JPWO2017130384A1 - 処置具及び処置システム - Google Patents
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Abstract
処置具は、非導電性材中に導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに、抵抗加熱させる電熱部材を有する処置部を備える。電熱部材に対し、抵抗加熱することで発生させた熱を用い、処置部で生体組織を処置する。
Description
本発明は、処置部で発生させた熱を用いて処置対象を処置する処置具及び処置システムに関する。
例えば特開2005−137679号公報には、体腔内などに処置部を挿入して使用される処置具が開示されている。この処置具の処置部は、薄膜抵抗加熱素子、厚膜抵抗加熱素子、セラミックヒーター、PTCヒーター等のように、通電されることにより熱を発生する発熱部を有する。薄膜抵抗加熱素子は、セラミック材や金属基板に薄膜形成法で電熱線のパターンを形成している。厚膜抵抗加熱素子は、セラミック材又は金属の基板に厚膜形成法で電熱線のパターンを形成している。
発熱部の電熱線の温度を安全に上昇させるためには、電熱線の電気抵抗を大きくする必要がある。例えば、電熱線を細く、かつ、長くする、具体的な一例として、電熱線を曲がりくねった形状に形成して電熱線の一端から他端までの経路長を長くすることで、電熱線の電気抵抗を上昇させている。
しかしながら、電熱線を細く、曲がりくねった形状に長く形成するには、製造が面倒であり、電熱線の強度を維持するのが難しくなり得る。
また、温度変化による電気抵抗の変化が大きいほうが、温度制御性が良くなるが、従来の構造では限界がある。
この発明は、温度制御性が良好で、製造が容易で、強度の維持が容易な、処置部で発生させた熱を用いて処置対象を処置する処置具及び処置システムを提供することを目的とする。
この発明の一態様に係る処置具は、非導電性材中に、導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに抵抗加熱させる電熱部材を有する処置部を備える。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
まず、第1実施形態について、図1から図5Bを用いて説明する。
まず、第1実施形態について、図1から図5Bを用いて説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る処置システム10は、処置具12と、処置具12にエネルギを付加するエネルギ源14とを有する。
処置具12は、術者に把持される電気絶縁性を有するハウジング22と、処置対象に対して当接させて処置を行う処置部24とを有する。
図2A及び図2Bに示すように、処置部24は、電流を流すと抵抗加熱(発熱)する電熱部材(発熱部)32と、電熱部材32の熱を電熱する伝熱体(伝熱部材)34とを有する。
ここで、体腔内に挿入される処置部24(図5A参照)は、例えば幅が数mm程度、長さが数mmから数十mmであるなど、非常に小さく形成することが求められる。このため、処置部24の温度を直接測定することは難しいと言える。本実施形態における電熱部材32では、電熱部材32の端子32a,32b間の電気抵抗値Rが、電熱部材32の発熱温度Tに応じて変化する。このため、本実施形態における電熱部材32は、その温度Tを、後述する端子32a,32b(図3A及び図3B参照)間の電気抵抗値(実測値)Rに基づいて推測可能に形成する。
本実施形態に係る電熱部材32は、温度が上昇しても電気抵抗値が一定又は略一定とはならず、温度が上昇するにつれて電気抵抗値が高められることが求められる。すなわち、この実施形態に係る電熱部材32は、温度抵抗係数が高く形成されることが求められる。さらに、処置を行う際、ある温度(例えば200℃から300℃程度の適宜の温度)が生体組織の凝固や切開を行うのに適していると推測されている。このため、電熱部材32は、常温(室温)から温度が上昇するにつれて、単位温度当たりの電気抵抗値の変化(電気抵抗値/温度)の傾き(dR/dT)が、大きくなるように変化することが好ましい。
なお、電熱部材32は、上述したある温度を超える温度(例えば350℃程度)の温度まで数秒のうちに上昇させることが可能であることが好ましく、体積固有抵抗が高く形成されることが求められる。
ここで、温度抵抗係数が高く、体積固有抵抗が高い素材(金属材)は現在のところ、存在していない。例えば電熱線として広く用いられるニクロム線は、体積固有抵抗は高い(ある例では、20℃で略108×10−8[Ω・m]とされ、300℃付近で略110×10−8[Ω・m]とされている)と言えるが、温度抵抗係数は0.09×10−3であり、他の金属材に比べて高いとは言い難い。このため、ニクロム線の端子間の電気抵抗値と温度との関係を測定しても、実測電気抵抗値からニクロム線の温度を正確に推定することは困難である。したがって、ニクロム線の端子間の電気抵抗値に応じて、ニクロム線の温度を制御することは困難である。
なお、電熱部材32は、上述したある温度を超える温度(例えば350℃程度)の温度まで数秒のうちに上昇させることが可能であることが好ましく、体積固有抵抗が高く形成されることが求められる。
