JPWO2017188222A1 - フェノフィブラートを含有する医薬 - Google Patents
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Abstract
フェノフィブラートを有効成分として含み、溶出性及び生物学的利用性に優れた製剤であって、細孔内に非晶質状態で担持されたフェノフィブラートを含む球状多孔性の含水二酸化ケイ素を含む製剤であって、球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均粒径が3〜12μm、平均細孔径が8〜16 nm、細孔容積が0.5〜3.0 mL/g、比表面積が400〜600 m2/gである製剤。
Description
本発明は、フェノフィブラートを有効成分として含む高脂血症の治療及び/又は予防のための医薬に関する。
フェノフィブラートは第二世代のフィブラート系高脂血症治療薬であり、核内受容体PPARαを活性化し、血中のコレステロールとトリグリセライド(中性脂肪)を低下させることにより、HDL-コレステロールを増加させる。この薬剤は、特に中性脂肪を低下させる作用が強いことから、高トリグリセリド血症などの治療に広く用いられている(「リピディル錠」、あすか製薬製造及び販売)。しかしながら、フェノフィブラートは水に対して難溶性であることから、製剤からの溶出性が悪く、生物学的利用能(バイオアベイラビリティー)が著しく低いという問題がある。
水に対して難溶性の医薬有効成分を効率的に製剤から溶出させる方法が提案されている。例えば、特許第5437232号公報には、フィブラート系薬剤などの難溶性の活性成分を含浸して担持する粉末状多孔質ケイ素系担体を含む固体分散体が開示されており、活性成分の溶出性及び生物学的利用能を大きく改善できるとされている。この方法では、水難溶性の活性成分を有機溶媒に溶解して多孔質ケイ素系担体の多孔に含浸させる工程を含むが、操作が煩雑であり、有機溶媒を使用するから残留溶媒の問題が生じる。
特開平2004-10575号公報には、難溶性のイトラコナゾール及び無機多孔性物質からなる固体分散体が開示されており、イトラコナゾールと無機多孔性物質の均一な混合物を加熱することにより溶融物を得た後、溶融物が固化するまで冷却することにより得られるイトラコナゾールの固体分散体によりイトラコナゾールの溶解度を顕著に改善できるとされている。無機多孔質としてはフローライトREが用いられているが、本発明者らの研究によれば、フローライトを用いてフェノフィブラートの溶融物を製造すると、多孔質内に取り込まれるものの、非晶質化されず溶出が困難になるという問題が生じる。
フェノフィブラートに関しては、シリカ多孔体であるメソポーラスシリカを用いて、フェノフィブラートを溶融導入することにより溶出性を改善する試みが報告されている(Asian Journal of Pharmaceutical Science, 8, pp.329-335, 2013;上處 史明、千葉大学大学院医学薬学府学位論文、2014年)。メソポーラスシリカは、二酸化ケイ素を材質とする均一で規則的な細孔(メソサイズの細孔)を有する物質である。メソポーラスシリカは界面活性剤の自己集合過程を利用して製造され、球状、ヘキサゴーナル形、キュービック形、ラメラ状、ジャイロイド状、ベシクル状、ワームホール状など、多様な形態が知られているが、上記の文献において開示されているのは、棒状ミセルのバンドル状集合体(アレイ)を鋳型として合成され、5〜7 nmの細孔を有する、棒状又は棒状構造が集合した繊維状のヘキサゴーナル形のシリカ多孔体である。この研究では、フェノフィブラートを非晶状態で細孔内に導入できることが示されているが、フェノフィブラートの導入量はメソポーラスシリカの細孔容量依存しており、非晶質状態で導入可能なフェノフィブラート量はフェノフィブラートと二酸化ケイ素の重量和に対し最大33%であったと報告されている。
Asian Journal of Pharmaceutical Science, 8, pp.329-335, 2013
上處 史明、千葉大学大学院医学薬学府学位論文、2014年
本発明の課題は、フェノフィブラートを有効成分として含み、溶出性及び生物学的利用性に優れた製剤を提供することにある。
また、本発明の別の課題は、簡便な方法により有機溶媒を使用することなく製造可能であり、溶出性及び生物学的利用性に優れたフェノフィブラート製剤を提供することにある。
また、本発明の別の課題は、簡便な方法により有機溶媒を使用することなく製造可能であり、溶出性及び生物学的利用性に優れたフェノフィブラート製剤を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、球状の多孔性含水二酸化ケイ素とフェノフィブラートとを溶融後に固化させることにより得られる固体分散体では、細孔中にフェノフィブラートが大量に保持されるとともに、フェノフィブラートが非晶質のまま維持されており、この固体分散体からフェノフィブラートが効率的に溶出し、高い生物学的利用性を達成できることを見いだした。また、当該固体分散体の安定性に関し、加速保存条件下(40℃、75%RH/3カ月)においても非晶質の状態を維持できることを見出した。
