JPWO2017150624A1 - マルチビーム衛星通信システム - Google Patents

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Abstract

中継側受信部(931)は中継信号(99)を受信し、アナログ中継部(932)は周波数帯域幅の制御された中継信号(99)をアナログ処理で出力し、デジタル中継部(933)は周波数帯域幅の制御された中継信号(99)をデジタル処理で出力する。中継側送信部(934)はアナログ中継部(932)、デジタル中継部(933)の出力する中継信号(99)を送信する。中継側制御部(935)は、中継信号(99)の周波数帯域を指示するアナログ中継部制御信号(941A)、デジタル中継部制御信号(941D)に従って、アナログ中継部(932)、デジタル中継部(933)を制御する。

Description

本発明は、マルチビーム衛星通信システム、中継装置及び管制装置に関する。
近年、広帯域なKa帯を利用したマルチビーム衛星通信システムでは、ベントパイプ型のHTS(High Throughput Satellite)を用いた衛星通信システムが実用化されている。但し、ベントパイプ型の中継衛星では、予め各ビームエリアに割り振る周波数帯域幅が固定化されるため、衛星打ち上げ後、地上側の通信需要の変化に応じて、各ビームエリアに割り振った周波数帯域幅を変えたい要求が発生しても、変えることは出来ない。これが原因で、ベントパイプ型の中継衛星の場合、周波数利用効率やシステムスループットの低下が生じ得る。
これに対して、チャネライザを搭載する中継衛星は、各ビームエリアに割り振る周波数帯域幅を、衛星打ち上げ後も変える事が可能であり、地上側の通信需要の変化に応じた柔軟性を有する。よって、チャネライザを用いることで、衛星打上げ直後から、衛星の寿命が尽きる十数年先にわたり、衛星通信システムの高スループット化の維持が可能となる。
このチャネライザの種別に関しては、アナログタイプとデジタルタイプの2つに大別される。
アナログタイプのチャネライザ(アナログチャネライザ)は、各ビームエリアに割り振る帯域可変をアナログ回路で実現する方式であり、例えば下記特許文献1、特許文献2において開示されている。
一方、デジタルタイプのチャネライザ(デジタルチャネライザ)は、各ビームエリアに割り振る帯域可変をデジタル回路で実現する方式であり、例えば下記特許文献3において開示されている。
国際公開第2006/043115号パンフレット 米国特許第4228401号明細書 特許第4667364号公報
前記特許文献1,2のアナログチャネライザは、デジタルチャネライザのように、信号をサンプリングする必要がないため、処理帯域が仮に数GHzに増加しても、消費電力が増えることなく対応可能な反面、以下の課題を有する。
(A1)帯域可変をアナログバンドパスフィルタ(BPF)で実現するため、アナログBPFの遷移帯域に相当する周波数帯域には、通信キャリアを配置することが出来ず、この遷移帯域を、ガードバンドとして空けておく必要がある。仮にガードバンド内に通信キャリアを配置すると、その通信キャリアはBPF遷移領域のf特性の影響を受けて、送信レベルや通信品質が低下してしまう等の問題が発生する。このガードバンド帯域幅は、前記の通り、アナログBPFの遷移帯域に相当するため、状況によって変化することなく、一定の値をとる。よって、あるビームエリアに割り振る信号帯域幅が狭くなるに従い、ガードバンドが占める率が増加し、周波数利用効率が低下する。
(A2)各ビームエリアに割り振った信号帯域幅を、地上側の通信需要の変化に応じて変更する場合、一旦、該当する信号帯域を利用している各ユーザーの通信を中断する必要がある。仮に、通信中に帯域変更処理を行うと、帯域変更時に各通信キャリアの周波数揺らぎが発生し、これを起因とする通信断が発生し得る。本アナログ回路を用いた帯域可変は、複数の周波数変換用ローカル信号の周波数を同時に変更することで行われるが、実際は、過渡応答時間も含めて、各ローカル信号の周波数変更時に時間差が生じ得る。このような時間差が発生すると、キャリアの周波数揺らぎにつながる。
(A3)デジタルチャネライザのように、中継する信号帯域幅の一部(特定のサブバンド)だけを、衛星上で増幅、あるいは減衰させることは出来ない。よって、複数のアップリンク信号中継時に、一部の信号の受信電力密度が、他の信号と比較して低い場合、衛星の最終段の増幅器において、相互変調ひずみ干渉の影響を受けて、受信電力密度が低い信号の通信品質が劣化する。また中継する信号帯域幅の中に不要な干渉波が混在する場合、干渉波が混在するサブバンドのみ減衰させて、不要な信号の中継だけを阻止することが出来ず、衛星の送信電力リソースを、不要な信号の中継に奪われてしまうことになる。
次に、前記特許文献3のデジタルチャネライザは、受信信号帯域を複数のサブバンドに分波するデジタル分波回路、デジタルスイッチマトリックス回路、及び前記デジタルスイッチマトリックスでルーティングされた複数のサブバンドを合波するデジタル合波回路で構成される。
よって、デジタルチャネライザを適用する場合、ガードバンドは、サブバンドにおける遷移域に応じて決定されるため、前記アナログチャネライザのガードバンドと比較すると、1/100未満等、はるかに小さな帯域幅で実現できるため、周波数利用効率は高くなる。
またデジタルチャネライザは、中継する信号のフィルタリングやルーティングの各処理を、全てデジタル信号処理で行うため、各ビームに割り振った周波数帯域幅を変更する際も、前記アナログチャネライザで生じるようなキャリアの周波数揺らぎは生じない。即ち、デジタルチャネライザでは、各ビームに割り振った周波数帯域幅を変更する際も、該当の周波数帯域を利用している各ユーザーの通信を中断させる必要はなく、各ユーザーの通信が流れている中で、動的に周波数帯域幅を変更することが可能となる。
更にデジタルチャネライザは、特開2014−187688号公報に記載の通り、複数のアップリンク信号中継時に、一部の信号の受信電力密度が、他の信号と比較して低い場合、中継時にサブバンド単位で増幅できる。このため、衛星の最終段の増幅器において加わる相互変調ひずみ干渉の影響を軽減でき、高い通信品質を保持することが出来る。また、特許第5430737号に記載の通り、デジタルチャネライザは、中継する信号帯域幅の中に不要な干渉波が混在する場合、干渉波が混在するサブバンドのみ減衰させることが出来るため、不要な信号の中継を阻止することが出来るため、中継時の無駄な消費電力を抑制することができる。
一方、デジタルチャネライザの課題として、以下が挙げられる。
(B1)信号帯域幅の増加に伴い、A/D(Analog to Digital),D/A(Digital to Analog))のサンプリング速度や、デジタル回路を駆動させるクロック速度も増加するため、消費電力や発熱量が増加する。発熱量が高くなると、排熱が厳しくなり、実現性が損なわれていく。
(B2)A/D,D/Aの最大サンプリング速度によって、処理可能な信号帯域幅の上限が決定されるため、広帯域化が制限される。特に、放射線耐性を有する宇宙用のA/D,D/Aデバイスは、地上のA/D,D/Aデバイスと比較してサンプリング速度の上限は低く、信号帯域幅が1GHz近くなると、1つのA/Dデバイス、あるいは1つのD/Aデバイスでサンプリングすることが厳しくなってくる。
本発明は、チャネライザを用いた中継衛星の広帯域化、低消費電力化を実現し、かつ本中継衛星を用いた衛星通信システムにおいて、高い周波数利用効率と、運用中の動的な周波数変更を実現することを目的とする。
この発明のマルチビーム衛星通信システムは、
人工衛星に搭載され複数のビームエリアの各ビームエリアに存在する通信装置の通信を中継する中継装置と、前記中継装置を制御する管制装置とを備えるマルチビーム衛星通信システムにおいて、
前記中継装置は、
中継すべき中継信号を受信する中継側受信部と、
前記中継信号の周波数帯域幅を制御するアナログ回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するアナログ中継部と、
前記中継信号の周波数帯域幅を制御するデジタル回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するデジタル中継部と、
出力された前記中継信号を送信する中継側送信部と、
前記アナログ中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するアナログ中継部制御信号と、前記デジタル中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するデジタル中継部制御信号とに従って、前記中継信号を前記アナログ中継部と前記デジタル中継部とに出力させる中継側制御部と
を備え、
前記管制装置は、
管制側通信部と
前記アナログ中継部制御信号と前記デジタル中継部制御信号とを生成し、前記管制側通信部を介して前記中継装置に送信する管制側制御部と
を備えることを特徴とする。
本発明にかかる中継衛星、中継装置およびマルチビーム衛星通信システムは、高い周波数利用効率や中継衛星の低消費電力化を保持しながら、広帯域な信号中継や、運用中の動的な周波数変更を実現できるという効果を奏する。
実施の形態1の図で、マルチビーム衛星通信システム95のシステム構成図。 実施の形態1の図で、管制装置94のブロック図。 実施の形態1の図で、管制装置94のハードウエア構成図。 実施の形態1の図で、図1に示すフィーダリンク(フォワード上り)における各周波数配置を示す図。 実施の形態1の図で、中継装置のフォワードリンク側の構成を示す図。 実施の形態1の図で、アナログチャネライザ5Aの処理のフローチャート。 実施の形態1の図で、デジタルチャネライザ5Dの処理のフローチャート。 実施の形態1の図で、#A〜♯Hまでの8つのビームエリアに対するユーザーリンク側の定常時における各信号帯域の周波数配置を示す図。 実施の形態1の図で、信号帯域A’B’C’をデジタルチャネライザ5Dが処理する場合のフローチャート。 実施の形態1の図で、帯域信号A’,B’,C’を追加で割当てた場合の、ユーザーリンク(下り)における周波数配置を示す図。 実施の形態1の図で、アナログチャネライザ5Aの信号帯域を拡大する場合の処理のフローチャート。 実施の形態2の図で、新たに信号帯域G’,H’を追加配置した場合の周波数配置を示す図。 実施の形態2の図で、中継装置の構成を示す図。 実施の形態2の図で、信号帯域G’H’をデジタルチャネライザ5Dが処理する場合のフローチャート。 実施の形態3の図で、マルチビーム衛星通信システム95のリターンリンク側の流れを示す図。 実施の形態3の図で、リターンリンク側の周波数配置を示す図。 実施の形態3の図で、リターンリンク側の中継装置の構成を示す図。 実施の形態4の図で、衛星通信の5つのビームエリア(♯P〜♯T)間接続を示す図。 実施の形態4の図で、ビームエリア#Sとビームエリア#Rとの間の通信トラフィックが一時的に急増する状態を示す図。 実施の形態4の図で、中継装置の構成を示す図。 実施の形態6の図で、アナログチャネライザとデジタルチャネライザとの使い分けを示す図。 実施の形態6の図で、上りの周波数プランを示す図。 実施の形態6の図で、下りの周波数プランを示す図。 実施の形態6の図で、上りの周波数プランを示す図。 実施の形態6の図で、下りの周波数プランを示す図。 実施の形態6の図で、中継装置の構成を示す図。 実施の形態6の図で、スター型におけるフォワードリンク及びリターンリンクを示す図。 実施の形態6の図で、メッシュ型の通信を示す図。 実施の形態6の図で、ゲートウエイ装置を示す図。
(1)以下の実施の形態1から実施の形態5はマルチビーム衛星通信システム95に関するものであり、人工衛星である中継装置93は、アナログチャネライザとデジタルチャネライザとの2つを搭載するハイブリッド構成である。中継装置93は中継衛星05に搭載されている。
(2)本発明にかかるマルチビーム衛星通信システム95では、管制局09がトラフィック要求や通信要求に応じて、各キャリア信号の中継を、アナログチャネライザ経由とするか、デジタルチャネライザ経由とするかを判断し、周波数アサインやチャネライザ制御を行う。これによって、「高い周波数利用効率」や「中継衛星の低消費電力化」を保持しながら、広帯域な信号中継や、運用中の動的な周波数変更を実現する。
(3)以下の実施の形態では、中継衛星の動作を説明する場合があるが、中継衛星の動作は実際には中継装置の動作である。同様に、中継衛星に対する制御は、中継装置に対する制御である。
(4)以下の実施の形態では、管制局の動作を説明する場合があるが、管制局の動作は、実際には管制側制御部の動作である。
以下に図面を用いて実施の形態を説明する。
実施の形態1.