ここで、温度抵抗係数が高く、体積固有抵抗が高い素材(金属材)は現在のところ、存在していない。例えば電熱線として広く用いられるニクロム線は、体積固有抵抗は高い(ある例では、20℃で略108×10−8[Ω・m]とされ、300℃付近で略110×10−8[Ω・m]とされている)と言えるが、温度抵抗係数は0.09×10−3であり、他の金属材に比べて高いとは言い難い。このため、ニクロム線の端子間の電気抵抗値と温度との関係を測定しても、実測電気抵抗値からニクロム線の温度を正確に推定することは困難である。したがって、ニクロム線の端子間の電気抵抗値に応じて、ニクロム線の温度を制御することは困難である。
本実施形態に係る電熱部材32は、非導電性材42中に導電性材44が混合・形成されている。より具体的には、電熱部材32は、非導電性材42に対して導電性材44を混合するとともに、非導電性材42に対して導電性材44を分散させて、コンポジット材として形成している。
非導電性材42は、電気導電性を有さないと共に、耐熱性を有する素材が用いられる。非導電性材42としては、例えばセラミック塗料が用いられる。セラミック塗料としては、例えば900℃程度の耐熱性を発揮させるとともに、電気絶縁性を有するガラス系素材、より具体的にはメチルシリコーンを用いることができる。なお、非導電材42として、電気絶縁材ではく、半導体材が用いられてもよい。
非導電性材42は、電気導電性を有さないと共に、耐熱性を有する素材が用いられる。非導電性材42としては、例えばセラミック塗料が用いられる。セラミック塗料としては、例えば900℃程度の耐熱性を発揮させるとともに、電気絶縁性を有するガラス系素材、より具体的にはメチルシリコーンを用いることができる。なお、非導電材42として、電気絶縁材ではく、半導体材が用いられてもよい。
導電性材44は、導電性を有する金属材が用いられる。上述したように、導電性材44として、電熱部材32として形成したときに、温度抵抗係数が比較的高くなる材料が用いられることが好ましい。ここでは、導電性材44の、温度抵抗係数が比較的高い金属材として銀紛(粒体)を用いるものとするが、例えば金粉や銅粉、その他の金属材を適宜に用いることができる。また、導電性材44として、複数種の金属材を混合して用いても良い。電熱部材32は、コンポジット材として形成されるため、後述するが、例えば300℃前後など、所望の温度での制御性を向上することができるのであれば、金属材の種類は特には限定されるものではない。また、ここでは、導電性材44は、粒体を用いるものとするが、その粒径や形状は適宜のものが用いられる。
電熱部材32は、体積固有抵抗が高く形成され、端子32a,32b間に電流を流すと発熱する発熱体として形成される。体積固有抵抗は、体積固有抵抗が金属材等の導電体に比べて大きい非導電性材42に、体積固有抵抗が例えば後述する銀のように小さい導電性材44とを混合することで調整することができる。銀は、ある例では、体積固有抵抗が20℃で1.62×10−8[Ω・m]とされ、300℃付近で略3.34×10−8[Ω・m]とされている。このため、銀に電流を流すことによって発熱させることはニクロム線に比べて極めて難しい。例えば非導電性材42を用いずに、銀を単体で使用して電熱部材を形成する場合、細く、長く形成したり、経路長を無理に長く形成する必要が生じる。一方、非導電性材42に対して、導電性材44として銀を混合してコンポジット材の電熱部材32を形成することで、この電熱部材32の体積固有抵抗値を、ニクロム線に近づけ、又は、ニクロム線を超える程度にしている。
なお、銀の温度抵抗係数は4.1×10−3であり、ニクロム線に対して大きい。このため、銀は温度が高くなると、ニクロム線に比べて電気抵抗値が大きく変化する。
なお、銀の温度抵抗係数は4.1×10−3であり、ニクロム線に対して大きい。このため、銀は温度が高くなると、ニクロム線に比べて電気抵抗値が大きく変化する。
図3Aに示すように、電熱部材32は、一端(第1端子)32aと他端(第2端子)32bとを有する。ここでは、一例として、電熱部材32が略U字状に形成されている例について説明する。一端32aと他端32bとの間には、空間が形成され、又は、後述する絶縁層36(図2B参照)の一部が配置されている。電熱部材32の幅は、処置部24に配置可能な大きさであれば良く、例えば1mm程度である。また、電熱部材32の厚さも処置部24に配置可能な大きさであれば良く、必ずしも薄膜にする必要はない。
電熱部材32の一端32aから他端32bに電流を流したときの抵抗加熱により電熱部材32に熱を発生させることができる。電流の大きさ、電気抵抗の大きさは、目標とする温度や、非導電性材42に対する導電性材44の割合や、導電性材44の電気抵抗の大きさによって変化する。
ここで、このような電熱部材32は、セラミック塗料を用いた非導電性材42に対して、銀粉を用いた導電性材44がある含有量になる場合での、一端32aと他端32bとの間の実験において、例えば図4に示すように、電熱部材32の温度Tと電気抵抗値Rとの関係が得られた。図4においては、図示しないセンサで電熱部材32の温度Tを測定している。そして、電熱部材32の温度を50℃上昇させるごとに電気抵抗値Rを測定している。なお、図4の縦軸における電気抵抗値Rは、下側から上側に向かって、ある抵抗値Rxに対して、5[Ω]ずつ足したところに目盛を付している。
