JPWO2017126089A1 - 阻止電位型エネルギー分析器 - Google Patents

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Abstract

前段グリッド電極(21)、基準グリッド電極(22)、及び後段グリッド電極(23)を順に並べて配置し、基準グリッド電極(22)と前段グリッド電極(21)との間に所定の大きさの電位差を与えて上りの電位勾配を形成するとともに、基準グリッド電極(22)と後段グリッド電極(23)との間に電位差を与えて下りの電位勾配を形成する阻止電位型エネルギー分析器において、基準グリッド電極(22)と前段グリッド電極(21)の間の距離よりも基準グリッド電極(22)と後段グリッド電極(23)の間の距離が短くなるようにグリッド電極を配置する。あるいは、基準グリッド電極(22)と前段グリッド電極(21)の間の電位差よりも基準グリッド電極(22)と後段グリッド電極(23)の間の電位差を大きくする。

Description

本発明は、電子やイオンなどの荷電粒子を分析するために用いられる阻止電位型エネルギー分析器に関する。
阻止電位型エネルギー分析器は、荷電粒子源(分析対象試料や荷電粒子線源等)から発せられる荷電粒子(電子、イオン等)の中から所定値以上の大きさのエネルギーを有するものを選別して検出する検出器である。一般に、阻止電位型エネルギー分析器は、荷電粒子の進行方向に等間隔で並べられた3枚の板状のグリッド電極(前段グリッド電極、中段グリッド電極、及び後段グリッド電極)、該グリッド電極に電圧を印加する電圧印加部、及び検出器を備えている。各グリッド電極には、厚さ方向に多数の貫通孔を有する板状のもののほかに、ワイヤを編んだメッシュ状のものも用いられる(例えば特許文献1)。
阻止電位型エネルギー分析器では、例えば前段グリッド電極と後段グリッド電極を接地し、中段グリッド電極に測定対象の荷電粒子と同極性である所定の大きさの電圧を印加する。これにより、前段グリッド電極と中段グリッド電極の間に荷電粒子の進入を阻止する電位差が形成され、また、中段グリッド電極と後段グリッド電極の間に荷電粒子を検出器に向かって加速する電位差が形成される。試料から発せられた荷電粒子は、前段グリッド電極から中段グリッド電極に向かう間に減速される。そして、中段グリッド電極に到達し、該中段グリッド電極を通過したもののみが検出器に導かれる。
特開平6−44931号公報
阻止電位型エネルギー分析器では、一定値ずつ離間した複数の阻止電位差における荷電粒子の検出強度の差を用いて荷電粒子のエネルギースペクトルを得ることが、原理的には可能である。しかし、従来の阻止電位型エネルギー分析器ではエネルギー分解能が低く、光電子分光等の分光測定においてエネルギースペクトルを得るために用いることができない、という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、従来よりも高いエネルギー分解能で荷電粒子を測定することができる阻止電位型エネルギー分析器を提供することである。
本発明者が、従来の阻止電位型エネルギー分析器(平面あるいは球面の板状の3枚のグリッド電極を等間隔に3枚配置して中段グリッド電極を阻止電位にする構成)において高いエネルギー分解能が得られない理由を調べた結果、以下のことが判明した。
阻止電位型エネルギー分析器では、前段グリッド電極と中段グリッド電極の間に、それらの電極の表面に平行な等電位面が形成され、該等電位面に対して垂直に荷電粒子が進入することが理想である。しかし、実際には、グリッド電極に多数の貫通孔が設けられているために貫通孔の入口近傍では上記等電位面が形成されず、グリッド電極の表面に平行な面内では、該貫通孔の周縁から中央に向かって電位が低くなる電位勾配が現れる。阻止電位にある中段グリッド電極の近傍では前段グリッド電極と中段グリッド電極の間の電位差で荷電粒子が減速されているため、中段グリッド電極の貫通孔に入射する荷電粒子の進行方向は該貫通孔の入口や内部の電位勾配によって大きく変化する。その結果、荷電粒子の一部がグリッド電極の貫通孔の内壁に衝突して損失されてしまい、エネルギー分解能が低下する。
本発明は上記の要因を踏まえてなされたものであり、本発明者が様々なグリッド電極の配置や印加電圧の大きさについてシミュレーションを行った結果、阻止電位にある中段グリッド電極の検出器側に形成される下りの電位勾配(正確には、荷電粒子源側に形成される上りの電位勾配に対する下りの電位勾配の比)を従来よりも大きくすることにより、中段グリッド電極の貫通孔の入口近傍の電場を、荷電粒子が該貫通孔を通過しやすいものにできるという知見を得たことに基づく。
上記課題を解決するために成された本発明の第1の態様は、荷電粒子源から発せられる荷電粒子のエネルギーを、荷電粒子検出器を用いて測定する阻止電位型エネルギー分析器であって、
