JPWO2017164403A1 - 電磁波応答性積層体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、基材と、上記基材の一方の面に露出状態で固定され、特定波長の電磁波に対して電磁波応答性を有する粒子と、上記粒子を保護する保護部材と、を有し、上記保護部材は、上記基材の上記粒子が固定された面と同一面側に配置され、上記粒子より高さの高い部材であることを特徴とする電磁波応答性積層体を提供することにより、上記課題を解決する。

Description

本発明は、意匠性、偽造防止性等の付与が容易であり、かつ、耐久性に優れた電磁波応答性積層体に関するものである。
粒子には、電磁波に対して応答する電磁波応答性、例えば、電磁波が有する位相や進行方向、偏光、強度の波長依存性といったパラメータを変化させる機能を有するものがある。
このような粒子としては、その粒径等の形状、構成材料等により、例えば、プラズモン共鳴を起こして特定波長の電磁波のみを散乱する粒子や、ミー散乱またはレイリー散乱を起こして特定波長の電磁波のみを散乱する粒子が知られている。
また、非特許文献1には、プラズモン共鳴により可視光を散乱可能な粒子として銀ナノキューブ粒子が透明基材表面に固定された積層体が開示されている。また、非特許文献1では、粒子の基材側表面および基材とは反対側表面でプラズモン共鳴する可視光の波長が異なることで、上記積層体は、光の照射面が粒子の基材側か基材とは反対側かによって、異なる色の画像を表示可能であることが示されている。
Koichiro Saito and Tetsu Tatsuma,"Asymmetric Three-Way Plasmonic Color Routers,"Adv.Optical.Mater.(2015)
このように、基材表面に散布された粒子を有する積層体は、特定波長の電磁波に対して応答する電磁波応答性積層体として使用することができ、その電磁波応答性を利用することで、意匠性、偽造防止性等を積層体に付与できる可能性がある。
しかしながら、基材表面に散布された粒子が大気に露出しで固定されている場合には、例えば、使用者の手が粒子に触れた際に粒子が脱落し、所望の機能を発現しなくなる可能性がある。
また、粒子の脱落を防止するために、粒子表面と接するように粒子を覆うオーバーコート層を形成することも考えられる。
しかしながら、この場合には、電磁波応答性、具体的には光応答性を効果的に発揮できない場合があるといった問題がある。
これは、粒子の上述の特定波長の光に対する光応答性が、粒子表面での屈折率差により大きく影響を受けると考えられるからである。
このため、粒子表面と接するようにオーバーコート層が形成された場合、粒子表面が露出して空気と接する場合と比較して、光応答性を示す光の波長が変化する可能性がある。その結果、積層体に対して光を照射した際に観察される散乱光の色が予想と異なるものとなり、積層体は、例えば、特定色の画像の表示ができないものになるといった問題がある。
また、非特許文献1に開示される積層体では、粒子表面と接するオーバーコート層を形成した場合には、粒子の基材とは反対側表面での屈折率差(粒子とオーバーコート層との屈折率差)と、粒子の基材側表面での屈折率差(粒子と基材との屈折率差)との差、すなわち、粒子表裏間の屈折率差が小さくなることで、粒子の基材側表面および基材とは反対側表面でのプラズモン共鳴する光の波長が近いものとなる。これにより、非特許文献1の積層体は、粒子が表裏で異なる波長の光を散乱することが困難となり、その結果、表裏で異なる色の画像の表示が困難となる可能性がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、意匠性、偽造防止性等の付与が容易であり、かつ、耐久性に優れた電磁波応答性積層体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材の一方の面に露出状態で固定され、特定波長の電磁波に対して電磁波応答性を有する粒子と、上記粒子を保護する保護部材と、を有し、上記保護部材は、上記基材の上記粒子が固定された面と同一面側に配置され、上記粒子より高さの高い部材であることを特徴とする電磁波応答性積層体を提供する。
本発明によれば、上記粒子を有することにより、本発明の電磁波応答性積層体は、特定波長の電磁波に対して電磁波応答性を有するものとなる。また、上記粒子は露出状態で固定されるものであることにより、本発明の電磁波応答性積層体は、粒子の電磁波応答性を効果的に発揮可能となる。
また、上記保護部材を有することにより、本発明の電磁波応答性積層体は、その使用時に粒子が脱落することを防止することができ、耐久性に優れたものとなる。
このようなことから、本発明の電磁波応答性積層体は、意匠性、偽造防止性等の付与が容易であり、かつ、耐久性に優れたものとなる。
本発明においては、上記粒子が、負誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してプラズモン共鳴可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光であることが好ましい。粒子がプラズモン共鳴可能なものであり、上記特定波長の電磁波が可視光であることにより、本発明の電磁波応答性積層体は、プラズモン共鳴を用いた意匠性、偽造防止性等の付与が可能となるからである。
例えば、本発明の電磁波応答性積層体は、白色光を照射した際に、プラズモン共鳴により散乱された特定波長の電磁波が特定色の画像を表示することで意匠性、偽造防止性等を発揮することが可能となる。
本発明においては、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光であることが好ましい。粒子がミー散乱等が可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光であることにより、本発明の電磁波応答性積層体は、ミー散乱またはレイリー散乱による光散乱効果を用いた意匠性、偽造防止性等の付与が可能となるからである。
例えば、本発明の電磁波応答性積層体は、白色光を照射した際に、ミー散乱またはレイリー散乱により散乱された特定波長の電磁波が特定色の画像を表示することで意匠性、偽造防止性等を発揮することが可能となる。
本発明においては、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光より大きい波長の電磁波であることが好ましい。粒子が、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光より大きい波長の電磁波であることにより、本発明の電磁波応答性積層体は、ミー散乱またはレイリー散乱による光散乱効果を用いた偽造防止性等の付与が可能となるからである。
例えば、本発明の電磁波応答性積層体は、ミー散乱またはレイリー散乱により散乱された波長を検知し、特定波長の電磁波が検出されたか否かを確認することで、所定の粒子の有無を確認することができる。これにより、偽造防止性を発揮可能となる。
また、特定波長の電磁波が可視光より大きい波長の電磁波であることにより、例えば、本発明の電磁波応答性積層体は、偽造防止対象の内部等に配置することや、電磁波を照射された際に注意を引き付けることを防ぐことができる。このため、本発明の電磁波応答性積層体は、偽造防止性に優れたものとなるからである。
本発明においては、上記粒子の配置領域の平面視形状がパターン形状であることが好ましい。上記平面視形状がパターン形状であることで、本発明の電磁波応答性積層体は、意匠性等の付与が容易なものとなるからである。
本発明においては、上記基材の一方の表面に上記粒子および上記保護部材を覆うカバー層が形成されていないことが好ましい。上記カバー層が形成されていないことにより、本発明の電磁波応答性積層体は、粒子の電磁波応答性をより効果的に発揮可能となるからである。
本発明においては、上記粒子の平均一次粒径をh、上記電磁波応答性積層体に触れようとする皮膚の指紋の凸部の曲率半径をr、上記保護部材の高さをa、隣接する上記保護部材の間隔をbとしたとき、下記式(III)を満たすことが好ましい。このような条件を満たすことにより、上記保護部材は、粒子を安定的に保護できるからである。
Figure 2017164403
本発明は、意匠性、偽造防止性等の付与が容易であり、かつ、耐久性に優れた電磁波応答性積層体を提供できるという効果を奏する。
