JPWO2017061431A1 - ソリスロマイシンを含む錠剤 - Google Patents

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Abstract

ソリスロマイシン、崩壊剤および疎水性滑沢剤を含む錠剤は、服薬コンプライアンスに優れ、溶出性が優れる。

Description

本発明は、溶出性に優れるソリスロマイシンを含む錠剤に関する。
ソリスロマイシン(Solithromycin)は、優れた抗菌活性を示すマクロライド系抗菌剤である(特許文献1)。ソリスロマイシンは、特に、マクロライド耐性の肺炎球菌およびマイコプラズマに対し強い抗菌活性を示すと共に、比較的高い免疫調整作用(抗炎症作用)を有する。
ソリスロマイシンを含む医薬組成物として、1錠中にソリスロマイシン200mgを含む錠剤が知られている(特許文献2)。
また、ソリスロマイシンは、難溶性の弱塩基性物質である(特許文献3)。従って、日本薬局方第1液(pH1.2、人工胃液)のような酸性溶液では比較的溶解度は高くなるが、一般に薬物吸収が起こりやすい小腸上部と同じ弱酸性媒体では溶解度は低下する。そのような媒体中で優れた溶出性、たとえば、pH5の媒体中での15分後の溶出率が85%以上を示すことは、高い生物学的利用能を得る上で重要である。
難溶性薬物の経口固形製剤の溶出性を改善する方法として、たとえば、薬物の微粒子化および結合剤による表面改質など(非特許文献1および2)が知られている。
一方、飲みやすい円形錠剤の大きさは直径7〜8mmであること、飲みやすい楕円形錠剤の大きさは長径9mmであることが報告されている(非特許文献3)。大きな錠剤は、小児、嚥下困難な患者はもちろん、通常の成人患者にとって、抵抗感や圧迫感のため服用しづらく、服薬コンプライアンスの低下を引き起こす。
錠剤を小型化するためには、錠剤中の薬物の含有率を上げる必要があるが、これが、溶出率の低下につながることが知られている(特許文献4および5)。
錠剤の製造には、粉体の流動性を高めるため、また、粉体の装置への付着を防ぐため、滑沢剤が用いられる。しかし、滑沢剤は、多量に配合すると、錠剤硬度および溶出性に影響を及ぼす恐れがある(非特許文献4)。そのため、通常、滑沢剤は、滑沢性を持たせるための必要最小量を処方される。また、滑沢剤が疎水性の場合、一般的使用量より多く用いることにより、溶出性が損なわれることが、知られている(非特許文献5および6)。
国際公開第2004/080391号パンフレット 特許第5711352号公報 特表2015-512413号公報 特開平8−325146号公報 特許第4567640号公報
医薬品製造における《最新》剤形・処方設計ノウハウ集(技術情報協会、東京)140頁、2005年 製剤の達人による製剤技術の伝承 上巻 経口投与製剤の製剤設計と製造法(じほう、東京)5頁、2013年 医療薬学(Jpn. J. Pharm. Health Care Sci.)、第32巻、842〜848頁、2006年 経口投与製剤の処方設計、橋田充編(薬業時報社、東京)、105頁、1998年 European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics、75巻、1〜15頁、2010年 粉体の圧縮成型技術、粉体工学会・製剤と粒子設計部会編(日刊工業新聞社、東京)、189頁、1998年
特許文献2に記載されている錠剤のソリスロマイシンの含有率は、約54%であり、錠剤質量は370mgである。本発明者らがこの処方に従って円形錠剤を製造したところ、製造された錠剤の直径は9.5mm以上となり、服薬コンプライアンスの低下を引き起こす恐れのある大きさであった。また、上記円形錠剤の溶出性は十分でなく、本発明者らは、溶出性改善のため、薬物の微粒子化および結合剤による表面改質を試みたが、十分な効果は得られなかった。
これまでに、大きさが服用し易い大きさであり、溶出性が優れるソリスロマイシンを含む錠剤は知られていない。
本発明の課題は、服薬コンプライアンスに優れ、溶出性が優れるソリスロマイシンの錠剤を提供することにある。
このような状況下において、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、驚くべきことに、通常、溶出性向上のためには使用されず、増量使用すれば溶出遅延の問題を生じ、滑沢性を持たせるための最小量を処方しなければならないとされている疎水性滑沢剤を一般的使用量より多く用いることにより、ソリスロマイシン、崩壊剤および疎水性滑沢剤を含む錠剤が、特許文献2に記載されている錠剤より高含率でソリスロマイシンを含有しても優れた溶出性を示すことを見出し、本発明を完成した。本発明の錠剤は、優れた溶出性を維持したままさらに小型化することができ、服薬コンプライアンスに優れる。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
[1] ソリスロマイシン、崩壊剤および疎水性滑沢剤を含む錠剤であって、(1)ソリスロマイシンの含有率が、錠剤質量に対して60〜90%であり、(2)崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムである、錠剤。
[2] 疎水性滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上である、[1]に記載の錠剤。
[3] 疎水性滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、[1]に記載の錠剤。
[4] ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して0.6〜10%である、[3]に記載の錠剤。
[5] ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して1〜10%である、[3]に記載の錠剤。
[6] 疎水性滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上である、[1]に記載の錠剤。
[7] さらに、流動化剤、結合剤および賦形剤を含む、[1]〜[6]のいずれか一に記載の錠剤。
[8] 流動化剤が、二酸化ケイ素である、[7]に記載の錠剤。
[9] 二酸化ケイ素が、軽質無水ケイ酸である、[8]に記載の錠剤。
[10] ソリスロマイシン、崩壊剤、疎水性滑沢剤、流動化剤、結合剤および賦形剤を含む錠剤であって、(1)ソリスロマイシンの含有率が、錠剤質量に対して60〜90%であり、(2)崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムであり、(3)疎水性滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであり、(4)流動化剤が、軽質無水ケイ酸であり、(5)結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースであり、(6)賦形剤が、結晶セルロースおよびエリスリトールから選ばれる一種または二種である、錠剤。
[11] ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して0.6〜10%である、[10]に記載の錠剤。
[12] ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して1〜10%である、[10]に記載の錠剤。
[13] 錠剤が、フィルムコーティング錠である、[1]〜[12]のいずれか一に記載の錠剤。
本発明の錠剤は、服薬コンプライアンスに優れ、溶出性が優れるソリスロマイシンを含む錠剤として有用である。
本発明について以下に詳述する。
本発明において、特に断らない限り、%は、質量%である。
HLB値とは、親水−親油バランス(hydrophile-lipophile balance)値を意味する。
<錠剤>
本発明の錠剤とは、素錠およびフィルムコーティング錠を意味する。
フィルムコーティング錠とは、素錠に高分子化合物などのコーティング剤で剤皮を施した錠剤を意味する。
本発明の錠剤は、ソリスロマイシン、崩壊剤および疎水性滑沢剤を含む。
また、本発明の錠剤は、添加物を含むことができる。
添加物としては、たとえば、結合剤、流動化剤、賦形剤、コーティング剤、可塑剤、矯味剤、着色剤および着香剤などが挙げられ、結合剤、流動化剤および賦形剤が好ましい。
本発明の錠剤に含まれるソリスロマイシンの量は、特に限定されない。
