JPWO2017056901A1 - 組成物、硬化膜、パターン、パターンの製造方法、光学センサー、及び撮像素子 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、スレン系青色染料を用い、熱履歴による変色を抑えた硬化物が得られる白色感光性樹脂組成物が記載されているが、着色剤の添加が要求され、また、パターンの解像性に課題があった。
(1) (A)バインダー、(B)モノマー、(C)重合開始剤、(D)平均粒径50nm以上の粒子、及び(E)溶剤を含有する組成物。
(2) (D)の粒子が金属粒子である(1)に記載の組成物。
(3) (D)の粒子が二酸化チタンである(2)に記載の組成物。
(4) (D)の平均粒径が150nm以上である、(1)〜(3)に記載の組成物。
(5) さらに(F)着色防止剤を含む(1)〜(4)に記載の組成物。
(6) 上記(F)着色防止剤がフェノール化合物である、(5)に記載の組成物。
(7) 上記(F)着色防止剤がフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するフェノール化合物である、(6)に記載の組成物。
(8) さらに分散剤を含み、上記分散剤が、吸着部位を有する高分子分散剤である、(1)〜(7)に記載の組成物。
(9) 上記吸着部位が酸系吸着部位である、(8)に記載の組成物。
(10) 上記酸系吸着部位がリン原子含有基およびカルボン酸基の少なくとも一方である、(9)に記載の組成物。
(11) 上記(C)重合開始剤が、オキシム化合物である、(1)に記載の組成物。
(12) さらに色材を含有する、(1)〜(11)のいずれかに記載の組成物。
(13) (1)〜(12)のいずれかに記載の組成物を用いて形成された硬化膜。
(14) 基板上に、(1)〜(12)のいずれかに記載の組成物を塗布する工程と、
マスクを介して露光する工程と、露光後の膜を現像してパターンを形成する工程と、を有するパターンの製造方法。
(15) (14)に記載の製造方法により製造されたパターン。
(16) (1)〜(12)のいずれかに記載の組成物を用いて形成された硬化膜を用いた光学センサー。
(17) (1)〜(12)のいずれかに記載の組成物を用いて形成された硬化膜を用いた撮像素子。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリルはアクリル及びメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における“単量体”は、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、“重合性化合物”とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。“重合性基”とは、重合反応に関与する基を言う。
本発明の組成物は(A)バインダー、(B)モノマー、(C)重合開始剤、(D)平均粒径50nm以上の粒子、及び(E)溶剤を含有する。これにより粒子の散乱に由来する白色の外観を有する。
また、外観調整用という観点から白色の色味を保つ為に、400nm〜700nmの範囲の平均透過率は70%以下が好ましく、60%以下がさらに好ましく、50%以下が特に好ましい。
本発明の組成物は、皮膜特性向上などの観点から、バインダーを含有する。
バインダーとしては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような線状有機ポリマーとしては、公知のものを任意に使用できる。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水に可溶性又は膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、皮膜形成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能になる。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−44615号公報、特公昭54−34327号公報、特公昭58−12577号公報、特公昭54−25957号公報、特開昭54−92723号公報、特開昭59−53836号公報、特開昭59−71048号公報に記載されているもの、すなわち、カルボキシル基を有するモノマーを単独あるいは共重合させた樹脂、酸無水物を有するモノマーを単独あるいは共重合させ酸無水物ユニットを加水分解若しくはハーフエステル化若しくはハーフアミド化させた樹脂、エポキシ樹脂を不飽和モノカルボン酸及び酸無水物で変性させたエポキシアクリレート等が挙げられる。カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、4−カルボキシルスチレン等があげられ、酸無水物を有するモノマーとしては、無水マレイン酸等が挙げられる。
また、同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。本発明の組成物が有するバインダーは、アルカリ現像液に可溶であることが好ましい。
(2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、ビニルアクリレート、2−フェニルビニルアクリレート、1−プロペニルアクリレート、アリルアクリレート、2−アリロキシエチルアクリレート、プロパルギルアクリレート等のアルキルアクリレート。
(4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、ビニルアクリルアミド、ビニルメタクリルアミド、N,N−ジアリルアクリルアミド、N,N−ジアリルメタクリルアミド、アリルアクリルアミド、アリルメタクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン、p−アセトキシスチレン等のスチレン類。
(8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(12)α位にヘテロ原子が結合したメタクリル酸系モノマー。例えば、特開2002−309057号、特開2002−311569号等の各公報に記載の化合物を挙げる事ができる。
エーテルダイマーの具体例としては、特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみ使用してもよいし、2種以上使用してもよい。また、一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他のモノマーを共重合させてもよい。
また、酸基を導入するための単量体は、重合後に酸基を付与しうる単量体であってもよく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する単量体、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する単量体、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有する単量体等が挙げられる。ラジカル重合性二重結合を導入するための単量体を用いる場合において、重合後に酸基を付与しうる単量体を用いる場合、重合後に酸基を付与する処理を行うことが好ましい。重合後に酸基を付与する処理は、単量体の種類によって異なり、例えば、次の処理が挙げられる。水酸基を有する単量体を用いる場合、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させる処理が挙げられる。エポキシ基を有する単量体を用いる場合、例えば、N−メチルアミノ安息香酸、N−メチルアミノフェノール等のアミノ基と酸基とを有する化合物を付加させるか、又は、例えば(メタ)アクリル酸のような酸を付加させた後に生じた水酸基に、例えば、コハク酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、マレイン酸無水物等の酸無水物を付加させる処理が挙げられる。イソシアネート基を有する単量体を用いる場合、例えば、2−ヒドロキシ酪酸等の水酸基と酸基とを有する化合物を付加させる処理が挙げられる。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が、エポキシ基を導入するための単量体を含む場合、その含有割合は、特に制限されず、全単量体成分中、5〜70質量%が好ましく、より好ましくは10〜60質量%である。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の重量平均分子量は、特に制限されず、組成物の粘度、及び組成物により形成される塗膜の耐熱性の観点から、好ましくは2000〜200000、より好ましくは5000〜100000であり、更に好ましくは5000〜20000である。
また、一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体が酸基を有する場合には、酸価が、好ましくは30〜500mgKOH/g、より好ましくは50〜400mgKOH/gである。
一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体の合成に適用される重合方法としては、特に制限はなく、従来公知の各種重合方法を採用することができ、特に、溶液重合法によることが好ましい。詳細には、例えば、特開2004−300204号公報に記載されるポリマー(a)の合成方法に準じて、一般式(ED)で表される化合物を含む単量体成分を重合してなる重合体を合成することができる。
本発明で用いる重合体は、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105であることが好ましく、2000〜1×105であることがより好ましく、5000〜5×104であることがさらに好ましい。
これらのバインダーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい。
本発明の組成物において用いるバインダーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等公知の化合物が挙げられる。
バインダーの含有量は、組成物の全固形分に対して、1質量%以上90質量%以下であることが好ましく、5質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上70質量%以下であることが特に好ましい。
