JPWO2017068649A1 - ヒートポンプシステム - Google Patents

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Abstract

主回路(110)は、圧縮機(10)、室外熱交換器(20)、主膨張弁(30)および室内熱交換器(40)を含み、冷媒を循環可能に構成される。バイパス流路(130)は、主回路(110)を流れる冷媒が室外熱交換器(20)を迂回するように構成される。三方弁(60)は、圧縮機(10)から吐出される冷媒の流量に対する室外熱交換器(20)を流れる冷媒の流量の比率を調整可能に構成される。分岐流路(130)は、室外熱交換器(20)と主膨張弁(30)との間に接続され、主回路(110)を流れる冷媒の一部を分岐可能に構成される。副膨張弁(70)は、分岐流路(130)を流れる冷媒の流量を調整可能に構成される。内部熱交換器(80)は、分岐流路(130)を流れる冷媒と、室外熱交換器(20)から主膨張弁(30)に流れる冷媒との間で熱交換する。

Description

本発明はヒートポンプシステムに関し、より特定的には、冷媒の少なくとも一部が室外熱交換器を迂回するように構成されたバイパス流路を備えたヒートポンプシステムに関する。
ヒートポンプシステムの冷房運転時に室外熱交換器(凝縮器)における冷媒の凝縮圧力が過度に低い場合、室内熱交換器(蒸発器)に霜が付着したり、過剰な除湿が行なわれたりするなどの不具合が生じ得る。そのため、凝縮圧力の低下を抑制するための技術が提案されている。
たとえば特開2000−55444号公報(特許文献1)は、凝縮器を通る冷媒の流量と、凝集器をバイパスする冷媒の流量との比率を調整する三方弁を備えた空気調和器を開示する。この空気調和器の制御手段は、所定条件の成立時に(具体的には膨張弁が全開のとき、圧縮機の圧縮比が許容最低圧縮比以下のとき、または再熱器の再熱量が所定値以下のときに)、凝縮圧力を高める方向に三方弁を制御する。
特開2000−55444号公報
たとえば特許文献1に開示された空気調和器が冷房運転さえる場合、上記所定条件の成立時には、所定条件の不成立時と比べて、三方弁の開度を変化させることにより、凝縮器を迂回する冷媒の流量が大きく設定される。これにより、凝縮圧力の低下を抑制することができる。
その一方で、凝縮器を迂回する冷媒の流量が増加した分だけ、凝縮器を流れる冷媒の流量が減少する。そのため、凝縮器における冷媒から外気への放熱量が小さくなるので、凝縮器における冷媒温度の低下量が小さくなり得る。そうすると、凝縮器から流出して膨張弁に流入する冷媒について、必要な過冷却度が確保できない可能性がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ヒートポンプシステムの冷房運転時において、凝縮圧力の低下を抑制しつつ、膨張弁に流入する冷媒の過冷却度を確保可能な技術を提供することである。
また、ヒートポンプシステムの暖房運転時にも同様の課題が起こり得る。すなわち、たとえば外気温が高い場合に暖房運転を行なうと、外気温が低い場合と比べて、室外熱交換器(蒸発器)における冷媒の蒸発圧力が高くなる。つまり、室外熱交換器から流出して圧縮機へと流入する冷媒の圧力が高くなるので、圧縮機における圧縮比が低くなる。この場合には、三方弁の開度変化により、蒸発器を迂回する冷媒の流量を大きく設定ことによって、蒸発圧力の上昇を抑制することができる。
その一方で、蒸発器を迂回する冷媒の流量が増加した分だけ、蒸発器を流れる冷媒の流量が減少する。そのため、蒸発器における外気から冷媒への吸熱量が小さくなるので、蒸発器における冷媒温度の上昇量が小さくなり得る。そうすると、蒸発器から流出して圧縮機に流入する冷媒について、必要な過熱度が確保できない可能性がある。
本発明の他の目的は、ヒートポンプシステムの暖房運転時において、蒸発圧力の上昇を抑制しつつ、圧縮機に流入する冷媒の過熱度を確保可能な技術を提供することである。
本発明のある局面に従うヒートポンプシステムは、主回路と、バイパス流路と、流量調整器と、分岐流路と、第2の膨張弁と、副熱交換器とを備える。主回路は、圧縮機、室外熱交換器、第1の膨張弁および室内熱交換器を含み、冷媒を循環可能に構成される。バイパス流路は、主回路を流れる冷媒が室外熱交換器を迂回するように構成される。流量調整器は、圧縮機から吐出される冷媒の流量に対する室外熱交換器を流れる冷媒の流量の比率を調整可能に構成される。分岐流路は、室外熱交換器と第1の膨張弁との間に接続され、主回路を流れる冷媒の一部を分岐可能に構成される。第2の膨張弁は、分岐流路を流れる冷媒の流量を調整可能に構成される。副熱交換器は、分岐流路を流れる冷媒と、室外熱交換器から第1の膨張弁に流れる冷媒との間で熱交換する。
