JPWO2017061461A1 - 急性腎障害の予防または抑制用医薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、急性腎障害を予防又は抑制するための新規な医薬として、アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する、急性腎障害を治療又は予防するための医薬を提供する。また、本発明は、急性腎障害を予防又は抑制するための新規な方法として、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤と組み合わせて、アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む、急性腎障害の予防または抑制方法を提供する。

Description

本発明はアンジオテンシン2型受容体(以下、AT受容体と記す)アゴニスト又はその薬理的に許容される塩を有効成分とする、急性腎障害を予防または抑制するための新規な医薬組成物に関する。本発明はまた、急性腎障害の新規な予防若しくは抑制方法に関する。
腎不全とは、正常腎が行っている排泄機構を主体とする腎機能が障害された状態をいい、その機能低下の進行速度の違いによって、急性腎不全(acute renal failure;ARF)と慢性腎不全(chronic renal failure;CRF)に大別される。
慢性腎不全は、高血圧や糖尿病等の原因により、長期間かけて徐々に腎機能が低下する病態である。慢性腎不全になると腎機能の回復は期待できず、現時点では慢性腎不全の有効な治療法はないため、その進行を遅らせ、合併症を予防する治療が主となる。慢性腎不全が進行し末期腎不全に移行すると、人工透析または腎臓移植が必要となる。
これに対し、急性腎不全は、短期間のうちに急激に腎機能が低下することによって、高窒素血症、電解質異常、尿毒症症状などが認められる病態であり、重篤な場合は生命の危険にさらされることから透析療法が導入される。急性腎不全は、慢性腎不全と異なり、その原因を除去することにより腎機能の回復を期待することができ、重症化を防ぐためには早期発見が重要となる。
また、これまで急性腎不全は様々な定義がなされ、統一した診断基準がなかったため、従来の概念を統一し、早期段階の腎障害または腎機能低下を含めた診断を可能とすべく、近年、急性腎障害(acute kidney disease;AKI)という概念が提案されている。急性腎障害の診断基準として提案されたAKIN分類では、(1)48時間以内に発生した血清クレアチニン上昇が0.3mg/dl以上、または(2)血清クレアチニン値が48時間以内に50%以上上昇、および(3)尿量が0.5ml/kg/時間以下が6時間以上持続する場合を急性腎障害と定義されている(非特許文献1)。
急性腎障害は様々な要因によって起こるものであり、なかでも、多くの癌化学療法における中心的薬剤として使用されている白金系抗腫瘍剤(シスプラチン等)の投与により、尿細管上皮細胞への障害による急性腎障害等の副作用として発生する。特に、シスプラチンでは用量依存的に腎障害が増加するため、腎障害発現時にはシスプラチンの用法・用量は制限されている。そのため、臨床においては、急性腎障害の発現を予防または抑制するために、シスプラチンの投与前後において大量の生理食塩水投与や輸液が行われているのが現状であるが、急性腎障害を完全に予防または抑制することは困難である。
ところで、生体内では、アンジオテンシノーゲンがレニンを介してアンジオテンシンIに変換され、それがアンジオテンシン変換酵素(ACE)等の変換酵素により、強力で多彩な生理作用を有するアンジオテンシンII(AngII)に変換される。
このAngIIが結合する受容体として、アンジオテンシン1型受容体(以下、AT受容体と記す)、及びAT受容体が同定されている。従来から良く知られている昇圧・血管収縮などのAngIIの作用は、主として古典的なAT受容体を介するものと理解されてきた。一方、AT受容体の機能としては、多くの細胞・組織においてAT受容体と拮抗して働き、降圧、細胞増殖抑制、肥大抑制、アポトーシス促進、細胞外基質産生阻害など、主として病態の発症、及び進展を阻止する方向に働く事が近年解明されている。また、AT受容体は胎児期に広範囲・高レベルに発現されるが、その発現レベルは生後急速に減少する。しかしながら、血管障害、心筋梗塞後の心血管リモデリングなどの病態下では、組織特異的に再発現することが知られる様になり、各種疾患の発症、及び進展の阻止に関わるAT受容体の重要性が注目されている。
AT受容体を賦活化する事によって予測される一般的な薬理作用は、de Gasparoらの論文でも報告されており(非特許文献2)、AT受容体アゴニストの医薬用途として、各種疾患に対する治療又は予防効果が期待される。対象疾患としては、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(以下、RAASと記す)が関与する多くの疾患群、例えば代謝・循環器系疾患などが考えられ、脳梗塞、腎疾患、心疾患、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム等が挙げられる。
これまでに非ペプチド性のAT受容体アゴニストとして、3−フェニル−2−チオフェンスルホンアミドもしくはビフェニルスルホンアミド化合物が開示されている(非特許文献3、4、特許文献1〜9)。これらの非特許文献もしくは特許文献記載化合物は、いずれもビスアリール構造とスルホンアミド基等の組み合わせが特徴である。
また、3−フェニル−2−チオフェンスルホンアミド構造を有し、AT受容体アゴニスト作用を有する化合物21(C21)が抗炎症作用を示し、腎臓への治療効果を有することが記載されている(非特許文献5)。ヒト腎細胞に、内毒素であるLPSを作用させた場合でも、C21を作用させることにより、TNF-α、IL-6の濃度が低下することが記載されている(非特許文献6)。また、マウス慢性腎不全モデルにおいて、AT受容体の欠損により腎臓の損傷を悪化させることから、AT受容体の活性化が慢性腎不全の治療に有用であることが示唆されている(非特許文献7)。しかしながら、これら文献には、AT受容体と急性腎障害の関係は何ら記載されていない。
一方、マロン酸スルホンアミド誘導体も、AT受容体アゴニストとして知られており、腎疾患等の治療または予防に用いられることが記載されているが(特許文献10)、急性腎障害の予防または抑制については開示されていない。
さらに、マロン酸スルホンアミド誘導体は除草剤として知られているが(特許文献11)、無置換マロン酸スルホンアミド誘導体であり、マロン酸構造の2位に置換基を有するマロン酸スルホンアミド誘導体のAT受容体アゴニストに関連する言及はない。
国際公開第02/096883号パンフレット 国際公開第06/109058号パンフレット 国際公開第03/064414号パンフレット 国際公開第04/046128号パンフレット 国際公開第04/046137号パンフレット 国際公開第04/085420号パンフレット 国際公開第06/109056号パンフレット 国際公開第06/109058号パンフレット 国際公開第04/046141号パンフレット 国際公開第2008/156142号パンフレット インド特許第178290号
Critical Care 2008, 12:R110 Pharmacol. Rev., 52, 415-472(2000) J. Med. Chem., 47, 5995-6008(2004) J. Med. Chem., 49, 7160-7168(2006) Journal of Hypertension, 2009, 27(12), 2444-2451 Hypertension 61; 1218-1226 (2013) Kidney International 2009, 75, 1039-1049
本発明は、急性腎障害、なかでも抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤により誘発される急性腎障害を予防または抑制するための新規な医薬組成物等を提供することを主な課題とする。また、本発明は、急性腎障害、なかでも抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤により誘発される急性腎障害の新規な予防若しくは抑制方法を提供することも課題とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、AT受容体リガンド、特にAT受容体アゴニストが、AT受容体に作用することによって、急性腎障害を効果的に予防または抑制できることを見出し、この知見に基づき、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、〔1〕AT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、急性腎障害の予防又は抑制するための医薬に関する。
