本発明は、表示装置に関し、特に複数のアイコンが配置された操作画面を表示する技術に関する。
スマートフォンなどの表示装置は、様々な機能に関連付けられた略正方形のアイコンが配置された操作画面を表示する。ユーザーは、当該操作画面において所望のアイコンを選択することで、表示装置に所望の機能を実行させることができる(例えば、下記の特許文献1を参照)
ユーザーは、アイコンをドラッグ操作等することで、操作画面に配置されたアイコンの配置位置を変更することができる。しかしながら、一般の表示装置では、他のアイコンと重なり合わない範囲でしかアイコンの配置位置を変更することができない。すなわち、一般の表示装置では、アイコンの配置位置に重なりが生じる場合を想定していない。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、当該アイコンに対する操作を受け付けることを可能にすることを目的とする。
本発明の一局面にかかる表示装置は、予め定められた機能が関連付けられるとともに当該関連付けられた機能を示す画像が示された複数のアイコンが配置された操作画面を表示する表示部と、前記表示部による表示動作を制御する表示制御部と、前記操作画面に対する操作を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた操作に応じた処理を実行する処理部とを備え、前記表示制御部は、(i)前記アイコンに対する予め定められた操作を前記受付部が受け付けた場合に、前記アイコンを拡大し、(ii)当該アイコンの拡大により少なくとも2つのアイコンの配置位置に重なりが生じた場合に、当該配置位置に重なりが生じていない第1の領域と当該配置位置に重なりが生じた第2の領域とから構成され、当該第2の領域に前記少なくとも2つのアイコンに示される複数の画像に応じて生成した合成画像を示した合成アイコンを生成し、(iii)当該生成した合成アイコンを前記表示部に表示させ、前記処理部は、(i)前記合成アイコンにおいて前記第1の領域の一点を選択する操作を前記受付部が受け付けた場合、前記第1の領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する処理を行い、(ii)前記合成アイコンにおいて前記第2の領域の一点を始点としたスライド操作を前記受付部が受け付けた場合、前記少なくとも2つのアイコンのそれぞれに関連付けられた各機能のうち、前記スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する、表示装置である。
本発明によれば、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、当該アイコンに対する操作を受け付けることができる。
実施形態1にかかる表示装置の外観を示す斜視図である。
実施形態1にかかる表示装置の内部構成を示すブロック図である。
アイコンを拡大する際に入力されるピンチアウト操作を示す図である。
ピンチアウト操作後の操作画面を示す図である。
記憶部に予め記憶されている段階的な値の一例を示す図である。
(A)は、初期配置位置におけるアイコン同士の間隔を示す図であり、(B)〜(F)は、ピンチアウト操作によりアイコンが拡大された結果、アイコン同士の間隔が変化した場合に、その間隔が補正される様子を示す図である。
合成後のアイコンの一例を示す図である。
(A)および(B)は、合成後のアイコンに対する操作の一例を示す図である。
(A)および(B)は、合成後のアイコンに対する操作の一例を示す図である。
実施形態1にかかる表示装置によるアイコンの合成処理における動作の流れを示すフローチャートである。
実施形態1にかかる表示装置による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。
合成後のアイコンの一例を示す図である。
(A)および(B)は、合成後のアイコンに対する操作の一例を示す図である。
実施形態2にかかる表示装置による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。
実施形態3にかかる表示装置による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。
(A)および(B)は、メール機能およびブラウザ機能を実行した場合に表示部に表示される実行画面の一例を示す図である。
実施形態4にかかる表示装置を示す斜視図である。
表示面に表示される操作画面の一例を示す図である。
(A)は、表示面を正面から視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面を示す図であり、(B)は、表示面を斜めから視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面を示す図である。
補正表示モードにおいて、表示面に表示される操作画面を示す図である。
図20に示した操作画面を斜めから視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面を示す図である。
表示面の傾きが変化に応じてアイコン同士が重なり合う様子を示す図である。
アイコンを伸長した操作画面を斜めから視認した様子を示す図である。
実施形態5にかかる表示装置において、表示面に表示される操作画面の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる表示装置について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1にかかる表示装置の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態1にかかる表示装置の内部構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態にかかる表示装置1は、例えば、スマートフォンなどの携帯モバイル機器であって、表示部10と、タッチパネル部20と、通信部30と、傾き検出部40と、記憶部50と、制御ユニット100とを備えている。これらの各構成は、互いにCPUバスによりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
表示部10は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)などから構成される。図1に示すように、表示部10は、複数のアイコンA1〜A9が配置された操作画面D1を表示する。アイコンA1〜A9は、それぞれ、表示装置1が備える予め定められた様々な機能が関連付けられており、関連付けられた機能を示す画像が描かれている。例えばアイコンA1には、メール機能に関連付けられている。またアイコンA2には、インターネットブラウザ機能に関連付けられている。
タッチパネル部20は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式等のタッチパネルである。タッチパネル部20は、表示部10の前面に配置され、表示部10が表示する操作画面上におけるユーザーによる接触をその接触位置と共に検知する。タッチパネル部20は、ユーザーによる接触を検知すると、その接触点の座標位置を示す検知信号を制御ユニット100の後述する受付部102などに出力する。このように、タッチパネル部20は、表示部10が表示する操作画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。
なお、タッチパネル部20には、操作画面への直接の接触がなくても、ユーザーの指などが操作画面に対して一定距離まで接近した場合に当該指などを検出するタッチパネルも含まれる。このため、本実施形態でいう「接触」には、操作画面への接触がなくても指などが上記一定距離まで接近したことがタッチパネル部20の機能により検出される状態も、実質的に接触したとして含まれるものとする。
また、表示装置1は、ユーザー操作が入力される操作部として、上記のタッチパネル部20に加えて物理キーを備えてもよい。当該物理キーには、例えば、矢印キー、Page Upキー、Page Downキーなどがある。
通信部30は、不図示のLANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。表示装置1は、ネットワークを介してPC(Personal Computer)などの他の情報処理装置と接続されており、通信部30により接続されたPCなどとの間でデータの送受信を行う。
傾き検出部40は、所謂ジャイロセンサーであって、表示部10の傾きを検出する。傾き検出部40は、表示部10の傾きを検出すると、当該検出した傾きを示す検出信号を制御ユニット100の後述する表示制御部103などに出力する。
記憶部50は、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等から構成される。制御ユニット100は、上記のROM又は記憶部50に記憶された表示制御プログラムが上記のCPUに実行されることにより、制御部101、受付部102、表示制御部103、および通信制御部104として機能する。なお、制御ユニット100の上記の各構成は、前述の表示制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
制御部101は、表示装置1の全体的な動作制御を司る。制御部101は、表示部10、タッチパネル部20、通信部30、傾き検出部40、および記憶部50などと接続されており、接続されている上記各構成の動作制御や、各構成との間での信号またはデータの送受信を行う。
制御部101は、特に、後述する受付部102が受け付けた操作に応じた処理を実行する処理部としての役割を果たす。例えば、ユーザーによりタッチパネル機能を用いて図1に示すアイコンA1を選択する操作が入力され、受付部102がアイコンA1のタッチ操作(選択操作ともいう)を受け付けた場合に、制御部101は、アイコンA1に関連付けられたメール機能を実行する。具体的には、制御部101は、記憶部50などに記憶されているメールプログラムを実行する。
受付部102は、タッチパネル部20から出力される検知信号に基づき、ユーザーにより入力されたユーザー操作を特定する。そして、受付部102は、特定したユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作に対応する制御信号を制御部101、表示制御部103、および通信制御部104などに出力する。
ここでユーザー操作には、タッチ操作、スライド操作(フリック操作やスワイプ操作を含む)、ドラッグ操作、ピンチアウト操作、ピンチイン操作などがある。例えば、ユーザーがタッチパネル部20上に指を接触させ、その後その接触位置から指を離すと、タッチパネル部20は、接触を検知した位置を示す検知信号を受付部102に出力する。受付部102は、当該検知信号を受け、ユーザーにより入力されたユーザー操作がタッチ操作であることを特定し、当該タッチ操作を受け付ける。また、タッチパネル部20上に指を接触させた状態で指を移動させると、タッチパネル部20は、最初に接触を検出した初期位置から最後に接触を検出した最終位置までの各移動位置を示す検知信号を受付部102に出力する。受付部102は、当該検知信号を受け、ユーザーにより入力されたユーザー操作がスライド操作であることを特定し、当該スライド操作を受け付ける。
通信制御部104は、通信部30による通信動作を制御する機能を有する。
表示制御部103は、表示部10による表示動作を制御する機能を有する。表示制御部103は、操作画面D1に配置されたアイコンA1〜A9の形状を変更(拡大または縮小)する処理を行う。具体的には、表示制御部103は、アイコンA1〜A9の何れかのアイコンに対するピンチアウト操作を受付部102が受け付けた場合、当該ピンチアウト操作がなされたアイコンの形状をピンチアウト操作で指定される大きさにまで拡大する。図3に示す例では、アイコンA1に対して紙面上下方向に向けたピンチアウト操作が入力されている。この場合、表示制御部103は、アイコンA1を紙面上下方向に向けて拡大(伸長)し、拡大後のアイコンA1を表示部10に表示させる。図4に示す例では、アイコンA1を拡大することにより、アイコンA1とアイコンA1に隣り合うアイコンA2との間隔が狭まり、その結果アイコンA1の配置位置とアイコンA2の配置位置に重なりが生じている。この場合、表示制御部103は、アイコンA1とアイコンA2とを重ね合わせて合成後のアイコンA10を生成し、当該合成後のアイコンA10を表示部10に表示させている。
