JPWO2017158710A1 - フライホイール装置及び回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
回転子の回転運動は、例えば、水力や火力、原子力、あるいはディーゼルエンジンなどの内燃機関などにより発生するトルクにより駆動される。
これら発電機に入力されるトルクを有効利用して発電効率を高めるには、如何に発電機で回転により発生する摩擦を低減するかが重要である。
このように回転子のような回転体の回転により生じる摩擦を低減する技術として、特許文献1の「磁気浮上装置」がある。
この技術は、磁力による吸引力により回転体を浮上させるものである。
また、本発明は、磁力浮上回転装置を施したフライホイールを提供することを目的とする。
請求項2記載の発明では、一定幅を持った外周面に扇型に分割されたネオジム磁石を円周方向に任意の間隔をもって配置されたネオジム磁石類が設置されたフライホイールと、当該外周面の外側に一定間隔を持って配置され、前記フライホイールよりも大きな径を持ち、一定幅を持った円周状の磁性部材と、からなり、前記フライホイールの外周面と前記磁性部材の内周面とが、一定幅の面で磁石の同極を面して向かい合う形で形成され、この磁石の同極の反発力が、フライホイールの形状から、円形の全方位から中心部に力を集約させる集約反発力となり、一定の重さを支える中心軸を持った、磁気浮上回転装置を施したことを特徴とするフライホイール装置を提供する。
請求項3記載の発明では、回転軸と、この回転軸に固定された回転子とからなる駆動部と、前記回転子の外周面に対向して筐体に配設された固定子と、からなる発電及び駆動モータであって、前記発電及び駆動モータの端部に、請求項1又は請求項2記載のフライホイール装置を設置し、前記発電及び駆動モータの回転軸と同軸上に、前記両磁気浮上回転装置の中心軸を設けた構造を持つことで、前記駆動部を磁気浮上させることを特徴とする発電及び駆動モータ装置を提供する。
請求項4記載の発明では、前記発電及び駆動モータの両端部に、請求項1又は請求項2記載のフライホイール装置を設置し、前記発電及び駆動モータの回転軸と同軸上に、前記両磁気浮上回転装置の中心軸を設けた構造を持つことで、前記駆動部を磁気浮上させることを特徴とする請求項3記載の発電及び駆動モータ装置を提供する。
図1は、発電及び駆動装置100の回転軸方向の断面を示した図である。
発電及び駆動装置100は、円筒形状を有する筐体12に発電を行うための構成要素を配設することにより構成されている。
筐体12の中央付近には、電機子巻線が配線された固定子19が筐体12の中心軸と同軸に筐体12の内周面に固定されている。
固定子19は、回転子18の外周面に対向して筐体12に配設された固定子19として機能している。なお、本実施の形態では固定子19を電機子巻線とするが、永久磁石を用いるようにしてもよい。
以下、外周側磁石13a、外周側磁石13bを特に区別しない場合は、単に外周側磁石13と記載する。
外周側磁石13は、半径方向に磁化されており、例えば、内周面がN極、外周面がS極となっている。
転がり軸受け20と回転軸17には、所定間隙の遊びが形成されており、後述するように回転軸17が磁気により浮上している間は、転がり軸受け20と回転軸17は、接触しないようになっている。
転がり軸受け20は、装置の起動時における軸受けとしての機能、及び外乱などにより回転軸17が所定量以上ぶれた場合にこれを規制するために設けられている。
回転軸17の軸方向中心部分には、固定子19の内周面に面する領域にて界磁巻線が巻回された回転子18が回転軸17に固定されている。
回転軸17は、回転軸に固定された回転子として機能している。
そして、回転軸17の両端部分には、外周側磁石13a、外周側磁石13bの内周面に面する領域にて、それぞれフライホイール16a、フライホイール16bが固定されている。
フライホイール16bの構成も同様であり、円板部材15bと内周側磁石14bにより構成されている。
以下、フライホイール16a、フライホイール16b、円板部材15a、円板部材15b、内周側磁石14a、内周側磁石14bを特に区別しない場合は、単にフライホイール16、円板部材15、内周側磁石14と記載する。
内周側磁石14は、円筒状に形成された磁石であって、外周面が外周側磁石13の内周面に所定の距離を隔てて対面するように外径が設定されている。
例えば、外周側磁石13の内周面がN極である場合、内周側磁石14の外周面もN極になっている。また、外周側磁石13の内周面がS極である場合、内周側磁石14の外周面もS極になっている。
なお、回転軸17には、軸方向に移動する力が作用するが、図示しない規制手段により、回転軸17の軸方向の移動は規制されている。
また、例えば、外周側磁石13aの内周面と内周側磁石14aの外周面がN極で、外周側磁石13bの内周面と内周側磁石14bの外周面がS極である、というように、フライホイール16aとフライホイール16bで磁石の磁極が逆でもよいし、あるいは、同じでもよい。
さらに、外周側磁石13と内周側磁石14の磁力の大きさは特に規定しないが、大きいほどよく、また、両者の磁力の大きさが同程度であるのが望ましい。
このように、内周側磁石14と外周側磁石13により構成される磁気軸受けは、回転軸17を磁力の反発力により中心部に向けて浮上させて回転子18を筐体12に軸支する軸支手段として機能している。