また、本発明は、〔2〕急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である前記〔1〕に記載の医薬に関する。
また、本発明は、〔3〕抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤が、白金系抗腫瘍剤である前記〔2〕に記載の医薬に関する。
また、本発明は、〔4〕AT型受容体アゴニストが、下記一般式(I)
[式中、R12は2-ナフチル、トランス-β-スチリル、フェネチル、3-フェノキシプロピル、または4-フェニルブチルを示し;
R13、R14のいずれか一方は水素原子を示し、残りの一方はイソプロピル、イソブチル、ネオペンチル、アリル、-CH2-R16{式中、R16は置換されていてもよいC3-10シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロサイクル、または-CO-NR5R6(式中、R5及びR6は、同一又は異なって水素原子、C1-6アルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを示し、あるいは、R5とR6はそれらが結合する窒素原子とともに、置換されていてもよい環状アミノを形成してもよい。)を示す。}、-(CH2)2-R16’(式中、R16’はシアノ、またはC1-6アルコキシを示す。)、または-(CH2)n-Ar2(式中、nは1から3の整数を示し、Ar2は置換されたフェニルまたは置換されていてもよいヘテロアリールを示す。)を示し、あるいは、R13とR14はそれらが結合する炭素原子とともに、下式
を形成してもよく;
R15はジ(C1-6アルキル)アミノまたは下式
(式中、Zは水素原子、ハロゲン原子またはトリフルオロメチルを示し、Yは窒素原子またはCHを示し、R17はエチル、イソプロピル、または3-ペンチルを示す。ただし、Yが窒素原子の場合、Zは水素原子を示す。)を示す。]で表されるマロン酸スルホンアミド誘導体またはその薬理学的に許容される塩である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の医薬に関する。
また、本発明は、〔5〕アンジオテンシン2型受容体アゴニストが、
N, N-ジエチル-2-{4-[(2, 6-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-[4-(ベンゾイルアミノ)ベンジル]-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(3-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2, 4-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(4-メチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)-2-{4-[(2-チエノイル)アミノ]ベンジル}マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2-フロイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-6-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)-2-{4-[(2-ピリジルカルボニル)アミノ]ベンジル}マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-4-クロロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-クロロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-4, 5-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-4-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-メチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
2-(4-フルオロベンジル)-N-イソプロピル-N-(3-ピリジル)-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
2-アリル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-フェネチルスルホニルマロンアミド、
N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S または 2R)-2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-((E)-2-スチリルスルホニル)マロンアミド、
2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-フェネチルスルホニルマロンアミド、および
2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド
から選択されるいずれかであるマロン酸スルホンアミド誘導体またはその薬理的に許容される塩である前記〔4〕に記載の医薬に関する。
〔6〕本発明は、AT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩ならびに抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤との組み合わせ医薬に関する。
〔7〕本発明は、AT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩ならびに抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤を有効成分とする急性腎障害の予防または抑制するための医薬組成物に関する。
〔8〕また、本発明は、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤と組み合わせて使用する、急性腎障害を予防または抑制するための、AT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩を含有する医薬組成物に関する。
〔9〕本発明は、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤と組み合わせて、AT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む、急性腎障害の予防または抑制方法に関する。
〔10〕さらに、本発明は、AT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む、急性腎障害の予防または抑制方法に関する。
〔11〕本発明は、急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、前記〔10〕に記載の、方法に関する。
〔12〕本発明は、急性腎障害の予防又は抑制に使用するための、AT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩に関する。
〔13〕本発明は、急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、前記〔12〕に記載のアンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩に関する。
〔14〕本発明は、急性腎障害の予防又は抑制用医薬製造のためのAT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の使用に関する。
〔15〕本発明は、急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、前記〔14〕に記載の使用に関する。
〔16〕本発明は、急性腎障害を予防又は抑制するためのAT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の使用に関する。
〔17〕本発明は、急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、前記〔16〕に記載の使用に関する。
抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤(特にシスプラチン)の使用により急性腎障害が発現すると投薬量の減量や抗腫瘍剤の変更等を行わなければならず、臨床においては抗腫瘍効果と副作用および安全性のバランスを考慮した治療を余儀なくされているのが現状である。
