JPWO2018008107A1 - 乗客コンベア - Google Patents
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Abstract
本発明に係る乗客コンベアは、操作信号を出力する端末装置と、操作信号に基づいて、乗客コンベアの運転を統括制御するコントローラーとを備え、操作信号が有効であるか無効であるかをコントローラーが判定するための判定用信号を出力するインターロック処理回路をさらに備え、コントローラーは、インターロック処理回路から出力された判定用信号と端末装置から出力された操作信号とに基づいて、操作信号が有効であるか無効であるかを判定し、有効であると判定した操作信号に基づいて乗客コンベアの運転を統括制御する。
Description
本発明は、運行管理時、保守点検作業時における操作性を改善する乗客コンベアに関する。
乗客コンベアの運行管理時あるいは保守点検作業時に、管理者あるいは保守員に相当する操作者による操作入力に基づいて、運転/停止や速度の切替え、あるいは照明の点灯/消灯等を行う従来の乗客コンベアの操作装置がある。このような従来装置では、乗降口に設けたキースイッチにより、専用のキーを保有した操作者のみの操作を可能としている。このような専用キーを用いた運用を採用することで、専用キーを所有する者以外による操作を防止している。
また、保守点検時に、持ち運び自在の操作盤を接続することで、踏段の移動速度等を遠隔制御可能とするマンコンベアに係る従来技術もある(例えば、特許文献1参照)。このような操作盤を利用することで、点検者は、自身の意思どおりに踏段を移動させながら、所望の点検作業を実施できる。この結果、点検作業の省力化を実現している。
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
前者のような、専用キーを用いた従来装置は、キースイッチの設置スペース、キースイッチの仕様から、キースイッチの取付個数や操作方法が、限定されたものとなっていた。従って、運行管理時、保守点検作業時の操作性に問題があった。
前者のような、専用キーを用いた従来装置は、キースイッチの設置スペース、キースイッチの仕様から、キースイッチの取付個数や操作方法が、限定されたものとなっていた。従って、運行管理時、保守点検作業時の操作性に問題があった。
また、後者のような、持ち運び自在の操作盤を接続する従来のマンコンベアも、キースイッチの取付個数や操作方法が、限定されたものとなっていた。さらに、この従来のマンコンベアは、操作盤のキーが押されることで、コンベアを容易に遠隔操作できる半面、キーが押されると、そのキーに対応した動作が必ず実行されてしまう。従って、インターロック機能が十分であるとはいえなかった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、運行管理時、保守点検作業時の操作性の改善およびインターロック機能の強化を兼ね備えた乗客コンベアを得ることを目的とする。
本発明に係る乗客コンベアは、乗客コンベアの運転/停止を含む操作信号を出力する端末装置と、端末装置から出力された操作信号に基づいて、乗客コンベアの運転を統括制御するコントローラーとを備えた乗客コンベアであって、操作信号が有効であるか無効であるかをコントローラーが判定するための判定用信号を出力するインターロック処理回路をさらに備え、コントローラーは、インターロック処理回路から出力された判定用信号と端末装置から出力された操作信号とに基づいて、操作信号が有効であるか無効であるかを判定し、操作信号が有効であると判定した場合には、操作信号に基づいて乗客コンベアの運転を統括制御するものである。
本発明によれば、乗客コンベアの操作信号を生成してコントローラーに送信する端末装置と、操作信号が有効であるか無効であるかをコントローラーが判定するための判定用信号を出力するインターロック処理回路とを含む構成を備えている。この結果、運行管理時、保守点検作業時の操作性の改善およびインターロック機能の強化を兼ね備えた乗客コンベアを得ることができる。
以下、本発明に係る乗客コンベアの好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、専用キーを用いた従来の乗客コンベアとの比較により、操作性の改善およびインターロック機能の強化について説明する。ただし、持ち運び自在の操作盤を接続する従来のマンコンベアに対しても、同様の構成により、操作性の改善およびインターロック機能の強化を実現できることは明らかである。