このように、発電及び駆動装置100は、軸支された回転子18が固定子19に対して行う回転により発生する電流を取り出す電流取出手段を備えている。
図中の矢線は磁化の方向を示しており、外周側磁石13の内周面と内周側磁石14の外周面が同じ磁極となっている。
このため両者が反発し合い、内周側磁石14は、反発力のバランスする位置に保持される。
そのため、軸方向の運動を規制すれば、回転軸17が中心軸からぶれたとしても、釣り合いの位置に自ら復帰する。
図3(a)は、磁性材料で構成された単一の部材で外周側磁石13と内周側磁石14を構成した例である。
外周側磁石13、内周側磁石14は、磁性材料を焼成などにより形成した後、着磁を行って作成する。
着磁は、外周側磁石13の場合は、内周側の面に着磁装置を当てて内側から外側に着磁を全周に渡って行い、内周側磁石14の場合は、外周側の面に着磁装置を当てて外側から内側に着磁を全周に渡って行う。
これは、外周側磁石13と内周側磁石14が対面する面から着磁することにより、より良好な磁極が当該対面する面に形成されるためである。
内周側磁石14は、扇型の内周側分割磁石41を円周方向に繋ぎ合わせて構成されている。
内周側分割磁石41は、予め半径方向に磁化されており、これを接着剤で繋ぎ合わせたり、あるいは、図示しない治具で固定する。
外周側磁石13も同様に扇型の外周側分割磁石31を円周方向に繋ぎ合わせて構成されている。
外周側分割磁石31は、予め半径方向に磁化されており、内周側分割磁石41と同様に作成する。
外周側分割磁石31及び内周側分割磁石41は、図3(b)では、互いに接触して配置された例を示しているが、実際には、任意の間隔を持って配置される場合もある。
そして、この磁気軸受けは、フライホイール16の外周に形成された内周側磁石14と、これに対向して筐体12に配設された外周側磁石13の磁極が反発することにより実現される。
このように、フライホイール16は、回転子18の回転を安定させるという本来の目的に加えて回転子18を磁気浮上させて軸支するという磁気軸受けとしての機能を兼ね備えている。
このため、発電及び駆動装置100は、回転子18の回転にともなう摩擦を低減するとともに回転子18の回転を安定させ、更に、発電及び駆動装置100を小型化することができる。
これらは、磁気回転浮上装置を施したフライホイール16により、新たに生み出された効果である。
(1)フライホイール16の磁力により回転子18を浮上させ、非接触にて回転させることができるため、摩擦を低減することができ、発電効率を高めることができる。すなわち、回転開始当初は、例えばベアリング等と若干の接触があるが、回転が軌道にのると、磁気浮上しているため、生じる摩擦を限りなくゼロに近づけることができる。
(2)フライホイール16の磁力の反発により回転子18を浮上させるため、複雑な制御装置を特に設ける必要ない。
(3)フライホイール16を磁力により浮上させて磁気軸受けとしての機能も持たせることにより、フライホイール16による回転子18の回転の安定と、磁気軸受けによる非接触による回転をフライホイール16と外周側磁石13からなる一つの構成にて同時に実現することができ、装置の小型化と低コスト化を図ることができる。
(4)筐体12の内部を減圧(例えば真空か)することにより、より摩擦抵抗を低減することができる。
更には、外周側磁石13を超伝導マグネットによって構成することもできる。この場合は、超伝導部材でコイルを複数形成し、各々の磁極が内周面を向くように円周に沿って配設する。そして、場合によっては、液体窒素などで当該コイルをTc(超伝導転移温度)以下に冷却する。
また、発電及び駆動装置100では、フライホイール16に内周側磁石14を設けたが、回転軸17に内周側磁石14を設け、フライホイール16と磁気軸受けを別体としてもよい。
さらに、フライホイール16は、フライホイール16に内周側磁石14を設けてもよいが、回転軸17に内周側磁石14を設けることで、フライホイール16と磁気軸受けを別体として構成してもよい。
元来、特に発電モータは、回転に多くのトルクを必要とするものが一般的である。そのトルクが大きいが為に、発電モータの回転駆動には、大きなトルク出力の得られる物が求められていた。
しかしながら、この発明ポイントは、「無重力フライホイール」を使うことにより「発電モータ」を「無重力化」することで、限りなく回転が落ちない方向で設計されていくことを意味する、今までとは異なる新たな発想を持った「発電モータ」になるということになる。
「発電モータ」の動力源は、回転が落ちた分だけ、その都度、回転を元に戻す為に回転を加えるという方式に変化した「加回転動力源」でよくなり、そのことは、画期的なエネルギー効率の発電モータのシステム化ができあがることを意味している。
それは、回転が落ちてきた時「減速時」に、落ちた分だけ更に回転を加え、元の必要とする回転に戻すという、今までになかった動力源の考え方に変わり、この「減速時」に、動力源は、更なる回転エネルギーを加えるためのエネルギー源としての「加回転動力源」としての考え方になる。
そのため、一度高速回転を始めたモータの減速を補う発電モータのエネルギーは、「加回転動力源」の位置づけとして考えればよくなり、当然、この発電モータの必要条件は、大きなトルクを必要としない「省エネルギーな軽回転」なもので済み、エネルギー効率的にも画期的な「軽回転」「加回転動力源」に変わってくる。