本発明の医薬ならびに予防又は抑制方法等は、急性腎障害、なかでも抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤及びそれらの代謝産物により誘発される急性腎障害を効果的に予防又は抑制できるという優れた効果を有する。特に、本発明の医薬、及び予防又は抑制方法等は、AT受容体アゴニスト作用によって、急性腎障害を効果的に予防又は抑制できるものである。
抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の投与前に本発明の医薬を投与することにより、大量の輸液等を使用することなく急性腎障害を軽減することが期待でき、同時に、投薬量を減量することなく治療効果の高い抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の継続投与を行うことができる。
したがって、本発明の医薬ならびに予防又は抑制方法等を使用することにより、急性腎障害のリスクを回避しながら、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の効果を最大限に発揮させる癌治療を行うことが可能となる。
図1は、シスプラチン(CDDP)誘発急性腎障害抑制試験において、CDDPの注入及び/又は化合物A〜Cの経口摂取を行った場合のCDDP投与後72時間後の尿中アルブミン/クレアチニン比を表すグラフである。 図2は、シスプラチン(CDDP)誘発急性腎障害抑制試験において、CDDPの注入及び/又は化合物A〜Cの経口摂取を行った場合のCDDP投与後72時間後の血中の尿素窒素(BUN)を表すグラフである。 図3は、AT受容体欠損マウスにおけるシスプラチン(CDDP)誘発急性腎障害抑制試験において、CDDPの注入及び/又は化合物Cの経口摂取を行った場合のCDDP投与後72時間後の尿中アルブミン/クレアチニン比を表すグラフである。 図4は、AT受容体欠損マウスにおけるシスプラチン(CDDP)誘発急性腎障害抑制試験において、CDDPの注入及び/又は化合物Cの経口摂取を行った場合のCDDP投与後72時間後の血中の尿素窒素(BUN)を表すグラフである。
本発明におけるAT受容体アゴニストとしては、国際公開WO2008/156142号パンフレット、国際公開WO2002/096883号パンフレット等に記載の化合物があげられ、好ましくは国際公開WO2008/156142号パンフレットに記載の下記化合物(I)があげられる。
一般式(I)
[式中、R12は2-ナフチル、トランス-β-スチリル、フェネチル、3-フェノキシプロピル、または4-フェニルブチルを示し;
R13、R14のいずれか一方は水素原子を示し、残りの一方はイソプロピル、イソブチル、ネオペンチル、アリル、-CH2-R16{式中、R16は置換されていてもよいC3-10シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロサイクル、または-CO-NR5R6(式中、R5及びR6は、同一又は異なって水素原子、C1−6アルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを示し、あるいは、R5とR6はそれらが結合する窒素原子とともに、置換されていてもよい環状アミノを形成してもよい。)を示す。}、-(CH2)2-R 16’(式中、R16’はシアノ、またはC1−6アルコキシを示す。)、または-(CH2)n-Ar2 (式中、nは1から3の整数を示し、Ar2は置換されたフェニルまたは置換されていてもよいヘテロアリールを示す。)を示し、あるいは、R13とR14はそれらが結合する炭素原子とともに、下式
を形成してもよく;
R15はジ(C1-6アルキル)アミノまたは下式
(式中、Zは水素原子、ハロゲン原子またはトリフルオロメチルを示し、Yは窒素原子またはCHを示し、R17はエチル、イソプロピル、または3-ペンチルを示す。ただし、Yが窒素原子の場合、Zは水素原子を示す。)を示す。]で表される、マロン酸スルホンアミド誘導体、またはその薬理学的に許容される塩。
ここで、上記一般式(I)における各置換基について詳述する。
C1-6アルキルとは、炭素数1ないし6の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等が挙げられる。
C2-6アルケニルとは、炭素数2ないし6であって、1つ以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状不飽和炭化水素基を意味し、例えば、ビニル、アリル、1-プロペニル、イソプロペニル、2-ブテニル、1,3-ブタジエニル、2-メチル-2-プロペニル、プレニル、イソペンテニル、2-ヘキセニル等が挙げられる。
C2-6アルキニルとは、炭素数2ないし6であって、1つ以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状不飽和炭化水素基を意味し、例えば、エチニル、2-プロピニル、2-ブチニル、3-ブチニル、3-ペンチニル、5-ヘキシニル等が挙げられる。
C1-6アルコキシとは、上記「C1-6アルキル」と同義であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
C3-10シクロアルキルとは、炭素数3ないし10の環状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。また該シクロアルキルは、ベンゼン環と縮合し、インダン(例えば、インダン-1-イル、インダン-2-イル等)、テトラヒドロナフタレン(例えば、テトラヒドロナフタレン-5-イル、テトラヒドロナフタレン-6-イル等)等を形成してもよい。
C3-10シクロアルキルC1-6アルキルとは、上記「C1-6アルキル」に上記「C3-10シクロアルキル」が置換した基を意味する。、該「C1-6アルキル」は炭素数1ないし3のアルキルであることが好ましく、例えばシクロプロピルメチル、2-シクロブチルエチル、3-シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルメチル、2-シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルメチル等が挙げられる。
アリールとは、好ましくは炭素数6ないし14の芳香族炭化水素基を意味し、例えばフェニル、ナフチル等が挙げられる。尚、該基には、オルト融合した二環式の基で8ないし10個の環原子を有し少なくとも一つの環が芳香環であるもの(例えばインデニル等)等が含まれる。
アリールC1-6アルキルとは、上記「C1-6アルキル」に上記「アリール」が置換した基を意味し、例えばベンジル、ベンゾヒドリル、フェネチル、1-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、6-フェニルヘキシル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2-(1-ナフチル)エチル、2-(2-ナフチル)エチル、3-(2-ナフチル)プロピル、4-(2-ナフチル)ブチル等が挙げられる。
アリールC2-6アルケニルとは、上記「C2-6アルケニル」に上記「アリール」が置換した基を意味する。該「C2-6アルケニル」は炭素数2ないし4のアルケニルであることが好ましく、例えばトランス-β-スチリル、シンナミル、3-(1-ナフチル)-2-プロペニル、3-(2-ナフチル)-2-プロペニル等が挙げられる。
ヘテロアリールとは、炭素原子以外に、酸素原子、硫黄原子又は/及び窒素原子から選ばれる1個以上(好ましくは1ないし4個)のヘテロ原子を含有する芳香族基を意味する。該基には、5又は6員の単環式基、又はそれから誘導される8ないし10個の環原子を有するオルト融合した二環式基(特にベンゾ誘導体)、及び、プロペニレン、トリメチレン若しくはテトラメチレンをそれに融合して導かれるもの、並びにその安定なN-オキシド等が含まれる。該基としては、例えば、ピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、1,3,5-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、ピリジル(2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル)、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾロピリジル、イミダゾピリダジニル、チアナフテニル、イソチアナフテニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、クロメニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、2,1,3-ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、プテリジニル等が挙げられる。
