールは架橋し、多孔質膜と、分散液が乾燥してなるカーボン膜と、が接着した。
最後に、得られた積層膜を、塩化カルシウム溶液に1時間浸漬した。塩化カルシウム溶液は、塩化カルシウムの濃度が5質量%であり、塩化カルシウム溶液の溶媒は、容積比で1:3の比率でエタノールと水が混合したものとした。そして、浸漬後の積層膜を乾燥させた。乾燥は、まず風乾した後、一度エタノールに一時間浸漬し、再度風乾した。
(実施例2及び3)
実施例2及び3は、第1分散液と第2分散液の混合比率を変更した点以外は、実施例1と同様の手順でナノカーボン複合分離膜を作製した。
得られたナノカーボン分離膜の構成比率は以下である。
実施例2:酸化グラフェン片(50質量%)、DWCNT(50質量%)
実施例3:酸化グラフェン片(70質量%)、DWCNT(30質量%)
(比較例1)
比較例1は、第1分散液と第2分散液の混合比率を変更した点以外は、実施例1と同様の手順でナノカーボン複合分離膜を作製した。
比較例1のナノカーボン分離膜の構成比率は、酸化グラフェン片を90質量%、DWCNTを10質量%とした。
(比較例2)
比較例2は、分散液を第1分散液のみとして、第2分散液を用いなかった点以外は、実施例1と同様の手順でナノカーボン複合分離膜を作製した。
すなわち、比較例2のナノカーボン分離膜の構成比率は、酸化グラフェン片を100質量%とした。
(比較例3)
比較例3は、分散液を第2分散液のみとして、第1分散液を用いなかった点以外は、実施例1と同様の手順でナノカーボン複合分離膜を作製した。
すなわち、比較例3のナノカーボン分離膜の構成比率は、DWCNTを100質量%とした。
<ナノカーボン複合分離膜の評価>
実施例1〜3及び比較例1〜3のナノカーボン複合分離膜の透水量及びNaCl除去率を測定した。具体的には、前記膜に、クロスフローで、0.2%濃度の塩化ナトリウム水溶液を300mL/分で送液し、ナノカーボン複合分離膜の透水量及びNaCl除去率を測定した。
透水量は、圧力5.0MPaでの透水性測定の結果から算出した。
NaCl除去率は、膜を直径25mmの円形に切り抜いて、クロスフロー濾過器(トスク社製)を用いて求めた。
NaCl除去率[%]={1−透過水のNaCl濃度[質量%]/原水のNaCl濃度[質量%]}×100
測定結果を表1に示す。表1において、GOは酸化グラフェン片を示し、DWCNTはダブルウォールカーボンナノチューブを示し、PVAはポリビニルアルコールを示す。
上述のように、酸化グラフェン片とDWCNTの比率が所定の範囲にある実施例1〜3のナノカーボン複合分離膜は、比較例1及び比較例2のナノカーボン複合分離膜と比較して、透水量が大きく向上した。またNaCl除去率は多少低下したが、用途によっては、40%程度あれば十分であり、充分なNaCl除去率を示した。用途としては、例えば、2価イオン除去用、有機物分離用のナノフィルトレーション膜等がある。なお、DWCNTのみからなる比較例3は、水が自由に流れ、脱塩性能は確認されなかった。
<酸化グラフェン同士の架橋>
酸化グラフェン同士が二価のカチオンによって架橋していることを確認する検討を行った。
検討は、フーリエ変換赤外分光(FTIR)測定、ラマン分光測定、X線光電子分光(XPS)測定によって行った。
測定は、酸化グラフェン片のみからなる参考比較例2と、参考比較例2の試料を塩化カルシウム溶液に浸漬する前でとめた試料(以下、参考比較例2−1と言う:塩化カルシウム溶液への浸漬なし)と、参考比較例2の試料を塩化カルシウム溶液に浸漬する前にとめてこの試料を100℃で加熱した試料(以下、参考比較例2−2と言う:塩化カルシウム溶液への浸漬なし)と、の3つの試料に対して行った。
なお、参考比較例2では、比較例2で用いた分散液を多孔質膜の代わりにSi基板上に塗布し、塩化カルシウム溶液への浸漬も含む同様の手順を行い、Si基板上にナノカーボン分離膜を形成した。以下、Si基板上に形成したものを参考比較例等と表記する。参考比較例2は、比較例2と同様の条件で作製されたものに対応し、その他の参考実施例及び参考比較例も同様の対応関係を意味する。
図8は、参考比較例2、2−1,2−2のFTIR測定の結果を示す。FTIRは、全反射測定(ATR)法により行った。FTIR測定の観測ピークは、C-O (alkoxy/alkoxide,1042cm-1)、C-O(carboxy,1410cm-1)、C=C (aromatic,1620cm-1)、C=O (carboxy/carbonyl,1716cm-1)、OH(3300cm-1)に帰属される。
C=Cピークを基準として相対比較すると、CaCl処理を行った参考比較例2は、処理を行う前の参考比較例2−1と比較して、C−OとC=Oピークの強度が下がっている。これはCa2+イオンが酸素イオンに対して配位することで、C=Cピークを基準とするC−OとC=Oピークの相対強度が低下したためである。
図9は、参考比較例2、2−1,2−2のラマン分光測定の結果を示す。
ラマン分光測定の結果におけるD(1350cm−1)/G(1600cm−1)比は、参考比較例2−1が0.92、参考比較例2−2が0.84、参考比較例2が0.87であった。
参考比較例2−1と参考比較例2−2とを比較すると、参考比較例2−2のD/G比が小さくなっている。
Gバンドはグラファイト構造に由来のピークであり、Dバンドは欠陥由来のピークである。そのため、D/G比が小さくなったことは、結晶性が高まったことを意味する。参考比較例2−2は、参考比較例2−1を100℃で加熱したものであり、加熱により酸化グラフェンの一部が還元され、グラファイト構造に近づいたためと考えられる。
