JPWO2017158673A1 - 質量分析データ解析装置及び質量分析データ解析用プログラム - Google Patents

質量分析データ解析装置及び質量分析データ解析用プログラム Download PDF

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Abstract

ユーザーがグループ毎にサンプルを入力設定すると(S2)、グループ毎のピークリストを示すサンプルツリーとそのピークリストに含まれるm/z値と信号強度値との情報を整理したピークマトリクスが作成され、さらにピークマトリクスに対し多変量解析が実行される(S3-S4)。サンプルツリー、ピークマトリクス、スコアプロット、ローディングプロット等が解析メイン画面上に表示され、ローディングプロット上でユーザーが任意のプロット点を指示するとピークマトリクス上の対応するピークを示す行が明示される(S5-S7)。明示されたピークに対応するチェックを外すと、そのピークを除いた多変量解析が実行されスコアプロット等が更新される(S9-S10)。スコアプロット上でグループの分離ができていなければ、除外したピークが複数のグループを分離するのに寄与しているマーカーであると視認できる。こうして簡便且つ正確にマーカーを探索することができる。

Description

本発明は、質量分析を行うことで得られたマススペクトルデータを解析処理する質量分析データ解析装置及びそのためのコンピュータプログラムに関し、さらに詳しくは、複数のサンプルグループの間での差異解析を行うのに好適な質量分析データ解析装置及びコンピュータプログラムに関する。
近年、特定の疾病や疾患の早期診断や治療効果の確認などのために、質量分析法を利用したバイオマーカーの解析の研究が進められ、一部は実用に供されている。例えば複数の健常者から採取した血液、尿等の生体試料には全く又は殆ど存在せず、ガンなどの疾患を罹患している複数の患者から採取した同様の生体試料に明確に存在している物質が見つかれば、その物質はその疾患における有力なバイオマーカー候補であるといえる。また、細菌などの微生物の菌種、菌株の同定や判定にもバイオマーカーが利用されている。一般にこうしたバイオマーカーの探索は、2又はそれ以上の複数のグループにそれぞれ由来するサンプルを質量分析装置により測定し、それにより得られたデータについてグループ間での差異解析を行うことで行われる。
従来の一般的な、差異解析を利用したマーカー(生物や生体に由来するものとは限らないので、以下、単に「マーカー」という)の探索の手順について概略的に説明する(特許文献1、非特許文献1〜3等参照)。いま、グループの総数をG、サンプルの総数をSとする。
[ステップ1]まず、各サンプルに対するマススペクトルデータをそれぞれ取得し、ピーク検出を行ってピーク情報、つまり各ピークの質量電荷比値及び信号強度値を収集する。そして、サンプル毎にそのピーク情報をピークリストとして整理する。ピークリストは、ピークの質量電荷比値の順に、その質量電荷比値に対する信号強度値をまとめたものである。このピークリストの総数はSであり、それらはG個のグループに分類され得る。
[ステップ2]一つの、つまりは一つのサンプルに対するピークリストを列ベクトルとし、同じ質量電荷比値に対する信号強度値が同一行に配置されるように、全てのピークリストを行方向つまり横方向に並べることによってピークマトリクスを作成する。このとき、行方向にはグループ毎にピークリストをまとめる。こうして作成されるピークマトリクスの列数はサンプル総数と同じSであり、行数はサンプル全体について観測されたピークの総数P(ただし質量電荷比値が或る閾値内に収まるピークは重複しているものとして1とする)である。図8はピークマトリクスの一例である。この例ではグループ数Gは2である。
[ステップ3]ピークマトリクスの各列をG個のグループから取得したS個のP次元ベクトルであると捉え、これに対し主成分分析(PCA=Principal Component Analysis)や部分最小二乗判別分析(PLS−DA=Partial Least Squares - Discriminant Analysis)などの所定の多変量解析を実行する。そして、その多変量解析の結果から、グループ分離の度合いとグループ分離に寄与しているピーク(質量電荷比値)の候補を把握する。
具体的には、ピークマトリクスに対し例えばPCAやPLS−DA行うと、ピークマトリクスの各列を低次元の空間に射影して得られるスコアプロットや、ピークマトリクスからスコアプロットへの変換行列の成分をグラフ化したローディングプロットが得られる。図9はPCAによるスコアプロット及びローディングプロットの一例である。図9(a)に示すスコアプロットにおいて○で示すプロット点と●で示すプロット点とは異なるグループのサンプルに対応している。図中に点線で示しているように、スコアプロットはグループ間の分離の度合いを視覚的に確認するのに有用である。
一方、図9(b)に示すローディングプロットにおいてプロット点はピークマトリクスの各行、つまりは各ピークに対応している。ローディングプロットでは、通常、グループ間で信号強度に有意な差があるピーク(つまりは存在量に大きな差異がある物質)を示すプロット点は第1軸(横軸)上で絶対値が大きい領域にプロットされる。即ち、第1軸のローディング値の絶対値が大きければ大きいほど、グループの分離に寄与しているピークであるといえる。したがって、図9(b)の例では点線で囲んだ二つのプロット点がグループの分離に寄与しているピークであり、これをマーカーの候補として挙げることができる。このように、ローディングプロットはグループ間の分離に寄与しているピーク、つまりはマーカー候補を見いだすのに有用である。