ヘテロアリールC1-6アルキルとは、上記「C1-6アルキル」に上記「ヘテロアリール」が置換した基を意味する。該「C1-6アルキル」は炭素数1ないし5のアルキルであることが好ましく、例えば2-ピリジルメチル、3-ピリジルメチル、4-ピリジルメチル、2-(2-ピリジル)エチル、2-(3-ピリジル)エチル、2-(4-ピリジル)エチル、3-(2-ピリジル)プロピル、3-(3-ピリジル)プロピル、3-(4-ピリジル)プロピル、2-チエニルメチル、3-チエニルメチル、2-(2-チエニル)エチル、3-(2-チエニル)プロピル、4-ピラゾリルメチル、2-(4-ピラゾリル)エチル、3-(4-ピラゾリル)プロピル、2-チアゾリルメチル、4-チアゾリルメチル、5-チアゾリルメチル、2-(2-チアゾリル)エチル、3-(2-チアゾリル)プロピル、2-(4-チアゾリル)エチル、3-(4-チアゾリル)プロピル、2-(5-チアゾリル)エチル、3-(5-チアゾリル)プロピル、2-オキサゾリルメチル、4-オキサゾリルメチル、5-オキサゾリルメチル、2-(2-オキサゾリル)エチル、3-(2-オキサゾリル)プロピル、2-(4-オキサゾリル)エチル、3-(4-オキサゾリル)プロピル、2-(5-オキサゾリル)エチル、3-(5-オキサゾリル)プロピル、4-(1,2,3-トリアゾリル)メチル、5-テトラゾリルメチル、2-(5-テトラゾリル)エチル、1-イミダゾリルメチル、2-(1-イミダゾリル)エチル、6-ベンゾオキサゾリルメチル、1-ベンゾイミダゾリルメチル等が挙げられる。
ヘテロサイクルとは、窒素原子、酸素原子または/および硫黄原子等から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する環状炭化水素基を意味する。該基は、非芳香族性であって、飽和又は部分不飽和であってもよい。該基には、単環だけでなく、スピロ環も含有され、4ないし7員の単環基又は10又は11員のスピロ環基が好ましい。該基としては、例えばアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、1,4-ジアゼパニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、シクロペンタンスピロ‐4’-ピペリジニル等が挙げられる。
さらに、上記ヘテロサイクルには芳香環が縮合していてもよい。該縮合環としては、例えば、インドリニル、イソインドリニル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル、スピロ[インダン-1, 4’-ピペリジン]-1’-イル等が挙げられる。
環状アミノとは、少なくとも1個の窒素原子を含有する環状炭化水素基であって、該窒素原子が基の結合手である基を意味する。該環は、前記窒素原子の他に、例えば、さらなる窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個含有していてもよい。該基は、非芳香族性であって、飽和又は部分不飽和であってもよい。該基には、単環だけでなく、スピロ環も含有され、4ないし7員の単環基又は10又は11員のスピロ環基が好ましい。該基としては、例えばアゼチジノ、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、1,4-ジアゼパン-1-イル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジノ、テトラヒドロイミダゾリノ、シクロペンタンスピロ‐4’-ピペリジノ等が挙げられる。
さらに、上記環状アミノには芳香環が縮合していてもよい。該縮合環としては、例えば、インドリノ、イソインドリノ、1,2,3,4-テトラヒドロキノリノ、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリノ、スピロ[インダン-1, 4’-ピペリジン]-1’-イル等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「置換されていてもよいC3-10シクロアルキル」、「置換されていてもよいヘテロサイクル」、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」及び「置換されていてもよい環状アミノ」における置換基としては、以下に示す置換基群Aから選択される1〜3個の置換基等が挙げられる。複数の置換基の場合は、それらは同一又は異なっていてもよい。
置換基群A:ハロゲン原子(前記と同義)、水酸基、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-6アルキル(前記と同義)、C2-6アルケニル(前記と同義)、C2-6アルキニル(前記と同義)、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C3-10シクロアルキル(前記と同義)、C3-10シクロアルキルC1-6アルキル(前記と同義)、アリール(前記と同義)、アリールオキシ、アリールC1-6アルキル(前記と同義)、アリールC2-6アルケニル(前記と同義)、アリールC2-6アルキニル、ヘテロアリール(前記と同義)、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールC1-6アルキル(前記と同義)、ヘテロサイクル(前記と同義)、オキソ、-COORa、-CH2COORa、-OCH2COORa、-CONRbRc、-CH2CONRbRc、-OCH2CONRbRc、-COO(CH2)2NReRf、-CONRdSO2T1、-NReRf、-NRgCHO、-NRgCOT2、-NRgCOOT2、-NRgCONRiRj、-NRhSO2T3、-NHC(=NH)NH2、-COT2、-SO2T3、メチレンジオキシ、及びエチレンオキシ。
なお、上記置換基はさらに、置換基群Bから選択される1〜3個の置換基を、置換可能な位置に有していてもよい。複数の置換基の場合は、それらは同一又は異なっていてもよい。
置換基群B:ハロゲン原子(前記と同義)、水酸基、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1-6アルキル(前記と同義)、C2-6アルケニル(前記と同義)、C2-6アルキニル(前記と同義)、C1-6アルコキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C3-10シクロアルキル(前記と同義)、C3-10シクロアルキルC1-6アルキル(前記と同義)、アリール(前記と同義)、アリールオキシ、アリールC1-6アルキル(前記と同義)、アリールC2-6アルケニル(前記と同義)、アリールC2-6アルキニル、ヘテロアリール(前記と同義)、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールC1-6アルキル(前記と同義)、ヘテロサイクル(前記と同義)、オキソ、-COORa、-CH2COORa、-OCH2COORa、-CONRbRc、-CH2CONRbRc、-OCH2CONRbRc、-COO(CH2)2NReRf、-CONRdSO2T1、-NReRf、-NRgCHO、-NRgCOT2、-NRgCOOT2、-NRgCONRiRj、-NRhSO2T3、-NHC(=NH)NH2、-COT2、-SO2T3、メチレンジオキシ、及びエチレンオキシ。
ここで、C1-6アルコキシの「C1-6アルキル」部は、上記「C1-6アルキル」と同義であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
C1-6アルキルチオの「C1-6アルキル」部は、上記「C1-6アルキル」と同義であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等が挙げられる。
C1-6アルキルスルフィニルの「C1-6アルキル」部は、上記「C1-6アルキル」と同義であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル等が挙げられる。
アリールオキシのアリール部は上記「アリール」と同義であり、例えばフェノキシ、1-ナフトキシ、2-ナフトキシ等が挙げられる。
アリールC2-6アルキニルとは、上記「C2-6アルキニル」に上記「アリール」が置換した基を意味する。該「C2-6アルキニル」は炭素数2ないし4のアルキニルであることが好ましく、例えばフェニルエチニル等が挙げられる。
