JPWO2018034023A1 - 寿命延長剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CD24陰性の間葉系幹細胞を含む寿命延長剤、及び前記寿命延長剤を用いた認知症、脳梗塞、脊髄損傷等の治療に関する。

Description

[関連出願]
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2016−160269号(2016年8月18日出願)の明細書に記載された内容を包含する。
[技術分野]
本発明は、CD24陰性の間葉系幹細胞を含む寿命延長剤に関する。
間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)には、脳(実質及び血管)の保護作用があることが知られている。脳梗塞後のMSC投与は、梗塞体積を減らし、行動機能を改善することが、実験的梗塞モデルを用いて確認されている(非特許文献1〜3、特許文献1)。また、MSCの静脈投与による脳梗塞患者の治療も多数実施され、運動機能や損傷部位の改善が報告されている(非特許文献4、特許文献2)。
一方、脊髄損傷患者についても、MSCの静脈投与により、機能回復、及び軸索再生の促進、損傷部位の低減が認められている。MSCの効果は、これまで急性期の脊髄損傷患者においては多数報告されているが、慢性期の患者に対する研究や予後、寿命に対する効果は十分確認されていない。
MSCの治療メカニズムについては、多数の作用機序が推測されており、これらは神経栄養因子による神経栄養・保護作用、血管新生作用(脳血流の回復)、神経再生の3つに分類される。神経栄養・保護作用は、神経栄養因子であるBDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor)やGDNF(Glial Derived Neurotrophic Factor)等の液性因子を介して発揮されることが予測される。血管新生作用には、二つのメカニズムが考えられ、一つは病巣部に集積したMSCが血管新生因子等を分泌し血管新生を誘導することであり、もう一つは投与されたMSC自身が血管内皮に分化して新たな血管を形成することである。神経再生作用も、二つのメカニズムが考えられ、一つは病巣部に集積したMSCが内因性の神経形成を促進することであり、もう一つは投与されたMSC自身が神経細胞・グリア細胞へと分化することである。
しかしながら、上記の作用機序はいずれも観察された現象からの推測にすぎず、MSCの静脈投与によって脳梗塞や脊髄損傷が治療されるメカニズムは実証されていない。
WO2002/000849号 WO2009/034708号
Iihoshi S.et al.,Brain Res.2004;1007:1−9. Nomura T.et al.,Neuroscience.2005;136:161−169. Honma T.et al.,Exp.Neurol.2006;199:56−66. Honmou O.et al.,Brain.2011;134:1790−1807.
本発明の課題は、間葉系幹細胞(MSC)の新たな効果を見出し、MSC移植の治療戦略や新たな臨床応用を確立することにある。
発明者らは、SHRSP(Stroke−prone spontaneously hypertensive rats)において、MSCを静脈投与することで寿命が延長されることを確認した。さらに、通常の老齢ラットにおいても、MSCの静脈投与により運動機能の亢進が認められることが確認された。これらのことから、MSCの静脈投与には、疾病の有無に拘わらず、一般的に延命効果があると考えられる。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(15)に関する。
(1)骨髄又は血液に由来するCD24陰性の間葉系幹細胞を含む、寿命延長剤。
(2)細胞が、CD73、CD90、CD105、及びCD200から選ばれる少なくとも1以上が陽性、及び/又はCD19、CD34、CD45、CD74、CD79α、及びHLA−DRから選ばれる少なくとも1以上が陰性である、上記(1)に記載の寿命延長剤。
(3)細胞が骨髄又は血液、好ましくはヒト骨髄又は血液に由来する、上記(1)又は(2)に記載の寿命延長剤。
(4)骨髄又は血液が、寿命延長剤の投与を受ける対象の骨髄又は血液である、上記(3)に記載の寿命延長剤。
(5)細胞がヒト血清を含む培地中で増殖されたものである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の寿命延長剤。
(6)ヒト血清が、寿命延長剤の投与を受ける対象の自己血清である、上記(5)に記載の寿命延長剤。
