JPWO2017145379A1 - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、高利得を実現するために、サービスエリアを複数のスポットビームで覆う方式のアンテナ装置が検討されている。サービスエリアを複数のスポットビームで覆う方式では、一般的な成形ビームアンテナよりも高い利得を実現することができる。
干渉については、一般的に搬送波対干渉波比(C/I:Carrier To Interference Ratio)によって評価されるが、低干渉を実現するために、一般的には、隣り合うビームで使用する周波数又は偏波が異なるようにしている。即ち、周波数と偏波の組み合わせを複数種類用意し、隣り合うビームが、周波数及び偏波が同一の組み合わせを使用しないようにしている。
以下の特許文献1に開示されているアンテナ装置では、1つのビームを構成するために複数のアンテナ素子を使用し、複数のアンテナ素子の励振係数を変えることで、干渉波を低減するようにしている。
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。
図1において、一次放射器1は電波を主反射鏡2に向けて放射する電波照射源である。
一次放射器1は主反射鏡2のスピルオーバーが少なくなるように配置されており、図1の例では、主反射鏡2の焦点近傍に配置されている。
主反射鏡2は複数の一次放射器1から放射された電波を反射する反射鏡であり、図1の例では、主反射鏡2の形状はパラボラ曲面である。
3は主反射鏡2を正面から見たときの開口形状を示しており、図1の例では、主反射鏡2の開口形状3が平行四辺形である。
この実施の形態1では、詳細は後述するが、複数の一次放射器1は、放射電波の周波数及び偏波の組み合わせで分類されており、同一の分類に属する複数の一次放射器1は、三角形のパターンが繰り返されている三角形繰り返しパターンにおける各三角形の頂点に対応する位置に配置されている。
そして、三角形における2つの頂点に対応する位置を通る線分の方向と、その頂点に対応する位置に配置されている一次放射器1から放射されたのち、主反射鏡2により反射された電波におけるサイドローブの放射方向とが異なる方向となるように、主反射鏡2の形状と三角形繰り返しパターンの形状及び配置とが決められている。
図2は一次放射器1を正面から見たときの配置を示しており、図2の例では、16個の一次放射器1を配置しているが、あくまでも一例であり、16個に限るものではない。
図中のアルファベットは、一次放射器1から放射された電波の周波数と偏波の組み合わせを示すラベルであり、アルファベットが同一のラベルを付されている一次放射器1は、周波数及び偏波が同一の組み合わせを使用している。
図3はラベルに対応する周波数及び偏波の組み合わせの一例を示す説明図である。
図3では、例えば、垂直偏波と水平偏波などの2種類の偏波P1,P2と、2種類の周波数F1,F2との組み合わせを示しており、図3では、合計で4通りの組み合わせを例示している。
また、ラベルC1,C2,C3,C4が付されている一次放射器1は、同一の分類に属し、ラベルD1,D2,D3,D4が付されている一次放射器1は、同一の分類に属している。
例えば、ラベルA1,A2,A3,A4が付されている4個の一次放射器1に着目すると、ラベルA1,A3,A4が付されている3個の一次放射器1は、三角形状に配置されており、また、ラベルA1,A2,A4が付されている3個の一次放射器1も、三角形状に配置されている。
即ち、ラベルA1,A2,A3,A4が付されている4個の一次放射器1は、三角形のパターンTRP1と、三角形のパターンTRP2とが繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternにおける各三角形の頂点に対応する位置に配置されている。
三角形のパターンTRP1はラベルA1,A3,A4が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP2はラベルA1,A2,A4が付されている3個の一次放射器1の配置パターンである。図2では、各三角形が正三角形である例を示している。
また、図2では、2つの三角形のパターンTRP1,TRP2が図中水平方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternの例を示しているが、3つ以上の三角形のパターンTRPが水平方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternであってもよいし、複数の三角形のパターンTRPが垂直方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternであってもよい。
図2の例では、ラベルA1,A2,A3,A4が付されている4個の一次放射器1が、三角形の辺と接するように配置されているため、一次放射器1の中心の位置が三角形の頂点の位置から離れているが、三角形の頂点の近傍に配置されているため、三角形の頂点に対応する位置に配置されているものである。
なお、一次放射器1の中心の位置が三角形の頂点と一致するように配置されているものであってもよいことは言うまでもない。
図4Aは3つの三角形のパターンTRP1,TRP2,TRP3が水平方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternを示している。
