JPWO2017170043A1 - アクリル重合体組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、アクリル重合体組成物に係り、熱による加熱劣化が有効に防止されたアクリル重合体組成物に関する。
石油化学の発展に伴い、有機化合物で構成される重合体はプラスチック、ゴム、繊維、フィルムといった様々な形態で人類の発展に貢献してきた。これらは用途に応じ様々な環境下で用いられることから、想定される環境下での耐久性を各々賦与することで長期間使用できるように改良が施されてきた。たとえば、屋外で用いられるプラスチックには耐紫外線性能を、極寒地でも機能するゴムには耐寒性能を賦与した製品が開発されてきた。
一方、産業の発展に伴い使用量が増大してきた、エンジンに代表される内燃機関は潤滑油を必要とし、かつ多大な熱を発生することから、それに使用される重合体にはオイルや高温への耐性が要求される。特に自動車のエンジン回りの重合体には、オイルや高温に曝されても長時間柔軟性を維持でき、亀裂などの欠陥を生じないといった特性が求められる。こうした要求に応えるべく様々な耐油・耐熱性ゴムが開発されてきたが、中でもアクリル重合体は、ゴム弾性を有し、耐油性、耐熱特性、柔軟性に優れたポリマーとして、自動車のエンジン回りのシール、ガスケット、パッキン、ホースといった部材として幅広く使用されており、要求特性に応じて架橋構造や老化防止剤、配合剤を工夫し耐油性、耐熱性をさらに強化している。たとえば、特許文献1には、耐熱性を向上させる老化防止剤について開示されている。しかしながら、このような老化防止剤だけでは、熱によるポリマーの低分子量化は抑制できず、そのため、190℃以上におけるさらなる耐熱要求に対応するには不充分であった。
一方、分子鎖切断に起因する低分子量化に対し、修復剤を共存させておくことにより分子鎖を自己修復させる技術が生体高分子などに広く活用されているが、生体内で用いられることが多いため、高温領域では使用されない。また、高温領域でポリマーの低分子量化を抑制する手段として、特許文献2には、1,4−ブチレングリコールやビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、フタル酸ジメチルを修復剤として用いることで、ポリエステル樹脂の分子鎖切断を修復剤の再結合反応により自己修復する技術が開示されている。この特許文献2の技術によれば、修復剤の再結合反応により自己修復させることで低分子量化を防ぎ、これにより熱による加熱劣化を抑制しているが、150℃における劣化抑制効果が開示されているのみであり、190℃以上といったさらなる高温領域における劣化抑制の技術についての報告はなされていない。
本発明は、上記実状に鑑みてなされ、高温環境下(たとえば、190℃以上の環境下)においても、熱による加熱劣化が有効に防止されたアクリル重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、アクリル重合体に、ウレア基を2個有する特定の多官能性有機化合物を配合してなるアクリル重合体組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、アクリル重合体と、下記一般式(1)で表される多官能性有機化合物とを含有するアクリル重合体組成物が提供される。
(上記一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜20のアルキル基であり、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、kは1以上の整数である。)
本発明において、前記多官能性有機化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(上記一般式(2)中、R1、R2、kは、前記一般式(1)と同様であり、R5〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数1〜20のアルキル基である。)
本発明において、一般式(1)または一般式(2)中、k=6であることが好ましい。
本発明において、前記多官能性有機化合物の190℃における半減期が5時間以上であることが好ましい。
本発明において、前記多官能性有機化合物の含有割合が、前記アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、前記多官能性有機化合物に含まれるウレア基の当量数で、0.002以上となる量であることが好ましい。
本発明において、前記多官能性有機化合物の含有割合が、前記アクリル重合体100重量部に対する重量比率で、0.4重量部以上であることが好ましい。
本発明において、一般式(1)または一般式(2)中、k=6であることが好ましい。
本発明において、前記多官能性有機化合物の190℃における半減期が5時間以上であることが好ましい。
本発明において、前記多官能性有機化合物の含有割合が、前記アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、前記多官能性有機化合物に含まれるウレア基の当量数で、0.002以上となる量であることが好ましい。
本発明において、前記多官能性有機化合物の含有割合が、前記アクリル重合体100重量部に対する重量比率で、0.4重量部以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記本発明のアクリル重合体組成物を架橋させてなる架橋物が提供される。
さらに、本発明によれば、アクリル重合体と、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物と、架橋剤とを含有する架橋性アクリル重合体組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、アクリル重合体と、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物と、架橋剤とを含有する架橋性アクリル重合体組成物が提供される。
本発明によれば、高温環境下(たとえば、190℃以上の環境下)においても、熱による加熱劣化が有効に防止されたアクリル重合体組成物を提供することができる。
本発明のアクリル重合体組成物は、アクリル重合体と、後述する一般式(1)で表される多官能性有機化合物とを含有するものである。
<アクリル重合体>
本発明で用いるアクリル重合体は、分子中に、主成分(本発明において、重合体中の全単量体単位中50重量%以上有するものを言う。)として、(メタ)アクリル酸エステル単量体〔アクリル酸エステル単量体および/またはメタクリル酸エステル単量体の意。以下、(メタ)アクリル酸メチルなど同様。〕単位を含有するものであればよく、特に限定されない。
本発明で用いるアクリル重合体は、分子中に、主成分(本発明において、重合体中の全単量体単位中50重量%以上有するものを言う。)として、(メタ)アクリル酸エステル単量体〔アクリル酸エステル単量体および/またはメタクリル酸エステル単量体の意。以下、(メタ)アクリル酸メチルなど同様。〕単位を含有するものであればよく、特に限定されない。
本発明で用いるアクリル重合体の主成分としての(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を形成する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、特に限定されないが、たとえば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体などを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、および(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エチル、および(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましく、アクリル酸エチル、およびアクリル酸n−ブチルが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、特に限定されないが、炭素数2〜8のアルコキシアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、および(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、および(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが好ましく、アクリル酸2−エトキシエチル、およびアクリル酸2−メトキシエチルが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
本発明で用いるアクリル重合体中における、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、50〜100重量%であり、好ましくは50〜99.9重量%、より好ましくは60〜99.5重量%、さらに好ましくは70〜99.5重量%、特に好ましくは70〜99重量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量が少なすぎると、耐候性、耐熱性、および耐油性が低下するおそれがある。
なお、本発明において、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位30〜100重量%、および(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位70〜0重量%からなるものとすることが好ましい。
また、本発明で用いるアクリル重合体は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位に加えて、架橋性単量体単位を含有するものであってもよい。
架橋性単量体単位を形成する架橋性単量体としては、特に限定されないが、たとえば、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体;エポキシ基を有する単量体;ハロゲン原子を有する単量体;ジエン単量体;などが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、特に限定されないが、たとえば、炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸、および炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルなどが挙げられる。
炭素数3〜12のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、およびケイ皮酸などが挙げられる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸の具体例としては、フマル酸、マレイン酸などのブテンジオン酸;イタコン酸;シトラコン酸;クロロマレイン酸;などが挙げられる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルの具体例としては、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノn−ブチルなどのブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘキセニル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘキセニルなどの脂環構造を有するブテンジオン酸モノエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノn−ブチル、イタコン酸モノシクロヘキシルなどのイタコン酸モノエステル;などが挙げられる。
