JPWO2017170797A1 - 原液処理装置、ローラーポンプ装置およびバッグの配置方法 - Google Patents

原液処理装置、ローラーポンプ装置およびバッグの配置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄機能を有しつつ装置の大型化を防ぐことができる原液処理装置、かかる原液処理装置に採用できるローラーポンプ装置およびバッグの配置方法を提供する。
【解決手段】一本の駆動軸32に複数のローラー33,34が設けられており、複数のローラー33,34と32駆動軸との間にはワンウェイクラッチ35,36が設けられており、ワンウェイクラッチ35,36は、駆動軸32と正転ローラー33の間に設けられている正転側ワンウェイクラッチ35と、駆動軸32と逆転ローラー34の間に設けられている逆転側ワンウェイクラッチ36と、を備えている。駆動軸32の回転方向を変化させれば、正転ローラー33のみまたは逆転ローラー34のみに回転力を供給することができる。一つの駆動源で2つのローラー33,34を独立して駆動させることができるので、各ローラー33,34に配置されたチューブからそれぞれ独立して送液することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原液処理装置、ローラーポンプ装置およびバッグの配置方法に関する。さらに詳しくは、癌性胸腹膜炎、肝硬変などにおいて胸部や腹部に溜まる胸腹水や血漿交換療法の廃液血漿などの原液を濾過したり濃縮したりして点滴静注する処理液を得るための原液処理装置、かかる原液処理装置に使用されるローラーポンプ装置およびバッグの配置方法に関する。
癌性胸腹膜炎、肝硬変などでは、胸腔や腹腔に胸水や腹水が溜まる場合があり、このような胸腹水が溜まった状態では、胸腹水が周囲の臓器を圧迫するなどの問題が生じる。かかる問題を改善するために、穿刺により胸腹水を抜く処理が行われる場合がある。
一方、胸腹水には、血液から漏出した血漿成分の一部または全てが含まれており、この血漿中には主要な蛋白質(例えば、アルブミンやグロブリンなど)が含まれている。胸腹水を抜くことによって上記症状は改善されるものの、水分とともに蛋白質などの人体に有用な成分などが失われてしまう。このため、アルブミン製剤やグロブリン製剤などを静脈から投与するなどして失われた成分を補給することが必要になる。
しかし、アルブミン製剤などを静脈から投与することによって、特定の成分を補給することはできるものの、製剤が高価であり、治療費が非常に高くなる。
しかも、特定の成分しか供給できないので、失われた成分のうち偏った成分しか補給できないため、低栄養や易感染性などの問題が生じる可能性もある。
そこで、胸腔や腹腔から抜いた胸水または腹水を処理後に静脈内へ投与する治療方法、いわゆる胸腹水濾過濃縮再静注法(Cell−free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy;CART)が開発されている。このCARTでは、採取した胸水または腹水を入れたバッグ(原液バッグ)から中空糸膜を有する濾過器に胸水または腹水を供給して液体成分を分離する。分離された液体成分を濃縮器に通すことによって水分の一部を除去して濃縮し、得られた濃縮液を静脈内へ投与する。かかるCARTの場合、胸水や腹水に含まれる細胞成分以外の有効な成分の大部分を患者の体内に戻すことができるので、特定の成分に限定することなく、血液から失われた成分を効果的に患者に供給できる。しかも、濃縮液を投与しても不足する成分を不足する量だけ製剤によって補えばよいので、アルブミン製剤などの使用量を極力少なくすることができ、治療費を抑えることができる。
ところで、現在、CARTに使用する濃縮液を製造する場合、処理する原液(胸水または腹水)を濾過器および濃縮器に供給するが、濾過器では中空糸膜によって原液中の細胞等を捕捉して濾過する方法を採用している。このため、濾過処理をしていくうちに、捕捉した細胞等によって中空糸膜が詰まってしまう可能性がある。すると、濾過器の圧損が大きくなり中空糸膜を通過する液量が少なくなり処理効率が低下するので、濾過できなくなった際には中空糸膜を洗浄しなければならない。
特許文献1には、腹水に適した限外濾過性能を有する限外濾過膜を採用することによって目詰まりを防止できる旨が開示されているものの、処理の進行に伴って細胞等が堆積すれば目詰まりが発生してしまう。
一方、特許文献2には、濾過器と濃縮器の間に設けたポンプ(送液ポンプ)が発生する陰圧によって濾過器から原液を吸い出して濃縮器に供給し、濃縮器の出口に設けたポンプ(濃縮ポンプ)が発生する陰圧によって濃縮器から濃縮液を吸い出す構成とした腹水濾過濃縮システムが開示されている。このシステムでは、濃縮器の廃液口から洗浄液を供給しつつ送液ポンプを逆転させれば、送液ポンプによって発生する陰圧によって濃縮器から洗浄液を吸い出すことができる。しかも、濃縮器から吸い出した洗浄液を濾過器に供給することができる。すると、原液が流れる方向と逆方向に洗浄液を流すことができるので、洗浄液によって濾過器および濃縮器を洗浄(逆洗浄)することができる。この技術を採用すれば、濾過器において、目詰まりした中空糸膜から捕捉した細胞等を分離除去して、中空糸膜の詰りを解消することができる可能性がある。
しかし、特許文献2では、濾過器を流れる液の流量は送液ポンプによって調整しており、濃縮液の流量(つまり濃縮割合)は濃縮ポンプによって調整している。つまり、濾過濃縮のために複数のポンプを設けているので、装置が大型化する。
一方、特許文献3には、一つの回転軸にワンウェイクラッチを介して2つの加圧部材を取り付けたポンプ装置が開示されている。このポンプ装置では、2つの加圧部材にチューブを巻き掛けておけば、回転軸の回転方向を変えるだけで送液するチューブを変更できるようになっている。つまり、一つのポンプを2つのポンプのように機能させることができるので、このポンプを特許文献2に適用すれば、ポンプ数を少なくでき、装置の大型化を防止できる可能性がある。
特開2012−125557号公報 特開2015−126763号公報 特開2001−20872号公報
しかるに、CART等に使用する原液を処理する装置では、複数の作業を実施する必要があり、各作業によってチューブ内を流れる液体の方向が変化する。しかし、特許文献3のポンプでは、各加圧部材に巻き掛けられているチューブにおいて、液体を流すことができる方向は一方向に限られてしまう。したがって、特許文献3のポンプをそのまま特許文献2の技術に適用した場合に、複数の作業を実施できない可能性がある。
本発明はかかる事情に鑑み、洗浄機能を有しつつ装置の大型化を防ぐことができる原液処理装置、かかる原液処理装置に採用できるローラーポンプ装置、およびバッグの配置方法を提供することを目的とする。
(ローラーポンプ装置)
第1発明のローラーポンプ装置は、ハウジングの内面との間にチューブが配置されたローラーを備えたローラーポンプ装置であって、駆動軸と、該駆動軸に取り付けられた複数のローラーと、を備えており、該複数のローラーは、回転伝達部を介して前記駆動軸に取り付けられた正転ローラーと逆転ローラーとを備えており、前記回転伝達部は、前記駆動軸が正転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記正転ローラーに伝達する正転側回転伝達部と、前記駆動軸が逆転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記逆転ローラーに伝達する逆転側回転伝達部と、を備えていることを特徴とする。
第2発明のローラーポンプ装置は、第1発明において、前記複数のローラーは、前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーおよび/または前記ハウジングに対する相対的な回転が固定されたクランプローラーを備えていることを特徴とする。
第3発明のローラーポンプ装置は、第2発明において、前記複数のローラーは、前記チューブ内における液体の自由な移動を許容するフリーローラーを備えていることを特徴とする。
第4発明のローラーポンプ装置は、第1、第2または第3発明のいずれかにおいて、前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、該複数本のチューブが並んで配置されたチューブ回路を備えており、該チューブ回路は、前記ローラーが配置されるローラー配置部を複数備えており、前記複数本のチューブは、各ローラー配置部に前記ローラーが配置された際に、前記駆動軸の軸方向と交差する方向に該ローラー配置部を横断するように配設されていることを特徴とする。
第5発明のローラーポンプ装置は、第1、第2、第3または第4発明において、前記複数のローラーに複数本のチューブが配置されており、該複数本のチューブを前記駆動軸の軸方向および/または前記駆動軸の軸方向と直交する方向において反転可能に保持していることを特徴とする。
第6発明のローラーポンプ装置は、第5発明において、前記複数本のチューブは、各チューブ間の相対的な位置を保持する連結部材によって連結されていることを特徴とする。
第7発明のローラーポンプ装置は、第5または第6発明において、前記ハウジングは、
前記駆動軸の軸端部に対して接近離間可能であって、前記チューブを前記ハウジングの内面と前記ローラーとの間から着脱するための開口を開閉するカバーを備えていることを特徴とする。
第8発明のローラーポンプ装置は、第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記ローラーおよび/または前記ローラーに配置されているチューブが、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする。
第9発明のローラーポンプ装置は、第1乃至第8発明のいずれかにおいて、前記複数のローラーのうち、一つまたは複数のローラーには、一つのローラーに複数本のチューブが配置されていることを特徴とする。
第10発明のローラーポンプ装置は、第1乃至第9発明のいずれかにおいて、前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、該複数本のチューブが、流路面積が異なるチューブを有していることを特徴とする。
第11発明のローラーポンプ装置は、第1乃至第10発明のいずれかにおいて、医療用機器や測定用検査機器において送液に使用することを特徴とする。
(原液処理装置)
第12発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、該原液供給部と前記濾過器の原液供給口とを繋ぐ給液チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液回収チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、前記給液チューブと前記濾過器洗浄液回収チューブとが異なるローラーに配置された第1乃至第9発明のいずれかの第1ローラーポンプ装置と、前記廃液チューブまたは前記濃縮液チューブと前記濾過器洗浄液供給チューブとが異なるローラーに配置された第1乃至第9発明のいずれかの第2ローラーポンプ装置と、を備えていることを特徴とする。
第13発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、該原液供給部と前記濾過器の原液供給口とを繋ぐ給液チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液回収チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、前記給液チューブと前記濾過器洗浄液供給チューブとが異なるローラーに配置された第1乃至第9発明のいずれかの第1ローラーポンプ装置と、前記廃液チューブまたは前記濃縮液チューブと前記濾過器洗浄液回収チューブとが異なるローラーに配置された第1乃至第9発明のいずれかの第2ローラーポンプ装置と、を備えていることを特徴とする。
第14発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、送液を行う第1乃至第9発明のいずれかのローラーポンプ装置と、前記ローラーポンプ装置のローラーに配置されている、送液のための複数本のチューブと、を備えており、前記複数本のチューブは、該複数本のチューブが並んで配置されたチューブ回路に取り付けられており、該チューブ回路は、前記ローラーポンプ装置のローラーが配置されるローラー配置部を複数備えており、前記複数本のチューブは、各ローラー配置部に前記ローラーポンプ装置のローラーが配置された際に、該ローラーポンプの駆動軸の軸方向と交差する方向に該ローラー配置部を横断するように配設されていることを特徴とする。
第15発明の原液処理装置は、第14発明において、前記複数本のチューブが、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、を備えており、前記濃縮液チューブまたは前記廃液チューブは、前記チューブ回路におけるローラー配置部に配置された部分が、配置されるローラー配置部によって異なる流路面積となっていることを特徴とする。
第16発明の原液処理装置は、第14または第15発明において、前記ローラーポンプ装置は、前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブ内の圧力の絶対値、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブ内の圧力の絶対値、両者の合計圧力の絶対値、または両者の差圧の絶対値が、一定または一定値以下になるように、廃液流量および/または濃縮液流量を調整するものであることを特徴とする。
第17発明の原液処理装置は、第14、第15または第16発明において、前記濾過器の原液供給口に連通された給液チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、を備えており、前記給液チューブの流路面積は、前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されていることを特徴とする。
第18発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、前記濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、送液を行うローラーポンプ装置と、を備えており、前記ローラーポンプ装置が、第1乃至第9発明のいずれかのローラーポンプ装置であって、前記駆動軸の一端から他端に向かって、固定ローラーまたは正転ローラー、逆転ローラーの順で並ぶように駆動軸に設けられた第1ローラー群と、第1ローラー群よりも前記駆動軸の他端側に、該駆動軸の一端から他端に向かって、逆転ローラー、正転ローラーの順で並ぶように駆動軸に設けられた第2ローラー群と、前記第1ローラー群と前記第2ローラー群の間に設けられたフリーローラーと、を備えており、前記第1ローラー群には、前記駆動軸の一端から他端に向かって、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の濾過液供給口に接続された再濃縮液供給チューブが、この順で配置されており、前記第2ローラー群には、前記駆動軸の一端から他端に向かって、前記濾過器の洗浄液供給口に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブが、この順で配置されており、前記濃縮液チューブ、前記再濃縮液供給チューブ、前記濾過器洗浄液供給チューブおよび前記廃液チューブは、前記駆動軸および/または前記チューブを移動させた際に、異なるローラーに配置された状態となるように配設されていることを特徴とする。
第19発明の原液処理装置は、第18発明において、前記第1ローラー群が、前記逆転ローラーとの間に前記正転ローラーを挟む位置に第2逆転ローラーを備えており、前記濃縮液チューブと前記再濃縮液供給チューブは、前記駆動軸および/または前記両チューブを移動させると、前記第1ローラー群の各ローラーと前記フリーローラーのうち、互いに隣接しない2つのローラーに配置された状態となるように配設されており、前記濾過器洗浄液供給チューブと前記廃液チューブは、前記駆動軸および/または前記両チューブを移動させると、前記第2ローラー群における前記逆転ローラーと、前記第2ローラー群における他のローラーまたは前記フリーローラーに配置された状態となるように配設されていることを特徴とする。
第20発明の原液処理装置は、第18または第19発明において、前記ローラーポンプ装置は、前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブ内の圧力の絶対値、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブ内の圧力の絶対値、両者の合計圧力の絶対値、または両者の差圧の絶対値が、一定または一定値以下になるように、廃液流量および/または濃縮液流量を調整するものであることを特徴とする。
第21発明の原液処理装置は、第18、第19または第20発明において、前記濾過器の原液供給口に連通された給液チューブを備えており、該給液チューブの流路面積は、前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されていることを特徴とする。
第22発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する中空糸膜を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、送液を行うローラーポンプ装置と、を備えており、該ローラーポンプ装置における一つのローラーに、前記原液供給部と前記濾過器の原液供給口との間を連通する給液チューブまたは前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口と濃縮液バッグとの間を連通する濃縮液チューブまたは前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、が配置されていることを特徴とする。
第23発明の原液処理装置は、第22発明において、前記濾過器が、前記原液供給口と連通された洗浄液供給口を備えており、前記ローラーポンプ装置が、第1乃至第10発明のいずれかのローラーポンプ装置であり、前記給液チューブまたは前記濾過液供給チューブと前記濃縮液チューブまたは前記廃液チューブは、前記正転ローラーに配置されており、前記逆転ローラーには、前記濾過器の洗浄液供給口に連通された濾過器洗浄液給液チューブと、前記濾過器の原液供給口に連通された濾過器洗浄液回収チューブの両方が配置されていることを特徴とする。
第24発明の原液処理装置は、第22または第23発明において、前記給液チューブの流路面積は、前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されていることを特徴とする。
第25発明の原液処理装置は、第24発明において、前記濃縮液チューブまたは廃液チューブをそれぞれ複数本備えており、該複数本の濃縮液チューブまたは該複数本の廃液チューブが、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする。
第26発明の原液処理装置は、第22、第23、第24または第25発明において、前記濾過器の原液排出口と該濾過器の原液供給口とを連通する濾過器循環チューブが設けられており、前記ローラーポンプが、第1乃至第10発明のいずれかのローラーポンプ装置であって、前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーを備えており、該濾過器循環チューブは、前記ローラーポンプ装置の固定ローラーに配置されていることを特徴とする。
第27発明の原液処理装置は、第22、第23、第24、第25または第26発明において、前記濃縮器の濃縮液排出口と該濃縮器の濾過液供給口とを連通する濃縮器循環チューブが設けられており、前記ローラーポンプが、請求項2乃至10のいずれかに記載のローラーポンプ装置であって、前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーを備えており、該濃縮器循環チューブは、前記ローラーポンプ装置の固定ローラーに配置されていることを特徴とする。
(バッグ配置)
第28発明のバッグの配置方法は、胸腹水や血漿などの原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して濃縮液を形成する濃縮器と、送液を行うローラーポンプ装置と、を備えた、原液を濃縮して濃縮液を形成する原液処理装置において、前記濾過器に供給する原液を収容した原液バッグ、前記濃縮器で濃縮された濃縮液が回収される濃縮液バッグ、前記濃縮器において前記濃縮液から分離された廃液が回収される廃液バッグ、の全てのバッグ、または、いくつかのバッグを同じ高さに配置することを特徴とする。
