JPWO2017130447A1 - 電力変換装置及び回転電機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

三角搬送波を単調増加区間および単調減少区間の二つの区間に分けた場合、直流母線電流検出部(2)は連続する2つの三角搬送波周期の内第1周期においては単調増加区間又は単調減少区間の内の一方の区間で直流母線電流値を検出し、かつ第2周期においては第1周期で検出されなかった区間で直流母線電流値を検出し、相電流演算部(4)は直前の連続する2つの三角搬送波周期における単調増加区間及び単調減少区間において直流母線電流検出部(2)でそれぞれ検出された二相の直流母線電流値に基づいて、三相交流電流値を計算するものである。

Description

本発明は、回転電機の電力変換装置及び当該電力変換装置を用いた回転電機駆動装置に関するものである。
相電流を用いたフィードバック制御により電動機を駆動する電力変換装置では、相電流の検出手段が必要となる。コスト低減の為、電力変換装置と電動機の間に電流センサを設けるのではなく、インバータの直流母線電流より電動機電流を計算する方法が従来よりあった。例えば特許文献1には、各相のスイッチング素子のスイッチングに伴って電力変換部主回路の直流母線に流れる相電流相当のパルス状電流を、電流検出手段により検出し、得られた電流検出値を検出時のスイッチング状態から各相に分配することにより、一つの電流検出手段で3相分の相電流を検出及び再現することが開示されている。
但し上記方法では相電流の電流リプルの中心を検出することが困難であるため、電流検出精度が低下するという問題があった。そこで、例えば特許文献2、3では三角搬送波1周期の前半半周期における電流検出と後半半周期における電流検出を交互に行い、各々から得られた電流検出値から電流検出誤差を補償することで、インピーダンスが小さく、電流リプルの大きい電動機でも適切な電流検出を実現可能とすることが開示されている。
特開平11−004594 特開2010−11639 特開2013−55772
前述の従来方法を実現するために、特許文献2では、三角搬送波1周期前半の半周期における電流検出と三角搬送波1周期後半の半周期における電流検出の間に三角搬送波周期の整数倍の区間だけ電流検出を保留する電流検出保留区間を設けている。また、特許文献3では、キャリア信号2周期のうち1周期目の後半、2周期目の前半に検出を行っている。この結果、電流検出周期とそれに伴う電圧指令更新周期が特許文献2ではキャリア周期の1.5倍以上、特許文献3では2倍となる。このため、低キャリア駆動時において、高周波数の電圧出力を行う場合など電圧更新の時間分解能が低下し、出力電圧精度が低下していた。また特許文献2では、三角搬送波1周期前半における電流検出と三角搬送波1周期後半における電流検出を制御周期開始地点に対して対称となる位置において行うことにより検出精度向上を実現しているが、このような方法では電流リプルが周期的に同じ場所に発生し、同一周波数の騒音が集中的に発生していた。
この発明は上記のような課題を解決するためのものであり、インピーダンスの小さい電動機でも高精度な電流検出を行い、かつ三角搬送波1周期毎に電流検出、電圧更新を行うことで低キャリア駆動時も出力電圧精度の低下を最小限に抑えることを可能とする電力変換装置を提供するものである。
この発明に係る電力変換装置は、三相電圧指令を三角搬送波と比較してPWMパルスに変換するPWM変換部と、PWMパルスに基づきスイッチング素子を駆動し直流電圧を三相交流電圧に変換する電力変換部主回路と、電力変換部主回路の直流母線に流れる電流を検出する直流母線電流検出部と、三角搬送波の1周期に少なくとも一回直流母線電流検出部より二相分の電流を検出する二回の検出タイミングをスイッチング素子のスイッチングタイミングに基づいて設定するタイミング決定部と、タイミング決定部によって決められたタイミングで検出された二相分の直流母線電流値に基づいて三角搬送波の1周期に一回三相交流電流値を計算する相電流演算部と、三角搬送波の1周期に一回三相交流電流値に基づき三相電圧指令を更新する電圧指令生成部を備え、
三角搬送波を単調増加区間および単調減少区間の二つの区間に分けた場合、直流母線電流検出部は連続する2つの三角搬送波周期の内第1周期においては単調増加区間又は単調減少区間の内の一方の区間で直流母線電流値を検出し、かつ連続する2つの三角搬送波周期の内第2周期においては単調増加区間又は単調減少区間の内第1周期で検出されなかった区間で直流母線電流値を検出し、
相電流演算部は直前の連続する2つの三角搬送波周期における単調増加区間及び単調減少区間において直流母線電流検出部でそれぞれ検出された二相の直流母線電流値に基づいて、三相交流電流値を計算するものである。
上記のように構成された電力変換装置によれば、電圧更新を三角搬送波周期の1周期毎に行い、尚且つ電流検出を単調増加区間と単調減少区間において交互に入れ替えるようにしたことにより、従来よりも電圧更新周期を短くすることができる。更に低キャリア駆動時も直流母線からの電流検出を高精度に行い、かつ出力電圧精度の低下を最小限にすることができる。また、単調増加区間と単調減少区間における電流検出位置が、その間に位置する制御周期開始時点に対して非対称に設定されることにより、電流リプルの位置が制御周期内で分散し、騒音の原因となる周波数も分散させることができる。
実施の形態1による電力変換装置のハードウエア構成を示すブロック構成図である。 実施の形態1による電力変換装置の具体的な構成を示すブロック構成図である。 タイミング決定部による動作を示すフローチャートである。 タイミング決定部で実施される電流検出のタイミングを決定する動作を説明するための線図である。 電流を検出する際の電流の流れる状態を示す回路図である。 電流を検出する際の電流の流れる状態を示す回路図である。 図4に示された直流母線電流波形図の一部拡大図である。 電流検出可能区間を確保するための一例を説明する線図(A)、(B)である。 三角搬送波周期に対する電流検出処理、電流計算処理、電圧生成処理のタイミングチャートを示す図である。 三角搬送波周期に対する電流検出処理、電流計算処理のタイミングチャートを示す図である。 実施の形態2による電力変換装置の動作を説明するための線図である。
実施の形態1.