しかしながら、上述したようにローディングプロットに基づいて抽出されたピークが必ずしもグループ間の分離に寄与しているピークであるとは限らない。特にサンプルに含まれる成分の数が多くピークの数が多い場合やノイズピークが多い等マススペクトルの品質が良好でない場合などには、ローディングプロットに基づいて抽出されたマーカー候補が実際にはマーカーとして利用できないこともよくある。そこで、上記のような差異解析では、通常、多変量解析結果からマーカー候補であるとして選択されたピークが真にグループの分離に寄与しているのか否かをユーザー(解析者)が確認する必要がある。また、複数のマーカー候補がある場合には、そのうちのいずれのマーカー候補がマーカーとして最も適切であるのかをユーザーが判断する必要がある。
こうした確認や判断を行うには、マーカー候補であるピークを除外してピークマトリクスを作成し直し、そのピークマトリクスに対し同じ多変量解析を実行して得られた結果で、グループの分離が可能であるか否かを確認すればよい。しかしながら、こうした作業は非常に面倒で手間が掛かる。また、多変量解析結果からマーカー候補であると推定されるピークを除外したピークマトリクスを作成する際に、誤って別のピークを除外してしまう等の作業上のミスも起こり易い。
特開2014−202582号公報
藤田雄一郎、ほか9名、「Mass++:差異解析のための統計・多変量解析機能」、第61回質量分析総合討論会発表資料、[online]、[平成28年2月25日検索]、インターネット<http://www.shimadzu.co.jp/aboutus/ms_r/archive/files/MSSJ2013/MSSJ13_1P-07_Fujita.pdf> 藤田雄一郎、ほか10名、「ノベル・プレプロセシング・メソッド・トゥー・アライン・リテンション・タイム・オブ・エルシー- マルディ・アンド・ニュー・インプリメンテッド・ファンクションズ・イン・マス++・フォー・ディファレンシャル・アナリシス(Novel preprocessing method to align retention time of LC-MALDI and new implemented functions in Mass++ for differential analysis)」、61ス・エーエスエムエス・コンファレンス・オン・マス・スペクトロメトリー(61th ASMS Conference on Mass Spectrometry)ポスター発表、2013年 草野麻衣子、ほか4名、「非侵襲手法により採取した生体体表成分の多変量解析」、第38回日本医用マススペクトル学会年会ポスター発表、2013年
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主たる目的は、多変量解析結果に基づいて複数のグループを分離するのに寄与するマーカー候補を探索する作業を効率的に且つ精度良く行うことができる質量分析データ解析装置及び質量分析データ解析用プログラムを提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析データ解析装置は、それぞれが複数のグループのいずれかに属する複数のサンプルについて質量分析を行うことで得られたマススペクトルデータに基づいて、該複数のグループの分離に寄与するマーカーとなる要素を探索する質量分析データ解析装置であって、
a)与えられた複数のサンプルに対するマススペクトルデータに基づいて、マススペクトル上のピークの質量電荷比値を行方向又は列方向に、サンプルを識別する情報を列方向又は行方向に割り当て、ピークの信号強度値を要素として配置したピークマトリクスを作成するピークマトリクス作成部と、
b)前記ピークマトリクス作成部により作成されたピークマトリクス、又は該ピークマトリクスから後記除外ピーク指定部により指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し、複数のサンプルをグループ化する又はサンプル同士の距離を求めるための所定の多変量解析を行い、その多変量解析をグラフ化する多変量解析部と、
c)前記ピークマトリクス及び多変量解析結果のグラフを表示画面上に表示する表示処理部と、
d)前記表示画面上に表示された多変量解析結果のグラフ上で任意の一又は複数のプロット点がユーザーにより指定されたのを受けて、該一又は複数のプロット点に対応するピークを示す前記ピークマトリクスの行又は列を特定し、前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上でその特定された行又は列を明示する選択ピーク明示部と、
e)前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上で多変量解析の対象から除外したいピークをユーザーが指定するための除外ピーク指定部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析データ解析用プログラムは、コンピュータを用い、それぞれが複数のグループのいずれかに属する複数のサンプルについて質量分析を行うことで得られたマススペクトルデータに基づいて、該複数のグループの分離に寄与するマーカーとなる要素を探索するための質量分析データ解析用プログラムであって、
a)与えられた複数のサンプルに対するマススペクトルデータに基づいて、マススペクトル上のピークの質量電荷比値を行方向又は列方向に、サンプルを識別する情報を列方向又は行方向に割り当て、ピークの信号強度値を要素として配置したピークマトリクスを作成するピークマトリクス作成ステップと、
b)前記ピークマトリクス作成ステップにおいて作成されたピークマトリクス、又は該ピークマトリクスから後記除外ピーク指定ステップにおいて指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し、複数のサンプルをグループ化する又はサンプル同士の距離を求めるための所定の多変量解析を行い、その多変量解析をグラフ化する多変量解析ステップと、
