JPWO2018034351A1 - 生薬成分を含む肺高血圧症の予防又は治療剤 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決すべき課題は、これまで肺高血圧症の治療効果について知られていなかった化合物を有効成分とする新規の肺高血圧症予防又は治療剤を提供することである。本発明は、セラストロール又はその塩を含有する、肺高血圧症の予防又は治療剤を提供する。

Description

本発明は、肺高血圧症の予防又は治療剤に関する。
肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送る肺動脈の血圧が高くなり心臓及び肺の機能に障害をもたらす疾患であり、一般に「高血圧」と言われる症状とは全く異なる疾患である。また、肺高血圧症は致死性の高い重篤な疾患であるため、その治療法の開発が急がれている。
従来、肺高血圧症の治療としては、カテーテルで血管を広げる治療、血栓を取り除く外科手術等の処置がされているが、より侵襲性の低い治療法が望まれている。また、投薬治療としては、血管拡張剤等が知られているが(非特許文献1等)、かかる治療法で救えない患者は依然として多く、さらなる肺高血圧症治療剤の開発が強く望まれている。
J Clin Invest. 2012;122(12): 4306-4313 Annals of the Rheumatic Diseases 2015 Jun;74(6):1078-86. European Journal of Clinical Investigation 39 (9): 819-827. Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry 25 (7): 1341-1357. Blood 113 (17): 4027-4037 Vascular Health and Risk Management 2013:9 401-428 Circ Res. 2007;101:224-226 Cardiovascular Research 71 (2006) 331-341
本発明は、これまで肺高血圧症の治療効果について知られていなかった化合物を有効成分とする新規の肺高血圧症予防又は治療剤を提供することにある。
かかる状況の下、本発明者らは数千種類の化合物について検討した結果、生薬成分であるセラストロール又はその塩が、肺高血圧症の原因の一つと言われる、肺動脈平滑筋細胞の異常増殖を抑制すること、及び肺高血圧症の予防及び治療効果を有することを見出した。本発明は、かかる新規の知見に基づくものである。
従って、本発明は、以下の項を提供する:
項1.セラストロール又はその塩を含有する、肺高血圧症の予防又は治療剤。
項2.経口投与剤の形態で用いられる、項1に記載の肺高血圧症の予防又は治療剤。
項3−1.セラストロール又はその塩の有効量を投与することを含む、肺高血圧症を予防又は治療する方法。
項3−2.セラストロール又はその塩の投与が経口投与により行われる、項3−1に記載の方法。
項4−1.肺高血圧症の予防又は治療剤を製造するための、セラストロール又はその塩の使用。
項4−2.肺高血圧症の予防又は治療剤が経口投与剤である、項4−1に記載の使用。
項5−1.肺高血圧症の予防又は治療に使用するためのセラストロール又はその塩。
項5−2.経口投与による肺高血圧症の予防又は治療に使用するための項5−1に記載のセラストロール又はその塩。
本発明によれば、これまで肺高血圧症の治療効果について知られていなかった化合物であるセラストロール又はその塩を有効成分として用いることによって、新規の肺高血圧症予防又は治療剤を提供することができる。
ここで、本発明の有効成分であるセラストロールは、漢方薬として用いられてきた雷公藤(タイワンクロヅル(Tripterygium wilfordii)の根を加工した生薬)に含まれる多種多様な成分のうちの一つである。雷公藤は、関節の痛み、腫れ及び炎症の治療に用いられてきており、また、関節リウマチ患者に対する効果についても報告がある(非特許文献2)。また、セラストロールについては、抗炎症作用(非特許文献3)、抗酸化作用(非特許文献4)及び抗癌作用(非特許文献5)に関する報告がある。しかし、雷公藤及びセラストロールが肺高血圧症の予防又は治療効果を有することはこれまで一切報告されていない。従って、上記本発明の驚くべき効果は、当業者が従来技術から予想し得ないものである。
実施例1におけるIn vitro試験の結果を示す。 実施例2において測定した肺高血圧症モデル動物における右室収縮期圧、右室/(左室+中隔)重量比に対するセラストロールの影響を示す。図中、*は、t検定においてp<0.05であることを示す。
肺高血圧症の予防又は治療剤
本発明は、セラストロール又はその塩を含有する、肺高血圧症の予防又は治療剤を提供する。本発明の有効成分であるセラストロール[celastrol:CAS No.34157−83−0、(トリプテリン:(2R,4aS,6aS,12bR,14aS,14bR)-10-ヒドロキシ-2,4a,6a,9,12b,14a-ヘキサメチル-11-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,11,12b,13,14,14a,14b-テトラデカヒドロピセン-2-カルボン酸((2R,4aS,6aS,12bR,14aS,14bR)-10-hydroxy-2,4a,6a,9,12b,14a-hexamethyl-11-oxo-1,2,3,4,4a,5,6,6a,11,12b,13,14,14a,14b-tetradecahydropicene-2-carboxylic acid)]は、下記構造を有する公知の物質である:
Figure 2018034351
本発明の有効成分であるセラストロールの塩は、酸付加塩と塩基との塩を包含する。酸付加塩の具体例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等の有機酸塩、及びグルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等の酸性アミノ酸塩が挙げられる。塩基との塩の具体例としては、ナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、ピリジン塩、トリエチルアミン塩のような有機塩基との塩、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩が挙げられる。
本発明の有効成分であるセラストロール及びその塩は、水和物又は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物及び溶媒和物もまた本発明の有効成分である化合物に包含される。
溶媒和物を形成する溶媒としては、エタノール、プロパノール等のアルコール、酢酸等の有機酸、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン類、DMSO(ジメチルホルムアミド)等が例示される。
本発明においては、本発明の有効成分であるセラストロール又はその塩そのものを肺高血圧症の予防又は治療剤として用いても、薬学的に許容される各種担体(例えば、等張化剤、キレート剤、安定化剤、pH調節剤、防腐剤、抗酸化剤、溶解補助剤、粘稠化剤等)と組み合わせた医薬組成物として用いてもよい。
等張化剤としては、例えば、グルコース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール等の糖類、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等の無機塩類等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、エデト酸カルシウム等のエデト酸塩類、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸又はその塩、ヘキサメタリン酸ソーダ、クエン酸等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。
pH調節剤としては、例えば、塩酸、炭酸、酢酸、クエン酸等の酸が挙げられ、さらに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩又は炭酸水素塩、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属酢酸塩、クエン酸ナトリウム等のアルカリ金属クエン酸塩、トロメタモール等の塩基等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の第4級アンモニウム塩、アルキルポリアミノエチルグリシン、クロロブタノール、ポリクォード、ポリヘキサメチレンビグアニド、クロルヘキシジン等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、濃縮混合トコフェロール等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、グリセリン、D−ソルビトール、ブドウ糖、プロピレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、D−マンニトール等が挙げられる。
粘稠化剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、上記医薬組成物は、セラストロール又はその塩以外に、肺高血圧症の予防又は治療作用を有するとされている化合物をさらに含んでいてもよい。肺高血圧症の予防又は治療作用を有することが知られている化合物としては、例えば、プロスタサイクリン製剤(エポプロステノール等)、PDE5阻害薬(タダラフィル等)、エンドセリン受容体拮抗薬(ボセンタン等)が挙げられる。
また、本発明においては、タイワンクロヅルの根を加工した生薬である雷公藤自体又は当該雷公藤に上記各種担体を加えた組成物を肺高血圧症の予防又は治療剤として用いてもよい。
医薬組成物の実施形態において、組成物中のセラストロール又はその塩の含有量は特に限定されず、セラストロールの含有量換算で、例えば、90質量%以上、70質量%以上、50質量%以上、30質量%以上、10質量%以上、5質量%以上、1質量%以上等の条件から適宜設定できる。
製剤形態は、特に限定されず、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の経口投与剤;注射剤(静脈注射、筋肉注射、局所注射等)、含嗽剤、点滴剤、外用剤(軟膏、クリーム、貼付薬、吸入薬)、座剤等の非経口投与剤等の各種製剤形態を挙げることができる。上記製剤形態のうち、好ましいものとしては、例えば、経口投与剤(錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等)、外用剤(吸入薬、軟膏、クリーム、貼付薬等)等が挙げられる。
