JPWO2017047810A1 - 感覚刺激抑制システムおよび装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の実施形態では真の脳の安静を手軽に実現する感覚刺激抑制システム100および装置200が提供される。感覚刺激抑制システムは、ベッド102と、光遮蔽器(アイマスク112)と、遮音器(イヤーマフ122)とを備える。ベッドは、体を横たえる使用者2を支える支持面102Aをもつ。光遮蔽器が使用者の目に入る光刺激の少なくとも一部を遮断または緩和し、遮音器が使用者の耳に入る音刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する。ベッドに体を横たえている使用者は、光遮蔽器および遮音器を一体的に使用しうる。感覚刺激抑制装置は、ベッド202と頭部側のベッドの端部に取り付けられた光音遮断器(可動カバー212)を備えている。これら感覚刺激抑制システムおよび装置によりコンタクトスポーツの競技により生じかねない脳震盪などのリスクを低減することができる。

Description

本発明は感覚刺激抑制システムおよび装置に関する。さらに詳細には本発明は、コンタクトスポーツの競技者に感覚刺激が抑制された環境の提供を補助することにより、競技に起因して脳に生じかねないリスクを低減するための感覚刺激抑制システムおよび装置に関する。
アメリカンフットボール、ラグビー、アイスホッケー、サッカーなどを含む激しい身体の衝突を伴うスポーツ(本出願で「コンタクトスポーツ」と総称する)において脳震盪(brain concussion)の危険性に注意が払われている。脳震盪は競技者が激しい試合および過酷な練習(以下総称して「競技」と呼ぶ)において頭部に衝撃を受けることに起因しており、脳の外傷と考えられている。
脳震盪の自覚症状は多岐に渡り、意識消失やけいれんなどのほか、健忘、集中不能、眠気や吐き気を催すことがあり、頸部(首)の痛みとなってあらわれることもある(非特許文献1)。従前は、脳震盪の判定のためには自覚症状が重視され、その発現や消失が判断材料とされることが多かった。しかし、例えば意識消失などに至る比率は脳震盪のうち約10%程度に留まることから、自覚症状のみによる診断だけでは脳震盪を見逃しかねない。さらに一回目の脳震盪やそれに近い状態の直後に脳にもう一度強い衝撃を受ける事態(セカンド・インパクト・シンドローム)が生じた場合には、不可逆的な障害を生じやすく、甚だしくは死亡に至ることさえある。脳震盪が見逃されるリスクは甚大といえる。
現在のコンタクトスポーツの現場では、自覚症状に頼ることなく医師が競技を観察するなど細心の注意が払われるようにもなってきている。例えば、球技等の試合では、医師等による観察に基づいて、プレー中の競技者が頭部に衝撃を受けたかどうかを監視したり、脳震盪を疑うべき振る舞いをしていると認められた場合には、その競技者を競技から退出させる対応も検討されている。また、頭部に衝撃が加わって上記自覚症状が発症し脳震盪と診断されたり、上記自覚症状が軽度にあらわれるなどにより脳震盪の疑いが生じた際に採用される具体的な管理手順も広められつつある。その一つが、経過を観察し数日以上日数をかけて段階的に安静状態から活動レベルを元に戻すことである。それを含む管理手順の典型例がラグビーユニオンの国際統括団体であるワールドラグビー(World Rugby)により採用されている(「競技への段階的復帰(GRTP)プログラム (Graduated return to play (GRTP) programme」、非特許文献2)。
急性症状に関するリスクに加えて問題視されているのが、脳震盪の及ぼす慢性的影響である。頭部への衝撃を繰り返し受ける頻回衝突動作を伴う競技を長年つづけると、慢性外傷性脳症(Chronic traumatic encephalopathy;CTE)を発症することが知られている。CTEでは、記憶障害など神経認知機能に生じる障害や人格変貌などに至る例もあり、日常生活にも支障を来す事例が報告されている。実際、米国のNFL(National Football League)引退プレーヤーの統計では、神経変性疾患(アルツハイマー、ALS(amyotrophic lateral sclerosis)など)の罹患率が約3倍に高まることも指摘されている。現状ではCTEに至っているかどうかを確定的に診断する手法は死後の病理学的な解剖によって脳の海馬や扁桃体の萎縮を確認する以外には知られていない。
慢性的側面の問題を深刻にしているのが、後遺症や鎮痛剤などの副作用への競技者の関心が薄いという一般的傾向である。特にコンタクトスポーツのトッププレーヤーは通算10年を超す長期間にわたり現役で競技に関与するが現実には引退後の人生のほうが長い。それにもかかわらず長期的な健康面よりも当面のプレー継続可能性を優先した判断に傾くことがしばしばである。
以上のような急性および慢性での種々のリスクを低減するため、脳震盪を引き起こしかねない頭部への衝撃には十分な注意が常時向けられるべきである。
他方、各種スポーツでの競技では、プレー後に酷使した身体の疲労を速やかに除去し回復を早めるためのクーリングダウンの処置が採用されている。例えばアイシング、アイスバス(氷風呂)といった冷却により回復を早める手法が知られている。あるいは、身体を疲労から回復させるために、身体の各部分に加熱、冷却およびマッサージを適用することができるリカバリースーツも開示されている(特許文献1)。さらに、リラクゼーションを目的として液体に人体を浮遊させその人の感覚を遮断することができるタンクが開示されている(特許文献2)。
米国特許出願公開第2014/0283276号明細書 欧州特許出願公開第0024855号明細書 国際公開第2005/087156号(特表2007−529267号公報)