(B)モノマーとして、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物を使用することが好ましく、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物を使用することがより好ましい。このような化合物は当該技術分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性モノマーの各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH2、又は、−OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落0248〜0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において、一般式(1)及び(2)として、その具体例と共に記載の、多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、モノマーとして用いることができる。
エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5〜30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されず、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸及びε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記式(1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nはそれぞれ独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CH2)yCH2O)−又は−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
一般式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(i)又は(ii)で表される化合物のモノマー中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
モノマーの市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、U−4HA、U−6LPA、UA−32P、U−10HA、U−10PA、UA−122P、UA−1100H、UA−7200(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)、UA−9050、UA−9048(BASF社製)などが挙げられる。
以下、モノマーの具体例を挙げるが、これに限定されない。
シリル化合物は、支持体との相互作用性、相溶性を向上する観点から、下記一般式(a)で表される化合物(以下、「特定シリル化合物」とも称する)であることが好ましい。
なお、一般式(a)中、X、Y1、Y2、及びY3は、重合性基(例えば、(メタ)アクリル酸エステル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基など)を有してもよい。
上記シリル化合物としては、例えば、特開2009−242604号公報の段落0056〜0066中における重合性基を有するシリル化合物が挙げられる。
重合性化合物としては、特許第4176717号明細書段落0024〜0031(US2005/0261406Aの段落0027〜0033)に記載のチオ(メタ)アクリレート化合物も使用でき、これらの内容が援用でき、本願明細書に組み込まれる。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸価が上記範囲に入るように調製することが必須である。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、組成物に含有される他の成分(例えば、重合開始剤、二酸化チタン粒子等)との相溶性、分散性に対しても、モノマーの選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の他の成分の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
この範囲内であると、着色を防ぎ、かつ硬化性が良好で好ましい。
本発明の組成物は、(C)重合開始剤を含有する。
重合開始剤としては、モノマーの重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の重合開始剤の中から適宜選択することができる。重合開始剤としては、光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、光重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50のモル吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、特開2013−29760号公報の段落0265〜0268を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、IRGACURE−379EG(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤は、365nm又は405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。
アシルホスフィン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができる。
本発明において、好適に用いることのできるオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
また、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等も挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)も好適に用いられる。
好ましくは、例えば、特開2013−29760号公報の段落0274〜0275を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
具体的には、オキシム化合物としては、下記式(OX−1)で表される化合物が好ましい。なお、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
一般式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
一般式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
一般式(OX−1)中、Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アルキニレン基が好ましい。これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。
本発明において、オキシム化合物は、ニトロ基を有するオキシム化合物を用いることも可能である。ニトロ基を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2013−114249号公報の段落0031〜0047、特開2014−137466号公報の段落0008〜0012、0070〜0079に記載されている化合物や、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)が挙げられる。
式(1)及び式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2014−137466号公報の段落番号0076〜0079に記載された化合物が挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれる。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Cary−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
本発明における粒子は高い屈折率を有し、光を散乱するものが好ましい。光を散乱する粒子であれば特に制限はないが、金属粒子が好ましく、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムがさらに好ましく、二酸化チタン粒子が特に好ましい。
二酸化チタン粒子としては、化学式TiO2で表すことができ、純度が70%以上であることが好ましく、純度80%以上であることがより好ましく、純度85%以上であることが更に好ましい。一般式TinO2n−1(nは2〜4の数を表す。)で表される低次酸化チタン、酸窒化チタン等は30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。
本発明における二酸化チタン粒子は、平均粒径50nm以上であれば特に制限はなく、例えば、市販の二酸化チタン粒子から適宜選択して用いることができる。
二酸化チタン粒子の平均粒径(数平均粒子径)は光を散乱して白色に見せるという点で、平均粒径が50nm以上のものが好ましく、100nm以上のものがさらに好ましく、150nm以上のものが特に好ましい。二酸化チタン粒子の平均粒径が50nm未満の場合には、反射率が低下する場合がある。
二酸化チタン粒子の平均粒径の上限としては特に制限はなく、1000nm以下であることが好ましく、500nm以下であることがより好ましい。
ここでいう「平均粒径」とは、一次粒子が集合した二次粒子についての平均粒径を意味する。また、使用しうる粒子の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」ともいう。)は、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上であることが好ましい。なお、二次粒子の粒径分布は、動的光散乱法(散乱強度分布)を用いて測定することができる。なお、一次粒子の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。
また二酸化チタン粒子の比表面積は、10m2/gから400m2/gであることが好ましく、10m2/gから200m2/gであることが更に好ましく、10m2/gから150m2/gであることがより更に好ましく、10m2/gから40m2/gであることが最も好ましい。
また二酸化チタン粒子の形状には特に制限はない。例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状あるいは不定形状であることができる。
表面処理は、1種単独の表面処理剤でも、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。
また二酸化チタン粒子の表面が、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により覆われていることもまた好ましい。これにより、より耐候性が向上する。
