JPWO2017169426A1 - 海水を用いた水耕栽培システム、及び播種育苗用の栽培システム - Google Patents

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Abstract

海水(W1)を用いて耐塩植物を水耕栽培するための海水を用いた水耕栽培システム(1)であって、塩濃度、バクテリア量、及び不要物が一定基準以下の海水(W1)を海(S)から汲み上げる給水ポンプ(21)と、給水ポンプ(21)で汲み上げた海水(W1)を貯水するとともに、栽培する耐塩植物(P)が配置される水槽(30)と、海(S)から取水した海水(W1)中のバクテリア及び不要物を除去するフィルタ(27)と、を備え、フィルタ(27)でバクテリア及び不要物が除去された海水(W1)が水槽(30)に送られる構成となっている。

Description

本発明は、海水を用いて耐塩植物を水耕栽培する水耕栽培システム、及び播種育苗用の栽培システムに関する。
本願は、2016年3月31日に日本に出願された特願2016−073439号、及び2016年3月31日に日本に出願された特願2016−073438号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、屋内施設で食用の野菜などの植物を栽培する植物工場が増加している。このような植物工場では、植物の発育に適する温度及び湿度に保たれた環境下で、栽培容器への播種、容器内の培地からの栄養供給及び蛍光灯又はLED等の光源からの光照射による芽出し、緑化、育苗、栽培、並びに収穫が各々行なわれる。植物工場で栽培される野菜は、天候に左右されない安定供給が可能であること、最適化された培養材で栽培されることによる栄養価の高さ、虫害がないことによる無農薬栽培が可能であることなどの優れた点を有する。また、苗までを淡水で育成させ、その後、塩水(海水)で栽培する植物の育成方法が知られている。
また、塩水(海水)で栽培する植物の栽培方法として、例えば特許文献1に示されるように台木に穂木を接合する植物接ぎ木栽培において、台木にマングローブ等の耐塩性植物を利用することで塩水環境における栽培を可能としたものが知られている。
また、耐塩性を植物に付与する方法として、例えば特許文献2に示されるような遺伝子組み換えが行われている。この特許文献1には、耐病性、耐乾性、耐塩性、光合成効率向上、及び分げつ数の増大を同時に付与する遺伝子ついて記載されている。
日本国特開2005−224105号公報 日本国特開2015−171326号公報
しかしながら、従来では、耐塩植物を栽培するにあたり海水レベルで耐塩性を具現化した大規模なシステムはなく、海水を用いて大量生産が可能な海水水耕栽培を構成するようなものが求められていた。
また、海水を用いて栽培する場合には、バクテリアの量や不要なゴミ、更には重金属など植物の生長や人に危害を与えるものを除去する必要があり、その点で改善の余地があった。
また、食糧植物として得られる生育物では、上記特許文献1に示されるような遺伝子組み換えによる方法を用いない方法が求められている。
また、塩水を用いて栽培する場合では、海水程度の濃度の培地において発根が困難であることが知られている。つまり、発芽・発根させる工程は、非常に塩濃度に敏感であることから、海水レベルでの耐塩性を植物に付与する海水育苗用の苗床の具体的な構造は実現されていない。そのため、低コストで複雑な構造にならずに、植物を塩水を用いて効果的に栽培できる構造が求められていた。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、海水を使用して海水水耕栽培を実現することができ、バクテリアやゴミ等の不要物を除去した水耕栽培が可能となる海水を用いた水耕栽培システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、低コストで簡単な構造により、塩水を用いて優れた栽培を実現することができる播種育苗用の栽培システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために、以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係る海水を用いた水耕栽培システムは、海水を用いて耐塩植物を水耕栽培するための海水を用いた水耕栽培システムであって、塩濃度、バクテリア量、及び不要物が一定基準以下の海水を海から汲み上げる給水ポンプと、該給水ポンプで汲み上げた海水を貯水するとともに、栽培する耐塩植物が配置される水槽と、海から取水した海水中のバクテリア及び不要物を除去する除去部と、を備え、前記除去部で前記バクテリア及び前記不要物が除去された海水が前記水槽に送られることを特徴としている。
この場合、海から塩濃度、バクテリア量、及び不要物が一定基準以下の海水を給水ポンプで汲み上げ、この海水のバクテリア、及び不要物を除去部で除去した後に水槽に供給して貯水することができ、これにより水槽内で耐塩植物を水耕栽培することができる。このように海から取水した海水を利用した水耕栽培システムとなるので、大規模で生産性の高い海水水耕栽培の場を実現することができる。
(2)上記(1)に記載の、海水を用いた水耕栽培システムにおいて、前記除去部では、溶存酸素や重金属による前記耐塩植物の生長を阻害する物質、及び人に危害を及ぼす物質を除去する機能を有することを特徴としてもよい。
この場合には、除去部で溶存酸素や重金属による前記耐塩植物の生長を阻害する物質、及び人に危害を及ぼす物質を除去することで、海水による耐塩植物の育成をより確実に行うことができる。
(3)上記(1)又は(2)に記載の、海水を用いた水耕栽培システムにおいて、前記水槽に供給される前の海水と、前記水槽に供給された後の海水の性状を検出する監視部が設けられていてもよい。
この場合には、監視部により水槽に対する供給前後の海水の塩濃度、肥料、微生物量等の性状を検出して監視することで、水槽中の海水の安定化を図ることができ、栽培にかかる歩留りを向上することができる。さらには、海水の一部又は全てを交換できる構造とすることで耐塩植物の壊死を回避することが可能となり、生産性の向上を図ることができる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の、海水を用いた水耕栽培システムにおいて、前記海水の一部又は全てが交換可能に設けられていてもよい。
この場合には、水槽に海水が貯水された後に、バクテリア、不要物、植物阻害物質が混入した場合、或いは塩濃度が高くなった場合でも、水槽内の海水の一部又は全てを入れ替えることができる。
また、水槽内の海水を海に排水する流路を構成することで水槽内の海水の一部又は全ての入れ替えを簡単な構造により行うことができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の、海水を用いた水耕栽培システムにおいて、前記水槽に供給される前記海水の温度を調整する海水温度調節部が設けられていてもよい。
この場合には、水槽に供給される海水の温度を海水温度調節部で海水温まで冷却して水槽内に供給することができ、水槽内の海水温度を一定に保つことができる。