"Pocket Concussion Recognition Tools"、[online]、掲載日不明、ワールドラグビー(World Rugby)[2015年7月17日検索]、インターネット〈URL:http://playerwelfare.worldrugby.org/?subsection=51〉 "WORLD RUGBY脳振盪ガイドライン (一般向け) (WORLD RUGBY Concussion Guidance for the General Public)"、[online]、掲載日不明、ワールドラグビー(World Rugby)、[2015年6月8日検索]、インターネット〈URL:http://playerwelfare.worldrugby.org/concussion〉 Thomas A. Hammeke et al., "Acute and Subacute Changes in Neural Activation during the Recovery from Sport-Related Concussion." Journal of the International Neuropsychological Society, 19, pp 863-872 (2013) doi:10.1017/S1355617713000702
脳震盪を発症していると診断されたり、脳震盪の疑いがあると判断されたりした場合に要請される処置は、当初は絶対安静、その後には、ある程度の活動が許される安静である。この場合の安静は、走る、自転車をこぐ、泳ぐ、といった身体活動を回避する「体の安静」だけでは不十分であり、特に絶対安静のためには、脳の活動のレベルを高めかねない行為である学業、宿題、読書、テレビ鑑賞、ビデオゲームをプレーするといった行為を抑止する「脳の安静」も含まれている(非特許文献1)。脳震盪やその疑いがあるときには、症状の消失を確認し終えた後の絶対安静が成人の場合で最低24時間必要である。実際、最低24時間の体の安静・脳の安静は、競技への段階的復帰(GRTP)のリハビリテーションステージの最初の段階を構成している(非特許文献2)。
コンタクトスポーツでは、頻回衝突動作のために脳に衝撃が加わりやすい。それにもかかわらず、実際の競技の現場では、すべての競技者の頭部に加わった衝撃が競技者本人や周囲の監督者により漏れなく認知されるわけではなく、周囲からの支援体制を常に万全とすることも現実的でない。しかも、上述した神経認知機能への障害などのように、発生しても探知されにくい症状であったり、長期間経過した後に初めて症状が顕在化したりするものがある。さらに、因果関係が必ずしもはっきりしない症状や、疫学的手法によってのみ説明されるような症状も多い。例えば、上記競技への段階的復帰のために各段階に24時間以上費やす5段階のリハビリテーションステージが規定されている(非特許文献2)。しかし、脳震盪が実際に生じた場合において、自覚症状が消失した後7週間経過してもなおfMRI(functional magnetic resonance imaging)では異常な所見が継続していることが報告されている(非特許文献3)。このように、脳への衝撃がもたらす影響を自覚症状のみを手がかりに判断することは必ずしも十分とはいえない。また、初期段階の異常でも長期化または遷延化すれば上述したCTEの温床にもなりかねない。今後はより積極的な方策も必要とされ、予防的観点に立って、脳震盪と、脳震盪の疑いに至る衝撃より弱くとも高頻度に生じうる頭部への衝撃との双方に対処しやすい具体的手段を導入することが要請されている。
さらに脳は、激しい試合や過酷なトレーニングなどの最中およびその後の一定期間には、競技中に何ら衝撃を受けていない場合でも興奮状態となっており、海馬や扁桃体のほか、DLPFC(背外側前頭前皮質)がダメージを受けている可能性もある。興奮状態に起因するダメージも、察知しにくさなどの点は脳への衝撃と共通している。このような興奮状態に起因するダメージも可能な限り回避されるか、または予防的対処も含め適切に処置されることが望まれる。
しかしながら、頭部への衝撃に対する処置や興奮状態に起因するダメージに対する処置が競技中や競技後に適切に行われるのは、自覚症状が認知されて脳震盪と診断されたり、医学的な所見から脳震盪の疑いと診断されたり、医学的見地からの観察が十分に行われて実際に探知された場合、といった限定的なケースにとどまるのが現状である。例えば競技を終えるたびに日常の習慣的なものとして脳の安静のために適切な処置を行なおうとしても、そのための簡易な手法や装置といった具体的手段は見出されていない。
本発明は、上述した課題の少なくともいくつかを解決することを課題とする。すなわち本発明は、頭部に衝撃を受けうるコンタクトスポーツの競技者が競技後に手軽に使用できるシステムまたは装置を提供することにより、予防的観点も含めて適切な処置を容易に実行しうる環境を提供し、もってこれら競技に取り組む競技者の健康増進および福祉に寄与するものである。
本出願の発明者は、コンタクトスポーツの競技を終えた直後において脳の安静を実現する手軽な手法が知られていないことに着目した。さらに、脳の安静のためにこれまで言及されてきたものが、外部から観察できる行為をしないこと、すなわち学業、宿題、読書、テレビ鑑賞、ビデオゲームをしないという自発的な行為を抑制する手法のみにとどまっている点にも着目した。むしろより根源的レベルで理想的な脳の安静(本出願において特に「真の脳の安静」と呼ぶ)を実現するには、外部から観察できなかったり、本人も自覚しなかったりするものの、脳に対する刺激となりうるものを可能な限り遮断または緩和することが有効であると見込める。このために、視覚を通じた刺激および聴覚を通じた刺激のいずれかまたは両方を可能な限り遮断または緩和するとともに、重力に起因する刺激を効果的に抑制することが有効となる。本願の発明者は、とりわけ、重力による刺激を抑制した状態で視覚および聴覚の感覚器である目および耳を通じた感覚刺激を遮断または緩和すること(「感覚遮断」)が有効である、との仮説に思い至った。脳の外傷からの回復を期待したり、頭部への衝撃による神経認知機能への影響を未然に防止したりするためには、競技直後の可能な限り早い段階において、真の脳の安静を実現することが役立つであろう。なお、ここでの頭部は頸部から先の内部に脳を収容する身体の部分を指す。
