JP2017008289A - 防曇膜形成用塗布液、防曇性物品、及びそれらの製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式[1]で表される、重量平均分子量が1,000〜5,000,000の共重合体と、触媒と、溶媒とを含んでなる防曇膜形成用塗布液。(式[1]で、R1及びR2は、水素又はメチル基。R3は、水素又は炭素数が1〜5のアルキル基。Xは、−C(=O)−N(R4)2、水酸基等の有機基。Yは、アルコキシシリル基、又は、−C(=O)−OR5−Si(−OR6)3で表される基。R5は、2価の脂肪族炭化水素基、又は、エステル基、エーテル基、アミド基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基と脂肪族炭化水素基とから構成された2価の有機基。R6は水素又は炭素数が20以下の直鎖または分岐アルキル基。)
【選択図】図1
Description
[発明1]
下記一般式[1]で表される、重量平均分子量が1,000〜5,000,000の共重合体と、触媒と、溶媒とを含んでなる防曇膜形成用塗布液。
[発明2]
前記一般式[1]で表される共重合体が、下記一般式[2]で表される共重合体である発明1に記載の防曇膜形成用塗布液。
[発明3]
前記一般式[2]で表される共重合体が、下記一般式[2−A]で表される共重合体である発明2に記載の防曇膜形成用塗布液。
[発明4]
前記一般式[1]で表される共重合体が、下記一般式[2−B]で表される共重合体である発明2に記載の防曇膜形成用塗布液。
[発明5]
さらに、下記一般式[3]で表される化合物及び下記一般式[4]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物前駆体、該金属酸化物前駆体の加水分解物、及び該金属酸化物前駆体の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、発明3または発明4に記載の防曇膜形成用塗布液。
(R7)iM(Z1)j−i [3]
(式[3]中、R7は1価の有機基、Z1はそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン元素、酸素元素、ハロゲン化物イオン、NO3 −及びCH3COO−からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、MはSi、Zr、Al及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。iは0〜3の整数であり、jは3又は4であり、j−iは1〜4の整数である。
(R8)kM(Z2)p−k [4]
(式[4]中、R8はアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基、Z2はアルコキシ基又はハロゲン元素であり、MはSi、Zr、Al及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。kは0〜4の整数であり、pは3又は4であり、p−kは0〜4の整数である。)
[発明6]
前記重量平均分子量が10,000〜200,000であることを特徴とする発明1〜5のいずれかに記載の防曇膜形成用塗布液。
[発明7]
前記一般式[1]で表される共重合体を含む溶液に、触媒を混合し溶解させる、混合工程を有する発明1に記載の防曇膜形成用塗布液の調製方法。
[発明8]
前記混合工程中の溶液又は混合工程後に得られた溶液に対して、
濃縮すること、又は、さらに溶媒を添加することにより固形分濃度及び粘度を調整する操作、
さらに前記一般式[3]で表される化合物及び前記一般式[4]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物前駆体、該金属酸化物前駆体の加水分解物、及び該金属酸化物前駆体の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを添加する操作からなる群から選ばれる少なくとも1つの操作を行う、発明7に記載の防曇膜形成用塗布液の調製方法。
[発明9]
少なくとも以下の工程を経て作製する防曇性物品の作製方法。
発明7又は8に記載の防曇膜形成用塗布液の調製方法によって防曇膜形成用塗布液を準備する、防曇膜形成用塗布液準備工程、
基材表面に前記防曇膜形成用塗布液を塗布する、防曇膜形成用塗布液塗布工程、
前記防曇膜形成用塗布液塗布工程後の塗膜を硬化する、硬化工程。
[発明10]
前記硬化工程が、50〜250℃で前記塗膜を加熱することにより前記防曇膜形成用塗布液塗布工程後の塗膜を硬化する工程である、発明9に記載の防曇性物品の作製方法。
[発明11]
前記防曇膜形成用塗布液塗布工程が、
防曇膜形成用塗布液を微滴化する工程、及び、
微滴化された該防曇性被膜形成用塗布液を基材に滴下して基材表面に該防曇性被膜形成用塗布液を塗着させる工程である、発明9又は10に記載の防曇性物品の作製方法。
[発明12]