a) 前記荷電粒子源と前記荷電粒子検出器の間に、前段グリッド電極、基準グリッド電極、後段グリッド電極の順に並べて配置され、前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極の間の距離よりも、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極の間の距離が短くなるように配置された3枚のグリッド電極と、
b) 前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極との間に所定の大きさの上りの電位差を与えるとともに、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極との間に前記上りの電位差以上の大きさの下りの電位差を与えるように、前記3枚のグリッド電極の一部又は全部に電圧を印加する電圧印加部と
を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために成された本発明の第2の態様は、荷電粒子源から発せられる荷電粒子のエネルギーを、荷電粒子検出器を用いて測定する阻止電位型エネルギー分析器であって、
a) 前記荷電粒子源と前記荷電粒子検出器の間に、前段グリッド電極、基準グリッド電極、後段グリッド電極の順に並べて配置され、前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極の間の距離が、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極の間の距離以上になるように配置された3枚のグリッド電極と、
b) 前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極との間に所定の大きさの上りの電位差を与えるとともに、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極との間に前記上りの電位差よりも大きい下りの電位差を与えるように、前記3枚のグリッド電極の一部又は全部に電圧を印加する電圧印加部と
を備えることを特徴とする。
上記のグリッド電極とは、例えば厚さ方向に貫通孔を有する板状電極や、ワイヤを編んだメッシュ電極である。また、グリッド電極には、平面グリッド電極のほか、球面グリッド電極や曲面グリッド電極など、様々な形状のものを用いることができる。
前記上りの電位勾配とは、荷電粒子と同極性の電位差により形成され該荷電粒子を減速する勾配であり、前記下りの電位勾配とは、荷電粒子と逆極性の電位差により形成され該荷電粒子を加速する勾配である。
なお、マイクロチャンネルプレート(MCP)等の荷電粒子検出器のように、荷電粒子の入射面を所定の電位にすることが可能な検出器を用いる場合には、該検出器の入射面を前記後段グリッド電極として用いることができる。
前述の通り、従来の阻止電位型エネルギー分析器では、3枚のグリッド電極を等間隔に配置し、基準グリッド電極に阻止電位を形成して荷電粒子のエネルギーを測定していた。グリッド電極が平面グリッド電極である場合、上りの電位勾配と下りの電位勾配の比は1.0になる。一方、グリッド電極が球面グリッド電極である場合、グリッドの離間距離(等間隔)によって異なるが、例えば、前段グリッド電極、基準グリッド電極、及び後段グリッド電極を、それぞれ荷電粒子源から38mm、40mm、及び42mm(即ち、グリッド電極の離間距離2mm)の位置に配置すると、電位勾配の比は約1.1となる。即ち、平面グリッド電極、球面グリッド電極のいずれを用いた場合でも、従来の電極配置により形成される電位勾配の比は約1であった。
本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器の第1の態様では、前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極の間の距離よりも、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極の間の距離が短くなるように前記3枚のグリッド電極を配置して、また第2の態様では前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極の間の電位差よりも、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極の間の電位差を大きくして、従来よりも大きな電位勾配比を得る。
