JPWO2017090776A1 - ヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造 - Google Patents

ヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造 Download PDF

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Abstract

ヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造において、そのチューブの内部空間の利用効率を高めて伝熱効率を向上させる。
偏平型のチューブ2を複数積層し、チューブ2内に第1流体流路を、チューブ外に第2流体流路形成するヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造において、各チューブ2内側において対向する積層方向の偏平面の間隔がチューブ2の両端部まで一定に形成されると共に、各チューブ2の両端部における積層方向の偏平な領域に、チューブ2の偏平端部をチューブ2の軸方向外面に平行に縁折して形成された複数層構造2cが設けられ、該複数層構造2cにより偏平型のチューブ2の間に所定の間隔で第2流体流路が形成されることを特徴とする。

Description

本発明は、ヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造に関する。
ヘッダプレートレス型熱交換器のコアは、ヘッダプレートを必要とせず、そのチューブ長手方向の端部をヘッダタンクの内面に密着させて熱交換器を形成する。
従来のヘッダプレートレス型熱交換器のコアは、チューブを所定間隔で複数積層し、各チューブ内にフィンを配置することにより形成される。例えば複数のチューブ間にそれぞれ設けられる間隔は、冷却水等の第2流体が流通する第2流体流路を形成し、フィンを配置したチューブ内側は、冷却水と熱交換する気体等の第1流体が流通する第1流体流路を形成する。
複数のチューブを積層する際に、互いに隣接する各チューブ間にそれぞれ所定の間隔を形成するために、従来行われている一般的な方法は、図8に示すごとく、各チューブ2の両端部をその半径方向に拡大して該部分にチューブの膨出部2eを形成し、隣接するチューブ2の膨出部2eを相互に接触させることにより、所定の間隔を形成する方法である。
例えば、特許文献1に開示されたヘッダプレートレス熱交換器におけるコア構造は、両端部に膨出部2eを形成した偏平型のチューブを複数積層し、各膨出部2eでチューブ間に所定の間隔を形成している。なお、特許文献1においては、各チューブの両端部とそれに密着させるヘッダタンクとの間に微小な間隙が発生することを防止するため、各チューブの膨出部2eをチューブ軸方向の外面に平行に縁折している。しかしチューブ間の間隙形成の主体が膨出部2eであることに変わりはない。
特開2015−105818号公報
両端部に膨出部2eを形成した偏平型のチューブを用い、その内部にフィン20を収容したコアの例を図8に示す。図8において、コア1を構成するチューブ2の端部に膨出部2eが形成され、チューブ2内にフィン20が装着されている。
隣接する膨出部2eによりチューブ2間に所定の間隔が形成され、それによって得られる空間は、例えば、冷却水を流通させる第2流体流路Aとして利用される。一方、チューブ2の内部に形成される空間は、例えば、冷却される気体を流通させる第1流体流路Bとして利用される。
チューブ2内に装着されるフィン20の先端部は、通常チューブ2の膨出部2eの膨出開始位置付近になる。すなわち、フィン20の先端部を膨出部2eの中まで延長したとしても、その延長部分のフィン20はチューブ2の内壁と接触できず、そのような非接触状態におけるチューブ2とフィン20間の熱伝達はほとんど期待できないことがその主な理由である。
内部にフィン20が存在しないチューブ2の先端部分におけるこの状態は、積層されるチューブ2全ての両端部に生じる。そのような空間領域は実質的に熱交換機能に寄与しないので、コア内部空間の利用効率がそれに応じて低下する原因になる。
そこで、本発明は、チューブの積層方向の偏平面の内面間隔がチューブ全長に渡り一定となり、チューブ全体にフィンを有効に設けることが可能なヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、偏平型のチューブを複数積層し、チューブ内に第1流体流路を、チューブ外に第2流体流路を形成するヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造において、
各チューブ内側における対向する積層方向の偏平面の間隔がチューブ両端部まで一定に形成されると共に、各チューブ両端部における積層方向の偏平な領域に、チューブの偏平端部をチューブの軸方向外面に平行に縁折して形成された複数層構造が設けられ、