これらの中でも、ブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル、または脂環構造を有するブテンジオン酸モノエステルが好ましく、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、およびマレイン酸モノシクロヘキシルがより好ましく、フマル酸モノn−ブチルがさらに好ましい。これらのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。なお、上記単量体のうち、ジカルボン酸には、無水物として存在しているものも含まれる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸の具体例としては、フマル酸、マレイン酸などのブテンジオン酸;イタコン酸;シトラコン酸;クロロマレイン酸;などが挙げられる。
炭素数4〜12のα,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜8のアルカノールとのモノエステルの具体例としては、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノn−ブチルなどのブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル;フマル酸モノシクロペンチル、フマル酸モノシクロヘキシル、フマル酸モノシクロヘキセニル、マレイン酸モノシクロペンチル、マレイン酸モノシクロヘキシル、マレイン酸モノシクロヘキセニルなどの脂環構造を有するブテンジオン酸モノエステル;イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノn−ブチル、イタコン酸モノシクロヘキシルなどのイタコン酸モノエステル;などが挙げられる。
これらの中でも、ブテンジオン酸モノ鎖状アルキルエステル、または脂環構造を有するブテンジオン酸モノエステルが好ましく、フマル酸モノn−ブチル、マレイン酸モノn−ブチル、フマル酸モノシクロヘキシル、およびマレイン酸モノシクロヘキシルがより好ましく、フマル酸モノn−ブチルがさらに好ましい。これらのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。なお、上記単量体のうち、ジカルボン酸には、無水物として存在しているものも含まれる。
エポキシ基を有する単量体としては、特に限定されないが、たとえば、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基含有エーテルなどが挙げられる。
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
エポキシ基含有エーテルの具体例としては、アリルグリシジルエーテルおよびビニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸グリシジルおよびアリルグリシジルエーテルが好ましい。これらエポキシ基を有する単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
エポキシ基含有エーテルの具体例としては、アリルグリシジルエーテルおよびビニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、メタクリル酸グリシジルおよびアリルグリシジルエーテルが好ましい。これらエポキシ基を有する単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
ハロゲン原子を有する単量体としては、特に限定されないが、たとえば、ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステル、(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステル、ハロゲン含有不飽和エーテル、ハロゲン含有不飽和ケトン、ハロメチル基含有芳香族ビニル化合物、ハロゲン含有不飽和アミド、およびハロアセチル基含有不飽和単量体などが挙げられる。
ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステルの具体例としては、クロロ酢酸ビニル、2−クロロプロピオン酸ビニル、およびクロロ酢酸アリルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸1−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸1,2−ジクロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロプロピル、および(メタ)アクリル酸2,3−ジクロロプロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(クロロアセトキシ)プロピル、および(メタ)アクリル酸3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)エチル、および(メタ)アクリル酸3−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)プロピルなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和エーテルの具体例としては、クロロメチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、3−クロロプロピルビニルエーテル、2−クロロエチルアリルエーテル、および3−クロロプロピルアリルエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和ケトンの具体例としては、2−クロロエチルビニルケトン、3−クロロプロピルビニルケトン、および2−クロロエチルアリルケトンなどが挙げられる。
ハロメチル基含有芳香族ビニル化合物の具体例としては、p−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、およびp−クロロメチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和アミドの具体例としては、N−クロロメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
ハロアセチル基含有不飽和単量体の具体例としては、3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルアリルエーテル、p−ビニルベンジルクロロ酢酸エステルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸1−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸1,2−ジクロロエチル、(メタ)アクリル酸2−クロロプロピル、(メタ)アクリル酸3−クロロプロピル、および(メタ)アクリル酸2,3−ジクロロプロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(クロロアセトキシ)プロピル、および(メタ)アクリル酸3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)エチル、および(メタ)アクリル酸3−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)プロピルなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和エーテルの具体例としては、クロロメチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、3−クロロプロピルビニルエーテル、2−クロロエチルアリルエーテル、および3−クロロプロピルアリルエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和ケトンの具体例としては、2−クロロエチルビニルケトン、3−クロロプロピルビニルケトン、および2−クロロエチルアリルケトンなどが挙げられる。
ハロメチル基含有芳香族ビニル化合物の具体例としては、p−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、およびp−クロロメチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。
ハロゲン含有不飽和アミドの具体例としては、N−クロロメチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
ハロアセチル基含有不飽和単量体の具体例としては、3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルアリルエーテル、p−ビニルベンジルクロロ酢酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、ハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステル、およびハロゲン含有不飽和エーテルが好ましく、クロロ酢酸ビニル、および2−クロロエチルビニルエーテルがより好ましく、クロロ酢酸ビニルがさらに好ましい。これらハロゲン原子を有する単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
ジエン単量体としては、共役ジエン単量体、非共役ジエン単量体が挙げられる。
共役ジエン単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、およびピペリレンなどを挙げることができる。
非共役ジエン単量体の具体例としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、および(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタジエニルエチルなどを挙げることができる。
共役ジエン単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、およびピペリレンなどを挙げることができる。
非共役ジエン単量体の具体例としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、および(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタジエニルエチルなどを挙げることができる。
上述した架橋性単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
本発明で用いるアクリル重合体に架橋性単量体単位を含有させる場合における、アクリル重合体中における、架橋性単量体単位の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
本発明で用いるアクリル重合体に架橋性単量体単位を含有させる場合における、アクリル重合体中における、架橋性単量体単位の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは1〜5重量%である。
また、本発明で用いるアクリル重合体は、必要に応じて、(メタ)アクリル酸エステル単量体と共重合可能なその他の単量体の単位を有していてもよい。
共重合可能なその他の単量体としては、特に限定されないが、たとえば、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、アクリロイルオキシ基を2個以上有する単量体(以下、「多官能アクリル単量体」と言うことがある。)、オレフィン系単量体、およびビニルエーテル化合物などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、およびジビニルベンゼンなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
多官能アクリル単量体の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
オレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、および1−オクテンなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、およびn−ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
多官能アクリル単量体の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
オレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、および1−オクテンなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物の具体例としては、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、およびn−ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
これらの中でも、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレンおよび酢酸ビニルが好ましく、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチレンおよび酢酸ビニルがより好ましい。
共重合可能なその他の単量体は、1種単独で、または2種以上を併せて使用することができる。
アクリル重合体中における、その他の単量体の単位の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜49.9重量%、さらに好ましくは0〜39.5重量%、特に好ましくは0〜29.5重量%である。
アクリル重合体中における、その他の単量体の単位の含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜49.9重量%、さらに好ましくは0〜39.5重量%、特に好ましくは0〜29.5重量%である。
本発明で用いるアクリル重合体は、上記単量体を重合することにより得ることができる。重合反応の形態としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、および溶液重合法のいずれも用いることができるが、重合反応の制御の容易性などの点から、従来公知のアクリル重合体の製造法として一般的に用いられている常圧下での乳化重合法によるのが好ましい。
乳化重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれでもよい。重合は、通常、0〜70℃、好ましくは5〜50℃の温度範囲で行われる。
本発明で用いるアクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)は、特に限定されないが、好ましくは20,000〜2,000,000、より好ましくは40,000〜1,600,000、さらに好ましくは60,000〜1,400,000である。アクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)は、たとえば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによって、ポリスチレン換算の値として測定することができる。
重量平均分子量(Mw)に換算すると、本発明で用いるアクリル重合体の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜5,000,000、より好ましくは100,000〜4,000,000、さらに好ましくは150,000〜3,500,000である。
重量平均分子量(Mw)に換算すると、本発明で用いるアクリル重合体の重量平均分子量は、好ましくは50,000〜5,000,000、より好ましくは100,000〜4,000,000、さらに好ましくは150,000〜3,500,000である。
このようにして製造される、本発明で用いるアクリル重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)(ポリマームーニー)は、好ましくは10〜80、より好ましくは20〜70、さらに好ましくは25〜60である。
<多官能性有機化合物>
本発明のアクリル重合体組成物は、上述したアクリル重合体に、下記一般式(1)で表される多官能性有機化合物を配合してなるものである。
(上記一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜20のアルキル基であり、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、kは1以上の整数である。)
本発明のアクリル重合体組成物は、上述したアクリル重合体に、下記一般式(1)で表される多官能性有機化合物を配合してなるものである。
本発明のアクリル重合体組成物などに含まれる、通常のアクリル重合体は、190℃以上に加熱すると、通常、アクリル重合体の分子鎖の切断が起こってしまい、これにより分子量の低下が起こり、加熱劣化してしまうという課題がある。これに対し、本発明によれば、アクリル重合体に、上記一般式(1)で表される、ウレア基を2個有する多官能性有機化合物を配合するものであり、これにより、このような加熱劣化を有効に抑制するものである。具体的には、アクリル重合体組成物が190℃以上に加熱された際に、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物が、アクリル重合体に含まれるエステル基、カルボキシ基、あるいは切断末端等と反応することで、重合体分子間に新たな化学結合を生成し、これにより、このような分子量低下を適切に抑制するものである。そして、その結果として、熱による加熱劣化を有効に抑制できるものである。すなわち、本発明のアクリル重合体組成物において、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物は、190℃以上に加熱された際に、修復剤として機能するものであり、これにより熱による加熱劣化を有効に抑制できるものである。
特に、本発明者等の知見によれば、アクリル重合体と、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物とを組み合わせて用いることにより、190℃以上において、アクリル重合体の分子鎖の切断に対し、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物が有効に反応すること、すなわち、190℃以上において、修復剤として有効に機能することを見出したものである。すなわち、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物が、アクリル重合体に含まれるエステル基、カルボキシ基、あるいは切断末端等と反応するのは、190℃以上の温度であり、190℃未満、例えば170℃以下の温度では、修復剤として有効に反応しない。そのため、本発明によれば、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物は、190℃以上に加熱した場合における加熱劣化を適切に抑制できるものである。
具体的には、本発明のアクリル重合体組成物を、空気中、190℃、144時間の条件で加熱した際における、アクリル重合体組成物中に含まれるアクリル重合体の分子量、具体的には、ピークトップ分子量(Mp)の低下率(以下、適宜、「190℃加熱時分子量低下率」とする。)を、好ましくは50%未満に抑えることができるものであり、より好ましくは49.9%以下、さらに好ましくは45.0%以下、さらにより好ましくは40.0%以下に抑えることができるものである。
190℃加熱時分子量低下率は、加熱前のアクリル重合体組成物中に含まれるアクリル重合体のピークトップ分子量と、加熱後のアクリル重合体組成物中に含まれるアクリル重合体のピークトップ分子量とから、下記式にしたがって求めることができる。
「190℃加熱時分子量低下率」(%)=100−(「加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量」/「加熱前のアクリル重合体のピークトップ分子量」)×100
また、加熱前および加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量は、たとえば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによって、ポリスチレン換算の値として測定することができる。
「190℃加熱時分子量低下率」(%)=100−(「加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量」/「加熱前のアクリル重合体のピークトップ分子量」)×100
また、加熱前および加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量は、たとえば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによって、ポリスチレン換算の値として測定することができる。
上記一般式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立に、水素原子、または、炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくは、水素原子であり、R1、R2ともに、水素原子であることがより好ましい。なお、kが2以上である場合には、複数のR1、R2が存在することとなるが、複数のR1、R2は、それぞれ互いに同じものであっても、あるいは、それぞれ異なるものであってもよいが、同じものであることが好ましい。kは1以上の整数であり、好ましくは2〜300の整数であり、より好ましくは3〜50の整数であり、特に好ましくはk=6である。
R1またはR2が、炭素数1〜20のアルキル基である場合における、炭素数1〜20のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
上記一般式(1)中、R3、R4としては、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基であることが好ましい。また、上記一般式(1)で表される化合物としては、R3、R4の両方が置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であるか、あるいは、R3、R4の両方が置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基であることがより好ましい。なお、R3、R4の両方が置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である場合には、R3、R4とは互いに同じ基であってもよいし、あるいは、異なる基であってもよいが、修復剤として機能をより適切に発揮させることができるという観点より、同じ基であることが好ましい。同様に、R3、R4の両方が置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基である場合には、R3とR4とは互いに同じ基であってもよいし、あるいは、異なる基であってもよいが、修復剤として機能をより適切に発揮させることができるという観点より、同じ基であることが好ましい。
R3またはR4が、炭素数1〜20のアルキル基である場合における、炭素数1〜20のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。これらのなかでも、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましい。また、炭素数1〜20のアルキル基としては、置換基を有するものであってもよく、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などの置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基;などが挙げられる。これら置換基は、任意の位置とすることができる。