本発明の電磁波応答性積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の電磁波応答性積層体の他の例を示す概略平面図である。 本発明における保護部材を説明する説明図である。 本発明の電磁波応答性積層体の他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の電磁波応答性積層体の他の例を示す概略断面図である。
本発明は、電磁波応答性積層体に関するものである。
以下、本発明の電磁波応答性積層体について詳細に説明する。
本発明の電磁波応答性積層体は、基材と、上記基材の一方の面に露出状態で固定され、特定波長の電磁波に対して電磁波応答性を有する粒子と、上記粒子を保護する保護部材と、を有し、上記保護部材は、上記基材の上記粒子が固定された面と同一面側に配置され、上記粒子より高さの高い部材であることを特徴とするものである。
このような本発明の電磁波応答性積層体について図面を参照して説明する。図1(a)、(b)は、本発明の電磁波応答性積層体の一例を示す概略断面図である。図1(a)、(b)に示すように、本発明の電磁波応答性積層体10は、基材1と、上記基材1の一方の面に露出状態で固定され、特定波長の電磁波に対して電磁波応答性を有する粒子2と、上記粒子2を保護する保護部材3と、を有し、上記保護部材3は、上記基材1の上記粒子2が固定された面と同一面側に配置され、上記粒子2より高さの高い部材であるものである。
なお、この例では、基材1は、支持基材1aおよび高屈折率層1bを有するものである。本発明においては、例えば図1(a)に示すように、保護部材3が、支持基材1aおよび高屈折率層1b上に配置されていても良く、あるいは図1(b)に示すように、保護部材3が支持基材1a上に配置され、高屈折率層1bが、支持基材1aおよび保護部材3を覆うように配置されていても良い。本発明の電磁波応答性積層体の製造方法に応じて適宜選択することができる。
また、電磁波とは、プラズモン共鳴、ミー散乱またはレイリー散乱等を引き起こすものであればよく、例えば、紫外線(10nm以上360nm未満)、可視光(360nm以上830nm未満)、赤外線(830nm以上0.1mm未満)、マイクロ波(0.1mm以上1m未満)短波(1m以上100m未満)等を含むことができる。
本発明によれば、上記粒子を有することにより、本発明の電磁波応答性積層体は、特定波長の電磁波に対して電磁波応答性を有するものとなる。
また、上記粒子は露出状態で固定されるものであることにより、粒子は、少なくとも基材とは反対側の表面が露出し、大気と接した状態となる。
これにより、本発明の電磁波応答性積層体は、特定波長の電磁波に対する電磁波応答性の調整が容易なものとなり、例えば、電磁波として可視光を照射された際に観察される散乱光の色、電磁波が照射された際に散乱する電磁波の波長等を所望の色や波長とすることが容易となる。
また、粒子表面が大気と接した状態となることで、粒子表裏間の屈折率差を大きくすることが容易となる。このため、本発明の電磁波応答性積層体は、表側から電磁波として可視光を照射して観察した場合と、裏側から電磁波として可視光を照射して観察した場合とで、異なる色の画像を表示可能なものとなる。
このように、本発明の電磁波応答性積層体は、粒子の電磁波応答性を効果的に発揮可能となり、意匠性、偽造防止性等の付与が容易なものとなる。
また、上記保護部材を有することにより、本発明の電磁波応答性積層体は、その使用時に粒子が脱落することを防止することができ、耐久性に優れたものとなる。
このようなことから、本発明の電磁波応答性積層体は、意匠性、偽造防止性等の付与が容易であり、かつ、耐久性に優れたものとなる。
ここで、上記電磁波応答性積層体は、用途に応じて、粒子の種類および電磁波の波長を組み合わせることができる。
このような電磁波応答性積層体の粒子の種類および電磁波の波長の組み合わせの態様としては、例えば、上記粒子が、負誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してプラズモン共鳴可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光である態様(第1実施態様)と、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光である態様(第2実施態様)と、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光より大きい波長の電磁波である態様(第3実施態様)と、の3つの態様を挙げることができる。
以下、本発明の電磁波応答性積層体を各態様に分けて説明する。
A.第1実施態様
まず、本発明の電磁波応答性積層体の第1実施態様について説明する。
本態様の電磁波応答性積層体は、上述の電磁波応答性積層体であって、上記粒子が、負誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してプラズモン共鳴可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光である態様である。
ここで、特定波長の電磁波に対してプラズモン共鳴可能であるとは、粒子に電磁波が照射された際に、粒子の局在表面プラズモン共鳴(別名、局在表面プラズモンポラリトン)により特定波長の電磁波を散乱可能であることをいうものである。
本態様によれば、上記粒子が特定波長の電磁波に対してプラズモン共鳴可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光であることにより、本態様の電磁波応答性積層体は、プラズモン共鳴を用いた意匠性、偽造防止性等の付与が可能となる。
例えば、本態様の電磁波応答性積層体は、白色光を照射した際に、プラズモン共鳴により散乱された特定波長の電磁波が特定色の画像を表示することで意匠性、偽造防止性等を発揮することが可能となる。
本態様の電磁波応答性積層体は、基材、粒子および保護部材を有するものである。
以下、本態様の電磁波応答性積層体の各構成について説明する。
1.粒子
本態様における粒子は、上記基材の一方の面に露出状態で固定されるものである。
また、上記粒子は、負誘電体材料で構成され、上記特定波長の可視光に対してプラズモン共鳴可能なものである。
さらに、本態様における粒子は、所定の粒径を有する、いわゆる微粒子である。なお、粒子の具体的な粒径については後述するため、ここでの記載は省略する。
ここで、露出状態とは、少なくとも粒子の基材とは反対側の表面が露出し、他の部材と接していない状態をいうものであり、通常、少なくとも粒子の基材とは反対側の表面が大気と接する状態をいうものである。
また、プラズモン共鳴する可視光(以下、単に光と称する場合がある。)の波長は、粒子の形状、構成材料等により影響を受けるものである。このため、粒子は、その形状、構成材料を調整することで、プラズモン共鳴する可視光の波長を調整することができ、白色光が照射された際に特定色として、例えば、赤色、青色、黄色等の光を散乱可能となる。
プラズモン共鳴する光の波長としては、360nm〜830nmの範囲内であることが好ましく、400nm〜760nmの範囲内であることが好ましい。上記光の波長が上述の範囲内であることで、粒子はプラズモン共鳴を起こしやすいからである。
上記粒子の平均一次粒径としては、光に対してプラズモン共鳴可能なものであればよく、例えば、2nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、なかでも、5nm〜150nmの範囲内であることが好ましく、特に、10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。上記平均一次粒径が上述の範囲内であることで、上記粒子は、プラズモン共鳴を生じさせやすいからである。
なお、上記平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(例えば、日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を測定し、ランダムに選択した100個以上の一次粒子の最長部の長さの平均値を平均一次粒径とすることができる。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いてもよい。
上記平均一次粒径の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。平均一次粒径の種類が2種類以上である場合、例えば、平均一次粒径が100nmの範囲内の粒子と、平均一次粒径が200nmの粒子と、を混合して用いることができる。