三角形のパターンTRP1はラベルA1,A3,A4が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP2はラベルA1,A2,A4が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP3はラベルA2,A4,A5が付されている3個の一次放射器1の配置パターンである。
三角形のパターンTRP1はラベルA1,A3,A4が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP2はラベルA1,A2,A4が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP3はラベルA3,A5,A6が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP4はラベルA3,A4,A6が付されている3個の一次放射器1の配置パターンである。
図4からも分かるように、複数の三角形のパターンTRPを任意の方向に繰り返すことで、所望の形状の三角形繰り返しパターンTRPatternを得ることができる。
同様に、ラベルC1,C2,C3,C4が付されている一次放射器1の配置パターンにも、2つの三角形のパターンTRPが水平方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternであり、ラベルD1,D2,D3,D4が付されている一次放射器1の配置パターンも、2つの三角形のパターンTRPが水平方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternである。
また、図2の例では、主反射鏡2の開口形状3である平行四辺形の各頂点をH,I,J,Kとすると、平行四辺形の内角である∠IHK,∠IJKが、正三角形の内角と等しい60度になっている。また、頂点H付近にラベルC3が付されている一次放射器1の放射電波が照射され、頂点I付近にラベルD4が付されている一次放射器1の放射電波が照射され、頂点J付近にラベルB2が付されている一次放射器1の放射電波が照射され、頂点K付近にラベルA1が付されている一次放射器1の放射電波が照射されるように、16個の一次放射器1が配置されている。
また、16個の一次放射器1のうち、例えば、ラベルA1,B1,D1が付されている3個の一次放射器1に着目すると、3個の一次放射器1は正三角形状に重複せずに配置されている。これはビームを密に配置するためであり、正三角形状は、円形開口を最密に配置できる形状として知られている。
16個の一次放射器1は、電波を主反射鏡2に向けて放射する。以下、一次放射器1の放射電波をビームと称する。
主反射鏡2は、16個の一次放射器1から放射されたビームを反射する。
ここで、図5は主反射鏡2により反射されるビームの放射方向4を示す説明図である。
図5において、横軸は水平面内の角度、縦軸は垂直面内の角度であり、ビームの放射方向4は電波のサービスエリアに対応する。
また、ビームの放射方向4に付いているラベルは、図2に示す一次放射器1に付いているラベルと対応している。
以下、「一次放射器1の反射ビーム」という表現は、一次放射器1から放射されたビームが主反射鏡2によって反射されたビームを意味するものとする。
図6AはラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブの放射方向θ1,θ2を示す説明図であり、図6BはラベルB4が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブの放射方向θ1,θ2を示す説明図である。
また、図6CはラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブの放射方向θ1,θ2を示す説明図であり、図6DはラベルD2が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブの放射方向θ1,θ2を示す説明図である。
例えば、ラベルA4が付されている一次放射器1に着目すると、図6Aに示すように、平行四辺形の線分HIと線分KJに垂直な方向θ1にサイドローブが形成されるとともに、平行四辺形の線分HKと線分IJに垂直な方向θ2にサイドローブが形成される。
また、ラベルB4が付されている一次放射器1に着目すると、図6Bに示すように、平行四辺形の線分HIと線分KJに垂直な方向θ1にサイドローブが形成されるとともに、平行四辺形の線分HKと線分IJに垂直な方向θ2にサイドローブが形成される。
ラベルC2が付されている一次放射器1に着目すると、図6Cに示すように、平行四辺形の線分HIと線分KJに垂直な方向θ1にサイドローブが形成されるとともに、平行四辺形の線分HKと線分IJに垂直な方向θ2にサイドローブが形成される。
また、ラベルD2が付されている一次放射器1に着目すると、図6Dに示すように、平行四辺形の線分HIと線分KJに垂直な方向θ1にサイドローブが形成されるとともに、平行四辺形の線分HKと線分IJに垂直な方向θ2にサイドローブが形成される。
このため、主反射鏡2により反射されたビームのうち、ラベルA1,A2,A3が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受ける可能性がある。
しかし、この実施の形態1では、16個の一次放射器1の全体の配置形状が、主反射鏡2の開口形状3と同じ平行四辺形の形状となっているため、ラベルA1,A2,A3が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
ラベルA4が付されている一次放射器1が配置されている正三角形の頂点に対応する位置を基点として、その正三角形の他の頂点に対応する位置を通る線分の方向は、図6Aに示すように、α1の方向とα2の方向とα3の方向となる。