すなわち、本発明により、細孔内に非晶質状態で担持されたフェノフィブラートを含む球状多孔性の含水二酸化ケイ素を含む製剤であって、球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均粒径が3〜12μm、平均細孔径が8〜16 nm、細孔容積が0.5〜3.0 mL/g、比表面積が400〜600 m2/gである製剤が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均細孔径が10〜14 nmである上記の製剤;球状多孔性の含水二酸化ケイ素の細孔容積が1.0〜2.0 mL/gである上記の製剤;球状多孔性の含水二酸化ケイ素の比表面積が500〜550 m2/gである上記の製剤が提供される。
また、別の好ましい態様によれば、細孔内に非晶質状態で担持された固体分散体の質量に対し担体の質量は30 (w/w)以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは50%以上である上記の製剤が提供される。
別な観点からは、本発明により、細孔内に非晶質状態で担持されたフェノフィブラートを含む球状多孔性の含水二酸化ケイ素を含み、球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均粒径が3〜12μm、平均細孔径が8〜16 nm、細孔容積が0.5〜3.0 mL/g、比表面積が400〜600 m2/gである製剤の製造方法であって、フェノフィブラートを該含水二酸化ケイ素の存在下で加熱溶融した後、溶融物を冷却固化させる工程を含む方法が提供される。
本発明の製剤は、フェノフィブラートの溶出性が改善されており、高い生物学的利用性を達成できるという特徴がある。また、本発明の製剤は、加熱溶融により簡便に製造することができ、有機溶媒を使用することがないので、残留溶媒の問題が生じないという利点がある。
本発明の製剤は、細孔内に非晶質状態で担持されたフェノフィブラートを含む球状多孔性の含水二酸化ケイ素を含む製剤であって、球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均粒径が3〜12μm、平均細孔径が8〜16 nm、細孔容積が0.5〜3.0 mL/g、及び比表面積が400〜600 m2/gであることを特徴としている。
本発明の製剤の製造には、球状多孔性の含水二酸化ケイ素を使用することができる。球状多孔性の含水二酸化ケイ素としては、平均粒径が3〜12μm、平均細孔径が8〜16 nm、細孔容積が0.5〜3.0 mL/g、かつ比表面積が400〜600 m2/gの含水二酸化ケイ素を使用することができる。
含水二酸化ケイ素の平均粒径は、例えばレーザー回折法により測定することができる。平均粒径は、好ましくは4〜11μm、より好ましくは4.5〜10.0μmの範囲である。例えば、平均粒径が4〜5μmのもの、あるいは平均粒径が9〜11μmのものなども好ましく使用することができる。多孔質担体の粒度分布は多分散であってもよいが、単分散であることが好ましい。本明細書において、含水二酸化ケイ素について球状と言う場合には、完全な球状のほか、実質的に球状のものを包含しており、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)により外観を観察することにより、球状の含水二酸化ケイ素であることを確認できる。
含水二酸化ケイ素の平均細孔径は、例えばBJH法(J. Am. Chem. Soc., 73 373, 1951)により測定することができる。平均細孔径は、好ましくは10〜14 nmであり、約12 nmであることがさらに好ましい。含水二酸化ケイ素の細孔容積は、例えばガス吸着法(J. Chem. Eng. Jpn., 16, 470, 1983)により測定することができる。細孔容積は、好ましくは1.0〜2.0 mL/gであり、約1.50 mL/gであることがさらに好ましい。含水二酸化ケイ素の比表面積は、例えばBET法(J. Am. Chem. Soc., 60, 30, 1938)により測定することができる。比表面積は、好ましくは500〜550 m2/g、さらに好ましくは510〜530 m2/gである。
さらに、含水二酸化ケイ素としては、給油量が200〜400 mL/100 g、好ましくは220〜300 mL/100 g、より好ましくは250〜290mL/100gのものを用いることができる。
本発明の製剤の製造に好適に使用可能な球状多孔性の含水二酸化ケイ素として、「サイロスフェア(登録商標)C1504」(富士シリシア化学株式会社、平均粒径:4.5μm、平均細孔径:12.0 nm、細孔容積:1.50 mL/g、比表面積:520 m2/g、給油量:290 mL/100 g)、及び「サイロスフェア(登録商標)C1510」(富士シリシア化学株式会社、平均粒径:10.0μm、平均細孔径:12.0 nm、細孔容積:1.50 mL/g、比表面積:520 m2/g、給油量:250 mL/100 g)などを挙げることができるが、本発明の製剤の製造に好適に使用可能な球状多孔性の含水二酸化ケイ素はこれらに限定されることはない。
