JPWO2017038838A1 - 新規なピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物又はその塩 - Google Patents

新規なピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物又はその塩 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017038838A1
JPWO2017038838A1 JP2017513832A JP2017513832A JPWO2017038838A1 JP WO2017038838 A1 JPWO2017038838 A1 JP WO2017038838A1 JP 2017513832 A JP2017513832 A JP 2017513832A JP 2017513832 A JP2017513832 A JP 2017513832A JP WO2017038838 A1 JPWO2017038838 A1 JP WO2017038838A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
amino
pyrazolo
pyrimidine
acryloylpiperidin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017513832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6141568B1 (ja
Inventor
祐一 河合
祐一 河合
弘樹 入江
弘樹 入江
武 相良
武 相良
和孝 宮寺
和孝 宮寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taiho Pharmaceutical Co Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP6141568B1 publication Critical patent/JP6141568B1/ja
Publication of JPWO2017038838A1 publication Critical patent/JPWO2017038838A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/519Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

HER2阻害作用を有し、かつ細胞増殖抑制効果を有する新規な化合物を提供すること。またHER2阻害作用に基づき、該HER2が関与する疾患、特にがんの予防及び/又は治療に有用な医薬を提供すること。式(I)[式中、X、Y、Z1、Z2、Z3、Z4、W、n、R1、R2及びR3は明細書中で定義したとおりの意味を有する]で表される化合物又はその塩。