第29発明のバッグの配置方法は、第28発明において、前記濾過器および/または前記濃縮器を洗浄する洗浄液を収容した洗浄液バッグと、前記濾過器および/または前記濃縮器を洗浄した洗浄液が回収される洗浄液回収バッグと、が接続されており、前記洗浄液バッグおよび/または前記洗浄液回収バッグが、前記全てのバッグ、または、いくつかのバッグと同じ高さに配置されていることを特徴とする。
第30発明のバッグの配置方法は、第29または第30発明において、前記原液処理装置が、第12乃至第27発明のいずれかの原液処理装置であることを特徴とする。
(ローラーポンプ装置)
第1発明によれば、駆動軸の回転方向を変化させれば、正転ローラーのみまたは逆転ローラーのみに回転力を供給することができる。すると、一つの駆動源で2つのローラーを独立して駆動させることも可能となるので、各ローラーに配置されたチューブからそれぞれ独立して送液することができる。
第2、第3発明によれば、チューブを配置するローラーを調整すれば、ローラーポンプ装置による送液を自由に調整することができる。
第4発明によれば、チューブ回路のローラー配置部にローラーを配置すれば、複数本のチューブから同時に送液をすることができる。また、各ローラー配置部においてチューブの配列を変更しておけば、ローラーを配置するローラー配置部を変更することによって、複数本のチューブからの送液状態を変更することができる。そして、ローラーを配置するローラー配置部を変更するだけで送液状態を変更することができるので、送液状態の変更を容易かつ確実に行うことができる。
第5、第6発明によれば、チューブ内を流れる液体の送液状態を簡単に変更することができる。
第7発明によれば、カバーを開閉すればチューブを着脱できるので、ローラーに対するチューブの配置を変更することができる。
第8発明によれば、ローラーおよび/またはチューブを駆動軸の軸方向に沿って移動させれば、チューブが配置されているローラーを変更できるので、送液状態の変更が容易になる。
第9、第10発明によれば、一つのローラーを回転させた場合でも、異なる流量の送液ができる。
第11発明によれば、ポンプやその駆動源を少なくできるので、医療用機器や測定用検査機器をコンパクトな構成とすることができる。
(原液処理装置)
第12、第13発明によれば、第1ローラーポンプ装置と第2ローラーポンプ装置の作動を調整すれば、給液チューブと廃液チューブまたは濃縮液チューブの流量を調整できるので、濾過濃縮状態を変更することができる。しかも、給液チューブと廃液チューブまたは濃縮液チューブの送液がそれぞれ別々のローラーポンプ装置によって実施されるので、濾過濃縮状態の調整の自由度が高くなる。そして、ローラーに配置するチューブの位置を変更すれば、準備洗浄や濾過濃縮等の作業を切り替えることができる。
(原液処理装置)
第14発明によれば、ローラーを配置するローラー配置部を変更するだけで、濾過濃縮や洗浄等の作業を切り替えることができる。したがって、各作業を切り替える際に、切り換え作業が簡素化できるし、切り換えの自動化も可能になる。
第15発明によれば、ローラーを配置するローラー配置部を変更するだけで、濃縮割合を変更できるので、濃縮割合の変更が容易になる。
第16発明によれば、濾過作業および濃縮作業において、濾過器や濃縮器に過剰な圧力が加わることを防ぐことができる。すると、原液中の細胞や液体成分および濾過液中の液体成分に過剰な刺激が加わることを防止できるので、副作用や目詰りを起こす原因となる成分の産生を抑えることができ、容易に安全な濾過濃縮を実施することができる。
第17発明によれば、濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出を同じポンプで実施でき、所定の濃縮割合の濃縮液を得ることができる。
(原液処理装置)
第18または第19発明によれば、ローラーまたはチューブを駆動軸の軸方向に沿って移動させるだけで、濾過濃縮や洗浄等の作業を切り替えることができる。したがって、各作業を切り替える際に、切り換え作業が簡素化できるし、切り換えの自動化も可能になる。
第20発明によれば、濾過作業および濃縮作業において、濾過器や濃縮器に過剰な圧力が加わることを防ぐことができる。すると、原液中の細胞や液体成分および濾過液中の液体成分に過剰な刺激が加わることを防止できるので、副作用や目詰りを起こす原因となる成分の産生を抑えることができ、容易に安全な濾過濃縮を実施することができる。
第21発明によれば、濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出を同じポンプで実施でき、所定の濃縮割合の濃縮液を得ることができる。
(原液処理装置)
第22発明によれば、濾過器に対する原液の供給と、濃縮液から分離された液体の濃縮器からの排出を、一つのポンプで行うことができるので、装置を小型化することができる。
第23発明によれば、正転ローラーを回転させれば濾過および濃縮を実施でき、逆転ローラーを回転させれば濾過器の洗浄を実施することができる。そして、正転ローラーおよび逆転ローラーを駆動する駆動源を一つにできるので、装置をよりコンパクトにできる。また、回転力が供給されていない状態では、正転ローラーおよび逆転ローラーをチューブの流れを止めるクランプ等として機能させることができる。すると、チューブの流れを制御するクランプ等を設ける数を少なくできるので、装置の構成を簡素化できる。
第24発明によれば、濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出を同じポンプで実施でき、所定の濃縮割合の濃縮液を得ることができる。
第25発明によれば、ローラーに配置するチューブの本数を調整すれば、濃縮液の濃縮割合を調整することができる。
第26発明によれば、濾過器に入る液体を循環させることによって濾過器の目詰まりを防止することができる。また、濾過器で濾過液から分離された分離液を再度濾過できるので、濾過効率を高めることができ、濾過器の目詰まりも防止することができる。しかも、濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出とともに、分離液の循環も一つのポンプで実施することが可能となるので、装置をより小型化することができる。
第27発明によれば、濃縮器に入る液体を循環させることによって濃縮器の目詰まりを防止することができる。また、濾過器への濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出とともに、濃縮液の循環も一つのポンプで実施することが可能となるので、装置をより小型化することができる。
(バッグ配置)
第28〜第30発明によれば、原液処理装置における全てのバッグまたはいくつかのバッグが同じ高さに配置されているので、ローラーポンプにおけるチューブの圧迫が解除されてチューブ内の液体の移動が可能な状態となっても、移動する液体の量を少なくすることができる。
原液処理装置1の濾過濃縮作業の概略説明図である。 原液処理装置1の濾過器10の洗浄作業の概略説明図である。 ローラーポンプ装置10の概略説明図であり、(A)は概略側面図であり、(B)は概略正面図である。 (A)は、(B)のA−A線断面矢視図であり、(B)は概略平面図である。 ローラーポンプ装置40の概略説明図である。 他の実施形態のローラーポンプ装置40の概略説明図である。 他の実施形態のローラーポンプ装置40の概略説明図である。 原液処理装置1Bの濾過濃縮作業の概略説明図である。 原液処理装置1Bの濾過器洗浄作業の概略説明図である。 ローラーポンプ装置50の概略説明図である。 原液処理装置1Cの準備洗浄作業の概略説明図である。 原液処理装置1Cの濾過濃縮作業の概略説明図である。 原液処理装置1Cの濾過器洗浄作業の概略説明図である。 原液処理装置1Cの再濃縮作業の概略説明図である。 ローラーポンプ装置60の概略説明図である。 原液処理装置1Dの準備洗浄作業の概略説明図である。 原液処理装置1Dの濾過濃縮作業の概略説明図である。 原液処理装置1Dの濾過器洗浄作業の概略説明図である。 原液処理装置1Dの再濃縮作業の概略説明図である。 ローラーポンプ装置70の概略説明図である。 ポンプ30A,30Bを採用した原液処理装置1Eにおける準備洗浄作業の概略説明図である。 ポンプ30A,30Bを採用した原液処理装置1Eにおける濾過濃縮作業の概略説明図である。 ポンプ30A,30Bを採用した原液処理装置1Eにおける濾過器洗浄作業の概略説明図である。 チューブの軸方向の位置を反転させる構成の説明図である。 ポンプ30Aの概略説明図であり、(A)は概略側面図であり、(B)は概略正面図である。 ポンプ30Aのカバー37を開いた状態の概略説明図であり、(A)は、概略側面図であり、(B)は概略平面図である。 (A)はチューブの軸方向と直交する位置を反転させる構成の概略説明図であり、(B)はチューブがローラーと接触する面を変更する構成の概略平面図である。
本発明の原液処理装置は、胸腹水などの原液を濾過濃縮して点滴静注や腹腔内投与などの方法によって患者に投与できる処理液を得るための装置であって、装置をコンパクトに構成できるようにしたことに特徴を有するものである。
本発明の原液処理装置によって処理される対象となる原液はとくに限定されないが、例えば、胸腹水や血漿などを挙げることができる。胸腹水とは、癌性胸腹膜炎、肝硬変などにおいて胸腔や腹腔に溜まる胸水や腹水のことである。この胸腹水には、血管や臓器から漏出した血漿成分(蛋白質、ホルモン、糖、脂質、電解質、ビタミン、ビリルビン、アミノ酸など)、ヘモグロビン、癌細胞、マクロファージ、白血球、赤血球、血小板、細菌などが含まれている。本発明の原液処理装置では、この胸腹水から、癌細胞、マクロファージ、組織球、白血球、赤血球、血小板、細菌などを除去して、胸腹水中に含まれる水分や有用成分を含む濃縮液を製造することができる。
血漿とは、血漿交換療法の廃液血漿などの血漿を挙げることができる。つまり、廃液血漿や手術中に回収した血液などを本発明の原液処理装置を利用し、回路の一部を変更して浄化すれば、再利用可能な再生血漿を製造することができる。なお、この場合には、本発明の原液処理装置において、濾過器に代えて血漿成分分離器を、濃縮器に代えて血漿成分分画器を使用すればよい。
また、本発明の原液処理装置において使用される濾過部材は、胸腹水中に含まれる血漿、水分および上述したような有用な成分は透過するが、癌細胞、マクロファージ、白血球、赤血球、血小板、細菌などの細胞成分は透過しないものであればよく、とくに限定されない。例えば、濾過部材として、CARTの腹水濾過器、血漿交換用血漿分離器、血漿交換用血漿成分分離器に使用されている中空糸膜などの濾過部材や、白血球除去療法などに使用されている不織布などを挙げることができる。
(本実施形態の原液処理装置1)
図1および図2に基づいて、本実施形態の原液処理装置1を説明する。
なお、以下では、処理対象となる原液が胸腹水である場合を代表として説明する。
図1および図2において、符号UBは、原液、つまり、胸部や腹部から抜いた胸腹水を収容する原液バッグを示している。また、符号CBは、原液を濾過濃縮した濃縮液を収容する濃縮液バッグを示している。さらに、符号DBは、濾過液から分離された分離液を収容する廃液バッグを示している。さらに、符号SBは、生理食塩水や輸液(細胞外液)等の洗浄液が収容された洗浄液バッグ、符号FBは洗浄液を回収するための洗浄液回収バッグFBを示している。
(濾過器10)
符号10は、原液バッグUBから胸腹水が供給され、この胸腹水を濾過する濾過器を示している。つまり、この濾過器10は、濾過部材が内部に収容されており、この濾過部材によって胸腹水を濾過して、濾過液と細胞等を含む分離液に分離するものである。例えば、濾過器10には、CARTに使用されている腹水濾過器や、血漿交換に使用される血漿分離器、血漿成分分離器などを使用することができる。
この濾過器10を具体的に説明すると、濾過器10には、原液バッグUBの液体排出口UBOと給液チューブ2によって連通された原液供給口10aを備えている。つまり、この原液供給口10aから、濾過すべき液体、つまり、原液が濾過器10に供給されるようになっている。なお、原液供給口10aには、給液チューブ2に加えて濾過器洗浄液回収チューブ7bも接続されており、濾過器洗浄液回収チューブ7bを介して洗浄液回収バッグFBに連通されている。
また、濾過器10は、濾過部材によって原液供給口10aと分離された濾過液排出口10cと、濾過部材の内部や隙間などを介して原液供給口10aと連通された洗浄液供給口10bと、を備えている。濾過液排出口10cは、濾過液供給チューブ3を介して後述する濃縮器20の濾過液供給口20aに連通されている。つまり、濾過液は、濾過液排出口10cから排出され、濾過液供給チューブ3を通して濃縮器20に供給されるようになっている。一方、洗浄液供給口10bは、濾過器洗浄液供給チューブ7aを介して洗浄液バッグSBと連通されている。つまり、洗浄液供給口10bから、濾過部材を洗浄する洗浄液が濾過器10に供給されるようになっている。なお、洗浄液供給口10bは原液供給口10aと連通されているので、濾過部材を洗浄した後の洗浄液は、原液供給口10aから排出され、濾過器洗浄液回収チューブ7bを通して洗浄液回収バッグFBに回収されるようになっている。
以上のごとき構造であるので、原液バッグUBから原液供給口10aを通して濾過器10内に原液を供給すれば、濾過部材によって原液を濾過することができる。そして有用成分を含む濾過液を濾過液排出口10cから排出して、濃縮器20に供給することができる。
また、洗浄液バッグSBから洗浄液供給口10bを通して濾過器10内に洗浄液を供給すれば、洗浄液によって濾過部材を洗浄でき、洗浄後の洗浄液を原液供給口10aから排出して洗浄液回収バッグFBに回収することができる。
なお、濾過器10の濾過部材は、上述したように、水分や血漿、有用な蛋白質などの有用成分は透過するが、癌細胞、マクロファージ、白血球、赤血球、血小板、細菌などの細胞成分は透過しない機能を有するものであればよく、とくに限定されない。また、濾過部材は、原液供給口10aから供給された原液が濾過部材を透過して濾過液排出口10cに流れ、洗浄液供給口10bから供給された洗浄液が原液供給口10aから排出されるように濾過器10に配設されていればよく、その構造や配設方法はとくに限定されない。
例えば、濾過部材として中空糸膜を使用した場合には、中空糸膜の内部の空間または中空糸膜同士の隙間を介して、原液供給口10aと洗浄液供給口10bが連通するように、中空糸膜が配置される。中空糸膜の内部の空間を通して原液供給口10aと洗浄液供給口10bが連通される場合には、中空糸膜の周囲に形成される空間が濾過液排出口10cに連通される。逆に中空糸膜同士の隙間を介して原液供給口10aと洗浄液供給口10bが連通される場合には、中空糸膜の内部の空間が濾過液排出口10cに連通される。したがって、原液供給口10aに原液を供給すれば、濾過液排出口10cから排出される前に原液が中空糸膜を透過するので、原液を濾過して濾過液を生成できる。一方、洗浄液供給口10bに洗浄液を供給すれば、中空糸膜の内部や中空糸膜同士の隙間を洗浄液が通る際に中空糸膜の内面や表面を洗い流すことができるので、洗浄液によって中空糸膜を洗浄することができる。
なお、原液処理装置1だけでなく後述する原液処理装置1B〜1Eでも、濾過器10において原液を濾過する方法として、内圧濾過方式と外圧濾過方式のいずれも採用し得る。
内圧濾過方式とは中空糸膜の内部から中空糸膜の外部に原液が透過する際に原液が濾過される方式であり、外圧濾過方式とは中空糸膜の外部から中空糸膜の内部に原液が透過する際に原液が濾過される方式である。
したがって、内圧濾過方式の装置では、中空糸膜の内部に原液が供給されるので、原液供給口10aは中空糸膜の内部の空間に連通される。
一方、外圧濾過方式の場合には、中空糸膜の周囲の空間に原液が供給されるので、原液供給口10aは中空糸膜の周囲に形成される空間に連通される。
(濃縮器20)
符号20は、濾過器10から濾過液が供給され、この濾過液を濃縮する濃縮器を示している。この濃縮器20は、濾過液から水分を分離して濃縮液とする機能を有している。この濃縮器20は、装置の構造は前述した濾過器10と実質的に同様の構造を有しており、機能が相違する部分の構成が濾過器10と異なっている。つまり、濃縮器20は、濾過器10の分離部材に代えて、濾過液から水分を分離する機能を有する水分分離部材が内部に収容された構造を有している。かかる濃縮器20には、例えば、CARTに使用されている腹水濃縮器や、透析に使用される透析用フィルター、二重濾過血漿交換療法に用いられる膜型血漿成分分離器などを使用することができる。
この濃縮器20を具体的に説明すると、濃縮器20は、濾過器10の濾過液排出口10cと濾過液供給チューブ3によって連通された濾過液供給口20aを備えている。つまり、この濾過液供給口20aから、濃縮すべき液体、つまり、濾過液が濃縮器20に供給されるようになっている。
また、濃縮器20は、濾過液から分離された液体(分離液)、つまり、水分などを排出するための廃液排出口20cを備えている。この廃液排出口20cは、廃液チューブ5を介して廃液バッグDBと連通されている。また、濃縮器20は、濃縮液が排出される濃縮液排出口20bを備えている。この濃縮液排出口20bは、濃縮液チューブ4を介して濃縮液バッグCBと連通されている。
そして、濃縮器20は、水分分離部材を備えている。この水分分離部材は、水分は透過するが、血漿中に含まれる有用な蛋白質などの有用成分は透過しない機能を有している。
このため、濾過液供給口20aから濃縮器20内に濾過液を供給すれば、水分分離部材によって濾過液から水分が分離され、分離された水分は、廃液排出口20cから排出され廃液チューブ5を通して廃液バッグDBに供給される。一方、水分の一部が除去されて濃縮された濃縮液は、濃縮液排出口20bから排出され、排出された濃縮液は、濃縮液チューブ4を通して濃縮液バッグCBに供給されるのである。
なお、廃液チューブ5は、その流路の断面積A5が、給液チューブ2の内部の流路の断面積A2に対して所定の割合になるものが使用される。例えば、廃液チューブ5は、濃縮割合をCRとすると、その流路の断面積A5が、給液チューブ2の内部の流路の断面積A2に対して、A5=(1−1/CR)×A2となるものが使用される。例えば、濃縮割合をCR=10とすると、断面積A5が断面積A2の9/10となるチューブが廃液チューブ5として使用される。
(ポンプ30)
図1および図2に示すように、本実施形態の原液処理装置1はローラーポンプ装置30を備えており、このローラーポンプ装置30によって原液などを送液するようになっている。このローラーポンプ装置30は、本実施形態のローラーポンプ装置であり、基本構造は公知のローラーポンプと実質同等の構造を有している。
なお、以下では、ローラーポンプ装置30を単にポンプ30という。
図3および図4に示すように、ポンプ30は、一つの駆動軸32に2つのローラー33,34が取り付けられている点、および、駆動軸32と2つのローラー33,34との間にワンウェイクラッチ35,36が設けられている点で、一般的なローラーポンプと異なる構造を有している。つまり、ポンプ30は、一つの駆動源(例えばモータ等)によって駆動軸32に駆動力を供給すれば、2つのローラー33,34を駆動できるようになっている。なお、ワンウェイクラッチ35,36が設けられている理由は後述する。
以下、ポンプ30を詳しく説明する。
まず、ハウジング31は、略円筒状の内面31sを有する空間を備えており、この空間に、2つのローラー33,34が並列で配置されている。ハウジング31は、その内面31sから立設した3つの軸受部31jを備えている。3つの軸受部31jは、ハウジング31の幅方向(図3(B)では左右方向)において、互いに間隔を空けた状態で並んで配置されている。この3つの軸受部31jは、駆動軸32を回転可能かつその軸方向には移動しないように保持するものである。より具体的には、駆動軸32の中心軸と、内面31sの中心軸(曲率中心が位置する軸)が同軸となるように、3つの軸受部31jは駆動軸32を保持している。
なお、軸受部31jにおいて駆動軸32を保持する機構はとくに限定されず、公知のベアリングやメタルなどを採用することができる。
また、軸受部31jは、ハウジング31から分離して設けられていてもよい。例えば、ポンプ30が、ハウジング31等を保持するケースを備えている場合には、そのケースに軸受部31jが固定されていてもよい。かかる構造とすれば、ハウジング31を駆動軸32と分離できるので、ハウジング31を駆動軸32に対して接近離間させることが可能となる。
例えば、ハウジング31の一端をケースにヒンジなどを介して揺動可能に設ける。すると、ハウジング31を揺動させれば、ハウジング31を駆動軸32に対して接近離間させることができる。
また、ハウジング31を完全にケースから取り外すことができるようにしてもよい。この場合も、ハウジング31をケースに着脱すれば、ハウジング31を駆動軸32に対して接近離間させることができる。このような構造とすれば、ハウジング31を移動させることによって、ローラー33,34に配置されたチューブを拘束したり解放したりすることができるようになる。