二酸化チタン粒子の市販物としては、例えば、石原産業株式会社製の商品名タイペークR−550、R−580、R−630、R−670、R−680、R−780、R−780−2、R−820、R−830、R−850、R−855、R−930、R−980、CR−50、CR−50−2、CR−57、CR−58、CR−58−2、CR−60、CR−60−2、CR−63、CR−67、CR−Super70、CR−80、CR−85、CR−90、CR−90−2、CR−93、CR−95、CR−953、CR−97、PF−736、PF−737、PF−742、PF−690、PF−691、PF−711、PF−739、PF−740、PC−3、S−305、CR−EL、PT−301、PT−401M、PT−501A、PT−501R、UT771、堺化学工業株式会社製の商品名R−3L、R−5N、R−7E、R−11P、R−21、R−25、R−32、R−42、R−44、R−45M、R−62N、R−310、R−650、SR−1、D−918、GTR−100、FTR−700、TCR−52、テイカ株式会社製の商品名JR、JRNC、JR−301、JR−403、JR−405、JR−600A、JR−600E、JR−603、JR−605、JR−701、JR−800、JR−805、JR−806、JR−1000、MT−01、MT−05、MT−10EX、MT−100S、MT−100TV、MT−100Z、MT−100AQ、MT−100WP、MT−100SA、MT−100HD、MT−150EX、MT−150W、MT−300HD、MT−500B、MT−500SA、MT−500HD、MT−600B、MT−600SA、MT−700B、MT−700HD、チタン工業株式会社製の商品名KR−310、KR−380、KR−380N、富士チタン工業株式会社製の商品名TR−600、TR−700、TR−750、TR−840、TR−900等が挙げられ、タイペークCR−90−2であることが好ましい。
本発明において粒子(D)は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記ポリマー粒子からなるコア粒子と無機ナノ微粒子からなるシェル層とからなるコア・シェル複合粒子としては、例えば、特開2015−47520号公報の段落0012〜0042の記載を参酌することができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
含有量の上限としては特に制限はなく、組成物全固形分に対して70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが最も好ましい。さらに、光学センサーや、光学部材用の材料として用いる場合には40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の組成物は、組成物中での粒子(D)の分散性を向上させる観点から分散剤を含有することが好ましく、吸着部位を有する高分子分散剤を含有することがより好ましい。
本発明において、粒子(D)に対する吸着能を有する部位を、適宜、「吸着部位」と総称する。
本発明における吸着部位としては、酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基等が挙げられる。
「ウレア基」として、例えば、−NR15CONR16R17(ここで、R15、R16、及びR17は各々独立に、水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、又は炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15CONHR17(ここで、R15及びR17は各々独立に、水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17(ここで、R17は水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR22R23(ここで、R18、R19、R20、R21、R22及びR23は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。
「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
特に、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR9R10、ここで、R8、R9、及びR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11及びR12は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13及びR14は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
「アルキルオキシカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
「アルキルアミノカルボニル基」におけるアルキル基部分としては、炭素数1から20までのアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。
「カルボン酸塩基」としては、カルボン酸のアンモニウム塩からなる基などが挙げられる。
「スルホンアミド基」としては、窒素原子に結合する水素原子がアルキル基(メチル基等)、アシル基(アセチル基、トリフルオロアセチル基など)等で置換されていてもよい。
「エポキシ基」としては、置換又は無置換のオキシラン基(エチレンオキシド基)が挙げられる。
吸着部位としては、酸系吸着部位であることが好ましい。酸系吸着部位としては酸基等が挙げられる。なかでも、酸系吸着部位がリン原子含有基およびカルボン酸基の少なくとも一方であることが好ましい。
本発明において、吸着部位を有する高分子分散剤が下記一般式(1)で表される高分子分散剤であることが好ましい。
R1は、(m+n)価の連結基を表し、R2は単結合又は2価の連結基を表す。
A1は酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。n個のA1及びR2は、それぞれ、同一であっても、異なっていてもよい。
mは8以下の正の数、nは1〜9の整数を表し、m+nは3〜10を満たす。
P1はポリマー鎖を表す。m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表される高分子化合物としては、特開2007−277514号公報段落0039(対応する米国特許出願公開第2010/0233595号明細書の<0053>)以降の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
A1は、粒子(D)に対する吸着能を有する官能基、および、複素環構造のような粒子(D)に対する吸着能を有し得る構造を少なくとも1種有する1価の置換基を表す。
なお、この粒子(D)に対する吸着能を有する部位(上記官能基及び構造)は、上記「吸着部位」に相当する。
A1についての酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基の詳細については、吸着部位としての、酸基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、塩基性窒素原子を有する基、複素環基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、カルボン酸塩基、スルホンアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも1種有する1価の置換基として前述した通りである。
また、本発明において、「吸着部位を少なくとも1種有する1価の置換基」は、前述の吸着部位と、1から200個までの炭素原子、0個から20個までの窒素原子、0個から100個までの酸素原子、1個から400個までの水素原子、及び0個から40個までの硫黄原子から成り立つ連結基とが結合してなる1価の置換基である。なお、吸着部位自体が1価の置換基を構成しうる場合には、吸着部位そのものがA1で表される1価の置換基であってもよい。
特に、粒子(D)との相互作用を良好にし、屈折率を向上し、かつ組成物の粘度を低減する観点から、A1は、pKa5〜14の官能基を少なくとも1種有する1価の置換基であることがより好ましい。
ここでいう「pKa」とは、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載されている定義のものである。
上記pKa5〜14の官能基としては、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基が挙げられる。
具体的には、例えば、ウレア基(pKa 12〜14程度)、ウレタン基(pKa 11〜13程度)、配位性酸素原子としての−COCH2CO−(pKa 8〜10程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)等が挙げられる。
中でも、酸基、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基であることが好ましく、pKa5〜14の官能基であることがより好ましい観点から、ウレア基、ウレタン基、スルホンアミド基、イミド基又は配位性酸素原子を有する基であることがより好ましい。
(a+1)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
2価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
R1で表される(m+n)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
一般式(1)中、mは8以下の正の数を表す。mとしては、0.5〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
また、一般式(1)中、nは1〜9の整数を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
ポリマーの中でも、ポリマー鎖を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、及びこれらの変性物、又は共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、及びこれらの変性物又は共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
ポリマー鎖P1における、少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し数kが、立体反発力を発揮し分散性を向上する観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