ここで、記憶部50には、アイコンの配置を許容する隣り合うアイコン同士の間隔を示す複数の段階的な値が予め記憶されている。表示制御部103は、記憶部50に記憶されている当該値を参照して、拡大後のアイコンの配置位置を決定する。具体的には、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンの間隔が変化した場合に、変化後の間隔に応じて記憶部50に記憶された複数の段階的な値から1つの値を選択する。そして、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が選択後の値になるように、拡大後のアイコンの配置位置を決定する。また、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が選択後の値になるように、拡大後のアイコンのサイズを調整する。
図5および図6(A)〜図6(F)を用いて、表示制御部103による上記のアイコンの配置位置の決定処理およびアイコンの合成処理を更に説明する。図5は、記憶部50に予め記憶されている上記の段階的な値の一例を示す図である。図6(A)は、初期配置位置におけるアイコンA1とアイコンA2との間隔を示す図であり、図6(B)〜図6(F)は、ピンチアウト操作によりアイコンA1が拡大された結果、アイコンA1とアイコンA2との間隔が変化した場合に、その間隔が表示制御部103により補正される様子を示す図である。なお、図6(B)〜図6(F)の各図面において、上段はピンチアウト操作により指定されるアイコン同士の間隔を示し、下段は表示制御部103により補正されたアイコン同士の補正後の間隔を示す。
図5に示す例では、記憶部50には、上記の段階的な値の一つ毎に、その値に対応するアイコン同士の間隔の範囲が示されている。表示制御部103は、ピンチアウト操作により指定されるアイコン同士の間隔がこの複数の範囲のうちの何れの範囲に属するかを決定する。そして、表示制御部103は、記憶部50に記憶された複数の段階的な値の中から上記の決定した範囲に対応付けられた値を選択する。
図6(A)および図6(B)の上段に示すように、アイコンA1に対してピンチアウト操作が入力され、アイコンA1が拡大された結果、アイコンA1とアイコンA2との間隔がL1からL2に変化した場合を考える。この場合、間隔L2が長さM1以上となるため、図5に示すように、補正後のアイコン同士の間隔は長さN1となる。そして表示制御部103は、アイコンA1とアイコンA2との間隔が長さN1となるように、アイコンA1の配置位置を決定する(図6(B)の下段を参照)。また、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が選択後の値になるように、拡大後のアイコンのサイズを調整する(図6(B)の下段を参照)。
図6(A)および図6(C)の上段に示すように、アイコンA1とアイコンA2との間隔がL1からL3に変化した場合、間隔L3が長さM1未満、長さM2以上となるため、図5に示すように、補正後のアイコン同士の間隔は長さN2となる。長さN2は0より小さな値であるため、この場合、アイコンの配置位置に重なりが生じることになる。表示制御部103は、アイコンA1およびアイコンA2を重ね合わせて合成後のアイコンA10を生成する(図6(C)の下段を参照)。
アイコンA1とアイコンA2との間隔がL3から更に小さくなり、L4やL5に変化した場合(図6(D)の上段および図6(E)の上段を参照)、間隔L4やL5は長さM1未満、長さM2以上となるため、補正後のアイコン同士の間隔は長さN2となる。このように、ピンチアウト操作により指定されるアイコン同士の間隔やアイコンの大きさが異なる場合であっても、図6(C)〜図6(E)の各図面の下段に示すように、表示制御部103による補正の結果、アイコン同士の間隔およびアイコンの大きさが同じとなるときがある。
図6(F)の上段に示すように、アイコンA1とアイコンA2との間隔がL5から更に小さくなりL6となった場合、間隔L6が長さM2未満、長さM3以上となるため、図5に示すように、補正後のアイコン同士の間隔は長さN3となる。
以上のように、表示制御部103が上記のアイコンの配置位置の決定処理およびアイコンの合成処理を行うことにより、アイコン同士が重なり合わされ合成後のアイコンが生成される場合において、アイコン同士の間隔が予め定められた複数の段階的な値の何れかになる。合成後のアイコンにおけるアイコンの重なり具合を無制限に許容した場合、そのアイコンが配置される操作画面の見た目が煩雑になり、操作画面やアイコンの視認性が低下するおそれがある。この点、本発明の実施形態1にかかる表示装置によれば、合成後のアイコンにおける重なり具合が予め定められた複数のパターンに限定されるため、合成後のアイコンが配置される操作画面の見た目を煩雑になり難くし、操作画面やアイコンの視認性を低下し難くすることができる。
なお上記では、表示制御部103が、アイコン同士の間隔が記憶部50に記憶された複数の範囲のうちの何れの範囲に属するかを決定し、決定した範囲に対応付けられた値を補正後のアイコン同士の間隔として選択する場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。表示制御部103は、記憶部50に記憶された複数の段階的な値のうち、変化後のアイコンの間隔に最も近い値を補正後のアイコン同士の間隔として選択してもよい。
表示制御部103は、更に、受付部102がアイコンA1〜A9に対するドラッグ操作を受け付けた場合に、アイコンA1〜A9の配置位置をドラッグ操作における始点位置からドラッグ操作における終点位置まで変更する処理を行う。このドラッグ操作により移動後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が変化した場合、表示制御部103は、上記と同様に、変化後の間隔に応じて記憶部50に記憶された複数の段階的な値から1つの値を選択し、移動後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が選択後の値になるように、移動後のアイコンの配置位置を決定する。そしてアイコンの配置位置に重なりが生じた場合、表示制御部103は、アイコン同士を重ね合わせて合成後のアイコンを生成する。
表示制御部103は、更に、アイコンA1〜A9の何れかのアイコンに対するピンチイン操作を受付部102が受け付けた場合、当該ピンチイン操作がなされたアイコンの形状をピンチイン操作で指定される大きさまで縮小する。
続いて、表示制御部103により合成された合成後のアイコンについて説明する。図7は、合成後のアイコンA10を示す図である。本図に示すように、合成後のアイコンA10は、アイコンA1とアイコンA2との配置位置に重なりが生じていない領域である第1の領域S1および第2の領域S2、ならびにアイコンA1とアイコンA2との配置位置に重なりが生じた領域である第3の領域S3の3つの領域から構成されている。第1の領域S1には、アイコンA1に関連付けられた機能を示す画像が表示され、第2の領域S2には、アイコンA2に関連付けられた機能を示す画像が表示される。一方、第3の領域S3には、アイコンA1に関連付けられた機能を示す画像およびアイコンA2に関連付けられた機能を示す画像の両方の画像に応じて生成した合成画像が表示される。具体的には、表示制御部103は、アイコンA1に示される画像を半透明の画像に変換し、それ以外のアイコン、すなわちアイコンA2に示される画像が半透明の画像を透過して視認されるような画像を上記の合成画像として生成する。これによりユーザーには、アイコンA1に関連付けられた機能を示す画像を透過して、アイコンA2に関連付けられた機能を示す画像が視認されることになる(図7に示す点線を参照)。
表示制御部103は、アイコンの配置位置に重なりが生じ合成後のアイコンを生成する場合に、アイコンの重なりの順序を決定する。表示制御部103は、アイコンの拡大によりアイコンの配置位置に重なりが生じた場合は、拡大したアイコンの重なりの順序を最も高い順序とする。図7に示す例では、アイコンA1を拡大した結果、アイコンA2と重なりが生じたため、アイコンA1の重なりの順序は、アイコンA2の重なりの順序よりも高くなる。このため、表示制御部103は、アイコンA1に示される画像を半透明の画像に変換し、アイコンA2に示される画像が半透明のアイコンA1の画像を透過して視認されるような画像を合成画像として表示部10に表示させる。なお、アイコンA2を拡大した結果、アイコンA1と重なりが生じた場合、表示制御部103は、アイコンA2に示される画像を半透明の画像に変換し、アイコンA1に示される画像が半透明のアイコンA2の画像を透過して視認されるような画像を合成画像として表示部10に表示させる。また、ドラッグ操作によるアイコンの移動の結果、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合は、表示制御部103は、移動したアイコンの重なりの順序を最も高い順序とする。
受付部102がアイコンA1とアイコンA2とが重なり合っていない領域を選択する操作を受け付けた場合、制御部101は、その領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する。具体的には、制御部101は、受付部102が第1の領域S1に対するタッチ操作を受け付けた場合、第1の領域S1に示されるアイコンA1に関連付けられている機能であるメール機能を実行する。また、制御部101は、受付部102が第2の領域S2に対するタッチ操作を受け付けた場合、第2の領域S2に示されるアイコンA2に関連付けられている機能であるブラウザ機能を実行する。
また、受付部102がアイコンA1とアイコンA2とが重なり合った第3の領域S3を選択する操作を受け付けた場合、制御部101は、当該第3の領域S3に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコンに関連付けられた機能を実行する。すなわち、制御部101は、表示部10に半透明で表示された画像が示すアイコンに関連付けられた機能を実行する。図8(A)に示す例では、アイコンA1の重なりの順序がアイコンA2の重なりの順序よりも高いため、制御部101は、アイコンA1に関連付けられた機能であるメール機能を実行する。
一方、ユーザーがアイコンA1とアイコンA2が重なり合った領域、すなわち第3の領域S3をタッチした場合、その後に当該タッチした指をスライドする方向によって制御部101が実行する機能が変わる。図8(A)および図8(B)に示す例では、ユーザーが第3の領域S3に指を接触した状態で、第2の領域S2まで指を移動させている(スライド操作)。このとき、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA2に関連付けられた機能、すなわちブラウザ機能を実行する。一方、図9(A)および図9(B)に示す例では、ユーザーが第3の領域S3に指を接触した状態で、第2の領域S2まで指を移動させている。このとき、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA1に関連付けられた機能、すなわちメール機能を実行する。このように、制御部101は、合成後のアイコンA10においてアイコンが重なり合った第3の領域S3の一点を始点としたスライド操作を受付部102が受け付けた場合、当該第3の領域S3に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する。
なお、ユーザーが第3の領域S3に指を接触した状態で、第2の領域S2まで指を移動させる操作を行った場合、表示制御部103は、第2の領域S2に示されるアイコンA2の重なりの順序を最も高い順序にし、第3の領域S3における表示を変更する(図9(B)参照)。具体的には、表示制御部103は、アイコンA2に示される画像を半透明の画像に変換し、アイコンA1に示される画像が半透明のアイコンA2に示される画像を透過して視認されるように合成画像を更新し、当該更新後の合成画像を含む合成後のアイコンを表示部10に表示させる。このように、表示制御部103は、合成後のアイコンにおいてアイコンが重なり合った第3の領域S3の一点を始点としたスライド操作を受付部102が受け付けた場合、当該スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し、当該変更後の重なりの順序に応じてアイコンを重ね合わせて合成後のアイコンを生成し、当該合成後のアイコンを表示部10に表示させる。
続いて、上記の構成を備える表示装置1の動作について説明する。図10は、表示装置1によるアイコンの合成処理における動作の流れを示すフローチャートである。受付部102がアイコンに対するピンチアウト操作を受け付けた場合(ステップS10においてYES)、表示制御部103は、当該ピンチアウト操作で指定される拡大後のアイコンのサイズを特定する(ステップS11)。そして、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔を算出する(ステップS12)。