本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器では、従来よりも後段側の電位勾配(正確には、前段側の電位勾配に対する後段側の電位勾配の比)を大きくする。これにより、板状電極の場合には、基準グリッド電極の貫通孔の入口近傍の等電位面の曲率を小さくして荷電粒子の軌道が貫通孔の入口近傍で曲げられ貫通孔の内壁に衝突するのを回避するとともに、出口近傍の等電位面の曲率を大きくして貫通孔の出口の中央に向けて荷電粒子を収束することができる。また、メッシュ電極の場合には、電位勾配比を大きくすることによってメッシュの間隙に荷電粒子を収束させるレンズ効果が得られ、従来の配置ではメッシュ電極のワイヤに衝突して消失していた荷電粒子がメッシュの間隙を通過する。なお、レンズ効果とは、従来知られている、メッシュの間隙(荷電粒子が通過する空隙)に荷電粒子が収束される効果である。即ち、本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器を用いると、荷電粒子の損失が低減され、高いエネルギー分解能と高い検出感度が得られる。
本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器は様々な形態で具現化することができる。例えば、3枚のグリッド電極(前段グリッド電極、基準グリッド電極、及び後段グリッド電極)を等間隔に配置し、前段グリッド電極を接地し、基準グリッド電極に荷電粒子と同極性の電圧(阻止電圧)、後段グリッド電極に荷電粒子と逆極性の電圧を印加することにより具現化することができる。なお、この場合には、後段グリッド電極を通過した荷電粒子を減速することなく荷電粒子検出器まで確実に輸送するために、該荷電粒子検出器の入射面にも後段グリッド電極と同じ電圧を印加しておくことが好ましく、その電圧の大きさを後段グリッド電極に印加する電圧と等しくすることがより好ましい。また、基準グリッド電極のみに荷電粒子と同極性の電圧(阻止電圧)を印加して前段グリッド電極と後段グリッド電極を接地し、前段グリッド電極と基準グリッド電極の距離を、後段グリッド電極と基準グリッド電極の距離よりも遠くすることにより具現化することもできる。
前記グリッド電極として球面グリッド電極を用いる場合には、前記荷電粒子検出器として二次元検出器を用いることにより、試料上の1点から放出される荷電粒子の角度分布をエネルギーとともに測定することができ、従来よりも高い角度分解能を得ることができる。
本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器を用いることにより、従来よりも高いエネルギー分解能で荷電粒子を測定することができる。
本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器の一実施例の要部構成図。 中段グリッド電極の表面電位を説明する図。 電子透過率のシミュレーションに用いた構成の表。 メッシュ電極を用いた場合の電子透過率のシミュレーション結果。 板状電極を用いた場合の電子透過率のシミュレーション結果。 電子透過率のシミュレーションに用いた別の構成の表。 別の構成で板状電極を用いた場合の電子透過率のシミュレーション結果。 本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器の別の実施例の要部構成図。 本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器のさらに別の実施例の要部構成図。 本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器のさらに別の実施例の要部構成図。
本発明に係る阻止電位型エネルギー分析器及び該分析器を用いた荷電粒子のエネルギーの測定方法の一実施例について、以下、図面を参照して説明する。本実施例の阻止電位型エネルギー分析器では、荷電粒子源(試料や粒子線源等)から放出される荷電粒子のうち、所定の閾値よりも大きいエネルギーを有する光電子を選別して検出する。
図1に本実施例の阻止電位型エネルギー分析器の要部構成を示す。本実施例の阻止電位型エネルギー分析器は、試料10から距離r1の位置に配置された前段グリッド電極21、距離r2の位置に配置された中段グリッド電極22、及び距離r3の位置に配置された後段グリッド電極23と、マイクロチャンネルプレート(MCP)31及び蛍光スクリーン32並びに該蛍光スクリーン32上の蛍光像を撮像する撮像手段(図示なし)を有する二次元検出器とを備えている。前段グリッド電極21、中段グリッド電極22、及び後段グリッド電極23は、いずれも球面グリッド電極である。
各グリッド電極は、所定の周期で多数の貫通孔が形成された板状電極、又はワイヤを編んだメッシュ電極である。試料10は接地された試料台(図示なし)に載置されており、その表面上の1点には図示しない光源から所定のエネルギーのX線が照射される。グリッド電極には種々の非磁性金属材料(アルミニウム、金、白金、銅、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、ステンレス等)を用いることができる。グリッド電極が板状電極である場合には、貫通孔を形成する際の加工性等を考慮して銅やチタンを用いることが好ましい。また、グリッド電極がメッシュ電極である場合には、ワイヤを編み込む際の加工性等を考慮してタングステン、モリブデン、ステンレスを用いることが好ましい。なお、使用条件や材料の特性を考慮し、表面の酸化防止を目的とした適宜のメッキ処理を施しておくことが望ましい。