以下、実施の形態1による電力変換装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1は実施の形態1に係る電力変換装置のハードウエア構成を示すブロック構成図である。図において、電力変換装置10は、ハードウエアとして、プロセッサ100と、記憶装置101と、電力変換部主回路1と、直流母線102に流れる電流を検出する直流母線電流検出部2を備える。記憶装置101は図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また記憶装置101は、図示していないが、不揮発性の補助記憶装置の代わりにハードディスク等の補助記憶装置を具備してもよい。
プロセッサ100は、記憶装置101から入力されたプログラムを実行する。記憶装置101が補助記憶装置と揮発性記憶装置とを具備するため、プロセッサ100には補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプログラムが入力される。またプロセッサ100は演算結果等のデータを記憶装置101の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存させるようにしてもよい。
図2は電力変換装置10の具体的な構成を示すブロック構成図である。図2に示すように、本実施の形態の電力変換装置10は制御部6を有しており、制御部6は三相電圧指令を三角搬送波TWと比較してPWMパルスに変換するPWM変換部と、三相電圧指令を三角搬送波TWと比較してゲートスイッチングタイミングSup〜Swnに変換するとともに、これらゲートスイッチングタイミングSup〜Swnから直流母線電流検出タイミングT〜Tを出力する電流検出点決定手段の役割も果たすゲートスイッチングタイミング及び電流検出タイミング決定部(以下タイミング決定部と略す)とを有する。又PWM変換部は直流母線電流検出が困難と判定された際に、検出可能となるように単調増加区間と単調減少区間のうち、電流検出を行う側の電圧指令に補正量を加え、もう一方の電圧指令から補正量を引く電流検出区間生成部を有している。更に電力変換装置10は電力変換部主回路1と、直流母線電流検出部2と、検出電流格納部3と、相電流演算部4と、電圧指令生成部5を有している。ここで電力変換部主回路1はゲートスイッチングタイミングSup〜Swnに基づきスイッチング素子SW1〜SW6を駆動し直流電圧を三相交流電圧に変換する。直流母線電流検出部2は直流母線102に流れる電流を検出する。検出電流格納部3は直流母線電流検出タイミングT〜Tを用いて直流母線電流検出部2で検出した電流値を取得し保持する。相電流演算部4は検出電流格納部3に格納された直流母線電流を三相交流電流値に計算する。電圧指令生成部5は三角搬送波TWの1周期において一度、三相電圧指令Vu〜Vwを更新する。
電力変換部主回路1には回転機Mが接続され、その間に流れる三相交流電流を直流母線102で検出することが本実施形態の目的である。ここで接続される回転機Mとしては例えば、同期電動機、誘導電動機、または発電機などどのような回転機を用いてもよい。尚図1、図2の回転機Mにおいては、固定子巻線の接続がY結線である場合を示しているが、Δ結線を使用してもよい。また図2の相電流演算部4、電圧指令生成部5および制御部6におけるタイミング決定部は、記憶装置101に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ100、または図示していないシステムLSI等の処理回路により実現される。検出電流格納部3は記憶装置101の揮発性記憶装置により実現される。複数のプロセッサ100および複数の記憶装置101が連携して上記機能を実行してもよいし、複数の処理回路が連携して上記機能を実行してもよい。また、複数のプロセッサ100および複数の記憶装置101と、複数の処理回路との組み合わせにより連携して上記機能を実行してもよい。
図3はタイミング決定部による動作を示すフローチャートである。図3に示すように、電圧指令生成部5で生成した3相の電圧指令Vu〜Vwの大きさの差から電流検出区間の導出を行い(ステップS301)、前記電流検出区間で直流母線102における電流検出が可能か否か判定する(ステップS302)。直流母線電流検出ができない時は、後で説明するように電圧更新周期内の合計値が変化しないよう、電圧指令Vu〜Vwに補正量を加えて検出できるようにする(ステップS303)。必要に応じて補正量を加えた電圧指令Vu〜Vwから電力変換部主回路1のスイッチング素子SW1〜SW6のゲートスイッチングタイミングSup〜Swnを決定し(ステップS304)、ゲートスイッチングタイミングSup〜Swnを用いて直流母線電流検出タイミングT〜Tを決定し(ステップS305)、直流母線電流検出部2で電流を検出する。