(6)上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の、海水を用いた水耕栽培システムにおいて、前記水槽に供給される前記海水に溶存酸素を供給する溶存酸素供給部が設けられていてもよい。
この場合には、溶存酸素供給部で水槽に供給される海水の溶存酸素濃度を確保して水槽内に供給することができ、水槽内の海水の浄化作用をもたらし、耐塩植物の育成を促進することができる。
(7)本発明の他の態様に係る播種育苗用の栽培システムは、耐塩苗を耐塩付与剤を用いて育成するための播種育苗用の栽培システムであって、前記耐塩苗を淡水によって発芽・発根させるための淡水培地領域に設けられる淡水培地部と、発根した前記耐塩苗の根を塩水に浸けて育成させるための塩水培地領域に設けられる塩水部と、を備え、少なくとも前記淡水培地部で発芽・発根させる淡水育成期間において、前記淡水培地部と前記塩水部との間に塩拡散阻害部を有することを特徴としている。
この場合、塩水部と淡水培地部とが塩拡散阻害部によって隔離された状態で、耐塩苗を発芽・発根させることができ、さらに発芽・発根の後に、塩水部において発根した根を塩水に浸けて育成することができる。つまり、塩の付着により悪影響を及ぼす発芽・発根前の播種の段階では、塩水から隔離された淡水のみで耐塩苗を育成することができ、ある程度根が伸びて塩が育成を促進させる段階で、塩水部における塩水により育成することが可能となる。そのため、耐塩苗を枯死させることなく生産性を向上させることができる。
また、本発明では、淡水培地部と塩水部との間に、例えば隙間部を設けるといった簡単な構成からなる塩拡散阻害部とすることが可能となるため、設備にかかるコストを抑えることができる。
(8)上記(7)に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記淡水培地部は、前記塩水部に対して着脱可能な支持体を備え、前記支持体は、前記塩水部の塩水よりも上方に位置していてもよい。
この場合には、淡水培地部に備えられる支持体が塩水部の上方の位置で着脱自在に設けられているので、支持体を適宜に交換することで次の栽培が可能となることから、生産性を向上させることができる。例えば、耐塩苗毎に支持体が設けられる場合には、それぞれの耐塩苗の育成状態に合わせて塩水部に対して支持体を交換することが可能となる。また、複数の耐塩苗に対して支持体が設けられる場合には、1つの支持体のみを塩水部に対して交換することで複数の耐塩苗を同時に交換することができ、作業の効率化を図ることができる。
(9)上記(7)又は(8)に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記耐塩付与剤は、前記淡水培地部の淡水及び前記塩水部の塩水の少なくとも一方に付与されていてもよい。
この場合には、淡水培地部に含まれる淡水や塩水部の塩水に耐塩付与剤を付与するといった簡単な構成により、耐塩付与剤を容易に耐塩苗に付着させることができる。
(10)上記(7)〜(9)のいずれか1項に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記耐塩付与剤は、微生物であってもよい。
この場合には、耐塩苗の育成中に微生物が付着されるため、耐塩苗を育成させることができる。
(11)上記(7)〜(10)のいずれか1項に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記塩拡散阻害部は、前記淡水培地部と前記塩水部の塩水との間に形成されるクリアランスであってもよい。
(12)上記(11)に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記クリアランスは、1mm以上、又は10cm以上30cm以下であってもよい。
この場合には、クリアランスによって淡水培地部と塩水とが隔離されるので、淡水培地部や、発芽・発根前の耐塩苗の種に塩水が拡散して付着することを抑制することができる。
また、クリアランスの大きさを変えることで、耐塩苗の根が塩水や耐塩付与剤に付着するタイミングをずらすことができるので、耐塩苗の育成のスピードを調整することができる。
(13)上記(7)〜(10)のいずれか1項に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記塩拡散阻害部は、前記淡水培地部と前記塩水部の塩水との間に設けられるフィルム状の半透膜であってもよい。
この場合には、半透膜によって淡水培地部と塩水とが隔離されるので、淡水培地部や、発芽・発根前の耐塩苗の種に塩水が拡散して付着することを抑制することができる。
また、半透膜の材質や厚さ等を変えることで、耐塩苗の根が塩水や耐塩付与剤に付着するタイミングをずらすことができるので、耐塩苗の育成のスピードを調整することができる。
(14)上記(7)〜(13)のいずれか1項に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記淡水培地部は、塩の浸入を阻害する半固形培地を有していてもよい。
この場合には、塩の浸入を阻害する半固形培地に播種することで、耐塩苗の種に塩が付着することをより確実に防止することができる。
(15)上記(7)〜(14)のいずれか1項に記載の、播種育苗用の栽培システムにおいて、前記塩水部は、塩拡散を阻害する半固形培地を有していてもよい。
この場合には、塩拡散を阻害する半固形培地に塩水を含ませておくことで、周囲への塩の拡散を抑制することができる。
本発明の各態様に係る、海水を用いた水耕栽培システムによれば、海水を使用して海水水耕栽培を実現することができ、バクテリアやゴミ等の不要物を除去した水耕栽培が可能となる。
また、本発明の各態様に係る、播種育苗用の栽培システムによれば、低コストで簡単な構造により、塩水を用いて優れた栽培を実現することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態による海水を用いた水耕栽培システムを模式的に示した図である。 図2は本発明の第2の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを模式的に示した斜視図である。 図3Aは図2に示す栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図3Bは図2に示す栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図3Cは図2に示す栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図4は第3の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを模式的に示した側断面図である。 図5は図4に示す栽培システムにおける淡水培地部のホルダーの斜視図である。 