特に予防的観点からは、頻回衝突動作がある限り、外部からの観察可能性や自覚症状の有無にかかわらず脳への外傷が生じている可能性は最悪のケースとして常に想定すべきともいえる。加えて、脳が興奮状態になれば脳に炎症も生じかねない。したがって、脳震盪や脳震盪の疑いが認められたかどうかにかかわらず、また、実際に脳の炎症が確認されたかどうかにかかわらず、神経認知機能への悪影響それ自体を健康へのリスクと仮定し、その上での予防的処置をとることのほうが、むしろ現実的な対処といえる。正確な診断にも困難があるのであれば、競技による脳への衝撃や脳の炎症が悪影響をもたらすとの仮定を置き、そのような事態が競技中に発生している可能性を見込んだ上で、競技を終えた直後に、いわば脳の"スイッチを切る"ともいうべき処置を習慣化してしまうことが有効といえるはずである。身体を疲労から回復する処置として競技の後に行なわれるクーリングダウン、ストレッチ運動、アイシング、アイスバスなどによって疲労へ対処するのと同様に、習慣化しやすい手軽な手法によって、コンタクトスポーツの競技の直後に真の脳の安静も手軽に実現できれば、脳への衝撃や脳の炎症に起因する広汎な悪影響を予防できることとなる。このような視点から、即座にかつ習慣化しやすい対処法であることの有用性も考慮し、本出願の発明者により本発明が完成された。
すなわち本発明のある態様においては、体を横たえる使用者を支える支持面をもつベッドと、該使用者の目に入る光刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する光遮蔽器と、該使用者の耳に入る音刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する遮音器とを備えており、前記ベッドに体を横たえている前記使用者が前記光遮蔽器および前記遮音器を前記ベッドとともに一体的に使用しうる感覚刺激抑制システムが提供される。
上記態様の感覚刺激抑制システムにおいては、前記ベッドの前記支持面が、体を横たえる使用者の頭部を下方に下げる向きの傾斜位置を取りうるものであると好ましい。
上記態様の感覚刺激抑制システムにおいては、前記ベッドの前記支持面が、水平位置から所定の角度だけ前記頭部が下方に下がっている傾斜位置と前記水平位置との少なくとも二つの位置を選択しうるものであると好ましい。
上記態様の感覚刺激抑制システムにおいては、前記使用者の身体の少なくとも一部を覆い、覆われたうちのさらに少なくとも一部の身体に冷却および加圧の少なくともいずれかの作用をもたらすスーツをさらに備えており、前記使用者が該スーツを着用し前記ベッドに体を横たえることができると好ましい。
スーツを備える態様の感覚刺激抑制システムでは、前記スーツが前記使用者の頭部の少なくとも一部を囲うフードをさらに備えており、前記光遮蔽器または前記遮音器の少なくともいずれかが前記フードにより実現されていると好ましい。
上記いずれかの態様の感覚刺激抑制システムでは、前記使用者の口または鼻に入る匂いによる刺激を遮断もしくは緩和し、または空気中の化学物質が前記使用者に吸引されることを抑制もしくは防止するマスクをさらに備え、前記ベッドに体を横たえている前記使用者が該マスクをさらに一体的に使用しうると好ましい。
上記いずれかの態様の感覚刺激抑制システムでは、音、振動、または電気信号のいずれかにより前記使用者の心拍を検出する心拍検出部をさらに備え、該心拍検出部が、前記ベッド、前記光遮蔽器、および前記遮音器を一体的に使用している前記使用者の心拍を検出するものであるとさらに好ましい。
本発明の別の態様においては、感覚刺激抑制装置も提供される。すなわち、本発明では、体を横たえる使用者を支える支持面をもつベッドと、前記使用者にとって頭部側に近い該ベッド端部に取り付けられており、該使用者の目に入る光刺激の少なくとも一部を遮断または緩和し、かつ、該使用者の耳に入る音刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する、光音遮蔽器とを備えており、前記ベッドに体を横たえている前記使用者が該光音遮蔽器を一体的に使用しうる感覚刺激抑制装置が提供される。
上記各態様の感覚刺激抑制システムまたは装置の使用者は、典型的にはコンタクトスポーツの競技者である。そしてその使用者が上記システムまたは装置を使用する典型的な場面は、当該コンタクトスポーツの試合や練習(「競技」)を終えた直後である。使用に際し、目に入る光刺激および耳に入る音刺激がともに遮断または緩和された状態でベッドの支持面の上にて仰臥位などの姿勢をとって使用者が臥床する。これにより、感覚刺激が抑制または調整された環境、すなわち真の脳の安静を得やすい環境が実現できる。上記態様の感覚刺激抑制システムまたは装置は、感覚刺激が抑制された環境が使用者に提供されることを補助するために使用される。本出願の発明者は、感覚刺激のうちとりわけ目に入る光刺激と耳に入る音刺激とが脳の安静を阻害しかねないものであると推察している。また、就寝時と同様にベッドの支持面の上に体を横たえることにより、重力に起因する刺激のほか、立位または座位などの姿勢をとる際に無意識下で脳が身体を緊張させたり体のバランスをとったりすることによる脳への刺激や脳の活動も抑制することができる。このため、ベッドに体を横たえた状態で、光刺激および音刺激の少なくとも一部を遮断したり、これらの刺激を可能な限り十分に遮断したりすることができれば、真の脳の安静を実現しやすくなる。加えて種々の工夫も脳の安静のために好ましい。上記ベッドは、人が体を横たえるために採用可能な任意の支持構造物を含んでおり、適切な床面に設置したマットや、カーペット面のほか、布団、シュラフなど寝具一般を含み、空中に懸架したハンモックや板材、2段以上の積み重ねベッドといった支持構造物でもよい。さらに、建物と一体化したベッド、建物などの部屋を構成する構造物を仕切って床面をベッドとして使用する個室など、建物自体や、それらを車両に積載した構成も含む。さらに、複数の使用者を想定する場合にはここに述べたものを任意の組合せで含む集合体も本出願におけるベッドの態様に含む。
光遮蔽器は例えばアイマスク(眼覆)やゴーグル、ヘルメットの目の前を覆うサンバイザー、フェイスマスク、目を隠せるキャップ、タオル等の布きれ、など目に対する光刺激を減じることができる任意の用品、部材を指す。眼前の視野の実質的な部分を覆う板も光遮蔽器に含まれうる。同様に、遮音器も、外部騒音を弱めることができる任意の用品、部材を指しており、イヤーマフ、耳栓、耳を覆うヘルメット、発音器を停止させているヘッドフォンやイヤフォン、発音器で周囲音の音圧信号と逆相の音圧を発生させるキャンセル動作により消音機能を高めたヘッドフォンやイヤフォンを含む。音の伝達経路を仕切ることにより外部からの音を実質的に減じることができる板も遮音器に含まれうる。さらに、光遮蔽器と遮音器は一体の物品であっても別体の物品であっても構わない。