電力変換部主回路1は図1、図2に示すように、スイッチング素子SW1〜SW6とダイオードを1セットとして6つで構成されており、直流電力を3相交流電力に変換する役割を持つ。即ち電力変換部主回路1はインバータ回路を構成しており、U相上アームスイッチング素子SW1、U相下アームスイッチング素子SW2、V相上アームスイッチング素子SW3、V相下アームスイッチング素子SW4、W相上アームスイッチング素子SW5、W相下アームスイッチング素子SW6から構成されている。そして各スイッチング素子SW1〜SW6はタイミング決定部から入力されるゲートスイッチングタイミングSup〜Swnによる信号が入力されて駆動される。直流母線電流検出部2は、直流母線102の経路に電流検出のための検出素子(例えばホールセンサ、抵抗、カレントトランス等)が挿入され、両端電圧あるいは出力電圧を必要に応じて増幅器及びバッファ等を介して検出し、検出した電流値Idcを検出電流格納部3に送る。なお図1、2では直流電源の低電圧側に検出素子を設けているが、高電圧側に設けてもよい。
検出電流格納部3はタイミング決定部で決定した直流母線電流検出タイミングT〜Tにおいて、直流母線電流検出部2で検出された検出電流を取得し保持する役割を持つ。図4はタイミング決定部で実施される電流検出のタイミングT〜Tを決定する動作を説明するための線図である。直流母線102から二相分の電流を検出するためには三相のスイッチング素子におけるスイッチング状態が全てOn、又は全てOffではない、いわゆる非零電圧ベクトルのスイッチング状態の区間である必要があり、すなわちこのような電流検出区間から二種類選択し、その区間で検出を行う必要がある。直流母線電流検出タイミングT〜Tはタイミング決定部内で決定された電圧中間相(図4の場合はV相)のゲートスイッチングタイミングに依存して決定される。電圧指令生成部5で生成される3相の電圧指令Vu,Vv,Vwの内、大きいものから順に最大相電圧指令、中間相電圧指令、最小相電圧指令と定義するが、図4ではそれぞれ最大相電圧指令がVu、中間相電圧指令がVv、最小相電圧指令がVwの場合が示されている。又図4においてBuは最大相(U相)上アームスイッチ状態、Bvは中間相(V相)上アームスイッチ状態、Bwは最小相(W相)上アームスイッチ状態を示している。
図4において、二相分の検出電流の内、最初に現れる非零電圧ベクトル期間中に検出される直流母線電流値をIdcA、二番目に現れる非零電圧ベクトル期間中に検出される直流母線電流値をIdcBとする。電流値IdcAの検出タイミングであるTは中間相(V相)のゲートオンのゲートスイッチングタイミングSvp(TS)から所定時間T1前に決定される。ここで時間T1は電流検出に必要な時間よりも長い時間に設定する。続いて電流値IdcBの検出タイミングであるTは、タイミングTから所定時間T2後に決定される。ここで時間T2の決定は、電力変換部主回路1の直列接続されたスイッチング素子対が同時に導通することを避けるために設けたデッドタイム区間を考慮し、また直流母線電流は、スイッチング素子のOn,Off動作に伴う電圧急変により電流が振動する場合があり、その電流の振動も考慮する必要がある。即ち上アームのスイッチング素子と下アームスイッチング素子(例えばSW1とSW2)とは一方がOnであれば他方がOffの関係にあり、これらが同時に導通することを避けるために一方をOffにしてから他方をOnにするというデッドタイム区間を設けており、時間T2はデッドタイム区間を考慮して決定される。更にスイッチング素子がスイッチングした際に生じるサージ電圧の影響により直流電流の高周波振動が発生するが(電流検出不可区間T10参照)、このような直流電流の高周波振動が減衰し、振幅振動が所定値以下になるまでの区間も考慮する必要がある。図4ではこの1例を示しており、ゲートスイッチングタイミングSup〜Swnの非零電圧ベクトル区間における電流検出不可区間T10と電流検出可能区間T11が示されている。即ち電流検出可能区間T11内においてタイミングTが決められる。以後電流検出の出来ない区間を電流検出不可区間と記述する。
したがって、時間T2はタイミングTが電流検出不可区間にかからないように設定される。すなわち、T2>T1+(電流検出不可区間)となる。このとき電流値IdcAは電圧最大相(U相)の電流値、電流値IdcBは電圧最小相(W相)の電流値を示す。
図5は電流値IdcAを検出する際の電流Iu、Iv、Iwの流れる状態を示す回路図であり、図6は電流値IdcBを検出する際の電流Iu、Iv、Iwの流れる状態を示す回路図である。図5においては、スイッチング素子SW1、SW4、SW6がOnであり、SW2、SW3、SW5がOffであるので、検出される電流はIu、即ち電圧最大相(U相)の電流となる。又図6においては、スイッチング素子SW1、SW3、SW6がOnであり、スイッチング素子SW2、SW4、SW5がOffであるので、検出される電流はIw、即ち電圧最小相(W相)の電流となる。尚図5、図6において点線で示される矢印は各相に流れる電流の向きを示している。