そしてこの「高トルクを必要としない」ことは、今までの「火力(原子力)発電」、「水力発電」などの発電システムに比べ、動力源が画期的に小さなもので済み、大出力発電所で発電をして、それを送電線で送電し、一般家庭用まで届けるという発想も根底から変えるものになる。
駆動モータに於いても同様に、必要回転数が落ちた分だけの回転を加える考え方で、また、その時、加える回転力は無重力状態に回転を加えるので大変小さいエネルギーを加えるだけで済むという利点は、駆動モータに於いても同様に得ることができる。そのため、回転させる為のエネルギーのとても少ない高効率モータになり、「無重力駆動モータシステム」を提供することができる。
更に同様に、この「無重力フライホイール」を利用した応用は多岐に渡り、その一例として、大型無停電電源装置(USP・Uninterruuptible Power Supply)などには、高効率化に絶好の手段となる。
「超強力磁石」ネオジムに代表される新たに開発された磁性体と今後開発される超強力磁性体と、超伝導体化した磁性体を含むものを意味する。
13 外周側磁石
14 内周側磁石
15 円板部材
16 フライホイール
17 回転軸
18 回転子
19 固定子
20 転がり軸受け
31 外周側分割磁石
41 内周側分割磁石
100 発電及び駆動装置
また、本発明は、磁力回転浮上装置を施した円筒回転体装置を提供することを目的とする。
(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸から半径外方向に伸長する円板部材と、
(c)前記円板部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(d)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有する、
円筒回転体装置であって、
(e)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(f)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、
(g)前記円板部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(h)前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(i)前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成する円筒回転体装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、
(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸に取り付けられた回転子と、
(c)前記回転子の外周に配された固定子とを、
有する回転電機において、
(d)前記回転軸から半径外方向に伸長する円板部材と、
(e)前記円板部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(f)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有し、
(g)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(h)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、
(i)前記円板部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(j)前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(k)前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成することを特徴とする回転電機を提供する。
請求項14に記載の発明では、
(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸から半径外方向に伸長する支持部材と、
(c)前記支持部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(d)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有する、
円筒回転体装置であって、
(e)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(f)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、
(g)前記支持部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(h)前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(i)前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成する円筒回転体装置を提供する。