c)前記ピークマトリクス及び多変量解析結果のグラフを表示画面上に表示する表示処理ステップと、
d)前記表示画面上に表示された多変量解析結果のグラフ上で任意の一又は複数のプロット点がユーザーにより指定されたのを受けて、該一又は複数のプロット点に対応するピークを示す前記ピークマトリクスの行又は列を特定し、前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上でその特定された行又は列を明示する選択ピーク明示ステップと、
e)前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上で多変量解析の対象から除外したいピークをユーザーが指定する除外ピーク指定ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴としている。
本発明に係る質量分析データ解析装置及び質量分析データ解析用プログラムにおいて、多変量解析としては典型的には、PCA、PLS−DA、或いはこれらを改良した種々のアルゴリズムを用いるとよい。これら多変量解析を用いる場合、上記多変量解析部によりグラフ化され上記表示処理部により表示画面上に表示されるグラフはローディングプロットである。
本発明に係る質量分析データ解析装置では、例えば複数のグループにそれぞれ属することが既知であるサンプルについて質量分析を行うことで得られたマススペクトルデータ、又は、各マススペクトルに対し所定のアルゴリムに則ったピーク検出が実行されることで検出されたピーク情報を含むピークリストが与えられる。前者の場合には、本解析装置においてピーク検出を行いピークリストを作成すればよい。
本発明に係る質量分析データ解析装置において、ピークマトリクス作成部はサンプル毎のピークリストに基づいてピークマトリクスを作成する。最初に作成されるピークマトリクスは与えられた全てのサンプルのピーク情報を含む。次に多変量解析部は、作成されたピークマトリクスに対しPCA、PLS−DA等の多変量解析を実行し、多変量解析結果のグラフとして例えばスコアプロットとローディングプロットを作成する。そして、表示処理部はモニタ等の表示画面上に、ピークマトリクスと多変量解析結果のグラフとを表示する。
上述したようにローディングプロット上の各プロット点はそれぞれピークマトリクスに挙げられているピークに対応しており、ローディングプロット上のプロット点の位置は複数のグループへのサンプルの分離の寄与度合いを示していることが多い。そこで、ユーザーは例えばローディングプロット上でサンプルの分離に寄与していると推定されるプロット点を選択し、該プロット点を例えばポインティングデバイスによるクリック操作等で指示する。もちろん、一つのみならず複数のプロット点を指示しても構わない。また、プロット点を個別に指示するのではなく、ローディングプロット上の任意の範囲をグラフィカルに指示できるようにしておき、或る範囲が指示されたときに該範囲に含まれる一又は複数のプロット点が指示されたものとみなしてもよい。
選択ピーク明示部は、上述したような一又は複数のプロット点の指示を受けて、各プロット点に対応するピークを示すピークマトリクスの行又は列を特定する。1個のプロット点はピークマトリクスの1行又は1列に対応する。そして、表示画面に表示されたピークマトリクス上で、その特定された行又は列の情報の表示色を他と変えたり、その背景色を他と変えたり、或いは、表示された文字の態様を変えたりすることで、他と識別できるように明示する。これにより、ユーザーは自らが多変量解析結果のグラフ(即ちローディングプロット)上で指示したプロット点に対応するピークマトリクス上の行又は列を視覚的に把握することができる。
この明示されたピークがマーカー候補ではあるものの、真にマーカーであるという保証はない。そこで、マーカー候補がマーカーとして適切であるか否かを確認したい場合に、ユーザーは、ピークマトリクス上で明示された行又は列に対応するピークを多変量解析の対象から除外するように除外ピーク指定部により指定する。指定方法は簡便であることが望ましいから、例えばピークマトリクスの行毎又は列毎に設けられたチェックボックスにチェックマークを入れる又はチェックマークを外す等の操作で指定が行えるようにするとよい。除外ピーク指定部により一又は複数のピークの除外が指定されると、多変量解析部は今度は、元のピークマトリクスから指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し多変量解析を実行する。そして表示処理部は表示画面上に表示されている多変量解析結果のグラフを更新する。
除外ピーク指定部により除外するよう指定したピークがマーカーであれば、これを除いたピークマトリクスに基づく多変量解析ではサンプルが適切にグループ分けされなくなる筈である。そこで、ユーザーは表示されている多変量解析結果のグラフ、例えばスコアプロット上でサンプルの分離度合いを判断し、分離されていないようであれば指定したピークがマーカーとして適切であると結論付けることができる。一方、相変わらずサンプルが本来のグループに分離されているようであれば、先に除外するよう指定したピークはサンプルの分離に寄与していない又は部分的にしか寄与していないと判断できる。そこで、必要に応じて、先と同様に、ローディングプロット上で別のマーカー候補のプロット点を指示するという作業を行い、そのマーカー候補が適切であるかどうか確認すればよい。