更にゲートスイッチングタイミングSwpとSwnの間においては、上アームのスイッチング素子SW1、SW3、SW5が全てOnであり、下アームのスイッチング素子SW2、SW4、SW6が全てOffであるので、電流は上アームのダイオードを介して還流が流れることとなり、直流母線電流検出部2では電流は検出されない。同様に上アームのスイッチング素子が全てOffの場合もダイオードを介して還流が流れることとなり、直流母線電流検出部2では電流は検出されない。これら二つの電流値IdcA、IdcBから相電流演算部4で電圧中間相(V相)の電流値を算出するが、電流値IdcAと電流値IdcBの検出タイミングの差を可能な限り短く設定する。これは非零電圧ベクトルにより、回転機Mに電流が流れ、時間が経ちすぎると直流母線電流も変化するため、タイミングTとタイミングTが離れると、中間相の電流検出精度が低下するためである。即ち前述したように、直流母線102から二相分の電流を検出するためには三相のスイッチング素子におけるスイッチング状態が全てOn、又は全てOffではない、いわゆる非零電圧ベクトルのスイッチング状態の区間である必要があり、このような電流検出区間から二種類選択し、その区間で検出を行う必要がある。
また図4中のタイミングT,Tはそれぞれ三角搬送波周期の後半で電流検出を行うときの電流値IdcC,IdcDの検出タイミングを示す。タイミングT,Tは電圧中間相(V相)のゲートスイッチングタイミングSvn(TS)を基準に決定し、タイミングT,T同様にタイミングTは電圧中間相(V相)のゲートオフのゲートスイッチングタイミングSvnから所定時間T1前に決定されると共に、タイミングTはタイミングTの所定時間T2後に決定される。このとき電流値IdcCは上記と同様電圧最小相(W相)の電流値、電流値IdcDは電圧最大相(U相)の電流値を示す。これにより三角搬送波周期毎に検出を行う電流検出可能区間側の二相の電流検出タイミングを決定し、そのタイミングで直流母線電流を検出し、検出電流格納部3で検出した電流値IdcA〜IdcDを格納することが可能となる。
ここで精度の高い電流検出を行うためには電流リプルの影響を減らす必要がある。即ち直流母線電流値は水平とはならず、図4に示すようにゲートスイッチングタイミングSup〜Swp間においては右肩上がりとなり、ゲートスイッチングタイミングSwn〜Sun間においては右肩下がりとなっており、これらの影響を減らす必要がある。図7は図4に示された直流母線電流波形図の一部拡大図である。図7において、区間T70、区間T71はそれぞれ非零電圧ベクトル区間を示しており、電流値Xは非零電圧ベクトル区間における平均電流値を示している。図7に示されるように、電流値IdcB,IdcCと、その非零電圧ベクトル区間中の平均電流値Xとは差異があり、その差異はそれぞれ正負逆に現れている。これは電流値IdcA,IdcDにも同じことが言える。そのため電流リプルによる誤差を減らすには電流値IdcA,IdcBと電流値IdcC,IdcDを交互に検出することが必要となる。すなわち三角搬送波TWの単調減少区間と単調増加区間の交互に検出を行い、その検出値の平均値を求める方法が適している。そのため検出電流格納部3では2点(単調減少区間と単調増加区間の2区間)及び2相分の合計4点の電流値IdcA,IdcB,IdcC,IdcDを格納する必要がある。格納した電流値データを演算時に相電流演算部4に呼び出して演算を開始し、相電流演算部4は2相分の電流における各相の電流の平均値を求める。
相電流演算部4は検出電流格納部3に格納された2相分の検出電流から3相交流電流を計算する。電圧指令生成部5で生成された3相の電圧指令Vu,Vv,Vwに基づいて2相の電流値の符号を決定する。残りの1相の電流値は3相の電流値の総和がゼロであることを利用すれば、既に求めている2相の電流値から容易に求めることが出来る。以上の演算より回転機Mに流れる3相交流電流値の検出が可能となる。この相電流値に基づいて電圧指令Vu,Vv,Vwを決定し、更に相電流は回転機Mの出力監視に用いられる。また各部制御処理に利用される。
電圧指令生成部5は電力変換部主回路1に出力させる三相電圧指令である電圧指令Vu,Vv,Vwを生成する役割を有する。回転機Mの制御方法により様々な電圧指令生成法が知られているが、本実施形態の本質ではないので説明を省略する。電圧指令生成部5はタイミング決定部(制御部)に出力する三相電圧指令である電圧指令Vu,Vv,Vwを生成する。次に図3のフローチャートに示すタイミング決定部の各動作内容について説明する。初めに電圧指令生成部5で生成された電圧指令Vu,Vv,Vwの大きさの差から、図4に示した電流検出区間を求める。電流検出区間は電圧指令Vu,Vv,Vwの大きさの差に依存して決まり、差が小さければ小さいほど電流検出区間は短くなる。
続いて電流検出区間の中で直流母線電流検出タイミングT〜Tを決定することが可能か否か判定する。直流母線電流検出タイミングT〜Tの決定が可能かどうかは電流検出区間T12と電流検出不可区間T10を比較することで判定され、電流検出区間T12が電流検出不可区間T10よりも小さいときは検出不可と判定される。詳細は図8を用いて次に説明する。検出不可と判定された場合、電流検出区間を確保できるように電圧指令Vu,Vv,Vwに補正量を付加する必要がある。