(7)静脈内投与製剤、腰椎穿刺投与製剤、脳内投与製剤、脳室内投与製剤、局所投与製剤、又は動脈内投与製剤である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の寿命延長剤。
(8)静脈内投与製剤である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の寿命延長剤。
(9)細胞が、抗凝固剤を含まない、あるいは抗凝固剤が0.02U/mL未満である培地中で増殖、富化されたものである、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の寿命延長剤。
(10)骨髄又は血液が、採取時に添加される抗凝固剤の量を該骨髄又は血液の容積に対して0.2U/mL未満として調製されたものである、上記(3)〜(9)のいずれかに記載の寿命延長剤。
(11)抗凝固剤が、ヘパリン、ヘパリン誘導体又はその塩である、上記(9)又は(10)に記載の寿命延長剤。
(12)対象の運動機能及び/又は認知機能を改善させる、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の寿命延長剤。
(13)対象の脳組織におけるFoxO1遺伝子の発現を亢進させる、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の寿命延長剤。
(14)さらにTGF−β1、ALK5、及びSmad3からなる群から選ばれる1又は2以上の遺伝子の発現を亢進させる、上記(13)に記載の寿命延長剤。
(15)投与後に間葉系幹細胞がTGF−β1を分泌しうる、上記(5)、(6)、(9)〜(11)のいずれかに記載の寿命延長剤。
本発明により、静脈投与されたMSCが、脳梗塞、脊髄損傷、認知症などの神経疾患を有する患者だけでなく、健常人においても、運動機能を改善させ、寿命を延長しうることが確認された。よって、健常人(とくに中高年者)の若返りや寿命延長、(とくに若年者の)体力増強を目的として、MSCを投与することができる。また、認知症(血管性認知症、アルツハイマー型認知症)や、脳梗塞及び脊髄損傷などの難治性神経疾患患者においては、神経機能や運動機能の改善と合わせて、その治療後の寿命延長効果を期待してMSCを投与することができる。
図1は、MSCを投与したSHRSPにおける投与日からの日数と生存率の関係を示すカプランマイヤー曲線である。検定はLog−rank法で行い、p<0.05を有意水準とした。 図2は、17週齢の老齢ラットにおけるMSC投与による運動機能の改善を示す(−●−:MSC投与群、−■−:DMEM投与群)。 図3は、50週齢の老齢ラットにおけるMSC投与による生存率の向上を示す(−●−:MSC投与群、−■−:DMEM投与群)。 図4は、50週齢の老齢ラットにおけるMSC投与による運動機能の改善を示す(−●−:MSC投与群、−■−:DMEM投与群)。 図5は、50週齢の老齢ラットにおけるMSC投与による、投与10週後における認知機能の改善を示す(−●−:MSC投与群、−■−:DMEM投与群)。 図6は、MSC投与後のラット脳組織の免疫染色結果を示す。(A)DAPI/GFP、(B)DAPI/TGF−β1、(C)Merge(GFP/TGF−β)、(D)DAPI/GFP(MSC)/TGF−β1 図7は、MSC投与後のラット脳組織の免疫染色結果を示す。GFP(MSC)/TGF−β1 図8は、SDラットにおけるMSC投与による遺伝子発現の変化を示す。(A)FoxO1(長寿遺伝子)、(B)TGF−β1、(C)ALK5、(D)Smad5。 図9は、MSCの寿命改善するメカニズム(推定)を示す。
[間葉系幹細胞]
本発明で使用される「間葉系幹細胞」とは、間葉系組織の間質細胞の中に微量に存在する多分化能及び自己複製能を有する幹細胞であり、骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞などの結合組織細胞に分化するだけでなく、神経細胞や心筋細胞への分化能を有することが知られている。
間葉系幹細胞は、骨髄、末梢血、臍帯血、胎児胚、胎盤、脂肪、脳など全身に存在するが、本発明においては骨髄又は血液由来の間葉系幹細胞(骨髄間葉系幹細胞)、とくにヒト骨髄又は血液由来の間葉系幹細胞(ヒト骨髄間葉系幹細胞)が好ましい。骨髄間葉系幹細胞は、1)顕著な効果が期待できる、2)副作用の危険性が低い、3)充分なドナー細胞の供給が期待できる、4)非侵襲的な治療であり自家移植が可能である、5)感染症のリスクが低い、6)免疫拒絶反応の心配がない、7)倫理的問題がない、8)社会的に受け入れられやすい、9)一般的な医療として広く定着しやすいなどの利点がある。さらに、骨髄移植療法は、既に臨床の現場で用いられている治療であり、安全性も確認されている。また、骨髄由来の幹細胞は遊走性が高く、局所への移植ばかりか、静脈内投与によっても目的の損傷組織へ到達し、治療効果が期待できる。