また、グループ数が3以上である場合、或るマーカーが3以上のグループへの分離に寄与しているというケースは少なく、或るマーカーは一つのグループAと他の複数のグループとへの分離に寄与し、別のマーカーがグループAとは異なる一つのグループBと他の複数のグループとへの分離に寄与しているというケースが殆どであると考えられる。即ち、グループの数が3以上である場合には、通常、複数のマーカーが存在し、マーカー毎にそマーカーによって分離されるグループが異なる。こうした場合には、或るグループの分離に寄与するマーカーが判明したならば、そのグループに属するサンプル由来のデータを解析処理対象から除き、残りのサンプルに対するデータに基づいて次のマーカーを探索するようにすると、より効率的にマーカーを見つけることができる。
そこで本発明に係る質量分析データ解析装置において、好ましくは、
前記複数のグループのうちの任意の一又は複数のグループを多変量解析の対象から除外したいグループとしてユーザーが指定するための除外グループ指定部をさらに備え、
前記ピークマトリクス作成部は、前記除外グループ指定部により指定されたグループに含まれるサンプルを除外した残りのサンプルに対するマススペクトルデータに基づいてピークマトリクスを作成し、
前記多変量解析部は、その一部のグループに含まれるサンプル除外後のピークマトリクス、又は該ピークマトリクスから前記除外ピーク指定部により指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し、所定の多変量解析を実行する構成とするとよい。
例えば除外グループ指定部は、サンプルが属する全てのグループの情報(グループ番号などのグループの識別子)とそれに対応したチェックボックスを表示画面上に表示し、そのチェックボックスにチェックマークを入れる又はチェックマークを外す等の操作によって除外したいグループを指定できるようにするとよい。
この構成によれば、グループの数が多く、またその複数のグループ間の分離に寄与するマーカーの数も多いような場合であっても、マーカーであると推測される候補一つ一つについて真に分離に寄与しているか否かを確認しつつ、適切なマーカーを効率良く決定することができる。
本発明に係る質量分析データ解析装置及び質量分析データ解析用プログラムによれば、多数のサンプルを複数のグループに分離するのに寄与しているマーカーを探索する際に、マーカー候補であるピークが真に分離に寄与しているか否かを、簡便な操作で且つ的確に視認することが可能となる。それにより、マーカーの探索作業を効率的に且つ精度良く行うことができる。
本発明の一実施例である質量分析データ解析装置の概略ブロック構成図。 本実施例の質量分析データ解析装置において表示部に表示される解析メイン画面の概略配置図。 本実施例の質量分析データ解析装置におけるマーカー探索の際の操作及び処理のフローチャート。 本実施例の質量分析データ解析装置におけるサンプルツリー編集ダイアログの一例を示す図。 本実施例の質量分析データ解析装置における解析メイン画面の表示例(左半分)を示す図。 本実施例の質量分析データ解析装置における解析メイン画面の表示例(右半分)を示す図。 本実施例の質量分析データ解析装置においてグループ数が3以上である場合におけるマーカー探索の際の操作及び処理の部分的なフローチャート。 ピークマトリクスの一例を示す図。 差異解析によるマーカー探索の際のPCAによるスコアプロット及びローディングプロットの一例を示す図。
以下、本発明に係る質量分析データ解析装置の一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例の質量分析データ解析装置の概略ブロック構成図である。
本実施例の質量分析データ解析装置は、マススペクトルデータ格納部10、ピークリスト作成部11、サンプルツリー作成部12、ピークマトリクス作成部13、多変量解析部14、ピークマトリクス-多変量解析結果連携処理部15、マーカー候補指定受付部16、マーカー候補ピーク除外指定受付部17、グループ除外指定受付部18、及び差異解析表示処理部19、を機能ブロックとして有するデータ解析部1と、ユーザー(解析者)が何らかの入力や指示を行ったりするための入力部2と、解析結果等が表示される表示部3と、を備える。
通常、このデータ解析部1の実体はパーソナルコンピュータ又はより高性能なワークステーション等のコンピュータであり、該コンピュータにインストールされた専用のデータ解析ソフトウエアを該コンピュータ上で実行することによって、上記各機能ブロックが具現化される。その場合、入力部2はコンピュータのキーボードやマウス等のポインティングデバイスであり、表示部3はモニタである。こうした構成では、コンピュータにインストールされたデータ解析ソフトウエアが本発明に係る質量分析データ解析用プログラムに相当する。
質量分析装置4において所定のサンプルに対し質量分析が実行されることで得られた所定の質量電荷比範囲のマススペクトルデータはデータ解析部1に送られ、マススペクトルデータ格納部10に格納される。ただし、或る特定の1台の質量分析装置4により得られたマススペクトルのみならず、他の質量分析装置において同様に得られたマススペクトルデータもマススペクトルデータ格納部10に格納することが可能である。即ち、データ解析部1において解析対象である多数のサンプルに対するマススペクトルデータは、特定の1台の質量分析装置で得られたデータでもよいし、異なる複数の質量分析装置で得られたデータでもよく、そうしたデータの制約はない。
いずれにしても、マススペクトルデータ格納部10には多数のサンプルに対するマススペクトルデータが格納される。所定のタイミングでピークリスト作成部11は個々のマススペクトルデータに対し所定のアルゴリズムに従ってピークを検出し、検出された各ピークの位置(質量電荷比値)と信号強度値とを求める。そして、マススペクトル毎に、質量電荷比値Mpと信号強度値Ipとの組(Mp,Ip)(ただし、p=1,2,…)を多数集めたピークリストを作成する。そして、サンプル毎にピークリストを格納したデータファイルを作成し、該データファイルをマススペクトルデータ格納部10に格納する。