本発明の他の局面に従うヒートポンプシステムは、主回路と、バイパス流路と、流量調整器と、分岐流路と、第2の膨張弁と、副熱交換器とを備える。主回路は、圧縮機、室外熱交換器、第1の膨張弁および室内熱交換器を含み、冷媒を循環可能に構成される。バイパス流路は、主回路を流れる冷媒が室外熱交換器を迂回するように構成される。流量調整器は、圧縮機から吐出される冷媒の流量に対する室外熱交換器を流れる冷媒の流量の比率を調整可能に構成される。分岐流路は、圧縮機と室内熱交換器との間に接続され、主回路を流れる冷媒の一部を分岐可能に構成される。第2の膨張弁は、分岐流路を流れる冷媒の流量を調整可能に構成される。副熱交換器は、分岐流路を流れる冷媒と、室外熱交換器から圧縮機へと流れる冷媒との間で熱交換する。
上記構成によれば、凝縮圧力が過度に低い場合には、凝縮圧力が適切な範囲内の場合と比べて、流量調整器により上記比率を低下させることができる。これにより、バイパス流路を介して室外熱交換器を迂回する冷媒の流量が増加するので、凝縮圧力の低下を抑制することができる。さらに、必要な過冷却度が確保できていない場合には、第2の膨張弁を介して分岐流路を流れる冷媒の流量を増加させることができる。これにより、副熱交換器において、主回路を流れる冷媒と、第2の膨張弁により減圧された冷媒との間で交換される熱量が大きくなる。その結果、主回路を流れる冷媒の温度が低下するので、膨張弁に流入する冷媒の過冷却度をより確実に確保することができる。よって、ヒートポンプシステムの冷房運転時において、凝縮圧力の低下を抑制しつつ、過冷却度を確保することができる。
また、詳細は後述するが、ヒートポンプシステムの暖房運転時においても上記と同様に、蒸発圧力の上昇を抑制しつつ、圧縮機に流入する冷媒の過熱度を確保することができる。
実施の形態1に係るヒートポンプシステムの構成を概略的に示すブロック図である。 三方弁の構成を模式的に示す図である。 実施の形態1にて実行される三方弁および副膨張弁の制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態1にて実行される三方弁および副膨張弁の制御に対応するPh線図である。 実施の形態1の変形例に係るヒートポンプシステムの構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態2に係るヒートポンプシステムの構成を概略的に示すブロック図である。 実施の形態2にて実行される三方弁および副膨張弁の制御を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係るヒートポンプシステムの構成を概略的に示すブロック図である。図1を参照して、ヒートポンプシステム100は、主回路110と、制御装置500とを備える。主回路110は、圧縮機10と、室外熱交換器20と、主膨張弁30と、室内熱交換器40と、配管50とを含む。ヒートポンプシステム100の冷房運転時における冷媒の流れを矢印REFで示す。
圧縮機10は、たとえばインバータ(図示せず)によって駆動される容量可変型の圧縮機である。圧縮機10により圧縮されて高温高圧となったガス冷媒は、室外熱交換器20に流入する。
室外熱交換器20は、たとえば伝熱管および放熱フィン(図示せず)を含んで構成された熱交換器である。ヒートポンプシステム100の冷房運転時には、室外熱交換器20は凝縮器として機能する。室外熱交換器20において、ガス冷媒は、外気に放熱することにより凝縮して液冷媒となる。
主膨張弁(第1の膨張弁)30は、たとえばステッピングモータ(図示せず)により開度が制御可能な絞り弁である。主膨張弁30は冷媒の流量(単位時間当たりに冷媒が流れる量)を調整するために用いられる。また、主膨張弁30は、室外熱交換器20により凝縮された高圧の液冷媒を膨張させることにより、液冷媒を減圧する。これにより、冷媒は気液二相冷媒となり、室内熱交換器40に流入する。
室内熱交換器40は、室外熱交換器20と同様に、伝熱管および放熱フィン(図示せず)を含んで構成された熱交換器である。ヒートポンプシステム100の冷房運転時には、室内熱交換器40は蒸発器として機能する。室内熱交換器40において、空気は冷媒によって冷却される。一方、冷媒は温められて気液二相冷媒から低圧のガス冷媒となる。その後、ガス冷媒は圧縮機10に戻り、圧縮機10により再び圧縮されて吐出される。
このように、主回路110は、圧縮機10と室外熱交換器20と主膨張弁30と室内熱交換器40とが、この順に配管50により接続されることによって形成されている。なお、主回路110は、いずれも図示しないが、アキュムレータ(低圧受液器)、レシーバ(高圧受液器)、またはオイルセパレータ(油分離器)をさらに含んでもよい。
ヒートポンプシステム100は、バイパス流路120と、三方弁60と、分岐流路130と、内部熱交換器80と、副膨張弁70とをさらに備える。また、ヒートポンプシステム100は、圧力センサ91と、温度センサ92,93とをさらに備える。
バイパス流路120は、室外熱交換器20の上流側と下流側との間に接続される。バイパス流路120は、主回路110を流れる冷媒が室外熱交換器20を迂回するように構成されている。
三方弁60は、主回路110とバイパス流路120との接続部に接続される。三方弁60の開度は、制御装置500からの制御信号によって変更される。三方弁60の構成については図2にて詳細に説明する。