図8(A)、(B)は電圧指令Vu,Vv,Vwから求めた電流検出区間では検出不可と判定された場合の電流検出可能区間を確保するための一例を説明する線図である。ここでは三角搬送波TWの単調減少区間で直流母線電流検出を行う時の一例を示しているが、単調増加区間で行うときも同様の処理を行うことが可能である。電圧指令生成部5から入力された電圧指令Vu,Vv,Vwを大きい順に最大相電圧指令Vu、中間相電圧指令Vv、最小相電圧指令Vwとする。この電圧指令Vu,Vv,Vwと三角搬送波TWを比較してゲートスイッチングタイミングSup〜Swnを決定するが、電流検出区間が図4に示す電流検出不可区間以下になると検出が困難になる。図8(A)における区間T80においては、電流検出区間が電流検出不可区間より小さいので、直流母線電流検出タイミングTを決定することができないと判定される。
そこで、図8(B)に示すように、電流検出区間では検出不可と判定された場合、三角搬送波周期を検出区間確保側と電圧補償側に2分割し、検出区間確保側の電圧指令に検出区間が確保可能となるように電圧量ΔVを加算し、電圧補償側の電圧指令に同じ量の電圧量ΔVを減算する。図8(B)における区間T81は区間T80よりも大きくなるため、電流検出区間が電流検出不可区間より大きくなり、直流母線電流検出タイミングTを確保できる。ここで検出区間を確保するための電圧量ΔVは電流検出不可区間に依存し、決定される。そして補正された電圧指令に合わせてゲートスイッチングタイミングSup〜Swnを修正する。これにより各相のスイッチング素子のOn時間の長さを変えることなく、すなわちインバータの出力電圧を変化させることなく、直流母線電流を検出することができる。なお、図8では中間相電圧指令Vvに補正量を付加する例を示したが、必要に応じて最大相電圧指令Vu、又は最小相電圧指令Vwにも同様に補正量を付加する。更には図8(A)においてはVvとVwの差が小さいのでタイミングTを確保できない場合について述べたが、VuとVvとの差が小さくタイミングTを決定できない場合もある。このときには検出区間確保側においては電圧指令に電圧量ΔVを減算し、電圧補償側においては電圧指令に同じ量の電圧量ΔVを加算する。
上記の動作を行うことで、電圧指令の相間の大きさの差が小さくなっても電流検出を行うことが出来るようになる。更には各相の電圧指令の大小が入れ替わるようなとき、例えば駆動条件により電圧指令Vvが電圧指令Vuより大きくして回転機Mを駆動させるような場合でも電流検出を行うことが出来るようになる。又電流Iu、Iv、Iwが小さな低速駆動時など全ての駆動条件で電流検出を行うことが出来るようになる。また検出区間確保時には電圧補償側では電流検出出来ないため、三角搬送波1周期においては、電流値IdcAおよび電流値IdcBの組か電流値IdcCおよび電流値IdcDの組のいずれか一方でしか検出は行わない。上記に示した通り、電流検出区間確保の為に補正量ΔVを付加する電圧指令Vvの更新周期は三角搬送波周期と同じかそれよりも長い必要がある。また電流検出の可否は基本的に毎周期毎に判定が必要であるため、タイミング決定部に入力される電圧指令Vu,Vv,Vwの周期も三角搬送波周期と同じかそれよりも長い必要がある。
最後に必要に応じて補正量ΔVを付加された電圧指令Vvを三角搬送波TWと比較し、3相それぞれのゲートスイッチングタイミングSup〜Swnを決定し、ゲートスイッチングタイミングSup〜Swnを用いて直流母線電流検出タイミングT〜Tを決定し、直流母線電流検出部2で検出した検出電流を取得し保持する。又ゲートスイッチングタイミングSup〜Swnを電力変換部主回路1に出力し、直流母線電流検出タイミングT〜Tを検出電流格納部3に出力し、タイミング決定部の動作を終了する。
上記の通り、電流リプルの影響を受けず、精度の高い電流検出を直流母線電流より行うためには、電流検出を三角搬送波TWの単調減少区間及び単調増加区間の交互で行い、かつ電圧指令Vu,Vv,Vwの更新周期を三角搬送波周期と同じかそれよりも長くする必要がある。その条件下で出力電圧精度の低下を最小限に抑えるためには、電圧指令Vu,Vv,Vwの更新周期を三角搬送波周期と同じにする必要がある。これを実現するための処理について以下説明する。図9は三角搬送波周期に対する電流検出処理(E)、電流計算処理(F)、電圧指令生成処理(G)のタイミングチャートを示す図である。ここで電流検出処理(E)とは、直流母線電流検出部2で検出した電流値を検出電流格納部3に格納する処理であり、電流計算処理(F)とは、相電流演算部4で実施される3相交流電流を計算する処理であり、電圧指令生成処理(G)とは、電圧指令生成部5で電圧指令Vu,Vv,Vwを生成する処理である。