なお、以下では、まず始めに、従来技術の具体的な構成を、図11〜図14を用いて説明するとともに、本願の目的を説明し、その後、本願の具体的な構成を各実施の形態1〜3で詳述する。
図11は、従来の乗客コンベアにおける操作装置の設置場所を示す説明図である。図11において、乗客コンベアの長手方向に沿って配置されたトラス(主枠)1には、無端状に連結された複数の踏段2が支持されている。各踏段2は、トラス1内に設置された駆動機(図示せず)の駆動力によって循環移動される。
トラス1上には、トラス1の幅方向について対向する一対の欄干装置3が設けられている。各欄干装置3には、各踏段2と同期して移動される移動手摺4がそれぞれ支持されている。移動手摺4は、欄干装置3の外周部に沿って移動される。そして、乗客コンベアの運行管理時、保守点検作業時に使用する操作装置として、上部には操作装置100(1)が設けられ、下部には操作装置100(2)が設けられている。
図12は、従来の乗客コンベアにおいて、コンベア上部に設けられた操作装置100(1)の構成例を示す図である。また、図13は、従来の乗客コンベアにおいて、コンベア下部に設けられた操作装置100(2)の構成例を示す図である。さらに、図14は、図12または図13で使用されるキースイッチの説明図である。
図12、図13に例示したように、操作装置100(1)、操作装置100(2)は、スペース上の制約から、設置可能なキースイッチの個数が、最大でも3〜4個に制限される。ここで、キースイッチの具体的な構成としては、図14に示すように、二点二抜、三点中抜のものが挙げられる。
二点二抜のキースイッチでは、例えば、ON/OFFの2つの操作を行う場合には、ON/OFFのいずれかの位置にキー操作し、ON/OFFの位置でキーを抜く操作が行われる。同様に、図示はしていないが、三点三抜のキースイッチでは、例えば、低速/中速/高速の3段階の操作を行う場合には、低速/中速/高速のいずれかの位置にキー操作し、低速/中速/高速の位置でキーを抜く操作が行われる。
一方、三点中抜のキースイッチでは、例えば、ON/OFFの2つの操作を行う場合には、ON/OFFの位置に操作した後、真中の何もない位置でキーを抜く操作が行われる。
従って、同じキースイッチを上下部の操作装置100(1)、100(2)の両方に設置する場合には、二点二抜、あるいは三点三抜では、異なる設定状態が発生してしまうため、使用できず、三点中抜のような何の設定もない位置でキーを抜く構成のみが使用可能である。
また、例えば、速度設定を行う場合を考えると、三点三抜のキースイッチを採用したとしても、最大で3段階の設定となり、キースイッチでは、3段階よりも細かい設定はできなかった。
図12、図13では、運転方向をDOWN/UPのいずれかに設定するためのキースイッチ101、および照明をON/OFFのいずれかに設定するためのキースイッチ102が、三点中抜の構造として設けられている。また、速度をL/Hのいずれかに設定するためのキースイッチ103は、二点二抜の構造として、上部の操作装置100(1)のみに設けられている。
乗客コンベアの運転には、専用キーを所持する操作者による操作が必要である。このため、安全装置の動作などで一旦停止した乗客コンベアを再度運転する必要が生じた場合には、操作者は、キーを取りに行ってから乗客コンベアまで戻る必要がある。この結果、復旧に時間がかかり、利便性が悪かった。
ここで、乗客コンベアにキースイッチを設けている理由としては、点検・復旧操作を行う前に、以下のような確認作業を行う安全上からの理由もある。
・乗客コンベアの踏段上に、利用者がいないことを確認し、起動や停止に伴う踏段速度の変化による転倒の事前防止を図る。
・安全装置が動作した状態で、機器に挟まれたままの利用者あるいは物がないことを確認した後に復旧操作を可能とすることで、二次災害の防止を図る。
・乗客コンベアの踏段上に、利用者がいないことを確認し、起動や停止に伴う踏段速度の変化による転倒の事前防止を図る。
・安全装置が動作した状態で、機器に挟まれたままの利用者あるいは物がないことを確認した後に復旧操作を可能とすることで、二次災害の防止を図る。
そこで、本発明では、安全性の確認を確実に行った上で、利便性、操作性を向上させることのできる乗客コンベアを得ることを目的としている。そして、本発明は、この目的を達成するために、以下のような構成1、2を採用している。
