JPWO2017145696A1 - フェロコークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

フェロコークスの強度を維持しつつ反応性を向上できる、または、フェロコークスの反応性を維持しつつ強度を向上できるフェロコークスを製造する。石炭と鉄原料を混合して混合原料とし、混合原料を成型して乾留するフェロコークスの製造方法であって、鉄原料は、径が0.5mm以下となる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱である。

Description

本発明は、フェロコークスの原料として返鉱を使用することで、フェロコークスの強度またはフェロコークスの反応性を向上できるフェロコークスの製造方法に関する。
製鉄原料に用いられる鉄源としては、塊鉱石または焼結鉱などのような塊状であって、そのまま高炉に原料として装入できるものの他に、粉鉄鉱石、焼結粉、ダストおよびミルスケールなどの粉状のものがある。これら粉状の原料は、そのままの状態で高炉に装入すると炉内の通気性を悪化させる。しかしながら、高炉一貫製鉄工程のトータルコストを下げるには、このような粉状の原料も有効に活用する必要がある。このため、各種技術が開発されており、粉状の鉄原料を粉状石炭と混合して還元しフェロコークスとして高炉に装入する技術もその一つである。
フェロコークスは、内部に混合された鉄が触媒作用を果たすので、通常のコークスよりも反応性が高く、通常のコークスより低い温度で反応する。フェロコークスの反応は、吸熱反応であるので高炉の熱保存帯温度を下げることができ、高炉内で焼結鉱の還元を促進して、還元材比を低下させることができる。
また、高炉の安定操業のためには、良好な通気性を確保することが重要であり、そのためには、フェロコークスの強度を高めることも重要になる。このため、フェロコークスの強度を一定以上に維持しつつ反応性を高めること、または、フェロコークスとして必要な反応性は維持しつつ強度を高めることが求められている。
フェロコークスの強度を高める技術として、特許文献1では、鉄鉱石の最大粒径を調整することで、フェロコークスの強度を高める方法が提案されている。また、特許文献2には、鉄分の配合量を0.05〜5質量%とすることで、コークスとの反応性を向上しつつフェロコークスの強度を維持させる方法が開示されている。さらに、特許文献3には、石炭と粒径3mm以下の返鉱とを主成分とする原料を混合して乾留し、フェロコークスを製造する方法が開示されている。
国際公開第2011/034195号 特開2001−288477号公報 特開2007−177214号公報
特許文献1に記載の方法は、鉄鉱石の最大粒径を規定して、鉄鉱石の還元率を維持しながら高強度のフェロコークスを製造するものであるが、フェロコークスの反応性については何ら考慮されていない。特許文献2に記載の方法は、鉄分の配合量が少なくフェロコークスの反応性が悪いという課題がある。また、特許文献3に記載の方法は、返鉱の粒径が3mm以下と大きいのでフェロコークスの反応性を向上できない、といった課題があった。本発明は、上記課題を解決し、フェロコークスの強度を維持しつつ反応性を向上できる、または、フェロコークスの反応性を維持しつつ強度を向上できるフェロコークスの製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)石炭と鉄原料を混合して混合原料とし、前記混合原料を成型して乾留するフェロコークスの製造方法であって、前記鉄原料は、径が0.5mm以下となる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱である、フェロコークスの製造方法。
(2)前記返鉱は、目開きが2.0〜3.0mmの範囲内の篩で篩分けして得られる篩下の返鉱である、(1)に記載のフェロコークスの製造方法。
(3)石炭と鉄原料を混合して混合原料とし、前記混合原料を成型して乾留するフェロコークスの製造方法であって、前記鉄原料は、径が0.5mm以下となる粒状物の割合が40〜70質量%の範囲内の返鉱であり、前記鉄原料を、前記混合原料の質量に対して2〜10質量%の範囲内となる割合で用いる、フェロコークスの製造方法。
本発明に係るフェロコークスの製造方法により、目標強度を維持しつつ反応性が向上されたフェロコークスまたはフェロコークスの反応性を維持しつつ強度が向上されたフェロコークスが製造できる。
鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合とフェロコークスの反応性との関係を示すグラフである。 鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合とフェロコークスの強度との関係を示すグラフである。 荷重軟化試験装置を示す断面模式図である。 荷重軟化試験装置に設置した試料の状態を示す断面模式図である。 荷重軟化試験の温度パターンを示すグラフである。 荷重軟化試験の荷重パターンを示すグラフである。 荷重軟化試験の混合ガス組成の切り替えパターンを示すグラフである。 混合原料の質量に対する鉄原料の割合と、フェロコークスの反応性との関係を示すグラフである。 混合原料の質量に対する鉄原料の割合と、フェロコークスの強度との関係を示すグラフである。 鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合とフェロコークスの強度との関係を示すグラフである。
本発明では、焼結工程の製品篩下である返鉱を用いてフェロコークスを製造する。ここで返鉱とは、焼結鉱としての粒径を満たさない所定粒径、例えば、目開き5mmの篩を用いての篩下に篩分けされた焼結鉱である。返鉱は、通常であれば、焼結原料として再利用されるが、本発明では、そのうちの一部をフェロコークスの原料として使用する。鉄鉱石と比較して、返鉱には石灰石が含まれるので、その成分中にCaが含まれる。フェロコークスがコークスよりも高反応性である理由は、内部に含まれるFeがガス化反応の触媒として機能するためであるが、Caも同様にガス化反応触媒として作用する。そして、Caの触媒作用は、Feとは独立して作用する。このため、Feに加えCaを含有するフェロコークスの反応性は、Feを含有し、Caを含有しないフェロコークスと比較して飛躍的に向上する。
本実施形態に係るフェロコークスの製造方法として、まずフェロコークスの強度を一定以上に維持しつつ、フェロコークスの反応性を高めることができるフェロコークスの製造方法について説明する。フェロコークスの反応性は、鉄原料の粒度が小さいほど高くなる。しかし、粉砕後の鉄原料は粒度分布を持つので、平均粒径のみで一概に論ずることができない。本発明者らは、フェロコークスの反応性に対しては、細粒割合の影響が大きく、特に目開き0.5mmの篩下となる径が0.5mm以下(以後の説明では「−0.5mm」と記載する)となる粒状物の割合がフェロコークス中のカーボンの反応性に大きく影響することを見出した。
まず、返鉱を鉄原料として用いたフェロコークスの反応性および強度を確認した実験の結果を図1、図2を用いて説明する。図1は、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合とフェロコークスの反応性との関係を示すグラフである。図1において、横軸は、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合(質量%)であり、縦軸は、フェロコークス中のカーボンの反応率(%)である。
フェロコークス中のカーボンの反応率は、フェロコークスの荷重軟化試験を行い、試験前後のカーボンの質量変化率として算出した。荷重軟化試験は、図3に示す荷重軟化試験装置に、図4に示すように、1つのフェロコークス10の周囲を350gの焼結鉱12で囲み、上下にコークス14を配置した試料を設置し、図5に示す昇温パターンで各試料を1200℃まで昇温し、図6に示す荷重パターンで荷重をかけながら、図7に示すように所定温度でガス組成を切替えた混合ガスを30L/minの流量で吹き込んで実施した。そして、カーボンの化学分析によって試験前のフェロコークス中のカーボン量と、試験後のフェロコークス中のカーボン量とを測定し、これを用いて、荷重軟化試験前後のカーボンの質量変化率を算出した。
評価したフェロコークスは、石炭と鉄原料とを混合した混合原料の質量に対して、30質量%となる割合の鉄原料を石炭に混合した混合原料を、寸法30mm×25mm×18mmの卵型のブリケットに成型し、その後、乾留して製造した。図1において、白丸プロットは、鉄鉱石を鉄原料としたフェロコークスの結果を示す。黒丸プロットは、返鉱を鉄原料としたフェロコークスの結果を示す。なお、鉄原料の混合原料の質量に対する割合は、2〜40質量%の範囲内とすることが好ましい。鉄原料の割合を2質量%未満とすると、フェロコークスの反応性が低くなり、40質量%よりも高くすると、フェロコークスの強度が低くなるからである。
図1から、鉄原料として鉄鉱石を用いたフェロコークスと比較して返鉱を用いたフェロコークスの方がカーボンの反応率が高く、フェロコークスの反応性が高いことがわかる。上述したように、返鉱はCaを含み、Caはカーボンのガス化反応触媒として作用する。当該触媒効果により、鉄鉱石を原料としたフェロコークスと比較して返鉱を原料としたフェロコークスの方がカーボンの反応率が向上したと考えられる。図1から、鉄鉱石を原料としたフェロコークスでは、カーボンの反応率は30%程度が上限となるが、返鉱を原料としてフェロコークスでは−0.5mmの割合を25質量%以上とすれば、鉄鉱石を原料とするフェロコークス以上のカーボンの反応率とすることができる。