前記の通り、電流検出を三角搬送波TWの単調減少区間及び単調増加区間の交互で行うことで、精度の高い電流検出を直流母線電流から行うことが出来る。そのためにはまず初めに三角搬送波周期を単調減少区間と単調増加区間の二つの区間に分ける。そのどちらか一方を電流検出区間とする。その区間内で電流検出タイミングを決定し、電流を検出するとともに、検出値の格納を行う。次の周期では前の周期で電流検出区間とした区間とは逆の区間を電流検出区間とし、同じように電流を検出するとともに、検出値の格納を行う。即ち図9においては第1周期においては単調減少区間で電流検出を行い、第2周期においては単調増加区間で電流検出を行う。ここで前述の通り、三角搬送波TWの単調減少区間の電流検出値と単調増加区間の電流検出値は電流リプルに起因する誤差が正負逆に現れるため、前の二周期分の電流検出値を使うことで、単調減少区間、単調増加区間の検出電流値を得ることが出来、次の相電流演算部4で平均化処理も行うことで、電流リプルに起因する検出誤差の影響を低減することが出来る。
続いて相電流演算部4で3相交流電流計算処理(F)が三角搬送波TWの1周期毎に一度実行される。図9では単調減少区間で行った場合の一例を示しているが、1周期内における単調増加区間などどこで行っても構わない。ただし次の電圧指令生成部5において、相電流演算部4で計算された電流を用いる場合は、電圧指令生成処理(G)の前に行う必要がある。3相交流電流計算処理(F)は検出電流格納部3に格納した電流を用いて行うが、図9に示すように1周期前と2周期前の電流値の平均値を用いることで電流リプルに起因する誤差の影響を減らすことが出来る。具体的な電流計算方法の一例として、検出電流格納部3に格納された電流値IdcAとIdcDの平均値を電圧指令最大相(U相)の電流値、電流値IdcB,IdcCの平均値を電圧指令最小相(W相)の電流値とし、3相の電流値の合計は0という関係から残りの1相である電圧指令中間相(V相)の電流値を算出する。
最後に出力電圧精度の低下を最小限に抑えるため、電圧指令生成処理(G)も三角搬送波の1周期毎に一度実行される。図9では単調減少区間で行った場合の一例を示す。図9で示されるように三角搬送波の単調増加区間、単調減少区間で電流検出を行い、各三角搬送波周期の開始時に直近二回の電流検出値を用いて平均化の演算を行い、電流値を算出する。また電圧指令生成処理(G)は上記電流値を用いても用いなくても良い。ただし、図9は計算した電流を用いる場合の電圧指令生成処理(G)を示すが、この時は電圧指令生成処理(G)を3相交流電流計算処理(F)の後に実行する必要がある。なお出力電圧精度の低下が許される範囲で電圧指令生成処理(G)の周期を三角搬送波周期以上としてもよい。
ここで、電流計算処理(F)のタイミングと2つの電流検出タイミングにタイムラグの差異がある。例えば図9において、単調増加区間での電流検出タイミングからのタイムラグにおいては電流計算処理(F)のタイミングに応じて三角搬送波の0.5周期と1.5周期の場合があり、更に単調減少区間での電流検出タイミングからのタイムラグにおいては、電流計算のタイミングに応じて、三角搬送波周期の1周期と2周期の場合がある。この検出タイミングからのタイムラグの差異の影響をなくすため、相電流演算部4は電流計算時に各タイミングで検出した電流をそのタイミングの回転角を用いて座標変換を行い、その結果を平均化するような補正を行っている。これにより電流検出値の検出誤差を低減できるため、三角搬送波周期毎に電流計算、電圧指令生成処理が可能となる。
このように制御に用いるために上記タイミングで検出した電流を回転座標系に座標変換を行うが、その際に電流を平均化してから座標変換を行うと、座標変換に用いる回転角がタイムラグの影響を受け、回転座標上の電流値の誤差発生の要因となる。そこでこの検出タイミングからのタイムラグの差異の影響をなくすため、電流計算時に各タイミングで検出した電流をそのタイミングの回転角を用いて座標変換を行い、その結果を平均化するような補正を行っている。図10にその一例を示す。図10では図9で述べた単調増加区間での電流検出タイミングからのタイムラグが三角搬送波の0.5周期で、単調減少区間での電流検出タイミングからのタイムラグが2.0周期である場合の出力3相電流値と回転座標上の電流値を求める手順を示している。ここでは、始めに各タイミングで検出した二相分の電流値からそれぞれのタイミングにおける三相の電流値を演算し求める。
次にそれぞれのタイミングの三相電流を各相平均化することで、出力する三相電流値を求める。続いて、検出電流を電圧指令生成部5にフィードバックする多くの場合で、三相電流値ではなく、回転座標上の電流値を用いるが、ここで上記出力する三相電流を座標変換し、回転座標上の電流値を算出すると、座標変換に用いる回転角と実際の電流検出を行った時の回転角との間に差異が発生する。そこで、電流検出を行った各単調減少区間もしくは単調増加区間の初めの回転角θ1、θ2を検出もしくは推定し、それぞれのタイミングで検出を行った三相電流値をその区間の各回転角を用いて座標変換を行う。そのようにして求めた各タイミングの回転座標上の電流値Id1,Iq1,Id2,Iq2の平均値を回転座標上の電流値として用いる。図10は三角搬送波の0.5周期と2.0周期のタイムラグを持つ場合を示したが、1.0周期と1.5周期の場合も同様の処理を行う。これにより回転座標上の電流値の検出誤差を低減できるため、三角搬送波周期毎に電流計算し、回転座標上の電流値を用いて電圧指令生成処理を行うときにも精度の高い電圧指令の生成が可能となる。