さらに、軸受部31jをローラー33,34間に設ければ、駆動軸32を安定して保持できるが、軸受部31jは駆動軸32の両端部のみに設けるようにしてもよい。つまり、隣接するローラー間に軸受部31jを設けないようにしてもよい。隣接するローラー間に軸受部31jが無ければ、ローラーの駆動軸32を軸方向に移動させる構造とした場合には、駆動軸32を移動させやすくなる。
上述したように、駆動軸32は、3つの軸受部31jによって回転可能かつその軸方向には移動しないように保持されている。この駆動軸32の一端(図3(B)では左端)には、モータ等の駆動源が連結されている。この駆動源は、駆動軸32を正転逆転させることができる機能を有している。つまり、駆動軸32は、駆動源からの駆動力によって回転し、しかも、正転逆転するようになっている。
図3および図4に示すように、3つの軸受部31jのうち、中央の軸受部31jと、その左右に位置する軸受部31jとの間には、それぞれローラー33,34が配置されている。このローラー33,34は、3つのローラー33r,34rと、カバープレート33a,34aと、から構成されている。具体的には、ローラー33では、互いに平行となるように設けられた一対のカバープレート33a,33a間に、3つのローラー33rが設けられている。3つのローラー33rは、一対のカバープレート33a,33aの中心を結ぶ線(つまりローラー33の中心軸)を中心として、等角度間隔かつ回転対称となる位置に設けられている。ローラー34も、ローラー33と実質同様の構造を有しており、一対のカバープレート34a,34a間にその中心を結ぶ線(つまりローラー34の中心軸)を中心として、等角度間隔かつ回転対称となる位置に3つのローラー34rが設けられている。
しかも、ローラー33,34は、ローラー33,34の中心軸から3つのローラー33r,34rの外面までの距離L1,L2(以下、ローラー33,34の外径L1,L2という)が、ハウジング31の内面31sの曲率半径よりも若干短くなるように形成されている。
そして、ローラー33,34は、ワンウェイクラッチ35,36によってそれぞれ駆動軸32に連結されている。具体的には、ローラー33,34の中心軸が駆動軸32の中心軸と同軸となるように、ワンウェイクラッチ35,36を介してローラー33,34は駆動軸32に取り付けられている。言い換えれば、ローラー33,34は、その中心軸がハウジング31の内面31sの中心軸と同軸となるように駆動軸32に取り付けられている。上述したように、ローラー33,34の外径L1,L2がハウジング31の内面31sの曲率半径よりも若干短い。このため、上記のようにローラー33,34を駆動軸32に取り付ければ、ローラー33,34は、その3つのローラー33r,34rの外面とハウジング31の内面31sとの間に若干の隙間W1,W2ができるように配設される。
上述したワンウェイクラッチ35,36は、駆動軸32の回転方向に対して、一方向の回転力のみをローラー33,34に供給するために設けられている。
例えば、ワンウェイクラッチ35は、駆動軸32が正転した場合(図3の矢印aの方向に回転した場合)にはローラー33に回転力を伝達するようになっている。一方、ワンウェイクラッチ36は、駆動軸32が逆転した場合(図3の矢印bの方向に回転した場合)にはローラー34に回転力を伝達するようになっている。つまり、駆動軸32を正転させた場合にはローラー33のみが回転し、逆転させた場合にはローラー34のみが回転するようになっている。
なお、上述したワンウェイクラッチ35,36が、特許請求の範囲にいう正転側回転伝達部、逆転側回転伝達部に相当する。この回転伝達部は、上述したワンウェイクラッチ35,36と同等の機能を有するものであればよい。例えば、公知のワンウェイクラッチや、ワンウェイクラッチと同等の機能を有する公知の機構を採用することができる。
そして、本実施形態の原液処理装置1では、ポンプ30のローラー33,34には、以下のようにチューブが配置されている。図3および図4に示すように、ローラー33には、給液チューブ2と、廃液チューブ5が配置されている。また、ローラー34には、濾過器洗浄液供給チューブ7aと濾過器洗浄液回収チューブ7bと、が配置されている。そして、給液チューブ2と廃液チューブ5は、隙間W1よりも外径が大きいチューブが使用されている。濾過器洗浄液供給チューブ7aと濾過器洗浄液回収チューブ7bには、隙間W2よりも外径が大きいチューブが使用されている。しかも、給液チューブ2と廃液チューブ5には、上述したような関係となるように流路の断面積が調整されたチューブが使用されている。
以上のような構造であるので、駆動軸32を正転させると、給液チューブ2と廃液チューブ5でのみ送液が実施され、駆動軸32を逆転させると、濾過器洗浄液供給チューブ7aと濾過器洗浄液回収チューブ7bでのみ送液が実施される。
つまり、駆動軸32を正転させてローラー33が回転すれば、給液チューブ2および廃液チューブ5が上述したような外径であるので、ローラー33rが給液チューブ2および廃液チューブ5を扱きながら移動する。すると、給液チューブ2および廃液チューブ5内の液体(つまり原液と水)を、ローラー33rの移動速度に応じた流量で送液することができる。しかも、給液チューブ2と廃液チューブ5は、上述したようなる流路の断面積となるように調整されているから、廃液チューブ5を通って排出される水分の流量は、(1−1/CR)の流量になる。例えば、濃縮割合が10倍(CR=10)の場合には、廃液チューブ5を通って排出される水分の流量は、給液チューブ2から供給される原液の9/10の流量になる。すると、濃縮液チューブ4を介して濃縮液バッグCBに供給される濃縮液は、原液の1/CR(CR=10の場合は1/10)の流量となり、所定の割合に濃縮された濃縮液が得られる。つまり、原液を供給するポンプと水分を排出するポンプを別々に設けなくても、所定の濃縮割合に濃縮された濃縮液を得ることができる。言い換えれば、原液を供給するポンプと水分を排出するポンプを一つのポンプ(駆動源を一つ)としても、所定の濃縮割合に濃縮された濃縮液を得ることができる。
また、図示していないが、濃縮液チューブ4を廃液チューブ5の代わりにローラーポンプによって扱き送液することによって濃縮することも可能である。その場合には、濃縮液チューブ4は、その流路の断面積A4が、給液チューブ2の内部の流路の断面積A2に対して所定の割合になるものが使用される。例えば、濃縮液チューブ4は、濃縮割合をCRとすると、その流路の断面積A4が、給液チューブ2の内部の流路の断面積A2に対して、A4=A2/CRとなるものが使用されている。例えば、濃縮割合をCR=10とすると、断面積A4が断面積A2の1/10となるチューブが濃縮液チューブ4として使用される。
また、駆動軸32を逆転させてローラー34が回転すれば、ローラー34rが濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濾過器洗浄液回収チューブ7bを扱きながら移動するので、濾過器洗浄液供給チューブ7a内および濾過器洗浄液回収チューブ7b内の液体(つまり洗浄液)を、ローラー34rの移動速度に応じた流量で送液することができる。しかも、ローラー33を回転させる駆動源をそのままローラー34を回転させる駆動源にできる。つまり、原液の濾過濃縮の際に原液等を送液するポンプの駆動源と、洗浄の際に洗浄液を送液するポンプの駆動源とを一つにできる。
そして、一つの駆動軸に2つのローラー33,34が取り付けられているので、ポンプ30をコンパクトにできる。つまり、送液のためのユニットをよりコンパクトにできるので、本実施形態の原液処理装置1を小型化できる。
(ポンプ30のクランプ機能)
また、ローラー33を回転させたときには、原液などが濾過器洗浄液供給チューブ7aや濾過器洗浄液回収チューブ7bに流れないようにしなければならない。このため、通常は、作業者がチューブに設けられたクランプや別途準備したクランプなどを操作して濾過器洗浄液供給チューブ7aや濾過器洗浄液回収チューブ7bを閉塞させる必要がある。しかし、上述したように濾過器洗浄液供給チューブ7aや濾過器洗浄液回収チューブ7bがローラー34に配置されていれば、駆動軸32を正転させた場合にはローラー34は回転しないので、ローラー34とハウジング31は、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濾過器洗浄液回収チューブ7bに対してクランプのように機能する。つまり、作業者がチューブに設けられたクランプや別途準備したクランプなどを操作しなくても、濾過器洗浄液供給チューブ7aや濾過器洗浄液回収チューブ7bを自動で閉塞させることができる。すると、クランプなどを設けなくてもよいので、送液のためのユニットや原液処理装置1を簡素化できる。また、作業者がクランプなどを操作しないので、操作ミスなどが生じることを防ぐことができる。さらに、電磁弁を使用した場合に問題となる、電磁干渉などによるクランプの誤作動や操作ミスによるアクシデントが生じることを防ぐことができる。
同様に、ローラー34を回転させたときには、洗浄液が給液チューブ2や廃液チューブ5内に液が流れないようにしなければならない。しかし、上述したように給液チューブ2や廃液チューブ5がローラー33に配置されていれば、駆動軸32を逆転させた場合にはローラー33は回転しないので、ローラー33とハウジング31は、給液チューブ2や廃液チューブ5に対してクランプのように機能する。つまり、作業者がチューブに設けられたクランプや別途準備したクランプなどを操作しなくても、給液チューブ2や廃液チューブ5を自動で閉塞させることができる。すると、クランプなどを設けなくてもよいので送液のためのユニットや原液処理装置1を簡素化できる。また、作業者がクランプなどを操作しないので、操作ミスなどが生じることを防ぐことができる。さらに、電磁弁を使用した場合に問題となる、電磁干渉などによるクランプの誤作動や操作ミスによるアクシデントが生じることを防ぐことができる。
(ポンプ30について)
ポンプ30は、上述したように、一つの駆動軸32に正転ローラー33と逆転ローラー34が取り付けられていれば、駆動源を少なくでき、送液のためのユニットや原液処理装置1をコンパクトにできるという利点が得られる。しかし、正転ローラー33と逆転ローラー34は、それぞれ別々の駆動軸に取り付けられていてもよい。つまり、正転ローラー33を駆動する駆動源と、逆転ローラー34を駆動する駆動源と、をそれぞれ別々に設けてもよい。この場合でも、一つのローラー33,34に2つのチューブを配置しているので、チューブごとにローラーを設ける場合に比べて装置を小型化できる。また、送液する液体やその用途に合わせて、ローラー33,34毎に適切な駆動源を選択できるという利点が得られる。
また、正転ローラー33や逆転ローラー34は複数設けてもよい。上述した例では、一つのローラーに2本のチューブを巻き掛けている場合を示したが、各チューブに対応する正転ローラー33や逆転ローラー34を設けてもよい。この場合には、各チューブの径に合わせてローラーの径を調整できるので、チューブ選択の自由度を高くできる。このように、正転ローラー33や逆転ローラー34を複数備えている場合には、駆動源に加わる負荷が小さくなるように、ローラー33r,34rの配置を調整することが望ましい。
例えば、2つの正転ローラー33を設けた場合、一つの正転ローラー33のローラー33rと、他の正転ローラー33のローラー33rが、同じタイミングでチューブの押圧を開始し、同じタイミングで押圧が終了するように配置したとする。すると、駆動源は、2つの正転ローラー33のローラー33rがチューブを扱くことができるだけのトルクを発生させなければならない。すると、駆動源をモータとした場合であれば、モータを大型化するか、モータに加える電力を大きくしなければならない。また、チューブを扱くために必要な負荷は、押圧を開始してから大きくなり最大の負荷をとなったのち減少するように変動する。しかし、上記タイミングで2つの正転ローラー33のローラー33rがチューブを扱く場合には、負荷の変動幅が大きくなるので、モータの負担が大きくなる。
したがって、一つの正転ローラー33のローラー33rがチューブを押圧する力が最大となるタイミングと、他の正転ローラー33のローラー33rがチューブを押圧する力が最大となるタイミングと、がズレるようになっていることが望ましい。この場合、一つの駆動源で複数のローラーを同時に駆動しても、駆動源に加わる負荷を平滑化でき、最大負荷も小さくできる。すると、駆動源をモータとした場合であれば、モータの大型化を防ぐことができ、消費電力も抑えることができるので好ましい。例えば、2つの正転ローラー33がいずれも3つのローラー33rを有しているような場合には、一方の正転ローラー33のローラー33rに対して、他方の正転ローラー33のローラー33rが、60°程度位相がずれるようにすれば、負荷を平滑化することができる。
(ポンプ30A,Bを使用した例)
ポンプ30として、正転ローラー33と逆転ローラー34を有する2つのポンプ30A,Bを使用してもよい。この場合、ポンプ30A,Bの作動(つまり回転方向)と、ポンプ30A,Bにおけるチューブ配置を調整すれば、各チューブ内を流れる液体の送液状態を簡単に変更することができる。すると、濾過器10や濃縮器20に対するチューブのつなぎ替え等をしなくても、簡単かつ確実に原液処理装置1Eにおける作業を変更することができる。
例えば、図21〜図23に示す回路構成を有する原液処理装置1Eにおいて、ポンプ30A,30Bを採用したとする。そして、ポンプ30Aに給液チューブ2と濾過器洗浄液回収チューブ7bを配置し(図24(A)参照)、ポンプ30Bに濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4とを配置する(図24(B)参照)。この場合、以下のようにポンプ30A,Bの作動(つまり回転方向)と、ポンプ30A,Bのチューブ配置を変更すれば、原液処理装置1Eにおける作業を変更することができる。
(準備洗浄作業)
図21には、準備洗浄作業におけるポンプ30A,Bの作動状態を示している。なお、準備洗浄作業では、ポンプ30A,Bのチューブ配置は図24(A)、(B)の状態とする。つまり、ポンプ30Aにおいて、正転ローラー33には濾過器洗浄液回収チューブ7bを配置し、逆転ローラー34には給液チューブ2を配置する。一方、ポンプ30Bにおいて、正転ローラー33には濾過器洗浄液供給チューブ7aを配置し、逆転ローラー34には濃縮液チューブ4を配置する。
この場合、ポンプ30Aを正転(図24(A)の矢印aの方向、図21では時計回りに回転)させ、ポンプ30Bを逆転(図24(B)の矢印の方向、図21では反時計回りに回転)させれば、以下のように洗浄液を流すことができるので、濃縮液チューブ4、濃縮器20の水分分離部材、濾過液供給チューブ3、濾過器10の濾過部材を洗浄できる。
まず、図21に示すように、濃縮液チューブ4に洗浄液バッグSBを接続して、ポンプ30Aを正転、ポンプ30Bを逆転させる。すると、濃縮液チューブ4を通して洗浄液バッグSBから濃縮器20の濃縮液排出口20bに洗浄液を供給できる。供給された洗浄液は、濃縮器20の水分分離部材内を通って濾過液供給口20aから排出され、濾過液供給チューブ3を通して濾過器10の濾過液排出口10cに供給される。濾過器10に供給された洗浄液は、濾過器10の濾過部材を通過して濾過器10の原液供給口10aから排出され、濾過器洗浄液回収チューブ7bを通して洗浄液回収バッグFBに供給される。つまり、洗浄液は、濃縮液チューブ4、濃縮器20の水分分離部材、濾過液供給チューブ3、濾過器10の濾過部材を通過するので、これらの部材を洗浄できる。なお、洗浄液の一部の水分は、濃縮器20の水分分離部材において洗浄液から分離されるので、分離された水分も廃液チューブ5を通して洗浄液回収バッグFBに回収される。
なお、図21に示す原液処理装置1Eでは、濾過器10が内圧式でろ過を実施する場合には、濾過器10の濾過部材は外圧式で洗浄が実施される。逆に、濾過器10が外圧式でろ過を実施する場合には、濾過器10の濾過部材は内圧式で洗浄が実施される。
(濾過濃縮作業)
図22には、濾過濃縮作業におけるポンプ30A,Bの作動状態を示している。なお、濾過濃縮作業では、ポンプ30A,Bのチューブ配置は図24(A)、(C)の状態とする。つまり、ポンプ30Aのチューブ配置は準備洗浄作業と同じ状態に維持される。一方、ポンプ30Bでは、正転ローラー33には濃縮液チューブ4を配置し、逆転ローラー34には濾過器洗浄液供給チューブ7aを配置する。つまり、ポンプ30Bでは、濾過濃縮作業を行う場合、準備洗浄作業からチューブ配置を反転させる。
この場合、ポンプ30Aを逆転(図24(A)の矢印bの方向、図22では反時計回りに回転)させ、ポンプ30Bは正転(図24(C)の矢印aの方向、図22では時計回りに回転)させれば、以下のように原液を流すことができるので、原液バッグUBから供給される原液を濾過濃縮して濃縮液を得ることができる。
まず、廃液チューブ5に接続されている洗浄液回収バッグFBを廃液バッグDBに交換し、濃縮液チューブ4を通して洗浄液バッグSBを濃縮液バッグCBに交換する。ついで、給液チューブ2の洗浄液バッグSBを原液バッグUBに交換して、ポンプ30Aを逆転、ポンプ30Bを正転させる。すると、給液チューブ2を通して原液バッグUBから濾過器10の原液供給口10aに原液を供給できる。供給された原液は、濾過器10によって濾過されて濾過液が濾過液排出口10cから排出される。濾過液排出口10cから排出された濾過液は濾過液供給チューブ3を通して濃縮器20の濾過液供給口20aに供給される。濃縮器20に供給された濾過液は、濃縮器20の水分分離部材によって水分が分離されて、濾過液から分離された水分(廃液)は廃液排出口20cから排出され、廃液チューブ5を通して廃液バッグDBに供給される。一方、濾過液から水分が分離された濃縮液は、濃縮液排出口20bから排出されて濃縮液チューブ4を介して濃縮液バッグCBに回収される。
なお、原液処理装置1Eでは、ポンプ30A,Bの駆動を独立して制御できるので、給液チューブ2を流れる原液の流量と、濃縮液チューブ4を流れる濾過液の流量と、をそれぞれ独立して調整することができる。したがって、ポンプ30A,Bの駆動を制御することによって、原液の濃縮割合を自由に調整することができる。
(濾過器洗浄作業)
図23には、濾過器洗浄作業におけるポンプ30A,Bの作動状態を示している。なお、濾過器洗浄作業では、ポンプ30A,Bのチューブ配置は図24(A)、(C)の状態とする。つまり、ポンプ30Aのチューブ配置は準備洗浄作業および濾過濃縮作業と同じ状態に維持され、ポンプ30Bのチューブ配置は濾過濃縮作業と同じ状態に維持される。
この場合、ポンプ30Aを正転(図24(A)の矢印aの方向、図23では時計回りに回転)させ、ポンプ30Bは逆転(図24(C)の矢印bの方向、図23では反時計回りに回転)させれば、以下のように洗浄液を流すことができるので、濾過器10の濾過部材内をドレナージ洗浄することができる。
まず、濾過器洗浄液供給チューブ7aに洗浄液バッグSBを接続して、ポンプ30Aを正転させ、ポンプ30Bを逆転させる。すると、濾過器洗浄液供給チューブ7aを通して洗浄液バッグSBから濾過器10の洗浄液供給口10bに洗浄液を供給できる。供給された洗浄液は、濾過器10の原液供給口10aから排出されて、濾過器洗浄液回収チューブ7bを通して洗浄液回収バッグFBに回収される。すると、洗浄液によって濾過器10の濾過部材内をドレナージ洗浄することができる。
なお、原液処理装置1Eにおいて、濾過器洗浄液供給チューブ7aを濾過器10の濾過液排出口10cに接続しておけば、濾過器洗浄作業では、濾過器10の濾過部材内を外圧式で洗浄することも可能である。
以上のように、原液処理装置1Eでは、ポンプ30として正転ローラー33と逆転ローラー34を有する2つのポンプ30A,Bを使用しているので、ポンプ30A,Bの回転方向と、ポンプ30Bにおけるチューブ配置を調整すれば、原液処理装置1Eにおける作業を変更することができる。
なお、上述した原液処理装置1Eでは、ポンプ30Aに濾過器洗浄液回収チューブ7bと給液チューブ2とを配置し、ポンプ30Bに濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4とを配置した場合を説明した。一方、原液処理装置1Eでは、ポンプ30Aに濾過器洗浄液供給チューブ7aと給液チューブ2とを配置し、ポンプ30Bに濾過器洗浄液回収チューブ7bと濃縮液チューブ4とを配置してもよい。この場合でも、上記と同様にポンプ30A,Bの回転を調整し、ポンプ30Bのチューブ配置を変更すれば、原液処理装置1Eにおける作業を変更することができる。
また、上記例では、濃縮液チューブ4をポンプ30Bに配置する場合を説明したが、濃縮液チューブ4に代えて廃液チューブ5をポンプ30Bに配置してもよい。
また、上記のようにチューブ配置を反転させる場合には、同じポンプに配置されるチューブ同士をテープやプレート等のような連結部材T(図26(B)、図27参照)によって連結しておくことが望ましい。すると、チューブ配置を間違えたりチューブが絡み合ったりするなどの問題を防ぐことできる。