前記細胞は、ES細胞や誘導多能性幹細胞(iPS細胞等)から分化誘導した細胞であっても、株化された細胞であっても、生体から単離・増殖させた細胞であってもよい。細胞は、生体内のどの組織(例えば、脂肪、臍帯、胎盤、羊膜など)からでも採取でき、特に限定されない。細胞は、他家細胞由来でも自家細胞由来であってもよいが、自家細胞由来(患者自身の細胞に由来する)間葉系幹細胞が好ましい。
本発明で使用される間葉系幹細胞は、分化マーカーであるCD24陰性であり、未分化状態を維持した細胞である。そのため、増殖率及び生体内導入後の生存率が高いという特徴を有する。発明者らは、こうした未分化な間葉系幹細胞の取得方法も開発しており、その詳細はWO2009/002503号に記載されている。
CD24のほか、本発明で使用される間葉系幹細胞は、CD73、CD90、CD105、及びCD200から選ばれる少なくとも1以上が陽性、及び/又はCD19、CD34、CD45、CD74、CD79α、及びHLA−DRから選ばれる少なくとも1以上が陰性であることで特徴づけられる。好ましくは、本発明で使用される間葉系幹細胞は、CD73、CD90、CD105、及びCD200の2以上が陽性であり、CD19、CD34、CD45、CD74、CD79α、及びHLA−DRの4以上が陰性であることで特徴づけられる。より好ましくは本発明で使用される間葉系幹細胞は、CD73、CD90、CD105、及びCD200が陽性であり、CD19、CD34、CD45、CD74、CD79α、及びHLA−DRが陰性であることで特徴づけられる。
発明者らが開発した前記方法では、骨髄液等から抗凝固剤(ヘパリン等)と実質的に接触しない条件で分離した細胞を、ヒト血清(好ましくは、自家血清)を含み、かつ、抗凝固剤(ヘパリン等)を含まないかあるいは極めて低濃度で含む培地を用いて増殖させる。
培地における細胞の密度は、細胞の性質及び分化の方向性に影響を与える。間葉系幹細胞の場合、培地中の細胞密度が8,500個/cmを超えると、細胞の性質が変化してしまうため、最大でも8,500個/cm以下で継代培養させることが好ましく、より好ましくは、5,500個/cm以上になった時点で継代培養させる。
発明者らが、開発した前記方法ではヒト血清含有培地を使用するため、血清ドナーの負担を考慮して、培地交換はなるべく少ない回数であることが望ましく、例えば、少なくとも週1回、より好ましくは週1〜2回の培地交換を行う。
培養は、細胞の総数が10個以上になるまで継代培養を繰り返し行う。必要とされる細胞数は、使用目的に応じて変化し得るが、例えば、脳梗塞の治療のための移植に必要とされる間葉系幹細胞の数は、10個以上と考えられている。発明者らが開発した方法によれば、12日間程度で10個の間葉系幹細胞を得ることができる。
増殖したMSCは、必要に応じて、使用されるまで凍結保存などの手法で(例えば、−152℃のディープフリーザーにて)保存してもよい。凍結保存には、血清(好ましくはヒト血清、より好ましくは自家血清)、デキストラン、DMSOを含む培地(RPMI等の哺乳動物細胞用の培地)を凍結保存液として使用する。例えば、通常の濾過滅菌したRPMI20.5mLと、患者から採取した自己血清20.5mL、デキストラン5mL、DMSO 5mLを含む凍結保存液に細胞を懸濁して−150℃で凍結保存することができる。例えば、DMSOとしては、ニプロ株式会社製のクライオザーブ、デキストランとしては、大塚製薬製の低分子デキストランL注を使用できるが、これらに限定されない。
本発明のMSCは投与後にTGF−β1を分泌しうる。MSCの投与は、対象の組織(例えば脳組織)において、TGF−β1/Smad3経路を活性化し、長寿遺伝子と言われるFoxO1遺伝子の発現を亢進させることで、対象の運動機能、認知機能、生存期間を高めることが推定される。
[寿命延長剤]
本発明の「寿命延長剤」は、CD24陰性の間葉系幹細胞(MSC)を含む細胞製剤であり、投与された対象の寿命を延長させる効果を有する医薬である。後述するように、本発明の「寿命延長剤」は、健常人においては、運動機能改善等の様々な作用を通じて、寿命延長効果を有し、認知症ならびに脳梗塞及び脊髄損傷などの難治性神経疾患患者においては、神経機能や運動機能の改善と合わせて、治療後の寿命延長効果を有する。
本発明の寿命延長剤に含まれるMSCの細胞数は、多い程好ましいが、対象への投与時期や、培養に要する時間を勘案すると、効果を示す最小量であることが実用的である。したがって、本発明の寿命延長剤の好ましい態様において、間葉系幹細胞の細胞数は、10個以上、好ましくは5×10個以上、より好ましくは10個以上、さらに好ましくは5×10個以上である。