本発明の製剤は、フェノフィブラートを当該含水二酸化ケイ素の存在下で加熱溶融した後、溶融物を冷却固化させる工程を含む方法により調製することができる。例えば、フェノフィブラート1重量部に対して球状多孔性の含水二酸化ケイ素を0.5〜2重量部の割合、好ましくは0.6〜1.5重量部の割合、さらに好ましくは0.8〜1.2重量部の割合で混合し、加熱してフェノフィブラートを溶融させ、得られた溶融物を冷却固化させて固体分散体とし、その後の製剤工程に付することができる。
溶融を行う上記の混合物には、必要に応じて1種又は2種以上の製剤用添加物を添加することができる。製剤用添加物の種類は特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、乳糖、白糖、ブドウ糖、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドンなどを用いることができる。製剤用添加物を用いる場合の配合量も特に限定されないが、例えば、フェノフィブラート1重量部に対して0.1〜5重量部程度の範囲で適宜選択することができる。
加熱温度はフェノフィブラートが溶融する温度であれば特に限定されないが、例えば80〜120℃、好ましくは100℃程度である。溶融物の調製にあたり攪拌を行うことが好ましい。冷却操作は溶融状態にある溶融物を放冷して室温に戻せばよく、一般的には、急冷したり室温以下の温度に冷却する必要はないが、必要に応じてそのような操作を行うこともできる。冷却により得た固体分散体は必要に応じて粉末化して、その後の製剤化工程に用いることができる。粉末の粒径は特に限定されないが、例えば3〜20μm程度の範囲とすることができる。
本発明の製剤は、上記の固体分散体を用い、必要に応じて製剤用添加物の1種又は2種以上を用いて通常の製剤化操作により調製することができる。本発明の製剤は経口投与に適した固形製剤として調製することができ、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤などの剤形を選択することができるが、これらに限定されることはない。製剤用添加物としては、固形製剤の調製に通常用いられる製剤用添加物として、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤等を挙げることができるが、これらは製剤の形態に応じて当業者が適宜選択することができることは言うまでもない。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1
フェノフィブラート2 kg、球状多孔質含水二酸化ケイ素(サイロスフェア(登録商標)C1504、富士シリシア化学株式会社) 1.8 kg、及びヒドロキシプロピルセルロース0.1 kgを機械攪拌式混合機(レーディゲミキサー、株式会社マツボー)に投入し、約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図1に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで3か月保存した後のデータである。この固体分散体は40℃、75%RHで3か月保存した後にも結晶化を生じることがなく、保存安定性に優れるものであった。
フェノフィブラート2 kg、球状多孔質含水二酸化ケイ素(サイロスフェア(登録商標)C1504、富士シリシア化学株式会社) 1.8 kg、及びヒドロキシプロピルセルロース0.1 kgを機械攪拌式混合機(レーディゲミキサー、株式会社マツボー)に投入し、約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図1に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで3か月保存した後のデータである。この固体分散体は40℃、75%RHで3か月保存した後にも結晶化を生じることがなく、保存安定性に優れるものであった。
例2
フェノフィブラート10 g、球状多孔質含水二酸化ケイ素(サイロスフェア(登録商標)C1510、富士シリシア化学株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図2に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで3か月保存した後のデータである。この固体分散体は40℃、75%RHで3か月保存した後にも結晶化を生じることがなく、保存安定性に優れるものであった。
フェノフィブラート10 g、球状多孔質含水二酸化ケイ素(サイロスフェア(登録商標)C1510、富士シリシア化学株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図2に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで3か月保存した後のデータである。この固体分散体は40℃、75%RHで3か月保存した後にも結晶化を生じることがなく、保存安定性に優れるものであった。
比較例1