(チューブ配置変更の他の例)
なお、上記例では、ポンプ30Bにおいて、チューブ配置を反転させて濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4内を液体が流れる方向を変化させた。濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4内を液体が流れる方向を変化させる方法として、以下のような方法を採用してもよい。
図27(A)、(B)に示すように、ポンプ30Bにおいて、駆動軸32の軸方向と直交する方向において濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4を反転させる。つまり、図27(A)において、駆動軸32に対して左側に位置していた濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4の端部(連結部材Tが設けられている端部)を駆動軸32に対して右側に配置し、駆動軸32に対して右側に位置していた濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4の端部を駆動軸32に対して左側に配置するようにする。すると、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4が配置されているローラーやローラーの回転方向は同じでも、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4内を流れる液体の方向を逆転させることができる。
また、図27(C)、(D)に示すように、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4がローラー33,34と接触する面を変更してもよい。つまり、図27(C)に示すように、ローラー33,34の一方の面(図27(C)、(D)では右側の面)に配置されていた濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4を、ローラー33,34の他方の面(図27(C)、(D)では左側の面)に接触するように配置する。この場合でも、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4が配置されているローラーやローラーの回転方向は同じでも、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4内を流れる液体の方向を逆転させることができる。
なお、図27(C)、(D)の方法で濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4内を流れる液体の方向を逆転させる場合には、ポンプ30のハウジング31に、面31s以外に、ローラー33,34との間に濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4を挟む面を設ける必要がある。例えば、図27(C)、(D)のように、ハウジング31との間にローラー33,34を挟むようにハウジング31Aを設ける。そして、このハウジング31Aに、ローラー33,34と対向する面31f(言い換えればハウジング31の面31sと対向する面31f)を設ける。そして、面31fの構造を、面31sと実質的に同じ構造とする。つまり、面31fを、その中心軸(曲率中心が位置する軸)と駆動軸32の中心軸とが同軸となり、その曲率半径がローラー33,34の外径よりも若干長くなるように形成する。すると、ローラー33,34の一方の面31sと他方の面31fの両方で濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4をローラー33,34との間に挟むことができる。すると、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4が配置されているローラーやローラーの回転方向は同じでも、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濃縮液チューブ4内を流れる液体の方向を逆転させることができる。
(ポンプ30A,Bの他の構成)
上述したように、チューブを反転してポンプ30Bにおけるチューブの配置を変更する場合、一旦、ポンプ30Bのハウジング31とローラー33,34の間からチューブを取り外す必要がある。例えば、ポンプ30Bを以下のような構造とすれば、ポンプ30Bのハウジング31とローラー33,34の間からチューブを取り外して、チューブを反転した後、チューブをポンプ30A,Bのハウジング31とローラー33,34の間に取り付けることができる。なお、以下では代表としてポンプ30Bについて説明するが、ポンプ30Aも同様の構造としてもよい。
図25および図26において、符号37は、ハウジング31の側面、つまり、駆動軸32の一端に設けられたカバーを示している。このカバー37の基端(図25(A)では右端)がヒンジなどの連結部材37aによってハウジング31に対して揺動可能に設けられている。つまり、カバー37は、その基端側を支点として先端部をハウジング31の側面に接近離間させることができるようにハウジング31に連結されている。このカバー37の内面、つまり、カバー37の先端部をハウジング31の側面に接近させた状態において、駆動軸32を回転可能に支持する軸受37jが設けられている。
なお、以下では、カバー37の先端部をハウジング31の側面に接近させた状態(図25参照)をカバー37を閉じた状態という場合があり、カバー37の先端部をハウジング31の側面から離間させた状態(図26参照)をカバー37を開いた状態という場合がある。
図26に示すように、ポンプ30Bでは、カバー37を開いた状態では、ハウジング31の内面31sと正転ローラー33および逆転ローラー34との間の隙間X(開口)が露出する。この隙間Xは、カバー37を閉じた状態にするとカバー37によって覆われ(図25(A)参照)、カバー37を開いた状態にすると露出する。この隙間Xは、濾過器洗浄液回収供給チューブ7bや濃縮液チューブ4が配置される空間であり、駆動軸32の軸方向(図25(B)、図26(B)では左右方向)に沿って連続して伸びている。
以上のごとき構成を有しているので、ポンプ30Bでは、カバー37を開けば、隙間Xから濾過器洗浄液供給チューブ7aや濃縮液チューブ4を正転ローラー33や逆転ローラー34の位置に配置できる一方、正転ローラー33や逆転ローラー34の位置に配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7aや濃縮液チューブ4を取り外すことができる。
つまり、隙間Xから濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4とを取り外したのち、隙間Xに濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4とを入れる順番を変更する。すると、駆動軸の35の軸方向において濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4の位置を反転させることができる。
そして、濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4を駆動軸の35の軸方向に沿って移動させるだけで、濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4の取り付け取り外しができる。したがって、濾過器洗浄液供給チューブ7aや濃縮液チューブ4の内部を流れる液体の送液状態を簡単に変更することができる。
なお、カバー37は、磁石や公知の係合機構等によって、カバー37を閉じた状態ではハウジング31の側面に連結されるようになっている。このため、カバー37を閉じた状態において、駆動軸35を軸受37jによって安定して支持することができる。
(原液処理装置1Bについて)
原液処理装置は、図8に示すようなレイアウトを有する原液処理装置1Bとしてもよい。なお、図8の原液処理装置1Bでは、原液処理装置1と同じ機能・構成の部分には同じ符号を付している。以下の説明でも、原液処理装置1と同じ機能・構成の部分については、適宜説明を割愛する。
図8に示すように、原液処理装置1Bでは、図1に示す原液処理装置1に加えて、濾過器循環チューブ8が設けられている。この濾過器循環チューブ8は、給液チューブ2(または原液供給口10a)と濾過器10の原液排出口10dの間を連通するものである。この濾過器10の原液排出口10dは、上述した洗浄液供給口10bと同様に、原液供給口10aと連通されている。したがって、原液排出口10dとして、洗浄液供給口10bを使用することも可能である。
この濾過器循環チューブ8を設けることによって、濾過器10内には、常に、中空糸の内腔を長軸方向に流れる原液の循環流を生じさせることができる。すると、原液によって濾過部材の表面が洗浄されている状況を形成することができるので、原液に含まれる成分による濾過部材の目詰まりを抑制することができる。
また、図8に示すように、原液処理装置1Bでは、図1に示す原液処理装置1に加えて、濃縮器循環チューブ9が設けられている。この濃縮器循環チューブ9は、濃縮器20の濃縮液排出口20b(または濃縮液チューブ4)と濾過液供給口20a(または濾過液供給チューブ3)の間を連通するものである。この濃縮器循環チューブ9を設けることによって、濃縮器20内には、常に、中空糸の内腔を長軸方向に流れる循環流を生じさせることができる。すると、濾過液や濃縮液によって水分分離部材の表面が洗浄されている状況を形成することができるので、濾過液に含まれる成分による水分分離部材の目詰まりを抑制することができる。
さらに、図8に示すように、原液処理装置1Bの濃縮器20は、水分分離部材の内部や隙間などを介して濾過液供給口20aと連通された洗浄液供給口20dを備えている。濃縮器20の洗浄液供給口20dは、濾過濃縮時や再濃縮時にはクランプされている濃縮器洗浄液供給チューブ6aを介して洗浄液バッグSBと連通されている。つまり、濃縮器洗浄時にクランプを解除してローラーポンプなどによって濃縮器20の洗浄液供給口20dから、水分分離部材を洗浄する洗浄液が濃縮器20に供給されるようになっている。なお、濃縮器20の洗浄液供給口20dは濾過液供給口20aと連通されているので、濃縮器20の水分分離部材を洗浄した後の洗浄液は、濾過液供給口20aから排出される。この洗浄液は、濾過濃縮時や再濃縮時にはクランプされており濃縮時に解放される濃縮器洗浄液回収チューブ6bを通して濃縮器洗浄液回収バッグGBに回収されるようになっている。
(ポンプ40)
かかる濾過器循環チューブ8および濃縮器循環チューブ9を設けた原液処理装置1Bでは、上述したポンプ30を使用することもできるが、送液のためのポンプとして、以下の構成のポンプ40(図5参照)を採用することもできる。かかるポンプ40を採用すれば、上述したような複数本のチューブを設けても、一つの駆動源で適切に送液することが可能となる。
図1の原液処理装置1に採用されているポンプ30は、2つのローラーで送液している。一方、図8に示す原液処理装置1Bでは、一つの駆動軸32に4つのローラー43〜46aを設けており、作動させるローラーを切り替えることによって、送液を制御している。なお、図5は、ポンプ40のブロック図であり、駆動軸42と4つのローラー43〜46aの配置、チューブ2〜9の配置のみを記載している。
図5に示すように、駆動軸42には、4つのローラー43〜46aが駆動軸32の軸方向に並んで配設されている。具体的には、駆動軸42の一端から順に(図5では上から下に向かって)、正転ローラー43、固定ローラー45、第1クランプローラー46a、逆転ローラー44、の順で設けられている。
正転ローラー43および逆転ローラー44は、上述したポンプ30における正転ローラー33および逆転ローラー34と同様の機能を有している。
固定ローラー45は、駆動軸42にその回転が固定されたローラーである。つまり、駆動軸42とともに回転するように、駆動軸42に取り付けられたローラーである。例えば、固定ローラー45は、駆動軸42が正転すると正転し、駆動軸42が逆転すると逆転する。
第1クランプローラー46aは、回転が固定されたローラーである。具体的には、第1クランプローラー46aは、駆動軸42に対して回転自在であるが、回転自体は固定されているローラーである。言い換えれば、第1クランプローラー46aは、ハウジング31に対して回転が固定されているローラーである。つまり、駆動軸42が回転しても、第1クランプローラー46aは回転しないように設けられている。
(チューブの配置)
上述した4つのローラー43〜46aには、チューブ2〜9がそれぞれ配置されている。各ローラー43〜46に配置されているチューブは、それぞれ以下のとおりである。
まず、正転ローラー43には、給液チューブ2と濃縮液チューブ4が配置されている。つまり、正転ローラー43に配置されている上記各チューブは、駆動軸42が正転すると送液状態となり、駆動軸42が逆転するとクランプ状態(送液できない状態)となっている。
固定ローラー45には、濾過器循環チューブ8と濃縮器循環チューブ9が配置されている。つまり、固定ローラー45に配置されている上記各チューブは、駆動軸42が回転すると常に送液状態となり、駆動軸42の正転逆転に合わせて送液方向が変化するようになる。
逆転ローラー44には、濾過器洗浄供給チューブ7aと濾過器洗浄液回収チューブ7bが配置されている。つまり、逆転ローラー44に配置されている上記各チューブは、駆動軸42が正転するとクランプ状態(送液できない状態)となり、逆転すると送液状態となる。
第1クランプローラー46aには、濃縮器洗浄液供給チューブ6aと濃縮器洗浄液回収チューブ6bが配置されている。第1クランプローラー46aは駆動軸42の回転に係わらず回転しないので、第1クランプローラー46aに配置されている上記各チューブは常時クランプされた状態になっている。
(各作業について)
図8の原液処理装置1Bでは、以下のように駆動軸42を回転させることによって、濾過濃縮と、濾過器10の洗浄を実施することができる。
(濾過濃縮)
まず、各チューブによって濾過器10および濃縮器20と各バッグを接続した状態で、駆動軸42を正転させる。すると、正転ローラー43が送液状態になるので、給液チューブ2を通って原液バッグUBから原液が濾過器10に圧送される。すると、原液は濾過器10で濾過され、濾過された濾過液は濃縮器20に供給される。
このとき、固定ローラー45は正転での送液状態であるので、濾過器循環チューブ8内には原液排出口10dから給液チューブ2に向かう流れが発生する。
また、正転ローラー43が送液状態となっているので、濃縮液チューブ4を通って濾過器20から濃縮液バッグCBに濃縮液が送液される。
このとき、固定ローラー45は正転での送液状態であるので、濃縮器循環チューブ9内には、濃縮液排出口20bから濾過液供給口20aに向かう流れが発生する。
(洗浄)
一方、図9に示すように、駆動軸42を逆転させると、正転ローラー43はクランプ状態になり、逆転ローラー44が送液状態になるので、濾過器洗浄液供給チューブ7aを通って洗浄液バッグSBから洗浄液が濾過器10に圧送される。すると、洗浄液によって濾過器10が洗浄され、洗浄液は原液供給口10aから排出されて、濾過器洗浄液供給チューブ7aを通って、洗浄液回収バッグFB(または、原液バッグUB)に回収される。
また、第1クランプローラー46aに配置されている濃縮器洗浄液供給チューブ6aおよび濃縮器洗浄液回収チューブ6bを、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濾過器洗浄液回収供給チューブ7bと入れ換えれば、濃縮器20も洗浄することができる。つまり、濃縮器洗浄液供給チューブ6aおよび濃縮器洗浄液回収チューブ6bを逆転ローラー44に配置して、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濾過器洗浄液回収供給チューブ7bを第1クランプローラー46aに配置するようにする。すると、駆動軸42を逆転させれば、濃縮器洗浄液供給チューブ6aと洗浄液供給口20dを通って洗浄液バッグSBから洗浄液が濃縮器20に圧送されるので、洗浄液によって濃縮器20が洗浄される。また、洗浄液は濾過液供給口20aから排出されて、濃縮器洗浄液回収チューブ6bを通って、濃縮器洗浄液バッグGBに回収される。
なお、濃縮器洗浄液供給チューブ6aおよび濃縮器洗浄液回収チューブ6bと濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濾過器洗浄液回収チューブ7bは、連結部材によって連結していてもよい。例えば、全てのチューブ6a,6b,7a,7bを連結プレートによって連結する。そして、全てのチューブ6a,6b,7a,7bが逆転ローラー44または第1クランプローラー46aとハウジング41によってクランプされたときに、連結プレートの表面が駆動軸42の軸方向と平行となるようにしておく。すると、連結プレートを駆動軸42の軸方向において反転させるだけで、簡単に濃縮器洗浄液供給チューブ6aおよび濃縮器洗浄液回収チューブ6bと濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濾過器洗浄液回収チューブ7bの位置を入れ替えることができる。
(濃縮割合調整)
上述した原液処理装置1Bにおいて、ポンプ40に配置されている濃縮液チューブ4は、複数本設けてもよい。この場合、正転ローラー43と固定ローラー45の間に、第1クランプローラー46aと同様に、駆動軸42に対して回転自在であるが、回転自体は固定されている第2クランプローラー46bを設け、複数本の濃縮液チューブ4が駆動軸42の軸方向に移動できるように設ける(図6参照)。つまり、複数本の濃縮液チューブ4が正転ローラー43と第2クランプローラー46bの間を移動できるようにする。すると、正転ローラー43に配置される濃縮液チューブ4の本数によって濃縮割合を調整することができる。例えば、図6に示すように、濃縮液チューブ4を3本設けて、濃縮液チューブ4の流路面積を濾過液供給チューブ3の流路面積の10分の1としておく。すると、正転ローラー43に配置される濃縮液チューブ4を変化させれば、濃縮割合を10倍(1本配置の場合)、5倍(2本配置の場合)、3.3倍(3本配置の場合)に変化させることができる。
なお、濃縮液チューブ4を移動させる場合には、ハウジング41を正転ローラー43および第2クランプローラー46bから離間させて、濃縮液チューブ4を両者間の拘束から解放してから移動させる。
また、原液処理装置1Bでは、濃縮液チューブ4の代わりに廃液チューブ5を正転ローラー43に配置してもよい。この場合でも、駆動軸42を正転させれば、濾過濃縮を実施できる。そして、廃液チューブ5を複数本設ければ、廃液チューブ5の本数を調整することによって、濃縮割合を変化させることができる。
(再濃縮)
さらに、図示しないが、濃縮液バッグCBと濃縮器20を連通する再濃縮液供給チューブ3bを設けてもよい。この再濃縮液供給チューブ3bを設ければ、濃縮液バッグCBに回収された濃縮液を再度濃縮することができる。この場合、図7に示すように、正転ローラー43において駆動軸42の一端側(図7では上端側)に、第1、第2クランプローラー46a,46bと同様に、駆動軸42に対して回転自在であるが、回転自体は固定されている第3クランプローラー46cを設ける。また、給液チューブ2を、正転ローラー43において第3クランプローラー46c近傍に配置する。このような構成にしておけば、ハウジング41を正転ローラー43および第3クランプローラー46cから離間させれば、給液チューブ2と再濃縮液供給チューブ3bとを入れ替えることも可能となる。両チューブ入れ換えれば、給液チューブ2は第3クランプローラー46cに配置された状態となり、再濃縮液供給チューブ3bは正転ローラー43に配置された状態となる。すると、駆動軸42を正転させれば、濃縮液バッグCBに回収された濃縮液を濃縮器20に供給して再度濃縮することが可能となる。なお、駆動軸42を正転させた場合には、再濃縮液供給チューブ3bと濃縮液チューブ4以外のチューブは全てクランプされた状態に維持されるので、他の部分に影響を与えることなく、再度濃縮を実施することができる。
なお、給液チューブ2と再濃縮液供給チューブ3bは、連結部材によって連結していてもよい。例えば、給液チューブ2と再濃縮液供給チューブ3bを連結プレートによって連結する。そして、給液チューブ2と再濃縮液供給チューブ3bが正転ローラー43または第3クランプローラー46cとハウジング41によってクランプされたときに、連結プレートの表面が駆動軸42の軸方向と平行となるようにしておく。すると、連結プレートを駆動軸42の軸方向において反転させるだけで、簡単に給液チューブ2と再濃縮液供給チューブ3bの位置を入れ替えることができる。
(循環について)