また、図1から鉄原料として返鉱を用いた場合であっても鉄鉱石を用いた場合であっても、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合が増えると、フェロコークスの反応性が向上した。一方、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合が減ると、フェロコークスの反応性が低下した。鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合が少なくなるということは、目開き0.5mmの篩上となる径が0.5mmより大きい(以後の説明では「+0.5mm」と記載する)粒状物の割合が増えることを意味する。このため、鉄原料の+0.5mmとなる粒状物の割合が増えるとカーボンの反応率は低下するといえる。
また、発明者らは、フェロコークスの反応性だけでなく、フェロコークスの強度に対しても、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合が大きく影響することを見出した。図2は、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合とフェロコークスの強度との関係を示すグラフである。
図2おいて、横軸は、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合(質量%)であり、縦軸は、フェロコークスの強度(%)である。フェロコークスの強度は、ドラム試験機を用いたドラム強度150回転15mm指数(DI150 15)で評価した。ドラム強度の測定は、以下に示す手順にて実施した。まず、乾留したフェロコークス10kgを目開き20mmの篩で篩分けて篩上を試料とする。当該試料をJIS K 2151(1977)に規定される回転ドラム内に入れる。回転ドラムを15±0.5rpmで150回転させる。回転ドラムから試料を取り出し、目開き15mmの篩で篩分け、試料全質量に対する篩上の質量の百分率を算出して1個の測定値とする。この測定を2回行い、2個の測定値の平均をフェロコークスの強度(%)とした。フェロコークスの強度の目標は、この実施形態では、高炉の通気性を確保することを目的として81.0%とした。
評価したフェロコークスは、石炭と鉄原料とを混合した混合原料の質量に対して、30質量%となる割合の鉄原料を石炭に混合した混合原料を、寸法30mm×25mm×18mmの卵型のブリケットに成型し、その後、乾留して製造した。図2において、白丸プロットは、鉄鉱石を鉄原料としたフェロコークスの結果を示す。黒丸プロットは、返鉱を鉄原料としたフェロコークスの結果を示す。
図2に示すように、使用する鉄原料が鉄鉱石か返鉱かによらず、−0.5mmとなる粒状物の割合が20〜80質量%であるときに目標強度である81.0%を上回った。一方、−0.5mmとなる粒状物の割合が20質量%より少なくなると、フェロコークスの強度は低下した。これは、フェロコークス中に鉄原料の粗い粒状物が多くなることによってフェロコークス中に粗大な欠陥構造が生成し、これによりフェロコークスの強度が低下したと考えられる。また、−0.5mmとなる粒状物の割合が80質量%より多くなってもフェロコークスの強度は低下した。これは、フェロコークス中に鉄原料の細い粒状物が多くなることによって粒状物の表面積が大きくなりすぎて単位表面積当りのバインダーの量が低下し、これによりフェロコークスの強度が低下したと考えられる。
本実施形態に係るフェロコークスの製造方法では、石炭と鉄原料を混合して混合原料を得て、当該混合原料を成型、乾留してフェロコークスを製造する。そして、図1と図2の結果から、鉄原料として、−0.5mmとなる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱を用いている。このように、−0.5mmとなる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱をフェロコークスに用いることで、フェロコークスの目標強度を維持しつつ、フェロコークスの反応性を高めることができる。また、フェロコークスの反応性を向上させるのであれば、−0.5mmとなる粒状物の割合を30〜80質量%の範囲内とした返鉱を用いることがより好ましい。また、フェロコークスの強度を向上させるのであれば、−0.5mmとなる粒状物の割合が40〜70質量%の範囲内の返鉱を用いることがより好ましい。