Description

本発明は、HER2阻害作用を有する新規なピラゾロ[3,4-d]ピリミジン化合物又はその塩、及びこれを有効成分として含有する医薬組成物に関するものである。
HER2(ErbB2とも呼ばれる)は、ErbBファミリーに属する受容体型チロシンキナーゼである。
HER2は、がん原因遺伝子として考えられており(非特許文献1)、HER2の遺伝子増幅や変異、過剰発現等が様々ながんで報告されている(非特許文献2)。これらHER2の遺伝子異常・過剰発現を伴うがん細胞においては、HER2及び下流pathwayのシグナルが活性化することによりがん細胞の生存・増殖シグナル等が亢進していることが報告されている(非特許文献3,4)。
従って、HER2のキナーゼ活性を制御できる阻害剤は、がん細胞におけるHER2及び下流pathwayのシグナル伝達を阻害することにより抗腫瘍効果を発揮することが想定されるため、がん治療薬として有用であると考えられる。
HER2阻害活性を有する化合物としては、Lapatinib(非特許文献5)、Afatinib(非特許文献6)、Neratinib(非特許文献7)が知られている。これら3化合物は、HER2に加えてEGFR(Epidermal growth factor receptor)に対しても高い阻害活性を示すことが知られている。しかし、このような化合物はEGFRのシグナル経路を阻害することによる副作用が懸念される。例えば、EGFRを標的とした阻害剤においては皮膚障害や消化管障害等の副作用が共通して発生することが知られており、これらの副作用は野生型EGFRシグナル経路の阻害と関連すると考えられている(非特許文献8、9及び10)。
そのため、副作用低減の観点から、HER2に対して高い阻害活性を持ちつつもEGFRのような他のキナーゼに対する阻害活性が低い、選択性の高いHER2阻害剤が望まれている。
国際公開第2015/022926号
Oncogene,26,p.6469−6487(2007) Cancer Treatment Reviews,40,p.770−780(2014) Gene & Cancer,4,p.187−195(2013) Oncogene,19,p.1647−1656(2000) Mol.Cancer Ther.,1,p.85−94(2001) Oncogene,27,p.4702−4711(2008) Cancer Res.,64,p.3958−3965(2004) Nature Reviews Cancer,6,p.803−812(2006) Expert Rev.Anticancer Ther.,13,p.729−736(2013) Nature Reviews Clinical Oncology,9,p.98−109(2012)
本発明の課題は、EGFRに比してHER2を選択的に強く阻害する新規化合物又はその塩、及びこれを含有する医薬組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンを基本構造とする下記式(I)で表される化合物群が、HER2に対し優れた阻害活性及びキナーゼ選択性を示し、がんを治療するための医薬として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、次の〔1〕〜〔18〕を提供するものである。
〔1〕下記一般式(I)
Figure 2017038838
(式中、Xは、置換基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基を示し;
Yは、−C(R4)=C(R5)(R6)を示し;
1、Z2、Z3及びZ4は、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜14員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4は、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
Wは、-CH2-、酸素原子又は-NH-を示し;
nは、0から2の整数を示し;
1は、置換基を有していても良いアミノ基を示し;
2及びR3は、同一または相異なって、水素原子、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、又は置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基を示すか、或いはR2とR3はこれらが結合する窒素原子と一緒になって置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
4、R5及びR6は、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有していても良いC1−C6アルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩。
〔2〕一般式(I)中、
Xが、置換基としてハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C6アルキル基、又はアミノ基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、又は4〜14員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
nが、0であり;
1が、アミノ基である、〔1〕記載の化合物又はその塩。
〔3〕一般式(I)中、
Xが、置換基としてハロゲン原子、又はC1−C6アルキル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基であり;
Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキル基で置換されていても良いアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は酸素原子を1個有する単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子又は-NH-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、又はC6−C14芳香族炭化水素基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、ヒドロキシル基で置換されていても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又はジ(C1−C6アルキル)アミノ基で置換されていても良いC1−C6アルキル基である、〔1〕又は〔2〕記載の化合物又はその塩。
〔4〕一般式(I)中、
Xが、置換基としてC1−C6アルキル基を有していてもピロリジニル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していても良いピペリジニル基であり;
Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又はジメチルアミノメチル基である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の化合物又はその塩。
〔5〕一般式(I)中、
Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換基としてヒドロキシル基を有していても良いアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよい、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物又はその塩。
〔6〕一般式(I)中、
Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子又は-NH-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、ヒドロキシアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよい、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物又はその塩。
〔7〕化合物が次の(1)〜(20)から選択されるものであって、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の化合物又はその塩。
(1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(2)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(3)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(4)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(5)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(6)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(7)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(8)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(9)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(10)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(11)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(12)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(13)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(14)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(15)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−(ジフルオロメトキシ)−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(16)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−(フルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(17)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(18)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(19)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(20)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2,5−ジクロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とするHER2阻害剤。
〔9〕〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
〔10〕〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
〔11〕HER2阻害剤を製造するための〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩の使用。
〔12〕医薬組成物を製造するための〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩の使用。
〔13〕抗腫瘍剤を製造するための〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩の使用。
〔14〕HER2阻害に使用するための〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩。
〔15〕医薬として使用するための〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩。
〔16〕抗腫瘍剤として使用するための〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩。
〔17〕HER2阻害方法であって、それを必要とする対象に、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩の有効量と投与することを含む、方法。
〔18〕腫瘍の予防及び/又は治療方法であって、それを必要とする対象に、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物又はその塩の有効量と投与することを含む、方法。
本発明に関連する化合物として、前述したLapatinib(非特許文献5)、Afatinib(非特許文献6)、Neratinib(非特許文献7)が知られている。これら3化合物は、4−フェニルアミノキナゾリン又は4−フェニルアミノキノリン構造を有し、本発明化合物の特徴であるピラゾロ[3,4-d]ピリミジン構造を有していない点で大きく異なる。また、本発明化合物は高いHER2選択性を有する化合物であるという特徴がある。
一方、特許文献1に記載の化合物はピラゾロ[3,4-d]ピリミジン化合物であるが、その3位の置換基上にベンゾオキサゾール基又はオキサゾロピリジン基を有しており、本発明化合物の特徴である2−(4−アミノフェニル)アセトアミド基、4-アミノフェニルカルバメート基又は1−(4−アミノフェニル)ウレアを有していない点で構造が大きく異なる。また、該特許文献に記載の化合物はBruton's tyrosine kinase(BTK)を阻害する化合物であり、後述のように該特許文献に記載の化合物(比較例化合物1)はHER2過剰発現細胞株を用いた評価において、細胞増殖抑制効果は非常に低い。
本発明によれば、HER2阻害剤として有用な上記一般式(I)で表される新規化合物又はその塩が提供される。
本発明化合物又はその塩は、優れたHER2選択的阻害活性を有し、且つがん細胞株に対する増殖抑制効果を示すことが明らかとなった。さらに本発明化合物又はその塩は、EGFRに比してHER2を選択的に強く阻害することから、副作用を軽減でき安全性の向上が期待できる。本発明化合物又はその塩は、がんの予防及び/又は治療剤として有用である。
本発明の上記式(I)で表される化合物は、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジンを基本構造とする化合物であり、前記のいずれの先行技術文献等にも記載されていない新規な化合物である。
本願明細書において、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル−アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルキル−アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキル−アルキルチオ基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、シクロアルキル−アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、オキソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、飽和若しくは不飽和複素環式基、芳香族炭化水素基、飽和複素環オキシ基等が挙げられ、前記置換基が存在する場合、その個数は典型的には1個、2個又は3個である。
本願明細書において「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本願明細書において「アルキル基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基等のC1−C6アルキル基が挙げられる。
本願明細書において「ハロゲノアルキル基」としては、ハロゲン原子を1〜13個有する炭素数1乃至6の直鎖状又は分枝鎖状アルキル基(ハロゲノC1−C6アルキル基)であり、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、モノフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロイソプロピル基等のハロゲノC1−C6アルキル基、好ましくはハロゲノC1−C4アルキル基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル基」の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基等のC3−C7シクロアルキル基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル−アルキル基」としては、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基及びシクロヘプチルメチル基等のC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルキル基が挙げられる。
本願明細書において「アラルキル基」としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルオレニルメチル基等のC7−C13アラルキル基が挙げられる。
本願明細書において「アルケニル基」としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、二重結合を少なくとも1個有する不飽和炭化水素基を意味し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−、2−若しくは3−ブテニル基、2−、3−若しくは4−ペンテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、5−ヘキセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−メチル−3−ブテニル基等のC2−C6アルケニル基が挙げられる。
本願明細書において「アルキニル基」としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、三重結合を少なくとも1個有する不飽和炭化水素基を意味し、例えばエチニル基、1−若しくは2−プロピニル基、1−、2−若しくは3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基等のC2−C6アルキニル基が挙げられる。
本願明細書において「アルコキシ基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等のC1−C6アルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「ハロゲノアルコキシ基」としては、ハロゲン原子を1〜13個有する炭素数1乃至6の直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基であり(ハロゲノC1−C6アルコキシ基)、例えば、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、フルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基、モノフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロ−イソプロポキシ基等のハロゲノC1−C6アルコキシ基、好ましくはハロゲノC1−C4アルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルコキシ基」としては、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基及びシクロヘプチルオキシ基等のC3−C7シクロアルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル−アルコキシ基」としては、シクロプロピルメトキシ基、シクロブチルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基及びシクロヘプチルメトキシ基等のC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アラルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、フルオレニルメチルオキシ基等のC7−C13アラルキルオキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アルキルチオ基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等のC1−C6アルキルチオ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル−アルキルチオ基」としては、シクロプロピルメチルチオ基、シクロブチルメチルチオ基、シクロペンチルメチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基及びシクロヘプチルメチルチオ基等のC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルキルチオ基が挙げられる。
本願明細書において「モノアルキルアミノ基」としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基等の直鎖状又は分枝鎖状のC1−C6アルキル基でモノ置換されたアミノ基が挙げられる。
本願明細書において「ジアルキルアミノ基」としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(n−ペンチル)アミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基等の直鎖状又は分枝鎖状のC1−C6アルキル基でジ置換されたアミノ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル−アルキルアミノ基」としては、シクロプロピルメチルアミノ基、シクロブチルメチルアミノ基、シクロペンチルメチルアミノ基、シクロヘキシルメチルアミノ基及びシクロヘプチルメチルアミノ基等のC3−C7シクロアルキル置換C1−C4アルキルアミノ基が挙げられる。
本願明細書において「アシル基」は、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を意味する。
本願明細書において「アルキルカルボニル基」としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、n−ペンチルカルボニル基、イソペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基等の直鎖状又は分枝鎖状の(C1−C6アルキル)カルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「アリールカルボニル基」としては、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、フルオレニルカルボニル基、アントリルカルボニル基、ビフェニリルカルボニル基、テトラヒドロナフチルカルボニル基、クロマニルカルボニル基、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキサナフタレニルカルボニル基、インダニルカルボニル基及びフェナントリルカルボニル基等の(C6−C13アリール)カルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「アシルオキシ基」は、アルキルカルボニルオキシ基又はアリールカルボニルオキシ基を意味する。
本願明細書において「アルキルカルボニルオキシ基」としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、イソブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、n−ペンチルカルボニルオキシ基、イソペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基等の直鎖状又は分枝鎖状の(C1−C6アルキル)カルボニルオキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アリールカルボニルオキシ基」としては、フェニルカルボニルオキシ基、ナフチルカルボニルオキシ基、フルオレニルカルボニルオキシ基、アントリルカルボニルオキシ基、ビフェニリルカルボニルオキシ基、テトラヒドロナフチルカルボニルオキシ基、クロマニルカルボニルオキシ基、2,3−ジヒドロ−1,4−ジオキサナフタレニルカルボニルオキシ基、インダニルカルボニルオキシ基及びフェナントリルカルボニルオキシ基等の(C6−C13アリール)カルボニルオキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アルコキシカルボニル基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基及びヘキシルオキシカルボニル基等の(C1−C6アルコキシ)カルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「アラルキルオキシカルボニル基」としては、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、ナフチルメチルオキシカルボニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基等の(C7−C13アラルキル)オキシカルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「飽和複素環式基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する飽和の複素環式基であり、具体的には、モルホリノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、4−メチル−1−ピペラジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、チアゾリジニル基、オキサゾリジニル基等が挙げられる。
本願明細書において「不飽和複素環式基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する、単環式若しくは多環式の、完全不飽和又は部分不飽和の複素環式基であり、具体的には、イミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、トリアゾロピリジル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ジヒドロベンゾフラニル基等が挙げられる。
本願明細書において「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、テトラヒドロナフチル基等のC6−C14の芳香族炭化水素基が挙げられる。
本願明細書において「飽和複素環オキシ基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する飽和複素環オキシ基であり、具体的には、モルホリニルオキシ基、1−ピロリジニルオキシ基、ピペリジノオキシ基、ピペラジニルオキシ基、4−メチル−1−ピペラジニルオキシ基、テトラヒドロフラニルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、テトラヒドロチオフェニルオキシ基、チアゾリジニルオキシ基、オキサゾリジニルオキシ基等が挙げられる。
本明細書における基の記載において「CA−CB」とは、炭素数がA〜Bの基であることを示す。例えば、「C1−C6アルキル基」は炭素数1〜6のアルキル基を示し、「C6−C14芳香族炭化水素オキシ基」は、炭素数6〜14の芳香族炭化水素基が結合したオキシ基を示す。また「A〜B員」とは、環を構成する原子数(環員数)がA〜Bであることを示す。例えば、「4〜10員環の飽和複素環式基」とは、環員数が4〜10である飽和複素環式基を意味する。
本発明の一般式(I)で表される化合物において、Xは、置換基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基を示す。ここで、「4〜10員環の含窒素飽和複素環式基」は、窒素原子を少なくとも1個環内に含み、更に酸素原子及び硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を0〜2個環内に含む、4〜10員環の飽和複素環式基である。例えば、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、オクタヒドロキノリニレン基、オクタヒドロインドリレン基等が挙げられる。
好ましくは窒素原子を1個環内に含む4〜8員環の飽和複素環式基であり、より好ましくはピロリジニル基、又はピペリジニル基であり、より好ましくは1,3−ピロリジニル基、又は1,3−ピペリジニル基であり、更に好ましくは1,3−ピペリジニル基である。
これらの4〜10員環の含窒素飽和複素環式基に置換し得る「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C6アルキル基、又はアミノ基であり、より好ましくはハロゲン原子、又はC1−C6アルキル基であり、より好ましくはフッ素原子、又はメチル基であり、更に好ましくはフッ素原子である。
ハロゲン原子、又はC1−C6アルキル基で置換されていても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基は、好ましくはハロゲン原子、若しくはC1−C6アルキル基で置換されていても良いピロリジニル基、又はハロゲン原子、若しくはC1−C6アルキル基で置換されていても良いピペリジニル基であり、より好ましくはC1−C6アルキル基で置換されていても良いピロリジニル基、又はフッ素原子で置換されていても良いピペリジニル基であり、より好ましくはピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり、更に好ましくはピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基である。
一般式(I)で表される化合物中のXとして、好ましくは置換基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基であり、より好ましくは置換基としてハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C6アルキル基、又はアミノ基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基であり、より好ましくは置換基としてハロゲン原子、又はC1−C6アルキル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基であり、より好ましくは置換基としてハロゲン原子又はC1−C6アルキル基を有していても良いピロリジニル基、又は置換基としてハロゲン原子又はC1−C6アルキル基を有していても良いピペリジニル基であり、より好ましくは置換基としてC1−C6アルキル基を有していても良いピロリジニル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していても良いピペリジニル基であり、より好ましくは置換基としてメチル基を有していても良いピロリジニル基、又は置換基としてフッ素原子を有していても良いピペリジニル基であり、より好ましくは置換基としてフッ素原子を有していても良いピペリジニル基であり、より好ましくはピペリジニル基である。
Xで示される4〜10員環の含窒素飽和複素環式基の窒素原子は、一般式(I)中の-COYのカルボニル基と結合しているのが好ましい。
本発明の一般式(I)で表される化合物において、Yは、−C(R4)=C(R5)(R6)を示す。R4、R5及びR6については後述する。
本発明の一般式(I)で表される化合物において、Z1、Z2、Z3及びZ4は、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜14員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4は、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよい。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「C2−C6アルケニル基」は、好ましくはビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、又はシクロヘキセニル基であり、より好ましくはビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロプロペニル基、又はシクロブテニル基であり、より好ましくはビニル基、又は1−プロペニル基、2−プロペニル基、又はイソプロペニル基であり、更に好ましくはビニル基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基」における「C1−C6アルコキシ基」は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、又はブトキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、又はn−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくはハロゲン原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基」は、好ましくはハロゲン原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基であり、より好ましくはフッ素原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基であり、より好ましくはフッ素原子で置換されていても良いメトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いエトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いプロポキシ基、フッ素原子で置換されていても良いブトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いペンチルオキシ基、又はフッ素原子で置換されていても良いヘキシルオキシ基であり、より好ましくはフッ素原子で置換されていても良いメトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いエトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いプロポキシ基、又はフッ素原子で置換されていても良いブトキシ基であり、より好ましくはフッ素原子で置換されていても良いメトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いエトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いn−プロポキシ基、フッ素原子で置換されていても良いイソプロポキシ基、フッ素原子で置換されていても良いn−ブトキシ基、フッ素原子で置換されていても良いsec−ブトキシ基、又はフッ素原子で置換されていても良いtert−ブトキシ基であり、更に好ましくは1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いメトキシ基、1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いエトキシ基、1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いn−プロポキシ基、1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いイソプロポキシ基、1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いn−ブトキシ基、1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いsec−ブトキシ基、又は1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いtert−ブトキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基、フルオロメトキシ基、又はジフルオロメトキシ基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」における「C1−C6アルキル基」は、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であり、更に好ましくはメチル基又はエチル基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示される。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」は、好ましくは無置換のC1−C6アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、又はn−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基又はエチル基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いアミノ基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはC1−C6アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される置換基を有していても良いアミノ基は、好ましくはモノ若しくはジアルキルアミノ基であり、より好ましくはモノ若しくはジ(C1−C6アルキル)アミノ基であり、より好ましくはジ(C1−C6アルキル)アミノ基であり、より好ましくはジ(C1−C4アルキル)アミノ基であり、更に好ましくはジメチルアミノ基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基」における「C3−C7シクロアルキル基」は、好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基であり、より好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基であり、更に好ましくはシクロプロピル基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示される。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基」は、好ましくは無置換のC3−C7シクロアルキル基であり、より好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基であり、更に好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基であり、特に好ましくはシクロプロピル基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「C6−C14芳香族炭化水素基」は、好ましくはフェニル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
1、Z2、Z3又はZ4で示される「不飽和複素環式基」は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する、単環式若しくは多環式の、完全不飽和又は部分不飽和の複素環式基であり、例えばイミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、トリアゾロピリジル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、又はジヒドロベンゾフラニル基が挙げられ、好ましくは窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1個有する、単環式若しくは二環式である4〜14員環の不飽和複素環式基であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1個有する、単環式の4〜6員環の完全不飽和複素環式基であり、より好ましくは酸素原子を1個有する、単環式の4〜6員環の完全不飽和複素環式基であり、より好ましくはフリル基である。
1とZ2、又はZ3とZ4が、これらが結合する炭素原子と一緒になって形成する「5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環」は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する、5〜7員環の、飽和、完全不飽和又は部分不飽和の複素環である。
環内のヘテロ原子の数は、好ましくは0〜2個であり、より好ましくは1〜2個である。ヘテロ原子は、好ましくは窒素原子、酸素原子である。
5〜7員環の飽和複素環又は不飽和複素環は、好ましくはピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ジオキソラン環であり、より好ましくはピリジン環、ジオキソラン環である。
1とZ2、又はZ3とZ4は、それぞれが結合する炭素原子と一緒になって形成する環としては、ベンゼン環も好ましい。
一般式(I)で表される化合物中のZ1、Z2、Z3及びZ4として、好ましくは同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は単環式若しくは二環式である4〜14員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、又は単環式若しくは二環式である4〜14員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1個有する、単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキル基で置換されていても良いアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1個有する、単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、フッ素原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、モノ若しくはジ(C1−C6アルキル)アミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は酸素原子を1個有する、単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、1若しくは2個のフッ素原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、ジ(C1−C6アルキル)アミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は酸素原子を1個有する、単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はメチル基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成してもよい。
本発明の一般式(I)で表される化合物において、Wは、-CH2-、酸素原子又は-NH-を示す。Wは、好ましくは-CH2-又は酸素原子であり、より好ましくは-CH2-である。
本発明の式(I)で表される化合物において、nは0〜2の整数を示す。nは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
本発明の一般式(I)で表される化合物において、R1は、置換基を有していても良いアミノ基を示す。ここでアミノ基に置換し得る「置換基」としては、前記のような置換基が例示される。
1で示される置換基を有していても良いアミノ基は、好ましくは無置換のアミノ基である。
本発明の一般式(I)で表される化合物において、R2及びR3は、同一または相異なって、水素原子、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、又は置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基を示すか、或いはR2とR3は、これらが結合する窒素原子と一緒になって置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよい。
2又はR3で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基」における「C1−C6アルコキシ基」は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基である。
2又はR3で示される置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基における「置換基」としては、前記のような置換基が例示される。
2又はR3で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基」は、好ましくは無置換のC1−C6アルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基である。
2又はR3で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」における「C1−C6アルキル基」は、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
2又はR3で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくはC1−C6アルコキシ基であり、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、又はtert−ブトキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基、又はエトキシ基である。
2又はR3で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」は、好ましくは無置換のC1−C6アルキル基、又はC1−C6アルコキシ基置換のC1−C6アルキル基であり、より好ましくは無置換のC1−C6アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基である。
置換基を有する場合、置換基の数は特に制限されないが、置換基がC1−C6アルコキシ基の場合は好ましくは1個である。
2又はR3で示される「置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基」における「C6−C14芳香族炭化水素基」は、好ましくはフェニル基、又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