ここでは、差異解析によるマーカーの探索を行う前提として、多数のサンプルについてそれぞれピークリストが格納されたデータファイルがマススペクトルデータ格納部10に保存されているものとする。その多数のサンプルは複数のグループのいずれかに属することが既知である。例えば、特定の疾病を罹患している患者のグループと健常者のグループとの二つのグループがある場合、複数の患者からそれぞれ採取した血液や尿が患者のグループに属するサンプルであり、複数の健常者からそれぞれ採取した血液や尿が健常者のグループに属するサンプルである。
図3に示すフローチャートを参照しつつ、差異解析によるマーカーの探索のための操作及び処理動作について説明する。ここでは、Grouo1とGroup2という二つのグループがある場合を例に挙げる。
ユーザーは入力部2で所定の操作を行い、解析処理プログラムを起動させる。これにより、表示部3の画面上には所定の解析メイン画面(初期画面)が表示される(ステップS1)。図2は解析メイン画面50の概略配置図である。具体例については後述するが、解析メイン画面50中には、サンプルツリー表示領域51、マススペクトル表示領域53、ピークマトリクス表示領域54、多変量解析結果表示領域56、及び解析条件設定領域57が配置されている。
そのあとユーザーが入力部2所定の操作を行うと、この操作を受けてサンプルツリー作成部12は、図4に示すサンプルツリー編集(Edit Sample Tree)ダイアログ60を解析メイン画面50に重ねて表示する。サンプルツリー編集ダイアログ60には、グループ設定領域61とサンプル設定領域62とが設けられている。ユーザーはこのダイアログ60上で、「グループ追加(Add Group)」ボタン63及び「グループ削除(Remove Groups)」ボタン64をクリック操作することで任意の数のグループを設定する。図4の例では、Grouo1とGroup2という二つのグループが設定された状態であるが、さらにグループを追加することも可能である。
ユーザーはグループを設定したあと、矢印ボタン65により一つのグループを指定して、該グループに属するサンプルに対応するピークリストのデータファイルを選択する。すると、サンプルツリー作成部12は選択されたピークリストのデータファイル名等をサンプル設定領域62に読み込む。サンプル設定領域62に表示されたピークリストのデータファイル名は、「ピークリスト追加(Add Peak Lists)」ボタン66、「ピークリスト削除(Remove Peak Lists)」ボタン67、及び矢印ボタン68の操作により、適宜追加、削除することもできる。こうした操作により、解析対象とする全てのサンプルに対応するピークリストのデータファイルを、グループ毎に設定する。そうした設定が完了したならば、ユーザーは「OK」ボタン69をクリック操作することによりサンプルツリーの作成を指示する(ステップS2)。
この指示を受けてサンプルツリー作成部12は設定されているグループとピークリストのデータファイル名とに基づいて、グループ毎にピークリストのデータファイル名を列記したサンプルツリーを作成する。図4の例ではグループはGroup1とGroup2の二つであり、図5に示した解析メイン画面50中のサンプルツリー表示領域51に描かれているようなサンプルツリーを作成する。また、サンプルツリー作成と並行して、ピークマトリクス作成部13は、サンプルツリーで挙げられているピークリストのデータファイル中のデータを読み込み、これを整理してピークマトリクスを作成する(ステップS3)。ここでは図8の例で既に述べたように、全てのピークの質量電荷比値を縦方向に並べ、サンプル(ピークリストのデータファイル)を横方向に並べることでピークマトリクスを作成している。
ピークマトリクスが作成されると多変量解析部14は、このピークマトリクスに対して多変量解析を実行する。ここでは後述するように多変量解析の手法としてPCAとPLS−DAとが選択可能となっており、選択されているほうの多変量解析を実行し、スコアプロット及びローディングプロットを多変量解析結果として作成する(ステップS4)。ステップS3で作成されたサンプルツリー及びピークマトリクス、ステップS4で作成されたスコアプロット及びローディングプロットはいずれも差異解析表示処理部19に送られ、差異解析表示処理部19はそれらを、図5及び図6に示すように、表示部3に表示されている解析メイン画面50中のサンプルツリー表示領域51、ピークマトリクス表示領域54、及び多変量解析結果表示領域56中にそれぞれ表示する(ステップS5)。もちろん、サンプルツリー、ピークマトリクス、多変量解析結果(スコアプロット及びローディングプロット)は一度に表示されるのではなく、作成された順に表示されるようにしてもよい。また、図5及び図6に示すように、マススペクトル表示領域53には、全てのピークリストに挙げられているピークが重ねられたマススペクトルが表示される。
上述したサンプルツリーの作成及び表示、ピークマトリクスの作成及び表示、多変量解析の実行及びその結果の表示は、サンプルツリーに設定すべきグループとサンプル(ピークリスト)が確定すると、具体的には、サンプルツリー編集ダイアログ60上の「OK」ボタン69がクリック操作されたことを受けて、自動的に連続して行われる。その結果、図5及び図6に示すように、解析メイン画面50中のサンプルツリー表示領域51にはサンプルツリーが、マススペクトル表示領域53にはマススペクトルが、ピークマトリクス表示領域54にはピークマトリクスが、多変量解析結果表示領域56にはスコアプロット561及びローディングプロット562が、それぞれ表示される。
なお、解析条件設定領域57中の解析手法選択欄58には、多変量解析の手法としてPCA、PLS−DAのいずれかを選択するためのラジオボタンが配置されており、ここで選択されている多変量解析が実行される。