本発明の寿命延長剤は、好ましくは非経口投与製剤、より好ましくは非経口全身投与製剤、特に静脈内投与製剤である。非経口投与に適した剤形としては、溶液性注射剤、懸濁性注射剤、乳濁性注射剤、用時調製型注射剤等の注射剤や移植片などが挙げられる。非経口投与用製剤は、水性又は非水性の等張性無菌溶液もしくは懸濁液の形態であり、例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、培地(とくに、RPMI等の哺乳動物細胞の培養に用いられる培地)、PBSなどの生理緩衝液、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、賦形剤、ビヒクル、防腐剤、結合剤等を適宜組み合わせて、適切な単位投与形態に製剤化される。
注射用の水溶液としては、例えば、生理食塩水、培地、PBSなどの生理緩衝液、ブドウ糖やその他の補助剤を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール、塩化ナトリウム等が挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールや非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80、HCO−50等と併用してもよい。
本発明の寿命延長剤は、認知症、脳梗塞、脊髄損傷、神経変性疾患、精神疾患を罹患している患者において、運動機能や単純な認知機能を改善するとともに、注意障害、記憶障害、失語症、失念、失行、遂行機能、情緒障害等の高次機能を改善し、治療後の対象の寿命も延長することができる。さらに、健常人おいても、若返りや体力増強、寿命延長効果を有する。
認知症は、後天的な脳の障害により、正常に発達した知能が不可逆的に低下し、認知障害を呈する疾患で、アルツハイマー型認知症、脳血管型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症を挙げることができる。本発明の寿命延長剤は、認知症患者において、認知機能を改善することに加えて(特願2016−091286、特願2016−091300)、生活全般の質を向上させることができるため、その余命を延ばすことができる。
脳梗塞は、脳動脈の閉塞又は狭窄により脳虚血を来たし、脳組織が壊死又はこれに近い状態になる病態を言う。MSCには、脳(実質及び血管)の保護作用があり、急性期や亜急性期の脳梗塞においては、MSCの静脈投与は、梗塞体積を減らし、行動機能を改善する。壊死した細胞や損傷を受けた神経線維は慢性期になると元には戻らないため、慢性期の脳梗塞においては、再発の防止とともに、壊死した細胞の周辺に存在する、死滅していない細胞や、機能停止している細胞を回復させ、病状を軽減することが治療の中心と考えられてきた。しかし、MSCの静脈投与により、神経回路の再建と正常組織による代償を促進させることで、慢性期の脳梗塞においても、運動機能や脳機能を回復させることに加えて(特願2016−091286、特願2016−091300)、その余命を延ばすことができる。これは、寝たきりになると全身衰弱が進み、筋肉のみならず内臓も機能低下するが、MSC治療により歩行運動が可能になることより、全身の筋肉や内臓を含めて健康を回復・維持することができるためである。
脊髄を含む中枢神経系は末梢神経と異なり、一度損傷すると修復・再生されることはない。とくに、瘢痕化の進んだ慢性期脊髄損傷に対する治療は難しく、ES細胞を用いた臨床試験も試みられたが成功に至っていない。しかし、MSCの静脈投与により、神経回路の再建と正常組織による代償を促進させることで、慢性期の脊椎損傷においても、運動機能や神経機能の回復させることに加えて(特願2016−091286、特願2016−091300)、その余命を延ばすことができる。上述のとおり、寝たきりになると全身衰弱が進み、筋肉のみならず内臓も機能低下するが、MSC治療により歩行運動が可能になることより、全身の筋肉や内臓を含めて健康を回復・維持することができるためである。
本発明の寿命延長剤は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、進行性核上性麻痺(PSP)、ハンチントン病、多系統萎縮症(MSA)、黒質線状体変性症(SND)、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、脊髄小脳変性症(SCD)等の神経変性疾患にも有用である。
さらに、本発明の寿命延長剤は、統合失調症、躁うつ病、人格障害、気分障害、心理発達障害、ストレス関連障害、自閉症、学習障害、行動・情緒障害、精神遅滞、睡眠障害、摂食障害、同一性障害、解離性障害、適応障害、アルコール性障害、依存症、等の精神疾患にも有用である。