2又はR3で示される「置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子で置換されていても良いC6−C14芳香族炭化水素基は、好ましくはフッ素原子、又は塩素原子で置換されていても良いフェニル基であり、より好ましくはフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、又はトリクロロフェニル基であり、より好ましくはフェニル基である。
2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって形成する「置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基」における「4〜8員環の含窒素飽和複素環式基」は、窒素原子を少なくとも1個環内に含み、更に酸素原子及び硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を0〜2個環内に含む、4〜8員環の飽和複素環式基である。
4〜8員環の含窒素飽和複素環式基は、好ましくは1個の窒素原子を含む4〜8員環の飽和複素環式基であり、より好ましくはアゼチジニル基、ピロリジニル基又はピペリジニル基である。
「置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくはヒドロキシル基である。
置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基は、好ましくはヒドロキシル基で置換されていても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基であり、より好ましくはアゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、ヒドロキシアゼチジニル基、ヒドロキシピロリジニル基、又はヒドロキシピペリジニル基であり、より好ましくはピロリジニル基、ピペリジニル基、又はヒドロキシアゼチジニル基である。
一般式(I)で表される化合物中のR2及びR3として、好ましくは同一または相異なって、水素原子、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、又は置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基を示すか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、C1−C6アルコキシ基、置換基としてC1−C6アルコキシ基を有していても良いC1−C6アルキル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基を示すか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、水素原子、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、又はC6−C14芳香族炭化水素基を示すか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって置換基としてヒドロキシル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、又はC6−C14芳香族炭化水素基を示すか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって置換基としてヒドロキシル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、メトキシ基、メチル基、フェニル基を示すか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって置換基としてヒドロキシル基を有していても良いアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよく、より好ましくは同一または相異なって、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基を示すか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になってヒドロキシアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよく、より好ましくはメチル基である。
本発明の一般式(I)で表される化合物において、R4、R5及びR6は、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有していても良いC1−C6アルキル基を示す。
4、R5又はR6で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」における「C1−C6アルキル基」は、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、又はイソプロピル基であり、特に好ましくはメチル基である。
4、R5又はR6で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくはジアルキルアミノ基、又は飽和複素環式基であり、より好ましくはジ(C1−C6アルキル)アミノ基、又は窒素原子を有する4〜8員環の飽和複素環式基であり、より好ましくはジ(C1−C4アルキル)アミノ基、又は窒素原子を有する4〜8員環の飽和複素環式基であり、更に好ましくはジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基、1−ピペリジニル基、又は1−ピロリジニル基であり、特に好ましくはジメチルアミノ基である。
置換基の数は特に制限されないが、好ましくは1個である。
4、R5、又はR6で示される「置換基を有していても良いC1−C6アルキル基」は、好ましくは置換基としてジ(C1−C6アルキル)アミノ基、又は窒素原子を有する4〜8員環の飽和複素環式基を有していても良いC1−C6アルキル基であり、より好ましくは置換基としてジ(C1−C4アルキル)アミノ基、又は窒素原子を有する4〜8員環の飽和複素環式基を有していても良いC1−C4アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、1−ピペリジニルメチル基、又は1−ピロリジニルメチル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、又はジエチルアミノエチル基であり、更に好ましくはメチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、又はメチルイソプロピルアミノメチル基あり、特に好ましくはジメチルアミノメチル基である。
一般式(I)で表される化合物中のR4、R5及びR6として、好ましくは同一または相異なって、水素原子、又は置換基を有していても良いC1−C6アルキル基であり、より好ましくは水素原子、又は置換基としてジ(C1−C6アルキル)アミノ基若しくは窒素原子を有する4〜8員環の飽和複素環式基を有していても良いC1−C6アルキル基であり、より好ましくは水素原子、又は置換基としてジ(C1−C4アルキル)アミノ基若しくは窒素原子を有する4〜8員環の飽和複素環式基を有していても良いC1−C4アルキル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、1−ピペリジニルメチル基、又は1−ピロリジニルメチル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、又はジエチルアミノエチル基であり、更に好ましくは水素原子、メチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、又はメチルイソプロピルアミノメチル基であり、特に好ましくは水素原子、又はジメチルアミノメチル基である。
一般式(I)で表される化合物において、Yで示される−C(R4)=C(R5)(R6)は、好ましくは、
Figure 2017038838
であり、特に好ましくは、
Figure 2017038838
である。
一般式(I)で表される本発明化合物において、好適な化合物は、
Xが、置換基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基であり;
Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜14員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子、又は-NH-であり;
nが、0から2の整数であり;
1が、置換基を有していても良いアミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、又は置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換基としてヒドロキシル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有していても良いC1−C6アルキル基である、化合物又はその塩である。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、置換基としてハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C6アルキル基、又はアミノ基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基であり;
Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、又は4〜14員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子、又は-NH-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、又は置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換基としてヒドロキシル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有していても良いC1−C6アルキル基である、化合物又はその塩である。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、置換基としてハロゲン原子、又はC1−C6アルキル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基であり;
Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキル基で置換されていても良いアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は酸素原子を1個有する、単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子、又は-NH-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、又はC6−C14芳香族炭化水素基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になってヒドロキシル基で置換されていても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又はジ(C1−C6アルキル)アミノ基で置換されていても良いC1−C6アルキル基である、化合物又はその塩である。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、置換基としてC1−C6アルキル基を有していても良いピロリジニル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していても良いピペリジニル基であり;
Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキル基で置換されていても良いアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は酸素原子を1個有する、単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子、又は-NH-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、又はC6−C14芳香族炭化水素基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になってヒドロキシル基で置換されていても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又はジメチルアミノメチル基である、化合物又はその塩である。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、置換基としてフッ素原子を有していても良いメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基であるか、或いはZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子、又は-NH-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換基としてヒドロキシル基を有していても良いアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよい、化合物又はその塩である。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、酸素原子、又は-NH-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になってヒドロキシアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよい、化合物又はその塩。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、又は酸素原子であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、同一または相異なって、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になってヒドロキシアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよい、化合物又はその塩。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、又は酸素原子であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、メチル基である、化合物又はその塩。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく;
Wが、-CH2-、又は酸素原子であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、メチル基である、化合物又はその塩。
一般式(I)で表される本発明化合物において、より好適な化合物は、
Xが、ピペリジニル基であり;
Yが、
Figure 2017038838
であり;
1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、又はメチル基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環を形成してもよく;
Wが、-CH2-であり;
nが、0であり;
1が、アミノ基であり;
2及びR3が、メチル基である、化合物又はその塩。
具体的な本発明化合物としては、後述の実施例にて製造される実施例化合物1〜実施例化合物79が例示できるが、これらには限定されない。
なかでも好適な本発明化合物として、以下のものが例示できる:
(1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(2)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(3)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(4)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(5)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(6)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(7)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(8)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(9)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(10)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(11)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(12)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(13)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(14)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(15)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−(ジフルオロメトキシ)−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(16)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−(フルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(17)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(18)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(19)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
(20)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2,5−ジクロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド。
次に、本発明に係る化合物の製造法について説明する。
本発明化合物(I)は、例えば、下記の製造法又は実施例に示す方法等により製造することができる。ただし、本発明化合物(I)の製造法はこれら反応例に限定されるものではない。
Figure 2017038838
[式中、L1、L2は、同一または相異なって脱離基を示し;P1はXに含まれるアミノ基の保護基を示し;X、Y、及びnは前記と同義である。]
(第1工程)
本工程は、一般式(II)と一般式(III)で表される化合物を用いて、一般式(IV)で表される化合物を製造する工程である。
一般式(II)において、L1で表される脱離基は、好ましくは臭素原子又はヨウ素原子であり、当該化合物は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
一般式(III)において、L2の脱離基としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホン酸エステル、p−トルエンスルホン酸エステル等が挙げられ、当該化合物は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
一般式(III)で表される化合物は、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、1〜10モル用いることができ、好ましくは1〜5モルである。
本工程は、一般式(III)で表される化合物をアルキル化試薬として用いる場合、塩基存在下で行うことができる。
塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基やトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類が挙げられ、好ましくは炭酸カリウムである。
塩基の使用量としては、一般式(II)で表される化合物1モルに対して、1〜100モル用いることができ、好ましくは2〜10モルである。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジン−2−オン等の非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類等を単一又は混合して用いることができる。好ましくは、N,N−ジメチルアセトアミドである。
反応時間は、好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。反応温度としては、好ましくは0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、より好ましくは0〜100℃である。
このようにして得られる一般式(IV)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(第2工程)
本工程は、一般式(IV)で表される化合物を、一酸化炭素雰囲気下で、アルコール存在下、例えば遷移金属及び必要に応じて塩基と、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で反応させることにより、一般式(V)で表される化合物を製造する工程である。
本工程において、一酸化炭素の圧力は、通常1気圧〜10気圧であり、好ましくは1気圧〜5気圧である。
アルコール化合物の使用量は、一般式(IV)で表される化合物1モルに対して、1〜10モル用いることができ、好ましくは1〜5モルである。アルコール化合物の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ジエチルアミノエタノール、イソブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、3−モルホリノプロパノール、ジエチルアミノプロパノール等が挙げられる。
本工程で利用可能な遷移金属としては、例えば、パラジウム触媒(例、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体等)であり、必要に応じて、リガンド(例、トリフェニルホスフィン、キサントホス、トリ−tert−ブチルホスフィン等)を添加する。
遷移金属の使用量は、触媒の種類により異なるが、一般式(IV)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜1モル、好ましくは0.001〜0.5モルである。リガンドの使用量としては、一般式(IV)で表される化合物1モルに対して、通常0.0001〜4モル、好ましくは0.01〜2モルである。
また、上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量は、一般式(IV)で表される化合物1モルに対して、通常0.1〜50モル、好ましくは1〜20モルである。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、エーテル類(例えば、ジメトキエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、非プロトン性極性溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)、水あるいはそれらの混合物等が挙げられる。
反応時間は、好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。
反応温度としては、0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜150℃である。
この反応後にはカルボン酸化合物(V)と使用したアルコールに対応したエステル体の混合物が生成するため、加水分解反応を行い一般式(V)で表される化合物に変換処理を行う。
加水分解反応は塩基を用いて行なわれる。塩基としては、例えばジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
反応溶媒は、加水分解反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、エーテル類(例えば、ジメトキエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、非プロトン性極性溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)、水あるいはそれらの混合物等が挙げられる。
加水分解反応時間は、好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。
加水分解反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜150℃である。
このようにして得られる一般式(V)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(第3工程)
本工程は、一般式(V)で表される化合物のアミノ基保護を脱保護して一般式(VI)で表される化合物を製造する工程である。
脱保護の方法としては、通常公知の方法、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene,John Wiley & Sons(1981年)に記載の方法、又はそれに準じる方法により行うことができる。保護基としてはtert−ブチルオキシカルボニルが例示される。
保護基としてtert−ブチルオキシカルボニル基を用いた場合、酸性条件下での脱保護が好ましく、酸としては塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、トシル酸等が挙げられる。また、ルイス酸を用いた脱保護も好ましく、トリメチルシリルヨウ素、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体等が例として挙げられる。
酸の使用量は、一般式(V)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1〜100モルである。
反応に用いる溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、例えば、アルコール類(例えば、メタノール等)、炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、エーテル類(例えば、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)あるいはそれらの混合物が用いられる。
反応時間は、好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。
反応温度としては0〜120℃であり、好ましくは0〜90℃である。
このようにして得られる一般式(VI)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(第4工程)
本工程は、一般式(VI)で表される化合物とY−COOHで表されるカルボン酸あるいはY−C(=O)−L(Lは塩素原子又は臭素原子を表す)で表される酸ハライドとのアミド化反応により、一般式(VII)で表される化合物を製造する工程である。
アミド化試薬としてY−COOHで表されるカルボン酸を用いる場合、適当な縮合剤の存在下、一般式(VI)で表される化合物1モルに対して、カルボン酸を0.5〜10モル、好ましくは1〜3モル用いて行われる。
なお、当該カルボン酸は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール等のアルコール類、トルエン、ベンゼン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、−78〜200℃であり、好ましくは0〜50℃である。
反応時間は、通常、5分〜3日間であり、好ましくは5分〜10時間である。
縮合剤としては、例えば、ジフェニルリン酸アジド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサウロニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
また、上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量としては、一般式(VI)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1〜100モルであり、より好ましくは1〜10モルである。
アミド化試薬としてY−C(=O)−L(Lは塩素原子又は臭素原子を表す)で表される酸ハライドを用いる場合、一般式(VI)で表される化合物1モルに対して、酸ハライドを0.5〜5モル、好ましくは0.9〜1.1モル用いて行われる。
なお、当該酸ハライドは、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば水、トルエン、ベンゼン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンなどの非プロトン性極性溶媒等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、−78〜200℃であり、好ましくは−20〜50℃である。
反応時間は、通常、5分〜3日間であり、好ましくは5分〜10時間である。
また、上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量としては、一般式(VI)で表される化合物1モルに対して、好ましくは1〜100モルであり、より好ましくは1〜10モルである。
このようにして得られる一般式(VII)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製することができる。
Figure 2017038838
[式中、L3は脱離基を示し;X、Y、Z1、Z2、Z3、Z4、W、n、R1、R2及びR3は前記と同義である。]
(第5工程)
本工程は、一般式(VII)で表される化合物と一般式(VIII)で表される化合物とのアミド化反応により、一般式(IX)で表される化合物を製造する工程である。
アミド化試薬として適当な縮合剤の存在下、一般式(VII)で表される化合物1モルに対して、一般式(VIII)で表される化合物を0.5〜10モル、好ましくは1〜3モル用いて行われる。なお、当該アニリン化合物は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、−78〜200℃であり、好ましくは0〜50℃である。
反応時間は、通常、5分〜3日間であり、好ましくは5分〜10時間である。
縮合剤としては、例えばジフェニルリン酸アジド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサウロニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
また、上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量としては、一般式(VII)で表される化合物1モルに対して、1〜100モルであり、好ましくは1〜10モルである。
このようにして得られる一般式(IX)で表される化合物は、公後述する公知の分離精製手段により単離精製するか又は単離精製することなく、次工程に付すことができる。
(第6工程)
本工程は、一般式(IX)で表される化合物と一般式(X)で表される化合物から、一般式(I)で表される本発明化合物を製造する工程である。
一般式(X)において、L3で示される脱離基は、好ましくは塩素、臭素、ヨウ素、メタンスルホン酸エステル、又はp−トルエンスルホン酸エステルである。一般式(X)で表される化合物は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
一般式(X)で表される化合物は、一般式(IX)で表される化合物1モルに対して、1〜10モル用いることができ、好ましくは1〜5モルである。
上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基やトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類が挙げられる。
塩基の使用量としては、一般式(IX)で表される化合物1モルに対して、1〜100モル用いることができ、好ましくは2〜10モルである。
溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリジン−2−オン、アセトニトリル等又はその混合溶媒等を用いることができる。
反応時間は、好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。
反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜100℃である。
このようにして得られる一般式(I)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製することができる。
また、本発明化合物(I)は、例えば、下記の製造法により製造することができる。
Figure 2017038838
[式中、Z1、Z2、Z3、Z4、W、R2及びR3は前記と同義である。]
(第7工程)
本工程は、一般式(XI)で表される化合物と一般式(XII)で表される化合物とのアミド化反応により、一般式(XIII)で表される化合物を製造する工程である。
アミド化試薬として適当な縮合剤の存在下、一般式(XI)で表される化合物1モルに対して、一般式(XII)で表される化合物を0.5〜10モル、好ましくは1〜3モル用いて行われる。なお、当該アミン(XII)は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、−78〜200℃であり、好ましくは0〜50℃である。
反応時間は、通常、5分〜3日間であり、好ましくは5分〜10時間である。
縮合剤としては、例えばジフェニルリン酸アジド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサウロニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
また、上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量としては、一般式(XI)で表される化合物1モルに対して、1〜100モルであり、好ましくは1〜10モルである。
このようにして得られる一般式(XIII)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(第8工程)
本工程は、一般式(XIII)で表される化合物を金属触媒を用いる還元反応により一般式(XIV)で表される化合物を製造する工程である。
本工程において用いられる金属触媒は、鉄試薬、パラジウム試薬、ニッケル試薬等があり、還元剤として水素ガス、ギ酸等を用いることが出来る。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、アルコール類(例、メタノール、エタノール等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン)、非プロトン性極性溶媒(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド等)、水あるいはそれらの混合物等が挙げられる。
反応時間は、好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。
反応温度としては、0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜150℃である。
このようにして得られる一般式(XIV)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製することができる。
Figure 2017038838
[式中、L3は脱離基を示し;Z1、Z2、Z3、Z4、W、R2及びR3は前記と同義である。]
(第9工程)
本工程は、一般式(XV)で表される化合物と一般式(X)で表される化合物から、一般式(XIII)で表される化合物を製造する工程である。
一般式(X)で表される化合物は、一般式(XV)で表される化合物1モルに対して、1〜10モル用いることができ、好ましくは1〜5モルである。
反応に用いる試薬として、塩化ジアルキルカルバモイルや、S−メチルジアルキルカルバモイルエステル、塩化ジクロロメチレンジアルキルイミニウム等が挙げられ、これら試薬は、市販品、又は公知の方法に準じて製造することができる。
試薬は、一般式(XV)で表される化合物1モルに対して、1〜100モル用いることができ、好ましくは2〜10モルである。
反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化セシウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基やトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、ルチジン、コリジン等の有機アミン類が挙げられる。
塩基の使用量としては、一般式(XV)で表される化合物1モルに対して、1〜100モル用いることができ、好ましくは2〜10モルである。
反応溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N−メチルピロリジン−2−オン、アセトニトリル等又はその混合溶媒等を用いることができる。
反応時間は、好ましくは0.1〜100時間であり、より好ましくは0.5〜24時間である。
反応温度としては0℃〜溶媒の沸騰する温度であり、好ましくは0〜100℃である。
このようにして得られる一般式(XIII)で表される化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製するか、又は単離精製することなく次工程に付すことができる。
(第10工程)
本工程は、一般式(XIII)で表される化合物から、還元反応により、一般式(XIV)で表される化合物を製造する工程である。上記に記載された第8工程と同様の製造法で製造することができる。
Figure 2017038838
[式中、X、Z1、Z2、Z3、Z4、W、n、R1、R2及びR3は前記と同義である。]
(第11工程)
本工程は、一般式(VII)で表される化合物と一般式(XIV)で表される化合物とのアミド化反応により、一般式(I)で表される本発明化合物を製造する工程である。
アミド化試薬として適当な縮合剤の存在下、一般式(VII)で表される化合物1モルに対して、一般式(XIV)で表される化合物を0.5〜10モル、好ましくは1〜3モル用いて行われる。
反応溶媒は、反応に支障のないものであれば、特に限定されないが、例えば、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド等又はその混合溶媒等が好適である。
反応温度は、通常、−78〜200℃であり、好ましくは0〜50℃である。
反応時間は、通常、5分〜3日間であり、好ましくは5分〜10時間である。
縮合剤としては、例えばジフェニルリン酸アジド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドと1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、O−(7−アザベンゾトリアゾ−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサウロニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
また、上記反応は必要に応じて塩基を添加することができる。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、カリウム−tert−ブチラート、ナトリウム−tert−ブチラート、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、ブチルリチウム等の有機塩基、又は炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量としては、一般式(VII)で表される化合物1モルに対して、1〜100モルであり、好ましくは1〜10モルである。
このようにして得られる一般式(I)で表される本発明化合物は、後述する公知の分離精製手段により単離精製することができる。
上記製造法1〜5において、アミノ基、イミノ基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基及びアミド基、並びにインドールのような活性プロトンを有する官能基等は、各製造法における適切な工程で、保護された試薬を用いるか、常法に従い、当該官能基に保護基を導入した後、当該保護基を除去することができる。
「アミノ基又はイミノ基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、クミル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基等の低級アルカノイル基;例えばベンゾイル基;例えばフェニルアセチル基、フェノキシアセチル基等のアリールアルカノイル基;例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;例えばp−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基等の低級アルキルスルホニル基等;例えばtert−ブチルスルフィニル基等の低級アルキルスルフィニル基等;例えばベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等、例えばフタルイミド基等のイミド基が挙げられ、特にトリフルオロアセチル基、アセチル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、又はクミル基が好ましい。
「水酸基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;例えばメトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基等のアシル基等が挙げられ、特にメチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、又はアセチル基が好ましい。
「カルボキシル基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;例えば2,2,2−トリクロロエチル基等のハロ低級アルキル基;例えばアリル基等の低級アルケニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基等が挙げられ、特にメチル基、エチル基、tert−ブチル基、アリル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、又はトリメチルシリルエトキシメチル基が好ましい。
「カルボニル基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばエチレンケタール、トリメチレンケタール、ジメチルケタール、エチレンアセタール、トリメチレンアセタール、ジメチルアセタール等のケタール、アセタール等が挙げられる。
「アミド基又はインドールのような活性プロトンを有する官能基の保護基」としては、その機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;例えばトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;例えばメトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基;例えばテトラヒドロピラニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;例えばベンジル基、p−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリチル基等のアラルキル基;例えばホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基等のアシル基等が挙げられ、特にメチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、又はアセチル基が好ましい。
保護基の除去法は、当該保護基の種類及び目的化合物の安定性等により異なるが、例えば文献記載の方法(Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、T.W.Greene著、John Wiley & Sons社、1999年参照)又はそれに準じる方法に従って、例えば酸又は塩基を用いる加溶媒分解、すなわち、例えば0.01モルないし大過剰の酸、好ましくはトリフルオロ酢酸、ギ酸、塩酸等、又は等モルないし大過剰の塩基、好ましくは水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を作用させる方法;水素化金属錯体等を用いる化学的還元、又はパラジウム−炭素触媒、ラネーニッケル触媒等を用いる接触還元等により行われる。
本発明の一般式(I)で表される化合物及びその中間体は、公知の分離精製手段により容易に単離精製できる。係る手段としては、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、再結晶、再沈殿、分取用逆相高速液体クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
本発明化合物は、光学異性体、立体異性体、互変異性体、回転異性体が存在する場合はいずれの異性体も混合物も本発明化合物に包含される。また、本発明化合物は、ラセミ体、又はラセミ体から分割された光学活性体も本発明化合物に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶など)によりそれぞれを単一化合物として得ることができる。
また、本発明化合物には、互変異性体も包含される。
本発明化合物又はその塩は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても多形混合物であっても本発明化合物又はその塩に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。本発明化合物又はその塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも本発明化合物又はその塩に包含される。同位元素(例えば、3H、14C、35S、125I等)等で標識された化合物も、本発明化合物又はその塩に包含される。