上述したように解析メイン画面50の多変量解析結果表示領域56に表示されているスコアプロット561において、ユーザーは、Group1に属するサンプルとGroup2に属するサンプルとが十分に分離されていることを確認する。そして分離が十分であれば、ローディングプロット562上でグループへのサンプルの分離に寄与していると推定されるプロット点(一つのプロット点は一本のピークに対応する)をマーカー候補として入力部2により選択指示する。具体的には、ポインティングデバイスによりローディングプロット562上の任意のプロット点又はその至近の位置をクリック操作することによって、該プロット点を選択指示することができる(ステップS6)。もちろん、一つのみでなく複数のプロット点を連続的に選択指示してもよい。また、プロット点を一つずつ選択指示する代わりに、ポインティングデバイスのドラッグ操作により、ローディングプロット562上で任意の範囲を指定し、その範囲に含まれるプロット点がまとめて選択指示されるようにしてもよい。
マーカー候補指定受付部16はこの入力操作を受けて選択指示された一又は複数のプロット点を認識する。そして、ピークマトリクス-多変量解析結果連携処理部15はその選択指示されたプロット点に対応するピーク(質量電荷比値)が、ピークマトリクス上で存在する行を特定する。そして、特定された行が他の行と視覚的に識別可能であるように、例えば反転表示をしたり文字色や背景色を変更したりする(ステップS7)。図5及び図6の例では、選択指示されたプロット点に対応する行(最も下に表示されている行)の背景色が他の行とは変更されている。これにより、ユーザーはピークマトリクス上でどの行が自らが指定したマーカー候補ピークであるのかを一目で把握することができる。
このマーカー候補ピークが二つのグループ間の分離に寄与しているマーカーとして適切であるか否かを確認したい場合には、ユーザーはピークマトリクス表示領域54に表示されているピークマトリクス上でそのピークに対応する行の左端に表示されているマーカー候補ピーク除外選択用チェックボックス55をクリック操作することでチェックマークを外す(ステップS8)。なお、マーカー候補ピーク除外選択用チェックボックス55中のチェックマークは、その行に対応するピークの情報が多変量解析に反映されていること、つまりは多変量解析を実施する際にそのピークの情報が用いられていることを示している。
マーカー候補ピーク除外指定受付部17はマーカー候補ピーク除外選択用チェックボックス55中のいずれかのチェックマークが外されると、そのチェックマークが外された行を認識する。そして、ピークマトリクス作成部13はその行に対応するピーク情報を削除するようにピークマトリクスを修正する。引き続き、多変量解析部14はその修正されたピークマトリクスに基づいて先と同じ多変量解析を実行し、スコアプロット及びローディングプロットを作成する(ステップS9)。
そして、差異解析表示処理部19は多変量解析結果表示領域56中に表示されているスコアプロット及びローディングプロットを新たな多変量解析の結果のものに置き換えるように表示を更新する(ステップS10)。即ち、マーカー候補ピーク除外選択用チェックボックス55中のチェックマークの変更に応じて、ピークマトリクスが自動的に修正され、その修正されたピークマトリクスに対する多変量解析が実行されてスコアプロット及びローディングプロットが更新される。
ユーザーがチェックメークを外す操作を行うことで除外されたピークが二つのグループ間の分離に寄与しているマーカーとして適切なものである場合、これが多変量解析の対象から除外されたわけであるから、二つのグループの分離が悪くなるか或いは全く分離されない状態となる。そこで、ユーザーは更新されたスコアプロット上で二つのグループの分離状況を確認し、分離ができていなければ除外したピークがマーカーとして適切であると判断する。一方、スコアプロット上で二つのグループが十分に分離できていれば、除外したピークはマーカーとして不適切であると判断できる。後者の場合には、正しいマーカーを見つけるために、例えば更新後のローディングプロット上で別のプロット点をマーカー候補として選択指示し、その選択指示に対応してピークマトリクス上で明示された行のマーカー候補ピーク除外選択用チェックボックス55中のチェックマークを外す。マーカー候補が複数ある場合には、こうした処理を繰り返してグループの分離ができなくなるピークを見つければよい。
ピークマトリクスの或る行に対応するマーカー候補ピーク除外選択用チェックボックス55中のチェックマークを一旦外しても、同じ行のチェックボックス55中に再びチェックマークを入れる操作(単なるクリック操作)を行うことで、一旦除外したピークを再び加えたピークマトリクスに対する多変量解析結果であるスコアプロットをすぐに確認することができる。これにより、多変量解析結果であるローディングプロット上で抽出したマーカー候補が適切であるか否かの確認が非常に簡便に行える。また、マーカー候補が複数ある場合に、そのいずれが最も適切であるかの判断も簡便に且つ正確に行える。
上記例ではグループの数が二つである場合について説明したが、グループの数が3以上である場合には次のようにすればよい。
グループの数が3以上である場合、或る一つのマーカーで多数のサンプルがその三つのグループに分類されることは希である(そうした場合には上述した手順で一つのマーカーを見つけることができる)。そのため、例えばグループがA、B、Cの三つである場合、一般的には、グループAとその他のグループとの分離に寄与するマーカーと、グループBとその他のグループとの分離に寄与するマーカーとは異なる。そこでグループの数が3以上である場合には、サンプルを或る一つのグループと他のグループとに分離するのに寄与するマーカーをまず見つけ、それが見つかったならばその一つのグループに属するサンプルを解析対象から除き、つまりはグループの数を一つ減らした状態で、残りのサンプルを或る一つのグループと他のグループとに分離するのに寄与するマーカーを見つける、という作業を繰り返す。
