JPWO2017183701A1 - 車両用窓ガラス - Google Patents

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Abstract

水蒸気の凝結により表面に水滴が形成されても車内から車外の視認性が阻害されにくくするために、本発明による車両用窓ガラスは、ガラス板10と、その車内側の表面に形成された視認性確保膜16とを備え、視認性確保膜は、撥水基及び金属酸化物成分を含む。撥水基は、金属酸化物成分を構成する金属原子に直接結合している炭素数3〜9の直鎖アルキル基である。ガラス板10は、車両窓における昇降により少なくともその一部が車両の窓枠から離脱する上端部11を有し、視認性確保膜16は、ガラス板の車内側表面17に上端部11に接しないように形成されていてもよい。

Description

本発明は、水蒸気の凝結により表面に水滴が形成されても車内から車外を視認することが阻害されにくい車両用窓ガラスに関する。
車両の窓ガラスの車内側表面に水蒸気が凝結して生じる曇りは、車両の運転を困難にする要因となる。曇りの発生を防止するべく窓ガラスの車内側表面に防曇膜を形成することが提案されているが、防曇膜による曇り防止には限界がある。このため、温風タイプ又は通電タイプのデフロスタを作動させることによって窓ガラスの曇りを除去する操作が適宜実施されている。特許文献1には、通電タイプのデフロスタを備えた窓ガラスとして、透明導電膜をその内部に備えた合わせガラスが開示されている。
特開2002−20142号公報
デフロスタは、曇りが発生したときの曇り除去手段としては有効であるが、曇りの除去にエネルギーと時間とを必要とする。このような問題があるにもかかわらず、車両用窓ガラスの表面自体を改良することによって曇りが発生した後の視認性の低下を緩和することについては、本発明者が知る限り、実用レベルでは報告の例がない。
そこで、本発明は、水蒸気の凝結により表面に水滴が形成されても車内から車外の視認性が阻害されにくい車両用窓ガラスを提供することを目的とする。
本発明は、
ガラス板と、前記ガラス板の車内側の表面に形成された視認性確保膜と、を備え、
前記視認性確保膜は、撥水基及び金属酸化物成分を含み、
前記撥水基は、前記金属酸化物成分を構成する金属原子に直接結合している、炭素数3〜9の直鎖アルキル基である、車両用窓ガラス、を提供する。
本発明による車両用窓ガラスは、車内側の表面に水蒸気の凝結による曇りが生じても車内から車外の視認性の低下を防止することに適している。
膜の金属酸化物成分を構成する金属原子に直接結合した炭素数3〜9の直鎖アルキル基は、均一な疎水性表面、すなわち親水性のスポットが少ない疎水性表面を提供することに適し、車両用窓ガラスの表面に水蒸気が凝結した状態において車両用窓ガラスを透過する光の散乱の程度を抑制することに適している。
水の接触角が相対的に大きい膜の表面に水蒸気が凝結した状態を示す模式図である。 水の接触角が相対的に小さい膜の表面に水蒸気が凝結した状態を示す模式図である。 ノズルフローコーターを用いてドアガラスに塗工液を塗布する工程の一例を説明するための図である。 ドアガラスに塗工液が接する位置の軌跡の一例を示す図である。 ノズルフローコーターを用いてドアガラスに塗工液を塗布する別の工程の一例を説明するための図である。 視認性確保膜が形成されたドアガラスの一例を示す平面図である。 ガラス昇降装置に接続されたドアガラスの一例を示す平面図である。 ガラスランとドアガラス及び視認性確保膜との位置関係を説明するための車両窓の部分断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の説明は、本発明を特定の実施形態に制限する趣旨ではない。本明細書において、用語「金属酸化物成分」は、互いに結合した金属原子及び酸素原子のみからなる成分と共に、金属原子と酸素原子とが直接結合した部分を包含する趣旨である。したがって、例えば、式R−M−O(R:撥水基、M:金属原子)により示される成分におけるM−Oで示される部分は、金属酸化物成分を構成する。また、用語「金属酸化物成分」、「金属原子」、「金属化合物」等における「金属」は、慣用に従い、ホウ素(B)及びシリコン(Si)を含む意味で使用する。
[ガラス板]
ガラス板は、例えば、車両用、建築用及び産業用の各分野で最も一般に用いられているフロート板ガラスであってよい。ガラス板は、着色されている必要はないが、グリーン、ブロンズ等に着色されていてもよい。また、強化ガラス、合わせガラス、複層ガラス等へと処理又は加工されていてもよい。主面の形状も、平面、曲面のいずれであってもよい。板厚は、特に制限されないが1〜5mmが好適である。