分岐流路130は、室外熱交換器20と主膨張弁30との間に接続される。分岐流路130は、主回路110を流れる冷媒の一部を分岐可能に構成される。
副膨張弁(第2の膨張弁)70は、分岐流路130に設けられる。副膨張弁70は、たとえばステッピングモータ(図示せず)により開度が制御可能な絞り弁である。すなわち、副膨張弁70は、分岐流路130を流れる冷媒の流量を調整可能に構成される。
内部熱交換器(副熱交換器)80は、分岐流路130を流れる冷媒と、室外熱交換器20から主膨張弁30に流れる冷媒との間で熱交換する。内部熱交換器80にて熱交換が行なわれた冷媒は、室内熱交換器40から圧縮機10へと流れる冷媒に合流する。
圧力センサ91は、圧縮機10の吐出側に設けられる。圧力センサ91は、圧縮機10から吐出される冷媒の圧力(吐出圧力)を検出して、その検出結果を示す信号を制御装置500に出力する。圧縮機10の吐出圧力は、室外熱交換器20における凝縮圧力Pcとほぼ等しい。そのため、圧力センサ91により吐出圧力を検出することによって、凝縮圧力Pcを取得することができる。
温度センサ92は、圧縮機10の吐出側に設けられる。温度センサ92は、たとえばサーミスタを含んで構成され、圧縮機10から吐出される冷媒の温度(吐出温度)を検出する。温度センサ93は、内部熱交換器80の出口側に設けられる、温度センサ93は、たとえばサーミスタを含んで構成され、内部熱交換器80における冷媒の凝縮温度を検出する。各センサは、その検出結果を示す信号を制御装置500に出力する。
制御装置500は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などのメモリと、入出力インターフェイスとを含んで構成される。制御装置500は、上述の各センサからの検出信号に基づいて、予めROMなどに格納されたプログラムをCPUがRAMに読み出して実行することによって各機器を制御する。
より具体的に、制御装置500は、主膨張弁30の開度を調整することによって、冷媒の吐出温度を目標値に制御する吐出温度制御を実行する。また、制御装置500は、各センサからの検出信号に基づいて、三方弁60および副膨張弁70を制御する。制御装置500による三方弁60および副膨張弁70の制御の詳細については後述する。
図2は、三方弁60の構成を模式的に示す図である。図1および図2(A)を参照して、三方弁60は、圧縮機10から吐出された冷媒が流入する入力ポートINと、冷媒を室外熱交換器20へと流出させるための出力ポートOUT1と、冷媒をバイパス流路120へと流出させるための出力ポートOUT2と、弁体61とを有する。
弁体61の角度θは、たとえば0°以上90°以下の範囲で変更可能である。角度θを変更することにより、入力ポートINに流入する冷媒の流量に対する出力ポートOUT1から流出する冷媒の流量の比率Rを調整することができる。言い換えると、比率Rは、圧縮機10から吐出された冷媒の流量に対する室外熱交換器20を流れる冷媒の流量の比率である。
たとえば、図2(B)に示すように弁体61の角度θを0°に調整すると、バイパス流路120へと向かう冷媒の流れが遮断される。つまり、すべての冷媒が室外熱交換器20を流れることになるので、比率Rは1になる。一方、図2(C)に示すように弁体61の角度θを90°に調整すると、室外熱交換器20へと向かう冷媒の流れが遮断される。つまり、すべての冷媒がバイパス流路120を流れることになるので、比率Rは0になる。このように、図2(B)に示す状態と図2(C)に示す状態との間で弁体61の角度θを調整することにより、比率Rを設定することができる。
なお、三方弁60は、本発明に係る「流量調整器」に相当する。ただし、本発明に係る「流量調整器」の構成は三方弁60に限られるものではない。たとえば、三方弁60に代えて、圧縮機10および室外熱交換器20の間の流路と、バイパス流路120とに1つずつ二方弁を設けてもよい。2つの二方弁の各々の開度を調整することにより、比率Rを設定することができる。
また、三方弁60として、冷媒温度に応じて開度が自動調整される感温式の弁を採用することも考えられる。しかし、本実施の形態のように電子制御弁を採用することにより、たとえば冷媒温度の急変時(ヒートポンプシステム100の起動時など)においても冷媒温度に依存せずに所望の角度θに弁体61を制御することが可能である。よって、比率Rを設定する際の自由度を向上させることができる。
ここで、凝縮圧力(室外熱交換器20において冷媒が凝縮するときの飽和圧力)Pcが過度に低い場合には種々の不具合が生じ得る。たとえば、室内熱交換器40に霜が付着したり、過剰な除湿が行なわれたりする場合がある。そのため、凝縮圧力Pcを適切な範囲内に維持することが望ましい。ヒートポンプシステム100によれば、凝縮圧力Pcが基準値P1未満になった場合には、凝縮圧力Pcが基準値P1以上の場合と比べて、三方弁60の弁体61の角度θを調整することにより、比率Rを低下させることができる。これにより、バイパス流路120を介して室外熱交換器20を迂回する冷媒の流量が増加するので、凝縮圧力Pcの低下を抑制することができる。