前記基材が、ガラス、鏡、セラミックス、樹脂フィルム及び樹脂板からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、発明9又は10に記載の防曇性物品の作製方法。
一般式[1]で表される共重合体は、Xで表される基を有する繰り返し構造単位と、Yで表される基を有する繰り返し構造単位とからなる共重合体である(以降、一般式[1]で表される共重合体を単に「共重合体」と記載する場合がある)。該共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよいし、交互共重合体であってもよい。
耐熱性の観点から、前記一般式[2]で表される共重合体が、下記一般式[2−A]で表される共重合体であることが好ましい。
本発明の防曇膜形成用塗布液は、上記の一般式[1]で表される共重合体を加水分解反応させること(防曇膜形成用塗布液の調整)によって得られる。該防曇膜形成用塗布液の調整は、溶媒中で行う。溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、シクロヘキサノール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジアセトンアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。相溶性、安全性の観点からエチルアルコールが好ましい。また、複数の溶媒を用いて混合溶媒としてもよい。
さらに下記一般式[3]で表される化合物及び下記一般式[4]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物前駆体、該金属酸化物前駆体の加水分解物、及び該金属酸化物前駆体の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを添加する操作を行って得られたものであることが好ましい。
(R7)iM(Z1)j−i [3]
(式[3]中、R7は1価の有機基、Z1はそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン元素、酸素元素、ハロゲン化物イオン、NO3 −及びCH3COO−からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、MはSi、Zr、Al及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、iは0〜3の整数であり、jは3又は4であり、j−iは1〜4の整数である。なお、Z1が2種以上の場合、j−iで表される数字の内訳は任意に選択することができる。また、Z1が前記イオンを含む場合、Si、Zr、Al及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の、オキシハロゲン化合物、オキシ硝酸化合物及びオキシ酢酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造となる。)
(R8)kM(Z2)p−k [4]
(式[4]中、R8はアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基、Z2はアルコキシ基又はハロゲン元素であり、MはSi、Zr、Al及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、kは0〜4の整数であり、pは3又は4であり、p−kは0〜4の整数である。)
上記一般式[1]で表される、重量平均分子量が1,000〜5,000,000の共重合体と、
上記一般式[3]で表される化合物及び上記一般式[4]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物前駆体、該金属酸化物前駆体の加水分解物、及び該金属酸化物前駆体の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つと、
触媒と、溶媒とを含むことが好ましい。
ZrO(Z1)2 [5]
(式[5]中、Z1はCl−、NO3 −又はCH3COO−である。)
一般式[5]で表されるジルコニウム酸化物前駆体としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム等が挙げられる。
(R9)rZr(Z2)4−r [6]
(式[6]中、R9はアセチルアセトナート基、Z2は炭素数2〜4のアルコキシル基又はハロゲン、rは0〜4の整数である。)
濃縮すること、又は、さらに溶媒を添加することにより固形分濃度及び粘度を調整する操作、
さらに前記一般式[3]で表される化合物及び前記一般式[4]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物前駆体、該金属酸化物前駆体の加水分解物、及び該金属酸化物前駆体の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを添加する操作からなる群から選ばれる少なくとも1つの操作を行って得られたものであってもよい。