具体的には、ラベルA4が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルA1が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα1であり、ラベルA4が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルA2が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα2である。また、ラベルA4が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルA3が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα3である。
このとき、線分の方向α1,α2,α3は、サイドローブの放射方向θ1,θ2と異なる方向であるため、ラベルA1,A2,A3が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
このため、主反射鏡2により反射されたビームのうち、ラベルC1,C3,C4が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受ける可能性がある。
しかし、この実施の形態1では、16個の一次放射器1の全体の配置形状が、主反射鏡2の開口形状3と同じ平行四辺形の形状となっているため、ラベルC1,C3,C4が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
ラベルC2が付されている一次放射器1が配置されている正三角形の頂点に対応する位置を基点として、その正三角形の他の頂点に対応する位置を通る線分の方向は、図6Cに示すように、α3の方向とα2の方向となる。
具体的には、ラベルC2が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルC1が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα3であり、ラベルC2が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルC4が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα2である。
ラベルC2が付されている一次放射器1とラベルC3が付されている一次放射器1とは、同じ正三角形の各頂点に対応する位置に配置されているものではないが、ラベルC2が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルC3が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα4である。
このとき、線分の方向α2,α3,α4は、サイドローブの放射方向θ1,θ2と異なる方向であるため、ラベルC1,C3,C4が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
また、ラベルD2が付されている一次放射器1に着目した場合、ラベルC2が付されている一次放射器1に着目した場合と同様の関係となり、ラベルD1,D3,D4が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルD2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
図7において、横軸は水平面内の角度、縦軸は垂直面内の角度であり、主反射鏡2の開口形状3が平行四辺形であるため、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブが2つの方向に形成されている。
しかし、上述したように、線分の方向α2,α3,α4が、サイドローブの放射方向θ1,θ2と異なる方向であるために、ラベルC1,C3,C4が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けていないことが分かる。
図8において、横軸は水平面内の角度、縦軸は垂直面内の角度である。
主反射鏡2の開口形状が円形である場合、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブは、メインビーム方向を中心に同心円状に形成されている。この結果、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブが、ラベルC1,C3,C4が付されている一次放射器1の反射ビームのサービスエリアに到達するために、ラベルC1,C3,C4が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けていることが分かる。
なお、主反射鏡2の開口形状が長方形の場合、サイドローブは、長方形の対向する2辺と垂直な方向に形成される。このため、ラベルC3,C4が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがないが、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブが、ラベルC1が付されている一次放射器1の反射ビームのサービスエリアに到達するために、ラベルC1が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC2が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受ける。
