JPWO2018056080A1 - 音孔アダプタ及び管楽器 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2016年9月20日に、日本に出願された特願2016−183430号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
また、従来の管楽器では、アンサンブルでの演奏などにおいて、管楽器のピッチ(音程)の微調整を行うためには、演奏者の特殊でかつ繊細な指使いが必要となる。すなわち、従来の管楽器は、ピッチ(音程)の微調整を行うことが難しい。
また、本発明は、前記音孔アダプタと、複数の貫通孔を有する管体と、を備える管楽器を提供する。
以下、図1から図3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態の管楽器1は、リコーダーであり、管体2と、音孔アダプタ10と、を備える。
本実施形態の管楽器1では、七つの貫通孔4が管体2の軸方向に配列されている。管体2の第一端側から六番目、七番目の貫通孔4−6,4−7は、それぞれダブルホールとなっている。
軸方向から見た筒状部11の外周の中心とアダプタ貫通孔15の中心とは、例えば互いにずれてもよいが、本実施形態では、互いに一致している。
本実施形態の音孔アダプタ10は、上記の筒状部11を一つだけ備える。
フランジ部12は、筒状部11の外周面から筒状部11の径方向において筒状部11の外側に延出している。フランジ部12は、筒状部11に一体に形成されている。フランジ部12は、例えば筒状部11の周方向に間隔をあけて複数配列されてもよいが、本実施形態では筒状部11の軸方向から見て環状に形成されている。フランジ部12は、筒状部11を貫通孔4に嵌めた状態で管体2の外周面2aに当接する。
フランジ部12は、管体2を軸方向から見て、例えば筒状部11の外周面から筒状部11の径方向に直線状に延びてもよいが、本実施形態では、筒状部11の外周面から管体2の外周面2aに沿うように湾曲して延びている(特に図3参照)。これにより、フランジ部12は、筒状部11を貫通孔4に嵌めた状態で、管体2の外周面2aに面接触する。
本実施形態の管楽器1において、二つの音孔アダプタ10(10A,10B)は、管体2の第一端側から四番目及び五番目の貫通孔4−4,4−5に対して着脱可能とされている。二つの音孔アダプタ10A,10Bでは、筒状部11の外径が互いに等しいが、筒状部11のアダプタ貫通孔15の径が互いに異なる。また、二つの音孔アダプタ10A,10Bにおいて、筒状部11の軸方向の長さは、図示例のように互いに等しくてもよいし、例えば互いに異なってもよい。
一方、管体2の第一端側から一番目から三番目、六番目及び七番目の音孔3−1,3−2,3−3,3−6,3−7は、それぞれ貫通孔4(4−1,4−2,4−3,4−6,4−7)のみによって構成されている。
また、第一音孔アダプタ10Aを管体2の五番目の貫通孔4−5に装着し、第二音孔アダプタ10Bを管体2の四番目の貫通孔4−4に装着した場合には、管楽器1を、四番目の音孔3−4の径が五番目の音孔3−5よりも小さいバロック運指のリコーダーとして構成することができる。
すなわち、本実施形態の管楽器1は、管体2に対する音孔アダプタ10の着脱や交換によって、運指方法をバロック運指とジャーマン運指とに切り換え可能である。
また、フランジ部12が管体2の外周面2aに沿うように湾曲していることで、貫通孔4の内周面及び貫通孔4に嵌まる筒状部11の外周面が円形状であっても、筒状部11が貫通孔4に嵌まった状態で管体2に対して不意に回転してしまうことを防止できる。
このような構成では、例えば、音孔アダプタ10を管体2の五番目の貫通孔4−5のみに装着して五番目の音孔3−5を音孔アダプタ10の筒状部11によって構成する。また、管体2の四番目の貫通孔4−4を四番目の音孔3−4として構成する。これにより、管楽器1を、四番目の音孔3−4の径が五番目の音孔3−5よりも大きいジャーマン運指のリコーダーとして構成することができる。
また、例えば、音孔アダプタ10を管体2の四番目の貫通孔4−4のみに装着して四番目の音孔3−4を音孔アダプタ10の筒状部11によって構成する。また、管体2の五番目の貫通孔4−5を五番目の音孔3−5として構成する。これにより、管楽器1を、四番目の音孔3−4の径が五番目の音孔3−5よりも小さいバロック運指のリコーダーとして構成することができる。
このため、演奏者は手指の感覚だけでどの運指方法で演奏すればよいか、容易に把握することが可能となる。
このような構成では、筒状部11を貫通孔4に嵌めた状態で、筒状部11の端面を管体2の外周面2aと面一に形成できる。すなわち、筒状部11と管体2の外周面2aとの間に段差が生じることを防止できる。これにより、演奏者の手指が前述の段差に引っ掛ることを防ぎ、管楽器1を円滑に演奏することが可能となる。
次に、図4,5を参照して本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態の音孔アダプタは、第一実施形態の音孔アダプタ10と比較して、主に筒状部の数が異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
各筒状部11の構成は第一実施形態と同様であってよい。本実施形態において、二つの筒状部11C,11Dの外径は互いに等しいが、二つの筒状部11C,11Dのアダプタ貫通孔15の径は互いに異なる。二つの筒状部11C,11Dの軸方向の長さは、図示例のように互いに等しくてもよいし、例えば互いに異なってもよい。
筒状部11の軸方向における連結部13の厚みは、任意であってよいが、本実施形態では小さく(例えば軸方向における筒状部11の長さに対して小さく)設定されている。このため、音孔アダプタ10Cの筒状部11を貫通孔4に嵌めることで、主に管楽器1Cの音孔3の径が小さくなる、すなわち音孔3の径が変化する。一方、音孔3の長さは、微小に長くなるものの、大きく変化しない。