<***構成の説明***>
図1は、実施の形態1におけるマルチビーム衛星通信システム95の構成を示す。図1に示す通り、実施の形態1におけるネットワーク構成はスター型である。図1のマルチビーム衛星通信システム95の場合は、地上網01と接続されるゲートウエイ(GW)局02が、サービスエリアに相当する8つのビームエリア08(♯A〜♯H)に存在する通信装置92である複数のユーザー端末に向けて、各信号を中継装置93を経由して送信する場合のシステム構成を示している。
中継装置93は人工衛星91である中継衛星05に搭載され、複数のビームエリア#A〜#Hの各ビームエリアに存在する通信装置92の通信を中継する。管制局09は管制装置94を備えている。管制局09の構成は図2、図3を用いて後述する。
図1において、03はフィーダリンク(上り)、07はユーザーリンク(下り)である。中継装置93は、GW局からの複数のアップリンク信号をフィーダリンク用受信アンテナ04で受信後、8つのビームエリア宛てに分波、周波数変換を行った上で、ユーザーリンク用送信アンテナ06から、8つのビームエリア08(♯A〜♯H)に向けて送信する。また図1中の管制局09は、中継装置93への各指令やモニタ(テレメトリ)、及び8つのビームエリア08(♯A〜♯H)に存在する複数のユーザー端末の周波数アサインなど、ネットワーク指令・制御まで行うものとする。
管制局09は、フォワードリンク、及びリターンリンクの双方における各キャリアの周波数利用状況、通信トラフック量を常に把握、管理しており、地上網やビームエリアから、新たな通信要求が発生した場合の周波数アサインや、中継装置93に対する指令を行う。
管制局09は、地上網に存在する複数のユーザー端末やビームエリア08(♯A〜♯H)に存在する各ユーザー端末からの通信要求を、地上網を経由あるいはリターンリンクから{GW局,地上網}を経由して受信する。そして、管制局09は、それぞれの端末に対して、各キャリア信号の送信許可や、その際の周波数アサインを行い、通信リンクを確立していく。また管制局09は、コマンド/テレメトリ回線を用いて、適宜、中継装置93を制御する。中継装置93は、コマンド/テレメトリ用アンテナ10を介して受信される管制局09からのコマンド信号を元に、中継装置93内部の信号処理が決定されていく。本信号処理は、大きくアナログチャネライザ処理とデジタルチャネライザ処理の2つに大別され、前記コマンド信号によって、各キャリア信号を、アナログチャネライザ5A経由で中継するか、デジタルチャネライザ経由で中継するか、決定される。
図2、図3を参照して管制局09の備える管制装置94を説明する。
図2は、管制装置94の機能ブロック図を示す。
図3は、管制装置94のハードウエア構成を示す。管制装置94は管制側制御部941、管制側通信部942を備えている。管制側制御部941は、後述するアナログ中継部制御信号941A、デジタル中継部制御信号941D、変更制御信号941C等を生成し、管制側通信部942を介してこれらの信号を中継装置93に送信する。管制側通信部942は、アナログ中継部制御信号941A、デジタル中継部制御信号941D、変更制御信号941C等を管制用アンテナ943から送信する。
後述する各周波数変換量(ΔFDA,ΔFDB,ΔFDC)(図6のステップS01)のもとになる信号、及び周波数変換量ΔFDD(図7のステップS011)のもとになる信号は、管制装置94から送信される。各周波数変換量(ΔFDA,ΔFDB,ΔFDC)の元になる信号はアナログ中継部制御信号941Aの例であり、周波数変換量ΔFDD(ステップS01)の元になる信号はデジタル中継部制御信号941Dの例である。また変更制御信号941Cは、後述の図11のステップS033において管制側制御部941が生成している。
図3に示すように、管制装置94はコンピュータであり、プロセッサ81、メモリ82、通信装置83、ディスプレイ84を備える。プロセッサ81は、プログラムを実行する。メモリ82には、図2に示す管制側制御部941の機能を実現するプログラムが記憶されている。そして、プロセッサ81がプログラムを実行して、管制側制御部941の動作を実行する。通信装置83は管制側通信部942を実現する。プロセッサ81は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ81は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。図3に示すメモリ82は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等である。メモリ82には、管制側制御部941を実現するプログラムの他にOS(Operating System)も記憶されている。そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ81により実行される。図3では1つのプロセッサが図示されているが複数のプロセッサを備えていてもよい。管制側制御部941の処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値が、メモリ12、又は、プロセッサ11内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
管制側制御部941の「部」を、「回路」又は「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。また、管制側制御部941は、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)といった電子回路により実現されてもよい。なお、プロセッサ及び上記の電子回路を総称してプロセッシングサーキットリーともいう。
図1に示す8つのビームエリア08(♯A〜♯H)の内、{#A,#B,#C}は、人口が集中する首都圏、主要都市などを含み、ユーザー端末が多く、定常的な通信トラフィックが多いビームエリアとしている。一方、その他のビームエリア{#D,#E,#F,#G,#H}は、地方や小さな島々など、ユーザー端末が少なく、定常的な通信トラフィックが少ないビームエリアとしている。このような条件下で、アナログチャネライザ5Aだけを用いて周波数配置する場合の例を図4の(A)に、実施の形態1で周波数配置する場合の例を図4の(B),(C)に、それぞれ示す。図4の(B)は通常時を示し、図4の(C)はトラフィック集中時を示す。
図4は、図1に示すフィーダリンク(フォワード上り)における各周波数配置を示しており、図4の(A)が一般的な場合の技術を適用した場合、図4の(B),(C)が、本発明における実施の形態1で周波数配置する場合の例をそれぞれ示している。図4中、各エリアに割当てる信号帯域幅を各四角で示しており、四角の中に記載しているアルファベット(A〜H)が、対応するビームエリア(#A〜♯H)に対して割当てた信号帯域幅に相当する。また、図4の(C)において四角の中に記載しているアルファベット{A’,B’,C’}は、ビームエリア{#A,♯B,♯C}それぞれに対して、追加で割当てた信号帯域幅に相当する。
このように割当てた帯域幅の中で、GW局02から、複数のキャリアが各ビームエリアに対して送信される。例えば図4の(A)中、Aの割当て帯域内に示される031は、GW局02からビームエリア#Aに対して送信される複数のキャリア、Bの割当て帯域内に示される032は、GW局02からビームエリア#Bに対して送信される複数のキャリア、Cの割当て帯域内に示される033は、GW局02からビームエリア#Cに対して送信される複数のキャリアを、それぞれ示している。同様に、その他の割当て帯域内(D〜H)にも、このようなキャリアが存在し得る。また図4の(B)や図4の(C)でも同様に、各割当て帯域内(D〜H)に、複数のキャリアが存在し得るが、本図では表記を割愛する。
アナログチャネライザ5Aは、前記課題(A1)で示した通り、アナログBPFの遷移帯域に相当する周波数帯域をガードバンドとして設ける必要があるが、このアナログチャネライザ5Aで必要となるガードバンド幅を、図4の中に“GB”として示している。
ここで、チャネライザ機能を用いることで、ユーザー端末が多く、定常的な通信トラフィックが多いビームエリア(♯A,♯B,♯C)には割当て帯域幅を広く与える。一方、ユーザー端末が少なく定常的な通信トラフィックが少ないビームエリア(♯D,♯E,♯F,#G,♯H)には、割当て帯域幅を狭く与えることが可能である。図4の(A)、図4の(B)ともに、このような通信トラフィックに応じた帯域割当ての様子を図示している。
以降、図4の(A)と、図4の(B)の違いについて説明する。図4の(A)に示す通り、アナログチャネライザ5Aだけを用いて周波数配置する場合、割当て帯域幅を少なくしているビームエリア{#D,#E,#F,#G,#H}に対しても、前記ガードバンド(GW)に相当する幅だけ、間隔を空ける配置が必要となる。この場合、図4の(A)に示す通り、割当て帯域幅を広く確保しているビームエリア#A,#B,#Cに対するガードバンド(GW)の割合は少ない。しかし、その他の割当て帯域幅を狭く設定しているビームエリア#D,#E,#F,#G,#Hに対するガードバンド(GW)の割合は多くなる。このため、「アナログチャネライザ5Aだけ」を用いて周波数配置する場合、実施の形態1のケースでは、全体的な周波数利用効率は低下することになる。
一方、図4の(B)に示す通り、実施の形態1におけるマルチビーム衛星通信システム95では、ユーザー数が多く存在し、定常的な通信トラフィックが多いビームエリア#A,#B,#Cへの各信号中継は、アナログチャネライザ5Aが担当する。また、ユーザー数が少なく、定常的な通信トラフィックが少ないビームエリア#D,#E,#F,#G,#Hへの各信号中継は、デジタルチャネライザ5Dが担当する。デジタルチャネライザは、前記の通り、アナログチャネライザ5Aと比較して、ガードバンドを1/100未満等の小さな値に設定することが可能である。よって、通信トラフィックが少なく、割当て帯域幅が狭いビームエリア#D,#E,#F,#G,#Hへの各信号中継を、デジタルチャネライザが行うことで、図4の(B)に示す通り図4の(A)と同じ中継量を保持しながら、ビームエリア#D,#E,#F,#G,#Hの各割当て帯域の間隔を狭めることが出来る。このため、その結果、フィーダリンクに必要な周波数帯域幅を、図4の(A)と比較して削減することが出来る。
このようなアナログとデジタルの2種類のチャネライザを、定常的な通信トラフィック量に応じて使い分ける中継制御は、図1中の管制局09によって行われる。
なお、ビームエリア#A,#B,#Cへの各信号中継も含めて、全てデジタルチャネライザが中継処理を行えば、ビームエリア#A,#B,#Cの各割当て帯域の間隔も狭めることが出来るため、フィーダリンクに必要な周波数帯域幅を更に少なくすることが可能である。一方、消費電力はデジタルチャネライザが処理する帯域幅に比例して増加するため、実現性の面で厳しくなる。
よって、実施の形態1における管制局09は、定常的な通信トラフィックが多く、その結果、割当て帯域幅が広くなるビームエリア#A,#B,#Cへの信号中継を、広帯域化しても消費電力の増加が発生することが無いアナログチャネライザ5Aを用いるように制御する。
つまり、デジタルチャネライザ5Dを介して中継信号99が中継されるビームエリアの予め定められた測定期間T1の通信トラフィックは、アナログチャネライザ5Aを介して中継信号99が中継されるビームエリアにおける前記測定期間T1と同一の測定期間T2における通信トラフィックよりも少ない。具体的に説明すれば、デジタルチャネライザ5Dを介して中継信号99が中継されるビームエリア#D〜#Hの予め定められた測定期間T1は9:00から17:00とする。アナログチャネライザ5Aを介して中継信号99が中継されるビームエリア#A〜#Cにおける測定期間T2は、測定期間T1と同一の9:00から17:00である。この場合、測定期間T1におけるビームエリア#D〜#Hのどの通信トラフィックも、測定期間T2におけるビームエリア#A〜#Cのどの通信トラフィックよりも少ない。
図5は、実施の形態1における中継装置93のフォワードリンク側の構成例を示す。なお、後述の実施の形態3(図17)のように、リターンリンク側の構成も図5のフォワードリンク側の構成と同じである。
中継装置93は、中継側受信部931、アナログ中継部932、デジタル中継部933、中継側送信部934、中継側制御部935を備える。フォワードリンク側の構成の図5では以下のとおりである。なお後述する図13、図17、図20も図5と同様の構成である。
(1)中継側受信部931は、フィーダリンク用受信アンテナ04、BPF(アナログバンドパスフィルタ)051、LNA052(低雑音増幅器)で構成される。中継側受信部931は、中継すべき中継信号99を受信する。図5では、中継信号99はGW局02によりフォワードリンクで送信される。
(2)アナログ中継部932は、後述するアナログチャネライザ5Aである。アナログチャネライザ5Aは、中継信号99の周波数帯域幅を制御するアナログ回路932Aを有し、周波数帯域幅の制御された中継信号99を出力する。アナログ回路932AはV−BPF(アナログ帯域可変フィルタ)054a〜054cである。
(3)デジタル中継部933は、後述するデジタルチャネライザ5Dである。デジタルチャネライザ5Dは、中継信号99の周波数帯域幅を制御するデジタル回路933Dを有し、周波数帯域幅の制御された中継信号99を出力する。デジタル回路933Dは、複数のデジタル分波部552(DMX)、スイッチマトリックス553(SW)、複数の合波部554(MX)等である。
(4)中継側送信部934は、複数のパワーアンプ057(PA)、複数のユーザーリンク用送信アンテナ06で構成される。中継側送信部934は、アナログチャネライザ5Aあるいはデジタルチャネライザ5Dから出力された中継信号99を送信する。
(5)中継側制御部935は後述のチャネライザ制御060である。
チャネライザ制御部060は、アナログ中継部制御信号941Aと、デジタル中継部制御信号941Dとに従って、中継信号99をアナログチャネライザ5Aとデジタルチャネライザ5Dとに出力させる。ここで、アナログ中継部制御信号941Aは、アナログチャネライザ5Aが中継すべき中継信号99の周波数帯域を指示する信号である。
デジタル中継部制御信号941Dは、デジタルチャネライザ5Dが中継すべき中継信号99の周波数帯域を指示する信号である。アナログ中継部制御信号941A及びデジタル中継部制御信号941Dは、後述する管制装置94の管制側制御部941が生成して、管制側通信部942から中継衛星05に搭載されている中継装置93に向けて送信される。
図1と同一符号を付した図5において、
(1)BPF051(アナログバンドパスフィルタ)は、フィーダリンク用受信アンテナ04を経由して受信されるアップリンク信号(中継信号99)から、マルチビーム衛星通信システム95で使用される周波数帯域を抽出し、システム帯域外の不要な周波数成分を除去する。
(2)LNA052(低雑音増幅器)は、BPF051が抽出した信号を低雑音増幅後、後段の周波数可変ダウンコンバータ群053(V−D/C053a〜V−D/C053e)に、増幅した信号を入力する。
ここで、図5において、実施の形態1におけるアナログチャネライザ5Aは、破線で囲んだように、周波数可変ダウンコンバータ群053(V−D/C053a〜053c)、アナログ帯域可変部054、周波数可変アップコンバータ群056(V−U/C056a〜056c)の3つの機能ブロックで実現される。
同様に、実施の形態1におけるデジタルチャネライザ5Dは、破線で囲んだように、周波数可変ダウンコンバータ群053(V−D/C053d、053e)、デジタル帯域可変部055、周波数可変アップコンバータ群056(V−U/C056d〜056h,056i〜056k)の3つの機能ブロックで実現される。