<構成1>利便性、操作性を改善する構成について
本発明では、操作スイッチを乗客コンベア本体には設けずに、本体とは別の端末装置に設ける構成を採用する。この結果、配置スペースに起因する操作スイッチの個数や操作性の制約を取り除く。なお、操作スイッチとしては、従来のキースイッチには限定されず、操作性に優れた種々のスイッチを採用することが可能である。
本発明では、操作スイッチを乗客コンベア本体には設けずに、本体とは別の端末装置に設ける構成を採用する。この結果、配置スペースに起因する操作スイッチの個数や操作性の制約を取り除く。なお、操作スイッチとしては、従来のキースイッチには限定されず、操作性に優れた種々のスイッチを採用することが可能である。
また、本発明で採用する端末装置は、従来からの操作性を維持するために、図11〜図13で説明した従来のキースイッチと同様のインターフェースを用いることができる。また、スマートフォンを端末装置として利用し、スマートフォンの画面操作により、キースイッチと同様の操作を実現することで、操作性をさらに改善することも可能である。
<構成2>確認作業を考慮した構成について
本発明では、オペレータが安全上の確認作業を行わない限り、上述した構成1により乗客コンベアを操作できないようにするインターロック機能を採用している。
本発明では、オペレータが安全上の確認作業を行わない限り、上述した構成1により乗客コンベアを操作できないようにするインターロック機能を採用している。
そこで、端末装置が有するインターロック機能の具体的な構成について、実施の形態1〜3に分けて、以下に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る乗客コンベアで用いられる操作装置の設置場所を示す説明図である。図1において、トラス(主枠)1、踏段2、欄干装置3、移動手摺4は、先の図11における説明と同一である。本実施の形態1に係る乗客コンベアで用いられる操作装置は、上部および下部に設けられた操作釦11(1)、11(2)、および乗客コンベア本体とは別構成の端末装置20を備えて構成されている。
図1は、本発明の実施の形態1に係る乗客コンベアで用いられる操作装置の設置場所を示す説明図である。図1において、トラス(主枠)1、踏段2、欄干装置3、移動手摺4は、先の図11における説明と同一である。本実施の形態1に係る乗客コンベアで用いられる操作装置は、上部および下部に設けられた操作釦11(1)、11(2)、および乗客コンベア本体とは別構成の端末装置20を備えて構成されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る乗客コンベアで用いられる操作装置に含まれる端末装置20の構成例を示す図である。この図2に示した端末装置20は、リモートコントローラー20aとして構成されており、3つのスイッチ21〜23を備えて構成されている。
スイッチ21は、運転方向をDOWN/UPのいずれかに設定するためのキースイッチであり、三点中抜の構造として設けられている。また、スイッチ22は、照明をON/OFFのいずれかに設定するためのキースイッチであり、三点中抜の構造として設けられている。さらに、スイッチ23は、ダイヤル式の構成を有し、速度を多段階で設定できるようになっている。
このように、本実施の形態1における端末装置20は、スペース上の制約がなく、また、リモートコントローラー20aとして操作できるため、ダイヤル式のスイッチ23を採用することができる。この結果、操作性を改善できるとともに、操作機能の多機能化を実現することができる。
なお、本実施の形態1では、上述した構成2として、操作釦11(1)、11(2)が設けられている。図3は、本発明の実施の形態1における操作釦11の設置場所を示した説明図である。操作釦11は、乗客コンベアの少なくとも踏段2の全体が見渡せる位置に取り付けられる。
図1および図3に示した例では、先の図11に示したような従来の操作装置100(1)、100(2)が取り付けられていた乗降部に、操作釦11が設けられている。
そして、本実施の形態1では、乗客コンベアの運行を制御するコントローラーは、操作釦11(1)または操作釦11(2)の操作を受け付けない限り、端末装置20からの操作信号を受け付けない構成となっている。なお、操作釦11(1)、11(2)の操作は、端末装置20の操作と同時としてもよいし、もしくは、あらかじめ決められた時間範囲内で、端末装置20の操作の直前、あるいは直後に操作してもよい。