また、一般式(1)で表される高分子分散剤の嵩張りを抑え、硬化膜中に粒子(D)を密に存在させる観点から、少なくとも1種の繰り返し単位の繰り返し単位数kは、50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましく、30以下であることが更に好ましい。
なお、A2は、一般式(1)におけるA1と同義であり、好ましい態様も同様である。
R4、R5で表される2価の連結基としては、一般式(1)のR2で表される2価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
R3で表される(m+n)価の連結基としては、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
R3で表される(m+n)価の連結基として、具体的には、一般式(1)のR1で表される(m+n)価の連結基として挙げられたものと同様のものが用いられ、好ましい態様も同様である。
また、一般式(2)中、nは1〜9の整数を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜6が特に好ましい。
R3:特開2007−277514号公報段落0082〜0083に記載の具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、又は(17)
R4:単結合、又は、下記の構造単位若しくは該構造単位が組み合わさって構成される「1から10個までの炭素原子、0個から5個までの窒素原子、0個から10個までの酸素原子、1個から30個までの水素原子、及び0個から5個までの硫黄原子」から成り立つ2価の連結基(置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。)
なお、下記基中、R12は水素原子又はメチル基を表し、lは1又は2を表す。
m:1〜3
n:3〜6
なお、酸価の下限値としては特に制限はなく、二酸化チタン粒子の分散安定性の観点から、5mgKOH/g以上であることが好ましく、10mgKOH/g以上であることがより好ましい。
本発明において、一般式(1)又は(2)で表される高分子分散剤の酸価は、例えば、一般式(1)又は(2)で表される分散剤中における酸基の平均含有量から算出することができる。
一般式(1)又は(2)で表される高分子分散剤の分子量としては、重量平均分子量で、1000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、3000〜20000が特に好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であると、ポリマーの末端に導入された複数の吸着部位の効果が十分に発揮され、二酸化チタン粒子表面への吸着性に優れた性能を発揮し得る。
上記一般式(1)で表される高分子化合物の具体例としては、特開2007−277514号公報段落0266(対応する米国特許出願公開第2010/0233595号明細書の<0389>)以降の実施例で合成された化合物C−1〜C−57の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
一般式(1)又は(2)で表される高分子分散剤は、特に制限されず、特開2007−277514号公報段落0114〜0140及び0266〜0348に記載の合成方法に準じて合成することができる。
本発明において「塩基強度pKb」とは、水温25℃でのpKbをいい、塩基の強さを定量的に表すための指標のひとつであり、塩基性度定数と同義である。塩基強度pKbと、酸強度pKaとは、pKb=14−pKaの関係にある。
pKa14以下の官能基を有する基Xについては、分散樹脂2−1について後述する基Xと同義である。
分散樹脂2が側鎖に有する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとしても、分散樹脂2−1について後述する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yと同義である。
分散樹脂2としては、下記式で表されるpKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位、下記式で表される塩基性窒素原子を有する繰り返し単位、及び下記式で表される原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを有する繰り返し単位(下記繰り返し単位の構造の左から順に対応する。)を含有する樹脂などが挙げられる。
分散樹脂2は、pKa14以下の官能基を有する基Xが結合する窒素原子を含有する繰り返し単位と、側鎖に原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂であることが好ましい。
分散樹脂2は、(i)ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の、窒素原子を含有する繰り返し単位であって、窒素原子に結合し、かつpKa14以下の官能基を有する基Xを有する繰り返し単位と、側鎖に(ii)原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yとを有する樹脂2−1(以下、適宜、「分散樹脂2−1」と称する)であることが特に好ましい。
分散樹脂2−1は、ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位(i)を有する。これにより、粒子(D)表面への吸着力が向上し、且つ前記粒子(D)間の相互作用が低減できる。
ポリ(低級アルキレンイミン)は鎖状であっても網目状であってもよい。
ポリ(低級アルキレンイミン)系繰り返し単位、ポリアリルアミン系繰り返し単位、ポリジアリルアミン系繰り返し単位、メタキシレンジアミン−エピクロルヒドリン重縮合物系繰り返し単位、及びポリビニルアミン系繰り返し単位から選択される少なくとも1種の窒素原子を含有する繰り返し単位(i)を重合して得られる主鎖の数平均分子量、すなわち、分散樹脂2−1から側鎖の前記オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y部分を除いた部分の数平均分子量は、100〜10,000が好ましく、200〜5,000がさらに好ましく、300〜2,000が最も好ましい。主鎖部の数平均分子量は、核磁気共鳴分光法で測定した末端基と主鎖部の水素原子積分値の比率から求めるか、原料であるアミノ基を含有するオリゴマー又はポリマーの分子量の測定により求めることができる。
分散樹脂2−1の好ましい構成成分である一般式(I−1)で表される繰り返し単位及び一般式(I−2)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。aは、各々独立に、1〜5の整数を表す。*は繰り返し単位間の連結部を表す。
XはpKa14以下の官能基を有する基を表す。
Yは原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
*、R1、R2及びaは一般式(I−1)と同義である。
Y’はアニオン基を有する原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
上記一般式(I−3)で表される繰り返し単位は、主鎖部に一級又は二級アミノ基を有する樹脂に、アミンと反応して塩を形成する基を有するオリゴマー又はポリマーを添加して反応させることで形成することが可能である。
一般式(I−2)で表される繰り返し単位は、原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖を有する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位は、保存安定性の観点から、分散樹脂2−1の全繰り返し単位中、10〜90モル%含有することが好ましい。
両者の含有比について、分散安定性及び親疎水性のバランスの観点からは、繰り返し単位(I−1):(I−2)はモル比で10:1〜1:100の範囲であることが好ましい。
分散樹脂2−1の他の好ましい構成成分である一般式(II−1)で表される繰り返し単位及び一般式(II−2)で表される繰り返し単位について詳細に説明する。
R3、R4、R5及びR6は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基を表す。*、X及びYは一般式(I−1)及び(I−2)中の*、X及びYと同義である。
一般式(II−2)は原子数40〜10,000のオリゴマー鎖又はポリマー鎖Yを有する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位は、保存安定性の観点から、分散樹脂2−1の全繰り返し単位中、10〜90モル%含有することが好ましい。
所望により併用される一般式(II−3)で表される繰り返し単位は分散樹脂2−1の全繰り返し単位中、0.5〜20モル%含有することが好ましい。
分散樹脂2−1においては、分散性の観点から、特に一般式(I−1)で表される繰り返し単位と一般式(I−2)で表される繰り返し単位の双方を含むことが最も好ましい。
Xは水温25℃でのpKaが14以下の官能基を有する。
「pKa14以下の官能基」は、物性がこの条件を満たすものであれば、その構造などは特に限定されず、公知の官能基でpKaが上記範囲を満たすものが挙げられ、特にpKaが12以下である官能基が好ましく、pKaが11以下である官能基が最も好ましい。具体的には、カルボン酸(pKa 3〜5程度)、スルホン酸(pKa −3〜−2程度)、−COCH2CO−(pKa 8〜10程度)、−COCH2CN(pKa 8〜11程度)、−CONHCO−、フェノール性水酸基、−RFCH2OH又は−(RF)2CHOH(RFはペルフルオロアルキル基を表す。pKa 9〜11程度)、スルホンアミド基(pKa 9〜11程度)等が挙げられる。
基Xが有する官能基のpKaが14以下であることにより、粒子(D)との相互作用を達成することができる。
このpKa14以下の官能基を有する基Xは、窒素原子を含有する繰り返し単位における窒素原子に直接結合することが好ましいが、窒素原子を含有する繰り返し単位の窒素原子とXとは、共有結合のみならず、イオン結合して塩を形成する態様で連結していてもよい。
Uは単結合又は2価の連結基を表す。
d及びeは、それぞれ独立して0又は1を表す。
上記一般式(V−3)中、Qはアシル基又はアルコキシカルボニル基を表す。
Yとしては、分散樹脂2の主鎖部と連結できるポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の公知のポリマー鎖が挙げられる。Yの分散樹脂2との結合部位は、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yの末端であることが好ましい。