本発明化合物又はその塩のプロドラッグも本発明に包含されるが、当該プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明化合物又はその塩に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして本発明化合物又はその塩に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして本発明化合物又はその塩に変化する化合物をいう。また、本発明化合物又はその塩のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で本発明化合物又はその塩に変化するものであってもよい。
本発明化合物の塩とは、薬学的に許容される塩であれば特に制限されず、有機化学の分野で用いられる慣用的なものを意味し、例えばカルボキシル基を有する場合の当該カルボキシル基における塩基付加塩、又はアミノ基若しくは塩基性の複素環基を有する場合の当該アミノ基若しくは塩基性複素環基における酸付加塩の塩類を挙げることができる。
該塩基付加塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;例えばアンモニウム塩;例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
該酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;例えば酢酸塩、ギ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩;例えばメタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
本発明化合物又はその塩は、優れたHER2阻害活性を有する。また、HER2に対する優れた選択性を有している。従って、本発明化合物又はその塩は、抗腫瘍剤として有用であり、また、他のキナーゼも阻害してしまうことによる副作用が少ないという利点を有する。
本明細書において「HER2」とは、ヒトまたは非ヒト哺乳動物のHER2を含み、好ましくはヒトHER2である。また、「HER2」の語にはアイソフォームが含まれる。
本発明化合物又はその塩は、その優れたHER2阻害活性により、HER2が関与する疾患の予防や治療のための医薬として有用である。
「HER2が関与する疾患」とは、HER2の機能を欠失、抑制及び/又は阻害することによって、発症率の低下、症状の寛解、緩和、及び/又は完治する疾患が挙げられる。このような疾患として、例えば、悪性腫瘍等が挙げられるがこれに限定はされない。好ましくは、HER2過剰発現、HER2遺伝子増幅、又はHER2変異を有する悪性腫瘍である。対象となる前記の「悪性腫瘍」は特に制限はされないが、例えば、頭頚部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆管癌、胆道癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、血液癌、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍、中皮腫等が挙げられる。好ましくは、乳癌、胃癌、食道癌、卵巣癌、肺癌、食道癌、胆嚢・胆管癌、胆道癌、膀胱癌、結腸癌であり、より好ましくは、乳癌、胃癌、食道癌、胆道癌、卵巣癌、肺癌、食道癌であり、より好ましくは、乳癌、胃癌である。
本発明化合物又はその塩を医薬として用いるにあたっては、必要に応じて薬学的担体を配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能であり、該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよい。これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的担体としては、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤等、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、pH調節剤・緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、矯味・矯臭剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、結晶セルロース、ケイ酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アメ粉、ヒプロメロース等が挙げられる。
崩壊剤としては、デンプングリコール酸ナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファー化デンプン等が挙げられる。
滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム等が挙げられる。
コーティング剤としては、エチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、ヒプロメロース、白糖等が挙げられる。
溶剤としては、水、プロピレングリコール、生理食塩液が挙げられる。
溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、エタノール、α−シクロデキストリン、マクロゴール400、ポリソルベート80等が挙げられる。
懸濁化剤としては、カラギーナン、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
等張化剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、塩化カリウム等が挙げられる。
pH調節剤・緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム、塩酸、乳酸、リン酸、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
無痛化剤としては、プロカイン塩酸塩、リドカイン等が挙げられる。
防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エチル、クレゾール、ベンザルコニウム塩化物等が挙げられる。
抗酸化剤としては、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、天然ビタミンE等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、三二酸化鉄、食用青色1号、銅クロロフィル等が挙げられる。
矯味・矯臭剤としてはアスパルテーム、サッカリン、スクラロース、l−メントール、ミントフレーバー等が挙げられる。
安定化剤としては、ピロ亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、酸化マグネシウム、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明化合物に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
注射剤を調製する場合は、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では0.05〜1000mg、注射剤では0.01〜500mg、坐剤では1〜1000mgとするのが望ましい。
また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、本発明化合物として通常成人(体重50kg)1日あたり0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
実施例で用いた各種試薬は、特に記載の無い限り市販品を使用した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーには、モリテックス社製プリフパック(登録商標)SI、バイオタージ社製KP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラム、又はバイオタージ社製HP−Sil(登録商標)Silicaプレパックドカラムを用いた。
塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィーにはモリテックス社製プリフパック(登録商標)NH又はバイオタージ社製KP−NH(登録商標)プレパックドカラムを用いた。
分取用薄層クロマトグラフィーにはメルク社製KieselgelTM60F254,Art.5744又は和光社NH2シリカゲル60F254プレートを用いた。
NMRスペクトルは、AL400(400MHz;日本電子(JEOL))、Mercury400(400MHz;アジレント・テクノロジー)型スペクトロメータ、又はOMNMRプローブ(Protasis)を装備したInova400(400MHz;アジレント・テクノロジー)型スペクトロメータを使用し、重溶媒中にテトラメチルシランを含む場合は内部基準としてテトラメチルシランを用い、それ以外の場合には内部基準としてNMR溶媒を用いて測定し、全δ値をppmで示した。
マイクロウェーブ反応は、CEM社製DiscoverSクラスを用いて行った。
またLCMSスペクトルはWaters社製ACQUITY SQD(四重極型)を用いて下記条件にて測定した。
カラム:YMC社製YMC−Triart C18,2.0X50mm,1.9μm
MS検出:ESI positive
UV検出:254及び210nm
カラム流速:0.5mL/min
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
インジェクション量:1μL
グラディエント(table 1)
Time(min) Water Acetonitrile
0 95 5
0.1 95 5
2.1 5 95
3.0 STOP
また、逆相分取HPLC精製はWATERS社製分取システムを用いて下記条件にて実施した。
カラム:YMC社製YMC−Actus Triart C18,20×50mm,5μmとYMC社製YMC−Actus Triart C18,20×10mm,5μmを連結したものを使用した。
UV検出:254nm
MS検出: ESI positive
カラム流速:25mL/min
移動相:水/アセトニトリル(0.1%ギ酸)
インジェクション量:0.1−0.5mL
略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
dd:ダブル ダブレット
dt:ダブル トリプレット
td:トリプル ダブレット
tt:トリプル トリプレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
ddt:ダブル ダブル トリプレット
dtd:ダブル トリプル ダブレット
tdd:トリプル ダブル ダブレット
m:マルチプレット
br:ブロード
brs:ブロードシングレット
DMSO−d6:重ジメチルスルホキシド
CDCl3:重クロロホルム
CD3OD:重メタノール
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:1−メチル−2−ピロリジノン
DME:エチレングリコールジメチルエーテル
DMSO:ジメチルスルホキシド
TFA:トリフルオロ酢酸
WSC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
HATU:(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチル(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)メタンイミニウム ヘキサフルオロホスフェート
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
Boc:tert-ブトキシカルボニル基
dppf:1,1‘−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
参考例1 (R)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
Figure 2017038838
(工程1)(S)−tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
(S)−N−Boc−3−ピぺリジノール 20gをトルエン 100mLに溶解し、0℃にてトリエチルアミン 21mL、メタンスルホニルクロライド 9.2mLを加えた。氷冷下にて1時間撹拌したのち、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、表題化合物を無色固体として26.8g得た。
(工程2)(R)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
国際公開第2007/126841号パンフレットに記載されている方法にて合成した3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン14.6g、(工程1)で得られた(S)−tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート 25g、炭酸カリウム 69gをDMA 150mLに懸濁し、懸濁溶液を100℃に加熱し、10時間撹拌した。室温に冷却後、水 300mLを加え生じた固体を濾取し、水で洗浄後、乾燥し、表題化合物を黄色固体として26.9g得た。
物性値:m/z[M+H]+ 446.2
参考例2 (R)−4−アミノ−1−(1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
Figure 2017038838
参考例1で得られた(R)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート2g、2−ジエチルアミノエタノール 3mL、Pd(PPh32Cl2 158mgを、NMP 20mLに溶解し、系内を一酸化炭素で置換した後、120℃に加熱した。1時間撹拌後、室温まで冷却してメタノールを10mL加えた後、5規定の水酸化ナトリウム水溶液を6mL加え10分撹拌した。水を加えた後、酢酸エチルで水層を洗浄し、水層を塩酸でpH4に調整して析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、乾燥し表題化合物を淡黄色固体として1.26g得た。
物性値:m/z[M+H]+ 363.1
参考例3 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
Figure 2017038838
参考例2で得られた(R)−4−アミノ−1−(1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10gに4N−塩酸/1,4−ジオキサン 50mLを加え、1時間撹拌後、エバポレーターで除媒した。残渣にクロロホルム 140mL、トリエチルアミン 25mLを加え氷冷後、塩化アクリル 2.23mLを加えた。1.5時間撹拌後、エバポレーターで除媒した。残渣にpH3.0のギ酸水溶液を加え、2時間撹拌後、析出物を濾取し、減圧乾燥することで表題化合物の白褐色固体8.93gを得た。
物性値:m/z[M+H]+ 317.3
参考例4 (R)−4−アミノ−1−(1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
Figure 2017038838
(工程1)(S)−tert−ブチル 3−(メチルスルフォニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
(S)−(−)−N−Boc−3−ピロリジノール 935mgをクロロホルム 15mLに溶解し、氷冷下にてトリエチルアミン 1.04mL、メタンスルホニルクロライド 467μLを加えた。室温にて1.5時間撹拌したのち、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、無色油状の表題化合物1.3gを得た。
物性値:m/z[M+H]+ 266.1
(工程2)(R)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
国際公開第2007/126841号パンフレットに記載されている方法にて合成した3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン 20.0g、(工程1)で得られた(S)−tert−ブチル 3−(メチルスルホニルオキシ)ピロリジン−1−カルボキシレート 23g、炭酸カリウム 32gをDMA 200mLへ懸濁させた溶液を85℃に加熱し、3時間撹拌した。室温に冷却後、水 400mLを加え生じた固体を濾取し、水で洗浄後、乾燥し表題化合物を淡黄色固体として23.5g得た。
物性値:m/z[M+H]+ 431.0
(工程3)(R)−4−アミノ−1−(1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
上記(工程2)で得られた(R)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピロリジン−1−カルボキシレート 2.0g、2−ジエチルアミノエタノール 3.1mL、Pd(PPh32Cl2 163mgを、NMP 20mLに溶解し、系内を一酸化炭素で置換した後、120℃に加熱した。1時間撹拌後、室温まで冷却してメタノールを10mL加えた後、5規定の水酸化ナトリウム水溶液を6mL加え10分撹拌した。水を加えた後、クロロホルムで水層を洗浄し、水層を塩酸でpH4に調整して析出した固体を濾取し、水で洗浄した後、乾燥し表題化合物を淡黄色固体として1.35g得た。
物性値:m/z[M+H]+ 349.1
参考例5 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
Figure 2017038838
参考例4で得られた(R)−4−アミノ−1−(1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 1.0gに4N−塩酸/1,4−ジオキサン5mLを加え、1時間撹拌後、エバポレーターで除媒した。残渣にクロロホルム 28mL、トリエチルアミン 1.5mLを加え氷冷後、塩化アクリル 0.21mLを加えた。1.5時間撹拌後、エバポレーターで除媒した。残渣にpH3.0のギ酸水溶液を加え、2時間撹拌後、析出物を濾取し、減圧乾燥することで表題化合物の白褐色固体0.859gを得た。
物性値:m/z[M+H]+ 303.3
実施例1 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
国際公開第2012/058134号パンフレットに記載されている方法に準じ、マロン酸ジエチル 2.4gにNMP 10mLを加えた後に、反応溶液を氷浴で冷却し水素化ナトリウム 960mgを加えた。0℃下30分撹拌した後、1−ブロモ2−フルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼン 2.34gを加えた。室温下で1時間撹拌した後、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル)で無色油状物質3.13gを得た。次に得られた油状物質にメタノール 30mLと5M水酸化ナトリウム水溶液 7.5mLを加え、5時間加熱還流した。反応溶液を室温へ冷却した後、溶媒を減圧留去し、2M塩酸水溶液を加えた。析出物を濾取し、乾燥することで表題化合物1.18gを黄色固体で得た。
(工程2)2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
(工程1)で得られた2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸(1.15g)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、オキザリルクロリド(0.426mL)及びDMF(0.0653mL)を氷冷下にて加えた後、室温にて2時間攪拌した。反応溶液を濃縮後、トルエンを加えて、再度濃縮した。得られた淡褐色油状物をクロロホルム(30mL)に溶解し、2.0Mジメチルアミン/THF溶液(10.5mL)を加えて、1時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、クロロホルムにて溶解し、水洗した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(1.15g)を黄色固体として得た。
(工程3)2−(4−アミノ−2−ブロモ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
(工程2)で得た2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(300mg)にエタノール 3mLと水 3mLを加えた後に塩化アンモニウム 300mgと鉄粉 300mgを加えた。反応溶液を70℃に加熱し2時間撹拌した後に、室温に冷却しセライト濾過を行うことで鉄分を除いた。濾液に酢酸エチルを加え抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物200mgを黄色固体で得た。
(工程4)実施例化合物1の合成
参考例3で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(50mg)と(工程3)で得た2−(4−アミノ−2−ブロモ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(64mg)にDMF(1mL)とDIPEA(0.055mL)を加え溶解させた後に、HATU(90mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後に逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、濃縮後、クロロホルムに溶解し、飽和炭酸ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮後に得られた残渣を酢酸エチルヘキサンにて懸濁し、ろ過することにより表題化合物をオフホワイト固体として58mg得た。
実施例2 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(5−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例1の(工程1)に準じ、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、1−クロロ−5−フルオロ−4−メチル−2−ニトロベンゼン 1.00gを用いる事で表題化合物952mgを淡黄色固体として得た。
(工程2)2−(5−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程2)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸に替えて、(工程1)で得た2−(5−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸 922mgを用いることで表題化合物1.03gを淡黄色固体として得た。
(工程3)2−(4−アミノ−5−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程3)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて、(工程2)で得た2−(5−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 1.03gを用いることで、表題化合物720mgを淡黄色固体として得た。
(工程4)実施例化合物2の合成
実施例1の(工程4)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 66.5mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−5−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 95.3mgにDMSO 0.665mLとDIPEA 73.2μLを加え溶解させた後に、HATU 240mgを加えることで、表題化合物56.2mgを白色固体として得た。
実施例3 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例1の(工程1)に準じ、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、2−クロロ−4−フルオロ−3−メチル−1−ニトロベンゼン 1.00gを用いる事で表題化合物1.23gを淡黄色固体として得た。
(工程2)2−(3−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程2)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸に替えて、(工程1)で得た2−(3−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸 1.23gを用いることで表題化合物900mgを淡黄色固体として得た。
(工程3)2−(4−アミノ−3−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程3)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて、(工程2)で得た2−(3−クロロ−2−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 900mgを用いることで、表題化合物590mgを白色固体として得た。
(工程4)実施例化合物3の合成
実施例1の(工程4)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 66.5mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−3−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 95.3mgにDMSO 0.665mLとDIPEA 73.2μLを加え溶解させた後に、HATU 240mgを加えることで、表題化合物78.2mgを白色固体として得た。
実施例4 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N,N−ジメチル−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)アセトアミドの合成
3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸 50mgにDMF 1.3mLとDIEPA 0.13mLと2.0Mジメチルアミン/THF溶液 0.38mLを加え溶解させた後に、HATU 145mgを加えた。室温で2時間撹拌した後に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液、及び水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、無色油状の表題化合物50mgを得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
(工程1)で得たN,N−ジメチル−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)アセトアミド 50mgをメタノール 2.2mLに溶解させた後に、10%Pd担持炭素を5mg加えた。水素雰囲気下で終夜撹拌した後、セライト濾過によってPd担持炭素を含む不溶物を除き、溶媒を減圧留去し、無色油状の表題化合物40mgを得た。
(工程3)実施例化合物4の合成
参考例3で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 9.2mgにDMF 0.2mLとDIPEA 20μLを加え溶解させた後に、HATU 18mgを加えた。室温で1時間撹拌した後、DMSO1mLを加え逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物を白色固体として3.4mg得た。
実施例5 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N,N−ジメチル−2−(4−ニトロナフタレン−1−イル)アセトアミドの合成
1−ナフチル酢酸 500mgをDMFに溶解させた後、2.0Mジエチルアミン/THF溶液 2.7mLとDIPEA 1.4mLとHATU 1.3gを加えた。室温で2時間撹拌した後に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣に硫酸を5mL加え、反応溶液を0℃に冷やした後に発煙硝酸 1mLを滴下した。0℃で30分撹拌した後に重曹水に反応溶液を加え、中和した後に酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し表題化合物310mgの黄色固体を得た。
(工程2)2−(4−アミノナフタレン−1−イル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程2)に準じ、N,N−ジメチル−2−(4−ニトロナフタレン−1−イル)アセトアミド 20mgを用いることで、表題化合物18mgを無色油状物質として得た。
(工程3)実施例化合物5の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4―アミノナフタレン−1−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド 11mgを用いることで、表題化合物8.9mgを白色固体として得た。
実施例6 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸の代わりに2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)酢酸 980mgを用いることで茶褐色油状物質として表題化合物890mgを得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
(工程1)で得た2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 1.4gにエタノール 14mLと水 14mLを加えた後に塩化アンモニウム 1.4gと鉄粉 1.4gを加えた。反応溶液を70℃に加熱し2時間撹拌した後に、室温に冷却しセライト濾過を行うことで鉄分を除いた。濾液に酢酸エチルを加え抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し表題化合物1.1gを黄色固体で得た。
(工程3)実施例化合物6の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 25mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 25mgを用いることで、表題化合物6.0mgを白色固体で得た。
実施例7 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
European Journal of Medicinal Chemistry, 46(1),285−296;2010に記載されている合成法に準じ、4−ニトロベンズアルデヒドの代わりに3−メトキシ−4−ニトロベンズアルデヒド 510mgを用いることで表題化合物480mgを黄色油状物質で得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて2−(3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 480mgを用いることで、表題化合物450mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物7の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 30mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 29mgを用いることで、表題化合物18mgを白色固体で得た。
実施例8 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて2−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)酢酸 220mgを用いることで表題化合物220mgを黄色固体で得た。
(工程2)2−(4−アミノ−2−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて2−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 220mgを用いることで、表題化合物180mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物8の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−2−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物13.5mgを白色固体で得た。
実施例9 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−クロロ−5−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて2−(2−クロロ−5−メトキシ−4−ニトロフェニル)酢酸 350mgを用いることで表題化合物388mgを黄色固体で得た。
(工程2)2−(4−アミノ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて2−(2−クロロ−5−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 388mgを用いることで、表題化合物340mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物9の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−2−クロロ−5−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物17.5mgを白色固体で得た。
実施例10 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−フルオロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
国際公開第2012/058134号パンフレットに記載されている方法に準じ、マロン酸ジエチル 1.0gにNMP 30mLを加えた後に、反応溶液を氷浴で冷却し水素化ナトリウム 380mgを加えた。0℃下30分撹拌した後、1,2−ジフルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼン6 90mgを加えた。室温下で1時間撹拌した後、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、無色油状物質1.20gを得た。次に得られた油状物質にメタノール 10mLと5M水酸化ナトリウム水溶液 2.5mLを加え、5時間加熱還流した。反応溶液を室温へ冷却した後、溶媒を減圧留去し、2M塩酸水溶液を加えた。析出物を濾取、乾燥することで表題化合物610mgを黄色固体で得た。
(工程2)2−(2−フルオロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸の代わりに2−(2−フルオロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸 610mgを用いることで表題化合物600mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)2−(4−アミノ−2−フルオロ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて2−(2−フルオロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 600mgを用いることで、表題化合物540mgの黄色油状物質を得た。
(工程4)実施例化合物10の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−2−フルオロ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物7.3mgを白色固体で得た。
実施例11 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−クロロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例10の(工程1)に準じ、1,2−ジフルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、2−クロロ−1−フルオロ−3−メトキシ−4−ニトロベンゼン 800mgを用いることで表題化合物710mgを黄色固体で得た。
(工程2)2−(2−クロロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、(工程1)で得た2−(2−クロロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)酢酸 100mgを用いることで表題化合物110mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)2−(4−アミノ−2−クロロ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程2)で得た2−(2−クロロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 110mgを用いることで、表題化合物95mgの黄色油状物質を得た。
(工程4)実施例化合物11の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−2−クロロ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物6.9mgを白色固体で得た。
実施例12 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−フルオロ−3−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例10の(工程1)に準じ、1,2−ジフルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、1,2−ジフルオロ−3−メチル−4−ニトロベンゼン 560mgを用いることで表題化合物800mgを黄色固体で得た。
(工程2)2−(2−フルオロ−3−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、(工程1)で得た2−(2−フルオロ−3−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸 260mgを用いることで表題化合物290mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)2−(4−アミノ−2−フルオロ−3−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程2)で得た2−(2−フルオロ−3−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 290mgを用いることで、表題化合物230mgの黄色油状物質を得た。
(工程4)実施例化合物12の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−2−フルオロ−3−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物8.2mgを白色固体で得た。
実施例13 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2,3−ジメチル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例10の(工程1)に準じ、1,2−ジフルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、1−フルオロ−2,3−ジメチル−4−ニトロベンゼン 1.2gを用いることで表題化合物1.12gを黄色固体で得た。
(工程2)2−(2,3−ジメチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、(工程1)で得た2−(2,3−ジメチル−4−ニトロフェニル)酢酸 1.12gを用いることで表題化合物1.30gの黄色油状物質を得た。
(工程3)2−(4−アミノ−2,3−ジメチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程2)で得た2−(2,3−ジメチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 1.26gを用いることで、表題化合物1.03gの黄色油状物質を得た。
(工程4)実施例化合物13の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 40mgと(工程3)で得た2−(2,3−ジメチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 31mgを用いることで、表題化合物48mgを白色固体で得た。
実施例14 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−フルオロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例10の(工程1)に準じ、1,2−ジフルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、1,2−ジフルオロ−3−メトキシ−4−ニトロベンゼン 1.0gを用いることで表題化合物1.10gを黄色固体で得た。
(工程2)2−(2ーフルオロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、(工程1)で得た2−(2−フルオロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)酢酸 100mgを用いることで表題化合物120mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)2−(4−アミノ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程2)で得た2−(2−フルオロ−3−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 120mgを用いることで、表題化合物100mgの黄色油状物質を得た。
(工程4)実施例化合物14の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物4.9mgを黄色固体で得た。
実施例15 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−(ジフルオロメトキシ)−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−(ジフルオロメトキシ)−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)酢酸 420mgを用いることで2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 450mgの黄色油状物質を得た。次に得られた2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 200mgにDMF 4.5mLと炭酸カリウム 250mgを加えた懸濁溶液に、2−クロロ−2,2−ジフルオロ酢酸ナトリウム 270mgを加えた。室温下1時間撹拌した後に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物155mgの黄色固体を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(3−(ジフルオロメトキシ)−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 155mgを用いることで、表題化合物120mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物15の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物13.5mgを黄色固体で得た。
実施例16 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−(フルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−(フルオロメトキシ)−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)酢酸 420mgを用いることで2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 450mgの黄色油状物質を得た。次に得られた2−(3−ヒドロキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 200mgにDMF 4.5mLと炭酸カリウム 370mgを加えた懸濁溶液に、ブロモ−フルオロメタン 200mgを加えた。室温下1時間撹拌した後に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物145mgの黄色固体を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−(フルオロメトキシ)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(3−(フルオロメトキシ)−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 145mgを用いることで、表題化合物110mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物16の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−(フルオロメトキシ)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物14.5mgを黄色固体で得た。