図6Aは図4に示す栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図6Bは図4に示す栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図6Cは図4に示す栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図6Dは図4に示す栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図7は第4の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを模式的に示した側断面図である。 図8Aは第5の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図8Bは第4の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図8Cは第4の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを使用した栽培工程を示す図である。 図9Aは第6の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを示す側断面図であって、淡水栽培期間の状態を示す図、 図9Bは第5の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを示す側断面図であって、海水栽培期間の状態を示す図である。 図10は他の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを示す側断面図である。 図11は他の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを示す模式図である。 図12は他の実施の形態による播種育苗用の栽培システムを示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態による海水を用いた水耕栽培システム、及び播種育苗用の栽培システムについて、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態による水耕栽培システム1は、海Sから取水した海水W1を用いて耐塩植物Pを水耕栽培するためのものである。
水耕栽培システム1は、海水W1を海Sから汲み上げる給水ポンプ21と、給水ポンプ21で汲み上げた海水W1を貯水するとともに、栽培する耐塩植物Pが配置される水槽30と、水槽30内の海水W1を排水又は後述する循環系統60を通過させて循環させる循環ポンプ41と、を備えている。
ここで、本実施の形態では、海Sと水槽30との間で給水ポンプ21を備えた給水側の系統を送水系統20といい、水槽30と海Sとの間の排水側の系統を排水系統40という。
また、本水耕栽培システム1では、複数の水槽30、30、…が設けられ、水槽30毎に栽培系統3(3A、3B、3C、…)が構成されている。なお、図1では、符号3Aの1系統のみを詳細に表示し、他の系統(符号3B、3C)は破線で示している。
送水系統20には、一対の前記給水ポンプ21(21A、21B)と、給水ポンプ21A、21Bで海Sから汲み上げた海水W1を一時的に溜める海水給水タンク22と、海水W1に淡水W2を混合させることで水質を安定化させるための淡水給水タンク23と、海水給水タンク22と水槽30とを接続する送水配管25に設けられる送水ポンプ24と、を備えている。
給水ポンプ21A、21Bは、並列に配置され、それぞれ海Sに繋がる給水管26A,26Bに給水弁261、262が設けられている。これら給水弁261、262を適宜開閉することで、海水給水タンク22内に所望量の海水W1が貯水される。一対の給水ポンプ21A、21Bによって給水された海水W1は、フィルタ27(除去部)を通過して海水給水タンク22に送られる。また、一対の給水ポンプ21A、21Bを並列配置とすることで、メンテナンスや故障時に一方の駆動を停止させて他方を駆動させることができる。
ここで、給水ポンプ21A、21Bによる取水は、例えば海面から表面を除く、5cm以上の海水W1とすることが好ましい。
フィルタ27では、給水ポンプ21で取水する海水W1中のプランクトン等のバクテリア、及びゴミ等の不要物が除去される。なお、フィルタ27において、溶存酸素や重金属による耐塩植物の生長を阻害する物質、及び人に危害を及ぼす物質を除去する機能を有することが好ましい。そして、前述したようなバクテリア及び不要物がフィルタ27によって除去された海水W1が海水給水タンク22に貯水され、さらに水槽30へ送水されることになる。
また、本実施の形態による水耕栽培システム1には、水槽30に供給される前の海水W1と、水槽30に供給された後の海水W1の性状を検出する監視部(後述する水槽監視部70)が設けられている。
海水給水タンク22と送水ポンプ24との間の送水配管25(25a)には、送水弁241が設けられている。この送水弁241を適宜開閉することで、海水給水タンク22に貯水されている海水W1を水槽30内に送水することができる。
淡水給水タンク23に繋がる淡水配管231は、送水配管25(25a)の送水弁241と送水ポンプ24との間に接続されている。淡水配管231には、淡水供給ポンプ232が設けられている。具体的には、耐塩植物Pの栽培に害を及ぼす物質などを監視することで海水W1の水質を評価したうえで、淡水供給ポンプ232を作動させ、送水配管25内の海水W1に淡水W2を混合させることで水質を安定化させることが可能な構成となっている。
送水ポンプ24と水槽30との間の送水配管25(25b)には、育成促進材供給系統50が接続されている。育成促進材供給系統50には、微生物投入部51と、肥料投入部52とが設けられている。微生物投入部51及び肥料投入部52では、水槽30内に貯水される海水Wの微生物濃度や肥料濃度の検出値、或いは水槽30内の海水W1の流速値に基づいて適宜量の微生物や肥料が送水配管25(25b)中の海水W1に投入される。微生物投入部51及び肥料投入部52には、それぞれ投入開閉弁511、521が設けられている。
ここで、海水W1に投入される微生物としては、例えば、Journal of Plant Interactions, Volume 9, Issue 1, 2014に開示される微生物等を適用することができる。
また、海水W1に投入される肥料としては、例えば、液体肥料のハイポネックス(ハイポネックスジャパン社製)、固形肥料の味菜野菜の肥料(タキイ種苗社製)、有機肥料の骨粉入り有機肥料(朝日工業社製)等が挙げられる。
水槽30は、貯水される海水W1が周囲に漏れ出すことを防止する漏洩防止シート32上に配置されている。水槽30には、耐塩植物Pが種あるいは発根された苗の状態で配置されるとともに、水槽30の水槽上縁部に対して着脱可能に配置される半固形培地31が設けられている。
半固形培地31は、例えば、プラスチック、セラミック、発泡樹脂、木材等の部材により形成される矩形筒状の支持体中に多孔質状のスポンジ材が嵌合されている。このスポンジ材としては、耐塩植物Pを種から発芽・発根するまで支持できる材料からなり、例えばポリウレタン等の合成樹脂を発泡成形させた合成スポンジや、生物の海綿を加工した天然スポンジを使用することができる。