Yは、窒素原子を含有する繰り返し単位の窒素原子とアミド結合、又はカルボン酸塩としてイオン結合していることが好ましい。
オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y1本あたりの原子数が40未満では、グラフト鎖が短いため、立体反発効果が小さくなり分散性が低下する場合がある。一方、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Y1本あたりの原子数が10000を超えると、オリゴマー鎖又はポリマー鎖Yが長くなりすぎ、粒子(D)への吸着力が低下して分散性が低下する場合がある。
また、Yの数平均分子量はGPC法によるポリスチレン換算値により測定することができる。Yの数平均分子量は、特に1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000が分散性・分散安定性・現像性の観点から最も好ましい。
Yで示される側鎖構造は、主鎖連鎖に対し、樹脂1分子中に、2つ以上連結していることが好ましく、5つ以上連結していることが最も好ましい。
分散樹脂2−1が一般式(I−3)又は(II−3)で表される繰り返し単位を含有する場合、Y’が一般式(III−2)であることが好ましい。
これらラクトンは複数種を混合して用いても良い。
カルボン酸とラクトンの反応時の仕込みモル比率は、目的のポリエステル鎖の分子量によるため一義的に決定できないが、カルボン酸:ラクトン=1:1〜1:1,000が好ましく、1:3〜1:500が最も好ましい。
(IV−3)二価アルコールと二価カルボン酸(もしくは環状酸無水物)との重縮合反応における二価アルコールとしては、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール(より好ましくは炭素数2〜30のジオール)が好ましい。
二価カルボン酸としては、直鎖又は分岐の二価の脂肪族カルボン酸(より好ましくは炭素数1〜30の二価の脂肪族カルボン酸)が好ましい。
二価カルボン酸と二価アルコールは、モル比で1:1で仕込むことが好ましい。これにより、末端にカルボン酸を導入することが可能となる。
本発明の組成物は、一般式(1)又は(2)で表される高分子分散剤、分散樹脂2以外の分散剤(以下、「その他の分散剤」と称する場合がある)を含有していてもよい。
本発明に用いることができるその他の分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、酸系吸着部位としてリン原子含有基またはカルボン酸などの酸基を有する高分子分散剤、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン、顔料誘導体等を挙げることができる。なかでも、微細なホールパターンを良好に形成する観点から、酸系吸着部位としてリン原子含有基またはカルボン酸基の少なくとも一方を有する高分子分散剤であることが好ましい。リン原子含有基としては、リン酸エステル基、ポリリン酸エステル基、リン酸基等が挙げられる。
その他の分散剤は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
その他の分散剤は、二酸化チタン粒子の表面に吸着し、再凝集を防止するように作用する。そのため、二酸化チタン粒子表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。
一方で、その他の分散剤は、二酸化チタン粒子表面を改質することで、分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
本発明において、酸系吸着部位としてリン原子含有基(例えば、リン酸基等)を有する高分子分散剤として、ソルスパース26000(SOLSPERSE26000)、36000、又は41000を好適に用いることができる。
本発明の組成物において、分散剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の組成物が分散剤を含有する場合、分散剤が多すぎると剥がれの原因になることもあり得るため、組成物中、分散剤の質量は、粒子(D)の質量よりも少ないことが好ましく、分散剤と粒子(D)の組成物中の質量比は、分散剤/粒子(D)=0.01〜0.8であることがより好ましく、分散剤/粒子(D)=0.03〜0.5であることが更に好ましく、分散剤/粒子(D)=0.05〜0.3であることが特に好ましい。
さらに、バインダー(A)と分散剤との総含有量(ポリマー含有量と称することもある)が解像性へ大きく寄与しており、ポリマー含有量が組成物の全固形分中10〜80質量%の範囲が好ましく、20〜80質量%の範囲がより好ましく、30〜75質量%の範囲が特に好ましい。この場合、バインダーとしては酸基を有するバインダーが好ましく、分散剤としては酸性基及び/又は塩基性基を有する分散剤が好ましい。
本発明の組成物は溶剤を含有する。溶剤は種々の有機溶剤を用いて構成することができる。
ここで使用できる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、エチレンジクロライド、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシプロパノール、メトキシメトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどがある。
これらの有機溶剤は、単独あるいは混合して使用することができる。本発明の組成物における固形分の濃度は、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。さらに、塗布均一性の観点から、30質量%以下が最も好ましい。
また、溶剤中から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、蒸留(分子蒸留や薄膜蒸留等)やフィルタを用いた濾過を挙げることができる。濾過に用いるフィルタのフィルタ孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルタとしては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、または、ナイロン製のフィルタが好ましい。
さらに、溶剤には、異性体(同じ原子数で異なる構造の化合物)が含まれていてもよい。また、異性体は、1種のみが含まれていてもよいし、複数種含まれていてもよい。
本発明の組成物は、色材を含有することができ、色材としては有彩色着色剤または有機系黒色着色剤などが挙げられる。
本発明において、有彩色着色剤は、赤色着色剤、緑色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤及びオレンジ色着色剤から選ばれる着色剤であることが好ましい。
顔料の平均粒径(r)は、20nm≦r≦300nmが好ましく、25nm≦r≦250nmがより好ましく、30nm≦r≦200nmが更に好ましい。ここでいう「平均粒径」とは、顔料の一次粒子が集合した二次粒子についての平均粒径を意味する。
また、使用しうる顔料の二次粒子の粒径分布(以下、単に「粒径分布」ともいう。)としては、(平均粒径±100)nmに入る二次粒子が全体の70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。なお、二次粒子の粒径分布は、散乱強度分布を用いて測定することができる。
カラーインデックス(C.I.)Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等(以上、黄色顔料)、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279等(以上、赤色顔料)、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37,58,59等(以上、緑色顔料)、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)、
これら有機顔料は、単独または種々組合せて用いることができる。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、及び/または、これらの誘導体等も有用に使用することができる。
acid alizarin violet N、
acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40〜45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1、
acid chrome violet K、
acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50、
acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95、
acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274、
acid violet 6B,7,9,17,19、
acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243、
Food Yellow 3
さらに、顔料と染料を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、有機系黒色着色剤としては、例えば、ビスベンゾフラノン化合物、アゾメチン化合物、ペリレン化合物、アゾ系化合物などが挙げられ、ビスベンゾフラノン化合物、ペリレン化合物が好ましい。
ビスベンゾフラノン化合物としては、特表2010−534726号公報、特表2012−515233号公報、特表2012−515234号公報などに記載のものが挙げられ、例えば、BASF社製の「Irgaphor Black」として入手可能である。
ペリレン化合物としては、C.I.Pigment Black 31、32などが挙げられる。
アゾメチン化合物としては、特開平1−170601号公報、特開平2−34664号公報などに記載のものが挙げられ、例えば、大日精化社製の「クロモファインブラックA1103」として入手できる。
本発明の組成物により形成される硬化膜の耐着色性を向上させる観点から、本発明の組成物に青色顔料ないしは紫色顔料を含有させることができる。
青色顔料または紫色顔料としては、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、及び、C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80から選択される1種以上であることが好ましい。