返鉱の−0.5mmとなる粒状物の割合を25〜80質量%の範囲内に調整するには、焼結工程で発生した返鉱を粉砕して調整することが好ましい。仮に、粉砕しないで、篩による分級のみで調整を行なった場合には、焼結操業によって返鉱の発生量や粒度分布が変わり−0.5mmとなる粒状物の割合も変動する。このため、返鉱の安定的な粒度管理は困難であり、製造されるフェロコークスの強度や反応性にばらつきが生じる。そのため、本実施形態では、焼結工程で発生した返鉱を粉砕して−0.5mmとなる粒状物の割合を所定の範囲内に調整した。なお、返鉱の粉砕に用いられる粉砕機は、目標の粒度範囲に返鉱を粉砕できる粉砕機であればよく、例えば、回転式の粉砕機を用いる場合であれば、回転数を変更して粒度制御を行なってよい。
また、−0.5mmとなる粒状物の割合を特定の範囲にした返鉱を、さらに目開きが2.0〜3.0mmの範囲内の篩を用いて篩分けし、これによって得られた篩下の返鉱をフェロコークスの鉄原料として用いることが好ましい。これにより、粗い粒状物の混入を防ぎ、フェロコークスの強度低下や反応性低下の発生を回避できる。なお、用いる篩の目開きを2.0mm未満にすると鉄原料の歩留りが低下するので好ましくない。また、用いる篩の目開きを3.0mmより大きくすると、粗い粒状物を十分に排除できないので好ましくない。
また、返鉱は、焼結工程を経ているので含有水分が少ない。このため、フェロコークスの製造に焼結工程の製品篩下である返鉱を用いることで、ヤード原料である鉄鉱石を用いていた場合と比較して、乾燥工程を省略することが可能となり、経済的にも有利になる。
なお、上記おいて、フェロコークスの鉄原料として返鉱を用いた例を示したが、−0.5mmとなる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱を用いた場合に製造されるフェロコークスのカーボンの反応率を30%程度より高くできれば、鉄原料は、返鉱の他に鉄鉱石や鉄分を含有するダスト等を含んでもよい。
次に、別の実施形態として、フェロコークスの反応性を維持しつつ、フェロコークスの強度を高めることができるフェロコークスの製造方法について説明する。
返鉱を鉄原料として用いたフェロコークスの反応性および強度を確認した実験の結果を図8〜10を用いて説明する。図8は、混合原料の質量に対する鉄原料の割合と、フェロコークスの反応性との関係を示すグラフである。図8において、横軸は、混合原料の質量に対する鉄原料の割合(質量%)であり、縦軸は、カーボンの反応率(%)である。なお、カーボンの反応率は、図3〜7で説明した荷重軟化試験を行い、試験前後のカーボンの質量変化率として算出した。また、鉄原料の粒度分布のうち、−0.5mmとなる粒状物の割合がフェロコークス中のカーボンの反応性に大きく影響したことから、−0.5mmを鉄原料の粒度の指標として用いた。
評価したフェロコークスは、石炭と鉄原料とを混合した混合原料の質量に対して、鉄原料の割合を変えて混合した混合原料を、寸法30mm×25mm×18mmの卵型のブリケットに成型し、その後、乾留して製造した。なお、鉄原料としては、−0.5mmとなる粒状物の割合を20質量%とした鉄鉱石(白丸プロット)、−0.5mmとなる粒状物の割合を40質量%とした鉄鉱石(白三角プロット)、−0.5mmとなる粒状物の割合を20質量%とした返鉱(黒丸プロット)、−0.5mmとなる粒状物の割合を40質量%とした返鉱(黒三角プロット)および−0.5mmとなる粒状物の割合を70質量%とした返鉱(黒四角プロット)の5種を用いた。
図8から、−0.5mmとなる粒状物の割合が20質量%である鉄鉱石を原料としたフェロコークスと比較して−0.5mmとなる粒状物の割合が20質量%である返鉱を原料としたフェロコークスの方がカーボンの反応率が高いことがわかる。これは、上述したように、返鉱は、Caを含み、Caはカーボンのガス化反応触媒として作用するので、この触媒効果により、鉄鉱石を原料とした場合と比較して返鉱を原料とした場合の方がカーボンの反応率が向上したと考えられる。さらに、鉄鉱石を返鉱にすることによるカーボンの反応率の向上効果は、−0.5mmとなる粒状物の割合を40質量%にすることでより大きくなった。
返鉱を用いたフェロコークスに着目すると、−0.5mmとなる粒状物の割合が増えるほど、カーボンの反応率は上昇し、鉄原料を用いる割合が低い場合においてもカーボンの反応率は大きく上昇していた。これは、−0.5mmとなる粒状物の割合を増やしたことで、触媒である返鉱と、コークスとの接触面積が大きくなり、鉄原料の配合率が低い場合においても大きな触媒効果が発現したと考えられる。一方、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合が減ると、カーボンの反応率は低下する。鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合が少なくなるということは、+0.5mmとなる粒状物の割合が多くなることを意味する。このため、鉄原料の+0.5mmとなる粒状物の割合が多くなると、カーボンの反応率は低下するといえる。