温度Tと電気抵抗値Rとの関係は、以下のようになる。電熱部材32は、電熱部材32の温度Tの変化に応じて、一端32aと他端32bとの間の電気抵抗の抵抗値Rが変化する。特に、本実施形態に係る電熱部材32は、温度Tが上昇するにつれて電気抵抗値Rが非線形状に変化することが認識される。温度Ta(100℃)から温度Tb(150℃)における電気抵抗値Rの傾きをα1とする。温度Tbから温度Tc(200℃)における電気抵抗値Rの傾きをα2とする。温度Tcから温度Td(250℃)における電気抵抗値Rの傾きをα3とする。温度Tdから温度Te(300℃)における電気抵抗値Rの傾きをα4とする。このとき、傾きα1よりも傾きα2が大きく、傾きα2よりも傾きα3が大きく、傾きα3よりも傾きα4の方が大きい。なお、傾きα1,α4とを比較した場合、傾きα4は、傾きα1の数倍になっていると言える。また、傾きα4は、後述する比較例の傾きβ4に対しても、数倍になっていると言える。
このため、温度Taから温度Tbまでの間の50℃よりも、温度Tbから温度Tcまでの間の50℃の方が、電気抵抗値Rの上昇幅が大きい。温度Tbから温度Tcまでの間よりも、温度Tcから温度Tdまでの間の50℃の方が、電気抵抗値Rの上昇幅が大きい。温度Tcから温度Tdまでの間よりも、温度Tdから温度Teまでの間の50℃の方が、電気抵抗値Rの上昇幅が大きい。すなわち、本実施形態に係る電熱部材32は、温度が低い状態よりも、高い状態の方が、単位温度当たりの抵抗値Rの変化量が大きくなる。電熱部材32の温度Tの変化に対する電熱部材32の一端32aと他端32bとの間の電気抵抗の抵抗値Rの変化量は、温度Tが上昇するにしたがって大きくなる。したがって、電気抵抗値Rを実測したときに対応する温度Tは、温度Tが上昇するにつれて、より詳細に推定される。このため、本実施形態に係る電熱部材32は、高温になればなるほど、電気抵抗値Rに基づいて、電熱部材32の温度Tを正確に制御することができる。ユーザは、例えば電熱部材32に流す電流などのエネルギの大きさを調整することで、制御目標値となる電気抵抗値Rを調整・制御することにより、電熱部材32を目的の温度Tに制御することができる。なお、図4において、電熱部材32の温度Tの変化に対する電熱部材32の一端32aと他端32bとの間の電気抵抗Rの抵抗値の変化量は、常温(室温)時よりも高い制御目標温度において、常温(室温)時の変化量よりも大きくなる。
本実施形態に係る電熱部材32は、特に、300℃前後における温度を参照すると、温度Tの変化量に対する抵抗値Rの変化量が大きい。このため、例えば生体組織を凝固したり、切開するなどの処置に適した温度と考えられている300℃程度における温度Tが、電熱部材32の端子32a,32b間の電気抵抗値Rを実測することにより、詳細に推定・制御されることになる。このように、この実施形態に係る電熱部材32は、高温になればなるほど、電気抵抗値Rに対応する温度Tを、ユーザに対して正確に把握させることができる。本実施形態に係る電熱部材32は、例えば電流の大きさを調整することで、ユーザが生体組織の処置対象を処置するのに適しているとされる300℃前後の温度Tに細かく制御したいという要望に対応できる。
本実施形態に係る電熱部材32は、非導電性材42に導電性材44を配合する配合比を種々に組み合わせて検討し、温度抵抗係数が高く、かつ、体積固有抵抗が高い配合比の例を導き出したものである。すなわち、本実施形態の電熱部材32は、適宜の素材の非導電性材42に適宜の配合比で、適宜の素材の導電性材44を配合して、発熱体として用いることができるとともに、電熱部材32の端子32a,32b間の電気抵抗値Rを実測することで、電気抵抗値Rに対応する温度Tを認識できるようにしている。このため、電気抵抗値Rに基づいて、電熱部材32の温度Tを正確に制御することができる。
さらに、本実施形態に係る電熱部材32は、処置に適している温度とされる300℃前後における傾きα4を大きくすることができている。このため、本実施形態に係る電熱部材32は、所望の温度とされる300℃程度における温度Tの制御を電気抵抗値Rに基づいて容易に行うことができる。
なお、200℃から250℃の間の傾きα3は、傾きα4よりも小さいが、例えば傾きα1に対して数倍程度になり得る。このため、300℃前後だけでなく、生体組織の凝固や切開を行うのに適していると推測されている温度である200℃から300℃の間においても、上述したのと同様に、電熱部材32の温度Tを正確に制御することができる。
ここで、図4中に示す比較例について説明する。比較例は、本実施形態とは異なり、非導電性材42を用いず、ステンレス鋼材を薄膜状にし、かつ、曲がりくねった形状に長く形成したものである。
比較例における温度Tと電気抵抗値Rとの関係は、以下のようになる。温度Ta(100℃)から温度Tb(150℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ1とする。温度Tbから温度Tc(200℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ2とする。温度Tcから温度Td(250℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ3とする。温度Tdから温度Te(300℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ4とする。このとき、傾きβ1,β2,β3,β4は、それぞれ略同一である。このため、温度Ta,Tb間、温度Tb,温度Tc間、温度Tc,Td間、温度Td,Te間の電気抵抗値Rの上昇幅は略同一である。このため、温度が低い状態(生体組織を伝熱により処置するには低い温度)であっても、温度が高い状態(生体組織を伝熱により処置するのに適した温度(例えば300℃前後))であっても、単位温度当たりの抵抗値Rの変化量は略同一である。したがって、比較例の電熱部材は、電気抵抗値Rを実測したときに対応する温度Tを推定できる。しかしながら、ユーザが比較例の電熱部材について細かく温度を制御したい場合には、本実施形態に係る電熱部材32を用いるよりも、性能が劣っていると言える。また、比較例では、電熱部材が薄膜状で、かつ、曲がりくねった形状に長く形成されるため、電熱部材の強度が低下する。