主反射鏡2の開口形状3が平行四辺形である場合のC/Iが−28.5dB、主反射鏡2の開口形状が円形である場合のC/Iが−23.2dBであり、主反射鏡2の開口形状3が平行四辺形である場合の方が、開口形状が円形である場合より、5.3dB改善している。
また、三角形繰り返しパターンTRPatternの配置が、例えば図2の配置に則していればよく、一部の一次放射器1が間引かれることで、三角形繰り返しパターンTRPatternの形状が平行四辺形でなくてもよい。
上記実施の形態1では、主反射鏡2の開口形状3が平行四辺形であるものを示したが、この実施の形態2では、主反射鏡の開口形状が六角形である例を説明する。
主反射鏡2の開口形状3が平行四辺形である場合、例えば、アンテナ装置を衛星に搭載する際に、無駄な空間が発生して、空間を有効に使用できずに、衛星への搭載性が低下することがある。
そこで、この実施の形態2では、より空間を有効に利用できる形状として、六角形である例を説明する。
主反射鏡5は複数の一次放射器1から放射された電波を反射する反射鏡である。
6は主反射鏡5を正面から見たときの開口形状を示しており、図10の例では、主反射鏡5の開口形状6が六角形である。
この実施の形態2では、主反射鏡5の開口形状6が正六角形であるものとする。
図11は一次放射器1を正面から見たときの配置を示しており、図11の例では、19個の一次放射器1を配置しているが、あくまでも一例であり、19個に限るものではない。
図中のアルファベットは、一次放射器1から放射された電波の周波数と偏波の組み合わせを示すラベルであり、アルファベットが同一のラベルを付されている一次放射器1は、周波数及び偏波が同一の組み合わせを使用している。
また、ラベルC1,C2,C3,C4が付されている一次放射器1は、同一の分類に属し、ラベルD1,D2,D3,D4が付されている一次放射器1は、同一の分類に属している。
例えば、ラベルC1,C2,C3,C4が付されている4個の一次放射器1に着目すると、ラベルC1,C2,C3が付されている3個の一次放射器1は、三角形状に配置されており、また、ラベルC2,C3,C4が付されている3個の一次放射器1も、三角形状に配置されている。
即ち、ラベルC1,C2,C3,C4が付されている4個の一次放射器1は、三角形のパターンTRP1と、三角形のパターンTRP2とが繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternにおける各三角形の頂点に対応する位置に配置されている。
三角形のパターンTRP1はラベルC1,C2,C3が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP2はラベルC2,C3,C4が付されている3個の一次放射器1の配置パターンである。図11では、各三角形が正三角形である例を示している。
図11では、2つの三角形のパターンTRP1,TRP2が図中水平方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternの例を示しているが、3つ以上の三角形のパターンTRPが水平方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternであってもよいし、複数の三角形のパターンTRPが垂直方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternであってもよい。
19個の一次放射器1は、ビームを主反射鏡5に向けて放射する。
主反射鏡5は、19個の一次放射器1から放射されたビームを反射する。
図12はラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブの放射方向θ1,θ2,θ3を示す説明図である。
サイドローブの放射方向θ1,θ2,θ3は、主反射鏡5の開口形状6で決まるものであり、主反射鏡5の開口形状6が正六角形である場合、サイドローブは、正六角形の対向する2辺と垂直な方向に形成される。
即ち、正六角形の線分LMと線分OPに垂直な方向θ1にサイドローブが形成され、正六角形の線分MNと線分PQに垂直な方向θ2にサイドローブが形成され、正六角形の線分NOと線分QLに垂直な方向θ3にサイドローブが形成される。
このため、主反射鏡5により反射されたビームのうち、ラベルA1,A2,A3,A5,A6,A7が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受ける可能性がある。
しかし、この実施の形態2では、19個の一次放射器1の全体の配置形状が、主反射鏡5の開口形状6と同じ正六角形となっているため、ラベルA1,A2,A3,A5,A6,A7が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
ラベルA4が付されている一次放射器1が配置されている正三角形の頂点に対応する位置を基点として、その正三角形の他の頂点に対応する位置を通る線分の方向は、図12に示すように、α1の方向とα2の方向とα3の方向となる。