前段グリッド電極21、後段グリッド電極23、及びMCP31の荷電粒子入射面は接地されており、中段グリッド電極22には測定対象の荷電粒子(光電子)と同じ極性(負極性)である所定の大きさの電圧が印加され阻止電位が形成されている。なお、本明細書では、阻止電位が形成されているグリッド電極を基準グリッド電極とも呼ぶ。なお、本実施例では測定対象が負の荷電粒子(光電子)であるため、負の阻止電位を形成しているが、測定対象が正の荷電粒子(正イオン等)である場合には、正の阻止電位を形成する。
本実施例の阻止電位型エネルギー分析器では、前段グリッド電極21から中段グリッド電極22までの距離(r2-r1)に比べて中段グリッド電極22から後段グリッド電極23までの距離(r3-r2)が近くなるように後段グリッド電極23が配置されている。これにより、図1の下段に示すように、前段グリッド電極21から中段グリッド電極22の間に形成される上りの電位勾配(以下、これを「前段側電位勾配」と呼ぶ。)に対する、中段グリッド電極22から後段グリッド電極23までの間に形成される下りの電位勾配(以下、これを「後段側電位勾配」と呼ぶ。)の比を従来よりも大きくしている。上りの電位勾配とは荷電粒子と同極性の電位差の勾配であって該荷電粒子を減速するもの、下りの電位勾配とは荷電粒子と逆極性の電位差の勾配であって該荷電粒子を加速するもの、を意味する。
ここで、本実施例の阻止電位型エネルギー分析器において上記のような電位勾配を形成する理由を説明する。
阻止電位型エネルギー分析器は、前段グリッド電極と中段グリッド電極の間に、試料位置(より正確には試料表面のX線照射位置)を中心とする同心円状の等電位面が形成され、該等電位面に対して垂直に荷電粒子が進入することを想定して構成されている。しかし、実際には、図2(a)に矢印で示すような、中段グリッド電極の表面に平行な面内に貫通孔の周縁から中央に向かって電位が低くなる電位勾配が存在する。阻止電位にある中段グリッド電極の近傍では前段グリッド電極と中段グリッド電極の間の電位差で荷電粒子が減速されているため、中段グリッド電極の貫通孔に入射する荷電粒子の進行方向は、その電位勾配によって大きく変化する。その結果、荷電粒子の一部が板状電極に形成された貫通孔の内壁に衝突して損失されエネルギー分解能が低下する。
本発明者が種々の構成について検討した結果、図1に示すように、前段側の電位勾配に対する後段側の電位勾配の比を従来よりも大きくすることで、図2(b)中に矢印に示すように中段グリッド電極22の貫通孔の入口近傍の等電位面の曲率を小さくして荷電粒子の軌道が貫通孔の入口近傍で曲げられ貫通孔の内壁に衝突するのを回避するとともに出口近傍の等電位面の曲率を大きくして貫通孔の出口の中央に向けて荷電粒子を収束することができることを見いだした(板状電極の場合)。また、メッシュ電極の場合には、電位勾配の比を大きくすることによりメッシュの間隙に荷電粒子を収束させるレンズ効果が得られ、低速の荷電粒子が電極に衝突するのを回避できることを見いだした。上記実施例の構成は、これらの知見に基づいている。
上記実施例の構成を採ることにより得られる効果を検証するため、試料10から中段グリッド電極22までの距離r2を40mmに、後段グリッド電極23までの距離r3を42mmに固定し、前段グリッド電極21の位置r1を変更して3枚の球面グリッド電極を配置することにより、電位勾配の比(後段側電位勾配/前段側電位勾配)を変化させ、それぞれ電子の透過率をシミュレーションした。
シミュレーションに用いた球面グリッド電極の一覧を図3に示す。球面グリッド電極には、2種類のメッシュ電極(メッシュ電極1、2)、及び1種類の板状電極(板状電極1)を用いた。メッシュ電極1は、1インチ(2.54cm)あたり508個の開口(メッシュの間隙)を有し表面の81%が開口したもの(開口間隔:50μm、ワイヤ径:5μm)、メッシュ電極2は1インチあたり254個の開口を有し表面の81%が開口したもの(開口間隔:100μm、ワイヤ径:10μm)である。また、板状電極1は厚さ100μmのドーム状の金属に直径60μmの開口(貫通孔)を100μm間隔で形成したものである。