比較例における温度Tと電気抵抗値Rとの関係は、以下のようになる。温度Ta(100℃)から温度Tb(150℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ1とする。温度Tbから温度Tc(200℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ2とする。温度Tcから温度Td(250℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ3とする。温度Tdから温度Te(300℃)における電気抵抗値Rの傾きをβ4とする。このとき、傾きβ1,β2,β3,β4は、それぞれ略同一である。このため、温度Ta,Tb間、温度Tb,温度Tc間、温度Tc,Td間、温度Td,Te間の電気抵抗値Rの上昇幅は略同一である。このため、温度が低い状態(生体組織を伝熱により処置するには低い温度)であっても、温度が高い状態(生体組織を伝熱により処置するのに適した温度(例えば300℃前後))であっても、単位温度当たりの抵抗値Rの変化量は略同一である。したがって、比較例の電熱部材は、電気抵抗値Rを実測したときに対応する温度Tを推定できる。しかしながら、ユーザが比較例の電熱部材について細かく温度を制御したい場合には、本実施形態に係る電熱部材32を用いるよりも、性能が劣っていると言える。また、比較例では、電熱部材が薄膜状で、かつ、曲がりくねった形状に長く形成されるため、電熱部材の強度が低下する。
図2A及び図2Bに示すように、本実施形態の処置部24の伝熱体34は、生体組織に接触し、処置する処置面34aと、電熱部材32が形成される伝熱面34bとを有する。図2Aに示すように、電熱部材32は、伝熱体34の伝熱面34bに直接形成されていても良い。この場合、伝熱体34は、セラミック材等の非導電性素材が用いられる。図2Bに示すように、電熱部材32は、伝熱体34の伝熱面34bに、絶縁層36を介して形成されていても良い。この場合、伝熱体34は例えばアルミニウム合金材や銅合金材等の良熱伝導性を有する材料で形成されることが好ましい。ここでは、電熱部材32と伝熱体34との間に絶縁層36を有する例(図2B参照)について主に説明する。絶縁層36は、電熱部材32の非導電性材42と同じ素材が用いられることが好適である。絶縁層36はセラミック材(セラミック塗料)で形成されることが好適である。この場合、絶縁層36により、電熱部材32に電流を流したときに、例えばアルミニウム合金材等の伝熱体34に電流が流されるのを防止できる。なお、絶縁層36の厚さは、電熱部材32から伝熱体34への伝熱ロスを小さくするため、極力小さいことが好ましい。
電熱部材32は、図2Aに示すように伝熱体34に対して、又は、図2Bに示すように絶縁層36に対して、細線とする必要なく、曲がりくねった形状に長くする必要なく、形成される。このため、本実施形態に係る電熱部材32は、比較例で説明したステンレス鋼材を用いる場合に比べて、製造が極めて容易になる。また、電熱部材32は、薄膜にする必要がなく、厚さを適宜にして形成することができる。このため、電熱部材32の断線を抑制することができる。
この実施形態に係る電熱部材32は、例えば、電気絶縁性を有する絶縁層36に対して、セラミック塗料に銀粉を適宜の割合に混合させたものを塗布して形成される。この実施形態では、電熱部材32は、一端32aと他端32bとを有する略U字状に形成されている。
電熱部材32は、端子32a,32bの位置を必ずしも並設させる必要がない。例えば図3Bに示すように、電熱部材32を略U字状ではなく、略矩形状に形成したとき、端子32a,32bは対角の位置、又は、図3B中に破線で示す、長手軸方向に離間した位置に配置することが好適である。このように、電熱部材32は種々の形状に形成されることが許容される。
電熱部材32は、端子32a,32bの位置を必ずしも並設させる必要がない。例えば図3Bに示すように、電熱部材32を略U字状ではなく、略矩形状に形成したとき、端子32a,32bは対角の位置、又は、図3B中に破線で示す、長手軸方向に離間した位置に配置することが好適である。このように、電熱部材32は種々の形状に形成されることが許容される。
図5Aに示すように、この実施形態に係る処置部24は、例えばメス状(又はヘラ状)に形成されている。図5Bに示す断面を参照すると、処置部24は、内側から外側に向かって順に、電熱部材32、絶縁層36及び伝熱体34を有する。本実施形態では、図3Aに示す、略U字状の電熱部材32が用いられる。図5Bに示すように、電熱部材32の断面は、図5A中の5B−5B線に沿う位置では絶縁層36により2つに分離されている。このため、電熱部材32に電流Iを流すルートが規定されている。そして、電熱部材32は、伝熱体34による1対の金属プレート37a,37bに挟まれている。なお、図5Aに示すように、破線で示す状態に電流Iが流されることにより、処置部24の内側の電熱部材32が抵抗加熱する。