その一方で、室外熱交換器20を迂回する冷媒の流量が増加する分だけ、室外熱交換器20を流れる冷媒の流量が減少する。そのため、室外熱交換器20における冷媒から外気への放熱量が小さくなるので、室外熱交換器20における冷媒温度の低下量が小さくなる。そうすると、室外熱交換器20から流出して主膨張弁30に流入する冷媒について、必要な過冷却度ΔTcが確保できない可能性がある。
過冷却度ΔTcが確保できないとは、主膨張弁30に流入する冷媒が気液二相状態となることを意味する。気液二相冷媒の平均密度は、液冷媒の平均密度よりも低い。そのため、気液二相冷媒について所望の必要な冷却能力を実現するためには、液冷媒の場合と比べて、主膨張弁30を流れる冷媒の流量を大きくすることが求められる。つまり、主膨張弁30の開度を大きくする必要がある。しかし、一般に、膨張弁の開度には上限値が存在する。主膨張弁30の開度が上限値に達すると、主膨張弁30を流れる冷媒の流量をそれ以上大きくすることはできない。したがって、気液二相冷媒の場合には所望の冷媒能力を実現することができない可能性がある。
そこで、実施の形態1によれば、室外熱交換器20を流れる冷媒の流量の比率Rを三方弁60の制御により低下させた場合に、副膨張弁70の開度をさらに制御する。より具体的には、主膨張弁30に流入する冷媒の過冷却度ΔTcが基準値T2を下回るときには、過冷却度ΔTcが基準値T2を上回るときと比べて、内部熱交換器80を流れる冷媒の流量が大きくなるように副膨張弁70の開度が制御される。これにより、主回路110を流れる冷媒と、副膨張弁70での減圧により冷却された冷媒との間で交換される熱量が大きくなる。よって、上述のように副膨張弁70の開度が制御されない場合と比べて、主回路110を流れる冷媒温度が低くなるので、主膨張弁30に流入する冷媒の過冷却度をより確実に確保することができる。
図3は、実施の形態1にて実行される三方弁60および副膨張弁70の制御を説明するためのフローチャートである。図3および後述する図7に示されるフローチャートの各ステップ(以下、Sで略す)は、所定時間が経過する毎または所定条件が成立する毎にメインルーチンから呼び出されて実行される。
図1〜図3を参照して、S10において、制御装置500は、室外熱交換器20における凝縮圧力Pcを算出する。凝縮圧力Pcは、圧力センサ91により検出される吐出圧力に基づき算出することができる。
S20において、制御装置500は、凝縮圧力Pcが基準値P1(第1の基準値)未満であるか否かを判定する。基準値P1は、室内熱交換器40に霜の付着等の上述の不具合が生じない値であり、かつ、圧縮機10の圧縮比が過度に高くなることによる圧縮機10の異常が起こらない値であることが好ましい。
凝縮圧力Pcが基準値P1未満の場合(S20においてYES)、制御装置500は、バイパス流路120へと向かう冷媒の流量が大きくなる方向に三方弁60の弁体61の角度θを調整する。図2に示した例においては角度θを増加させる。これにより、圧縮機10から吐出される冷媒の流量に対する室外熱交換器20を流れる冷媒の流量の比率Rが低下する(S30)。その結果、バイパス流路120を介して室外熱交換器20を通過せずに室外熱交換器20の下流側へと至る冷媒の割合が増加するため、凝縮圧力Pcが上昇する。よって、凝縮圧力Pcの低下を抑制することができる。
その一方で、室外熱交換器20における冷媒から外気への放熱量が小さくなるので、主膨張弁30に流入する冷媒の過冷却度ΔTcが過度に小さくなり得る。そのため、S40において、制御装置500は、主膨張弁30に流入する冷媒の過冷却度ΔTcを算出する。過冷却度ΔTcは、温度センサ93により検出された冷媒温度(内部熱交換器80の出口側における冷媒温度)に基づき算出することができる。
S50において、制御装置500は、過冷却度ΔTcが基準値T2(第2の基準値)未満であるか否かを判定する。基準値T2の設定手法については後述する。
過冷却度ΔTcが基準値T2以上の場合(S50においてNO)、制御装置500は処理をS70に進める。S70において、制御装置500は、主膨張弁30に流入する冷媒について十分な過冷却度ΔTcが確保されているとして、副膨張弁70の開度を維持する(あるいは副膨張弁70の開度を小さく調整する)。
これに対し、過冷却度ΔTcが基準値T2未満の場合(S50においてYES)、制御装置500は処理をS60に進める。S60において、制御装置500は、過冷却度ΔTcが基準値T2以上の場合と比べて、副膨張弁70の開度を大きく設定する。これにより、分岐流路130の流れる冷媒の流量が増加するので、内部熱交換器80において、主回路110を流れる冷媒と、副膨張弁70での減圧により冷却された冷媒との間で交換される熱量が大きくなる。よって、過冷却度ΔTcが基準値T2以上の場合と比べて、主回路110を流れる冷媒温度が低くなる。したがって、主膨張弁30に流入する冷媒の過冷却度ΔTcをより確実に確保することができる。