また、混合原料の質量に対する鉄原料の割合に着目すると、返鉱を混合原料の質量に対して2質量%以上用いればカーボンの反応率を大きく向上できることがわかる。
図9は、混合原料の質量に対する鉄原料の割合と、フェロコークスの強度との関係を示すグラフである。図9において、横軸は、混合原料の質量に対する鉄原料の割合(質量%)であり、縦軸は、フェロコークスの強度(質量%)である。なお、フェロコークスの強度は、図2で説明したドラム強度150回転15mm指数(DI150 15)で評価した。
図9において、白丸プロットは、鉄原料として鉄鉱石を用いたフェロコークスの鉄原料の割合と強度との関係を示し、黒丸プロットは、鉄原料として返鉱を用いたフェロコークスの鉄原料の割合と強度との関係を示す。
図9から、同一割合での強度は、返鉱と鉄鉱石でほとんど変わらないが、どちらを用いた場合であっても鉄原料の割合が多いほどフェロコークスの強度は低下した。特に、鉄原料の割合を20質量%以上にした場合にフェロコークスの強度低下は大きくなった。図9から、フェロコークスの強度を向上させるためには、混合原料の質量に対する鉄原料の割合を10質量%以下にするのが望ましいことがわかる。
図10は、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合とフェロコークスの強度との関係を示すグラフである。図10において、横軸は、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合(質量%)であり、縦軸は、フェロコークスの強度(%)である。なお、−0.5mmとなる粒状物の割合とフェロコークスの強度との関係を評価したフェロコークスは、混合原料の質量に対して5質量%の鉄原料を用いたフェロコークスである。
図10において、白丸プロットは、鉄原料として鉄鉱石を配合したフェロコークスの−0.5mmとなる粒状物の割合と強度との関係を示し、黒丸プロットは、鉄原料として返鉱を配合したフェロコークスの−0.5mmとなる粒状物の割合と強度との関係を示す。図10から、−0.5mmとなる粒状物の割合と強度との関係は、返鉱と鉄鉱石でほとんど変わらないが、どちらを用いた場合であっても−0.5mmとなる粒状物の割合が40〜70質量%の範囲内であるときにフェロコークスの強度が高くなった。一方、−0.5mmとなる粒状物の割合が40質量%より少なくなると、フェロコークスの強度は低下した。これは、フェロコークス中に鉄原料の粗大な粒状物が多くなることによってフェロコークス中に粗大な欠陥構造が生成し、これによりフェロコークスの強度が低下したと考えられる。また、−0.5mmとなる粒状物の割合が70質量%よりも多くなってもフェロコークスの強度は低下した。これは、フェロコークス中に鉄原料の細い粒状物が多くなることによって粒子の表面積が大きくなりすぎて単位表面積当りのバインダーの量が低下し、これによりフェロコークスの強度が低下したと考えられる。
これらの結果から、フェロコークスの鉄原料として、−0.5mmとなる粒状物の割合が40〜70質量%の範囲内の返鉱を、混合原料の質量に対して2〜10質量%の範囲内となる割合で用いることで、フェロコークスの反応性を維持しつつ、その強度を向上できることがわかる。なお、図10から、鉄原料として、−0.5mmとなる粒状物の割合を50〜60質量%の範囲内とした返鉱を用いることがより好ましい。これにより、フェロコークスの強度をさらに高めることができる。
一方、返鉱を用いる割合を、混合原料の質量に対して2質量%未満にすると、図8に示したように、フェロコークスの反応性が急激に低下するので好ましくなく、返鉱を用いる割合を、混合原料の質量に対して10質量%より多くすると、フェロコークスの強度が低下するので好ましくない。また、返鉱を混合原料の質量に対して2〜10質量%の範囲内の割合で用いることで、フェロコークス中の鉄原料の量を少なくできる。鉄原料の量を少なくすることで、フェロコークスの製造における乾燥工程での乾留・還元時間を短縮できる。これにより、エネルギー消費量の削減や、フェロコークスの生産量の増加も可能となる。
なお、上記においてもフェロコークスの鉄原料として返鉱を用いた例を示したが、これに限られず−0.5mmとなる粒状物の割合が40〜70質量%の範囲内の返鉱を混合原料の質量に対して2〜10質量%の範囲内となる割合で用いた場合に製造されるフェロコークスのカーボンの反応率を20%程度より高くできれば、鉄原料は、返鉱の他に鉄鉱石や鉄分を含有するダスト等を含んでもよい。