また、本発明の防曇膜形成用塗布液は、上記混合工程中の溶液又は混合工程後に得られた溶液に対して、
濃縮すること、又は、さらに溶媒を添加することにより固形分濃度及び粘度を調整する操作、
さらに硬化剤を添加する操作、
さらに微粒子を添加する操作、及び、
さらにレベリング剤を添加する操作
からなる群から選ばれる少なくとも1つの操作を行って得られたものであってもよい。
本発明の防曇性物品は、基材と、該基材の表面に形成された防曇膜を有する防曇性物品であり、少なくとも、基材表面に上記防曇膜形成用塗布液を塗布する、防曇膜形成用塗布液塗布工程、上記防曇膜形成用塗布液塗布工程後の塗膜を硬化する、硬化工程を経て得られたものである。本発明の防曇膜は基材との密着性が良好であるため、予め基材にプライマー層を設ける必要は無いため、構成を簡略化できるという利点がある。ただし、上記の防曇性物品は、基材とその表面に形成されたプライマー層、及び該プライマー層表面に形成された防曇膜を有する防曇性物品であってもよく、少なくとも、基材表面にシランカップリング剤からなるプライマー層を形成する、プライマー層形成工程、上記防曇膜形成用塗布液を上記プライマー層上に塗布する、防曇膜形成用塗布液塗布工程、上記防曇膜形成用塗布液塗布工程後の塗膜を硬化する、硬化工程を経て得られたものであってもよい。
微滴化された該防曇性被膜形成用塗布液を基材に滴下して基材表面に該防曇性被膜形成用塗布液を塗着させる工程を含む。塗布液を微滴化する方法としては、ディスペンサ法では、塗布液に圧力を加えた状態で、ピストンを上下させることで塗布液を微滴化して吐出する。
防曇性物品の外観を目視により評価し、クラックや、透視で像の歪みが無いものを○、クラックや、透視で像の歪みやクラックは無いが、膜面にスジが見えるものを△、クラックや、透視で像の歪みがあったものを×とした。
触針式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、サーフコーダーET−4000A)を用いて、基材上に形成した防曇膜の膜厚を測定した。
JIS K 5600に準じて、防曇膜の鉛筆硬度を測定した。なお、鉛筆硬度は、最も軟らかい(低硬度)「6B」から、「6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、・・・」という順番でより硬い(より高硬度)のレベルが設定されており、該鉛筆硬度がより高いほど(より高硬度であるほど)表面硬度がより優れているといえる。特に、防曇膜の鉛筆硬度が3H以上であると、実使用に耐えうる表面硬度を有しているといえる。
35℃飽和水蒸気で満たされた槽の上部に、防曇膜面を前記槽に向けてサンプルを設置し、曇りが生じるまでの時間(防曇性保持時間)を測定した。防曇膜の防曇性と表面硬度をバランスよく両立する観点から、該試験において、曇りが生じるまでの時間が10〜40秒間であることが好ましい。
温度80℃の乾燥炉で2時間保持した後の防曇性物品の質量(a)を測定し、防曇膜に35℃飽和水蒸気を60分間接触させ、蒸気が暴露する全面に曇りを生じさせ、防曇膜を吸水飽和させた。その後、防曇膜表面の水滴を払拭した後に防曇性物品の質量(b)を測定した。「(b−a)/蒸気暴露面積」の計算式で得られた値を防曇膜の吸水飽和時の単位面積吸水量とした。尚、ここでの(a)値は、防曇膜が吸水していない状態のものに相当する。該単位面積の吸水量が0.1〜5mg/cm2であれば、防曇性物品が十分な防曇性を発揮しやすく、防曇膜が良好な表面硬度を有しやすい。
100℃で保持された恒温槽で1000時間サンプルを保持し、外観の不具合の有無を目視で確認し、不具合がなかったものを外観上合格とし(表中で○と表記)、不具合があったものを外観上不合格とした(表中で×と表記)。なお、外観上の不具合とは黄変や膜表面にブツブツなどの凹凸が発生することである。また、防曇性低下率を以下のように算出した。
防曇性低下率=(耐熱性試験前後の、35℃水蒸気防曇性試験における防曇性保持時間差)×100/(耐熱性試験前の35℃水蒸気防曇性試験における防曇性保持時間)
該防曇性低下率が40%以下であれば、熱に対して防曇膜の品質を長期間維持しやすいため好ましく、該防曇性低下率が小さいほど耐熱性がより優れているといえる。
(基材の準備)
基材として、厚さ3mm、100mm角のフロートガラスを使用した。該基材表面をセリア微粒子で研磨し、ブラッシング洗浄を行い乾燥した。