これら有機顔料は、単独、または、色純度を上げるため種々組合せて用いることができる。上記組合せの具体例を以下に示す。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を1種単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
また、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000、12000、ソルスパース22000(ゼネカ(株)製)等の顔料誘導体もあわせて使用することができる。
黒色顔料としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、カーボンブラック、チタンブラック、グラファイト等が挙げられ、カーボンブラック、チタンブラックが好ましく、チタンブラックがより好ましい。チタンブラックとは、チタン原子を含有する黒色粒子であり、低次酸化チタンや酸窒化チタンが好ましい。
チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能である。例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、又は、酸化ジルコニウムでチタンブラックの表面を被覆することが可能である。また、特開2007−302836号公報に表されるような撥水性物質での処理も可能である。黒色顔料として、具体的には、C.I.Pigment Black 1,7,チタン黒顔料等が挙げられる。
上記の範囲内であれば添加量が少なくなりすぎることがないため性能が安定する。
本発明の組成物には、更なる基板との密着性向上の観点から、シランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましい。また有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す基を有することが好ましく、そのような基としては(メタ)アクリロイル基、フェニル基、メルカプト基、グリシジル基、オキセタニル基を有するものがより好ましく、その中でも(メタ)アクリロイル基又はグリシジル基を有するものがさらに好ましい。
即ち、本発明に用いるシランカップリング剤としては、アルコキシシリル基と、(メタ)アクリロイル基又はエポキシ基と、を有する化合物であることが好ましく、具体的には下記構造の(メタ)アクリロイル−トリメトキシシラン化合物、グリシジル−トリメトキシシラン化合物等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、アルコキシシリル基を2つ以上有する化合物も好適に使用できる。アルコキシシリル基を2つ以上有する化合物としては、例えば1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、KBM−3066、KBM−3086、KC−89S、KR−500、X−40−9225、X−40−9246、X−40−9250、KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247、X−40−2308、X−40−9238(信越化学工業社製)が挙げられる。
本発明の組成物は着色防止剤を含有することが好ましい。
本発明における着色防止剤として、本願記載の重合禁止剤、フェノール化合物、及び酸化防止剤として知られる亜リン酸エステル化合物又はチオエーテル化合物であることが好ましく、分子量500以上であるフェノール化合物、及び分子量500以上である亜リン酸エステル化合物又はチオエーテル化合物であることがより好ましい。これらは2種以上を混合して使用してもよい。フェノール化合物としては、フェノール系酸化防止剤として知られる任意のフェノール化合物を使用することができる。好ましいフェノール化合物としては、ヒンダードフェノール化合物が挙げられる。特に、フェノール性水酸基に隣接する部位(オルト位)に置換基を有することが好ましい。その場合の置換基としては炭素数1〜22の置換又は無置換のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルへキシル基がより好ましい。また、同一分子内にフェノール基と亜リン酸エステル基を有する安定剤も好ましい素材として挙げられる。
組成物中における着色防止剤の含有量は、固形分換算で、0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
また着色防止剤は2種以上を混合して使用しても良い。
本発明の組成物は、(C)重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、(C)重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤としては、具体的には、特開2010−106268号公報段落0231〜0253(対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の<0256>〜<0273>)の説明を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始剤の分解効率の観点から、固形分換算で、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物は、更に共増感剤を含有することも好ましい。
本発明において共増感剤は、(C)重合開始剤や増感剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは、酸素による(B)モノマーの重合阻害を抑制する等の作用を有する。
共増感剤としては、具体的には、特開2010−106268号公報段落0254〜0257(対応する米国特許出願公開第2011/0124824号明細書の<0277>〜<0279>)の説明を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
これら共増感剤の含有量は、重合成長速度と連鎖移動のバランスによる硬化速度の向上の観点から、組成物の全固形分の質量に対し、0.1質量%以上30質量%以下の範囲が好ましく、1質量%以上25質量%以下の範囲がより好ましく、1.5質量%以上20質量%以下の範囲が更に好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合物の不要な重合を阻止するために、重合禁止剤を添加することが好ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、フェノール系水酸基含有化合物、N−オキシド化合物類、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、ジアゾニウム化合物類、及びカチオン染料類、スルフィド基含有化合物類、ニトロ基含有化合物類、FeCl3、CuCl2等の遷移金属化合物類が挙げられる。
フェノール系水酸基含有化合物が、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、フェノール樹脂類、及びクレゾール樹脂類からなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
N−オキシド化合物類が、5,5−ジメチル−1−ピロリンN−オキシド、4−メチルモルホリンN−オキシド、ピリジンN−オキシド、4−ニトロピリジンN−オキシド、3−ヒドロキシピリジンN−オキシド、ピコリン酸N−オキシド、ニコチン酸N−オキシド、及びイソニコチン酸N−オキシドからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
ピペリジン1−オキシル フリーラジカル化合物類が、ピペリジン1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカル、及び4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルフリーラジカルからなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
ピロリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類が3−カルボキシプロキシルフリーラジカル(3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン1−オキシルフリーラジカル)であるのが好ましい。
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類が、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩からなる化合物群から選択される化合物であるのが好ましい。
ジアゾニウム化合物類が、4−ジアゾフェニルジメチルアミンの硫酸水素塩、4−ジアゾジフェニルアミンのテトラフルオロホウ酸塩、及び3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンのヘキサフルオロリン酸塩からなる群より選択される化合物であるのが好ましい。
上記範囲とすることで、非画像部における硬化反応抑制及び画像部における硬化反応促進が充分おこなわれ、画像形成性及び感度が良好となる。
本発明の組成物において、重合禁止剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤として具体的には、特開2014−41318号公報の段落0060〜0064(対応する国際公開第2014/17669号パンフレットの段落0060〜0064)等に記載の界面活性剤が挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファック F−171、メガファック F−172、メガファック F−173、メガファック F−176、メガファック F−177、メガファック F−141、メガファック F−142、メガファック F−143、メガファック F−144、メガファック R30、メガファック F−437、メガファック F−475、メガファック F−479、メガファック F−482、メガファック F−554、メガファック F−780(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、フロラードFC431、フロラードFC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、サーフロンSC−101、サーフロンSC−103、サーフロンSC−104、サーフロンSC−105、サーフロンSC1068、サーフロンSC−381、サーフロンSC−383、サーフロンS393、サーフロンKH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、特開2015−117327号公報の段落0015〜0158に記載の化合物を用いることもできる。