上記粒子の粒度分布としては、光に対してプラズモン共鳴可能なものであればよく、例えば、特定色の画像を表示可能とする観点からは、粒度分布が狭いことが好ましい。
粒度分布が狭いということは、例えば、累積粒度分布の微粒側から累積50%、累積90%の粒径をD50、D90としたとき、D50に対するD90の比率(D90/D50)という値で評価できる。
例えば、D90/D50が2以下であることが好ましく、なかでも1.5以下であることが好ましい。
上記粒子の形状としては、光に対してプラズモン共鳴可能なものであればよく、例えば、球形状や円柱形状であってもよいが、三角錐形状、三角柱形状、立方体形状、直方体形状、金平糖形状、円盤形状、その他板のような角を有する形状であることが好ましい。上記形状が角を有する形状であることで、上記粒子は、プラズモン共鳴を生じさせやすいからである。
本態様においては、なかでも、上記形状が、立方体形状または直方体形状であることが好ましい。上記形状であることにより、上記粒子は、プラズモン共鳴を生じやすく、かつ、製造が容易だからである。
上記形状の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。形状の種類が2種類以上である場合、例えば、形状が球形状の粒子と、形状が立方体形状の粒子と、を混合して用いることができる。
上記粒子の構成材料は、負誘電体材料であり、電磁場応答性を得たい特定の波長領域において、誘電率の実部が負である材料である。
上記負誘電体材料としては、具体的には、可視光に対しては、金属、金属酸化物や不純物半導体を用いることができる。
本態様においては、上記負誘電体材料が金属であることが好ましい。上記構成材料は、可視光に対してプラズモン共鳴が容易だからである。
上記金属としては、例えば、銀、金、銅、アルミニウム、プラチナ、パラジウム、アルミニウム等であることが好ましく、なかでも、銀であることが好ましい。上記金属は、可視領域においてプラズモン共鳴が容易だからである。
上記金属酸化物としては、誘電率の実部が負であるものであればよく、例えば、特開2015−194799号公報の透明電極層の形成に用いられる、インジウム錫酸化物(ITO)等の無機導電性材料を挙げることができる。
上記不純物半導体としては、例えば、特開2015−232713号公報に記載のものを使用できる。
上記構成材料の種類は、1種類のみを用いるものに限定されず、2種類以上を用いるものであってもよい。構成材料の種類が2種類以上である場合、例えば、構成材料が銀の粒子と、構成材料が金の粒子とを混合して用いることができる。
上記粒子は、上記負誘電体材料で構成された負誘電体粒子を少なくとも含むものであり、上記負誘電体粒子のみを含むものとすることができる。
また、上記粒子は、上記負誘電粒子の表面を被覆する被覆層を有するものであってもよい。
上記粒子が被覆層を有することにより、粒子は、凝集の抑制等を図ることができるからである。
上記被覆層を構成する材料としては、負誘電体粒子の表面に結合可能な樹脂材料を用いることができ、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、クエン酸イオン、炭酸イオン、α−リポ酸、分岐ポリエチレンイミン(BPEI)、シリカ、シリカ誘導体、ドデカンチオール等を挙げることができる。
上記被覆層の厚みとしては、上記粒子のプラズモン共鳴を大きく妨げることがないものであればよいが、本態様の電磁波応答性積層体が表側と裏側とで異なる色の画像を観察容易となる観点からは、例えば、2nm以下とすることができる。
上記粒子の配置領域の平面視形状、すなわち、配置形状は、上記基材の全面を覆う形状であってもよいが、意匠性、偽造防止性を付与するとの観点から、絵柄や文字等のパターン形状であることが好ましい。上記配置形状であることで、粒子は電磁波応答性積層体への意匠性等の付与が容易だからである。
パターン形状としては、ドット状、ライン状等とすることができる。また、ドット状としては、円形状、四角形状等の任意の形状とすることができる。
また、上記配置形状は、記号、文字等を表わすものとすることができる。上記配置形状は、例えば、ライン状の配置領域を用いて文字等を表わすものとしたり、ドット状の配置領域を用いて文字等を表わすものであってもよい。
なお、基材の全面とは、平面視上、基材の保護部材が配置されている領域以外の全ての領域をいうものである。
また、図1(a)は、上記粒子の配置領域12の平面視形状が、基材1の全面を覆う形状である例を示すものであり、図2(b)は、上記配置領域12の平面視形状が、基材1の保護部材により覆われない領域に配置された星型形状のパターン形状である例を示すものである。
さらに、既に説明した図1(a)、(b)は、上記配置領域12の平面視形状が、基材の保護部材間の領域のみを覆うパターン形状である例を示すものである。
上記配置領域の粒子による被覆割合としては、例えば、照射された光のうち特定波長の光を所望の強度で散乱可能なものであればよく、0.1×10個/cm〜1000×10個/cmの範囲内とすることができる。
上記配置領域内での粒子の間隔としては、上記被覆割合とすることが可能なものであればよく、1種類の間隔で等間隔で配置されるものであってもよいが、ランダムに配置され、上記間隔が2種類以上となるものであってもよい。
上記粒子は、上記基材の一方の表面に固定されるものである。
ここで、基材の一方の表面に固定されるとは、基材表面に直接接するように固定される場合に限定されず、バインダ樹脂等を介して基材表面に固定される場合も含むものである。
上記固定態様としては、基材表面への粒子の吸着によるものであってもよく、バインダ樹脂により基材表面に粒子が密着されるものであってもよい。
上記粒子の固定方法としては、上記固定態様が基材表面への粒子の吸着によるものである場合には、基材上に、粒子および溶剤を含む粒子分散液を塗工し、溶剤を乾燥除去する方法等を挙げることができる。また、上記固定方法は、粒子を構成する構成材料からなる粒子形成用層を基材上に形成し、次いで、フォトリソグラフィ法等を用いて所望の粒子形状にパターニングする方法であってもよい。
上記固定方法は、上記固定態様がバインダ樹脂により密着されるものである場合には、上記粒子分散液として、バインダ樹脂を含有するものを用いる方法を挙げることができる。
上記粒子分散液の塗工方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の各種印刷方式や、ダイコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、マイクロコンタクトプリンティング法、ディップペンリソグラフィー法等を挙げることができる。
上記粒子形成用層の形成方法としては、負誘電体材料の塗膜を形成できる方法であればよく、例えば、スパッタ法等を用いることができる。
上記バインダ樹脂としては、粒子を安定的に基材表面に密着できるものであればよく、公知の熱硬化樹脂や、紫外線(UV)硬化樹脂、電子ビーム(EB)硬化樹脂等の光硬化性樹脂の硬化性樹脂を用いることができる。
2.保護部材
本態様における保護部材は、上記粒子を保護するものである。
上記保護部材は、上記基材の上記粒子が固定された面と同一面側に配置され、上記粒子より高さの高い部材である。
ここで、保護するとは、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に使用者の指が上記粒子に触れることを防ぐことをいうものである。
(1)保護部材の形状
上記保護部材の形状としては、例えば、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に使用者の指が上記粒子に触れない高さおよび間隔を有し、保護部材のみで粒子を保護可能なものとすることができる。
このような保護部材の高さとしては、上記粒子より高く、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に指が上記粒子に触れないものであればよい。
なお、上記粒子より高いとは、上記粒子の平均一次粒径より大きいことをいうものである。
ここで、上述のようにプラズモン共鳴可能な粒子の平均一次粒径が概ね0.2μm以下のような粒径の小さい粒子である場合、上記保護部材の高さの下限としては、例えば、0.3μm以上とすることができ、1μm以上であることが好ましく、なかでも、5μm以上であることが好ましく、特に20μm以上であることが好ましい。上記高さであることにより、上記保護部材は、粒子を安定的に保護できるからである。また、上記保護部材の間隔等を自由度高く設定できる等、保護部材の設計の自由度に優れたものとなるからである。