図5Bに示すように、伝熱体34の処置面34aは、生体組織に押し当てて凝固させるのに適した面状の領域38aと、生体組織を切開するのに適したエッジ状の領域38bとを有する。なお、処置部24は例えば体腔内に挿入されるため、例えば全長が数mmから十数mm程度、全幅が数mmから10mm程度など、非常に小さく形成される。
図1に示すように、エネルギ源14は、各種の制御を行うプロセッサ等の制御部(コントローラ)62と、電熱部材32に伝達するエネルギ(例えば電流)を調整して出力する出力部64と、電熱部材32の一端32aと他端32bとの間の電気抵抗を実測する検出部66と、記憶部(メモリ)68と、入力部70と、表示部72とを有する。入力部70は、ユーザが出力部64、記憶部68及び表示部72等を適宜に設定するのに用いられる。また、入力部70は、電熱部材32の温度(目標温度)Tを設定するのに用いられる。入力部70は、目標温度Tを直接入力しても良く、例えばレバー式など、無段階に目標温度Tを調整可能にしても良く、種々のものを用いることができる。レバー式であれば、入力部70に所望の制御温度(本実施形態では300℃付近)の温度Tの目盛を付すことが好ましい。表示部72は、処置具12に配置されていることも好適である。
エネルギ源14には、出力部64からの出力のON/OFFを切り替えるフットスイッチ又はハンドスイッチのスイッチ74が接続されている。スイッチ74は、処置具12に配置されていても良く、エネルギ源14に接続されていても良い。また、スイッチ74は、処置具12に配置されているとともに、エネルギ源14に接続されていることも好適である。
そして、図4に示す本実施形態に係る電熱部材32の温度Tに対する電気抵抗値Rの関係は、処置システム10の記憶部68に記憶されている。一方、処置システム10は、電熱部材32の一端32aと他端32bとの間に電流を流したときの電気抵抗を実測値として検出部66で検出することができる。このため、この処置システム10は、制御部62が検出部66の検出結果を認識すると、記憶部68から読み出した電気抵抗値Rに対応する温度Tを認識することができる。すなわち、制御部(判断部)62は、検出部66の検出結果(実測電気抵抗値R)に応じて記憶部68の記憶を読み出して、電熱部材32の現在の温度Tを判断する。処置システム10は、表示部72に、目標温度T、実測電気抵抗値R、及び、制御部(判断部)62で判断した現在の温度T(推定した電熱部材32の温度T)を表示することができる。
次に、この実施形態に係る処置システム10の作用について説明する。
記憶部68には、予め、本実施形態に係る処置具12の電熱部材32の温度Tと電熱部材32の端子32a,32b間の電気抵抗値Rとの関係(図4参照)が記憶されている。
ユーザ(術者)は、入力部70を適宜に操作して、目標温度(例えば300℃)Tを設定する。入力部70を適宜に操作して、スイッチ74をONにしたときの出力部64の出力状態(電熱部材32を目標温度Tに到達させるまでの時間等)を適宜に設定する。入力部70で入力した情報は記憶部68に記憶される。
ユーザが処置具12の処置部24の面状の領域38a又はエッジ状の領域38bを生体組織の処置対象に近接又は当接させた状態で、スイッチ74をONに切り替える。このとき、制御部62は、入力部70で入力され、記憶部68で記憶された情報に基づいて、電熱部材32の端子32a,32b間に出力部64からエネルギを出力する(電流を流す)。
検出部66は、電熱部材32の端子32a,32b間の電気抵抗値Rを連続的に、又は、数ミリ秒等の適宜の時間間隔で検出する。制御部62は、このときの実測電気抵抗値Rに対応する温度Tを記憶部68から読み出して、表示部72に表示する。すなわち、この実施形態に係る処置システム10は、スイッチ74を押圧した状態における電熱部材32の温度Tが、電熱部材32の端子32a,32b間の電気抵抗値Rを実測することにより、表示部72に表示される。このとき、表示部72には、目標温度Tとともに、電気抵抗値R及び現在の温度Tの両方を表示させても良く、目標温度Tとともに、現在の温度Tだけを表示させても良い。
そして、この実施形態に係る処置システム10は、制御部62で出力部64から出力されるエネルギ量を制御し続け、記憶部68に記憶された目標温度Tに対応する電気抵抗値Rに、実測電気抵抗値Rを一致させる。実測電気抵抗値Rが、記憶部68から読み出した目標温度Tに対応する抵抗値Rに一致していれば、電熱部材32の温度は目標温度Tに一致又は略一致していると言える。
目標温度Tに一致又は略一致している電熱部材32の熱は、伝熱体34に伝熱されている。このため、処置面34aの領域38a又は領域38bで、生体組織が適宜に処置される。
処置を終了し、出力部64からのエネルギ出力を停止する場合、スイッチ74をOFFに切り替える。
以上説明したように、この実施形態によれば、以下のことが言える。