実施例17 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−ブロモ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、2−(3−ブロモ−4−ニトロフェニル)酢酸 430mgを用いることで表題化合物440mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−ブロモフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(3−ブロモ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 100mgを用いることで、表題化合物80mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物17の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−ブロモフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物2.10mgを白色固体で得た。
実施例18 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(5−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例10の(工程1)に準じ、1,2−ジフルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、1−クロロ−4,5−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン 500mgを用いる事で表題化合物275mgを黄色固体として得た。
(工程2)2−(5−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、(工程1)で得た2−(5−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)酢酸 234mgを用いることで表題化合物205mgを黄色油状物質として得た。
(工程3)2−(4−アミノ−5−クロロ−2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて、(工程2)で得た2−(5−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 205mgを用いることで、表題化合物150mgを黄色固体として得た。
(工程4)実施例化合物18の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−5−クロロ−2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 20mgにDMSO 0.2mLとDIPEA 20μLを加え溶解させた後に、HATU 50mgを加えることで、表題化合物2.34mgを白色固体として得た。
実施例19 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)1−クロロ−2−フルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンの合成
1−クロロ−2−フルオロ−4−メチルベンゼン1.00gをTFA10mLに溶解させ、反応溶液を0℃に冷やした後に発煙硝酸 5.0mLを滴下した。0℃で30分撹拌した後に重曹水に反応溶液を加え、中和した後にクロロホルムで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し表題化合物1.31gを白色固体として得た。
(工程2)2−(2−クロロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例1の(工程1)に準じ、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、(工程1)で得た1−クロロ−2−フルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼン 500mgを用いる事で表題化合物440mgを黄色固体として得た。
(工程3)2−(2−クロロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程2)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸に替えて、(工程2)で得た2−(2−クロロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸 230mgを用いることで表題化合物149mgを淡黄色固体として得た。
(工程4)2−(4−アミノ−2−クロロ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程3)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて、(工程3)で得た2−(2−クロロ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 149mgを用いることで、表題化合物170mgを白色固体として得た。
(工程5)実施例化合物19の合成
実施例1の(工程4)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程4)で得た2−(4−アミノ−2−クロロ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 20mgにDMSO 0.2mLとDIPEA 20μLを加え溶解させた後に、HATU 50mgを加えることで、表題化合物3.39mgを白色固体として得た。
実施例20 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2,5−ジクロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)1,4−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼンの合成
実施例19の(工程1)に準じ、1−クロロ−2−フルオロ−4−メチルベンゼンに替えて、1,4−ジクロロ−2−フルオロベンゼン 1.00gをTFA 10mLに溶解させ、発煙硝酸 5.0mLを滴下した。室温で3時間撹拌した後に重曹水に反応溶液を加え、析出物を濾取し、乾燥することで表題化合物1.30gを白色固体として得た。
(工程2)2−(2,5−ジクロロ−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例1の(工程1)に準じ、1−ブロモ−2−フルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンに替えて、(工程1)で得た1,4−ジクロロ−2−フルオロ−5−ニトロベンゼン 500mgを用いる事で表題化合物423mgを黄色固体として得た。
(工程3)2−(2,5−ジクロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程2)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)酢酸に替えて、(工程2)で得た2−(2,5−ジクロロ−4−ニトロフェニル)酢酸 250mgを用いることで表題化合物150mgを淡黄色固体として得た。
(工程4)2−(4−アミノ−2,5−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程3)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて、(工程3)で得た2−(2,5−ジクロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 150mgを用いることで、表題化合物160mgを白色固体として得た。
(工程5)実施例化合物20の合成
実施例1の(工程4)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程4)で得た2−(4−アミノ−2,5−ジクロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 20mgにDMSO 0.2mLとDIPEA 20μLを加え溶解させた後に、HATU 50mgを加えることで、表題化合物0.89mgを白色固体として得た。
実施例21 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)フェニルジメチル カルバメートの合成
(工程1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
参考例3で合成した(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 30mgにDMF 4.5mLと4−アミノフェノール 17mgとDIPEA 50μLを加えて溶解させた後に、HATU 55mgを加えた。室温下で1時間撹拌した後、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、無色油状の表題化合物25mgを得た。
(工程2)実施例化合物21の合成
(工程1)で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド 10mgに炭酸カリウム 10mgとアセトニトリル 250μLを加え、懸濁溶液とした後に、塩化N,N−ジメチルカルバモイル 8mgを加えた。60℃で3時間撹拌した後にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣を逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物を白色固体として2.62mg得た。
実施例22 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−シクロプロピル−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−シクロプロピル−4−フルオロ−1−ニトロベンゼンの合成
2−ブロモ−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(1.22g)、リン酸カリウム(4.12g)、シクロプロピルボロン酸をトルエン 15mLに懸濁し、水 0.75mL、酢酸パラジウム(0.062mg)及びトリシクロヘキシルホスフィン(155mg)を加えて、窒素雰囲気下にて加熱環流し、4時間攪拌した。放冷後、水を加え、酢酸エチルにて抽出し、得られた有機層を水洗し、引き続き飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過し、濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物(895mg)を淡褐色油状物として得た。
(工程2)2−(3−シクロプロピル−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
実施例10の(工程1)の手法と同様に、原料として1,2−ジフルオロ−4−メチル−5−ニトロベンゼンの代わりに2−シクロプロピル−4−フルオロ−1−ニトロベンゼン(895mg)を用いることにより、表題化合物(845mg)を淡い橙色固体として得た。
(工程3)2−(3−シクロプロピル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じて、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸の代わりに2−(3−シクロプロピル−4−ニトロフェニル)酢酸(895mg)を用いることにより、表題化合物(445mg)を得た。
(工程4)2−(4−アミノ−3−シクロプロピルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じて、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの代わりに2−(3−シクロプロピル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(445mg)を用いることにより、表題化合物(225mg)を淡褐色油状物質として得た。
(工程5)実施例化合物22の合成
実施例1の(工程4)に準じて、参考例3で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(50mg)と(工程4)で得た2−(4−アミノ−3−シクロプロピルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(51mg)にDMF(1mL)とDIPEA(0.055mL)を加え溶解させた後に、HATU(90mg)を加えることにより、表題化合物を無色固体として52mg得た。
実施例23 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−シアノ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(4−アミノ−3−ブロモフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
2−(4−アミノフェニル)酢酸(1.03g)をTHF(40mL)に懸濁した後、N−ブロモスクシンイミド(1.27g)を室温にて加えた後、1時間攪拌した。反応溶液を濃縮し、2.0Mジメチルアミン/THF溶液(17mL)を加え、引き続きHATU(3.89g)を室温にて加えた。室温にて攪拌した後、反応溶液を濃縮し、酢酸エチルにて希釈した。酢酸エチル溶液を水洗後、1N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、引き続き飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製することにより、表題化合物(1.07g)を淡黄色油状物質として得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−シアノフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
(工程1)で得られた2−(4−アミノ−3−ブロモフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(1.07g)をDMF(10mL)に溶解し、窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(481mg)及びシアン化亜鉛(977mg)を加えて、120℃にて16時間攪拌した。室温に放冷した後、酢酸エチルにて希釈及び28%アンモニウム水溶液を加えて10分間攪拌した。酢酸エチルにて抽出後、再度28%アンモニウム水溶液にて洗浄し、水洗し、飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製することにより、表題化合物(360mg)を淡黄色固体物質として得た。
(工程3)実施例化合物23の合成
実施例1の(工程4)に準じて、参考例3で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(50mg)と(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−シアノフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(48mg)にDMF(1mL)とDIPEA(0.055mL)を加え溶解させた後に、HATU(90mg)を加えることにより、表題化合物を無色固体として12mg得た。
実施例24 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−シアノ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−シアノ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程2)にて得られた2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(500mg)をDMF(5mL)に溶解し、窒素置換した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(191mg)及びシアン化亜鉛(390mg)を加えて、120℃にて16時間攪拌した。室温に放冷した後、酢酸エチルにて希釈及び28%アンモニウム水溶液を加えて10分間攪拌した。酢酸エチルにて抽出後、再度28%アンモニウム水溶液にて洗浄し、水洗し、飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製することにより、表題化合物(209mg)を淡黄色固体物質として得た。
(工程2)2−(4−アミノ−2−シアノ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程2)に準じて、N,N−ジメチル−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)アセトアミドの代わりに2−(2−シアノ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(200mg)を用いることにより表題化合物(143mg)を無色固体として得た。
(工程3)実施例化合物24の合成
実施例1の(工程4)に準じて、参考例3で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(50mg)と(工程2)で得た2−(4−アミノ−2−シアノ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(51mg)にDMF(1mL)とDIPEA(0.055mL)を加え溶解させた後に、HATU(90mg)を加えることにより、表題化合物をオフホワイト固体として57mg得た。
実施例25 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
2−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)酢酸(400 mg)を2.0Mジメチルアミン/THF溶液(7mL)に懸濁させた後、WSC(0.58 g)を室温下にて加え、室温にて1時間攪拌した。2.0Mジメチルアミン/THF溶液(7mL)を加え、引き続きHATU(1.16g)を加えて30分間攪拌した。反応溶液を濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製することにより、表題化合物(300mg)を淡褐色油状物質として得た。
(工程2)実施例化合物25の合成
実施例1の(工程4)に準じて、参考例3で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(50mg)と(工程1)で得た2−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(46mg)にDMF(1mL)とDIPEA(0.055mL)を加え溶解させた後に、HATU(90mg)を加えることにより、表題化合物を無色固体として8.1mg得た。
実施例26 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−メチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
参考例3で合成した(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 30mgにDMF 4.5mLと4−アミノ−3−メチルフェノール 17mgとDIPEA 50μLを加えて溶解させた後に、HATU 55mgを加えた。室温下で1時間撹拌した後、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、無色油状の表題化合物25mgを得た。
(工程2)実施例化合物26の合成
(工程1)で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド 10mgに炭酸カリウム 10mgとアセトニトリル 250μLを加え、懸濁溶液とした後に、塩化N,N−ジメチルカルバモイル 8mgを加えた。60℃で3時間撹拌した後にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣を逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物を白色固体として2.62mg得た。
実施例27 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−クロロフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
実施例26の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 30mgと4−アミノ−3−クロロフェノール 25mgを用いることで、表題化合物41mgを白色固体で得た。
(工程2)実施例化合物27の合成
実施例26の(工程2)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの代わりに(工程1)で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド 10mgを用いることで、表題化合物8.1mgを白色固体で得た。
実施例28 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N,N−ジメチル−2−(4−ニトロフェニル)アセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、2−(4−ニトロフェニル)酢酸 50mgを用いることで表題化合物60mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)2−(4−アミノフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得たN,N−ジメチル−2−(4−ニトロフェニル)アセトアミド 60mgを用いることで、表題化合物50mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物28の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 7.5mgと(工程2)で得た2−(4−アミノフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 7.5mgを用いることで、表題化合物5.22mgを白色固体で得た。
実施例29 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2−クロロフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)2−クロロ−4−ニトロフェニル ジメチルカルバメートの合成
2−クロロ−4−ニトロフェノール 100mgに炭酸カリウム 160mgとアセトニトリル 3.0mLを加えた懸濁溶液に、塩化N,N−ジメチルカルバモイル 100mgを加えた。60℃で2時間撹拌した後に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、無色油状の表題化合物120mgを得た。
(工程2)4−アミノ−2−クロロフェニル ジメチルカルバメートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル ジメチルカルバメート 120mgを用いることで、表題化合物95mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物29の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た4−アミノ−2−クロロフェニル ジメチルカルバメート 10mgを用いることで、表題化合物4.27mgを白色固体で得た。
実施例30 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2−メチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物30の合成
参考例3で合成した(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgにDMF 0.2mLと4−アミノ−2−メチルフェノール 7mgとDIPEA 20μLを加えて溶解させた後に、HATU 18mgを加えた。室温下で1時間撹拌した後、反応溶液をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、白色固体化合物10mgを得た。次に得られた化合物10mgに炭酸カリウム 10mgとアセトニトリル 250μLを加え、懸濁溶液とした後に、塩化N,N−ジメチルカルバモイル 12mgを加えた。60℃で3時間撹拌した後にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣を逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物3.27mgの白色固体を得た。
実施例31 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−フルオロフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物31の合成
実施例30に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと4−アミノ−3−フルオロフェノール 7mgを用いることで、表題化合物2.47mgの白色固体を得た。
実施例32 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2,3−ジメチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物32の合成
実施例30に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール 7mgを用いることで、表題化合物2.67mgの白色固体を得た。
実施例33 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)ナフタレン−1−イル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物33の合成
実施例30に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと4−アミノナフトール 10mgを用いることで、表題化合物2.60mgの白色固体を得た。
実施例34 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2−フルオロフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物34の合成
実施例30に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと4−アミノ−2−フルオロフェノール 7mgを用いることで、表題化合物1.92mgの白色固体を得た。
実施例35 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2,3−ジフルオロフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物35の合成
実施例30に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと4−アミノ−2,3−ジフルオロフェノール 7mgを用いることで、表題化合物1.10mgの白色固体を得た。
実施例36 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−メトキシフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物36の合成
実施例30に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 25mgと4−アミノ−3−メトキシフェノール 17mgを用いることで、表題化合物10.8mgの白色固体を得た。
実施例37 (R)−8−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)キノリン−5−イル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)8−ニトロキノリン−5−イル ジメチルカルバメートの合成
8−ニトロキノリン−5−オール 100mgに炭酸カリウム 220mgとアセトニトリル 2.6mLを加えた懸濁溶液に、塩化N,N−ジメチルカルバモイル 113mgを加えた。60℃で2時間撹拌した後に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物110mgの黄色固体を得た。
(工程2)8−アミノキノリン−5−イル ジメチルカルバメートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た8−ニトロキノリン−5−イル ジメチルカルバメート 110mgを用いることで、表題化合物90mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物37の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た8−アミノキノリン−5−イル ジメチルカルバメート 10mgを用いることで、表題化合物5.37mgを白色固体で得た。
実施例38 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2,5−ジメチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)実施例化合物38の合成
実施例30に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと4−アミノ−2,5−ジメチルフェノール 10mgを用いることで、表題化合物8.01mgの白色固体を得た。
実施例39 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,5−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、3−メチル−4−ニトロフェニル酢酸に替えて、2−(2,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)酢酸 100mgを用いることで表題化合物110mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−2,5−ジメチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(2,5−ジメチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 110mgを用いることで、表題化合物90mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物39の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−2,5−ジメチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物4.50mgを白色固体で得た。
実施例40 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
European Journal of Medicinal Chemistry, 46(1),285−296;2010に記載されている合成法に準じ、4−ニトロベンズアルデヒドの代わりに2−メトキシ−4−ニトロベンズアルデヒド 300mgを用いることで表題化合物250mgを黄色油状物質で得た。
(工程2)2−(4−アミノ−2−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 250mgを用いることで、表題化合物185mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物40の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−2−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物8.22mgを白色固体で得た。
実施例41 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)キノリン−8−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N,N−ジメチル−2−(8−ニトロキノリン−5−イル)アセトアミドの合成
実施例5の(工程1)に準じ、1−ナフチル酢酸に替えて2−(キノリン−5−イル)酢酸 220mgを用いることで、表題化合物150mgを黄色固体で得た。
(工程2)2−(8−アミノキノリン−5−イル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得たN,N−ジメチル−2−(8−ニトロキノリン−5−イル)アセトアミド 150mgを用いることで、表題化合物110mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物41の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(8−アミノキノリン−5−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物12.8mgを白色固体で得た。
実施例42 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
European Journal of Medicinal Chemistry, 46(1),285−296;2010に記載されている合成法に準じ、4−ニトロベンズアルデヒドの代わりに2−フルオロ−4−ニトロベンズアルデヒド 550mgを用いることで表題化合物420mgを黄色油状物質で得た。
(工程2)2−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 420mgを用いることで、表題化合物320mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物42の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物8.3mgを白色固体で得た。
実施例43 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2,6−ジフルオロフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)2,6−ジフルオロ−4−ニトロフェニル ジメチルカルバメートの合成
実施例29の(工程1)に準じ、2−クロロ−4−ニトロフェノールに替わり、2,6−ジフルオロ−4−ニトロフェノール 200mgを用いることで、表題化合物260mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)4−アミノ−2,6−ジフルオロフェニル ジメチルカルバメートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2,6−ジフルオロ−4−ニトロフェニル ジメチルカルバメート 260mgを用いることで、表題化合物220mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物43の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た4−アミノ−2,6−ジフルオロフェニル ジメチルカルバメート 10mgを用いることで、表題化合物7.47mgを茶褐色固体で得た。
実施例44 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3,5−ジメチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
実施例26の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 30mgと4−アミノ−3,5−ジメチルフェノール 25mgを用いることで、表題化合物30mgを白色固体で得た。
(工程2)実施例化合物44の合成
実施例26の(工程2)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの代わりに(工程1)で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド 10mgを用いることで、表題化合物12mgを白色固体で得た。
実施例45 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2,6−ジクロロフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
実施例26の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 30mgと4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール 25mgを用いることで、表題化合物20mgを白色固体で得た。
(工程2)実施例化合物45の合成
実施例26の(工程2)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの代わりに(工程1)で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド 10mgを用いることで、表題化合物7.5mgを白色固体で得た。
実施例46 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2,6−ジメチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)2,6−ジメチル−4−ニトロフェニル ジメチルカルバメートの合成
実施例29の(工程1)に準じ、2−クロロ−4−ニトロフェノールに替わり、2,6−ジメチル−4−ニトロフェノール 200mgを用いることで、表題化合物260mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)4−アミノ−2,6−ジメチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2,6−ジメチル−4−ニトロフェニル ジメチルカルバメート 260mgを用いることで、表題化合物210mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物46の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た4−アミノ−2,6−ジメチルフェニル ジメチルカルバメート 10mgを用いることで、表題化合物13.2mgを白色固体で得た。
実施例47 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−(ジメチルアミノ)−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチル−2−アセトアミドの合成
European Journal of Medicinal Chemistry, 46(1),285−296;2010に記載されている合成法に準じ、4−ニトロベンズアルデヒドの代わりに3−フルオロ−4−ニトロベンズアルデヒド 500mgを用いることで表題化合物300mgを黄色油状物質で得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(3−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチル−2−アセトアミド 300mgを用いることで、表題化合物240mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物47の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物10.2mgを白色固体で得た。
実施例48 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−ビニルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N,N−ジメチル−2−(4−ニトロ−3−ビニルフェニル)アセトアミドの合成
実施例17の(工程1)で得た2−(3−ブロモ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 330mgにカリウムビニルトリフルオロボラート 330mg、Pddppf錯体 93mg、DME 5.7mL、2M炭酸ナトリウム水溶液 2.9mLを加えた。80℃で12時間撹拌した後に、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物270mgの黄色固体を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−ビニルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得たN,N−ジメチル−2−(4−ニトロ−3−ビニルフェニル)アセトアミド 100mgを用いることで、表題化合物80mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物48の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−ビニルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物8.16mgを緑色固体で得た。
実施例49 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−エチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例4の(工程2)に準じ、2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて実施例48の(工程1)で得たN,N−ジメチル−2−(4−ニトロ−3−ビニルフェニル)アセトアミド 100mgを用いることで、表題化合物80mgを黄色油状物質で得た。
(工程2)実施例化合物49の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程1)で得た2−(4−アミノ−3−エチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物11.0mgを黄色固体で得た。
実施例50 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)酢酸の合成
室温下、マロン酸ジエチル 621mgにNMP 5.0mL、水素化ナトリウム 248mg、2−クロロ−3,4−ジフルオロ−1−ニトロベンゼン 500mgを順次加えた。反応溶液を100℃に加熱し10分間撹拌した後に、室温に冷却し酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、黄色油状物質1.00gを得た。次に得られた油状物質にメタノール 5.0mLと5M水酸化ナトリウム水溶液 2.5mLを加え、70℃に加熱し1時間30分間撹拌した。反応溶液を室温へ冷却した後、溶媒を減圧留去し、5M塩酸水溶液を加えた。析出物を濾取し、乾燥することで表題化合物366mgを黄色固体として得た。
(工程2)2−(3−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
(工程1)で得た2−(3−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)酢酸 366mgにDMF 7.85mL、DIPEA 3.14mL、2.0Mジメチルアミン/THF溶液 3.14mLを加え溶解させた後に、HATU 895mgを加えた。室温で1時間撹拌した後に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、黄色固体の表題化合物366mgを得た。
(工程3)2−(4−アミノ−3−クロロ−2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
(工程2)で得た2−(3−クロロ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 150mgにTHF 1.5mLと水 1.5mLを加えた後に塩化アンモニウム 150mgと鉄粉 150mgを加えた。反応溶液を70℃に加熱し2時間撹拌した後に、室温に冷却し、セライト濾過を行うことで鉄分を除いた。濾液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製し表題化合物120mgを黄色固体として得た。
(工程4)実施例化合物50の合成
参考例3で得た(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程3)で得た2−(4−アミノ−3−クロロ−2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 30mgにDMSO 0.2mLとDIPEA 10μLを加え溶解させた後に、HATU 50mgを加えた。室温で1時間撹拌したのちにDMSO 1mLを加え逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物を白色固体として6.7mg得た。
実施例51 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−(フラン−2−イル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−(フラン−2−イル)−4−ニトロフェニル)N,N−ジメチル−アセトアミドの合成
実施例17の(工程1)で得た2−(3−ブロモ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 50mgに2−フリルボロン酸 30mg、Pddppf錯体 14mg、DME 0.9mL、2M炭酸ナトリウム水溶液 0.45mLを加えた。80℃で12時間撹拌した後に、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物45mgの黄色固体を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−(フラン−2−イル)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(3−(フラン−2−イル)−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 45mgを用いることで、表題化合物30mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物51の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−(フラン−2−イル)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物8.09mgを茶褐色固体で得た。