また、上記高さの上限については、本態様の電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、保護部材の形成容易の観点からは、例えば、1mm以下とすることができる。
上記高さは、具体的には、図1(a)、(b)中のaで示されるものである。図1(a)に示すような構成を有する電磁波応答性積層体10の場合には、実測により保護部材3の高さaを求めることができる。一方、図1(b)に示すように、支持基材1a上に保護部材3が配置され、支持基材1aおよび保護部材3を覆うように高屈折率層1bが配置されている場合には、例えば、次のようにして保護部材3の高さaを求めることができる。すなわち、まず、実測により、支持基材1a上に配置された高屈折率層1bの表面から、保護部材3上に配置された高屈折率層1bの表面までの距離、すなわち図1(b)の符号a’で示す距離を求める。ここで、支持基材1a上に配置された高屈折率層1bの厚みdは、保護部材3上に配置された高屈折率層1bの厚みdよりも厚い傾向にある。そのため、得られた距離a’に、高屈折率層1bの厚みdと厚みdの差分を足すことで、保護部材3の高さaを算出することができる。
なお、これら厚みは、電子顕微鏡写真から直接計測する方法で求めることができる。電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いてもよい。
上記保護部材の間隔は、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に指が上記粒子に触れないものである。
このような間隔としては、粒子の平均一次粒径より広いものとすることができる。
ここで、上述のようにプラズモン共鳴可能な粒子の平均一次粒径が概ね0.2μm以下のような粒径の小さい粒子である場合、上記間隔の上限としては、例えば、2mm以下とすることができ、1mm以下であることが好ましく、なかでも、500μm以下であることが好ましく、特に200μm以下であることが好ましい。上記間隔であることにより、上記保護部材は、粒子を安定的に保護できるからである。また、上記保護部材の高さを低くすることが容易となり、上記電磁波応答性積層体の薄膜化が容易となるからである。
また、上記間隔の下限については、本態様の電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定されるものであるが、粒子の電磁波応答性を効率よく得られるとの観点、保護部材の形成容易の観点等から、例えば、10μm以上等とすることができる。
なお、上記保護部材の間隔は、それぞれの保護部材についての最短となる隣接する保護部材間の距離をいうものである。また、保護部材の平面視形状が後述する開口部を有する形状である場合には、開口部により隔てられた保護部材間の距離のうち、最短のものをいうものである。
上記間隔は、具体的には、図1(a)、(b)中のbで示されるものである。
本態様においては、なかでも、図2に例示するように上記粒子2の平均一次粒径をh、上記電磁波応答性積層体に触れようとするものX(図3中では指の皮膚(指紋の凸部))の曲率半径をrとした場合、上記高さaおよび間隔bが、以下の式(I)および(II)の条件を同時に満たすように設計されることが好ましい。すなわち、本態様においては、以下の式(I)および(II)より導かれる以下の式(III)の条件を満たすように設計されることが好ましい。
このような条件を満たすことにより、上記保護部材は、粒子を安定的に保護できるからである。
Figure 2017164403
また、図1(b)に示すように、支持基材1a上に保護部材3が配置され、支持基材1aおよび保護部材3を覆うように高屈折率層1bが配置されている場合には、上記式(III)における高さaとして、支持基材1a上に配置された高屈折率層1bの表面から、保護部材3上に配置された高屈折率層1bの表面までの距離a’を用いることとする。そのため、図1(b)に示す構成の場合には、下記式(III’)の条件を満たすことが好ましい。
Figure 2017164403
なお、図1(b)に示す距離a’は、保護部材3の高さaから、高屈折率層1bの厚みdと厚みdの差分を引くことで算出することができる。
例えば、平均一次粒径h=0.08μmの粒子を、人の指先の皮膚に対して保護することを目的とした場合、指紋の凹凸のおおよその曲率半径rは、通常、290μm程度であり、最小でも180μm程度とすることができる。なお、指紋の凹凸の曲率半径rについては、例えば、前野隆司,山田大介,佐藤英成,"ヒト指紋形状の力学的意味",日本機械学会論文集(C編)71巻701号pp. 245-250,(2005-1)に開示されている。
例えば、高さおよび間隔の組み合わせとしては、高さおよび間隔が、それぞれ5μmのときに106μm以下とする組み合わせや、0.1μmのときに6.8μm以下とする組み合わせ、20μmのときに211μm以下とする組み合わせ等とすることができる。
上記保護部材の間隔の種類は、1種類の間隔で等間隔に配置されるものであってもよいが、ランダムに配置され、上記間隔が2種類以上となることが好ましい。上記保護部材が周期的に配置されることによるモアレ等の発生を抑制できるからである。
上記保護部材の平面視形状としては、上記電磁波応答性積層体を使用者が使用した際に破損しない強度を示すものであればよく、ドット状、ライン状等とすることができる。
上記平面視形状は、ハニカム状、格子状等の開口部を有する形状、もしくはランダムな開口部を有する形状であってもよい。
なお、図3は本態様の電磁波応答性積層体の他の例を示す概略平面図および断面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線断面図、図4(d)は図4(c)のB−B線断面図、図4(f)は、図4(e)のC−C線断面図である。
また、図4(a)および(b)、(c)および(d)、ならびに(e)および(f)は、それぞれ、上記平面視形状がドット状、ライン状、開口部を有する形状である例を示すものである。保護部材の平面視形状が、図4(a)に示すようなドット状である場合には、粒子を配置する面積が増えるため、所定の色の画像を表示する面積を広く確保することができる。したがって、より優れた意匠性および偽造防止性を有する電磁波応答性積層体とすることができる。また、保護部材の平面視形状が、図4(b)に示すようなライン状である場合には、保護部材を形成する際のパターニングを容易に行うことができる。したがって、より容易に製造することが可能な電磁波応答性積層体とすることができる。さらに、保護部材の平面視形状が、図4(c)に示すような開口部を有する網目状である場合には、保護部材が倒れるといった不具合の発生を抑制し、品質の高い電磁波応答性積層体とすることができる。
また、ドット状である場合の保護部材の平面視形状としては、円形状や、三角形状、四角形状等の多角形状等とすることができる。
なお、既に説明した図4(a)は、ドット状の保護部材の平面視形状が四角形状である例を示すものである。
上記保護部材の平面視サイズとしては、上記電磁波応答性積層体を使用者が使用した際に破損しない強度を示すものであればよく、0.1μm〜100μmの範囲内とすることができ、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。上記平面視サイズであることにより、上記保護部材は、手指の接触から粒子を安定的に保護できるからである。また、上記保護部材は、肉眼では識別できないため目立たないものとなる。
なお、上記平面視サイズは、ドット状である場合の最大径、ライン状である場合の短尺方向の幅、開口部を有する形状である場合の隣接する開口部間の最短距離をいうものである。
上記平面視サイズは、具体的には、図1(a)、(b)および図4中のcで示されるものである。
また、上記保護部材の断面形状としては、上記電磁波応答性積層体を使用者が使用した際に破損しない強度を示すものであればよく、例えば、基材側が広い台形形状や、基材とは反対側が広い台形形状、長方形等が挙げられる。中でも、保護基材の断面形状が、基材側が広い台形形状であることが好ましい。保護基材が倒れるといった不具合の発生を抑制し、品質の高い電磁波応答性積層体とすることができる。なお、ここでの断面形状とは、保護部材を高さ方向に切断したときの切断面の形状を指す。
(2)その他
上記保護部材は、基材表面に固定される少なくとも1つの粒子と平面視上重ならないように配置されるものであればよく、粒子と接するものであってもよい。