ステップS12の処理後、表示制御部103は、算出したアイコンの間隔に基づき、記憶部50に記憶された複数の段階的な値から1つの値を補正後のアイコンの間隔として選択する(ステップS13)。そして、表示制御部103は、選択した値に基づき、拡大後のアイコンの配置位置を決定する処理(ステップS14)および拡大後のアイコンのサイズを調整する処理(ステップS15)を行う。
ステップS14およびステップS15の処理の結果、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの配置位置に重なりが生じる場合(ステップS16においてYES)、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの重なりの順序を決定し(ステップS17)、決定した重なりの順序に基づき拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとを重ね合わせた合成後のアイコンを生成する(ステップS18)。そして、表示制御部103は、当該生成した合成後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS19)。
一方、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの配置位置に重なりが生じない場合(ステップS16においてNO)、表示制御部103は、拡大後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS20)。
図11は、表示装置1による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。受付部102が合成後のアイコンに対するタッチ操作を受け付け(ステップS30においてYES)、そのタッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされていない領域である場合(ステップS31においてNO)、制御部101は、タッチされた領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS32)。一方、タッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされた領域である場合(ステップS31においてYES)、制御部101は、タッチされた領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコン、すなわち半透明で表示されたアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS33)。
受付部102が合成後のアイコンにおいて、アイコン同士が重ね合わされた領域を始点とするスライド操作を受け付けた場合(ステップS34においてYES)、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS35)。そして、表示制御部103は、スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し(ステップS36)、当該変更後の重なりの順序に基づきアイコン同士が重なり合わされた領域の表示を変更する(ステップS37)。ステップS37の処理後、表示制御部103は、変更後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS38)。
以上のように実施形態1にかかる表示装置1によれば、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、合成後のアイコンを生成し、当該合成後のアイコンに対する操作をユーザーから受け付けることが可能となる。また、アイコンが重ね合わされた第3の領域S3に対するスライド操作により、第3の領域S3に重ね合わされたアイコンに関連付けられた複数の処理のうち、表示装置1が実行する処理を選択することができる。
<補足>
上記では、2つのアイコンの配置位置に重なりが生じ、表示制御部103が2つのアイコンを合成する場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。3以上のアイコンの配置位置に重なりが生じた場合には、表示制御部103は、当該3以上のアイコンを合成してもよい。
図12に示す例では、アイコンA1、アイコンA2、アイコンA7、およびアイコンA8の4つのアイコンの配置位置に重なりが生じている。この場合、合成後のアイコンA11は、アイコン同士が重なり合っていない領域である第1の領域S4、第2の領域S5、第3の領域S6、および第4の領域S7、ならびにアイコン同士が重なり合った領域である第5の領域S8、第6の領域S9、第7の領域S10、第8の領域S11、および第9の領域S12の9つの領域から構成されている。第5の領域S8は、アイコンA1とアイコンA2とが重なり合わされた領域であり、第6の領域S9は、アイコンA1とアイコンA7とが重なり合わされた領域であり、第7の領域S10は、アイコンA2とアイコンA8とが重なり合わされた領域であり、第8の領域S11は、アイコンA7とアイコンA8とが重なり合わされた領域であり、第9の領域S12は、アイコンA1とアイコンA2とアイコンA7とアイコンA8とが重なり合わされた領域である。
ここで、図13(A)に示す例では、ユーザーが第9の領域S12に指を接触した状態で、第3の領域S6まで指を移動させている(スライド操作)。このとき、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA7に関連付けられた機能を実行する。一方、図13(B)に示す例では、ユーザーが第8の領域S11に指を接触した状態で、第3の領域S6まで指を移動させている。このときも、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA7に関連付けられた機能を実行する。
<実施形態2>
実施形態2にかかる表示装置1では、合成後のアイコンにおいてアイコンが重なり合った領域の一点を選択する操作を受付部102が受け付けた場合、表示制御部103が当該領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能をそれぞれ実行する。
図14は、実施形態2にかかる表示装置1による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。なお、図11のフローチャートで示した処理と同内容の処理については同符号を付して説明を省略または簡略する。
受付部102が合成後のアイコンに対するタッチ操作を受け付け(ステップS30においてYES)、そのタッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされていない領域である場合(ステップS31においてNO)、制御部101は、タッチされた領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS32)。
一方、タッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされた領域である場合(ステップS31においてYES)、制御部101は、タッチされた領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のそれぞれを実行する(ステップS40)。図8(A)に示すように、第3の領域S3に対するタッチ操作を受付部102が受け付けた場合、制御部101は、第3の領域S3に重ね合わされているアイコンA1に関連付けられたメール機能、およびアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能の両方の機能を実行する。
受付部102が合成後のアイコンにおいて、アイコン同士が重ね合わされた領域を始点とするスライド操作を受け付けた場合(ステップS34においてYES)、表示制御部103は、実施形態1に示したステップS35の処理を行わずに、スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し(ステップS36)、当該変更後の重なりの順序に基づきアイコン同士が重なり合わされた領域の表示を変更する(ステップS37)。ステップS37の処理後、表示制御部103は、変更後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS38)。
このように、実施形態2にかかる表示装置1によれば、アイコンが重ね合わされた第3の領域S3に対するタッチ操作により、第3の領域S3に重ね合わされたアイコンに関連付けられた各処理を表示装置1が実行することができる。
<実施形態3>
実施形態3にかかる表示装置1では、合成後のアイコンにおいてアイコンが重なり合った領域の一点を始点としたスライド操作を受付部102が受け付けた場合、当該領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、スライド操作における終点に示される第1のアイコンに関連付けられた機能を実行し、第1のアイコン以外の第2のアイコンに関連付けられた機能を第1のアイコンに関連付けられた機能よりも低い優先度で実行する。
図15は、実施形態3にかかる表示装置1による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。なお、図11のフローチャートで示した処理と同内容の処理については同符号を付して説明を省略または簡略する。
受付部102が合成後のアイコンに対するタッチ操作を受け付け(ステップS30においてYES)、そのタッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされていない領域である場合(ステップS31においてNO)、制御部101は、タッチされた領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS32)。
一方、タッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされた領域である場合(ステップS31においてYES)、制御部101は、タッチされた領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS50)。そして、制御部101は、それ以外のアイコンに関連付けられた機能を、重なりの順序が最も高いアイコンに関連付けられた機能よりも低い優先度で実行する(ステップS51)。
図8(A)に示すように、第3の領域S3に対するタッチ操作を受付部102が受け付けた場合、制御部101は、第3の領域S3に重ね合わされているアイコンA1に関連付けられたメール機能、およびアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコンであるアイコンA1に関連付けられたメール機能をまず実行する。そして、制御部101は、アイコンA2に関連付けられたブラウザ機能を、メール機能よりも低い優先度で実行する。
制御部101は、優先度の低い機能を実行した場合に表示部10に表示される画面(ウィンドウ)のサイズを、それよりも優先度の高い機能を実行した場合に表示部10に表示される画面のサイズよりも小さいサイズにする。図16(A)に示す例では、メール機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D2と、ブラウザ機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D3とが、同じサイズ(サイズT1=サイズT2)になっている。制御部101は、ブラウザ機能をメール機能よりも低い優先度で実行する場合は、図16(B)に示すように、ブラウザ機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D3を、メール機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D2よりも小さいサイズ(サイズT2<サイズT1)にする。
また、制御部101は、優先度の高い機能をフォアグラウンドで実行し、それよりも優先度の低い機能をバックグラウンドで実行してもよい。
また、制御部101は、優先度の高い機能を実行する際にCPUの処理能力を多く割り当て、それよりも優先度の低い機能を実行する際にCPUの処理能力を少なく割り当ててもよい。