なお、炭素数1〜20のアルキル基が置換基を有する場合、炭素数1〜20のアルキル基の炭素数には、このような置換基の炭素数を含まないものとする。すなわち、炭素数1〜20のアルキル基は、置換基に含有される炭素原子を除いた炭素原子の数が、1〜20の範囲にあればよい。たとえば、R3が、メトキシエチル基である場合には、該有機基の炭素数は2となる。すなわち、この場合においては、メトキシ基は置換基であるため、該有機基の炭素数は、置換基であるメトキシ基の炭素数を除いたものとなる。
また、R3またはR4が、炭素数6〜10のアリール基である場合における、炭素数6〜10のアリール基としては、たとえば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられる。これらのなかでも、フェニル基が好ましく、R3およびR4が、いずれもフェニル基であることが特に好ましい。また、炭素数6〜10のアリール基としては、置換基を有するものであってもよく、置換基を有するものであってもよく、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などの置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数1〜20のアルキル基;などが挙げられる。これら置換基は、任意の位置とすることができる。なお、炭素数6〜10のアリール基が置換基を有する場合、炭素数6〜10のアリール基の炭素数には、このような置換基の炭素数を含まないものとする。
R3およびR4が、いずれもフェニル基である場合には、上記一般式(1)で表される化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(上記一般式(2)中、R1、R2、kは、上記一般式(1)と同様であり、R5〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数1〜20のアルキル基である。)
上記一般式(2)中、R5〜R14としては、水素原子、シアノ基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、水素原子、または、炭素数1〜10のアルコキシ基がより好ましい。また、R5〜R14としては、全てが水素原子であるか、R5〜R9のうち、1つが、シアノ基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基であり、R10〜R14のうち、1つが、シアノ基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基であり、かつ、残りが水素原子であることが好ましい。特に、R5〜R14のうち、R7、R12が、シアノ基、または、炭素数1〜10のアルコキシ基であり、残りが水素原子であることが特に好ましい。また、アルコキシ基としては、炭素数1〜8のものがより好ましい。
上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物としては、アクリル重合体と組み合わせて用いた場合における、修復剤として機能により優れているという観点より、R1およびR2が、いずれも水素原子であり、R3が置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、R4が置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基である化合物;または、R1およびR2が、いずれも水素原子であり、R3が置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基であり、R4が置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基である化合物;が特に好適である。
なお、本発明で用いる上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物は、修復剤として機能をより適切に発揮させることができるという観点より、分子量が5,000以下のものが好ましく、分子量が4,500以下のものがより好ましく、分子量が4,000以下のものが特に好ましい。なお、分子量の下限は、特に限定されないが、通常120以上である。
また、本発明で用いる上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物は、アクリル重合体組成物が190℃以上に加熱された場合でも、十分な修復機能を発現することができるという観点より、190℃における半減期が5時間以上のものが好ましく、8時間以上のものがより好ましい。本発明において、190℃における半減期は、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物を190℃に加熱した際における重量減少を測定し、加熱前における重量に対して、重量が半分になる時間を求め、これを190℃における半減期とすることができる。
本発明のアクリル重合体組成物中における、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物の含有割合は、アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物に含まれるウレア基の当量数で、好ましくは0.002以上となる量であり、より好ましくは0.002〜0.05となる量、さらに好ましくは0.0025〜0.04となる量である。上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物の含有割合を上記範囲とすることにより、190℃以上の温度に加熱した場合における、アクリル重合体組成物の加熱劣化をより適切に防止できる。一方、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物の含有量が少なすぎると、190℃以上の温度に加熱した場合における、アクリル重合体組成物の加熱劣化の抑制効果が不十分となる場合がある。
また、本発明のアクリル重合体組成物中における、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物の含有割合は、官能基当量数が上記範囲となる量とすればよいが、アクリル重合体100重量部に対する重量比率は、好ましくは0.4重量部以上、より好ましくは0.4〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜8重量部である。
<その他の成分>
また、本発明のアクリル重合体組成物は、さらに老化防止剤を含有していることが好ましい。老化防止剤としては、特に限定されないが、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチレイテッド・ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルフォニルアミド)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシ・ジフェニルアミン、ビス(フェニル・イソプロピリデン)−4,4−ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル・エチレンジアミン、N,N’−ジフェニル・プロピレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニルジアミン,N−シクロへキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’―ビス(1−メチルへプチル)―p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、4−(α−フェニルエチル)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α−フェニルエチル)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(4−メチルフェニル)スルフォニル)ジフェニルアミン等の芳香族第二級アミン化合物;ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジアルキルジチオカルバミン酸ニッケル;等を用いることができる。
また、本発明のアクリル重合体組成物は、さらに老化防止剤を含有していることが好ましい。老化防止剤としては、特に限定されないが、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチレイテッド・ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルフォニルアミド)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシ・ジフェニルアミン、ビス(フェニル・イソプロピリデン)−4,4−ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル・エチレンジアミン、N,N’−ジフェニル・プロピレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニルジアミン,N−シクロへキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’―ビス(1−メチルへプチル)―p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、4−(α−フェニルエチル)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α−フェニルエチル)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(4−メチルフェニル)スルフォニル)ジフェニルアミン等の芳香族第二級アミン化合物;ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジアルキルジチオカルバミン酸ニッケル;等を用いることができる。
また、本発明においては、190℃以上に加熱した際の加熱劣化をより適切に防止できという観点より、老化防止剤としては、下記一般式(3a)や(3b)で表される化合物を用いることがより好適である。
(上記一般式(3a)中、RaおよびRbはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の有機基を表す。ZaおよびZbはそれぞれ独立して、化学的な単結合または−SO2−を表す。nおよびmはそれぞれ独立して、0または1であり、nおよびmの少なくとも一方は1である。また、上記一般式(3b)中、RcおよびRdはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の有機基を表す。X1およびX2はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR,−O−C(=O)−OR、NRR’−、−NR−C(=O)−R’、−C(=O)−NRR’、または−O−C(=O)−NRR’を表す。ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の有機基を表し、複数個のX1及び複数個のX2は全てそれぞれ独立して、異なる置換基が可能である。nおよびmはそれぞれ独立して、0または1であり、nおよびmの少なくとも一方は1である。)
上記一般式(3a)中、RaおよびRbはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の有機基を表す。
RaおよびRbを構成する炭素数1〜30の有機基としては、特に限定されないが、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの炭素数1〜30のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3〜30のシクロアルキル基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などの炭素数6〜30のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜30のアルコキシ基;などが挙げられる。