本発明の錠剤の大きさは、たとえば、ソリスロマイシンの含量が200mgである円形錠剤の場合、直径が7.5〜9.5mmであり、厚さが4〜6mmであればよく、直径が8.5〜9.5mmであり、厚さが4.5〜5.5mmであることが好ましい。
本発明の錠剤を投与する場合、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択できるが、通常、薬効を発揮しうる量を1日、1回から数回に分割して投与すればよい。通常成人に対して、ソリスロマイシンとして、1日、200〜2000mgを1回から数回に分割して投与すればよい。
<ソリスロマイシン>
本発明の錠剤に使用されるソリスロマイシンは、たとえば、特許文献1に記載の方法に従って製造することができる。本発明の錠剤に使用されるソリスロマイシンとしては、たとえば、フリー体、塩および水和物が挙げられ、それらの種々の結晶形を用いることが好ましい。
ソリスロマイシンの含有率は、錠剤質量に対して60〜90%であることが好ましく、70〜85%であることがより好ましい。
ソリスロマイシンの塩としては、通常知られている塩基性基における塩が挙げられる。
塩基性基の塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素、リン酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸およびクエン酸などの有機カルボン酸との塩ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などが挙げられる。好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
<崩壊剤>
本発明の錠剤に使用される崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウムが挙げられる。クロスカルメロースナトリウムとしては、たとえば、Ac-Di-Sol(FMC BioPolymer)、プリメロース(DFE pharma)、キッコレートND-200(ニチリン化学工業)およびキッコレートND-2HS(ニチリン化学工業)などが挙げられる。
崩壊剤の含有率は、錠剤質量に対して2〜20%であればよく、2.5〜15%であることが好ましく、5〜12.5%であることがより好ましい。
崩壊剤は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができ、造粒末内および造粒末外の両方に配合することが好ましい。
<疎水性滑沢剤>
本発明の錠剤に使用される疎水性滑沢剤としては、たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルアルコール、ステアリン酸、タルク、硬化油、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上が挙げられ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上が好ましい。
より好ましい疎水性滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウムが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムに、さらに他の疎水性滑沢剤を併用してもよい。
ステアリン酸マグネシウムの含有率は、錠剤質量に対して0.6〜10%であることが好ましく、1〜10%であることがより好ましく、1.5〜8%であることがさらに好ましく、2〜6%であることが特に好ましい。
本発明の別の態様として、より好ましい疎水性滑沢剤としては、ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上が挙げられる。ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上に、さらに他の疎水性滑沢剤を併用してもよい。
ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖に脂肪酸を結合させて得られる物質である。従って、ショ糖脂肪酸エステルの物理的化学的性質は、ショ糖1分子に結合する脂肪酸の種類と数によって影響を受ける。本発明に使用されるショ糖脂肪酸エステルは、HLB値によって選択することができる。
本発明に使用されるショ糖脂肪酸エステルは、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルである。
HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルとしては、たとえば、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステルおよびショ糖エルカ酸エステルが挙げられる。
好ましいショ糖脂肪酸エステルとしては、HLB値が1〜8であるショ糖脂肪酸エステルが挙げられ、HLB値が2〜4であるショ糖脂肪酸エステルがより好ましい。
HLB値が2〜4であるショ糖脂肪酸エステルとしては、たとえば、リョートーシュガーエステルS-270(三菱化学フーズ製)、リョートーシュガーエステルS-370F(三菱化学フーズ製)、リョートーシュガーエステルS-370FU(三菱化学フーズ製)およびリョートーシュガーエステルB-370F(三菱化学フーズ製)が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンに脂肪酸を結合させて得られる物質である。従って、グリセリン脂肪酸エステルの物理的化学的性質は、グリセリン1分子に結合する脂肪酸の種類と数によって影響を受ける。本発明に使用されるグリセリン脂肪酸エステルは、HLB値によって選択することができる。
本発明に使用されるグリセリン脂肪酸エステルは、HLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルである。
HLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルとしては、たとえば、グリセリンモノラウリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステルおよびグリセリンモノベヘン酸エステルが挙げられる。
好ましいグリセリン脂肪酸エステルとしては、HLB値が3〜5であるグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
HLB値が3〜5であるグリセリン脂肪酸エステルとしては、たとえば、リケマールS-100P(理研ビタミン製)、レオドールMS-50(花王製)、レオドールMS-60(花王製)、Kolliwax GMSII(BASFジャパン製)、リケマールOL-100(E)(理研ビタミン製)、リケマールXO-100(理研ビタミン製)およびリケマールB-100(理研ビタミン製)が挙げられる。
ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上の含有率は、錠剤質量に対して1〜10%であることが好ましく、2〜8%であることがより好ましく、4〜6%であることがさらに好ましい。
疎水性滑沢剤は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができ、一部の疎水性滑沢剤または全部の疎水性滑沢剤を造粒末外に配合することが好ましい。
<結合剤>
本発明の錠剤は、結合剤を含むことが好ましい。
本発明の錠剤に使用される結合剤としては、たとえば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、メチルセルロースおよびポビドンなどから選ばれる一種または二種以上が挙げられ、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポビドンから選ばれる一種または二種が好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
結合剤の含有率は、錠剤質量に対して0.2〜15%であればよく、0.5〜10%であることが好ましく、1〜5%であることがより好ましい。
結合剤の添加方法としては、そのまま添加する方法および/または水溶液として添加する方法が挙げられる。
<流動化剤>
本発明の錠剤は、流動化剤を含むことが好ましい。
本発明の錠剤に使用される流動化剤としては、たとえば、二酸化ケイ素が挙げられる。