図15に戻って、受付部102が合成後のアイコンにおいて、アイコン同士が重ね合わされた領域を始点とするスライド操作を受け付けた場合(ステップS34においてYES)、表示制御部103は、ステップS34の処理で受付部102が受け付けたスライド操作に基づいて優先度を決定する(ステップS52)。具体的には、表示制御部103は、スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能の優先度を、スライド操作における始点に重ね合わされた他のアイコンに関連付けられた機能の優先度よりも高く決定する。
その後、制御部101は、スライド操作における始点に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能を、ステップS52の処理で決定した優先度で実行する(ステップS53)。図8(B)に示すスライド操作を受付部102が受け付けた場合、制御部101は、第3の領域S3に重ね合わされているアイコンA1に関連付けられたメール機能、およびアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能のうち、スライド操作の終点に示されたアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能をメール機能よりも高い優先度で実行する。
ステップS53の処理後、実施形態1および実施形態2と同様に、スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し(ステップS36)、当該変更後の重なりの順序に基づきアイコン同士が重なり合わされた領域の表示を変更する(ステップS37)。ステップS37の処理後、表示制御部103は、変更後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS38)。
このように、実施形態3にかかる表示装置1によれば、アイコンが重ね合わされた第3の領域S3に対するスライド操作により、第3の領域S3に重ね合わされたアイコンに関連付けられた複数の処理のうち、表示装置1が優先して実行する処理を選択することができる。
なお上記のステップS52の処理において、制御部101は、スライド操作におけるスライド速度に応じて優先度を決定してもよい。制御部101は、受付部102が受け付けたスライド速度が高い場合、スライド速度が低い場合よりもその処理を実行する際の優先度を高く設定する。ユーザーは、スライド操作を変更することにより、表示装置1が優先して実行する処理を選択するだけでなく、どの程度優先して処理を行うのかを選択することができる。
<実施形態4>
上記の実施の形態では、受付部102がアイコンに対するピンチアウト操作を受け付けた場合に、表示制御部103がアイコンを拡大する場合を説明した。これに対して、実施形態4にかかる表示装置では、表示部の表示面の傾きに応じて、表示制御部103がアイコンのサイズを変更する。
図17は、実施形態4にかかる表示装置を示す斜視図である。実施形態4にかかる表示装置210は、ファクシミリ通信機能、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能などの複数の機能を兼ね備えた複合機である画像形成装置200の前面に、回動軸230を中心として図17の矢印方向に回動可能に設けられている。この表示装置210が回動することにより、表示面220の水平方向に対する傾きが変更される。
図18は、表示面220に表示される操作画面の一例を示す図である。操作画面D4には、複数のアイコンA21〜A28が配置されている。アイコンA21〜A28はそれぞれ、縦の長さU1と横の長さU2とが等しい略正方形の形状とされている。
図19(A)は、表示面220を正面から視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面D4を示す図である。本図に示すように、アイコンA21〜A28は、見かけ上の形状が略正方形となり、本来の形状である略正方形が維持されている。例えば、アイコンA21の見かけ上の縦の長さはU3となり、見かけ上の横の長さはU4となり、縦の長さU3と横の長さU4とが等しくなっている(U3=U4)。
一方、表示面220の傾きが変わり、ユーザーが表示面220を斜めから視認した場合、ユーザーには図19(B)に示すような操作画面D4が視認される。表示面220が紙面上方向に向けて傾くため、本図に示すようにアイコンA21〜A28のそれぞれが紙面上方向に向けて収縮したようにユーザーに視認される。その結果、アイコンA21〜A28は、見かけ上の形状が縦の長さが横の長さより短い略長方形となる。すなわち、アイコンA21〜A28の見かけ上の形状が、本来の形状である略正方形の形状から崩れたものになる。例えば、アイコンA21の見かけ上の縦の長さはU5となり、見かけ上の縦の長さはU6となり、縦の長さU5が横の長さU6よりも短くなっている(U5<U6)。このように、アイコンA21〜A28の見かけ上の形状が本来の形状である略正方形の形状から崩れることにより、アイコンA21〜A28の視認性が低下する。
この問題を解消するために、表示制御部103は、アイコンA21〜A28のそれぞれを、第一方向(紙面上方向)に向けて伸長した表示形態で表示装置210に表示させる。第一方向とは、表示面220の傾きを一方向に向けて変更した際にユーザーの視線から遠ざかる操作画面上における方向である。
ここで表示制御部103は、アイコンA21〜A28を表示する表示モードとして、通常表示モードと補正表示モードとの2つの表示モードを備えている。通常表示モードとは、操作画面D4に含まれるアイコンA21〜A28を通常の表示形態で表示装置210に表示させる表示モードである。通常の表示形態とは、アイコンA21〜A28を示す画像として予め記憶部に記憶されるものをそのまま表示装置210に表示させる表示形態である。本実施形態の場合、記憶部には、縦の長さと横の長さとが等しい略正方形状のアイコンA21〜A28が記憶されている。
一方、補正表示モードとは、記憶部に記憶されているアイコンA21〜A28を紙面上方向に向けて伸長し、当該伸長後のアイコンを表示装置210に表示させる表示モードである。表示制御部103が何れの表示モードでアイコンを表示装置210に表示させるかは、表示装置210に表示される予め定められた受付画面に対して入力されるユーザー操作に応じて選択的に決定される。なお、傾き検出部40が表示面220の傾きが変更されたことを検出した場合に、表示モードが通常表示モードから補正表示モードに遷移するとしてもよい。
表示制御部103が通常表示モードで表示制御動作を行う場合、既に示した図18のような操作画面D4が表示面220に表示される。そして、操作画面D4を斜めから視認した場合には、図19(B)に示すような操作画面D4がユーザーに視認される。
一方、表示制御部103が補正表示モードで表示制御動作を行う場合、図20に示すような操作画面が表示面220に表示される。ここで表示面220に表示される操作画面D5には、アイコンのそれぞれが紙面上方向に向けて伸長してなるアイコンA21〜A28が配置されている。略正方形のアイコンのそれぞれが紙面上方向に向けて伸長された結果、アイコンA21〜A28は、縦の長さが横の長さよりも長い略長方形となっている。例えば、アイコンA21は、縦の長さがU7となり(U7>U1)、横の長さがU8となり(U8=U2)、縦の長さU7が横の長さU8よりも長くなっている(U7>U8)。
このような操作画面D5を斜めから視認した場合、図21に示すような操作画面D5がユーザーに視認される。表示面220が紙面上方向に向けて傾くため、アイコンA21〜A28のそれぞれが紙面上方向に向けて収縮したようにユーザーに視認される。その結果、アイコンA21〜A28は、見かけ上の縦の長さが短くなる。例えば、アイコンA21の見かけ上の縦の長さはU9となり、見かけ上の縦の長さはU10となる。
図19(B)に示した場合と図21に示した場合とにおいて操作画面を視認する角度が同じとき、伸長前アイコンA21の見かけ上の縦の長さU5と横の長さU6との比(縦横比)と、伸長後のアイコンA21の見かけ上の縦の長さU9と横の長さU10との比(縦横比)とを比較すると、伸長後のアイコンA21の見かけ上の縦横比の方が「1」に近い値となる。すなわち、伸長後のアイコンA21の見かけ上の形状は、伸長前のアイコンA21の見かけ上の形状よりも略正方形の形状に近い形状となる。
このように、伸長後のアイコンA21〜A28の見かけ上の形状は、略正方形の形状ではないものの、伸長前のアイコンA21〜A28の見かけ上の形状よりも、本来の形状である略正方形の形状に近い形状となる。このため、表示面220の傾きが変わることによりユーザーが表示面220に表示された操作画面を斜め方向から視認する場合であっても、操作画面に配置されたアイコンの視認性が低下し難くすることができる。
実施形態4にかかる表示装置210のように、表示制御部103がアイコンA21〜A28を伸長することにより、隣り合うアイコン同士が重なり合う場合がある。図22に示す例では、操作画面D7に配置されたアイコン同士の間隔が狭いため、表示制御部103が紙面上方向に向けてアイコンを伸長することによりアイコンに重なりが生じている。この場合、表示制御部103は、実施形態1〜実施形態3で説明したように、アイコン同士を重ね合わせて合成アイコンを生成する。これにより、表示面220の傾きに応じてアイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、合成後のアイコンを生成し、当該合成後のアイコンに対する操作をユーザーから受け付けることが可能となる。また、アイコンが重ね合わされた領域に対するスライド操作により、当該領域に重ね合わされたアイコンに関連付けられた複数の処理のうち、表示装置210が実行する処理を選択することができる。
<実施形態5>
実施形態5にかかる表示装置では、表示制御部103が、第一方向だけでなく、当該第一方向に直交する第二方向に向けて、操作画面に含まれるアイコンを伸長する。また、表示制御部103は、第二方向に向けて伸長する長さを第一方向側に近づくにつれて長くする。
図23は、実施形態4にかかる表示装置において、アイコンを伸長した操作画面を斜めから視認した様子を示す図である。ユーザーの目と表示面220との間の距離が長くなると、操作画面に含まれるアイコンが小さく視認される。
ここで、アイコンA21の見かけ上の上辺の長さU11は、アイコンA21の見かけ上の下辺の長さU12よりも短くなる。アイコンA21の上辺とユーザーの目との距離が、アイコンA21の下辺とユーザーの目との距離よりも長くなるからである。その結果、アイコンA21は、見かけ上の形状が台形となる。他のアイコンA22〜A28も同様に、見かけ上の形状が台形となる。このように、操作画面D4に配置されたアイコンA21〜A28が、本来の形状である略正方形とは異なる形状となるため、アイコンA21〜A28の視認性が低下する。
この問題を解消するために、実施形態5にかかる表示装置では、表示制御部103が、アイコンA21〜A28それぞれを、第一方向(紙面上方向)だけでなく、当該第一方向に直交する第二方向(紙面左右方向)に向けて伸長する。また、表示制御部103は、第二方向に向けてアイコンを伸長する長さを第一方向側(紙面上方向側)に近づくにつれて長くする。図24は、表示制御部103が表示面220に表示させる操作画面の一例を示す図である。本図に示す例では、操作画面D6には、紙面上方向に向けて伸長したアイコンについて、更に紙面左右方向に向けて伸長した伸長後のアイコンA21〜A28が配置されている。
縦の長さが横の長さよりも長い略長方形のアイコンのそれぞれが紙面左右方向に向けて伸長された結果、アイコンA21〜A28は、上辺が下辺より長い逆台形状となっている。例えば、アイコンA21は、上辺の長さがU13となり、下辺の長さがU14となり、上辺の長さU13が下辺の長さU14よりも長くなっている(U13>U14)。
上記のようにアイコンを伸長することにより、ユーザーが操作画面を斜めから視認した場合であっても、操作画面に含まれるアイコンの見かけ上の形状を本来の形状(略正方形状)に近いものにすることができる。
実施形態5にかかる表示装置のように、表示制御部103がアイコンA21〜A28を第1の方向および第2の方向に伸長することにより、隣り合うアイコン同士が重なり合った場合は、表示制御部103は、実施形態1〜実施形態3で説明したように、アイコン同士を重ね合わせて合成アイコンを生成する。
なお、本発明は、上記の実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
例えば、各実施形態にかかる表示装置は、スマートフォン等の携帯端末や画像形成装置以外に、PC(Personal Computer)やテレビ等に設けられる表示装置等に適用することができる。