フェノフィブラート10 g、含水二酸化ケイ素(SYLOID(登録商標)XDP3050、グレース社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図3に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで1日間保存した後のデータである。この固体分散体は製造直後には結晶化が認められなかったが、40℃、75%RHで1日間保存した後に結晶化を生じ、保存安定性が低いものであった。
フェノフィブラート10 g、含水二酸化ケイ素(SYLOID(登録商標)XDP3050、グレース社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図3に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで1日間保存した後のデータである。この固体分散体は製造直後には結晶化が認められなかったが、40℃、75%RHで1日間保存した後に結晶化を生じ、保存安定性が低いものであった。
比較例2
フェノフィブラート10 g、含水二酸化ケイ素(サイリシア(登録商標)450、富士シリシア化学株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図4に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで1か月保存した後のデータである。この固体分散体は製造直後には結晶化が認められなかったが、40℃、75%RHで1か月保存した後に結晶化を生じ、保存安定性が低いものであった。
フェノフィブラート10 g、含水二酸化ケイ素(サイリシア(登録商標)450、富士シリシア化学株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体の粉末X線データを図4に示す。下側の曲線は製造直後、上側は40℃、75%RHで1か月保存した後のデータである。この固体分散体は製造直後には結晶化が認められなかったが、40℃、75%RHで1か月保存した後に結晶化を生じ、保存安定性が低いものであった。
比較例3
フェノフィブラート10 g、含水二酸化ケイ素(サイリシア(登録商標)350、富士シリシア化学株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体(製造直後)の粉末X線データを図5に示す。この固体分散体では製造直後から結晶化が認めらた。
フェノフィブラート10 g、含水二酸化ケイ素(サイリシア(登録商標)350、富士シリシア化学株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体(製造直後)の粉末X線データを図5に示す。この固体分散体では製造直後から結晶化が認めらた。
比較例4
フェノフィブラート10 g、ケイ酸カルシウム(フローライト(登録商標)PS10、富田製薬株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体(製造直後)の粉末X線データを図6に示す。この固体分散体では製造直後から結晶化が認めらた。
フェノフィブラート10 g、ケイ酸カルシウム(フローライト(登録商標)PS10、富田製薬株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体(製造直後)の粉末X線データを図6に示す。この固体分散体では製造直後から結晶化が認めらた。
比較例5
フェノフィブラート10 g、軽質無水ケイ酸(アエロジェル(登録商標)200、日本アエロジェル株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体(製造直後)の粉末X線データを図7に示す。この固体分散体では製造直後から結晶化が認めらた。
フェノフィブラート10 g、軽質無水ケイ酸(アエロジェル(登録商標)200、日本アエロジェル株式会社)10 gをビーカーに投入し、ホットプレートスターラ―で約100℃で加熱して30分攪拌した。溶融物を室温になるまで放冷して固体分散体を得た。得られた固体分散体(製造直後)の粉末X線データを図7に示す。この固体分散体では製造直後から結晶化が認めらた。
製剤例
例1で得た固体分散体の粉末(粒径 3〜12μm)、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、クロスポビドン、及び軽質無水ケイ酸等の添加剤を混合機に投入し、均一な混合物とした後、10 kNで圧縮製錠して錠剤を得た。錠剤の各成分の配合割合を下記に示す。
例1で得た固体分散体の粉末(粒径 3〜12μm)、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、クロスポビドン、及び軽質無水ケイ酸等の添加剤を混合機に投入し、均一な混合物とした後、10 kNで圧縮製錠して錠剤を得た。錠剤の各成分の配合割合を下記に示す。
錠剤A(164.6mg)
固体分散体(例1) 61.6重量%
ヒドロキシプロピルセルロース 1.6重量%
クロスカルメロースナトリウム 16.2重量%
クロスポビドン 16.2重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2重量%
軽質無水ケイ酸 3.2重量%
固体分散体(例1) 61.6重量%
ヒドロキシプロピルセルロース 1.6重量%