上記保護部材の種類としては、上記平面視形状等に応じて適宜選択することができ、例えば、保護部材の構成材料をパターン状に成形して得られる柱状保護部材を用いることができる。
上記保護部材の種類は、上記平面視形状がドット状である場合には、散布して基材表面に配置されるビーズ状保護部材を用いることができる。
なお、既に説明した図1(a)、(b)および図4は、上記保護部材の種類が柱状保護部材である例を示すものである。
上記柱状保護部材の構成材料としては、感光性樹脂の硬化物等の樹脂材料を用いることができる。
このような感光性樹脂としては、例えば、特許第2953594号公報等の液晶表示装置の保護部材の形成に用いられる紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
上記柱状保護部材の形成方法としては、保護部材の構成材料をパターン状に成形して得る方法であればよく、例えば、特許第2953594号公報に記載の保護部材の形成方法を用いることができる。上記形成方法は、より具体的には、上記構成材料が感光性樹脂の硬化物である場合には、基材の一方の表面に感光性樹脂の塗膜を形成し、フォトマスクを介して塗膜を露光処理し、未硬化の感光性樹脂を現像処理により除去する方法を挙げることができる。
また、上記形成方法は、支持基板表面に配置された柱状保護部材を有する転写用基板を準備し、転写用基板を上記基材に接触させることで、柱状保護部材を上記基材に転写する転写法を用いて形成してもよい。
上記柱状保護部材は、基材表面に接着し固定されていることが好ましい。
上記ビーズ状保護部材の構成材料としては、所望の強度を有するものであればよく、例えば、特開2007−94185号公報等の液晶表示装置に保護部材として用いられるビーズの構成材料と同様とすることができる。上記構成材料としては、具体的には、ガラス等の無機材料や、アクリル樹脂等の樹脂材料を用いることができる。
上記ビーズ状保護部材の形成方法としては、ビーズ状保護部材を散布することで基材表面に配置する方法であればよく、例えば、ビーズ状保護部材を含む分散液を基材上に塗布し、分散媒を乾燥除去する方法を用いることができる。
上記分散液は、後述する粒子を含むもの、すなわち、上記形成方法が、保護部材および粒子を同時に配置する方法であってもよい。
上記ビーズ状保護部材は、基材表面に移動可能に配置されるものであってもよく、基材表面に接着し固定されているものであってもよい。
(3)その他の態様
上記保護部材は、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に使用者の指が上記粒子に触れない高さおよび間隔を有し、上記保護部材のみで粒子を保護可能なもの以外にも、図4に例示するように上記保護部材3が後述するカバー層5を支持するスペーサとして用いられるものであってもよい。
この場合には、上記保護部材の高さおよび間隔としては、上記カバー層を支持することで、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に指が上記粒子に触れないものであればよい。
上記高さとしては、例えば、粒子の近接場光が十分に減衰する距離以上であればよく、例えば、粒子の平均一次粒径の2倍以上高い位置に支持するものとすることができる。
より具体的には、平均一次粒径h=0.08μmの粒子を、人の指先の皮膚に対して保護することを目的とした場合、上記高さは、0.16μm〜300μmの範囲内とすることができる。
また、上記高さの上限については、本態様の電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定されるものである。
上記間隔としては、カバー層を撓ませることなく支持できるものであることが好ましく、カバー層の厚みと材質のヤング率を考慮して適宜選択される。
より具体的には、上記間隔は、例えば、10μm〜5000μmの範囲内とすることができる。
上記高さおよび間隔は、具体的には、それぞれ図5中のaおよびbで示されるものである。
3.基材
上記基材は、粒子および保護部材を支持するものである。
上記基材は、上記光の透過を阻止する遮光性を有するものであってもよいが、上記光の透過が可能な光透過性を有するものであることが好ましい。
上記基材が光透過性を有することにより、本態様の電磁波応答性積層体は、基材の粒子が配置される側とは反対側でも粒子のプラズモン共鳴の効果を観察可能となる。例えば、本態様の電磁波応答性積層体は、表裏で異なる色の画像を表示可能となる。
ここで、光透過性を有するとは、プラズモン共鳴により散乱される波長の光の透過率が、70%以上であるものとすることができ、なかでも90%以上であることが好ましい。
また、光透過性を有するものとしては、プラズモン共鳴により散乱される波長の光のみを少なくとも透過するものであればよいが、可視光全体を透過する可視光透過性を有するものであることが好ましい。
ここで、可視光透過性を有するとは、上記基材の全光線透過率が、70%以上であるものとすることができ、なかでも90%以上であることが好ましい。上記全光線透過率が上述の範囲内であることにより、本態様の電磁波応答性積層体は、基材の粒子が配置された側とは反対側で粒子のプラズモン共鳴の効果を容易に観察可能となるからである。
なお、基材の光の透過率および全光線透過率の上限は高いほど好ましいが、基材に所望の強度を付与するとの観点、材料選択の自由度の観点等から、通常、95%以下である。
また、全光線透過率については、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)により測定することができる。
このような基材としては、支持基材のみからなる単層構造であってもよいが、支持基材と、支持基材の粒子側に配置される高屈折率層とを有する積層構造であってもよい。
高屈折率層を有することにより、本態様の電磁波応答性積層体は、粒子表裏間の屈折率差を大きいものとすることができる。
このため、本態様の電磁波応答性積層体は、例えば、上記粒子のプラズモン共鳴を利用して表裏で異なる色の画像を表示可能なものとして使用する場合、表裏で表示される画像の色の差を大きくすることが可能となるからである。
(1)支持基材
上記支持基材の構成材料としては、上記電磁波応答性積層体を使用者が使用した際に破損しない強度を示すものであればよい。
上記支持基材に用いることができる可視光透過性を有する構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シリコーンゴム等の有機材料、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の有機材料、ガラス等の無機材料、有機材料と無機材料とのハイブリッド材料等を用いることができる。
上記支持基材の構造としては、板状構造、多数の空孔を有する多孔質構造、紙のような不織布構造等とすることができる。
(2)高屈折率層
上記高屈折率層としては、支持基材より屈折率が高いものであればよく、その屈折率は高いほど好ましいが、例えば、1.5以上であることが好ましく、なかでも、2以上であることが好ましい。
なお、上記屈折率は、反射率分光法による薄膜測定装置や、分光エリプソメーターにより測定することができる。
上記高屈折率層の構成材料は、支持基材との屈折率差を所望の範囲とすることができるものであればよく、支持基材の構成材料が上述のアクリル樹脂等の有機材料や、無機材料としてのガラス等である場合、例えば、可視光透過性を有するものとしては、酸化チタン、酸化クロム、硫化亜鉛、酸化アルミニウム等の無機酸化物等を挙げることができる。
上記高屈折率層の厚みとしては、高屈折率層に求められる光透過性等に応じて適宜設定できる。
上記厚みとしては、例えば、10nm〜1000nmの範囲内であるものとすることができ、なかでも20nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることで、本態様の電磁波応答性積層体は、表裏で異なる色の画像を容易に表示可能となるからである。
上記高屈折率層の配置箇所は、支持基材の粒子側の表面であればよく、通常、粒子と接する箇所である。
上記高屈折率層の形成方法としては、高屈折率層の構成材料に応じて適宜設定することができる。上記構成材料が無機酸化物である場合には、上記形成方法は、スパッタ法、ゾルゲル法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
(3)その他