実施例52 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−(フラン−3−イル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−(フラン−3−イル)−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例51の(工程1)に準じ、2−フリルボロン酸に替えて3−フリルボロン酸 30mgを用いることで、表題化合物を黄色油状物質45mgで得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−(フラン−3−イル)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(3−(フラン−3−イル)−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 45mgを用いることで、表題化合物30mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物52の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−(フラン−3−イル)フェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物4.23mgを白色固体で得た。
実施例53 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(7−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N,N−ジメチル−2−(7−ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)アセトアミドの合成
7−ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−4−カルバルデヒド180mgにジクロロメタン 4.6mL、四臭化炭素 1.06g、トリフェニルホスフィン 1.55gを加え、室温で撹拌後、エバポレーターで溶媒を除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、黄色油状物質を得た。次に得られた油状物質に50%ジメチルアミン水溶液 5.0mLを加え、50℃に加熱し終夜撹拌した。反応溶液を室温へ冷却した後、酢酸エチルと飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物120mgを黄色油状物として得た。
(工程2)2−(7−アミノベンゾ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミドの合成
実施例1の(工程3)に準じ、2−(2−ブロモ−5−メチル−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて、(工程1)で得たN,N−ジメチル−2−(7−ニトロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)アセトアミド120mgを用いることで表題化合物 100mgを黄色油状物として得た。
(工程3)実施例化合物53の合成
実施例1の(工程4)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(7−アミノベンゾ[d][1,3]ジオキソール−4−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド 20mgにDMSO 0.2mLとDIPEA 20μLを加え溶解させた後に、HATU 50mgを加えることで、表題化合物6.38mgを白色固体として得た。
実施例54 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物54の合成
参考例5で合成した(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgに実施例6の(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgとDMF 0.2mLとDIPEA 20μLを加え溶解させた後に、HATU 18mgを加えた。室温で1時間撹拌したのちにDMSO 1mLを加え逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物を白色固体として2.8mg得た。
実施例55 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物55の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5mgと実施例11の(工程3)で合成した2−(4−アミノ−2−クロロ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 5mgを用いることで、表題化合物3.33mgの白色固体を得た。
実施例56 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物56の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5mgと実施例12の(工程3)で合成した2−(4−アミノ−2−フルオロ−3−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 5mgを用いることで、表題化合物2.19mgの白色固体を得た。
実施例57 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物57の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5mgと実施例14の(工程3)で合成した2−(4−アミノ−2−フルオロ−3−メトキシフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 5mgを用いることで、表題化合物4.25mgの茶褐色固体を得た。
実施例58 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)ナフタレン−1−イル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)4−ニトロナフタレン−1−イル ジメチルカルバメートの合成
実施例29の(工程1)に準じ、2−クロロ−4−ニトロフェノールに替わり4−ニトロナフトールを用いることで、表題化合物を黄色固体で得た。
(工程2)4−アミノナフタレン−1−イル ジメチルカルバメートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た4−ニトロナフタレン−1−イル ジメチルカルバメートを用いることで、表題化合物の黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物58の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 7mgと実施例58の(工程2)で合成した4−アミノナフタレン−1−イル ジメチルカルバメート 7mgを用いることで、表題化合物3.59mgの白色固体を得た。
実施例59 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物59の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5mgと実施例13の(工程3)で合成した2−(4−アミノ−2,3−ジメチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 5mgを用いることで、表題化合物1.23mgの白色固体を得た。
実施例60 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−ビニルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物60の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5mgと実施例48の(工程2)で合成した2−(4−アミノ−3−ビニルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 5mgを用いることで、表題化合物2.82mgの茶褐色固体を得た。
実施例61 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物61の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5mgと実施例5の(工程2)で合成した2−(4―アミノナフタレン−1−イル)−N,N−ジメチルアセトアミド 5mgを用いることで、表題化合物5.3mgの黄色固体を得た。
実施例62 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物62の合成
実施例54の(工程1)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5mgと実施例17の(工程2)で合成した2−(4−アミノ−3−ブロモフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 5mgを用いることで、表題化合物0.90mgの茶褐色固体を得た。
実施例63 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−メチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
参考例5で合成した(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgにDMF 0.2mLと4−アミノ−3−メチルフェノール 5.8mgとDIPEA 20μLを加えて溶解させた後に、HATU 17mgを加えた。室温下で1時間撹拌した後、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、無色油状の表題化合物13mgを得た。
(工程2)実施例化合物63の合成
(工程1)で得た(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド 13mgに炭酸カリウム 10mgとアセトニトリル 250μLを加え、懸濁溶液とした後に、塩化N,N−ジメチルカルバモイル 8mgを加えた。60℃で3時間撹拌した後にクロロホルムと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣を逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物6.10mgの白色固体を得た。
実施例64 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−2,3−ジメチルフェニル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
実施例63の(工程1)に準じ、4−アミノ−3−メチルフェノールに替えて4−アミノ−2,3−ジメチルフェノールを用いることで、表題化合物10mgの白色固体を得た。
(工程2)実施例化合物64の合成
実施例63の(工程2)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドに替えて(工程1)で得た(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド 10mgを用いることで、表題化合物6.70mgの白色固体を得た。
実施例65 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)実施例化合物65の合成
参考例5で得た(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5.0mgと実施例50の(工程3)で得た2−(4−アミノ−3−クロロ−2−フルオロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgにDMSO 0.1mLとDIPEA 5μLを加え溶解させた後に、HATU 25mgを加えた。室温で1時間撹拌したのちにDMSO 1mLを加え逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物を白色固体として3.41mg得た。
実施例66 (R,E)−4−(4−アミノ−1−(1−(4−ジメチルアミノ)ブテ−2−エノイル)ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)ナフタレン−1−イル ジメチルカルバメートの合成
(工程1)(R)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3((4−((ジメチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)カルバモイル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
参考例2で合成した(R)−4−アミノ−1−(1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 20mgに実施例58の(工程2)で合成した4−アミノナフタレン−1−ジメチルカルバメート 20mgとDMF 0.2mL、DIPEA 35μLを加えて溶解させた。次にHATU 32mgを加えて、室温下1時間撹拌した。酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、無色油状の表題化合物20mgを得た。
(工程2)実施例化合物66の合成
(工程1)で得た(R)−tert−ブチル 3−(4−アミノ−3((4−((ジメチルカルバモイル)オキシ)ナフタレン−1−イル)カルバモイル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート 20mgに4M塩酸/1,4−ジオキサン溶液 0.3mLを加えて、室温下1時間撹拌した。有機溶媒を減圧留去した後、残渣にtrans−4−ジメチルアミノクロトン酸 5mgとDMF 0.2mL、DIPEA 20μLを加えて溶解させた。その後HATU 15mgを加え、室温下1時間撹拌した。反応溶液にDMSO 1.0mLを加え、逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物12.7mgの白色固体を得た。
実施例67 (R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
参考例5で得た(R)−1−(1−アクリロイルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 5.0mgと実施例19の(工程4)で得た2−(4−アミノ−2−クロロ−5−メチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド 10mgにDMSO 0.1mLとDIPEA 5μLを加え溶解させた後に、HATU 25mgを加えた。室温で1時間撹拌したのちにDMSO 1mLを加え逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製し、表題化合物を白色固体として5.08mg得た。
実施例68 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピリミジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−メチルフェニル メチル(フェニル)カルバメートの合成
(工程1)3−メチル−4−ニトロフェニル メチル(フェニル)カルバメートの合成
実施例29の(工程1)に準じ、2−クロロ−4−ニトロフェノールに替わりに3−メチル−4−ニトロフェノール 50mgを用い、塩化N,N−ジメチルカルバモイルの替わりに塩化N−メチル−N−フェニルカルバモイルを用いることで表題化合物80mgを黄色固体で得た。
(工程2)4−アミノ−3−メチルフェニル メチル(フェニル)カルバメートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た3−メチル−4−ニトロフェニル メチル(フェニル)カルバメート 80mgを用いることで、表題化合物50mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物68の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 7.5mgと(工程2)で得た4−アミノ−3−メチルフェニル メチル(フェニル)カルバメート 7.5mgを用いることで、表題化合物3.58mgの白色固体を得た。
実施例69 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピリミジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−メチルフェニル ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
(工程1)3−メチル−4−ニトロフェニル ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例29の(工程1)に準じ、2−クロロ−4−ニトロフェノールの替わりに3−メチル−4−ニトロフェノール 50mgを用い、塩化N,N−ジメチルカルバモイルの替わりに1−ピロリジンカルボン酸クロリドを用いることで表題化合物80mgを黄色固体で得た。
(工程2)4−アミノ−3−メチルフェニル ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た3−メチル−4−ニトロフェニル ピロリジン−1−カルボキシレート 80mgを用いることで、表題化合物50mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物69の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 7.5mgと(工程2)で得た4−アミノ−3−メチルフェニル ピロリジン−1−カルボキシレート 7.5mgを用いることで、表題化合物3.66mgの白色固体を得た。
実施例70 (R)−4−(1−(1−アクリロイルピリミジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド)−3−メチルフェニル ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
(工程1)3−メチル−4−ニトロフェニル ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例29の(工程1)に準じ、2−クロロ−4−ニトロフェノールの替わりに3−メチル−4−ニトロフェノール 50mgを用い、塩化N,N−ジメチルカルバモイルの替わりに1−ピペリジンカルボン酸クロリドを用いることで表題化合物70mgを黄色固体で得た。
(工程2)4−アミノ−3−メチルフェニル ピロリジン−1−カルボキシレートの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た3−メチル−4−ニトロフェニル ピペリジン−1−カルボキシレート 70mgを用いることで、表題化合物50mgを黄色油状物質で得た。
(工程3)実施例化合物70の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 7.5mgと(工程2)で得た4−アミノ−3−メチルフェニル ピロリジン−1−カルボキシレート 7.5mgを用いることで、表題化合物4.05mgの白色固体を得た。
実施例71 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−メチル−4−(2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)−1−(ピロリジン−1−イル)エタノンの合成
実施例4の(工程1)に準じ、2.0Mジメチルアミン/THF溶液に替えて、ピロリジンを用いることで表題化合物55mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−1−(ピロリジン−1−イル)エタノンの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン 55mgを用いることで、表題化合物50mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物71の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−1−(ピロリジン−1−イル)エタノン 10mgを用いることで、表題化合物3.49mgの白色固体を得た。
実施例72 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−メトキシ(メチル)アミノ−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N−メトキシ−N−メチル−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)アセトアミドの合成
実施例4の(工程1)に準じ、2.0Mジメチルアミン/THF溶液に替えて、N−メトキシ−N−メチルアミンを用いることで表題化合物55mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−メトキシ−N−メチルアセトアミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得たN−メトキシ−N−メチル−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)アセトアミド 55mgを用いることで、表題化合物50mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物72の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−N−メトキシ−N−メチルアセトアミド 10mgを用いることで、表題化合物4.43mgの白色固体を得た。
実施例73 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)エタノンの合成
実施例4の(工程1)に準じ、2.0Mジメチルアミン/THF溶液に替えて、3−ヒドロキシアゼチジンを用いることで表題化合物55mgの黄色油状物質を得た。
(工程2)2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エタノンの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)−2−(3−メチル−4−ニトロフェニル)エタノン 55mgを用いることで、表題化合物50mgの黄色油状物質を得た。
(工程3)実施例化合物73の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た2−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−1−(3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル)エタノン 10mgを用いることで、表題化合物8.14mgの茶褐色固体を得た。
実施例74 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(3,3−ジメチルウレイド)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)1,1−ジメチル−3−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ウレアの合成
3−メチル−4−ニトロアニリン 100mgにDMF 3.3mLとDIPEA 170μLを加え溶解させた後に、ジクロロメチレンメチルイミニウムクロリド 125mgを加えた。50℃で3時間撹拌した後に、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、無色油状の表題化合物140mgを得た。
(工程2)3−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレアの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得た1,1−ジメチル−3−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ウレア 140mgを用いることで、表題化合物120mgの黄色油状物を得た。
(工程3)実施例化合物74の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得た3−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−1,1−ジメチルウレア 10mgを用いることで、表題化合物6.50mgの茶褐色固体を得た。
実施例75 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−メチル−4−(ピロリジン−1−カルボキサミド)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)N−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ピロリジン−1−カルボキサミドの合成
3−メチル−4−ニトロアニリン 30mgにDMF 2.0mLと水素化ナトリウム(60%) 12mgを加え溶解させた後に、1−ピロリジンカルボン酸クロリド 25μLを加えた。室温で30分撹拌した後に、酢酸エチルと水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、無色油状の表題化合物30mgを得た。
(工程2)N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキサミドの合成
実施例6の(工程2)に準じ、2−(3−クロロ−4−ニトロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドに替えて(工程1)で得たN−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ピロリジン−1−カルボキサミド 30mgを用いることで、表題化合物25mgの黄色油状物を得た。
(工程3)実施例化合物75の合成
実施例4の(工程3)に準じ、(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸 10mgと(工程2)で得たN−(4−アミノ−3−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキサミド 10mgを用いることで、表題化合物6.53mgの白色固体を得た。
実施例76 1−((3R)−1−アクリロイル−5−フルオロピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)(2S,4R)−メチル 1−ベンジル−4−(ベンジルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレートの合成
(2S,4R)−メチル 4−(ベンジルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート 塩酸塩(4.57g)をジエチルエーテル(400mL)に加えた後、トリエチルアミン(2.98g)を氷冷下にて加えた。氷冷下にて30分間攪拌した後、ベンジルブロミド(5.04g)及びトリエチルアミン(2.98g)を加えて、室温にて終夜攪拌を行った。得られた懸濁溶液をろ過した後、濾液を水及び飽和食塩水にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過した。濃縮後に得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物4.57gを無色油状物質として得た。
(工程2)((2S, 4R)−メチル 1−ベンジル−4−(ベンジルオキシ)ピロリジン−2−イル)メタノールの合成
水素化リチウムアルミニウム(1.99g)をTHF(100mL)に懸濁し、氷冷下にて(2S,4R)−メチル 1−ベンジル−4−(ベンジルオキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート(11.4g)のTHF(65mL)溶液で加えた。そのまま、氷冷下にて1時間攪拌した後、硫酸ナトリウム十水和物(20g)加えた。室温下にて3時間攪拌した後、無水硫酸ナトリウム十水和物(20g)加えて、室温下にて終夜攪拌した。さらに、無水硫酸ナトリウム(20g)加えて、30分間攪拌した後、セライトろ過、濃縮することにより黄色の油状残渣を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物物9.16gを無色油状物質として得た。
(工程3)(3R)−1−ベンジル−3−(ベンジルオキシ)−5−フルオロピペリジンの合成
((2S,4R)−メチル 1−ベンジル−4−(ベンジルオキシ)ピロリジン−2−イル)メタノール(9.16g)のTHR溶液にビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド(6.95g)を氷冷下にて加えた後、そのまま1時間攪拌した。その後、室温下にて1.5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルにて抽出後、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、ろ過、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物6.08gを無色油状物質として得た。
(工程4)(5R)−tert−ブチル−3−フルオロ−5−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキリレートの合成
(3R)−1−ベンジル−3−(ベンジルオキシ)−5−フルオロピペリジン(6.08g)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(4.88g)をエタノール(120mL)に溶解後、水酸化パラジウム−活性炭素(900mg)を加え、水素雰囲気下にて2日間攪拌した。懸濁溶液をセライトろ過後、濃縮し、ヘキサンを用いて懸濁洗浄することにより、表題化合物3.98gを無色固体として得た。
(工程5)(5S)−tert−ブチル−3−フルオロ−5−((4−ニトロベンゾイル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
(5R)−tert−ブチル−3−フルオロ−5−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキリレート(1.0g)、4−ニトロ安息香酸(1.14g)及びトリフェニルホスフィン(1.79g)をトルエン(100mL)に溶解させた後、アゾジカルボン酸ビス(2−メトキシエチル)(1.60g)を氷冷下にて加えた。反応液を室温下にて3日間攪拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し(ヘキサン/酢酸エチル)、表題化合物1.26gを無色固体として得た。
(工程6)(5S)−tert−ブチル−3−フルオロ−5−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキリレートの合成
(5S)−tert−ブチル−3−フルオロ−5−((4−ニトロベンゾイル)オキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(1.26g)をTHF(7mL)及びメタノール(7mL)の混合溶液に溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液(1.4mL)を加えた。室温下にて1.5時間攪拌後、有機溶媒を減圧下にて溶媒を除去した。ジエチルエーテルにて希釈した後、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮することにより表題化合物(0.69g)を無色固体として得た。
(工程7)(3R)―tert―ブチル−3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートの合成
参考例1の(工程1)及び2の(S)−N−Boc−3−ピぺリジノールの代わりに(5S)−tert−ブチル−3−フルオロ−5−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(0.69g)を用いることにより、表題化合物(0.33g)を薄茶色化合物として得た。
(工程8)4−アミノ−1−((3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−フルオロピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
(3R)―tert―ブチル−3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロピペリジン−1−カルボキシレート(0.300g)、トリエチルアミン(0.32g)及び1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(0.052g)をメタノール(5mL)に加えて、一酸化炭素中、4.5気圧、100℃にて1時間攪拌後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製した。得られた固体をメタノール(5mL)に溶解し、5N水酸化ナトリウム水溶液(0.64mL)加えた後、室温下にて4時間攪拌した後、5N塩酸水溶液(0.65mL)加えた後、クロロホルムにて抽出後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、ろ過し、濃縮することにより表題化合物(0.21g)を無色固体として得た。
(工程9)実施例化合物76の合成
4−アミノ−1−((3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−フルオロピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(35mg)、実施例6の(工程2)で得られた2−(4−アミノ−3−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(23mg)及びジイソプロピルエチルアミン(23mg)をDMF(1mL)に溶解し、HATU(52mg)を加えて、2日間攪拌した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製した後、逆相分取HPLC(水/アセトニトリル(0.1%ギ酸))で精製した。得られた無色油状物質をメタノール(2mL)に溶解し、4N塩酸ジオキサン溶液(2mL)を加えて、室温下にて2時間攪拌した。濃縮後得られた黄色固体とジイソプロピルエチルアミン(0.039g)をクロロホルム(5mL)に溶解し、アクリロイルクロリド(5mg)を含むクロロホルム溶液を氷冷下にて加え、10分間攪拌した。反応溶液をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、濃縮後、ヘキサン/酢酸エチルに懸濁し、ろ過し、減圧下にて乾燥することにより表題化合物(25mg)を無色固体として得た。
実施例77 1−((3R)−1−アクリロイル−5−フルオロピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
実施例76の(工程9)に準じて、2−(4−アミノ−3−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミドの代わりに実施例13の(工程3)で合成した2−(4−アミノ−2,3−ジメチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(22mg)を用いて、表題化合物(21mg)を無色固体として得た。
実施例78 1−((3R,5S)−1−アクリロイル−5−メチルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
(工程1)(2S,4R)−tert−ブチル 4−(3−ヨード−4−((トリフェニルフォスホラニリデン)アミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−メチルピロリジン−1−カルボキシレートの合成
tert−ブチル(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−メチル−ピロリジン−1−カルボキシレート(0.30g)、トリフェニルホスフィン、3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンをTHF(7mL)に溶解し、アゾジカルボン酸 ジイソプロピル(0.443mL)を氷冷下にて加えた。反応溶液を室温下にて2時間攪拌した後、さらにTHF(10mL)加えた。終夜攪拌した後、さらにトリフェニルホスフィン(0.117g)及びアゾジカルボン酸 ジイソプロピル(0.089mL)を加え、さらに1時間攪拌した。反応溶液を濃縮後、酢酸エチルに懸濁し生じた不溶物を除去した後、濾液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(0.387g)無色アモルファスとして得た。
(工程2)(2S,4R)−tert−ブチル 4−(3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−メチルピロリジン−1−カルボキシレートの合成
(工程1)で合成した(2S,4R)−tert−ブチル 4−(3−ヨード−4−((トリフェニルフォスホラニリデン)アミノ)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−メチルピロリジン−1−カルボキシレート(0.37g)をトリフルオロ酢酸(5mL)に溶解し、終夜攪拌した。濃縮後、クロロホルム及び水を加えた後、5N水酸化ナトリウムを用いて、塩基性にした後、クロロホルム/メタノールにて抽出した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、濃縮した。得られた無色の固体をクロロホルム(5mL)に溶解し、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.126g)加えて、室温下にて2時間攪拌した。濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(0.23g)を無色固体として得た。
(工程3)4−アミノ−1−((3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
実施例76の(工程8)に準じて、(3R)―tert―ブチル−3−(4−アミノ−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−5−フルオロピペリジン−1−カルボキシレートの代わりに(工程2)で得られた(2S,4R)−tert−ブチル 4−(3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−1−イル)−2−メチルピロリジン−1−カルボキシレート(0.23g)を用いることにより、表題化合物(0.138g)を茶色固体として得た。
(工程4)実施例化合物78合成
実施例76の(工程9)に準じて、4−アミノ−1−((3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−フルオロピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の代わりに、4−アミノ−1−((3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(35mg)と実施例6の(工程2)で得られた2−(4−アミノ−3−クロロフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(24mg)を用いることにより、表題化合物(23mg)を無色固体として得た。
実施例79 1−((3R,5S)−1−アクリロイル−5−メチルピロリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
実施例76の(工程9)に準じて、4−アミノ−1−((3R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−フルオロピペリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸の代わりに、4−アミノ−1−((3R,5S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルピロリジン−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボン酸(35mg)と実施例13の(工程3)で合成した2−(4−アミノ−2,3−ジメチルフェニル)−N,N−ジメチルアセトアミド(24mg)を用いることにより表題化合物(36mg)を無色固体として得た。
比較例化合物1 (R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミドの合成
国際公開第2015/022926号パンフレットの方法に準じて合成し、表題化合物を白色固体として得た。
以下、実施例化合物1〜79及び比較例化合物1の一覧を下記に示す。
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
Figure 2017038838
試験例1 HER2リン酸化活性阻害作用(in vitro)の測定
HER2リン酸化活性に対する化合物のインビトロでの阻害活性測定法の条件設定において、パーキンエルマー社のProfilerPro Peptide 22と同配列(5−FAM−EEPLYWSFPAKKK−CONH2)のペプチドを基質として用いたHER2キナーゼ反応の報告(PLoS One,6(7),e21487,2011)に基づき、ProfilerPro Peptide 22を基質に用いた。試験に用いた精製リコンビナントヒトHER2蛋白質はカルナバイオサイエンス社から購入した。また、Her2阻害活性を有するマルチキナーゼ阻害剤であるスタウロスポリン(Eur.J.Biochem.,234,p.317−322,1995、Nat.Biotechnol.,26(1),p.127−132,2008)をEnzo Life Sciences社(品番:ALX−380−014)から購入し、本試験のポジティブコントロールとして用いた。
化合物の阻害活性測定においては、まず、本発明化合物及びスタウロスポリンをジメチルスルホキシド(DMSO)で段階希釈した。次に、キナーゼ反応用緩衝液(15mM Tris(pH 7.5)、2mM dithiothreitol、0.01% Tween20)中にHER2蛋白質、基質ペプチド(終濃度は0.5uM)、塩化マンガン(終濃度は10mM)、ATP(終濃度は6uM)と本発明化合物DMSO溶液(DMSOの終濃度は5%)を加えて25℃で40分間インキュベーションしキナーゼ反応を行った。そこへ終濃度30mMになるようEDTAを加えることで反応を停止させた。最後に、LabChip(登録商標) EZ Reader II(パーキンエルマー社)で、リン酸化されなかった基質ペプチド(S)とリン酸化されたペプチド(P)をマイクロ流路キャピラリー電気泳動によって分離・検出した。SとPそれぞれのピークの高さからリン酸化反応量を求め、リン酸化反応を50%抑制することのできる化合物濃度をIC50値(nM)と定義した。
結果を以下の表に示した。
Figure 2017038838
この試験結果から、本発明化合物はin vitroでHER2阻害活性を有することが明らかになった。
試験例2 HER2発現細胞株(NCI−N87)およびEGFR発現細胞株(A431)に対する増殖抑制活性測定試験(in vitro)及びその選択性の比較
HER2過剰発現ヒト胃がん細胞株であるNCI−N87細胞を、10%ウシ胎児血清を含むRPMI1640培地(ライフテクノロジーズ社製)中に懸濁させた。一方、EGFR過剰発現・高活性化ヒト類上皮がん細胞株であるA431細胞を、10%ウシ胎児血清を含むDMEM,high glucose培地(ライフテクノロジーズ社製)中に懸濁させた。次いで、それぞれの細胞懸濁液を、384ウェル平底マイクロプレートの各ウェルに播種し、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で1日培養した。本発明化合物、および比較例化合物1をDMSOに溶解し、DMSOを用いて被検化合物を終濃度の500倍の濃度になるように希釈した。被検化合物のDMSO溶液を各細胞の懸濁に用いた培地で希釈し、これを細胞の培養プレートの各ウェルにDMSOの最終濃度が0.2%になるように加え、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃でさらに3日培養した。化合物存在下で3日間培養後の細胞数計測はセルタイターグロ(プロメガ社製)を用いて、プロメガ社の推奨するプロトコールに基づき行った。以下の式より増殖阻害率を算出し、50%阻害する被検化合物の濃度(IC50(nM))を求めた。
結果を以下の表に示した。
増殖阻害率(%)=(C−T)/(C)×100
T:被検化合物を添加したウェルの発光強度
C:被検化合物を添加しなかったウェルの発光強度
Figure 2017038838
この試験結果から、in vitroでの細胞増殖阻害率において本発明化合物のHER2過剰発現細胞株NCI−N87の増殖抑制活性は、比較例化合物1と比較して47倍以上であり、本発明化合物はHER2キナーゼ阻害だけでなく細胞においても優れた細胞増殖抑制活性を有することが明らかとなった。
また、本発明化合物は、EGFRキナーゼに比して優れたHER2キナーゼ阻害選択性を有することも明らかとなった。
試験例3 HER2発現細胞株(SK−BR−3)に対する増殖抑制活性測定試験(in vitro)
HER2過剰発現ヒト乳癌細胞株であるSK−BR−3細胞は、10%ウシ胎児血清を含むMcCoy's 5a培地(ライフテクノロジーズ社製)中に懸濁させた。細胞懸濁液を、384ウェル平底マイクロプレートの各ウェルに播種し、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃で1日培養した。本発明化合物をDMSOに溶解し、DMSOを用いて被検化合物を終濃度の500倍の濃度になるように希釈した。被検化合物のDMSO溶液を各細胞の懸濁に用いた培地で希釈し、これを細胞の培養プレートの各ウェルにDMSOの最終濃度が0.2%になるように加え、5%炭酸ガス含有の培養器中37℃でさらに3日培養した。化合物存在下で3日間培養後の細胞数計測はセルタイターグロ(プロメガ社製)を用いて、プロメガ社の推奨するプロトコールに基づき行った。以下の式より増殖阻害率を算出し、50%阻害する被検化合物の濃度(IC50(nM))を求めた。
Figure 2017038838
この試験結果から、本発明化合物は、HER2過剰発現のヒト乳癌細胞株においても優れた細胞増殖抑制活性を有することが明らかとなった。