また、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
また、エチレン性不飽和基を側鎖に有する含フッ素重合体をフッ素系界面活性剤として用いることもできる。具体例としては、特開2010−164965号公報0050〜0090段落及び0289〜0295段落に記載された化合物、例えばDIC社製のメガファックRS−101、RS−102、RS−718K等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
更に、組成物に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために可塑剤や感脂化剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、バインダーを使用した場合、モノマーとバインダーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明の組成物は、紫外線吸収剤を含有してもよい。紫外線吸収剤としては、共役ジエン系化合物である下記一般式(I)で表される化合物が特に好ましい。
また、R1及びR2は、R1及びR2が結合する窒素原子と共に、環状アミノ基を形成してもよい。環状アミノ基としては、例えば、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ヘキサヒドロアゼピノ基、ピペラジノ基等が挙げられる。
R3及びR4は、電子求引基を表す。ここで電子求引基は、ハメットの置換基定数σp値(以下、単に「σp値」という。)が、0.20以上1.0以下の電子求引性基である。好ましくは、σp値が0.30以上0.8以下の電子求引性基である。R3及びR4は互いに結合して環を形成してもよい。
また、上記のR1、R2、R3、及びR4の少なくとも1つは、連結基を介して、ビニル基と結合したモノマーより導かれるポリマーの形になっていてもよい。他のモノマーとの共重合体であっても良い。
式(I)で示される紫外線吸収剤の置換基の説明は、WO2009/123109A段落0024〜0033(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の<0040>〜<0059>)の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。前記式(I)で表される化合物の好ましい具体例は、WO2009/123109A段落0034〜0037(対応する米国特許出願公開第2011/0039195号明細書の<0060>)の例示化合物(1)〜(14)の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明においては、各種の紫外線吸収剤は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタで濾過することが好ましい。従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径は、0.2〜10.0μm程度が適しており、好ましくは0.3〜7.0μm程度、更に好ましくは0.4〜5.0μm程度である。この範囲とすることにより、溶解した顔料等に混入しており、後工程において均一及び平滑な組成物の調製を阻害する、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせても良い。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタリングを行ってもよい。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、面内の均一性が高く、可視域の透過率が平坦であり、耐性、リソ性、保存安定性、密着性、再分散性、塗布均一性に優れた硬化膜を形成し得ることから、各種光学センサーや、光学部材等の外観調整材として好適に使用することができる。
すなわち、本発明の組成物は、硬化膜形成用であることが好ましい。
また、本発明は、本発明の組成物を用いて形成された硬化膜にも関する。
[硬化膜の製造方法]
本発明の硬化膜の製造方法としては、前述の組成物を基板上にスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、バー塗布法等で塗布する工程、
続く第一の加熱工程、及び
更に続いてより高い温度での第二の加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を有する。
第一の加熱工程における条件としては、70℃以上110℃以下で2分以上4分以下程度の条件下で乾燥されることが好ましい。
以下、本発明のパターンについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のパターンの製造方法は、基板上に、本発明の組成物を塗布して膜を形成する工程と、膜をマスクを介して露光する工程(以下、適宜「露光工程」と略称する。)と、露光後の膜を現像してパターンを形成する工程(以下、適宜「現像工程」と略称する。)とを有する。
本発明のパターンの製造方法においては、上述した、膜を形成する工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、形成されたパターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を有することが好ましい。
具体的には、本発明の組成物を、直接又は他の層を介して基板上に塗布して、膜を形成し(膜形成工程)、所定のマスクパターンを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させ(露光工程)、現像液で現像することによって(現像工程)、パターンを形成することができる。
以下、各工程について説明する。
膜形成工程では、基板上に、本発明の組成物を塗布して膜を形成する。
基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
基板上への本発明の組成物の塗布方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スプレー塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
膜の塗布膜厚としては特に限定はなく、解像度と現像性の観点から、0.2μm以上50μm以下が好ましく、0.5μm以上30μm以下がより好ましく、0.7μm以上20μm以下が更に好ましい。
基板上に塗布された組成物は、通常、70℃以上110℃以下で2分以上4分以下程度の条件下で乾燥され、膜が形成される。
露光工程では、形成された膜をマスクを介して露光し、光照射された塗布膜部分だけを硬化させる。
露光は放射線の照射により行うことが好ましく、露光に際して用いることができる放射線としては、特に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられ、高圧水銀灯がより好まれる。照射強度は5mJ/cm2以上1500mJ/cm2以下が好ましく10mJ/cm2以上1200mJ/cm2以下がより好ましく、10mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下が最も好ましい。
露光工程に次いで、現像工程(好ましくはアルカリ現像工程)を行い、露光工程における光未照射部分をアルカリ水溶液に溶出させる。これにより、光硬化した部分だけが残る。
現像工程において使用する現像液は特に限定されず、例えば、アルカリ現像液又は有機溶剤を含有する現像液を用いることができる。
現像液としては、下地の回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が好ましい。現像温度としては通常20℃以上30℃以下であり、現像時間は20秒以上90秒以下である。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.001〜20質量%であり、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.1〜1質量%であることがより好ましい。アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。アルカリ現像液のアルカリ濃度及びpHは、適宜調製して用いることができる。アルカリ現像液は、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加して用いてもよい。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
また、実施例中、酸価は電位差法(溶媒テトラヒドロフラン/水=54/6(体積比)、滴定液 0.1N水酸化ナトリウム水溶液(酸価))により決定した。
また、以降における重量平均分子量の測定は、測定装置としてHPC−8220GPC(東ソー製)、ガードカラムとしてTSKguardcolumn SuperHZ−L、カラムとしてTSKgel SuperHZM−M、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000を直結したカラムを用い、カラム温度を40℃にして、試料濃度0.1質量%のテトラヒドロフラン溶液を10μl注入し、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分0.35mlの流量でフローさせ、RI検出装置にて試料ピークを検出し、標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算した。
[二酸化チタン分散液1の調製]
下記組成の混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルを用いて、以下のようにして分散処理を行い、二酸化チタン分散液を得た。
〜組成〜
・二酸化チタン(石原産業(株)製 CR−90−2)(純度90%以上)
:272.57部
・分散剤(SOLSPERSE36000(リン酸基を有する分散樹脂))
(30質量%PGMEA溶液) :136.29部
・プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)
:241.14部
・ビーズ径:φ0.2mm
・ビーズ充填率:65体積%
・周速:6m/秒
・ポンプ供給量:10.8kg/時間
・冷却水:水道水
・ビーズミル環状通路内容積:0.15L
・分散処理する混合液量:0.65kg
平均粒子径は分散時間とともに減少したが、次第にその変化量が少なくなった。粒度分布におけるd50が250nm未満、d90が350nm未満となった時点で分散を終了した。なお、この分散液中の二酸化チタン粒子の平均粒径は253nmであった。この測定は、日機装株式会社製マイクロトラックUPA−EX150を用いて得られた数平均粒子径のこととする。