また上記の各実施形態では、操作画面に含まれるアイコンが略正方形状である場合を説明したが本発明は必ずしもこの場合に限定されない。操作画面に含まれるアイコンの形状は特に限定されるものではなく、例えばアイコンが略円形状であってもよい。
また、上記の実施の形態で説明した表示制御プログラムをコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリーなどに記録されたものとしてもよい。この場合、当該制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体が、本発明の一実施形態となる。
また、上記の実施形態および各変形例を組み合わせてもよい。
本発明は、表示装置に関し、特に複数のアイコンが配置された操作画面を表示する技術に関する。
スマートフォンなどの表示装置は、様々な機能に関連付けられた略正方形のアイコンが配置された操作画面を表示する。ユーザーは、当該操作画面において所望のアイコンを選択することで、表示装置に所望の機能を実行させることができる(例えば、下記の特許文献1を参照)
ユーザーは、アイコンをドラッグ操作等することで、操作画面に配置されたアイコンの配置位置を変更することができる。しかしながら、一般の表示装置では、他のアイコンと重なり合わない範囲でしかアイコンの配置位置を変更することができない。すなわち、一般の表示装置では、アイコンの配置位置に重なりが生じる場合を想定していない。
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、当該アイコンに対する操作を受け付けることを可能にすることを目的とする。
本発明の一局面にかかる表示装置は、予め定められた機能が関連付けられるとともに当該関連付けられた機能を示す画像が示された複数のアイコンが配置された操作画面を表示する表示部と、前記表示部による表示動作を制御する表示制御部と、前記操作画面に対する操作を受け付ける受付部と、前記受付部が受け付けた操作に応じた処理を実行する処理部とを備え、前記表示制御部は、(i)前記アイコンに対する予め定められた操作を前記受付部が受け付けた場合に、前記アイコンを拡大し、(ii)当該アイコンの拡大により少なくとも2つのアイコンの配置位置に重なりが生じた場合に、当該配置位置に重なりが生じていない第1の領域と当該配置位置に重なりが生じた第2の領域とから構成され、当該第2の領域に前記少なくとも2つのアイコンに示される複数の画像に応じて生成した合成画像を示した合成アイコンを生成し、(iii)当該生成した合成アイコンを前記表示部に表示させ、前記処理部は、(i)前記合成アイコンにおいて前記第1の領域の一点を選択する操作を前記受付部が受け付けた場合、前記第1の領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する処理を行い、(ii)前記合成アイコンにおいて前記第2の領域の一点を始点としたスライド操作を前記受付部が受け付けた場合、前記少なくとも2つのアイコンのそれぞれに関連付けられた各機能のうち、前記スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する、表示装置である。
本発明によれば、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、当該アイコンに対する操作を受け付けることができる。
実施形態1にかかる表示装置の外観を示す平面図である。
実施形態1にかかる表示装置の内部構成を示すブロック図である。
アイコンを拡大する際に入力されるピンチアウト操作を示す図である。
ピンチアウト操作後の操作画面を示す図である。
記憶部に予め記憶されている段階的な値の一例を示す図である。
(A)は、初期配置位置におけるアイコン同士の間隔を示す図であり、(B)〜(F)は、ピンチアウト操作によりアイコンが拡大された結果、アイコン同士の間隔が変化した場合に、その間隔が補正される様子を示す図である。
合成後のアイコンの一例を示す図である。
(A)および(B)は、合成後のアイコンに対する操作の一例を示す図である。
(A)および(B)は、合成後のアイコンに対する操作の一例を示す図である。
実施形態1にかかる表示装置によるアイコンの合成処理における動作の流れを示すフローチャートである。
実施形態1にかかる表示装置による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。
合成後のアイコンの一例を示す図である。
(A)および(B)は、合成後のアイコンに対する操作の一例を示す図である。
実施形態2にかかる表示装置による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。
実施形態3にかかる表示装置による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。
(A)および(B)は、メール機能およびブラウザ機能を実行した場合に表示部に表示される実行画面の一例を示す図である。
実施形態4にかかる表示装置を示す斜視図である。
表示面に表示される操作画面の一例を示す図である。
(A)は、表示面を正面から視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面を示す図であり、(B)は、表示面を斜めから視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面を示す図である。
補正表示モードにおいて、表示面に表示される操作画面を示す図である。
図20に示した操作画面を斜めから視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面を示す図である。
表示面の傾きが変化に応じてアイコン同士が重なり合う様子を示す図である。
アイコンを伸長した操作画面を斜めから視認した様子を示す図である。
実施形態5にかかる表示装置において、表示面に表示される操作画面の一例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる表示装置について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1にかかる表示装置の外観を示す平面図である。図2は、本発明の実施形態1にかかる表示装置の内部構成を示すブロック図である。
本発明の一実施形態にかかる表示装置1は、例えば、スマートフォンなどの携帯モバイル機器であって、表示部10と、タッチパネル部20と、通信部30と、傾き検出部40と、記憶部50と、制御ユニット100とを備えている。これらの各構成は、互いにCPUバスによりデータ又は信号の送受信が可能とされている。
表示部10は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)などから構成される。図1に示すように、表示部10は、複数のアイコンA1〜A9が配置された操作画面D1を表示する。アイコンA1〜A9は、それぞれ、表示装置1が備える予め定められた様々な機能が関連付けられており、関連付けられた機能を示す画像が描かれている。例えばアイコンA1には、メール機能に関連付けられている。またアイコンA2には、インターネットブラウザ機能に関連付けられている。
タッチパネル部20は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式等のタッチパネルである。タッチパネル部20は、表示部10の前面に配置され、表示部10が表示する操作画面上におけるユーザーによる接触をその接触位置と共に検知する。タッチパネル部20は、ユーザーによる接触を検知すると、その接触点の座標位置を示す検知信号を制御ユニット100の後述する受付部102などに出力する。このように、タッチパネル部20は、表示部10が表示する操作画面に対するユーザー操作が入力される操作部としての役割を果たす。
なお、タッチパネル部20には、操作画面への直接の接触がなくても、ユーザーの指などが操作画面に対して一定距離まで接近した場合に当該指などを検出するタッチパネルも含まれる。このため、本実施形態でいう「接触」には、操作画面への接触がなくても指などが上記一定距離まで接近したことがタッチパネル部20の機能により検出される状態も、実質的に接触したとして含まれるものとする。
また、表示装置1は、ユーザー操作が入力される操作部として、上記のタッチパネル部20に加えて物理キーを備えてもよい。当該物理キーには、例えば、矢印キー、Page Upキー、Page Downキーなどがある。
通信部30は、不図示のLANチップなどの通信モジュールを備える通信インターフェイスである。表示装置1は、ネットワークを介してPC(Personal Computer)などの他の情報処理装置と接続されており、通信部30により接続されたPCなどとの間でデータの送受信を行う。
傾き検出部40は、所謂ジャイロセンサーであって、表示部10の傾きを検出する。傾き検出部40は、表示部10の傾きを検出すると、当該検出した傾きを示す検出信号を制御ユニット100の後述する表示制御部103などに出力する。
記憶部50は、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等から構成される。制御ユニット100は、上記のROM又は記憶部50に記憶された表示制御プログラムが上記のCPUに実行されることにより、制御部101、受付部102、表示制御部103、および通信制御部104として機能する。なお、制御ユニット100の上記の各構成は、前述の表示制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
制御部101は、表示装置1の全体的な動作制御を司る。制御部101は、表示部10、タッチパネル部20、通信部30、傾き検出部40、および記憶部50などと接続されており、接続されている上記各構成の動作制御や、各構成との間での信号またはデータの送受信を行う。
制御部101は、特に、後述する受付部102が受け付けた操作に応じた処理を実行する処理部としての役割を果たす。例えば、ユーザーによりタッチパネル機能を用いて図1に示すアイコンA1を選択する操作が入力され、受付部102がアイコンA1のタッチ操作(選択操作ともいう)を受け付けた場合に、制御部101は、アイコンA1に関連付けられたメール機能を実行する。具体的には、制御部101は、記憶部50などに記憶されているメールプログラムを実行する。
受付部102は、タッチパネル部20から出力される検知信号に基づき、ユーザーにより入力されたユーザー操作を特定する。そして、受付部102は、特定したユーザー操作を受け付け、当該ユーザー操作に対応する制御信号を制御部101、表示制御部103、および通信制御部104などに出力する。
ここでユーザー操作には、タッチ操作、スライド操作(フリック操作やスワイプ操作を含む)、ドラッグ操作、ピンチアウト操作、ピンチイン操作などがある。例えば、ユーザーがタッチパネル部20上に指を接触させ、その後その接触位置から指を離すと、タッチパネル部20は、接触を検知した位置を示す検知信号を受付部102に出力する。受付部102は、当該検知信号を受け、ユーザーにより入力されたユーザー操作がタッチ操作であることを特定し、当該タッチ操作を受け付ける。また、タッチパネル部20上に指を接触させた状態で指を移動させると、タッチパネル部20は、最初に接触を検出した初期位置から最後に接触を検出した最終位置までの各移動位置を示す検知信号を受付部102に出力する。受付部102は、当該検知信号を受け、ユーザーにより入力されたユーザー操作がスライド操作であることを特定し、当該スライド操作を受け付ける。
通信制御部104は、通信部30による通信動作を制御する機能を有する。
表示制御部103は、表示部10による表示動作を制御する機能を有する。表示制御部103は、操作画面D1に配置されたアイコンA1〜A9の形状を変更(拡大または縮小)する処理を行う。具体的には、表示制御部103は、アイコンA1〜A9の何れかのアイコンに対するピンチアウト操作を受付部102が受け付けた場合、当該ピンチアウト操作がなされたアイコンの形状をピンチアウト操作で指定される大きさにまで拡大する。図3に示す例では、アイコンA1に対して紙面上下方向に向けたピンチアウト操作が入力されている。この場合、表示制御部103は、アイコンA1を紙面上下方向に向けて拡大(伸長)し、拡大後のアイコンA1を表示部10に表示させる。図4に示す例では、アイコンA1を拡大することにより、アイコンA1とアイコンA1に隣り合うアイコンA2との間隔が狭まり、その結果アイコンA1の配置位置とアイコンA2の配置位置に重なりが生じている。この場合、表示制御部103は、アイコンA1とアイコンA2とを重ね合わせて合成後のアイコンA10を生成し、当該合成後のアイコンA10を表示部10に表示させている。