RaおよびRbを構成する炭素数1〜30の有機基としては、特に限定されないが、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの炭素数1〜30のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3〜30のシクロアルキル基;フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などの炭素数6〜30のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜30のアルコキシ基;などが挙げられる。
また、上述したRaおよびRbを構成する有機基は、置換基を有していてもよく、該置換基の位置としては、任意の位置とすることができる。
このような置換基としては、有機基がアルキル基である場合には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基;などが挙げられる。
また、有機基がシクロアルキル基またはアリール基である場合には、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜10のアルキル基;などが挙げられる。
さらに、有機基がアルコキシ基の場合には、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;などが挙げられる。
また、上記一般式(3a)において、RaおよびRbを構成する有機基が、置換基を有する場合、有機基の炭素数には、該置換基の炭素数を含まないものとする。
このような置換基としては、有機基がアルキル基である場合には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;フェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基などの置換基を有していてもよいフェニル基;などが挙げられる。
また、有機基がシクロアルキル基またはアリール基である場合には、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜10のアルキル基;などが挙げられる。
さらに、有機基がアルコキシ基の場合には、置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;などが挙げられる。
また、上記一般式(3a)において、RaおよびRbを構成する有機基が、置換基を有する場合、有機基の炭素数には、該置換基の炭素数を含まないものとする。
RaおよびRbとしては、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基であることが好ましく、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐状の炭素数2〜20のアルキル基、もしくは置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよいナフチル基であることがより好ましく、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐状の炭素数2〜8のアルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基であることがさらに好ましく、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐状の炭素数2〜8のアルキル基が特に好ましい。これらの置換基としては、前記有機基が置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜30のアリール基の置換基として例示したのと同じのものが挙げられる。
このようなRaおよびRbを構成する有機基の好ましい具体例としては、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、t−ブチル基、フェニル基、または4−メチルフェニル基などが挙げられ、これらの中でも、α,α−ジメチルベンジル基、または4−メチルフェニル基がより好ましく、α,α−ジメチルベンジル基がさらに好ましい。なお、これらは、それぞれ独立したものとすることができる。
また、上記一般式(3a)中、ZaおよびZbはそれぞれ独立して、化学的な単結合または−SO2−であり、化学的な単結合であることが好ましい。
さらに、上記一般式(3a)中、nおよびmはそれぞれ独立して、0または1であり、かつ、nおよびmの少なくとも一方は1である。なお、nおよびmは、いずれも1であることが好ましい。
本発明においては、上記一般式(3a)で表される化合物としては、下記一般式(4)〜(6)で表される化合物のいずれかであることが好ましい。
(上記一般式(4)〜(6)中、Ra、Rb、ZaおよびZbは、上記一般式(3a)と同様である。)
上記一般式(4)〜(6)で表される化合物のなかでも、一般式(4)、(6)で表される化合物が好ましく、一般式(6)で表される化合物がより好ましい。
また、上記一般式(4)〜(6)中、−Za−Ra、−Zb−Rbがそれぞれ独立して、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、t−ブチル基、フェニルスルホニル基、または4−メチルフェニルスルホニル基であることが好ましく、α,α−ジメチルベンジル基、または4−メチルフェニルスルホニル基であることがより好ましく、α,α−ジメチルベンジル基であることがさらに好ましい。
すなわち、本発明においては、上記一般式(3a)中、RaおよびRbは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐状の炭素数2〜8のアルキル基、ならびにZaおよびZbは化学的な単結合であり、nおよびmが1であることが好ましい。
上記一般式(3a)で表される化合物は、公知のフェノチアジン系化合物の製造方法を適用することにより、前駆体となるフェノチアジン系化合物を得て、次いで、得られた化合物を酸化することにより、製造することができる。
具体的には、上記一般式(3a)で表される化合物は、下記一般式(7)で表される化合物(フェノチアジン)を出発原料として、WO2011/093443A1公報に記載の反応方法により、一般式(7)におけるフェノチアジン環の、1位、3位、6位および/または8位に、置換基(−Za−Ra、−Zb−Rb)を導入すること、およびフェノチアジン環のSを、−SO2−にするために酸化すること、により得ることができる。
上記一般式(3b)中、RcおよびRdはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の有機基を表し、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の芳香族基又は環状脂肪族基が好ましい。
炭素数1〜30の芳香族基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基、アントラニル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジル基、チアゾリル基などの芳香族複素環基が挙げられる。
炭素数1〜30の環状脂肪族基としては、特に限定されないが、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。なかでも、RcおよびRdとしては、それぞれ独立して、フェニル基および4−メチルフェニル基が好ましい。
また、上述したRcおよびRdを構成する有機基は、置換基を有していてもよく、該置換基の位置としては、任意の位置とすることができる。このような置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜10のアルキル基;などが挙げられる。
また、上記一般式(3b)において、RcおよびRdを構成する有機基が、置換基を有する場合、有機基の炭素数には、該置換基の炭素数を含まないものとする。
炭素数1〜30の芳香族基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基、アントラニル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、ピロリル基、チエニル基、ピリジル基、チアゾリル基などの芳香族複素環基が挙げられる。
炭素数1〜30の環状脂肪族基としては、特に限定されないが、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。なかでも、RcおよびRdとしては、それぞれ独立して、フェニル基および4−メチルフェニル基が好ましい。
また、上述したRcおよびRdを構成する有機基は、置換基を有していてもよく、該置換基の位置としては、任意の位置とすることができる。このような置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基などの炭素数1〜10のアルコキシ基;ニトロ基;シアノ基;メチル基、エチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜10のアルキル基;などが挙げられる。
また、上記一般式(3b)において、RcおよびRdを構成する有機基が、置換基を有する場合、有機基の炭素数には、該置換基の炭素数を含まないものとする。
上記一般式(3b)中の、X1およびX2はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などの置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、NRR’−、−NR−C(=O)−R’、−C(=O)−NRR’、または−O−C(=O)−NRR’を表す。ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の有機基を表し、複数個のX1及び複数個のX2は全てそれぞれ独立して、異なる置換基が可能である。X1およびX2としては、すべて水素原子が好ましい。
X1およびX2の置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基の置換基としては、RaおよびRbの置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基の置換基として例示したのと同じのものが挙げられる。
X1およびX2の置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基の置換基としては、RaおよびRbの置換基を有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基の置換基として例示したのと同じのものが挙げられる。
本発明においては、上記一般式(3b)で表される化合物としては、RcおよびRdが、それぞれ独立して、炭素数1〜30の、置換基を有していてもよい芳香族基または環状脂肪族基を表し、X1およびX2が、水素原子を表し、n及びmが、1を表す化合物を選択することが好ましく、下記一般式(3c)で表される化合物であることがさらに好ましい。
(上記一般式(3c)中、Rc、およびRdは、上記一般式(3b)と同様である。)
上記一般式(3b)で表される化合物は、公知製造方法を適用することにより製造することができる。例えば、WO2011/058918A1公報に記載の反応方法を用いて合成することができる。
本発明のアクリル重合体組成物中における、老化防止剤の含有量は、アクリル重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部であり、より好ましくは0.3〜5重量部であり、さらに好ましくは0.5〜2.5重量部である。