図10においては、単調減少区間において、直流母線電流値IdcA、IdcBが検出される(ブロック150)。そして演算されることにより3相電流値Iu1〜Iw1が算出される(ブロック151)。更に回転角θ1で座標変換されることにより回転座標系電流値Id1、Iq1が得られる(ブロック152)。一方単調増加区間においては直流母線電流値IdcC、IdcDが検出される(ブロック200)。そして演算されることにより3相電流値Iu2〜Iw2が算出される(ブロック201)。更に回転角θ2で座標変換されることにより回転座標系電流値Id2、Iq2が得られる(ブロック202)。最後にId1、Iq1、Id2、Iq2を基に平均化されることにより回転座標系電流値Id、Iqを得る(ブロック300)。
上記に示すような手順を経ることで、電圧指令Vu,Vv,Vwの更新を電流検出可否判定に最低限必要な三角搬送波周期毎に行い、かつ電流リプルの影響の小さい電流検出を行うことが可能となる。これにより三角搬送波周期が長くなる小さな三角搬送波周波数で駆動する際にも高精度な電流検出を行い、かつ出力電圧精度の低下を最小限に抑えることが可能となる。即ち三角搬送波TWの波長が大きくなり周期が大きくなっても一周期毎に検出するので精度が高くなる。上記のように動作させることにより、三角搬送波周期と電流検出周期、電圧更新周期が同じで、かつ電流検出を三角搬送波TWの単調減少区間と単調増加区間において交互に検出し、また検出する2相の検出タイミングの時間差を可能な限り小さく一定に固定できるため、三角搬送波TWの波長が大きく周期が大きい、いわゆる低キャリア駆動時も3相全て高精度な電流検出をしつつ、出力電圧精度の低下を最小限に抑えた回転機の駆動が可能となる。
実施の形態2.
図11は実施の形態2による電力変換装置の動作を説明するための線図である。図11においては、実施の形態2によるタイミング決定部で決定される電流検出タイミングT〜Tの位置関係が示されている。図11においては、上部において三角搬送波TWが示されており、中間部において出力電圧ベクトルの状態が示されている。ここで出力電圧ベクトルは前記において説明したように直流母線102から二相分の電流を検出することができる非零電圧ベクトル区間H1〜H16と、電流を検出することができない零電圧ベクトル区間J1〜J7からなる。更に図11において下部には1相の電流波形の概略Zが示されている。
制御部6におけるタイミング決定部において決定される検出タイミングTから次の三角搬送波周期開始時点S1までの時間T20と、前記三角搬送波周期開始時点S1からタイミングTまでの時間T21が異なるように決定される(T20≠T21)。前記に伴い検出タイミングTの所定時間T2後に決定される検出タイミングTと次の三角搬送波周期開始時点S1までの時間T22と、前記三角搬送波周期開始時点S1から検出タイミングTの所定時間T2前に決定される検出タイミングTまでの時間T23も異なる(T22≠T23)。また同様に検出タイミングT、Tと次の三角搬送波周期開始時点S2までの時間と、三角搬送波周期開始時点S2から検出タイミングT、Tまでの時間も異なるように決定される(T24≠T25)。
上記に示すような手順を経ることで、実施の形態1で得られる効果に加え、三角搬送波周期毎に検出位置が異なると共に、更に電流検出区間の位置も異なるようになる。例えば三角搬送波周期開始時点S1を基準にすると、非零電圧ベクトル区間H1の位置と非零電圧ベクトル区間H8の位置が異なることとなり、即ち電流検出区間の相対的位置が異なることとなる。これにより検出電流値が異なり、相電流演算部4で算出される電流値も異なり、電圧指令生成部5から生成される電圧指令が異なり、ゲートスイッチングタイミングSup〜Swnも異なってくるので、最終的に電流リプルの形が三角搬送波周期毎に変形することとなる。その一例が図11の1相の電流波形Zとして示されている。図11に示されるように、三角搬送波周期の前半2周期と後半2周期で異なる電流波形となり、三角搬送波周期に由来する電流リプルの周波数成分が分散される。その結果騒音の原因となる周波数が分散し、耳障りな騒音が抑制される。
以上のように、本発明にかかる電力変換装置は、様々な電動機やシステムに広く対応する電力変換システムに有用であり、特に小さな三角搬送波周波数で駆動を行う電力変換システムに適している。そして本発明にかかる電力変換装置を用いた回転電機駆動装置により回転電機を駆動することができる。
尚本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。

Claims (8)

  1. 三相電圧指令を三角搬送波と比較してPWMパルスに変換するPWM変換部と、