ガラス板が車両用窓ガラスに用いられる場合、車両の意匠性の向上のために、車両用窓ガラスの周縁部にはセラミック遮蔽層が形成されることがある。セラミック遮蔽層は、窓ガラスを車両本体に接合する接着剤、発泡材等の樹脂材料の紫外線による劣化を防止する役割も担っている。セラミック遮蔽層は、セラミックペーストを塗布し、焼成することにより形成される。
[視認性確保膜]
視認性確保膜はガラス板の表面に形成されている。視認性確保膜が形成されている表面は、車両の窓に設置されたときに車内側を向く表面である。この表面は、典型的には曲げ加工されたガラス板の凹面である。この場合、視認性確保膜は、車外側に配置される凸面と車内側に配置される凹面とを有するガラス板の凹面に形成されている。視認性確保膜は、多層膜であってもよいが、単層膜であることが好ましい。また、視認性確保膜は、ガラス板の表面に直接形成されていることが好ましい。
視認性確保膜は、撥水基と金属酸化物成分とを含んでいる。視認性確保膜は、必要に応じ、その他の機能成分をさらに含んでいてもよく、例えば、樹脂をさらに含んでいてもよい。樹脂は、膜に柔軟性を与え、疎水性の均一性の向上に寄与する。ただし、樹脂は、その含有率が高すぎると、膜の強度を低下させることがある。したがって、視認性確保膜は、樹脂を含んでいないほうがよい場合がある。視認性確保膜は、特に、窓ガラスの開閉に伴って他の部材と摺動しうるガラス板の表面に形成する場合には樹脂を含まないことが好ましい。他の部材と摺動する代表的な窓ガラスとしては車両のドアガラスが挙げられる。
(撥水基)
撥水基は、視認性確保膜の表面を疎水性として、その表面を水蒸気が凝結しにくい表面とする。これに止まらず、撥水基は、その種類によっては、視認性確保膜の表面に水滴が形成されたとしても入射する光の直進性を確保することに貢献する。光の直進性の確保に適した撥水基は、炭素数が3〜9、好ましくは4〜8、特に5〜8、とりわけ5〜7の直鎖アルキル基である。
図1及び図2に示すように、膜16の表面に同量の水蒸気が凝結して形成された水滴160、161が膜16を覆う面積は、その表面の水の接触角が大きいほど小さくなる傾向を有する。水滴160、161により覆われる面積が小さいほど、膜16に入射する光が散乱する程度は小さくなる。撥水基の存在により水の接触角が大きくなった視認性確保膜は、その表面に水滴が形成されにくく、かつ水滴が形成された状態においても水滴により覆われる面積が相対的に小さいため、透過光の直進性を保持するうえで有利である。
しかし、透過光の直進性には、水の接触角で示される疎水性の強さと共に、疎水性の均一性も影響を及ぼす。膜16の表面の疎水性が均一でなく、親水性のスポットが散在する表面では、親水性のスポットに吸着した水蒸気を起点として水滴が形成されることになるためである。したがって、膜16の表面が均一な疎水性となるように、撥水基は膜表面に配向して存在していることが好ましい。同一方向に配列した配向性が高い状態で膜表面に存在することに適した撥水基は、炭素数が一定以上の直鎖アルキル基である。しかし、炭素数が多すぎる長い直鎖アルキル基は、直鎖アルキル基が途中で屈曲しやすいために高い配向性を実現しにくい。
パーフルオロアルキル基を用いれば、より強い疎水性を実現できる。しかし、パーフルオロアルキル基は、特に炭素数が多い場合には結晶性が顕著に増大する剛直な官能基であるために、膜表面では多結晶的に配向して存在する傾向がある。このため、疎水性が局所的に低い部分が膜表面に生じやすい。疎水性の均一性を確保する観点からは、パーフルオロアルキル基よりも上述した炭素数を有する直鎖アルキル基が適している。
(撥水基を有する加水分解性金属化合物)
撥水基を視認性確保膜に配合するためには、撥水基を有する金属化合物(撥水基含有金属化合物)、特に撥水基と加水分解可能な官能基又はハロゲン原子とを有する金属化合物(撥水基含有加水分解性金属化合物)又はその加水分解物を、膜を形成するための塗工液に添加するとよい。言い換えると、撥水基は、撥水基含有加水分解性金属化合物に由来するものであってもよい。撥水基含有加水分解性金属化合物としては、以下の式(I)に示す撥水基含有加水分解性シリコン化合物が好適である。
mSiY4-m (I)