水槽30には、水槽30内の海水W1の性状を検出する水槽監視部70(監視部)が設けられている。水槽監視部70は、水位検出部71、肥料検出部72、微生物検出部73、及び塩濃度検出部74を備えている。
水位検出部71は、水槽30内の海水W1の水位が測定される。水位検出部71で測定された水位から水槽30内の水量が管理され、例えば微生物の投入時において水位を下げる制御が行われる。
肥料検出部72は、水槽30内の海水W1の肥料濃度が測定され、或いは海水W1の流速が測定される。肥料検出部72によって測定された肥料濃度や流速に基づいて得られる肥料濃度から上述した肥料投入部52による肥料の投入量が制御される。
微生物検出部73は、水槽30内の海水W1の微生物濃度が測定され、或いは海水W1の流速が測定される。微生物検出部73によって測定された微生物濃度や流速に基づいて得られる微生物濃度から上述した微生物投入部51による微生物の投入量が制御される。
塩濃度検出部74は、水槽30内の海水W1の塩濃度が測定される。塩濃度検出部74によって測定された塩濃度が例えば所定の水準よりも高い場合には、水槽30内の海水W1の一部又は全てを入れ替える制御が行われ、或いは淡水給水タンク23より淡水W2を供給することで塩濃度を調整する制御が行われる。
排水系統40には、水槽30の下流寄りに配置される前記循環ポンプ41と、循環ポンプ41により水槽30内の海水W1を一時的に溜めて海Sに排水する排水タンク42と、排水タンク42内に溜められた海水W1に対して排水処理を施す排水処理部43と、を備えている。循環ポンプ41と排水タンク42を連結する排水配管44の中間部には、送水配管25(25b)から分岐した中間排水管45が接続されている。例えば送水ポンプ24から水槽30に向けて送水される海水W1の水質が適正範囲外となる場合には、その適用範囲外の海水W1が中間排水管45を通して排水タンク42に送られるようになっている。
なお、排水タンク42は、海Sの近傍に設けることで、タンク内の海水W1を自然流下により海Sに放水することができる。なお、図示しない排水ポンプを使用して海Sに排水するようにしてもよい。
また、上述した循環系統60は、水槽30内の海水W1を循環させる系統であって、循環ポンプ41よりも下流寄りの位置で分岐して送水ポンプ24と水槽30との間の送水配管25(25b)に合流する流路となっている。循環系統60には、循環ポンプ41により排出された海水W1に溶存酸素を供給するマイクロナノバブル発生器61(溶存酸素供給部)と、循環ポンプ41により排出された海水W1の温度を海水温まで冷却する冷却装置62(海水温度調節部)と、を備えている。
マイクロナノバブル発生器61では、循環ポンプ41より循環系統60に流入した海水W1に対して溶存酸素を確保することで、海水W1の浄化作用をもたらし、耐塩植物Pの育成を促進する機能を有している。
冷却装置62は、マイクロナノバブル発生器61よりも下流寄りに設けられ、溶存酸素が確保された海水W1を海水温まで冷却する機能を有している。
このように、本水耕栽培システム1では、循環系統60にマイクロナノバブル発生器61及び冷却装置62を設けることで、水槽30内の海水温度と溶存酸素濃度を一定に保つことが可能となる。
次に、上述した水耕栽培システム1を使用した耐塩植物Pの水耕栽培方法について、図1用いて説明する。
先ず、給水ポンプ21A,21Bにより海Sから海水W1を汲み上げ、フィルタ27を通過させて海水給水タンク22に貯水される。このとき、海水W1のバクテリア、及び不要物がフィルタ27によって除去される。また、淡水給水タンク23には、図示しない淡水源(川や水道)から淡水W2が貯水される。
そして、本実施の形態では、全ての耐塩植物Pの根が所定の長さに生長するまでは水槽30に淡水W2を貯水しておく方法を採用し、海水W1が貯水されている海水給水タンク22から海水W1を送水せずに、送水ポンプ24により淡水給水タンク23から淡水W2を水槽30に送水する。そして、水槽30内の淡水W2の水面に耐塩植物Pの根が到達してから例えば3日〜7日後に海水W1と入れ換える。
次に、水槽30の淡水W2を循環ポンプ41によって排水タンク42に送り、その淡水W2に対して排水処理部43で排水処理を行ってから海Sに排水する。
その後、送水ポンプ24による送水流路を淡水給水タンク23から海水W1が貯水されている海水給水タンク22に切り替え、その海水W1を水槽30に供給して貯水する。このとき、最初の段階では、微生物との接触機会を増やすために海水W1の水位を定常時よりも低くなるように設定する。なお、水槽30内の海水W1の水位を低く保つことで、微生物の投入量を低減できる利点もある。
水耕栽培中は、循環ポンプ41を作動させて水槽30内の海水W1を循環系統60に流通させることで循環させ、水槽30内の海水W1に所定の流速をもたせるようにする。このとき、循環系統60で循環される海水W1は、マイクロナノバブル発生器61及び冷却装置62を通過するので、水槽30内の海水温度と溶存酸素濃度を一定に保たれる。
さらに、水槽30内の海水W1は、水槽監視部70によって水位、肥料濃度、微生物濃度、塩濃度が検出され、この検出値に基づいた制御が行われる。例えば海水W1の肥料濃度、微生物濃度が不足している場合には、育成促進材供給系統50の微生物投入部51や肥料投入部52によって前記検出値に応じた適宜な量の微生物や肥料が投入されることになる。また、塩濃度が高い場合には、適宜量の淡水W2を水槽30に混合させたり、或いは水槽30内の海水W1の全てを入れ替えることも可能である。
耐塩植物Pが生長したら、水槽30内の海水W1を入れ替える。このときの水槽30内の海水W1は、循環ポンプ41によって排水タンク42に送られ、排水処理部43で排水処理を行った後に海Sに排水される。
次に、上述した海水を用いた水耕栽培システム1の作用について、図面を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態では、海Sから塩濃度、バクテリア量、及び不要物が一定基準以下の海水W1を給水ポンプ21で汲み上げ、この海水W1のバクテリア、及び不要物をフィルタ27で除去した後に水槽30に供給して貯水することができ、これにより水槽30内で耐塩植物Pを水耕栽培することができる。
このように海Sから取水した海水W1を利用した水耕栽培システム1となるので、大規模で生産性の高い海水水耕栽培の場を実現することができる。
また、本実施の形態では、フィルタ27により溶存酸素や重金属による耐塩植物Pの生長を阻害する物質、及び人に危害を及ぼす物質を除去することで、海水W1による耐塩植物Pの育成をより確実に行うことができる。
また、本実施の形態では、水槽監視部70により水槽30に対する供給前後の海水W1の塩濃度、肥料、微生物量等の性状を検出して監視することで、水槽30中の海水W1の安定化を図ることができ、栽培にかかる歩留りを向上することができる。さらには、海水W1の一部又は全てを交換できる構造とすることで耐塩植物Pの壊死を回避することが可能となり、生産性の向上を図ることができる。