いずれにせよ、コントローラーは、操作釦11(1)、11(2)の操作が伴わず、端末装置20からの単独操作が行われた場合には、その操作信号を受け付けないことで、インターロック機能の強化を図ることができる。すなわち、操作者は、踏段2の全体を見渡して安全確認を行い、操作釦11(1)または操作釦11(2)の操作を行わない限り、端末装置20からの操作をコントローラーに受け付けてもらうことができないこととなる。
なお、操作釦11(1)または操作釦11(2)による操作は、安全性に絡む操作に対するインターロック機能の強化が主目的である。従って、例えば、起動停止に関連するスイッチ21の操作だけ、操作釦11(1)または操作釦11(2)の操作を伴うことを必須とする条件を加味することも可能である。
すなわち、インターロック機能を強化したい操作項目のみ、操作釦11(1)または操作釦11(2)による併用操作を必要とし、それ以外の操作項目は、端末装置20からの単独操作を可能にすることが可能である。この結果、安全性を考慮した上で、利便性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る乗客コンベアの操作装置は、図2に示したような、キースイッチを活用したリモートコントローラー20aの代わりに、画面操作に基づいて操作信号を生成するスマートフォン20bを採用することも可能である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る乗客コンベアで用いられる操作装置に含まれるスマートフォン20bの画面構成例を示す図である。この図4に示した画面構成例では、3つのスイッチ24〜26が備えられている。いずれのスイッチ24〜26も、2箇所に示された斜線部分のいずれかの位置を画面上から押すことで、所望の操作を選択できる構成となっている。
スイッチ24は、運転方向をDOWN/UPのいずれかに設定するための選択スイッチである。また、スイッチ25は、照明をON/OFFのいずれかに設定するための選択スイッチである。さらに、スイッチ26は、速度をL/Hのいずれかに設定するための選択スイッチである。なお、スイッチ26としては、多段階設定を可能とするような構成を採用することも可能である。
図2に示したような専用のリモートコントローラー20aを用いる代わりに、汎用性の高いスマートフォン20bによる画面操作を活用することで、利便性をさらに改善することができる。また、スマートフォン20bを使用する場合にも、操作釦11(1)または操作釦11(2)による併用操作を考慮することで、インターロック機能を強化することができる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る乗客コンベアにおいて、操作装置に関連する構成を示した図である。図5に示した構成図には、インターロック処理回路10、端末装置20、およびコントローラー30が含まれている。
ここで、図5におけるインターロック処理回路10は、本実施の形態1においては、操作釦11に相当する。従って、インターロック処理回路10は、操作者が操作釦11を押下することで、操作信号が有効であることを意味する判定用信号S1を出力する。
図5における端末装置20は、本実施の形態1においては、図2に示したリモートコントローラー20aあるいは図4に示したスマートフォン20bに相当する。従って、端末装置20は、操作者による操作入力に基づいて操作信号S2を生成し、コントローラー30に対して出力する。
図5におけるコントローラー30は、乗客コンベアの運転を統括制御している。そして、コントローラー30は、判定用信号S1を受信することで、操作信号S2を有効と判断し、有効である操作信号S2に基づいて乗客コンベアの運転を統括制御する。このような構成を備えることで、操作性の改善とインターロック機能の強化を両立させることができる。