上記基材の剛性は、屈曲可能なフレキシブル性を有するものであってもよく、屈曲しないものであってもよい。
上記基材の厚みとしては、粒子および保護部材を安定的に支持できるものであればよく、構成材料や要求される光透過性等により異なるものであるが、例えば、10μm〜2000μmの範囲内とすることができ、15μm〜250μmの範囲内であることが好ましく、なかでも、20μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、基材は、粒子および保護部材を安定的に支持可能となるからである。
なお、上記厚みは、基材が積層構造である場合には全体の厚みをいうものである。
上記基材の粒子が配置される側の表面は、凹凸表面であってもよいが、平坦面であることが好ましい。平坦面であることで、基材は、粒子の電磁波応答性への影響の少ないものとなるからである。
上記基材表面の算術平均粗さRaとしては、200nm以下とすることができ、100nm以下であることが好ましい。上記算術平均粗さRaが上述の範囲内であることにより、基材は、粒子の電磁波応答性への影響の少ないものとなるからである。
なお、上記算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2001に規定された算術平均粗さRaをいう。
4.その他の構成
本態様の電磁波応答性積層体は、基材、粒子および保護部材を有するものであるが、必要に応じて、その他の構成を有するものであってもよい。
上記その他の構成としては、例えば、上記基材の一方の表面に上記粒子および上記保護部材を覆うように形成されるカバー層を挙げることができる。
なお、既に説明した図5は、電磁波応答性積層体10がカバー層4を有する例を示すものである。
(1)カバー層
上記カバー層は、上記基材の一方の表面に上記粒子および上記保護部材を覆うように形成されるものである。
本態様においては、上記カバ−層が形成されるものであってもよいが、粒子の電磁波応答性をより効果的に発揮可能となる観点からは、上記カバー層が形成されていないことが好ましい。
上記カバー層は、通常、上記光の透過が可能な光透過性を有するものである。また、光透過性を有するものとしては、プラズモン共鳴により散乱される波長の光のみを少なくとも透過するものであればよいが、可視光全体を透過する可視光透過性を有するものであることが好ましい。
上記カバー層の構成材料としては、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に破損しない強度を示すものであればよく、例えば、上記「3.基材」の「(1)支持基材」の項に記載の構成材料と同様とすることができる。
上記カバー層の構造、剛性および厚みとしては、上記「3.基材」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記カバー層は、保護部材により支持されるものであればよく、保護部材と接着していてもよく、接着していないものであってもよい。
また、保護部材と接着していない場合、カバー層は、通常、任意の固定手段により基材に対して固定されるものである。固定手段としては、カバー層および基材の外周を覆うように配置される樹脂製の封止部材等を挙げることができる。
上記カバー層の形成方法としては、カバー層を位置精度よく基材表面に配置できる方法であればよく、例えば、基材表面に保護部材を配置した後に、保護部材の基材とは反対側の表面にカバー層を配置する方法を用いることができる。
また、カバー層表面に保護部材を接着して積層体を形成した後、基材表面および保護部材が接するように基材に上記積層体を配置する方法等を用いることができる。
なお、カバー層表面に保護部材を接着する方法としては、カバー層表面に直接柱状保護部材を形成する方法や、接着層を介して保護部材を接着する方法を用いることができる。
(2)その他
上記その他の構成としては、基材および保護部材間、基材および高屈折率層、保護部材およびカバー層、基材および粒子等の各構成間を接着する接着層を有するものであってもよい。
上記接着層を構成する接着剤としては、上記「1.粒子」の項に記載のバインダ樹脂と同様とすることができる。
5.用途
本態様の電磁波応答性積層体の用途としては、意匠性、偽造防止性が要求される用途を挙げることができ、例えば、紙幣等の金券;運転免許証、パスポート等の身分証明書;クレジットカード等のカード等を挙げることができる。
なお、上記電磁波応答性積層体を用いた偽造防止の方法としては、目視による確認する方法以外に、電荷結合素子(CCD)等の可視光を検出可能な装置等を用いて行う方法も用いることができる。
B.第2実施態様
次に、本発明の電磁波応答性積層体の第2実施態様について説明する。
本態様の電磁波応答性積層体は、上述の電磁波応答性積層体であって、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光である態様である。
本態様によれば、粒子がミー散乱等が可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光であることにより、本態様の電磁波応答性積層体は、例えば、白色光を照射した際に、ミー散乱またはレイリー散乱により散乱された光が特定色の画像を表示することで意匠性、偽造防止性等を発揮することが可能となる。
本態様の電磁波応答性積層体は、基材、粒子および保護部材を有するものである。
以下、本態様の電磁波応答性積層体の各構成について説明する。
なお、基材、保護部材、その他の構成および用途等については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.粒子
本態様における粒子は、誘電体材料で構成され、上記光に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものである。
ここで、ミー散乱またはレイリー散乱を起こす光の波長は、粒子の形状、構成材料等により影響を受けるものである。このため、形状、構成材料を調整することで、ミー散乱またはレイリー散乱する光の波長を調整することができ、白色光が照射された際に特定色として、例えば、赤色、青色、黄色等の光を散乱可能となる。
上記特定波長としては、可視光であればよく、例えば、上記「A.第1実施態様」の「1.粒子」の項に記載の内容と同様とすることができる。上記波長が上述の範囲内であることにより、上記粒子は、特定色の画像を表示することが可能となるからである。また、粒子の粒径を小さいものとすることができ、電磁波応答性積層体は、粒子が目立たないものとなるからである。
上記粒子の平均一次粒径としては、上記可視光に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであればよく、通常、上記特定波長λのλ/100〜λの範囲内程度とすることができる。
上記平均一次粒径は、粒子を目立たないものとしつつ、特定色の画像を表示することで電磁波応答性積層体に意匠性、偽造防止性等を付与するとの観点からは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、なかでも、5nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、10nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。上記平均一次粒径が上述の範囲内であることで、上記粒子は、特定色の画像を表示することで意匠性を付与できるからである。また、粒子の粒径を小さいものとすることができ、電磁波応答性積層体は、粒子が目立たないものとなるからである。
上記粒子の形状としては、光に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであればよく、例えば、上記「A.第1実施態様」の「1.粒子」の項に記載の粒子の形状と同様とすることができる。
上記粒子の構成材料は、誘電体材料である。
ここで、誘電体材料であるとは、電磁場応答性を得たい特定の波長領域において、誘電率の実部が正であるものであればよい。
上記誘電体材料としては、例えば、有機材料、金属ではない無機材料等を用いることができる。
このような有機材料および無機材料としては上記「A.第1実施態様」の「3.基材」の項に記載の有機材料および無機材料と同様とすることができる。
上記粒子は、誘電体材料で構成された誘電体粒子を少なくとも含むものであり、上記誘電体粒子のみを含むものとすることができる。
また、上記粒子は、上記誘電体粒子の表面を被覆する被覆層を有するものであってもよい。