ここで、記憶部50には、アイコンの配置を許容する隣り合うアイコン同士の間隔を示す複数の段階的な値が予め記憶されている。表示制御部103は、記憶部50に記憶されている当該値を参照して、拡大後のアイコンの配置位置を決定する。具体的には、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンの間隔が変化した場合に、変化後の間隔に応じて記憶部50に記憶された複数の段階的な値から1つの値を選択する。そして、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が選択後の値になるように、拡大後のアイコンの配置位置を決定する。また、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が選択後の値になるように、拡大後のアイコンのサイズを調整する。
図5および図6(A)〜図6(F)を用いて、表示制御部103による上記のアイコンの配置位置の決定処理およびアイコンの合成処理を更に説明する。図5は、記憶部50に予め記憶されている上記の段階的な値の一例を示す図である。図6(A)は、初期配置位置におけるアイコンA1とアイコンA2との間隔を示す図であり、図6(B)〜図6(F)は、ピンチアウト操作によりアイコンA1が拡大された結果、アイコンA1とアイコンA2との間隔が変化した場合に、その間隔が表示制御部103により補正される様子を示す図である。なお、図6(B)〜図6(F)の各図面において、上段はピンチアウト操作により指定されるアイコン同士の間隔を示し、下段は表示制御部103により補正されたアイコン同士の補正後の間隔を示す。
図5に示す例では、記憶部50には、上記の段階的な値の一つ毎に、その値に対応するアイコン同士の間隔の範囲が示されている。表示制御部103は、ピンチアウト操作により指定されるアイコン同士の間隔がこの複数の範囲のうちの何れの範囲に属するかを決定する。そして、表示制御部103は、記憶部50に記憶された複数の段階的な値の中から上記の決定した範囲に対応付けられた値を選択する。
図6(A)および図6(B)の上段に示すように、アイコンA1に対してピンチアウト操作が入力され、アイコンA1が拡大された結果、アイコンA1とアイコンA2との間隔がL1からL2に変化した場合を考える。この場合、間隔L2が長さM1以上となるため、図5に示すように、補正後のアイコン同士の間隔は長さN1となる。そして表示制御部103は、アイコンA1とアイコンA2との間隔が長さN1となるように、アイコンA1の配置位置を決定する(図6(B)の下段を参照)。また、表示制御部103は、拡大後のアイコンA1と隣り合うアイコンA2との間隔が選択後の値N1になるように、拡大後のアイコンA1のサイズを調整する(図6(B)の下段を参照)。
図6(A)および図6(C)の上段に示すように、アイコンA1とアイコンA2との間隔がL1からL3に変化した場合、間隔L3が長さM1未満、長さM2以上となるため、図5に示すように、補正後のアイコン同士の間隔は長さN2となる。長さN2は0より小さな値であるため、この場合、アイコンの配置位置に重なりが生じることになる。表示制御部103は、アイコンA1およびアイコンA2を重ね合わせて合成後のアイコンA10を生成する(図6(C)の下段を参照)。
アイコンA1とアイコンA2との間隔がL3から更に小さくなり、L4やL5に変化した場合(図6(D)の上段および図6(E)の上段を参照)、間隔L4やL5は長さM1未満、長さM2以上となるため、補正後のアイコン同士の間隔は長さN2となる。このように、ピンチアウト操作により指定されるアイコン同士の間隔やアイコンの大きさが異なる場合であっても、図6(C)〜図6(E)の各図面の下段に示すように、表示制御部103による補正の結果、アイコン同士の間隔およびアイコンの大きさが同じとなるときがある。
図6(F)の上段に示すように、アイコンA1とアイコンA2との間隔がL5から更に小さくなりL6となった場合、間隔L6が長さM2未満、長さM3以上となるため、図5に示すように、補正後のアイコン同士の間隔は長さN3となる。
以上のように、表示制御部103が上記のアイコンの配置位置の決定処理およびアイコンの合成処理を行うことにより、アイコン同士が重なり合わされ合成後のアイコンが生成される場合において、アイコン同士の間隔が予め定められた複数の段階的な値の何れかになる。合成後のアイコンにおけるアイコンの重なり具合を無制限に許容した場合、そのアイコンが配置される操作画面の見た目が煩雑になり、操作画面やアイコンの視認性が低下するおそれがある。この点、本発明の実施形態1にかかる表示装置によれば、合成後のアイコンにおける重なり具合が予め定められた複数のパターンに限定されるため、合成後のアイコンが配置される操作画面の見た目を煩雑になり難くし、操作画面やアイコンの視認性を低下し難くすることができる。
なお上記では、表示制御部103が、アイコン同士の間隔が記憶部50に記憶された複数の範囲のうちの何れの範囲に属するかを決定し、決定した範囲に対応付けられた値を補正後のアイコン同士の間隔として選択する場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。表示制御部103は、記憶部50に記憶された複数の段階的な値のうち、変化後のアイコンの間隔に最も近い値を補正後のアイコン同士の間隔として選択してもよい。
表示制御部103は、更に、受付部102がアイコンA1〜A9に対するドラッグ操作を受け付けた場合に、アイコンA1〜A9の配置位置をドラッグ操作における始点位置からドラッグ操作における終点位置まで変更する処理を行う。このドラッグ操作により移動後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が変化した場合、表示制御部103は、上記と同様に、変化後の間隔に応じて記憶部50に記憶された複数の段階的な値から1つの値を選択し、移動後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔が選択後の値になるように、移動後のアイコンの配置位置を決定する。そしてアイコンの配置位置に重なりが生じた場合、表示制御部103は、アイコン同士を重ね合わせて合成後のアイコンを生成する。
表示制御部103は、更に、アイコンA1〜A9の何れかのアイコンに対するピンチイン操作を受付部102が受け付けた場合、当該ピンチイン操作がなされたアイコンの形状をピンチイン操作で指定される大きさまで縮小する。
続いて、表示制御部103により合成された合成後のアイコンについて説明する。図7は、合成後のアイコンA10を示す図である。本図に示すように、合成後のアイコンA10は、アイコンA1とアイコンA2との配置位置に重なりが生じていない領域である第1の領域S1および第2の領域S2、ならびにアイコンA1とアイコンA2との配置位置に重なりが生じた領域である第3の領域S3の3つの領域から構成されている。第1の領域S1には、アイコンA1に関連付けられた機能を示す画像が表示され、第2の領域S2には、アイコンA2に関連付けられた機能を示す画像が表示される。一方、第3の領域S3には、アイコンA1に関連付けられた機能を示す画像およびアイコンA2に関連付けられた機能を示す画像の両方の画像に応じて生成した合成画像が表示される。具体的には、表示制御部103は、アイコンA1に示される画像を半透明の画像に変換し、それ以外のアイコン、すなわちアイコンA2に示される画像が半透明の画像を透過して視認されるような画像を上記の合成画像として生成する。これによりユーザーには、アイコンA1に関連付けられた機能を示す画像を透過して、アイコンA2に関連付けられた機能を示す画像が視認されることになる(図7に示す点線を参照)。
表示制御部103は、アイコンの配置位置に重なりが生じ合成後のアイコンを生成する場合に、アイコンの重なりの順序を決定する。表示制御部103は、アイコンの拡大によりアイコンの配置位置に重なりが生じた場合は、拡大したアイコンの重なりの順序を最も高い順序とする。図7に示す例では、アイコンA1を拡大した結果、アイコンA2と重なりが生じたため、アイコンA1の重なりの順序は、アイコンA2の重なりの順序よりも高くなる。このため、表示制御部103は、アイコンA1に示される画像を半透明の画像に変換し、アイコンA2に示される画像が半透明のアイコンA1の画像を透過して視認されるような画像を合成画像として表示部10に表示させる。なお、アイコンA2を拡大した結果、アイコンA1と重なりが生じた場合、表示制御部103は、アイコンA2に示される画像を半透明の画像に変換し、アイコンA1に示される画像が半透明のアイコンA2の画像を透過して視認されるような画像を合成画像として表示部10に表示させる。また、ドラッグ操作によるアイコンの移動の結果、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合は、表示制御部103は、移動したアイコンの重なりの順序を最も高い順序とする。
受付部102がアイコンA1とアイコンA2とが重なり合っていない領域を選択する操作を受け付けた場合、制御部101は、その領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する。具体的には、制御部101は、受付部102が第1の領域S1に対するタッチ操作を受け付けた場合、第1の領域S1に示されるアイコンA1に関連付けられている機能であるメール機能を実行する。また、制御部101は、受付部102が第2の領域S2に対するタッチ操作を受け付けた場合、第2の領域S2に示されるアイコンA2に関連付けられている機能であるブラウザ機能を実行する。
また、受付部102がアイコンA1とアイコンA2とが重なり合った第3の領域S3を選択する操作を受け付けた場合、制御部101は、当該第3の領域S3に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコンに関連付けられた機能を実行する。すなわち、制御部101は、表示部10に半透明で表示された画像が示すアイコンに関連付けられた機能を実行する。図8(A)に示す例では、アイコンA1の重なりの順序がアイコンA2の重なりの順序よりも高いため、制御部101は、アイコンA1に関連付けられた機能であるメール機能を実行する。
一方、ユーザーがアイコンA1とアイコンA2が重なり合った領域、すなわち第3の領域S3をタッチした場合、その後に当該タッチした指をスライドする方向によって制御部101が実行する機能が変わる。図8(A)および図8(B)に示す例では、ユーザーが第3の領域S3に指を接触した状態で、第2の領域S2まで指を移動させている(スライド操作)。このとき、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA2に関連付けられた機能、すなわちブラウザ機能を実行する。一方、図9(A)および図9(B)に示す例では、ユーザーが第3の領域S3に指を接触した状態で、第1の領域S1まで指を移動させている。このとき、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA1に関連付けられた機能、すなわちメール機能を実行する。このように、制御部101は、合成後のアイコンA10においてアイコンが重なり合った第3の領域S3の一点を始点としたスライド操作を受付部102が受け付けた場合、当該第3の領域S3に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する。
なお、ユーザーが第3の領域S3に指を接触した状態で、第2の領域S2まで指を移動させる操作を行った場合、表示制御部103は、第2の領域S2に示されるアイコンA2の重なりの順序を最も高い順序にし、第3の領域S3における表示を変更する(図8(B)参照)。具体的には、表示制御部103は、アイコンA2に示される画像を半透明の画像に変換し、アイコンA1に示される画像が半透明のアイコンA2に示される画像を透過して視認されるように合成画像を更新し、当該更新後の合成画像を含む合成後のアイコンを表示部10に表示させる。このように、表示制御部103は、合成後のアイコンにおいてアイコンが重なり合った第3の領域S3の一点を始点としたスライド操作を受付部102が受け付けた場合、当該スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し、当該変更後の重なりの順序に応じてアイコンを重ね合わせて合成後のアイコンを生成し、当該合成後のアイコンを表示部10に表示させる。
続いて、上記の構成を備える表示装置1の動作について説明する。図10は、表示装置1によるアイコンの合成処理における動作の流れを示すフローチャートである。受付部102がアイコンに対するピンチアウト操作を受け付けた場合(ステップS10においてYES)、表示制御部103は、当該ピンチアウト操作で指定される拡大後のアイコンのサイズを特定する(ステップS11)。そして、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの間隔を算出する(ステップS12)。