Claims (18)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 2017038838
    (式中、Xは、置換基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基を示し;
    Yは、−C(R4)=C(R5)(R6)を示し;
    1、Z2、Z3及びZ4は、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、C6−C14芳香族炭化水素基、又は4〜14員環の不飽和複素環式基を示すか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4は、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
    Wは、-CH2-、酸素原子又は-NH-を示し;
    nは、0から2の整数を示し;
    1は、置換基を有していても良いアミノ基を示し;
    2及びR3は、同一または相異なって、水素原子、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、又は置換基を有していても良いC6−C14芳香族炭化水素基を示すか、或いはR2とR3は、これらが結合する窒素原子と一緒になって置換基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
    4、R5及びR6は、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有していても良いC1−C6アルキル基を示す。)で表される化合物又はその塩。
  2. 一般式(I)中、
    Xが、置換基としてハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、C1−C6アルキル基、又はアミノ基を有していても良い4〜10員環の含窒素飽和複素環式基であり;
    1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、置換基を有していても良いC1−C6アルコキシ基、置換基を有していても良いC1−C6アルキル基、置換基を有していても良いアミノ基、置換基を有していても良いC3−C7シクロアルキル基、又は4〜14員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
    nが、0であり;
    1が、アミノ基である、請求項1記載の化合物又はその塩。
  3. 一般式(I)中、
    Xが、置換基としてハロゲン原子、又はC1−C6アルキル基を有していても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基であり;
    Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
    1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C2−C6アルケニル基、ハロゲン原子で置換されていても良いC1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキル基で置換されていても良いアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、又は酸素原子を1個有する、単環式の4〜6員環の不飽和複素環式基であるか、或いはZ1とZ2、又はZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、又は5〜7員環の飽和もしくは不飽和複素環を形成してもよく;
    Wが、-CH2-、酸素原子又は-NH-であり;
    nが、0であり;
    1が、アミノ基であり;
    2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル基、又はC6−C14芳香族炭化水素基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、ヒドロキシル基で置換されていても良い4〜8員環の含窒素飽和複素環式基を形成してもよく;
    4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又はジ(C1−C6アルキル)アミノ基で置換されていても良いC1−C6アルキル基である、請求項1又は2記載の化合物又はその塩。
  4. 一般式(I)中、
    Xが、置換基としてC1−C6アルキル基を有していてもピロリジニル基、又は置換基としてハロゲン原子を有していても良いピペリジニル基であり;
    Yが、−C(R4)=C(R5)(R6)であり;
    4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、又はジメチルアミノメチル基である、請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
  5. 一般式(I)中、
    Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
    Yが、
    Figure 2017038838
    であり;
    2及びR3が、同一または相異なって、水素原子、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、置換基としてヒドロキシル基を有していても良いアゼチジニル基、ピロリジニル基又はピペリジニル基を形成してもよい、請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
  6. 一般式(I)中、
    Xが、ピロリジニル基、メチルピロリジニル基、ピペリジニル基、又はフルオロピペリジニル基であり;
    Yが、
    Figure 2017038838
    であり;
    1、Z2、Z3及びZ4が、同一または相異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ビニル基、メトキシ基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、メチル基、エチル基、ジメチルアミノ基、シクロプロピル基、又はフリル基であるか、或いはZ3とZ4が、それぞれが結合する炭素原子と一緒になってベンゼン環、ピリジン環、又はジオキソラン環を形成してもよく;
    Wが、-CH2-、酸素原子又は-NH-であり;
    nが、0であり;
    1が、アミノ基であり;
    2及びR3が、同一または相異なって、メトキシ基、メチル基、又はフェニル基であるか、或いはR2とR3が、これらが結合する窒素原子と一緒になって、ヒドロキシアゼチジニル基、ピロリジニル基、又はピペリジニル基を形成してもよい、請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
  7. 化合物が次の(1)〜(20)から選択されるものであって、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
    (1)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (2)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (3)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (4)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (5)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)ナフタレン−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (6)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (7)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (8)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (9)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (10)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (11)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(3−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (12)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (13)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2,3−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (14)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−3−フルオロ−2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (15)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−(ジフルオロメトキシ)−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (16)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−(フルオロメトキシ)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (17)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−ブロモ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (18)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−5−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (19)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(5−クロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)−2−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド、
    (20)(R)−1−(1−アクリロイルピペリジン−3−イル)−4−アミノ−N−(2,5−ジクロロ−4−(2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル)フェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−3−カルボキサミド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩を有効成分とするHER2阻害剤。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩を含有する医薬組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
  11. HER2阻害剤を製造するための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩の使用。
  12. 医薬組成物を製造するための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩の使用。
  13. 抗腫瘍剤を製造するための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩の使用。
  14. HER2阻害に使用するための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
  15. 医薬として使用するための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
  16. 抗腫瘍剤として使用するための請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩。
  17. HER2阻害方法であって、それを必要とする対象に、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩の有効量と投与することを含む、方法。
  18. 腫瘍の予防及び/又は治療方法であって、それを必要とする対象に、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物又はその塩の有効量と投与することを含む、方法。
JP2017513832A 2015-09-01 2016-08-31 新規なピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物又はその塩 Active JP6141568B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015172354 2015-09-01
JP2015172354 2015-09-01
PCT/JP2016/075380 WO2017038838A1 (ja) 2015-09-01 2016-08-31 新規なピラゾロ[3,4-d]ピリミジン化合物又はその塩