この実施形態の処置具12の処置部24の電熱部材32は、セラミック塗料などの非導電性材42に、銀などの導電性材44を混合してコンポジット材として形成している。この実施形態に係る電熱部材32は、ニクロム線に対して極めて小さい体積固有抵抗の導電性材44を用いても、非導電性材42とコンポジット材を形成することで、例えばニクロム線と同程度まで、体積固有抵抗を高くすることができる。このため、電熱部材32を細く、曲がりくねった形状に長く形成する必要がなく、電熱部材32は適宜の強度を維持でき、断線を抑制することができる。したがって、この実施形態によれば、製造が容易で、強度の維持が容易な、処置部24で発生させた熱を用いて処置対象を処置可能な処置具12を提供することができる。
この実施形態の処置具12の処置部24の電熱部材32は、セラミック塗料などの非導電性材42に、銀などの導電性材44を混合してコンポジット材として形成している。この実施形態に係る電熱部材32は、ニクロム線に対して極めて小さい体積固有抵抗の導電性材44を用いても、非導電性材42とコンポジット材を形成することで、例えばニクロム線と同程度まで、体積固有抵抗を高くすることができる。このため、電熱部材32を細く、曲がりくねった形状に長く形成する必要がなく、電熱部材32は適宜の強度を維持でき、断線を抑制することができる。したがって、この実施形態によれば、製造が容易で、強度の維持が容易な、処置部24で発生させた熱を用いて処置対象を処置可能な処置具12を提供することができる。
上述したように、処置部24は例えば体腔内に挿入されるため、例えば全長が数mmから十数mm程度、全幅が数mmから10mm程度など、非常に小さく形成される。このため、電熱部材32とともに、電熱部材32の温度を測定する温度センサを処置部24に配置して温度Tを実測することは難しい。この実施形態に係る電熱部材32を用いる場合、端子32a,32b間の電気抵抗値Rが温度Tに応じて図4に示す挙動を示す。このため、電熱部材32に温度センサを配置することなく、電熱部材32の温度Tを電気抵抗値Rを計測することにより把握することができる。
電熱部材32の温度が高温になればなるほど、実測電気抵抗値Rに対応する電熱部材32の温度Tを、ユーザに対して正確に把握させることができる。
ここで、本実施形態では、生体組織を伝熱により処置する温度Tが、略300℃であると考えられている。本実施形態の電熱部材32は、略300℃前後の温度Tにおいて、実測電気抵抗値Rを用いて、電熱部材32の温度をそれよりも低い温度よりも正確に認識することができる。このため、電気抵抗値Rを適宜に制御することで、電熱部材32で生体組織を伝熱により処置する温度Tをより正確に制御することができる。
図5Bに示す電熱部材32は、断面が略矩形状であるものとして説明した。この実施形態に係る電熱部材32は、円柱のロッド状、角柱のロッド状などに形成することができる。このため、図5A中の処置部24は、符号38aで示す平坦な部分と、符号38bで示すエッジ部とを有するものとして説明したが、電熱部材32を円柱のロッド状とし、電熱部材32の外側を覆う伝熱体34を円筒状などにしても良い(図7A参照)。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図6から図7Bを用いて説明する。この実施形態は第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
次に、第2実施形態について図6から図7Bを用いて説明する。この実施形態は第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態では、エネルギ源14は、第1及び第2出力部64a,64bを有する。この場合、第1出力部64aは、電熱部材32の一端32aと他端32bとの間に電流を流して電熱部材32を発熱させるのに用いられる。第2出力部64bは、高周波電極として用いられる伝熱体34に対して高周波電流を流すのに用いられる。第2出力部64bは、対極板Pに接続されている。このため、この実施形態では、モノポーラ高周波処置を行うことができる。
図7Aに示すように、処置部24は、例えば円柱状に形成されている。処置部24は、内側から外側に向かって順に、電熱部材32と、絶縁層36と、伝熱体34とを有する。図7A中、電熱部材32間に絶縁層36が形成され、電熱部材32は、略U字状に形成されている。このため、電熱部材32に電流を流して、電熱部材32を抵抗加熱(発熱)することができる。電熱部材32と伝熱体34とは電気的に絶縁されている。
ここでは、スイッチ74は、第1出力部64aのON/OFFを切り替える第1スイッチ74aと、第1及び第2出力部64a,64bのON/OFFを切り替える第2スイッチ74bとを有する。
電熱部材32を含む処置部24の伝熱体34は、第1スイッチ74aの切り替えにより、第1実施形態で説明したのと同様に、第1出力部64aから電熱部材32にエネルギを出力する。このとき、電熱部材32を発熱させ、適宜に温度Tを制御して、伝熱体34への伝熱により、生体組織を凝固させたり切開させたりする処置を行うことができる。
伝熱体34は、対極板Pを患者に貼り付けた状態で、第2スイッチ74bの切り替えにより、第2出力部64bからエネルギを出力すると、生体組織のうち、伝熱体34が接触した位置の電流密度が高くなり、生体組織を凝固させたり切開させたりするモノポーラ高周波処置を行うことができる。そして、本実施形態では、電熱部材32と伝熱体34とが電気的に絶縁されている。このため、第1及び第2出力部64a,64bから同時にエネルギを出力させることができる。したがって、第2スイッチ74bを切り替えると、モノポーラ高周波処置を行えるとともに、伝熱体34への伝熱により、生体組織を凝固させたり切開させたりする処置を行うことができる。