ステップS12の処理後、表示制御部103は、算出したアイコンの間隔に基づき、記憶部50に記憶された複数の段階的な値から1つの値を補正後のアイコンの間隔として選択する(ステップS13)。そして、表示制御部103は、選択した値に基づき、拡大後のアイコンの配置位置を決定する処理(ステップS14)および拡大後のアイコンのサイズを調整する処理(ステップS15)を行う。
ステップS14およびステップS15の処理の結果、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの配置位置に重なりが生じる場合(ステップS16においてYES)、表示制御部103は、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの重なりの順序を決定し(ステップS17)、決定した重なりの順序に基づき拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとを重ね合わせた合成後のアイコンを生成する(ステップS18)。そして、表示制御部103は、当該生成した合成後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS19)。
一方、拡大後のアイコンと隣り合うアイコンとの配置位置に重なりが生じない場合(ステップS16においてNO)、表示制御部103は、拡大後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS20)。
図11は、表示装置1による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。受付部102が合成後のアイコンに対するタッチ操作を受け付け(ステップS30においてYES)、そのタッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされていない領域である場合(ステップS31においてNO)、制御部101は、タッチされた領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS32)。一方、タッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされた領域である場合(ステップS31においてYES)、制御部101は、タッチされた領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコン、すなわち半透明で表示されたアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS33)。
受付部102が合成後のアイコンにおいて、アイコン同士が重ね合わされた領域を始点とするスライド操作を受け付けた場合(ステップS34においてYES)、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS35)。そして、表示制御部103は、スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し(ステップS36)、当該変更後の重なりの順序に基づきアイコン同士が重なり合わされた領域の表示を変更する(ステップS37)。ステップS37の処理後、表示制御部103は、変更後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS38)。
以上のように実施形態1にかかる表示装置1によれば、アイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、合成後のアイコンを生成し、当該合成後のアイコンに対する操作をユーザーから受け付けることが可能となる。また、アイコンが重ね合わされた第3の領域S3に対するスライド操作により、第3の領域S3に重ね合わされたアイコンに関連付けられた複数の処理のうち、表示装置1が実行する処理を選択することができる。
<補足>
上記では、2つのアイコンの配置位置に重なりが生じ、表示制御部103が2つのアイコンを合成する場合を説明したが、本発明は必ずしもこの場合に限定されない。3以上のアイコンの配置位置に重なりが生じた場合には、表示制御部103は、当該3以上のアイコンを合成してもよい。
図12に示す例では、アイコンA1、アイコンA2、アイコンA7、およびアイコンA8の4つのアイコンの配置位置に重なりが生じている。この場合、合成後のアイコンA11は、アイコン同士が重なり合っていない領域である第1の領域S4、第2の領域S5、第3の領域S6、および第4の領域S7、ならびにアイコン同士が重なり合った領域である第5の領域S8、第6の領域S9、第7の領域S10、第8の領域S11、および第9の領域S12の9つの領域から構成されている。第5の領域S8は、アイコンA1とアイコンA2とが重なり合わされた領域であり、第6の領域S9は、アイコンA1とアイコンA7とが重なり合わされた領域であり、第7の領域S10は、アイコンA2とアイコンA8とが重なり合わされた領域であり、第8の領域S11は、アイコンA7とアイコンA8とが重なり合わされた領域であり、第9の領域S12は、アイコンA1とアイコンA2とアイコンA7とアイコンA8とが重なり合わされた領域である。
ここで、図13(A)に示す例では、ユーザーが第9の領域S12に指を接触した状態で、第3の領域S6まで指を移動させている(スライド操作)。このとき、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA7に関連付けられた機能を実行する。一方、図13(B)に示す例では、ユーザーが第8の領域S11に指を接触した状態で、第3の領域S6まで指を移動させている。このときも、制御部101は、スライド操作における終点に示されるアイコンであるアイコンA7に関連付けられた機能を実行する。
<実施形態2>
実施形態2にかかる表示装置1では、合成後のアイコンにおいてアイコンが重なり合った領域の一点を選択する操作を受付部102が受け付けた場合、制御部101が当該領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能をそれぞれ実行する。
図14は、実施形態2にかかる表示装置1による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。なお、図11のフローチャートで示した処理と同内容の処理については同符号を付して説明を省略または簡略する。
受付部102が合成後のアイコンに対するタッチ操作を受け付け(ステップS30においてYES)、そのタッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされていない領域である場合(ステップS31においてNO)、制御部101は、タッチされた領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS32)。
一方、タッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされた領域である場合(ステップS31においてYES)、制御部101は、タッチされた領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のそれぞれを実行する(ステップS40)。図8(A)に示すように、第3の領域S3に対するタッチ操作を受付部102が受け付けた場合、制御部101は、第3の領域S3に重ね合わされているアイコンA1に関連付けられたメール機能、およびアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能の両方の機能を実行する。
受付部102が合成後のアイコンにおいて、アイコン同士が重ね合わされた領域を始点とするスライド操作を受け付けた場合(ステップS34においてYES)、表示制御部103は、実施形態1に示したステップS35の処理を行わずに、スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し(ステップS36)、当該変更後の重なりの順序に基づきアイコン同士が重なり合わされた領域の表示を変更する(ステップS37)。ステップS37の処理後、表示制御部103は、変更後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS38)。
このように、実施形態2にかかる表示装置1によれば、アイコンが重ね合わされた第3の領域S3に対するタッチ操作により、第3の領域S3に重ね合わされたアイコンに関連付けられた各処理を表示装置1が実行することができる。
<実施形態3>
実施形態3にかかる表示装置1では、合成後のアイコンにおいてアイコンが重なり合った領域の一点を始点としたスライド操作を受付部102が受け付けた場合、当該領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、スライド操作における終点に示される第1のアイコンに関連付けられた機能を実行し、第1のアイコン以外の第2のアイコンに関連付けられた機能を第1のアイコンに関連付けられた機能よりも低い優先度で実行する。
図15は、実施形態3にかかる表示装置1による合成後のアイコンに対する指示の受け付け処理における動作の流れを示すフローチャートである。なお、図11のフローチャートで示した処理と同内容の処理については同符号を付して説明を省略または簡略する。
受付部102が合成後のアイコンに対するタッチ操作を受け付け(ステップS30においてYES)、そのタッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされていない領域である場合(ステップS31においてNO)、制御部101は、タッチされた領域に示されるアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS32)。
一方、タッチされた領域がアイコン同士が重ね合わされた領域である場合(ステップS31においてYES)、制御部101は、タッチされた領域に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコンに関連付けられた機能を実行する(ステップS50)。そして、制御部101は、それ以外のアイコンに関連付けられた機能を、重なりの順序が最も高いアイコンに関連付けられた機能よりも低い優先度で実行する(ステップS51)。
図8(A)に示すように、第3の領域S3に対するタッチ操作を受付部102が受け付けた場合、制御部101は、第3の領域S3に重ね合わされているアイコンA1に関連付けられたメール機能、およびアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能のうち、重なりの順序が最も高いアイコンであるアイコンA1に関連付けられたメール機能をまず実行する。そして、制御部101は、アイコンA2に関連付けられたブラウザ機能を、メール機能よりも低い優先度で実行する。
制御部101は、優先度の低い機能を実行した場合に表示部10に表示される画面(ウィンドウ)のサイズを、それよりも優先度の高い機能を実行した場合に表示部10に表示される画面のサイズよりも小さいサイズにする。図16(A)に示す例では、メール機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D2と、ブラウザ機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D3とが、同じサイズ(サイズT1=サイズT2)になっている。制御部101は、ブラウザ機能をメール機能よりも低い優先度で実行する場合は、図16(B)に示すように、ブラウザ機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D3を、メール機能を実行した場合に表示部10に表示される実行画面D2よりも小さいサイズ(サイズT2<サイズT1)にする。
また、制御部101は、優先度の高い機能をフォアグラウンドで実行し、それよりも優先度の低い機能をバックグラウンドで実行してもよい。
また、制御部101は、優先度の高い機能を実行する際にCPUの処理能力を多く割り当て、それよりも優先度の低い機能を実行する際にCPUの処理能力を少なく割り当ててもよい。