さらに、本実施の形態の水耕栽培システム1では、水槽30に海水W1が貯水された後に、バクテリア、不要物、植物阻害物質が混入した場合、或いは塩濃度が高くなった場合でも、水槽30内の海水W1の一部又は全てを入れ替えることができる。
さらにまた、水槽30内の海水W1を海Sに排水する排水系統40を構成することで、水槽30内の海水W1の一部又は全ての入れ替えを簡単な構造により行うことができる。
上述のように本実施の形態による海水を用いた水耕栽培システムでは、海水W1を使用して海水水耕栽培を実現することができ、バクテリアやゴミ等の不要物を除去した水耕栽培が可能となる。
次に、本発明の水耕栽培システム、及び播種育苗用の栽培システムによる他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
図2及び図3A〜図3Cに示すように、本実施の形態による播種育苗用の栽培システム101は、耐塩苗102を耐塩付与剤を用いて育成するものであって、淡水W2とともに海水W1(塩水)を用いて耐塩苗102の栽培を行うものである。
栽培システム101は、耐塩苗102を淡水W2によって発芽・発根させるための淡水培地領域P1に設けられる淡水培地部110と、発根した耐塩苗102の根102aを海水W1に浸けて育成させるための海水培地領域P2に設けられる海水部120(塩水部)と、を備えている。
ここで、図3Aに示すような耐塩苗102が淡水W2によって播種から発芽・発根するまでの期間を淡水栽培期間といい、図3B、図3Cに示すような耐塩苗102の根102aが海水W1によって育成する期間を海水栽培期間という。
そして、淡水栽培期間における淡水培地部110及び海水部120の間には、クリアランス103(塩拡散阻害部)が形成されている。
図2及び図3A〜図3Cにおいて、淡水培地部110には、海水部120に対して着脱可能であり、例えば、プラスチック、セラミック、発泡樹脂、木材等の部材により形成される矩形筒状の支持筒111(支持体)が設けられている。この支持筒111の中空部には、淡水W2を含ませることが可能な多孔質状のスポンジ材112(半固形培地)が嵌入されている。本実施の形態では、支持筒111の大きさとして、1本の耐塩苗102が所望の大きさまで育成可能な程度の大きさとされる。
スポンジ材112は、支持筒111内において淡水W2を含んで耐塩苗102を種102cから発芽・発根するまで支持できる材料からなり、例えばポリウレタン等の合成樹脂を発泡成形させた合成スポンジや、生物の海綿を加工した天然スポンジを使用することができる。
海水部120は、海水W1が図示しない水槽等に貯留されており、複数の淡水培地部110の下方に間隔(上記クリアランス103)をあけて海水W1の上面が位置している。このときのクリアランス103は、1mm以上、又は10cm以上30cm以下に設定されている。つまり、クリアランス103が1mm以上であれば、酸欠防止の効果が得られ、10cm以上30cm以下に設定することで、さらにこの酸欠防止効果が高まるという利点がある。
ここで、図3Aは、耐塩苗102の種102cがスポンジ材112上に播種された状態、すなわち発芽・発根前の状態を示している。図3Bは、耐塩苗102が発芽し、スポンジ材112内で発根した状態を示している。図3Cは、耐塩苗102の根102aがスポンジ材112の下方に伸びて海水部120の海水W1に浸かった状態を示している。
また、淡水培地部110及び海水部120には、それぞれ微生物104(耐塩付与剤)が付与されている。具体的に淡水培地部110は、スポンジ材112に含まれる淡水W2に微生物104が付与されている。海水部120は、海水W1に直接、微生物104が投入された状態で付与されている。
ここで、微生物104としては、例えば、Journal of Plant Interactions, Volume 9, Issue 1, 2014に開示される微生物等を適用することができる。
次に、上述した播種育苗用の栽培システムの作用について、図面を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、本実施の形態では、図3Aに示すように、淡水培地部110のスポンジ材112に含ませた淡水W2に耐塩苗102の種102cを播種する。このときの種102cは、スポンジ材112の上面に載置するだけでも良いし、スポンジ材112の表層部分に埋め込むように配置しても良い。これにより、種102cは、図3Bに示すように、スポンジ材112に含まれる淡水W2に接して発芽・発根する。さらに、スポンジ材112に対して適宜なタイミングで微生物104を付与する。これにより、スポンジ材112内で伸びている根102aに微生物104が付着することで、芽102b及び根102aを育成させることが可能となる。
次に、図3Cに示すように、淡水培地部110から下方に向けて伸びる根102aは、クリアランス103を介して予め微生物104が付与されている海水部120の海水W1に浸かることになり、耐塩苗102が育成される。しかも、本実施の形態では、海水W1中に付与された微生物104が根102aに付着するため、芽102b及び根102aも育成されることになる。
すなわち、本実施の形態では、海水部120と淡水培地部110とがクリアランス103によって隔離された状態で、耐塩苗102を発芽・発根させることができ、さらに発芽・発根の後に、海水部120において発根した根102aを海水W1に浸けて育成することができる。例えば、海水部120の塩濃度として、1%以下、好ましくは0.1%未満、より好ましくは略0%の培地となるように設定することができ、発芽・発根に好適な条件に設定できるので、発芽・発根を好適に行うことができる。
このように、塩の付着により悪影響を及ぼす発芽・発根前の播種の段階では、海水W1から隔離された淡水W2のみで耐塩苗102を育成することができ、ある程度根が伸びて塩が育成を促進させる段階で、海水部120における海水W1により育成することが可能となる。そのため、耐塩苗102を枯死させることなく生産性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、淡水培地部110と海水部120との間に、クリアランス103を設けるといった簡単な構成となるため、設備にかかるコストを抑えることができる。
さらに、淡水培地部110に備えられる支持筒111が海水部120の上方の位置で着脱自在に設けられているので、支持筒111を適宜に交換することで次の栽培が可能となることから、生産性を向上させることができる。つまり、本実施の形態のように、スポンジ材112毎に支持筒111が設けられる場合には、それぞれの耐塩苗102の育成状態に合わせて海水部120に対して支持筒111を交換することが可能となる。
また、本実施の形態では、淡水培地部110に含まれる淡水W2や海水部120の海水W1に微生物104を付与するといった簡単な構成により、微生物104を容易に耐塩苗102に付着させることができる。
また、この場合には、耐塩苗102の育成中に微生物104が付着されるため、耐塩苗102を育成させることができる。
さらに、本実施の形態では、クリアランス103によって淡水培地部110と海水W1とが隔離されるので、淡水培地部110や、発芽・発根前の耐塩苗102の種102cに海水が拡散して付着することを抑制することができる。