    上記PWMパルスに基づきスイッチング素子を駆動し直流電圧を三相交流電圧に変換する電力変換部主回路と、
    上記電力変換部主回路の直流母線に流れる電流を検出する直流母線電流検出部と、
    上記三角搬送波の1周期に少なくとも一回上記直流母線電流検出部より二相分の電流を検出する二回の検出タイミングを上記スイッチング素子のスイッチングタイミングに基づいて設定するタイミング決定部と、
    上記タイミング決定部によって決められたタイミングで検出された上記二相分の上記直流母線の電流値に基づいて上記三角搬送波の1周期に一回三相交流電流値を計算する相電流演算部と、
    上記三角搬送波の1周期に一回上記三相交流電流値に基づき上記三相電圧指令を更新する電圧指令生成部を備え、
    上記三角搬送波を単調増加区間および単調減少区間の二つの区間に分けた場合、上記直流母線電流検出部は連続する2つの三角搬送波周期の内第1周期においては上記単調増加区間又は上記単調減少区間の内の一方の区間で上記直流母線の電流値を検出し、かつ上記連続する2つの三角搬送波周期の内第2周期においては上記単調増加区間又は上記単調減少区間の内上記第1周期で検出されなかった区間で上記直流母線の電流値を検出し、
    上記相電流演算部は直前の上記連続する2つの三角搬送波周期における上記単調増加区間及び上記単調減少区間において上記直流母線電流検出部でそれぞれ検出された二相の上記直流母線の電流値に基づいて、上記三相交流電流値を計算する電力変換装置。
  2. 上記直流母線電流検出部は上記三角搬送波周期の上記単調増加区間と上記単調減少区間の各区間において上記二相分の電流を検出し、上記相電流演算部は上記二相分の電流における各相の電流の平均を求める請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 上記三角搬送波周期の上記単調増加区間と上記単調減少区間のうち、電流検出を行う側の区間の上記三相電圧指令に補正量を加え、上記検出タイミングを確保し、電流検出を行わない側の区間の上記三相電圧指令から上記補正量を引き、
    あるいは電流検出を行う側の区間の上記三相電圧指令から補正量を引き、電流検出を行わない側の区間の上記三相電圧指令に上記補正量を加える電流検出区間生成部を備える請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 上記タイミング決定部は、上記三相電圧指令の大きさが二番目である電圧中間相に関わる上記スイッチング素子のスイッチングタイミングTSに基づいて一相目の検出タイミングを上記スイッチングタイミングTSから予め定められた時間T1前に設定するとともに、二相目の検出タイミングを上記一相目の検出タイミングから予め定められた時間T2後に決定し、
    上記時間T1は電流検出に必要な時間よりも長く設定されるとともに、
    上記時間T2は上記電力変換部主回路の直列接続された上記スイッチング素子対が同時に導通することを避けるために設けたデッドタイム区間と、上記スイッチング素子がスイッチングした際に生じる直流電流の高周波振動が減衰し、振幅振動が所定値以下になるまでの区間との和よりも大きな値とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 上記単調増加区間における上記二相分の電流検出タイミングから次の三角搬送波周期開始時点までの時間と上記三角搬送波周期開始時点から上記単調減少区間における上記二相分の電流検出タイミングまでの時間が異なり、
    更には上記単調減少区間における上記二相分の電流検出タイミングから次の三角搬送波周期開始時点までの時間と上記三角搬送波周期開始時点から上記単調増加区間における上記二相分の電流検出タイミングまでの時間が異なる請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 上記相電流演算部による電流計算のタイミングと、上記単調増加区間及び上記単調減少区間における上記直流母線電流検出部による電流検出タイミングとの間のタイムラグに差異が生じる場合、上記相電流演算部による電流計算時に各タイミングで検出した電流をそのタイミングの回転角を用いて座標変換を行い、各タイミングの回転座標上の電流値の平均値を求める請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 上記タイムラグは上記単調増加区間において電流検出を行った場合は上記三角搬送波の0.5周期と1.5周期であり、上記単調減少区間において電流検出を行った場合は上記三角搬送波の1周期と2周期である請求項6に記載の電力変換装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置を用いて回転電機を駆動する回転電機駆動装置。
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