図15に戻って、受付部102が合成後のアイコンにおいて、アイコン同士が重ね合わされた領域を始点とするスライド操作を受け付けた場合(ステップS34においてYES)、表示制御部103は、ステップS34の処理で受付部102が受け付けたスライド操作に基づいて優先度を決定する(ステップS52)。具体的には、表示制御部103は、スライド操作における終点に示されるアイコンに関連付けられた機能の優先度を、スライド操作における始点に重ね合わされた他のアイコンに関連付けられた機能の優先度よりも高く決定する。
その後、制御部101は、スライド操作における始点に重ね合わされた各アイコンに関連付けられた各機能を、ステップS52の処理で決定した優先度で実行する(ステップS53)。図8(B)に示すスライド操作を受付部102が受け付けた場合、制御部101は、第3の領域S3に重ね合わされているアイコンA1に関連付けられたメール機能、およびアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能のうち、スライド操作の終点に示されたアイコンA2に関連付けられたブラウザ機能をメール機能よりも高い優先度で実行する。
ステップS53の処理後、実施形態1および実施形態2と同様に、スライド操作における終点に示されるアイコンの重なりの順序を最も高い順序に変更し(ステップS36)、当該変更後の重なりの順序に基づきアイコン同士が重なり合わされた領域の表示を変更する(ステップS37)。ステップS37の処理後、表示制御部103は、変更後のアイコンを配置した操作画面を表示部10に表示させる(ステップS38)。
このように、実施形態3にかかる表示装置1によれば、アイコンが重ね合わされた第3の領域S3に対するスライド操作により、第3の領域S3に重ね合わされたアイコンに関連付けられた複数の処理のうち、表示装置1が優先して実行する処理を選択することができる。
なお上記のステップS52の処理において、制御部101は、スライド操作におけるスライド速度に応じて優先度を決定してもよい。制御部101は、受付部102が受け付けたスライド速度が高い場合、スライド速度が低い場合よりもその処理を実行する際の優先度を高く設定する。ユーザーは、スライド操作を変更することにより、表示装置1が優先して実行する処理を選択するだけでなく、どの程度優先して処理を行うのかを選択することができる。
<実施形態4>
上記の実施の形態では、受付部102がアイコンに対するピンチアウト操作を受け付けた場合に、表示制御部103がアイコンを拡大する場合を説明した。これに対して、実施形態4にかかる表示装置では、表示部の表示面の傾きに応じて、表示制御部103がアイコンのサイズを変更する。
図17は、実施形態4にかかる表示装置を示す斜視図である。実施形態4にかかる表示装置210は、ファクシミリ通信機能、コピー機能、プリンター機能、およびスキャナー機能などの複数の機能を兼ね備えた複合機である画像形成装置200の前面に、回動軸230を中心として図17の矢印方向に回動可能に設けられている。この表示装置210が回動することにより、表示面220の水平方向に対する傾きが変更される。
図18は、表示面220に表示される操作画面の一例を示す図である。操作画面D4には、複数のアイコンA21〜A28が配置されている。アイコンA21〜A28はそれぞれ、縦の長さU1と横の長さU2とが等しい略正方形の形状とされている。
図19(A)は、表示面220を正面から視認した場合に、ユーザーに視認される操作画面D4を示す図である。本図に示すように、アイコンA21〜A28は、見かけ上の形状が略正方形となり、本来の形状である略正方形が維持されている。例えば、アイコンA21の見かけ上の縦の長さはU3となり、見かけ上の横の長さはU4となり、縦の長さU3と横の長さU4とが等しくなっている(U3=U4)。
一方、表示面220の傾きが変わり、ユーザーが表示面220を斜めから視認した場合、ユーザーには図19(B)に示すような操作画面D4が視認される。表示面220が紙面上方向に向けて傾くため、本図に示すようにアイコンA21〜A28のそれぞれが紙面上方向に向けて収縮したようにユーザーに視認される。その結果、アイコンA21〜A28は、見かけ上の形状が縦の長さが横の長さより短い略長方形となる。すなわち、アイコンA21〜A28の見かけ上の形状が、本来の形状である略正方形の形状から崩れたものになる。例えば、アイコンA21の見かけ上の縦の長さはU5となり、見かけ上の横の長さはU6となり、縦の長さU5が横の長さU6よりも短くなっている(U5<U6)。このように、アイコンA21〜A28の見かけ上の形状が本来の形状である略正方形の形状から崩れることにより、アイコンA21〜A28の視認性が低下する。
この問題を解消するために、表示制御部103は、アイコンA21〜A28のそれぞれを、第一方向(紙面上方向)に向けて伸長した表示形態で表示装置210に表示させる。第一方向とは、表示面220の傾きを一方向に向けて変更した際にユーザーの視線から遠ざかる操作画面上における方向である。
ここで表示制御部103は、アイコンA21〜A28を表示する表示モードとして、通常表示モードと補正表示モードとの2つの表示モードを備えている。通常表示モードとは、操作画面D4に含まれるアイコンA21〜A28を通常の表示形態で表示装置210に表示させる表示モードである。通常の表示形態とは、アイコンA21〜A28を示す画像として予め記憶部に記憶されるものをそのまま表示装置210に表示させる表示形態である。本実施形態の場合、記憶部には、縦の長さと横の長さとが等しい略正方形状のアイコンA21〜A28が記憶されている。
一方、補正表示モードとは、記憶部に記憶されているアイコンA21〜A28を紙面上方向に向けて伸長し、当該伸長後のアイコンを表示装置210に表示させる表示モードである。表示制御部103が何れの表示モードでアイコンを表示装置210に表示させるかは、表示装置210に表示される予め定められた受付画面に対して入力されるユーザー操作に応じて選択的に決定される。なお、傾き検出部40が表示面220の傾きが変更されたことを検出した場合に、表示モードが通常表示モードから補正表示モードに遷移するとしてもよい。
表示制御部103が通常表示モードで表示制御動作を行う場合、既に示した図18のような操作画面D4が表示面220に表示される。そして、操作画面D4を斜めから視認した場合には、図19(B)に示すような操作画面D4がユーザーに視認される。
一方、表示制御部103が補正表示モードで表示制御動作を行う場合、図20に示すような操作画面が表示面220に表示される。ここで表示面220に表示される操作画面D5には、アイコンのそれぞれが紙面上方向に向けて伸長してなるアイコンA21〜A28が配置されている。略正方形のアイコンのそれぞれが紙面上方向に向けて伸長された結果、アイコンA21〜A28は、縦の長さが横の長さよりも長い略長方形となっている。例えば、アイコンA21は、縦の長さがU7となり(U7>U1)、横の長さがU8となり(U8=U2)、縦の長さU7が横の長さU8よりも長くなっている(U7>U8)。
このような操作画面D5を斜めから視認した場合、図21に示すような操作画面D5がユーザーに視認される。表示面220が紙面上方向に向けて傾くため、アイコンA21〜A28のそれぞれが紙面上方向に向けて収縮したようにユーザーに視認される。その結果、アイコンA21〜A28は、見かけ上の縦の長さが短くなる。例えば、アイコンA21の見かけ上の縦の長さはU9となり、見かけ上の横の長さはU10となる。
図19(B)に示した場合と図21に示した場合とにおいて操作画面を視認する角度が同じとき、伸長前アイコンA21の見かけ上の縦の長さU5と横の長さU6との比(縦横比)と、伸長後のアイコンA21の見かけ上の縦の長さU9と横の長さU10との比(縦横比)とを比較すると、伸長後のアイコンA21の見かけ上の縦横比の方が「1」に近い値となる。すなわち、伸長後のアイコンA21の見かけ上の形状は、伸長前のアイコンA21の見かけ上の形状よりも略正方形の形状に近い形状となる。
このように、伸長後のアイコンA21〜A28の見かけ上の形状は、略正方形の形状ではないものの、伸長前のアイコンA21〜A28の見かけ上の形状よりも、本来の形状である略正方形の形状に近い形状となる。このため、表示面220の傾きが変わることによりユーザーが表示面220に表示された操作画面を斜め方向から視認する場合であっても、操作画面に配置されたアイコンの視認性が低下し難くすることができる。
実施形態4にかかる表示装置210のように、表示制御部103がアイコンA21〜A28を伸長することにより、隣り合うアイコン同士が重なり合う場合がある。図22に示す例では、操作画面D7に配置されたアイコン同士の間隔が狭いため、表示制御部103が紙面上方向に向けてアイコンを伸長することによりアイコンに重なりが生じている。この場合、表示制御部103は、実施形態1〜実施形態3で説明したように、アイコン同士を重ね合わせて合成アイコンを生成する。これにより、表示面220の傾きに応じてアイコンの配置位置に重なりが生じた場合において、合成後のアイコンを生成し、当該合成後のアイコンに対する操作をユーザーから受け付けることが可能となる。また、アイコンが重ね合わされた領域に対するスライド操作により、当該領域に重ね合わされたアイコンに関連付けられた複数の処理のうち、表示装置210が実行する処理を選択することができる。
<実施形態5>
実施形態5にかかる表示装置では、表示制御部103が、第一方向だけでなく、当該第一方向に直交する第二方向に向けて、操作画面に含まれるアイコンを伸長する。また、表示制御部103は、第二方向に向けて伸長する長さを第一方向側に近づくにつれて長くする。
図23は、実施形態4にかかる表示装置において、アイコンを伸長した操作画面を斜めから視認した様子を示す図である。ユーザーの目と表示面220との間の距離が長くなると、操作画面に含まれるアイコンが小さく視認される。
ここで、アイコンA21の見かけ上の上辺の長さU11は、アイコンA21の見かけ上の下辺の長さU12よりも短くなる。アイコンA21の上辺とユーザーの目との距離が、アイコンA21の下辺とユーザーの目との距離よりも長くなるからである。その結果、アイコンA21は、見かけ上の形状が台形となる。他のアイコンA22〜A28も同様に、見かけ上の形状が台形となる。このように、操作画面D4に配置されたアイコンA21〜A28が、本来の形状である略正方形とは異なる形状となるため、アイコンA21〜A28の視認性が低下する。
この問題を解消するために、実施形態5にかかる表示装置では、表示制御部103が、アイコンA21〜A28それぞれを、第一方向(紙面上方向)だけでなく、当該第一方向に直交する第二方向(紙面左右方向)に向けて伸長する。また、表示制御部103は、第二方向に向けてアイコンを伸長する長さを第一方向側(紙面上方向側)に近づくにつれて長くする。図24は、表示制御部103が表示面220に表示させる操作画面の一例を示す図である。本図に示す例では、操作画面D6には、紙面上方向に向けて伸長したアイコンについて、更に紙面左右方向に向けて伸長した伸長後のアイコンA21〜A28が配置されている。
縦の長さが横の長さよりも長い略長方形のアイコンのそれぞれが紙面左右方向に向けて伸長された結果、アイコンA21〜A28は、上辺が下辺より長い逆台形状となっている。例えば、アイコンA21は、上辺の長さがU13となり、下辺の長さがU14となり、上辺の長さU13が下辺の長さU14よりも長くなっている(U13>U14)。
上記のようにアイコンを伸長することにより、ユーザーが操作画面を斜めから視認した場合であっても、操作画面に含まれるアイコンの見かけ上の形状を本来の形状(略正方形状)に近いものにすることができる。
実施形態5にかかる表示装置のように、表示制御部103がアイコンA21〜A28を第1の方向および第2の方向に伸長することにより、隣り合うアイコン同士が重なり合った場合は、表示制御部103は、実施形態1〜実施形態3で説明したように、アイコン同士を重ね合わせて合成アイコンを生成する。
なお、本発明は、上記の実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。
例えば、各実施形態にかかる表示装置は、スマートフォン等の携帯端末や画像形成装置以外に、PC(Personal Computer)やテレビ等に設けられる表示装置等に適用することができる。
また上記の各実施形態では、操作画面に含まれるアイコンが略正方形状である場合を説明したが本発明は必ずしもこの場合に限定されない。操作画面に含まれるアイコンの形状は特に限定されるものではなく、例えばアイコンが略円形状であってもよい。
また、上記の実施の形態で説明した表示制御プログラムをコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリーなどに記録されたものとしてもよい。この場合、当該制御プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体が、本発明の一実施形態となる。
また、上記の実施形態および各変形例を組み合わせてもよい。