このように、実施の形態1におけるアナログチャネライザ5Aも、デジタルチャネライザ5Dも機能としては、周波数可変ダウンコンバータ群053と、周波数可変アップコンバータ群056が共通する。しかし、実際は、図5に示す接続の通り、
(1)アナログチャネライザ処理では、周波数可変ダウンコンバータ群053内の3つの周波数可変ダウンコンバータ053a,053b,053cが用いられる。
(2)デジタルチャネライザ処理では、2つの周波数可変ダウンコンバータ053d,053eが用いられる。
(3)同様に、アナログチャネライザ処理では、周波数可変アップコンバータ群056内の3つの周波数可変アップコンバータ056a,056b,056cが用いられる。
(4)デジタルチャネライザ処理では、8つの周波数可変アップコンバータ056d,056e,056f,056g,056h,056i,056j,056kが用いられる。(5)また、図5において、コマンドテレメトリ用トランスポンダ059は、コマンド/テレメトリ用アンテナ10を経由して受信される管制局09からの指令信号を復調・復号する。
(6)チャネライザ制御部060は、トランスポンダ059が復調・復号したコマンドデータ(管制局09からの指令)をもとに、以下の設定をする。つまりチャネライザ制御部060は各周波数可変ダウンコンバータ053a〜053eの周波数変換量、アナログ帯域可変部054の各アナログ帯域可変フィルタ054a〜054cの通過帯域幅、デジタル帯域可変部055のスイッチルーティング及び各周波数可変アップコンバータ056a〜056kの周波数変換量を設定する。
このような設定を行うことで、中継装置93は、例えば図4の(B)に示すような、アナログチャネライザ5Aとデジタルチャネライザ5D同時利用による、フィーダリンク周波数帯域幅削減を実現する。
<***動作の説明***>
図5、図6、図7を用いて、図4の(B)を実現する中継装置93の動作詳細を説明する。
図6は、アナログチャネライザ5Aの動作を示すフローチャートである。
図7は、デジタルチャネライザ5Dの動作を示すフローチャートである。
ステップS01において、周波数可変ダウンコンバータ053aは、チャネライザ制御部060からの周波数変換量ΔFDAをもとに、図4の(B)に示すフィーダリンクにおける信号Aの信号帯域の中心(無線周波数FA)を、中間周波数FIFに変換する。
同様に、周波数可変ダウンコンバータ053bは、チャネライザ制御部060からの周波数変換量ΔFDBをもとに、図4の(B)に示すBの信号帯域の中心(無線周波数FB)を、中間周波数FIFに変化する。また、周波数可変ダウンコンバータ053cは、周波数変換量ΔFDCをもとにCの信号帯域の中心(無線周波数FC)を中間周波数FIFに変換する。
ここで、チャネライザ制御部060からの各周波数変換量(ΔFDA,ΔFDB,ΔFDC)は、各信号帯域の中心周波数(FA,FB,FC)と中間周波数(FIF)との差に設定される。よって、各ビームエリアに割当てた信号帯域が、図4の(B)に示されるフィーダリンク帯域幅のいかなる位置にあったとしても、その中心周波数を中間周波数(FIF)に変換することが出来る。
ステップS02において、このようにして、中間周波数帯に変換された各信号の帯域幅は、まだ広い状態であるため、後段のアナログ帯域可変部054は、それぞれの信号に対して、アナログ回路で構成される任意な帯域幅による帯域制限を行う。このアナログ回路による帯域可変は、例えば前記特許文献2に基づく手法によって実現しても良い。
詳細には、帯域可変フィルタ054aは、周波数可変ダウンコンバータ053aからの信号を、図4の(B)に示すAの幅に相当する帯域幅で帯域制限する。このAの幅に相当する帯域幅設定に関する指令は、チャネライザ制御部060から送られる。このように、チャネライザ制御部060によって制御される帯域可変フィルタ054aと、前段の周波数可変ダウンコンバータ053aの組合せにより、実施の形態1の中継装置93は、図4の(B)に示すフィーダリンク内のAの信号帯域を、中間周波数帯に変換しながら抽出することが出来る。同様に中継装置93は、チャネライザ制御部060によって制御される帯域可変フィルタ054bと、前段の周波数可変ダウンコンバータ053bの組合せにより、図4の(B)に示すBの信号帯域を、中間周波数帯に変換しながら抽出することが出来る。また中継装置93は、チャネライザ制御部060によって制御される帯域可変フィルタ054cと、前段の周波数可変ダウンコンバータ053cの組合せにより、図4の(B)に示すCの信号帯域を中間周波数帯に変換しながら抽出することが出来る。なお図4の(B)に示す周波数配置は一例である。A,B,Cの各信号帯域幅や、その周波数位置は、周波数可変ダウンコンバータ群053とアナログ帯域可変部054との組合せにより、中継衛星05を打ち上げた後も、与えられたフィーダリンク帯域幅の中で自由に変えることが可能である。
ステップS03において、周波数可変アップコンバータ群056は、アナログ帯域可変部054で抽出した中間周波数帯における各信号帯域{A,B,C}を、チャネライザ制御部060からの各周波数変換量(ΔFUA,ΔFUB,ΔFUC)をもとに、任意の下り側(ユーザーリンク)の無線周波数に変換する。
詳細には、図5に示す周波数可変アップコンバータ056aは、前段の帯域可変フィルタ054aで抽出したAの信号帯域を、任意の下り無線周波数に変換し、ステップS04において、パワーアンプ(PA)057aは、下り無線周波数に変換されたAの信号帯域を高出力増幅して、ビームエリア#A(08a)に送信する。
同様に、周波数可変アップコンバータ056bは、Bの信号帯域を任意の下り無線周波数に変換し、パワーアンプ(PA)057bは、Bの信号帯域を高出力増幅して、ビームエリア#B(08b)に送信する。また周波数可変アップコンバータ056cは、Cの信号帯域を任意の下り無線周波数に変換し、パワーアンプ(PA)057cは、Cの信号帯域を高出力増幅して、ビームエリア#C(08c)に送信する。
なお、図5に示す加算器058a,058b,058cは、トラフィックが一時的に増加する場合に、後述するデジタル帯域可変部055経由で出力される追加割り当ての信号帯域を加算するものであり、トラフィックが一時的に増加しない場合は、前記各周波数可変アップコンバータの出力が、そのまま各加算器の出力となる。トラフィックが一時的に増加する場合の動作制御に関しては、後述する。
図8は、#A〜♯Hまでの8つのビームエリアに対するユーザーリンク側の定常時における各信号帯域の周波数配置例を示している。この内、前記一連のアナログチャネライザ処理によって各ビームエリア#A,#B,#Cに向けて抽出された各信号帯域は、図中{A,B,C}で示している。その他の信号帯域は後述するデジタルチャネライザ処理によって中継された信号帯域である。
次に、図7を参照して実施の形態1におけるデジタルチャネライザ5Dの処理について説明する。
ステップS011おいて、周波数可変ダウンコンバータ053dは、チャネライザ制御部060からの周波数変換量ΔFDDをもとに、図4の(B)に示す{D,E,F,G,H}の各信号帯域を1つの帯域信号として、まとめて扱い、その中心周波数を中間周波数FIFに変換する。次に、後段のAD変換器によるサンプリング時に発生するエイリアシング成分が主信号帯域に影響を与えないよう、周波数ダウンコンバータ053dは、中間周波数FIFに変換した信号をバンドパスフィルタ等で帯域制限する。後述する周波数ダウンコンバータ053eも同様である。
ステップS012において、デジタル帯域可変部055内のAD変換器551mは、この帯域信号{D,E,F,G,H}をサンプリングし、デジタルデータに変換する。
ステップS013において、デジタル分波部552mは、デジタルデータに変換された帯域信号{D,E,F,G,H}をベースバンド帯に変換後、複数のサブバンドに分波する。分波数は例えば100以上に設定されるため、{D,E,F,G,H}の帯域信号は、数十個のサブバンドに分解されることになる。
なお図5中、もう一系統存在する、周波数可変ダウンコンバータ053e、AD変換器551n、デジタル分波部552nは、一時的なトラフィック増加時に動作する回路であり、定常時は動作を停止している。本動作制御の詳細に関しては、後述する。
ステップS014において、スイッチマトリックス553は、チャネライザ制御部060からのルーティング指令情報を元に、デジタル分波部552mが分波したサブチャネルを、後段の複数の合波部554d〜554hに振り分ける。
具体的には、スイッチマトリックス553は、デジタル分波部552mが分波したサブチャネルの内、帯域信号Dの一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554dに振り分け、帯域信号Eの一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554eに振り分ける。また、帯域信号Fの一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554fに振り分け、帯域信号Gの一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554gに振り分け、帯域信号Hの一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554hに振り分ける。
ステップS015において、各デジタル合波部554d〜554hは、スイッチマトリックス553から送られてくる各サブチャネルをそれぞれ合波することで、所望の信号帯域を抽出後、ベースバンド帯から中間周波数帯に変換する。例えば、デジタル合波部554dは、スイッチマトリックス553から送られてくる各サブチャネルを合波することで、Dの帯域信号を再生し、中間周波数帯で出力する。同様に、デジタル合波部554eはEの帯域信号を、デジタル合波部554fはFの帯域信号を、デジタル合波部554gはGの帯域信号を、デジタル合波部554hはHの帯域信号を、それぞれ再生し、中間周波数帯で出力する。
ステップS016において、後段のD/A変換器555d〜555hは、これら信号D〜Hをそれぞれアナログ信号に変換して、デジタル帯域可変部055から出力する。このような、一連の処理により、デジタル帯域可変部055は、図4の(B)に示す1つの帯域信号{D,E,F,G,H}を、D〜Hの5つに分波して、抽出することが出来る。
ステップS017において、周波数可変アップコンバータ056d〜056hは、DA変換器555d〜555hから中間周波数として出力される各信号を、チャネライザ制御部060からの各周波数変換量(ΔFUD,ΔFUE,ΔFUF,ΔFUG,ΔFUH)をもとに、任意の下り側(ユーザーリンク)の無線周波数にそれぞれ変換する。
ステップS018において、最後に、各パワーアンプ057d〜057hは、無線周波数にそれぞれ変換された各信号D〜Hを高出力増幅後、送信アンテナ06d〜06hを介して、各ビームエリア#D〜♯Hに向けて送信する。
図8に、下り無線周波数に変換された各信号D〜Hの周波数配置例を示す。以上のように、実施の形態1におけるマルチビーム衛星通信システム95では、管制局09が、通信トラフィックが多い3つのエリアへの通信にはアナログチャネライザ5Aを用いた信号中継を行い、通信トラフィックが少ない5つのエリアへの通信にはデジタルチャネライザ5Dを用いた信号中継を行うように制御する。この制御によって、図4の(A)と同じ総中継帯域幅を保持しながら、図4の(B)に示すように、必要なフィーダリンク帯域幅を狭め(周波数利用効率を上げ)、かつチャネライザの消費電力を全てデジタルチャネライザ5Dを用いて中継する場合と比較して、低減することが出来る。
次に、フィーダーリンク(上り)の周波数配置を図4の(B)、ユーザーリンク(下り)の周波数配置を図8に示す状態で運用中に、ビームエリア#A、#B、#Cへの通信トラフィック要求が増加し、図4の(B)に示すA,B,Cの帯域幅では、全ての通信キャリアを配置できないような事態が発生した場合の動作の一例について説明する。このような通信トラフィックの増加は、例えばビームエリア#A,#B,#Cで災害が発生し、発呼要求が急激に増えた場合、あるいは平常時でも、ビームエリア#A,#B,#Cのユーザー数が年々増加したり、日中だけ業務のためにユーザー数が増加する場合に発生し得る。
また発呼の頻度は定常時と変わらないが、ビームエリア#A,#B,#Cで降雨が発生すると、APSK,QAMなどの多値変調から、降雨減衰に強いが所要帯域幅を多く要するQPSK,BPSK変調等が選択される。その結果、1キャリア当たりの平均帯域幅が広がるため、同様に、図4の(B)に示すA,B,Cの帯域幅では、全ての通信キャリアを配置できないような事態が発生し得る。
このような事態に対して、図4の(A)のように、アナログチャネライザ5Aだけでもビームエリア#A,♯B,♯C向けの帯域幅を広げる変更は可能である。しかし、前記(A2)で示した課題の通り、一旦ゲートウエイ局から、ビームエリア#A,#B,#C内の各ユーザーに向けた通信を全て中断してから、帯域幅を広げる変更を行う必要があり、通信サービスの面で好ましくなく、ユーザーに不便が発生する。
一方、実施の形態1におけるマルチビーム衛星通信システム95では、アナログチャネライザ5Aだけでなく、デジタルチャネライザ5Dを併用することで、このような通信断を発生させることなく、{#A,♯B,♯C}エリア向けの帯域幅を広げることが可能である。
このような通信トラフィック増加要求、あるいは帯域幅増加要求が発生した場合、管制局09は、デジタルチャネライザ5D内部において定常時では使わない別系統の回路を起動させる。すなわち管制局09は、周波数可変ダウンコンバータ053e、AD変換器551n、デジタル分波部552n、デジタル合波部554i〜554k、DA変換器555i〜555k、周波数可変アップコンバータ056i〜056kを起動させる。そして、これらを用いて、追加の帯域割当てを行う。通信トラフィックが定常状態に戻ったら、管制局09はこれらの回路を再び停止する制御を行う。
なお以降では、このような通信トラフィック増加要求、あるいは帯域幅増加要求を、まとめて“通信トラフィック増加”と表現する。以降、詳細について説明する。
はじめに、#A,♯B,♯Cの各エリア向けの通信トラフィックが、数時間、あるいは数日程度、一時的に増加する場合の対応方法について説明する。この場合、追加で必要となる帯域割当てを、デジタルチャネライザ5Dが行う。図4の(C)に、このようなトラフィック集中時の帯域割当ての例を示す。図4の(C)中、A’がビームエリア#A向けの追加割当て帯域、B’がビームエリア#B向けの追加割当て帯域、C’がビームエリア#C向けの追加割当て帯域であり、いずれも、中継装置93内のデジタルチャネライザ5Dによって、これら追加の帯域割当てが行われる。このような追加の帯域割当ては、必要なフィーダリンク帯域をアナログチャネライザ5Aとデジタルチャネライザ5Dの併用によって狭めた上(図4の(B))、狭めたことで余った帯域に{#A,♯B,♯C}エリア向けの帯域を追加で割当てても良い(図4の(C))。このデジタルチャネライザ5Dによる追加の帯域割当ても、管制局09による中継装置93の制御によって実現される。
以降、図5に示す中継装置93の構成図及び図9のフローチャートを用いて、詳細を説明する。
図9は、帯域信号A’,B’,C’を追加する動作のフローチャートである。
上記のような一時的なトラフィック要求が発生すると、周波数可変ダウンコンバータ053e、AD変換器551n、デジタル分波部552nが動作を開始する。
はじめに、ステップS021において、周波数可変ダウンコンバータ053eは、チャネライザ制御部060からの周波数変換量ΔFDEをもとに、図4の(C)に示す{A’,B’,C’}の各信号帯域を1つの帯域信号として、まとめて扱い、その中心周波数を中間周波数FIFに変換する。