また、クリアランス103の大きさ(高さ)を変えることで、耐塩苗102の根102aが海水W1や微生物104に付着するタイミングをずらすことができるので、耐塩苗102の育成のスピードを調整することができる。
しかも、本実施の形態では、クリアランス103を1mm以上、又は10cm以上で30cm以下の範囲に設定することで、淡水培地部110や種102cに塩水が拡散することをより確実に抑えることができる。
上述のように本実施の形態による播種育苗用の栽培システムでは、低コストで簡単な構造により、海水W1を用いて優れた栽培を実現することができる。
(第3の実施の形態)
図4に示す第3の実施の形態による栽培システム101Aは、複数のスポンジ材112を配設させたホルダー115(支持体)を有する淡水培地部110Aが設けられている。
ホルダー115は、図5に示すように、例えば、発泡スチロール、プラスチック、木材、石膏ボード等の軽量で水に浮く素材からなる板状部材をなし、面方向に沿って所定の間隔をあけて厚さ方向に貫通する複数の貫通孔115aが形成されている。複数のスポンジ材112には、複数の貫通孔115aのそれぞれに嵌入されている。なお、貫通孔115aは、図4に示すように縦横に一定の間隔をあけて配列されることに制限されず、栽培する耐塩苗102の種類等に合わせて適宜に配置することができる。
本実施の形態の淡水培地部110Aには、図6Aに示すようにホルダー115が浸水可能なように淡水W2が貯留される淡水用水槽116が設けられている。
また、図4に示すように、海水部120Aには、上記の淡水用水槽116とは別体で設けられ、海水W1が貯留される海水用水槽121が設けられている。海水用水槽121には、図6Dに示すように、枠材122が連設されており、この枠材122にホルダー115を着脱可能に保持する保持部123が設けられている。保持部123は、L字状に形成され、海水用水槽121の周方向に沿って全周又は部分的に配置され、ホルダー115を下方から支持する構成となっている。なお、保持部123の取り付け位置は、海水用水槽121内の海水W1の水面から所定の間隔をあけた上方の位置に設定されている。つまり、保持部123に保持されるホルダー115の下面115bと海水W1との間にはクリアランス103が設けられた状態となる。
次に、第3の実施の形態による栽培システム101Aを用いた栽培方法について、図6A〜図6Dを用いて説明する。
先ず、図6Aに示すように、淡水培地領域P1においてホルダー115の複数のスポンジ材112のそれぞれに耐塩苗102の種102cを播種した後、ホルダー115を淡水用水槽116に貯留された淡水W2内に浸水させる。その後、図6B、図6Cに示すように、耐塩苗102が発芽・発根した適宜なタイミングで、スポンジ材112に微生物104を付与する。続いて、図6Dに示すように、耐塩苗102の根102aがホルダー115の下方に伸び出した状態で、ホルダー115を淡水用水槽116から取り出して海水用水槽121の保持部123に保持させる。これにより、ホルダー115はクリアランス103をもって海水W1の上方に配置される。
そして、海水W1には、適宜なタイミングで微生物104が付与されている。この微生物104の付与するタイミングは、ホルダー115を保持部123に配置する前、あるいは配置した後のいずれでもかまわない。これにより、海水培地領域P2において淡水W2によって所定の長さに育成した耐塩苗102の根102aの先端が海水W1に浸かることになる。
このように第3の実施の形態では、海水用水槽121の保持部123に保持されたホルダー115がクリアランス103をもって海水W1の上方に配置されているので、ホルダー115に海水W1が付着することを抑制することができる。
さらに、この場合には、淡水用水槽116が、海水用水槽121とは別体で離れた位置に設けられるので、淡水用水槽116内の淡水W2で発芽・発根の際の耐塩苗2が塩に接することを防ぐことができる。
また、本実施の形態のように複数のスポンジ材112(耐塩苗102)に対してホルダー115が設けられる場合には、1つのホルダー115のみを海水部120に対して交換することで複数の耐塩苗2を同時に交換することができ、作業の効率化を図ることができる。
(第4の実施の形態)
次に、図7に示す第4の実施の形態による栽培システム101Bは、上述した第2の実施の形態と同様のホルダー115と海水W1との間の境界部分にフィルム状の半透膜105(塩拡散阻害部)を着脱可能に配置した構成となっている。
半透膜105は、ホルダー115の下面115bを覆った状態で配設されている。半透膜105として、海水W1の塩が淡水培地部110B寄りのホルダー115に向けて透過しない材料のものが用いられる。
この場合には、耐塩苗102が発芽・発根するまでの淡水栽培期間を、淡水培地領域P1においてホルダー115のスポンジ材112に淡水W2を加えて発芽・発根させる。このとき、淡水培地部110Bと海水部120Bとの間、すなわちホルダー115と海水W1との境界部分に半透膜105が配設されて双方が隔離された状態になっているので、淡水培地部110Bや、発芽・発根前の耐塩苗102の種102cに海水W1が拡散して付着することを抑制することができ、塩の影響を受けることなく発芽・発根することができる。次に、ホルダー115内で根102aが例えば根102aの先端が半透膜105に到達する程度に伸びたときに、半透膜105をホルダー115の下面115bの位置から取り外す。これにより、ホルダー115と海水W1が接した状態となり、海水培地領域P2において根102aの先端が海水W1に浸かることになる。
なお、本第4の実施の形態の場合にも、スポンジ材112及び海水W1に微生物104を付与しておくことで、淡水栽培期間および海水栽培期間において耐塩苗102を育成させることができる。
また、半透膜105の材質や厚さ等を変えることで、耐塩苗102の根102aが海水W1や微生物104に付着するタイミングをずらすことができるので、耐塩苗102の育成のスピードを調整することができる。
(第5の実施の形態)
次に、図8A〜図8Cに示す第5の実施の形態による栽培システム101Cは、上述した第2の実施の形態のホルダー115を用いたものであって、図6A〜図6Cに示す淡水用水槽116が省略され、淡水・海水用水槽124を採用したものである。淡水・海水用水槽124は、上下方向の略中間部分に保持部123が設けられ、この保持部123に保持されるホルダー115が浸水される深さとなるように淡水W2又は海水W1が貯留されている。つまり、淡水・海水用水槽124には、淡水栽培期間において淡水W2が貯留され、海水栽培期間において海水W1が貯留される。このときの海水W1は、淡水W2に海水W1を追加したものでも良いし、淡水W2を海水W1に入れ替えることによるものでも良い。