具体的には、ラベルA4が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルA1,A7が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα1であり、ラベルA4が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルA2,A6が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα2である。また、ラベルA4が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルA3,A5が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα3である。
このとき、線分の方向α1,α2,α3は、サイドローブの放射方向θ1,θ2,θ3と異なる方向であるため、ラベルA1,A2,A3,A5,A6,A7が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルA4が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
また、三角形繰り返しパターンTRPatternの配置が、例えば図11の配置に則していればよく、一部の一次放射器1が間引かれることで、三角形繰り返しパターンTRPatternの形状が正六角形でなくてもよい。
上記実施の形態1では、主反射鏡2の開口形状3が平行四辺形であるものを示したが、この実施の形態3では、主反射鏡の開口形状が三角形である例を説明する。
図13はこの発明の実施の形態3によるアンテナ装置を示す構成図であり、図13において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
主反射鏡7は複数の一次放射器1から放射された電波を反射する反射鏡である。
8は主反射鏡7を正面から見たときの開口形状を示しており、図13の例では、主反射鏡7の開口形状8が三角形である。
この実施の形態3では、主反射鏡7の開口形状8が正三角形であるものとする。
図14は一次放射器1を正面から見たときの配置を示しており、図14の例では、15個の一次放射器1を配置しているが、あくまでも一例であり、15個に限るものではない。
図中のアルファベットは、一次放射器1から放射された電波の周波数と偏波の組み合わせを示すラベルであり、アルファベットが同一のラベルを付されている一次放射器1は、周波数及び偏波が同一の組み合わせを使用している。
また、ラベルC1,C2,C3が付されている一次放射器1は、同一の分類に属し、ラベルD1,D2,D3が付されている一次放射器1は、同一の分類に属している。
例えば、ラベルA1,A2,A3,A4,A5,A6が付されている6個の一次放射器1に着目すると、ラベルA1,A2,A3が付されている3個の一次放射器1は、三角形状に配置されており、ラベルA2,A4,A5が付されている3個の一次放射器1は、三角形状に配置されている。また、ラベルA2,A3,A5が付されている3個の一次放射器1は、三角形状に配置されており、A3,A5,A6が付されている3個の一次放射器1は、三角形状に配置されている。
三角形のパターンTRP1はラベルA1,A2,A3が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP2はラベルA2,A4,A5が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP3はラベルA2,A3,A5が付されている3個の一次放射器1の配置パターン、三角形のパターンTRP4はラベルA3,A5,A6が付されている3個の一次放射器1の配置パターンである。図14では、各三角形が正三角形である例を示している。
図14では、3つの三角形のパターンTRP2,TRP3,TRP4が図中水平方向に繰り返され、かつ、三角形のパターンTRP1と三角形のパターンTRP2,TRP3,TRP4が図中垂直方向に繰り返されている三角形繰り返しパターンTRPatternの例を示しているが、これに限るものではなく、水平方向及び垂直方向の繰り返しパターン数は任意である。
15個の一次放射器1は、ビームを主反射鏡7に向けて放射する。
主反射鏡7は、15個の一次放射器1から放射されたビームを反射する。
図15はラベルC3が付されている一次放射器1の反射ビームによるサイドローブの放射方向θ1,θ2,θ3を示す説明図である。
サイドローブの放射方向θ1,θ2,θ3は、主反射鏡7の開口形状8で決まるものであり、主反射鏡7の開口形状8が正三角形である場合、サイドローブは、正三角形の各辺に垂直な方向に形成される。
即ち、正三角形の線分TRに垂直な方向θ1にサイドローブが形成され、正三角形の線分RSに垂直な方向θ2にサイドローブが形成され、正三角形の線分STに垂直な方向θ3にサイドローブが形成される。
このため、主反射鏡7により反射されたビームのうち、ラベルC1,C2が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC3が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受ける可能性がある。
しかし、この実施の形態3では、15個の一次放射器1の全体の配置形状が、主反射鏡7の開口形状8と同じ正三角形となっているため、ラベルC1,C2が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC3が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
ラベルC3が付されている一次放射器1が配置されている正三角形の頂点に対応する位置を基点として、その正三角形の他の頂点に対応する位置を通る線分の方向は、図15に示すように、α1の方向とα2の方向となる。