請求項15に記載の発明では、
(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸に取り付けられた回転子と、
(c)前記回転子の外周に配された固定子とを、
有する回転電機において、
(d)前記回転軸から半径外方向に伸長する支持部材と、
(e)前記支持部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(f)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有し、
(g)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(h)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、
(i)前記支持部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(j)前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(k)前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成することを特徴とする回転電機を提供する。
回転軸17の軸方向中心部分には、固定子19の内周面に面する領域にて界磁巻線が巻回された回転子18が回転軸17に固定されている。
回転子18は、回転軸17に固定された回転子として機能している。
そして、回転軸17の両端部分には、外周側磁石13a、外周側磁石13bの内周面に面する領域にて、それぞれ円筒回転体16a、円筒回転体16bが固定されている。
円筒回転体16bの構成も同様であり、円板部材15bと内周側磁石14bにより構成されている。
以下、円筒回転体16a、円筒回転体16b、円板部材15a、円板部材15b、内周側磁石14a、内周側磁石14bを特に区別しない場合は、単に円筒回転体16、円板部材15、内周側磁石14と記載する。
内周側磁石14は、円筒状に形成された磁石であって、外周面が外周側磁石13の内周面に所定の距離を隔てて対面するように外径が設定されている。
なお、回転軸17には、軸方向に移動する力が作用するが、図示しない規制手段により、回転軸17の軸方向の移動は規制されている。
また、例えば、外周側磁石13aの内周面と内周側磁石14aの外周面がN極で、外周側磁石13bの内周面と内周側磁石14bの外周面がS極である、というように、円筒回転体16aと円筒回転体16bで磁石の磁極が逆でもよいし、あるいは、同じでもよい。
さらに、外周側磁石13と内周側磁石14の磁力の大きさは特に規定しないが、大きいほどよく、また、両者の磁力の大きさが同程度であるのが望ましい。
このように、内周側磁石14と外周側磁石13により構成される磁気軸受けは、回転軸17を磁力の反発力により中心部に向けて浮上させて回転子18を筐体12に軸支する軸支手段として機能している。
そして、この磁気軸受けは、円筒回転体16の外周に形成された内周側磁石14と、これに対向して筐体12に配設された外周側磁石13の磁極が反発することにより実現される。
このように、円筒回転体16は、回転子18の回転を安定させるという本来の目的に加えて、外周側磁石13との相互作用により回転子18を有する回転軸17を磁気浮上させて軸支するという磁気軸受けとしての機能を兼ね備えている。
このため、発電及び駆動装置100は、回転子18の回転にともなう摩擦を低減するとともに回転子18の回転を安定させ、更に、発電及び駆動装置100を小型化することができる。
これらは、磁気回転浮上装置を施した円筒回転体装置により、新たに生み出された効果である。
(1)円筒回転体16の内周側磁石14と外周側磁石13の間の磁力により回転子18を有する回転軸17を浮上させ、非接触にて回転させることができるため、摩擦を低減させることができ、発電効率を高めることができる。すなわち、回転開始当初は、例えばベアリング等と若干の接触があるが、回転が軌道にのると、磁気浮上しているため、生じる摩擦を限りなくゼロに近づけることができる。
(2)円筒回転体16の内周側磁石14と外周側磁石13の間の磁力の反発により回転子18を有する回転軸17を浮上させるため、複雑な制御装置を特に設ける必要ない。
(3)円筒回転体16を磁力により浮上させて磁気軸受けとしての機能も持たせることにより、円筒回転体16による回転子18の回転の安定と、磁気軸受けによる非接触による回転を円筒回転体16と外周側磁石13からなる一つの構成にて同時に実現することができ、装置の小型化と低コスト化を図ることができる。
(4)筐体12の内部を減圧(例えば真空化)することにより、より摩擦抵抗を低減することができる。
更には、外周側磁石13を超伝導マグネットによって構成することもできる。この場合は、超伝導部材でコイルを複数形成し、各々の磁極が内周面を向くように円周に沿って配設する。そして、場合によっては、液体窒素などで当該コイルをTc(超伝導転移温度)以下に冷却する。
元来、特に発電モータは、回転に多くのトルクを必要とするものが一般的である。そのトルクが大きいが為に、発電モータの回転駆動には、大きなトルク出力の得られる物が求められていた。