二酸化ケイ素としては、たとえば、重質無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸および含水二酸化ケイ素などが挙げられ、軽質無水ケイ酸が好ましい。
流動化剤の含有率は、錠剤質量に対して0.1〜15%であればよく、0.2〜5%であることが好ましく、0.5〜3%であることがより好ましい。
流動化剤は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができ、造粒末内および造粒末外の両方に配合することが好ましい。
<賦形剤>
本発明の錠剤は、賦形剤を含むことが好ましい。
本発明の錠剤に使用される賦形剤としては、たとえば、デンプン類、セルロース類、糖類、糖アルコール類、シクロデキストリン類、無機塩および有機酸塩類などから選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
デンプン類としては、たとえば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、デキストリン、部分アルファー化デンプンおよびアルファー化デンプンなどが挙げられる。
セルロース類としては、たとえば、エチルセルロース、微結晶セルロース、粉末セルロースおよび結晶セルロースなどが挙げられる。
糖類としては、たとえば、トレハロース、白糖、粉糖、乳糖、デキストラン、プルランおよびブドウ糖などが挙げられる。
糖アルコール類としては、たとえば、還元麦芽糖水アメ、エリスリトール、マンニトール、キシリトールおよびソルビトールなどが挙げられる。
シクロデキストリン類としては、たとえば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリンナトリウムなどが挙げられる。
無機塩としては、たとえば、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびリン酸水素カルシウムなどが挙げられる。
有機酸塩類としては、たとえば、クエン酸カルシウムなどが挙げられる。
好ましい賦形剤としては、セルロース類および糖アルコール類から選ばれる一種または二種以上が挙げられ、結晶セルロース、エリスリトールおよびキシリトールから選ばれる一種または二種以上がより好ましく、結晶セルロースおよびエリスリトールから選ばれる一種または二種がさらに好ましく、結晶セルロースおよびエリスリトールを組み合せることが特に好ましい。
賦形剤の使用量は、特に限定されず、目的に応じて必要な量を適宜配合すればよい。
賦形剤は、造粒末内および/または造粒末外に配合することができる。
本発明の好ましい態様の一つとしては、以下の錠剤が挙げられる。
ソリスロマイシン、崩壊剤、疎水性滑沢剤、流動化剤、結合剤および賦形剤を含む錠剤であって、(1)ソリスロマイシンの含有率が、錠剤質量に対して60〜90%であり、(2)崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムであり、(3)疎水性滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであり、(4)流動化剤が、軽質無水ケイ酸であり、(5)結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースであり、(6)賦形剤が、結晶セルロースおよびエリスリトールから選ばれる一種または二種である、錠剤。
<コーティング剤>
本発明のフィルムコーティング錠に使用されるコーティング剤としては、たとえば、高分子化合物、可塑剤、着色剤、滑沢剤および光沢化剤などから選ばれる一種または二種以上が挙げられる。
高分子化合物としては、たとえば、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体およびポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフト共重合体などが挙げられ、ヒプロメロースが好ましい。
可塑剤としては、たとえば、クエン酸トリエチル、フタル酸ジブチル、マクロゴール(ポリエチレングリコール)、トリアセチン、グリセロールモノカプリルカプレート、レシチンおよびプロピレングリコールなどが挙げられる。
着色剤としては、たとえば、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、食用赤色102号、食用黄色4号および食用黄色5号などが挙げられる。
滑沢剤としては、たとえば、タルクなどが挙げられる。
光沢化剤としては、たとえば、カルナウバロウ、サラシミツロウおよびミツロウなどが挙げられる。
高分子化合物、可塑剤、着色剤、滑沢剤および光沢化剤の使用量は、特に限定されず、目的に応じて必要な量を適宜配合すればよい。
<添加物>
本発明の錠剤および造粒末は、本発明の効果を害さない範囲で、通常、錠剤に使用される添加物を含むことができる。
添加物としては、たとえば、矯味剤、着香剤、界面活性剤および消泡剤などが挙げられる。
矯味剤としては、たとえば、アスパルテーム、サッカリン、ステビア、ソーマチンおよびアセスルファムカリウムなどが挙げられる。
着香剤としては、たとえば、オレンジ油、レモン油、ハッカ油およびパインオイルなどの精油;オレンジエッセンスおよびペパーミントエッセンスなどのエッセンス;チェリーフレーバー、バニラフレーバーおよびフルーツフレーバーなどのフレーバー;アップルミクロン、バナナミクロン、ピーチミクロン、ストロベリーミクロンおよびオレンジミクロンなどの粉末香料;バニリン;ならびにエチルバニリンなどが挙げられる。
界面活性剤としては、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリソルベート類およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
消泡剤としては、たとえば、シリコン消泡剤およびシリコン樹脂エマルジョンなどが挙げられる。
これらの添加物は、一種または二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの添加物の配合量は、特に限定されず、それぞれの目的に応じて必要な量を適宜配合すればよい。
<製造方法>
本発明の錠剤は、たとえば、湿式造粒法または乾式造粒法によりソリスロマイシンを含む造粒末を製造した後、崩壊剤、疎水性滑沢剤および必要に応じて賦形剤などを加え、打錠用混合末を製造し、打錠することにより、製造することができる。この製造には、所望により、さらに、結合剤、流動化剤および他の添加物を加えてもよい。
フィルムコーティング錠は、素錠に高分子化合物などのコーティング剤で剤皮を施すことにより製造することができる。
乾式造粒法としては、たとえば、ローラーコンパクティング法およびスラッギング法などが挙げられる。
湿式造粒法としては、高速撹拌造粒法、湿式破砕造粒法、転動造粒法、押し出し造粒法、流動層造粒法ならびに流動層造粒および転動造粒を組み合わせたものが挙げられ、流動層造粒法が好ましい。
崩壊剤の添加方法としては、たとえば、(1)ソリスロマイシンおよび添加物の混合末に崩壊剤を添加し、湿式造粒により造粒末を製する方法、(2)湿式造粒で得られた造粒末に添加物とともに崩壊剤を添加する方法、ならびに、(3)(1)および(2)の方法を併用する方法などが挙げられる。
疎水性滑沢剤の添加方法としては、たとえば、通常の滑沢剤を添加する方法が挙げられる。具体的には、ソリスロマイシンおよび添加物の混合末から湿式造粒により得られた造粒末に添加物とともにあるいは疎水性滑沢剤のみを添加する方法が挙げられる。
流動化剤の添加方法としては、たとえば、(1)ソリスロマイシンおよび添加物の混合末に流動化剤を添加した後、湿式造粒により造粒末を製造する方法、(2)ソリスロマイシンおよび添加物の混合末に、流動化剤および結合剤の溶液を添加し、湿式造粒により造粒末を製造する方法、(3)湿式造粒から得られた造粒末に流動化剤を添加する方法、ならびに、(4)(1)、(2)および(3)の方法より二種以上を併用する方法などが挙げられる。
本発明の錠剤は、pH5.0酢酸塩緩衝液(0.05mol/L)での溶出試験にて、15分後における溶出率が85%以上であればよい。
本発明の錠剤の有用性を以下の試験例、実施例、参考例および比較例で説明するが、本発明はこれらにより、限定されるものではない。
特に記載のない場合、表中の数値は、各処方成分の質量%である。