一方で、参考比較例2−2と参考比較例2とを比較すると、参考比較例2のD/G比が大きくなっている。カルシウムイオンが配位することで、結晶配列に乱れが生じたためと考えられる。
図10A〜10Cは、参考比較例2、2−1,及び2−2のXPS測定により求められたC1sスペクトルのそれぞれの分析結果を示す。図10Aは参考比較例2−1の分析結果であり、図10Bは参考比較例2−2の分析結果であり、図10Cは参考比較例2の分析結果である。
図10Aと図10Bを比較すると、C=Cピークを基準としてC−O及びCOOのピーク比が小さくなっている。加熱により酸化グラフェンの一部が還元され、酸素元素が抜けたためと考えられる。
また図10Bと図10Cを比較すると、C=Cピークを基準としてC−O及びCOOのピーク比が小さくなっている。これは、酸素元素に対してカルシウムイオンが配位することで、C−O及びCOOピークの検出量が低下したためと考えられる。
また図11Aと図11Bは、参考比較例2のXPS測定により求められたCl2pスペクトル及びCa2pスペクトルの分析結果を示す。図11AはCl2pスペクトルの分析結果であり、図11BはCa2pスペクトルの分析結果である。
図11Aに示すように、参考比較例2はCaのピークは検出されたが、Clのピークは検出されなかった。すなわち、参考比較例2には、CaClが残存しているのではなく、Caとして取り込まれていることが分かる。
上記の実験結果から、カルシウムイオンは酸素に配位し、酸化グラフェン同士を架橋していると言える。
<接着層の有無の検討>
実施例1のナノカーボン複合分離膜と、実施例1から接着層を除いたナノカーボン複合分離膜(以下、実施例4という)とを準備した。実施例4は、実施例1の作製工程において、ポリサルフォン膜をポリビニルアルコール水溶液に浸漬していない点が異なる。
実施例1と実施例4のカーボンナノ複合分離膜に対して、クロスフローで2〜5MPaの圧力で0.2%濃度の塩化ナトリウム水溶液を流速300ml/分で送液した。
図12Aと図12Bは、実施例1及び実施例4の処理後のカーボンナノ複合分離膜の表面の写真である。図12Aは、塩化ナトリウム水溶液を供給開始してから23時間後の、実施例4のカーボンナノ複合分離膜の表面写真である。図12Bは、塩化ナトリウム水溶液を供給開始してから70時間後の、実施例1のカーボンナノ複合分離膜の表面写真である。
実施例4のカーボンナノ複合分離膜は、供給する液の流れによりカーボンナノ分離膜が剥がれている(図12Aの矢印で図示している部分)。これに対して、図12Bに示すように、実施例1のカーボンナノ複合分離膜は、剥がれ等が生じなかった。
すなわち、接着層を設けることで、カーボンナノ分離膜がカーボンナノ複合分離膜から剥離することを抑制できる。特に、カーボンナノ複合分離膜に対して、クロスフローで液を供給する場合は、接着層を設けることが好ましい。これに対し、デッドエンドフローで液や気体を供給する場合は、接着層が無くても使用することはできる。
<接着層の硬化の確認>
図13は、ポリビニルアルコールの加熱前後のFTIR測定を行った結果を示す。
図13に示すように、854cm−1ピークで規格化したときに、1141cm−1のピークが大きくなった。これは、ポリビニルアルコール膜の熱による硬化を示す。
すなわち、ポリビニルアルコール膜は、100度雰囲気下で1時間乾燥させれば充分架橋する。
透水性と分離性能とが共に優れたナノカーボン分離膜を提供することを目的とする。
1 酸化グラフェン片、
2 ダブルウォールカーボンナノチューブ(DWCNT)、
10 ナノカーボン分離膜、
11 分散液
20 接着層、
30 多孔質膜、
31 孔部、
100 ナノカーボン複合分離膜

Claims (7)

  1. 厚み方向からみて互いに重なり合うように存在し、二価のカチオンによって互いに架橋された複数の酸化グラフェン片と、
    前記複数の酸化グラフェン片の層間に挿入されたダブルウォールカーボンナノチューブと、を備え、
    酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブの合計質量に対する、酸化グラフェン片の質量比が0質量%より大きく70質量%以下であり、ダブルウォールカーボンナノチューブの質量比が30質量%以上100質量%未満である、ナノカーボン分離膜。
  2. 酸化グラフェン片及びダブルウォールカーボンナノチューブとの合計質量に対する酸化グラフェン片の質量比が30質量%以上70質量%以下であり、ダブルウォールカーボンナノチューブの質量比が30質量%以上70質量%以下である請求項1に記載のナノカーボン分離膜。
  3. 前記二価のカチオンが、カルシウムイオンである請求項1または2のいずれかに記載のナノカーボン分離膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノカーボン分離膜と、
    前記ナノカーボン分離膜の一面側に配設され、前記ナノカーボン分離膜を支持する多孔質膜と、を有するナノカーボン複合分離膜。
  5. 前記ナノカーボン分離膜と前記多孔質膜とが、接着されている請求項4に記載のナノカーボン複合分離膜。
  6. 前記ナノカーボン分離膜と前記多孔質膜とが、ポリビニルアルコールによって接着されている請求項5に記載のナノカーボン複合分離膜。
  7. 酸化グラフェン片と、ダブルウォールカーボンナノチューブと、が分散した分散液を塗付、及び乾燥し、カーボン膜を形成する工程と、
    前記カーボン膜を二価のカチオンが溶解した溶液に浸漬する工程と、を有するナノカーボン分離膜の製造方法。
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