ヘテロアリールオキシの「ヘテロアリール」部は上記「へテロアリール」と同義であり、例えば2-ピリジルオキシ、2-ベンゾチアゾリルオキシ等が挙げられる。
また、Ra〜Rjは、それぞれ水素原子、C1-6アルキル(前記と同義)、アリール(前記と同義)、アリールC1-6アルキル(前記と同義)、ヘテロアリール(前記と同義)、またはヘテロアリールC1-6アルキル(前記と同義)を示し、これらの基はさらに、置換基群Aから選択される1〜3個の置換基を、置換可能な位置に有していてもよい。
なお、-NRbRc、-NReRf、-NRiRjにおけるRbとRc、ReとRf、RiとRjは、それらが結合する窒素原子とともに、環状アミノ(前記と同義)を形成してもよく、この環状アミノはさらに、置換基群Aから選択される1〜3個の置換基を、置換可能な位置に有していてもよい。また-NReRfが形成する環状アミノは、オキソを有する環状アミノ(例えば2-ピロリジノン-1-イル、1-オキソイソインドリン-2-イル、スクシンイミド、オキサゾリジン-2-オン-3-イル、2-ベンゾオキサゾリノン-3-イル、フタルイミド、4-キナゾリノン-3-イル等)を含む。
T1〜T3は、それぞれC1-6アルキル(前記と同義)、C2-6アルケニル(前記と同義)、C2-6アルキニル(前記と同義)、C3-10シクロアルキル(前記と同義)、C3-10シクロアルキルC1-6アルキル(前記と同義)、アリール(前記と同義)、アリールC1-6アルキル(前記と同義)、ヘテロアリール(前記と同義)、ヘテロアリールC1-6アルキル(前記と同義)、環状アミノ(前記と同義)、又はヘテロサイクル(前記と同義)を示し、これらの基はさらに、置換基群Aから選択される1〜3個の置換基を置換可能な位置に有していてもよく、例えば、置換基群Aから選択される1〜3個の置換基を有するアリール又はヘテロアリールとしては、2-アミノフェニル、2-アミノ-5-フルオロフェニル、2-アミノ-6-フルオロフェニル、2-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、5-クロロ-2-ピリジル等が挙げられる。
本発明の有効成分におけるAT受容体アゴニストとしては、特に、国際公開WO2008/156142号パンフレットに記載の以下の実施例化合物1〜588が好ましい。
下記において、MeOはメトキシ基を、phはフェニル基を、TFAはトリフルオロ酢酸を示す。
本発明の有効成分におけるAT受容体アゴニストとしては、とりわけ、以下の化合物またはその薬理的に許容しうる塩が好ましい。
N, N-ジエチル-2-{4-[(2, 6-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-[4-(ベンゾイルアミノ)ベンジル]-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(3-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2, 4-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(4-メチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)-2-{4-[(2-チエノイル)アミノ]ベンジル}マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2-フロイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-6-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)-2-{4-[(2-ピリジルカルボニル)アミノ]ベンジル}マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-4-クロロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-クロロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-4, 5-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-4-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-メチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
2-(4-フルオロベンジル)-N-イソプロピル-N-(3-ピリジル)-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
2-アリル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-フェネチルスルホニルマロンアミド、
N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
(2S または 2R)-2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-((E)-2-スチリルスルホニル)マロンアミド、
2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-フェネチルスルホニルマロンアミド、または
2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド。
本発明のAT受容体アゴニストにおける薬理学的に許容される塩としては、無機酸付加塩(例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等との塩)、有機酸付加塩(例えば、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、クエン酸、マロン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、マンデル酸、リンゴ酸、パントテン酸、メチル硫酸等との塩)、無機塩基付加塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等との塩)、アミノ酸との塩(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、リジン等との塩)等が挙げられる。
本発明で使用されるAT受容体アゴニストまたはその薬理学的に許容される塩は、多形(polymorphism)を示すこともあり、分子内に不斉炭素を含む場合には光学異性体、立体異性体が存在しうる。また、本発明は水和物、溶媒和物を包含する。更に、不飽和結合の存在や、置換基の種類、pHなどに依存して一より多くの互変異性体として存在することができる。従って、本発明は、上記のようないかなる立体異性体、光学異性体、多形体、互変異性体、及びそれらの任意の混合物等をも含有するものである。
本発明で使用されるAT受容体アゴニストまたはその薬理的に許容される塩は、公知の方法により製造することができ、例えば、一般式(I)またはその薬理的に許容される塩は国際公開WO2008/156142号パンフレットに記載された方法により製造することができる。
本発明の医薬は、上述したAT受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含むものであればよいが、有効成分以外に公知の薬理学的に許容し得る不活性担体、賦形剤、希釈剤などを含んでもよい。急性腎障害の予防若しくは抑制方法においては、上記AT受容体アゴニストを含む医薬を患者に投与することが好ましい。
本発明の医薬の投与量は、投与ルート、対象疾患、患者の症状、体重あるいは年齢等によっても異なり、また投与目的に応じて適宜設定することができる。通常、成人に経口投与する場合の用量は、AT受容体アゴニストとして、0.01〜1000mg/kg体重/日、より好ましくは、0.05〜500mg/kg体重/日であり、適宜設定した用量を一日1回ないし数回に分けて投与するのが好ましい。
本発明の医薬又は予防若しくは抑制方法等は、急性腎障害を発症しうる薬剤、例えば、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の少なくとも一つ(なかでもシスプラチン等の白金系抗腫瘍剤)の投与前または投与中(好ましくは、投与前)の患者に投与することにより、より効率的に悪性腫瘍の治療に伴う急性腎障害の予防または抑制を行うことができる。
本発明の医薬は、上記抗癌剤/抗腫瘍剤(例えば、シスプラチン等の白金系抗腫瘍剤)の少なくとも一つと別々に投与することができ、本発明の医薬の剤形及び投与経路は特に限定されず、患者の状況に合わせて、1種または2種以上の経口剤または非経口剤を選択することができる。また、本発明の医薬は、投与方法に応じた投与期間を適用して、本発明の医薬を使用することができる。