連結部13は、各筒状部11の軸方向の任意の位置に接続されてよい。本実施形態では、連結部13が二つの筒状部11C,11Dの軸方向の第一端部同士を接続している。
フランジ部14は、本実施形態の連結部13と同様に、各筒状部11の軸方向の任意の位置に接続されてよい。本実施形態のフランジ部14は、連結部13と同様に、二つの筒状部11C,11Dの軸方向の第一端部同士を接続している。
一方、第一筒状部11Cが管体2の五番目の貫通孔4−5に嵌まるように、かつ、第二筒状部11Dが四番目の貫通孔4−4に嵌まるように、音孔アダプタ10Cを管体2に装着した場合には、管楽器1Cを、四番目の音孔3−4の径が五番目の音孔3−5よりも小さいバロック運指のリコーダーとして構成することができる。
すなわち、本実施形態の管楽器1Cは、管体2に対する音孔アダプタ10Cの着脱や交換によって、運指方法をバロック運指とジャーマン運指とに切り換え可能である。
また、本実施形態の音孔アダプタ10Cでは、複数の筒状部11が連結部13によって連結されている。このため、一つの音孔アダプタ10Cを管体2に対して着脱するだけで、管楽器1Cの複数の音孔3の径や長さを一括して変更できる。したがって、管楽器1Cにおける運指方法の変更を簡単に行うことができる。
また、複数の筒状部11が個別の部品である場合と比較して、音孔アダプタ10Cを紛失する可能性を低減できる。
次に、図6,7を参照して本発明の第三実施形態について説明する。本実施形態の音孔アダプタは、第一実施形態の音孔アダプタ10と比較して、主に筒状部の構成が異なり、他の構成については同様である。本実施形態では、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
また、本実施形態の音孔アダプタ10E,10Fは、例えば筒状部11の外周及びこれに対応する貫通孔4の内周を円形状に形成する等して、筒状部11が貫通孔4に嵌まった状態で管体2に対して回転可能とされてもよい。
また、本実施形態の音孔アダプタ10E,10Fでは、筒状部11に二つのアダプタ貫通孔15,15が形成されている。このため、音孔アダプタ10E,10Fを管体2の貫通孔4の形成部分に装着するだけで、管楽器の音孔3をダブルホールとすることができる。これにより、管楽器において、クロス運指、フォーク運指などの複雑な指使いをすることなく、半音の音程変化を簡単に行うことが可能となる。
例えば、音孔3のダブルホールの両方(二つのアダプタ貫通孔15,15)を開放した状態からダブルホールの一方(一方のアダプタ貫通孔15)を塞ぐだけで、音程を簡単に半音下げることができる。また、音孔3のダブルホールの両方を塞いだ状態からダブルホールの一方を開放するだけで、音程を簡単に半音上げることができる。
したがって、管楽器における音程のずれを防ぐことができる。
同一の筒状部11に二つのアダプタ貫通孔15,15が形成されている本実施形態の構成は、例えば第二実施形態の音孔アダプタ10Cに適用されてもよい。
管体2に収容凹部6が形成されている場合には、筒状部11を管体2の貫通孔4に嵌めた状態で、第一実施形態のフランジ部12や、第二実施形態の連結部13、フランジ部14と、管体2の外周面2aとの間に段差が生じることを抑制できる。
この場合には、筒状部11を貫通孔4に嵌めた状態で、第一実施形態のフランジ部12や、第二実施形態の連結部13、フランジ部14の湾曲した外側面を管体2の外周面2aと面一に形成できる。すなわち、第一実施形態のフランジ部12や、第二実施形態の連結部13、フランジ部14と、管体2の外周面2aとの間に段差が生じることを防止できる。これにより、演奏者の手指が上記の段差に引っ掛ることを防ぎ、管楽器を円滑に演奏することが可能となる。
2:管体、
3:音孔、
4:貫通孔、
10,10A,10B,10C,10E,10F,10G:音孔アダプタ、
11,11C,11D,11G:筒状部、
13:連結部、
15,15E,15F:アダプタ貫通孔
Claims (9)
- 管体の貫通孔に着脱可能に装着され、前記管体に装着されることで管楽器の音孔を構成する筒状部を備える音孔アダプタ。
- 前記筒状部の前記貫通孔に嵌る部分の軸方向の長さが、前記貫通孔の軸方向の長さよりも短い請求項1に記載の音孔アダプタ。
- 複数の前記筒状部と、複数の前記筒状部同士を接続する連結部と、を備える請求項1又は請求項2に記載の音孔アダプタ。
- 前記筒状部には、前記筒状部の軸方向に貫通するアダプタ貫通孔が複数形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の音孔アダプタ。
- 前記筒状部の前記管体の内周側の端部は、前記内周側に向かうにしたがって内径が大きくなるテーパ状に形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音孔アダプタ。
- 前記筒状部の前記管体の内周側の端部は、前記内周側に向かうにしたがって外径が小さくなるテーパ状に形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音孔アダプタ。
- 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の前記音孔アダプタと、複数の前記貫通孔を有する管体とを備える管楽器。
- 前記音孔アダプタは、前記筒状部の外周面から前記筒状部の径方向の外側に延出するフランジ部を有し、
前記管体は、前記管体の外周面でかつ前記貫通孔の周囲に形成され前記フランジ部に嵌合する収納凹部を有する請求項7に記載の管楽器。 - 前記管体に対する前記音孔アダプタの着脱又は交換によって、運指方法をバロック運指とジャーマン運指とに切り換え可能な請求項7に記載の管楽器。
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