ここで、Rは、撥水基、具体的には炭素数が3〜9の直鎖アルキル基であり、Yは加水分解可能な官能基又はハロゲン原子であり、mは1〜3の整数である。加水分解可能な官能基は、例えば、アルコキシル基、アセトキシ基、アルケニルオキシ基及びアミノ基から選ばれる少なくとも1種であり、好ましくはアルコキシ基、特に炭素数1〜4のアルコキシ基である。アルケニルオキシ基は、例えばイソプロペノキシ基である。ハロゲン原子は、好ましくは塩素である。なお、ここに例示した官能基は、以降に述べる「加水分解可能な官能基」としても使用することができる。mは好ましくは1又は2である。
式(I)により示される化合物は、加水分解及び重縮合が完全に進行すると、以下の式(II)により表示される成分を供給する。
mSiO(4-m)/2 (II)
ここで、R及びmは、上述したとおりである。加水分解及び重縮合の後、式(II)により示される化合物は、実際には、視認性確保膜中において、シリコン原子が酸素原子を介して互いに結合したネットワーク構造を形成する。
このように、式(I)により示される化合物は、加水分解又は部分加水分解し、さらには少なくとも一部が重縮合して、シリコン原子と酸素原子とが交互に接続し、かつ三次元的に広がるシロキサン結合(Si−O−Si)のネットワーク構造を形成する。このネットワーク構造に含まれるシリコン原子には撥水基Rが接続している。言い換えると、撥水基Rは、結合R−Siを介してシロキサン結合のネットワーク構造に固定される。この構造は、撥水基Rを膜に均一に分散させる上で有利である。ネットワーク構造は、式(I)により示される撥水基含有加水分解性シリコン化合物以外のシリコン化合物(例えば、テトラアルコキシシラン、シランカップリング剤)から供給されるシリカ成分を含んでいてもよい。撥水基を有さず加水分解可能な官能基又はハロゲン原子を有するシリコン化合物(撥水基非含有加水分解性シリコン化合物)を撥水基含有加水分解性シリコン化合物と共に視認性確保膜を形成するための塗工液に配合すると、撥水基と結合したシリコン原子と撥水基と結合していないシリコン原子とを含むシロキサン結合のネットワーク構造を形成できる。このような構造とすれば、視認性確保膜中における撥水基の含有率と金属酸化物成分の含有率とを互いに独立して調整することが容易になる。
撥水基含有加水分解性シリコン化合物(式(I)参照)を用いて撥水基を視認性確保膜に導入すると、強固なシロキサン結合(Si−O−Si)のネットワーク構造が形成される。このネットワーク構造の形成は、耐摩耗性のみならず、硬度、耐水性等を向上させる観点からも有利である。
撥水基は、視認性確保膜の表面における水の接触角が85度以上、好ましくは90度以上、より好ましくは95度以上になる程度に添加するとよい。水の接触角は、4mgの水滴を膜の表面に滴下して測定した値を採用することとする。水の接触角は、その上限が特に制限されるわけではないが、例えば105度以下、さらには103度以下である。撥水基は、視認性確保膜の表面のすべての領域において上記水の接触角が上記の範囲となるように、視認性確保膜に均一に含有させることが好ましい。
視認性確保膜は、金属酸化物成分100質量部に対し、1質量部以上、好ましくは3質量部以上、より好ましくは4質量部以上の範囲内となるように、また、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、場合によっては15質量部以下、の範囲内となるように、撥水基を含むことが好ましい。
(金属酸化物成分)
視認性確保膜は、金属酸化物成分を含んでいる。金属酸化物成分は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物成分であり、好ましくはSiの酸化物成分(シリカ成分)である。
金属酸化物成分の少なくとも一部は、視認性確保膜を形成するための塗工液に添加された、加水分解性金属化合物又その加水分解物に由来する金属酸化物成分であってもよい。ここで、加水分解性金属化合物は、a)撥水基と加水分解可能な官能基又はハロゲン原子とを有する金属化合物(撥水基含有加水分解性金属化合物)及びb)撥水基を有さず加水分解可能な官能基又はハロゲン原子を有する金属化合物(撥水基非含有加水分解性金属化合物)から選ばれる少なくとも1つである。a)及び/又はb)に由来する金属酸化物成分は、加水分解性金属化合物を構成する金属原子の酸化物である。金属酸化物成分は、視認性確保膜を形成するための塗工液に添加された金属酸化物微粒子に由来する金属酸化物成分と、その塗工液に添加された、加水分解性金属化合物又その加水分解物に由来する金属酸化物成分とを含んでいてもよい。ここでも、加水分解性金属化合物は、上記a)及びb)から選ばれる少なくとも1つである。上記b)、すなわち撥水基を有しない加水分解性金属化合物は、テトラアルコキシシラン及びシランカップリング剤から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。以下、既に説明した上記a)を除き、金属酸化物微粒子と上記b)とについて説明する。