上記粒子が被覆層を有することにより、粒子は、凝集の抑制等を図ることができるからである。
上記粒子のその他の事項については、上記「A.第1実施態様」の「1.粒子」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.保護部材
本態様における保護部材は、上記粒子を保護するものである。
上記保護部材は、上記基材の上記粒子が固定された面と同一面側に配置され、上記粒子より高さの高い部材である。
(1)保護部材の形状
このような保護部材の高さについては、上述のように粒子の平均一次粒径が概ね1μm以下のような粒径の粒子である場合、上記保護部材の高さの下限としては、例えば、5μm以上であることが好ましく、なかでも20μm以上であることが好ましい。上記高さの上限については、例えば、1mm以下とすることができる。
上記保護部材の間隔については、上述のように粒子の平均一次粒径が概ね1μm以下のような粒径の小さい粒子である場合、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記保護部材の形状のその他の事項については、上記電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定できるものであり、例えば、上記「A.第1実施態様」の「2.保護部材」の「(1)保護部材の形状」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(2)その他
上記保護部材のその他の事項、その他の態様等については、上記電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定できるものであり、例えば、上記「A.第1実施態様」の「2.保護部材」の「(2)その他」および「(3)その他の態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
C.第3実施態様
次に、本発明の電磁波応答性積層体の第3実施態様について説明する。
本態様の電磁波応答性積層体は、上述の電磁波応答性積層体であって、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光より大きい波長の電磁波である態様である。
本態様によれば、粒子が特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであることにより、本態様の電磁波応答性積層体は、ミー散乱またはレイリー散乱により散乱された波長を検知し、特定波長の電磁波が検出されたか否かを確認することで、所定の粒子の有無を確認することができる。これにより、偽造防止性を発揮可能となる。
また、特定波長の電磁波が可視光より大きい波長の電磁波であることにより、特定波長の電磁波として物質透過性に優れた電磁波を使用できる。このため、本態様の電磁波応答性積層体は、偽造防止対象の内部等に配置した場合でも偽造防止性を発揮可能となる。このような電磁波としては、例えば、赤外線、マイクロ波、ミリ波等が挙げられ、中でも波長が長いマイクロ波やミリ波の場合には、物質透過性の効果をより顕著なものとすることができる。一方、赤外線は、直線性に優れるといった特徴を有する。そのため、個々の電磁波応答性積層体を判別することが可能となる。さらに、本態様の電磁波応答性積層体は、電磁波を照射された際に注意を引き付けることを防ぐことができる。このため、本態様の電磁波応答性積層体は、偽造防止性に優れたものとなるからである。
本態様の電磁波応答性積層体は、基材、粒子および保護部材を有するものである。
以下、本態様の電磁波応答性積層体の各構成について説明する。
1.粒子
本態様における粒子は、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものである。
また、上記特定波長の電磁波は、可視光より大きい波長の電磁波である。
ここで、ミー散乱またはレイリー散乱を起こす電磁波の波長は、粒子の形状、構成材料等により決定されるものである。このため、粒子の形状、構成材料等を調整することで、ミー散乱またはレイリー散乱を起こす電磁波の波長を調整することができる。
上記特定波長の電磁波としては、可視光より大きい波長の電磁波であればよく、例えば、赤外線、マイクロ波等とすることができる。
本態様においては、なかでも、マイクロ波等であることが好ましい。上記電磁波は、物質透過性が高く、例えば、本態様の電磁波応答性積層体は、偽造防止対象の内部等に配置した場合でも偽造防止性を発揮できる。このため、本態様の電磁波応答性積層体は、偽造防止性に優れたものとなるからである。
上記粒子の平均一次粒径としては、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能であればよく、通常、上記特定波長λのλ/100〜λの範囲内程度とすることができる。
上記平均一次粒径としては、物質透過性の高い電磁波をミー散乱またはレイリー散乱により散乱するものとし偽造防止性を向上するとの観点からは、具体的には、0.1μm〜1000mmの範囲内であることが好ましく、なかでも、1μm〜1000mmの範囲内であることが好ましく、特に、10μm〜1000mmの範囲内であることが好ましい。上記平均一次粒径が上述の範囲内であることで、上記粒子により散乱される特定波長の電磁波は、物質透過性の高い電磁波となるからである。
上記粒子のその他の事項については、上記「B.第2実施態様」の「1.粒子」の項に記載の内容と同様とすることができる。
2.保護部材
本態様における保護部材は、上記粒子を保護するものである。
上記保護部材は、上記基材の上記粒子が固定された面と同一面側に配置され、上記粒子より高さの高い部材である。
(1)保護部材の形状
上記保護部材の形状としては、例えば、上記電磁波応答性積層体に使用者が触れた際に使用者の指が上記粒子に触れない高さおよび間隔を有し、保護部材のみで粒子を保護可能なものとすることができる。
このような保護部材の高さおよび間隔としては、高さについて粒子より高さの高いものであればよく、例えば、上記電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定できるものである。
上記保護部材の形状のその他の事項については、上記電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定できるものであり、例えば、上記「A.第1実施態様」の「2.保護部材」の「(1)保護部材の形状」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(2)その他
上記保護部材のその他の事項、その他の態様等については、上記電磁波応答性積層体の用途等に応じて適宜設定できるものであり、例えば、上記「A.第1実施態様」の「2.保護部材」の「(2)その他」および「(3)その他の態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
3.基材
上記基材は、粒子および保護部材を支持するものである。
上記基材は、上記特定波長の電磁波の透過を阻止する遮蔽性を有するものであることが好ましいが、上記特定波長の電磁波の透過が可能な電磁波透過性を有するものであってもよい。
上記基材の構成材料としては、粒子および保護部材を安定的に支持できるものであれば特に限定されるものではない。
上記構成材料としては、例えば、基材が遮蔽性を有する場合、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属材料を用いることができる。
上記基材の剛性、厚み、表面等については、上記「A.第1実施態様」の「3.基材」の項に記載の内容と同様とすることができる。
4.その他の構成
本態様の電磁波応答性積層体は、基材、粒子および保護部材を有するものであるが、必要に応じて、その他の構成を有するものであってもよい。
上記その他の構成としては、例えば、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の項に記載の内容を挙げることができる。
また、上記その他の構成としては、上記基材の一方の表面に上記粒子および上記保護部材を覆うように形成され、上記粒子の存在を目立たなくする隠ぺい層を有するものであってもよい。
上記隠ぺい層は、粒子の存在を効果的に目立たなくすることができるものであればよく、例えば、可視光遮光性を有するものを用いることができる。