本発明の医薬又は治療若しくは予防方法等は、他の通常用いられる抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の少なくとも一つと組み合わせて用いることにより、急性腎障害のリスクを回避して、より効率的に悪性腫瘍の治療を行うことができ、本発明にはこのような抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤との併用療法も包含される。かかる併用療法の形態としては、例えば、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の投与前または投与中(好ましくは、投与前)の患者に対し、本発明の医薬を投与する形態が挙げられる。本発明の医薬は、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤による治療前または治療中に併せて適宜投与することで、当該抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤による治療の効率を上げること、及び治療予後を改善することができる。
本発明の医薬は、通常用いられる抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の少なくとも一つとともに使用することにより、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤による悪性腫瘍の治療を効果的に行うことができる。
本発明は、前記医薬ならびに抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤を有効成分とする悪性腫瘍の治療剤も包含する。
本発明は、前記医薬を含有する、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤との併用による悪性腫瘍の治療剤も包含する。また、本発明は、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤を含有する、前記医薬との併用による悪性腫瘍の治療剤も包含する。
本発明は、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤による悪性腫瘍を治療するための医薬の製造における前記医薬の使用も包含する。
本発明は、前記医薬を患者に投与することを含む、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤による悪性腫瘍を治療する方法も包含する。
本発明の医薬を抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤とともに(組み合わせて又は併用して)用いる場合、抗癌剤及び抗腫瘍剤の投与量は特に限定されず、薬剤の種類、疾患(悪性腫瘍)の種類、個体(患者)の年齢、体重、症状の程度及び投与経路など応じて設定すればよく、通常使用される用量で使用することができる。
本発明の医薬を抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤とともに(組み合わせて又は併用して)用いる場合、本発明の医薬の投与量は、疾患(悪性腫瘍)の種類、個体(患者)の年齢、体重、症状の程度及び投与経路などによっても異なり、適宜選択すればよい。AT受容体アゴニストは、例えば、1日あたり、約0.01〜1000mg/kg、好ましくは0.05〜500mg/kgで、適宜設定した投与量(又は用量)を1日1回ないし数回に分けて投与(例えば、経口投与)することが好ましい。
本発明の医薬を抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤とともに用いる場合、当該医薬は、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤を投与する前(又は投与に先立って)に投与するのが好ましい。なお、本発明の医薬は、少なくとも抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤を投与する前に投与していればよく、その後、治療に必要な期間継続して投与することができる。
通常、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤投与開始の約1日以上前(例えば、3日以上前)、好ましくは1週間以上前、さらに好ましくは約10日以上前から、本発明の医薬を投与(又は医薬の投与を開始)してもよい。また、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤投与の終了後、約1日以上(例えば、3日以上)、好ましくは1週間以上、好ましくは約10日以上、本発明の医薬の投与を継続するのが好ましい。
抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤(例えば、シスプラチン等の白金系抗腫瘍剤)を投与する場合、本発明の医薬として、患者の状況に合わせて、1種または2種以上の経口剤または非経口剤を選択することができ、経口剤および非経口剤の2種以上を組み合わせて使用することもできる。
抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤(例えば、シスプラチン等の白金系抗腫瘍剤)を投与する場合、本発明の医薬を同時または別々に投与することができる。
かかる組み合わせにおける本発明の医薬は、通常、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤投与開始の約1週間以上前、好ましくは約10日以上前から、本発明の医薬の投与を開始し、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤投与の終了後、約1週間以上後、好ましくは約10日以上後迄、投与を継続するのが好ましい。
かかる組み合わせにおける本発明の医薬の剤形及び投与経路は特に限定されず、患者の状況に合わせて、1種または2種以上の経口剤または非経口剤を選択することができ、経口剤および非経口剤の2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の医薬と共に用いられる抗癌剤及び抗腫瘍剤としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、抗腫瘍性植物成分、BRM(生物学的応答性制御物質)、ホルモン、ビタミン、抗腫瘍性抗体、分子標的薬、白金系抗腫瘍剤、その他の抗癌剤及び抗腫瘍剤等が挙げられる。なかでも、本発明の医薬と共に用いられる抗癌剤及び抗腫瘍剤としては、白金系抗腫瘍剤が好ましい。
より具体的に、アルキル化剤としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、ナイトロジェンマスタードN − オキシド若しくはクロラムブチル等のアルキル化剤;カルボコン若しくはチオテパ等のアジリジン系アルキル化剤;ディブロモマンニトール若しくはディブロモダルシトール等のエポキシド系アルキル化剤;カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ニムスチンハイドロクロライド、ストレプトゾシン、クロロゾトシン若しくはラニムスチン等のニトロソウレア系アルキル化剤;ブスルファン、トシル酸インプロスルファン又はダカルバジン等が挙げられる。
各種代謝拮抗剤としては、例えば、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン若しくはチオイノシン等のプリン代謝拮抗剤;フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、カルモフール、ドキシフルリジン、ブロクスウリジン、シタラビン若しくはエノシタビン等のピリミジン代謝拮抗剤;メトトレキサート若しくはトリメトレキサート等の葉酸代謝拮抗剤等が挙げられる。
抗腫瘍性抗生物質としては、例えば、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ペプロマイシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、ドキソルビシン、ピラルビシン、THP−アドリアマイシン、4’−エピドキソルビシン若しくはエピルビシン等のアントラサイクリン系抗生物質抗腫瘍剤;クロモマイシンA3又はアクチノマイシンD等が挙げられる。
抗腫瘍性植物成分としては、例えば、ビンデシン、ビンクリスチン若しくはビンブラスチン等のビンカアルカロイド類;パクリタキセル、ドセタキセル等のタキサン類;又はエトポシド若しくはテニポシド等のエピポドフィロトキシン類が挙げられる。