体を横たえる使用者の頭部を水平位置から所定の角度だけ下方に下げる向きとする傾斜位置にベッドの支持面が向けられる場合には、使用者の脳に重力が及ぼす刺激を一層弱めることができる。このため、光刺激や音刺激の遮断と相まって、真の脳の安静にとってより好ましい環境が提供される。ただし、使用者の嗜好などの任意の理由によりベッドが傾斜位置を常にとることが好ましいともいえない。したがって、所定の傾斜角だけ傾いた傾斜位置と水平位置という代表的な位置を選択しうるベッドは感覚刺激抑制システムに有用である。さらに、上記所定の角度は例えば3°〜9°の範囲とすることが好ましく、一層好ましくは実質的に6°近傍とする。さらに、ベッドの頭部側に近い端部に光音遮蔽器が取り付けられていると、ベッドに体を横たえる使用者にとって光刺激および音刺激が効果的に遮断され、真の脳の安静にとって好ましい環境がより簡易に実現できる。特に、感覚刺激抑制装置において使用される光音遮蔽器は、光遮蔽器の機能と遮音器の機能をともに果たす部材である。光および音の伝達経路を仕切ることにより外部からの光および音を実質的に減じることができる板や板材により作製された覆い(カバー)も光音遮蔽器に含まれうる。
これらの各感覚刺激抑制システムまたは装置を例えば競技施設のロッカールームなどに設備しておけば、脳震盪の有無にかかわらず、一定時間の間、真の脳の安静を実現するための処置を容易に実施することができる。このような処置は、典型的には、コンタクトスポーツの競技の直後に行われる。すなわち、1日の競技を終えた後や、ある単位の競技を終えた後、競技を終え疲労からの回復のために体のクーリングダウンをする前後などに上記処置が行われる。競技を中断した段階や競技を終え短い時間しか経過していないうちに上記処置を施すために感覚刺激抑制システムまたは装置を使用することもできる。
本発明のいずれかの態様の感覚刺激抑制システムまたは装置を使用すれば、真の脳の安静に適する環境を手軽に実現することができ、コンタクトスポーツの競技者の健康増進および福祉に大きく資することとなる。
本発明のある実施形態におけるある感覚刺激抑制システムを示す模式図である。 本発明のある実施形態における別の感覚刺激抑制装置を示す模式図である。 本発明のある実施形態におけるスーツを含む感覚刺激抑制システムの構成を説明する模式図であり、スーツを備えるもの(図3A)およびフード付きスーツを備えるもの(図3B)である。
以下、本発明に係る感覚刺激抑制システムおよび装置の実施形態を図面に基づき説明する。当該説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また各図は各部の互いの縮尺を保って示されてはいない。
1.実施形態1
図1は本発明のある実施形態における感覚刺激抑制システム100を示す模式図である。感覚刺激抑制システム100は、ベッド102、アイマスク112、イヤーマフ122から構成される。ベッド102は使用者2を支える支持面102Aをもつ。光遮蔽器であるアイマスク112は、使用者2の目に入る光刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する。遮音器であるイヤーマフ122は使用者2の耳に入る音刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する。コンタクトスポーツの競技者である使用者2は、適宜設けられたマットレス104、ピロー106を介し支持面102Aに体を横たえ、必要に応じさらにブランケット108を使用する。ピロー106に代えてマットレス104にヘッドレスト(図示しない)が設けられているものも使用することができる。頭部に衝撃の影響を受けている可能性がある使用者2が脳の安静を得るためには、ピロー106やヘッドレストにより頸部や頸椎を適切にサポートすることが有効である。ピロー106は冷却のための冷媒路(図示しない)を内蔵していて使用者の頭部下方面を冷却するものとしてもよい。
その際に使用者2は、体をベッド102に横たえながらベッド102とともにアイマスク112およびイヤーマフ122を一体的に使用することができる。これにより、使用者2は重力による刺激を抑制しそれによる脳の活動を低下させながら、自らの目および耳に入る光刺激および音刺激それぞれの少なくとも一部を遮断または緩和することができる。アイマスク112は典型的には、使用者2の両眼を覆い両耳に掛けられたり、頭部に対し固定され、継続的に視野を覆い続けられたりするようにされている。アイマスク112は光刺激が目に入ることを効果的に抑制する光遮断性の材質で作製されている。イヤーマフ122は使用者2の各耳の周囲部分の頭部表面に当接し両耳の位置で頭部を挟む向きに弾力により付勢されており、周縁パッドにより各耳の周囲を塞ぐことにより、外界との間の音の伝達経路を遮断し音遮蔽空間を各耳に向かう空間に形成している。このため、イヤーマフ122は耳に到達する外界音を継続的に低下させうる遮音性の材質で作製されている。また、本実施形態の遮音器は、イヤーマフのほか、耳栓とすることもできる。アイマスク112およびイヤーマフ122の形状、装着圧、および材質は、光遮断および遮音の機能を果たすことに加え、例えば使用者2が装着していることに注意を奪われない程度の快適さが得られるように工夫され、好ましくは装着していることを忘れる程度の快適さを使用者2に提供するように工夫されている。アイマスク112、イヤーマフ122を作製するためにこれらの機能を果たす公知の手法を採用することができる。アイマスク112、イヤーマフ122のように別体の物品とする構成以外でも本実施の形態の光遮蔽器と遮音器を実施することができる。例えば、二輪車乗用時等に装着し頭部を保護するヘルメットのように、頭部をすっぽりと覆う形態に作製されて、目および耳に対し光刺激および音刺激を遮蔽または緩和するような一体化された構造とするものも有用である。