まず、実施例1として、フェロコークスの強度を一定以上に維持しつつフェロコークスの反応性を高めることができるフェロコークスの製造方法の実施例を説明する。まず、石炭と鉄原料とを混合して混合原料とした。鉄原料は、混合原料の質量に対して30質量%となる割合で用いた。この混合原料にバインダーを混合原料の質量に対して内掛けで5質量%添加し、高速ミキサーにて140〜160℃で2分間混練した。バインダーとしては、石炭系の軟ピッチ(SOP)を3質量%、アスファルトピッチ(ASP)を2質量%用いた。
その後、ダブルロール型成型機を用いて、混練した原料を成型した成形機のロールのサイズは径650mm×幅100mmであり、ロール回転数6rpm、成型圧力4t/cmで成型した。成型物は卵型であり、そのサイズは30mm×25mm×18mm(6cc)である。その後、成型物を高さ3mの竪型の乾留炉で連続乾留し、フェロコークスを製造した。乾留炉内を600℃までは10℃/minの昇温速度で昇温させ、600℃から850℃までは3℃/minの昇温速度で昇温させ、その後、1.5時間850℃の温度を維持させて、成型物を乾留した。
鉄原料として、鉄鉱石または返鉱を粉砕したものを用いた。粉砕機としては、ケージミルを用い、鉄鉱石および返鉱の粒度は、粉砕機の回転数を変えることで調整した。このように、鉄原料の粒度を調整したフェロコークスを用いて、鉄原料の−0.5mmとなる粒状物の割合がフェロコークスの強度およびフェロコークスの反応性に与える影響を確認した。また、一部の実施例では、粉砕機で粉砕した後に目開き3.0mmの篩を用いて篩分けし、篩下のみを鉄原料として用いた。これらの結果を下記表1に示す。なお、フェロコークスの強度は、ドラム強度150回転15mm指数(DI150 15)を用いて評価した。また、フェロコークスの反応性は、フェロコークス中のカーボンの反応率で評価した。実施例1における強度の目標は、上述したようにドラム強度150回転15mm指数(DI150 15)で81.0%とした。
Figure 2017145696
比較例1〜比較例3は、鉄原料として鉄鉱石を用いて製造したフェロコークスである。比較例1は、−0.5mmとなる粒状物の割合が25質量%である鉄鉱石を用いたフェロコークスである。比較例1のフェロコークスの強度は、目標強度を上回る81.1%であり、カーボンの反応率は、18.8%であった。
比較例2は、フェロコークスの反応性を向上させることを狙い−0.5mmとなる粒状物の割合が80質量%である鉄鉱石を用いたフェロコークスである。比較例2のフェロコークスの強度は、目標強度と同等の81.0%であり、カーボンの反応率は、29.2%であった。このように−0.5mmとなる粒状物の割合が80質量%である鉄鉱石を用いることで、比較例2のフェロコークスの強度は、目標強度である81.0%を維持し、カーボンの反応率は29.2%に向上し、フェロコークスの反応性は向上した。
比較例3は、さらなる反応性の向上を狙い−0.5mmとなる粒状物の割合が85質量%である鉄鉱石を用いたフェロコークスである。比較例3のフェロコークスの強度は、目標強度よりも低い80.0%であり、カーボンの反応率は、29.6%であった。このように、−0.5mmとなる粒状物の割合が85質量%である鉄鉱石を用いることで、比較例3のカーボンの反応率は29.6%に向上し、フェロコークスの反応性は向上した。しかしながら、比較例3のフェロコークスの強度は、目標強度を下回った。これらの結果から、鉄原料として鉄鉱石を用いたフェロコークスにおいて、目標強度を満足しながら反応性を最大にするには、−0.5mmとなる粒状物の割合が80質量%である鉄鉱石を用いればよいことがわかった。
比較例4〜6および発明例1〜3は、鉄原料として返鉱を用いたフェロコークスである。比較例4は、−0.5mmとなる粒状物の割合が20質量%である返鉱を用いたフェロコークスである。比較例4のフェロコークスの強度は、目標強度である81.0%であり、カーボンの反応率は27.2%であった。このように、比較例4のフェロコークスの強度は目標強度を維持したが、カーボンの反応率は比較例2よりも低く、フェロコークスの反応性は、鉄鉱石を鉄原料として用いた比較例2よりも低下した。
比較例5は、比較例4で用いた返鉱を目開き3.0mmの篩で篩分けし、篩下となった返鉱を用いたフェロコークスである。目開き3.0mmの篩で篩分けしたので、比較例5で用いた返鉱では粗大な粒状物が除かれて、3.0mm以下(以後の説明では「−3.0mm」と記載する)の割合が100質量%になっている。比較例5のフェロコークスの強度は、目標強度を上回る81.2%であり、カーボンの反応率は27.6%であった。粗大な粒状物を除くことによって、比較例5のフェロコークスの強度および反応性は、比較例4よりも向上した。しかしながら、比較例5のカーボンの反応率は比較例2よりも低く、フェロコークスの反応性は、鉄鉱石を鉄原料として用いた比較例2よりも低下した。