なお、S20にて凝縮圧力Pcが基準値P1以上の場合(S20においてYES)、制御装置500は、三方弁60の弁体61の角度θを維持するか、あるいはバイパス流路120へと向かう冷媒の流量が小さくなる方向に角度θを調整する(S80)。図2に示した例においては角度θを維持するか減少させる。これにより、比率Rは、維持されるか増加する。S60,S70,S80のいずれかの処理が終了すると、処理はメインルーチンへと戻される。
ここでは本発明に係る「冷媒の凝縮度合を示す状態値」として凝縮圧力Pcが用いられる例について説明したが、「状態値」はこれに限定されるものではない。本発明に係る「状態値」は、室外熱交換器20を流れる冷媒温度、圧縮機10からの冷媒の吐出温度、または圧縮機10における冷媒の圧縮比であってもよい。
図4は、実施の形態1にて実行される三方弁60および副膨張弁70の制御に対応するPh線図である。図4において、横軸は比エンタルピーh[単位:kJ/kg]を表し、縦軸は圧力P[単位:MPa]を表す。
図1および図4を参照して、A点は、低圧のガス冷媒(過熱蒸気)の状態を示す。A点からB点への過程は、圧縮機10による断熱圧縮過程である。B点は、冷媒が圧縮機10により圧縮された状態を示す。D点は、三方弁60を介して室外熱交換器20を迂回した冷媒と、室外熱交換器20により凝縮された冷媒とが混合した状態を示す。E点は、冷媒が室外熱交換器20にて凝縮され、さらに冷媒の一部が内部熱交換器80により冷却されることによって得られた過冷却状態を示す。E点からF点への過程は、主膨張弁30による冷媒の膨張過程を示す。E点からG点への過程は、副膨張弁70による冷媒の膨張過程を示す。E点からG点への過程、およびF点からG点への過程は、室内熱交換器40における蒸発過程を示す。
以上のように、実施の形態1によれば、ヒートポンプシステム100の冷房運転時において、凝縮圧力Pcの低下を抑制しつつ、主膨張弁30に流入する冷媒について、必要な過冷却度ΔTcを確保することができる。
また、多くの場合、膨張弁に含まれる狭い流路を気液二相冷媒が通過すると、異音または振動が発生し得る。これは、気液二相状態の冷媒では気相部分と液相部分とが均一に混合されていないので、通過する冷媒の密度が時間的に変化し得るためであると考えられる。実施の形態1によれば、必要な過冷却度ΔTcが確保されることにより、液冷媒が主膨張弁30に流入することになるので、異音および振動の発生を防止することができる。
さらに、凝縮圧力Pcが過度に低い場合には、圧縮機10の圧縮比も適正値よりも低くなり得る。圧縮比が適正値未満の場合には、圧縮比が適正値以上の場合と比べて、圧縮機10の駆動周波数を増加させることにより、圧縮比を高めることも考えられる。しかし、圧縮機10の駆動周波数の増加に伴い、冷媒の蒸発圧力Peが低下する。一般に、蒸発圧力が基準値を下回ると、圧縮機は停止される。その後、蒸発圧力が基準値を上回るまで回復すると、圧縮機は再び駆動される。つまり、圧縮機の駆動および停止が繰り返される可能性がある(このような制御は「低圧カット制御」とも称される)。実施の形態1によれば、凝縮圧力Pcの低下を抑制し、それにより圧縮比の過度の低下を抑制することができる。したがって、圧縮機10の低圧カット制御が実行される状態に圧縮機10が至ることが防止される。言い換えると、圧縮機10の運転を安定化させることができる。
ここで、主膨張弁30に流入する冷媒の過冷却度ΔTcに関して設定される基準値T2(図3のS50参照)について説明する。基準値T2は、室内熱交換器40が室外熱交換器20よりも高い位置に設けられた場合であっても、主膨張弁30に流入する冷媒の過冷却状態が維持されるように設定することが好ましい。この理由について以下に説明する。
仮に室内熱交換器40が室外熱交換器20よりも低い位置に設けられた場合、室外熱交換器20から室内熱交換器40へと向かう冷媒の流れは下降流となる。そのため、液冷媒にかかる重力により生じた圧力が主膨張弁30に印加される。よって、主膨張弁30での膨張により液冷媒の圧力が減少しても冷媒の沸騰は抑制される。
これに対し、室内熱交換器40が室外熱交換器20よりも高い位置に設けられた場合、室外熱交換器20から室内熱交換器40へと向かう冷媒の流れは上昇流となる。そのため、冷媒の流れが下降流の場合と異なり、重力による圧力が主膨張弁30に印加されることはない。よって、主膨張弁30にて液冷媒の圧力が減少した際に冷媒の減圧沸騰が起こり、冷媒が気液二相状態となる可能性がある。そうすると、上述の異音または振動の問題が起こり得る。したがって、基準値T2は、主膨張弁30において、圧力低下後であっても冷媒の過冷却状態が維持されるように設定することが好ましい。
[変形例]
実施の形態1では、圧縮機から吐出された冷媒の全部がバイパス流路を介して室外熱交換器を迂回可能な構成について説明した。変形例においては、冷媒の一部のみが室外熱交換器を迂回可能な構成例を説明する。
図5は、実施の形態1の変形例に係るヒートポンプシステムの構成を概略的に示すブロック図である。図5を参照して、ヒートポンプシステム100Aは、室外熱交換器20A、バイパス流路120A、および三方弁60Aの構成が、実施の形態1に係るヒートポンプシステム100(図1参照)における対応する構成と異なる。