また、本発明のアクリル重合体組成物は、さらに架橋剤を含有していてもよい。本発明のアクリル重合体組成物に、架橋剤を含有させることにより、架橋可能なもの(架橋性アクリル重合体組成物)とすることができ、加熱等により架橋反応させることで、ゴム架橋物とすることができる。
架橋剤としては、特に限定されないが、たとえば、ジアミン化合物などの多価アミン化合物、およびその炭酸塩;硫黄;硫黄供与体;トリアジンチオール化合物;有機カルボン酸アンモニウム塩;ジチオカルバミン酸金属塩;多価カルボン酸;四級オニウム塩;イミダゾール化合物;イソシアヌル酸化合物;有機過酸化物;などの従来公知の架橋剤を用いることができ、たとえば、アクリル重合体の架橋性単量体単位の有無や、架橋性単量体単位の種類に応じて適宜選択すればよい。これらの架橋剤は、1種、または2種以上を併せて使用することができる。
多価アミン化合物、およびその炭酸塩としては、特に限定されないが、炭素数4〜30の多価アミン化合物、およびその炭酸塩が好ましい。このような多価アミン化合物、およびその炭酸塩の例としては、脂肪族多価アミン化合物、およびその炭酸塩、ならびに芳香族多価アミン化合物などが挙げられる。一方、グアニジン化合物のように非共役の窒素−炭素二重結合を有するものは含まれない。
脂肪族多価アミン化合物、およびその炭酸塩としては、特に限定されないが、たとえば、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、およびN,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンジアミンカーバメートが好ましい。
芳香族多価アミン化合物としては、特に限定されないが、たとえば、4,4’−メチレンジアニリン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、および1,3,5−ベンゼントリアミンなどが挙げられる。これらの中でも、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンが好ましい。
硫黄供与体としては、たとえば、ジペンタメチレンチウラムヘキササルファイド、トリエチルチウラムジサルファイドなどが挙げられる。
トリアジンチオール化合物としては、たとえば、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、および6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどが挙げられるが、これらの中でも、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールが好ましい。
トリアジンチオール化合物としては、たとえば、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、6−アニリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−ジアリルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、および6−オクチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオールなどが挙げられるが、これらの中でも、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールが好ましい。
カルボン酸アンモニウム塩としては、たとえば、安息香酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウムなどが挙げられる。
ジチオカルバミン酸金属塩としては、たとえば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。
多価カルボン酸としては、たとえば、テトラデカンニ酸などが挙げられる。
四級オニウム塩としては、たとえば、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、たとえば、2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
イソシアヌル酸化合物としては、たとえば、イソシアヌル酸アンモニウムなどが挙げられる。
ジチオカルバミン酸金属塩としては、たとえば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。
多価カルボン酸としては、たとえば、テトラデカンニ酸などが挙げられる。
四級オニウム塩としては、たとえば、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドなどが挙げられる。
イミダゾール化合物としては、たとえば、2−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
イソシアヌル酸化合物としては、たとえば、イソシアヌル酸アンモニウムなどが挙げられる。
本発明のアクリル重合体組成物中に、架橋剤を配合する場合における、その配合量は、アクリル重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは0.3〜12重量部である。架橋剤の含有量が上記範囲内であると、架橋が十分に行われ、ゴム架橋物とした場合に、得られるゴム架橋物を機械的特性に優れたものとすることができる。
また、本発明のアクリル重合体組成物には、上記各成分以外に、ゴム加工分野において通常使用される配合剤を配合することができる。このような配合剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカなどの補強性充填剤;炭酸カルシウムやクレーなどの非補強性充填材;架橋促進剤;光安定剤;可塑剤;加工助剤;滑剤;粘着剤;潤滑剤;難燃剤;防黴剤;帯電防止剤;着色剤;シランカップリング剤;架橋遅延剤;などが挙げられる。これらの配合剤の配合量は、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であれば特に限定されず、配合目的に応じた量を適宜配合することができる。
<アクリル重合体組成物の調製方法>
本発明のアクリル重合体組成物の調製方法は、特に限定されないが、アクリル重合体と、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物とを、必要に応じて添加される各種配合剤とともに混合する方法が挙げられる。
本発明のアクリル重合体組成物の調製方法は、特に限定されないが、アクリル重合体と、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物とを、必要に応じて添加される各種配合剤とともに混合する方法が挙げられる。
混合方法は特に限定されないが、ロール、インターミックス、ニーダ、バンバリーミキサ、スクリューミキサ等の混練機を用いて混練する方法などが挙げられる。また、混合は、溶媒中で行ってもよい。
また、架橋剤を配合する場合には、架橋剤および熱に不安定な架橋助剤などを除いた各成分を、バンバリーミキサ、ブラベンダーミキサ、インターミキサ、ニーダなどの混合機で混練し、ロールなどに移して架橋剤や熱に不安定な架橋助剤などを加えて、二次混練することにより調製できる。
以上のようにして、本発明のアクリル重合体組成物を得ることができる。本発明のアクリル重合体組成物は、アクリル重合体と、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物とを含有するものである。本発明のアクリル重合体組成物によれば、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物を配合することにより、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物が、190℃以上に加熱された際に、修復剤として機能するものであり、これにより、190℃以上の温度にて加熱された際の加熱劣化を有効に抑制できるものである。
また、本発明のアクリル重合体組成物に、架橋剤を配合する場合には、これを架橋することによりゴム架橋物を得ることができる。
ゴム架橋物は、架橋剤を配合したアクリル重合体組成物を成形し、架橋することにより製造される。アクリル重合体組成物の成形および架橋方法としては、特に限定されないが、たとえば、一軸や多軸の押出機を使用して、架橋性ゴム組成物を押し出して成形体とした後、加熱して架橋する方法;射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機などを使用して金型により成形し、成形と同時に成形時の加熱で架橋する方法;などが挙げられる。これらの方法のうちでも、押出機または射出成形機を用いる方法が好ましく、押出機を用いる方法が特に好ましい。成形と架橋を同時に行うか、あるいは、成形後に架橋するかは特に限定されず、成形方法、加硫方法、成形体の大きさなどに応じて選択すればよい。
ゴム架橋物は、架橋剤を配合したアクリル重合体組成物を成形し、架橋することにより製造される。アクリル重合体組成物の成形および架橋方法としては、特に限定されないが、たとえば、一軸や多軸の押出機を使用して、架橋性ゴム組成物を押し出して成形体とした後、加熱して架橋する方法;射出成形機、押出ブロー成形機、トランスファー成形機、プレス成形機などを使用して金型により成形し、成形と同時に成形時の加熱で架橋する方法;などが挙げられる。これらの方法のうちでも、押出機または射出成形機を用いる方法が好ましく、押出機を用いる方法が特に好ましい。成形と架橋を同時に行うか、あるいは、成形後に架橋するかは特に限定されず、成形方法、加硫方法、成形体の大きさなどに応じて選択すればよい。
アクリル重合体組成物を成形、架橋する際における、成形温度は好ましくは15〜220℃、より好ましくは20〜200℃である。また、架橋温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃〜250℃である。架橋時間は、1分〜5時間の範囲で任意に選択すればよい。加熱方法としては、電熱加熱、蒸気加熱、オーブン加熱、UHF(超高周波)加熱、熱風加熱などのゴムの架橋に通常用いられる方法を適宜選択すればよい。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。二次架橋を行う際における、加熱温度は、好ましくは100〜220℃、より好ましくは130〜210℃であり、加熱時間は、好ましくは30分〜10時間、より好ましくは1〜5時間である。
このようにして得られるゴム架橋物は、上述した本発明のアクリル重合体組成物を用いて得られるものであることから、上述した本発明のアクリル重合体組成物と同様に、ゴム架橋物を190℃以上に加熱した際に、架橋後のアクリル重合体の分子鎖の切断が起こってしまった場合でも、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物による修復作用により、熱による加熱劣化を有効に抑制できるものである。そのため、このようにして得られるゴム架橋物は、その特性を活かして、O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、メカニカルシール、ウェルヘッドシール、電気・電子機器用シール、空気圧機器用シールなどの各種シール;シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;各種ベルト;燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジエーターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;クッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材などの減衰材ゴム部品;などとして好適に用いられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。
各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