(金属酸化物微粒子)
視認性確保膜は、金属酸化物成分の少なくとも一部として金属酸化物微粒子をさらに含んでいてもよい。金属酸化物微粒子を構成する金属酸化物は、例えば、Si、Ti、Zr、Ta、Nb、Nd、La、Ce及びSnから選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物であり、好ましくはシリカ微粒子である。シリカ微粒子は、例えば、コロイダルシリカを添加することにより膜に導入できる。金属酸化物微粒子は、視認性確保膜に加えられた応力を膜を支持する透明物品に伝達する作用に優れ、硬度も高い。したがって、金属酸化物微粒子の添加は、視認性確保膜の耐摩耗性及び耐擦傷性を向上させる観点から有利である。金属酸化物微粒子は、視認性確保膜を形成するための塗工液に予め形成した金属酸化物微粒子を添加することにより、視認性確保膜に供給することができる。ただし、金属酸化物微粒子は、膜の表面に親水性のスポットを形成する要因になり得るため、耐摩耗性等を改善するべき事情がない限り、膜に添加しないことが望ましい。すなわち、視認性確保膜は、耐摩耗性等を特に重視するべき事情がない限り、金属酸化物微粒子を含まない形態で用いることが好ましい。
金属酸化物微粒子の平均粒径は、大きすぎると膜が白濁することがあり、小さすぎると凝集して均一に分散させることが困難となる。この観点から、金属酸化物微粒子の好ましい平均粒径は、1〜20nm、特に5〜20nmである。なお、ここでは、金属酸化物微粒子の平均粒径を、一次粒子の状態で記述している。また、金属酸化物微粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いた観察により任意に選択した50個の微粒子の粒径を測定し、その平均値を採用して定めることとする。金属酸化物微粒子は、その含有量が過大となると、膜が白濁するおそれがある。
(撥水基を有しない加水分解性金属化合物)
視認性確保膜は、撥水基を有しない加水分解性金属化合物(撥水基非含有加水分解性化合物)に由来する金属酸化物成分を含んでいてもよい。好ましい撥水基非含有加水分解性金属化合物は、撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物である。撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物は、例えば、シリコンアルコキシド、クロロシラン、アセトキシシラン、アルケニルオキシシラン及びアミノシランから選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物(ただし、撥水基を有しない)であり、撥水基を有しないシリコンアルコキシドが好ましい。なお、アルケニルオキシシランとしては、イソプロペノキシシランを例示できる。
撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物は、以下の式(III)に示す化合物であってもよい。
SiY4 (III)
上述したとおり、Yは、加水分解可能な官能基であって、好ましくはアルコキシル基、アセトキシ基、アルケニルオキシ基、アミノ基及びハロゲン原子から選ばれる少なくとも1つである。
撥水基非含有加水分解性金属化合物は、加水分解又は部分加水分解し、さらに、少なくともその一部が重縮合して、金属原子と酸素原子とが結合した金属酸化物成分を供給する。この成分は、金属酸化物微粒子と樹脂とを強固に接合し、視認性確保膜の耐摩耗性、硬度、耐水性等の向上に寄与しうる。
撥水基を有しない加水分解性シリコン化合物の好ましい一例は、テトラアルコキシシラン、より具体的には炭素数が1〜4のアルコキシ基を有するテトラアルコキシシランである。テトラアルコキシシランは、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン及びテトラ−tert−ブトキシシランから選ばれる少なくとも1種である。
テトラアルコキシシランに由来する金属酸化物(シリカ)成分の含有量が過大となると、視認性確保膜の疎水性が低下することがある。
(樹脂)