室外熱交換器20A内部に設けられた流路に沿う所定の位置に接続部C1が設けられている。図示しないが、室外熱交換器20Aは、接続部C1よりも上流側の熱交換器と、接続部C1よりも下流側の熱交換器とに2つに分割されている。三方弁60Aの入力ポートINは、接続部C1にバイパス流路120Aによって接続されている。室外熱交換器20を流れる冷媒の一部は、上流側の熱交換器のみを通り、接続部C1を介して室外熱交換器20外部へと流出する。一方、残りの冷媒は、上流側の熱交換器および下流側の熱交換器の両方を流れる。
三方弁60Aの出力ポートOUT1は、室外熱交換器60内部の流路について接続部C1よりも下流側の接続部C2にバイパス流路120Aによって接続されている。三方弁60Aの出力ポートOUT2は、主回路110について室外熱交換器20Aよりも下流側にバイパス流路120Aによって接続されている。なお、ヒートポンプシステム100Aの室外熱交換器20A、バイパス流路120A、および三方弁60A以外の構成は、実施の形態1に係るヒートポンプシステム100の対応する構成と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
図2にて説明したように、一般に、三方弁の開度は、弁体の角度によって調節される。たとえば弁体の角度が0°以上90°以下の可動範囲で1°毎に変更可能な構成を想定する。この場合、三方弁によって調整可能な流量比(第1の出力ポートから流出する冷媒の流量と、第2の出力ポートから流出する冷媒の流量との比率)は、90通りしか調整できないことになる。そのため、三方弁の入力ポートに流入する冷媒の流量が比較的大きい場合には、第1の出力ポートと第2の出力ポートとの間で流量の微調整を行なうことは難しい。
これに対し、本変形例によれば、圧縮機10から吐出された冷媒のうち、一部のみが室外熱交換器20内部にて分岐して三方弁60Aの入力ポートIN1に流入する。そのため、実施の形態1のように、圧縮機10から吐出された冷媒の全部について、室外熱交換器20を迂回させることはできない。一方で、圧縮機10から吐出された冷媒の流量が等しい場合、実施の形態1と比べて、三方弁60Aの入力ポートINに流入する冷媒の流量が小さくなるので、流量の微調整を三方弁60Aによって行なうことができる。その結果、凝縮圧力Pcの調整幅を、より小さくすることが可能になる。
逆の観点から説明すると、実施の形態1に係るヒートポンプシステム100においては、変形例1に係るヒートポンプシステム100Aのように、冷媒を取り出すために室外熱交換器20が2つに分割されていない。したがって、実施の形態1では室外熱交換器20のコストを低減することができる。
なお、三方弁60Aよりも下流側のバイパス流路120Aに、室外熱交換器20Aと同等の圧力損失が生じる絞り(毛細管)を設けてもよい。この絞りにより生じる圧力損失によって、三方弁60Aが閉鎖状態から開度を増加させた場合に冷媒の流量が急激に増加することを防止できる。
また、実施の形態1にて説明したように、三方弁60Aに代えて2つの二方弁を設けてもよい。図示しないが、一方は、図5における三方弁60Aの出力ポートOUT1と接続部C2との間に設けられる。他方は、三方弁60Aの出力ポートOUT2と、主回路110について室外熱交換器20Aよりも下流側との間に設けられる。この場合、三方弁を設ける場合と比べて弁の数が大きくなるものの、一般に二方弁の方が三方弁と比べて開度の調整幅が小さいので、流量の微調整に適している。
[実施の形態2]
実施の形態1では、ヒートポンプシステムの冷房運転時の構成および制御について説明した。実施の形態2においては、ヒートポンプシステムの暖房運転時の構成および制御について説明する。
図6は、実施の形態2に係るヒートポンプシステムの構成を概略的に示すブロック図である。図6を参照して、ヒートポンプシステム100Bの暖房運転時においては、室外熱交換器20が蒸発器として機能し、室内熱交換器40が凝縮器として機能する。さらに、ヒートポンプシステム100Bは、分岐流路130B、副膨張弁70B、および内部熱交換器80Bの構成が、実施の形態1に係るヒートポンプシステム100(図1参照)における対応する構成と異なる。また、ヒートポンプシステム100Bは、温度センサ92に代えて温度センサ94を備える点において、図1に示すヒートポンプシステム100と異なる。
分岐流路130Bは、圧縮機10と室内熱交換器40との間に接続される。分岐流路130Bは、主回路110を流れる冷媒の一部を分岐可能に構成される。副膨張弁70Bは、分岐流路130Bに設けられる。
内部熱交換器80Bは、分岐流路130Bを流れる冷媒と、室外熱交換器20から圧縮機10に流れる冷媒との間で熱交換する。内部熱交換器80Bにて熱交換が行なわれた冷媒は、室外熱交換器20から圧縮機10へと流れる冷媒に合流する。