フィルムコーティング剤として、フィルムコーティング剤A(ヒプロメロース2910、79.25%;タルク、10.00%;酸化チタン、10.00%;黄色三二酸化鉄、0.75%)を使用した。
ソリスロマイシンは、特許文献2に開示されるI型結晶形を用いた。
各略号は、以下の意味を有する。
HPC−SSL:ヒドロキシプロピルセルロース(分子量40,000)
HPC−SL:ヒドロキシプロピルセルロース(分子量100,000)
HPC−L:ヒドロキシプロピルセルロース(分子量140,000)
試験例1
試料として、実施例1および比較例1〜7の錠剤を使用した。これらの錠剤は、崩壊剤の種類を変えて製造された錠剤である。
溶出試験は、第16改正日本薬局方溶出試験法(パドル法)によって行った。パドルの回転数は、50rpmとした。pH5.0酢酸塩緩衝液(0.05mol/L)(以下、「pH5.0緩衝液」と記載することもある。)900mLに試料を投入し、15分後に試験溶液を採取し、ソリスロマイシンの溶出率(%)を吸光度法により求めた(以下、「15分溶出率」と記載することもある。)
結果を以下に示す。
pH5.0緩衝液の調製法
0.05mol/L酢酸ナトリウム水溶液および0.05mol/L酢酸を混和し、pH5.0に調整した。
Figure 2017061431
崩壊剤として、クロスカルメロースナトリウムを配合した錠剤(実施例1)の15分溶出率は92%であった。実施例1の錠剤は、優れた溶出性を示した。
一方、クロスカルメロースナトリウム以外の崩壊剤を配合した錠剤(比較例1〜7)の15分溶出率は、80%未満であった。比較例1〜7の錠剤の溶出性は劣った。
崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウムを配合することにより、ソリスロマイシンを含み、優れた溶出性を示す錠剤の製造が可能になった。
試験例2
試料として、実施例2〜4および参考例1の錠剤を使用した。これらの錠剤は、疎水性滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)の配合量を変えて製造された錠剤である。
錠剤の溶出試験は、試験例1と同様に行った。ただし、5分後および10分後にも試験溶液を採取し、ソリスロマイシンの溶出率(%)を求めた。
結果を以下に示す。
Figure 2017061431
ステアリン酸マグネシウムの含有率は、通常、錠剤質量に対して、0.5%前後の値であることが多い。
ステアリン酸マグネシウムの含有率が0.5%である錠剤(参考例1)の15分溶出率は、84%であった。
一方、ステアリン酸マグネシウムの含有率が、1%以上である錠剤(実施例2〜4)の15分溶出率は、90%以上であった。実施例2〜4の錠剤は、優れた溶出性を示した。
また、ステアリン酸マグネシウムの含有率が増加するに従い、5分溶出率も増加した。ステアリン酸マグネシウムの含有率は、溶出率に相関していることが認められた。
通常、ステアリン酸マグネシウムを増量すると、溶出が遅延するという問題が生じるため、ステアリン酸マグネシウムは必要最小量を使用することが多い。しかし、驚くべきことに、本発明の錠剤においては、ステアリン酸マグネシウムを増量することにより、溶出性が向上するという予想外の効果が見出された。
試験例3
試料として、実施例2および比較例8〜10の錠剤を使用した。これらの錠剤は、滑沢剤の種類を変えて製造された錠剤である。
錠剤の溶出試験は、試験例1と同様に行った。
結果を以下に示す。
Figure 2017061431
親水性滑沢剤であるフマル酸ステアリルナトリウムを配合した錠剤(比較例8〜10)の15分溶出率は、80%未満であった。滑沢剤としてフマル酸ステアリルナトリウムを用いた場合、含有率を増加させても、溶出率は向上しなかった。
一方、ステアリン酸マグネシウムを配合した錠剤(実施例2)は、優れた溶出性を示した。
試験例4
試料として、実施例2および5〜7の錠剤を使用した。これらの錠剤は、結合剤の種類および軽質無水ケイ酸の添加方法を変えて製造された錠剤である。
錠剤の溶出試験は、試験例1と同様に行った。
結果を以下に示す。
Figure 2017061431
いずれの錠剤も、優れた溶出性を示した。
試験例5
試料として、実施例8〜13ならびに比較例11および12の錠剤を使用した。比較例11および12の錠剤は、特許文献2に記載された処方の錠剤である。
錠剤の溶出試験は、試験例1と同様に行った。
結果を以下に示す。
Figure 2017061431
比較例11および12の公知処方の錠剤のソリスロマイシン含有率は54%であり、錠剤質量は、370mgである。この錠剤質量では、直径が8.5mmの円形錠剤を製造することは難しく、適切な錠剤の直径は9.5〜10mmであった。比較例の錠剤の15分溶出率は、80%未満であった。
一方、ソリスロマイシン含有率が74%である実施例8〜13において、崩壊剤の含有率を比較例と同じにして、その添加方法を前末のみ、前末と後末の両方および後末のみ(比較例同様)に添加しても、さらに、打錠圧を変化させても、本発明の錠剤は15分溶出率がすべて95%以上の優れた溶出性を示した。
本発明の錠剤は、公知の錠剤よりもソリスロマイシンの含有率が高いにも拘らず、優れた溶出性を示した。本発明の効果は公知の錠剤と比較して顕著で明確であった。
試験例6
試料として、実施例14〜16のフィルムコーティング錠を使用した。
錠剤の溶出試験は、試験例1と同様に行った。
結果を以下に示す。
Figure 2017061431
いずれのフィルムコーティング錠も優れた溶出性を示した。
試験例7
試料として、実施例17〜19および比較例13の錠剤を使用した。
実施例17は、滑沢剤がステアリン酸カルシウムである錠剤である。
実施例18は、滑沢剤がHLB値約3であるショ糖ステアリン酸エステルである錠剤である。
実施例19は、滑沢剤がHLB値3.8であるグリセリンモノステアリン酸エステルである錠剤である。
比較例13は、滑沢剤がHLB値約16であるショ糖ステアリン酸エステルである錠剤である。
錠剤の溶出試験は、試験例1と同様に行った。
結果を以下に示す。
Figure 2017061431
疎水性滑沢剤であるステアリン酸カルシウムを配合した錠剤は、優れた溶出性を示した。
疎水性滑沢剤であるHLB値約3であるショ糖ステアリン酸エステルを配合した錠剤は、優れた溶出性を示した。一方、親水性滑沢剤であるHLB値約16であるショ糖ステアリン酸エステルを配合した錠剤の溶出性は劣った。
ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、溶出性に大きな影響を与えた。
また、疎水性滑沢剤であるHLB値3.8であるグリセリンモノステアリン酸エステルを配合した錠剤は、優れた溶出性を示した。
試験例8
試料として、実施例20および参考例1の錠剤を使用した。これらの錠剤は、疎水性滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム)の配合量を変えて製造された錠剤である。
錠剤の溶出試験は、試験例1と同様に行った。
結果を以下に示す。
Figure 2017061431
ステアリン酸マグネシウムの含有率が0.7%である錠剤は、優れた溶出性を示した。
実施例1
ソリスロマイシン24.24g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)9.35g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)2.40gおよびラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、和光純薬工業製)0.20gを混合し、目開き500μmの篩で篩過した。この混合末に、10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/32、ISPジャパン製)水溶液16.02gを加えて造粒し、目開き850μmの篩で篩過し、40℃で送風乾燥した。乾燥終了後、目開き500μmの篩で篩過し、この末35.98gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)1.52g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.38gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを目開き500μmの篩を通して加え、30分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(タブフレックスTAB10、岡田精工製)にて、錠剤径9.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧15kNで打錠し、1錠330mgの円形の錠剤を得た。