周波数変換量ΔFDEの元になる信号は、管制側制御部941が生成して管制側通信部942を介して送信したデジタル中継部制御信号941Dである。管制側制御部941はビームエリア#A,#B,#Cの通信可能帯域を増加させる場合、デジタルチャネライザ5Dが中継すべき新たな周波数帯域を指示する信号をデジタル中継部制御信号941D(周波数変換量ΔFDEに相当)として生成し、管制側通信部942を介して中継装置93に送信する。
次に、ステップS022において、デジタル帯域可変部055内のAD変換器551nは、この帯域信号{A’,B’,C’}をサンプリングし、デジタルデータに変換する。
ステップS023において、デジタル分波部552nは、デジタルデータに変換された帯域信号{A’,B’,C’}をベースバンド帯に変換後、複数のサブバンドに分波する。{A’,B’,C’}の帯域信号は、{D,E,F,G,H}と同様、数十個のサブバンドに分解される。
スイッチマトリックス553は、このようなトラフィック追加要求が発生する前は、前記した通り、デジタル分波部552mが分波したサブチャネルを、後段の複数の合波部554d〜554hに振り分ける処理を行っていた。しかしこの場合は、チャネライザ制御部060からのルーティング指令情報を元に、デジタル分波部552nが分波したサブチャネルも、後段の複数の合波部554i,554j,554kに振り分ける処理を同時に行う(ステップS024)。
具体的にスイッチマトリックス553は、デジタル分波部552nが分波したサブチャネルの内、帯域信号A’の一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554iに、帯域信号B’の一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554jに、帯域信号C’の一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554kに、それぞれ振り分ける。
ステップS025において、各デジタル合波部554i,554j,554kは、スイッチマトリックス553から送られてくる各サブチャネルをそれぞれ合波することで、所望の信号帯域を抽出後、ベースバンド帯から中間周波数帯に変換する。デジタル合波部554iは、スイッチマトリックス553から送られてくる各サブチャネルを合波することで、A’の帯域信号を再生し、中間周波数帯で出力する。同様に、デジタル合波部554jはB’の帯域信号を、デジタル合波部554kはC’の帯域信号を、それぞれ再生し、中間周波数帯で出力する。
ステップS026において、後段のD/A変換器555i,555j,555kは、これら各信号A’,B’,C’をそれぞれアナログ信号に変換して、デジタル帯域可変部055から出力する。このような一連の処理により、デジタル帯域可変部055は、図4の(C)に示す1つの帯域信号{A’,B’,C’}を、A’〜C’の3つに分波して、抽出することが出来る。
ステップS027において、周波数可変アップコンバータ056i〜056kは、DA変換器555i〜555kから、中間周波数として出力される各信号を、チャネライザ制御部060からの各周波数変換量(ΔFUI,ΔFUJ,ΔFUK)をもとに、任意の下り側(ユーザーリンク)の無線周波数にそれぞれ変換する。
ステップS027−1において、加算器058a,058b,058cは、これら無線周波数に変換された帯域信号A’,B’,C’を、アナログチャネライザ5Aで中継される前記帯域信号A,B,Cに加算する。加算器058aは、帯域信号A’とAを加算し、高出力増幅器057aはこれら加算された帯域信号A,A’をまとめて増幅する(ステップS028)。増幅された信号{A,A’}は送信アンテナ06aを介して、ビームエリア#Aに送信される。
同様に、加算器058bは帯域信号B’とBを、加算器058cは帯域信号C’とCをそれぞれ加算し、増幅された信号{B,B’}は送信アンテナ06bを介してビームエリア#Bに、増幅された信号{C,C’}は送信アンテナ06cを介してビームエリア#Cに、それぞれ送信される。
図10は、このような帯域信号A’,B’,C’を追加で割当てた場合の、ユーザーリンク(下り)における周波数配置例を示している。本例では、予めトラフィックの一時的な増加に備えて、予備帯域をユーザーリンク帯域内に設けており、トラフックの一時的な増加が発生した場合は、この予備帯域に、帯域信号A’,B’,C’を追加で割当てる制御としている。
なお、図10に示す帯域信号A’,B’,C’の位置(各中心周波数)は一例であり、チャネライザ制御部060から前記周波数可変アップコンバータ056i〜056kへの各周波数変換量(ΔFUI,ΔFUJ,ΔFUK)を変更することで、各位置を自由に変更することが可能である。
このように、実施の形態1におけるマルチビーム衛星通信システム95は、アナログチャネライザ5Aを用いた信号中継において、帯域が足りなくなるような通信トラフィックの一時的な増加が生じた場合、アナログチャネライザ5Aの信号帯域幅の設定は保持したまま、管制局09が、不足した帯域分をデジタルチャネライザ5Dが補うように信号中継する制御を行う。この制御によって、ビームエリア#A,#B,#C内の各ユーザーに向けた通信を中断させることなく、通信トラフィックの一時的な増加に対応することが出来る。
次に、図11を参照して、{#A,♯B,♯C}エリア向けの通信トラフィックの平均値が、月単位、あるいは年単位で徐々に増加する場合の対応方法について説明する。
図11は、アナログチャネライザ5Aの信号帯域を拡大する処理のフローチャートである。
具体的には、フィーダーリンク(上り)の周波数配置を図4の(B)、ユーザーリンク(下り)の周波数配置を図8に示す状態で運用中に、ビームエリア#A、#B、#Cへの通信トラフィック要求が平均的に高くなり、図4の(B)に示すA,B,Cの帯域幅では、全ての通信キャリアを配置できないような事態がほぼ毎日発生する。そして、その結果デジタルチャネライザ5Dが不足した帯域分を補うような信号中継が、例えば日中頻繁に発生する場合の対応方法について説明する。このように日中に慢性的な帯域不足に陥るケースでも、ほとんどのユーザーが睡眠している深夜など、要求される通信トラフィックは大幅に減る時間帯が存在する。
そこで実施の形態1では、そのような通信トラフィックが大幅に減る時間帯において、ビームエリア#Aへの通信要求が発生したら、管制局09は、通信キャリアの周波数アサインを、図4の(C)に示すアナログチャネライザ5Aが処理する信号帯域A内にアサインするのではなく、デジタルチャネライザ5Dが処理するA’内にアサインする制御を行う(ステップS031)。
同様に、ビームエリア#B、あるいは♯Cへの通信要求が発生したら、管制局09は、通信キャリアの周波数アサインを、図4の(C)に示すアナログチャネライザ5Aが処理する信号帯域B内、あるいは信号帯域C内にアサインするのではなくデジタルチャネライザ5Dが処理する信号帯域B’内、あるいは信号帯域C’内にアサインする制御を行う。通信トラフィックが大幅に減る時間帯において、各通信キャリアを信号帯域A’,B’,C’に配置する制御を管制局09が行うため、信号帯域A,B,Cと比較すると、帯域幅が狭いA’,B’,C’内でも、全ての通信キャリアを収容する事が出来る。また同時に、本制御を開始する前から信号帯域A,B,C内に存在していたキャリアは、徐々に終話によって消失していくため、信号帯域A,B,C内に存在するキャリアは時間の経過とともに減少し、例えば1時間後には、1つも存在しない状況になる。
このように、新たに発呼される通信キャリアを信号帯域A’,B’,C’で収容し、それに伴って信号帯域A,B,C内にキャリアが減少し、存在しなくなったら(ステップS032でYES)、管制局09は信号帯域A,B,Cの各帯域幅を広げる制御を、中継装置93内のアナログチャネライザ5Aに対して行う(ステップS033)。
詳細には管制局09は、周波数可変ダウンコンバータ群053、アナログ帯域可変部054、周波数可変アップコンバータ群056に対する各設定変更を指示する変更制御信号941Cを生成し中継装置93に送信する。さらに具体的にはアナログ帯域可変部054は、制御により通過帯域幅が変更する3つのバンドパスフィルタ(V−BPF054a〜054c)からなる。この場合、通信キャリアを中継していない状態で、アナログチャネライザ5Aが帯域幅変更を行うため、ユーザーの通信を中断させるような不都合は発生しないことになる。なお、管制側制御部941は中継装置93を監視しているので、管制側制御部941は信号帯域A,B,C内にキャリアが存在しなくなったことを検出できる。
アナログチャネライザ5Aによる帯域幅拡大処理が完了後、ビームエリア#Aへの通信要求が発生したら、管制局09は、通信キャリアの周波数アサインを、図4の(C)に示すデジタルチャネライザ5Dが処理する信号帯域A’内にアサインするのではなく、アナログチャネライザ5Aが処理するA内にアサインする制御を行う(ステップS034)。同様に、ビームエリア#B、あるいは♯Cへの通信要求が発生したら、管制局09は、通信キャリアの周波数アサインを、図4の(C)に示すデジタルチャネライザ5Dが処理する信号帯域B’内、あるいは信号帯域C’内にアサインするのではなく、アナログチャネライザ5Aが処理する信号帯域B内、あるいは信号帯域C内にアサインする制御を行う。このような制御により、再び通信キャリアが、図4の(C)に示す信号帯域A,B,C内に配置され始め、一方、図4の(C)に示す信号帯域A’,B’,C’内に存在する通信キャリアは終話とともに消失していく。
通信キャリアが信号帯域A’,B’,C’内に存在しなくなったら(ステップS035でYES)、管制局09は、デジタルチャネライザ5Dによる中継を停止する指令を中継装置93に対して行う(ステップS036)。この指令を受けて、図5における周波数可変ダウンコンバータ053e、AD変換器551n、デジタル分波部552nの動作が停止する。
なお、上記は、ビームエリア#A、#B、#Cへの通信トラフィック要求が平均的に高くなり、A,B,Cの帯域幅では、全ての通信キャリアを配置できないような事態が慢性的に発生する場合の対応方法について説明した。ビームエリア#A、#B、#Cへの通信トラフィック要求が平均的に低くなり、A,B,Cの帯域幅では、全ての通信キャリアを配置しても、使われない空き帯域が慢性的に発生する場合も、同様の手順でA,B,Cの帯域幅を狭くすることも可能である。即ち、通信トラフィックが大幅に減る時間帯に、管制局09は、通信キャリアをデジタルチャネライザ5Dが中継するように制御する。そして、管制局09はアナログチャネライザ5Aが中継する通信キャリアが存在しなくなったら、アナログチャネライザ5Aが処理するA,B,Cの帯域幅を狭くする制御を行い、制御完了後、再び通信キャリアをアナログチャネライザ5Aが中継するように戻せばよい。
以上のように図11では、管制側制御部941は、アナログチャネライザ5Aを介して中継信号99が中継されているビームエリア#A,#B,#Cが存在する場合に、デジタルチャネライザ5Dが中継すべき新たな周波数帯域A’、B’,C’を指示する信号をデジタル中継部制御信号941Dとして生成する。この生成によりビームエリア#A,#B,#Cの通信可能帯域を増加させる。また同時に、管制側制御部941は、通信可能帯域の増加した前記ビームエリア#A,#B,#Cにおけるアナログチャネライザ5Aを介する中継信号99がなくなった場合に、アナログチャネライザ5Aの通過帯域を変更する変更制御信号941Cを生成し、変更制御信号941Cを管制側通信部942を介して中継装置93に送信する。
図5では、加算器(058a,058b,058c)の出力を、高出力増幅器(057a,057b,057c)が増幅する流れで示しているが、加算する前の2つの信号を高出力増幅器で増幅してから、加算しても良い。例えば、周波数可変アップコンバータ056aの出力を増幅する高出力増幅器と、周波数可変アップコンバータ056iの出力を増幅する高出力増幅器を設け、加算器058aがこれら高出力増幅された周波数可変アップコンバータ056a,056iの出力を加算して、送信アンテナ06aからビームエリア#Aに送信する処理に変形しても良い。この場合、高出力増幅器は2倍必要となるが、ビームエリア#A、#B、#Cに送信可能な最大電力も2倍に上がるため、通信トラフィック集中時においても、送信される信号の電力密度が低下することなく、各通信キャリアのビットレートを高い状態に保つことが可能となる。
更に、アナログチャネライザ5Aで中継された信号を増幅する高出力増幅器057a,057b,057cは、定常的な通信トラフィックが多いビームエリアに送信するため、高い飽和出力電力が要求される。しかし、デジタルチャネライザ5Dで中継された信号を増幅する高出力増幅器057d,057e,057f,057g,057hは、定常的な通信トラフィックが少ないビームエリアに送信するため、必ずしも高出力増幅器057a,057b,057cと同じ仕様とする必要はなく、より低い飽和出力電力としても良い。この場合、高出力増幅器057a,057b,057cの小型・低消費電力化を実現し、その結果、中継装置93の小型・軽量化や低消費電力化にも結び付く効果が得られる。同様に、前記した加算器(058a,058b,058c)で加算する前の2つの信号を高出力増幅器で増幅する場合は、周波数可変アップコンバータ056i,056j,056kの出力を増幅する3つの高出力増幅器を飽和出力電力が低い仕様とすることで、小型・低消費電力化を達成することが出来る。
なお図5では、加算器058aで帯域信号Aと帯域信号A’を加算し、高出力増幅器057aで増幅後、送信アンテナ06aで送信する動作を説明したが、別途、アンテナ指向が可変な「可動アンテナ06a’」を設け、帯域信号Aと帯域信号A’を、それぞれ独立した2つの送信アンテナ{06a,06a’}で送信し、可動アンテナ06a’をビームエリア#Aに向けることで、空間的に帯域信号Aと帯域信号A’を加算(=合成)しても良い。
この場合、図5の周波数可変アップコンバータ(V−U/C)056iから出力される帯域信号A’は、新たに設けた高出力増幅器で増幅後、可動アンテナ06a’で送信される処理となるため、加算器058aが不要となる反面、可動アンテナ06a’が必要となるため、ハードウエア規模が小さくなることは無い。
しかしながら、可動アンテナ06a’は、アンテナ指向が可変であるため、例えば帯域信号A’をビームエリア#Aだけでなく、ビームエリア#B〜#Hのいずれか、あるいはビームエリア#A〜#H以外の場所にも向けることが出来るため、いかなるエリアでトラフィック要求が一時的に増加したとしても、そのエリアに可動アンテナ06a’を向け、帯域信号A’を追加で割当てることが出来る。即ち、帯域追加割当ての空間的な自由度が高まる効果が得られる。
更に、図5の周波数可変アップコンバータ(V−U/C)056jから出力される帯域信号B’を、新たに設けた高出力増幅器で増幅後、新たに設けた可動アンテナ06b’で送信し、また図5の周波数可変アップコンバータ(V−U/C)056kから出力される帯域信号C’を、新たに設けた高出力増幅器で増幅後、新たに設けた可動アンテナ06c’で送信しても良い。この場合、加算器058a,058b,058cは不要となり、更に可動ビームが1つから3つに増えるため、これらの可動アンテナをビームエリア#A,♯B,♯Cだけでなく、その他のビームエリアにも同時に向けることが出来るため、更に帯域追加割当ての空間的な自由度が高まる効果が得られる。
なお、実施の形態1では、ビームエリア数を8つ、この内アナログチャネライザ5Aが中継するビーム数を3つ、デジタルチャネライザ5Dが中継するビーム数を5つで説明した。しかし、ビームエリア数は2以上であれば、幾つでもよいし、アナログチャネライザ5Aが中継するビーム数と、デジタルチャネライザ5Dが中継するビーム数は、いずれも1つ以上であれば幾つでも良い。
また、実施の形態1の中継装置93では、デジタルチャネライザ5Dにおいて、定常時では使わない別系統の数を、入力側1系統(周波数可変ダウンコンバータ053e以降)、出力側3系統(周波数可変アップコンバータ056i,056j,056k以前)としているが、これらの系統数は1以上であれば幾つでも良い。
実施の形態2.