第5の実施の形態の場合には、先ず、図8Aに示すように、淡水培地領域P1においてホルダー115のスポンジ材112に耐塩苗102の種102cを播種し、このホルダー115を淡水W2が貯留されている淡水・海水用水槽124の保持部123に保持させることにより、ホルダー115が淡水W2に浸かった状態となり、耐塩苗102が発芽・発根する。続いて、図8B、図8Cに示すように、耐塩苗102の根102aがホルダー115の下方に伸び出したタイミングで、淡水・海水用水槽124内に海水W1を投入するとともに、微生物104が付与される。このとき、淡水・海水用水槽124において淡水培地領域P1から海水培地領域P2に入れ替わる。なお、微生物104は、ホルダー115を保持部123に配置する前、あるいは配置した後の淡水W2に付与するようにしてもかまわない。これにより、淡水W2によって所定の長さに育成した耐塩苗102が海水W1に浸水することになる。
第5の実施の形態では、淡水栽培期間において淡水・海水用水槽124には淡水W2のみが貯留されているので、ホルダー115及び耐塩苗102が塩に接することはなく、塩の影響を受けることなく発芽・発根することができる。
(第6の実施の形態)
次に、図9A、図9Bに示す第6の実施の形態による栽培システム101Dは、上述した第1の実施の形態の支持筒111(支持体)を複数保持することが可能な枠状ホルダー117(支持体)が海水用水槽121内に設けられている。支持筒111は、第1の実施の形態と同様に内寄りにスポンジ材112が嵌入されている。
枠状ホルダー117は、板状をなし、外周縁117bが海水用水槽121に取り付けられた枠材122に固定、又は着脱自在に取り付けられている。枠状ホルダー117には、支持筒111を上側より嵌合させて保持する保持穴117aが複数形成されている。そして、枠状ホルダー117の取り付け位置は、枠状ホルダー117に保持された支持筒111の下面111aが海水用水槽121内の海水W1の水面から所定の間隔をあけた上方の位置に設定されている。つまり、支持筒111の下面111aと海水W1との間にはクリアランス103が設けられた状態となり、枠状ホルダー117に保持された支持筒111は淡水培地部110Dを構成している。
第6の実施の形態では、図9Aに示すように、淡水栽培期間において、淡水培地領域P1の支持筒111のスポンジ材112に淡水W2を含ませて、発芽・発根させる。その後、図9Bに示すように、発根した根102aがスポンジ材112よりも下方に向けて伸び出したタイミングで、その支持筒111を枠状ホルダー117の保持穴117aに嵌合させる。これにより、淡水W2によって所定の長さに成長した耐塩苗102の根102aの先端が海水部120Dにおいて海水W1に浸かることになる。
なお、海水W1には、予め微生物104を付与しておくことで、海水W1に浸かった根102aに微生物104を付着させることができる。
この場合、淡水栽培期間は支持筒111のみを淡水培地領域P1で塩の影響の無い環境で栽培することができ、さらに枠状ホルダー117に対して支持筒111を脱着することができるので、各支持筒111を耐塩苗102の成長に合わせて交換することができる。
以上、本発明による海水を用いた水耕栽培システム、及び播種育苗用の栽培システムの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本第1の実施の形態に示すような各機器の数量や配置場所に限定されることはなく、また水槽30や海水給水タンク22、淡水給水タンク23、排水タンク42等の容量についても上述した実施の形態に限定されずに、適宜設定することができる。
また、耐塩植物Pを保持する半固形培地31の形状、大きさ、材質等の構成についても本第1の実施の形態に制限されることはなく、耐塩植物Pの種類や数量等に応じて適宜変更することができる。
また、本実施の形態では微生物を採用しているが、微生物であることに限定されることはなく、例えばホルモン剤を用いることも可能である。このようなホルモン剤としては、ピロロキノリンキノン(例えば、特許第5013326号)や植物ホルモンのストリゴラクトン(Proceedings of the National Academy of Science of USA, 111, 851-856, 2014)などを用いることができる。
さらにまた、微生物や肥料の投入箇所に関しても、本第1の実施の形態のように送水系統20の送水配管25の位置であることに限定されることはなく、例えば水槽30に投入される構成であってもかまわない。
また、本第1の実施の形態では、水槽監視部70として水位検出部71、肥料検出部72、微生物検出部73、及び塩濃度検出部74としているが、これらに限定されることはなく、海水W1における他の性状を検出して監視するものであってもかまわない。
また、耐塩付与剤は淡水栽培期間と海水栽培期間との両期間における耐塩苗102の育成に付与されるものではなく、いずれか一方の期間のみに付与されるようにしてもよい。
本実施の形態では、半固形培地としてスポンジ材112を用いているが、これに限定されることはない。要は、支持体(支持筒111、ホルダー115)内に淡水W2を含ませて耐塩苗102の種102cを支持して育成することができる部材であればよく、例えば、スポンジ材112に代えてゲル状の物質や逆浸透膜などを設けるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、1箇所のスポンジ材112の領域に対して1本の耐塩苗102を配置して栽培する構成としているが、これに限定されることはなく、1箇所のスポンジ材112の領域に対して複数本の耐塩苗102を配置するようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、支持筒111やホルダー115の貫通孔115aにおいて穴の開いた底板が設けられていてもよい。つまり、支持筒111やホルダー115の貫通孔115aの内径よりも小径の穴を形成させた底板を設けることで、貫通孔115aに嵌入されているスポンジ材112が支持筒111やホルダー115から抜け落ちることを防ぐことが可能となる。
また、図10に示す栽培システム101Eように、上述した第3の実施の形態の図4に示すホルダー115と海水W1との間のクリアランス103に、図7に示す半透膜105を設ける構成とすることも可能である。この場合には、海水W1の塩が淡水培地部110Aに拡散することをより確実に抑制することができる。
また、上述した実施の形態の栽培システムを、図11及び図12に示すように構成することが可能である。図11及び図12に示す栽培システム130は、海水W1を海138から汲み上げる一対の給水ポンプ131、132と、給水ポンプ131、132で汲み上げた海水W1を貯水するとともに、栽培する耐塩苗102が配置される淡水培地部110A及び海水部120Aを有する海水用水槽121と、給水ポンプ131、132で海138から汲み上げた海水W1を一時的に溜める海水タンク133と、淡水W2が溜められている淡水タンク136と、海水タンク133と海水用水槽121とを接続する送水配管に設けられる海水用送水ポンプ135と、淡水タンク136と海水用水槽121とを接続する送水配管に設けられる淡水用送水ポンプ137と、を備えている。一対の給水ポンプ131、132によって給水された海水W1は、フィルタ134を通過して海水タンク133に送られる構成となっている。この栽培システム130では、海水用水槽121内の淡水W2を海水W1に入れ替える、或いは淡水W2に海水W1を混合する場合の全体概要を示している。