組成及び分散処理する混合液量を下記のように変更する以外は、二酸化チタン分散液1の調製と同様にして、分散液を調製した。なお、二酸化チタン分散液2中の二酸化チタン粒子の平均粒径は253nmであった。
〜組成〜
・二酸化チタン(石原産業(株)製 CR−90−2)(純度90%以上)
:195.91部
・分散剤(SOLSPERSE36000(リン酸基を有する分散樹脂))
(30質量%PGMEA溶液) :391.82部
・プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)
: 62.27部
・分散処理する混合液量:0.65kg
・上記で調製した二酸化チタン分散液1 : 8.56部
・下記バインダー(B−1)40質量%PGMEA溶液 : 40.24部
重量平均分子量(Mw)は11000であり、共重合比(モル比)は下記の通りである。
・モノマー(ペンタエリスリトールテトラアクリレート): 10.73部
(新中村化学工業株式会社製 A−TMMT;下記表においてM−1)
・重合開始剤(K−1) : 3.05部
・着色防止剤((株)アデカ製 アデカスタブAO−80): 0.17部
・シランカップリング剤−1:(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1質量%シクロヘキサノン溶液
: 3.4部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) : 0.0054部
・界面活性剤 下記混合物(Mw=14000、0.2質量%PGMEA溶液)
: 4.17部
・PGMEA :29.68部
実施例1と同様に以下の表に従って各成分を混合して実施例2〜22の組成物を得た。
表中の化合物は下記のものを用いた。
重合開始剤K−2:アデカアークルズNCI831(ADEKA社製)
シランカップリング剤―2:
以下の組成となるように各成分を混合して実施例23の組成物を得た。
・上記で調製した二酸化チタン分散液2:12.16部
・下記バインダー(B−2)40質量%PGMEA溶液:36.01部
重量平均分子量(Mw)は14000であり、共重合比(モル比)は下記の通りである。
・モノマー(ペンタエリスリトールテトラアクリレート):9.90部
(新中村化学工業株式会社製 A−TMMT)
・重合開始剤(K−1):2.82部
・着色防止剤((株)アデカ製 アデカスタブAO−80):0.18部
・シランカップリング剤−1:(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1質量%シクロヘキサノン溶液:1.75部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール):0.0050部
・下記UV吸収剤1:0.35部
・下記界面活性剤1 0.2質量%PGMEA溶液:4.17部
・PGMEA:32.66部
0.3mm径のジルコニアビーズを使用して、ビーズミル(減圧機構付き高圧分散機NANO−3000−10(日本ビーイーイー(株)製))で、下記組成の混合液を3時間混合、分散して、顔料分散液を調製した。表2には、該当する成分の使用量(単位:質量部)を示す。
・PR254 : C.I.Pigment Red 254
・PB15:6 : C.I.Pigment Blue 15:6
・PG58 : C.I.Pigment Green58
・PY139 : Pigment Yellow 139
・PV23 : Pigment Violet 23
・PB7 : Pigment Black 7
・Irgaphor Black [BASF社製]
・分散樹脂A:下記構造(Mw:24000)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
以下の組成となるように各成分を混合して実施例24の組成物を得た。
・上記で調製した二酸化チタン分散液2:12.10部
・上記で調製した顔料分散液2−1:0.44部
・上記バインダー(B−2)40質量%PGMEA溶液:35.90部
・モノマー(ペンタエリスリトールテトラアクリレート):9.90部
(新中村化学工業株式会社製 A−TMMT)
・重合開始剤(K−1):2.82部
・着色防止剤((株)アデカ製 アデカスタブAO−80):0.18部
・シランカップリング剤−1:(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1質量%シクロヘキサノン溶液:1.75部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール):0.0050部
・上記UV吸収剤1:0.35部
・上記界面活性剤1:4.17部
・PGMEA:32.40部
顔料分散液2−1を顔料分散液2−2に変えた以外は、実施例24と同様の手順に従って、組成物を得た。
顔料分散液2−1を顔料分散液2−3に変えた以外は、実施例24と同様の手順に従って、組成物を得た。
顔料分散液2−1を顔料分散液2−4に変えた以外は、実施例24と同様の手順に従って、組成物を得た。
顔料分散液2−1を顔料分散液2−5に変えた以外は、実施例24と同様の手順に従って、組成物を得た。
顔料分散液2−1を顔料分散液2−6に変えた以外は、実施例24と同様の手順に従って、組成物を得た。
顔料分散液2−1を顔料分散液2−7に変えた以外は、実施例24と同様の手順に従って、組成物を得た。
以下の組成となるように各成分を混合して実施例31の組成物を得た。
・上記で調製した二酸化チタン分散液2:12.10部
・上記で調製した顔料分散液2−4:0.22部
・上記で調製した顔料分散液2−5:0.22部
・上記バインダー(B−2)40質量%PGMEA溶液:35.90部
・モノマー(ペンタエリスリトールテトラアクリレート):9.90部
(新中村化学工業株式会社製 A−TMMT)
・重合開始剤(K−1):2.82部
・着色防止剤((株)アデカ製 アデカスタブAO−80):0.18部
・シランカップリング剤−1:(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)1質量%シクロヘキサノン溶液:1.75部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール):0.0050部
・上記UV吸収剤1:0.35部
・上記界面活性剤1:4.17部
・PGMEA:32.40部
顔料分散液2−4を顔料分散液2−1に、顔料分散液2−5を顔料分散液2−3に変えた以外は、実施例31と同様の手順に従って、組成物を得た。
二酸化チタン顔料として、TTO−55N(商品名、石原産業社製、ルチル型、Ti原子の含有量:99atm%)を用いた以外は二酸化チタン分散液1の調製と同様にして分散液を得た。分散液中の二酸化チタン粒子の平均粒径は30nmであった。この分散液を用いて実施例1と同様にして比較例1の組成物を得た。
実施例1〜32及び比較例1の組成物をそれぞれ、8インチガラスウェハ(イーグルXGコーニング社製、厚さ1.1mm)上にスピンコート法で塗布し、その後ホットプレート上で100℃で2分間加熱して塗布膜を得た。この塗布膜を、ウシオ電機(株)製超高圧水銀ランプ「USH−500BY」により500mJ/cm2で露光した。さらに、200℃で5分、ホットプレート上で加熱して、硬化膜を得た。
上記の硬化膜の分光(透過率)を、大塚電子(株)製「MCPD−3700」を用いて測定した。下記表3に400nmでの透過率を示す。
上記ガラスウェハの中心から端に向かい1cmおきに膜面に傷をつけ、触針式膜厚計DEKTAK XT(BRUKER製)を用いてウェハ面内の膜厚を10点測定した。そして、下記式に基づいて膜厚のばらつきを算出した。
膜厚のばらつき=(膜厚の最大値−膜厚の最小値)÷(10点測定した膜厚の平均値)×100
算出した膜厚のばらつきを下記基準に基づいて評価した。膜厚のばらつきが2%以下のものを4、2%より大きく3%以下のものを3、3%より大きく5%以下のものを2、5%より大きいものを1とした。
上記の硬化膜の分光(透過率)を、大塚電子(株)製「MCPD−3700」で測定し、400nm〜700nmの間の最低透過率と最高透過率の透過率差を以下に従って評価した。透過率の差が20%以下のものを3、20%より大きく、30%以下のものを2、30%より大きいものを1とした。
なお、上記実施例にて使用された無機粒子(二酸化チタン)の代わりに、特開2015−47520号公報の段落0012〜0042に記載のポリマー粒子からなるコア粒子と無機ナノ微粒子からなるシェル層とからなるコア・シェル複合粒子を用いた場合も、上記と同様の結果が得られた。
Claims (17)
- (A)バインダー、(B)モノマー、(C)重合開始剤、(D)平均粒径50nm以上の粒子、及び(E)溶剤を含有する組成物。
- (D)の粒子が金属粒子である請求項1に記載の組成物。
- (D)の粒子が二酸化チタンである請求項2に記載の組成物。
- (D)の粒子の平均粒径が150nm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- さらに(F)着色防止剤を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記(F)着色防止剤がフェノール化合物である、請求項5に記載の組成物。
- 前記(F)着色防止剤がフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するフェノール化合物である、請求項6に記載の組成物。
- さらに分散剤を含み、前記分散剤が、吸着部位を有する高分子分散剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記吸着部位が酸系吸着部位である、請求項8に記載の組成物。
- 前記酸系吸着部位がリン原子含有基およびカルボン酸基の少なくとも一方である、請求項9に記載の組成物。
- 前記(C)重合開始剤が、オキシム化合物である、請求項1に記載の組成物。
- さらに色材を含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物を用いて形成された硬化膜。
- 基板上に、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物を塗布する工程と、
マスクを介して露光する工程と、露光後の膜を現像してパターンを形成する工程と、を有するパターンの製造方法。 - 請求項14に記載の製造方法により製造されたパターン。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物を用いて形成された硬化膜を用いた光学センサー。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物を用いて形成された硬化膜を用いた撮像素子。
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