発明例1は、−0.5mmとなる粒状物の割合が25質量%である返鉱を用いたフェロコークスである。発明例1のフェロコークスの強度は、目標強度を上回る81.2%であり、カーボンの反応率は29.4%であった。このように、−0.5mmとなる粒状物の割合が25質量%である返鉱を用いることで、フェロコークスの強度は目標強度以上となった。また、発明例1のカーボンの反応率は、比較例2よりも高く、フェロコークスの反応性は、鉄鉱石を鉄原料として用いた場合よりも向上した。さらに、比較例2と比較して発明例1の−0.5mmとなる粒状物の割合は、25質量%と少ない。このため、比較例2と比較して鉄原料を容易に粉砕できるので、経済的に有利である。
発明例2は、発明例1で用いた返鉱を目開き3.0mmの篩で篩分けし、篩下となった返鉱を用いたフェロコークスである。目開き3.0mmの篩で篩分けしたので、発明例2で用いた返鉱では粗大な粒状物が除かれて、−3.0mmの割合が100質量%になっている。発明例2のフェロコークスの強度は、目標強度を上回る81.3%であり、カーボンの反応率は、29.7%であった。粗大な粒状物を除くことによって、発明例2のフェロコークスの強度および反応性は、発明例1よりも向上した。
発明例3は、フェロコークスの反応性を向上させることを狙い−0.5mmとなる粒状物の割合が80質量%である返鉱を用いたフェロコークスである。なお、発明例3の返鉱は、目開き3.0mmの篩を用いなくても−3.0mmの割合は100質量%であり、粗大な粒状物を含んでいなかった。発明例3のフェロコークスの強度は、目標強度である81.0%であり、カーボンの反応率は43.8%であった。このように、−0.5mmとなる粒状物の割合が80質量%である返鉱を用いることで、フェロコークスの強度は、目標強度を維持し、フェロコークスの反応性は、発明例1および発明例2よりも向上した。
比較例6は、さらなる反応性の向上を狙って−0.5mmとなる粒状物の割合が85質量%である返鉱を用いたフェロコークスである。比較例6のフェロコークスの強度は、目標強度を下回る80.0%であり、カーボンの反応率は44.4%であった。このように、−0.5mmとなる粒状物の割合を80質量%よりも多い85質量%にすることで、フェロコークスの反応性は、発明例3よりも向上したが、その強度は、80.0%に低下し、目標強度である81.0%を下回った。
以上の結果から、フェロコークスの原料として、−0.5mmとなる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱を用いることで、フェロコークスの目標強度である81.0%を維持しつつ、その反応性を、鉄鉱石を鉄原料として用いた場合よりも向上できることが確認された。また、−0.5mmとなる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱をさらに、目開き3.0mmの篩で篩分けして、篩下となった返鉱を用いることで、フェロコークスの強度および反応性をさらに向上できることが確認された。なお、目開き3.0mmの篩で篩分けすることで、フェロコークスの強度および反応性を向上できたことから、目開きの小さい目開き2.0mmの篩いを用いて篩分けし、その篩下となった返鉱を用いても、同様の効果が得られることは明らかである。
次に、実施例2として、フェロコークスの反応性を維持しつつ、フェロコークスの強度を高めるフェロコークスの製造方法の実施例を説明する。実施例2においても実施例1と同じ装置を用いて成型し、乾留して製造した。鉄原料として、鉄鉱石または返鉱を粉砕したものを用いた。粉砕機としては、ケージミルを用い、鉄鉱石および返鉱の−0.5mmとなる粒状物の割合は、粉砕機の回転数を変えることで調整した。このように、鉄原料の配合率および粒度を調整したフェロコークスを用いて、鉄原料の割合および−0.5mmとなる粒状物の割合がフェロコークスの強度およびフェロコークスの反応性に与える影響を確認した。これらの結果を下記表2に示す。実施例2においても、フェロコークスの強度は、ドラム強度150回転15mm指数(DI150 15)を用いて評価した。また、フェロコークスの反応性については、フェロコークス中のカーボンの反応率で評価した。実施例2における強度の目標は、鉄原料を配合しない比較例11のコークス強度とした。また、反応性の目標は、従来のフェロコークスである鉄鉱石を30質量%の割合で用いたフェロコークスの反応性とした。
Figure 2017145696
比較例11は、鉄原料を含まないコークスである。コークスの強度は85.0%であり、カーボンの反応率は8.0%であった。