なお、可視光遮光性を有する隠ぺい層としては、全光線透過率が20%以下であるものとすることができ、なかでも10%以下であることが好ましい。
上記隠ぺい層は、通常、特定波長の電磁波の透過性を有するものである。
電磁波透過性を有する場合、特定波長の電磁波の透過率については、上記「A.第1実施態様」の「3.基材」の項に記載の光の透過率と同様とすることができる。
上記隠ぺい層が可視光遮光性を有する場合の構成材料としては、例えば、上述の可視光透過性を有する構成材料にカーボン等の着色材等を添加したものや、紙等を用いることができる。
上記可視光遮光性を有する構成材料としては、上記隠ぺい層が所定の周期および開口径の貫通孔を有することにより特定波長の電磁波を透過可能ものである場合には、上記特定波長の電磁波に対して遮蔽性を有する金属材料等を用いることができる。
例えば、アルミニウム等の金属材料製の隠ぺい層に、波長の半分程度の直径の貫通孔を波長の同程度の周期で配置した場合、その隠ぺい層は、可視光遮光性を有しつつ、その波長の電磁波を透過可能なものとして用いることができる。
具体的には、直径0.5mmの貫通孔を貫通孔の中心間距離が1mmとなる周期で配置した場合には、可視光遮光性を有しつつ、波長1mmの電磁波を透過可能なものとすることができる。
なお、上記貫通孔の平面視形状としては、円形状や多角形状でもよく、またそれら単位構造の配置は三角格子、四角格子等とすることができる。
なお、上記金属材料としては、上記「3.基材」の項に記載の金属材料を用いることができる。
上記隠ぺい層は、保護部材により支持されず用いられるものであってもよく、保護部材により支持され、カバー層としての機能を有するものであってもよい。
また、隠ぺい層は、保護部材により支持されずに用いられるものである場合、通常、任意の固定手段により基材に対して固定されるものである。固定手段としては、隠ぺい層および基材の外周を覆うように配置される樹脂製の封止部材等を挙げることができる。
上記隠ぺい層の構造、剛性および厚みとしては、上記「A.第1実施態様」の「4.その他の構成」の項に記載のカバー層と同様の内容とすることができる。
5.用途
本態様の電磁波応答性積層体の用途としては、偽造防止性が要求される用途を挙げることができ、例えば、紙幣等の金券;運転免許証、パスポート等の身分証明書;クレジットカード等のカード等を挙げることができる。
なお、上記電磁波応答性積層体を用いた偽造防止の方法としては、通常、特定波長の電磁波が検出されたか否かを確認可能な装置等を用いて行う方法を挙げることができる。
また、可視光より大きい波長の電磁波は、段ボール等の紙や布、さらには、所定の貫通孔が配置された金属板等を透過可能な場合がある。このため、上記電磁波応答性積層体は、偽造防止対象の最表面に配置されるものであってもよいが、特定波長の電磁波が透過可能な範囲内で、偽造防止対象の内部に配置されるものであることが好ましい。電磁波応答性積層体の存在を目立たないものとすることができ、偽造防止性をより効果的に発揮できるからである。
D.その他の態様
本発明の電磁波応答性積層体は、電磁波応答性積層体の粒子の種類および電磁波の波長の組み合わせの態様として、上述の第1実施態様〜第3実施態様以外にもその他の態様を有することができる。
上記その他の態様としては、例えば、上記粒子が、負誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してプラズモン共鳴可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光以外の電磁波であり、プラズモン共鳴により散乱された特定波長の電磁波を検出することで偽造防止性を発揮する態様(第1−2実施態様)、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光以外の電磁波であり、ミー散乱またはレイリー散乱により散乱された特定波長の電磁波を検出することで偽造防止性を発揮する態様(第2−2実施態様)、上記粒子が、誘電体材料で構成され、上記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、上記特定波長の電磁波が、可視光であり、ミー散乱またはレイリー散乱により散乱された可視光が検出されたか否かを確認することで、所定の粒子の有無を確認し、偽造防止性を発揮する態様(第3−2実施態様)等を挙げることができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[比較例1]
エチレングリコールで表面修飾された、直径100nmの銀ナノ粒子の水系分散液(シグマアルドリッチ)を遠沈管に分取した。過剰量のアセトンを加えて、遠心分離機を用いて2000Gの遠心力で、銀ナノ粒子を沈殿させ、上澄み液を除去した。これを数回繰り返し、エタノールに再分散させて銀ナノ粒子エタノール分散液を得た。
次いで、PETフィルム(ルミラー、東レ)に酸化チタンをスパッタ法で成膜し、高屈折率層として酸化チタン膜を有する基板を形成した。触診式段差計で高屈折率層の膜厚を測定したところ40nmであった。
基板の酸化チタン面に銀ナノ粒子エタノール分散液をディスポーザブルピペットで約1mL散布し、乾燥させて電磁波応答性積層体を得た。
この電磁波応答性積層体を白色ハロゲンランプで照明し、目視で観察したところ裏表で異なる色が観察された。
なお、電磁波応答性積層体の銀ナノ粒子散布面をワイプで拭き取ったところ、ワイプに銀ナノ粒子起因と推定される色移りが確認された。
[実施例1]
比較例1の電磁波応答性積層体の作製手順の後に、基板の銀ナノ粒子散布面に5μmのガラスビーズを分散させたアセトンをディスポーザブルピペットで散布し、再度乾燥させて本発明の電磁波応答性積層体を得た。
この電磁波応答性積層体を白色ハロゲンランプで照明し、目視で観察したところ比較例1と同様に裏表で異なる色が観察された。
また、電磁波応答性積層体の銀ナノ粒子散布面をワイプで拭き取ったところ、比較例1と比較して色移りの程度は著しく減少した。
1a … 支持基材
1b … 高屈折率層
1 … 基材
2 … 粒子
3 … 保護部材
4 … カバー層
10 … 電磁波応答性積層体
12 … 粒子の配置領域

Claims (7)

  1. 基材と、
    前記基材の一方の面に露出状態で固定され、特定波長の電磁波に対して電磁波応答性を有する粒子と、
    前記粒子を保護する保護部材と、
    を有し、
    前記保護部材は、前記基材の前記粒子が固定された面と同一面側に配置され、前記粒子より高さの高い部材であることを特徴とする電磁波応答性積層体。
  2. 前記粒子が、負誘電体材料で構成され、前記特定波長の電磁波に対してプラズモン共鳴可能なものであり、
    前記特定波長の電磁波が、可視光であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波応答性積層体。
  3. 前記粒子が、誘電体材料で構成され、前記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、
    前記特定波長の電磁波が、可視光であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波応答性積層体。
  4. 前記粒子が、誘電体材料で構成され、前記特定波長の電磁波に対してミー散乱可能またはレイリー散乱可能なものであり、
    前記特定波長の電磁波が、可視光より大きい波長の電磁波であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波応答性積層体。
  5. 前記粒子の配置領域の平面視形状がパターン形状であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の電磁波応答性積層体。
  6. 前記基材の一方の表面に前記粒子および前記保護部材を覆うカバー層が形成されていないことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の電磁波応答性積層体。
  7. 前記粒子の平均一次粒径をh、前記電磁波応答性積層体に触れようとする皮膚の指紋の凸部の曲率半径をr、前記保護部材の高さをa、隣接する前記保護部材の間隔をbとしたとき、下記式(III)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の電磁波応答性積層体。
    Figure 2017164403
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