実施例2
ソリスロマイシン185.28g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)10.56g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.56gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.01gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に流動造粒コーティング乾燥機(MP-01、パウレック製)にて、2.5%(w/w)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SSL、日本曹達製)水溶液400gを噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機(コーミルQC-U5、パウレック製)で篩過し、整粒末とした。この整粒末10.07gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.44g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.11gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠265mgの円形の錠剤を得た。
実施例3
実施例2の整粒末10.08gに、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.32gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを加え、実施例2と同様にして1錠270mgの円形の錠剤を得た。
実施例4
実施例2の整粒末10.01gに、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.54gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを加え、実施例2と同様にして1錠275mgの円形の錠剤を得た。
実施例5
ソリスロマイシン185.55g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)10.53g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.53gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.01gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に流動造粒コーティング乾燥機(MP-01、パウレック製)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SSL、日本曹達製)7.51g、軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)7.50gおよび精製水585.85gから調製した結合液400gを噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機(コーミルQC-U5、パウレック製)で篩過し、整粒末とした。この整粒末10.02gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.11gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠265mgの円形の錠剤を得た。
実施例6
ソリスロマイシン185.30g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)10.53g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.54gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.04gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に流動造粒コーティング乾燥機(MP-01、パウレック製)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SL、日本曹達製)7.50g、軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)7.52gおよび精製水585.61gから調製した結合液400gを噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機(コーミルQC-U5、パウレック製)で篩過し、整粒末とした。この整粒末10.05gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.11gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠265mgの円形の錠剤を得た。
実施例7
ソリスロマイシン185.43g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)10.54g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.54gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.05gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に流動造粒コーティング乾燥機(MP-01、パウレック製)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)7.50g、軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)7.51gおよび精製水585.55gから調製した結合液400gを噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機(コーミルQC-U5、パウレック製)で篩過し、整粒末とした。この整粒末10.05gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.11gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠265mgの円形の錠剤を得た。
実施例8
ソリスロマイシン29.65g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)2.89g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)2.89gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)2.00gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に、10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/K32、ISPジャパン製)水溶液12.09gおよび精製水1.04gを加えて造粒し、目開き850μmの篩で篩過した後、40℃で送風乾燥した。乾燥終了後、目開き500μmの篩で篩過し、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)1.14gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧6kNで打錠し、1錠270mgの円形の錠剤を得た。
実施例9