以上のように、実施の形態1によれば、リモートコントローラーあるいはスマートフォンといった端末装置を用いることで、操作性の改善を実現している。さらに、乗客コンベアの全体が見渡せる位置に設けられた操作釦の併用操作を採用することで、インターロック機能の強化を実現している。この結果、運行管理時、保守点検作業時の操作性の改善およびインターロック機能の強化を兼ね備えた乗客コンベアを得ることができる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、操作釦11による併用操作を用いて、インターロック機能を強化する場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、操作釦11を用いる代わりに、端末装置20からの操作信号S2の受信強度を考慮することでインターロック機能の強化を図る場合について説明する。
先の実施の形態1では、操作釦11による併用操作を用いて、インターロック機能を強化する場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、操作釦11を用いる代わりに、端末装置20からの操作信号S2の受信強度を考慮することでインターロック機能の強化を図る場合について説明する。
図6は、本発明の実施の形態2におけるインターロック機能の強化方法を説明するための図である。本実施の形態2では、従来の操作装置100が取り付けられていた乗降部に、端末装置20からの操作信号S2を赤外線信号として受信するための受信部12が設けられている。
端末装置20からの赤外線信号の受信許可レベルを、受信部12において適切に設定することで、乗客コンベアの少なくとも踏段全部が見渡せる位置のみで、端末装置20からの操作信号S2を受信部12で受け付けることができるように調整できる。図6において斜線で示した受信エリアAが、乗客コンベアの少なくとも踏段全部が見渡せる位置として設定される領域に相当する。
なお、受信許可レベルの設定に当たっては、起動停止など、インターロック機能を強化したい操作と、それ以外の操作で、受信許可レベルを変えて、個別に設定することも可能である。すなわち、用途に応じて、インターロック機能を強化したい操作のみ受信エリアAを絞ってもよいし、全ての操作について受信エリアAを絞ってもよい。
図7は、本発明の実施の形態2に係る乗客コンベアにおいて、操作装置に関連する構成を示した図である。図7に示した構成図には、先の実施の形態1における図5の構成と同様に、インターロック処理回路10、端末装置20、およびコントローラー30が含まれている。ただし、図7は、信号の流れが先の図5とは異なっており、以下に説明する。
図7における端末装置20は、本実施の形態2においては、図2に示したリモートコントローラー20aあるいは図4に示したスマートフォン20bに相当する。従って、端末装置20は、操作者による操作入力に基づいて操作信号S2を生成し、操作信号S2に対応する赤外線信号S3として出力する。
図7におけるインターロック処理回路10は、本実施の形態2においては、受信部12に相当する。従って、インターロック処理回路10は、端末装置20から赤外線信号S3を受信する。
さらに、受信部12は、受信した赤外線信号S3の強度が、あらかじめ設定された信号強度以上である場合には、赤外線信号S3に対応する操作信号S2が有効であると判断し、判定用信号S1を生成する。そして、受信部12は、コントローラー30に対して、赤外線信号S3に対応する操作信号S2を判定用信号S1とともに出力する。
一方、受信部12は、受信した赤外線信号S3の強度が、あらかじめ設定された信号強度未満である場合には、赤外線信号S3に対応する操作信号S2が無効であると判断し、コントローラー30に対する送信を行わない。
このような強度判定処理を有することで、受信部12は、受信エリアAから出力された赤外線信号S3に対応する操作信号S2のみを有効と判断することができる。
図7におけるコントローラー30は、乗客コンベアの運転を統括制御している。そして、コントローラー30は、判定用信号S1および操作信号S2を受信部12から受信することで、操作信号S2が有効であると判断し、有効である操作信号S2に基づいて乗客コンベアの運転を統括制御する。このような構成を備えることで、操作性の改善とインターロック機能の強化を両立させることができる。
以上のように、実施の形態2によれば、操作釦を併用する代わりに、操作信号の信号強度を考慮して、遠隔操作が可能なエリアを限定することで、インターロック機能の強化を実現している。この結果、先の実施の形態1と同様に、運行管理時、保守点検作業時の操作性の改善およびインターロック機能の強化を兼ね備えた乗客コンベアを得ることができる。
実施の形態3.