しかしながら、この発明ポイントは、「無重力円筒回転体装置」を使うことにより「発電モータ」を「無重力化」することで、限りなく回転が落ちない方向で設計されていくことを意味する、今までとは異なる新たな発想を持った「発電モータ」になるということになる。
「発電モータ」の動力源は、回転が落ちた分だけ、その都度、回転を元に戻す為に回転を加えるという方式に変化した「加回転動力源」でよくなり、そのことは、画期的なエネルギー効率の発電モータのシステム化ができあがることを意味している。
それは、回転が落ちてきた時「減速時」に、落ちた分だけ更に回転を加え、元の必要とする回転に戻すという、今までになかった動力源の考え方に変わり、この「減速時」に、動力源は、更なる回転エネルギーを加えるためのエネルギー源としての「加回転動力源」としての考え方になる。
そのため、一度高速回転を始めたモータの減速を補う発電モータのエネルギーは、「加回転動力源」の位置づけとして考えればよくなり、当然、この発電モータの必要条件は、大きなトルクを必要としない「省エネルギーな軽回転」なもので済み、エネルギー効率的にも画期的な「軽回転」「加回転動力源」に変わってくる。
駆動モータに於いても同様に、必要回転数が落ちた分だけの回転を加える考え方で、また、その時、加える回転力は無重力状態に回転を加えるので大変小さいエネルギーを加えるだけで済むという利点は、駆動モータに於いても同様に得ることができる。そのため、回転させる為のエネルギーのとても少ない高効率モータになり、「無重力駆動モータシステム」を提供することができる。
更に同様に、この「無重力円筒回転体」を利用した応用は多岐に渡り、その一例として、大型無停電電源装置(USP・Uninterruuptible Power Supply)などには、高効率化に絶好の手段となる。
「超強力磁石」ネオジムに代表される新たに開発された磁性体と今後開発される超強力磁性体と、超伝導体化した磁性体を含むものを意味する。
13 外周側磁石
14 内周側磁石
15 円板部材
16 円筒回転体
17 回転軸
18 回転子
19 固定子
20 転がり軸受け
31 外周側分割磁石
41 内周側分割磁石
100 発電及び駆動装置
また、本発明は、磁力回転浮上装置を施したフライホイール装置を提供することを目的とする。
(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸から半径外方向に伸長する円板部材と、
(c)前記円板部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(d)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有する、
フライホイール装置であって、
(e)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(f)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、
(g)前記円板部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(h)前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(i)前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成するフライホイール装置を提供する。
請求項6に記載の発明では、
(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸に取り付けられた回転子と、
(c)前記回転子の外周に配された固定子とを、
有する回転電機において、
(d)前記回転軸から半径外方向に伸長する円板部材と、
(e)前記円板部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(f)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有し、
(g)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(h)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、かつ前記内側円筒部材の内径は、前記回転子の外径より大きく設定され、
(i)前記円板部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(j)前記外側円筒部材の外径は、前記固定子の外径と略同一に設定され、かつ前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(k)前記円板部材と前記内側円筒部材とは、フライホイールを構成し、かつ前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成することを特徴とする回転電機を提供する。
請求項14に記載の発明では、
(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸から半径外方向に伸長する支持部材と、
(c)前記支持部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(d)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有する、