[多官能性有機化合物の半減期の測定]
多官能性有機化合物の半減期は、示差熱熱重量同時測定装置(「TG/DTA7200」、SII社製)を用いて下記の昇温プログラムにより昇温を行い、測定装置による加熱温度を180℃とした後、サンプル温度が190℃で安定した時点の重量減少を測定し、重量が半分になる時間を求め、これを多官能性有機化合物の半減期とした。
昇温プログラム:30℃ → 50℃/分で昇温 → 170℃、3分間保持 → 10℃/分で昇温 → 180℃、300分間保持
多官能性有機化合物の半減期は、示差熱熱重量同時測定装置(「TG/DTA7200」、SII社製)を用いて下記の昇温プログラムにより昇温を行い、測定装置による加熱温度を180℃とした後、サンプル温度が190℃で安定した時点の重量減少を測定し、重量が半分になる時間を求め、これを多官能性有機化合物の半減期とした。
昇温プログラム:30℃ → 50℃/分で昇温 → 170℃、3分間保持 → 10℃/分で昇温 → 180℃、300分間保持
[アクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)の測定]
アクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)は、アクリル重合体組成物のフィルムをDMFに溶解させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による測定を行うことで、ポリスチレン換算分子量として求めた。具体的な測定条件は以下の通りとした。なお、本測定においては、分子量が1,000以下については、多官能性有機化合物に由来するものと判断し、アクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)を求める際には、考慮しなかった。
機器 :東ソー 高速液体クロマトグラフ HPC−8220GPC
カラム:東ソー SupeR AWM−H(2本直列)
温度 :40℃
検出器:東ソー RI−8220
溶離液:DMF(10mmol/L臭化リチウム含有)
アクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)は、アクリル重合体組成物のフィルムをDMFに溶解させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による測定を行うことで、ポリスチレン換算分子量として求めた。具体的な測定条件は以下の通りとした。なお、本測定においては、分子量が1,000以下については、多官能性有機化合物に由来するものと判断し、アクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)を求める際には、考慮しなかった。
機器 :東ソー 高速液体クロマトグラフ HPC−8220GPC
カラム:東ソー SupeR AWM−H(2本直列)
温度 :40℃
検出器:東ソー RI−8220
溶離液:DMF(10mmol/L臭化リチウム含有)
[190℃加熱時分子量低下率]
アクリル重合体組成物のフィルムを、空気中、190℃にて、144時間加熱することで、加熱後のアクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、加熱後のアクリル重合体組成物のフィルムについて、上記と同様にして、アクリル重合体組成物中に含まれるアクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)を求め、下記式にしたがって、190℃加熱時分子量低下率(%)を算出した。
「190℃加熱時分子量低下率」(%)=100−(「加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量」/「加熱前のアクリル重合体のピークトップ分子量」)×100
アクリル重合体組成物のフィルムを、空気中、190℃にて、144時間加熱することで、加熱後のアクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、加熱後のアクリル重合体組成物のフィルムについて、上記と同様にして、アクリル重合体組成物中に含まれるアクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)を求め、下記式にしたがって、190℃加熱時分子量低下率(%)を算出した。
「190℃加熱時分子量低下率」(%)=100−(「加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量」/「加熱前のアクリル重合体のピークトップ分子量」)×100
[合成例1:アクリル重合体の合成]
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び減圧装置を備えた重合反応器に、水200部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、アクリル酸エチル100部を仕込み、減圧による脱気および窒素置換を繰り返して酸素を十分除去した後、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.002部およびクメンハイドロパーオキシド0.005部を加えて常圧、常温下で乳化重合反応を開始させ、重合転化率が95%に達するまで反応を継続し、重合停止剤を添加して重合を停止した。そして、得られた乳化重合液を硫酸マグネシウム水溶液で凝固させ、水洗、乾燥することで、ゴム状のアクリル重合体(ポリアクリル酸エチル)を得た。
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び減圧装置を備えた重合反応器に、水200部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、アクリル酸エチル100部を仕込み、減圧による脱気および窒素置換を繰り返して酸素を十分除去した後、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.002部およびクメンハイドロパーオキシド0.005部を加えて常圧、常温下で乳化重合反応を開始させ、重合転化率が95%に達するまで反応を継続し、重合停止剤を添加して重合を停止した。そして、得られた乳化重合液を硫酸マグネシウム水溶液で凝固させ、水洗、乾燥することで、ゴム状のアクリル重合体(ポリアクリル酸エチル)を得た。
[合成例2:多官能性有機化合物1の合成]
滴下ロートを備えた500ccの4つ口フラスコに、アニリンを33.34g、THFを330cc仕込み、室温で攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート15.20gを滴下ロートより滴下した。滴下終了後、60℃で3.5時間攪拌し、析出した白色固体を濾別、減圧乾燥した。そして、得られた粗生成物をN,N−ジメチルアセトアミド150ccに懸濁させ、100℃で溶解させた後、室温まで冷却し、析出物を濾別、THF洗浄して減圧乾燥させることで、下記式(8)に示す多官能性有機化合物1(上記一般式(2)において、R1,R2=水素原子、R5〜R14=水素原子、k=6である化合物、分子量:354.45)を24.49g、収率76%で得た。得られた多官能性有機化合物1の190℃における半減期を上述した方法にしたがって測定したところ、116.3時間であった。
滴下ロートを備えた500ccの4つ口フラスコに、アニリンを33.34g、THFを330cc仕込み、室温で攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート15.20gを滴下ロートより滴下した。滴下終了後、60℃で3.5時間攪拌し、析出した白色固体を濾別、減圧乾燥した。そして、得られた粗生成物をN,N−ジメチルアセトアミド150ccに懸濁させ、100℃で溶解させた後、室温まで冷却し、析出物を濾別、THF洗浄して減圧乾燥させることで、下記式(8)に示す多官能性有機化合物1(上記一般式(2)において、R1,R2=水素原子、R5〜R14=水素原子、k=6である化合物、分子量:354.45)を24.49g、収率76%で得た。得られた多官能性有機化合物1の190℃における半減期を上述した方法にしたがって測定したところ、116.3時間であった。
[合成例3:多官能性有機化合物2の合成]
滴下ロートを備えた500ccの4つ口フラスコに、p−アニシジンを24.40g、THFを330cc仕込んで氷冷し、攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート11.78gを滴下ロートより滴下した。滴下終了後、室温で4時間攪拌し、析出した白色固体を濾別、減圧乾燥した。そして、得られた粗生成物をN−メチルピロリジノン400ccに懸濁させ、120℃で溶解させた後、室温まで冷却し、析出物を濾別、THF洗浄して減圧乾燥させることで、下記式(9)に示す多官能性有機化合物2(上記一般式(2)において、R1,R2=水素原子、R5,R6,R8〜R11,R13,R14=水素原子、R7,R12=メトキシ基、k=6である化合物、分子量:414.49)を24.49g、収率76%で得た。得られた多官能性有機化合物2の190℃における半減期を上述した方法にしたがって測定したところ、333.3時間であった。
滴下ロートを備えた500ccの4つ口フラスコに、p−アニシジンを24.40g、THFを330cc仕込んで氷冷し、攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート11.78gを滴下ロートより滴下した。滴下終了後、室温で4時間攪拌し、析出した白色固体を濾別、減圧乾燥した。そして、得られた粗生成物をN−メチルピロリジノン400ccに懸濁させ、120℃で溶解させた後、室温まで冷却し、析出物を濾別、THF洗浄して減圧乾燥させることで、下記式(9)に示す多官能性有機化合物2(上記一般式(2)において、R1,R2=水素原子、R5,R6,R8〜R11,R13,R14=水素原子、R7,R12=メトキシ基、k=6である化合物、分子量:414.49)を24.49g、収率76%で得た。得られた多官能性有機化合物2の190℃における半減期を上述した方法にしたがって測定したところ、333.3時間であった。
[合成例4:多官能性有機化合物3の合成]
滴下ロートを備えた300ccの4つ口フラスコに、n−ヘキシルアミンを30.36g、THFを240cc仕込んで氷冷し、攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート11.77gを滴下ロートより滴下した。滴下終了後、室温で1.7時間攪拌し、析出した白色固体を濾別、減圧乾燥した。そして、得られた粗生成物をN−メチルピロリジノン500ccに懸濁させ、120℃で溶解させた後、室温まで冷却し、析出物を濾別、THF洗浄して減圧乾燥させることで、下記式(10)に示す多官能性有機化合物3(上記一般式(1)において、R1,R2=水素原子、R3,R4=n−ヘキシル基、k=6である化合物、分子量:370.57)を24.54g、収率95%で得た。得られた多官能性有機化合物3の190℃における半減期を上述した方法にしたがって測定したところ、8.2時間であった。
滴下ロートを備えた300ccの4つ口フラスコに、n−ヘキシルアミンを30.36g、THFを240cc仕込んで氷冷し、攪拌しながらヘキサメチレンジイソシアネート11.77gを滴下ロートより滴下した。滴下終了後、室温で1.7時間攪拌し、析出した白色固体を濾別、減圧乾燥した。そして、得られた粗生成物をN−メチルピロリジノン500ccに懸濁させ、120℃で溶解させた後、室温まで冷却し、析出物を濾別、THF洗浄して減圧乾燥させることで、下記式(10)に示す多官能性有機化合物3(上記一般式(1)において、R1,R2=水素原子、R3,R4=n−ヘキシル基、k=6である化合物、分子量:370.57)を24.54g、収率95%で得た。得られた多官能性有機化合物3の190℃における半減期を上述した方法にしたがって測定したところ、8.2時間であった。
[合成例5:老化防止剤の合成]