まず、上記一般式[1]で表される共重合体を合成した。N,N−ジメチルアクリルアミド(以降、「DMAA」と記載する場合がある)と3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以降、「AcPTMS」)を原料として用い、モル比でDMAA/AcPTMS=1.0/0.4の割合で反応させ、重量平均分子量が90,000の共重合体(上記一般式[1]で表される共重合体)を得た。該共重合体において、一般式[1]のXで表される基は−C(=O)N(CH3)2基に相当し、Yで表される基は−C(=O)OC3H6Si(OCH3)3に相当する。一般式[1]中のaとbは、−C(=O)N(CH3)2基を有する繰り返し構造単位と−C(=O)OC3H6Si(OCH3)3基を有する繰り返し構造単位の存在比率であり、原料として用いた−C(=O)N(CH3)2基を有するDMAAと−C(=O)OC3H6Si(OCH3)3基を有するAcPTMSのモル比によって算出することができ、a:b=1.0/0.4である。
上記で合成した共重合体に、1N酢酸0.5g、溶媒としてエタノール(以降、「EtOH」と記載することがある)を7.50g加えて、密閉容器内で4時間、40℃で攪拌した(混合工程)。さらに、レベリング剤としてBYK306を0.04g加え、防曇膜形成用塗布液を調液した。得られた防曇膜形成用塗布液の固形分濃度は19質量%であり、25℃での粘度は、JISZ 8803に準拠した測定方法において、80mPa・sであった。
上記で調製した防曇膜形成用塗布液を、上記基材上にスピンコーティング法により塗布した。該基材を180℃に保持された電気炉に15分入れ、塗膜を硬化させることにより防曇膜を形成させて防曇性物品を得た。
表1のように、一般式[1]で表される共重合体(該化合物のX基、Y基、a:b比、重量平均分子量)や、防曇膜作成用塗布液の作製においては触媒、溶媒、金属酸化物前駆体等、及び、防曇膜の硬化工程の温度を実施例1とは変更し、それ以外は実施例1と同様の操作で防曇性物品を作製し評価を行った。
実施例1の(防曇膜形成用塗布液の調整)で、レベリング剤の添加を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の操作で防曇性物品を作製し評価を行った。なお、得られた防曇膜形成用塗布液の固形分濃度は33質量%であり、25℃での粘度は、JIS Z 8803に準拠した測定方法において、150mPa・sであった。
実施例1の(一般式[1]で表される共重合体の合成)で、a:bの比が0:1の化合物を用いた以外は実施例1と同様の操作で防曇性物品の作製を試み、評価を行った。得られた防曇性物品は、外観にクラックが生じており、また、防曇性が不十分であった。
実施例1の(一般式[1]で表される共重合体の合成)で、a:bの比が1:0の化合物を用いた以外は実施例1と同様の操作で防曇性物品の作製を試みたが、被膜が硬化せず、評価不能であった。
実施例1の(一般式[1]で表される共重合体の合成)で、a:bの比が1.0:4.0の化合物を用いた以外は実施例1と同様の操作で防曇性物品の作製を試み、評価を行った。得られた防曇性物品の防曇膜は、防曇性が不十分であった。
実施例1の(一般式[1]で表される共重合体の合成)で、重量平均分子量が8,000,000の共重合体を合成した以外は実施例1と同様の操作で防曇性物品の作製を試みたが、該化合物の一部がエタノールに不溶であり、均一な防曇膜形成用塗布液を調整できず、成膜することが出来なかった。
実施例1の(防曇膜形成用塗布液の調整)で、酸を用いなかった以外は実施例1と同様の操作で防曇性物品の作製を試みたが、上記一般式[1]で表される共重合体の一部がエタノールに不溶であり、均一な防曇膜形成用塗布液を調整できず、成膜することが出来なかった。
実施例1の(一般式[1]で表される共重合体の合成)で、DMAAの代わりにアクリルアミドを用いた以外は実施例1と同様の操作で防曇性物品の作製を試み、評価を行った。得られた防曇性物品の防曇膜は、耐熱性試験後、外観が黄変し、耐熱性が不十分であった。
先行特許文献1に記載の方法に従い、防曇性物品の作製を試みた。DMAAとアクリル酸(以降、「AA」と記載する場合がある)を原料として用い、モル比でDMAA/AA=1.3/1.0の割合で、65℃で3時間反応させ、重量平均分子量が60,000の共重合体を得た。次いで、前記共重合体0.52gに対し、多官能エポキシ化合物としてポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムテックス株式会社製の商品名「デナコールEX−421」、25℃の水に対する溶解率は88質量%、平均官能基数は3.0)を0.42g加え、四級ホスホニウム塩としてトリフェニルブチルホスホニウムブロミド(以降、「TPBPB」と記載することがある)を0.0052g加え、溶媒としてメタノールを2.07g加えて、80℃のオイルバス浴をさせた密閉容器内で5時間リフラックス撹拌し、重量平均分子量が300,000の防曇膜形成用塗布液を得た。なお、前記多官能エポキシ化合物は、前記共重合体のカルボキシル基1モル量に対し、該多官能エポキシ化合物のエポキシ基が1.4モル量となるように添加された。前期防曇膜形成用塗布液を塗布して得られた防曇性物品の防曇膜は、鉛筆硬度がHと低く、不十分であった。
できなかったり、膜化しなかったりといった点があった。
(基材の準備)