BRMとしては、例えば、腫瘍壊死因子又はインドメタシン等が挙げられる。
ホルモンとしては、例えば、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プラステロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、オキシメトロン、ナンドロロン、メテノロン、ホスフェストロール、エチニルエストラジオール、クロルマジノン又はメドロキシプロゲステロン等が挙げられる。
ビタミンとしては、例えば、ビタミンC又はビタミンA等が挙げられる。
抗腫瘍性抗体、分子標的薬としては、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ、デノスマブ、ベバシズマブ、インフリキシマブ、メシル酸イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ等が挙げられる。
白金系抗腫瘍剤としては、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン等が挙げられる。なかでも、シスプラチンが好ましい。
その他の抗癌剤又は抗腫瘍剤としては、例えば、タモキシフェン、カンプトテシン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、L−アスパラギナーゼ、アセクラトン、シゾフィラン、ピシバニール、プロカルバジン、ピポブロマン、ネオカルチノスタチン、ヒドロキシウレア、ウベニメクス又はクレスチン等が挙げられる。
本発明の医薬を抗癌剤又は/及び抗腫瘍剤と組み合わせて投与する場合、当該医薬及び抗癌剤又は/及び抗腫瘍剤は、単一製剤中に含有されていてもよく、それぞれ異なる製剤の有効成分として含有されていてもよい。
本発明の医薬を抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤とともに用いる場合、当該医薬と抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤の組み合わせは特に限定されない。本発明の医薬と組み合わされる白金系抗腫瘍剤は、好ましくはシスプラチンである。
本発明において、複数の有効成分又は薬剤が「組み合わせて投与される」とは、ある一定期間において、被投与対象が、組み合わせられる全ての有効成分又は薬剤をその体内に取り込むことを意味する。全ての有効成分が単一製剤中に含まれた製剤(いわゆる、配合剤)として投与されてもよく、またそれぞれの有効成分が別々に製剤化され、別々にそれらの全てが投与(いわゆる、併用投与)されても良い。別々に製剤化される場合、その投与の時期は特に限定されず、同時に投与されてもよく、時間を置いて異なる時間に、又は、異なる日に、投与されても良い。複数の有効成分が、それぞれ異なる時間又は日に投与される場合、有効成分の投与の順番は特に限定されない。通常、それぞれの製剤は、それぞれの投与方法に従って投与されるため、それらの投与は、同一回数となる場合もあり、異なる回数となる場合もある。また、それぞれの有効成分が別々に製剤化される場合、各製剤の投与方法(投与経路)は同じであってもよく、異なる投与方法(投与経路)で投与されてもよい。また、全ての有効成分が同時に体内に存在する必要は無く、ある一定期間(例えば一ヶ月間、好ましくは1週間、さらに好ましくは数日間、さらにより好ましくは1日間)の間に、全ての有効成分が体内に取り込まれていればよく、一つの有効成分の投与時に別の有効成分が体内から消失していてもよい。
以下、実施例を用いて、本発明を具体的に説明する。実施例に示されたものは、本発明の実施形態の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例において使用される実験材料の入手方法及び調製方法は次の通りである。
シスプラチン(CDDP)はシス-ジアミン白金(II) ジクロリド(シグマ社)又はシスプラチン点滴静注剤(日医工ファーマ)を使用した。尿素窒素の測定キットは、ドライケム(富士ドライケムスライドBUN-PIII、富士フィルム)を使用した。血中クレアチニンの測定キットは、ドライケム(富士ドライケムスライドCRE-PIII、富士フィルム)を使用した。尿中クレアチニンの測定キットは、化学反応分析キット(The Creatinine Companion、Exocell社)を使用した。尿中アルブミンの測定キットは、ELISAキット(Albuwell M、Exocell社)を使用した。
AT受容体アゴニストとしては、以下の化合物を使用した。
化合物A:N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド
化合物B:(2S)-2-{4-[(2-アミノ-4-クロロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド
化合物C:(2S)−2−[4−(ベンゾイルアミノ)ベンジル]−N,N−ジエチル−N’−(2−ナフチルスルホニル)マロンアミド
<実施例1>CDDP誘発急性腎障害モデルにおける急性腎障害抑制作用
8〜9週齢の雄性C57BL/6マウス(n=7〜14)にシスプラチン(CDDP) 15 mg/kg(病態群)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS、コントロール群)を15 mL/kgの容量で腹腔内投与した。化合物A又は化合物Cは30mg/kg/日の用量となるように、また化合物Bは45mg/kg/日の用量となるように、それぞれ調整された0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液(0.2mg/mL)を実験開始3日前から経口摂取させ、実験を行い、化合物A〜Cの対照群には同容量の0.5% CMC水溶液を投与した。CDDP投与72時間後、セボフルラン麻酔下で腹部を切開し、シリンジを用いて腹部大静脈より全採血を行った。血液は遠心分離し、上清(血清)を採取した。血漿は-20〜-80℃で保存した。なお、解剖直前にマウスより随時尿を採取した。
測定キットを使用して、血清尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン(Cr),尿中アルブミン(Alb)および尿中Crを測定し、尿中Alb/Cr比を算出した。その結果を図1および図2に示す。
図1および図2から、シスプラチン(CDDP)投与により急性腎障害が発症したが、化合物A〜Cは、CDDPによる急性腎障害を有意に抑制したことがわかる。
<実施例2>AT受容体欠損マウスにおけるCDDP誘発急性腎障害抑制作用
8〜12週齢の雄性AT受容体欠損マウス(n=3又は5〜7)にシスプラチン(CDDP) 15 mg/kg(病態群)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS、コントロール群)を30 mL/kgの容量で腹腔内投与した。
化合物Cを30mg/kg/日の用量となるように調整された0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)水溶液(0.2mg/mL)を実験開始3日前から経口摂取させ、実験を行った。コントロール群には同容量の0.5% CMC水溶液を投与した。
CDDP投与72時間後、セボフルラン麻酔下で腹部を切開し、シリンジを用いて腹部大静脈より全採血を行った。血液は遠心分離し、上清(血清)を採取した。血清は-20〜-80℃で保存した。なお、解剖直前にマウスより随時尿を採取した。
測定キットを使用して、尿中アルブミン(Alb)および尿中Crを測定し、これより尿中Alb/Cr比を算出すると共に、血清尿素窒素(BUN)を測定した。その結果を図3(尿中Alb/Cr比)および図4(BUN)に示す。
図3および図4から、AT受容体欠損マウスでは、シスプラチン(CDDP)投与により急性腎障害が発症し、化合物Cを投与しても、CDDPによる急性腎障害を抑制することはできなかった。
実験例1及び実験例2の結果から、AT受容体アゴニストである化合物CがAT受容体自体に作用することにより、急性腎障害を抑制していると考えられることから、AT受容体アゴニストをAT受容体に作用させることよって、急性腎障害を予防、治療することができると考えられる。
本発明は、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤に伴う急性腎障害を予防又は抑制することができる優れた医薬であり、医療分野等において有用である。

Claims (17)

  1. アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、急性腎障害の予防又は抑制するための医薬。