実施の形態1で示した例は、アナログチャネライザが中継するビームエリア#A,♯B,♯Cに対する通信トラフィックが増加し、アナログチャネライザだけでは通信帯域が不足する場合に、デジタルチャネライザ5Dが不足した帯域分を補い、ビームエリア#A,♯B,♯Cに対する各帯域幅を増やすものであった。同様にデジタルチャネライザ5Dが中継するビームエリアに対する通信トラフィックが増加し、1つのD/A変換器で処理可能な帯域幅を超える通信帯域の要求が生じた場合も、同様の手法で、通信帯域幅を増やすことが出来る。
図12は、ビームエリア#G,#Hで災害等が発生し、その結果ビームエリア#G,#Hに向けた通信トラフィックが急激に増加したため、既に配置していた信号帯域G,Hの他、新たに信号帯域G’,H’を追加で配置した場合の周波数配置例を示している。図12の(A)がフィーダリンク(上り)、図12の(B)がユーザーリンク(下り)の周波数配置例であり、図4の(B)、図8に示される定常時の周波数配置例と比較すると、新たに信号帯域G’,H’が追加で配置されていることが判る。図12中、G’がビームエリア#G向けの追加割当て帯域、H’がビームエリア#H向けの追加割当て帯域であり、いずれも、中継装置93内のデジタルチャネライザ5Dによって、これら追加の帯域割当てが行われる。
図13は、実施の形態2における中継装置93の構成を示したものである。図13では図5と同一符号を付しており、実施の形態2における中継装置93の構成を示したものである。
図13に示すように、図5の構成と異なる点として、新たにビームエリア#D〜♯H用の高出力増幅器057d〜057hの前段に加算器058d〜058hを設け、周波数可変アップコンバータ056iの出力を加算器058a、あるいは加算器058fのいずれかに接続する。そして、周波数可変アップコンバータ056jの出力を加算器058b、あるいは加算器058d,あるいは加算器058gのいずれかに接続し、周波数可変アップコンバータ056kの出力を加算器058c、あるいは加算器058e,あるいは加算器058hのいずれかに接続した点である。
なお、図13中では、スペースの都合上、周波数可変アップコンバータ056i,056j,056kの出力が2分岐、あるいは3分岐して各加算器に接続される表示になっているが、実際は、同時に複数の加算器に1つの信号が入力されることは無く、チャネライザ制御部060の指令にもとづき、いずれか1つの加算器に接続される動作となる。
以降、図13及び図14を用いて実施の形態2の動作について説明する。
図14は、デジタルチャネライザ5Dで中継する信号帯域G’,H’を追加する場合のフローチャートである。図14は図9に類似であり、図9の信号帯域A’,B’、C’を信号帯域G’,H’と読み替えればよい。
このような通信トラフィック増加が発生した場合、実施の形態1と同様、管制局09は、デジタルチャネライザ5D内部において定常時では使わない別系統の回路を使用する制御を行う。即ち管制局09は、周波数可変ダウンコンバータ053e、AD変換器551n、デジタル分波部552n、デジタル合波部554i〜554k、DA変換器555i〜555k、周波数可変アップコンバータ056i〜056kを起動させる。管制局09はこれらを用いて、追加の帯域割当てを行う。通信トラフィックが定常状態に戻ったら、管制局09はこれらの回路を再び停止する制御を行う。
図12の(A)に配置されたフィーダリンク(上り)の帯域信号{G’,H’}は、前記した図4の(C)に示す{A’,B’,C’}と同様、図13の周波数可変ダウンコンバータ053e、AD変換器551n、デジタル分波部552nで処理される(ステップS041〜S043)。
図13のスイッチマトリックス553は、デジタル分波部552nが分波したサブチャネルの内、帯域信号G’の一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554jに、帯域信号H’の一部を有するサブチャネルはデジタル合波部554kに、それぞれ振り分ける(ステップS044)。
各デジタル合波部554j,554kは、スイッチマトリックス553から送られてくる各サブチャネルをそれぞれ合波することで、所望の信号帯域G’,H’を再生抽出後、ベースバンド帯から中間周波数帯に変換する(ステップS045)。後段のD/A変換器555j,555kは、これら信号G’,H’をそれぞれアナログ信号に変換して(ステップS046)、デジタル帯域可変部055から出力する。周波数可変アップコンバータ056j,056kは、DA変換器555j,555kから中間周波数として出力される信号G’,H’を、チャネライザ制御部060からの各周波数変換量(ΔFUJ,ΔFUK)をもとに、任意の下り側(ユーザーリンク)の無線周波数にそれぞれ変換する(ステップS047)。
また図12の(A)に配置されたフィーダリンク(上り)の帯域信号(A,B,C,D,E,F)は、実施の形態1で示した図4の(B)の定常時の処理と同様に処理され、図12の(B)に示される周波数配置で各ビームエリアに送信される。
次にチャネライザ制御部060は、周波数可変アップコンバータ056jの出力信号G’を加算器058gに接続し、周波数可変アップコンバータ056kの出力信号H’を加算器058hに接続する指令を周波数可変アップコンバータ056j,056kに対して行う。
加算器058gは、周波数可変アップコンバータ056jから出力される帯域信号G’と、実施の形態1と同様に信号処理によって周波数可変アップコンバータ056gから出力される帯域信号Gとを加算する(ステップS047−1)。高出力増幅器057gは、加算器058gの出力信号を増幅後、送信アンテナ06gを経由して、ビームエリア#Gに送信する(ステップS048)。
同様に、加算器058hは、周波数可変アップコンバータ056kから出力される帯域信号H’と、実施の形態1と同様に信号処理によって周波数可変アップコンバータ056hから出力される帯域信号Hとを加算し、高出力増幅器057hは、加算器058hの出力信号を増幅後、送信アンテナ06hを経由して、ビームエリア#Hに送信する。ビームエリア#Gに向けたユーザーリンク側の周波数配置、ビームエリア#Hに向けたユーザーリンク側の周波数配置は、図12の(B)に示す通りであり、予備帯域も用いることで、ビームエリア#Gには帯域信号GとG’が、ビームエリア#Hには帯域信号HとH’が、それぞれ周波数多重されて送信される。なお、図12の(B)に示す帯域信号G’,H’の位置(各中心周波数)は一例であり、チャネライザ制御部060からの各周波数変換量(ΔFUJ,ΔFUK)を変更することで、各位置を自由に変更することが可能である。
このように、デジタルチャネライザ5Dが中継するビームエリア#G,♯Hに対する通信トラフィックが増加し、1つのD/A変換器で処理可能な帯域幅を超える通信帯域の要求が生じた場合も、デジタルチャネライザ5D内部において、定常時では使わない別系統の回路を起動させて使う。この使用によって、ビームエリア#G,♯Hに対する信号帯域を増やす流れについて示した。
なお、上記例は、ビームエリア#G、#Hにおいて、通信トラフィックが急増した場合の追加帯域割当ての動作を示しているが、このような通信トラフィックの急増は、災害発生等により、ビームエリア#A〜♯Hのいずれかでも起こり得る。
そこで、実施の形態2の中継装置93は、図13に示す通り、全ての高出力増幅器057a〜057hの前段に、加算器058a〜058hを設ける構成とし、デジタルチャネライザ5D内部において、定常時では使わない別系統の回路の出力を、ビームエリア#G、#Hだけでなく、どのビームエリアに対しても加えられる構成としている。
なお、各加算器058a〜058hは、2入力1出力としている。しかし、定常時では使わない別系統の周波数可変アップコンバータの数をM個とすると、入力数は2以上、M+1以下であれば幾つでも良い。別系統の各周波数可変アップコンバータ出力(図13では056i,056j,056k)を加算器058a〜058hのいずれかにも接続する構成とし、各加算器が、定常時の入力信号と合わせて計4つ加算する構成としても良い。この場合、回路規模は増えるが、特定のビームエリアに対する帯域割当てを更に増やすことが可能となる。
なお図13では、各加算器058a〜058hを設けて、2つの帯域を加算する構成としているが、これら各加算器058a〜058hを無くし、図13の周波数可変アップコンバータ(V−U/C)056iから出力される帯域信号を、新たに設けた高出力増幅器で増幅後、新たに設けた可動アンテナ(指向が可変なアンテナ)06a’で送信し、周波数可変アップコンバータ(V−U/C)056jから出力される帯域信号を、新たに設けた高出力増幅器で増幅後、新たに設けた可動アンテナ06b’で送信し、周波数可変アップコンバータ(V−U/C)056kから出力される帯域信号を、新たに設けた高出力増幅器で増幅後、新たに設けた可動アンテナ06c’で送信する構成に変更しても良い。この場合、例えば、可動アンテナ06b’をビームエリア#Gに向けて帯域信号G’を送信し、可動アンテナ06c’をビームエリア#Hに向けて、帯域信号H’を送信することで、図12に示す追加の帯域割当てを同様に実現することが出来る。このように、各加算器058a〜058hを無くし、3つの可動アンテナ06a’,06b’,06c’を設けた構成にしても、前記各加算器058a〜058hを設けた場合と同様の効果を得ることが出来る。
更に、可動アンテナとしたことで、特定のビームエリアだけでなく、任意のビームエリア、あるいはビームエリア#A〜#H以外の場所にも向けることが出来るため、いかなるエリアでトラフィック要求が一時的に増加したとしても、そのエリアに可動アンテナ06a’,06b’,06c’のいずれか1つ以上を向けることが出来るため、帯域追加割当ての空間的な自由度が高まる効果も得られる。
また、実施の形態2の中継装置93では、実施の形態1と同様、デジタルチャネライザ5Dにおいて、定常時では使わない別系統の数を、入力側1系統(周波数可変ダウンコンバータ053e以降)、出力側3系統(周波数可変アップコンバータ056i,056j,056k以前)としているが、これらの系統数は1以上であれば幾つでも良い。
更に、実施の形態2では、ビームエリア数を8つ、この内アナログチャネライザが中継するビーム数を3つ、デジタルチャネライザ5Dが中継するビーム数を5つで説明したが、ビームエリア数は2以上であれば、幾つでもよいし、アナログチャネライザが中継するビーム数と、デジタルチャネライザ5Dが中継するビーム数は、いずれも1つ以上であれば幾つでも良い。
また図13では、加算器058a〜058hの出力を高出力増幅する構成としているが、実施の形態1と同様、高出力増幅器の数は2倍になるが、加算器の入力段で各信号を高出力増幅させて、各ビームエリアに送信可能な最大電力を上げる構成に変形しても良い。
更に、実施の形態1と同様、各高出力増幅器の内、アナログチャネライザで中継された信号を増幅する高出力増幅器057a,057b,057c以外は、低い飽和出力電力とし、中継装置93の小型・軽量化や低消費電力化を図った構成としても良い。
実施の形態3.
実施の形態1、実施の形態2では、いずれもゲートウエイ局から各ビームエリアに存在する各ユーザー端末に向けたフォワードリンクにおける本発明の実施例を示したが、実施の形態3では、各ユーザー端末からゲートウエイ局に向けたリターンリンクにおける実施例を示す。
図15は、マルチビーム衛星通信システム95のリターンリンク側の流れを示す。図15は図1と同一符号を付しており、中継装置93の受信アンテナ11は、ビームエリア#A〜♯Hに存在する複数のユーザーの通信キャリアを受信し、中継装置93は、各アップリンク信号の信号抽出や周波数変換を行った後、中継装置93の送信アンテナ12から、ゲートウエイ局02に送信する。
このようなリターンリンクにおいても、本発明がフィーダリンク帯域を削減する効果を以降で示す。
図16は、リターンリンク側の周波数配置例を示したものである。
図16において、通信トラフィックが平均的に多いビームエリア#A,♯B,♯Cからの各信号帯域(A,B,C)はアナログチャネライザが中継し、通信トラフィックが平均的に少ないビームエリア#D〜♯Hの各信号帯域(D〜H)は、デジタルチャネライザ5Dが中継する様子を示している。ビームエリア#Aからゲートウエイ局への通信トラフィックが一時的に増加したため、信号帯域Aの他に、信号帯域A’を追加で配置した例を示している。
また図16の(A)では、実施の形態1,2では割愛していた雑音成分について表現しており、図16において、13〜17は低雑音増幅等によって各信号に加わる雑音成分を示している。
アナログチャネライザは前述の通り、(A1)に示した課題を有し、デジタルチャネライザ5Dと比較するとフィルタの遷移域が広く、アナログBPFの遷移領域に相当する帯域は、ガードバンドとして確保する必要が有る。これは、下りフィーダリンクにおいても同様である。
図16の(B)に示す通り、アナログチャネライザで帯域信号Aを抽出する際に、主信号成分Aの他、図16に示される雑音成分13も合わせて抽出される。同様にデジタルチャネライザ5Dで帯域信号A’を抽出する際も、主信号成分A’の他、図16に示される雑音成分17も合わせて抽出される。ここで両者を比較して判るように、デジタルチャネライザ5Dは急峻なフィルタ特性を実現するため、抽出した主信号A’の帯域と、雑音成分17の帯域はほぼ同じとなるが、アナログチャネライザは、アナログBPFの遷移領域に依存する緩やかなフィルタ特性となるため、抽出した主信号Aの帯域より、雑音成分13の帯域幅が広くなる。
同様に、図16に示す通り、アナログチャネライザで抽出した主信号B、あるいはCの帯域よりも、雑音成分14、あるいは雑音成分15の帯域幅が広くなる。よって、フィーダリンク下りの周波数帯において、これらの信号を配置する場合、図16の(B)に示すように、自分の雑音成分が相手の主信号成分に重ならないような周波数配置が必要となる。この場合、各主信号間は、図16の(B)に示されるガードバンド(GB)分だけ間隔を取る必要がある。仮にガードバンド未満の間隔でA,B,Cを周波数配置すると、隣接する雑音成分が、主信号帯域の一部分に重なり、その結果、マルチビーム衛星通信システム95の通信品質低下を招いてしまう。
このような理由により、リターンリンク(フィーダリンク)下りにおいて、アナログチャネライザで全ての帯域信号(A〜H)を中継することは、特に帯域幅が狭いD〜Hの中継において、GBの帯域が支配的となり、図4の(A)で示されるフォワードリンク(フィーダリンク)上りと同様、周波数利用効率が低下することになる。
よって、実施の形態3では、図16の(B)に示す通り、通信トラフィックが多く、広い帯域幅が必要となるビームエリア#A,♯B,♯Cからの信号中継だけ、アナログチャネライザを用い、それ以外の通信トラフィックが少なく、狭い帯域幅で済まされるビームエリア#D〜♯Hからの信号中継は、デジタルチャネライザ5Dを用いる。これによって、フィーダリンク下りで必要となる帯域幅を削減し、周波数利用効率向上を上げることが出来る。
なお、実施の形態3におけるリターンリンク側の中継衛星05(中継装置93)は、図13に示すフォワードリンク側の中継装置93と同様、
(1)周波数可変ダウンコンバータ群、
(2)アナログ帯域可変部、
(3)デジタル帯域可変部、
(4)周波数可変アップコンバータ群、
(5)チャネライザ制御部の5つを基本として構成される。
図17は、このリターンリンク側の中継装置93の構成を示す。図5と同様に、破線で囲んだ範囲がそれぞれアナログチャネライザ5A,デジタルチャネライザ5Dを構成する。
この場合、周波数可変ダウンコンバータ群は、図16の(A)に示される各帯域信号(A〜H,A’)をそれぞれ中間周波数に変換し、アナログ帯域可変部が、帯域信号A,B,Cをそれぞれ抽出する。またデジタル帯域可変部は、帯域信号D〜H,A’の計6つの信号をそれぞれ6つのA/D変換器でサンプリング後、デジタル処理を経て、{D,E,F,G,H}が合波された帯域信号Yと、帯域信号A’の2つを出力する。周波数可変アップコンバータ群は、図16の(B)に示される周波数配置となるように、帯域信号A,B,C,Y(∈{D,E,F,G,H}),A’の計5つを、それぞれ中間周波数から無線周波数に変換する。最後に、実施の形態3におけるリターンリンク側の中継器は、これら5つの信号を合成後、増幅して送信アンテナ12を経由して、ゲートウエイ局02に送信する。またチャネライザ制御部は、フォワードリンク側の中継装置93と同様、管制局09からの指令にもとづき、これら周波数可変ダウンコンバータ群、アナログ帯域可変部、デジタル帯域可変部、周波数可変アップコンバータ群の各動作を制御する。本例は、ビームエリア#Aからの通信トラフィックが一時的に増加した場合でも、実施の形態1,2で説明したフォワードリンク側の処理と同様にして、特定のビームエリアに対する帯域の追加割当てを実現することが出来る。
なお、中継衛星05の受信アンテナ11の内、ビームエリア#Aからの帯域信号A’を受信する中継衛星05の受信アンテナを、アンテナ指向が可変な「可動アンテナ」にしても良い。この場合、例えば、一時的なトラフィック要求が、ビームエリア#Aではなくビームエリア#Cで発生した場合でも、本可動アンテナをビームエリア#Cに向けることで、ビームエリア#Cからの追加の帯域信号C’を、前記したビームエリア#Aからの帯域信号A’の追加割当てと同様に、実現することが出来る。
このように、中継衛星05の受信アンテナ11の内、デジタルチャネライザ5Dに接続されるアンテナの1つを可動アンテナとすることで、特定のビームエリアだけでなく、任意のビームエリア、あるいはビームエリア#A〜#H以外の場所に一時的なトラフィック要求増加が発生しても、そのエリアにおける帯域の追加割当てを実現できるため、帯域追加割当ての空間的な自由度が高まる効果が得られる。
更に、このような「可動アンテナ」を1つではなく、中継衛星05の受信アンテナ11の内、デジタルチャネライザ5Dに接続されるものの中から、複数設けても良い。この場合、1箇所のエリアだけでなく、複数のエリアで同時に一時的なトラフィック要求増加が発生しても、その各エリアに可動アンテナをそれぞれ向けることが出来るため、更に帯域追加割当ての空間的な自由度が高まる効果が得られる。
なお、特定のビームエリアからの帯域拡大要求が発生しない定常時においても、アナログチャネライザだけでなくデジタルチャネライザ5Dを併用することで、その他の利点を得ることが出来る。
例えば、ある通信キャリアのアップリンク受信電力密度が、降雨等の影響を受けて、他の隣接するキャリアの受信電力密度と比較して低く、その結果、アナログチャネライザによる中継では、回線が成立しなくなるケースがある。具体的には、受信電力密度が低いため高出力増幅時において加わる相互変調歪み干渉の影響を大きく受け、回線が成立しなくなるケースであり、このケースではアナログチャネライザではなく、デジタルチャネライザ5Dを用いた中継を行う。その場合、特開2014−187688号公報に記載の通り、デジタルチャネライザ5Dで、対象とする通信キャリアを含むサブバンドだけを増幅することで、衛星の最終段の増幅器において加わる相互変調ひずみ干渉の影響を軽減し、回線成立性を高めることが出来る。
この動作は以下のようである。管制側制御部941は、中継装置93の受信する中継信号99の受信電力密度が低いと予想される場合、中継信号99をデジタルチャネライザ5Dを介して中継するべき信号としてデジタル中継部制御信号941Dを生成し、管制側通信部942を介して中継装置93に送信する。デジタルチャネライザ5Dは、チャネライザ制御部060から制御を受けることにより、デジタル中継部制御信号941Dに対応して、デジタル中継部制御信号941Dによって指示されている中継信号99の電力を増幅する。
また、不要な干渉波がアップリンクの信号帯域内に複数存在する場合も、アナログチャネライザではなく、デジタルチャネライザ5Dを用いた中継を行うように制御する。この場合、アナログチャネライザでは、不要な干渉波まで含めて高出力増幅してしまうため、衛星の送信電力リソースを不要な信号の中継に奪われてしまうことになる。その場合、デジタルチャネライザ5Dは、特許第5430737号に記載の通り、干渉波が混在するサブバンドのみ減衰させる制御により、不要な信号の中継を阻止し、中継時の無駄な消費電力を抑制することができる。
この動作は以下のようである。管制側制御部941は、中継装置93の受信する中継信号99の周波数帯域幅に干渉波が混在する場合、中継信号99をデジタルチャネライザ5Dを介して中継するべき信号としてデジタル中継部制御信号941Dを生成し、管制側通信部942を介して中継装置93に送信する。デジタルチャネライザ5Dは、チャネライザ制御部060から制御を受けることにより、デジタル中継部制御信号941Dに対応して、デジタル中継部制御信号941Dによって指示されている中継信号99のうち干渉波が混在するサブバンドを減衰させる。なお管制側制御部941は中継装置93を監視しているので、受信電力密度、干渉波を検出できる。
実施の形態4.