図11は、海水タンク133からの海水W1と淡水タンク136からの淡水W2とを切替えることで海水用水槽121に送水するシステムを示している。ここで、図11では、淡水W2を淡水タンク136から海水用水槽121内に淡水W2を貯水した状態を示している。
図12は、海水タンク133からの海水W1と淡水タンク136からの淡水W2とをそれぞれ別系統で海水用水槽121内に送水するシステムを示している。図12では、海水タンク133から海水用水槽121内に海水W1を貯水した状態で、淡水培地部110Aと海水部120Aの海水W1との間にクリアランス103が形成された状態を示している。
さらに、本実施の形態では、海水培地領域P2の塩水として海水を適用しているが、必ずしも海水であることに制限されるものではなく、水に塩化ナトリウムを付与した塩水であってもかまわない。
さらにまた、淡水培地領域P1の支持体(支持筒111、ホルダー115、枠状ホルダー117)の形状、大きさ、数量、半固形培地(スポンジ材112等)の位置・形状などの構成については、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば栽培する耐塩苗2の種類、数量、設置スペース等の条件に合わせて適宜設定することができる。
また、海水培地領域P2(塩水培地領域)の構成に関しても、例えば淡水培地領域P1の構成に合わせて適宜設定することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 水耕栽培システム
3、3A、3B、3C 栽培系統
20 送水系統
21、21A、21B 給水ポンプ
22 給水タンク
23 淡水給水タンク
24 送水ポンプ
25 送水配管
27 フィルタ(除去部)
30 水槽
31 半固形培地
40 排水系統
41 循環ポンプ
42 排水タンク
43 排水処理部
50 育成促進材供給系統
51 微生物投入部
52 肥料投入部
60 循環系統
61 マイクロナノバブル発生器(溶存酸素供給部)
62 冷却装置(海水温度調節部)
70 水槽監視部(監視部)
71 水位検出部
72 肥料検出部
73 微生物検出部
74 塩濃度検出部
101、101A〜101E 栽培システム
102 耐塩苗
102a 根
103 クリアランス(塩拡散阻害部)
104 微生物(耐塩付与剤)
105 半透膜(塩拡散阻害部)
110、110A、110B、110D 淡水培地部
111 支持筒(支持体)
112 スポンジ材(半固形培地)
115 ホルダー(支持体)
115a 貫通孔
116 淡水用水槽
117 枠状ホルダー(支持体)
120、120A、120B、120D 海水部(塩水部)
121 海水用水槽
123 保持部
P 耐塩植物
S 海
W1 海水(塩水)
W2 淡水

Claims (15)

  1. 海水を用いて耐塩植物を水耕栽培するための海水を用いた水耕栽培システムであって、
    塩濃度、バクテリア量、及び不要物が一定基準以下の海水を海から汲み上げる給水ポンプと、
    該給水ポンプで汲み上げた海水を貯水するとともに、栽培する耐塩植物が配置される水槽と、
    海から取水した海水中のバクテリア及び不要物を除去する除去部と、
    を備え、
    前記除去部で前記バクテリア及び前記不要物が除去された海水が前記水槽に送られることを特徴とする、海水を用いた水耕栽培システム。
  2. 前記除去部では、溶存酸素や重金属による前記耐塩植物の生長を阻害する物質、及び人に危害を及ぼす物質を除去する機能を有することを特徴とする、請求項1に記載の海水を用いた水耕栽培システム。
  3. 前記水槽に供給される前の海水と、前記水槽に供給された後の海水の性状を検出する監視部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の海水を用いた水耕栽培システム。
  4. 前記海水の一部又は全てが交換可能に設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の海水を用いた水耕栽培システム。
  5. 前記水槽に供給される前記海水の温度を調整する海水温度調節部が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の海水を用いた水耕栽培システム。
  6. 前記水槽に供給される前記海水に溶存酸素を供給する溶存酸素供給部が設けられていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の海水を用いた水耕栽培システム。
  7. 耐塩苗を耐塩付与剤を用いて育成するための播種育苗用の栽培システムであって、
    前記耐塩苗を淡水によって発芽・発根させるための淡水培地領域に設けられる淡水培地部と、
    発根した前記耐塩苗の根を塩水に浸けて育成させるための塩水培地領域に設けられる塩水部と、
    を備え、
    少なくとも前記淡水培地部で発芽・発根させる淡水育成期間において、前記淡水培地部と前記塩水部との間に塩拡散阻害部を有することを特徴とする、播種育苗用の栽培システム。
  8. 前記淡水培地部は、前記塩水部に対して着脱可能な支持体を備え、
    前記支持体は、前記塩水部の塩水よりも上方に位置していることを特徴とする、請求項7に記載の播種育苗用の栽培システム。
  9. 前記耐塩付与剤は、前記淡水培地部の淡水及び前記塩水部の塩水の少なくとも一方に付与されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の播種育苗用の栽培システム。
  10. 前記耐塩付与剤は、微生物であることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の播種育苗用の栽培システム。
  11. 前記塩拡散阻害部は、前記淡水培地部と前記塩水部の塩水との間に形成されるクリアランスであることを特徴とする、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の播種育苗用の栽培システム。
  12. 前記クリアランスは、1mm以上、又は10cm以上30cm以下であることを特徴とする、請求項11に記載の播種育苗用の栽培システム。
  13. 前記塩拡散阻害部は、前記淡水培地部と前記塩水部の塩水との間に設けられるフィルム状の半透膜であることを特徴とする、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の播種育苗用の栽培システム。
  14. 前記淡水培地部は、塩の浸入を阻害する半固形培地を有していることを特徴とする、請求項7乃至13のいずれか1項に記載の播種育苗用の栽培システム。
  15. 前記塩水部は、塩拡散を阻害する半固形培地を有していることを特徴とする、請求項7乃至14のいずれか1項に記載の播種育苗用の栽培システム。
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