該複数層構造により偏平型のチューブの間に所定の間隔で第2流体流路が形成されることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造において、
前記チューブが断面方形な偏平型であり、前記縁折する偏平な領域の両端部分にそれぞれ切欠き部が形成され、該切欠き部により平坦な縁折が容易に形成できるように構成されていることを特徴とするものである。
第1の発明は、各チューブ内側における対向する積層方向の偏平面の間隔がチューブ両端部まで一定に形成されると共に、各チューブ両端部における積層方向の偏平な領域に、チューブの偏平端部をチューブの軸方向外面に平行に縁折して形成された複数層構造が設けられ、該複数層構造により偏平型のチューブの間に所定の間隔で第2流体流路が形成されることを特徴とする。
上記のように構成すると、チューブの両端部まで積層方向の偏平面が一定に形成されているので、膨出部2eを形成した場合に比べ、その製造が容易であり、また、その端部強度を安定させることができる。
チューブ間の間隙は、チューブの積層方向の偏平端部をチューブの軸方向外面に平行に縁折して形成された複数層構造により形成されるので、膨出部を使用する場合より正確に第2流体流路用の間隙形成ができる。さらに、縁折回数を選択することにより、複数層構造の厚さを自由に変えることができるので、間隔設定、例えば冷却液流通路の容量設定などが正確且つ容易になる。また、複数層構造は長期間安定な形状なので、膨出部を使用する場合よりコアの安定性が高まる。
第2の発明は、前記チューブが断面方形な偏平型であり、前記縁折する偏平な領域の両端部分にそれぞれ切欠き部が形成され、該切欠き部により平坦な縁折が形成できるように構成されていることを特徴とする。
このように切欠き部により平坦な縁折が容易に形成できると、積層されるチューブ間の間隔設定がより容易になり且つ正確性がより向上する。
図1は第1の実施形態のコア構造を示す部分拡大斜視図。
図2は図1のコア構造を分解した状態の全幅斜視図。
図3は図1のコア構造の部分正面図
図4は図1のX−X矢視断面図。
図5は第2の実施形態のコア構造を示す部分拡大斜視図。
図6は図1のコア構造を使用した凝縮器の分解斜視図。
図7は図6の凝縮器の上面図。
図8は従来の膨出部を用いたコア構造の側断面図。
図1は第1の実施形態のコア構造を示す部分拡大斜視図、図2は図1のコア構造を分解した状態の全幅斜視図、図3は図1のコア構造の部分正面図、図4は図1のコア構造のX−X矢視断面図ある。
これらの図において、コア1は断面方形な偏平型のチューブ2を所定の間隔で複数積層し、各チューブ2内にフィン20を配置することにより構成されている。なお、チューブ2を含むコア構造は、通常、アルミ製(アルミニウム合金を含む)で製造される。
図1に示す本実施形態のチューブ2は、図2に示すように断面コ字型に加工された(底面に対し立ち上げられた一対の側壁部が形成される)第1プレート2aと第2プレート2bを互いに嵌着して形成される。
チューブ2の両端部を加工するには、例えば、第1プレート2aと第2プレート2bの底面の長さを縁折する帯状部の分だけ長めに加工しておき、コ字型の両片(側壁部)を縁折分だけ短く加工し、底面の帯状部の部分を図1のように偏平面の外面に平行に縁折する。
なお、帯状部の縁折を正確且つ容易にするため、好ましくは、図1に示す如く、コ字型の底面の両端部(帯状部の付根部分)に切欠き部2dを設けると良い。
チューブ2は断面方形の偏平型であり、図1のように上下一対の偏平面と左右一対の偏平面を有するが、主体となる偏平面は上下一対の偏平面であり、この面が積層される。また、左右の偏平面には、第1プレート2aと第2プレート2bの結合部がある。
この例では、第2プレート2bの一対の側壁部に階段状の段付き部が形成され、その段付き部に第1プレート2aの一対の側壁部の先端縁が着座し、両プレートが嵌合し、チューブ2の左右の偏平面を構成する。
上下一対の偏平面の外面には、前記のように帯状部を縁折した部分、すなわち複数層構造2c部分が形成される。本実施形態では複数層構造2cが1回、縁折された2層構造(縁折層とチューブ2本来の層の両者からなる2層構造)となっているが、縁折回数を重ねることにより、3層以上に構成することもできる。
図1のように複数のチューブ2を積層すると、隣接するチューブ2の複数層構造2cが互いに重なり合うので、その厚さがチューブ2の間に形成される間隙幅となる。間隙幅の寸法は複数層構造2cの縁折回数やチューブ2の板厚等により任意に変更できる。
このような間隙によって形成される空間は、例えば図4に示すような冷却水等の流通する第2流体流路Aとして利用される。
各チューブ2内部にフィン20が装着される。フィン20の両端部は図4に示すようにチューブ2の両端部に達しており、両者の両端部の位置は一致している。そのため、チューブ2とフィン20が接触しない部分が無くなるので、コア内部空間の利用効率が向上し、それに応じてコア全体としての熱交換効率が増加する。各チューブ2内に形成されるフィン20が装着された空間は、例えば図4に示すような気体等の流通する第1流体流路Bとして利用される。