視認性確保膜において樹脂は任意の成分であるが、添加する場合は、膜の耐摩耗性等が低下しないように、金属酸化物成分100質量部に対し、0質量部を超え50質量部以下の範囲で添加することが好ましい。樹脂の好ましい配合量は、金属酸化物成分100質量部に対し、例えば1質量部以上、さらに5質量部以上、特に10質量部以上であり、40質量部以下、さらに35質量部以下、特に30質量部以下である。樹脂の多量の添加は、膜の表面に親水性のスポットが形成される要因となるため、避けることが望ましい。樹脂の種類は特に限定されないが、親水性のスポットの形成を防ぐために、吸水性が高い樹脂は避けることが好ましい。例えば、樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用いる場合、そのブチラール化度(アセタール化度)は、50モル%以上、特に55モル%以上、さらには60モル%以上が好ましい。ブチラール化度の上限は、特に制限されないが、85モル%以下であってもよい。
(その他の任意成分)
視認性確保膜にはその他の添加剤を配合してもよい。添加剤は、グリコール類、界面活性剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、防腐剤等であってもよい。
(膜厚)
視認性確保膜の好ましい膜厚は、3〜70nm、好ましくは5〜50nm、より好ましくは7〜45m、特に10〜40nmである。
(成膜)
視認性確保膜は、塗工液を透明基板等の透明物品上に塗布し、塗布した塗工液を乾燥させることにより、成膜することができる。途工液の乾燥は加熱を伴ってもよい。塗工液の調製に用いる溶媒、塗工液の塗布方法は、従来から公知の材料及び方法を用いればよい。
塗工液の塗布工程では、雰囲気の相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持することが好ましい。相対湿度を低く保持すると、膜が雰囲気から水分を過剰に吸収することを防止できる。雰囲気から水分が多量に吸収されると、膜のマトリックス内に入り込んで残存した水が膜の強度を低下させるおそれがある。
塗工液の乾燥工程は、風乾工程と、加熱を伴う加熱乾燥工程とを含むことが好ましい。風乾工程は、相対湿度を40%未満、さらには30%以下に保持した雰囲気に塗工液を曝すことにより、実施するとよい。風乾工程は、非加熱工程として、言い換えると室温で実施できる。塗工液に加水分解性シリコン化合物が含まれている場合、加熱乾燥工程では、シリコン化合物の加水分解物等に含まれるシラノール基及び透明物品上に存在する水酸基が関与する脱水反応が進行し、シリコン原子と酸素原子とからなるマトリックス構造(Si−O結合のネットワーク)が発達する。
加熱乾燥工程における適切な加熱温度は、300℃以下、例えば100〜200℃であり、加熱時間は、1分〜1時間である。
[車両用窓ガラスとしての具体的形態]
視認性確保膜を備えた車両用窓ガラスは、ウインドシールドを始めとする固定窓に使用するためのものであってもよく、ドアガラスに代表される開閉可能窓に使用されるものであってもよい。開閉可能窓に使用する場合、ガラス板は、ガラス移動装置(ドアガラスの場合はガラス昇降装置)と接続された形態で使用することができる。以下、ガラス昇降装置と接続して使用するドアガラスの車内側表面に、視認性確保膜を形成するための途工液を塗布する方法の一例を説明する。
図3に示すように、途工液は、例えば、ロボットアームと吐出部を備えたノズルフローコーターを用いてドアガラスの形状に曲げ加工されたガラス板の車内面に塗布される。ノズルフローコーターと呼ばれる塗工装置は、ガラス板10を保持しながら移動させるロボットアーム7と、塗工液Gを射出する射出部8とを備えている。ガラス板10は、ロボットアーム7により、ロボットアーム7により保持されている部位が、鉛直方向に対して角度dだけ傾斜するように保持されている。角度dは、車内側主面17が上方を向く角度を正(+)、下方を向く角度を負(−)として表示したときに、好ましくは−3°〜+30°である。射出部8は、ノズル82と、ノズル82を支持する基部81とを備えている。射出部8では、チューブ84により供給される塗工液Gが、ノズル82からガラス板10に向けて射出される。ロボットアーム7は、先端部の吸盤によりガラス板10を保持し、ノズル82に対してガラス板10を相対移動させることができる。ノズル82とガラス板10とを相対移動させつつ、塗工液Gのノズル82からの射出を制御することにより、塗工液Gがガラス板10に接する位置の軌跡を制御し、ガラス板10の車内側主面17上の所定領域に、塗工液Gを塗布することができる。
例示したガラス板10は、乗用車等の進行方向右側前方のドアの窓に設置されるものであって、図4に示すとおり、車内側から見て左側辺が右側辺と比べて短く、また車内側主面17が凹面になっている。塗工液Gがガラス板に接する位置の軌跡を図4に示す。