先の実施の形態1では、操作釦11による併用操作を用いて、インターロック機能を強化する場合について説明した。また、先の実施の形態2では、端末装置20からの赤外線信号S3の受信強度を考慮することでインターロック機能を強化する場合について説明した。これに対して、本実施の形態3では、カメラにより撮像された画像を参照することで、インターロック機能を強化する場合について説明する。
先の実施の形態1では、操作釦11による併用操作を用いて、インターロック機能を強化する場合について説明した。また、先の実施の形態2では、端末装置20からの赤外線信号S3の受信強度を考慮することでインターロック機能を強化する場合について説明した。これに対して、本実施の形態3では、カメラにより撮像された画像を参照することで、インターロック機能を強化する場合について説明する。
図8は、本発明の実施の形態3に係る乗客コンベアで用いられる操作装置の設置場所を示す説明図である。図8において、トラス(主枠)1、踏段2、欄干装置3、移動手摺4は、先の図11における説明と同一である。本実施の形態3に係る乗客コンベアで用いられる操作装置は、カメラ13、および乗客コンベア本体とは別構成のスマートフォン20bを備えて構成されている。
図9は、本発明の実施の形態3に係る乗客コンベアで用いられる操作装置に含まれるスマートフォン20bの画面構成例を示す図である。この図9に示した画面構成例では、先の図4と同様に、3つのスイッチ24〜26が備えられているとともに、カメラ13により撮像された画像を表示する画像表示器27が備えられている。
すなわち、本実施の形態3で用いられるスマートフォン20bは、乗客コンベアの少なくとも踏段全部が見渡せる位置に設置されたカメラ13によって撮像された画像を受信し、表示画面である画像表示器27に、受信した画像を表示させる機能を有している。このような構成を備えることで、操作者は、スマートフォン20bにより操作信号S2を生成する際に、乗客コンベアの利用者の有無を、操作画面上に表示された画像により容易に確認することができる。
この結果、表示画像内の利用者の有無を考慮することで、インターロック機能を強化することができる。なお、利用者の有無を判断するに当たっては、オペレータによる目視判断以外に、画像内に含まれる利用者を自動抽出する画像処理機能をスマートフォン20bに搭載することも考えられる。このような画像処理機能を搭載することで、オペレータによる誤判断を防止したインターロック機能の向上を実現することができる。
図10は、本発明の実施の形態3に係る乗客コンベアにおいて、操作装置に関連する構成を示した図である。図10に示した構成図には、先の実施の形態1における図5、および先の実施の形態2における図7の構成と同様に、インターロック処理回路10、端末装置20、およびコントローラー30が含まれている。ただし、図10は、信号の流れが先の図5、図7とは異なっており、以下に説明する。
図10におけるインターロック処理回路10は、本実施の形態3においては、カメラ13に相当する。従って、インターロック処理回路10は、踏段全体の撮像画像信号S4を、第1の判定用信号として端末装置20に出力する。
図10における端末装置20は、本実施の形態3においては、図9に示したスマートフォン20bに相当する。従って、端末装置20は、カメラ13から取得した撮像画像信号S4に基づく画像を、画像表示器27に表示させる。これにより、操作者は、画像表示器27に表示された画像から、乗客コンベアの利用者の有無を容易に確認することができる。
さらに、スマートフォン20bは、表示画像に基づいて乗客コンベアの利用者が踏段上にいないことを確認した操作者による操作入力に基づいて、操作信号S2を生成するとともに、生成した操作信号S2が有効であることを示す判定用信号S1も生成する。そして、スマートフォン20bは、操作信号S2を判定用信号S1とともに出力する。
図10におけるコントローラー30は、乗客コンベアの運転を統括制御している。そして、コントローラー30は、判定用信号S1および操作信号S2を端末装置20から受信することで、操作信号S2が有効であると判断し、有効である操作信号S2に基づいて乗客コンベアの運転を統括制御する。このような構成を備えることで、操作性の改善とインターロック機能の強化を両立させることができる。
以上のように、実施の形態3によれば、カメラによる撮像画像を利用することで、インターロック機能の強化を実現している。この結果、先の実施の形態1、2と同様に、点検作業時の操作性の改善およびインターロック機能の強化を兼ね備えた乗客コンベアを得ることができる。