実施の形態1,2,3では、スター型と称されるゲートウエイ局と、複数のビームエリアに存在するユーザー端末との衛星通信ネットワークを例に、本発明の内容と効果を説明した。実施の形態4では、メッシュ型と称される複数のビームエリア間の衛星通信ネットワークを例に説明し、本発明の内容と効果を説明していく。
実施の形態4ではアナログチャネライザは図20に示されるアナログチャネライザ20,21,22であり、デジタルチャネライザはデジタルチャネライザ23である。
図18は、実施の形態4における衛星通信の5つのビームエリア(♯P〜♯T)間接続を示したものである。図中の矢印は、通信の向きを示しており、中継衛星を経由して、各ビームエリア間の通信が行われる。図18に示す通り、5対5の接続となるため、その中継数は計25本となる。ここで、ビームエリア#Rは、陸域の地方エリアであるが、地上網と接続されるゲートウエイ(GW)局が存在し、ビームエリア#Qは、陸域で人口が多い都市部を含み、ビームエリア#Sは陸域で地方エリアであり、ビームエリア#P,♯Tは海域とする。このような条件下で通信が行われると、5対5のエリア間における通信において、通信トラフィック量に偏りが発生することが想定される。例えば、海域エリア(♯P,♯T)間の通信トラフィックは平均的に少なく、一方でユーザーが多く存在する都市部や陸域、あるいはGW局が存在するエリア(♯Q,♯R,♯S)間の通信トラフィックは平均的に多くなることが、運用開始前から予想される。
このような通信トラフィックが偏る性質に着目し、実施の形態4におけるマルチビーム衛星通信システム95は、計25本の中継の内、通信トラフィックが多く、広い信号帯域幅を必要とする9本の“実線矢印”で示される信号中継をアナログチャネライザが担当する。そして、残りの通信トラフィックが少なく、広い信号帯域幅を必要としない計16本の“点線矢印”で示される信号中継をデジタルチャネライザが担当するように制御する。
図19は、図18に対して通信トラフィックが増加した場合を示す。図19に示すように、災害等の発生により、ビームエリア#SとGW局が存在するビームエリア#Rとの間の通信トラフィックが一時的に急増し“実線矢印”で接続されるアナログチャネライザによる信号中継では、帯域が不足する場合、次の処理とする。つまり、実施の形態1の中継器と同様、管制局09は、デジタルチャネライザ内部において定常時では使わない別系統の回路を起動させて、これらを用いて追加の帯域割当てを行う。例えば実施の形態4では、管制局09は、デジタルチャネライザによって、図19中に示される太い2つの点線(18,19)が追加で加え、ビームエリア#Sとビームエリア#R間の中継に使われる帯域幅を増やす制御を行う。
図20は、実施の形態4における中継装置93の構成を示す。図20に示す通り、図20中に示される各“BPF”(バンドパスフィルタ)は、各ビームエリア#P〜♯Tからのアップリンク信号を帯域制限し、図20中に示される各“LNA”(低雑音増幅器)は、各“BPF”の出力を増幅する。ここで図20中、ビームエリア#Qからのアップリンク信号を増幅したLNA602の出力は、2つに分岐され、1つはアナログチャネライザ#1(20)、もう一つはデジタルチャネライザ23にそれぞれ入力される。同様に、ビームエリア#Rからのアップリンク信号を増幅したLNA603の出力は、アナログチャネライザ#2(21)と、デジタルチャネライザ23に入力される。また同様に、ビームエリア#Sからのアップリンク信号を増幅したLNA603の出力は、アナログチャネライザ#3(22)と、デジタルチャネライザ23に入力される。その他、通信トラフィックが少ないビームエリア#P,♯Tからのアップリンク信号は、図20に示す通り分岐されず、そのままデジタルチャネライザ23に入力される。アナログチャネライザ#1(20),♯2(21),♯3(22)はいずれも同一の構成となっており、その内部構成は、アナログチャネライザ#1(20)で示されるように、3つの周波数可変ダウンコンバータ(V−D/C)、3つのアナログ帯域可変フィルタ(V−BPF)、3つの周波数可変アップコンバータ(V−U/C)で構成される。
アナログチャネライザ#1は、図20に示される通り{“V−D/C”⇒“V−BPF”⇒“V−U/C”}の流れによる処理を3つ並行して行う。アナログチャネライザ#1は、ビームエリア#Qからのアップリンク信号の内、アナログチャネライザで中継するビームエリア#Q向けの帯域信号、ビームエリア#R向けの帯域信号、ビームエリア#S向けの帯域信号のそれぞれ3つを同時に抽出し、ダウンリンクの無線周波数に変換して出力する。
同様にして、アナログチャネライザ#2は、ビームエリア#Rからのアップリンク信号の内、ビームエリア#Q向けの帯域信号、ビームエリア#R向けの帯域信号、ビームエリア#S向けの帯域信号のそれぞれ3つを同時に抽出し、ダウンリンクの無線周波数に変換して出力する。また同様にして、アナログチャネライザ#3は、ビームエリア#Sからのアップリンク信号の内、ビームエリア#Q向けの帯域信号、ビームエリア#R向けの帯域信号、ビームエリア#S向けの帯域信号のそれぞれ3つを同時に抽出し、ダウンリンクの無線周波数に変換して出力する。
これら各“V−D/C”,“V−U/C”における周波数変換量や“V−BPF”の通過帯域幅の設定は、チャネライザ制御部060によって行われる。
後段の加算器301は、前記各アナログチャネライザ#1〜♯3の出力信号の内、ビームエリア#Q向けの帯域信号(計3つ)を合成して出力する。同様に、後段の加算器302は、前記各アナログチャネライザ#1〜♯3の出力信号の内、ビームエリア#R向けの帯域信号(計3つ)を合成して出力する。また同様に、後段の加算器303は、前記各アナログチャネライザ#1〜♯3の出力信号の内、ビームエリア#S向けの帯域信号(計3つ)を合成して出力する。これら合成された信号は、図20中の示されるPA(高出力増幅器)によって増幅された後、各ビームエリアに向けて送信される。
このような一連の処理によって、通信トラフックが平均的に多く、広い帯域幅を要するビームエリア#Q,♯R,♯S間の信号中継(図18の実線で示される中継)を、アナログチャネライザで実現することが出来る。
次にデジタルチャネライザ23は、ビームエリア#Pからのアップリンク信号を周波数可変ダウンコンバータ(V−D/C)231で中間周波数に変換後、デジタル帯域可変部240内で、実施の形態1と同じ処理によって、サブバンド単位に分波する。
同様にデジタルチャネライザ23は、ビームエリア#Q〜♯Tの各アップリンク信号を周波数可変ダウンコンバータ(V−D/C)232〜235で中間周波数に変換後、デジタル帯域可変部240内で、それぞれサブバンド単位にデジタル分波する。
サブバンド単位に分波された各アップリンク信号は、実施の形態1のデジタル帯域可変部と同様、デジタルチャネライザ23内部のスイッチマトリックスによって、各宛先のビームエリアごとに集められた後、デジタル合波される。周波数可変アップコンバータ(V−U/C)251〜255は、デジタル帯域可変部240から出力される合波後の各信号を、所望の無線周波数に変換する。これらデジタルチャネライザ23内の各“V−D/C”,“V−U/C”における周波数変換量や、スイッチマトリックスのスイッチングの設定は、チャネライザ制御部060によって行われる。このようにしてデジタルチャネライザ23で中継される各信号は、図20中の示されるPA(高出力増幅器)によって増幅された後、各ビームエリアに向けて送信される。
なお定常時において、デジタルチャネライザ23は、ビームエリア#Q,♯R,♯Sからの各アップリンク信号の内、それぞれビームエリア#Pとビームエリア#T宛ての帯域信号のみ中継し、通信トラフィックの多いビームエリア#Q,♯R,♯S宛ての帯域信号は、アナログチャネライザ#1〜♯3に委ね、デジタルチャネライザでは中継しない動作となる。
よって、定常時では、図20中、ビームエリア#Q,♯R,♯Sに向けた追加帯域割当て時に動作する周波数可変アップコンバータ252,253,254や、その前段のデジタル帯域可変部240内の各D/A変換器やデジタル合波部は、チャネライザ制御部060によって動作が停止される。
以上示した一連のデジタルチャネライザの動作によって、通信トラフックが平均的に少なく、広い帯域幅を要さないビームエリア間の信号中継(図18の点線で示される中継)を、デジタルチャネライザで実現することが出来る。
一方、災害等の発生により、例えば前記した通り、ビームエリア#Sとビームエリア#R間の通信トラフィックが一時的に急増し、アナログチャネライザによる信号中継だけでは、帯域が不足する場合を想定する。
この場合、管制局09からの指令を受けて、デジタルチャネライザ23は、ビームエリア♯Rからのアップリンク信号の内、ビームエリア#P,#T向けの帯域信号だけでなく、追加で割当てられたビームエリア#S向けの帯域信号RS’も以下のように処理する。デジタルチャネライザ23は、サブバンド単位にデジタル分波後、定常時では使わない周波数可変アップコンバータ254や、その前段のデジタル帯域可変部240内の各D/A変換器やデジタル合波部を用いて、追加で割当てた帯域信号RS’をビームエリア#S宛てに中継する動作を行う。
同様に、デジタルチャネライザ23は、ビームエリア♯Sからのアップリンク信号の内、ビームエリア#P,#T向けの帯域信号だけでなく、追加で割当てられたビームエリア#R向けの帯域信号SR’も次のように処理する。デジタルチャネライザ23は、サブバンド単位にデジタル分波後、定常時では使わない周波数可変アップコンバータ253や、その前段のデジタル帯域可変部240内の各D/A変換器やデジタル合波部を用いて、追加で割当てた帯域信号SR’をビームエリア#R宛てに中継する動作を行う。
このようにして、デジタルチャネライザで中継される帯域信号SR’,RS’は、アナログチャネライザで中継される各帯域信号と合成されてビームエリア#R,♯Sに送信される。詳細には、加算器402は、アナログチャネライザ(加算器302出力)からの各帯域信号と、上記デジタルチャネライザからの追加割当て帯域信号SR’を合成し、加算器402で合成された信号は、図20に示すPA(高出力増幅器)で増幅後、ビームエリア#Rに送信される。
同様に、加算器403は、アナログチャネライザ(加算器303出力)からの各帯域信号と、上記デジタルチャネライザからの追加割当て帯域信号RS’を合成し、加算器403で合成された信号は、図20に示すPA(高出力増幅器)で増幅後、ビームエリア#Sに送信される。
なお図20の中継装置93では、ビームエリア#R,♯Sだけでなく、ビームエリア#Qに向けた通信トラフィックの一時的な増加にも対応させるため、加算器401を設ける。加算器401は、アナログチャネライザ(加算器301出力)からの各帯域信号と、上記デジタルチャネライザからの出力される追加割当て帯域信号Q’を合成し、加算器401で合成された信号は、図20に示すPA(高出力増幅器)で増幅後、ビームエリア#Qに送信可能な構成としている。
また、ビームエリア♯Rからのアップリンク信号は、ビームエリア#P,#T向けの帯域信号の他、ビームエリア#S向けの帯域信号RS’も加わるため広帯域化する。この場合、サンプリング速度の上限制約により、デジタルチャネライザ23内部のA/D変換器1個で、広帯域化したビームエリア♯Rの信号をサンプリングすることが厳しくなる場合も起こり得る。
この場合は、ビームエリア#Rからの受信信号を中間周波数に変換する周波数可変ダウンコンバータ233を、もう一つ設ける。そして、ビームエリア#P,#T向けの帯域信号を周波数変換するV−D/Cと、帯域信号RS’を周波数変換するV−D/C、及びこれら中間周波数に変換された信号をサンプリングするA/D変換器(計2個)、及びサンプリングした信号をデジタル分波する分波部(計2個)で構成して処理すれば良い。
同様に、ビームエリア♯Sからのアップリンク信号も、ビームエリア#P,#T向けの帯域信号の他、ビームエリア#R向けの帯域信号SR’も加わるため広帯域化する。この場合も、A/D変換器1個で、広帯域化したビームエリア♯Sの信号をサンプリングすることが厳しくなる場合、ビームエリア#Sからの受信信号を中間周波数に変換する周波数可変ダウンコンバータ234を、もう一つ設ける。そして、ビームエリア#P,#T向けの帯域信号を周波数変換するV−D/Cと、帯域信号SR’を周波数変換するV−D/C、及びこれら中間周波数に変換された信号をサンプリングするA/D変換器(計2個)、及びサンプリングした信号をデジタル分波する分波部(計2個)で構成して処理すれば良い。
この場合、デジタルチャネライザは、図20に示される5入力5出力の構成から、7入力5出力の構成に拡張される構成となる
以上示した一連の処理によって、実施の形態4のマルチビーム衛星通信システム95は、通信トラフックが平均的に多く、広い帯域幅を要するビームエリア#Q,♯R,♯S間の信号中継をアナログチャネライザで行うことで、全てをデジタルチャネライザで中継する方式と比較して、中継装置93の低消費電力化を実現することが出来る。また通信トラフックが平均的に少なく、広い帯域幅を要さないビームエリア間の各信号をデジタルチャネライザで中継することで、全てをアナログチャネライザで中継する方式と比較して、実施の形態1と同様、低ガードバンド化による高い周波数利用効率を実現することが出来る。
更に、一時的な通信トラフィック増加による追加帯域割当てが発生する場合、管制局09は、アナログチャネライザに対する帯域変更制御を行わず、デジタルチャネライザが、追加分を中継する制御を行うことで、帯域の追加割当て時に、各ユーザーの通信を中断させないようにした。
なお、実施の形態4では、ビームエリア#Sに災害等が発生して通信トラフィックが増加する場合の追加の帯域割当て例に説明した。
このような一時的な通信トラフィックの増加が、ビームエリア#Sだけでなく、ビームエリア#R、ビームエリア#Qなど、1つ以上のエリアで発生する場合でも、デジタルチャネライザ23が、ビームエリア#S,♯Rに帯域信号を追加で割当てる場合と同様の動作を行う。これにより、アナログチャネライザだけでは不足する帯域を中継することができる。
また、実施の形態4の場合も、実施の形態1と同様、通信トラフィックが大幅に少なくなる深夜などにおいて、一旦デジタルチャネライザが全てのビームエリア間の信号中継を行い、その間にアナログチャネライザの通過帯域幅を変更する。この変更で、チャネライザで中継する各通信を中断させることなく、アナログチャネライザの帯域可変を実現することも可能である。
なお、実施の形態4では、5対5の計25本の信号中継を行うメッシュ型ネットワークを例に説明したが、これらの数は2以上の整数であれば幾つでもよく、各ビームエリア数に応じた中継装置93の構成とすることで、N対M(但しN≧2,M≧2)の信号中継を行うマルチビーム衛星通信システム95に対応することができる。
また実施の形態4では、5対5の計25本の信号中継の内、アナログチャネライザが中継する信号を3対3の計9本として説明したが、これらの数もこれに限るものではなく、中継装置93の構成を変更することで、N対Mの信号中継の内、アナログチャネライザがN’対M’(但しN≧N’≧2,M≧M’≧2)の信号中継を実現するような、マルチビーム衛星通信システム95に対応することもできる。
また図20では、加算器401〜403の出力を、それぞれPAで高出力増幅する構成としているが、実施の形態1と同様、高出力増幅器の数は2倍になるが、加算器401〜403の入力段で各信号を高出力増幅してから、加算する構成に変更しても良い。この場合、各ビームエリア#Q,♯R,♯Sに送信可能な最大電力を上げることが出来る。