温度センサ94は室内熱交換器40に設けられる。温度センサ94は、室内熱交換器40における冷媒の蒸発温度を検出し、その検出結果を示す信号を制御装置500に出力する。なお、ヒートポンプシステム100Bの分岐流路130B、副膨張弁70B、および内部熱交換器80B以外の構成は、実施の形態1に係るヒートポンプシステム100の対応する構成と同等であるため、詳細な説明は繰り返さない。
たとえば外気温が高い場合に暖房運転を行なうと、外気温が低い場合と比べて、室外熱交換器20における冷媒の蒸発圧力Peが高くなり得る。つまり、室外熱交換器20から流出して圧縮機10へと流入する冷媒の圧力が高くなるので、圧縮機10に吸入される冷媒の圧力と、圧縮機10から吐出される冷媒の圧力との差が小さくなり得る。すなわち、圧縮機10における圧縮比が低くなる可能性がある。
実施の形態2においては、室外熱交換器20へと流れる冷媒の全部または一部について、バイパス流路120を介して室外熱交換器20を迂回させる。これにより、室外熱交換器20にて熱交換される冷媒の流量が減るので、蒸発圧力Peの上昇が抑制される。よって、外気温が比較的高い場合の暖房運転時においても圧縮機10の圧縮比の低下を抑制することができる。
ここで、液冷媒が圧縮されても液冷媒の体積は変化しない。そのため、圧縮機10により過剰な液冷媒を圧縮すると、圧縮機10の異常が起こり得る。よって、圧縮機10に吸入される冷媒がガス冷媒(気相単相の冷媒)であることは必須である。しかし、ヒートポンプシステム100Bの暖房運転時に主膨張弁30を通過した冷媒は気液二相冷媒である。このため、主膨張弁30から三方弁60に至り、さらに圧縮機10に吸入される冷媒は、気液二相状態である場合がある。
そこで、実施の形態2においては、たとえば冷媒温度が基準値T3以上の場合には、冷媒温度が基準値T3未満の場合と比べて、副膨張弁70の開度を大きく設定することにより、内部熱交換器80を流れる冷媒の流量を増加させる。これにより、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス冷媒と、主膨張弁30から三方弁60へと至る気液二相冷媒との間で交換される熱量が大きくなる。その結果、圧縮機10に吸入される冷媒を完全にガス化させることが可能になるので、圧縮機10の異常を防止することができる。
図7は、実施の形態2にて実行される三方弁60および副膨張弁70の制御を説明するためのフローチャートである。図6および図7を参照して、S10において、制御装置500は、室外熱交換器20における蒸発圧力Peを算出する。蒸発圧力Peは、たとえば温度センサ94を用いて検出された室内熱交換器40の蒸発温度を飽和圧力に換算することにより算出することができる。
S120において、制御装置500は、蒸発圧力Peが基準値P3(第3の基準値)以上であるか否かを判定する。蒸発圧力Peが基準値P3以上の場合(S120においてYES)、制御装置500は、バイパス流路120へと向かう冷媒の流量が大きくなる方向に三方弁60の弁体61の角度θを調整する。これにより、圧縮機10から吐出される冷媒の流量に対する室外熱交換器20を流れる冷媒の流量の比率Rが低下する(S130)。その結果、室外熱交換器20を通過せずに室外熱交換器20の下流側へと至る冷媒の割合が増加するため、蒸発圧力Peが低下する。よって、蒸発圧力Peの上昇を抑制することができる。
その一方で、室外熱交換器20における外気から冷媒への吸熱量が小さくなるため、圧縮機10に流入する冷媒の加熱度ΔTeは小さくなる。そのため、S140において、制御装置500は、圧縮機10に流入する冷媒の加熱度ΔTeを算出する。加熱度ΔTeは、たとえば温度センサ93により検出された冷媒温度(内部熱交換器80の出口側における冷媒温度)に基づき算出することができる。
S150において、制御装置500は、過熱度ΔTeが基準値T4(第4の基準値)未満であるか否かを判定する。過熱度ΔTeが基準値T4以上の場合(S150においてNO)、制御装置500は、圧縮機10に流入する冷媒について十分な過熱度ΔTeが確保されているとして、副膨張弁70Bの開度を維持する(あるいは副膨張弁70Bの開度を小さく調整する)(S170)。
これに対し、過熱度ΔTeが基準値T4未満の場合(S150においてYES)、制御装置500は、過熱度ΔTeが基準値T4以上の場合と比べて、副膨張弁70Bの開度を大きく設定する(S160)。これにより、分岐流路130Bを流れる冷媒の流量が増加するので、内部熱交換器80Bにおいて、圧縮機10から吐出された高温高圧のガス冷媒と、主膨張弁30から三方弁60へと至る気液二相冷媒との間で交換される熱量が大きくなる。よって、過熱度ΔTeが基準値T4以上の場合と比べて、主回路110を流れる冷媒の温度が高くなる。したがって、圧縮機10に流入する冷媒の過熱度ΔTeをより確実に確保することができる。
なお、実施の形態2と変形例とを組み合わせてもよい。すなわち、実施の形態2においても、冷媒の一部のみが室外熱交換器を迂回可能な構成を採用することができる。