感覚刺激抑制システム100は、使用者2に感覚刺激が調整された環境を提供することができる。ここで提供される感覚刺激の調整は、典型的には光刺激および音刺激を可能な限り遮断し、重力に起因する刺激も軽減する。こうして軽減される重力に起因する刺激のうちには、立位または座位などの姿勢をとる際に無意識下で身体を緊張させたり体のバランスをとることによる脳への刺激を含む。
重力に起因する刺激を効果的に軽減するために、例えばベッド102の支持面102Aは、床面などの水平面に対し平行な向きである水平位置P0と、使用者2の頭部を下方に下げる向きの傾斜位置P1とを取りうるよう調整可能とされる。典型的には、図1に示したように、傾斜角θがゼロでない傾斜位置P1とされ、そのときの傾斜角θの値は、水平位置P0から3°〜9°程度の範囲、より典型的には6°だけ頭部を下方に下げるものである。なお、頭部を下方とする6°の傾斜は、無重力時の体液分布を模擬するような角度とされているため、重力に起因する刺激を極小化しうる。ただし、ベッド102は支持面102Aが水平位置P0も選択しうるようにも作製されていることができ、例えばベッド102には、水平位置P0と傾斜位置P1の間で支持面102Aの向き(傾斜)を変更できる任意の機械的構造が採用される。この機械的構造は、例えば支持脚の交換、支持脚の伸縮、といった簡単な構成変更や設定操作により、必要に応じて支持面102Aの傾斜を変更することができるようにされているものを含む。手動または自動リフト機構を装備するなどにより簡易に支持面102Aの傾斜を変更できることも感覚刺激抑制システム100の実施の際には有利である。このように水平位置P0と傾斜位置P1との間で支持面102Aの向きを変更しうる構成は、いくつかの点で有用である。まず、傾斜位置P1で使用している使用者2の気分が悪化した際などに、水平位置P0にすることができる。すわなち、支持面102Aの傾斜が例えば傾斜位置P1に固定され調整ができない場合に比べて、使用者2の体調の変化に対しきめ細かく対処することできる点で有利である。別の理由は、実際に使用する使用者別の違い(個人差)に対処することが可能となるためである。このような個人差は、傾斜させた支持面102Aが重力に起因する刺激を最小化するという効果が現われる程度に生じる可能性があり、それ以外にも、嗜好などの使用者別の任意の事情をも含むことができる。
感覚刺激抑制システム100の典型的な設置場所は、コンタクトスポーツの競技の直後に使用者2が利用しやすい任意の場所であり、例えば、競技場のロッカールームやそれに近接する別の室内などとされる。アイマスク112およびイヤーマフ122の効果を高める観点からは、感覚刺激抑制システム100の設置場所は屋内とされ室内照明が消灯されていたり最小限のみ点灯されていたり、外界から遮音された空間とされていると好ましい。
なお、本出願の説明における真の脳の安静を実現する処置は、肢体を疲労から回復させるクーリングダウンとの表現に準じて「脳のクーリングダウン」と呼ぶことがある。しかし、この脳のクーリングダウンは、脳から熱を奪い冷却する処置ではないことに留意されたい。例えば鼻腔を介し脳の温度を調整する手法が開示されている(特許文献3)。これとは異なり、本出願における「脳のクーリングダウン」は、情報により活動レベルを高めかねない脳の性質に着目し、脳にとって入力となる感覚器や神経を経由する外界からの情報をできる限り遮断することを意味している。
2.実施形態2
図2は本発明の別の実施形態である感覚刺激抑制装置200を示す模式図である。感覚刺激抑制装置200は、ベッド202と、ベッド202の頭部側に近い端部に取り付けられた可動カバー212とから構成される。ベッド202は、可動カバー212が取り付けられている点を除き図1に示したベッド102と同様の特徴を備えている。可動カバー212は、図2の紙面奥行き方向に描かれた軸、つまり支持面202Aの幅方向に向き支持面202Aの頭部側の最端部に位置する回転支持軸(図示しない)の周りに枢回可能に取り付けられている。可動カバー212は、金属板または樹脂板など光遮断性と遮音性を少なくともある程度発揮できる部材により作製され、必要に応じ遮音性を高める追加部材も配置される。また、例えば可動カバー212の内壁は光を吸収するような暗色に着色されている。可動カバー212が閉位置P4にあるときには、仰臥位を取る使用者2の頭頂方向(図の紙面左方向)、左右側方方向(紙面奥および手前方向)ならびに正面方向(紙面上方向)が可動カバー212により遮られる。また、上記枢回軸周りに回し起こせば可動カバー212は開位置P3をとる。開位置P3の状態で使用者2は自らの体を横たえ、その後可動カバー212が閉位置P4にされると、使用者2の頭部のほぼすべての周囲が可動カバー212に囲まれる。図2に一例として例示した可動カバー212は、全体形状が円柱形状を軸に沿った二つの面で切断し、円柱の軸を紙面の奥行き方向に寝かせた形状をしている。可動カバー212は、内部は中空であり、当該円柱面と円柱の軸方向を横切る二つの面(紙面に平行な二つの面)の部分のみ光遮断性および遮音性の板部材で構成され、円柱を軸に沿って切断した二つの面の位置は開放されている。このため、使用者2が周囲を見渡すと、自らの脚方向に可動カバー212が存在しない隙間を認める場合がある。このような感覚刺激抑制装置200において可動カバー212は、光遮蔽器と遮音器との機能をともに果たす光音遮蔽器となる。可動カバー212が備わる感覚刺激抑制装置200では、図1に示したアイマスク112やイヤーマフ122を用いなくとも、光刺激や音刺激を遮断したり、緩和したりする効果が一定程度得られる。使用者2は感覚刺激抑制装置200における光遮断機能や遮音機能が不十分であると感じる場合にアイマスク112やイヤーマフ122を併用することもできる。また、感覚刺激抑制装置200においてもベッド202の支持面202Aが水平位置P0と傾斜位置P1を選択しうるようなものであれば、重力による脳への刺激を極小化することができるため好都合である。感覚刺激抑制装置200の使用目的に合わせ、可動カバー212には使用者2が不意に頭部を衝突させにくいよう工夫がなされ、例えば必要に応じクッション類が取り付けられていることも有用である。感覚刺激抑制装置200の典型的な設置場所は感覚刺激抑制システム100と同様である。
3.変形例
3−1.変形例1:スーツの追加