なお、この実施形態では、図7Aに示すように処置部24が円柱状であるものとして説明したが、図5Aに示す形状であっても良く、図7Bに示す六角柱状に形成されていることも好適である。すなわち、処置部24は、種々の形状が許容される。なお、図7B中、電熱部材32間に絶縁層36が形成され、電熱部材32は、略U字状に形成されている。このため、電熱部材32に電流を流して、電熱部材32を抵抗加熱(発熱)することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。この実施形態は第1及び第2実施形態の変形例であって、第1及び第2実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
次に、第3実施形態について、図8及び図9を用いて説明する。この実施形態は第1及び第2実施形態の変形例であって、第1及び第2実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図8に示すように、この実施形態では、処置部24は、相対的に開閉可能な1対の把持片26a,26bを有する。
1対の把持片26a,26bの片方又は両方、すなわち、少なくとも一方には、電流を流すと発熱する電熱部材(発熱部材)32が配置されている。ここでは、処置具12の処置部24の電熱部材32が1対の把持片26a,26bの少なくとも一方に配置されている例について説明する。処置部24は、ハウジング22のハンドル22aの操作により、一方の把持片26aのみ回動する。その回動する一方の把持片26aには、電熱部材32、絶縁層36及び伝熱体34が配設されている。この実施形態では、他方の把持片26bは、振動伝達部材の先端部として用いられ、振動伝達部材の基端は、ハウジング22に配設されるとともに、超音波振動子ユニット28に取り付けられる。
図9に示すように、1対の把持片26a,26bの一方の把持片26aには、電熱部材32と、伝熱体34と、絶縁層36とが配置されている。なお、把持片26aは、耐熱性を有するとともに、電気絶縁性を有するカバー27を有する。カバー27は、電熱部材32を覆うとともに、伝熱体34のうち処置面34aから外れた位置を覆っている。なお、図9中、処置面34aを略V字状に形成した例を描画したが、例えば平面状など、他の形状であっても良い。
他方の把持片26bは、例えばチタン合金材などにより形成されていることが好適である。他方の把持片26bは、中実のロッド状に形成されていても良く、第2実施形態で説明した図7A又は図7Bに示すように、内側から外側に向かって、電熱部材32、絶縁層36及び伝熱体34を有することも好適である。
一方の把持片26aの伝熱体34の処置面34aと、他方の把持片26bの伝熱体34の処置面34aとの間に生体組織を挟んで第1スイッチ74aを押圧すると、第1出力部64aから第1把持片26aの電熱部材32及び第2把持片26bの電熱部材32に電流を流して、それぞれの電熱部材32を発熱させる。そして、第1把持片26aの電熱部材32の熱(熱エネルギ)を絶縁層36を通して伝熱体34に伝達するとともに、第2把持片26bの電熱部材32の熱(熱エネルギ)を絶縁層36を通して伝熱体34に伝達する。このため、1対の把持片26a,26b間に挟んだ生体組織を、目的の温度Tで、伝熱により凝固又は切開等の処置を行うことができる。
一方の把持片26aの伝熱体34の処置面34aと、他方の把持片26bの伝熱体34の処置面34aとの間に生体組織を挟んで第2スイッチ74bを押圧すると、第1出力部64aから第1把持片26aの電熱部材32及び第2把持片26bの電熱部材32に電流を流して、それぞれの電熱部材32を発熱させるとともに、第2出力部64bから超音波振動子ユニット28にエネルギを出力して、第2把持片26bに超音波振動を伝達する。このため、電熱部材32からの伝熱及び超音波振動の伝達により、1対の把持片26a,26b間に挟んだ生体組織を、凝固又は切開等の処置を行うことができる。
第1把持片26aの伝熱体34及び第2把持片26bの伝熱体34をそれぞれ高周波電極として用いることも可能である。この場合、高周波電極として用いられる一方の把持片26aの伝熱体34と、高周波電極として用いられる他方の把持片26bの伝熱体34との間の生体組織の凝固を行うことができる。このため、この実施形態では、バイポーラ高周波処置を行うことができる。
超音波振動を用いて処置をする場合、1対の把持片26a,26bは、一方の把持片26aのみ回動して他方の把持片26bに対して開閉可能な構造であることが必要となる。超音波振動を用いず、伝熱及びバイポーラ高周波処置を行う場合、両方の把持片26a,26bが回動して開閉可能な構造であっても良い。
これまで、いくつかの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