ノズル82からの塗工液Gの射出は、図4における主面17上の塗布開始領域Raから開始し、ロボットアーム7を制御してガラス板10を下方向(図3における矢印U)に移動させる。このとき、射出された塗工液Gが、右側端部13に達しない程度に面方向内側に塗工液Gを射出する。これにより、図4における塗工液Gが塗布される領域の右側端部である右側縁ラインL2が、ガラス板10の右側端部13から面方向内側に現れる。
塗工液Gの塗布位置が、図4における塗布開始領域Raから矢印S101の方向に移動して領域Rbに到達した後、塗布位置が領域Rbから矢印S102に沿って移動して領域Rcに到達するようにガラス板10を移動させる。このとき、上端部11から隙間を空けて塗工液Gを塗布する。塗布された塗工液Gは下方に流れ落ち、下端部12まで到達する。これにより、塗工液Gの上縁ラインL1が、ガラス板10の上端部11から面方向下側に現れると共に、上縁ラインL1から下方の塗工液Gを直接射出しない領域にも塗工液Gを行き渡らせることができる。塗工液Gの塗布位置が領域Rcに達すると、塗布位置が領域Rcから矢印S103に沿って移動して領域Rdに到達するようにガラス板10を移動させる。このとき、射出された塗工液Gが、左側端部14に達しない程度に面方向内側に塗工液Gを射出する。これにより、塗工液Gを塗布する領域の左側端部である左側縁ラインL3が、ガラス板10の左側端部14から面方向内側に現れる。なお、この工程では、ガラス板10を上方に移動させるのではなく、ガラス板10をノズル82から離間させる方向に移動させて、左側端部14に沿って塗工液Gを塗布する(図5の矢印W)。
図5におけるノズル82とガラス板10との距離が拡がるので、ガラス板に接触する直前の塗工液Gの勢いが弱まる。そのため、塗工液Gが図4における左側端部14に達したり、他の主面(視認性確保膜16が形成された主面17の裏面である車外側主面18(図8参照))に回り込んだりすることを確実に防ぐことができる。
このようにして途工液を塗布すると、図6に示すように、主面17上の一部に視認性確保膜16が形成されるが、上縁ラインL1と上端部11との間、右側縁ラインL2と右側端部13との間、左側縁ラインL3と左側端部14との間に、視認性確保膜16が形成されていない領域(膜非形成領域)15が残される。
乗用車等の前方のドアの窓に設置されるドアガラスは、窓の開閉のために、窓ガラスとして昇降が可能なように窓枠に取り付けられる。その際、窓枠と窓ガラスとの隙間を埋める部材として、ガラスラン(ウエザーストリップ、モール等と呼称されることもある)が設けられ、窓を完全に閉めた状態では、窓ガラスの上端部だけでなく側端部もガラスランに挟持される。そして、図7に示すように、窓ガラスの昇降時には、ガラス板の上端部及び側端部の周囲部がガラスランと摺動する。図7における自動車の右側前方ドア1は、枠体2、具体的には、上方枠21、下方枠22、後方枠23及び前方枠24によって囲まれた開口部25を有し、開口部25に沿ってガラスラン6を有する。ガラスラン6は、上方枠21内の上方枠ラン61と、下方枠22内の下方枠ラン62と、後方枠23内の後方枠ラン63と、前方枠24内の前方枠ラン64とを備える。ガラス板10は、その下端が接続されたガラス昇降装置3により高さH1から高さH2の間を昇降する。
窓ガラスを昇降させて窓の開閉操作を繰り返した場合には、窓ガラスの上端部近傍や側端部近傍がガラスランに繰り返し摺動する。摺動する領域にも被膜が施されている場合、摺動により被膜に傷がついて表面粗さが大きくなってしまう。上端部近傍の被膜の傷は目立って美観を損ね、また側端部近傍では美観を損ねると共に表面粗さの大きさに起因してガラスランとの間の摩擦係数が大きくなり、窓ガラスの昇降時にビビリ音等の異音が生じるおそれがある。また、ガラスランが劣化しやすくもなる。
図8に示すように、窓ガラスの周辺部において膜非形成領域15は、ガラスラン6と接触する領域の少なくとも一部、好ましくはガラスラン6と接触する領域のすべてを含むように設定するとよい。この好ましい形態によれば、摺動により主面17上に形成された視認性確保膜16に傷が生じるおそれが低く、よって上記の不具合を抑制することができる。
本発明の好ましい一形態では、ガラス板は、車両の窓が閉じるように窓に設置された状態から窓を開くためにガラス昇降装置により下降させられたときに窓の窓枠から少なくともその一部が離間する上端部を有し、視認性確保膜は、ガラス板の上端部に接しないようにガラス板の車内側表面に形成されている(図6参照)。視認性確保膜は、ガラスラン61と接触しないように上端部から後退して形成されていることが好ましい。視認性確保膜は、車両の窓が閉じるように窓に設置された状態において車内から車外を透視できる領域を実質的に覆うように形成されていることがより好ましい。ここで、「実質的に覆う」とは90%以上、より好ましくは95%以上の範囲を覆っていることをいう。視認性確保膜が上記領域を実質的に覆っていることが好ましいのは、固定窓に用いるガラス板においても同様である。