実施例8と同様にして、ソリスロマイシン29.66g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)2.89g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)2.89g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)1.21gおよび10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/K32、ISPジャパン製)水溶液12.03gを用い、造粒、乾燥および篩過を行った。さらにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.78g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)1.17gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを用い、実施例8と同様にして1錠270mgの円形の錠剤を得た。
実施例10
実施例8と同様にして、ソリスロマイシン29.66g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)2.89gエリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)2.88gおよび10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/K32、ISPジャパン製)水溶液12.03gを用い、造粒、乾燥および篩過を行った。さらにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)1.91g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)1.15gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを用い、実施例8と同様にして1錠270mgの円形の錠剤を得た。
実施例11
ソリスロマイシン29.65g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)2.89g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)2.89gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)2.00gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に、10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/K32、ISPジャパン製)水溶液12.09gおよび精製水1.04gを加えて造粒し、目開き850μmの篩で篩過した後、40℃で送風乾燥した。乾燥終了後、目開き500μmの篩で篩過し、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)1.14gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠270mgの円形の錠剤を得た。
実施例12
実施例11と同様にして、ソリスロマイシン29.66g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)2.89g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)2.89g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)1.21gおよび10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/K32、ISPジャパン製)水溶液12.03gを用い、造粒、乾燥および篩過を行った。さらにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.78g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)1.17gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを用い、実施例11と同様にして1錠270mgの円形の錠剤を得た。
実施例13
実施例11と同様にして、ソリスロマイシン29.66g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)2.89g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)2.88gおよび10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/K32、ISPジャパン製)水溶液12.03gを用い、造粒、乾燥および篩過を行った。さらにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)1.91g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)1.15gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを用い、実施例11と同様にして1錠270mgの円形の錠剤を得た。
実施例14
ソリスロマイシン8008.1g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)455.6g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)455.7gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)648.7gを整粒機(コーミルQC-197S、パウレック製)にて篩過した。篩過した末に流動造粒コーティング乾燥機(FD-GPCG-15、パウレック製)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SSL、日本曹達製)216.2g、軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)216.3gおよび精製水(小堺製薬製)16864gから調製した結合液を噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機で篩過し、整粒末とした。この整粒末8877.9gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)383.8g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)288.1gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)48.1gを目開き500μmの篩を通して加え、V型混合器(V-60、寿ミックスウェル製)にて30分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(AQUA0518SS2A III、菊水製作所製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠270mgの円形の錠剤を得た。この錠剤5452.1gを、錠剤コーティング機(DRC-500、パウレック製)にて、フィルムコーティング剤A243.0gおよび精製水2187.2gから調製したコーティング液を用い、フィルムコーティング量が錠剤1錠あたり8.1mgとなるようにフィルムコーティングした。続いて、1錠あたり0.08mgのカルナウバロウ(ポリシングワックス-105、フロイント産業製)により艶出し、フィルムコーティング錠を得た。
実施例15