具体的には、ラベルC3が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルC1が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα1であり、ラベルC3が付されている一次放射器1の配置位置と、ラベルC2が付されている一次放射器1の配置位置とを通る線分の方向がα2である。
このとき、線分の方向α1,α2は、サイドローブの放射方向θ1,θ2,θ3と異なる方向であるため、ラベルC1,C2が付されている一次放射器1の反射ビームは、ラベルC3が付されている一次放射器1の反射ビームによって干渉を受けることがない。
また、三角形繰り返しパターンTRPatternの配置が、例えば図14の配置に則していればよく、一部の一次放射器1が間引かれることで、三角形繰り返しパターンTRPatternの形状が正三角形でなくてもよい。
上記実施の形態1〜3では、各々の一次放射器1が1つのビームを主反射鏡2,5,7に放射するものを示したが、複数の放射素子が1つのビームを主反射鏡2,5,7に放射するようにしてもよい。
一次放射器1は複数の放射素子9を含んでいる。
図16のアンテナ装置では、説明の簡単化のため、3個の一次放射器1が搭載されている例を示している。しかし、実際には、周波数及び偏波の組み合わせが同一の電波を放射する一次放射器1が複数個搭載され、また、周波数及び偏波の組み合わせが異なる電波を放射する一次放射器1も複数個搭載される。このため、図16のアンテナ装置でも、例えば、上記実施の形態1における図1のアンテナ装置のように、16個の一次放射器1が搭載される。
ただし、一次放射器1の個数や、一次放射器1が含む放射素子の本数は任意である。
ビーム形成回路10は一次放射器1における複数の放射素子9を励振させる給電回路である。
ビーム形成回路10は同じ一次放射器1に属する4本の放射素子9からは周波数及び偏波の組み合わせが同一の電波が放射されるように、4本の放射素子9を励振させるが、3個の一次放射器1から放射される電波の周波数及び偏波の組み合わせが異なるように、3個の一次放射器1に属する4本の放射素子9をそれぞれ励振させる。
ビーム形成回路10は、3個の一次放射器1から放射されるビームの方向等を可変する場合、複数の放射素子9に出力する信号の位相を調整する移相器や、複数の放射素子9に出力する信号の振幅を調整する可変利得増幅器などを備え、その移相器や可変利得増幅器によって放射素子9の励振係数を調整する。
これにより、主反射鏡2により反射されるビームの放射方向や、ビームのサービスエリアの範囲などを変えることができる。
上記実施の形態1〜4では、複数の一次放射器1が、ビームを主反射鏡2,5,7に放射するものを示したが、複数の一次放射器1から放射されたビームが副反射鏡を介して主反射鏡2,5,7に照射されるようにしてもよい。
副反射鏡11は複数の一次放射器1から放射された電波を主反射鏡2に向けて反射する反射鏡であり、図17の例では、副反射鏡11は鏡面が回転双曲面であるカセグレン形式の反射鏡である。
副反射鏡11が、複数の一次放射器1から放射されたビームを主反射鏡2に向けて反射するように構成しても、上記実施の形態1と同様に、周波数及び偏波の組み合わせが同一である全てのビーム間での干渉を抑えることができる。
また、副反射鏡11は、複数枚の反射鏡で構成されていてもよい。
Claims (6)
- 電波を放射する複数の一次放射器と、
前記複数の一次放射器から放射された電波を反射する主反射鏡とを備え、
前記複数の一次放射器は、放射電波の周波数及び偏波の組み合わせで分類され、
同一の分類に属する複数の一次放射器は、三角形のパターンが繰り返されている三角形繰り返しパターンにおける各三角形の頂点に対応する位置に配置されており、
前記三角形における2つの頂点に対応する位置を通る線分の方向が、前記頂点に対応する位置に配置されている一次放射器から放射されたのち、前記主反射鏡により反射された電波におけるサイドローブの放射方向と異なる方向となるように、前記主反射鏡の形状と前記三角形繰り返しパターンの形状及び配置とが決められていることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記主反射鏡の開口形状が平行四辺形であり、
前記三角形繰り返しパターンは、前記開口形状と同じ形状になるように、1つ以上の三角形のパターンが繰り返されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記主反射鏡の開口形状が六角形であり、
前記三角形繰り返しパターンは、前記開口形状と同じ形状になるように、1つ以上の三角形のパターンが繰り返されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記主反射鏡の開口形状が三角形であり、
前記三角形繰り返しパターンは、前記開口形状と同じ形状になるように、1つ以上の三角形のパターンが繰り返されていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記複数の一次放射器における各々の一次放射器は、複数の放射素子を含んでおり、
前記複数の放射素子を励振させるビーム形成回路を備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記複数の一次放射器から放射された電波を前記主反射鏡に向けて反射する副反射鏡を備えたことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
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