比較例12、13は、鉄原料として鉄鉱石を用いて製造したフェロコークスである。比較例12は、−0.5mmとなる粒状物の割合が60質量%である鉄鉱石を、混合原料の質量に対して30質量%となる割合で用いたフェロコークスである。比較例12のフェロコークスの強度は81.1%であり、コークスと比較して大きく低下した。また、比較例12のカーボンの反応率は26.8%であり、コークスと比較してフェロコークスの反応性は大きく向上した。
比較例13は、−0.5mmとなる粒状物の割合が60質量%である鉄鉱石を、混合原料の質量に対して5質量%となる割合で用いたフェロコークスである。比較例13のフェロコークスの強度は85.0%であり、コークスと同等であった。また、比較例13のカーボンの反応率は17.5%であり、比較例12と比較してフェロコークスの反応性は大きく低下した。
比較例14〜17および発明例11は、鉄原料として返鉱を用いて製造したフェロコークスである。比較例14は、−0.5mmとなる粒状物の割合が60質量%である返鉱を、混合原料の質量に対して15質量%となる割合で用いたフェロコークスである。比較例14のフェロコークスの強度は84.0%であり、コークスと比較して若干低下した。また、比較例14のカーボンの反応率は34.2%であり、返鉱を用いたことで、フェロコークスの反応性は大きく向上した。
比較例15は、−0.5mmとなる粒状物の割合が20質量%である返鉱を、混合原料の質量に対して5質量%となる割合で用いたフェロコークスである。比較例15のフェロコークスの強度は83.6%であり、コークスと比較して若干低下した。また、比較例15のカーボンの反応率は15.0%であり、比較例12と比較してフェロコークスの反応性は大きく低下した。これは、比較例15で用いた返鉱が少なく、かつ、返鉱の−0.5mmとなる粒状物が少ないので、フェロコークスの強度が低く、反応性が低下したと考えられる。
比較例16は、−0.5mmとなる粒状物の割合が80質量%である返鉱を、混合原料の質量に対して5質量%となる割合で用いたフェロコークスである。比較例16のフェロコークスの強度は83.6%であり、コークスと比較して若干低下した。また、比較例16のカーボンの反応率は32.0%であり、比較例12と比較してフェロコークスの反応性は向上した。比較例16は、用いた返鉱は少ないものの、返鉱の−0.5mmとなる粒状物が多いので、フェロコークスの反応性が向上したと考えられる。
比較例17は、−0.5mmとなる粒状物の割合が60質量%である返鉱を、混合原料の質量に対して1質量%となる割合で用いたフェロコークスである。比較例17のフェロコークスの強度は85.0%であり、コークスと同等であった。また、比較例17のカーボンの反応率は12.7%であり、比較例12と比較してフェロコークスの反応性は大きく低下した。比較例17は、用いた返鉱が少なすぎたので、フェロコークスの反応性が低下したと考えられる。
発明例11は、−0.5mmとなる粒状物の割合が60質量%である返鉱を、混合原料の質量に対して5質量%となる割合で用いたフェロコークスである。発明例11のフェロコークスの強度は85.0%であり、コークスと同等であった。また、発明例11のカーボンの反応率は28.5%であり、比較例2と比較してフェロコークスの反応性も向上した。このように、発明例11は、強度および反応率ともに目標を達成できた。
以上の結果から、フェロコークスの鉄原料として、−0.5mmとなる粒状物の割合が40〜70質量%の範囲内である60質量%になるよう粉砕した返鉱を、混合原料の質量に対して2〜10質量%の範囲内である5質量%の割合で用いた発明例11は、フェロコークスの反応性を維持しつつ、その強度を、鉄原料を配合しないコークスの強度まで向上できることが確認された。
10 フェロコークス
12 焼結鉱
14 コークス

Claims (3)

  1. 石炭と鉄原料を混合して混合原料とし、
    前記混合原料を成型して乾留するフェロコークスの製造方法であって、
    前記鉄原料は、径が0.5mm以下となる粒状物の割合が25〜80質量%の範囲内の返鉱である、フェロコークスの製造方法。
  2. 前記返鉱は、目開きが2.0〜3.0mmの範囲内の篩で篩分けして得られる篩下の返鉱である、請求項1に記載のフェロコークスの製造方法。
  3. 石炭と鉄原料を混合して混合原料とし、
    前記混合原料を成型して乾留するフェロコークスの製造方法であって、
    前記鉄原料は、径が0.5mm以下となる粒状物の割合が40〜70質量%の範囲内の返鉱であり、
    前記鉄原料を、前記混合原料の質量に対して2〜10質量%の範囲内となる割合で用いる、フェロコークスの製造方法。
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