なお、ウインドシールドとしての車両用窓ガラスにも視認性確保膜が形成されていない領域を設け、この領域に貼付が義務づけられているステッカを貼り付けるか、あるいはこの領域が貼り付けるためのものであることを示す表示をガラス板に加えてもよい。この形態によれば、貼り替え作業時に膜の損傷を避けることができる。
以下は、ガラス板上に形成した視認性確保膜の諸特性を確認した実施例である。まず、実施例で作製したサンプルの特性を評価した方法を説明する。
(1)外観
サンプルの透明性及びクラックの有無を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:良好
△:僅かに白濁が認められる。
×:膜中にムラ、白濁、クラック等が認められ、実用上問題がある。
(2)膜厚
サンプルを、室温20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した後、KLA Tencor社製の表面形状測定器α−Step500を用いて視認性確保膜の膜厚を測定した。
(3)接触角
サンプルを、室温20℃、相対湿度50%の環境下に1時間放置した後、協和界面科学社製の接触角計(CA−A)を用いて約4μL(=4mg)の水滴を視認性確保膜の表面に滴下し、視認性確保膜の表面におけるその水滴の接触角を測定した。
(4)水滴凝結時の光の直進性
サンプルを、室温20℃、相対湿度30%の環境下に1時間放置した。一方で、恒温水槽に水温を40℃に保持した温水を収容し、その温水の上方にサンプルを防曇膜が水蒸気に晒されるように配置し、水蒸気に曝された面の全面に曇りが認められる、つまり水滴が凝結するまで保持した。その後、速やかにヘーズメーター(スガ試験機社製「HZ−1S」)を用いてヘイズ率を測定した。水滴凝結時の光の直進性を以下の基準で評価した。
◎:ヘイズ率が15%以下であった。
〇:ヘイズ率が15%超35%以下であった。
×:ヘイズ率が35%超であった。
(実施例1)
n−ヘキシルトリメトキシシラン(HTMS、信越シリコーン社製「KBM−3063」)0.03質量%、テトラエトキシシラン(TEOS、信越シリコーン社製「KBE−04」)0.3質量%、精製水0.15質量%、酸触媒として塩酸0.2質量%、残余がアルコール溶媒(日本アルコール工業製「ソルミックスAP−7」)である視認性確保膜形成用塗工液を調製した。
次いで、洗浄したフロート板ガラス(ソーダライムシリケートガラス、厚さ3.1mm、サイズ100×100mm)上に、室温20℃、相対湿度30%の環境下で、塗工液をフローコート法により塗布した。同環境下で10分間乾燥させた後、120℃で20分間の加熱処理を実施してサンプルを作製した。
(実施例2)
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製「エスレックBM−2」、中重合度タイプ、ブチラール化度65モル%)0.025質量%をさらに添加したことを除いては実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
(実施例3)
n−ヘキシルトリメトキシシランを0.01質量%としたことを除いては実施例2と同様にして、サンプルを作製した。
(実施例4)
n−ヘキシルトリメトキシシランを0.035質量%、テトラエトキシシランを0.7質量%、精製水を10質量%、塩酸を2質量%としたことを除いては実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
(比較例1)
n−ヘキシルトリメトキシシラン0.03質量%に代えて同量のメチルトリメトキシシラン(MTES、信越シリコーン社製「KBE−13」)を用いたことを除いては実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
(比較例2)
n−ヘキシルトリメトキシシラン0.03質量%に代えて同量のデシルトリメトキシシラン(DTMS、信越シリコーン社製「KBM−3103C」)を用いたことを除いては実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
(比較例3)