ソリスロマイシン8007.9g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)509.6g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)509.4gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)648.7gを整粒機(コーミルQC-197S、パウレック製)にて篩過した。篩過した末に流動造粒コーティング乾燥機(FD-GPCG-15、パウレック製)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)216.3g、軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)216.3gおよび精製水(小堺製薬製)16864gから調製した結合液を噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機で篩過し、整粒末とした。この整粒末7650.2gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)327.4g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)163.7gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)40.9gを目開き500μmの篩を通して加え、V型混合器(V-60、寿ミックスウェル製)にて30分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(AQUA0518SS2A III、菊水製作所製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠270mgの円形の錠剤を得た。この錠剤5423.4gを、錠剤コーティング機(DRC-500、パウレック製)にて、フィルムコーティング剤A324.0gおよび精製水2916.4gから調製したコーティング液を用い、フィルムコーティング量が錠剤1錠あたり10.8mgとなるようにフィルムコーティングした。続いて、1錠あたり0.08mgのカルナウバロウ(ポリシングワックス-105、フロイント産業製)により艶出し、フィルムコーティング錠を得た。
実施例16
ソリスロマイシン8008.1g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)455.9g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)455.2gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)648.7gを整粒機(コーミルQC-197S、パウレック製)にて篩過した。篩過した末に流動造粒コーティング乾燥機(FD-GPCG-15、パウレック製)にて、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L、日本曹達製)216.3g、軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)216.4gおよび精製水(小堺製薬製)16867gから調製した結合液を噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機で篩過し、整粒末とした。この整粒末7871.9gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)340.3g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)255.3gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)42.6gを目開き500μmの篩を通して加え、V型混合器(V-60、寿ミックスウェル製)にて30分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(AQUA0518SS2A III、菊水製作所製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧12kNで打錠し、1錠270mgの円形の錠剤を得た。この錠剤4620.3gを、錠剤コーティング機(DRC-500、パウレック製)にて、フィルムコーティング剤A324.2gおよび精製水2917.3gから調製したコーティング液を用い、フィルムコーティング量が錠剤1錠あたりに10.8mgとなるようにフィルムコーティングした。続いて、1錠あたり0.08mgのカルナウバロウ(ポリシングワックス-105、フロイント産業製)により艶出し、フィルムコーティング錠を得た。
実施例17
実施例2と同様にして得られた整粒末10.01g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸カルシウム(Parteck LUB CST、メルク製)0.54gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを用い、実施例2と同様にして1錠275mgの円形の錠剤を得た。
実施例18
実施例2と同様にして得られた整粒末10.03g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ショ糖ステアリン酸エステル(リョートーシュガーエステルS-370FU、三菱化学フーズ製)0.54gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを用い、実施例2と同様にして1錠275mgの円形の錠剤を得た。
実施例19
実施例2と同様にして得られた整粒末10.01g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、グリセリンモノステアリン酸エステル(Kolliwax GMS II、BASFジャパン製)0.54gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを用い、実施例2と同様にして1錠275mgの円形の錠剤を得た。
実施例20
実施例2と同様にして得られた整粒末10.02gに、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.08gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを加え、実施例2と同様にして1錠264mgの円形の錠剤を得た。
参考例1
ソリスロマイシン185.28g、結晶セルロース(セオラス PH101、旭化成ケミカルズ製)10.56g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.56gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.01gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に流動造粒コーティング乾燥機(MP-01、パウレック製)にて、2.5%(w/w)のヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SSL、日本曹達製)水溶液400gを噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機(コーミルQC-U5、パウレック製)で篩過し、整粒末とした。この整粒末10.03gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.05gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠263mgの円形の錠剤を得た。
比較例1〜7
実施例1のクロスカルメロースナトリウムをそれぞれカルメロース(NS-300、五徳薬品製)、カルメロースカルシウム(ECG505、五徳薬品製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC LH-11、信越化学工業製)、カルボキシメチルスターチナトリウム(Primojel、DFE pharma製)、部分アルファー化デンプン(PCS PC-10、旭化成ケミカルズ製)、アルファー化デンプン(SWELSTAR PD-1、旭化成ケミカルズ製)またはクロスポビドン(ポリプラスドンXL-10、ISPジャパン製)に変え、実施例1と同様の操作により比較例1〜7の錠剤を製造した。
比較例8