実車のウィンドシールドサイズ(約1500mm×1000mm)のフロートガラス表面を研磨液で研磨し、その後水洗及び乾燥を行った。なお、研磨液には、ガラス用研磨剤ミレークA(T)(三井金属鉱業製)を水道水に分散させた懸濁液(1重量%)を用いた。
実施例4(一般式[1]で表される共重合体の合成)と同様にして、重量平均分子量が40,000の共重合体を合成した。
触媒としてアルミ系触媒X−12−2229(信越化学株式会社製)を用いた以外は、実施例14と同様の作業で塗布液を調整した。得られた防曇膜形成用塗布液の固形分濃度は35質量%であり、25℃での粘度は、JIS Z 8803に準拠した測定方法において、45mPa・sであった。
上記で調製した防曇膜形成用塗布液を、上記基材上にディスペンサ法により塗布した。該基材を赤外線ヒーターで80℃、15分間加熱し、塗膜を硬化させることにより防曇膜を形成させて防曇性物品を得た。
表1のように、有機溶媒の種類、固形分濃度等を実施例17とは変更し、それ以外は実施例17と同様の操作で防曇性物品を作製し評価を行った。有機溶媒の沸点が低い実施例21や粘度が大きい実施例22では、外観にスジが少し見られた一方、実施例17〜20、23、24の外観は良好だった。
Claims (12)
- 下記一般式[1]で表される、重量平均分子量が1,000〜5,000,000の共重合体と、触媒と、溶媒とを含んでなる防曇膜形成用塗布液。
- さらに、下記一般式[3]で表される化合物及び下記一般式[4]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物前駆体、該金属酸化物前駆体の加水分解物、及び該金属酸化物前駆体の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項3または請求項4に記載の防曇膜形成用塗布液。
(R7)iM(Z1)j−i [3]
(式[3]中、R7は1価の有機基、Z1はそれぞれ独立にアルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン元素、酸素元素、ハロゲン化物イオン、NO3 −及びCH3COO−からなる群から選ばれる少なくとも1つであり、MはSi、Zr、Al及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。iは0〜3の整数であり、jは3又は4であり、j−iは1〜4の整数である。
(R8)kM(Z2)p−k [4]
(式[4]中、R8はアセチルアセトナート基及びエチルアセトアセテート基から選ばれる少なくとも1つの基、Z2はアルコキシ基又はハロゲン元素であり、MはSi、Zr、Al及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。kは0〜4の整数であり、pは3又は4であり、p−kは0〜4の整数である。) - 前記重量平均分子量が10,000〜200,000であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防曇膜形成用塗布液。
- 前記一般式[1]で表される共重合体を含む溶液に、触媒を混合し溶解させる、混合工程を有する請求項1に記載の防曇膜形成用塗布液の調製方法。
- 前記混合工程中の溶液又は混合工程後に得られた溶液に対して、
濃縮すること、又は、さらに溶媒を添加することにより固形分濃度及び粘度を調整する操作、
さらに前記一般式[3]で表される化合物及び前記一般式[4]で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物前駆体、該金属酸化物前駆体の加水分解物、及び該金属酸化物前駆体の縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを添加する操作からなる群から選ばれる少なくとも1つの操作を行う、請求項7に記載の防曇膜形成用塗布液の調製方法。 - 少なくとも以下の工程を経て作製する防曇性物品の作製方法。
請求項7又は8に記載の防曇膜形成用塗布液の調製方法によって防曇膜形成用塗布液を準備する、防曇膜形成用塗布液準備工程、
基材表面に前記防曇膜形成用塗布液を塗布する、防曇膜形成用塗布液塗布工程、
前記防曇膜形成用塗布液塗布工程後の塗膜を硬化する、硬化工程。 - 前記硬化工程が、50〜250℃で前記塗膜を加熱することにより前記防曇膜形成用塗布液塗布工程後の塗膜を硬化する工程である、請求項9に記載の防曇性物品の作製方法。
- 前記防曇膜形成用塗布液塗布工程が、
防曇膜形成用塗布液を微滴化する工程、及び、
微滴化された該防曇性被膜形成用塗布液を基材に滴下して基材表面に該防曇性被膜形成用塗布液を塗着させる工程である、請求項9又は10に記載の防曇性物品の作製方法。 - 前記基材が、ガラス、鏡、セラミックス、樹脂フィルム及び樹脂板からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項9又は10に記載の防曇性物品の作製方法。
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