n−ヘキシルトリメトキシシラン0.03質量%に代えて同量のフェニルトリメトキシシラン(PhTMS、信越シリコーン社製「KBM−103」)を用いたことを除いては実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
(比較例4)
n−ヘキシルトリメトキシシラン0.03質量%に代えて同量のFAS(トリデカフロオロオクチルトリメトキシシラン、GELEST社製)を用いたことを除いては実施例1と同様にして、サンプルを作製した。用いたFASはCF3(CF25(CH22Si(OCH33によって示される。
視認性確保膜の成分及びサンプルの評価結果を表1に示す。表1では、金属酸化物成分であるシリカ成分の質量部を100として各成分の質量部を示している。
Figure 2017183701
視認性確保膜を形成していない露出したガラス表面についての上記ヘイズ率の値は、38.3%となった。FASを用いた比較例4では、4mgの水滴に対しては大きな接触角を示す表面が得られたが、この表面には、上述の評価(4)において微細な水滴が多数形成され、光の直進性の低下を示す尺度であるヘイズ率が大きく上昇した。疎水性が均一でない表面は、水の接触角が大きくても、水滴が形成されたときの視認性の確保には適していない。また、実施例1、2から読み取ることができるように、樹脂の添加は、配向した撥水基による光の直進性を改善する要因になり得ることが確認された。ただし、膜の硬度の確保を優先するべき場合は有機物である樹脂の添加は避けるほうがよい。

Claims (12)

  1. ガラス板と、前記ガラス板の表面に形成された視認性確保膜と、を備え、
    前記視認性確保膜は、撥水基及び金属酸化物成分を含み、
    前記撥水基は、前記金属酸化物成分を構成する金属原子に直接結合している、炭素数3〜9の直鎖アルキル基である、車両用窓ガラス。
  2. 前記視認性確保膜は樹脂を含まない、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
  3. 前記視認性確保膜は、前記金属酸化物成分100質量部に対し、0質量部を超え50質量部以下の範囲で樹脂を含有する、請求項1に記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記視認性確保膜は、前記ガラス板の表面に直接形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  5. 前記視認性確保膜は、前記ガラス板の車内側表面に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  6. 前記ガラス板は、車外側に配置される凸面と車内側に配置される凹面とを有し、
    前記凹面に前記視認性確保膜が形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記ガラス板は、車両の窓が閉じるように前記窓に設置された状態から前記窓を開くためにガラス昇降装置により下降させられたときに前記窓の窓枠から少なくともその一部が離間する上端部を有し、
    前記視認性確保膜は、前記上端部に接しないように前記ガラス板の車内側表面に形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記視認性確保膜は、前記ガラス板が車両の窓が閉じるように前記窓に設置された状態において車内から車外を透視できる領域を実質的に覆うように形成されている、請求項7に記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記視認性確保膜は、前記金属酸化物成分100質量部に対し、1〜30質量部の範囲で前記撥水基を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  10. 前記視認性確保膜は、4mgの水滴を滴下して測定した水の接触角が85〜105度である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  11. 前記撥水基は、炭素数5〜8の直鎖アルキル基である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  12. 前記視認性確保膜の膜厚は、3〜70nmである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
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