実施形態1の感覚刺激抑制システム100および実施形態2の感覚刺激抑制装置200は、肢体を疲労から回復させるためのクーリングダウンの手法と併用することも有用である。感覚刺激抑制システム100使用中の使用者2が、例えばストレッチ運動、アイシング、アイスバスなどに加え、加圧により回復を促すスーツを使用すれば、真の脳の安静と体のクーリングダウンとを実現する処置を同時に行うことができる。図3Aおよび図3Bは、スーツを備える感覚刺激抑制システム300Aおよび300Bの構成を説明する模式図である。感覚刺激抑制システム300Aおよび300Bは、感覚刺激抑制システム100(図1)と同様の構成に追加してスーツ130Aおよび130Bをそれぞれ備えるものである。使用者が着用するスーツ130Aおよび130Bは、身体の少なくとも一部を覆い、覆われたうちのさらに少なくとも一部の身体に冷却または加圧やその両方の作用をもたらす。図3Aに示すスーツ130Aでは、使用者2の上腕部周りに接触する袖パネル132の厚み内部に冷却および加圧のための流体路(図示しない)が形成されており、使用者2の胸部に接触する身頃パネル134の厚み内部に冷却および加圧のための流体路(図示しない)が形成されている。冷却加圧流体モジュール136は、スーツ130Aにおいて袖パネル132、身頃パネル134に通す冷却および加圧のための流体を貯留し、その温度を調整し、さらに循環し加圧する機能を果たす。この場合に用いられる典型的な流体は空気、水、これらの混合流体などである。
なお、スーツ130Aにより例えば圧迫感などの新たな知覚を生じる場合には、感覚刺激抑制システム300Aの脳への刺激を遮断する効果を減殺しかねない。このため、冷却や加圧のためにスーツ130Aを作動させる条件は、感覚刺激抑制システム300Aの感覚を遮断する働きを阻害せず、真の脳の安静を得る目的の範囲内で選択される。別の典型的な使用態様では、ベッドに体を横たえる限り必然的に生じる触感と合わせても刺激とならない程度の範囲でスーツ130Aによる冷却や加圧が行われる。さらに別の典型的な使用態様では、スーツ130Aによる冷却や加圧はそれのみによる疲労からの回復効果を発揮させるのに適した条件で使用される。冷却加圧流体モジュール136は、感覚刺激抑制システム300Aの一部として例えばベッド102に取り付けられていることも有用である。
図3に示したもう一つのスーツ130Bは、感覚刺激抑制システム300Bの一部をなすものであり、スーツ130Aの上記構成に加え頭部の一部を囲うフード138をさらに備えている。フード138は、例えば使用者2の両耳を覆うようにされており、音刺激を一定程度低減する。この際、イヤーマフ122は任意選択として使用することができる。実施形態1では他の形態のフードを採用するスーツも有用であり、例えば光刺激を軽減するように目を覆うアイマスクの機能を持つフード(図示しない)を採用することもできる。
感覚刺激抑制システム300Aおよび300Bを感覚刺激抑制システム100にスーツ130A、130Bを追加する形態により説明したのと同様に、図2に示した感覚刺激抑制装置200において同様のスーツを採用することもできる。
3−2.変形例2:マスクの追加
実施形態1、2の感覚刺激抑制システム100、300Aおよび300Bならびに感覚刺激抑制装置200(以下感覚刺激抑制システム100等と呼ぶ)では、マスク140(図1)を任意選択として追加することにより、使用者2の口または鼻に入る匂いによる刺激を遮断もしくは緩和し、または何からの化学物質が使用者2に吸引されることを抑制もしくは防止することも有用である。例えばマスク140が活性炭などの吸着剤を含んでいれば、脳への刺激を抑制する効果が高い。これにより、嗅覚の刺激が脳に作用し真の脳の安静を阻害する可能性が排除される。加えて、鼻腔を通じて脳に作用する化学物質による刺激は脳への影響が比較的強く現われる性質があることから、マスク140を追加することは嗅覚に限らず刺激の脳への伝達を阻害する点で有利である。これらの目的のために、マスク140は防臭マスク、防塵マスク、防毒マスクといった各種マスクを使用することもできる。
3−3.変形例3:心拍測定の実行
本発明の実施形態1、実施形態2のいずれにおいても、使用者の心拍測定を行うことが有用である。心拍測定では心拍数のデータの取得およびモニタリング(「心拍モニタリング」)が実行される。心拍数データの取得およびそのモニタリングを採用すれば、第1にリラックス効果を観察できる、第2に不安の増強やストレスの増強が引き起こす心拍数の上昇を検知できる、といった効果を期待することができる。典型的な使用態様では、競技を終え感覚刺激抑制システム100等を使用するごとに心拍測定を測定しその数値を使用者と対応させて記録しておく平常時のモニタリングを行う。使用者がリラックスしていれば心拍数が低下したり安定し、さらに睡眠時のように特有の揺らぎを伴うこととなる。そのようなリラックスの程度は、例えばベッド102の傾斜位置または水平位置の設定のために採用することができる。そして万一心拍数に異常が観察される場合には、競技を含む何らかの原因によって脳を含む身体のいずれかの部分に使用者がダメージを受けた可能性や、感覚遮断の処置が何らかの意図しない影響を生じさせている可能性も疑うことができる。このため、競技後に手軽に使用できる感覚刺激抑制システム100等に心拍測定機能を備えることは有用である。
上述した心拍モニタリング機能のため、例えば感覚刺激抑制システム100のベッド102には心拍検出部となる心拍センサー160Aが配置される。心拍センサー160Aは例えばマットレス104の下面や内部、上面のいずれかに設置された空気バッグを有していてその圧力変動をマイクロフォンで検知して心拍動、胎動、呼吸音等を電気信号として出力する。この電気信号を適切に信号処理すれば心拍数を決定することができる。同様の心拍検出部は感覚刺激抑制装置200に設置してもよい。また、図3AおよびBに示す心拍センサー160Bは、使用者2の腕などに装着して腕の動脈を通じて伝わる心拍を検出する心拍検出部として機能する。このように使用者2の身体に直接または衣服を通じて間接的に接して心拍測定を行うことによっても、上述した利点がもたらされる。