ソリスロマイシン185.53g、結晶セルロース(セオラス PH101、旭化成ケミカルズ製)10.55g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.56gおよびクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.02gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に流動造粒コーティング乾燥機(MP-01、パウレック製)にて、3.3%(w/w)のヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SSL、日本曹達製)水溶液300gを噴霧し造粒した。造粒終了後、整粒機(コーミルQC-U5、パウレック製)で篩過し、整粒末とした。この整粒末20.00gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.86g、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA製)0.23gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.11gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径8.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧10kNで打錠し、1錠265mgの円形の錠剤を得た。
比較例9
比較例8と同様にして、ソリスロマイシン185.53g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)10.55g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.56g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.02gおよび3.3%(w/w)のヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SSL、日本曹達製)水溶液300gを用い、造粒および篩過し、整粒末を得た。この整粒末20.00gに、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.86g、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA製)0.65gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.11gを用い、比較例8と同様にして1錠270mgの円形の錠剤を得た。
比較例10
比較例8と同様にして、ソリスロマイシン185.28g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)10.56g、エリスリトール(エリスリトールT微粉、三菱化学フーズ製)10.56g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)15.01gおよび2.5%(w/w)のヒドロキシプロピルセルロース(HPC-SSL、日本曹達製)水溶液400gを用い、造粒および篩過し、整粒末を得た。この整粒末10.00gに、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、フマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA製)0.55gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを用い、比較例8と同様にして1錠275mgの円形の錠剤を得た。
比較例11
ソリスロマイシン21.61g、結晶セルロース(セオラスPH101、旭化成ケミカルズ製)7.20gおよびラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム、和光純薬工業製)0.40gを目開き500μmの篩で篩過した後、混合した。この混合末に、10%(w/w)ポビドン(Plasdone K29/K32、ISPジャパン製)水溶液12.07gを加えて造粒し、目開き850μmの篩で篩過した後、40℃で送風乾燥した。乾燥終了後、目開き500μmの篩で篩過し、マンニトール(Pearlitol 200SD、ROQUETTE製)6.96g、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)1.94g、ステアリン酸マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム、太平化学産業製)0.19gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.19gを目開き500μmの篩を通して加え、60分間混合した。この打錠用混合末を、打錠機(HT-P-18A、畑鉄工製)にて、錠剤径9.5mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧6kNで打錠し、1錠370mgの円形の錠剤を得た。
比較例12
比較例11で得られた打錠用混合末を錠剤径10.0mm、ダブルアール面の杵を用い、打錠圧6kNで打錠し、1錠370mgの円形の錠剤を得た。
比較例13
実施例2と同様にして得られた整粒末10.02gにクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol、FMC BioPolymer製)0.43g、ショ糖ステアリン酸エステル(リョートーシュガーエステルS-1670、三菱化学フーズ製)0.54gおよび軽質無水ケイ酸(AEROSIL200、日本アエロジル製)0.05gを用い、実施例2と同様にして1錠275mgの円形の錠剤を得た。
本発明の錠剤は、服薬コンプライアンスに優れ、溶出性が優れるソリスロマイシンの錠剤として有用である。

Claims (13)

  1. ソリスロマイシン、崩壊剤および疎水性滑沢剤を含む錠剤であって、
    (1)ソリスロマイシンの含有率が、錠剤質量に対して60〜90%であり、
    (2)崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムである、錠剤。
  2. 疎水性滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上である、請求項1に記載の錠剤。
  3. 疎水性滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、請求項1に記載の錠剤。
  4. ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して0.6〜10%である、請求項3に記載の錠剤。
  5. ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して1〜10%である、請求項3に記載の錠剤。
  6. 疎水性滑沢剤が、ステアリン酸カルシウム、HLB値が1〜11であるショ糖脂肪酸エステルおよびHLB値が1〜6であるグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種または二種以上である、請求項1に記載の錠剤。
  7. さらに、流動化剤、結合剤および賦形剤を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の錠剤。
  8. 流動化剤が、二酸化ケイ素である、請求項7に記載の錠剤。
  9. 二酸化ケイ素が、軽質無水ケイ酸である、請求項8に記載の錠剤。
  10. ソリスロマイシン、崩壊剤、疎水性滑沢剤、流動化剤、結合剤および賦形剤を含む錠剤であって、
    (1)ソリスロマイシンの含有率が、錠剤質量に対して60〜90%であり、
    (2)崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウムであり、
    (3)疎水性滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムであり、
    (4)流動化剤が、軽質無水ケイ酸であり、
    (5)結合剤が、ヒドロキシプロピルセルロースであり、
    (6)賦形剤が、結晶セルロースおよびエリスリトールから選ばれる一種または二種である、錠剤。
  11. ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して0.6〜10%である、請求項10に記載の錠剤。
  12. ステアリン酸マグネシウムの含有率が、錠剤質量に対して1〜10%である、請求項10に記載の錠剤。
  13. 錠剤が、フィルムコーティング錠である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の錠剤。
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