図8および図9では、濾過器循環チューブ8と濃縮器循環チューブ9の両方を設けた場合を説明した。しかし、必ずしも両方を設ける必要はなく、濾過器循環チューブ8だけ、または、濃縮器循環チューブ9だけ、を設けてもよい。
また、濾過器循環チューブ8と濃縮器循環チューブ9を設けない場合でも、ポンプ40を採用できる。その場合には、固定ローラー45は設けなくてもよい。
(原液処理装置1Cについて)
また、原液処理装置は、図11に示すようなレイアウトを有する原液処理装置1Cとしてもよい。原液処理装置1Cでは、ポンプ50の構成と、ポンプ50において各ローラー53〜57に各チューブ3b〜7aを配置するローラーが異なる点、濾過器循環チューブ8および濃縮器循環チューブ9を設けていない点で、原液処理装置1Bと異なる。
しかし、他の構成は実質的に原液処理装置1Bと同様の構成を有しているので、以下では、ポンプ50および、ポンプ50のローラー53〜57に配置する各チューブ3b〜7aについて説明する。
なお、図11の原液処理装置1Cでも、原液処理装置1または原液処理装置1Bと同じ機能・構成の部分には同じ符号を付している。以下の説明でも、原液処理装置1または原液処理装置1Bと同じ機能・構成の部分については、適宜説明を割愛する。
また、原液処理装置1Cでは、濾過器循環チューブ8および濃縮器循環チューブ9を設けていないが、原液処理装置1Bと同様に、濾過器循環チューブ8および濃縮器循環チューブ9を設けてもよい。
(ポンプ50)
原液処理装置1Cでは、送液のためのポンプとして、以下の構成のポンプ50(図10参照)を採用している。このポンプ50では、7つのローラー53a〜57にチューブ3b〜7aが配置されており、このチューブ3b〜7aとポンプ50の7つのローラー53a〜57の相対的な位置が、駆動軸52の軸方向に沿って移動するように設けられている。
例えば、チューブ3b〜7aが、連結プレート等によって互いに連結されていれば、チューブ3b〜7aを、同時かつ同じ長さだけ、ローラー53a〜57に対して移動させることができる。また、駆動軸52を軸方向に移動させれば、ローラー53a〜57を、同時かつ同じ長さだけ、チューブ3b〜7aに対して移動させることができる。
なお、供給チューブ2および濾過液供給チューブ3は、ポンプ50のローラー53a〜57に配置されていないので、常に自由に液体が流れることができる状態となっている。
以下では、チューブ3b〜7aを、駆動軸52に対して移動させる場合を説明する。
図10に示すように、ポンプ50は、7つのローラー53a〜57を備えており、作動させるローラーを切り替えることによって、送液を制御している。なお、図10は、ポンプ50のブロック図であり、駆動軸52と7つのローラー53〜57の配置、チューブ3b〜7aの配置のみを記載している。なお、ポンプ50において、図10(A)のAのローラー群が特許請求の範囲にいう第1ローラー群に相当し、図10(A)のBのローラー群が特許請求の範囲にいう第2ローラー群に相当する。
図10に示すように、駆動軸52には、7つのローラー53a〜57が駆動軸52の軸方向に並んで配設されている。具体的には、駆動軸52の一端から順に、第1逆転ローラー54a、第1正転ローラー53a、第2逆転ローラー54b、クランプローラー56、フリーローラー57、第3逆転ローラー54c、第2正転ローラー53bの順で設けられている。
各正転ローラー53a,53b、各逆転ローラー54a,54b、クランプローラー56は、いずれも、上述したポンプ40における正転ローラー43、逆転ローラー44、クランプローラー46と同様の機能を有している。
フリーローラー57は、駆動軸52に対して回転自在に設けられたローラーである。フリーローラー57は、他のローラーよりも直径が小さくなっており、このフリーローラー57にチューブが配置されても、送液機能もクランプ機能も発揮しないようになっている。つまり、フリーローラー57の外面とハウジング51の内面との間には、チューブの直径よりも大きい隙間が形成されるようになっている。
なお、フリーローラー57は、駆動軸52が回転したときに、送液機能もクランプ機能も発揮しないようになっていればよく、必ずしも他のローラーよりも直径が小さくなっていなくてもよい。例えば、フリーローラー57の部分はハウジング51を設けない、また、フリーローラー57に対応する位置では、ハウジング51の内面の曲率半径を他の部分よりも大きくする等してもよい。
(チューブの配置)
上述したように、チューブ3b〜7aは、同じタイミングで同じ量だけ、7つのローラー53a〜57に対して移動できるようになっている。以下では、原液処理装置1Cにおける各作業の際に、7つのローラー53〜57にチューブ3b〜7aがどのように配置されるかを説明する。
(準備洗浄作業)
準備洗浄作は、原液処理装置1Cによる原液の処理を実施する前に、原液処理装置1Cの各部を生理食塩水等の洗浄液によって洗浄する作業である。
図10(A)に示すように、この準備洗浄では、第1逆転ローラー54aには、濃縮液チューブ4が配置される。また、第2逆転ローラー54bには、再濃縮液供給チューブ3bが配置され、第3逆転ローラー54cには、廃液チューブ5が配置される。そして、フリーローラー57には、濾過器洗浄液供給チューブ7aが配置される。したがって、駆動軸52が逆転すると、第1〜第3逆転ローラー54a〜54cに配置されている上記各チューブによって送液される状態となり、濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび供給チューブ2内には自由に液体が流れることができる状態となる。
(濾過濃縮作業)
濾過濃縮作業では、原液処理装置1Cによる原液の処理、つまり、原液の濾過濃縮が実施される。
図10(B)に示すように、濾過濃縮作業では、準備洗浄の状態からチューブ3b〜7aが移動されて、以下のようにチューブ3b〜7aが配置されるローラーが変化する。
まず、濃縮液チューブ4は、第1正転ローラー53aに配置される。また、再濃縮液供給チューブ3bは、クランプローラー56に配置され、廃液チューブ5は、第2正転ローラー53bに配置される。そして、濾過器洗浄液供給チューブ7aは、第3逆転ローラー54cに配置される。したがって、駆動軸52が正転すると、第1、第2正転ローラー53a,53bに配置されている濃縮液チューブ4および廃液チューブ5によって送液される状態となる。一方、クランプローラー56および第3逆転ローラー54cに配置されている再濃縮液供給チューブ3bおよび濾過器洗浄液供給チューブ7aはクランプされた状態となる。
(濾過器洗浄作業)
濾過器洗浄作業では、原液処理装置1Cによる原液の処理を実施した濾過器10の洗浄が実施される。
図10(C)に示すように、濾過器洗浄作業では、濾過濃縮作業の状態のままで、駆動軸52の回転方向だけが変化する。したがって、第1、第2正転ローラー53a,53bおよびクランプローラー56に配置されている濃縮液チューブ4、廃液チューブ5および再濃縮液供給チューブ3bはクランプ状態となる。一方、第3逆転ローラー54cに配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7aだけが送液状態となる。
(再濃縮作業)
再濃縮作業では、原液処理装置1Cによって濾過濃縮された濃縮液を再度濃縮する処理が実施される。
図10(D)に示すように、再濃縮作業では、濾過濃縮作業(濾過器洗浄作業)の状態からチューブ3b〜7aが移動されて、以下のようにチューブ3b〜7aが配置されるローラーが変化する。
まず、濃縮液チューブ4は、第1正転ローラー53aに配置された状態に維持される。また、再濃縮液供給チューブ3bは、フリーローラー57に配置される。そして、廃液チューブ5および濾過器洗浄液供給チューブ7aは、それぞれ、第2正転ローラー53bおよび第3逆転ローラー54cに配置された状態に維持される。したがって、駆動軸52が正転すると、第1正転ローラー53aに配置されている濃縮液チューブ4および、第2正転ローラー53bに配置されている廃液チューブ5によって送液される状態となる。一方、再濃縮液供給チューブ3b内には自由に液体が流れることができる状態となる。第3逆転ローラー54cに配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7aはクランプされた状態となる。
(各作業について)
図11の原液処理装置1Cでは、以下のように駆動軸52の回転を変化させ、かつ、チューブ3b〜7aを移動させることによって、各作業を実施することができる。以下、図11〜図14に基づいて、各作業を説明する。
なお、図10において、太線で囲まれているローラーがその作業で作動するローラーである。また、図11〜図14において、A、Bは、図10の各ローラー群を示している。また、太線となっているチューブが、液が流れているチューブになる。
また、以下では、チューブ3b〜7aは連結プレートによって連結されており、その連結プレートを駆動軸52の軸方向に移動させると、各チューブ3b〜7aが、上述した状態で7つのローラー53a〜57に配置されるようになっていることを前提として説明する。
(準備洗浄作業)
原液処理装置1Cによる原液の処理を実施する前に、原液処理装置1Cの各部が生理食塩水等の洗浄液によって洗浄される(図11)。
この準備洗浄作業では、まず、ハウジング51がローラー53a〜57に対して離間され、各チューブ3b〜7aが移動可能となるようにする。ついて、各チューブ3b〜7aが図10(A)に示す位置に配置されるように、連結プレートが移動される。そして、各チューブ3b〜7aが所定の位置に配置されると、ハウジング51がローラー53a〜57に対して接近され、各チューブ3b〜7aの移動が固定される。
ついで、濃縮液チューブ4および再濃縮液供給チューブ3bに、洗浄液バッグSBが接続される。また、廃液チューブ5にも、洗浄液バッグSBが接続される。また、供給チューブ2と濾過器洗浄液供給チューブ7aには、洗浄液回収バッグFBが接続される。
この状態で、駆動軸52を逆転させれば、濃縮液チューブ4および再濃縮液供給チューブ3bを通って濃縮器20に洗浄液が供給される。また、廃液チューブ5を通って濃縮器20に洗浄液が供給される。そして、この状態では、全てのチューブ3b〜7aに液体が流れることができる状態になっているので、洗浄液は、濃縮器20と濾過器10、全てのチューブ3b〜7aを通って洗浄液回収バッグFBに回収される。したがって、準備洗浄作業によって、原液処理装置1Cの各部を洗浄残しが無いように洗浄することができる。
なお、洗浄液回収バッグFBに代えて、供給チューブ2と濾過器洗浄液供給チューブ7aから流出する洗浄液を受け止めるバケツなどを設けてもよい。
また、準備洗浄作業と同様の作業を実施すれば、濾過濃縮作業が終了した原液処理装置1Cを洗浄することも可能である。
(濾過濃縮作業)
準備洗浄作業が終了すると、濃縮液チューブ4および再濃縮液供給チューブ3bには、洗浄液バッグSBに代えて、濃縮液バッグCBが接続される。また、供給チューブ2には、原液バッグUBが接続される。濾過器洗浄液供給チューブ7aには、洗浄液バッグSBが接続される。さらに、廃液チューブ5には、洗浄液バッグSBに代えて、廃液バッグDBが接続される。そして、チューブ3b〜7aは、図10(A)に示す準備洗浄作業を実施する位置から、図10(B)に示す濾過濃縮作業を実施する位置に移動される。
この状態で、駆動軸52を正転させれば、濃縮液チューブ4および廃液チューブ5内には負圧が発生するので、この負圧によって、原液バッグUBから原液が濾過器10に供給され、濾過器10で濾過された濾過液が濃縮器20に供給される。そして、濃縮器20に供給された濾過液は、濃縮されて濃縮液が濃縮液チューブ4を通って濃縮液バッグCBに回収される。また、濃縮液から分離された分離液(廃液)は、廃液チューブ5を通って廃液バッグDBに回収される(図12)。
(濾過器洗浄作業)
濾過器の目詰まりが生じ、濾過器洗浄作業を実施する場合には、図10(C)に示すチューブ3b〜7aの移動は実施されず、濾過器洗浄液供給チューブ7aに洗浄液バッグSBを接続した状態で、駆動軸52が逆転される。すると、濾過器洗浄液供給チューブ7aを通して、洗浄液バッグSBから洗浄液が濾過器10に供給される。このとき、濃縮液チューブ4および再濃縮液供給チューブ3bは第1正転ローラー53aおよびクランプローラー56によってクランプされた状態になっており、廃液チューブ5は第2正転ローラー53bによってクランプされた状態になっている。したがって、濾過器洗浄液供給チューブ7aから濾過器10に供給された洗浄液は、濾過器10と供給チューブ2を通って原液バッグUBに回収される。つまり、濾過器10と供給チューブ2だけを洗浄することができる(図13)。
なお、洗浄液は原液バッグUBに回収してもよいが、濾過濃縮作業終了後に、原液バッグUBを洗浄液回収バッグFBに付け替えて洗浄を行ってもよい。洗浄液回収バッグFBに洗浄液を回収することによって、濾過器10内に貯留した癌細胞を回収することができる。
(再濃縮作業)
濃縮液バッグCBに回収された濃縮液が十分に濃縮されていない場合、また、さらに濃縮する場合には、再濃縮作業が実施される。再濃縮作業は、濾過濃縮作業の後すぐに実施されてもよいし、また、濃縮液バッグCBに保存されていた濃縮液を再度濃縮する際に実施してもよい。
以下では、濾過濃縮作業の後、すぐに再濃縮作業を実施する場合を説明する。
濾過濃縮作業が終了すると、再濃縮作業のために、濾過濃縮作業の状態から図10(D)に示す再濃縮作業の状態になるように、チューブ3b〜7aが移動される。
チューブ3b〜7aが移動されると、駆動軸52が正転される。すると、濃縮液バッグCBから再濃縮液供給チューブ3bを通って濃縮器20に濃縮液が供給される。濃縮器20に供給された濃縮液は、更に濃縮された濃縮液が濃縮液チューブ4を通って濃縮液バッグCBに供給され、濃縮液から分離された廃液は廃液チューブ5を通って廃液バッグDBに回収される(図14)。
なお、濃縮液の濃縮を連続して実施し濃縮割合を高める場合には、再濃縮液供給チューブ3bと濃縮液チューブ4を同じ濃縮液バッグCBに接続すればよい。しかし、濃縮液バッグCBの濃縮液を、所定の濃縮割合に濃縮する場合には、再濃縮液供給チューブ3bと濃縮液チューブ4は、それぞれ別な濃縮液バッグCBに接続する。
(過剰な加圧の防止)
濾過濃縮の工程が進むと、原液中に含まれる細胞成分(癌細胞、マクロファージ、白血球、赤血球、血小板など)、細菌、凝血塊、フィブリン塊、蛋白質、脂質などによって、濾過器10や濃縮器20の目詰りが生じる。原液処理装置1Cでは、濾過液供給チューブ3内の圧力(図11〜図14のP1)と廃液チューブ5内の圧力(図11〜図14のP2)を測定し、P1とP2の合計圧力の絶対値が一定または一定値以下になるように制御する。かかる圧力は、ポンプ50の駆動軸52の回転数を制御し、流量を調節することによって制御することができる。P1とP2の合計圧力の絶対値が一定または一定値以下になるようにポンプ50の駆動軸52の回転数を制御することによって、濾過器10や濃縮器20に過剰な圧力が加わることを防ぐことができる。すると、濾過器10や濃縮器20の目詰りの原因となった原液中の細胞成分、細菌、凝血塊、フィブリン塊などに過剰な刺激が加わることを防止できるので、濃縮液を患者に再投与したときに発熱などの副作用を引き起こす原因物質(サイトカインやエンドトキシンなど)が産生することを抑えることができるし、目詰りの原因物質(凝固因子など)の活性化を抑えることができる。言い換えれば、ポンプ50の駆動軸52の回転数を調整するだけで、濾過器10や濃縮器20の目詰りを抑え、副作用のより少ない安全な濃縮液を製造できる濾過濃縮を実施することができる。
なお、再濃縮作業では、再濃縮液供給チューブ3b内の濃縮液の圧力の絶対値と廃液チューブ5の圧力の絶対値を所定の値に維持するように駆動軸52の駆動を制御して、濃縮液の濃縮割合が調整される。
また、P1とP2の合計圧力の絶対値が一定になるようにポンプ50の駆動軸52の回転数を制御してもよいが、両者の差圧の絶対値が一定または一定値以下となるように制御してもよい。また、P1またはP2のいずれか一方が一定または一定値以下になるように制御してもよい。
(各バッグの配置)
原液処理装置1Cでは、濾過濃縮作業の際には、濃縮器20から濃縮液バッグCBおよび廃液バッグDBに各液が圧送される状態となっている。すると、各チューブ3b〜7aを流れる液体には、濃縮液バッグCBおよび廃液バッグDBに向かって流れるように力が加わることになる。すると、濃縮液バッグCBや廃液バッグDBは、必ずしも原液バッグUBよりも低い位置に配置しなくても、液体の逆流は生じない。すると、各バッグを配置する位置に制約がなくなるので、作業の際の負担を軽減できるし、装置の形状などの自由度を高くできる。
(原液処理装置1Cについて)
上述した原液処理装置1Cでは、上述したポンプ50に代えて、後述するようなポンプ60を使用しても、同様の作業を実施することができる。
図15に示すように、ポンプ60は、5つのローラー62a〜67を備えており、作動させるローラーを切り替えることによって、送液を制御している。このポンプ60は、ポンプ50と異なり、駆動軸を2本(駆動軸62a,62b)備えている。駆動軸62a,62bは同軸に配置されており、駆動軸62a,62bの先端がいずれもフリーローラー67に連結されている。
なお、図15は、ポンプ60のブロック図であり、駆動軸62a,62bと5つのローラー62a〜67の配置、チューブ3b〜7aの配置のみを記載している。
図15に示すように、駆動軸62aには、駆動軸62bに向かって、固定ローラー65、第1逆転ローラー64a、フリーローラー67が並んで配設されている。また、駆動軸62bには、駆動軸62a側から、フリーローラー67、第2逆転ローラー64b、正転ローラー63が並んで配設されている。
正転ローラー63、各逆転ローラー64a,64b、固定ローラー65、いずれも、上述したポンプ40における正転ローラー43、逆転ローラー44、固定ローラー45と同様の機能を有している。また、フリーローラー67は、上述したポンプ50におけるフリーローラー57と同様の機能を有している。
(チューブの配置)
上述したポンプ50と同様に、チューブ3b〜7aは、同じタイミングで同じ量だけ、5つのローラー62a〜67に対して移動できるようになっている。以下では、原液処理装置1Cにおける各作業の際に、5つのローラー62a〜67にチューブ3b〜7aがどのように配置されているかを説明する。
(準備洗浄作業)
図15(A)に示すように、準備洗浄作業では、固定ローラー65には、濃縮液チューブ4が配置される。また、第1逆転ローラー64aには、再濃縮液供給チューブ3bが配置され、第2逆転ローラー64bには、廃液チューブ5が配置される。そして、フリーローラー67には、濾過器洗浄液供給チューブ7aが配置される。したがって、駆動軸62a,62bが逆転すると、第1、第2逆転ローラー64a,64bおよび固定ローラー65に配置されている上記各チューブによって送液される状態となり、濾過器洗浄液供給チューブ7a内には自由に液体が流れることができる状態となる。
(濾過濃縮作業)
図15(B)に示すように、濾過濃縮作業では、準備洗浄の状態からチューブ3b〜7aが移動されて、以下のようにチューブ3b〜7aが配置されるローラーが変化する。
まず、濃縮液チューブ4および再濃縮液供給チューブ3bは、固定ローラー65および第1逆転ローラー64aに配置された状態に維持される。一方、濾過器洗浄液供給チューブ7aは、第2逆転ローラー64bに配置され、廃液チューブ5は、正転ローラー63に配置される。したがって、駆動軸62a,62bが正転すると、固定ローラー65および正転ローラー63に配置されている濃縮液チューブ4および廃液チューブ5によって送液される状態となる。一方、第1、第2逆転ローラー64a,64bに配置されている再濃縮液供給チューブ3bおよび濾過器洗浄液供給チューブ7aはクランプされた状態となる。
(濾過器洗浄作業)
図15(C)に示すように、濾過器洗浄作業では、濾過濃縮作業の状態のままで、駆動軸62aの回転が停止され、駆動軸62bの回転方向だけが変化する。したがって、固定ローラー65および正転ローラー63に配置されている濃縮液チューブ4および廃液チューブ5はクランプ状態となる。また、第1逆転ローラー64aに配置されている再濃縮液供給チューブ3bもクランプ状態となる。一方、第2逆転ローラー64bに配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7aは送液状態となる。
(再濃縮作業)
図15(D)に示すように、再濃縮作業では、濃縮液チューブ4は、固定ローラー65に配置された状態に維持される。再濃縮液供給チューブ3bは、フリーローラー67に配置される。一方、濾過器洗浄液供給チューブ7aは、第2逆転ローラー64bに配置され、廃液チューブ5は、正転ローラー63に配置される。したがって、駆動軸62a,62bが正転すると、固定ローラー65に配置されている濃縮液チューブ4および正転ローラー63に配置されている廃液チューブ5によって送液される状態となる。また、フリーローラー67に配置されている再濃縮液供給チューブ3b内には自由に液体が流れることができる状態となる。一方、第2逆転ローラー64bに配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7aはクランプされた状態となる。