更に、実施の形態1と同様、図20の各高出力増幅器(PA)の内、デジタルチャネライザからの帯域信号を増幅する各PAを、アナログチャネライザからの帯域信号を増幅する各PAと比較して、その飽和出力電力を低くすることで、中継装置93の小型・軽量化や低消費電力化を図った構成としても良い。
なお、実施の形態4でも、実施の形態3と同様、特定のビームエリアからの帯域拡大要求が発生しない定常時においても、アナログチャネライザだけでなくデジタルチャネライザを併用することで、様々な効果を得ることが出来る。
例えば、実施の形態3と同様、ある通信キャリアのアップリンク受信電力密度が、他の隣接するキャリアの受信電力密度と比較して低い場合、アナログチャネライザではなく、デジタルチャネライザで中継し、対象とする通信キャリアを含むサブバンドだけを増幅することで、衛星の最終段の増幅器において加わる相互変調ひずみ干渉の影響を軽減し、回線成立性を高めるようにしても良い。
あるいは、不要な干渉波がアップリンクの信号帯域内に複数存在する場合、実施の形態3と同様、アナログチャネライザではなく、デジタルチャネライザで中継し、デジタルチャネライザが、干渉波が混在するサブバンドのみ減衰させる制御により、不要な信号の中継を阻止し、中継時の無駄な消費電力を抑制するようにしても良い。
更に、例えば放送など、あるビームエリア(例えば#R)から送信される1つの信号を、実施の形態4の中継装置93を介して、同時に複数のビームエリア(例えば♯P〜♯T)に中継する場合、その信号帯域幅が、デジタルチャネライザでも十分中継できる程度の幅であれば、デジタルチャネライザを用いて中継するような制御を行ってもよい。
同時に配信するビームエリア数をU個とすると、アナログチャネライザを用いて、このような同報通信を中継する場合、アップリンクで受信した信号を、U個に分配する際に、信号レベルが1/U倍に減少する分配損が発生する。そのためUの数が多くなると、アナログチャネライザは、分配損の影響を受けないよう、適宜増幅器の数を増やす設計とする等、アナログ回路の規模が増加し、アナログ回路設計が複雑化する。
一方、デジタルチャネライザでこのような同報通信を中継する場合、サブバンド単位にデジタル分波された1つの信号を、スイッチマトリックスがU個にコピーして、各ビームエリアに向けて配信する処理となるため、このような分配損は発生しない。
よって、このような同報通信をデジタルチャネライザが中継するように、管制局09が制御することで、中継装置93のアナログ回路規模増加や、アナログ回路設計の複雑化を抑制することが出来る。より具体的には以下のようである。管制側制御部471は、デジタルチャネライザを用いて同報通信の中継を行うべきことを指示する同報通信制御信号941Eを生成し、管制側通信部472を介して中継装置93に送信する。チャネライザ制御部060は、同報通信制御信号941Eに従って、デジタルチャネライザを制御する。
実施の形態5.
なお、前記各実施の形態は、アナログチャネライザとデジタルチャネライザの組合せで説明したが、アナログチャネライザに帯域可変機能が無くても良い。これは、即ち帯域可変機能がないアナログ回路で構成されるベントパイプに相当するが、ベントパイプとデジタルチャネライザの組合せでも良い。
この場合、通信トラフィックが平均的に多く流れる各ビームエリアに対する通信は、アナログ回路で構成されるベントパイプが中継し、それ以外の通信トラフィックが平均的に少なく流れる各ビームエリアに対する通信や、特定ビームエリアへの一時的なトラフィック増加分の通信は、デジタルチャネライザが中継する。
実施の形態5の中継装置93は、その他の各実施の形態で示した中継装置93のアナログ帯域可変部(図13の054)がアナログ帯域制限部に、各アナログ帯域可変フィルタ“V−BPF”(図13の054a〜054c)が、単なるバンドパスフィルタ(BPF)に置き換わるだけである。本構成により、実施の形態5の中継装置93は、打上げ後、アナログ回路による帯域変更が出来なくなる。例えば、特定のビームエリア向けの通信トラフィックの平均値が、月単位、あるいは年単位で徐々に増加し、通信トラフィックが平均的に高くなる場合は、実施の形態1で示したように、アナログチャネライザによる帯域拡大変更が出来ず、常にデジタルチャネライザが不足した帯域分を補うような信号中継が行われるようになる。
一方で、実施の形態5の中継装置93は、アナログ帯域可変機能が不要となるため、他の実施の形態で示した中継装置93よりも、回路の小型・軽量化を実現する効果が得られる。
以上、本発明の実施の形態1から5について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
実施の形態6.
実施の形態1から実施の形態3は、スター型と称される方式を説明した。スター型とは、ゲートウエイ局と、複数のビームエリアに存在するユーザー端末装置との衛星通信ネットワークに関する。また、実施の形態4は、メッシュ型と称される方式を説明した。メッシュ型とは、複数のビームエリア間の衛星通信ネットワークに関する方式である。
実施の形態6は、スター型とメッシュ型との両方が混在する衛星通信ネットワークに関する。以下に実施の形態6を説明する。
図27は、GW局を使用するスター型を示す。図27では簡単のため2つのビームエリア#A、#Bの場合を示した。後述のように複数のビームエリアの各ビームエリアに存在するユーザー間の通信をスター型で行う場合、無線信号は、ユーザー#A→衛星→GW局→インターネット網と、伝搬される。この場合、無線信号は、図27のように、ユーザー#A→衛星(S11)、衛星→GW局(S12)と伝搬される。なお図27に示す場合では、GW局、及び第4の通信装置114はビームエリア#Bに存在する。
図28は、メッシュ型を示す。図28は、簡単のため2つのビームエリア#A、#Bの場合を示した。メッシュ型で各ビームエリアに存在するユーザー間の通信を行う場合は、GW局を介さず、無線信号は、ユーザー#A→衛星→ユーザー#Bと、地上と衛星との間を2回伝搬されるだけである。
図27を参照した場合、仮に2つのビームエリア間の通信をゲートウエイ局を介して行うと、以下のように伝搬されるため、ビーム間の通信はメッシュ型が望ましい。
つまり通信データは、ユーザー#A(第3の通信装置113)→衛星→GW局→インターネット網→第4の通信装置114→インターネット網→GW局→衛星→ユーザー#A(第3の通信装置113)と、伝搬される。図27では、GW局からインターネット網を介する第4の通信装置114への経路はステップS13であり、第4の通信装置114からインターネット網を介するGW局への経路はステップS14である。また、GW局から衛星への経路はステップS15であり、衛星からユーザー#A(第3の通信装置113)への経路はステップS16である。
よって、インターネット網にアクセスして動画を閲覧し、あるいはアップロードするような通信サービスは、ゲートウエイ(GW)局を介したスター型の通信網で行われ、ビーム間の通信サービスは、低遅延またはリアルタイム性も実現される、メッシュ型の通信網で行われることが望ましい。低遅延またはリアルタイム性が要求される通信サービスは、ユーザー間におけるテレビ会議または音声通信、あるいはユーザーと無人機との通信等である。
実施の形態6で説明する、スター型とメッシュ型との両方が混在する衛星通信ネットワークは、ビーム間の通信サービスと、ゲートウエイ局を介した通信サービスとを、1つの衛星通信システムで実現する場合に有効である。
ここで、背景技術において説明した通り、デジタルチャネライザは、周波数利用効率向上または動的な帯域割当て、相互変調歪みの影響緩和、不要な信号の中継阻止の利点を有する。
デジタルチャネライザは、これらの利点に加え、更に、メッシュ型の多ビーム間の中継を容易に実現する利点も有する。
例えば、実施の形態4で示した5対5の計25本の信号中継は、アナログチャネライザを用いても実現できる範囲である。しかし、アナログチャネライザを用いて100ビーム級のメッシュ型の信号中継、つまり、100対100の計10000本の信号中継を実現することは、重量、容積、配線数の面で膨大な規模となるため、厳しい。
一方、デジタルチャネライザでは、メモリの読み書き等、デジタル回路内部で、上述の100対100の接続が実施されればよい。よって、デジタルチャネライザは、100ビーム級のメッシュ型に対して、各ビーム間接続の実現性を有する。
そこで、実施の形態6では、ビーム間接続に関するデジタルチャネライザの利点に着目し、
(a)メッシュ型の接続はデジタルチャネライザが担当し、
(b)スター型の接続はアナログチャネライザが担当する。
このような担当配分により、実施の形態1から実施の形態5で述べた効果に加え、
実施の形態6は、多ビーム、例えば100ビーム級のメッシュ接続にも対応できる効果が得られる。具体的には、地上の管制局が、ゲートウエイ局とビームエリアとの通信要求が発生した場合、アナログチャネライザが担当するスター型の接続にこの通信要求を割当て、2つのビーム間の通信要求が発生した場合、デジタルチャネライザが担当するメッシュ型の接続にこの通信要求を割当てる。
図21は、実施の形態6における接続を示す。図27に、フォワードリンク及びリターンリンクと、通信における上り及び下りを示す。フォワードリンクは、GW局から各ビームへ向かう通信である。リターンリンクは、各ビームからGW局へ向かう通信である。また、上りは地上から衛星に向かう方向であり、下りは衛星から地上に向かう方向である。図21において、実線の矢印が、アナログチャネライザが担当するスター型ネットワークを示し、点線の矢印が、デジタルチャネライザが担当するメッシュ型ネットワークを示す。図21のシステムが実施の形態4のシステムと異なる点は、メッシュ型ネットワークとは別に、明確にスター型のネットワークが独立して存在する点である。図21におけるスター型ネットワークでは、ゲートウエイ(GW)局がビームエリア#Rに存在し、GW局と、各ビームエリア(♯{R,Q,P,S,T})内に存在する複数の衛星通信端末装置(以下、衛星通信端末)が、このスター型ネットワークを用いて、双方向に通信を行う。複数の衛星通信端末はVSAT(Very Small Aperture Terminal)局等である。
一方、ビームエリア#{R,Q,P,S,T}内に存在する、衛星通信端末装置の間の通信は、メッシュ型ネットワークを用いて行われる。図21ではスペースの都合上、ビーム数を5つ(R,Q,P,S,T)としているため、メッシュ側の接続は5ビーム対5ビーム(5対5接続)となるが、例えば100ビーム級のシステムでは、メッシュ側の接続は、100ビーム対100ビーム(100対100接続)となる。
図22、図23に、実施の形態6の周波数プランの例を示す。中継装置93−6への周波数プランの設定及び変更は、管制局09の制御で実施する。具体的には、例えば図5に示したように、管制局09から周波数プランの設定あるいは変更を指示する、アナログ中継部制御信号941A及びデジタル中継部制御信号941Dを送信する。チャネライザ制御部は、これらの信号に従って、アナログチャネライザ及びデジタルチャネライザを制御することで、周波数プランの設定、変更が実行される。
図22は上りの周波数プランを示し、図23は下りの周波数プランを示す。各図中の四角は、接続毎の割当て周波数帯域を示しており、四角内の2文字のアルファベッツは、接続元と接続先を1文字で示したものである。
Gは、ゲートウエイ(GW)局、
Rは、ビームエリア#R内の各衛星通信端末、
Qは、ビームエリア#Q内の各衛星通信端末、
Pは、ビームエリア#P内の各衛星通信端末、
Sは、ビームエリア#S内の各衛星通信端末、
Tは、ビームエリア#T内の各衛星通信端末
を示す。
例えば、
図22の801(RG)は、ビームエリア#R内の各衛星通信端末からゲートウエイ(GW)局への通信に割当てた周波数帯域を示している。図22の802(PR)は、ビームエリア#P内の各衛星通信端末からビームエリア#R内の各衛星通信端末への通信に割当てた周波数帯域を示している。図22及び図23から明らかなように、周波数プランは、アナログチャネライザが処理する周波数帯域と、デジタルチャネライザが処理する周波数帯域が、左右に分けられている。
アナログチャネライザが処理する図の左側の各周波数帯域は、GW局と各ビームエリアに存在する衛星通信端末間との通信に割当てられる。図中に示す通り、フォワード側とリターン側の2種類が存在する。フォワード側及びリターン側とは、図27で説明したフォワードリンク及びリターンリンクである。
図22、図23に示す通り、G(GW局)からの通信、あるいはG(GW局)への通信に割当てた周波数帯域(四角)の合計は10個であり、図21に示す実線の本数、即ちアナログチャネライザが中継する接続本数の10本と対応する。なお図21では、実線101から実線105がリターンリンクを示し、実線106〜実線110がフォワードリンクを示す。また、それ以外の衛星端末間の通信に割当てた周波数帯域(四角)の合計は25個であり、図21の接続本数を示す点線の本数、即ちデジタルチャネライザが中継する接続本数と対応する。
図22、図23は、5ビーム間通信を例にしている。しかし、Nが6以上の場合のNビーム間の通信で接続される本数は、アナログチャネライザが中継するスター型ネットワークで2N本、デジタルチャネライザが中継するメッシュ型ネットワークでN×N本である。
(1)次に、災害等によりビームエリア#Sの要求トラフィック増加に対応した場合の周波数プランを図24、図25に示す。
図24は、上りの周波数プランを示し、図25は下りの周波数プランを示す。図24、図25に示すように、デジタルチャネライザは、必ずしも全てのビームエリア間の接続(接続数25本)を維持する必要は無く、優先度や緊急度が高いビームエリアへの帯域幅増加を目的に、接続本数を削減しても良い。図24、図25において、デジタルチャネライザはビームエリア#Sとの接続を優先し、それ以外のエリアとの接続を排除することで、ビームエリア#Sの通信トラフィック増加を図ることができる。
(2)また、ビームエリア#Sの要求トラフィック増加に対応した場合、アナログチャネライザは図24、図25に示すように、ビームエリア#Sの帯域幅を広げ、それ以外のビームエリアの帯域幅は狭める制御を行うことで、ビームエリア#SとGW局間の通信トラフィックを増加させることが出来る。
(3)上記の(1)及び(2)の制御は、上記のように、アナログ中継部制御信号941A及びデジタル中継部制御信号941Dに基づいて実行される。
図26は、実施の形態6の、スター型ネットワークとメッシュ型ネットワークとが混在するシステム対応する中継装置93−6の構成を示す。また図26は、実施の形態6の動作を実現するデジタルチャネライザ及びアナログチャネライザの構成を示す。一点鎖線で囲む範囲121は、図20の実施の形態4の中継装置と同じ構成である。
中継装置93−6は、大きくは、デジタルチャネライザ23、フォワード側のアナログチャネライザ24、及びリターン側のアナログチャネライザ25の3つで構成される。なお、各チャネライザの内部構成や動作原理は、基本的に実施の形態4と変わらないため説明は省略する。
図28に示すように、デジタル中継部933は、いずれかのビームエリアに存在する第1の通信装置111と、いずれかのビームエリアに存在する第2の通信装置112との間の通信を直接中継する。図28は、第1の通信装置111がビームエリア#Aに存在し、第2の通信装置112がビームエリア#Bに存在する場合である。また、図27に示すように、アナログチャネライザであるアナログ中継部932は、地上局であるGW局02と、いずれかのビームエリアに存在する第3の通信装置113との間の通信を中継する。図27は、第3の通信装置113がビームエリア#Aに存在し、GW局02がビームエリア#Bに存在する場合である。