図4は、メッシュ電極1を用いた実施例M1及び比較例M1に関するシミュレーション結果と、メッシュ電極2を用いた実施例M2及び比較例M2に関するシミュレーション結果である。図4の(a)実施例M1及び(c)実施例M2は、試料10から前段グリッド電極21までの距離r1を12mmにし、前段グリッド電極21から中段グリッド電極22までの距離(r2-r1)を28mm、中段グリッド電極22から後段グリッド電極23までの距離(r3-r2)を2mmにした場合(電位勾配の比は49.0)、(b)比較例M1及び(d)比較例M2は前段グリッド電極21から中段グリッド電極22までの距離(r2-r1)、及び中段グリッド電極22から後段グリッド電極23までの距離(r3-r2)をいずれも2mmにした場合(電位勾配の比は1.1)のシミュレーション結果である。図の横軸は光電子の運動エネルギーを電荷で除して電位差に変換した値と阻止電位の値(前段グリッド電極21の電位と中段グリッド電極22の電位差)の差を、阻止電位の値に対する割合(百分率)で表したもの、縦軸は電子の透過率である。
実施例M1と比較例M1(いずれもメッシュ電極1)、また、実施例M2と比較例M2(いずれもメッシュ電極2)を比較すると、実施例M1及びM2のグラフの立ち上がりは比較例M1及びM2より鋭くなっており、従来の構成である比較例M1及びM2からエネルギー分解能が向上していることが分かる。また、実施例M1(メッシュ電極1)と実施例M2(メッシュ電極2)の比較からは、細かいメッシュ電極(細かく編まれたメッシュ電極)を用いるほどエネルギー分解能が高くなることが分かる。
図5は、板状電極1を用いた実施例P1−1、P1−2、及び比較例P1に関するシミュレーション結果である。図5の(a)実施例P1−1は、試料10から前段グリッド電極21までの距離r1を12mmにし、前段グリッド電極21から中段グリッド電極22までの距離(r2-r1)を28mm、中段グリッド電極22から後段グリッド電極23までの距離(r3-r2)を2mmにした場合(電位勾配の比は49.0)のシミュレーション結果である。図5の(b)実施例P1−2は、試料10から前段グリッド電極21までの距離r1を32mmにし、前段グリッド電極21から中段グリッド電極22までの距離(r2-r1)を8mm、中段グリッド電極22から後段グリッド電極23までの距離(r3-r2)を2mmにした場合(電位勾配の比は5.3)のシミュレーション結果である。図5の(c)比較例P1は前段グリッド電極21から中段グリッド電極22までの距離(r2-r1)、及び中段グリッド電極22から後段グリッド電極23までの距離(r3-r2)をいずれも2mmにした場合(電位勾配の比は1.1)のシミュレーション結果である。
メッシュ電極の場合と同様に、実施例P1−1及びP1−2と比較例P1(いずれも板状電極1)の比較から、実施例P1−1及びP1−2のグラフの立ち上がりは比較例P1よりも鋭く、エネルギー分解能が向上していることが分かる。また、実施例P1−1の方が実施例P1−2よりも(即ち、電位勾配の比が大きいほど)グラフの立ち上がりが鋭く、エネルギー分解能が高くなっている。
また、電極の形状や配置に依存するものの、図4と図5を比較すると、全体的な傾向として、メッシュ電極には電子の透過率を高くして感度を向上できるという利点があり、板状電極にはエネルギー分解能を高めることができるという利点があることが分かる。
次に、別のシミュレーションとして、試料10から前段グリッド電極21までの距離r1を12mmに、後段グリッド電極23までの距離r3を42mmに固定し、試料10から中段グリッド電極22までの距離r2を変更して3枚の球面グリッド電極を配置することにより、電位勾配の比(後段側電位勾配/前段側電位勾配)を変化させ、それぞれ電子の透過率をシミュレーションした。なお、このシミュレーションは板状の球面グリッド電極についてのみ行った。
図6は、このシミュレーションに用いた球面グリッド電極の一覧であり、図7はシミュレーション結果である。板状電極2は厚さ50μmのドーム状の金属に直径30μmの開口(貫通孔)を50μm間隔で形成したもの(板状電極1のグリッドを4倍細かくし、貫通孔の間隔、貫通孔の径、電極厚さをいずれも半分にしたもの)である。図7(a)〜(f)に示すシミュレーション結果から、電位勾配の比を大きくするほどグラフの立ち上がりが鋭くなりエネルギー分解能が向上することが分かる。また、実施例P1−4と実施例P2−1(電位勾配比10)の比較、また実施例P1−5と実施例P2−2(電位勾配比5)の比較から、板状電極のグリッドをより細かくするとエネルギー分解能が向上することが分かる。
上記2つのシミュレーション結果から、本実施例の構成を採ることにより、従来の阻止電位型エネルギー分析器よりも高いエネルギー分解能が得られることが分かる。従って、例えば光電子分光等の分光測定において複数の阻止電位でそれぞれ荷電粒子を検出し、その強度差を求めることによって荷電粒子のエネルギースペクトルを得ることができる。また、上記実施例の構成を採ることにより荷電粒子の進行方向を変化させることなく(即ち試料から放出された方向を維持したまま)検出器に導くこともできる。従って、上記実施例のように、MCP31と蛍光スクリーン32からなる二次元検出器を用いると、試料から放出される光電子の角度分布も同時に測定することができる。ここでいう二次元検出器には、MCP31と蛍光スクリーン32からなる二次元検出器のような、荷電粒子の入射面を有する検出器に限らず、チャネルトロン(二次電子増倍管)のような0次元検出器を複数、二次元アレイ状に配置して二次元検出器としたものも含まれる。