本発明において、セラストロール又はその塩の投与量は、投与経路、患者の年齢、体重、症状等によって異なり一概に規定できないが、セラストロールの投与量として、成人に対する1日投与量が通常、約5000mg以下、好ましくは約1000mg以下、より好ましくは500mg以下になる量とすればよい。セラストロール又はその塩の投与量の下限も特に限定されず、例えば、セラストロールの投与量として、成人に対する1日投与量が通常、1mg以上、好ましくは10mg以上、より好ましくは100mg以上の範囲で適宜設定できる。1日1回投与する場合は、1製剤中にこの量が含まれていればよく、1日3回投与する場合は、1製剤中にこの3分の1量が含まれていればよい。
本発明の肺高血圧症の予防又は治療剤は、哺乳動物等の患者に投与される。哺乳動物としては、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ等が挙げられる。
尚、非特許文献6には、セラストロールによるNOX1、NOX2、NOX4、NOX5といったNADPHオキシダーゼ(NOX)の活性の阻害効果について評価されている。また、非特許文献7には、NOXが肺高血圧症に関与している可能性が示唆されている。
しかし、一般的に、ある疾患の発生、進行には、多種多様な因子が関与していることが多いため、1つの因子を遮断しても所望の治療効果が得られるとは限らない。従って、単にある疾患に関与することが知られている因子を当該疾患を治療するための標的とした治療を試みても、必ずしも好ましい結果が得られていない。また、NOXの活性の阻害効果が知られている化合物は多種多様にあり、それらの化合物は異なる構造及び機能を有する。実際、非特許文献8には、NOX阻害剤が血管平滑筋の細胞増殖に影響を及ぼさなかった、という結果が報告されている。さらに、本発明の対象疾患である肺高血圧症については、その原因が十分には明らかにされていない。従って、セラストロール又はその塩が肺高血圧症の予防又は治療に有効であったという本発明者らの見出した新たな知見は、従来技術から予想し得ないものである。
また、本発明の肺高血圧症の予防又は治療剤は、少なくとも肺動脈平滑筋細胞の異常増殖を抑制することにより肺高血圧症、特に肺動脈性肺高血圧症等を予防、治療する。従って、本発明は、セラストロール又はその塩を含む肺動脈平滑筋細胞の増殖抑制剤も提供する。肺動脈平滑筋細胞の異常増殖抑制剤の有効成分、製剤形態、投与量等は、肺高血圧症の予防又は治療剤と同様である。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
セラストロールによる肺高血圧症患者の肺動脈平滑筋細胞(IPAH-PASMC)の増殖抑制能を評価した。具体的には、まず、day-1に10%FBS培地(DMEMにFBSを10%添加)に懸濁した特発性肺動脈性肺高血圧症患者由来の肺動脈平滑筋細胞(IPAH-PASMC)を、5万cell/ml で66μl ずつ96 well plate に細胞播種を行った。細胞播種24時間後(当該時点をday0とする)に終濃度0.001μM、0.01μM、0.1μM、1μM、5μM になるよう、0.003μM、0.03μM、0.3μM、3μM、15μM のセラストロールを1%DMSOを含む10%FBS溶液で33μlずつ各wellに添加した。コントロールには、セラストロールに代えて、1%DMSOを含む10%FBSを33μl添加した。day0(セラストロールの添加直前)にCellTiter 96(登録商標) AQueous One Solution Cell Proliferation Assay(promega)を用いてMTT assay を行いcell viabilityを確認した。さらにセラストロール添加の48時間後のday2に再びMTT assayを行い、cell viabilityの変化を見ることで、細胞増殖抑制効果を評価した。結果を図1に示す。
図1に示すように、セラストロールの48時間刺激によって、特発性肺動脈性肺高血圧症患者由来の肺動脈平滑筋細胞の細胞増殖抑制効果を認めた。
実施例2
次に、in vivoで、セラストロールによる肺高血圧症の治療効果を評価した。具体的には、低酸素誘発肺高血圧モデルマウスに対しセラストロールの影響を検討した。マウスは、9週齢C57BL/6雄性マウス(n=18)に対して8-12%酸素濃度の低酸素チャンバーで28日間飼育することで肺高血圧モデルを作製した。セラストロール群に対しては、セラストロールをDMSOに溶解した後、PBSで希釈しDMSO終濃度1.2%としたPBS溶液を低酸素チャンバーでの飼育開始日から28日間、1mg/kg/2日となるよう腹腔内注射した。Vehicle 群については、セラストロールに代えてDMSO終濃度1.2%としたPBS溶液を同様の量、静脈注射した。低酸素チャンバーで28日間飼育後に殺処分し、圧力カテーテル1.2F(米国トランソニック・サイセンス社)により右室収縮期圧を測定した。また、ホルマリン固定後に右室と左室を切り分けることにより右室/(左室+中隔)重量比を測定した。そしてこれらの結果から、肺高血圧症の程度を評価した。図2に示すように、セラストロール 治療群はコントロール群に比べ、右室収縮気圧と右室/(左室+中隔)重量比の増悪を抑制し、低酸素誘発肺高血圧症の発症を抑制する示唆する結果であった。

Claims (5)

  1. セラストロール又はその塩を含有する、肺高血圧症の予防又は治療剤。
  2. 経口投与剤である、請求項1に記載の肺高血圧症の予防又は治療剤。
  3. セラストロール又はその塩の有効量を投与することを含む、肺高血圧症を予防又は治療する方法。
  4. 肺高血圧症の予防又は治療剤を製造するための、セラストロール又はその塩の使用。
  5. 肺高血圧症の予防又は治療に使用するためのセラストロール又はその塩。
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