フライホイール装置であって、
(e)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(f)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、
(g)前記支持部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(h)前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(i)前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成するフライホイール装置を提供する。
請求項15に記載の発明では、(a)水平方向に伸長する回転軸と、
(b)前記回転軸に取り付けられた回転子と、
(c)前記回転子の外周に配された固定子とを、
有する回転電機において、
(d)前記回転軸から半径外方向に伸長する支持部材と、
(e)前記支持部材の前記回転軸と反対側の端部に接続され、前記回転軸と同軸に形成された内側円筒部材と、
(f)前記内側円筒部材の外周に対向し、かつ前記内側円筒部材の外周から離隔して配された外側円筒部材とを有し、
(g)前記内側円筒部材の外径が前記回転軸の外径の6倍以上であり、
(h)前記内側円筒部材は、その半径方向の厚みが前記内側円筒部材の前記外径の10%以下に設定され、かつ前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記厚みの少なくとも4倍以上の長さに亘って伸長し、かつ前記内側円筒部材の内径は、前記回転子の外径より大きく設定され、
(i)前記支持部材の前記回転軸の軸方向と平行に伸長する長さは、前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長の30%以下であり、
(j)前記外側円筒部材の外径は、前記固定子の外径と略同一に設定され、かつ前記外側円筒部材は、前記回転軸の軸方向と平行に、かつ前記内側円筒部材の前記回転軸の軸方向長と同等かそれ以上の距離に亘って伸長し、
(k)前記円板部材と前記内側円筒部材とは、フライホイールを構成し、かつ前記内側円筒部材の外径より前記外側円筒部材の内径が大きく設定され、前記内側円筒部材と前記外側円筒部材は、磁気軸受けを構成することを特徴とする回転電機を提供する。
回転軸17の軸方向中心部分には、固定子19の内周面に面する領域にて界磁巻線が巻回された回転子18が回転軸17に固定されている。
回転子18は、回転軸17に固定された回転子として機能している。
そして、回転軸17の両端部分には、外周側磁石13a、外周側磁石13bの内周面に面する領域にて、それぞれフライホイール16a、フライホイール16bが固定されている。
フライホイール16bの構成も同様であり、円板部材15bと内周側磁石14bにより構成されている。
以下、フライホイール16a、フライホイール16b、円板部材15a、円板部材15b、内周側磁石14a、内周側磁石14bを特に区別しない場合は、単にフライホイール16、円板部材15、内周側磁石14と記載する。
内周側磁石14は、円筒状に形成された磁石であって、外周面が外周側磁石13の内周面に所定の距離を隔てて対面するように外径が設定されている。
なお、回転軸17には、軸方向に移動する力が作用するが、図示しない規制手段により、回転軸17の軸方向の移動は規制されている。
また、例えば、外周側磁石13aの内周面と内周側磁石14aの外周面がN極で、外周側磁石13bの内周面と内周側磁石14bの外周面がS極である、というように、フライホイール16aとフライホイール16bで磁石の磁極が逆でもよいし、あるいは、同じでもよい。
さらに、外周側磁石13と内周側磁石14の磁力の大きさは特に規定しないが、大きいほどよく、また、両者の磁力の大きさが同程度であるのが望ましい。
このように、内周側磁石14と外周側磁石13により構成される磁気軸受けは、回転軸17を磁力の反発力により中心部に向けて浮上させて回転子18を筐体12に軸支する軸支手段として機能している。
そして、この磁気軸受けは、フライホイール16の外周に形成された内周側磁石14と、これに対向して筐体12に配設された外周側磁石13の磁極が反発することにより実現される。
このように、フライホイール16は、回転子18の回転を安定させるという本来の目的に加えて、外周側磁石13との相互作用により回転子18を有する回転軸17を磁気浮上させて軸支するという磁気軸受けとしての機能を兼ね備えている。
このため、発電及び駆動装置100は、回転子18の回転にともなう摩擦を低減するとともに回転子18の回転を安定させ、更に、発電及び駆動装置100を小型化することができる。
これらは、磁気回転浮上装置を施したフライホイール装置により、新たに生み出された効果である。
(1)フライホイール16の内周側磁石14と外周側磁石13の間の磁力により回転子18を有する回転軸17を浮上させ、非接触にて回転させることができるため、摩擦を低減させることができ、発電効率を高めることができる。すなわち、回転開始当初は、例えばベアリング等と若干の接触があるが、回転が軌道にのると、磁気浮上しているため、生じる摩擦を限りなくゼロに近づけることができる。