図1〜3を参照して説明した感覚刺激抑制システム100等により使用者2は手軽に真の脳の安静を実現することができる。例えば競技場のロッカールームまたはその付近にこのような感覚刺激抑制システム100等を配置することも容易である。これにより、コンタクトスポーツの競技者は、脳震盪やその疑いが生じた場合のみならず自覚症状がない場合でも脳のクールダウンを習慣化することができ、予防的に神経認知機能の低下を抑制することが可能となる。また図1〜3により説明した各実施形態は、互いに排他的なものではなく任意の組合せを採用することができる。例えば感覚刺激抑制装置200において、アイマスク112、イヤーマフ122を採用することに加え、またはそれらを採用せずに、スーツ130Aもしくは130B、またはマスク140を採用することも有用である。心拍センサー160Aまたは160Bには、上述した空気バッグを使用するものほか、手首に巻回して血圧測定用等を行うための圧力センサーを使用したもの、心電図取得に類する電極を身体表面に接触させるものなど、任意のものを採用することができる。さらには、任意の追加の設備を設けることにより、感覚刺激抑制システム100、300または感覚刺激抑制装置200の機能を補助することも有用である。例えばUSB(ユニバーサルシリアルバス)といった汎用通信端子や、商用電源その他の電源ラインを感覚刺激抑制システム100等が装備していれば、適切な冷却ユニットと組み合わせて頚椎枕(図示しない)の冷却動作を容易にしたり、ファン(図示しない)などを駆動したりすることにより送風し体温を低下する処置を助けることができる。
4.処置条件の決定法
次に、上述した実施形態の感覚刺激抑制システム100等を使用する際の条件(処置条件)を設定する手法について説明する。この処置条件のうちには、例えば、感覚刺激抑制システム100にて処置する時間、競技終了後から感覚刺激抑制システム100にて処置を開始するまでの時間、回数や頻度、支持面102Aを傾斜位置にてベッド102を使用する場合の傾斜角θ、アイマスク112やイヤーマフ122の性能、マスク140の有無や性能などを含み、これらの任意の組み合わせも含む。感覚刺激抑制装置200の場合には、可動カバー212の光や音の遮断性能を含む。これらの具体的な処置条件は、因子と症状との未知の関係を調査するために採用される疫学的手法と同様の手法によって決定することができる。以下、感覚刺激抑制システム100を例に説明する。
処置条件を決定する手法の一例は群間比較であり、典型的には被験者を多人数の競技者(例えばアメリカンフットボールやラグビーの競技者)とし、その被験者を二つ以上の群に分けて行われる。この二つの群は、頭部より下方の範囲で体躯を物理的に冷却し感覚刺激抑制システム100を使用しない群(通常クーリングダウン群)と、通常クーリングダウン群と対照群をなすように、調査する処置条件に応じて処置した感覚刺激抑制システム100を使用した群(脳クーリングダウン群)とするのが典型例である。処置条件の典型的なものは、感覚刺激抑制システム100を使用する時間である。そして通常クーリングダウン群と脳のクーリングダウン群の両群の各メンバーを対象に評価測定を行う。測定には、神経認知機能の悪化が抑制できているかどうかを測定しうる任意の手法を採用することができる。例えば、頭部へ加わる衝撃の強度が大きく脳震盪を引き起こす場合や、その疑いが生じるまでに至らない場合にも検出可能な神経認知機能のための指標を、両群を対象に測定する。具体的には、軽度な神経認知機能の低下を鋭敏に検出可能な神経認知機能評価ソフトウエアを利用して、定量的に両群の各メンバーの評価を行う。このソフトウエアは、認知症判定のためのテストに類似の、しかしより感度の高い判定テストを行いうるものであり、例えば被験者の反応時間(reaction time)を系統的に測定し記録する。このような測定は、それ自体が脳に対する刺激になるため、調査する処置条件で被験者に感覚刺激抑制システム100を使用させる前に行うことは回避されるべきである。したがって、典型的な実施態様では、被験者を通常クーリングダウン群と脳クーリングダウン群に分け、通常クーリングダウン群の各メンバーには通常のクーリングダウンを、また脳クーリングダウン群の各メンバーには脳のクーリングダウンをそれぞれ行わせ、所定の時間の後に各メンバーに対する測定を行う。回復の程度を決定するためには、競技前や平常時の測定も別途行っておくのが有用である。もし、通常クーリングダウン群と脳クーリングダウン群との両群の群間比較にて、神経認知機能の回復の程度を示す測定値に有意差が見出せない場合には、脳クーリングダウン群のために採用した処置条件が不十分という結論となる。例えば、各処置条件が上記所定の時間であれば、有意差を見出すには時間が不足しているといえる。逆に上記回復の程度に有意差が見出せたなら、その際の処置条件が脳のクーリングダウンのために有効な条件の一つと結論づけることができる。この処理により、感覚刺激抑制システム100を使用して効果が認められる処置条件(例えば処置の最小時間)を決定することができる。この決定には、必要に応じ統計的仮説検定の手法を採用することにより客観性を担保することができる。客観性を担保するためには、上記対照群の設定は変更することもできる。例えば、「脳クーリングダウン群」でも体躯の物理的冷却を行うこととして、脳のクーリングダウンの有無のみを変更した対照群を構成することも有用である。
このような処置条件は、理想的には、コンタクトスポーツの競技種の違いや競技における各競技者のポジションの違いや練習メニューの違い、競技者の年齢層、プロかアマチュアの違いなどの競技レベルや競技歴等の競技上での相異点を反映して決定されるべきといえる。これらの相異点のために、競技における頭部への衝撃が加わる頻度や衝撃自体の強さ、競技の現役生活の継続期間などが異なるためである。同様に、例えばアメリカンフットボールにおけるヘルメットのように、衝撃を避けるために保護具を利用する場合と、ラグビーの試合のようにヘッドギアなどをしない可能がある場合など細かな条件にあわせて上記処置条件を過不足ないように決定することも好ましい。ただし、予防的処置である性質上、競技上での相異点を精密に区別して処置が過大となることを回避することに対する優先度は高くない。従来の脳の安静の指針において外部から観察できる読書等の行為を抑制することが採用されていることから(非特許文献2)、それに追加して刺激を遮断し真の脳の安静を実現する実施形態の処置において処置が過大となることまで想定する必要性は少ないといえる。