従来、高いエネルギー分解能及び角度分解能を要する測定には静電半球型の分析器が用いられてきた。この分析器では、試料から放出される光電子のうち、所定の方向に放出される光電子を半球型分析器の内部に導入する。半球の内部は内半球と外半球を有しており、それらに印加される電圧差に応じた電位が形成される。半球の内部に導入された光電子のうち、該電位差に応じたエネルギーを有するもののみが内半球と外半球の間の空間を飛行して検出される。
上記静電半球型の分析器は、一般に大型かつ高価である。また、所定の角度で試料から放出される光電子のみが検出されるため、試料から放出される光電子の角度分布を得るには試料面と静電半球型分析器の少なくとも一方を移動させて相対角度を順次変更しなければならず測定に時間を要していた。一方、本実施例の阻止電位型エネルギー分析器は3枚のグリッド電極、電源、及び検出器という簡素な構成であるため静電半球型の分析器よりも小型かつ安価に構成することができる。また、一度の測定で光電子の角度分布を測定することができるため、例えば光照射によって壊れやすい試料や変性しやすい試料であっても試料から放出される光電子の角度分布を測定することができる。
上記実施例はいずれも一例であって、本発明の主旨に沿って適宜に変更することができる。本発明は、
(1)基準グリッド電極と前段グリッド電極の間の距離よりも、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極の間の距離が短くなるように前記3枚のグリッド電極を配置する、(2)基準グリッド電極と前段グリッド電極の間の電位差よりも、基準グリッド電極と後段グリッド電極の間の電位差を大きくする
という2つの要件の少なくとも一方を満たすことにより、従来よりも、前段側電位勾配に対する後段側電位勾配の比を大きくする、という技術的思想に基づくものであり、上記実施例以外にも種々の電極配置や印加電圧の大きさにより具現化することができる。
上記実施例では、試料表面の1点から放出される光電子を測定する場合を説明したが、イオンビーム等の荷電粒子の測定に用いることもできる。例えば、電子レンズ等の荷電粒子光学系によって成形された、略平行なビームを測定する場合には、図8に示すように、2枚の平面グリッド電極(前段グリッド電極41及び中段グリッド電極42)、MCP31、及び蛍光スクリーン32を好適に用いることができる。図8では、MCP31の電子入射面を接地し、後段グリッド電極43として用いているが、MCP31と別に後段グリッド電極43を用いて構成してもよい。例えば、チャネルトロンやファラデーカップ等を検出器として用いる場合には、該検出面を後段グリッド電極として使用することができないため、中段グリッド電極42と検出器の間に後段グリッド電極43を配置する。
上記シミュレーション結果において説明したように、後段側電位勾配と前段側電位勾配の比を大きくするほど、エネルギー分解能が高くなる。しかし、中段グリッド電極と後段グリッド電極を近づけすぎると、それらの間で放電が起こる可能性がある。こうした場合には、図9に示すように、後段グリッド電極43及びMCP31の入射面に荷電粒子と逆極性の電圧(電子の場合+)を印加することによって、後段グリッド電極43を中段グリッド電極42に近づけすぎることなく、電位勾配の比を大きくすることができる。
図9の構成において、前段グリッド電極41に荷電粒子と同極性の電圧を印加して、後段側の電位勾配を前段側の電位勾配よりも急峻にすることもできる。そうした構成は、例えば前段グリッド電極41よりも荷電粒子源(図示なし)の側に、荷電粒子線を略平行なビームに成形するための電子光学系(電子レンズやコリメータなど)が配置されている場合等に好適に用いることができる。こうした電子光学系等の構成要素に電圧が印加されている場合には、その構成要素に隣接配置する前段グリッド電極を該構成要素と同電位にすることが好ましい。また、後段グリッド電極側に配置された構成要素に電圧が印加されている場合も同様に、その構成要素に隣接配置する後段グリッド電極を該構成要素と同電位にすることが好ましい。