(各作業について)
図12の原液処理装置1Cにポンプ60を採用した場合には、チューブ3b〜7aを移動させて、駆動軸62a,62bの正転逆転、停止を切り替えれば、ポンプ50の場合と同様に、各作業を実施することができる。
そして、ポンプ60を採用した場合には、駆動軸62a,62bをそれぞれ別々の駆動源で作動させることができる。すると、駆動軸62a,62bの回転数を変化させれば、濃縮割合を変化させることも可能となる。もちろん、両軸の回転数を制御して、濾過液供給チューブ3内の濾過液の圧力(図11〜図14のP1)と廃液チューブ5の圧力(図11〜図14のP2)を所定の値に維持すれば、濃縮割合を制御することもできる。
(原液処理装置1Dについて)
また、原液処理装置1Dは、図16に示すようなレイアウトを有する原液処理装置1Dとしてもよい。原液処理装置1Dでは、原液処理装置1Bや原液処理装置1Cに対して、ポンプの構成が異なっている。そして、原液処理装置1Dでは、後述するようなポンプ70を使用することによって、原液処理装置1、原液処理装置1B、原液処理装置1Cよりも、簡単かつ正確に作業を変更することができるようになっている。
なお、図16の原液処理装置1Dでも、ポンプ70以外の構成は実質的に原液処理装置1、原液処理装置1B、原液処理装置1Cと同様の構成を有している。このため、原液処理装置1Dでも、原液処理装置1、原液処理装置1B、原液処理装置1Cと同じ機能・構成の部分には同じ符号を付している。以下の説明でも、原液処理装置1、原液処理装置1B、原液処理装置1Cと同じ機能・構成の部分については、適宜説明を割愛する。
また、原液処理装置1Dでも、原液処理装置1Cと同様に、濾過器循環チューブ8および濃縮器循環チューブ9を設けていないが、原液処理装置1Bと同様に、濾過器循環チューブ8および濃縮器循環チューブ9を設けてもよい。
(ポンプ70)
図20に示すように、ポンプ70は、6つのローラー73a〜77を備えており、作動させるローラーを切り替えることによって、配置されている各チューブの送液を制御している。
このポンプ70は、ポンプ50やポンプ60と異なり、複数本のチューブ2〜7bがチューブ回路80に取り付けられている。そして、チューブ回路80には、ポンプ70のローラー73a〜77を配置する複数のローラー配置部81〜87が設けられており、ローラー配置部81〜87にローラー73a〜77を配置してカバーをセットすることによって、複数本のチューブ2〜7bによる送液やチューブのクランプができるようになっている。
そして、ポンプ70では、ローラー73a〜77を配置するローラー配置部81〜87を変更することによっても、各チューブ2〜7bにおける送液状態を変更できるようになっている。つまり、ポンプ70は、作動させるローラーの変更と、ローラー73a〜77を配置するローラー配置部81〜87を変更することによって、送液状態、つまり、原液処理装置1Dが実施する作業を切り替えることができるようになっている。
以下、ポンプ70の詳細を説明する。
図20は、ポンプ70のブロック図であり、駆動軸72とローラー73a〜77、チューブ回路80におけるチューブ2〜7bの配置のみを記載している。
図20に示すように、駆動軸72には、その軸方向に沿って(図20では上から下に向かって)、クランプローラー76、フリーローラー77、第1逆転ローラー74a、第2逆転ローラー74b、第1正転ローラー73a、第2正転ローラー73bの順で並んで配設されている。
第1、第2正転ローラー73a,73b、第1、第2逆転ローラー74a,74bは、いずれも、上述したポンプ40における正転ローラー43、逆転ローラー44と同様の機能を有している。また、クランプローラー76、フリーローラー77は、上述したポンプ50におけるクランプローラー56、フリーローラー57と同様の機能を有している。
(チューブ回路80)
チューブ回路80には、7つのローラー配置部81〜87が設けられている。この7つのローラー配置部81〜87は、開口部となっている。そして、ローラー配置部81〜87は、その軸方向(図20では上下方向)とポンプ70の駆動軸72の軸方向を平行にすれば、ポンプ70の全てのローラー73a〜77をローラー配置部81〜87内に収容できる大きさに形成されている。
チューブ回路80には、複数本のチューブ2〜7bが取り付けられている。複数本のチューブ2〜7aは、7つのローラー配置部81〜87の軸方向に沿って並んで設けられている。具体的には、ローラー配置部81の位置では、ローラー配置部81〜87の軸方向に沿って(図20では上から下に向かって)、再濃縮液供給チューブ3b、給液チューブ2、濾過器洗浄液供給チューブ7a、濃縮液チューブ4、廃液チューブ5、濾過器洗浄液回収チューブ7b、の順で並ぶように配置されている。
なお、再濃縮液供給チューブ3bと給液チューブ2は、ローラー配置部84とローラー配置部85の間で入れ替わっている。また、濾過器洗浄液回収チューブ7bは、ローラー配置部81とローラー配置部82の間において、濾過器洗浄液供給チューブ7aと濃縮液チューブ4の間に位置するようになっている。
また、複数本のチューブ2〜7bは、7つのローラー配置部81〜87の位置では、各ローラー配置部81〜87を横断するように配置されている。しかも、各ローラー配置部81〜87の位置では、各ローラー配置部81〜87にポンプ70の全てのローラー73a〜77が配置されると、ポンプ70の駆動軸72と各チューブ2〜7aの軸方向が略直交するように、各チューブ2〜7bは配置されている。ここでいう、上述した「各ローラー配置部81〜87にポンプ70の全てのローラー73a〜77が配置」された状態とは、各チューブ2〜7bがローラー73a〜77と接触するように配置されてある程度の張力が発生した状態を意味している。つまり、各チューブ2〜7bに張力が発生していないような状態では、各チューブ2〜7bがローラー73a〜77に配置されていても、ポンプ70の駆動軸72と各チューブ2〜7bの軸方向が略直交していない状態もありうる。
そして、各チューブ2〜7bは、7つのローラー配置部81〜87にポンプ70の全てのローラー73a〜77が配置された際に、各作業に対応した送液状態となるように配置されている。具体的には、7つのローラー配置部81〜87は、準備洗浄(ローラー配置部81)、濾過濃縮および濾過器洗浄(ローラー配置部82〜84)、再濃縮(ローラー配置部85〜87)を実施する際に、ローラー73a〜77が配置される。このとき、複数本のチューブ2〜7bは、ローラー73a〜77のうち、所定のローラーに配置されるようにローラー配置部81に配置される。
例えば、図20に示すように、準備洗浄や濾過濃縮、濾過器洗浄では、濾過器洗浄液供給チューブ7a、濾過器洗浄液回収チューブ7b、濃縮液チューブ4、廃液チューブ5は配置されるローラーが変更される。したがって、各チューブは、ローラー配置部82〜84では、ローラー配置部81に対して、各チューブの位置が変更されている。また、再濃縮では、準備洗浄や濾過濃縮、濾過器洗浄に対して、再濃縮液供給チューブ3bと給液チューブ2が配置されているローラーが入れ替わる。つまり、このローラー配置部85〜87では、ローラー配置部81〜84に対して、再濃縮液供給チューブ3bと給液チューブ2の位置が入れ替わっている。
このように、ローラー配置部81〜87を有するチューブ回路80に複数本のチューブ2〜7bを取り付けるようにしておけば、各ローラー配置部81〜87の位置において、複数本のチューブ2〜7bのレイアウトを変更することで、多数の作業に対応できる。つまり、各ローラー配置部81〜87で実施する作業に合わせて、複数本のチューブ2〜7bの送液状態を自由に変更することができる。しかも、ローラー73a〜77を配置するローラー配置部81〜87を変更するだけで送液状態を変更できるので、作業の変更が容易になり、ミスも防ぐことができる。
なお、ローラー73a〜77を配置するローラー配置部81〜87を変更する方法はとくに限定されない。例えば、チューブ回路80をローラー73a〜77に対してスライドさせたり、チューブ回路80をローラー73a〜77から一旦離間して再度被せたりするなどの方法を採用することができる。
また、チューブ回路80におけるローラー配置部81〜87は、ポンプ70の全てのローラー73a〜77が配置できるのであれば、ローラー配置部81〜87を形成する方法や形状はとくに限定されない。図20に示すように、チューブ回路80としてシート状の部材を使用した場合には、シート状の部材に貫通孔を設けて、その貫通孔をローラー配置部81〜87としてもよい。また、棒状や短冊状の複数のフレームを、紐や上述したチューブ等によって複数連結してチューブ回路80を形成してもよい。この場合には、隣接するフレーム間の部分をローラー配置部81〜87とすることができる。
また、複数本のチューブ2〜7aは、全長にわたって同じ流路面積としてもよいが、ローラー配置部82〜87の位置に応じて流路面積を変更してもよい。この場合、ローラー73a〜77を配置するローラー配置部82〜87を変更すれば、流量を変更することが可能となる。例えば、図20では、ローラー配置部82とローラー配置部85の位置では、廃液チューブ5においてローラー配置部82〜87の部分以外の流路面積(通常面積という)の1/10になっている。また、ローラー配置部83とローラー配置部86の位置では通常面積の1/6になっており、ローラー配置部84とローラー配置部87の位置では、通常面積の1/3になっている。すると、給液チューブ2と廃液チューブ5の通常面積が同じになるようにしておけば、ローラー73〜77配置するローラー配置部82〜87を変更すれば、濃縮割合を変更することができる。つまり、ローラー73〜77配置するローラー配置部82〜87を変更すれば、廃液チューブ5を流れる液体の流量を、給液チューブ2を流れる液体の流量の1/10、1/6、1/3にすることができる。
つぎに、以下では、原液処理装置1Dにおける各作業の際に、ローラー73a〜77に対してチューブ2〜7aがどのように配置されているかについて説明する。
(準備洗浄作業)
準備洗浄作業では、ローラー73a〜77はローラー配置部81に配置される。すると、クランプローラー76には再濃縮液供給チューブ3bが配置される。また、フリーローラー77には、給液チューブ2、濾過器洗浄液供給チューブ7aが配置される。また、第1逆転ローラー74a、第2逆転ローラー74bには、濃縮液チューブ4、廃液チューブ5がそれぞれ配置される。さらに、第1正転ローラー73aに、濾過器洗浄液回収チューブ7bが配置される。したがって、駆動軸72が逆転すると、第1逆転ローラー74a,74bに配置されている濃縮液チューブ4および廃液チューブ5によって送液される状態となり、給液チューブ2、濾過器洗浄液供給チューブ7a内には自由に液体が流れることができる状態となる。さらに、駆動軸72が正転すると、第1正転ローラー73aに配置されている濾過器洗浄液回収チューブ7bによって送液される状態となり、給液チューブ2、濾過器洗浄液供給チューブ7a内には自由に液体が流れることができる状態となる。
(濾過濃縮作業)
濾過濃縮作業では、ローラー73a〜77はローラー配置部82〜84に配置される。すると、再濃縮液供給チューブ3bおよび給液チューブ2は、クランプローラー76およびフリーローラー77に配置された状態になる。一方、濾過器洗浄液供給チューブ7aはフリーローラー77から第1逆転ローラー74aに配置が変更され、濾過器洗浄液回収チューブ7bは第1正転ローラー73aから第2逆転ローラー74bに配置が変更される。一方、濃縮液チューブ4、廃液チューブ5は、第1逆転ローラー74a、第2逆転ローラー74bから第1正転ローラー73a、第1正転ローラー73bにそれぞれ配置が変更される。
したがって、駆動軸72が正転すると、第1、第2正転ローラー73a,73bに配置されている濃縮液チューブ4、廃液チューブ5によって送液される状態となり、給液チューブ2内には自由に液体が流れることができる状態となる。一方、第1逆転ローラー74a、第2逆転ローラー74bに配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7a、濾過器洗浄液回収チューブ7bはクランプされた状態となる。
(濾過器洗浄作業)
濾過器洗浄作業では、濾過濃縮作業の状態のままで、駆動軸72の回転方向だけが変化する。したがって、クランプローラー76および第1、第2正転ローラー73a,73bに配置されている再濃縮液供給チューブ3b、濃縮液チューブ4および廃液チューブ5はクランプ状態となる。一方、第1、第2逆転ローラー74a,74bに配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7aおよび濾過器洗浄液回収チューブ7bは送液状態となる。
(再濃縮作業)
再濃縮作業では、ローラー73a〜77はローラー配置部85〜87に配置される。すると、濾過濃縮作業に対して、再濃縮液供給チューブ3bと給液チューブ2の配置されているローラーが入れ替わる。つまり、クランプローラー76には給液チューブ2が掛けられた状態になり、フリーローラー77には再濃縮液供給チューブ3bが配置された状態になる。一方、濾過器洗浄液供給チューブ7a、濾過器洗浄液回収チューブ7b、濃縮液チューブ4、廃液チューブ5は、濾過濃縮作業と同じローラーに配置された状態になる。したがって、駆動軸72が正転すると、第1、第2正転ローラー73a,73bに配置されている濃縮液チューブ4、廃液チューブ5によって送液される状態となり、フリーローラー77に配置されている再濃縮液供給チューブ3b内には自由に液体が流れることができる状態となる。一方、第1、第2逆転ローラー74a,74bに配置されている濾過器洗浄液供給チューブ7aと濾過器洗浄液回収チューブ7b、および、クランプローラー76に配置されている給液チューブ2はクランプされた状態となる。
(各作業について)
図20の原液処理装置1Dにポンプ70を採用した場合には、ローラー73a〜77を配置するローラー配置部85〜87を変更して、駆動軸72の正転逆転、停止を切り替えれば、各作業を実施することができる。
以下、図16〜図19に基づいて、各作業を説明する。
なお、図16〜図19において、太線となっているチューブが、液が流れているチューブになる。
(準備洗浄作業)
原液処理装置1Dによる原液の処理を実施する前に、原液処理装置1Dの各部が生理食塩水等の洗浄液によって洗浄される(図16)。
この準備洗浄作業では、まず、ハウジング71がローラー73a〜77に対して離間され、各チューブ2〜7aが移動可能となるようにする。言い換えれば、チューブ回路80が移動可能となるようにする。ついで、ローラー配置部81にローラー73a〜77に配置されるように、チューブ回路80が移動される。そして、チューブ回路80が所定の位置に配置されると、ハウジング71がローラー73a〜77に対して接近され、各チューブ2〜7bの移動(つまりチューブ回路80の移動)が固定される。
ついで、濃縮液チューブ4、廃液チューブ5、濾過器洗浄液回収チューブ7bに、洗浄液バッグSBが接続される。また、供給チューブ2、濾過器洗浄液供給チューブ7a、再濃縮液供給チューブ3bは、その一端から流出する洗浄液をバケツに排出できるように配置されたり、その一端が洗浄液回収バッグFB等に接続されたりする。
この状態で、駆動軸72を逆転させれば、濃縮液チューブ4および廃液チューブ5を通って濃縮器20に洗浄液が供給される。この状態では、再濃縮液供給チューブ3bおよび濾過器洗浄液回収チューブ7b以外はチューブに液体が流れることができる状態になっている。このため、洗浄液は、再濃縮液供給チューブ3bおよび濾過器洗浄液回収チューブ7b以外のチューブ、濃縮器20、濾過器10、を通ってバケツや洗浄液回収バッグFB等に回収される。
なお、濾過器洗浄液回収チューブ7bに洗浄液バッグSBを接続して、駆動軸72を正転させれば、濾過器洗浄液回収チューブ7bを通って濾過器10に洗浄液が供給される。この状態では、再濃縮液供給チューブ3b、濃縮液チューブ4および廃液チューブ5以外はチューブに液体が流れることができる状態になっている。このため、洗浄液は、再濃縮液供給チューブ3b、濃縮液チューブ4および廃液チューブ5以外のチューブ、濾過器10を通ってバケツや洗浄液回収バッグFB等に回収される。したがって、準備洗浄作業によって、原液処理装置1Dの各部を洗浄残しが無いように洗浄することができる(図16)。
また、準備洗浄作業と同様の作業を実施すれば、濾過濃縮作業が終了した原液処理装置1Dを洗浄することも可能である。
(濾過濃縮作業)
準備洗浄作業が終了すると、ローラー配置部82(またはローラー配置部83,84)にローラー73a〜77が配置されるように、チューブ回路80が移動される。そして、供給チューブ2には、原液バッグUBが接続される。廃液チューブ5には、洗浄液バッグSBに代えて、廃液バッグDBが接続される。また、濾過器洗浄液回収チューブ7bには、洗浄液バッグSBに代えて、洗浄液回収バッグFBが接続される。さらに、濃縮液チューブ4には、洗浄液バッグSBに代えて、濃縮液バッグCBが接続される。また、濾過器洗浄液供給チューブ7aには、洗浄液バッグSBが接続される。なお、再濃縮液供給チューブ3bは、濃縮液バッグCBに接続される。
この状態で、駆動軸72を正転させれば、濃縮液チューブ4および廃液チューブ5内には負圧が発生するので、この負圧によって、原液バッグUBから原液が濾過器10に供給され、濾過器10で濾過された濾過液が濃縮器20に供給される。そして、濃縮器20に供給された濾過液は、濃縮されて濃縮液が濃縮液チューブ4を通って濃縮液バッグCBに回収される。また、濃縮液から分離された分離液(廃液)は、廃液チューブ5を通って廃液バッグDBに回収される(図17)。
(濾過器洗浄作業)
濾過濃縮作業の終了後、濾過器洗浄作業を実施する場合には、チューブ回路80の移動は実施されず、濾過器洗浄液供給チューブ7aに洗浄液バッグSBを接続した状態で、駆動軸72が逆転される。すると、濾過器洗浄液供給チューブ7aを通して、洗浄液バッグSBから洗浄液が濾過器10に供給される。このとき、濃縮液チューブ4は第1正転ローラー73aによってクランプされた状態になっており、廃液チューブ5は第2正転ローラー73bによってクランプされた状態になっている。したがって、濾過器洗浄液供給チューブ7aから濾過器10に供給された洗浄液は、濾過器10と供給チューブ2、濾過器洗浄液回収チューブ7bを通って洗浄液回収バッグFBに回収される。つまり、濾過器10を洗浄することができる(図18)。
なお、洗浄液は洗浄液回収バッグFBに回収してもよいが、廃液バッグDBに回収するようにしてもよい。
(再濃縮作業)
濃縮液バッグCBに回収された濃縮液が十分に濃縮されていない場合、また、濃縮液をさらに濃縮する場合には、再濃縮作業が実施される。再濃縮作業は、濾過濃縮作業の後すぐに実施されてもよいし、また、濃縮液バッグCBに保存されていた濃縮液を再度濃縮する際に実施してもよい。
以下では、濾過濃縮作業の後、すぐに再濃縮作業を実施する場合を説明する。
濾過濃縮作業が終了すると、再濃縮作業のために、ローラー配置部85(またはローラー配置部86,87)にローラー73a〜77が配置されるように、チューブ回路80が移動される。
ローラー配置部85(またはローラー配置部86,87)にローラー73a〜77が配置されると、駆動軸72が正転される。すると、濃縮液バッグCBから再濃縮液供給チューブ3bを通って濃縮器20に濃縮液が供給される。濃縮器20に供給された濃縮液は、更に濃縮された濃縮液が濃縮液チューブ4を通って濃縮液バッグCBに供給され、濃縮液から分離された廃液は廃液チューブ5を通って廃液バッグDBに回収される(図19)。
なお、濃縮液の濃縮を連続して実施し濃縮割合を高める場合には、再濃縮液供給チューブ3bと濃縮液チューブ4を同じ濃縮液バッグCBに接続すればよい。しかし、濃縮液バッグCBの濃縮液を、所定の濃縮割合に濃縮する場合には、再濃縮液供給チューブ3bと濃縮液チューブ4は、それぞれ別な濃縮液バッグCBに接続する。
(各バッグの配置について)
本実施形態の原液処理装置では、各チューブに作業に合わせて、バッグが接続される。つまり、原液バッグUBや濃縮液バッグCB、廃液バッグDB、洗浄液バッグSB、洗浄液回収バッグFB、が接続される。これらのバッグは、点滴スタンド等に吊り下げて保持されるが、各バッグの高さはとくに限定されない。
全てのバッグが同じ高さに配置されていれば、チューブをクランプする力がなくなった場合に液体が不必要に移動することを防ぐことができる。つまり、チューブを圧迫する力が解除されてチューブ内の液体の移動が可能な状態となっても、チューブ内を移動する液体の量を少なくすることができる。
また、必ずしも全てのバッグが同じ高さに配置されていなくてもよい。いくつかのバッグの高さを同じ高さにした場合でも、同様の効果を得ることができる。
さらに、上述した構成を有する原液処理装置以外でも、濾過器と、濃縮器と、送液を行うローラーポンプ装置を備えた処理装置であれば、全てのバッグを同じ高さに配置したり、いくつかのバッグの高さを同じ高さに配置したりした場合には、同様の効果を得ることができる。