  2. 急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である請求項1に記載の医薬。
  3. 抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤が、白金系抗腫瘍剤である請求項2に記載の医薬。
  4. アンジオテンシン2型受容体アゴニストが、下記一般式(I)
    [式中、R12は2-ナフチル、トランス-β-スチリル、フェネチル、3-フェノキシプロピル、または4-フェニルブチルを示し;
    R13、R14のいずれか一方は水素原子を示し、残りの一方はイソプロピル、イソブチル、ネオペンチル、アリル、-CH2-R16{式中、R16は置換されていてもよいC3-10シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロサイクル、または-CO-NR5R6(式中、R5及びR6は、同一又は異なって水素原子、C1-6アルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを示し、あるいは、R5とR6はそれらが結合する窒素原子とともに、置換されていてもよい環状アミノを形成してもよい。)を示す。}、-(CH2)2-R 16’(式中、R16’はシアノ、またはC1-6アルコキシを示す。)、または-(CH2)n-Ar2(式中、nは1から3の整数を示し、Ar2は置換されたフェニルまたは置換されていてもよいヘテロアリールを示す。)を示し、あるいは、R13とR14はそれらが結合する炭素原子とともに、下式
    を形成してもよく;
    R15はジ(C1-6アルキル)アミノまたは下式
    (式中、Zは水素原子、ハロゲン原子またはトリフルオロメチルを示し、Yは窒素原子またはCHを示し、R17はエチル、イソプロピル、または3-ペンチルを示す。ただし、Yが窒素原子の場合、Zは水素原子を示す。)を示す。]で表されるマロン酸スルホンアミド誘導体またはその薬理学的に許容される塩である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬。
  5. アンジオテンシン2型受容体アゴニストが、
    N, N-ジエチル-2-{4-[(2, 6-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-[4-(ベンゾイルアミノ)ベンジル]-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(3-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2, 4-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(4-メチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)-2-{4-[(2-チエノイル)アミノ]ベンジル}マロンアミド、
    (2S)-N, N-ジエチル-2-{4-[(2-フロイル)アミノ]ベンジル}-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノ-6-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)-2-{4-[(2-ピリジルカルボニル)アミノ]ベンジル}マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノ-4-クロロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-クロロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノ-4, 5-ジフルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノ-4-フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S)-2-{4-[(2-アミノ-5-メチルベンゾイル)アミノ]ベンジル}-N, N-ジエチル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    2-(4-フルオロベンジル)-N-イソプロピル-N-(3-ピリジル)-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
    2-アリル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
    N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-((E)-スチリルスルホニル)マロンアミド、
    N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-フェネチルスルホニルマロンアミド、
    N-(4-フルオロフェニル)-2-イソブチル-N-イソプロピル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド、
    (2S または 2R)-2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-((E)-2-スチリルスルホニル)マロンアミド、
    2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-フェネチルスルホニルマロンアミド、および
    2-シクロプロピルメチル-N-(4-フルオロフェニル)-N-イソプロピル-N’-(2-ナフチルスルホニル)マロンアミド
    から選択されるいずれかであるマロン酸スルホンアミド誘導体またはその薬理的に許容される塩である請求項4に記載の医薬。
  6. アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩ならびに抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤との組み合わせ医薬。
  7. アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩ならびに抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤を有効成分とする急性腎障害の予防または抑制するための医薬組成物。
  8. 抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤と組み合わせて使用する、急性腎障害を予防または抑制するための、アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩を含有する医薬組成物。
  9. 抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤と組み合わせて、アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む、急性腎障害の予防または抑制方法。
  10. アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の有効量を患者に投与することを含む、急性腎障害の予防または抑制方法。
  11. 急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、請求項10に記載の、方法。
  12. 急性腎障害の予防又は抑制に使用するための、アンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩。
  13. 急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、請求項12に記載のアンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩。
  14. 急性腎障害の予防又は抑制用医薬製造のためのアンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の使用。
  15. 急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、請求項14に記載の使用。
  16. 急性腎障害を予防又は抑制するためのアンジオテンシン2型受容体アゴニスト又はその薬理的に許容される塩の使用。
  17. 急性腎障害が、抗癌剤及び/又は抗腫瘍剤誘発急性腎障害である、請求項16に記載の使用。
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