他の計測手法には、例えばfMRIにより所定のタスク実行時の局所脳血流(regional cerebral blood flow;rCBF)を測定することによっても、処置条件を決定することが可能となる。このrCBFの測定によって急性の神経認知機能の低下やその回復、さらには、脳の機能低下を補償するために活動レベルが異常に高まる現象を画像化することができれば、脳のクーリングダウン処置の有無による違いを視覚的に対比しやすくなり、例えば競技者の理解を深めながら処置条件を設定することが可能となる。これらのfMRIの適用可能性については、脳震盪の例が既に報告されていることから(非特許文献3)、当業者には容易に実施することができる。このfMRIによる計測の際にも、脳クーリングダウン群と通常クーリングダウン群とを群間比較が役に立つ。例えばfMRIによる所定部位のrCBFからわかる血流量を求め、各競技者の平常値からの増減を観察したり測定することができれば、調査した処置条件が有意に効果を持つといえるかどうかを判定することができる。心拍モニタリングを行うものでは、心拍数のデータを何らかの基準値と比較したり、当人の過去のデータからの偏差を見ることによって、何らかの機序を通じて脳震盪と関連する客観的データを取得することができる。
また、脳のクーリングダウンの結果、神経認知機能の回復ではなく、むしろ疲労やストレスからの回復が顕在化する場合がある。その場合でも、脳震盪に関連するものではないが、実施形態1、2の感覚刺激抑制システム100等は十分に有用であり、そのための処置条件も各種の測定値に基づいて決定することができる。
例えば、一定時間後の疲労やストレスに対する主観評価値を用いれば疲労やストレスについての主観的指標を得ることができる。また、睡眠等に関連するマーカー物質の濃度(バイオマーカー類の濃度)、乳酸濃度、起床時心拍数を使用すれば、疲労からの回復の程度を客観的な指標とすることができる。典型的には上述した群間比較をこれらの指標について行うことにより疲労やストレスからの回復について感覚刺激抑制システム100が有意に効果を発揮するための条件を決定することができる。
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および構成例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態のほかの組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた請求の範囲に含まれるものである。
本発明の感覚刺激抑制システムはスポーツ施設の設備品やスポーツ器具として産業上利用可能である。
100、300A、300B 感覚刺激抑制システム
200 感覚刺激抑制装置
102、202 ベッド
102A、202A 支持面
104 マットレス
106 ピロー
108 ブランケット
112 アイマスク(光遮蔽器)
122 イヤーマフ(遮音器)
130 スーツ
132 袖パネル
134 身頃パネル
136 冷却加圧流体モジュール
138 フード
140 マスク
160A、160B 心拍センサー
212 可動カバー(光音遮蔽器)

Claims (8)

  1. 体を横たえる使用者を支える支持面をもつベッドと、
    該使用者の目に入る光刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する光遮蔽器と、
    該使用者の耳に入る音刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する遮音器と
    を備えており、前記ベッドに体を横たえている前記使用者が前記光遮蔽器および前記遮音器を前記ベッドとともに一体的に使用しうる感覚刺激抑制システム。
  2. 前記ベッドの前記支持面が、体を横たえる使用者の頭部を下方に下げる向きの傾斜位置を取りうるものである、請求項1に記載の感覚刺激抑制システム。
  3. 前記ベッドの前記支持面が、水平位置から所定の角度だけ前記頭部が下方に下がっている傾斜位置と前記水平位置との少なくとも二つの位置を選択しうるものである、請求項2に記載の感覚刺激抑制システム。
  4. 前記使用者の身体の少なくとも一部を覆い、覆われた該少なくとも一部の身体に冷却および加圧のうちの少なくともいずれかの作用をもたらすスーツをさらに備えており、
    前記使用者が該スーツを着用し前記ベッドに体を横たえることができる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感覚刺激抑制システム。
  5. 前記スーツが前記使用者の頭部の少なくとも一部を囲うフードをさらに備えており、
    前記光遮蔽器または前記遮音器の少なくともいずれかが前記フードにより実現されている、請求項4に記載の感覚刺激抑制システム。
  6. 前記使用者の口または鼻に入る匂いによる刺激を遮断もしくは緩和し、または、空気中の化学物質が前記使用者に吸引されることを抑制もしくは防止するマスクをさらに備え、前記ベッドに体を横たえている前記使用者が該マスクをさらに一体的に使用しうる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感覚刺激抑制システム。
  7. 音、振動、または電気信号のいずれかにより前記使用者の心拍を検出する心拍検出部
    をさらに備え、該心拍検出部が、前記ベッド、前記光遮蔽器、および前記遮音器を一体的に使用している前記使用者の心拍を検出するものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感覚刺激抑制システム。
  8. 体を横たえる使用者を支える支持面をもつベッドと、
    前記使用者にとって頭部側に近い該ベッド端部に取り付けられており、該使用者の目に入る光刺激の少なくとも一部を遮断または緩和し、かつ、該使用者の耳に入る音刺激の少なくとも一部を遮断または緩和する、光音遮蔽器と
    を備えており、前記ベッドに体を横たえている前記使用者が該光音遮蔽器を一体的に使用しうる感覚刺激抑制装置。
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