フィン20は、本願の図面に記載された矩形波状のコルゲートフィン以外にも、公知のフィン(オフセットフィン等)を採用できる。
上記のように各チューブ2内には、通常、フィンが介挿されることが多いが、フィンを使用せずに、チューブ2の上下一対の偏平面に多数のディンプル又はリブ条を第1流体流路側に突設し、フィンと同様の作用を持たせることもできる。
図5は第2の実施形態のコア構造を示す部分拡大斜視図である。本実施形態が図1の実施形態と異なる部分は、チューブ2の偏平端部を縁折して形成された複数層構造2c部分のみで、そのほかは同様に構成される。したがって、図1と重複する説明は省略する。
図5において、チューブ2の偏平端部は2重縁折になっている。すなわちチューブ2の端部からその軸方向に平行に縁折する際に、1回目の縁折は偏平面を図1の場合の2倍の長さに縁折し、次に縁折した偏平面の中間部を逆方向に縁折し、その先端部をチューブ2の先端部に一致させると図5のような構造になる。本実施形態におけるチューブ2間の間隙幅は図1の実施形態の2倍になる。
次に本発明のコア構造を用いた熱交換器を参考までに説明する。
図6は熱交換器の一種である凝縮器の分解斜視図であり、図7は図6の凝縮器の上面図である。凝縮器の熱交換部は図1に示すコア構造と同じものである。
ヘッダプレートレス型熱交換器のコアを形成する際には、好ましくは、少なくともチューブ2の両開口端部の近傍を断面方形に形成し、且つ、図1に示す如く、チューブの複数層構造2c(帯状部2f)の左右の偏平面側の端面2gをチューブの左右の偏平面の外面と面一とした状態で、チューブ2を積層してコアを形成すると良い。
このようにすると、図3に示す如く、コアの開口部と、ケーシング3の内面との間に生じる隙間を簡単な構造で極力小さくすることでき、ろう付の際、ろう漏れが起こり難く、信頼性の高いヘッダプレートレス型熱交換器とすることができる。
凝縮器14は、箱状に形成された本体3aとその開口を閉鎖する蓋3bを有するケーシング3を備えている。ケーシング3の長手方向両端には、上側タンク4と下側タンク5とが形成され、その上側タンク4、下側タンク5を除いた中間部にコア2が収納される。そしてコア2の位置に冷却水11の入口と出口が開口され、入口から流入した冷却水11は隣接するチューブ2間の隙間(第2流体流路)を流通する。
上側タンク4の上端面には、熱交換すべき気体10を供給する気体入口パイプ9が設けられ、下側タンク5の下端面には凝縮水12を排出する水出口パイプ8が設けられる。そしてケーシング3の蓋3bに気体10を排出する気体出口パイプ6が貫通する。
この例では、凝縮器として、タンク一体型ケーシング内にコアを内層する構造について述べたが、熱交換器の種類によっては、タンクとケーシングとを個別に製造する場合もある。この場合、コアの開口部をタンクにより被嵌することもでき、タンクの外面をケーシングで被嵌することができる。
本発明のヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造は、例えば、EGRクーラや凝縮器等の各種熱交換器に利用される。
1 コア
2 チューブ
2a 第1プレート
2b 第2プレート
2c 複数層構造
2d 切欠き部
2e 膨出部
2f 帯状部
2g 端面
3 ケーシング
3a本体
3b 蓋
4 上側タンク
5 下側タンク
6 気体出口パイプ
8 水出口パイプ
9 気体入口パイプ
10 気体
11 冷却水
12 凝縮水
14 凝縮器
20 フィン
A 第2流体流路
B 第1流体流路

Claims (2)

  1. 偏平型のチューブ(2)を複数積層し、チューブ(2)内に第1流体流路を、チューブ外に第2流体流路を形成するヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造において、
    各チューブ(2)内側において対向する積層方向の偏平面の間隔がチューブ(2)の両端部まで一定に形成されると共に、各チューブ(2)の両端部における積層方向の偏平な領域に、チューブ(2)の偏平端部をチューブ(2)の軸方向外面に平行に縁折して形成した複数層構造(2c)が設けられ、
    該複数層構造(2c)により偏平型のチューブ(2)の間に所定の間隔で前記第2流体流路が形成されることを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造。
  2. 請求項1に記載のヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造において、
    前記チューブ(2)は断面方形な偏平型であり、前記縁折する偏平な領域の両端部分にそれぞれ切欠き部(2d)が形成され、該切欠き部(2d)により平坦な縁折が容易に形成できるように構成されていることを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器のコア構造。
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