本発明に係る乗客コンベアは、乗客コンベアの運転/停止を含む操作信号を出力する端末装置と、端末装置から出力された操作信号に基づいて、乗客コンベアの運転を統括制御するコントローラーとを備えた乗客コンベアであって、操作信号が有効であるか無効であるかをコントローラーが判定するための判定用信号を出力するインターロック処理回路をさらに備え、コントローラーは、インターロック処理回路から出力された判定用信号と端末装置から出力された操作信号とに基づいて、操作信号が有効であるか無効であるかを判定し、操作信号が有効であると判定した場合には、操作信号に基づいて乗客コンベアの運転を統括制御し、判定用信号を考慮することなしに単独操作が可能な1以上の操作信号を第1信号群としてあらかじめ規定しておき、受信した操作信号のうち、第1信号群に属する操作信号に関しては、インターロック処理回路から判定用信号が出力されたか否かにかかわらず乗客コンベアの運転を統括制御するための信号として採用するものである。
Claims (5)
- 乗客コンベアの運転/停止を含む操作信号を出力する端末装置と、
前記端末装置から出力された前記操作信号に基づいて、前記乗客コンベアの運転を統括制御するコントローラーと
を備えた乗客コンベアであって、
前記操作信号が有効であるか無効であるかを前記コントローラーが判定するための判定用信号を出力するインターロック処理回路をさらに備え、
前記コントローラーは、前記インターロック処理回路から出力された前記判定用信号と前記端末装置から出力された前記操作信号とに基づいて、前記操作信号が有効であるか無効であるかを判定し、有効であると判定した前記操作信号に基づいて前記乗客コンベアの運転を統括制御する
乗客コンベア。 - 前記コントローラーは、前記判定用信号を考慮することなしに単独操作が可能な1以上の操作信号を第1信号群としてあらかじめ規定しておき、受信した操作信号のうち、前記第1信号群に属する操作信号に関しては、前記インターロック処理回路から前記判定用信号が出力されたか否かにかかわらず前記乗客コンベアの運転を統括制御するための信号として採用する
請求項1に記載の乗客コンベア。 - 前記インターロック処理回路は、乗客コンベア本体に設けられた操作釦で構成され、前記操作釦が押下されることで、前記コントローラーに対して前記判定用信号を出力し、
前記コントローラーは、前記判定用信号を受信した場合には、あらかじめ決められた期間内に前記端末装置から受信する前記操作信号を有効であると判定し、有効であると判断した前記操作信号に基づいて前記乗客コンベアの運転を統括制御する
請求項1または2に記載の乗客コンベア。 - 前記インターロック処理回路は、乗客コンベア本体に設けられ、前記端末装置から出力される前記操作信号を赤外線信号として受信し、あらかじめ設定された信号強度以上の信号として前記赤外線信号を受信することで前記操作信号が有効であることを示す判定用信号を生成し、前記コントローラーに対して前記赤外線信号に対応する操作信号を前記判定用信号とともに出力する受信部で構成され、
前記コントローラーは、前記受信部を介して前記判定用信号および前記操作信号を受信した場合には、前記操作信号が有効であると判定し、有効であると判断した前記操作信号に基づいて前記乗客コンベアの運転を統括制御する
請求項1または2に記載の乗客コンベア。 - 前記インターロック処理回路は、乗客コンベアの踏段全体が見渡せる位置に設置され、前記端末装置に対して前記踏段全体の撮像画像信号を第1の判定用信号として出力するカメラで構成され、
前記端末装置は、表示器を有するスマートフォンとして構成され、前記インターロック処理回路から前記第1の判定用信号として受信した前記撮像画像信号を前記表示器に画像表示し、画像表示内容を確認した操作者の操作入力に基づいて前記操作信号を生成するとともに、前記操作信号が有効であることを示す第2の判定用信号を生成し、生成した前記操作信号を前記第2の判定用信号とともに前記コントローラーに対して出力し、
前記コントローラーは、前記端末装置を介して前記第2の判定用信号および前記操作信号を受信した場合には、前記操作信号が有効であると判定し、有効であると判断した前記操作信号に基づいて前記乗客コンベアの運転を統括制御する
請求項1または2に記載の乗客コンベア。
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