この発明の一態様に係る処置具は、生体組織への処置を行う処置部と、前記処置部を支持するとともに、術者に把持される把持部とを具備し、前記処置部は、非導電性材中に、導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに抵抗加熱させる電熱部材と、前記電熱部材の熱を受熱する伝熱面と、前記伝熱面とは反対側に配置され、伝熱した前記電熱部材の熱で前記生体組織への処置を行う処置面とを有する伝熱体とを有し、前記非導電性材の中に前記導電性材が混合されて形成された前記電熱部材は、体積固有抵抗が前記導電性材よりも高くかつ前記非導電性材よりも低く、温度抵抗係数がニクロム線よりも大きい。
この発明の他の一態様に係る処置具は、非導電性材の中に導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに抵抗加熱させる電熱部材を有し、前記非導電性材の中に前記導電性材が混合されて形成された前記電熱部材は、体積固有抵抗が前記導電性材よりも高くかつ前記非導電性材よりも低く、温度抵抗係数がニクロム線よりも大きく、単位温度当たりの前記電熱部材の電気抵抗値の変化の傾きは、前記電熱部材の温度が上昇するにつれて大きくなる。
この発明の一態様に係る処置具の処置部は、非導電性材の中に導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに抵抗加熱させる電熱部材と、前記電熱部材の熱を受熱する伝熱面と、前記伝熱面とは反対側に配置され、伝熱した前記電熱部材の熱で生体組織への処置を行う処置面とを有する伝熱体とを備え、前記非導電性材の中に前記導電性材が混合されて形成された前記電熱部材は、体積固有抵抗が前記導電性材よりも高くかつ前記非導電性材よりも低く、温度抵抗係数がニクロム線よりも大きい。
この発明の他の一態様に係る処置具は、非導電性材の中に導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに抵抗加熱させる電熱部材を有し、前記非導電性材の中に前記導電性材が混合されて形成された前記電熱部材は、体積固有抵抗が前記導電性材よりも高くかつ前記非導電性材よりも低く、温度抵抗係数がニクロム線よりも大きく、単位温度当たりの前記電熱部材の電気抵抗値の変化の傾きは、前記電熱部材の温度が上昇するにつれて大きくなる。
この発明の一態様に係る処置具の処置部は、非導電性材の中に導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに抵抗加熱させる電熱部材と、前記電熱部材の熱を受熱する伝熱面と、前記伝熱面とは反対側に配置され、伝熱した前記電熱部材の熱で生体組織への処置を行う処置面とを有する伝熱体とを備え、前記非導電性材の中に前記導電性材が混合されて形成された前記電熱部材は、体積固有抵抗が前記導電性材よりも高くかつ前記非導電性材よりも低く、温度抵抗係数がニクロム線よりも大きい。
図2A及び図2Bに示すように、処置部24は、電流を流すと抵抗加熱(発熱)する電熱部材(発熱部)32と、電熱部材32の熱を伝熱する伝熱体(伝熱部材)34とを有する。
Claims (13)
- 非導電性材の中に導電性材が混合されて形成され、一端と他端との間に電流を流したときに抵抗加熱させる電熱部材を有する処置部を具備する処置具。
- 前記処置部の前記電熱部材は、前記電熱部材の温度変化に応じて、前記一端と前記他端との間の前記電熱部材の電気抵抗の抵抗値が変化する請求項1の処置具。
- 前記処置部の前記電熱部材は、前記電熱部材の温度変化に応じて、前記一端と前記他端との間の前記電熱部材の電気抵抗の抵抗値が非線形状に変化する、請求項1の処置具。
- 前記電熱部材の前記温度変化に対する前記電熱部材の前記一端と前記他端との間の前記電気抵抗の抵抗値の変化量は、温度が上昇するに従い大きくなる、請求項3の処置具。
- 前記電熱部材の前記温度変化に対する前記電熱部材の前記一端と前記他端との間の前記電気抵抗の抵抗値の変化量は、室温時よりも高い制御目標温度において、室温時の変化量よりも大きい、請求項3の処置具。
- 前記処置部は、前記電熱部材が設けられ前記電熱部材で発生させた熱を処置対象に伝熱する伝熱部を有する、請求項1の処置具。
- 前記非導電性材は、セラミック材が用いられ、
前記導電性材は、金属材が用いられる、請求項1の処置具。 - 前記金属材は、前記セラミック材に分散して配置されている、請求項7の処置具。
- 前記電熱部材と前記伝熱部とは、電気的に絶縁され、
前記伝熱部は、高周波電極として用いられる、請求項6の処置具。 - 前記処置部は、相対的に開閉可能な1対の把持片を有し、
前記電熱部材及び前記伝熱部は、前記1対の把持片の少なくとも一方に配置されている、請求項6の処置具。 - 前記処置部は、メス状に形成されている、請求項1の処置具。
- 請求項1に記載の処置具と、
前記処置具にエネルギを付加するエネルギ源と
を具備する処置システム。 - 前記エネルギ源は、
前記電熱部材にエネルギを出力する出力部と、
前記電熱部材に前記エネルギを出力したときの前記電熱部材の電気抵抗値を検出する検出部と、
前記電熱部材の前記電気抵抗値の変化に対応する温度を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶され、目標温度に対応する電気抵抗値に一致又は略一致する電気抵抗値が前記検出部で検出される状態に、前記出力部の前記エネルギの出力を制御する制御部と
を有する、請求項12の処置システム。
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