クロスカルメロースナトリウム 16.2重量%
クロスポビドン 16.2重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2重量%
軽質無水ケイ酸 3.2重量%
錠剤B(177.8mg)
固体分散体(例2) 60.0重量%
ヒドロキシプロピルセルロース 3.0重量%
クロスカルメロースナトリウム 15.0重量%
クロスポビドン 15.0重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.1重量%
軽質無水ケイ酸 6.0重量%
固体分散体(例2) 60.0重量%
ヒドロキシプロピルセルロース 3.0重量%
クロスカルメロースナトリウム 15.0重量%
クロスポビドン 15.0重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.1重量%
軽質無水ケイ酸 6.0重量%
対照製剤(スプレードライ法)
錠剤C(172.5mg)
フェノフィブラート 30.9重量%
含水二酸化ケイ素 27.8重量%
ヒドロキシプロピルセルロース 3.1重量%
ヒプロメロース 3.1重量%
クロスカルメロースナトリウム 15.5重量%
クロスポビドン 15.5重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.1重量%
軽質無水ケイ酸 3.0重量%
錠剤C(172.5mg)
フェノフィブラート 30.9重量%
含水二酸化ケイ素 27.8重量%
ヒドロキシプロピルセルロース 3.1重量%
ヒプロメロース 3.1重量%
クロスカルメロースナトリウム 15.5重量%
クロスポビドン 15.5重量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.1重量%
軽質無水ケイ酸 3.0重量%
試験例
例1及び例2で得た固体分散体、並びに比較例としてスプレードライ法により得た固体分散体を用い製した錠剤を、第十六改正日本薬局方の溶出試験法(パドル法:毎分50回転)に従って溶出試験を行った。試験液としては水(ポリソルベート80を1.0重量%を含む)を用い、HPLC法で測定した。結果を図8に示す。例1及び例2で得られた錠剤は良好な溶出特性を有しており、特に例2で得られた錠剤は従来のスプレードライ法による固体分散体を用いて製した錠剤よりも優れた溶出特性を有していた。
例1及び例2で得た固体分散体、並びに比較例としてスプレードライ法により得た固体分散体を用い製した錠剤を、第十六改正日本薬局方の溶出試験法(パドル法:毎分50回転)に従って溶出試験を行った。試験液としては水(ポリソルベート80を1.0重量%を含む)を用い、HPLC法で測定した。結果を図8に示す。例1及び例2で得られた錠剤は良好な溶出特性を有しており、特に例2で得られた錠剤は従来のスプレードライ法による固体分散体を用いて製した錠剤よりも優れた溶出特性を有していた。
本発明の製剤は、簡便な方法により有機溶媒を使用することなく製造可能であり、溶出性及び生物学的利用性に優れたフェノフィブラート製剤として有用である。
Claims (8)
- 細孔内に非晶質状態で担持されたフェノフィブラートを含む球状多孔性の含水二酸化ケイ素を含む製剤であって、球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均粒径が3〜12μm、平均細孔径が8〜16 nm、細孔容積が0.5〜3.0 mL/g、比表面積が400〜600 m2/gである製剤。
- 細孔内に非晶質状態で担持された固体分散体の質量に対し担体の質量が30%(w/w)以上である請求項1に記載の製剤。
- 球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均細孔径が10〜14 nmである請求項1又は2に記載の製剤。
- 球状多孔性の含水二酸化ケイ素の細孔容積が1.0〜2.0 mL/gである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の製剤。
- 球状多孔性の含水二酸化ケイ素の比表面積が500〜550 m2/gである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の製剤。
- 細孔内に非晶質状態で担持された固体分散体の質量に対し担体の質量が35%(w/w)以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の製剤。
- 細孔内に非晶質状態で担持されたフェノフィブラートを含む球状多孔性の含水二酸化ケイ素を含み、球状多孔性の含水二酸化ケイ素の平均粒径が3〜12μm、平均細孔径が8〜16 nm、細孔容積が0.5〜3.0 mL/g、比表面積が400〜600 m2/gである製剤の製造方法であって、フェノフィブラートを該含水二酸化ケイ素の存在下で加熱溶融した後、溶融物を冷却固化させる工程を含む方法。
- 細孔内に非晶質状態で担持された固体分散体の質量に対し担体の質量が30%(w/w)以上である請求項7に記載の方法
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