上記実施例ではいずれも3枚のグリッド電極を用いたが、図10に示すように4枚あるいはそれ以上のグリッド電極を用いて構成することもできる。図10(a)に示すように、前段グリッド電極51と中段グリッド電極52の間に補助グリッド電極54を配置し、該補助グリッド電極54に荷電粒子と同極性の電圧を印加することによって、後段グリッド電極53を中段グリッド電極52に近づけすぎることなく、電位勾配の比を大きくすることもできる。一例として、第1前段グリッド電極51を試料10から12mmの位置に配置して接地し、第2前段グリッド電極54を試料10から15mmの位置に配置して阻止電位の95%に相当する電圧を印加し、中段グリッド電極52を試料10から40mmの位置に配置して阻止電位に相当する電圧を印加し、後段グリッド電極53を試料10から42mmの位置に配置して接地した場合(グリッド電極はいずれも球面の板状電極であり、中段グリッド電極の貫通孔の直径0.18mm、貫通孔の間隔0.20mm、電極厚さ0.10mm)の電位勾配のシミュレーション結果を図10(b)に、エネルギー分解能を図10(c)に、それぞれ示す。図10(b)の横軸は試料表面からの距離(単位:mm)で、縦軸は阻止電位を1とした電位の相対値である。この構成では、エネルギー分解能約10,000、角度分解能(半値全幅)±0.3度が得られることを確認した。
10…試料
21、41、51…前段グリッド電極
22、42、52…中段グリッド電極
23、43、53…後段グリッド電極
31…MCP
32…蛍光スクリーン
54…補助グリッド電極

Claims (7)

  1. 荷電粒子源から発せられる荷電粒子のエネルギーを、荷電粒子検出器を用いて測定する阻止電位型エネルギー分析器であって、
    a) 前記荷電粒子源と前記荷電粒子検出器の間に、前段グリッド電極、基準グリッド電極、後段グリッド電極の順に並べて配置され、前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極の間の距離よりも、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極の間の距離が短くなるように配置された3枚のグリッド電極と、
    b) 前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極との間に所定の大きさの上りの電位差を与えるとともに、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極との間に前記上りの電位差以上の大きさの下りの電位差を与えるように、前記3枚のグリッド電極の一部又は全部に電圧を印加する電圧印加部と
    を備えることを特徴とする阻止電位型エネルギー分析器。
  2. 荷電粒子源から発せられる荷電粒子のエネルギーを、荷電粒子検出器を用いて測定する阻止電位型エネルギー分析器であって、
    a) 前記荷電粒子源と前記荷電粒子検出器の間に、前段グリッド電極、基準グリッド電極、後段グリッド電極の順に並べて配置され、前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極の間の距離が、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極の間の距離以上になるように配置された3枚のグリッド電極と、
    b) 前記基準グリッド電極と前記前段グリッド電極との間に所定の大きさの上りの電位差を与えるとともに、前記基準グリッド電極と前記後段グリッド電極との間に前記上りの電位差よりも大きい下りの電位差を与えるように、前記3枚のグリッド電極の一部又は全部に電圧を印加する電圧印加部と
    を備えることを特徴とする阻止電位型エネルギー分析器。
  3. 前記前段グリッド電極と前記基準グリッド電極にそれぞれ前記荷電粒子と同極性の第1電圧と該第1電圧よりも絶対値の大きい第2電圧が印加されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の阻止電位型エネルギー分析器。
  4. 前記基準グリッド電極に前記荷電粒子と同極性の電圧が印加され、前記後段グリッド電極に前記荷電粒子と逆極性の電圧が印加されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の阻止電位型エネルギー分析器。
  5. 前記荷電粒子検出器が二次元検出器であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の阻止電位型エネルギー分析器。
  6. 前記3枚のグリッド電極が球面グリッド電極であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の阻止電位型エネルギー分析器。
  7. 前記後段グリッド電極が前記荷電粒子検出器の荷電粒子入射面であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の阻止電位型エネルギー分析器。
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