図7を参照して具体的に説明する。図7はグループの数が3以上である場合に追加される操作及び処理を説明するためのフローチャートである。まず、上述した図3に示したフローチャートに従って、或る一つのグループAと他の複数のグループとを分離するのに寄与するマーカーを見つける(ステップS11)。次に、ユーザーは、表示部3に表示されている解析メイン画面50上の、サンプルツリー表示領域51に表示されているサンプルツリー中のグループ名(図5の例ではGroup1、Group2)の左側に配置されているグループ除外選択用チェックボックス52で、すでに分離に寄与するマーカーが見つかったグループAに対応するチェックマークを外す(ステップS12)。このグループ除外選択用チェックボックス52においてチェックマークが入れられているグループはピークマトリクスの作成や多変量解析処理の対象であることを意味する。したがって、チェックマークを外すことは、そのグループを多変量解析の対象から除外することを意味する。
グループ除外指定受付部18はグループ除外選択用チェックボックス52中のいずれかのチェックマークが外されると、そのチェックマークが外されたグループを除外すべきグループとして認識する。そしてピークマトリクス作成部13は、その除外すべきグループに属するサンプルに対応するピークリストを除外し、残りのグループのピークリストに基づいてピークマトリクスを作成する(ステップS13)。引き続き、多変量解析部14は新たに作成されたピークマトリクスに基づいて先と同じ多変量解析を実行し、スコアプロット及びローディングプロットを作成する(ステップS14)。
差異解析表示処理部19は、グループ除外後に新たに作成されたピークマトリクス、それに基づくマススペクトル、及びそれに基づく多変量解析によって得られたスコアプロット及びローディングプロットを、解析メイン画面50上のそれぞれの表示領域に表示する。即ち、グループ除外選択用チェックボックス52中のチェックマークの変更に応じて、ピークマトリクスが自動的に修正され、その修正されたピークマトリクスに対する多変量解析が実行されて、ピークマトリクス、マススペクトル、並びに多変量解析結果であるスコアプロット及びローディングプロットがいずれも更新される(ステップS15)。このときに更新された情報はグループAを除く残りのグループに属するサンプルのみを反映したものである。
そこで、上述したステップS6〜S10の操作及び処理と同様のステップS16〜S20の操作及び処理によって、残りのグループのうちの一つと他のグループとの分離に寄与するマーカーを見つければよい。グループの数が四以上である場合には、このステップS11〜S20の操作及び処理をさらに繰り返すことで、一つのグループと他のグループとの分離に寄与するマーカーを一つずつ順に探索すればよい。
以上のようにして、本実施例の質量分析データ解析装置では、多数のサンプルが属している二以上のグループの分離に寄与するマーカー(質量電荷比値又はそれに対応する物質)を簡便に且つ精度良く探索することができる。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加等を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
例えば、上記実施例において、解析対象であるマススペクトルデータはnが2以上であるMSnスペクトルデータであっても構わない。また、上記実施例では、多変量解析の手法としてPCA及びPLS−DAのみの選択が可能となっていたが、多数のサンプルをグループ分けしたり或いはサンプル間の近さ/遠さを指標値として表して可視化したりすることができる多変量解析の手法であれば、他の手法でもよいことは当然である。また、解析メイン画面50上の各表示領域の配置が上記実施例に限らないことも当然である。
1…データ解析部
10…マススペクトルデータ格納部
11…ピークリスト作成部
12…サンプルツリー作成部
13…ピークマトリクス作成部
14…多変量解析部
15…ピークマトリクス-多変量解析結果連携処理部
16…マーカー候補指定受付部
17…マーカー候補ピーク除外指定受付部
18…グループ除外指定受付部
19…差異解析表示処理部
2…入力部
3…表示部
4…質量分析装置
50…解析メイン画面
51…サンプルツリー表示領域
52…グループ除外選択用チェックボックス
53…マススペクトル表示領域
54…ピークマトリクス表示領域
55…マーカー候補ピーク除外選択用チェックボックス
56…多変量解析結果表示領域
561…スコアプロット
562…ローディングプロット
57…解析条件設定領域
58…解析手法選択欄
60…サンプルツリー編集ダイアログ
61…グループ設定領域
62…サンプル設定領域
63…「グループ追加(Add Group)」ボタン
64…「グループ削除(Remove Groups)」ボタン
65、68…矢印ボタン
66…「ピークリスト追加(Add Peak Lists)」ボタン
67…「ピークリスト削除(Remove Peak Lists)」ボタン
69…「OK」ボタン

Claims (6)

  1. それぞれが複数のグループのいずれかに属する複数のサンプルについて質量分析を行うことで得られたマススペクトルデータに基づいて、該複数のグループの分離に寄与するマーカーとなる要素を探索する質量分析データ解析装置であって、
    a)与えられた複数のサンプルに対するマススペクトルデータに基づいて、マススペクトル上のピークの質量電荷比値を行方向又は列方向に、サンプルを識別する情報を列方向又は行方向に割り当て、ピークの信号強度値を要素として配置したピークマトリクスを作成するピークマトリクス作成部と、