本発明の原液処理装置は、細胞などを含有する胸腹水や手術時や瀉血時の血液等を濾過濃縮して濃縮液を得る装置や、血漿交換の廃液血漿などの血漿を浄化して再利用する装置に適している。
1 原液処理装置
2 給液チューブ
3 濾過液供給チューブ
3b 再濃縮液供給チューブ
4 濃縮液チューブ
5 廃液チューブ
6a 濃縮器洗浄液供給チューブ
6b 濃縮器洗浄液回収チューブ
7a 濾過器洗浄液供給チューブ
7b 濾過器洗浄液回収チューブ
10 濾過器
20 濃縮器
30 ポンプ
40 ポンプ
50 ポンプ
60 ポンプ
UB 原液バッグ
CB 濃縮液バッグ
DB 廃液バッグ
SB 洗浄液バッグ
FB 洗浄液回収バッグ
GB 濃縮器洗浄液回収バッグ
【0004】
チューブにおいて、液体を流すことができる方向は一方向に限られてしまう。したがって、特許文献3のポンプをそのまま特許文献2の技術に適用した場合に、複数の作業を実施できない可能性がある。
[0013]
本発明はかかる事情に鑑み、洗浄機能を有しつつ装置の大型化を防ぐことができる原液処理装置、かかる原液処理装置に採用できるローラーポンプ装置、およびバッグの配置方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0014]
(ローラーポンプ装置)
第1発明のローラーポンプ装置は、ハウジングの内面との間にチューブが配置されたローラーを備えたローラーポンプ装置であって、一つの駆動軸と、該駆動軸に取り付けられ該駆動軸の回転力によって回転する複数のローラーと、を備えており、該複数のローラーは、回転伝達部を介して前記駆動軸に取り付けられた正転ローラーと、回転伝達部を介して前記駆動軸に取り付けられた逆転ローラーと、前記ハウジングに対する相対的な回転が固定されたクランプローラー、または、前記クランプローラーおよび前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラー、とを備えており、前記回転伝達部は、前記駆動軸が正転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記正転ローラーに伝達する正転側回転伝達部と、前記駆動軸が逆転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記逆転ローラーに伝達する逆転側回転伝達部と、を備えていることを特徴とする。
第3発明のローラーポンプ装置は、第1発明において、前記複数のローラーは、前記チューブ内における液体の自由な移動を許容するフリーローラーを備えていることを特徴とする。
第4発明のローラーポンプ装置は、第1または第3発明において、前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、該複数本のチューブが並んで配置されたチューブ回路を備えており、該チューブ回路は、該チューブ回路を前記ローラーに配置した際に、該ローラーが配置される開口を有するローラー配置部を複数備えており、前記複数本のチューブは、各ローラー配置部の開口に前記ローラーが配置された際に前
【0005】
記駆動軸の軸方向と交差する方向に該ローラー配置部を横断し、かつ、前記ローラーを配置する前記ローラー配置部を変更することによって該複数本のチューブにおける送液状態が変更されるように配設されていることを特徴とする。
第5発明のローラーポンプ装置は、第1、第3または第4発明において、ハウジングの内面との間にチューブが配置されたローラーを備えたローラーポンプ装置であって、駆動軸と、該駆動軸に取り付けられた複数のローラーと、を備えており、該複数のローラーは、回転伝達部を介して前記駆動軸に取り付けられた正転ローラーと逆転ローラーとを備えており、前記回転伝達部は、前記駆動軸が正転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記正転ローラーに伝達する正転側回転伝達部と、前記駆動軸が逆転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記逆転ローラーに伝達する逆転側回転伝達部と、を備えており、前記ハウジングは、前記駆動軸の軸端部に対して接近離間可能であって、前記チューブを前記駆動軸の軸方向に沿って移動させて前記ハウジングの内面と前記ローラーとの間から着脱するための開口を開閉するカバーを備えていること特徴とする。
第6発明のローラーポンプ装置は、第5発明において、前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、前記複数本のチューブは、各チューブ間の相対的な位置を保持する連結部材によって連結されていることを特徴とする。
第7発明のローラーポンプ装置は、第5または第6発明において、前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、該複数本のチューブが、前記駆動軸の軸方向および/または前記駆動軸の軸方向と直交する方向において反転可能に設けられていることを特徴とする。
第8発明のローラーポンプ装置は、第1、第3、第4、第5、第6または第7発明において、前記ローラーおよび/または前記ローラーに配置されているチューブが、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする。
第9発明のローラーポンプ装置は、第1、第3、第4、第5、第6、第7または第8発明において、前記複数のローラーのうち、一つまたは複数のローラーには、一つのローラーに複数本のチューブが配置されていることを特徴とする。
第10発明のローラーポンプ装置は、第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9発明において、前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、該複数本チューブが、流路面積が異なるチューブを有していることを特徴とする。
第11発明のローラーポンプ装置は、第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10発明において、医療用機器や測定用検査機器において送液に使用することを特徴とする。
(原液処理装置)
第12発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液
【0006】
を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、該原液供給部と前記濾過器の原液供給口とを繋ぐ給液チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液回収チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、前記給液チューブと前記濾過器洗浄液回収チューブとが異なるローラーに配置された第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9発明の第1ローラーポンプ装置と、前記廃液チューブまたは前記濃縮液チューブと前記濾過器洗浄液供給チューブとが異なるローラーに配置された第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9発明の第2ローラーポンプ装置と、を備えていることを特徴とする。
第13発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、該原液供給部と前記濾過器の原液供給口とを繋ぐ給液チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液回収チューブと、前記濾過器に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、前記給液チューブと前記濾過器洗浄液供給チューブとが異なるローラーに配置された第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9発明の第1ローラーポンプ装置と、前記廃液チューブまたは前記濃縮液チューブと前記濾過器洗浄液回収チューブとが異なるローラーに配置された第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9発明の第2ローラーポンプ装置と、を備えていることを特徴とする。
第14発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃
【0007】
縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、送液を行う第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9発明のローラーポンプ装置と、前記ローラーポンプ装置のローラーに配置されている、送液のための複数本のチューブと、を備えており、前記複数本のチューブは、該複数本のチューブが並んで配置されたチューブ回路に取り付けられており、該チューブ回路は、該チューブ回路を前記ローラーポンプ装置のローラーに配置した際に、該ローラーポンプ装置のローラーが配置される開口を有するローラー配置部を複数備えており、前記複数本のチューブは、各ローラー配置部の開口に前記ローラーポンプ装置のローラーが配置された際に該ローラーポンプ装置の駆動軸の軸方向と交差する方向に該ローラー配置部を横断し、かつ、前記ローラーポンプ装置のローラーを配置する前記ローラー配置部を変更することによって該複数本のチューブにおける送液状態が変更されるように配設されていることを特徴とする。
第15発明の原液処理装置は、第14発明において、前記複数本のチューブが、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、を備えており、前記濃縮液チューブまたは前記廃液チューブは、前記チューブ回路におけるローラー配置部に配置された部分が、配置されるローラー配置部によって異なる流路面積となっていることを特徴とする。
第16発明の原液処理装置は、第14または第15発明において、前記ローラーポンプ装置は、前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブ内の圧力の絶対値、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブ内の圧力の絶対値、両者の合計圧力の絶対値、または両者の差圧の絶対値が、一定または一定値以下になるように、廃液流量および/または濃縮液流量を調整するものであることを特徴とする。
第17発明の原液処理装置は、第14、第15または第16発明において、前記濾過器の原液供給口に連通された給液チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、を備えており、前記給液チューブの流路面積は、前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値
【0008】
が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されていることを特徴とする。
第18発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、前記濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、送液を行うローラーポンプ装置と、を備えており、前記ローラーポンプ装置が、第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8または第9発明のローラーポンプ装置であって、前記駆動軸の一端から他端に向かって、固定ローラーまたは正転ローラー、逆転ローラーの順で並ぶように駆動軸に設けられた第1ローラー群と、第1ローラー群よりも前記駆動軸の他端側に、該駆動軸の一端から他端に向かって、逆転ローラー、正転ローラーの順で並ぶように駆動軸に設けられた第2ローラー群と、前記第1ローラー群と前記第2ローラー群の間に設けられたフリーローラーと、を備えており、前記第1ローラー群には、前記駆動軸の一端から他端に向かって、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の濾過液供給口に接続された再濃縮液供給チューブが、この順で配置されており、前記第2ローラー群には、前記駆動軸の一端から他端に向かって、前記濾過器の洗浄液供給口に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブが、この順で配置されており、前記濃縮液チューブ、前記再濃縮液供給チューブ、前記濾過器洗浄液供給チューブおよび前記廃液チューブは、前記駆動軸および/または前記チューブを移動させた際に、異なるローラーに配置された状態となるように配設されていることを特徴とする。
第19発明の原液処理装置は、第18発明において、前記第1ローラー群が、前記逆転ローラーとの間に前記正転ローラーを挟む位置に第2逆転ローラーを備えており、前記濃縮液チューブと前記再濃縮液供給チューブは、前記駆動軸および/または前記両チューブを移動させると、前記第1ローラー
【0009】
群の各ローラーと前記フリーローラーのうち、互いに隣接しない2つのローラーに配置された状態となるように配設されており、前記濾過器洗浄液供給チューブと前記廃液チューブは、前記駆動軸および/または前記両チューブを移動させると、前記第2ローラー群における前記逆転ローラーと、前記第2ローラー群における他のローラーまたは前記フリーローラーに配置された状態となるように配設されていることを特徴とする。
第20発明の原液処理装置は、第18または第19発明において、前記ローラーポンプ装置は、前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブ内の圧力の絶対値、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブ内の圧力の絶対値、両者の合計圧力の絶対値、または両者の差圧の絶対値が、一定または一定値以下になるように、廃液流量および/または濃縮液流量を調整するものであることを特徴とする。
第21発明の原液処理装置は、第18、第19または第20発明において、前記濾過器の原液供給口に連通された給液チューブを備えており、該給液チューブの流路面積は、前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されていることを特徴とする。
第22発明の原液処理装置は、胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、前記原液を濾過する中空糸膜を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、送液を行うローラーポンプ装置と、を備えており、前記濾過器が、前記原液供給口と連通された洗浄液供給口を備えており、前記ローラーポンプ装置が、第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10発明のローラーポンプ装置であり、前記原液供給部と前記濾過器の原液供給口との間を連通する給液チューブまたは前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出
【0010】
口と濃縮液バッグとの間を連通する濃縮液チューブまたは前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、が前記正転ローラーに配置されており、前記逆転ローラーには、前記濾過器の洗浄液供給口に連通された濾過器洗浄液給液チューブと、前記濾過器の原液供給口に連通された濾過器洗浄液回収チューブの両方が配置されていることを特徴とする。
第24発明の原液処理装置は、第22発明において、前記給液チューブの流路面積は、前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されていることを特徴とする。
第25発明の原液処理装置は、第24発明において、前記濃縮液チューブまたは廃液チューブをそれぞれ複数本備えており、該複数本の濃縮液チューブまたは該複数本の廃液チューブが、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能に設けられていることを特徴とする。
第26発明の原液処理装置は、第22、第24または第25発明において、前記濾過器の原液排出口と該濾過器の原液供給口とを連通する濾過器循環チューブが設けられており、前記ローラーポンプが、第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10発明のローラーポンプ装置であって、前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーを備えており、該濾過器循環チューブは、前記ローラーポンプ装置の固定ローラーに配置されていることを特徴とする。
第27発明の原液処理装置は、第22、第24、第25または第
【0011】
26発明において、前記濃縮器の濃縮液排出口と該濃縮器の濾過液供給口とを連通する濃縮器循環チューブが設けられており、前記ローラーポンプが、第1、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9または第10発明のローラーポンプ装置であって、前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーを備えており、該濃縮器循環チューブは、前記ローラーポンプ装置の固定ローラーに配置されていることを特徴とする。
(バッグ配置)
第28発明のバッグの配置方法は、胸腹水や血漿などの原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して濃縮液を形成する濃縮器と、送液を行うローラーポンプ装置と、を備えた、原液を濃縮して濃縮液を形成する原液処理装置において、前記原液処理装置が、請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、24、25、26または27記載の原液処理装置であり、該原液処理装置には、前記濾過器に供給する原液を収容した原液バッグ、前記濃縮器で濃縮された濃縮液が回収される濃縮液バッグ、前記濃縮器において前記濃縮液から分離された廃液が回収される廃液バッグが設けられており、前記原液バッグ、前記濃縮液バッグおよび前記廃液バッグの全てのバッグ、または、これらのバッグのうちいくつかのバッグを同じ高さに配置することを特徴とする。
第29発明のバッグの配置方法は、第28発明において、前記濾過器および/または前記濃縮器を洗浄する洗浄液を収容した洗浄液バッグと、前記濾過器および/または前記濃縮器を洗浄した洗浄液が回収される洗浄液回収バッグと、が接続されており、前記洗浄液バッグおよび/または前記洗浄液回収バッグが、前記原液バッグ、前記濃縮液バッグおよび前記廃液バッグの全てのバッグ、または、いくつかのバッグと同じ高さに配置されていることを特徴とする。
発明の効果
[0015]
(ローラーポンプ装置)
第1、第3発明によれば、駆動軸の回転方向を変化させれば、正転ローラーのみまたは逆転ローラーのみに回転力を供給することができる。すると、一つの
【0012】
駆動源で2つのローラーを独立して駆動させることも可能となるので、各ローラーに配置されたチューブからそれぞれ独立して送液することができる。チューブを配置するローラーを調整すれば、ローラーポンプ装置による送液を自由に調整することができる。
第4発明によれば、チューブ回路のローラー配置部にローラーを配置すれば、複数本のチューブから同時に送液をすることができる。また、各ローラー配置部においてチューブの配列を変更しておけば、ローラーを配置するローラー配置部を変更することによって、複数本のチューブからの送液状態を変更することができる。そして、ローラーを配置するローラー配置部を変更するだけで送液状態を変更することができるので、送液状態の変更を容易かつ確実に行うことができる。
第5発明によれば、駆動軸の回転方向を変化させれば、正転ローラーのみまたは逆転ローラーのみに回転力を供給することができる。すると、一つの駆動源で2つのローラーを独立して駆動させることも可能となるので、各ローラーに配置されたチューブからそれぞれ独立して送液することができる。また、カバーを開閉すればチューブを着脱できるので、ローラーに対するチューブの配置を変更することができる。
第6、第7発明によれば、チューブ内を流れる液体の送液状態を簡単に変更することができる。
第8発明によれば、ローラーおよび/またはチューブを駆動軸の軸方向に沿って移動させれば、チューブが配置されているローラーを変更できるので、送液状態の変更が容易になる。