(2)フライホイール16の内周側磁石14と外周側磁石13の間の磁力の反発により回転子18を有する回転軸17を浮上させるため、複雑な制御装置を特に設ける必要ない。
(3)フライホイール16を磁力により浮上させて磁気軸受けとしての機能も持たせることにより、フライホイール16による回転子18の回転の安定と、磁気軸受けによる非接触による回転をフライホイール16と外周側磁石13からなる一つの構成にて同時に実現することができ、装置の小型化と低コスト化を図ることができる。
(4)筐体12の内部を減圧(例えば真空化)することにより、より摩擦抵抗を低減することができる。
元来、特に発電モータは、回転に多くのトルクを必要とするものが一般的である。そのトルクが大きいが為に、発電モータの回転駆動には、大きなトルク出力の得られる物が求められていた。
しかしながら、この発明ポイントは、「無重力フライホイール装置」を使うことにより「発電モータ」を「無重力化」することで、限りなく回転が落ちない方向で設計されていくことを意味する、今までとは異なる新たな発想を持った「発電モータ」になるということになる。
「発電モータ」の動力源は、回転が落ちた分だけ、その都度、回転を元に戻す為に回転を加えるという方式に変化した「加回転動力源」でよくなり、そのことは、画期的なエネルギー効率の発電モータのシステム化ができあがることを意味している。
それは、回転が落ちてきた時「減速時」に、落ちた分だけ更に回転を加え、元の必要とする回転に戻すという、今までになかった動力源の考え方に変わり、この「減速時」に、動力源は、更なる回転エネルギーを加えるためのエネルギー源としての「加回転動力源」としての考え方になる。
そのため、一度高速回転を始めたモータの減速を補う発電モータのエネルギーは、「加回転動力源」の位置づけとして考えればよくなり、当然、この発電モータの必要条件は、大きなトルクを必要としない「省エネルギーな軽回転」なもので済み、エネルギー効率的にも画期的な「軽回転」「加回転動力源」に変わってくる。
駆動モータに於いても同様に、必要回転数が落ちた分だけの回転を加える考え方で、また、その時、加える回転力は無重力状態に回転を加えるので大変小さいエネルギーを加えるだけで済むという利点は、駆動モータに於いても同様に得ることができる。そのため、回転させる為のエネルギーのとても少ない高効率モータになり、「無重力駆動モータシステム」を提供することができる。
更に同様に、この「無重力フライホイール」を利用した応用は多岐に渡り、その一例として、大型無停電電源装置(USP・Uninterruuptible Power Supply)などには、高効率化に絶好の手段となる。
「超強力磁石」ネオジムに代表される新たに開発された磁性体と今後開発される超強力磁性体と、超伝導体化した磁性体を含むものを意味する。
13 外周側磁石
14 内周側磁石
15 円板部材
16 フライホイール
17 回転軸
18 回転子
19 固定子
20 転がり軸受け
31 外周側分割磁石
41 内周側分割磁石
100 発電及び駆動装置
Claims (4)
- 一定幅を持った外周面に円筒状のネオジム磁石類が設置されたフライホイールと、
当該外周面の外側に一定間隔を持って配置され、前記フライホイールよりも大きな径を持ち、一定幅を持った円周状の磁性部材と、からなり、
前記フライホイールの外周面と前記磁性部材の内周面とが、一定幅の面で磁石の同極を面して向かい合う形で形成され、
この磁石の同極の反発力が、フライホイールの形状から、円形の全方位から中心部に力を集約させる集約反発力となり、一定の重さを支える中心軸を持った、磁気浮上回転装置を施したことを特徴とするフライホイール装置。
- 一定幅を持った外周面に扇型に分割されたネオジム磁石を円周方向に任意の間隔をもって配置されたネオジム磁石類が設置されたフライホイールと、
当該外周面の外側に一定間隔を持って配置され、前記フライホイールよりも大きな径を持ち、一定幅を持った円周状の磁性部材と、からなり、
前記フライホイールの外周面と前記磁性部材の内周面とが、一定幅の面で磁石の同極を面して向かい合う形で形成され、
この磁石の同極の反発力が、フライホイールの形状から、円形の全方位から中心部に力を集約させる集約反発力となり、一定の重さを支える中心軸を持った、磁気浮上回転装置を施したことを特徴とするフライホイール装置。
- 回転軸と、この回転軸に固定された回転子とからなる駆動部と、前記回転子の外周面に対向して筐体に配設された固定子と、からなる発電及び駆動モータであって、
前記発電及び駆動モータの端部に、請求項1又は請求項2記載のフライホイール装置を設置し、前記発電及び駆動モータの回転軸と同軸上に、前記両磁気浮上回転装置の中心軸を設けた構造を持つことで、前記駆動部を磁気浮上させることを特徴とする発電及び駆動モータ装置。
- 前記発電及び駆動モータの両端部に、請求項1又は請求項2記載のフライホイール装置を設置し、前記発電及び駆動モータの回転軸と同軸上に、前記両磁気浮上回転装置の中心軸を設けた構造を持つことで、前記駆動部を磁気浮上させることを特徴とする請求項3記載の発電及び駆動モータ装置。
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