    b)前記ピークマトリクス作成部により作成されたピークマトリクス、又は該ピークマトリクスから後記除外ピーク指定部により指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し、複数のサンプルをグループ化する又はサンプル同士の距離を求めるための所定の多変量解析を行い、その多変量解析をグラフ化する多変量解析部と、
    c)前記ピークマトリクス及び多変量解析結果のグラフを表示画面上に表示する表示処理部と、
    d)前記表示画面上に表示された多変量解析結果のグラフ上で任意の一又は複数のプロット点がユーザーにより指定されたのを受けて、該一又は複数のプロット点に対応するピークを示す前記ピークマトリクスの行又は列を特定し、前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上でその特定された行又は列を明示する選択ピーク明示部と、
    e)前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上で多変量解析の対象から除外したいピークをユーザーが指定するための除外ピーク指定部と、
    を備えることを特徴とする質量分析データ解析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析データ解析装置であって、
    前記複数のグループのうちの任意の一又は複数のグループを多変量解析の対象から除外したいグループとしてユーザーが指定するための除外グループ指定部をさらに備え、
    前記ピークマトリクス作成部は、前記除外グループ指定部により指定されたグループに含まれるサンプルを除外した残りのサンプルに対するマススペクトルデータに基づいてピークマトリクスを作成し、
    前記多変量解析部は、その一部のグループに含まれるサンプル除外後のピークマトリクス、又は該ピークマトリクスから前記除外ピーク指定部により指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し、所定の多変量解析を実行することを特徴とする質量分析データ解析装置。
  3. 請求項1又は2に記載の質量分析データ解析装置であって、
    前記多変量解析部により実行される多変量解析はPCA又はPLS−DAのいずれかであり、前記表示処理部により表示画面上に表示されるグラフはローディングプロット及びスコアプロットであることを特徴とする質量分析データ解析装置。
  4. コンピュータを用い、それぞれが複数のグループのいずれかに属する複数のサンプルについて質量分析を行うことで得られたマススペクトルデータに基づいて、該複数のグループの分離に寄与するマーカーとなる要素を探索するための質量分析データ解析用プログラムであって、
    a)与えられた複数のサンプルに対するマススペクトルデータに基づいて、マススペクトル上のピークの質量電荷比値を行方向又は列方向に、サンプルを識別する情報を列方向又は行方向に割り当て、ピークの信号強度値を要素として配置したピークマトリクスを作成するピークマトリクス作成ステップと、
    b)前記ピークマトリクス作成ステップにおいて作成されたピークマトリクス、又は該ピークマトリクスから後記除外ピーク指定ステップにおいて指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し、複数のサンプルをグループ化する又はサンプル同士の距離を求めるための所定の多変量解析を行い、その多変量解析をグラフ化する多変量解析ステップと、
    c)前記ピークマトリクス及び多変量解析結果のグラフを表示画面上に表示する表示処理ステップと、
    d)前記表示画面上に表示された多変量解析結果のグラフ上で任意の一又は複数のプロット点がユーザーにより指定されたのを受けて、該一又は複数のプロット点に対応するピークを示す前記ピークマトリクスの行又は列を特定し、前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上でその特定された行又は列を明示する選択ピーク明示ステップと、
    e)前記表示画面上に表示されたピークマトリクス上で多変量解析の対象から除外したいピークをユーザーが指定する除外ピーク指定ステップと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする質量分析データ解析用プログラム。
  5. 請求項4に記載の質量分析データ解析用プログラムであって、
    前記複数のグループのうちの任意の一又は複数のグループを多変量解析の対象から除外したいグループとしてユーザーが指定するための除外グループ指定ステップをさらに有し、
    前記ピークマトリクス作成ステップでは、前記除外グループ指定ステップにおいて指定されたグループに含まれるサンプルを除外した残りのサンプルに対するマススペクトルデータに基づいてピークマトリクスを作成し、
    前記多変量解析ステップは、その一部のグループに含まれるサンプル除外後のピークマトリクス、又は該ピークマトリクスから前記除外ピーク指定ステップにおいて指定されたピークを除外したピークマトリクスに対し、所定の多変量解析を実行することを特徴とする質量分析データ解析用プログラム。
  6. 請求項4又は5に記載の質量分析データ解析用プログラムであって、
    前記多変量解析ステップにおいて実行される多変量解析はPCA又はPLS−DAのいずれかであり、前記表示処理ステップにおいて表示画面上に表示されるグラフはスコアプロット及びローディングプロットであることを特徴とする質量分析データ解析用プログラム。
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