以下、実施例により本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1.脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)における延命効果
1.材料・方法
(1)ラット骨髄由来間葉系幹細胞の調製
実験は、札幌医科大学の動物実験管理規定にしたがって実施した。既報に従い、成熟SDラットの大腿骨から得た骨髄をダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)で25mlに希釈し、加熱不活化した10% FBS、2mM l−グルタミン、100U/ml ペニシリン、0.1mg/ml ストレプトマイシンを添加し、5%CO雰囲気下37℃で3日間インキュベートした(Kim S.et al.,Brain Res.2006;1123:27−33.Ukai R.et al.,J.Neurotrauma.2007;24:508−520.)。コンフルエントになるまで培養し、接着細胞をトリプシン−EDTAで剥離し、1×10cells/mlの密度で3回継代培養して間葉系幹細胞(MSC)を得た。
(2)脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)
SHRSP(Stroke−prone spontaneously hypertensive rat)は、星野試験動物飼育所より購入した。このラットは、毎世代脳卒中で死亡した親からの仔を選抜・交配して確立された脳卒中易発性高血圧自然発症ラットで、高血圧によって血液脳関門の破綻を生じ、脳梗塞や脳出血、認知症を発症し、短命である。
(3)生存率の評価
16〜20週の時点で、脳梗塞又は脳出血を起こしていたラットを対象として、MSC群とDMEM群に分けた。
MSC群(培地+MSC;n=8):
新鮮な培地(DMEM)で全量1mlとしたMSCs(1.0×10cells)を静脈投与した。
DMEM群(培地のみ;n=8):
新鮮な培地(DMEM;1ml)を静脈投与した。
すべてのラットに毎日シクロスポリンA(10mg/kg)を腹腔内投与した。静脈投与はすべて左大腿静脈から行った。MSCあるいはDMEM投与日から死亡日までの日数をカプランマイヤー法で評価した。検定はLog−rank法で行い、p<0.05を有意水準とした。
2.結果
図1に示されるとおり、MSC群では、DMEM群に比べて顕著な延命が確認された(Log−rank法 p=0.0082)。このことから、脳梗塞モデルにおいて、MSC投与により、神経機能や運動機能の回復だけでなく、寿命も延長できることが確認された。
実施例2.老齢ラットにおける運動機能の亢進
SHRSPは、高塩食を与えることで自然に血管が老化し血圧が高くなり、最終的には脳梗塞や脳出血、認知症を呈するようになるが、これは人間の老化現象とも似ている。よって、MSCの静脈投与がSHRSPの寿命を延長させたことは、通常の高齢者においても寿命延長効果を有することを示唆する。そこで、本実施例では、17週齢の老齢ラットを用いて、MSCの運動機能に対する効果を評価した。
1.材料・方法
MSCは実施例1にしたがって調製した。9週齢で実施例3に記載した方法で脳梗塞を誘導し、その後8週経過後のSDラット(17週齢)を、以下のとおり、無作為に2群に分けた。
MSC群(生理食塩水+MSC;n=8):
17週齢のSDラットに、培地(DMEM)で全量1mlとしたMSCs(1.0×10cells)を左大腿静脈より投与した。
DMEM群(培地;n=8):
17週齢のSDラットに、新鮮な培養液(DMEM;1ml)を左大腿静脈より投与した。
ラットは、リハビリテーションを行わず、シクロスポリンA(10mg/kg)を移植後1週間は連日、その後は隔日投与した。毎週トレッドミル(角度20度)にて運動評価を行った。
2.結果
図2に示すとおり、MSC群は、もともと運動機能が良いものはその機能が維持され、低いものは運動機能が改善した。一方、DMEM群は、徐々に運動機能の低下を認めた。よって、健常人においても、MSC投与は老化による運動機能の低下を抑制し、寿命を延長させることが期待できる。
実施例3.脳梗塞モデルラットにおける治療効果
脳梗塞モデルとして、ラット一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)モデルを使用した。既報にしたがい、成熟雌性SDラット(200−250g)をケタミン(75mg/kg)及びキシラジン(10mg/kg)で麻酔し、20.0−22.0mmの塞栓糸(MONOSOF)を外頸動脈から挿入して、一過性中大脳動脈閉塞を誘導する(Honma T.et al.,Exp.Neurol.2006;199:56−66.Sasaki M.et al.,Methods Mol.Biol.2009;549:187−195.)。このラットを脳梗塞モデルとして、MSC投与の脳梗塞に対する延命効果を実施例1にしたがって実施することができる。