また、実施の形態1,2では、1台の室内機のみが含まれるヒートポンプシステムについて説明した。しかし、本発明は、複数台の室内機(すなわち複数の主膨張弁および複数の室内熱交換器)を含むヒートポンプシステムにも適用可能である。そのようなシステムの例としては、ビル用のマルチ空調システムが挙げられる。
本発明は、マルチ空調システムの冷房主体運転において、冷房および暖房の混在運転が行なわれる場合にも適用することができる。この場合、冷房中の室内機における吸熱量と暖房中の室内機における放熱量との差が小さくなるに従い、室外熱交換器における放熱量が小さくなる。そのため、場合によっては、1台の室内機のみを含むシステムの冷房運転時と比べて、室外熱交換器での放熱量を小さくすることが望ましい。本発明は、このような場合に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,100A,100B ヒートポンプシステム、10 圧縮機、20,20A 室外熱交換器、30 主膨張弁、40 室内熱交換器、50 配管、60,60A 三方弁、61 弁体、70 副膨張弁、80,80B 内部熱交換器、91 圧力センサ、92〜94 温度センサ、110 主回路、120,120A バイパス流路、130,130B 分岐流路、500 制御装置。

Claims (7)

  1. 圧縮機、室外熱交換器、第1の膨張弁および室内熱交換器を含み、冷媒を循環可能に構成された主回路と、
    前記主回路を流れる冷媒が前記室外熱交換器の少なくとも一部を迂回するように構成されたバイパス流路と、
    前記圧縮機から吐出される冷媒の流量に対する前記室外熱交換器を流れる冷媒の流量の比率を調整可能に構成された流量調整器と、
    前記室外熱交換器と前記第1の膨張弁との間に接続され、前記主回路を流れる冷媒の一部を分岐可能に構成された分岐流路と、
    前記分岐流路を流れる冷媒の流量を調整可能に構成された第2の膨張弁と、
    前記分岐流路を流れる冷媒と、前記室外熱交換器から前記第1の膨張弁へと流れる冷媒との間で熱交換する副熱交換器とを備える、ヒートポンプシステム。
  2. 前記流量調整器および前記第2の膨張弁を制御する制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記室外熱交換器における冷媒の凝縮度合を示す状態値が第1の基準値を下回る場合には、
    前記状態値が前記第1の基準値を上回る場合と比べて、前記室外熱交換器を流れる冷媒の比率が小さくなるように前記流量調整器を制御し、かつ、
    前記第1の膨張弁に流入する冷媒の過冷却度が第2の基準値を下回るときには、前記過冷却度が前記第2の基準値を上回るときと比べて、前記副熱交換器を流れる冷媒の流量が大きくなるように前記第2の膨張弁を制御する、請求項1に記載のヒートポンプシステム。
  3. 前記第2の基準値は、前記室内熱交換器が前記室外熱交換器よりも高い位置に設けられた場合であっても、前記第1の膨張弁に流入する冷媒が過冷却状態を維持するように設定される、請求項2に記載のヒートポンプシステム。
  4. 前記状態値は、前記室外熱交換器を流れる冷媒の温度、前記室外熱交換器における冷媒の凝縮圧力、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度、および、前記圧縮機における冷媒の圧縮比のうちの少なくとも1つを含む、請求項2または3に記載のヒートポンプシステム。
  5. 圧縮機、室外熱交換器、第1の膨張弁および室内熱交換器を含み、冷媒を循環可能に構成された主回路と、
    前記主回路を流れる冷媒が前記室外熱交換器の少なくとも一部を迂回するように構成されたバイパス流路と、
    前記圧縮機から吐出される冷媒の流量に対する前記室外熱交換器を流れる冷媒の流量の比率を調整可能に構成された流量調整器と、
    前記圧縮機と前記室内熱交換器との間に接続され、前記主回路を流れる冷媒の一部を分岐可能に構成された分岐流路と、
    前記分岐流路を流れる冷媒の流量を調整可能に構成された第2の膨張弁と、
    前記分岐流路を流れる冷媒と、前記室外熱交換器から前記圧縮機へと流れる冷媒との間で熱交換する副熱交換器とを備える、ヒートポンプシステム。
  6. 前記流量調整器および前記第2の膨張弁を制御する制御装置をさらに備え、
    前記制御装置は、前記冷媒の蒸発圧力が第3の基準値を上回る場合には、
    前記蒸発圧力が前記第3の基準値を下回る場合と比べて、前記室外熱交換器を流れる冷媒の比率が小さくなるように前記流量調整器を制御し、かつ、
    前記第1の膨張弁に流入する冷媒の過熱度が第4の基準値を下回るときには、前記過熱度が前記第4の基準値を上回るときと比べて、前記副熱交換器を流れる冷媒の流量が大きくなるように前記第2の膨張弁を制御する、請求項5に記載のヒートポンプシステム。
  7. 前記第4の基準値は、前記圧縮機に流入する冷媒がガス冷媒となるように設定される、請求項6に記載のヒートポンプシステム。
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