次に、各チャネライザの動作について説明する。デジタルチャネライザ23は、チャネライザ制御部060によって制御される。上記のように、デジタルチャネライザ23及びチャネライザ制御部060は、図20と同じである。デジタルチャネライザ23は、5つのビームエリア{R,Q,P,S,T}からの各上り信号の内、メッシュ型ネットワークに割当てられた各信号帯域をデジタル分波、スイッチング及び合波し、チャネライザ制御部060の指令に基づいたスイッチ制御によって、5つのビームエリア{R,Q,P,S,T}への各下り信号帯域に各信号帯域を中継する。
フォワード側のアナログチャネライザ24は、チャネライザ制御部060によって制御される。アナログチャネライザ24は、ビームエリア#Rからの上り信号の内、スター型ネットワークのフォワード回線に割当てられた各ビームエリアへの信号帯域を抽出し、アナログ分波して出力する。アナログ分波された各信号は、デジタルチャネライザ23から出力される信号と、加算器{411,412,413,414,415}にて加算される。また、これら加算された信号は、高出力増幅器(PA)で増幅され、送信される。
リターン側のアナログチャネライザ25は、チャネライザ制御部060によって制御される。アナログチャネライザ25は、各ビームエリア#{R,Q,P,S,T}からの上り信号の内、スター型ネットワークのリターン回線側に割当てられた各ビームエリアへの信号帯域を抽出後、指定された中心周波数にて出力する。後段の加算器26は、アナログチャネライザ25から出力された各信号を加算して出力する。アナログ合波されたGW局向けの各リターン信号は、デジタルチャネライザから出力されるビームエリア#Rとの信号と、加算器27にて加算され、ビームエリア#Rに送信される。
なお、図26では、加算器{411,412,413,414,415}の出力が入力される5つの高出力増幅器(PA)が、各信号の加算結果を増幅する構成として示している。しかし、各々の信号を増幅させてから加算して出力しても良い。この場合、PAの数は増えるが、中継装置の高出力化を実現することが出来る。
更に、実施の形態6では、GW局と複数のビーム間の通信を、スター型ネットワークとして説明したが、必ずしもGW局である必要は無い。つまり、1対Nのスター型ネットワークであり、その総トラフィック量が、メッシュ型ネットワークの総トラフィック量と比較して大きくなるケースであれば、どのような通信システムでも良い。
また、GW局が1局だけでなく、2局以上ある衛星通信システムでは、それぞれのGW局(A局,B局)と、各ビームに存在する衛星通信端末とが通信することになる。このため、1対Nのスター型ネットワークが2方式必要となる。このように複数のGW局が存在する場合、実施の形態6の中継装置93−6は、アナログチャネライザの数を増やした構成とすれば良い。例えば、GW局が2局(A局,B局)存在する場合、図26に示す構成に対して、A局と各衛星通信端末間の通信用には、フォワードの側アナログチャネライザ24と、リターン側のアナログチャネライザ25を用い、B局と各衛星通信端末間の通信用には、新たにフォワード側のアナログチャネライザを一式と、リターン側のアナログチャネライザを一式加えれば良い。この場合、アナログチャネライザの回路規模は2倍に増加するが、GW局2局に対応した中継装置を実現することが出来る。
実施の形態6のスター型は、GW局02と、複数のビームエリアに存在するユーザー端末装置との衛星通信ネットワークに関する。ここでGW局02とは、実質はGW局02の備えるゲートウエイ装置020(以下、GW装置020)である。以下に、GW装置020の構成を説明する。
図29は、GW局02の有するゲートウエイ装置020の機能ブロック図を示す。図29は図3の管制装置94の構成と類似である。ゲートウエイ装置020は、ハードウエアとして、プロセッサ021、ゲートウエイ側通信装置022及び記憶装置023を備えている。プロセッサ021は、プログラムを実行することでゲートウエイ側制御部021Aの機能を実現する。ゲートウエイ側制御部021Aは、ゲートウエイ側通信装置022を制御することでGW装置020の機能を実現する。プロセッサ021は、記憶装置023に格納されているプログラムを読み出して実行することで、ゲートウエイ側制御部021Aを実現する。なお、ゲートウエイ側通信装置022は、アンテナ024に接続されている。
***実施の形態6の効果***
(1)実施の形態6のマルチビーム衛星通信システムは、スター型ネットワークで行われるGW局と各衛星通信端末との通信量が、メッシュ型ネットワークで行われる各衛星通信端末間との通信量よりも相対的に多い場合、即ち割当てられる周波数帯域幅が広い場合に、特に有効である。
実施の形態6のマルチビーム衛星通信システムでは、アナログチャネライザが、GW局と各衛星通信端末との広帯域な通信を中継するように制御することで、アナログチャネライザのデメリットである広いガードバンドを必要とする課題を回避しながら、アナログチャネライザのメリットである低消費電力化を実現できる。
(2)また、実施の形態6のマルチビーム衛星通信システムでは、デジタルチャネライザが、衛星通信端末間の各狭帯域信号の通信を中継するように制御する。この制御によって、デジタルチャネライザのデメリットである広帯域化に伴う消費電力の増加の課題を回避しながら、デジタルチャネライザのメリットである、狭いガードバンドによる周波数利用効率向上や、上述の多ビーム間の接続を実現できる。特に100ビーム級のメッシュ接続を上記スター型のネットワークと混在させる必要が有る場合に有効となる。
(3)上記(1)及び(2)のように、実施の形態6の中継装置によれば、アナログチャネライザとデジタルチャネライザとを、両方のメリットが活かされるように適切に使い分けることにより、数十ビーム級から100ビーム級のメッシュ接続と、GW局とのスター接続がと混在する、大規模な衛星通信システムにおいて、高い周波数利用効率と低消費電力化とを実現できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
01 地上網、10 コマンド/テレメトリ用アンテナ、02 GW局、03 フィーダリンク(上り)、04 フィーダリンク用受信アンテナ、05 中継衛星、020 GW装置、021 プロセッサ、022 ゲートウエイ側通信部、023 記憶装置、024 アンテナ、024A ゲートウエイ側制御部、5A,24,25 アナログチャネライザ、5D,23 デジタルチャネライザ、051 アナログバンドバスフィルタ、052 低雑音増幅器、053 周波数可変ダウンコンバータ群、054 アナログ帯域可変部、055 デジタル帯域可変部、056 周波数可変アップコンバータ、057 パワーアンプ、058 加算器、059 コマンドテレメトリ用トランスポンダ、60 チャネライザ制御部、06 ユーザーリンク用送信アンテナ、07 ユーザーリンク(上り)、08 ビームエリア、09 管制局、91 人工衛星、92 通信装置、93,93−6 中継装置、101,102,103,104,105,106 実線、121 範囲、931 中継側受信部、932 アナログ中継部、932A アナログ回路、933 デジタル中継部、933A デジタル回路、934 中継側送信部、935 中継側制御部、94 管制装置、941 管制側制御部、941A アナログ中継部制御信号、941D デジタル中継部制御信号、941C 変更制御信号、942 管制側通信部、95 マルチビーム衛星通信システム。

Claims (12)

  1. 人工衛星に搭載され複数のビームエリアの各ビームエリアに存在する通信装置の通信を中継する中継装置と、前記中継装置を制御する管制装置とを備えるマルチビーム衛星通信システムにおいて、
    前記中継装置は、
    中継すべき中継信号を受信する中継側受信部と、
    前記中継信号の周波数帯域幅を制御するアナログ回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するアナログ中継部と、
    前記中継信号の周波数帯域幅を制御するデジタル回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するデジタル中継部と、
    出力された前記中継信号を送信する中継側送信部と、
    前記アナログ中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するアナログ中継部制御信号と、前記デジタル
    中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するデジタル中継部制御信号とに従って、前記中継信号を前記アナログ中継部と前記デジタル中継部とに出力させる中継側制御部と
    を備え、
    前記管制装置は、
    管制側通信部と
    前記アナログ中継部制御信号と前記デジタル中継部制御信号とを生成し、前記管制側通信部を介して前記中継装置に送信する管制側制御部と
    を備えるマルチビーム衛星通信システム。
  2. 前記管制側制御部は、
    いずれかのビームエリアの通信可能帯域を増加させる場合、前記デジタル中継部が中継すべき新たな周波数帯域を指示する信号を前記デジタル中継部制御信号として生成する請求項1に記載のマルチビーム衛星通信システム。
  3. 前記アナログ中継部は、
    制御により通過帯域幅が変更するバンドパスフィルタを有し、
    前記管制側制御部は、
    前記通過帯域幅の変更を指示する変更制御信号を生成して前記管制側通信部を介して前記中継装置に送信する請求項1または請求項2に記載のマルチビーム衛星通信システム。
  4. 前記管制側制御部は、
    前記アナログ中継部を介して前記中継信号が中継されているビームエリアが存在する場合に、前記デジタル中継部が中継すべき新たな周波数帯域を指示する信号を前記デジタル中継部制御信号として生成することにより前記ビームエリアの通信可能帯域を増加させると共に、通信可能帯域の増加した前記ビームエリアにおける前記アナログ中継部を介する前記中継信号がなくなった場合に、前記変更制御信号を生成し、前記変更制御信号を前記管制側通信部を介して前記中継装置に送信する請求項3に記載のマルチビーム衛星通信システム。
  5. 前記管制側制御部は、
    前記中継装置の受信する前記中継信号の受信電力密度が低い場合、前記中継信号を前記デジタル中継部を介して中継するべき信号を前記デジタル中継部制御信号として生成し、
    前記デジタル中継部は、
    前記デジタル中継部制御信号に対応して、前記デジタル中継部制御信号によって指示されている前記中継信号の電力を増幅する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のマルチビーム衛星通信システム。
  6. 前記管制側制御部は、
    前記中継装置の受信する前記中継信号の周波数帯域幅に干渉波が混在する場合、前記中継信号を前記デジタル中継部を介して中継するべき信号を前記デジタル中継部制御信号として生成し、
    前記デジタル中継部は、
    前記デジタル中継部制御信号に対応して、前記デジタル中継部制御信号によって指示されている前記中継信号において前記干渉波が混在するサブバンドを減衰させる請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のマルチビーム衛星通信システム。
  7. 前記管制側制御部は、
    前記デジタル中継部を用いて同報通信の中継を行うべきことを指示する同報通信指示信号を生成して前記管制側通信部を介して前記中継装置に送信するする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のマルチビーム衛星通信システム。
  8. 前記デジタル中継部を介して前記中継信号が中継されるビームエリアの予め定められた測定期間の通信トラフィックは、
    前記アナログ中継部を介して前記中継信号が中継されるビームエリアにおける前記測定期間と同一の測定期間における通信トラフィックよりも少ない請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のマルチビーム衛星通信システム。
  9. 人工衛星に搭載されて、複数のビームエリアの各ビームエリアに存在する通信装置の通信を中継する中継装置であって、
    中継すべき中継信号を受信する中継側受信部と、
    前記中継信号の周波数帯域幅を制御するアナログ回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するアナログ中継部と、
    前記中継信号の周波数帯域幅を制御するデジタル回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するデジタル中継部と、
    出力された前記中継信号を送信する中継側送信部と、
    前記アナログ中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するアナログ中継部制御信号と、前記デジタル中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するデジタル中継部制御信号とに従って、前記中継信号を前記アナログ中継部と前記デジタル中継部とに出力させる中継側制御部と
    を備える中継装置。
  10. 中継すべき中継信号を受信する中継側受信部と、
    前記中継信号の周波数帯域幅を制御するアナログ回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するアナログ中継部と、
    前記中継信号の周波数帯域幅を制御するデジタル回路を有し、周波数帯域幅の制御された前記中継信号を出力するデジタル中継部と、
    出力された前記中継信号を送信する中継側送信部と、
    前記アナログ中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するアナログ中継部制御信号と、前記デジタル中継部が中継すべき前記中継信号の周波数帯域を指示するデジタル中継部制御信号とに従って、前記中継信号を前記アナログ中継部と前記デジタル中継部とに出力させる中継側制御部と
    を備える中継装置に対して、
    前記アナログ中継部制御信号と前記デジタル中継部制御信号とを生成する管制側制御部と、
    前記管制側制御部の生成した前記アナログ中継部制御信号と前記デジタル中継部制御信号とを、前記中継装置に送信する管制側通信部と
    を備える管制装置。
  11. 前記デジタル中継部は、
    いずれかのビームエリアに存在する第1の通信装置と、いずれかのビームエリアに存在する第2の通信装置との間の通信を直接中継し、
    前記アナログ中継部は、
    地上局と、いずれかのビームエリアに存在する第3の通信装置との間の通信を中継する、
    請求項9に記載の中継装置。
  12. 前記デジタル中継部は、
    いずれかのビームエリアに存在する第1の通信装置と、いずれかのビームエリアに存在する第2の通信装置との間の通信を直接中継し、
    前記アナログ中継部は、
    地上局と、いずれかのビームエリアに存在する第3の通信装置との間の通信を中継する、
    請求項1に記載のマルチビーム衛星通信システム。
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