実施例4.慢性期脊髄損傷モデルにおける治療効果
既報にしたがい、成熟雄性SDラットをケタミン(90mg/kg)及びキシラジン(4mg/kg)で麻酔し、T9−T10レベルの脊髄を、椎弓切除により露出し、脊髄損傷作製装置(Infinite Horizon Impactor、60−kilodyne)を用いて圧迫挫滅することで慢性期脊髄損傷モデルラットを作製することができる(Matsushita et al.,2015)。このラット慢性期脊髄損傷モデルにより、MSC投与の認知症に対する延命効果を実施例1にしたがって実施することができる。
実施例5.老齢ラットにおける延命効果
50週齢の正常ラットを用いて、MSC投与の生存率、運動機能、認知機能に対する効果を評価した。
1.材料・方法
MSCは実施例1にしたがって調製した。何も処置をしていないSDラットを、以下のとおり無作為に2群に分け、MSC又は培地(DMEM)を投与した。
MSC群(生理食塩水+MSC;n=15):
50週齢のSDラットに培地(DMEM)で全量1mlとしたMSCs(1.0×10cells)を左大腿静脈より投与した。
DMEM群(培地;n=15):
50週齢のSDラットに新鮮な培養液(DMEM;1ml)を左大腿静脈より投与した。
すべてのラットはリハビリテーションを行うことなく、シクロスポリンA(10mg/kg)をMSC投与から1週間は毎日、それ以後は隔日で腹腔内投与した。
(1)生存率の評価
MSC(n=10)あるいはDMEM(n=9)投与日から死亡日までの日数をカプランマイヤー法で評価した。結果を図3に示す。
(2)運動機能の評価
実施例2にしたがい、MSC群(n=10)及びDMEM群(n=9)について、毎週トレッドミル(角度20度)にて運動評価を行った。結果を図4に示す。
(3)認知機能の評価
MSC投与の老齢ラットの認知機能に対する効果を水迷路試験(Morris Water Maze Test(MWM)テスト)により検証した。水温24℃の白濁させた不透明水で、直径1.3mの円形のプールを深さ30cmでみたし、水面直下にゴールとなるプラットフォームを置きプールの端からラットを入れてゴールに到達するまでの時間を測定した。
測定はビデオトラッキングにて実施し(Anymaze tracking software(Stoelting Co.)、移植前5日間と移植後10週目から連続6日間で行った。1日目は、1分間4サイクルの装置順化を行い、2日目から、連続5日間で到達時間を測定した。1日4サイクルの測定を行い、平均値を測定値とした。結果を図5に示す。
2.結果
図3〜5に示されるとおり、MSC群では、DMEM群に比べて顕著な生存率、運動機能、認知機能の向上が確認された。このことから、老齢正常ラットにおいても、MSC投与は延命効果を有することが確認された。
実施例6.MSC投与による遺伝子発現の変化
1.材料・方法
実施例1で用いた認知症モデル動物(SHRSP)で、16〜20週の時点で、脳梗塞又は脳出血を起こしていたラットを対象として、発症後2週間後に、MSC群とDMEM群に分けて、GFPでラベルしたMSC(MSC−GFP) 1.0×10cells/ml・DMEMを左大腿静脈より投与した。MSC−GFP投与の1週間後に、ラットを屠殺し、PBS 200mlで潅流を行い、脳組織を摘出した。
摘出した脳組織はイソペンタンで凍結(shock frozen)し、使用するまで−80℃で保存した。脳組織を30μmでスライスして冠状断の標本を作製し、免疫染色を行った。免疫染色は、一次抗体として、抗GFP抗体(ニワトリポリクローナル抗体(1:1000;Abcam,ab13970)、抗TGF−β1抗体(ウサギポリクローナル抗体(1:100;Abcam,ab92486)を使用し、二次抗体として、AF488コンジュゲートヤギ抗ニワトリイムノグロブリン(1:1000)、AF594コンジュゲートヤギ抗ウサギイムノグロブリン(1:1000)を用いた。
LSM780共焦点レーザー走査型顕微鏡(Laser:Argon 488(GFP)、561(TGF−β1)、Objective:Plan−Apochromat 10x/0.45 M27,Zeiss)により免疫染色後の標本を観察した。結果を図6及び7に示す。
2.結果
MSC投与後の脳組織では、GFPとTGF−β1が共発現していた。この結果は、MSCからTGF−β1が分泌されていることを示唆する。