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6141568B1 JP6141568B1 (ja) 2017-06-07
JPWO2017038838A1 true JPWO2017038838A1 (ja) 2017-08-31

Family

ID=58188946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017513832A Active JP6141568B1 (ja) 2015-09-01 2016-08-31 新規なピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物又はその塩

Country Status (20)

Country Link
US (2) US9920060B2 (ja)
EP (1) EP3345907B1 (ja)
JP (1) JP6141568B1 (ja)
KR (1) KR102075886B1 (ja)
CN (1) CN108349981B (ja)
AU (1) AU2016317521B2 (ja)
BR (1) BR112018004175B8 (ja)
CA (1) CA2997051C (ja)
DK (1) DK3345907T3 (ja)
ES (1) ES2799520T3 (ja)
HK (1) HK1257146A1 (ja)
MX (1) MX2018002520A (ja)
MY (1) MY191938A (ja)
PH (1) PH12018500437B1 (ja)
PL (1) PL3345907T3 (ja)
PT (1) PT3345907T (ja)
RU (1) RU2705579C2 (ja)
SG (1) SG11201801365YA (ja)
TW (1) TWI659957B (ja)
WO (1) WO2017038838A1 (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3092254A4 (en) 2014-01-10 2017-09-20 Birdie Biopharmaceuticals Inc. Compounds and compositions for treating her2 positive tumors
MA41559A (fr) 2015-09-08 2017-12-26 Taiho Pharmaceutical Co Ltd Composé de pyrimidine condensé ou un sel de celui-ci
CN106943597A (zh) 2016-01-07 2017-07-14 博笛生物科技(北京)有限公司 用于治疗肿瘤的抗-egfr组合
IL261107B2 (en) * 2016-02-23 2023-11-01 Taiho Pharmaceutical Co Ltd A novel compressed pyrimidine compound or a salt thereof
US11696917B2 (en) 2017-02-28 2023-07-11 Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. Agent enhancing antitumor effect using pyrazolo[3,4-d]pyrimidine compound
CN108794467A (zh) 2017-04-27 2018-11-13 博笛生物科技有限公司 2-氨基-喹啉衍生物
CN106967303A (zh) * 2017-05-02 2017-07-21 杭州福莱蒽特精细化工有限公司 一种艳色兰偶氮染料及其制备方法和应用
EP3845537A4 (en) * 2018-08-29 2022-05-11 Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. PYRAZOLO[3,4-D]PYRIMIDINE CRYSTAL
WO2020045461A1 (ja) 2018-08-29 2020-03-05 大鵬薬品工業株式会社 ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン化合物を有効成分とする治療剤
PT3909584T (pt) * 2019-01-11 2024-01-12 Taiho Pharmaceutical Co Ltd Composto de pirimidina ou um seu sal
CN113336760B (zh) * 2020-02-18 2022-11-04 深圳市塔吉瑞生物医药有限公司 取代的酰胺衍生物及其组合物及用途
CN111440138A (zh) * 2020-04-30 2020-07-24 中国林业科学研究院林产化学工业研究所 具有hdac抑制和抗肿瘤活性的新型漆酚基异羟肟酸衍生物的合成方法
AU2021307245B2 (en) * 2020-07-15 2024-02-29 Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. Crystal of pyrimidine compound
JP7373664B2 (ja) * 2020-07-15 2023-11-02 大鵬薬品工業株式会社 腫瘍の治療に使用されるピリミジン化合物を含む組み合わせ
AU2021309779B2 (en) 2020-07-15 2024-06-27 Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. EGFR inhibitor
CA3196712A1 (en) 2020-09-23 2022-03-31 Scorpion Therapeutics, Inc. Pyrrolo[3,2-c]pyridin-4-one derivatives useful in the treatment of cancer
WO2022072645A2 (en) 2020-09-30 2022-04-07 Scorpion Therapeutics, Inc. Methods for treating cancer
WO2022072634A1 (en) 2020-09-30 2022-04-07 Scorpion Therapeutics, Inc. Bicyclic compounds for use in the treatment cancer
WO2022072632A1 (en) 2020-09-30 2022-04-07 Scorpion Therapeutics, Inc. Bicyclic compounds for use in the treatment cancer
WO2022076304A1 (en) * 2020-10-05 2022-04-14 Dana-Farber Cancer Institute, Inc. Potent and selective inhibitors of her2
AU2021358596A1 (en) 2020-10-09 2023-05-25 Scorpion Therapeutics, Inc. Heterocyclic inhibitors of egfr and/or her2, for use in the treatment of cancer
WO2022094271A1 (en) 2020-10-30 2022-05-05 Scorpion Therapeutics, Inc. Methods for treating cancer
WO2022098992A1 (en) 2020-11-05 2022-05-12 Scorpion Therapeutics, Inc. Use of macrocyclic compounds in methods of treating cancer
WO2022197913A1 (en) 2021-03-18 2022-09-22 Scorpion Therapeutics, Inc. Bicyclic derivatives which can be used to treat cancer
AU2023212271A1 (en) * 2022-01-25 2024-07-25 KSQ Therapeutics, Inc. Ubiquitin-specific-processing protease 1 (usp1) inhibitors for the treatment of solid tumors
WO2023173083A1 (en) 2022-03-11 2023-09-14 Scorpion Therapeutics, Inc. Tetrahydroindole derivatives as egfr and/or her2 inhibtors useful for the treatment of cancer
CN114736207B (zh) * 2022-04-28 2023-03-31 武汉九州钰民医药科技有限公司 一种小分子her2抑制剂的制备工艺

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MXPA05013628A (es) * 2003-06-27 2006-02-24 Pfizer Prod Inc Pirazolo[3,4-b]piridin-6-onas como inhibidores de gsk-3.
AR054816A1 (es) * 2005-07-13 2007-07-18 Banyu Pharma Co Ltd Derivados de n-dihidroxialquil 2-oxo- imidazol sustituidos
CN101336244B (zh) 2005-12-08 2011-11-30 雅培制药有限公司 用作蛋白激酶抑制剂的9元杂二环化合物
CN101007814A (zh) * 2006-01-27 2007-08-01 上海恒瑞医药有限公司 吡咯并六元杂环化合物及其在医药上的用途
PE20080695A1 (es) * 2006-04-27 2008-06-28 Banyu Pharma Co Ltd Derivados de dihidropirazolopirimidinona como inhibidores de quinasa weel
CA2681756C (en) * 2007-03-28 2015-02-24 Pharmacyclics, Inc. Inhibitors of bruton's tyrosine kinase
SI2710005T1 (sl) * 2011-05-17 2017-03-31 Principia Biopharma Inc. Zaviralci tirozinske kinaze
EP2731612A4 (en) * 2011-07-13 2015-04-08 Pharmacyclics Inc BRUTON TYROSINE KINASE HEMMER
EP2657233B1 (en) 2012-01-19 2014-08-27 Taiho Pharmaceutical Co., Ltd. 3,5-disubstituted alkynylbenzene compound and salt thereof
CN105452257B (zh) * 2013-08-12 2017-09-05 大鹏药品工业株式会社 新型稠合嘧啶化合物或其盐
CA2920534A1 (en) * 2013-08-12 2015-02-19 Pharmacyclics Llc Methods for the treatment of her2 amplified cancer

Also Published As

Publication number Publication date
BR112018004175B1 (pt) 2023-07-25
TW201718592A (zh) 2017-06-01
JP6141568B1 (ja) 2017-06-07
US20180201615A1 (en) 2018-07-19
CN108349981A (zh) 2018-07-31
RU2018111439A3 (ja) 2019-10-02
US10329300B2 (en) 2019-06-25
MX2018002520A (es) 2019-02-07
BR112018004175A2 (ja) 2018-09-25
KR20180041757A (ko) 2018-04-24
ES2799520T3 (es) 2020-12-18
PH12018500437A1 (en) 2018-08-29
SG11201801365YA (en) 2018-03-28
BR112018004175B8 (pt) 2023-10-31
DK3345907T3 (da) 2020-06-22
RU2705579C2 (ru) 2019-11-08
AU2016317521B2 (en) 2019-02-14
PH12018500437B1 (en) 2018-08-29
US20170217970A1 (en) 2017-08-03
WO2017038838A1 (ja) 2017-03-09
RU2018111439A (ru) 2019-10-02
CN108349981B (zh) 2021-03-30
EP3345907B1 (en) 2020-04-22
PT3345907T (pt) 2020-06-23
AU2016317521A1 (en) 2018-03-29
PL3345907T3 (pl) 2020-09-07
CA2997051C (en) 2020-03-24
MY191938A (en) 2022-07-19
EP3345907A4 (en) 2019-03-20
EP3345907A1 (en) 2018-07-11
HK1257146A1 (zh) 2019-10-11
KR102075886B1 (ko) 2020-02-11
CA2997051A1 (en) 2017-03-09
TWI659957B (zh) 2019-05-21
US9920060B2 (en) 2018-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6141568B1 (ja) 新規なピラゾロ[3,4−d]ピリミジン化合物又はその塩
JP6035423B2 (ja) 新規な縮合ピリミジン化合物又はその塩
US10800741B2 (en) Quinoline compound, preparation method and medical use therefor
KR102388312B1 (ko) 아미노피리미딘 화합물, 이의 제조방법 및 용도
JP6704422B2 (ja) キナゾリン誘導体の塩およびその製造方法
CN106488918B (zh) 三唑并嘧啶酮或三唑并吡啶酮衍生物及其用途
WO2018159613A1 (ja) ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン化合物を用いた抗腫瘍効果増強剤
CN1854130B (zh) 喹唑啉衍生物、及其制法和药物组合物与用途
CN113768935B (zh) 免疫疾病的预防剂和/或治疗剂
RU2799006C2 (ru) СРЕДСТВО, УСИЛИВАЮЩЕЕ ПРОТИВООПУХОЛЕВОЕ ДЕЙСТВИЕ С ПРИМЕНЕНИЕМ СОЕДИНЕНИЯ ПИРАЗОЛО[3,4-d]ПИРИМИДИНА
WO2023046114A1 (zh) 蝶啶酮衍生物及其应用
CN114787162B (zh) 取代的咪唑并喹喔啉化合物及其应用
WO2021209039A1 (zh) 一种喹唑啉类化合物、制备方法及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170316

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170316

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170316

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6141568

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250