第9、第10発明によれば、一つのローラーを回転させた場合でも、異なる流量の送液ができる。
第11発明によれば、ポンプやその駆動源を少なくできるので、医療用機器や測定用検査機器をコンパクトな構成とすることができる。
(原液処理装置)
第12、第13発明によれば、第1ローラーポンプ装置と第2ローラーポンプ装置の作動を調整すれば、給液チューブと廃液チューブまたは濃縮液チューブの流量を調整できるので、濾過濃縮状態を変更することができる。しかも、給液チューブと廃液チューブまたは濃縮液チューブの送液がそれぞれ別々のローラーポンプ装置によって実施されるので、濾過濃縮状態の調整の
【0014】
(原液処理装置)
第22発明によれば、濾過器に対する原液の供給と、濃縮液から分離された液体の濃縮器からの排出を、一つのポンプで行うことができるので、装置を小型化することができる。正転ローラーを回転させれば濾過および濃縮を実施でき、逆転ローラーを回転させれば濾過器の洗争を実施することができる。そして、正転ローラーおよび逆転ローラーを駆動する駆動源を一つにできるので、装置をよりコンパクトにできる。また、回転力が供給されていない状態では、正転ローラーおよび逆転ローラーをチューブの流れを止めるクランプ等として機能させることができる。すると、チューブの流れを制御するクランプ等を設ける数を少なくできるので、装置の構成を簡素化できる。
第24発明によれば、濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出を同じポンプで実施でき、所定の濃縮割合の濃縮液を得ることができる。
第25発明によれば、ローラーに配置するチューブの本数を調整すれば、濃縮液の濃縮割合を調整することができる。
第26発明によれば、濾過器に入る液体を循環させることによって濾過器の目詰まりを防止することができる。また、濾過液から分離された分離液を再度濾過できるので、濾過効率を高めることができ、濾過器の目詰まりも防止することができる。しかも、濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出とともに、分離液の循環も一つのポンプで実施することが可能となるので、装置をより小型化することができる。
第27発明によれば、濃縮器に入る液体を循環させることによって濃縮器の目詰まりを防止することができる。また、濾過器への濾過器に対する原液の供給と濃縮器からの廃液の排出とともに、濃縮液の循環も一つのポンプで実施することが可能となるので、装置をより小型化することができる。
(バッグ配置)
第28〜第30発明によれば、原液処理装置における全てのバッグまたはいくつかのバッグが同じ高さに配置されているので、ローラーポンプにおけ

Claims (30)

  1. ハウジングの内面との間にチューブが配置されたローラーを備えたローラーポンプ装置であって、
    駆動軸と、該駆動軸に取り付けられた複数のローラーと、を備えており、
    該複数のローラーは、
    回転伝達部を介して前記駆動軸に取り付けられた正転ローラーと逆転ローラーとを備えており、
    前記回転伝達部は、
    前記駆動軸が正転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記正転ローラーに伝達する正転側回転伝達部と、
    前記駆動軸が逆転した場合にのみ前記駆動軸からの回転力を前記逆転ローラーに伝達する逆転側回転伝達部と、を備えている
    ことを特徴とするローラーポンプ装置。
  2. 前記複数のローラーは、
    前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーおよび/または前記ハウジングに対する相対的な回転が固定されたクランプローラーを備えている
    ことを特徴とする請求項1記載のローラーポンプ装置。
  3. 前記複数のローラーは、
    前記チューブ内における液体の自由な移動を許容するフリーローラーを備えている
    ことを特徴とする請求項2記載のローラーポンプ装置。
  4. 前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、
    該複数本のチューブが並んで配置されたチューブ回路を備えており、
    該チューブ回路は、
    前記ローラーが配置されるローラー配置部を複数備えており、
    前記複数本のチューブは、
    各ローラー配置部に前記ローラーが配置された際に、前記駆動軸の軸方向と交差する方向に該ローラー配置部を横断するように配設されている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のローラーポンプ装置。
  5. 前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、
    該複数本のチューブを前記駆動軸の軸方向および/または前記駆動軸の軸方向と直交する方向において反転可能に保持している
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のローラーポンプ装置。
  6. 前記複数本のチューブは、
    各チューブ間の相対的な位置を保持する連結部材によって連結されている
    ことを特徴とする請求項5記載のローラーポンプ装置。
  7. 前記ハウジングは、
    前記駆動軸の軸端部に対して接近離間可能であって、前記チューブを前記ハウジングの内面と前記ローラーとの間から着脱するための開口を開閉するカバーを備えている
    ことを特徴とする請求項5または6記載のローラーポンプ装置。
  8. 前記ローラーおよび/または前記ローラーに配置されているチューブが、前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のローラーポンプ装置。
  9. 前記複数のローラーのうち、一つまたは複数のローラーには、一つのローラーに複数本のチューブが配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のローラーポンプ装置。
  10. 前記ローラーに配置されるチューブを複数本備えており、
    該複数本のチューブが、流路面積が異なるチューブを有している
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のローラーポンプ装置。
  11. 医療用機器や測定用検査機器において送液に使用する
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のローラーポンプ装置。
  12. 胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、
    前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、
    該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、
    該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、
    該原液供給部と前記濾過器の原液供給口とを繋ぐ給液チューブと、
    前記濾過器の原液供給口に接続された濾過器洗浄液回収チューブと、
    前記濾過器の洗浄液供給口に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、
    前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、
    前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、
    前記給液チューブと前記濾過器洗浄液回収チューブとが異なるローラーに配置された請求項1乃至9のいずれかに記載の第1ローラーポンプ装置と、
    前記廃液チューブまたは前記濃縮液チューブと前記濾過器洗浄液供給チューブとが異なるローラーに配置された請求項1乃至9のいずれかに記載の第2ローラーポンプ装置と、を備えている
    ことを特徴とする原液処理装置。
  13. 胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、
    前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、
    該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、
    該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、
    該原液供給部と前記濾過器の原液供給口とを繋ぐ給液チューブと、
    前記濾過器の原液供給口に接続された濾過器洗浄液回収チューブと、
    前記濾過器の洗浄液供給口に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、
    前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、
    前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、
    前記給液チューブと前記濾過器洗浄液供給チューブとが異なるローラーに配置された請求項1乃至9のいずれかに記載の第1ローラーポンプ装置と、
    前記廃液チューブまたは前記濃縮液チューブと前記濾過器洗浄液回収チューブとが異なるローラーに配置された請求項1乃至9のいずれかに記載の第2ローラーポンプ装置と、を備えている
    ことを特徴とする原液処理装置。
  14. 胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、
    前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、
    該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、
    該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、
    送液を行う請求項1乃至9のいずれかに記載のローラーポンプ装置と、
    前記ローラーポンプ装置のローラーに配置されている、送液のための複数本のチューブと、を備えており、
    前記複数本のチューブは、
    該複数本のチューブが並んで配置されたチューブ回路に取り付けられており、
    該チューブ回路は、
    前記ローラーポンプ装置のローラーが配置されるローラー配置部を複数備えており、
    前記複数本のチューブは、
    各ローラー配置部に前記ローラーポンプ装置のローラーが配置された際に、該ローラーポンプ装置の駆動軸の軸方向と交差する方向に該ローラー配置部を横断するように配設されている
    ことを特徴とする原液処理装置。
  15. 前記複数本のチューブが、
    前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、を備えており、
    前記濃縮液チューブまたは前記廃液チューブは、
    前記チューブ回路におけるローラー配置部に配置された部分が、配置されるローラー配置部によって異なる流路面積となっている
    ことを特徴とする請求項14記載の原液処理装置。
  16. 前記ローラーポンプ装置は、
    前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブ内の圧力の絶対値、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブ内の圧力の絶対値、両者の合計圧力の絶対値、または両者の差圧の絶対値が、一定または一定値以下になるように、廃液流量および/または濃縮液流量を調整するものである
    ことを特徴とする請求項14または15記載の原液処理装置。
  17. 前記濾過器の原液供給口に連通された給液チューブと、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、を備えており、
    前記給液チューブの流路面積は、
    前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されている
    ことを特徴とする請求項14、15または16記載の原液処理装置。
  18. 胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、
    前記原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、
    該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、
    前記濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、
    送液を行うローラーポンプ装置と、を備えており、
    前記ローラーポンプ装置が、
    請求項1乃至9のいずれかに記載のローラーポンプ装置であって、
    前記駆動軸の一端から他端に向かって、固定ローラーまたは正転ローラー、逆転ローラーの順で並ぶように駆動軸に設けられた第1ローラー群と、
    第1ローラー群よりも前記駆動軸の他端側に、該駆動軸の一端から他端に向かって、逆転ローラー、正転ローラーの順で並ぶように駆動軸に設けられた第2ローラー群と、
    前記第1ローラー群と前記第2ローラー群の間に設けられたフリーローラーと、を備えており、
    前記第1ローラー群には、
    前記駆動軸の一端から他端に向かって、前記濃縮器の濃縮液排出口に接続された濃縮液チューブと、前記濃縮器の濾過液供給口に接続された再濃縮液供給チューブが、この順で配置されており、
    前記第2ローラー群には、
    前記駆動軸の一端から他端に向かって、前記濾過器の洗浄液供給口に接続された濾過器洗浄液供給チューブと、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブが、この順で配置されており、
    前記濃縮液チューブ、前記再濃縮液供給チューブ、前記濾過器洗浄液供給チューブおよび前記廃液チューブは、前記駆動軸および/または前記チューブを移動させた際に、異なるローラーに配置された状態となるように配設されている
    ことを特徴とする原液処理装置。
  19. 前記第1ローラー群が、
    前記逆転ローラーとの間に前記正転ローラーを挟む位置に第2逆転ローラーを備えており、
    前記濃縮液チューブと前記再濃縮液供給チューブは、
    前記駆動軸および/または前記両チューブを移動させると、前記第1ローラー群の各ローラーと前記フリーローラーのうち、互いに隣接しない2つのローラーに配置された状態となるように配設されており、
    前記濾過器洗浄液供給チューブと前記廃液チューブは、
    前記駆動軸および/または前記両チューブを移動させると、前記第2ローラー群における前記逆転ローラーと、前記第2ローラー群における他のローラーまたは前記フリーローラーに配置された状態となるように配設されている
    ことを特徴とする請求項18記載の原液処理装置。
  20. 前記ローラーポンプ装置は、
    前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブ内の圧力の絶対値、前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブ内の圧力の絶対値、両者の合計圧力の絶対値、または両者の差圧の絶対値が、一定または一定値以下になるように、廃液流量および/または濃縮液流量を調整するものである
    ことを特徴とする請求項18または19記載の原液処理装置。
  21. 前記濾過器の原液供給口に連通された給液チューブを備えており、
    該給液チューブの流路面積は、
    前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されている
    ことを特徴とする請求項18、19または20記載の原液処理装置。
  22. 胸腹水や血漿などの原液を濃縮して濃縮液を形成する装置であって、
    前記原液を濾過する中空糸膜を備えた濾過器と、
    該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して前記濃縮液を形成する濃縮器と、
    該濾過器に前記原液を供給する原液供給部と、
    送液を行うローラーポンプ装置と、を備えており、
    該ローラーポンプ装置における一つのローラーに、
    前記原液供給部と前記濾過器の原液供給口との間を連通する給液チューブまたは前記濾過器の濾過液排出口と前記濃縮器の濾過液供給口との間を連通する濾過液供給チューブと、
    前記濃縮器の濃縮液排出口と濃縮液バッグとの間を連通する濃縮液チューブまたは前記濃縮器の廃液排出口に接続された廃液チューブと、が配置されている
    ことを特徴とする原液処理装置。
  23. 前記濾過器が、
    前記原液供給口と連通された洗浄液供給口を備えており、
    前記ローラーポンプ装置が、
    請求項1乃至10のいずれかに記載のローラーポンプ装置であり、
    前記給液チューブまたは前記濾過液供給チューブと前記濃縮液チューブまたは前記廃液チューブは、前記正転ローラーに配置されており、
    前記逆転ローラーには、前記濾過器の洗浄液供給口に連通された濾過器洗浄液給液チューブと、前記濾過器の原液供給口に連通された濾過器洗浄液回収チューブの両方が配置されている
    ことを特徴とする請求項22記載の原液処理装置。
  24. 前記給液チューブの流路面積は、
    前記濃縮液チューブの流路面積によって前記給液チューブの流路面積を割った値が、または、前記給液チューブの流路面積によって前記廃液チューブの流路面積を割った値を1から引いた値の逆数が、前記濃縮器における濃縮割合と一致するように調整されている
    ことを特徴とする請求項22または23記載の原液処理装置。
  25. 前記濃縮液チューブまたは廃液チューブをそれぞれ複数本備えており、
    該複数本の濃縮液チューブまたは該複数本の廃液チューブが、
    前記駆動軸の軸方向に沿って移動可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項24記載の原液処理装置。
  26. 前記濾過器の原液排出口と該濾過器の原液供給口とを連通する濾過器循環チューブが設けられており、
    前記ローラーポンプが、
    請求項1乃至10のいずれかに記載のローラーポンプ装置であって、前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーを備えており、
    該濾過器循環チューブは、
    前記ローラーポンプ装置の固定ローラーに配置されている
    ことを特徴とする請求項22、23、24または25記載の原液処理装置。
  27. 前記濃縮器の濃縮液排出口と該濃縮器の濾過液供給口とを連通する濃縮器循環チューブが設けられており、
    前記ローラーポンプが、
    請求項1乃至10のいずれかに記載のローラーポンプ装置であって、前記駆動軸に対する相対的な回転が固定された固定ローラーを備えており、
    該濃縮器循環チューブは、
    前記ローラーポンプ装置の固定ローラーに配置されている
    ことを特徴とする請求項22、23、24、25または26記載の原液処理装置。
  28. 胸腹水や血漿などの原液を濾過する濾過部材を備えた濾過器と、該濾過器によって濾過された濾過液が供給され、該濾過液を濃縮して濃縮液を形成する濃縮器と、送液を行うローラーポンプ装置と、を備えた、原液を濃縮して濃縮液を形成する原液処理装置において、
    前記濾過器に供給する原液を収容した原液バッグ、前記濃縮器で濃縮された濃縮液が回収される濃縮液バッグ、前記濃縮器において前記濃縮液から分離された廃液が回収される廃液バッグ、の全てのバッグ、または、いくつかのバッグを同じ高さに配置する
    ことを特徴とするバッグの配置方法。
  29. 前記濾過器および/または前記濃縮器を洗浄する洗浄液を収容した洗浄液バッグと、前記濾過器および/または前記濃縮器を洗浄した洗浄液が回収される洗浄液回収バッグと、が接続されており、
    前記洗浄液バッグおよび/または前記洗浄液回収バッグが、前記全てのバッグ、または、いくつかのバッグと同じ高さに配置されている
    ことを特徴とする請求項28記載のバッグの配置方法。
  30. 前記原液処理装置が、
    請求項12乃至27のいずれかに記載の原液処理装置である
    ことを特徴とする請求項29または30記載のバッグの配置方法。
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