以下の方法に従い、下記式(11)に示す老化防止剤を合成した。
すなわち、まず、温度計を備えた3つ口反応器に窒素気流中、フェノチアジン50.0g(250.92mmol)を加えて、トルエン200mlに溶解させた。次いで、この溶液に、α−メチルスチレン59.31g(501.83mmol)と、p−トルエンスルホン酸1水和物1.19g(6.27mmol)とを加えて80℃にて1時間反応させた。その後、反応液を室温に戻して、酢酸48ml、および30%過酸化水素水85.34g(752.7mmol)を加えて、さらに80℃にて2時間反応させた。反応液を室温に戻した後、メタノール630mlに投入した。そして、析出した結晶を濾過し、320mlのメタノールで洗浄することで、白色結晶の上記式(11)に示す老化防止剤を85.7g、収率73%で得た。
以下の方法に従い、下記式(11)に示す老化防止剤を合成した。
[実施例1]
合成例1で得られたアクリル重合体(ポリアクリル酸エチル)1gをTHF9gに溶解させた溶液に、合成例5で得られた老化防止剤を23.1mg、合成例2で得られた多官能性有機化合物1を44.3mg(0.125mmol、アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、官能性基当量数:0.025)添加して一晩攪拌した。得られた混合物を6ccサンプル瓶に1.2g分け取り、40℃で一晩減圧乾燥させることで、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、得られたアクリル重合体組成物のフィルムを用いて、上記方法にしたがって、加熱前のアクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)の測定、および、190℃で144時間加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)の測定を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:801,384、144時間加熱後:588,466であり、また、190℃加熱時分子量低下率は26.57%であった。
合成例1で得られたアクリル重合体(ポリアクリル酸エチル)1gをTHF9gに溶解させた溶液に、合成例5で得られた老化防止剤を23.1mg、合成例2で得られた多官能性有機化合物1を44.3mg(0.125mmol、アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、官能性基当量数:0.025)添加して一晩攪拌した。得られた混合物を6ccサンプル瓶に1.2g分け取り、40℃で一晩減圧乾燥させることで、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、得られたアクリル重合体組成物のフィルムを用いて、上記方法にしたがって、加熱前のアクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)の測定、および、190℃で144時間加熱後のアクリル重合体のピークトップ分子量(Mp)の測定を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:801,384、144時間加熱後:588,466であり、また、190℃加熱時分子量低下率は26.57%であった。
[実施例2]
合成例2で得られた多官能性有機化合物1の配合量を11.1mg(0.0312mmol、アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、官能性基当量数:0.0062)に変更した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:792,051、144時間加熱後:581,427であり、また、190℃加熱時分子量低下率は26.59%であった。
合成例2で得られた多官能性有機化合物1の配合量を11.1mg(0.0312mmol、アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、官能性基当量数:0.0062)に変更した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:792,051、144時間加熱後:581,427であり、また、190℃加熱時分子量低下率は26.59%であった。
[実施例3]
合成例2で得られた多官能性有機化合物1の代わりに、合成例3で得られた多官能性有機化合物2を51.7mg(0.125mmol)の配合量にて配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:801,384、144時間加熱後:610,060であり、また、190℃加熱時分子量低下率は23.87%であった。
合成例2で得られた多官能性有機化合物1の代わりに、合成例3で得られた多官能性有機化合物2を51.7mg(0.125mmol)の配合量にて配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:801,384、144時間加熱後:610,060であり、また、190℃加熱時分子量低下率は23.87%であった。
[実施例4]
合成例3で得られた多官能性有機化合物2の配合量を12.9mg(0.0312mmol)に変更した以外は、実施例3と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例3と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:773,676、144時間加熱後:632,387であり、また、190℃加熱時分子量低下率は18.26%であった。
合成例3で得られた多官能性有機化合物2の配合量を12.9mg(0.0312mmol)に変更した以外は、実施例3と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例3と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:773,676、144時間加熱後:632,387であり、また、190℃加熱時分子量低下率は18.26%であった。
[実施例5]
合成例2で得られた多官能性有機化合物1の代わりに、合成例4で得られた多官能性有機化合物3を46.3mg(0.125mmol)の配合量にて配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:746,832、144時間加熱後:617,420であり、また、190℃加熱時分子量低下率は17.33%であった。
合成例2で得られた多官能性有機化合物1の代わりに、合成例4で得られた多官能性有機化合物3を46.3mg(0.125mmol)の配合量にて配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:746,832、144時間加熱後:617,420であり、また、190℃加熱時分子量低下率は17.33%であった。
[実施例6]
合成例4で得られた多官能性有機化合物3の配合量を11.6mg(0.0312mmol)に変更した以外は、実施例5と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例5と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:820,344、144時間加熱後:639,995であり、また、190℃加熱時分子量低下率は21.98%であった。
合成例4で得られた多官能性有機化合物3の配合量を11.6mg(0.0312mmol)に変更した以外は、実施例5と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例5と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:820,344、144時間加熱後:639,995であり、また、190℃加熱時分子量低下率は21.98%であった。
[比較例1]
合成例2で得られた多官能性有機化合物1を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:792,051、144時間加熱後:86,008であり、また、190℃加熱時分子量低下率は89.14%であった。
合成例2で得られた多官能性有機化合物1を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:792,051、144時間加熱後:86,008であり、また、190℃加熱時分子量低下率は89.14%であった。
[比較例2]
合成例2で得られた多官能性有機化合物1に代えて、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(商品名「Diak#1」、デュポンエラストマー社製)を20.0mg(0.125mmol)の配合量にて配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:810,814、144時間加熱後:187,754であり、また、190℃加熱時分子量低下率は76.84%であった。
合成例2で得られた多官能性有機化合物1に代えて、ヘキサメチレンジアミンカーバメート(商品名「Diak#1」、デュポンエラストマー社製)を20.0mg(0.125mmol)の配合量にて配合した以外は、実施例1と同様にして、アクリル重合体組成物のフィルムを得た。そして、実施例1と同様に評価を行ったところ、アクリル重合体のピークトップ分子量は加熱前:810,814、144時間加熱後:187,754であり、また、190℃加熱時分子量低下率は76.84%であった。
表1に示すように、実施例1〜6によれば、アクリル重合体に、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物を配合してなり、かつ、190℃加熱時分子量低下率が50%未満に抑えられたアクリル重合体組成物を得ることができた。そして、このようなアクリル重合体組成物によれば、190℃以上に加熱した際においても、アクリル重合体の分子鎖の切断に伴う分子量低下を有効に抑制できるものであり、そのため、熱による加熱劣化を適切に抑えることのできるものである。そして、このような効果について、アクリル重合体組成物に架橋剤等を添加し、架橋物とした場合においても同様の効果が得られるものといえる。
一方、上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物を配合しなかった比較例1、および上記一般式(1)で表される多官能性有機化合物の代わりに、ヘキサメチレンジアミンカーバメートを配合した比較例2においては、いずれも、190℃加熱時分子量低下率が50%を超え、190℃以上に加熱した際における、分子量低下が顕著になるものであった。
Claims (8)
- k=6である請求項1または2に記載のアクリル重合体組成物。
- 前記多官能性有機化合物の190℃における半減期が5時間以上である請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル重合体組成物。
- 前記多官能性有機化合物の含有割合が、前記アクリル重合体に含まれるエステル基に対する、前記多官能性有機化合物に含まれるウレア基の当量数で、0.002以上となる量である請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル重合体組成物。
- 前記多官能性有機化合物の含有割合が、前記アクリル重合体100重量部に対する重量比率で、0.4重量部以上である請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル重合体組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のアクリル重合体組成物を架橋させてなる架橋物。
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