実施例7.MSC投与による遺伝子発現の変化
1.材料・方法
試料は実施例6にしたがって調製した。以下のとおり無作為に2群に分け、MSCまたは培地(DMEM)を投与した。
MSC群(生理食塩水+MSC;n=4):
ラットに培地(DMEM)で全量1mlとしたMSCs(1.0×10cells)を左大腿静脈より投与した。
DMEM群(培地;n=4):
ラットに新鮮な培養液(DMEM;1ml)を左大腿静脈より投与した。
すべてのラットはリハビリテーションを行うことなく、シクロスポリンA(10mg/kg)をMSC投与から1週間は毎日腹腔内投与した。
投与1週間後にラットを屠殺し、20〜30mgの皮質をすみやかに採取し、RNeasy Plus Mini kit(Qiagen)を用いて、RNAを抽出した。次いで、1μgのRNAからSuperScript III reverse transcriptase(Qiagen)を用いてcDNAを作成した。プライマーは、TaqManプローブ(Thermo Fisher Scientific Inc.)を購入し、TaqMan Universal Master Mix II with UNGを用いてRT−PCRを行った。GAPDH(TaqMan rodent GAPDH control reagents)を内因性コントロールとして、Fox01、TGF−β1、ALK5、Smad3の発現を解析した。PCRはABI−StepOne リアルタイムPCRシステム(Thermo Fisher Scientific Inc.)を用いて行い、95℃3分加温後に、95℃15秒、55℃60秒のサイクルを40回繰り返し、比較Ct法により各遺伝子の発現量を評価した。結果を図8に示す。
2.結果
MSC群はDMEM群と比較して、Fox01、TGF−β1、ALK5、Smad3のいずれも有意に高く発現していた(図8、下表1)。
3.考察
MSCの投与により、TGF−β1/Smad3経路が活性化し、FoxO1の発現が亢進している可能性が示唆された(図9)。この結果は、長寿遺伝子として注目されているFoxO1を活性化することで、MSCが対象の生存期間を延長させる可能性を示唆する。
本発明は、延命が望まれる対象の治療に有用である。とくに、認知症、脳梗塞、脊髄損傷などの神経変性疾患、精神疾患等については、神経機能や運動機能の改善に加えて、対象の延命を図ることができるため、MSCを使用した新たな治療戦略を確立できる。さらに健常な対象においても、対象の運動機能の向上や延命を図ることができ、MSCの投与は疾病の有無に拘わらず対象の寿命延長に有用である。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。

Claims (11)

  1. CD24陰性の間葉系幹細胞を含む、寿命延長剤。
  2. 細胞が、CD73、CD90、CD105、及びCD200から選ばれる少なくとも1以上が陽性、及び/又はCD19、CD34、CD45、CD74、CD79α、及びHLA−DRから選ばれる少なくとも1以上が陰性である、請求項1に記載の寿命延長剤。
  3. 細胞が骨髄又は血液由来である、請求項1又は2に寿命延長剤。
  4. 骨髄又は血液が、寿命延長剤の投与を受ける対象の骨髄又は血液である、請求項3に記載の寿命延長剤。
  5. 細胞がヒト血清を含む培地中で増殖されたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の寿命延長剤。
  6. ヒト血清が、寿命延長剤の投与を受ける対象の自己血清である、請求項5に記載の寿命延長剤。
  7. 静脈内投与製剤、腰椎穿刺投与製剤、脳内投与製剤、脳室内投与製剤、局所投与製剤、又は動脈内投与製剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の寿命延長剤。
  8. 静脈内投与製剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の寿命延長剤。
  9. 細胞が、抗凝固剤を含まない、あるいは抗凝固剤が0.02U/mL未満である培地中で増殖、富化されたものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の寿命延長剤。
  10. 骨髄又は血液が、採取時に添加される抗凝固剤の量を該骨髄又は血液の容積に対して0.2U/mL未満として調製されたものである、請求項3〜9のいずれか1項に記載の寿命延長剤。
  11. 抗凝固剤が、ヘパリン、ヘパリン誘導体又はその塩である、請求項9又は10に記載の寿命延長剤。
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